特許第6499068号(P6499068)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6499068熱電供給装置の制御装置、熱電供給システム、熱電供給装置の制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6499068
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】熱電供給装置の制御装置、熱電供給システム、熱電供給装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/00 20060101AFI20190401BHJP
【FI】
   F24H1/00 631A
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-249000(P2015-249000)
(22)【出願日】2015年12月21日
(65)【公開番号】特開2017-116128(P2017-116128A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2018年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伴野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 崇之
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−027376(JP,A)
【文献】 特開2015−152292(JP,A)
【文献】 特開2009−168275(JP,A)
【文献】 特開2006−283622(JP,A)
【文献】 特開2004−257625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
H01M 8/00
H01M 8/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電ユニット及び前記発電ユニットが発電することにより発生した熱を利用して給湯する貯湯ユニットを含み、前記貯湯ユニット内の温度が予め定めた温度に達した場合に発電を停止する熱電供給装置が設置された設置場所における、給湯負荷及び電力負荷を含む負荷の過去の履歴を表す負荷履歴情報を取得する取得部と、
前記負荷履歴情報に基づいて、将来の予め定めた第1の期間の前記負荷の需要を予測する需要予測部と、
前記需要予測部により予測された前記負荷の需要を表す予測需要情報に基づいて、前記設置場所における将来の予め定めた第2の期間の光熱費が最小となる前記発電ユニットの発電期間を設定する設定部と、
前記予測需要情報、前記発電期間、及び前記光熱費が表示部に表示されるように制御する制御部と、
前記負荷の時間帯及び大きさの少なくとも一方の変更を受け付ける受付部と、
変更された前記負荷の時間帯及び大きさの少なくとも一方に基づいて、前記設置場所における前記第2の期間の光熱費が最小となる前記発電ユニットの発電期間を再設定する再設定部と、
を含む熱電供給装置の制御装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記給湯負荷の時間帯の変更を受け付け、
前記再設定部は、変更された前記給湯負荷の時間帯に基づいて、前記設置場所における前記第2の期間の光熱費が最小となる前記発電ユニットの発電期間を再設定する
請求項1記載の熱電供給装置の制御装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記給湯負荷の時間帯の変更範囲の設定を受け付け、
前記再設定部は、設定された前記給湯負荷の時間帯の変更範囲内において、前記設置場所における前記第2の期間の光熱費が最小となる前記給湯負荷の時間帯及び前記発電ユニットの発電期間を算出し、
前記制御部は、前記設置場所における前記第2の期間の光熱費が最小となる前記給湯負荷の時間帯及び前記発電ユニットの発電期間が前記表示部に表示されるように制御する
請求項1記載の熱電供給装置の制御装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記給湯負荷の時間帯を複数の時間帯に分割する変更を受け付ける
