特許第6499279号(P6499279)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6499279複数のノイズ源からの高調波ノイズの能動低減
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6499279
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】複数のノイズ源からの高調波ノイズの能動低減
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/178 20060101AFI20190401BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20190401BHJP
【FI】
   G10K11/178 110
   G10K11/178 130
   B60R11/02 S
【請求項の数】34
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-515715(P2017-515715)
(86)(22)【出願日】2015年8月19日
(65)【公表番号】特表2017-537335(P2017-537335A)
(43)【公表日】2017年12月14日
(86)【国際出願番号】US2015045823
(87)【国際公開番号】WO2016048489
(87)【国際公開日】20160331
【審査請求日】2017年5月18日
(31)【優先権主張番号】14/494,852
(32)【優先日】2014年9月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591009509
【氏名又は名称】ボーズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アラガナンダン・ガネシュクマール
(72)【発明者】
【氏名】デニス・ディー・クルーグ
【審査官】 大野 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−213755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/178
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のスピーカに高調波ノイズとほぼ同じ周波数であり、実質的に正反対の位相の音を発生させることによって、複数のノイズ源によって生じた前記ノイズを低減するためのシステムであって、
各ノイズキャンセラが、低減されるべき前記ノイズに対応する周波数を有する出力正弦波を生成する高調波正弦波発生器、および1つまたは複数の変換器を駆動するのに使用されるノイズ低減信号を生成するために正弦波を使用し、その出力が前記ノイズ源によって生じたノイズを低減するように向けられている適応フィルタ、を備える、複数のノイズキャンセラと、
前記複数のノイズ源によって生じた前記ノイズの前記周波数を比較し、前記周波数の近接性に基づいて、前記適応フィルタのうちの1つまたは複数の動作を改変する重複検出器と
を備える、システム。
【請求項2】
前記重複検出器が、適応フィルタの1つまたは複数の可変パラメータの値を変更することによって前記適応フィルタのうちの1つまたは複数の動作を改変する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記可変パラメータが、前記適応フィルタの適応ステップサイズを含み、前記適応ステップサイズが、前記周波数の近接性が高いとき、減少される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記適応ステップサイズが、2つの入力信号周波数がおよそ一致するとき、約2分の1だけ減少される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記周波数の近接性と、前記適応フィルタの前記変更された可変パラメータの値との関係を記憶するコンピュータメモリをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の可変パラメータが、漏れパラメータを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記変換器の出力が、自動車両のキャビン中に向けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ノイズ源のうちの少なくとも1つが、回転装置を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ノイズ源が、車両エンジンと車両推進軸とを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ノイズキャンセラのうちの少なくとも1つが、1つまたは複数の前記変換器を駆動するのに使用されるノイズ低減信号を作り出し、変換器の出力は固定周波数におけるノイズを低減するように向けられるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記高調波正弦波発生器のうちの少なくとも1つが、コンピュータメモリから受け取った周波数値に基づいて出力正弦波を生成するