【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼発行日:平成29年4月13日 刊行物:株式会社バンダイの流通向けリリース資料 ▲2▼ウェブサイトの掲載日:平成29年6月15日 ウェブサイトのアドレス: http://www.gashapon.jp/youkai/02/about/renewal_toretorel.html http://www.gashapon.jp/event/whobby/whobby2017_summer.html ▲3▼発行日:平成29年6月15日 刊行物:雑誌「月刊コロコロコミック」7月号(第39巻,第4号)、株式会社小学館 ▲4▼展示日:平成29年6月24日、25日 展示会名:次世代ワールドホビーフェア‘17 Summer http://www.whobby.com/ http://www.whobby.com/gameHobby/booth_maker.php#item15 開催場所:幕張メッセ 千葉県千葉市美浜区中瀬2−1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態を説明するための、ゲーム装置の全体構成を示す斜視図である。
ゲーム装置1は、物品提供装置10と、ゲーム装置本体50を有する。本実施の形態では、物品提供装置を複数台あるものとして、第1の物品提供装置10a、第2の物品提供装置10bを有するものとしている。第1の物品提供装置10aと第2の物品提供装置10bは並列して設けられており、第1の物品提供装置10a及び第2の物品提供装置10bの上には、ゲーム装置本体部50が設けられている。ゲーム装置本体50により行われるゲームは、例えば、抽選である。
【0012】
また、第2の物品提供装置10b及びゲーム部50の横(
図1において左側)には、第3の物品提供装置10c及び第4の物品提供装置10dが上下に積み重ねられて設けられている。第3の物品提供装置10c及び第4の物品提供装置10dは、物品2を有料で購入するのに用いられてもよい。本実施の形態においては、第3の物品提供装置10c及び第4の物品提供装置10dからは、後述する第3の物品2cが獲得できる。
なお、以後の説明においては、第1の物品提供装置10a〜第4の物品提供装置10dを総称する場合には、物品提供装置10と表示することとする。
【0013】
ゲーム装置1は、物品2(
図2参照)を用いて所定のゲームを行うことができるように構成されており、物品2は、ゲーム装置1によるゲームのプレイに用いられるゲーム情報を保持する保持体である。物品2は、例えば、コード化されたデータが印刷されたラベル4等が貼付されたコインのような円形板状の硬質な部材であり、球状のカプセル3に収容されている。物品2は、物品2に固有の識別情報と、物品2の種別毎に異なる情報とからなるデータを含んでいる。さらに、物品2は、物品2の内部に、例えばゲームプレイに用いることができる書き換え可能なデータを保持できる記憶媒体(図示せず)を含んでいる。カプセル3は、物品提供装置10に設けられている収納ケース12(
図2参照)に収容されている。
【0014】
ゲーム装置1においては、第1の物品提供装置10a及び第2の物品提供装置10bが、ゲームのプレイおいて用いられ、後述するように、第1の物品提供装置10aからは第1の物品2aが獲得でき、第2の物品提供装置10bからは第2の物品2bが獲得できる。
【0015】
図2には、ゲーム装置1に用いられる物品提供装置10の断面図が示されており、
図3には物品提供装置10の内部が示されている。まず、物品提供装置10の構造について説明する。
図2及び
図3に示すように、物品提供装置10は、箱型の筐体11を有しており、筐体11の上部には、カプセル3を収容する収納ケース12が設けられている。収納ケース12の底板121は後部に向かって下方へ傾斜しており、底板121の後部の中間壁13には、カプセル3が落下可能な取出孔131が設けられている。
従って、収納ケース12に収納されているカプセル3は、底板121に沿って後側に下降し、中間壁13の上に集まる。
【0016】
収納ケース12の底板121の後端部を構成する中間壁13には、購入者が収納ケース12からカプセル3を取り出すための回転台14が設けられている。回転台14には、カプセル3が通過可能な切欠141が複数形成されており、切欠141は、回転台14の回転に伴って、収納ケース12の中間壁13に設けられている取出孔131に対応する位置を通過するようになっている。
【0017】