請求項1〜3の何れか1項に熱電供給装置の制御装置。
【請求項5】
前記発電ユニットは、ガスから発生させた水素を燃料として発電する燃料電池を含む燃料電池ユニットである
請求項1〜4の何れか1項記載の熱電供給装置の制御装置。
【請求項6】
発電ユニット及び前記発電ユニットが発電することにより発生した熱を利用して給湯する貯湯ユニットを含み、前記貯湯ユニット内の温度が予め定めた温度に達した場合に発電を停止する熱電供給装置と、
請求項1〜5の何れか1項記載の制御装置と、
前記予測需要情報及び前記発電期間を表示する表示部と、
を含む熱電供給システム。
【請求項7】
取得部が、発電ユニット及び前記発電ユニットが発電することにより発生した熱を利用して給湯する貯湯ユニットを含み、前記貯湯ユニット内の温度が予め定めた温度に達した場合に発電を停止する熱電供給装置が設置された設置場所における、給湯負荷及び電力負荷を含む負荷の過去の履歴を表す負荷履歴情報を取得し、
需要予測部が、前記負荷履歴情報に基づいて、将来の予め定めた第1の期間の前記負荷の需要を予測し、
設定部が、前記需要予測部により予測された前記負荷の需要を表す予測需要情報に基づいて、前記設置場所における将来の予め定めた第2の期間の光熱費が最小となる前記発電ユニットの発電期間を設定し、
制御部が、前記予測需要情報、前記発電期間、及び前記光熱費が表示部に表示されるように制御し、
受付部が、前記負荷の時間帯及び大きさの少なくとも一方の変更を受け付け、
再設定部が、変更された前記負荷の時間帯及び大きさの少なくとも一方に基づいて、前記設置場所における前記第2の期間の光熱費が最小となる前記発電ユニットの発電期間を再設定する
熱電供給装置の制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1〜5の何れか1項に記載の制御装置の各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電供給装置の制御装置、熱電供給システム、熱電供給装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発電をしながら、発電時に出る排熱も利用することでエネルギー効率を高めることが可能な熱電供給システム、すなわちコージェネレーションシステムが知られている。このコージェネレーションシステムの中でも、発電の仕組として燃料電池を用いる燃料電池コージェネレーションシステム(以下、燃料電池システムと称する)が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
燃料電池システムでは、例えばガスから熱と電気を生成する。生成された電力は例えば家庭の電気機器等で消費されるが、生成された熱に関しては、燃料電池システム内で熱交換することにより、お湯として貯湯ユニットに貯められ、例えば家庭の風呂等で給湯として使用される。
【0004】
燃料電池システムは、発電を行う発電ユニット及びお湯として蓄熱するタンクを有する貯湯ユニットの2つのユニットを含んで構成される。発電が長時間継続されることで貯湯ユニットのタンク内温度が過度に高くなると、燃料電池システム内で熱交換を行うことができず、燃料電池システム内の温度が上昇することにより耐久性等に悪影響を与える可能性があるという問題がある。
【0005】
この問題を解決するため、燃料電池システムでは、ラジエターを搭載しタンクに蓄熱した熱を放出しながら連続的に発電を行う第1の制御又はラジエターを搭載せずタンク内の温度が一定温度に達した場合は発電を停止する第2の制御を行うのが一般的である。
【0006】
第2の制御を行う燃料電池システムでは、給湯負荷の大きさや給湯時間帯により燃料電池システムが発電する発電期間が変化する。また、発電された電力の大きさによって熱回収効率も異なるため、発電期間は発電された電力の大きさにも依存する。このため、第2の制御を行う燃料電池システムでは、給湯負荷や電力負荷の需要(以下、給湯需要や電力需要と称する場合がある)を予め予測し、予測した需要に対して効率的に稼働できる発電期間を設定する。
【0007】
