(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の微粒子センサにおいては、センサ本体から外部に延出するケーブルを2本のケーブルに分け、それぞれのケーブルの端部にコネクタを設けた形態としたい場合がある。
具体的には、一方の第1ケーブルは、微粒子センサの金具に導通し接地電位とされる第1導体と、イオン源の第1電極及び捕集極に導通し第1電位とされる第2導体と、イオン源の第2電極に導通し第2電位とされる第3導体とを有する。そして、これら第1導体、第2導体及び第3導体を、第1ケーブルの端部に設ける第1コネクタの3つの端子部材にそれぞれ接続する。
また、他方の第2ケーブルは、上記金具に導通し接地電位とされる第4導体と、上記イオン源の第1電極及び捕集極に導通し第1電位とされる第5導体と、補助電極に導通し第3電位とされる第6導体とを有する。そして、これら第4導体、第5導体及び第6導体を、第2ケーブルの端部に設ける第2コネクタの3つの端子部材にそれぞれ接続する形態としたい場合がある。
【0005】
しかしながら、第1コネクタと第2コネクタとが同一の形状及び外観である場合には、これら第1,第2コネクタを目視で区別できない。このため、これら第1,第2コネクタを間違って接続するおそれがある。即ち、第1コネクタを、第2コネクタが接続される相手側第2コネクタに間違って接続し、第2コネクタを、第1コネクタが接続される相手側第1コネクタに間違って接続するおそれがある。
但し、このように第1,第2コネクタを間違って接続した場合でも、補助電極で気中放電が生じて放電電流が流れるなど、あたかも微粒子センサが作動しているように見えることがある。このため、第1,第2コネクタを間違って接続したことに気付かずに、正常に作動しない状態で微粒子センサを使用し続ける場合があり得る。
【0006】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、2つのコネクタ(第1コネクタ,第2コネクタ)を間違って相手側コネクタ(相手側第1コネクタ,相手側第2コネクタ)に接続するのを防止できる微粒子センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、接地電位とされた金属製の通気管に装着され、上記通気管内を流通する被測定ガス中の微粒子の量を検知する微粒子センサであって、上記通気管に装着され接地電位とされる金具と、接地電位とは異なる第1電位される第1電極、及び、接地電位及び上記第1電位とは異なる第2電位とされる第2電極を含み、上記第1電極と上記第2電極との間に生じる気中放電により、上記微粒子に付着させるイオンを生成するイオン源と、上記第1電位とされ、生成された上記イオンのうち上記微粒子に付着しなかった浮遊イオンを捕集する捕集極と、接地電位、上記第1電位及び上記第2電位とは異なる第3電位とされ、上記捕集極による上記浮遊イオンの捕集を補助する補助電極と、上記金具に導通し接地電位とされる第1端子部材、上記第1電極及び上記捕集極に導通し上記第1電位とされる第2端子部材、並びに、上記第2電極に導通し上記第2電位とされる第3端子部材を有する第1コネクタと、上記金具に導通し接地電位とされる第4端子部材、上記第1電極及び上記捕集極に導通し上記第1電位とされる第5端子部材、並びに、上記補助電極に導通し上記第3電位とされる第6端子部材を有する第2コネクタと、を備え、上記第1コネクタ及び上記第2コネクタは、互いの相違を視認できる相違点を少なくとも1つ含む形態を有する微粒子センサである。
【0008】
上述の微粒子センサによれば、第1端子部材(接地電位)、第2端子部材(第1電位)及び第3端子部材(第2電位)を有する第1コネクタと、第4端子部材(接地電位)、第5端子部材(第1電位)及び第6端子部材(第3電位)を有する第2コネクタとを、互いの相違を視認できる相違点を少なくとも1つ含む形態としている。このため、これら第1,第2コネクタを間違って相手側コネクタに接続すること、即ち、第1コネクタを、第2コネクタが接続される相手側第2コネクタに間違って接続すること、及び、第2コネクタを、第1コネクタが接続される相手側第1コネクタに間違って接続することを防止できる。
【0009】