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ノイズキャンセラのうちの少なくとも1つが、入力信号から高調波周波数を計算し、前記高調波周波数を、前記高調波正弦波発生器のうちの対応する1つに提供する高調波周波数コンピュータを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記ノイズキャンセラのうちの少なくとも1つが、1つまたは複数の前記変換器を駆動するのに使用されるノイズ低減信号を作り出し、変換器の出力は回転装置によって生じたノイズを低減するように向けられるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記ノイズ源のうちの少なくとも1つが、回転装置を備えない、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ノイズ源のうちの少なくとも1つが、回転装置を備えない、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
1つまたは複数のスピーカに高調波ノイズとほぼ同じ周波数であり、実質的に正反対の位相の音を発生させることによって自動車両の複数のノイズ源によって生じた前記ノイズを低減するためのシステムであって、
各ノイズキャンセラが、低減されるべき前記ノイズに対応する周波数を有する出力正弦波を生成する高調波正弦波発生器、および1つまたは複数の変換器を駆動するのに使用されるノイズ低減信号を生成するために正弦波を使用し、その出力が前記ノイズ源によって生じた車両キャビン内のノイズを低減するように向けられている適応フィルタ、を備える、複数のノイズキャンセラと、
前記複数のノイズ源によって生じた前記ノイズの前記周波数を比較し、前記ノイズの前記周波数の近接性に基づいて、前記適応フィルタのうちの1つまたは複数の動作を改変する重複検出器であって、前記適応フィルタの1つまたは複数の可変パラメータの値を変更することによって前記適応フィルタのうちの1つまたは複数の動作を改変し、前記可変パラメータが、前記適応フィルタの適応ステップサイズを含み、前記適応ステップサイズが、前記周波数の近接性が高いとき、減少される、重複検出器と、
前記周波数の近接性と、前記適応フィルタの前記変更された可変パラメータの値との関係を記憶するコンピュータメモリと
を備えるシステム。
【請求項17】
前記ノイズ源のうちの少なくとも1つが、回転装置を備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ノイズ源が、車両エンジンと車両推進軸とを備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ノイズキャンセラのうちの少なくとも1つが、1つまたは複数の前記変換器を駆動するのに使用されるノイズ低減信号を作り出し、変換器の出力は固定周波数における高調波ノイズを低減するように向けられるように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記ノイズキャンセラのうちの少なくとも1つが、コンピュータメモリから受け取った周波数値に基づいて前記固定周波数ノイズ低減信号を作り出すように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記ノイズキャンセラのうちの少なくとも1つが、入力信号から高調波周波数を計算し、前記高調波周波数を、前記高調波正弦波発生器のうちの対応する1つに提供する高調波周波数コンピュータを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記ノイズキャンセラのうちの少なくとも1つが、1つまたは複数の前記変換器を駆動するのに使用されるノイズ低減信号を作り出し、変換器の出力は回転装置によって生じたノイズを低減するように向けられるように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
前記ノイズ源のうちの少なくとも1つが、回転装置を備えない、請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
複数のノイズ源によって生じた高調波ノイズを低減するようになされた能動ノイズ低減システムを動作させるための方法であって、前記能動ノイズ低減システムが、前記ノイズ源のそれぞれに関連付けられた別々の適応フィルタを備え、前記適応フィルタが、それらの出力に影響するチューニングパラメータを有し、前記適応フィルタが、1つまたは複数の変換器を駆動するのに使用されるノイズ低減信号を出力し、前記変換器の出力は前記ノイズ源によって生じたノイズを低減するように向けられており、
前記複数のノイズ源によって生じた前記ノイズの周波数の近接性を決定するステップと、
前記ノイズ源によって生じた前記高調波ノイズの前記周波数の前記決定された近接性に基づいて、1つまたは複数の可変パラメータの値を変更するステップと
を含む、方法。
【請求項25】
