(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ヒートシンクは、湿式炭素複合材を有する機能紙ヒートシンクであるか、又は、前記ヒートシンクは350℃以上の温度に耐える絶縁材料で作製した紙質のヒートシンクである、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェントパワーモジュール。
前記インテリジェントパワーモジュールは、前記インテリジェントパワーモジュールの周辺に嵌められたフレーム構造を更に含み、前記フレーム構造は、前記インテリジェントパワーモジュールの側面を取り囲む環状フレームと、前記環状フレームの底部から垂直に内側へ延伸して形成され且つ前記ヒートシンクの底部と接触する延伸部とを含み、前記延伸部の厚さは1mm〜1.5mmである、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のインテリジェントパワーモジュール。
前記インテリジェントパワーモジュールは、封止樹脂を更に含み、前記封止樹脂は、前記回路配線と前記回路素子とを完全に封止し、前記封止樹脂は、前記ヒートシンクの上面と前記放熱領域以外の領域を覆う、
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のインテリジェントパワーモジュール。
前記回路素子は、パワー素子と非パワー素子とを含み、前記パワー素子と非パワー素子とがいずれも前記回路配線上に設けられ、前記パワー素子と非パワー素子とは、前記金属線により前記回路配線とそれぞれ電気的に接続され、前記パワー素子が前記放熱領域と対向し、前記パワー素子と前記非パワー素子との間に仕切り部が設けられ、前記仕切り部がヒートシンクの下面の相応の位置に設けられ、前記仕切り部の幅は1mm〜5mmである、
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のインテリジェントパワーモジュール。
前記パワー素子は、IGBTチューブと、前記IGBTチューブに接続されているFRDチューブとを含み、前記FRDチューブの底部に支持プレートが設けられ、前記FRDチューブは反転して前記IGBTチューブの所定位置に設けられ、且つ前記FRDチューブの頂部が前記IGBTチューブと接触し、前記支持プレートは前記回路配線によって前記IGBTチューブに接続されている、
ことを特徴とする請求項11に記載のインテリジェントパワーモジュール。
前記支持プレートの前記FRDチューブが取り付けられた面に平坦部が設けられ、且つ前記支持プレートの前記FRDチューブが取付けられた面の前記平坦部から遠い方の縁部に、前記回路配線に接続するためのいくつかの突起部が設けられている、
ことを特徴とする請求項12に記載のインテリジェントパワーモジュール。
前記3つの上部ブリッジアームパワー素子は、それぞれ第1パワー素子、第2パワー素子、第3パワー素子であり、前記3つの下部ブリッジアームパワー素子はそれぞれ第4パワー素子、第5パワー素子、第6パワー素子であり、
前記第1パワー素子は、第1IGBTチューブと第1FRDチューブとを含み、前記第2パワー素子は第2IGBTチューブと第2FRDチューブとを含み、前記第3パワー素子は第3IGBTチューブと第3FRDチューブとを含み、前記第4パワー素子は第4IGBTチューブと第4FRDチューブとを含み、前記第5パワー素子は第5IGBTチューブと第5FRDチューブとを含み、前記第6パワー素子は第6IGBTチューブと第6FRDチューブとを含み、
前記U、V、W三相高電圧駆動集積チューブは、電源端と、入力端と、出力端と、高電圧電源のポジティブターミナルと、高電圧電源のネガティブターミナルと接地端とを含み、前記U、V、W三相低電圧駆動集積チューブは、電源端と、入力端と、出力端と接地端とを含み、
前記U、V、W三相高電圧駆動チューブの入力端は、それぞれ前記インテリジェントパワーモジュールのU、V、W三相上部ブリッジアーム入力端となり、前記U、V、W三相低電圧駆動チューブの入力端は、それぞれ前記インテリジェントパワーモジュールのU、V、W三相下部ブリッジアーム入力端となり、
前記U、V、W三相高電圧駆動チューブは、前記U、V、W三相低電圧駆動集積チューブの電源端に接続されて前記インテリジェントパワーモジュールの低電圧領域給電電源のポジティブターミナルとなり、前記U、V、W三相高電圧駆動チューブは前記U、V、W三相低電圧駆動集積チューブの接地端に接続されて前記インテリジェントパワーモジュールの低電圧領域給電電源のネガティブターミナルとなり、前記U、V、W三相高電圧駆動チューブの高電圧電源のポジティブターミナルはそれぞれ前記インテリジェントパワーモジュールのU、V、W三相高電圧領域給電電源のポジティブターミナルとなり、
前記U相高電圧駆動集積チューブの出力端は前記第1IGBTチューブのゲートに接続され、前記U相高電圧駆動集積チューブの高電圧電源のネガティブターミナルは、前記第1IGBTチューブのエミッタと、前記第1FRDチューブの陽極と、前記第4IGBTチューブのコレクターと、前記第4FRDチューブの陰極とに接続され、且つ前記インテリジェントパワーモジュールのU相高電圧領域給電電源のネガティブターミナルとなり、前記V相高電圧駆動集積チューブの出力端は、前記第2IGBTチューブのゲートに接続され、前記V相高電圧駆動集積チューブの高電圧電源のネガティブターミナルは前記第2IGBTチューブのエミッタと、前記第2FRDチューブの陽極と、前記第5IGBTチューブのコレクターと、前記第5FRDチューブの陰極とに接続され、且つ前記インテリジェントパワーモジュールのV相高電圧領域給電電源のネガティブターミナルとなり、前記W相高電圧駆動集積チューブの出力端は、前記第3IGBTチューブのゲートに接続され、前記W相高電圧駆動集積チューブの高電圧電源のネガティブターミナルは、前記第3IGBTチューブのエミッタと、前記第3FRDチューブの陽極と、前記第6IGBTチューブのコレクターと、前記第6FRDチューブの陰極とに接続され、且つ前記インテリジェントパワーモジュールのW相高電圧領域給電電源のネガティブターミナルとなり、
前記第1IGBTチューブのコレクターと、前記第1FRDチューブの陰極と、前記第2IGBTチューブのコレクターと、前記第2FRDチューブの陰極と、前記第3IGBTチューブのコレクターと、前記第3FRDチューブの陰極とが接続され、且つ前記インテリジェントパワーモジュールの高電圧入力端となり、
前記U相低電圧駆動集積チューブの出力端は第4IGBTチューブのゲートに接続され、前記第4IGBTチューブのエミッタは前記第4FRDチューブの陽極に接続され、且つ前記インテリジェントパワーモジュールのU相低電圧参照端となり、前記V相低電圧駆動集積チューブの出力端は第5IGBTチューブのゲートに接続され、前記第5IGBTチューブのエミッタは前記第5FRDチューブの陽極に接続され、且つ前記インテリジェントパワーモジュールのV相低電圧参照端となり、前記W相低電圧駆動集積チューブの出力端は第6IGBTチューブのゲートに接続され、前記第6IGBTチューブのエミッタは前記第6FRDチューブの陽極に接続され、且つ前記インテリジェントパワーモジュールのW相低電圧参照端となる、
ことを特徴とする請求項14に記載のインテリジェントパワーモジュール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術における少なくとも一つの技術的課題を解決することである。そのため、本発明は、インテリジェントパワーモジュールを提供し、前記インテリジェントパワーモジュールは放熱性が良く、製造しやすい。
【0007】
本発明は、複数のインテリジェントパワーモジュールの製造方法を更に提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュールは、下面の少なくとも一部が放熱領域であり、前記放熱領域に放熱ひだが設けられたヒートシンクと、前記ヒートシンクの上面に設けられた絶縁層と、前記絶縁層に設けられた回路配線と、前記回路配線上に設けられ金属線によって前記回路配線に接続されている回路素子とを含む。
【0009】
本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュールは、ヒートシンクの下面に放熱ひだを設けることにより、回路素子のほとんどの熱が迅速に放出され、インテリジェントパワーモジュールを常に低温環境で作動させ、これによりインテリジェントパワーモジュールの電気性能及び熱安定性を向上させる。
【0010】
一部の実施例において、前記ヒートシンクは、湿式炭素複合材を有する機能紙ヒートシンクであるか、又は、前記ヒートシンクは350℃以上の温度に耐える絶縁材料で作製した紙質のヒートシンクである。
【0011】
一部の実施例において、前記放熱ひだは複数であり、複数の前記放熱ひだは間隔をおいて設けられ、又は複数の前記放熱ひだは連続して設けられる。
【0012】
一部の実施例において、前記放熱ひだの外周縁と前記ヒートシンクの下面の外周縁との間の間隔の距離は1mmより大きい。
【0013】
一部の実施例において、前記放熱領域は下へ突き出してボスが形成され、前記放熱ひだは前記ボス上に設けられる。
【0014】
一部の実施例において、前記インテリジェントパワーモジュールは、前記インテリジェントパワーモジュールの外周に嵌められたフレーム構造を更に含み、前記フレーム構造は、前記インテリジェントパワーモジュールの側面を取り囲む環状フレームと、前記環状フレームの底部から垂直に内側へ延伸して形成され前記ヒートシンクノの底部と接触する延伸部とを含み、前記延伸部の厚さは1mm〜1.5mmである。
【0015】
一部の実施例において、前記回路配線は離間された複数であり、前記インテリジェントパワーモジュールは、複数のピンを更に含み、複数の前記ピンの一端がそれぞれ複数の前記回路配線に接続され、他端が外部に接続されている。
【0016】
一部の実施例において、前記絶縁層の少なくとも一方の縁部に複数の溶接パッドが設けられ、複数の前記ピンの他端がそれぞれ複数の前記溶接パッドに接続されている。
【0017】
一部の実施例において、前記ヒートシンクの上下方向における厚さは1.2mm〜2.5mmであり、前記放熱ひだの上下方向に延伸するサイズは0.3mm〜0.7mmである。
【0018】
一部の実施例において、前記インテリジェントパワーモジュールは、封止樹脂を更に含み、前記封止樹脂は、前記回路配線と前記回路素子とを完全に封止し、前記封止樹脂は、前記ヒートシンクの上面と前記放熱領域以外の領域を覆う。
【0019】
一部の実施例において、前記回路素子は、パワー素子と非パワー素子とを含み、前記パワー素子と非パワー素子とがいずれも前記回路配線に設けられ、前記パワー素子と非パワー素子とは、それぞれ前記金属線により前記回路配線と電気的に接続され、前記パワー素子が前記放熱領域と対向し、前記パワー素子と前記非パワー素子との間に仕切り部が設けられ、前記仕切り部がヒートシンクの下面の対応する位置に設けられ、前記仕切り部の幅は1mm〜5mmである。
【0020】
一部の実施例において、前記パワーデバイスは、IGBTチューブと、前記IGBTチューブに接続されているFRDチューブとを含み、前記FRDチューブの底部に支持プレートが設けられ、前記FRDチューブは反転して前記IGBTチューブの所定位置に設けられ、且つ前記FRDチューブの頂部が前記IGBTチューブと接触し、前記支持プレートは前記回路配線によって前記IGBTチューブに接続されている。
【0021】
一部の実施例において、前記支持プレートの前記FRDチューブが取り付けられた面に平坦部が設けられ、且つ前記支持プレートの前記FRDチューブが取付けられた面の前記平坦部から遠い方の縁部に、前記回路配線に接続するためのいくつかの突起部が設けられている。
【0022】