更に、上記の微粒子センサであって、前記第1コネクタに接続するケーブルであって、前記第2電極に導通する一方、前記第3端子部材に接続する第1中心導体、前記第1電極及び前記捕集極に導通する一方、前記第2端子部材に接続し、上記第1中心導体の径方向外側に同軸に配置された筒状の第1内側導体、及び、前記金具に導通する一方、前記第1端子部材に接続し、上記第1内側導体の径方向外側に同軸に配置された筒状の第1外側導体、を有する第1トライアキシャルケーブルと、前記第2コネクタに接続するケーブルであって、前記補助電極に導通する一方、前記第6端子部材に接続する第2中心導体、上記第1電極及び上記捕集極に導通する一方、前記第5端子部材に接続し、上記第2中心導体の径方向外側に同軸に配置された筒状の第2内側導体、及び、上記金具に導通する一方、前記第4端子部材に接続し、上記第2内側導体の径方向外側に同軸に配置された筒状の第2外側導体、を有する第2トライアキシャルケーブルと、を備え、前記第1コネクタは、上記第3端子部材の径方向外側に同軸に筒状の上記第2端子部材が配置され、上記第2端子部材の径方向外側に同軸に筒状の上記第1端子部材が配置された形態を有する第1三重同軸コネクタであり、前記第2コネクタは、上記第6端子部材の径方向外側に同軸に筒状の上記第5端子部材が配置され、上記第5端子部材の径方向外側に同軸に筒状の上記第4端子部材が配置された形態を有する第2三重同軸コネクタである微粒子センサとすると良い。
【0010】
上述の微粒子センサによれば、第1トライアキシャルケーブルに接続する第1三重同軸コネクタと、第2トライアキシャルケーブルに接続する第2三重同軸コネクタとが、互いの相違を視認できる相違点を少なくとも1つ含む形態を有する。このため、これら第1,第2三重同軸コネクタを間違って相手側コネクタに接続することを防止できる。
【0011】
更に、上記のいずれかに記載の微粒子センサであって、前記第1コネクタは、前記第2コネクタが接続される相手側第2コネクタには接続不能な形状を有し、上記第2コネクタは、上記第1コネクタが接続される相手側第1コネクタには接続不能な形状を有する微粒子センサとすると良い。
【0012】
第1コネクタは、第2コネクタが接続される相手側第2コネクタには接続不能な形状であるため、第1コネクタを間違って相手側第2コネクタに接続するのを確実に防止できる。また、第2コネクタは、第1コネクタが接続される相手側第1コネクタには接続不能な形状であるため、第2コネクタを間違って相手側第1コネクタに接続するのを確実に防止できる。
【0013】
更に、上記のいずれかに記載の微粒子センサであって、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタは、外観上区別可能な異なる色を有する微粒子センサとすると良い。
【0014】
第1コネクタ及び第2コネクタは、外観上区別可能な異なる色を有する形態であるため、第1コネクタを間違って相手側第2コネクタに接続すること、及び、第2コネクタを間違って相手側第1コネクタに接続することを防止できる。
【0015】
更に、上記のいずれかに記載の微粒子センサであって、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタは、外観上区別可能な異なる刻印を有する微粒子センサとすると良い。
【0016】
第1コネクタ及び第2コネクタは、外観上区別可能な異なる刻印を有する形態であるため、第1コネクタを間違って相手側第2コネクタに接続すること、及び、第2コネクタを間違って相手側第1コネクタに接続することを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1及び
図2に、実施形態1に係る微粒子センサ1を示す。また、
図3は、第1三重同軸コネクタ70、第2三重同軸コネクタ80、相手側第1コネクタCN1及び相手側第2コネクタCN2の正面図である。また、
図4に、微粒子センサ1の概略構成を、
図5に、微粒子センサ1における微粒子Sの取り入れ、帯電、排出の様子を模式的に示す。なお、