前記周波数の近接性と、前記適応フィルタの前記変更された可変パラメータの値との関係をコンピュータメモリに記憶させるステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記可変パラメータが、前記適応フィルタの適応ステップサイズを含み、前記適応ステップサイズが、前記周波数の近接性が高いとき、減少される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記適応ステップサイズが、2つの入力信号周波数がおよそ一致するとき、約2分の1だけ減少される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記可変パラメータが、漏れパラメータを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記可変パラメータの値が、計算され、前記適応フィルタに提供される、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記周波数の近接性が、前記可変パラメータの値の計算に影響するように制御信号を提供する重複検出器によって決定される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記変換器の出力が、自動車両のキャビン中に向けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
前記ノイズ源のうちの少なくとも1つが、回転装置を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
前記ノイズ源が、車両エンジンと、車両推進軸とを備える、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
前記可変パラメータが、前記適応フィルタの適応ステップサイズを含み、前記適応ステップサイズが、前記周波数の近接性が高いとき、減少され、前記可変パラメータの値が、計算され、前記適応フィルタに提供され、前記周波数の近接性が、前記可変パラメータの値の計算に影響するように制御信号を提供する重複検出器によって決定され、前記周波数の近接性と、前記適応フィルタの前記変更された可変パラメータの値との関係をコンピュータメモリに記憶させるステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその内容が本明細書に組み込まれている、2013年3月25日に出願され、現在係争中の米国特許出願第13/849,856号の一部継続である。
【0002】
本開示は、2つ以上のノイズ源からの高調波ノイズの能動低減に関する。
【背景技術】
【0003】
エンジン高調波消去システムは、エンジン高調波ノイズを低減または消去するために、自動車両に、例えば、キャビンに、または消音器組立品に使用される適応フィードフォワードノイズ低減システムである。消去されるべき周波数における正弦波が適応フィルタへの入力として使用される。エンジン高調波消去システムは、1つまたは複数のマイクロフォンもエラー入力変換器として使用する。適応フィルタは、入力正弦波の振幅および/または位相を改変することができる。適応フィルタの出力は、消去されるべき望ましくないエンジン高調波と音響的に正反対である音を発生させる1つまたは複数の変換器(transducer)(すなわち、スピーカ)に加えられる。システムの目的は、すべてのエラーマイクロフォン入力信号における全エネルギーを適応的に最小限に抑えることにより、対象の周波数におけるノイズを消去することにある。そうするために、スピーカ出力は負の利得を有する。
【0004】
高調波ノイズ消去システムは、エンジン以外のノイズ源によって生じたノイズを消去または低減するのにも使用される。自動車両内のもう1つのノイズ源は、駆動軸(drive shaft)としても知られている推進軸(propeller shaft)である。エンジン回転を推進軸回転に伝達するのに歯車式変速が使用されるので、推進軸回転速度はエンジン回転速度に対して固定されない。したがって、エンジンおよび推進軸は、様々な周波数における車両キャビン内のノイズ源であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8,194,873号
【特許文献2】米国特許第8,204,242号
【特許文献3】米国特許第8,355,512号
【特許文献4】米国特許第8,306,240号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
エンジンおよび推進軸の両方からのノイズを消去するために、ノイズ低減システムが、2つのフィードフォワード適応フィルタを必要とする。消去される2つの周波数が一致するまたは接近しているとき、フィルタの安定余裕(stability margin)が損なわれることがある。これにより、フィルタアルゴリズムの逸脱の可能性が増大し、それによって、不快なおよび顕著なノイズアーチファクトの発生がもたらされ得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のシステムおよび方法は、消去される2つ以上の周波数が互いに接近し過ぎているとき、適応フィードフォワードノイズ低減システムによってもたらされ得る可聴アーチファクトを低減するのに効果的である。一例において、消去される周波数は、標的近接周波数である固定周波数、エンジン高調波および推進軸高調波を含むことができる。別の例において、消去される周波数は、複数のエンジン高調波(例えば、高調波が周波数においてより近接している低エンジン速度における)を含む。さらに別の例において、システムおよび方法は、4つ以上の発生源からの周波数を消去するように構成することができ、周波数は、とりわけ固定周波数、エンジン高調波、推進軸高調波、タイヤ高調波、車両電気モータを含むことができる。可聴アーチファクトの低減は、消去される周波数の近接性を決定し、近接性に基づいて、適応フィルタのうちの1つまたは複数の動作を改変することによって達成され得る。
