(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フィルタ装置は、円柱型のフィルタ本体を有し、前記フィルタ本体は円柱の軸が横向きに配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された自走式切削機。
【背景技術】
【0002】
一般的に、舗装路面の補修工事等に用いられる自走式切削機は、車体の下方に設置され、高速回転することにより舗装路面を切削する切削ドラムと、この切削ドラムによって切削された舗装路面廃材を、車体の走行方向の前方に搬出するベルトコンベアとを備えている。
前記切削ドラムの外周面には切削ビットが設けられ、前記車体本体を自走させながら、前記切削ドラムを高速で回転させ、舗装路面を切削する。この切削によって発生した舗装路面廃材は、前記切削ドラムからベルトコンベアに搬出され、更に前記ベルトコンベアからトラック等の車両に搬出され、前記舗装路面から切削した舗装路面廃材を除去するようになされている。
【0003】
この自走式切削機にあっては、切削ドラムを高速で回転させることによって、舗装路面を切削するため、多大の粉塵が発生する。
更に、切削された舗装路面廃材が切削ドラムからベルトコンベアに搬出される際、またベルトコンベアから車両等に搬出する際にも、多大の粉塵が発生する。
この粉塵は、自走式切削機を操作する者、或いは舗装路面工事の作業者、更には舗装路面工事が行われている地域の住民に健康上の悪影響を及ぼす虞がある。
【0004】
この粉塵を抑制、除去する手段として、特許文献1(特開2007−138420号公報)には、
図9に示す路面切削装置50が開示されている。この路面切削装置50は、路面を切削する切削ドラム56と、切削した廃材を搬送する第1の搬送コンベア51、及びそれに続く第2の搬送コンベア52を備える。前記第1の搬送コンベア51及び第2の搬送コンベア52はカバー部材53で覆われ、このカバー部材53には排気通路54の一端が接続されている。また、前記排気通路54の他端には、カバー部材53内の圧力を大気圧以下にする吸引器55が接続されている。
この路面切削装置50によれば、路面切削時及び切削屑搬送時などに発生した粉塵がカバー部材53の継ぎ目部や開口部などから外部に漏れて飛散するのを防止することができる。
【0005】
一方、本願出願人は、特許文献2(特開2013−2073号公報)において、粉塵回収装置及びこれを備えた自走式切削機を開示している。
図10は、特許文献2に開示した自走式切削機60の側面図である。この自走式切削機60は、エンジン61によって高速回転可能な切削ドラム62を備え、特許文献1に開示の路面切削装置50と同様に、切削ドラム62によって、補修すべき舗装道路を切削するものである。
図示するように、この自走式切削機60は、切削ドラム62により切削した舗装路面廃材Wを切削ドラム室63から搬出するための第1のベルトコンベア64とそれに続く第2のベルトコンベア65とを備え、第2のベルトコンベア65で搬送された舗装路面廃材Wはトラック70に搬出される。
【0006】
また、切削ドラム室63において発生した粉塵は、粉塵回収装置66に回収される。この粉塵回収装置66は、サイクロン部67によって除塵された空気を旋回流として旋回流形成塔68から導出し、前記旋回流形成塔68から導出された旋回流の空気に対して、噴射ノズル69によってミスト状の水を散水するものである。この粉塵回収装置66によれば、微細な粉塵を回収することができ、従来型のフィルタは不要となり、その交換やメンテナンス作業が不要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、
図9に開示された路面切削装置にあっては、吸引器55が車両フレーム57の下側に配置されており、同じく車両フレーム57の下側に配備された切削ドラム52の可動範囲を狭めるという課題があった。また、切削ドラム52との干渉を避けるため、大型の吸引器55を配置することができず、粉塵の捕集が不十分になるという課題があった。
【0009】
また、自走式切削機の場合、その操作は、これに並行して歩く作業者が前方の舗装道路及び現在切削している箇所の状況を見ながら行われる。作業者が操作する操作盤は、通常、切削ドラムのすぐ前方に設置され、作業者は