電力需要や給湯需要の大きさや時間帯が異なれば、1日の総和では電力需要及び給湯需要が同じであっても、燃料電池システムで消費されるガスの量や発電電力、購入電力、及び光熱費は大きく変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2015−81740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ユーザーは電力需要の大きさや給湯需要がどの時間帯であれば、従来よりも光熱費を抑えることができるかを知ることはできない。また、燃料電池システムが予測した電力需要や給湯需要に対して実際に使用する電力需要や給湯需要の大きさや時間帯が異なると、想定よりも早く熱を回収して燃料電池システムが停止してしまうことにより光熱費が上昇してしまう可能性もある。
【0010】
そこで、本発明は、ユーザーが望む光熱費となるように、予測した電力負荷及び給湯負荷の少なくとも一方の時間帯及び大きさの少なくとも一方を選択することができる熱電供給装置の制御装置、熱電供給システム、熱電供給装置の制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の熱電供給装置の制御装置は、発電ユニット及び前記発電ユニットが発電することにより発生した熱を利用して給湯する貯湯ユニットを含み、前記貯湯ユニット内の温度が予め定めた温度に達した場合に発電を停止する熱電供給装置が設置された設置場所における、給湯負荷及び電力負荷を含む負荷の過去の履歴を表す負荷履歴情報を取得する取得部と、前記負荷履歴情報に基づいて、将来の予め定めた第1の期間の前記負荷の需要を予測する需要予測部と、前記需要予測部により予測された前記負荷の需要を表す予測需要情報に基づいて、前記設置場所における将来の予め定めた第2の期間の光熱費が最小となる前記発電ユニットの発電期間を設定する設定部と、前記予測需要情報、前記発電期間、及び前記光熱費が表示部に表示されるように制御する制御部と、前記負荷の時間帯及び大きさの少なくとも一方の変更を受け付ける受付部と、変更された前記負荷の時間帯及び大きさの少なくとも一方に基づいて、前記設置場所における前記第2の期間の光熱費が最小となる前記発電ユニットの発電期間を再設定する再設定部と、を含んで構成されている。
【0012】
本発明の熱電供給装置の制御方法は、取得部が、発電ユニット及び前記発電ユニットが発電することにより発生した熱を利用して給湯する貯湯ユニットを含み、前記貯湯ユニット内の温度が予め定めた温度に達した場合に発電を停止する熱電供給装置が設置された設置場所における、給湯負荷及び電力負荷を含む負荷の過去の履歴を表す負荷履歴情報を取得し、需要予測部が、前記負荷履歴情報に基づいて、将来の予め定めた第1の期間の前記負荷の需要を予測し、設定部が、前記需要予測部により予測された前記負荷の需要を表す予測需要情報に基づいて、前記設置場所における将来の予め定めた第2の期間の光熱費が最小となる前記発電ユニットの発電期間を設定し、制御部が、前記予測需要情報、前記発電期間、及び前記光熱費が表示部に表示されるように制御し、受付部が、前記負荷の時間帯及び大きさの少なくとも一方の変更を受け付け、再設定部が、変更された前記負荷の時間帯及び大きさの少なくとも一方に基づいて、前記設置場所における前記第2の期間の光熱費が最小となる前記発電ユニットの発電期間を再設定する。
【0013】
本発明のプログラムは、コンピュータを、請求項1〜5の何れか1項に記載の制御装置の各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザーが望む光熱費となるように、予測した電力負荷及び給湯負荷の少なくとも一方の時間帯及び大きさの少なくとも一方を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る熱電供給システムの全体構成図である。
図2】第1実施形態に係る制御装置による制御ルーチンのフローチャートである。
図3】操作表示部に表示される画面の表示例を示す図である。
図4】操作表示部に表示される画面の表示例を示す図である。
図5】第2実施形態に係る制御装置による制御ルーチンのフローチャートである。
図6】操作表示部に表示される画面の表示例を示す図である。
図7】操作表示部に表示される画面の表示例を示す図である。
図8】操作表示部に表示される画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