図1において、微粒子センサ1のセンサ本体5の軸線方向GH(図中、左右方向)のうち、ガス取入管21が配置された側(図中、左方)を先端側GS、これとは反対側の2本のケーブル(第1トライアキシャルケーブル50及び第2トライアキシャルケーブル60)が延出する側(図中、右方)を基端側GKとする。
【0019】
微粒子センサ1は、内燃機関(エンジン)ENGの排気管(通気管)EPを流通する排気ガスなどの被測定ガスEG中に含まれるススなどの微粒子Sの量を検知するセンサである(
図1,
図4及び
図5参照)。この微粒子センサ1は、例えば接地電位PVEとされた金属製の排気管EPに装着され、微粒子センサ1のうち先端側GSに位置するガス取入管21が、排気管EP内に配置される。また、微粒子センサ1のうち第1トライアキシャルケーブル50の端部に設けられた第1三重同軸コネクタ70は、外部の回路部ECの相手側第1コネクタCN1に接続され、第2トライアキシャルケーブル60の端部に設けられた第2三重同軸コネクタ80は、回路部ECの相手側第2コネクタCN2に接続される。
この微粒子センサ1は、外側金具10、ガス取入管21を含む内側金具20、針状電極体30、補助電極体40、第1トライアキシャルケーブル50、第2トライアキシャルケーブル60、第1三重同軸コネクタ70、第2三重同軸コネクタ80等から構成される。
【0020】
このうち外側金具10は、概略円筒状であり、内側金具20の径方向周囲を内側金具20とは離間し絶縁された状態で囲む。この外側金具10は、接地電位PVEとされた排気管EPに装着されて接地電位PVEとされる。外側金具10は、主体金具11と、この主体金具11に基端側GKで接合されたリアカバー13とを有する。このうち主体金具11は、先端側GSに位置し、内側金具20のガス取入管21の径方向周囲を囲む金具包囲部11aと、金具包囲部11aの基端側GKに位置する本体部11bとを有する。本体部11bの径方向周囲には、この微粒子センサ1を排気管EPに固定するナット15が、本体部11bに対し回転自在に配置されている。また、リアカバー13には、後述するエアパイプ27に連通する一方、基端側GKに向けて突出する筒状のチューブ取付部13tが設けられている。このチューブ取付部13tには、外部の圧送ポンプPOに繋がるエアチューブTBが取り付けられる。これにより、圧送ポンプPOで生成された清浄な空気(圧縮空気)ARが、エアチューブTBを介してリアカバー13内に供給される。また、リアカバー13の内部から基端側GKには、2本のケーブル(第1トライアキシャルケーブル50及び第2トライアキシャルケーブル60)が延出している。
【0021】
次に、内側金具20について説明する。この内側金具20は、外形円柱状であり、前述のように、外側金具10の径方向内側に外側金具10とは絶縁された状態で配置されている。内側金具20は、後述する第1トライアキシャルケーブル50の第1内側導体52及び第2トライアキシャルケーブル60の第2内側導体62にそれぞれ導通しており、接地電位PVEとは異なる第1電位PV1とされる。
この内側金具20は、排気管EP内に配置されるガス取入管21を先端側GSに有する。このガス取入管21のうち基端側GKの内部には、径方向中央が先端側GSに向かう凹形状で、その中心に微細な透孔が形成された、第1電極をなすノズル部23が設けられている。このノズル部(第1電極)23は、内側金具20の一部であるため、第1電位PV1とされる。
【0022】
ガス取入管21のうちノズル部23の基端側GKには、円柱状の放電空間DSが形成されている。この放電空間DS内では、後述する針状電極体30のうち第2電極をなす針状先端部33が先端側GSに向けて突出している。また、内側金具20内には、樹脂からなるエアパイプ27が配置されており、その先端部が内側金具20内で開放されているので、先端部から放出された空気(圧縮空気)ARは、この放電空間DS内に流通する。
一方、ガス取入管21のうちノズル部23の先端側GSには、円柱状の空間である円柱状混合領域MX1が形成されている。また、ガス取入管21には、排気管EPの下流側に向けて開口し、この円柱状混合領域MX1に繋がる1つのガス取入口21h1が設けられている。
【0023】