一部の実施例において、前記パワーデバイスは6つであり、それぞれ3つの上部ブリッジアームパワーデバイスと3つの下部ブリッジアームパワーデバイスであり、前記パワー素子は、前記3つの上部ブリッジアームパワーデバイスにそれぞれ対応して接続されているU相高電圧駆動集積チューブ、V相高電圧駆動集積チューブ、W相高電圧駆動集積チューブと、前記3つの下部ブリッジアームパワーデバイスにそれぞれ対応して接続されているU相低電圧駆動集積チューブ、V相低電圧駆動集積チューブ、W相低電圧駆動集積チューブとを含む。
【0023】
前記インテリジェントパワーモジュールは、力率補正回路を更に含み、前記力率補正回路は、ブリッジ整流器、コンプレッサーのインバータ及び力率補正の機能を備えるか、又は、ブリッジ整流器、コンプレッサーのインバータ、力率補正及びファンインバータの機能を備え、前記力率補正回路はそれぞれ前記U、V、W相高電圧駆動集積チューブ及び前記U、V、W三相低電圧駆動集積チューブに接続されている。
【0024】
一部の実施例において、前記3つの上部ブリッジアームパワーデバイスは、それぞれ第1パワーデバイス、第2パワーデバイス、第3パワーデバイスであり、前記3つの下部ブリッジアームパワーデバイスはそれぞれ第4パワーデバイス、第5パワーデバイス、第6パワーデバイスである。
【0025】
前記第1パワーデバイスは、第1IGBTチューブと第1FRDチューブとを含み、前記第2パワーデバイスは第2IGBTチューブと第2FRDチューブとを含み、前記第3パワーデバイスは第3IGBTチューブと第3FRDチューブとを含み、前記第4パワーデバイスは第4IGBTチューブと第4FRDチューブとを含み、前記第5パワーデバイスは第5IGBTチューブと第5FRDチューブとを含み、前記第6パワーデバイスは第6IGBTチューブと第6FRDチューブとを含む。
【0026】
前記U、V、W三相高電圧駆動集積チューブは、電源端と、入力端と、出力端と、高電圧電源のポジティブターミナルと、高電圧電源のネガティブターミナルと接地端とを含み、前記U、V、W三相低電圧駆動集積チューブは、電源端と、入力端と、出力端と接地端とを含む。前記U、V、W三相高電圧駆動チューブの入力端は、それぞれ前記インテリジェントパワーモジュールのU、V、W三相上部ブリッジアームの入力端となる。前記U、V、W三相低電圧駆動チューブの入力端は、それぞれ前記インテリジェントパワーモジュールのU、V、W三相下部ブリッジアーム入力端となる。
【0027】
前記U、V、W三相高電圧駆動チューブは、前記U、V、W三相低電圧駆動集積チューブの電源端に接続されて前記インテリジェントパワーモジュールの低電圧領域給電電源のポジティブターミナルとなり、前記U、V、W三相高電圧駆動チューブは前記U、V、W三相低電圧駆動集積チューブの接地端に接続されて前記インテリジェントパワーモジュールの低電圧領域給電電源のネガティブターミナルとなり、前記U、V、W三相高電圧駆動チューブの高電圧電源のポジティブターミナルはそれぞれ前記インテリジェントパワーモジュールのU、V、W三相高電圧領域給電電源のポジティブターミナルとなる。
【0028】
前記U相高電圧駆動集積チューブの出力端は前記第1IGBTチューブのゲートに接続され、前記U相高電圧駆動集積チューブの高電圧電源のネガティブターミナルは、前記第1IGBTチューブのエミッタと、前記第1FRDチューブの陽極と、前記第4IGBTチューブのコレクターと、前記第4FRDチューブの陰極とに接続され、前記インテリジェントパワーモジュールのU相高電圧領域給電電源のネガティブターミナルとなる。前記V相高電圧駆動集積チューブの出力端は、前記第2IGBTチューブのゲートに接続され、前記V相高電圧駆動集積チューブの高電圧電源のネガティブターミナルは前記第2IGBTチューブのエミッタと、前記第2FRDチューブの陽極と、前記第5IGBTチューブのコレクターと、前記第5FRDチューブの陰極とに接続され、前記インテリジェントパワーモジュールのV相高電圧領域給電電源のネガティブターミナルとなる。前記W相高電圧駆動集積チューブの出力端は、前記第3IGBTチューブのゲートに接続され、前記W相高電圧駆動集積チューブの高電圧電源のネガティブターミナルは、前記第3IGBTチューブのエミッタと、前記第3FRDチューブの陽極と、前記第6IGBTチューブのコレクターと、前記第6FRDチューブの陰極とに接続され、前記インテリジェントパワーモジュールのW相高電圧領域給電電源のネガティブターミナルとなる。
【0029】
前記第1IGBTチューブのコレクターと、前記第1FRDチューブの陰極と、前記第2IGBTチューブのコレクターと、前記第2FRDチューブの陰極と、前記第3IGBTチューブのコレクターと、前記第3FRDチューブの陰極とが接続され、前記インテリジェントパワーモジュールの高電圧入力端となる。
【0030】
前記U相低電圧駆動集積チューブの出力端は第4IGBTチューブのゲートに接続され、前記第4IGBTチューブのエミッタは前記第4FRDチューブの陽極に接続され、前記インテリジェントパワーモジュールのU相低電圧参照端となり、前記V相低電圧駆動集積チューブの出力端は第5IGBTチューブのゲートに接続され、前記第5IGBTチューブのエミッタは前記第5FRDチューブの陽極に接続され、前記インテリジェントパワーモジュールのV相低電圧参照端となり、前記W相低電圧駆動集積チューブの出力端は第6IGBTチューブのゲートに接続され、前記第6IGBTチューブのエミッタは前記第6FRDチューブの陽極に接続され、前記インテリジェントパワーモジュールのW相低電圧参照端となる。
【0031】
一部の実施例において、前記力率補正回路は、高速IGBTチューブと、ハイパワーFRDチューブと、ローパワーFRDチューブと第1低電圧駆動集積チューブとを含む。
前記第1低電圧駆動集積チューブは、入力端と、出力端と、電源端と接地端とを含む。
前記第1低電圧駆動集積チューブの入力端は、前記力率補正回路の入力端となる。前記第1低電圧駆動集積チューブの電源端は前記力率補正回路の電源端となり、前記第1低電圧駆動集積チューブの接地端は前記力率補正回路の接地端となる。
前記第1低電圧駆動集積チューブの入力端は前記高速IGBTチューブのゲートに接続され、前記高速IGBTチューブのエミッタは前記ローパワーFRDチューブの陽極に接続され、前記高速IGBTチューブのコレクターは前記ローパワーFRDチューブの陰極と、前記ハイパワーFRDチューブの陽極とに接続されている。
【0032】
本発明の実施例のインテリジェントパワーモジュールの製造方法によると、前記インテリジェントパワーモジュールは上記のようなインテリジェントパワーモジュールであり、前記製造方法は以下のようなステップを含む。
S10: ヒートシンクを作製し、前記ヒートシンクの下面に放熱ひだを形成し、前記ヒートシンクの上面を絶縁層で覆う。
S20: 前記絶縁層の表面に回路配線を設ける。
S30: 前記回路配線の相応の位置に回路素子とピンとを配設する。
S40: 前記金属線によって前記回路配線と回路素子とを接続する。
S50: 前記絶縁層の表面に封止層を被覆して、前記回路配線と、回路素子と金属線を覆う。
S60: 前記ヒートシンクの下面に防水処理層を設ける。
S70: 前記インテリジェントパワーモジュールに対してモジュール機能検査を行い、前記モジュール機能検査は絶縁耐圧と、静的電力消費と遅延時間検査とを含む。
【0033】
一部の実施例において、ステップS10において、以下のようなサブステップを含む。
S11: 設定された回路レイアウトに基づいて所定のサイズの湿式炭素複合材を選択して紙質のヒートシンクを形成する。
S12: 前記回路配線の間の指定された位置に貫通孔を形成し、前記貫通孔は前記絶縁層及び前記ヒートシンクを貫通する。
S13: ヒートシンクの正面に、絶縁材料と銅材を利用して熱圧着方法によって、絶縁材料を前記ヒートシンクの表面に前記絶縁層として形成し、銅材を前記絶縁層の表面に銅箔層として形成する。
S14: 前記銅箔層の特定位置を腐食させ、残った部分が回路配線及び溶接パッドを形成する。
S15: 湿式炭素複合材を利用してひだを形成し、耐高温接着剤によって前記ヒートシンクの裏面に接着する。
【0034】
一部の実施例において、ステップS50において、以下のようなサブステップを更に含む。
S51: 前記絶縁層の表面の周囲に熱硬化性樹脂フレームを設ける。
S52: 前記熱硬化性樹脂フレームの範囲内及び前記貫通孔内に熱可塑性樹脂を注ぎ込んで前記回路配線と、回路素子と金属線とを封止する。
S53: 前記ピンのトリミング成形を行うとともに、封止樹脂によって前記ヒートシンクの裏面のひだで覆っていない位置を封止する。
【0035】
一部の実施例において、ステップS30において、前記回路配線の相応の位置に回路素子を配設する前にピンを予め作製し、且つ以下のようなサブステップを含む。
S31: 銅基材を選択し、銅基材に対してプレスまたはエッチングの方法で、一列のピンを作製し、ピンの間を補強リブによって接続する。
S32: 前記ピンの表面に順番にニッケル層とニッケル - スズ合金層を形成し、メッキ層付きのピンを取得する。
ステップS40において、以下のようなサブステップを更に含む。
S41: リフロー溶接によって前記回路素子を前記回路配線に溶接する。
S42: 前記絶縁層に残ったフラックスを除去する。
S43: 前記金属線によって前記回路配線と回路素子とを接続する。
【0036】
一部の実施例において、前記ヒートシンクは、紙質のヒートシンクであり、前記ヒートシンクの正面を絶縁層で覆い、絶縁層の表面に回路配線と溶接パッドとを形成するステップは、以下のようなステップを含む。
S’10: 設定された回路レイアウトに基づいて所定のサイズの湿式炭素複合材を選択して紙質のヒートシンクを形成する。
S’20: ヒートシンクの正面において、絶縁材料と銅材を利用し、熱圧着の方法により、絶縁材料を前記ヒートシンクの表面に前記絶縁層として形成し、銅材を前記絶縁層の表面に銅箔層として形成する。
S’30: 前記銅箔層の特定位置を腐食させ、残った部分が回路配線及び溶接パッドを形成する。
S’40: 前記ヒートシンクの裏面に仕切り部を形成し、予め作製された放熱ひだを前記ヒートシンクの裏面の前記パワー素子に対応する位置に固定するステップはS’41を含み、前記S’41は、切断、引き裂き、腐食などの方法によって、前記紙質のヒートシンクの裏面の特定位置の材料を除去し、仕切り部を形成するステップである。
S’50: 湿式炭素複合材を利用してひだを形成し、耐高温接着剤によって前記ヒートシンクの裏面のパワー素子に対応する位置に接着する。
【0037】
本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュールの製造方法によると、前記インテリジェントパワーモジュールは、上記のようなインテリジェントパワーモジュールであり、前記製造方法は以下のようなステップを含む。
T10: 前記ヒートシンクとピンとを製造し、ヒートシンクの上面を平面に形成する。
T20: ヒートシンクの上面に絶縁層を設け、絶縁層の上面に回路配線を形成する。
T30: 回路配線にそれぞれ回路素子と外部に接続されるピンとを設け、ヒートシンクの下面に放熱領域を設け、放熱領域に放熱ひだを設ける。
T40: 金属線によって回路素子と回路配線とを接続する。
T50: 前記ヒートシンクを焼成し封止樹脂をモールドし、ピンを成型して、インテリジェントパワーモジュールを取得する。
【0038】
本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュールの製造方法によると、前記インテリジェントパワーモジュールは、上記のようなインテリジェントパワーモジュールであり、前記製造方法は以下のようなステップを含む。
P10: ヒートシンクとピンとを製造し、前記ヒートシンクの上面を平面に形成し、前記ヒートシンクの下面に放熱ひだを設ける。