【0017】
本発明の第1実施形態について説明する。
【0018】
図1に示されるように、本実施形態に係る熱電供給システム10は、熱電供給装置12、制御装置14、負荷履歴情報記憶部16、及び操作表示部18を備える。制御装置14は、熱電供給装置12、負荷履歴情報記憶部16、及び操作表示部18の各々と接続されている。
【0019】
熱電供給装置12は、発電ユニット12A及び貯湯ユニット12Bを含む。発電ユニット12Aは、本実施形態では一例として都市ガス等のガスから発生させた水素を燃料として発電する燃料電池を含む燃料電池ユニットである。なお、燃料電池に限らず、ガスエンジン等を用いた発電ユニットを用いても良い。発電ユニットによって発電された電力は、熱電供給装置12が設置された設置場所(家庭等)の各部へ供給される。
【0020】
貯湯ユニット12Bは、水が供給される図示しないタンクを備え、発電ユニット12Aが発電することにより発生した熱を利用してタンク内の水を温め、熱電供給装置12が設置された設置場所の各部へ給湯する。
【0021】
熱電供給装置12の設置場所における電力負荷の需要が、熱電供給装置12から供給される電力だけでは足りない場合は、購入した電力で不足分の電力を補う。
【0022】
また、熱電供給装置12の設置場所における給湯負荷の需要が、熱電供給装置12から供給される給湯だけでは足りない場合は、図示しないバックアップボイラーを稼働させて不足分の給湯を補う。
【0023】
なお、本実施形態に係る熱電供給装置12は、前述した第2の制御を行う。すなわち、熱電供給装置12は、ラジエターを搭載しておらず、タンク内の温度が一定温度に達した場合は発電を停止する。
【0024】
制御装置14は、CPU、後述する制御ルーチンのプログラムを記憶したROM、データ等を記憶するRAM、及びこれらを接続するバスを含んで構成されている。制御装置14は、負荷履歴情報記憶部16から取得した負荷履歴情報に基づいて、熱電供給装置12及び操作表示部18を制御する。
【0025】
この制御装置14をハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図1に示すように、制御装置14は、取得部20、需要予測部22、発電期間設定部24、及び制御部26を備えている。
【0026】
取得部20は、熱電供給装置12が設置された設置場所における、給湯負荷及び電力負荷を含む負荷の過去の履歴を表す負荷履歴情報を負荷履歴情報記憶部16から読み出して取得する。負荷履歴情報は、熱電供給装置12が設置された設置場所における過去の給湯負荷(W)及び電力負荷(W)の履歴を表す情報である。なお、負荷履歴情報は、少なくとも過去1年以上の履歴を含むことが好ましい。これは、四季によって給湯負荷及び電力負荷が異なるためである。
【0027】
需要予測部22は、取得部20が取得した負荷履歴情報に基づいて、将来の予め定めた期間の負荷の需要を予測し、予測需要情報として発電期間設定部24及び制御部26に出力する。なお、本実施形態では、将来の予め定めた期間として、1日の負荷の需要を予測する場合について説明する。従って、本実施形態における予測需要情報は、需要を予測する日の0時〜24時までの給湯負荷及び電力負荷を表す情報である。なお、需要を予測する期間は1日に限らず、1日より短くても良いし、1日より長くても良い。また、例えば1日の負荷の需要を予測する場合、過去の同じ日の負荷の平均値等を算出することにより負荷を予測することができるが、予測方法はこれに限られるものではない。
【0028】
発電期間設定部24は、需要予測部22により予測された負荷の需要を表す予測需要情報に基づいて、熱電供給装置12の設置場所における将来の予め定めた期間の光熱費が最小となる発電ユニット12Aの発電期間を設定する。光熱費は、給湯需要及び電力需要の時間帯及び大きさ並びに発電期間によって変化する。そこで、発電期間設定部24は、予測需要情報の給湯需要及び電力需要の通りに負荷が発生すると仮定して、複数の異なる発電期間で熱電供給装置12を稼働させた場合の光熱費を各々計算し、その中で将来の予め定めた期間の光熱費が最小となる発電期間を設定する。
【0029】