また、ガス取入管21のうち円柱状混合領域MX1の先端側GSの内部には、径方向内側に膨出する捕集極25が設けられている。この捕集極25は、内側金具20の一部であるため、ノズル部23と共に第1電位PV1とされる。捕集極25によってガス取入管21の内部空間がスリット状に狭められており、スリット状混合領域MX2が形成されている。このスリット状混合領域MX2内には、後述する補助電極体40の補助電極部43が基端側GKに向けて突出している。
ガス取入管21のうち捕集極25及びスリット状混合領域MX2の先端側GSには、円柱状の空間であるガス排出路EXが形成されている。また、ガス取入管21には、排気管EPの下流側に向けて開口し、ガス排出路EXに繋がる1つのガス排出口21h2が設けられている。
【0024】
次に、針状電極体30について説明する。この針状電極体30は、タングステン線からなり、内側金具20の径方向内側に内側金具20とは絶縁された状態で配置されている。針状電極体30は、直棒状の延出部31と、その先端部分に位置し、針状に尖った形状とされた第2電極をなす針状先端部33とからなる。このうち延出部31の基端部は、後述する第1トライアキシャルケーブル50の第1中心導体51に接続されているため、針状電極体30は、接地電位PVE及び第1電位PV1とは異なる第2電位PV2とされる。なお、本実施形態1では、第1電位PV1と第2電位PV2との電位差は、2500Vである。針状先端部33は、前述のように、放電空間DS内で先端側GSに向けて突出してノズル部23と向き合っており、ノズル部23と共にイオン源35を構成する。即ち、後述するように、第1電位PV1とされるノズル部23と、第2電位PV2とされる針状先端部33とは、これらの電極間に生じる気中放電により、微粒子Sに付着させるイオンCPを生成する。
【0025】
次に、補助電極体40について説明する。この補助電極体40は、ステンレス線からなり、内側金具20の径方向内側に内側金具20とは絶縁された状態で配置されている。補助電極体40は、直棒状の延出部41と、その先端側GSでU字状に曲げ返された曲げ返し部42と、曲げ返し部42から基端側GKに延びる共に先端が針状に尖った形状とされ補助電極をなす補助電極部43とからなる。このうち延出部41の基端部は、後述する後述する第2トライアキシャルケーブル60の第2中心導体61に接続されているため、補助電極体40は、接地電位PVE、第1電位PV1及び第2電位PV2とは異なる第3電位PV3とされる。なお、本実施形態1では、第1電位PV1と第3電位PV3との電位差は、100Vである。補助電極部43は、前述のように、スリット状混合領域MX2内で基端側GKに向けて突出している。また、曲げ返し部42は、ガス排出路EX内に配置されている。
【0026】
次に、第1トライアキシャルケーブル50について説明する。この第1トライアキシャルケーブル50の中心には、銅の芯線からなる第1中心導体51が配置され、その径方向周囲は、樹脂からなる第1絶縁体層55で被覆されている。更に、この第1絶縁体層55の径方向周囲には、銅細線を編んだ編組からなる筒状の第1内側導体52が第1中心導体51と同軸に配置され、その径方向周囲は、樹脂からなる第2絶縁体層56で被覆されている。更に、この第2絶縁体層56の径方向周囲には、銅細線を編んだ編組からなる筒状の第1外側導体53が第1中心導体51及び第1内側導体52と同軸に配置され、その径方向周囲は、樹脂からなる第3絶縁体層57で被覆されている。
【0027】
このうち第1中心導体51は、先端側GSで前述のように針状電極体30の延出部31に接続される一方、基端側GKで後述する第1三重同軸コネクタ70(
図2及び
図3(a)参照)の中心の第3端子部材73に接続されており、第2電位PV2とされる。また、第1内側導体52は、前述のように内側金具20に導通する一方、基端側GKで後述する第1三重同軸コネクタ70の第2端子部材72に接続されており、第1電位PV1とされる。また、第1外側導体53は、外側金具10に導通して接地電位PVEとされる一方、基端側GKで後述する第1三重同軸コネクタ70の第1端子部材71に接続されている。
【0028】