【0008】
以下に述べるすべての例および特徴は、任意の技術的に可能なやり方で組み合わせることができる。
【0009】
一態様において、1つまたは複数のスピーカにノイズとほぼ同じ周波数であり、実質的に正反対の位相の音を発生させることによって複数のノイズ源によって生じた高調波ノイズを低減するためのシステムは、各ノイズキャンセラが、低減されるべきノイズに対応する周波数を有する出力正弦波を生成する高調波正弦波発生器、および正弦波を使用して1つまたは複数の変換器を駆動するのに使用されるノイズ低減信号を作り出し、変換器の出力はノイズ源によって生じたノイズを低減するように向けられる、適応フィルタを備える、複数のノイズキャンセラを含む。周波数を比較し、周波数の近接性に基づいて、適応フィルタのうちの1つまたは複数の動作を改変する重複検出器もある。
【0010】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つ、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。重複検出器は、適応フィルタの1つまたは複数の可変パラメータ(例えば、適応ステップサイズおよび/または漏れパラメータ)の値を変更することによって適応フィルタのうちの1つまたは複数の動作を改変することができる。可変パラメータは、適応フィルタの適応ステップサイズを含むことができ、その場合、ステップサイズは、周波数の近接性が高いとき、減少される。例えば、適応ステップサイズは、2つの入力信号周波数がおよそ一致するとき約2分の1だけ減少させることができる。システムは、周波数の近接性と、その結果生じる適応フィルタパラメータの値の変化との関係を記憶するコンピュータメモリも含むことができる。変換器の出力は、自動車両のキャビン中に向けられ得る。ノイズ源のうちの少なくとも1つは回転装置を含むことができる。ノイズ源は、車両エンジンおよび車両推進軸であり得る。ノイズキャンセラのうちの少なくとも1つは、1つまたは複数の変換器を駆動するのに使用されるノイズ低減信号を作り出し、変換器の出力は固定周波数におけるノイズを低減するように向けられるように構成することができる。場合により、高調波正弦波発生器のうちの少なくとも1つは、コンピュータメモリから受け取った固定周波数値に基づいて出力正弦波を生成するように構成される。ノイズキャンセラのうちの少なくとも1つは、入力信号から高調波周波数を計算し、高調波周波数を、高調波正弦波発生器のうちの対応する1つに提供する高調波周波数コンピュータを含むことができる。ノイズキャンセラのうちの少なくとも1つは、1つまたは複数の変換器を駆動するのに使用されるノイズ低減信号を作り出し、変換器の出力は回転装置によって生じたノイズを低減するように向けられるように構成することができる。場合により、ノイズ源のうちの少なくとも1つは回転装置を含まない。ノイズキャンセラのうちの少なくとも1つは、コンピュータメモリから受け取った周波数値に基づいて固定周波数ノイズ低減信号を作り出すように構成することができる。
【0011】
別の態様において、1つまたは複数のスピーカにノイズとほぼ同じ周波数であり、実質的に正反対の位相の音を発生させることによって、自動車両の複数のノイズ源によって生じた高調波ノイズを低減するためのシステムは、各ノイズキャンセラが、低減されるべきノイズに対応する周波数を有する出力正弦波を生成する高調波正弦波発生器、および正弦波を使用して1つまたは複数の変換器を駆動するのに使用されるノイズ低減信号を作り出し、変換器の出力はノイズ源によって生じた車両キャビン内のノイズを低減するように向けられている、適応フィルタを備える、複数のノイズキャンセラを含む。複数のノイズ源によって生じたノイズの周波数を比較し、複数のノイズ源によって生じたノイズの周波数の近接性に基づいて、適応フィルタのうちの1つまたは複数の動作(例えば、適応ステップサイズおよび/または漏れパラメータ)を改変する重複検出器があり、重複検出器が、適応フィルタの1つまたは複数の可変パラメータの値を変更することによって適応フィルタのうちの1つまたは複数の動作を改変し、可変パラメータが、適応フィルタの適応ステップサイズを含み、ステップサイズが、周波数の近接性が高いとき、減少される。コンピュータメモリが、周波数の近接性と、その結果生じる適応フィルタパラメータの値の変化との関係を記憶する。回転装置は、車両エンジンおよび車両推進軸であり得る。
【0012】
実施形態は、上記のおよび/または以下の特徴のうちの1つ、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0013】
さらに別の態様において、複数のノイズ源によって生じたノイズを低減するようになされる能動ノイズ低減システムを動作させるための方法であって、能動ノイズ低減システムが、ノイズ源のそれぞれに関連付けられた別々の適応フィルタを備え、適応フィルタが、それらの出力に影響するチューニングパラメータを有し、適応フィルタが、1つまたは複数の変換器を駆動するのに使用されるノイズ低減信号を出力し、変換器の出力はノイズ源によって生じたノイズを低減するように向けられている、方法は、複数のノイズ源によって生じたノイズの周波数の近接性を決定するステップと、複数のノイズ源によって生じた高調波ノイズの周波数の決定された近接性に基づいて1つまたは複数の可変パラメータの値を変更するステップとを含む。
