特許第6500118号(P6500118)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特許6500118-車両のための車速整合方法および装置 図000002
  • 特許6500118-車両のための車速整合方法および装置 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6500118
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】車両のための車速整合方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 6/00 20060101AFI20190401BHJP
   B60W 30/12 20060101ALI20190401BHJP
   B60T 7/12 20060101ALI20190401BHJP
   B62D 101/00 20060101ALN20190401BHJP
   B62D 119/00 20060101ALN20190401BHJP
   B62D 137/00 20060101ALN20190401BHJP
【FI】
   B62D6/00
   B60W30/12
   B60T7/12 F
   B62D101:00
   B62D119:00
   B62D137:00
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-542050(P2017-542050)
(86)(22)【出願日】2016年1月15日
(65)【公表番号】特表2018-507811(P2018-507811A)
(43)【公表日】2018年3月22日
(86)【国際出願番号】EP2016050781
(87)【国際公開番号】WO2016134879
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2017年8月10日
(31)【優先権主張番号】102015203270.1
(32)【優先日】2015年2月24日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501125231
【氏名又は名称】ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(72)【発明者】
【氏名】フー,チョンシュアン
【審査官】 森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−137263(JP,A)
【文献】 特開2005−343184(JP,A)
【文献】 特開2011−031769(JP,A)
【文献】 特開2003−048450(JP,A)
【文献】 特開2009−226981(JP,A)
【文献】 特開2007−038702(JP,A)
【文献】 特開2002−019632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 5/04−137/00
B60T 7/12− 8/96
B60W 30/00− 50/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(100)のための車速を整合させる方法において、該方法が以下のステップを含み、すなわち
湾曲した走行軌道(104)に沿って前記車両(100)を誘導するために必要なステアリングトルクを特定するステップ(202)と、
前記湾曲した走行軌道(104)に沿って前記車両(100)を誘導するための該車両(100)の許容速度を、前記必要なステアリングトルクと使用可能なステアリングトルクとを使用して検出するステップ(204)と、
走行方向において前記車両(100)の前方にある目標走行レーンを前記湾曲した走行軌道(104)として検知するステップ(212)と、
を含んでいて、
前記検知するステップ(212)において、クロソイドモデルを使用して、前記湾曲した走行軌道(104)の曲率半径の最大変化、または、前記湾曲した走行軌道(104)の最小曲率半径を検知し、前記特定するステップ(202)において、前記最大変化または前記最小曲率半径を使用して前記必要なステアリングトルクを特定し、
前記許容速度は、前記車両(100)の速度に応じて高くなる前記必要なステアリングトルクが、前記使用可能なステアリングトルクと同じになるときの車速である、
方法。
【請求項2】