収納ケース12の下方前面には、筐体11の前面開口を覆う前壁111が、ヒンジにより開閉可能に設けられている。前壁111からは、コインC等を挿入するためのコイン挿入口113と、収納ケース12から取り出されたカプセル3が提供される収容物取出口15が露出している。なお、第1の物品提供装置10aではコインCは使用されないので、コイン挿入口113を設ける必要はないが、他の物品提供装置10と共通部品を使用する観点から、コイン挿入口113が設けられていてもよい。
【0018】
収容物取出口15は、第1の物品提供装置10aでは、第1の取出口15aが設けられ、第2の物品提供装置10bでは、第2の取出口15bが設けられ、第3の物品提供装置10c及び第4の物品提供装置10dでは、第3の取出口15cが設けられている。
また、物品提供装置10には、返却されるコインC等が排出されるコイン受け皿(硬貨返却部)16が設けられている。
【0019】
前壁111には、カプセル3を取り出す取出し操作部40を操作するための操作入力部41が、前壁111に回転可能に配置されている。操作入力部41は、所定のコインC等が所定枚数投入されて保持されていることが検出された場合、または、ゲームのプレイにおいてゲームが所定の状態になったときにのみ操作可能となり、カプセル3を取り出すことができる。なお、第1の物品提供装置10aでは、第1の操作入力部41aが設けられ、第2の物品提供装置10bでは、第2の操作入力部41bが設けられ、第3の物品提供装置10c及び第4の物品提供装置10dでは、第3の操作入力部41cが設けられている。
さらに、前壁111からは、挿入したコインC等を返却させるための返却レバー17が突出している。なお、第1の物品提供装置10aには、返却レバー17を設ける必要はない。
【0020】
取出し操作部40においては、前壁111の前面に露出している操作入力部41の回転中心軸に沿って主軸体42が設けられており、操作入力部41と一体で回転するように支持されている。筐体11の後壁112には、主軸体42の回転により回転する複数の歯車を有する歯車群43が回転可能に取り付けられている。収納ケース12の中間壁13に設けられている回転台14は、歯車群43を介して主軸体42に接続されている。
従って、操作入力部41を手動で回転させると、主軸体42を介して回転力が歯車群43に伝えられ、回転台14を回転させる。
【0021】
そして、操作入力部41の操作を続けることにより回転台14が所定角度回転して、回転台14に設けられている切欠141の一つが収納ケース12の中間壁13に設けられている取出孔131と一致すると、収納ケース12の中に収納されたカプセル3の一つが、回転台14の切欠141及び中間壁13の取出孔131から落ち、収容物取出口15に送られる。
【0022】
また、主軸体42の下方には、中間軸44が主軸体42と平行に設けられており、中間軸44の後端部は歯車群43に連結されている。中間軸44の略中央部分には第1傘歯車45が一体的に取り付けられており、第1傘歯車45には、第2傘歯車46が歯合している。従って、第2傘歯車46の回転を阻止すると、第1傘歯車45の回転が阻止されるので、中間軸44の回転が阻止される。その結果、歯車群43によって連結されている主軸体42の回転が阻止されるので、操作入力部41が回転しなくなり、操作入力部41を回転させてカプセル3を取り出すことができなくなる。
なお、第2傘歯車46は、投入物品検出装置20によって所定枚数のコインCが保持されていることが検出された場合、または、ゲームのプレイにおいてゲームが所定の状態になったときにのみ回転可能となる。
【0023】
また、収納ケース12の下側の内部空間Sには、投入された複数種類のコインC等を選別して所定枚数のコインC等が保持されているか否かを検出する投入物品検出装置20が内蔵されている。投入物品検出装置20には、投入された投入物品としてのコインC等の物品を選別する投入物品選別装置21が設けられており、投入物品選別装置21は、選別されたコインC等を保持するとともに、所定枚数のコインC等が投入されて保持されているか否かを検出する。
【0024】
図4に示すように、投入物品検出装置20は、投入物品選別装置21の上流側に、投入されたコインC等を投入物品選別装置21に案内する案内部22を有する。また、投入物品選別装置21の下流側には、投入物品選別装置21によって選別されたコインC等のうちの一方を一時的に保持するとともに、選別された別のコインC等を排出する投入物品保存部30と、物品提供装置10に収容されている玩具を取り出す操作を行う取出し操作部40を有する。
【0025】