P20: 前記ヒートシンクの上面に絶縁層を設け、前記絶縁層の上面に回路配線を設ける。
P30: 前記回路配線にそれぞれ回路素子と外部に接続される前記ピンとを設ける。
P40: 金属線によって前記回路素子と前記回路配線とを接続する。
P50: 前記ヒートシンクを焼成し封止樹脂をモールドし、前記ピンを成型して、インテリジェントパワーモジュールを取得する。
【0039】
一部の実施例において、前記ステップP30は、前記ヒートシンクを清浄するステップをさらに含む。
前記ステップP50において、無酸素環境で前記ヒートシンクを焼成し、焼成時間は2時間より長く、焼成温度は110℃〜140℃である。
【0040】
本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュールの製造方法は、以下のようなステップを含む。
Q10: ヒートシンクを形成する。
Q20: 前記ヒートシンクをパワーモジュール基材とし、前記パワーモジュール基材の一方に絶縁層を形成する。
Q30: 前記絶縁層の前記ヒートシンクと接触しない側に溶接エリアとピンとを形成する。
Q40: 前記溶接エリアのパワー溶接エリアに少なくとも一つのパワーデバイスを取り付ける。
Q50: 封止層を形成して前記インテリジェントパワーモジュールの作製を完成する。
【0041】
一部の実施例において、前記溶接エリアは非パワー溶接エリアを更に含み、前記非パワー溶接エリアに少なくとも一つの非パワーデバイスを取り付ける。
ステップQ10は、ステップQ11を含み、前記ステップQ11では、湿式炭素複合層を利用してヒートシンクを形成する。
ステップQ30は、ステップQ31を含み、前記ステップQ31では、前記ヒートシンクの前記絶縁層と接触しない側に放熱ひだを形成し、前記放熱ひだは前記少なくとも一つのパワーデバイスが位置する領域に対応する。
ステップQ40は、以下のようなステップを含む。
Q41: 前記パワー溶接エリアに第1ソルダペースト層を塗布する。
Q42: 前記パワー溶接エリアに前記少なくとも一つのパワーデバイスを取り付けた後、前記第1ソルダペースト層に対してリフロー溶接処理を行って前記第1ソルダペースト層を硬化させる。
Q43: 前記非パワー溶接エリアに第2ソルダペースト層を塗布する。
Q44: 前記非パワー溶接エリアに前記少なくとも一つの非パワーデバイスを取り付けた後、前記ソルダペースト層に対してリフロー溶接処理を行い、前記第2ソルダペースト層を硬化させる。
Q45: 前記ヒートシンクに対して洗浄処理を行い、ここで洗浄処理は、スプレー処理及び/又は超音波洗浄処理を含む。
【0042】
一部の実施例において、ステップQ30は、以下のようなステップを含む。
Q’31: 前記絶縁層
の放熱層と接触しない側に金属シード層を形成し、ここで、前記金属シード層の厚さは0.01〜0.1ミクロンメートルである。
Q’32: 前記シード層に対して電気メッキ処理を行って回路配線を形成し、ここで、前記回路配線の厚さは1〜5ミクロンメートルである。
Q’33: 前記回路配線に対してエッチング処理を行って、前記溶接エリアと前記ピンと溶接パッドとを形成する。
Q’34: 前記溶接エリアと、前記ピンと前記溶接パッドの間に金属線を接続する。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。前記実施例が図面に例示されるが、同一または類似する符号は、常に、相同又は類似の部品、又は、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下に、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためだけに用いられ、本発明を限定するものと理解されてはならない。
【0045】
以下、
図1〜
図54を参照しながら本発明の実施例のインテリジェントパワーモジュール10を説明する。
【0046】
図1〜
図42に示すように、本発明の実施例のインテリジェントパワーモジュール10は、ヒートシンク306と、絶縁層307と、回路配線308と、回路素子と金属線305とを含む。
【0047】
具体的には、ヒートシンク306の下面の少なくとも一部に放熱領域17Bが形成され、放熱領域17Bに放熱ひだ17Aが設けられ、絶縁層307がヒートシンク306の上面に設けられる。回路配線308が絶縁層307に設けられ、回路素子が回路配線308に設けられ、回路素子は金属線305によって回路配線308に接続されている。
【0048】
本発明の実施例のインテリジェントパワーモジュール10は、ヒートシンク306の下面に放熱ひだ17Aが設けられ、回路素子の大部分の熱量を迅速に放出するため、インテリジェントパワーモジュール10は常に低温環境で作動し、インテリジェントパワーモジュール10の電気性能及び熱安定性を向上させる。
【0049】
図1と
図2とを結合すると、本発明の実施例のインテリジェントパワーモジュール10は、ピン301と、封止層12aと、金属線305と、ヒートシンク306と、回路配線308と、絶縁層307と回路素子とを備え、この回路素子はパワー素子19と非パワー素子14aとを含む。ヒートシンク306は紙質のヒートシンクであり、ヒートシンク306の下面に大量の放熱ひだ17Aが形成され、ヒートシンク306の上面は絶縁層307で覆われている。回路配線308は
絶縁層307の表面に取付けられ、回路配線308は前記ヒートシンク306の表面縁部の近くに設けられた溶接パッド18Aを含む。金属線305は回路設計図に基づいて、回路配線308の間、回路素子の間及び回路配線308と回路素子の間に回路接続を形成する。封止層12aは熱硬化性樹脂フレーム13aと、熱硬化性樹脂フレーム13aの範囲内に注ぎ込んだ熱可塑性樹脂とを含むように形成される。この回路を封止するとともに前記ヒートシンク306の上面における全ての要素を完全に覆う。
【0050】
本実施例において、ヒートシンク306は350℃以上の高温に耐える絶縁材料で作製する。例えば、湿式炭素複合材機能紙は、粉末状と繊維状の炭素材料を複合してグラファイト質に加工したものを、必要に応じて任意の形状に折り畳むことで、放熱ひだ17Aを取得する。耐食性の向上と防水のため、表面に防水処理を施してあり、ヒートシンク306の下面は防水層(図示せず)で覆われている。本実施例において、ヒートシンク306と放熱ひだ17Aとは一体に形成されるが、ここでヒートシンク306の形状は平坦であり、前記放熱ひだ17Aの形状は不規則である。ヒートシンク306と放熱ひだ17Aとは異なる厚さの湿式炭素複合材を使用することができ、本実施例では異なる厚さのものを使用した。ここで、機械強度を増加するためにヒートシンク306には厚い湿式炭素複合材を利用し、厚さは1.5mmとし、コストダウンとひだの密度を増加するために、放熱ひだ17Aには薄い湿式炭素複合材を利用し、厚さは0.5mmとした。ここで、ヒートシンク306の放熱ひだ17Aを有する面をヒートシンク306の裏面(即ち下面)とし、その対向面をヒートシンク306の表面(上面)とする。
【0051】
実際の使用においては、放熱ひだ17Aはヒートシンク306の裏面を完全に覆ってはならず、ヒートシンク306の裏面の縁部には少なくとも2mmの平坦な位置を残す必要があり、ヒートシンク306の長方形の短辺は直径が少なくとも1mmである取付穴16aを有する。
【0052】
絶縁層307は、通常の絶縁材料を基に、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素などの添加物を加えて熱伝導性を向上させてもよく、ここで、添加物は球形又は角形であっても良い。熱圧着方式により、ヒートシンク306の表面に圧着するとともに、ヒートシンク306の取付穴16aの位置を露出する。
【0053】
回路配線308は銅などの金属からなり、絶縁層307の相応の位置(この位置は回路設計図により設計する)形成され、必要なパワーに応じて、0.035mm又は0.07mmなどの厚さにすることができる。通常のインテリジェントパワーモジュールでは、0.07mmにしても良く、本実施例において0.07mmの厚さを採用する。また、絶縁層307の縁部に、回路配線308からなる溶接パッド18Aを形成する。ここで、絶縁層307の一辺の付近に複数の位置合わせして配列された溶接パッド18Aが設けらる。必要な機能に応じて、絶縁層307の複数の辺の付近に複数の位置合わせして配列された溶接パッド18Aが設けられても良い。
【0054】
パワー素子19と非パワー素子14aは回路配線308上に固定され所定の回路を構成する。ここで、パワー素子19はIGBTチューブ、高電圧MOSFETチューブ、高電圧FRDチューブ等の素子を利用し、パワー素子19は金属線305によって回路配線308などに接続されている。非パワー素子14aは集積回路、トランジスタまたはダイオードなどの能動素子、或いはコンデンサー又は抵抗器等の受動素子を利用し、上を向いて取り付けられた能動素子等は金属線305によって回路配線308に接続されている。
【0055】
金属線305はアルミニウム線、金線又は銅線であっても良く、バインディングにより各パワー素子19の間、各非パワー素子14aの間、各回路配線308の間に電気的な接続関係を築く。また、ピン301と回路配線308又はパワー素子19、非パワー素子14aの間に電気的な接続関係を築くのに利用されることもある。
【0056】
ピン301は、
ヒートシンク306の一つ又は複数の縁部に設けられた溶接パッド18Aに固定され、例えば、外部との入力、出力を行う機能を備える。ここでは、一つの辺に複数のピン301を設け、ピン301と溶接パッド18Aとがはんだ等の導電性接着剤によって溶接し、ピン301を前記溶接パッド18Aに接続するとともにヒートシンク306から外へ延伸させる。通常、ピン301は銅等の金属で作製し、銅の表面は化学めっきと電気メッキによって一層のニッケル - スズ合金層を形成してもよい。一般的に、合金層の厚さは5μmであり、メッキ層は銅が腐食し酸化されないように保護し、溶接性を向上させる。
【0057】
インバータエアコン等の特定な使用場面では、高熱伝導絶縁層とヒートシンクを加えてインテリジェントパワーモジュールの放熱問題を解決することができるが、高熱伝導絶縁層放熱を選択すると、コストが非常に高くなるだけではなく、高熱伝導絶縁層に大量の添加物を入れるためインテリジェントパワーモジュールの硬度が高くなり、これによりインテリジェントパワーモジュールの製造難度を増加すると考えられる。インテリジェントパワーモジュールの内部にヒートシンクを加えてパワー素子をヒートシンク上に貼り付ると、原材料のコストアップをするだけではなく、インテリジェントパワーモジュールの製造プロセスの難易度が高まる。インテリジェントパワーモジュールの外部にヒートシンクを加えて、ヒートシンクをインテリジェントパワーモジュールの裏面に貼り付け、インテリジェントパワーモジュールと結合される応用回路にまた他の発熱素子があるから、若し、全ての発熱素子のために同一のヒートシンクを取り付けると、ヒートシンク面積が増加し、応用コストをアップさせる一方、全ての発熱素子それぞれにヒートシンクを取付ければ、取付難度が高くなる。よって、高熱伝導絶縁層を選択すること及びヒートシンクを加えることはいずれもインテリジェントパワーモジュールの使用の普及に困難を生じ、インテリジェントパワーモジュールのインバータエアコン等民生用の普及に不利である。
【0058】