次に、第2トライアキシャルケーブル60について説明する。この第2トライアキシャルケーブル60の中心には、銅の芯線からなる第2中心導体61が配置され、その径方向周囲は、樹脂からなる第4絶縁体層65で被覆されている。更に、この第4絶縁体層65の径方向周囲には、銅細線を編んだ編組からなる筒状の第2内側導体62が第2中心導体61と同軸に配置され、その径方向周囲は、樹脂からなる第5絶縁体層66で被覆されている。更に、この第5絶縁体層66の径方向周囲には、銅細線を編んだ編組からなる筒状の第2外側導体63が第2中心導体61及び第2内側導体62と同軸に配置され、その径方向周囲は、樹脂からなる第6絶縁体層67で被覆されている。
【0029】
このうち第2中心導体61は、先端側GSで前述のように補助電極体40の延出部41に接続される一方、基端側GKで後述する第2三重同軸コネクタ80(
図2及び
図3(b)参照)の中心の第6端子部材83に接続されており、第3電位PV3とされる。また、第2内側導体62は、前述のように内側金具20に導通する一方、基端側GKで後述する第2三重同軸コネクタ80の第5端子部材82に接続されており、第1電位PV1とされる。また、第2外側導体63は、外側金具10に導通して接地電位PVEとされる一方、基端側GKで後述する第2三重同軸コネクタ80の第4端子部材81に接続されている。
【0030】
次に、第1三重同軸コネクタ70について説明する(
図2〜
図4参照)。この第1三重同軸コネクタ70は、第1トライアキシャルケーブル50の端部に設けられており、外部の回路部ECに設けられた相手側第1コネクタCN1に接続される。第1三重同軸コネクタ70の中心には、第2電位PV2とされる直棒状の第3端子部材73が配置されている。この第3端子部材73には、前述のように、第1トライアキシャルケーブル50の第1中心導体51が接続されている。更に、第3端子部材73の径方向外側には、第3端子部材73と同軸に第1電位PV1とされる筒状の第2端子部材72が配置されている。この第2端子部材72には、前述のように、第1トライアキシャルケーブル50の第1内側導体52が接続されている。
【0031】
更に、第2端子部材72の径方向外側には、第3端子部材73及び第2端子部材72と同軸に接地電位PVEとされる筒状の第1端子部材71が配置されている。この第1端子部材71には、前述のように、第1トライアキシャルケーブル50の第1外側導体53が接続されている。また、第1端子部材71の径方向外側には、第3端子部材73、第2端子部材72及び第1端子部材71と同軸に筒状の第1筒部75が設けられている。この第1筒部75には、2つの第1係合溝70mが180度の等間隔で形成されている。
【0032】
これに対し、相手側第1コネクタCN1は、その中心に第2電位PV2とされる筒状の相手側第3端子部材CD13を有する。更に、相手側第3端子部材CD13の径方向外側には、相手側第3端子部材CD13と同軸に第1電位PV1とされる筒状の相手側第2端子部材CD12が配置されている。更に、相手側第2端子部材CD12の径方向外側には、相手側第3端子部材CD13及び相手側第2端子部材CD12と同軸に接地電位PVEとされる筒状の相手側第1端子部材CD11が配置されている。この相手側第1端子部材CD11の外周には、径方向外側にそれぞれ突出する2つの第1突起部CT1が180度の等間隔で設けられている。
【0033】
第1三重同軸コネクタ70を相手側第1コネクタCN1に接続する際、第1三重同軸コネクタ70の第3端子部材73は、相手側第1コネクタCN1の相手側第3端子部材CD13内に挿入されてこれに接続する。また、第1三重同軸コネクタ70の第2端子部材72は、相手側第1コネクタCN1の相手側第2端子部材CD12に径方向外側から嵌合してこれに接続する。また、第1三重同軸コネクタ70の第1端子部材71は、相手側第1コネクタCN1の相手側第1端子部材CD11に径方向内側から嵌合してこれに接続する。更に、第1三重同軸コネクタ70の2つの第1係合溝70m内に、相手側第1コネクタCN1の2つの第1突起部CT1がそれぞれ挿入されて係合する。
【0034】
なお、第1三重同軸コネクタ70は、次述する第2三重同軸コネクタ80が接続される相手側第2コネクタCN2には接続できない。第1三重同軸コネクタ70には、前述のように「2つ」の第1係合溝70mが形成されているのに対し、相手側第2コネクタCN2は、後述するように「3つ」の第2突起部CT2を有するからである。従って、第1三重同軸コネクタ70を間違って相手側第2コネクタCN2に接続することがない。