案内部22は、内部空間を有する断面矩形状を呈しており、上流側端部にコインC等を投入する投入孔221を有する。投入孔221は、前壁111に設けられているコイン挿入口113の後側に連続している。投入孔221には、投入されたコインC等を案内すべく後方に向かって傾斜した案内路222が連続して設けられている。案内路222の下端には、案内されたコインC等を投入物品選別装置21に導く排出孔(図示省略)に接続されている。
【0026】
また、案内部22の後側には、投入物品選別装置21を投入物品検出装置20に着脱可能に取り付けるための投入物品選別装置係止部23が設けられている。投入物品選別装置係止部23は、回動可能な係止レバー231を有しており、係止レバー231と反対側に係止爪(図示省略)を有する。投入物品選別装置係止部23は、ばね(図示省略)により係止爪が投入物品選別装置21側に突出する方向に付勢されており、投入物品選別装置21を係止する。
従って、係止レバー231の操作により、投入物品選別装置21を投入物品検出装置20から容易に取り外すことができる。
【0027】
投入物品選別装置21の下側には、投入物品保存部30が設けられている。投入物品保存部30は、投入物品検出装置20の左面に第1のコインC等を保持する第1コイン保持部31を有するとともに、右面に第2のコインC等を保持する第2コイン保持部(32)を有する。また、コインC等を返却する返却路(図示省略)が設けられており、返却路の前端には返却口(第2の通路)316(326)が開口している。なお、第2コイン保持部(32)は、第1コイン保持部31と同様の構成をしているので、
図4においてかっこ書きで符号を示すこととする。
【0028】
従って、投入物品選別装置21によって選別された第1のコインC等は、第1コイン保持部31に保持され、選別された第2のコインC等は、第2コイン保持部(32)に保持される。また、選別された第3のコインC等は、保持されることなく返却路(図示省略)を通ってコイン受け皿16(
図3参照)に排出される。
【0029】
第1コイン保持部31は、保持する第1のコインC等を下側から支持する支持板311と、側面を保持する保持板312を有する。
支持板311は、断面L字形状を呈しており、水平部分で第1のコインC等を下側から支持する。支持板311は、垂直部分の上端を中心として、水平部分が左外側へ開くことができるように取り付けられている。
すなわち、支持板311は、常時は、水平部分が第1のコインC等を支持するが、水平部分を左外側へ開くと、保持されていた第1のコインC等は落下する。落下した第1のコインC等は、コイン溜め部(硬貨貯留部)33に溜められる。
【0030】
第2コイン保持部(32)は、保持する第2のコインC等を下側から支持する支持板(321)と、側面を保持する保持板(322)を有する。
支持板(321)は、断面L字形状を呈しており、水平部分で第2のコインC等を下側から支持する。支持板(321)は、垂直部分の上端を中心として、水平部分が右外側へ開くことができるように取り付けられている。
すなわち、支持板(321)は、常時は、水平部分が第2のコインC等を支持するが、水平部分を右外側へ開くと、保持されていた第2のコインC等は落下する。落下した第2のコインC等は、コイン溜め部33に溜められる。
【0031】
保持板312(322)は細長い矩形板状を呈しており、下端部を中心として、上端部が左外側(右外側)に開くことができるように支持されている。保持板312(322)には、幅方向中央部に、長手方向に沿った溝部313(323)が設けられており、溝部313(323)には、長手方向に所定の間隔で複数個のストッパ凹部314(324)が設けられている。ストッパ凹部314(324)には、第1コイン保持部31(第2コイン保持部32)に送られてきた第1のコインC(第2のコインC)を止めるストッパ315(325)が着脱可能に取り付けられる。
従って、ストッパ315(325)の取付位置によって、収容される第1のコインC(第2のコインC)等の枚数が設定される。
【0032】
保持板312(322)は常時は閉じており、コインC等を収容する空間にストッパ315(325)が突出していて、保持するコインC等の枚数を規制している。保持板312(322)は、返却機構(切替部)171により返却レバー17と連結されており、返却レバー17を操作(押す)すると、保持板312(322)の上端が開くようになっている。
【0033】
これに伴い、ストッパ315(325)が引っ込むので、保持されているコインC等は、支持板311(321)に沿って落下し、返却口316(326)から排出される。排出されたコインC等は、コイン受け皿16に排出されて返却される。返却レバー17は、ばねにより突出するように付勢されているので、返却レバー17から手を放すと、返却レバー17が突出する原点位置に復帰し、支持板311(321)の上端が閉じる。