前記車両(100)の現時点での速度を前記許容速度に整合させるために、前記車両(100)の速度を上昇させるための制御信号を提供するステップを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車両(100)の現時点での速度が前記許容速度よりも大きいときに、前記車両(100)の速度を減少させるための制御信号を提供するステップ(206)を含んでいる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記提供するステップにおいて、検知するステップ(208)で前記車両(100)のドライバーによって提供されたステアリングトルクを検知したときで、且つ前記ドライバーによって提供されたステアリングトルクの方向が前記必要なステアリングトルクの方向とは逆であるときに、前記制御信号を提供しない、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記使用可能なステアリングトルクを、前記車両(100)のステアリングアシスト機構(120)によって提供可能な最大ステアリングトルクとして特定するステップ(210)を含んでいる、請求項1からのいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記特定するステップ(210)において、検知するステップ(208)で前記車両(100)のドライバーによって提供されステアリングトルクを検知したときに、前記使用可能なステアリングトルクを、前記車両(100)の前記ステアリングアシスト機構(120)によって提供可能な前記最大ステアリングトルクと、前記車両(100)のドライバーによって提供可能なステアリングトルクとの組み合わせとして特定する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一つに記載の方法のすべてのステップ(202,204)を実施するために構成されている、車両(100)のための車速整合装置(102)。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一つに記載の方法のすべてのステップ(202,204)を実施、置換および/または制御するために設けられたコンピュータプログラム。
【請求項9】
請求項に記載のコンピュータプログラムを記憶した、機械で読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のための車速整合方法、対応する装置、および対応するコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ステアリングサポート型の今日のレーンキープアシストシステム(LKS:lane keeping support)では、特に何らかのエラーが介入した場合、ドライバーが常にシステムを制御できるようにするためには、システムによって要求されるステアリングトルクは量的に制限されており、通常は3Nmに制限されている。
【発明の概要】
【0003】
この背景に対し、ここに示すアプローチにより、車両のための車速整合方法、さらにはこの方法を使用する装置、最後に対応するコンピュータプログラムが独立請求項に従って提示される。有利な構成は、それぞれの従属請求項および以下の説明から明らかである。
【0004】
本方法は、有利には、たとえばレーンキープアシストのようなドライバーアシストシステムと関連して車速をコントロールするために使用することができる。
【0005】
対応する車両用車速整合方法は以下のステップを含んでおり、すなわち
【0006】
湾曲した走行軌道に沿って車両を誘導するために必要なステアリングトルクを特定するステップと、
【0007】
前記湾曲した走行軌道に沿って前記車両を誘導するための該車両の許容速度を、前記必要なステアリングトルクと使用可能なステアリングトルクとを使用して検出するステップと、
【0008】
を含んでいる。
【0009】
走行軌道は、走行方向において車両の前方にある車両移動路を特徴づけることができ、または、このような移動路の一部分を特徴づけることができる。必要なステアリングトルクとは、車両の操向可能な車輪にもたらされて車両を走行軌道に沿って誘導するステアリングトルクであってよい。必要なステアリングトルクは、車両の速度が大きければ大きいほど大きくてよい。したがって、場合によっては、車両を湾曲した走行軌道に沿って確実に誘導できるようにするために、車両の現時点での速度を減少させる必要がある。使用可能なステアリングトルクは、与えられた状況でもたらされて車両を操向させるステアリングトルクであってよい。説明するアプローチのいくつかの実施態様によれば、ドライバーアシストシステムによって要求されるステアリングトルクの制限を解消または緩和させることができ、その結果レーンキープアシストシステムは、地方道路の強いカーブに対して必要なステアリングトルクを要求することができる。
【0010】
本方法は、車両の現時点での速度が許容速度よりも大きいときに、車両の速度を減少させるための制御信号を提供するステップを含んでいてよい。このため、車両の現時点での速度を表す値を許容速度を表す値と比較することができる。現時点での速度が高すぎると判定されれば、走行軌道に確実に追従できるように車両を制動させることができる。