図10に破線で示す位置Pにおいて、操作盤を操作しながら切削ドラム56の配置を調整しつつ歩き進むことになる。
しかしながら、特許文献2に開示した自走式切削機60にあっては、粉塵回収装置66を作業者の前方に配置しており、粉塵回収装置66が作業者の前方の視界を遮り、好ましくないという課題があった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、切削ドラムにより舗装路面を切削しながら舗装路面廃材を回収する自走式切削機において、発生した粉塵を回収するフィルタ装置を備え、前記フィルタ装置の大きさ、配置によって切削ドラムの可動範囲を狭めることがなく、また、作業者の視界を遮ることのない自走式切削機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記した課題を解決するために、本発明に係る自走式切削機は、切削ドラムにより舗装路面を切削した際、発生する粉塵を回収する自走式切削機であって、前記切削ドラムを回転させながら走行可能な車両本体と、前記発生する粉塵を吸引し回収するフィルタ装置とを備え、前記車両本体は、車両前後方向に長く形成されるとともに前記切削ドラムの上方に配置され、該切削ドラムを上下方向に移動させるためのシリンダの一端が取り付けられた車両上部フレームと、前記切削ドラムの前方に配置されるとともに、前記切削ドラムを車両前後方向に移動させるためのシリンダの一端が取り付けられ、前記車両上部フレームから下方に延びる車両縦フレームとを有し、前記フィルタ装置は、車両前後方向において前記切削ドラムと前記車両縦フレームとの間に配置され、且つ車両高さ方向において前記車両上部フレーム上に配置されることに特徴を有する。
【0012】
尚、前記車両本体は、前記切削ドラムにより切削された舗装道路廃材を搬出するための折り畳み可能なベルトコンベアを備え、前記フィルタ装置は、前記車両上部フレームの左右両側に配置され、前記車両上部フレームの中央部に前記ベルトコンベアが配置されることが望ましい。
また、前記車両上部フレーム上に配置された前記フィルタ装置の高さは、折り畳んだ状態の前記ベルトコンベアの高さを超えないことが望ましい。
また、前記フィルタ装置は、円柱型のフィルタ本体を有し、前記フィルタ本体は円柱の軸が横向きに配置されることが望ましい。
また、前記発生した粉塵を前記ベルトコンベア上で遮蔽するためのゴム板を備え、該遮蔽された空間から前記フィルタ装置により粉塵が吸引されることが望ましい。
また、前記ゴム板には、縦方向の複数のスリットが並列に設けられていることが望ましい。
【0013】
このような構成によれば、作業者が自走式切削機と並行して歩きながら作業する位置の側方且つ上方にフィルタ装置は配置されるため、フィルタ装置が大型のものであっても作業者の前方の視界を遮らず視界を確保することができる。
また、フィルタ装置は、車両上部フレームの上に配置されるため、車両上部フレームの下方に配設された切削ドラムの可動領域を妨げることがない。
また、前記車両上部フレーム上に配置された前記フィルタ装置の高さが、折り畳んだ状態のベルトコンベアの高さを超えないようにすることにより、搬送時の車高制限を従来通りクリアすることができ、安全に作業することができる。
特に、円柱状のフィルタ本体を横向き(横方向に長く)配置することによって、大型のフィルタ装置であっても、視界を確保することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、切削ドラムにより舗装路面を切削しながら舗装路面廃材を回収する自走式切削機において、発生した粉塵を回収するフィルタ装置を備え、前記フィルタ装置の大きさ、配置によって切削ドラムの可動範囲を狭めることがなく、また、作業者の視界を遮ることのない自走式切削機を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明にかかる自走式切削機の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる自走式切削機の側面図、
図2は平面図である。
この自走式切削機1は、車両本体2のほぼ中央上部に設けられた運転席3と、車両本体2に設けられた駆動装置であるエンジン4と、前記エンジン4によって駆動されるタイヤ等の走行手段5とを備える。尚、前記エンジン4の側方には、エンジン4の回転を動力源として電装部品の電源を発電するオルタネータ41が配置されている。