【0014】
実施形態は、上記および/または以下の特徴のうちの1つ、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。方法は、周波数の近接性と、その結果生じる適応フィルタパラメータの値の変化との関係をコンピュータメモリに記憶させるステップを含むことができる。可変パラメータは、適応フィルタの適応ステップサイズを含むことができ、ステップサイズは、周波数の近接性が高いとき、減少させることができる。適応ステップサイズは、2つの入力信号周波数がおよそ一致するとき、約2分の1だけ減少させることができる。可変パラメータの値は、計算され、適応フィルタに提供され得る。周波数の近接性は、可変パラメータの値の計算に影響するように制御信号を提供する重複検出器によって決定され得る。変換器の出力は、自動車両のキャビン中に向けられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本イノベーションのシステム、デバイスおよび方法を達成するのに使用され得る高調波消去システムの概略的構成図である。
図2】車両キャビン内のノイズを示すグラフである。
図3】本イノベーションのシステム、デバイスおよび方法により固定周波数ノイズの消去を達成するのに使用され得る高調波消去システムの概略的構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面の図1の要素が構成図において個別要素として示され、説明される。これらは、アナログ回路またはデジタル回路の1つまたは複数として実現することができる。あるいは、またはさらに、それらはソフトウェア命令を実行する1つまたは複数のマイクロプロセッサを用いて実現することができる。ソフトウェア命令は、デジタル信号処理命令を含むことができる。動作はアナログ回路によって、またはアナログ動作の同等物を実施するソフトウェアを実行するマイクロプロセッサによって実施され得る。信号線は、個別アナログまたはデジタル信号線として、別々の信号を処理することができる適当な信号処理を用いる個別デジタル信号線として、多重化デジタル信号バスとして、および/またはワイヤレス通信システムの要素として、実現することができる。
【0017】
プロセスが構成図で表されまたは示されるとき、ステップは1つの要素または複数の要素によって実施され得る。ステップは一緒に、または様々な時間で実施することができる。動作を実施する要素は、物理的に同じであり、または相互に隣接し、または物理的に分離され得る。1つの要素は、1つより多くのブロックの動作を実施することができる。オーディオ信号は、符号化されてもよく、または符号化されなくてもよく、デジタルまたはアナログのいずれかの形態で伝送され得る。従来のオーディオ信号処理機器および動作は、場合によって図面から省かれる。
【0018】
図1は、開示される本イノベーションを具現化する高調波ノイズ消去システム10の簡略化された概略図である。システム10は、複数のノイズ源からの高調波ノイズを消去するための設計である。この非限定例において、システム10は、自動車両のキャビン内のエンジンノイズおよび推進軸ノイズの両方を消去するように設計される。しかし、システム10は、任意の2つ以上のノイズ源(例えば、2つ以上のモータなどの2つ以上の回転装置)から発する高調波ノイズを低減するのに使用することができる。システム10は、自動車両以外の位置において、および自動車両キャビン以外の容積において高調波ノイズを低減するのに使用することもできる。一非限定例として、システム10は、エンジン高調波、推進軸高調波および自動車両内の空調用コンプレッサによる高調波を消去するのに使用され得る。図1において、信号の流れは実線矢印で示され、制御信号は矢印の付いた破線/点線によって示される。
【0019】
この場合のシステム10は、2つの並列の高調波ノイズキャンセラを有する。すなわち、エンジンノイズキャンセラ44は、キャビン12内のエンジン高調波ノイズを低減または消去し、推進軸ノイズキャンセラ46は、キャビン12内の推進軸高調波ノイズを低減または消去する。各キャンセラは、適応フィルタを達成するのに使用されるデジタル信号プロセッサにおけるコンピュータコードとして実現することができる。この非限定例において、適応アルゴリズムは、Filtered-x適応アルゴリズムである。しかし、これは、当業者には明らかなように、他の適応アルゴリズムが使用され得るので、本イノベーションの限定ではない。
【0020】
各キャンセラ44および46は、入力RPMから消去されるべき調波周波数を計算する。すなわち、キャンセラ44は、エンジンRPMが入力される調波周波数コンピュータ24を有し、キャンセラ46は、推進軸RPMが入力される調波周波数コンピュータ31を有する。各キャンセラは、消去されるべき周波数における正弦波を生成する高調波正弦波発生器(それぞれ25および32)を有する。正弦波発生器25および32は、消去されるべきノイズ源(この場合、回転装置の対)からの入力に基づいて、計算された高調波周波数が入力される。適応フィルタ20および36は、それぞれ、出力変換器の出力を車両キャビン12中に向けさせる1つまたは複数の出力変換器14に変換器駆動信号を供給する。キャビン伝達関数16によって修正された、変換器の出力後の残留ノイズは、車両キャビン内のエンジンノイズおよび推進軸ノイズと組み合わされ、入力エラー変換器(例えば、マイクロフォン)18によってとらえられる。