【0035】
次に、第2三重同軸コネクタ80について説明する(
図2〜
図4参照)。この第2三重同軸コネクタ80は、第2トライアキシャルケーブル60の端部に設けられており、外部の回路部ECに設けられた相手側第2コネクタCN2に接続される。第2三重同軸コネクタ80の中心には、第3電位PV3とされる直棒状の第6端子部材83が配置されている。この第6端子部材83には、前述のように、第2トライアキシャルケーブル60の第2中心導体61が接続されている。更に、第6端子部材83の径方向外側には、第6端子部材83と同軸に第1電位PV1とされる筒状の第5端子部材82が配置されている。この第5端子部材82には、前述のように、第2トライアキシャルケーブル60の第2内側導体62が接続されている。
【0036】
更に、第5端子部材82の径方向外側には、第6端子部材83及び第5端子部材82と同軸に接地電位PVEとされる筒状の第4端子部材81が配置されている。この第4端子部材81には、前述のように、第2トライアキシャルケーブル60の第2外側導体63が接続されている。また、第4端子部材81の径方向外側には、第6端子部材83、第5端子部材82及び第4端子部材81と同軸に筒状の第2筒部85が設けられている。この第2筒部85には、「3つ」の第2係合溝80mが120度の等間隔で形成されている。
【0037】
これに対し、相手側第2コネクタCN2は、その中心に第3電位PV3とされる筒状の相手側第6端子部材CD23を有する。更に、相手側第6端子部材CD23の径方向外側には、相手側第6端子部材CD23と同軸に第1電位PV1とされる筒状の相手側第5端子部材CD22が配置されている。更に、相手側第5端子部材CD22の径方向外側には、相手側第6端子部材CD23及び相手側第5端子部材CD22と同軸に接地電位PVEとされる筒状の相手側第4端子部材CD21が配置されている。この相手側第4端子部材CD21の外周には、径方向外側にそれぞれ突出する「3つ」の第2突起部CT2が120度の等間隔で設けられている。
【0038】
第2三重同軸コネクタ80を相手側第2コネクタCN2に接続する際、第2三重同軸コネクタ80の第6端子部材83は、相手側第2コネクタCN2の相手側第6端子部材CD23内に挿入されてこれに接続する。また、第2三重同軸コネクタ80の第5端子部材82は、相手側第2コネクタCN2の相手側第5端子部材CD22に径方向外側から嵌合してこれに接続する。また、第2三重同軸コネクタ80の第4端子部材81は、相手側第2コネクタCN2の相手側第4端子部材CD21に径方向内側から嵌合してこれに接続する。更に、第2三重同軸コネクタ80の3つの第2係合溝80m内に、相手側第2コネクタCN2の3つの第2突起部CT2がそれぞれ挿入されて係合する。
【0039】
なお、第2三重同軸コネクタ80は、前述の相手側第1コネクタCN1には接続できない。第2三重同軸コネクタ80には、前述のように「3つ」の第2係合溝80mが形成されているのに対し、相手側第1コネクタCN1は、「2つ」の第1突起部CT1を有するからである。従って、第2三重同軸コネクタ80を間違って相手側第1コネクタCN1に接続することがない。
【0040】
次いで、微粒子センサ1の電気的機能及び動作について説明する(
図5及び
図4参照)。外部の回路部ECにより第1電位PV1とされる内側金具20のガス取入管21のノズル部23と、これよりも正の高電位である第2電位PV2とされる針状電極体30の針状先端部33との間では、気中放電(コロナ放電)が生じ、N
3+,O
2+等の正のイオンCPが発生する。一方で、エアパイプ27の先端から放出された空気(圧縮空気)ARが、放電空間DS内に供給される。このため、発生したイオンCPの一部は、空気ARと共に、ノズル部23から円柱状混合領域MX1に噴射される。
【0041】