【0011】
この場合、提供するステップにおいて、検知するステップで車両のドライバーによって提供されたステアリングトルクを検知したときで、且つドライバーによって提供されたステアリングトルクの方向が必要なステアリングトルクの方向とは逆であるときに、制御信号を提供しない。このようにして、ドライバーの動作から車両が湾曲した走行軌道に沿って追従すべきでないと推定できる場合には、速度の減少を回避することができる。制動の阻止は、たとえばドライバーのステアリング介入によってドライバーが追い越し過程を始めたいと検知される場合に重要である。
【0012】
本方法は、走行方向において車両の前方にある目標走行レーンを湾曲した走行軌道として検知するステップを含んでいてよい。目標レーンを検知するため、適当なセンサ信号またはデジタルマップの信号を読み取って評価することができる。このようにして常に現時点での走行軌道を使用することができる。
【0013】
この場合、検知するステップにおいて、湾曲した走行軌道の曲率半径の最大変化、または、湾曲した走行軌道の最小曲率半径を検知することができる。特定するステップにおいて、最大変化または最小曲率半径を使用して必要なステアリングトルクを特定することができる。このようにして、走行軌道の、最大ステアリングトルクをもたらすべきと見込まれるような領域を、検討することができる。
【0014】
本方法は、使用可能なステアリングトルクを、車両のステアリングアシスト機構によって提供可能な最大ステアリングトルクとして特定するステップを含んでいてよい。最大ステアリングトルクの値は、適当なインターフェースを介して読み取ることができる。このようにして本方法を種々のタイプの車両に適合させることができる。加えて、ステアリングアシスト機構が故障した場合には、たとえば車両を制動させることで適時に反応することができる。
【0015】
特定するステップにおいて、使用可能なステアリングトルクを、車両のステアリングアシスト機構によって提供可能な最大ステアリングトルクと、車両のドライバーによって提供可能なステアリングトルクとの組み合わせとして特定することができる。これは、検知するステップで車両のドライバーによって提供されたステアリングトルクを検知したときに実施することができる。このようにして、ステアリングトルクを、車両のステアリングアシスト機構によって提供可能な最大ステアリングトルクへ制限することを回避することができる。
【0016】
ここに提示されているアプローチは、さらに、車両用車速整合装置を提供する。この車両用車速整合装置は、ここに提示されている方法の実施態様のステップを適当な機構で実施、制御または置換するために構成されている。装置の形態の本発明のこれら実施態様によっても、本発明の基本的な課題を迅速かつ効率的に解決することができる。
【0017】
装置とは、本発明の場合、センサ信号を処理し、これに依存して制御信号および/またはデータ信号を出力する電気機器であると理解してよい。装置は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアに従って構成されていてよいインターフェースを有することができる。ハードウェアによる構成の場合、インターフェースは、たとえば装置の種々の機能を含んでいるいわゆるシステムASICの一部であってよい。しかしながら、インターフェースが固有の集積回路であることも可能で、或いは、少なくとも部分的に個別構成要素から成っていることも可能である。ソフトウェアによる構成の場合、インターフェースは、たとえば他のソフトウェアモジュールの横に位置するようにマイクロコンピュータに設けられているソフトウェアモジュールであってよい。
【0018】
コンピュータプログラム製品、または、プログラムコードを備えたコンピュータプログラムも有利である。コンピュータプログラム製品、または、プログラムコードを備えたコンピュータプログラムは、半導体メモリ、ハードディスクドライブ、または光学ディスクのような機械で読み取り可能なキャリアまたは記憶媒体に記憶されていてよく、特にプログラム製品またはプログラムがコンピュータまたは装置で実施される場合に、前述した実施態様の1つによる方法のステップを実施、置換および/または制御するために使用される。
【0019】
次に、ここで提示されているアプローチを、添付の図面を用いて詳細に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の1実施形態による車速整合装置を備えた車両の図である。
図2】本発明の1実施形態による車速整合方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の好ましい実施形態に関する以下の説明では、異なる図に図示されて同様の作用を及ぼす要素に対して同一または同様の参照符号を使用する。なお、これら要素の説明を反復することは省略する。