【0021】
正弦波発生器25は、適応フィルタ20に、適応フィルタ20を使用して消去されるべきエンジン周波数の高調波を含むノイズ低減基準信号を提供する。本明細書で使用する「高調波」は、2分の1高調波または4分の1高調波を含むことができ、簡単のために基本周波数を含む。「x信号」と呼ばれる、正弦波発生器25の出力は、フィルタリングされたx信号を発生するために、モデル化されたキャビン伝達関数26にも提供される。フィルタリングされたx信号およびマイクロフォン出力信号は、互いに乗算27され、制御入力として適応フィルタ20に提供される。同様に、正弦波発生器32は、適応フィルタ36に、適応フィルタ36を使用して消去されるべき、推進軸周波数の高調波を含むノイズ低減基準信号を提供する。正弦波発生器32の出力は、フィルタリングされたx信号を発生するために、モデル化されたキャビン伝達関数33にも提供される。フィルタリングされたx信号およびマイクロフォン出力信号は、互いに乗算38され、制御入力として適応フィルタ36に提供される。適応フィードフォワード高調波ノイズ消去システムの動作は、当業者にはよく理解される。
【0022】
重複検出器42は、周波数コンピュータ24および31から制御信号として、消去されようとする調波周波数を取り込み、いつ周波数が安定余裕に影響するほど接近するのかを判定する。そうである場合、重複検出器42は、適応フィルタに適応アルゴリズムの1つまたは複数の変数の値を自動的に変更させる。Filtered-x適応アルゴリズムが使用される本事例においては、変更される変数は、適応ステップサイズおよび漏れパラメータのうちの一方または両方であり得る。適応アルゴリズムにおける適応ステップサイズおよび漏れは、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第8,194,873号、第8,204,242号、第8,355,512号、および第8,306,240号に開示されている。
【0023】
より一般に、システムの性能を単一のキャンセラを用いる性能に近づけることを保持するように安定余裕を維持する目的でろ過アルゴリズムのうちの1つまたは複数にシステムによって変更が加えられる。重複が起きたとき許容レベルに性能を維持することができる理由は、ただ1つだけではなく、複数のキャンセラが同じ周波数領域において働いているからである。概して、検出器は、複数の重複の程度を有することがあり、それぞれに対して、適当な適応アルゴリズムパラメータの所定の値から選択する能力を有することができる。
【0024】
一非限定例として、推進軸キャンセラが一次推進調波周波数を消去するように設定され、推進RPMが3000である場合、一次推進調波周波数は50Hz(1x3000/60)である。エンジンキャンセラが1.5次エンジン調波周波数を消去するように設定され、現在の歯車において、エンジンRPMが2000である場合、1.5次エンジン周波数は50Hz(1.5x2000/60)である。この例では、消去されるべき2つの周波数は、全く同じであり、したがって、両方の適応フィルタ20および36は、同じ消去周波数を発生する。エンジンおよび推進周波数が重複する程度は、歯車比によって異なる、または同じ歯車内では、周波数を重複させることもできるトルクコンバータのすべりを有することがある
【0025】
一般に、2つのキャンセラが同じ周波数で働くと、消去システムの適応ステップサイズが効果的に2倍になるので、消去がさらに効果的であることを意味する。しかし、適応ステップサイズが、より大きいと、伝達関数の変動に対して余裕がより小さくなってから、システムが不安定になり、場合により逸脱することを意味する。
【0026】
本イノベーションは、消去される2つの周波数が一致し、または互いに接近しているとき、消去アルゴリズム適応ステップサイズの増加を補償する。上記で説明したばかりの例において、自動的に適応ステップサイズを0.5だけ減少させることによって、元の単一のキャンセラ性能が維持され、したがって、元の安定余裕が取り戻される。
【0027】
現実の世界では各生産車が、構成要素の公差、温度変化、乗員/キャビン乗り降りなどにより元のチューニングをするのに使用された生産車とは、ばらつきを有するので、推定伝達関数に余裕を持たせることは有利であり得る。実際には、適応ステップサイズの低減は、厳密に0.5ではない可能性がある。より具体的には、1つまたは複数の調整可能フィルタパラメータは、最適な消去および安定余裕を維持するように実験的に選択することができる。これらのパラメータは、最善の妥協点を達成して重複状態を処理するために、チューニングの時点で実験的に決定することができる。ノイズ源位置などの他の状態は、最適条件が何であるかを決定する。また、キャンセラは、性能と安定余裕との適切なバランスを維持するのに必要なとき、漏れなどの、他の適応アルゴリズムパラメータを調整する能力を有することができる。Filtered-x適応アルゴリズム以外のアルゴリズムが適応フィルタに使用される場合、相互に効果がある他の変数は、元の単一のキャンセラの性能を維持する目標で同様に修正されるように選択することができ、したがって、元の安定余裕を取り戻すことができる。
【0028】