この空気ARが円柱状混合領域MX1に噴射されると、円柱状混合領域MX1の気圧が低下するため、ガス取入口21h1から排気ガスEGが円柱状混合領域MX1に取り入れられる。この取入ガスEGIは、空気ARと混合され、スリット状混合領域MX2及びガス排出路EXを経由して、ガス排出口21h2から排出される。その際、排気ガスEG中のススなどの微粒子Sも円柱状混合領域MX1内に取り入れられる。この微粒子Sは、イオンCPが付着して、正に帯電した帯電微粒子SCとなり、この状態でガス排出口21h2から空気ARと共に排出される。一方、円柱状混合領域MX1に噴射されたイオンCPのうち、微粒子Sに付着しなかった浮遊イオンCPFは、補助電極体40の補助電極部43から斥力を受け、捕集極25に付着し、排出されない。
【0042】
前述の気中放電に伴って、外部の回路部ECから針状電極体30の針状先端部33に、放電電流Idが供給される。この放電電流Idの多くは、ノズル部23に受電電流Ijとして流れ込み、回路部ECに戻る。一方、捕集極25で捕集された浮遊イオンCPFの電荷に起因する捕集電流Ihも、回路部ECに戻る。つまり、受電電流Ijと捕集電流Ihの和である受電捕集電流Ijh(=Ij+Ih)が回路部ECに戻る。但し、この受電捕集電流Ijhは、帯電微粒子SCに付着して排出された排出イオンCPHの電荷に対応する電流分だけ、放電電流Idよりも小さい値となる。このため、放電電流Idと受電捕集電流Ijhとの差分(放電電流Id−受電捕集電流Ijh)に相当する信号電流が、第1電位PV1と接地電位PVEとの間を流れてバランスする。従って、この帯電微粒子SCにより排出された排出イオンCPHの電荷量に対応する信号電流を回路部ECで検知することにより、排気ガスEG中の微粒子Sの量を検知できる。
【0043】
以上で説明したように、本実施形態1の微粒子センサ1では、第1トライアキシャルケーブル50の端部に設けられ、第1端子部材71(接地電位PVE)、第2端子部材72(第1電位PV1)及び第3端子部材73(第2電位PV2)を有する第1三重同軸コネクタ70と、第2トライアキシャルケーブル60の端部に設けられ、第4端子部材81(接地電位PVE)、第5端子部材82(第1電位PV1)及び第6端子部材83(第3電位PV3)を有する第2三重同軸コネクタ80とを、互いの相違を視認できる相違点を含む形態としている。具体的には、第1三重同軸コネクタ70は、「2つ」の第1係合溝70mを有する形態としているのに対し、第2三重同軸コネクタ80は、「3つ」の第2係合溝80mを有する形態としている。このため、第1三重同軸コネクタ70を、第2三重同軸コネクタ80が接続される相手側第2コネクタCN2に間違って接続すること、及び、第2三重同軸コネクタ80を、第1三重同軸コネクタ70が接続される相手側第1コネクタCN1に間違って接続することを防止できる。
【0044】
特に、本実施形態1では、第1三重同軸コネクタ70は、相手側第2コネクタCN2には接続不能な形状であるため、第1三重同軸コネクタ70を間違って相手側第2コネクタCN2に接続するのを確実に防止できる。また、第2三重同軸コネクタ80は、相手側第1コネクタCN1には接続不能な形状であるため、第2三重同軸コネクタ80を間違って相手側第1コネクタCN1に接続するのを確実に防止できる。
【0045】
(実施形態2)
次いで、実施形態2に係る微粒子センサ101について説明する。この微粒子センサ101では、第1三重同軸コネクタ170及び第2三重同軸コネクタ180の形態(
図6及び
図7参照)が、実施形態1に係る微粒子センサ1の第1三重同軸コネクタ70及び第2三重同軸コネクタ80の形態(
図2及び
図3参照)と異なる。
【0046】
具体的には、本実施形態2の第1三重同軸コネクタ170は、第1端子部材171(接地電位PVE)、第2端子部材172(第1電位PV1)及び第3端子部材173(第2電位PV2)を有し、第2三重同軸コネクタ180は、第4端子部材181(接地電位PVE)、第5端子部材182(第1電位PV1)及び第6端子部材183(第3電位PV3)を有する。これら第1,第2三重同軸コネクタ170,180は、形状は同じであるが、大きさが異なり、第1三重同軸コネクタ170の方が第2三重同軸コネクタ180よりも大きくされている。また、これら第1,第2三重同軸コネクタ170,180の大きさに合わせて、第1三重同軸コネクタ170が接続される相手側第1コネクタCN3の方が、第2三重同軸コネクタ180が接続される相手側第2コネクタCN4よりも大きくされている。これにより、第1三重同軸コネクタ170は、相手側第2コネクタCN4には接続できず、また、第2三重同軸コネクタ180は、相手側第1コネクタCN3には接続できなくなっている。