【0022】
図1は、本発明の1実施形態による、車両100の車速を整合させるための装置102を備えた車両100の図である。車両100は、車道上を走行軌道104に沿って走行している。走行軌道104は当初直線部分を有し、直線部分は湾曲部分へ移行している。直線部分から湾曲部分への移行部を走行する場合、および、湾曲部分を走行する場合、車両100を走行軌道104上に保持できるようにするには、車両100の車輪に作用するステアリングトルクが必要である。
【0023】
1実施形態によれば、装置102は特定機構110と検出機構112とを有している。特定機構110は、走行軌道104に沿って車両100を走行させるために必要なステアリングトルクを特定するように構成されている。
【0024】
検出機構112は、必要なステアリングトルクに対する値と、使用可能なステアリングトルクに対する値とを使用して、走行軌道104に沿って車両を誘導するための許容速度を検出するように構成されている。
【0025】
1実施形態によれば、装置102は、車両の許容速度を表す値を、車両100の速度を調整するための調整機構114へ伝送するように構成されている。調整機構114は、車両の現時点での速度の値を許容速度に対する値と比較し、許容速度が許容速度よりも大きい場合には、現時点での速度を減少させるための制御信号を提供するように構成されている。したがって調整機構114は、現時点での速度を許容速度に整合させるように構成されていてよい。したがって、場合によっては現時点での速度を上昇させることもありうる。
【0026】
1実施形態によれば、装置102は、走行軌道104を表す値をインターフェースを介して受信するように構成されている。これとは択一的な実施形態では、装置102は、走行軌道104を表す値を検出するように構成されている。このため、装置102は、たとえばインターフェースを介して周囲検知機構116またはナビゲーションシステム118の信号を受信して走行軌道104を検出するために使用するように構成されている。装置102は、車両100を走行軌道104に沿って誘導するために必要なステアリングトルクをたとえば相関規定を使用して特定するために構成されている。
【0027】
1実施形態によれば、装置102は、該装置102が手動ステアリング118に対するインターフェースを介して、たとえばドライバーによって操作可能なステアリングホイールに対するインターフェースを介して、および、これに加えてまたはこれとは択一的にステアリングアシスト機構120へのインターフェースを介して受信する値を使用して、使用可能なステアリングトルクを特定するために構成されている。手動ステアリング118およびステアリングアシスト機構120を介してステアリングトルクを車両100のステアリング機構122へ作用させることができ、該ステアリング機構を介して車両100の操向可能な車輪を旋回させることができ、または、旋回位置で保持することができる。たとえば装置102は、ドライバーによって提供された、または提供可能なステアリングトルクに、ステアリングアシスト機構120によって提供可能なステアリングトルクを加算して、走行軌道104を走行する間に使用することのできる使用可能なステアリングトルクを特定するために構成されている。
【0028】
次に、本発明のいくつかの実施形態を、図1を用いて詳述する。
【0029】
説明するアプローチは、1実施形態によれば、整合を可能にするとともに、これに加えてまたはこれとは択一的に、図1で走行軌道104として図示されている目標車線の評価された曲率に基づいて、且つたとえばステアリングアシスト機構120を含むことができるレーンキープアシストシステムの最大に使用可能なステアリングトルクに基づいて、且つドライバーがたとえば手動ステアリング118を介して提供できるドライバー手動トルクに基づいて、縦方向車速のコントロールを可能にする。
【0030】
装置102を含んでいるシステムは、種々のセンサ114を用いて、たとえばカメラ、レーダーまたはGPSを用いて、車線の曲率とその曲率変化とを検知することができ、すなわち走行軌道104の重要なパラメータまたは値を検知することができる。
【0031】
クロソイドモデルを使用することにより、装置102は、1実施形態によれば、予測距離において走行軌道104の曲率を評価することができる。予測距離は、有利には、車速と、予測距離に関係づけられる予測時間との乗積によって算出することができる。予測時間は、潜在時間と車両100の慣性とを相殺するために必要である。
【0032】
1実施形態によれば、走行軌道104の曲率を算出する場合、同様に、車両100が自車レーンの中心線に沿って走行すべきか、それとも他の軌道に追従すべきかを考慮する。これは状況に応じて必要であり、たとえば横方向コントロールをレーンエッジからスタートすべき場合、および、車両100を再びレーン中心に戻すべき場合に必要である。またこれは、目標軌道104がたとえば障害物または隣接レーンの車両のような他の対象物によって影響される場合も必要である。