【0034】
なお、
図5(A)及び(B)に示すように、コインC等の返却を電動で行うこともできる。すなわち、第1コイン保持部31における保持板312の上端を開く例えばL字形状のレバー18を、屈曲部を支点として回動可能に設ける。また、レバー18の近傍にモータ19を設けて、このモータ19で回動するアーム191を設ける。そして、モータ19の回転でアーム191を回動させ、アーム191でレバー18を回動させることにより、保持板312の上端を開くようにする。
【0035】
レバー18は、保持板312の上端を開くことができる程度に回動し、常時は、保持板312の上端を閉じる位置に復帰するようになっている。また、アーム191は、モータ19の回転により所定角度だけ回動するようにし、アーム191を返却位置(
図5(B)に示す位置)と原点位置(
図5(A)に示す位置)との間で回動可能とする。
なお、図示はしないが、第2コイン保持部(32)についても同様に、レバー、アーム、モータを設けて、電動でコインC等の返却を可能にすることができる。
【0036】
図1に示すように、ゲーム部50は、ゲーム装置1の前面における高さ方向中央部に、利用者が操作するための操作盤51を有している。操作盤51には、利用者の操作入力を受け付けてゲームを実行するための種々のボタンで構成されるゲーム操作部52が設けられている。また、操作盤51の上側には、ゲームの演出を表示する表示部53を有する。
ゲーム操作部52には、物品2のラベル4に印刷されたデータ(例えば、二次元コード)及び物品2の内部に設けられた記憶媒体が保持するデータを読み取る読取部52aと、表示部53に表示されるゲーム画面においてメニューの選択や決定を行うための各種のボタン52bと、物品2を着脱可能に保持する保持部52cとが設けられている。
【0037】
図6に示すように、操作盤51の内側には、制御部60が設けられており、物品2が保持するゲーム情報に基づいてゲームを実行する実行部61及び表示部53が接続されている。また、制御部60には、コインC等の投入を受け付ける投入部62、物品2からデータを読み取る取得部63、ゲームのプレイにおいて提示されるゲーム要素(データ)を物品2に付与する付与部64が接続されている。制御部60には記憶部66が接続されており、記憶部66に記憶されているプログラムに従って、ゲーム等を行う。
なお、投入部62は、投入物品検出装置20に接続されている。取得部63は、読取部52aと接続されている。付与部64は、保持部52cと接続されている。
【0038】
さらに、制御部60には、ゲームのプレイに応じた物品を提供する提供部65が接続されている。提供部65は、第1の提供部である第1の取出口15a(
図1参照)、第2の提供部である第2の取出口15b、第3の提供部である第3の取出口15cを有する。また、提供部65は取出し操作部40と連携しており、第1の取出口15a、第2の取出口15b、第3の取出口15cは、それぞれ、第1の操作入力部41a、第2の操作入力部41b、第3の操作入力部41cと連携している。
【0039】
次に、ゲーム装置1によるゲームの動作について説明する。なお、ゲームには、第1の物品提供装置10aと第2の物品提供装置10bとゲーム装置本体50(
図1参照)が用いられる。本実施の形態においては、第3の物品提供装置10c及び第4の物品提供装置10dは、ゲームには用いられず、ゲームで使用できる物品2を有料で購入することができるものとして記載しているが、ゲームで用いられるようにすることも可能である。
【0040】
ゲームは、物品2が保持するゲーム情報を読取部52aで読み取らせ、ゲーム装置1がゲーム情報を取得したことによりスタートする。そして、
図7に示すように、スタートすると(ステップSAS)、実行部61はゲームである抽選を実施する(ステップSA1)。そして、抽選により第1の状態である第1の当たりとなった場合には(ステップSA2)、利用者が第1の入力操作部41aを操作することを条件として、制御部60は第1の物品提供装置10aを制御して、第1の物品2aを収容したカプセル3を提供して(ステップSA3)、終了する(ステップSAE)。カプセル3には、第1の物品2aが収容されており、第1の当たりの場合には、対価の支払いをすることなく無料で獲得できる。この第1の物品2aは、ゲームの進行上用いることが可能なデータを保持している。なお、第1の状態である第1の当たりでは、無料で第1の物品2aを獲得することができるので、ゲームにおける第1の状態である第1の当たりの確率は最も低く、例えば7%程度に設定することができる。