図2に示すように、このオルタネータ41により発電された交流電流は直流に変換されてバッテリー42に蓄えられ、AC/DCインバータ43によって交流電流に変換され、運転席3付近に設けられたメイン操作盤44から電源供給することが可能となっている。
【0017】
さらに自走式切削機1は、車両本体2の略中央下部における幅方向に設けられた、多数個の切削ビットを備えた切削ドラム6と、前記切削ドラム6の上部及び前後左右部を覆い、切削ドラム室7を形成するカバー板8とを備えている。このように、前記カバー板8が切削ドラム6の上部及び前後左右部を覆い、切削ドラム室7がほぼ密閉した状態になされるため、前記切削ドラム室7から外部への粉塵Dの飛散は抑制される。
【0018】
また、前記切削ドラム6は、前記エンジン4等によって高速回転可能に設けられ、補修すべき舗装道路を切削することができるように構成されている。
さらに、切削ドラム6により切削した舗装路面廃材を前記切削ドラム室7から搬出するための第1のベルトコンベア9が設けられている。この第1のベルトコンベア9の始点は、切削ドラム室7に設けられ、第1のベルトコンベア9の終端は、車両本体2の前部に位置するように配置されている。また、この第1のベルトコンベア9の上側部分、即ち舗装路面廃材が搬出される空間は、カバー部材9aによって覆われ、密閉状態になされ、外部への粉塵Dの飛散が抑制されるように構成されている。
【0019】
更に、前記車両本体2の前部上部に対し、図示する様に折り畳んだ状態からリンク機構11によって回動可能に配設され、かつ前記第1のベルトコンベア9からの舗装路面廃材を受け取りトラック車両の荷台等に搬出するための第2のベルトコンベア10が配設されている。
この第2のベルトコンベア10についても、第1のベルトコンベア9と同様に、第2のベルトコンベア10の上側部分(
図1、2は第1のベルトコンベア9に対し第2のベルトコンベア10を折り畳んだ状態なので下側に位置する)、即ち舗装路面廃材が搬送される空間は、カバー部材10aによって覆われ、密閉状態になし、外部への粉塵Dの飛散が抑制されるように構成されている。
【0020】
このように切削ドラム室7から第2のベルトコンベア10の終端に至る経路が、略密閉された状態となり、外部への粉塵Dの飛散が抑制されるように構成されている。
前記切削ドラム6は、切削ドラム室7を形成するカバー板8とともに上下、及び前後に移動可能となされる。即ち、ボックス状のカバー板8の上面側には、車体の高さ方向に伸縮するよう配置された油圧シリンダ12の一端が回動自在に連結され、他端は車両本体2の上部フレーム2Aに回動自在に連結されている。
【0021】
また、カバー板8の上面側前端部には、車体の前後方向に伸縮するよう配置された油圧シリンダ13の一端が回動自在に連結され、他端は車両本体2の車両縦フレーム2Bに回動自在に配置されている。また、油圧シリンダ13と平行に配置された油圧シリンダ14の一端がカバー板8の側面側に回動自在に接続され、その他端は車両本体2の車両縦フレーム2Bに回動自在に接続されている。
尚、
図1では、上記の3本の油圧シリンダのみを示すが、車両本体2の幅方向の反対側にも同様に3本の油圧シリンダが配備される。
【0022】
これら油圧シリンダ12、13、14の駆動は、車両本体2の側部に設けられた操作スイッチ群15を、(車両に対する)作業位置Pにおいて車両と並行して歩く作業者が路面状態を見ながら操作することによってなされる。即ち、操作スイッチ群15の操作により油圧シリンダ12、13、14はそれぞれ伸縮し、カバー板8とともに切削ドラム6を上下、及び前後方向に移動させることが可能となされている。
また、車両本体2の側面には前記操作スイッチ群15の他、コンベア操作のための操作スイッチ群16が設けられ、作業者の操作によりコンベアの回転方向の制御や変速が可能となっている。尚、運転席3付近のメイン操作盤44にもコンベア操作のためのスイッチは設けられているが、車両本体2の側面に前記スイッチ群16を設けることにより、作業者が運転席まで上らなくてもコンベア操作が可能となっている。
【0023】
また、本発明に係る自走式切削機1は、切削ドラム6が切削した舗装路面廃材を第1のベルトコンベア9に流す際に、切削ドラム室7内に生じた粉塵Dを吸引して集塵するためのフィルタ装置30を備えている。このフィルタ装置30は、