【0033】
1実施形態によれば、装置102は、車両目標走行軌道104の評価された曲率(Kappapred)の知識と、最大に使用可能なレーンキープアシストシステムステアリングトルク(MLKSmax)の知識とのもとに、最大許容縦方向車速(Vmax)を評価の形で次のように特定するために構成されている。
【0034】
Vmax=sqrt(MLKSmax/Kappapred/係数K)
【0035】
係数Kは、もっとも簡単な形では定数であり、車両に応じてパラメータで表すことができる。
【0036】
しかしながら、ドライバーがレーンキープアシストシステムとともに走行すると、すなわちドライバーがレーンキープアシストシステムと同じ方向にハンドルを切るか、或いは、レーンキープアシストシステムが予測した適正な方向にハンドルを切ると、最大使用可能なステアリングトルク(Mmax)は次のようになる。
【0037】
Mmax=MLKSmax+Mドライバー
【0038】
その後、最大使用可能なステアリングトルク(Mmax)を用いて車速(Vmax)の算出を行う。
【0039】
ドライバーがシステムに反してハンドルを切ると、1実施形態によれば、システムを遮断する。
【0040】
車速(Vmax)を車両100の縦方向コントロール部へ送り、たとえば図1において調整機構114によって図示されていることができるアダプティブスピードコントロール部(ACC)へ送る。スピードコントロール部は、たとえば車両100の駆動制御により、および/または、車両100の制動により、最大許容縦方向車速(Vmax)を越えないように車速をコントロールするために構成されている。
【0041】
したがって、車両100の横方向加速度が適当な制限値内にあるので、たとえばステアリングアシスト機構120によって提供することができる最大レーンキープアシストシステムトルクを越えないよう保証される。
【0042】
加えて、算出の際に、最大使用可能なレーンキープアシストシステムステアリングトルク(MLKSmax)からオフセットを取り除くことができ、その結果最大使用可能なレーンキープアシストシステムステアリングトルク(MLKSmax)に到達しないよう保証するため、システムはまだある程度のリザーブを有している。
【0043】
図2は、本発明の1実施形態による車速整合方法のフローチャートである。この方法は、図1を用いて説明したような車両の車速整合装置と関連して使用することができる。
【0044】
この方法は、湾曲した走行軌道に沿って車両を誘導するために必要なステアリングトルクを特定する特定ステップ202と、必要なステアリングトルクと使用可能なステアリングトルクとを使用して、湾曲した走行軌道に沿って車両を誘導するための許容速度を検出する検出ステップ204とを含んでいる。
【0045】
この方法は、種々の実施形態によれば、1つまたは複数のオプションのステップ206,208,210を有している。1つのオプションステップ206では、車両の現時点での速度が許容速度よりも大きい場合に車両の速度を減少させる制御信号が提供される。1つのオプションステップ208では、車両のドライバーによって提供されたステアリングトルクを検知することができる。ドライバーによって提供されるステアリングトルクの値は、ドライバーが望む、予測走行軌道からのずれを検知するために使用することができる。さらに、車両のドライバーによって提供されたステアリングトルクは、オプションステップ210において、使用可能なステアリングトルクを特定するために使用することができる。オプションステップ212では、走行方向において車両前方にある目標走行レーンを走行軌道として検知することができる。その際ステップ212では、さらに、走行軌道の曲率半径の最大変化または走行軌道の最小曲率半径を検知し、ステップ202で、必要なステアリングトルクを特定するために使用することができる。
【0046】
1つの実施形態が第1の構成要件と第2の構成要件との間に「および/または」という結合関係を含んでいる場合、これは、1つの実施態様によれば、この実施形態が第1の構成要件と第2の構成要件との双方を有し、他の実施態様によれば、第1の構成要件のみ或いは第2の構成要件のみのいずれかを有していると読み取るべきである。
【符号の説明】
【0047】
100 車両
102 車速整合装置
104 走行軌道
202 ステアリングトルク特定ステップ
204 許容速度検出ステップ
206 制御信号を提供するステップ
208 ステアリングトルク検知ステップ
210 使用可能なステアリングトルクを最大ステアリングトルクとして特定するステップ
212 目標走行レーンを湾曲した走行軌道として検知するステップ
図1
図2