【0041】
また、抽選において、第2の状態である第2の当たりとなった場合(ステップSA4)、制御部60は付与部64を制御して第1のゲーム要素であるデータを物品2に付与して(ステップSA5)、終了する(ステップSAE)。なお、ゲーム要素であるデータとは、例えば、ゲームに登場するキャラクターや、キャラクターに適用されるアイテム等のゲームの進行上用いることが可能なデータであり、制御部60の制御により、付与部64が物品2の内部の記憶媒体(図示せず)にデータを書き込む。データの付与は、利用者が持っている物品2をゲーム装置1のゲーム操作部52の保持部52cに保持した状態で行われる。なお、第2の状態は、無料で得られるのがデータのみで物体ではないので、ゲームにおける第2の状態である第2の当たりの確率は、無料で物が獲得できる第1の状態よりも高く、例えば15%程度に設定することができる。
【0042】
また、抽選において、第3の状態である第3の当たりとなった場合(ステップSA5)、制御部60は付与部64を制御して第2のゲーム要素Aであるデータを物品2に付与(ステップSA6)または第2のゲーム要素Bであるデータを物品2に付与(ステップSA7)する。
【0043】
その後、利用者に有料で第2の物品2bを入手するかどうかを選択させ(ステップSA8)、有料での入手を希望しない場合には終了する(ステップSAE)。有料でも第2の物品2bの入手を希望する場合には、利用者は第2の物品提供装置10bのコイン挿入口113からコインCやメダル等を投入して対価を支払い(ステップSA9)、さらに第2の操作入力部41bの操作を条件として、物品提供装置10bは第2の物品2bを利用者に提供して(ステップSA10)、終了する(ステップSAE)。なお、第3の状態である第3の当たりの場合には、第2のゲーム要素Aまたは第2のゲーム要素Bであるデータに加えて第2の物品2bを入手可能であるが、第2の物品2bが提供されるには、対価を支払う必要があるので、ゲームにおける第3の状態である第3の当たりの確率は、対価を支払わずに第1の物品2aを入手可能な第1の状態よりも高くする一方、第1のゲーム要素のみを入手可能で物品2を入手する機会が与えられない第2の状態よりかは低く、例えば10%程度に設定することができる。
【0044】
また、抽選において、第4の状態であるハズレの場合には(ステップSA11)、ゲームは終了する(ステップSAE)。この場合には、対価の支払いを要することなくゲームは終了する。
【0045】
また、ゲーム装置1でゲームをしない場合においても、第3の物品提供装置10c及び第4の物品提供装置10dに対価(硬貨)を支払い、操作部41cを操作することにより、第3の物品2cを入手することが可能ある。ただし、第3の物品2cには、第1の物品2a及び第2の物品2bと同じ物品は含まれず、それ故、ゲーム装置によるゲーム(抽選)でのみ入手可能な第1の物品2a及び第2の物品2bの価値は相対的に高いものとなる。
なお、ゲームにおいて第4の状態であるハズレの確率は、最も高く、例えば68%程度に設定することができる。
【0046】
本実施の形態においては、ゲームに用いられる物品2によって抽選に当たる確率が変化する。変化させる対象は、第1の当たりとなる確率、第2の当たりとなる確率、第3の当たりとなる確率のいずれにすることも可能であるが、ゲームで当選することで物品2が提供されうる第1の当たり及び第3の当たりの当選確率が高まるように変化させることで、ゲームの興趣性をより高めることができる。また、物品提供装置10から提供される第1の物品2a、第2の物品2b、第3の物品2cをゲームに用いた場合に限り、第1の当たりとなる確率、第2の当たりとなる確率、第3の当たりとなる確率の少なくとも何れかを変化させることができるものとし、物品提供装置10以外で提供される物品2では第1の当たりとなる確率、第2の当たりとなる確率、第3の当たりとなる確率を変化させないようにすることで、ゲームに使用する物品に応じた変化を楽しむことができ、利用者に興趣をわかせるとともに高い遊戯性が得られる。
【0047】
以上、説明したように、本実施形態に係るゲーム装置1では、制御部60の制御により、物品2が保持するゲーム情報に基づいて実行部61がゲームを実行し、提供部65がゲームのプレイに応じて物品2を提供する。あるいは、付与部64がゲームのプレイにおいて提示されるゲーム要素(データ)を付与する。この際、制御部60の制御により、実行部61によるゲームのプレイで第1の状態となった場合には、提供部65による物品を提供可能な状態とし、ゲームのプレイで第1の状態とは異なる第2の状態となった場合には、付与部64によるゲーム要素を付与可能な状態にする。