光熱費は、熱電供給装置12及び図示しないバックアップバーナーで使用されるガスの消費量、熱電供給装置12の設置場所において使用される電力の消費量、熱電供給装置12から供給される電力だけでは足りない場合に購入した電力の消費量、水道量(お湯使用量)等に基づいて算出され、予め定めた計算式を用いて計算される。なお、光熱費は、一例としてガス代、購入電力代、及び水道代の合計である。
【0030】
なお、発電期間を設定することにより、必然的に発電ユニット12Aの停止期間も設定されることとなる。設定された発電期間は、制御部26に出力される。
【0031】
制御部26は、需要予測部22により予測された予測需要情報及び発電期間設定部24により設定された発電期間が操作表示部18に表示されるように制御する。操作表示部18は、例えばタッチパネル等で構成される。
【0032】
また、制御部26は、ユーザーが操作表示部18を操作することにより負荷の時間帯及び大きさの少なくとも一方の変更を指示した場合に、その指示内容を受け付ける。なお、操作表示部18は、例えば熱電供給装置12が設置された家庭内等に設置される。また、本実施の形態では、一例として給湯負荷の時間帯の変更を受け付ける場合について説明する。ユーザーの指示により変更された時間帯は、発電期間設定部24に出力される。
【0033】
発電期間設定部24は、変更された給湯負荷の時間帯に基づいて、熱電供給装置12が設置された設置場所における将来の予め定めた期間の光熱費が最小となる発電ユニット12Aの発電期間を再設定して制御部26に出力する。
【0034】
なお、操作表示部18は、本発明における表示部の一例である。また、発電期間設定部24は、本発明における設定部及び再設定部の一例である。また、制御部26は、本発明における受付部の一例である。
【0035】
次に、本実施形態に係る制御装置14の動作について説明する。
【0036】
ユーザーが操作表示部18を操作して、予測した給湯負荷及び電力負荷を表示させるよう指示すると、制御装置14は、図2に示す制御ルーチンを実行する。
【0037】
まず、ステップS100では、取得部20が、熱電供給装置12が設置された設置場所における、給湯負荷及び電力負荷を含む負荷の過去の履歴を表す負荷履歴情報を負荷履歴情報記憶部16から読み出して取得する。なお、負荷履歴情報は、ネットワークを介して図示しないサーバから取得するようにしてもよい。
【0038】
ステップS102では、需要予測部22が、取得部20が取得した負荷履歴情報に基づいて、将来の予め定めた第1の期間(本実施形態では一例として1日)の給湯負荷及び電力負荷の需要を予測し、予測需要情報として発電期間設定部24及び制御部26に出力する。
【0039】
ステップS104では、発電期間設定部24が、需要予測部22により予測された負荷の需要を表す予測需要情報に基づいて、熱電供給装置12の設置場所における将来の予め定めた第2の期間の光熱費(本実施形態では一例として1日の光熱費)が最小となる発電ユニット12Aの発電期間を設定する。すなわち、発電期間設定部24は、給湯需要及び電力需要が予測需要情報の通りであると仮定して、複数の異なる発電期間で熱電供給装置12を稼働させた場合の1日の光熱費を各々計算し、その中で1日の光熱費が最小となる発電期間を設定する。
【0040】
ステップS106では、制御部26が、ステップS102で予測された予測需要情報、ステップS104で設定された発電期間、及びステップS104で算出された光熱費が操作表示部18に表示されるように制御する。
【0041】
図3には、予測需要情報及び発電期間の表示例を示した。図3の例では、操作表示部18には、予測需要情報として、需要を予測する日の0時〜24時までの給湯負荷が棒グラフ30で表示され、電力負荷が折れ線グラフ32で表示されている。また、発電期間34が表示されている。図3の例では、発電期間は11時〜23時である。また、操作表示部18の右側には、ステップS104で算出された光熱費36が表示される。図3の例では、ガス代が100円、購入電力代が120円、水道代が130円となっており、これらの合計である光熱費は350円/日となっている。
【0042】
ここで、ユーザーは、操作表示部18を参照し、予測した給湯負荷に時間帯を変更する操作が可能である。例えば図4に示すように、23時頃に発生すると予測された給湯負荷30Aを矢印A方向にドラッグすることにより24時頃に変更する操作をすることができる。また、時間帯を変更したい給湯負荷を表す棒グラフをタップすると給湯の時間帯を直接入力する入力欄を表示し、ユーザーによる直接入力により給湯負荷の時間帯を変更できるようにしてもよい。