上記のような考えに基づいて、本発明の実施例は紙質のヒートシンクを導入することにより、紙質のヒートシンクの裏面に仕切り部が形成されパワー素子に対応する位置に放熱ひだが設けられ、紙質のヒートシンクの正面に絶縁層と、回路配線と、パワー素子と、非パワー素子等の要素とが形成され、順番に加工を完成し、紙質のヒートシンクは軽量であるから、加工する際に利用されるキャリアに対する要求が低く、位置決めしやすく、これにより製造コストを下げ、プロセス合格率を高める。パワー素子を内部ヒートシンクに貼り付ける工程を省き、設備投資費用を削減する。また、紙質のヒートシンクの裏面に放熱ひだを設けるため、放熱面積が極めて増え、且つ異なる機能を持つ前記パワー素子群は仕切り部の存在により熱クロストークを大幅に減少させ、各発熱部分の発熱は互いに異なっているが互いにほとんど伝導せず、前記ひだにより放熱し、普通の絶縁層を利用した前提で、インテリジェントパワーモジュール及び応用プラットフォームの発熱部品は良い放熱効果を取得し、各発熱源間の熱干渉がかなり少なく、インテリジェントパワーモジュールの性能を安定させ、インテリジェントパワーモジュールの信頼性を向上させる。その他、紙質のヒートシンクは運搬に便利である。
【0059】
ヒートシンク306の裏面に仕切り部202aが設けられ、仕切り部202aはヒートシンク裏面の特定の位置の放熱材料が除去されることにより形成されるものであり、一部を除去してても良いし、全部除去して絶縁層307を露出させてもよい。本実施例はより良い放熱效果を取得するために、全部除去することにする。
【0060】
ここで、パワー素子19の下方にひだ17Aを備え、前記仕切り部202aの上方にパワー素子19を備えない。前記放熱ひだ17Aは前記パワー素子19の裏面に位置して前記仕切り部202aに囲まれ、前記紙質のヒートシンク306の裏面の短辺縁部からの距離は少なくとも2mmとし、
スルーホー
ルを遮蔽しないようにする。
【0061】
前記仕切り部202aは前記紙質のヒートシンク306をくり抜いて形成された透かし彫りであり、前記仕切り部
202aは各機能回路の発熱パワー素子群の間に位置し、熱量が高熱伝導の前記紙質のヒートシンク306によって伝導することがないようにする。前記仕切り部202aの幅は前記発熱パワー素子群の間の距離によって決められる。一般的に、断熱部の効果を取得するために、前記仕切り部202aの幅は1mmより小さくてはならず、前記紙質のヒートシンク306の機械強度を高めるために、前記仕切り部202aの幅は5mmより大きくてはならない。また前記仕切り部202aは前記紙質のヒートシンク306を完全に除去して、前記絶縁層307を露出させてもよいし、また前記紙質のヒートシンク306のほとんどを除去して前記絶縁層307と結合した極めて薄い一層だけを残してもよい。一部の実施例において、完全に除去する方法を利用する。
【0062】
ブリッジ整流器、コンプレッサーのインバータの駆動部分、力率補正の駆動部分、ファンのインバータの駆動部分は、他の制御部分(非パワー素子14a等)との間を仕切り部202aに隔離され、各発熱部分の熱干渉を低くさせるだけではなく、ほとんどの熱はひだ17Aによって放出され、制御部分の温度を低い状態に保ち、制御部分の温度ドリフトによるインテリジェントパワーモジュール10の性能低下を防止する。なお、好ましくは、前記仕切り部202aの上方に前記金属線305のバインディング点を設けない。
【0063】
図43〜
図44に示すように、インテリジェントパワーモジュール10は前記インテリジェントパワーモジュール10外周に嵌められたフレーム構造13
aをさらに含み、前記フレーム構造13
aは熱硬化性樹脂フレームであり且つ前記インテリジェントパワーモジュールの側面を取り囲む環状フレームと、前記環状フレームの底部から垂直に内側へ延伸して形成され前記ヒートシンクの底部に接触する延伸部とを含み、前記延伸部の厚さは1mm〜1.5mmである。
【0064】
熱硬化性樹脂フレーム13aはトランスファー成形法によって成形されて形成し、熱硬化性樹脂フレーム13aの外縁部の大きさはヒートシンク306と一致又はヒートシンク306よりやや小さい。応用において、熱硬化性樹脂フレーム13aの内縁部と外縁部の距離は1.5mm以上であり、且つ熱硬化性樹脂フレーム13aの長方形の短辺のところに、インテリジェントパワーモジュール10を取り付けるように、位置も直径もヒートシンク306のスルーホールの位置、直径と一致する取付穴16aが存在する。
【0065】
封止層12aは熱可塑性樹脂射出成形によって成形する。ここで、封止層12aは完全に熱硬化性樹脂フレーム13a内に位置してヒートシンク306上面における全ての要素を封止する。絶縁層307の表面を覆うとともに、回路配線308と、回路素子と金属線305とを覆う。
【0066】
インテリジェントパワーモジュール10の裏面に放熱ひだ17Aを備えるから、放熱面積は大幅に増加し、絶縁層307に高熱伝導材料を利用することなくパワー素子の放熱要求を満足することができる。放熱構造は紙質材料であり、重量が軽く、インテリジェントパワーモジュール10の総重量が下げられ、長距離の輸送及び作業員の組立取り付け作業を便利にする。モジュール自体がヒートシンクを備えるから、応用過程において、外部にさらにヒートシンクを接続する必要はなく、応用難度と応用コストが下げられ、組立品質が向上する。よって、本発明のインテリジェントパワーモジュール10はコストダウンすると共に、信頼性を高め、従来のインテリジェントパワーモジュール機能及びピンの定義と互換性があるように設計でき、インテリジェントパワーモジュールの普及に役立つ。
【0067】
この実施例において、便利に放熱させるために、
図32(b)に示すように、ヒートシンク306に貫通孔22aを更に設け、前記貫通孔22aは前記ヒートシンク306と絶縁層307とを貫通する。
【0068】
この貫通孔22aはヒートシンク306の特定の位置に設けられ、具体的には、貫通孔22aは発熱源を構成するデバイス及び回路と、発熱源を構成しないデバイス及び回路との間に位置し、パワー素子19の各発熱源の間の熱干渉を少なくさせ、且つパワー素子19のほとんどの熱量は迅速に放出されて非パワー素子14aに伝導しないようにし、インテリジェントパワーモジュール10の性能を安定させ、インテリジェントパワーモジュール10の信頼性が向上する。
【0069】
貫通孔22aの加工誤差を防止するために、回路配線308の縁部と前記貫通孔22aの縁部の間、及び、前記絶縁層307の縁部と前記貫通孔22aの縁部の間に予め設定された距離(後文で詳しく説明する)を有する。
【0070】
ここで、前記ブリッジ整流器、前記コンプレッサーのインバータの駆動部分、前記力率補正の駆動部分、前記ファンのインバータの駆動部分は、他の制御部分との間を前記貫通孔22aによって隔離される。
【0071】
また、前記インテリジェントパワーモジュール10はさらに、前記パワーモジュール縁部に設けられ、前記回路配線308に接続されて外へ延伸して入出力を行うピン301を有する。
【0072】
ここで、インテリジェントパワーモジュール10内部の回路レイアウト及び周囲のアプリケーションの必要に応じ、前記ピン301はインテリジェントパワーモジュール10の1辺の縁部、2辺の縁部、3辺の縁部又は4辺の縁部に設けられる。
【0073】
本実施例において、前記回路配線308と、前記パワー素子19と非パワー素子14aと、金属線305と、前記ピン301と回路配線308の接続部分とは封止樹脂12
aによってパッケージングされる。前記樹脂12
aは前記貫通孔22aを充填する。
【0074】
図17(a)と
図21(a)に示すように、回路ユニット1001はブリッジ整流器機能を実現し、回路ユニット1002はコンプレッサーのインバータ機能を実現し、回路ユニット1003は力率補正機能を実現し、回路ユニット1004はファンのインバータ機能を実現する。
【0075】
ここで、前記ブリッジ整流器、前記コンプレッサーのインバータの駆動部分、前記力率補正の駆動部分、前記ファンのインバータの駆動部分は、他の制御部分との間を前記貫通孔22aで隔離される。
【0076】
前記貫通孔22aは前記回路配線308の間に位置し、且つ前記絶縁層307および回路配線308と1mm以上の距離を持ち、前記貫通孔22aは前記絶縁層307と前記紙質のヒートシンク306を貫通し、前記インテリジェントパワーモジュール10が封止樹脂12
aにパッケージングされた後、前記貫通孔22aは封止樹脂12
aに完全に充填される。前記貫通孔22aは発熱源を構成するデバイスと回路と、発熱源を構成しないデバイスと回路の間に位置し、封止樹脂12
aの熱伝導性は紙質のヒートシンク306の熱伝導性よりかなり低いから、各発熱源間の断熱と、発熱源と非発熱源の間の横方向の断熱とを形成し、且つ、発熱源の底部はひだ17Aを備えるため、各発熱源の縦方向の熱伝導効率をかなり増加し、貫通孔22aはインテリジェントパワーモジュール10を断熱させる。
【0077】
また、断熱の効果を増加するために、第1種の設計方法として、各貫通孔22aの長さをできる限り長くする。第2種の設計方法として、紙質のヒートシンク306の硬度を向上させるために、貫通孔22aの長さを5mm〜6mmにし、第2種の設計方法に対して、各貫通孔22aの間の距離を0.5〜1mmにし、断熱効果を向上させるために、各貫通孔22aの横方向の幅を、3mm〜3.5mmとしてもよいし、インテリジェントパワーモジュール10の体積を減少するために、各貫通孔22aの横方向の幅を1mm〜2.5mmにしてもよい。
【0078】
金属線305はピン301と回路配線308又はパワー素子19、非パワー素子14aの間に電気的な接続関係を築くために用いてもよい。パワー素子19の接続については、300μm〜400μmのアルミニウム線を利用することができ、非パワー素子14aの電気的な接続については、38μm〜125μmのアルミニウム線を利用することができ、貫通孔22aを跨ぐ接続が存在すれば、250μm以上のアルミニウム線を利用することが好ましい。
【0079】
前記封止樹脂12
aはトランスファー成形法によって熱硬化性樹
脂を用いて成形することができ、射出成形によって熱可塑性樹
脂を用いて成形することもできる。ここで、前記樹脂12
aは紙質のヒートシンク306表面における全ての要素を封止し、即ち要素を有する一面を封止し、他の面が完全に露出する。紙質のヒートシンク306における貫通孔22aは樹脂12
aによって完全に充填される。
【0080】
従来の技術に比べ、本発明の実施例のインテリジェントパワーモジュール10は以下のような良い効果を有する。
1、本発明のインテリジェントパワーモジュール10の裏面に放熱ひだ17Aを備え、放熱面積をかなり増加し、絶縁層307に高熱伝導材料を利用することなくパワー素子19の放熱要求を満足することができる。
2、インテリジェントパワーモジュール10はブリッジ整流器と、コンプレッサーのインバータ機能を備え、又はブリッジ整流器と、コンプレッサーのインバータと、ファンのインバータ機能とを備え、インバータエアコン等の応用分野における全ての発熱回路を集中して同時に放熱する。
3、放熱ひだ17Aはパワー素子19の下方に位置し、発熱素子のほとんどの熱量は迅速に放出して非パワー素子14aに伝導せず、非パワー素子14aを常に低温環境で作動させ、非パワー素子14aの温度ドリフトをかなり減少させ、インテリジェントパワーモジュール10の電気性能及び熱安定性を向上させる。前記紙質のヒートシンク306の裏面のひだ17Aが配置された部分以外も封止され、本発明のインテリジェントパワーモジュール10の水密性と気密性が高められ、複雑な応用環境の長時間信頼性を向上させる。
4、放熱ひだ17Aがインテリジェントパワーモジュール10の裏面全体を一体に覆う場合、取り付けやすくて、構造が簡易になり、且つ放熱面積を大量に増加することができ、発熱素子の熱量は迅速に失い、インテリジェントパワーモジュール10の裏面が完全に露出するから、インテリジェントパワーモジュール10の放熱性を高める。
5、ブリッジ整流器、コンプレッサーのインバータの駆動部分、力率補正の駆動部分、ファンのインバータの駆動部分は他の制御部分(非パワー素子14a等)との間を貫通孔22aによって隔離され、各発熱部分の熱干渉を低くさせるだけでなく、大部分の熱量はひだ17Aによって失い、更に、制御部分の温度を低い状態に保ち、制御部分の温度ドリフトによるインテリジェントパワーモジュール10の性能低下を防止する。