【0048】
つまり、ゲームのプレイによって、物品2やゲーム要素(データ)を獲得することができる。これにより、物品2とゲーム要素(データ)といった異なる態様の景品を入手できる可能性があるため、利用者に興趣をわかせるとともに高い遊戯性が得られる。
【0049】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、制御部60の制御により、取得部63が物品2の保持するゲーム情報(データ)を取得した場合、実行部61がゲームを実行する。
このため、ゲーム情報(データ)を取得した場合には、対価を支払うことなくゲームを実行することができる。これにより、対象となる利用者の間口を広げることができ、利用者に興趣をわかせるとともに高い遊戯性が得られる。
【0050】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、ゲームのプレイで、ゲームが第1の状態となった場合には物品2を獲得でき、第2の状態となった場合には付与部64によってゲーム要素の付与が行われるが、これら物品2及びゲーム要素の付与は、利用者による対価の支払いを条件とせずに制御部60が実行する。このため、対象となる利用者の間口を広げることができ、利用者に興趣をわかせるとともに高い遊戯性が得られる。
【0051】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、提供部65は、ゲームのプレイに応じて互いに異なる第1の物品2a及び第2の物品2bを選択的に提供可能であるとともに、付与部64は互いに異なる第1のゲーム要素及び第2のゲーム要素を選択的に付与可能である。そして、制御部60は、実行部61によるゲームプレイでゲームが第1の状態となった場合には、提供部65による第1の物品2aを提供可能な状態とし、実行部61によるゲームのプレイでゲームが第2の状態となった場合には、付与部64による第1のゲーム要素を付与可能な状態とする。さらに、実行部61によるゲームのプレイでゲームが第1の状態及び第2の状態とは異なる第3の状態となった場合には、付与部64による第2のゲーム要素を付与可能な状態にする。
すなわち、第1の状態では第1の物品2aを入手可能な状態となり、第2の状態では第1のゲーム要素を付与可能な状態となり、第3の状態では第2のゲーム要素を付与可能な状態となる。
【0052】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、制御部60は、実行部61によるゲームのプレイでゲームが第1の状態となった場合、提供部65による第1の物品2aを提供可能な状態とするので、無料で(対価の支払いを条件とせず)第1の物品2aを獲得することができる。また、実行部61によるゲームのプレイでゲームが第3の状態となった場合には、付与部64による第2のゲーム要素を付与可能な状態とした後、利用者の選択により対価の支払いを条件として、提供部65による第2の物品2bを提供可能な状態にするので、対価を支払えば第2の物品2bを獲得することができる。第2の物品2bの入手に関わらずゲームが第3の状態となった場合には無料で(対価の支払いを条件とせず)第2のゲーム要素の付与を行うことにより、対価の支払いを条件とした物品2の入手を希望しない利用者にもゲームが第3の状態になったことによる充足感を抱かせることが可能となる。また、対価の支払いを条件とした物品の入手という機会を利用者に与える状態を用意することで、利用者にゲーム装置1でのゲームのプレイにおけるさらなる興趣性を提供することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、実行部61によるゲームのプレイでゲームが第2の状態となって得られる第1のゲーム要素よりも、ゲームのプレイでゲームが第3の状態となって対価の支払いを条件として得られる第2のゲーム要素の方が、次回以降のゲームにおいて利用されるゲーム要素としては、ゲームの進行に有利なゲーム要素となる。本実施の形態においては、第2のゲーム要素が付与される第3の状態になる確率の方が、第1のゲーム要素が付与される第2の状態になる確率よりも低く設定されている。そのため、第1のゲーム要素よりも入手できる可能性の低い第2のゲーム要素の方に第1ゲーム要素より高いゲーム進行時における優位性を与えている。