【0047】
このように、本実施形態2の微粒子センサ101でも、第1三重同軸コネクタ170と第2三重同軸コネクタ180とを、互いの相違を視認できる相違点を含む形態としている。このため、第1三重同軸コネクタ170を相手側第2コネクタCN4に間違って接続すること、及び、第2三重同軸コネクタ180を相手側第1コネクタCN3に間違って接続することを防止できる。特に、第1三重同軸コネクタ170は、相手側第2コネクタCN4には接続不能な形状であるため、第1三重同軸コネクタ170を間違って相手側第2コネクタCN4に接続するのを確実に防止できる。また、第2三重同軸コネクタ180は、相手側第1コネクタCN3には接続不能な形状であるため、第2三重同軸コネクタ180を間違って相手側第1コネクタCN3に接続するのを確実に防止できる。その他、実施形態1と同様な部分は、実施形態1と同様な作用効果を有する。
【0048】
(実施形態3)
次いで、実施形態3に係る微粒子センサ201について説明する。この微粒子センサ201では、第1三重同軸コネクタ270及び第2三重同軸コネクタ280の形態(
図8参照)が、実施形態1,2に係る微粒子センサ1,101の第1三重同軸コネクタ70,170及び第2三重同軸コネクタ80,180の形態(
図2、
図3、
図6及び
図7参照)と異なる。
【0049】
具体的には、本実施形態3の第1三重同軸コネクタ270及び第2三重同軸コネクタ280は、大きさは同じであるが、色が一部で異なる。即ち、第1三重同軸コネクタ270では、第1三重同軸コネクタ270のうち外観円柱状の胴部270fを全周にわたり「白色」に着色しているのに対し、第2三重同軸コネクタ280では、第2三重同軸コネクタ280のうち外観円柱状の胴部280fを全周にわたり「灰色」に着色している。なお、
図8においては、「灰色」部分をドットハッチングで示している。
【0050】
このように、本実施形態3の微粒子センサ201でも、第1三重同軸コネクタ270と第2三重同軸コネクタ280とを、互いの相違を視認できる相違点、具体的には、外観上区別可能な異なる色を有する形態としている。このため、第1三重同軸コネクタ270を相手側第2コネクタCN6に間違って接続すること、及び、第2三重同軸コネクタ280を相手側第1コネクタCN5に間違って接続することを防止できる。その他、実施形態1,2と同様な部分は、実施形態1,2と同様な作用効果を有する。
【0051】
(実施形態4)
次いで、実施形態4に係る微粒子センサ301について説明する。この微粒子センサ301では、第1三重同軸コネクタ370及び第2三重同軸コネクタ380の形態(
図9参照)が、実施形態1〜3に係る微粒子センサ1,101,201の第1三重同軸コネクタ70,170,270及び第2三重同軸コネクタ80,180,280の形態(
図2、
図3、
図6、
図7及び
図8参照)と異なる。
【0052】
具体的には、本実施形態4の第1三重同軸コネクタ370及び第2三重同軸コネクタ380は、大きさは同じであるが、刻印370n,380nが異なる。即ち、第1三重同軸コネクタ370には、その外周に「A」の刻印370nが形成されているのに対し、第2三重同軸コネクタ380には、その外周に「B」の刻印380nが形成されている。
【0053】
このように、本実施形態4の微粒子センサ301でも、第1三重同軸コネクタ370と第2三重同軸コネクタ380とを、互いの相違を視認できる相違点、具体的には、外観上区別可能な異なる刻印370n,380nを有する形態としている。このため、第1三重同軸コネクタ370を相手側第2コネクタCN8に間違って接続すること、及び、第2三重同軸コネクタ380を相手側第1コネクタCN7に間違って接続することを防止できる。その他、実施形態1〜3と同様な部分は、実施形態1〜3と同様な作用効果を有する。
【0054】
以上において、本発明を実施形態1〜4に即して説明したが、本発明は上述の実施形態1〜4に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。