6、放熱構造は紙質材料であり、軽量であり、インテリジェントパワーモジュール10の総重量を低減させ、長距離の輸送及び取り付け作業を便利にする。本発明インテリジェントパワーモジュール10自体がヒートシンク306を備えるから、応用過程において、外部にさらにヒートシンク306を接続する必要がなく、応用難度と応用コストを低減させ、組立品質を向上させる。
【0081】
以上により、本発明のインテリジェントパワーモジュール10はコストダウンすると同時に、信頼性と性能を向上させ、且つ従来のインテリジェントパワーモジュール10の機能及びピン301の定義と互換性があるように設計することができ、インテリジェントパワーモジュール10の普及に役立つ。
【0082】
図16に示すように、本発明のインテリジェントパワーモジュールの製造方法は以下のようなステップS10〜S70を含む。
S10において、ヒートシンクとしての紙質のヒートシンクを作製し、前記ヒートシンクの下面に放熱ひだを形成し、前記ヒートシンクの上面を絶縁層で覆う。
S20において、前記絶縁層の表面に回路配線を設ける。
S30において、前記回路配線の相応の位置に回路素子とピンとを配設する。
S40において、前記金属線によって前記回路配線と回路素子とを接続する。
S50において、前記絶縁層の表面に封止層を被覆して、前記回路配線と、回路素子と金属線を覆う。
S60において、前記ヒートシンクの下面に防水処理層を設ける。
S70において、前記インテリジェントパワーモジュールに対してモジュール機能検査を行い、前記モジュール機能検査は絶縁耐圧と、静的電力消費と遅延時間検査とを含む。
【0083】
本発明の一部の実施例において、ステップS10において、以下のようなサブステップS11〜S15を含む。
S11において、設定された回路レイアウトに基づいて所定のサイズの湿式炭素複合材を選択して紙質のヒートシンクを形成する。
S12において、前記回路配線の間の指定された位置に貫通孔を形成し、前記貫通孔は前記絶縁層及び前記ヒートシンクを貫通する。
S13において、ヒートシンクの正面に、絶縁材料と銅材を利用して、熱圧着方法によって、絶縁材料を前記ヒートシンクの表面に前記絶縁層として形成し、銅材を前記絶縁層の表面に銅箔層として形成する。
S14において、前記銅箔層の特定の位置を腐食させ、残った部分が回路配線及び溶接パッドを形成する。
S15において、湿式炭素複合材を利用してひだを形成し、耐高温接着剤によって前記ヒートシンクの裏面に接着する。
【0084】
本発明の一部の実施例において、ステップS50(即ち、前記絶縁層の表面に封止層を被覆するステップ)において、以下のようなサブステップS51〜S53を更に含む。
S51において、前記絶縁層の表面の周囲に熱硬化性樹脂フレームを設ける。
S52において、前記熱硬化性樹脂フレームの範囲内及び前記貫通孔内に熱可塑性樹脂を注ぎ込んで前記回路配線と、回路素子と金属線とを封止する。
S53において、前記ピンのトリミング成形を行い、封止樹脂によって前記ヒートシンクの裏面のひだで覆っていない位置を封止する。
【0085】
本発明の一部の実施例において、インテリジェントパワーモジュールの製造方法は、前記ヒートシンクの下面に防水処理層を設けるステップS60を含む。
【0086】
本発明の一部の実施例において、ステップS30において、前記回路配線の相応の位置に回路素子を配設する前にピンを予め作製し、且つ以下のようなサブステップS31〜S32を含む。
S31において、銅基材を選択し、銅基材に対してプレスまたはエッチングの方法で、一列のピンを作製し、ピンの間は補強リブによって接続される。
S32において、前記ピンの表面に順番にニッケル層とニッケル- スズ合金層を形成し、メッキ層付きのピンを取得する。
ステップS40において、以下のようなサブステップS41〜S43を更に含む。
S41において、リフロー溶接によって前記回路素子を前記回路配線に溶接する。
S42において、前記絶縁層に残ったフラックスを除去する。
S43において、
前記金属線によって前記回路配線と回路素子とを接続する。
【0087】
本発明の一部の実施例において、前記ヒートシンクは、紙質のヒートシンクであり、前記ヒートシンクの正面を絶縁層で覆い、絶縁層の表面に回路配線と溶接パッドを形成するステップは、以下のようなステップS’10〜S’50を含む。
S’10において、設定された回路レイアウトに基づいて所定のサイズの湿式炭素複合材を選択して紙質のヒートシンクを形成する。
S’20において、ヒートシンクの正面において、絶縁材料と銅材を利用し、熱圧着の方法により、絶縁材料を前記ヒートシンクの表面に前記絶縁層として形成し、銅材を前記絶縁層の表面に銅箔層として形成する。
S’30において、前記銅箔層の特定の位置を腐食させ、残った部分が回路配線及び溶接パッドを形成する。
S’40において、前記ヒートシンクの裏面に仕切り部を形成し、予め作製された放熱ひだを前記ヒートシンクの裏面の前記パワー素子に対応する位置に固定させるステップはS’41を含み、前記S’41は、切断、引き裂き、腐食などの方法によって、前記紙質のヒートシンクの裏面の特定の位置の材料を除去し、仕切り部を形成するステップである。
S’50において、湿式炭素複合材を利用してひだを形成し、耐高温接着剤によって前記ヒートシンクの裏面のパワー素子に対応する位置に接着する。
【0088】
以下、各工程の詳しい状況を説明する。
【0090】
必要となる回路レイアウトに基づいて、適切な大きさを持つヒートシンク306を設計する。通常のインテリジェントパワーモジュールに対して、一枚の大きさは64mm×30mmを選択でき、厚さは1.5mmであり、両面に防水接着剤を塗布するような耐食、防水処理を行う。
【0091】
図5を参照すると、角形又は球形の添加物を有する絶縁材料と銅材を利用し、同時熱圧着の方法で、絶縁材料をヒートシンク306の表面に絶縁層307として形成し、銅材を絶縁層307の表面に銅箔層18Bとして形成する。ここで、耐圧特性を高めるために、絶縁層307の厚さは110μmにし、放熱特性を高めるために、絶縁層307の厚さは70μmにすることができる。ここで、通電能力を高めるために、銅箔層18Bの厚さは0.07mmにし、コストダウンのために、銅箔層18Bの厚さは0.035mm又は0.0175mmにすることができる。
【0092】
図6と7を参照すると、銅箔層18Bの特定の位置を腐食させて、残った部分は回路配線308及び溶接パッド18Aである。
【0093】
図8を参照すると、厚さが0.5mmの湿式炭素複合材を利用して不規則形状に形成し、放熱ひだ17Aとする。両面に防水接着剤を塗布するような耐食、防水処理を行う。
【0094】
各ピン301はいずれも銅基材を利用し、プレス又はエッチングの方法により、
図9に示すように、単独のピンユニットを長さCが25mm、幅Kが1.5mm、厚さHが1mmの長尺状に作製する。本実施例において、取り付けしやすくするために、
図10に示すように、ピンユニットの一端に90°の弧度をプレスする。
【0095】
その後、化学めっきの方法によってニッケル層を形成する。ニッケル塩と次亜リン酸ナトリウムの混合溶液により、適切なキレート剤を添加して、特定の形状に形成された銅材の表面にニッケル層を形成する。金属ニッケルは強いパッシベーション効果を有することにより、一層の極めて薄い不動態膜を迅速に生成することができ、大気、アルカリ及びある種の酸による腐食に抵抗することができる。ニッケルめっき結晶は極めて小さく、一般的に、ニッケル層の厚さは0.1μmである。
次に、酸性硫酸塩プロセスにより、室温で形状とニッケル層とが形成された銅材をスズ陽イオンが存在するめっき液に浸して通電し、ニッケル層の表面にニッケル - スズ合金層を形成する。一般的に、合金層は5μmになるよう制御する。合金層の形成は保護性と溶接性を大幅に向上させる。
【0096】
第2工程は、回路配線308の表面にパワー素子19と、非パワー素子14aとを取り付け、溶接パッド18Aの表面にピン301を取り付ける工程である。
【0097】
まず、ソルダペースト印刷機により、スチールメッシュを利用し、絶縁層307上の回路配線308の特定の位置と溶接パッド18Aにソルダペーストを塗布する。ここで、はんだ上がりの高さを向上させるために、0.15mmの厚さのスチールメッシュを利用することができ、パワー
素子19と非パワー素子14aがずれるリスクを減らすために、0.12mmの厚さのスチールメッシュを利用することもできる。実施例において、利用されたパワー素子19の高さは0.07mmであり、最も軽いコンポーネントであるから、厚さが0.12mmのスチールメッシュを選択する。
【0098】
その後、側面図である
図11と平面図である
図12を参照すると、ヒートシンク306をキャリア20に置き、パワー素子19と、非パワー素子14aとピン301とを取り付ける。パワー素子19と非パワー素子14aは回路配線308の特定の位置に直接に置くが、ピン301は一端を溶接パッド18Aにセットし、他端をキャリア20における固定装置20Aにより固定する。キャリア20と固定装置20Aとは合成石等の材料で作製する。ここで、キャリア20は底部に放熱ひだ17Aを露出させる透かし彫り処理を行う必要があり、ひだヒートシンク306の裏面の縁部から少なくとも1mmの、放熱ひだ17Aに覆われていない位置は、キャリア20に接触して支持作用を奏する。
【0099】
その後、キャリア20に置かれたヒートシンク306はリフロー溶接により、ソルダペーストが硬化され、パワー素子19と、非パワー素子14aとピン301とが固定される。
【0100】
第3工程は、まずヒートシンク306を洗浄機に入れて洗浄し、リフロー溶接をする時に残ったロジン等のフラックス及びプレスする時に残ったアルミニウム線等の異物を洗浄する。洗浄は非パワー素子14aの回路配線308における配列密度に応じて、シャワー又は超音波又は両者の組み合わせの形で行うことができる。
【0101】
洗浄する時、メカニカルアームによってピン301を挟み、ヒートシンク306を洗浄槽に置くが、メカニカルアームがヒートシンク306に触れないように注意する必要がある。ヒートシンク306は脆性を有し変形しやすくて、メカニカルアームがヒートシンク306を挟むと、洗浄する時に生じた震動により、ヒートシンク306が破損しやすいためである。
【0102】
第4工程において、必要な通電能力に応じて、適切な直径のアルミニウム線をボンディングワイヤ(金属線305)として選択する。信号制御のための集積回路については、金線をボンディングワイヤとすることが考えられる。本実施例においては、全てアルミニウム線を選択し、一般的に、パワー素子19のボンディングには350μm〜400μmのアルミニウム線を利用し、非パワー素子14aのボンディングには38μm〜200μmのアルミニウム線を利用し、ヒートシンク306のボンディングには350μm〜400μmのアルミニウム線を利用する。
【0103】
この工程が完成された製品については側面図である
図13と平面図である
図14を参照する。
【0104】
第5工程は、絶縁層307に熱硬化性樹脂フレーム13aを取り付け、熱可塑性樹脂を注ぎ込む工程である。
【0105】
まず、絶縁性の赤いグルー等の非導電性熱硬化性接着剤により絶縁層307に長方形の短辺にスルーホールがある熱硬化性樹脂フレーム13aを貼り付け、無酸素環境において熱硬化性樹脂フレーム13aが貼り付けされたヒートシンク306を焼成する。焼成時間は2時間より小さくてはいけなく、焼成温度は175℃を選択できる。熱硬化性樹脂フレーム13aが絶縁層307に固定されると、
図16のように、ここで、熱硬化性樹脂フレーム13aの高さは必ず金属線305の高さより高くなければならない。
【0106】
その後、熱硬化性
樹脂フレーム13