上記の例は、完全な重複がある理想化された場合のためのものである。より一般には、安定余裕は、周波数が接近しているとき失われ得る。したがって、重複検出器42は、2つ(またはそれ以上)の周波数の近接性に設定することができ、複数の周波数は、チューニング時点で実験的に決定される別の調整可能パラメータである。同様に、システムは、1つより多い重複の帯域を補償することができる。システムは重複の複数のレベルまで拡張することができ、それぞれは、選択されたフィルタパラメータへの独立した変更を有し、値は典型的には事前に経験的に決定され、次いでコンピュータメモリに記憶され、2つの周波数の近接性に基づいてシステムの動作中に読み出される。より一般に、本明細書に説明する例においては、適応ステップサイズの変更は、2つの周波数の近接性に応じて設定することができる。消去される周波数が2つより多いとき、すべての周波数の対ごとの比較が使用される。
【0029】
本イノベーションの1つの結果は、高調波消去システムが逸脱する可能性がより小さいことである。別の恩恵は、システム不安定性による検出可能なノイズアーチファクトが最小限に抑えられることである。
【0030】
本イノベーションが動作することができるやり方の理想化された非限定例は、自動車両キャビン内のエンジン高調波および推進軸高調波を消去するように設計され、動作される図1に示されるノイズ消去システムなど、ノイズ消去システムにおける重複消去周波数によるアルゴリズム調整の一例を示す図2を参照して示される。エンジンRPM(車両の回転速度計からの入力)はx軸に沿って設定され、キャビンノイズの音圧レベル(SPL)はdB単位でy軸上に設定される。曲線102は、ベースラインノイズを示し、曲線104は、キャビンエンジンおよび推進軸高調波ノイズ消去システムがオンにされたときのノイズの低減を示し、その場合、2つのキャンセラは同じ周波数で動作する。曲線104は、通常の自動車動作範囲のほとんどにおいて約10dBの低減を示す。
【0031】
曲線106(破線表示)は、エンジンおよび推進軸ノイズ消去システムが両方ともオンであり、3000RPM程度に相当する周波数の程度で全く劇的に音のレベルを増大させるノイズアーチファクトの発生という結果になるキャビン伝達関数に変化があるときの音の偏位を示す。本明細書に開示するシステムは、動作を曲線104により近く戻すために適応フィルタアルゴリズムの1つまたは複数のパラメータの値を改変するように有効にされ、その場合、1つのキャンセラしか使用されなかった場合である。
【0032】
上記は車両キャビン内のノイズ消去に関して説明されたものである。しかし、本開示は車両の他の位置におけるノイズ消去にも適用される。追加の一例では、システムが消音器組立品内のノイズを消去するように設計することができることである。そのようなノイズはエンジン高調波ノイズであり得るが、他のエンジン動作関連のノイズおよび/または車両内の別の回転装置などの別のノイズ源によって生じたノイズでもあり得る。
【0033】
2つ以上の回転装置から発するノイズに使用することができる高調波ノイズ消去システムの実装形態を説明してきたが、場合により、もう1つのノイズ源は、回転装置以外のものであることがある。例えば、ノイズ源は、内装品または車両ヘッドライナなどのキャビン構成部品の振動から起こる車両キャビン内の共振を含むことができる。非回転ノイズ源の別の例は、車両キャビン中(例えば、通気口または開いた窓を介した)またはエンジン室中を通過する空気/風から起こるノイズであり得る。そのような場合、センサ(マイクロフォンまたは加速度計などの)を使用してノイズを検出することができ、センサの出力は、関連した周波数コンピュータ(図1の周波数コンピュータ31などの)に送ることができ、次いでそれは消去されるべき周波数を正弦波発生器(図1の品目32などの)等々に提供する。システムは、図1を参照して上記に説明するやり方と同じやり方で動作することができ、唯一の相違は高調波ノイズ源である。
【0034】
いくつかの実装形態において、高調波ノイズ消去システムには、代替として、または追加として、固定周波数におけるノイズを消去するための固定周波数ノイズキャンセラを設けることができる。例えば、高調波ノイズ消去システムは、200Hzにおける高調波ノイズを消去するための固定周波数ノイズキャンセラを含むことができる。その場合、消去されるべき周波数は、事前に知られ得、したがって、周波数コンピュータの必要がなくなる。
【0035】
例えば、図3は、複数のノイズ源からのノイズを消去するように設計された高調波ノイズ消去システム110の簡略化された概略図である。図3の同じ参照番号は図1の同じ要素に対応する。この非限定例において、システム110は、自動車両のキャビン内のエンジンノイズおよび固定周波数ノイズ(例えば、200Hz)の両方を消去するように設計される。そのような固定周波数ノイズは、キャビンの共振から発する、および/またはキャビンの共振に対応することがある。
【0036】
図3において、信号の流れは実線矢印で示され、制御信号は矢印の付いた破線/点線によって示される。この場合のシステム110は、2つの並列の高調波ノイズキャンセラを有する。すなわち、エンジンノイズキャンセラ44は、キャビン12内のエンジン高調波ノイズを低減または消去し、固定周波数ノイズキャンセラ146は、キャビン12内の固定周波数ノイズ(例えば、200Hz)を低減または消去する。各キャンセラは、適応フィルタを達成するのに使用されるデジタル信号プロセッサにおけるコンピュータコードとして実現することができる。この非限定例において、適応アルゴリズムは、Filtered-x適応アルゴリズムである。しかし、これは、当業者には明らかなように、他の適応アルゴリズムが使用され得るので、本イノベーションの限定ではない。