【0054】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、制御部60の制御により、実行部61によるゲームのプレイでゲームが第1の状態、第2の状態、第3の状態及び第4の状態のうちの何れか1つになるようにされる。
【0055】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、制御部60は、実行部61によるゲームのプレイでゲームが第1の状態、第2の状態及び第3の状態とは異なる第4の状態である場合、提供部65による第1の物品2a及び第2の物品2bの提供を不可能な状態にするとともに、付与部64による第1のゲーム要素及び第2のゲーム要素の付与を不可能な状態にする。すなわち、第4の状態では、第1の物品2a、第2の物品2b、第1のゲーム要素及び第2のゲーム要素を獲得することはできない。
【0056】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、制御部60は、実行部61によるゲームのプレイでゲーム第1の状態となる確率よりも、第2の状態となる確率の方が高くなるように制御する。すなわち、いずれの場合も対価の支払いはないが、第1の状態では第1の物品2aという物が獲得されるが、第2の状態ではゲーム要素というデータのみが獲得されるため、安価な第2の状態の方を優先する。
【0057】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、制御部60は、利用者が取出し操作部40を操作したことを条件として、提供部65により物品2が提供されるので、操作を行わなければ物品2を得ることができない。
【0058】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、第1の物品2aは第1の取出口15aから取り出され、第2の物品2bは第2の取出口15bから取り出される。
【0059】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、利用者が保持する第1の物品2aのゲーム情報に基づいて実行部61がゲームを実行した場合と、利用者が保持する第2の物品2bのゲーム情報に基づいて実行部61がゲームを実行した場合とでは、ゲームのプレイの内容が異なる。すなわち、第1の物品2aと第2の物品2bとでは、その後のゲームに用いた場合の価値が異なっている。
【0060】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、第1の取出口15a及び第2の取出口15bとは異なる第3の取出口15cを有しており、第1の物品2a及び第2の物品2bとは異なる第3の物品2cは、第3の取出口15cから提供される。このとき、利用者による対価の支払い及び利用者による取出し操作部40の操作が条件とされる。
【0061】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、第1の物品2a、第2の物品2b、第3の物品2c及びそれ以外の物品2のうちの何れかが保持するゲーム情報を取得部63が取得したことによって第1の状態、第2の状態又は第3の状態になる確率が変更されるように制御する。このため、物品2の種類によって、当選確率を変えることができる。
【0062】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、利用者が投入部62から投入した硬貨Cは、第1コイン保持部31又は第2コイン保持部32を通ってコイン溜め部33に貯留される。あるいは、利用者が投入部62から投入した硬貨Cは、返却口316(326)を通ってコイン受け皿16に返却される。第1コイン保持部31又は第2コイン保持部32と返却口316(326)との間には、返却機構171が設けられており、返却機構171によって選択可能となっている。
そして、実行部61によるゲームのプレイでゲームが第3の状態になった場合、硬貨Cが第1コイン保持部31又は第2コイン保持部32を通過してコイン溜め部33に達するように制御部60が返却機構171を制御する。対価の支払いが一定時間内にない場合には、硬貨Cが返却口316(326)を通過して返却されるように制御部60が返却機構171を制御してもよい。
【0063】
また、本実施形態に係るゲーム装置1では、ゲームのプレイでゲームが、第1の状態、第2の状態及び第4の状態のうちの何れか1つの状態である場合、硬貨Cが返却口316(326)を通過するように返却機構171を制御して、硬貨Cを返却する。
【0064】