aが満たされるまで、熱硬化性樹脂フレーム13a内に熱可塑性樹脂を注ぎ込む。熱可塑性樹脂を注ぎ込む温度は150℃であり、冷却した後、封止層12aはヒートシンク306上の全ての要素を封止し、ピン301の一部分だけが露出する。
【0107】
第6工程は、
図1、
図2、及び
図15(d)に示すように、取付穴16aと、仕切り部202aとを形成し、放熱ひだ17Aを固定する工程である。インテリジェントパワーモジュールはこの工程を経て製品として完成される。
【0108】
図1を参照すると、パンチング装置等の方法により、熱硬化性樹脂
フレーム13
aのスルーホールのところで絶縁層307とヒートシンク306とを打ち抜き、取付穴16aを形成する。取付穴16aはインテリジェントパワーモジュール10の取り付けに用いられる。
【0109】
切断、引き裂き、腐食等の方法により、前記紙質のヒートシンク306裏面の特定の位置に処理を行い、特定の位置の紙質放熱材料が除去され、前記仕切り部202aが形成させる。、前記仕切り部202aの両側は異なる機能回路の発熱パワー素子群である。紙質放熱材料は一部を除去してもよいし、全部除去して前記絶縁層307を露出させてもよい。本実施例はより良い断熱效果を取得するために、全部除去する方式を採用する。紙質放熱材料が前記仕切り部202aで全部除去される方式を利用する場合、前記絶縁層307にスクラッチを形成しないように注意してする。
【0110】
図2を参照すると、許容温度が150℃以上の耐高温接着剤を利用し、放熱ひだ17Aをヒートシンク306の裏面に接着する。ここで、放熱ひだ17Aはヒートシンク306の裏面を完全に覆ってはならず、例えば、前記放熱ひだ17Aは前記パワー素子19の裏面に位置して前記仕切り部202aに囲まれ、ヒートシンク306の裏面の短辺縁部からの距離を少なくとも2mmとし、取付穴16aを遮蔽しないようにする。
【0111】
その後、モジュールを検査機器に入れて、通常の電気的パラメータの検査を行い、一般的に、絶縁耐圧、静的電力消費、遅延時間等の検査項目を含み、検査に合格するものは完成品とする。
【0112】
上記の工程を利用して、インテリジェントパワーモジュール10の作製を完成する。
【0113】
本発明は、インテリジェントパワーモジュール及びその製造方法を提供し、インテリジェントパワーモジュールにキャリアとしての紙質のヒートシンクを導入し、紙質のヒートシンクの裏面に仕切り部を設け、ヒートシンクの裏面のパワー素子に対応する位置に放熱ひだを設けるため、放熱面積は大幅に増加され、絶縁層に高熱伝導材料を利用することなくパワー素子の放熱要求を満足することができる。また、パワー素子のほとんどの熱量は迅速に放出され、非パワー素子に伝導されなく、非パワー素子が常に低温環境で作動し、非パワー素子の温度ドリフトは極めて減り、且つ異なる機能の前記パワー素子群は仕切り部の存在により熱クロストークを大幅に減少させ、各発熱部分の発熱は互いに異なるが互いにほとんど伝導せず、前記ひだによって放熱し、インテリジェントパワーモジュールの電気性能と熱安定性を向上させる。本発明は軽量の紙質のヒートシンクを採用したことで、加工する際に利用されるキャリアに対する要求が低く、位置決めしやすく、製造コストを削減し、プロセス合格率を向上させる。パワー素子を内部のヒートシンクに貼り付ける工程を省き、設備投資費用を低減させる。
【0114】
以下に、
図1〜
図34を参照しながら本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュール10を詳しく説明する。
【0115】
図17、
図18と
図19に示すように、本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュール10は、ヒートシンク306と、絶縁層307と、複数の回路配線308と、パワー素子19と、非パワー素子14aと、複数のピン301と封止樹脂12
aとを含む。
【0116】
具体的には、ヒートシンク306の上面は平面に形成され、絶縁層307はヒートシンク306の上面に設けられる。複数の回路配線308は間隔を置いて絶縁層307上に設けられる。パワー素子19と非パワー素子14aとはそれぞれ複数の回路配線308に設けられ、パワー素子19は金属線305によって回路配線308と電気的に接続され、非パワー素子14aは金属線305によって回路配線308に電気的に接続されている。
【0117】
ヒートシンク306の下面にパワー素子19の位置に対応する放熱領域17Bが形成され、放熱領域17Bに放熱ひだ17Aが設けられる。複数のピン301の一端は複数の回路配線308に接続され、複数のピン301の他端はインテリジェントパワーモジュール10から伸出して外部の他の部品に接続される。封止樹脂12
aは複数の回路配線308を完全に封止し、封止樹脂12
aはヒートシンク306の上面と放熱領域17B以外の領域を覆う。
【0118】
本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュール10は、ヒートシンク306の下面のパワー素子19に対応する位置に放熱ひだ17Aを設けることにより、パワー素子19のほとんどの熱量を迅速に放出し、非パワー素子14aに伝導しなく、非パワー素子14aは常に低温環境で作動し、非パワー素子14aの温度ドリフトが大幅に減少され、インテリジェントパワーモジュール10の電気性能と熱安定性を向上させる。ヒートシンク306の裏面も、放熱ひだ17Aが設けられる部分以外は封止樹脂12
aによって封止されるから、水密性と気密性を大きく向上させ、これによりインテリジェントパワーモジュール10が複雑な応用環境における長時間信頼性を向上させる。
【0119】
また、本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュール10は、絶縁層307の下方にヒートシンク306を設け、ヒートシンク306の下面の放熱領域17Bに放熱ひだ17Aを設けることにより、インテリジェント
パワーモジュール10の放熱面積は大幅に増加し、絶縁層307に高熱伝導材料を利用することなくパワー素子の放熱要求を満足することができる。また、インテリジェントパワーモジュール10は応用過程において、外部にさらにヒートシンクを接続する必要はなく、応用難度と応用コストを低減させ、組立品質を向上させる。このような構造はコストダウンすると同時に、信頼性を向上させ、従来のインテリジェントパワーモジュールの機能及びピンと互換性があるように設計でき、インテリジェントパワーモジュール10の普及に役立つ。
【0120】
ヒートシンク306の種類は多種に形成することができ、例えば、本発明の一部の実施例によると、ヒートシンク306は湿式炭素複合材機能紙で構成される。実際に作製する時は、粉末と繊維状の炭素材料を複合してグラファイト質に加工する。材料は350℃以上の高温を耐えられ且つ必要に応じて任意の形状に折り畳むことができ、これにより放熱ひだ17Aを取得する。このような紙質材料で構成される紙質のヒートシンクは軽量であり、インテリジェントパワーモジュール10の総重量を低減させ、長距離の輸送及び作業員の取り付け作業を便利にし、コストダウンすることができる。
【0121】
ヒートシンク306の耐腐食性と防水性能を向上させるために、ヒートシンク306の外表面に防水処理を行い、ヒートシンク306の表面に防水処理層を形成することができる。例えば、ヒートシンク306の上面及び下面のいずれにも防水処理層を設けることができる。
【0122】
ヒートシンク306は放熱ひだ17Aと一体に形成することができる。ここで、ヒートシンク306の形状は平坦であり、放熱ひだ17Aの形状は不規則であり、放熱面積を向上させる。放熱ひだの構造は多種に形成することができ、例えば、
図18に示すように、放熱ひだは複数の縦断面が中空逆三角形の構造に形成される。
【0123】
ヒートシンク306と放熱ひだ17Aとは他の材料で作製して形成することができ、例えば、ヒートシンク306と放熱ひだ17Aとは湿式炭素複合材を利用して製造することができる。但し、ヒートシンク306と放熱ひだ17Aとは厚さ(上下方向に沿って延伸するサイズ)が異なる。機械強度を増加するために、ヒートシンク306は厚い湿式炭素複合材を利用し、厚さは1.2mm〜2.5mmの間で変化することができ、例えば、厚さを1.5〜1.8mmにすることができる。また、厚さを0.5mmにすることもできる。コストダウンしひだの密度を増加するために、放熱ひだ17Aは薄い湿式炭素複合材を利用し、厚さは0.3mm〜0.7mmの間で変化することができ、例えば、厚さを0.5mmにすることができる。
【0124】
説明の便利のため、ここで、ヒートシンク306の放熱ひだ17Aを備える面をヒートシンク306の裏面とし、対向面をヒートシンク306の表面とする。放熱ひだ17Aのヒートシンク306における配置構造は多種であっても良く、本発明の一部の実施例によると、放熱ひだ17Aは複数であり、複数の放熱ひだ17Aは間隔を置いて設けられる。
【0125】
具体的には、
図17及び
図18に示すように、パワー素子19が複数であり且つ間隔を置いてヒートシンク
306の上面に設けられると、ヒートシンク306の下面における放熱領域17Bも複数であり、複数の放熱領域17Bは間隔を置いて設けられ且つ各放熱領域17Bにそれぞれ放熱ひだ17Aが設けられる。これにより、複数の放熱領域17Bは間隔を置いて設けられ、ある程度材料の使用量を減少させ、コストダウンすることができる。
【0126】
本発明の他の一部の具体的な実施形態において、放熱ひだ17Aは複数であり、複数の放熱ひだ17Aは連続して設けられ且ついずれか1つの放熱ひだ17Aの外周縁とヒートシンクの下面の外周縁との間の間隔の距離は1mmより大きい。
【0127】
図19及び
図20に示すように、つまり、パワー素子19は複数であり且つ間隔を置いてヒートシンク
306の上面に設けられ、ヒートシンク306の下面の放熱領域17Bは一つであり、一つの放熱領域17Bは複数のパワー素子19が位置する位置を完全に覆い、且つ放熱ひだ17Aのヒートシンク306の下面に正射影した面積はヒートシンク30
6の下面の面積より小さい。
【0128】
放熱ひだ17Aの外周縁とヒートシンク306の下面の外周縁との間の間隔の距離は1mmより大きく、即ち放熱ひだ17Aはヒートシンク306の裏面を完全に覆ってはならず、ヒートシンク306の裏面の縁部に少なくとも1mmの平坦な位置を残す。これにより、この構造はインテリジェントパワーモジュール10の水密性と気密性を有効に向上させる。
【0129】
本発明の一つの実施例によると、放熱領域17Bはヒートシンク306の下面を突き出して下へ延伸するボスに形成され、放熱ひだ17Aは放熱領域17Bの下面に設けられる。つまり、ヒートシンク306の上面は平面であり、ヒートシンク306の放熱ひだ17Aを取り付ける箇所の厚さは放熱ひだ17Aを取り付けない箇所の厚さよりやや大きい。これにより、放熱領域17Bを設けることによって、この領域と放熱ひだ17Aを取り付けない領域とを区別でき、ヒートシンク306の下面に封止樹脂12
aをより良く設けることができる。
【0130】
図18又は
図20に示すように、封止樹脂12
aの下面はヒートシンク306の裏面と揃えて設けられる。これにより、放熱ひだ17Aは封止樹脂12
aによって封止されないから、放熱ひだ17Aの放熱性能に影響を及ぼさない。封止樹脂12
aはトランスファー成形法によって熱硬化性樹脂を利用してモールドすることができ、また射出成形によって熱可塑性樹脂を利用してモールドすることができる。ここで、封止樹脂12
aは紙質のヒートシンク306の上面における全ての要素を完全に封止する。例えば
図18に示すように、封止樹脂12
aの下面は放熱領域17Bのボスの下端面と揃っている。
【0131】