【0037】
図3において、キャンセラ44は、この場合もやはり、エンジンRPMが入力される高調波周波数コンピュータ24を有する。しかし、この場合、キャンセラ146は、それが消去しようとしているノイズが、事前に知られている固定周波数に関連するので、高調波周波数コンピュータを含まないし、必要としない。各キャンセラは、消去されるべき周波数において正弦波を生成する高調波正弦波発生器(それぞれ、25および132)を有する。その点において、正弦波発生器132は、コンピュータメモリから受け取った情報に基づいて対象の固定周波数において正弦波を生成する。正弦波発生器25は、高調波周波数コンピュータ24からの計算された高調波周波数が入力され、正弦波発生器は、コンピュータメモリから取り出すことができる消去されるべき固定周波数が入力される。例えば、固定周波数は、システムチューニング中にコンピュータメモリに記憶された値でよい。適応フィルタ20および136は、それぞれ、出力変換器の出力を車両キャビン12中に向けさせる1つまたは複数の出力変換器14に変換器駆動信号を供給する。キャビン伝達関数16によって修正された、変換器の出力後の残留ノイズは、車両キャビン内のエンジンノイズおよび固定周波数ノイズと組み合わされ、入力エラー変換器(例えば、マイクロフォン)18によってとらえられる。
【0038】
正弦波発生器25は、適応フィルタ20に、適応フィルタ20を使用して消去されるべきエンジン周波数の高調波を含むノイズ低減基準信号を提供する。本明細書で使用する「高調波」は、2分の1高調波または4分の1高調波を含むことができ、簡単のために基本周波数を含む。「x信号」と呼ばれる、正弦波発生器25の出力は、フィルタリングされたx信号を発生するために、モデル化されたキャビン伝達関数26にも提供される。フィルタリングされたx信号およびマイクロフォン出力信号は、互いに乗算27され、制御入力として適応フィルタ20に提供される。同様に、正弦波発生器32は、適応フィルタ36に、適応フィルタ36を使用して消去されるべき、推進軸周波数の高調波を含むノイズ低減基準信号を提供する。正弦波発生器132の出力は、フィルタリングされたx信号を発生するために、モデル化されたキャビン伝達関数133にも提供される。フィルタリングされたx信号およびマイクロフォン出力信号は、互いに乗算138され、制御入力として適応フィルタ136に提供される。
【0039】
重複検出器42は、計算された高調波周波数を高調波周波数コンピュータ24から、および消去されるべき固定周波数(例えば、コンピュータメモリから)を受け取り、いつ周波数が安定余裕に影響するほど接近するのかを判定する。そうである場合、重複検出器42は、図1を参照して上記に説明したようになど、適応フィルタに適応アルゴリズムの1つまたは複数の変数の値を自動的に変更させる。
【0040】
上記のデバイス、システムおよび方法の実施形態は、当業者には明らかであるコンピュータ構成要素と、コンピュータ実現ステップとを含む。例えば、コンピュータ実現ステップは、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、フラッシュROM、不揮発性ROM、およびRAMなどのコンピュータ可読媒体上のコンピュータ実行可能命令として記憶され得ることが当業者には理解されるはずである。さらに、コンピュータ実行可能命令は、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイなどの様々なプロセッサ上で実行され得ることが当業者には理解されるはずである。説明を容易にするために、上記のシステムおよび方法のことごとくのステップまたは要素がコンピュータシステムの一部として本明細書に説明されているわけではないが、各ステップまたは要素が対応するコンピュータシステムまたはソフトウェア構成要素を有し得ることを当業者は認識されよう。そのようなコンピュータシステムおよび/またはソフトウェア構成要素は、したがって、それらの対応するステップまたは要素(すなわち、それらの機能)を説明することによって有効となり、本開示の範囲内にある。
【0041】
本開示の様々な特徴は、本明細書に説明した特徴とは異なるやり方で有効とすることができ、本明細書に説明した特徴以外のやり方で組み合わせることができる。いくつかの実現を説明してきた。しかしながら、本明細書に説明した本発明概念の範囲から逸脱することなく追加の修正を加えることができ、したがって、他の実施形態は以下の特許請求の範囲内にあることが理解されよう。
【符号の説明】
【0042】
10 ノイズ消去システム
12 キャビン
14 出力変換器
16 キャビン伝達関数
18 入力エラー変換器
20 適応フィルタ
24 調波周波数コンピュータ
25 高調波正弦波発生器
26 モデル化されたキャビン伝達関数
27 乗算
31 調波周波数コンピュータ
32 高調波正弦波発生器
33 モデル化されたキャビン伝達関数
36 適応フィルタ
38 乗算
42 重複検出器
44 エンジンノイズキャンセラ
46 推進軸ノイズキャンセラ
132 高調波正弦波発生器
133 モデル化されたキャビン伝達関数
136 適応フィルタ
146 固定周波数ノイズキャンセラ
図1
図2
図3