以上、説明したように、本実施形態に係るゲーム装置のプログラムでは、実行部61によるゲームのプレイでゲームが第1の状態となった場合、提供部65による物品2を提供可能な状態に制御し、実行部61によるゲームのプレイで第1の状態とは異なる第2の状態になった場合には、付与部64によるゲーム要素を付与可能な状態に制御する。このため、ゲームのプレイによっては、物品2やゲーム要素(データ)を獲得することができる。これにより、物品2とゲーム要素(データ)といった異なる態様の景品を入手でき、利用者に興趣をわかせるとともに高い遊戯性が得られる。
【0065】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
第2実施形態は、前述した第1実施形態と同様の構造であり、制御部60が実行部61を制御して行われるゲームの流れのみが異なる。
【0066】
図8に示すように、スタートすると(ステップSCS)、実行部61はゲームである抽選を実施する(ステップSC1)。本実施の形態においては、ステップSC1の抽選を1回目の抽選とする。そして、1回目の抽選において、ゲームが第1の状態である第1の当たりとなった場合には(ステップSC2)、制御部60は、第1の物品提供装置10aを制御して、第1の物品2aを収容したカプセル3を提供する(ステップSC3)。そして、2回目の抽選を実施し(ステップSC4)、2回目の抽選において、ハズレの場合には終了する(ステップSCE)。一方、2回目の抽選において、ゲームが第3の状態である第3の当たりとなった場合には(ステップSC7)、制御部60は付与部64を制御して第2のゲーム要素Aであるデータを物品2に付与(ステップSA8)又は第2のゲーム要素Bであるデータを物品2に付与(ステップSA9)する。
【0067】
また、1回目の抽選において、ゲームが第2の状態である第2の当たりになった場合(ステップSC5)、利用者の物品2に第1のゲーム要素であるデータを付与する(ステップSC6)。2回目の抽選を実施し(ステップSC4)、2回目の抽選において、ハズレの場合にはゲームは終了する(ステップSCE)。一方、2回目の抽選において、第3の状態である第3の当たりになった場合には(ステップSC7)、制御部60は付与部64を制御して第2のゲーム要素Aであるデータを物品2に付与(ステップSA8)又は第2のゲーム要素Bであるデータを物品2に付与(ステップSA9)する。
【0068】
その後、利用者が有料で第2の物品2bを入手するかどうかを選択させ(ステップSA10)、有料での入手を希望しない場合には終了する(ステップSAE)。有料でも第2の物品2bの入手を希望する場合には、利用者は第2の物品提供装置10bのコイン挿入口113からコインCやメダル等を投入して対価を支払い(ステップSC11)、さらに第2の操作入力部41bの操作を条件にして、制御部60が第2の物品2bを提供して(ステップSC12)、終了する(ステップSAE)。
【0069】
また、1回目の抽選において、ゲームが第4の状態であるハズレとなった場合には(ステップSC13)、表示部53がハズレであることを表示部53が表示した後2回目の抽選を実施し(ステップSC14)、2回目の抽選にハズレた場合にはゲームは終了する(ステップSCE)。つまり、この場合には、ゲームのプレイにおいて、対価の支払いを要することなく、ゲームは終了する。2回目の抽選において、ゲームが第3の状態である第3の当たりとなった場合には(ステップSC7)、制御部60は付与部64を制御して第2のゲーム要素Aであるデータを物品2に付与(ステップSA8)又は第2のゲーム要素Bであるデータを物品2に付与(ステップSA9)する。したがって、ハズレの場合でも、2回目の抽選の機会があることにより、無料で第2のゲーム要素を得る、または、対価を支払って第2の物品2bを得ることができる可能性がある。
【0070】
以上、説明したように、本実施形態に係るゲーム装置1では、利用者が物品2とゲーム要素(データ)といった異なる態様の景品を入手できることにより、利用者に興趣をわかせるとともにゲーム装置1でのゲームのプレイに高い遊戯性が得られる。また、実行部61によるゲームの進行状況が第1の状態、第2の状態または第4の状態になるように制御した後、ゲームの進行状況がさらに第3の状態になる可能性がある。これにより、え利用者に興趣をわかせるとともに高い遊戯性が得られるほか、利用者がゲーム装置1でプレイした場合の満足度を向上させることが可能となる。
【0071】
本発明のゲーム装置及びゲーム装置のプログラムは、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。