絶縁層307は日東、日化、電化等のメーカーの絶縁材料を利用することができる。絶縁層307の熱伝導性を高めるために、絶縁層307は熱伝導絶縁層であっても良く、熱伝導絶縁層内に熱伝導物質を設け、熱伝導物質はシリカ、窒化ケイ素及び炭化ケイ素のうち少なくとも一種であっても良く、シリカ、窒化ケイ素及び炭化ケイ素は球形又は角状であっても良い。具体的には、製造する際、絶縁材料にシリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素等の添加物を加え、熱圧着方式によってヒートシンク306の上面に圧着することができる。
【0132】
回路配線308は銅等の金属により構成され、絶縁層307の特定の位置に形成される。パワー需要によって、0.035mm又は0.07mm等のサイズの厚さにすることができる。一般のインテリジェントパワーモジュール10については、0.07mmにすることが考えられる。本発明の一つの例において、回路配線308は0.07mmの厚さを利用する。
【0133】
また、本発明の一部の実施例によると、絶縁層307の少なくとも一方の縁部に複数の溶接パッド18Aが設けられ、複数の溶接パッド18Aは複数の回路配線308にそれぞれ一体形成される。溶接パッド18Aは回路配線308によって構成されることができる。
図21に示すように、絶縁層307の一方の縁部に複数の位置合わせして配列された溶接パッド18Aが設けられている。必要な機能に応じて、絶縁層307の複数の縁部に複数の位置合わせして配列された溶接パッド18Aが設けられてもよい。
【0134】
パワー素子19と非パワー素子14aとは回路配線308に固定され規定の回路を構成する。本発明の一部の実施例において、パワー素子19はIGBTチューブ、高電圧MOSFETチューブ、高電圧FRDチューブ等の素子を利用することができ、パワー素子19は金属線305によって回路配線308等に接続されている。非パワー素子14aは、集積回路、トランジスタまたはダイオード等の能動素子、又はコンデンサ又は抵抗器等の受動素子を利用することができる。上を向いて取り付けられた能動素子等は金属線305によって回路配線308に接続されている。
【0135】
金属線305はアルミニウム線、金線又は銅線であっても良く、バインディングにより各パワー素子19の間、各非パワー素子14aの間、各回路配線308の間に電気的な接続関係を築く。また、ピン301と回路配線308との間、ピン301とパワー素子19との間、或いはピン301と非パワー素子14aとの間に電気的な接続関係を築くのに利用されることもある。
【0136】
図21に示すように、インテリジェントパワーモジュール10の一方に複数のピン301が設けられ、複数のピン301の一端は複数の溶接パッド18Aにそれぞれ接続されている。つまり、ピン301は絶縁層307及び回路配線308等からなる回路基板の一つの縁部に設けられた溶接パッド18Aに固定され、例えば外部と入力、出力を行う作用を発揮する。ここで、ピン301と溶接パッド18Aとははんだ等の導電性接着剤によって溶接される。ピン301は金属部材として形成されることができ、ピン301の表面にニッケル-スズ合金層を設けることができる。例えば、ピン301は銅等の金属で作製し、銅の表面は化学めっきと電気メッキによって一層のニッケル-スズ合金層を形成してもよい。一般的に、合金層の厚さは5μmであり、メッキ層は銅が腐食し酸化されないように保護し、溶接性を向上させる。
【0137】
以下に、
図22を参照しながら本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュールの製造方法を詳しく説明する。
【0138】
図22に示すように、インテリジェントパワーモジュールは上記のようなインテリジェントパワーモジュールであっても良く、本発明の実施例のインテリジェントパワーモジュールの製造方法は、以下のようなステップT10〜T50を含むことができる。
T10において、前記ヒートシンクとピンとを製造し、ヒートシンクの上面を平面に形成する。
T20において、ヒートシンクの上面に絶縁層を設け、絶縁層の上面に回路配線を形成する。
T30において、回路配線にそれぞれ回路素子と外部に接続されるピンとを設け、ヒートシンクの下面におけるパワー素子に対応する位置に放熱領域を設け、放熱領域に放熱ひだを設ける。
T40において、金属線によってパワー素子と、非パワー素子と回路配線とを接続する。
T50において、前記ヒートシンクを焼成し封止樹脂をモールドし、ピンを成型して、インテリジェントパワーモジュールを取得する。
【0139】
本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュールの製造方法の有益效果は以下のとおりである。紙質のヒートシンク上に回路配線を形成して順番に加工を完成するため、軽量のヒートシンクは加工する際に利用されるキャリアに対する要求が低く、位置決めしやすく、製造コストを下げ、プロセス合格率を向上させる。パワー素子を内部のヒートシンクに貼り付ける工程を省き、設備投資費用を削減する。
【0140】
以上の方法により製造されたインテリジェントパワーモジュールは、本発明の上述の実施例によるインテリジェントパワーモジュール10であっても良い。ここで、ヒートシンクは湿式炭素複合材機能紙ヒートシンクであっても良い。
【0141】
ステップT20において、前記絶縁層を設けるステップは、以下のようである。絶縁材料に球形又は角状の、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素のうちの少なくとも一種を添加し、その後ヒートシンクの上面に熱圧着する。絶縁層の上面に複数の回路配線を設けると同時に、複数の溶接パッドを設けることができる。
【0142】
また、ステップT20において、絶縁層の上面に複数の回路配線を形成し、ステップT30において、複数の回路配線にそれぞれ回路素子を設け、各回路素子はパワー素子と非パワー素子とを含み、放熱領域はパワー素子と対向し、各回路配線に外部に接続されるピンを設ける。
【0143】
前記ステップT30において、回路配線にピンを設けた後、更に、前記ヒートシンクを洗浄することができる。
【0144】
ステップT50において、ヒートシンクを焼成する条件は、無酸素環境で、焼成時間が2時間より長く、焼成温度が110〜140℃である。
【0145】
本発明の一部の実施例によると、インテリジェントパワーモジュールの製造方法は、インテリジェントパワーモジュールに対してモジュール機能検査を行うステップT60を更に含んでもよい。ここで、モジュール機能検査は絶縁耐圧と、静的電力消費と遅延時間検査とを含む。
【0146】
以下に、図面を参照しながら上記の製造方法により本発明の実施例のインテリジェントパワーモジュール10を製造するいくつの工程を詳しく説明する。
一、ヒートシンクと放熱ひだとを製造する。
【0147】
具体的には、この工程は適切な大きさを持つ湿式炭素複合材を形成して紙質のヒートシンク306と放熱ひだ17Aとを形成する工程である。
【0148】
まず、
図2(a)、
図3、
図4、
図32(a)を参照すると、必要な回路レイアウトに基づいて大きさが適切な紙質のヒートシンク306を設計する。一般のインテリジェントパワーモジュールに対しては、一枚の大きさは64mm×30mmを選択でき、厚さが1.5mmである。
【0149】
次に、許容温度が300℃以上の耐高温接着剤により、上記64mm×30mmの長方形の紙質放熱体の一面に厚さ0.5mmの同材料の長方形を配置する。本実施例において、この長方形は40mm×25mmにしても良く、
図23に示すように放熱領域17Bとなる。次に、両面に防水接着剤を塗布するような耐食処理と、防水処理とを行う。
【0150】
図24を参照すると、角形又は球形の添加物を有する絶縁材料と銅材料とを利用して、同時熱圧着方式により、絶縁材料を紙質のヒートシンク306の表面に絶縁層307として形成し、銅材料を絶縁層307の表面に銅箔層18Bとして形成する。ここで、耐圧特性を向上させるために、絶縁層307の厚さは110μmにすることができる。放熱特性を向上させるために、絶縁層307の厚さは70μmにすることができる。通電能力を向上させるために、銅箔層18Bの厚さは0.07mmにすることができる。コストダウンのために、銅箔層18Bの厚さは0.035mm又は0.0175mmにすることもできる。
【0151】
図6及び
図6のX-X’線に沿う断面
図7を参照すると、銅箔層18Bの特定の位置を腐食させて、残った部分は回路配線308及び溶接パッド18Aである。
【0152】
図25を参照すると、厚さは0.5mmの湿式炭素複合材を利用して不規則形状を形成し、放熱ひだ17Aとする。両面に防水接着剤を塗布するような耐食処理と、防水処理とを行う。
【0153】
図26を参照すると、許容温度が300℃以上の耐高温接着剤を利用し、放熱ひだ17Aを紙質のヒートシンク306の裏面の放熱領域17Bに接着する。ここで、放熱ひだ17Aは紙質のヒートシンク306の裏面を完全に覆ってはならず、紙質のヒートシンク306の裏面の縁部に少なくとも1mmの平坦な位置を残す必要がある。
【0154】
二、ピンを製造する。
この工程は独立したメッキ層付きのピン301を作製する工程である。
【0155】
各ピン301は銅基材を利用し、プレス又はエッチングの方法により、
図27に示すような一列のピン301を作製する。本実施例において、ピン301は12個の単独のピンユニットが補強リブ11Aによって接続されているものである。
図9に示すように、単独のピンユニットは長さCが25mmであり、幅Kが1.5mmであり、厚さHが1mmである長尺状である。
図28、
図28(a)に示すように、便利に取り付けるために、ピンユニットの一端に一定の弧度をプレスすることができる。
【0156】
その後、化学めっきの方法によってニッケル層を形成する。具体的には、ニッケル塩と次亜リン酸ナトリウムとの混合溶液により、適切なキレート剤を添加して、特定の形状に形成された銅材の表面にニッケル層を形成する。金属ニッケルは強いパッシベーション効果を有するため、一層の極めて薄い不動態膜を迅速に生成することができ、大気、アルカリ及び一部の酸による腐食に抵抗することができる。ニッケルめっき結晶は極めて小さく、一般的に、ニッケル層の厚さは0.1μmである。
【0157】
次に、酸性硫酸塩プロセスにより、室温で形状とニッケル層とが形成された銅材をスズ陽イオンを含むめっき液に浸して通電し、ニッケル層の表面にニッケル-スズ合金層を形成する。一般的に、合金層は5μmになるよう制御する。合金層の形成は保護性と溶接性とを大幅に向上させる。
【0158】
三、回路配線にコンポーネントを取り付ける。
具体的には、この工程は回路配線308の表面にパワー素子19と、非パワー素子14aとを取り付け、溶接パッド18Aの表面にピン301を取り付ける工程である。
【0159】
まず、ソルダペースト印刷機によって、スチールメッシュを利用して、絶縁層307上の回路配線308の特定位置と溶接パッド18Aとにソルダペーストを塗布する。はんだ上がり高さを高めるために、0.15mmの厚さのスチールメッシュを利用することができる。パワー
素子19と非パワー素子14aとがずれるリスクを下げるために、0.12mmの厚さのスチールメッシュを利用することもできる。実施例において、利用されたパワー素子19の高さは0.07mmであり、最も軽量のコンポーネントであるから、厚さが0.12mmであるスチールメッシュを選択する。
【0160】
次に、側面図である
図29と平面図である
図30とを参照すると、パワー素子19と、非パワー素子14aとピン301とを取り付ける。パワー素子19と非パワー素子14aとは回路配線308の特定の位置に直接に置くことができるが、ピン301は一端を溶接パッド18Aにセットし、他端をキャリア20によって固定する。キャリア20は合成石等の材料で作製する。ここで、キャリア20は底部に放熱ひだ17Aを露出させる透かし彫り処理を行う必要があり、紙質のヒートシンク306裏面の縁部から少なくとも1mmの、放熱ひだ17Aに覆われていない位置はキャリア20に接触して支持作用を奏する。