【0043】
ユーザーが給湯負荷の時間帯を変更する操作を行った場合は、操作表示部18から操作内容が制御部26に通知される。
【0044】
ステップS108では、制御部26が、給湯負荷の時間帯の変更を受け付けたか否か、すなわち、ユーザーにより給湯負荷の時間帯を変更する操作が行われたことを操作表示部18から通知されたか否かを判定する。そして、給湯負荷の時間帯の変更を受け付けた場合はステップS110へ移行し、給湯負荷の時間帯の変更を受け付けていない場合はステップS114へ移行する。なお、給湯負荷の時間帯の変更を受け付けた場合は、変更された時間帯は、発電期間設定部24に出力される。
【0045】
ステップS110では、発電期間設定部24が、変更された給湯負荷の時間帯に基づいて、熱電供給装置12が設置された設置場所における1日の光熱費が最小となる発電ユニット12Aの発電期間を再設定して制御部26に出力する。すなわち、発電期間設定部24は、予測需要情報のうち給湯負荷の時間帯を変更し、変更された予測需要情報の通りに負荷が発生すると仮定して、複数の異なる発電期間で熱電供給装置12を稼働させた場合の1日の光熱費を各々計算し、その中で1日の光熱費が最小となる発電期間を設定する。
【0046】
ステップS112では、ステップS106と同様に、制御部26が、変更された予測需要情報及び発電期間設定部24により設定された発電期間が操作表示部18に表示されるように制御する。
【0047】
例えば図4に示すように、ユーザーが、23時頃に発生すると予測された給湯負荷30Aを矢印A方向にドラッグすることにより24時頃に変更する操作を行うと、ステップS110で発電期間が再設定され、再設定された発電期間が操作表示部18に表示される。図4の例では、発電期間34が11時〜24時に変更されている。図3と比較すると、発電期間が1時間延びている。また、ステップS110で再計算された光熱費38が操作表示部18の右側に表示される。
【0048】
図4の例では、ガス代が110円、購入電力代が100円、水道代が130円となっており、これらの合計である光熱費は350円/日となっている。図3と比較すると、ガス代が10円高くなっている。これは、発電期間が1時間延びているためである。しかしながら、発電期間が1時間延びることによって熱電供給装置12により電力が供給されることで購入電力が減ることにより、購入電力代が20円安くなっている。このため、合計では10円安くなっている。ここで、ユーザーは、光熱費を許容範囲内であると判断した場合は、OKボタン18Aをタップする。一方、再度給湯負荷の時間帯を変更したい場合は、給湯負荷の時間帯を変更するための操作、すなわち変更したい給湯負荷の棒グラフをタップする。
【0049】
そこで、ステップS114では、制御部26が、OKボタン18Aがタップされたか否かを判定し、OKボタン18Aがタップされた場合はステップS118へ移行し、OKボタン18Aがタップされていない場合はステップS116へ移行する。
【0050】
ステップS116では、制御部26が、給湯負荷の時間帯を変更するための操作が行われたか否かを判定し、給湯負荷の時間帯を変更するための操作が行われた場合はステップS110へ移行し、給湯負荷の時間帯を変更するための操作が行われていない場合はステップS114へ移行する。
【0051】
ステップS118では、制御部26が、設定された発電期間を発電ユニット12Aに出力する。これにより、発電ユニット12Aは、制御部26から通知された発電期間で発電する。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係る熱電供給システム10によれば、予測した給湯負荷の時間帯をユーザーが変更することができると共に、変更した給湯負荷の時間帯に基づいて1日の光熱費が最小となる発電期間が再設定される。これにより、ユーザーが望む光熱費となるように、給湯負荷の時間帯を選択することができる。
【0053】