図2に示すように車両上部フレーム2A上の左右両側に対称的に配置される。また、車両の前後方向の位置は、
図1、
図2に示すように、切削ドラム6と車両縦フレーム2Bとの間(操作スイッチ群15、16と略同じ位置)とされる。
即ち、作業者が自走式切削機1と並行して歩きながら作業する作業位置Pにおいて、フィルタ装置30は、作業者の側方且つ上方に配置されることになる。これにより、フィルタ装置30が、その大きさにかかわらず作業者の前方の視界を遮ることがない。また、フィルタ装置30は、車両上部フレーム2Aの上に配置されるため、車両上部フレーム2Aの下方に配設された切削ドラム6の可動領域が広く確保される。
【0024】
また、前記車両上部フレーム2A上に配置された前記フィルタ装置30の高さは、折り畳んだ状態の第2のベルトコンベア10の高さを超えないようになっている。これにより、搬送時の車高制限を従来通りクリアすることができ、安全に作業することができる。
また、第1のベルトコンベア9の上流端の上面側には粉塵吸引フード17が設けられており、この粉塵吸引フード17とフィルタ装置30とは吸引ダクト18によって連結されている。
【0025】
図3は前記粉塵吸引フード17の正面図であり、
図4は平面図であり、
図5は側面図である。粉塵吸引フード17は、ベルトコンベアの幅方向に長い吸引フード本体21と、その前方側にコ字状(トンネル状)に延設された遮蔽フード22とを有する。吸引フード本体21及び遮蔽フード22は、例えば金属板により一体に形成されている。
前記遮蔽フード22は、トンネル形状を形成する天井部22a及び左右両側の壁部22bを有し、更にトンネル形状の後部開口(吸引フード本体21側の開口)を塞ぐようにカーテン状に設けられたゴム板22cを有する。
【0026】
尚、矩形状の前記ゴム板22cの取り付け方法は限定されるものではない。本実施の形態においては、前記天井部22aに対しては固定用ステー24,25を用いて螺子留めされ、前記壁部22bに対しては固定用ステー26、27を用いて螺子留めされ、吸引フード本体21に対しては固定用ステー28を用いて螺子留めされる。これによりゴム板22cは、上辺のみが吸引フード本体21の前部側に固定され、カーテン状に設けられる。
【0027】
前記粉塵吸引フード17は、
図1に示すように上流側に吸引フード本体21が配置され、下流側に遮蔽フード22が配置されている。
図5に示すように第1のベルトコンベア9の上方のカバー部材9aには、前記粉塵吸引フード17を配置するための開口9a1が設けられている。
図5に示すように吸引フード本体21の前部における左右両側の壁には、下方に突出するタブ状部21bが形成されており、それらの外側面が第1のベルトコンベア9の左右両側の壁部9bの内側面に密着し、吸引フード本体21を固定している。また、遮蔽フード22において、左右両側の壁部22bの外側面は、第1のベルトコンベア9の左右両側の壁部9bの内側に密着し、これにより遮蔽フード22は第1のベルトコンベア9上に固定されている。このように粉塵吸引フード17が第1のベルトコンベア9上に配置されると、前記カバー部材9aの開口9a1は、吸引フード本体21と遮蔽フード22の天井部22aとにより塞がれる。
【0028】
また、第1のベルトコンベア9上に粉塵吸引フード17が配置された状態では、ゴム板22cの下辺は、ベルトコンベア上面9cに摺接するようになっている。ゴム板22cには、
図3に示すように縦方向に複数のスリット22c1が設けられており、宙に舞う粉塵以外の廃材のみをベルトコンベア上に搬出しやすい構造となっている。言い換えれば、ゴム板22cは、ベルトコンベア上で宙に舞う粉塵を前記吸引フード本体21下の空間内に遮蔽するものである。
また、吸引フード本体21の左右両側には、該フード内空間にそれぞれ連通するホース口21aが設けられている。このホース口21aには、吸引ダクト18の一端が接続される。
【0029】
図6は、フィルタ装置30の横断面図であり、
図7はその縦断面図であり、
図8は正面図である。尚、車両本体2の左右両側に設けられたフィルタ装置30の構造は同じであるため、ここでは一方のみを図示して説明する。