なお、本実施形態では、ユーザーが給湯負荷の時間帯を変更できる場合について説明したが、電力負荷の時間帯を変更できるようにしてもよい。また、給湯負荷の大きさを変更できるようにしてもよいし、電力負荷の大きさを変更できるようにしてもよい。例えば電力負荷の最大出力が700Wの場合に、最大出力を500Wに低下させる変更を受け付けることができれば、災害時や停電時に熱電供給システム10の稼働時間を延ばすことが可能となる。
【0054】
また、給湯負荷の時間帯を複数の時間帯に分割する変更を受け付けることができるようにしてもよい。これにより、給湯負荷の変更の自由度が高まり、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0055】
(第2実施形態)
【0056】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、ユーザーが給湯負荷の時間帯を所望の時間帯に変更するのではなく、給湯負荷の時間帯の変更範囲を設定することができ、ユーザーが設定した給湯負荷の時間帯の変更範囲内において将来の予め定めた第2の期間の光熱費(本実施形態では一例として1日の光熱費)が最小となる給湯負荷の時間帯及び発電ユニットの発電期間を算出してユーザーに提示する形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0057】
本実施形態に係る熱電供給システムは、第1実施形態で説明した図1に示す熱電供給システム10と同一であるので説明は省略する。
【0058】
次に、本実施形態に係る制御装置14の動作について説明する。
【0059】
ユーザーが操作表示部18を操作して、予測した給湯負荷及び電力負荷を表示させるよう指示すると、制御装置14は、図5に示す制御ルーチンを実行する。なお、図2の制御ルーチンと異なる処理を実行するステップについては、符号の末尾に「A」を付している。
【0060】
図5に示すステップS100〜S106は、図2に示す制御ルーチンと同一であるので、説明は省略する。
【0061】
ステップS106の処理の後、図6に示すように予測需要情報等が操作表示部18に表示されると、ユーザーは、予測された給湯負荷のうち、給湯負荷の時間帯の変更範囲を設定する給湯負荷を選択し、選択した給湯需要の時間帯の変更範囲を設定する操作が可能である。
【0062】
例えば図6に示すように、22時頃に発生すると予測された給湯負荷30Aをタップ(選択)すると、図7に示すように、給湯負荷の時間帯の変更範囲を設定するための設定ウィンドウ40が操作表示部18に表示される。ここでユーザーは、給湯需要の時間帯の変更範囲を入力する。図7の例では、変更範囲が22時〜24時に設定された場合を示した。ユーザーが給湯負荷の時間帯を変更する操作を行った場合は、操作表示部18から操作内容が制御部26に通知される。
【0063】
ステップS108Aでは、制御部26が、給湯負荷の時間帯の変更範囲の設定を受け付けたか否か、すなわち、ユーザーにより給湯負荷の時間帯の変更範囲を設定する操作が行われたことを操作表示部18から通知されたか否かを判定する。そして、給湯負荷の時間帯の変更範囲の設定を受け付けた場合はステップS110Aへ移行し、給湯負荷の時間帯の変更範囲の設定を受け付けていない場合はステップS114へ移行する。なお、給湯負荷の時間帯の変更範囲の設定を受け付けた場合は、設定された変更範囲は、発電期間設定部24に出力される。
【0064】
ステップS110Aでは、発電期間設定部24が、ユーザーが選択した給湯負荷30Aの大きさが変更されない条件の下で、ユーザーが設定した給湯負荷の時間帯の変更範囲内において、熱電供給装置12が設置された設置場所における1日の光熱費が最小となる給湯負荷の時間帯及び発電ユニット12Aの発電期間を再設定して制御部26に出力する。すなわち、発電期間設定部24は、設定された変更範囲内で複数の異なる給湯負荷の時間帯及び複数の異なる発電期間の組み合わせで熱電供給装置12を稼働させた場合の1日の光熱費を各々算出し、その中で1日の光熱費が最小となる給湯負荷の時間帯及び発電期間を設定する。
【0065】
ステップS112では、制御部26が、変更された予測需要情報及び発電期間設定部24により設定された発電期間が操作表示部18に表示されるように制御する。すなわち、ステップS110Aで算出された給湯負荷の時間帯及び発電期間が操作表示部18に表示されるように制御する。図8には、ユーザーが給湯負荷の時間帯の変更範囲を22時〜24時に設定した場合に、元々22時頃に発生すると予測された給湯負荷30Aが、22時〜24時の範囲で1日の光熱費が最小となる24時頃に変更された場合を示した。なお、変更された給湯負荷の時間帯を、例えば「23時00分〜24時00分」等のように具体的な数値で表示するようにしてもよい。
【0066】
ステップS114では、制御部26が、OKボタン18Aがタップされたか否かを判定し、OKボタン18Aがタップされた場合はステップS118へ移行し、OKボタン18Aがタップされていない場合はステップS116Aへ移行する。
【0067】
ステップS116Aでは、制御部26が、給湯負荷の時間帯の変更範囲を変更するための操作が行われたか否かを判定し、給湯負荷の時間帯の変更範囲を変更するための操作が行われた場合はステップS110Aへ移行し、給湯負荷の時間帯の変更範囲を変更するための操作が行われていない場合はステップS114へ移行する。
【0068】
ステップS118では、制御部26が、設定された発電期間を発電ユニット12Aに出力する。これにより、発電ユニット12Aは、制御部26から通知された発電期間で発電する。
【0069】
以上説明したように、本実施形態に係る熱電供給システム10によれば、予測した給湯負荷の時間帯の変更範囲をユーザーが設定することができ、その範囲内で1日の光熱費が最小となる給湯負荷の時間帯及び発電期間が設定される。これにより、ユーザーが設定した変更範囲内で1日の光熱費が最小となる給湯負荷の時間帯を容易に把握することができる。
【0070】
なお、上記各実施形態では、給湯負荷及び電力負荷の需要を予測する第1の期間と、光熱費を算出する第2の期間と、予測した給湯負荷及び電力負荷の需要と発電ユニット12Aの発電期間とを表示する期間、すなわち熱電供給装置12の運転スケジュールを表示する運転スケジュール表示期間と、が同じ場合(上記各実施形態では1日)について説明したが、これに限られない。
【0071】
例えば、需要予測期間として0〜24時の1日を設定した場合において、その直後、例えば25時頃に大きな給湯需要が有る場合は、25時頃に大きな給湯需要が無い場合と比較して、発電ユニット12Aの発電期間が長くなったりする等、発電ユニット12Aの発電期間の開始時間及び終了時間の少なくとも一方が異なる場合が多いと考えられる。
【0072】
そこで、例えば、給湯負荷及び電力負荷の需要を予測する第1の期間及び光熱費を算出する第2の期間を、運転スケジュール表示期間よりも長い期間、例えば、運転表示期間に予め定めた付加期間(例えば数時間)を加えた期間としてもよい。これにより、運転スケジュール表示期間の終了後の付加期間も含めて給湯負荷及び電力負荷の需要が予測され、予測された給湯負荷及び電力負荷の需要に基づいて、第2の期間において光熱費が最小となる発電ユニット12Aの発電期間が設定される。これにより、発電ユニット12Aの発電期間を精度良く設定することができる。
【0073】
また、第1の期間及び第2の期間の各々の終了側の予め定めた期間(例えば数時間)が、給湯負荷が無い期間となるように、第1の期間及び第2の期間を設定してもよい。これにより、発電ユニット12Aの発電期間を精度良く設定することができる。
【0074】
また、給湯負荷及び電力負荷の需要を予測する第1の期間と光熱費を算出する第2の期間とが異なっていても良い。例えば、光熱費を算出する第2の期間を運転スケジュール表示期間と同一としてもよい。
【0075】
なお、上記各実施形態において、操作表示部18を、スマートフォン、携帯電話、及びタブレット端末等の携帯端末で代用してもよい。この場合、携帯端末と制御装置14が直接無線通信できるようにしてもよいし、サーバを介して制御装置14と通信できるようにしてもよい。この場合、制御装置14及び負荷履歴情報記憶部16の少なくとも一方の機能をサーバに搭載してもよい。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0077】
10…熱電供給システム、12…熱電供給装置、12A…発電ユニット、12B…貯湯ユニット、14…制御装置、16…負荷履歴情報記憶部、18…操作表示部、20…取得部、22…需要予測部、24…発電期間設定部、26…制御部
図1
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図7
図8