フィルタ装置30は、粉塵を捕集する円柱型のフィルタ31(フィルタ本体)と、フィルタ31を収容するフィルタケース32と、前記フィルタケース32内において前記フィルタ31の下方に配置されるスクリューコンベア33とを有する。前記円柱型のフィルタ31は横向きとされ、その円柱軸周りに回転可能に配置され、前記スクリューコンベア33とともにギアモータ34の駆動により回転可能となされている。尚、フィルタ31の下方には、該フィルタ31の軸方向に沿って長く形成された引っ掻きベラ37が配置され、フィルタ31が回転することにより、その周面に引っ掻きベラ37が摺接し、フィルタ31表面に付着した粉塵を掻き落とすようになされている。また、
図8に示すように、フィルタケース32の蓋部32bは開閉自在に設けられており、フィルタ31の交換や、フィルタ31のより丁寧な清掃も可能となっている。
【0030】
さらに、フィルタ装置30は、フィルタ31の後方に、切削ドラム室7において発生した粉塵を吸引するための吸引ブロア35を有する。この吸引ブロア35の側面には排気口35aが設けられている。一方、フィルタケース32の前部には吸引口32aが設けられ、この吸引口32aに吸引ダクト18の他端が接続されている。また、フィルタケース32内のスクリューコンベア33の搬送方向の終端下方には、粉塵を回収するための粉塵回収ボックス36が設けられている。
【0031】
このように構成されたフィルタ装置30にあっては、次のように動作する。切削作業により切削ドラム室7に発生した粉塵は、吸引ブロア35が駆動することによりコンベア上面に配置された粉塵吸引フード17から吸引され、フィルタケース32内に運ばれる。
フィルタケース32内に流れ込んだ粉塵を含む空気は、フィルタ31の外側から中心部へ流れ、フィルタ31により濾過されて吸引ブロア35側へ流れる。これによりフィルタ31の外面に粉塵が付着する。フィルタ31により濾過された空気は、吸引ブロア35の排気口35aから大気中に排気される。
フィルタ31の表面に付着した粉塵は、吸引ブロア35の停止後に、フィルタ31が回転されて引っ掻きヘラ37により掻き落とされ、フィルタケース32の底部に払い落とされる。フィルタケース32の底部には、スクリューコンベア33が配置されているため、その回転搬送により粉塵は、粉塵回収ボックス36内に排出される。
【0032】
以上のように本発明に係る実施の形態によれば、フィルタ装置30は、
図1、
図2に示すように車両前後方向において切削ドラム6と車両縦フレーム2Bとの間(操作スイッチ群15、16と略同じ位置)に配置され、且つ、高さ方向において、車両上部フレーム2A上の位置に配置される。
即ち、作業者が自走式切削機1と並行して歩きながら作業する作業位置Pにおいて、フィルタ装置30は、作業者の側方に配置されるため、フィルタ装置30が大型のものであっても作業者の前方の視界を遮らず視界を確保することができる。
また、フィルタ装置30は、車両上部フレーム2Aの上に配置されるため、車両上部フレーム2Aの下方に配設された切削ドラム6の可動領域を広く確保することができる。
また、前記車両上部フレーム2A上に配置された前記フィルタ装置30の高さが、折り畳んだ状態の第2のベルトコンベア10の高さを超えないようにすることにより、搬送時の車高制限を従来通りクリアすることができ、安全に作業することができる。
特に、円柱状のフィルタ31は横向き(横方向に長く)配置されるため、大型のフィルタ装置30であっても、運転席3の作業者の視界を確保することができる。
【0033】
尚、前記実施の形態においては、フィルタ装置30は、車両幅方向の両側の車両上部フレーム2A上に1台ずつ配備した例を示したが、本発明にあっては、その構成に限定されるものではない。
例えば、フィルタ装置30は、車両幅方向の片側の車両上部フレーム2A上のみに配備してもよい。また、複数台を車両幅方向の片側のみに配備してもよく、或いは、車両幅方向の両側にそれぞれ複数台配備した構成としてもよい。
【0034】
また、前記実施の形態においては、フィルタ31を円柱形とし、さらに横向きに配置した構成としたが、本発明にあっては、その形態に限定されるものではない。
即ち、フィルタ装置30を車両上部フレーム2A上に配置したときに、フィルタ装置30の高さが折り畳んだ第2のベルトコンベア10の高さを超えなければよい。したがって、本発明にあっては、フィルタ装置30のフィルタ形状や配置の向きは前記実施形態に限定されず、例えば、フィルタ装置30を縦置きにした場合にも適用することができる。