【0161】
その後、キャリア20に置かれた絶縁層307はリフロー溶接により、ソルダペーストが硬化され、非パワー素子14aとピン301とが固定される。ここで、溶解温度が280℃のソルダペーストを選択することができる。
【0162】
四、ヒートシンクを洗浄する。
この工程は紙質のヒートシンク306を洗浄する工程である。
【0163】
まず、紙質のヒートシンク306を洗浄機に入れて洗浄し、リフロー溶接する時に残ったロジン等のフラックス及びプレスする時に残ったアルミニウム線等の異物を洗浄する。洗浄は非パワー素子14aの回路配線308における配列密度に応じて、シャワー又は超音波又は両者の組み合わせの形で行うことができる。
【0164】
洗浄する時、メカニカルアームによってピン301を挟み、紙質のヒートシンク306を洗浄槽内に置くが、メカニカルアームが紙質のヒートシンク306に触れないように注意する必要がある。紙質のヒートシンク306は脆く変形しやすく、メカニカルアームが紙質のヒートシンク306を挟むと、洗浄する時に生じた震動により、紙質のヒートシンク306は破損しやすいためである。
【0165】
五、接続工程
図2(b)及び
図32(b)を参照すると、この工程はパワー素子19と、非パワー素子14aと、ヒートシンク
306と回路配線308との間を接続する工程である。
【0166】
必要な通電能力に応じて、適切な直径のアルミニウム線をボンディングワイヤとして選択する。信号制御のための集積回路については、金線をボンディングワイヤとすることが考えられる。本実施例においては、全てアルミニウム線を選択し、一般的に、パワー素子19のボンディングには350μm〜400μmのアルミニウム線を利用し、非パワー素子14aのボンディングには38μm〜200μmのアルミニウム線を利用し、ヒートシンク
306のボンディングには350μm〜400μmのアルミニウム線を利用する。
【0167】
この工程が完成された製品については側面図である
図31と平面図である
図32とを参照する。
【0168】
六、ヒートシンクを封止する。
この工程は封止樹脂12
aによって紙質のヒートシンク306を封止する工程である。
図33は、金型50を利用して封止樹脂12
aによって紙質のヒートシンク306を封止する工程の断面図である。
【0169】
まず、無酸素環境で紙質のヒートシンク306について焼成を行う。焼成時間は2時間より長く、焼成温度は125℃を選択することができる。
【0170】
ピン301が配置された紙質のヒートシンク306をモールド型
440及び
450に運ぶ。ピン301の特定の部分を固定装置
460に接触させ、紙質のヒートシンク306を位置決めする。放熱領域17Bを金型キャビティーの底部に揃える。金型キャビティーの底部に高さが1mmのエジェクタピンを取り付けることにより、高さが低くなりすぎないようにしてもよい。
【0171】
型締する時、金型50内部に形成された金型キャビティーに紙質のヒートシンク306を置き、その後ゲート53から封止樹脂12
aを注ぎ込む。封止する方法として熱硬化性樹脂を利用するトランスファー成形又は熱硬化性樹脂を利用する射出成形を利用することができる。また、ゲート53から注ぎ込まれた封止樹脂12
aに応じて金型キャビティー内部のガスは排気口54を通って外部へ排出される。
【0172】
ここで、紙質のヒートシンク306の裏面は下型
450に密着する。より強く密着させるために、上型
440にエジェクタピンを加えることができるが、依然として少量の封止樹脂12が紙質のヒートシンク306の裏面と下型
450の間に入るので、型から取り出した後、レーザーエッチング又は研削を行って紙質のヒートシンク306の裏面に残った少量の封止樹脂12
aを除去し、紙質のヒートシンク306の裏面を封止樹脂12
aから露出させる必要がある。紙質のヒートシンク306の裏面以上の部分は封止樹脂12
aによって封止される。
【0173】
七、ピンの成型とモジュール機能検査を行う。
図34に示すように、この工程はピン301のトリミング成形を行い且つモジュール機能検査を行う工程であり、インテリジェントパワーモジュール10はこの工程を経て製品として完成する。
【0174】
前の工程、即ちトランスファー成形工程においてピン301以外の他の部分が樹脂12
aによって封止される。この工程は、使用する長さと形状との必要に応じて、例えば、点線51の位置で外部のピン301を切断する。後段の取り付けを便利にするように、一定の形状に折り曲げる場合もある。
【0175】
その後、モジュールを検査機器に入れて、通常の電気的パラメータ検査を行う。一般的に、絶縁耐圧、静的電力消費、遅延時間等の検査項目を含み、検査に合格したものは完成品である。上記の工程を利用して、
図17ないし
図19に示すインテリジェントパワーモジュール10を完成させる。
【0176】
本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュール10の他の構成及び製造方法の他の操作ステップ等は普通の当業者にとっては周知されたものであるので、ここで詳しく説明しない。
【0177】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュール10を詳しく説明する。
【0178】
図35、
図36及び
図21に示すように、本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュール10は、ヒートシンク306と、絶縁層307と、複数の回路配線308と、パワー素子19と、非パワー素子14aと、複数のピン301と封止樹脂12
aとを含む。
【0179】
具体的には、ヒートシンク306の上面は平面に形成され、ヒートシンク306の下面に放熱ひだ17Aが設けられる。絶縁層307はヒートシンク306の上面に設けられる。複数の回路配線308が間隔を置いて絶縁層307上に設けられる。パワー素子19と非パワー素子14aとがそれぞれ複数の回路配線308に設けられる。パワー素子19は金属線305によって回路配線308に電気的に接続され、非パワー素子14aは金属線305によって回路配線308に電気的に接続されている。複数のピン301の一端は複数の回路配線308に接続され、複数のピン301の他端はインテリジェントパワーモジュール10から伸出して外部の他の部品に接続される。封止樹脂12
aは複数の回路配線308を完全に封止してヒートシンク306の上面を覆う。
【0180】
本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュール10は、絶縁層307の下方にヒートシンク306を設け、更にヒートシンク306の下面に放熱ひだ17Aを設けることにより、インテリジェント
パワーモジュール10の放熱面積は大幅に増加し、絶縁層307に高熱伝導材料を利用することなくパワー素子の放熱要求を満足することができる。また、インテリジェントパワーモジュール10は応用過程において、外部に更にヒートシンクを接続する必要がなく、応用難度と応用コストを低減させ、組立品質を向上させる。このような構造はコストダウンすると同時に信頼性を向上させ、従来のインテリジェントパワーモジュールの機能及びピンと互換性があるように設計でき、インテリジェントパワーモジュール10の普及に役立つ。
【0181】
ヒートシンク306の種類は多種に形成されることができ、例えば、本発明の一部の実施例によると、ヒートシンク306は湿式炭素複合材機能紙で構成される。実際に作製する時は、粉末と繊維状の炭素材料を複合してグラファイト質に加工する。材料は350℃以上の高温を耐えられ、且つ必要に応じて任意の形状に折り畳むことができ、これにより放熱ひだ17Aを取得する。このような紙質材料によって構成される紙質のヒートシンクは軽量であり、インテリジェントパワーモジュール10の総重量を低減させ、長距離の輸送及び作業員の取り付け作業を便利にし、コストダウンすることができる。
【0182】
説明の便利のため、ヒートシンク306の放熱ひだ17Aを備える一面はヒートシンク306の裏面と呼び、対向面はヒートシンク306の表面と呼ぶ。本発明の一部の実施例によると、放熱ひだ17Aのヒートシンク306の下面に正射影した面積はヒートシンク30
6の下面の面積より小さい。放熱ひだ17Aの外周縁とヒートシンク306の下面の外周縁との間の間隔の距離は1mmより大きい。つまり、放熱ひだ17Aはヒートシンク306の裏面を完全に覆ってはならず、ヒートシンク306の裏面の縁部に少なくとも1mmの平坦な位置を残す。
【0183】
図36に示すように、封止樹脂12の下面はヒートシンク306の裏面と揃えて設けられる。これにより、放熱ひだ17Aは封止樹脂12
aによって封止されないから、放熱ひだ17Aの放熱性能に影響を及ぼさない。封止樹脂12
aはトランスファー成形法によって熱硬化性樹脂を利用してモールドすることができ、また射出成形によって熱可塑性樹脂を利用してモールドすることができる。ここで、封止樹脂12
aは紙質のヒートシンク306の上面における全ての要素を完全に封止する。
【0184】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュールの製造方法を詳しく説明する。
【0185】
図37に示すように、本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュールの製造方法は以下のようなステップP10〜P50を含むことができる。
P10において、ヒートシンクとピンとを製造し、ヒートシンクの上面を平面に形成し、ヒートシンクの下面に放熱ひだを設ける。
P20において、ヒートシンクの上面に絶縁層を設け、絶縁層の上面に回路配線を設ける。
P30において、回路配線に回路素子と外部に接続されるピンとを設ける。
P40において、金属線によって回路素子と回路配線を接続する。
P50において、前記ヒートシンクを焼成して封止樹脂をモールドし、ピンを成型して、インテリジェントパワーモジュールを取得する。
【0186】
本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュールの製造方法の有益效果は、以下のようである。紙質のヒートシンク上に回路配線を形成して順番に加工を完成するため、軽量のヒートシンクは加工する際に利用されるキャリアに対する要求が低く、位置決めしやすく、製造コストを下げ、プロセス合格率を高める。パワー素子を内部のヒートシンクに貼り付ける工程を省き、設備投資の費用を削減する。
【0187】
以上の方法により製造されたインテリジェントパワーモジュールは本発明の上述の実施例のインテリジェントパワーモジュール10であっても良い。ここで、ヒートシンクは湿式炭素複合材機能紙ヒートシンクであっても良い。
【0188】
ステップP20において、前記絶縁層を設けるステップは、絶縁材料に球形又は角状の、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素のうちの少なくとも一種を添加し、その後ヒートシンクの上面に熱圧着する。絶縁層の上面に複数の回路配線を設けると同時に、複数の溶接パッドを設けることもできる。なお、ステップP20において、絶縁層の上面に複数の回路配線を設けることができ、各回路配線にそれぞれ回路素子を設け、各回路素子はパワー素子と非パワー素子とを含み、放熱領域はパワー素子に対向し、各回路配線に外部に接続されるピンを設ける。
【0189】
前記ステップP30において、回路配線にピンを設けた後、さらに前記ヒートシンクを洗浄することもできる。
【0190】
ステップP50において、ヒートシンクを焼成する条件は、無酸素環境で、焼成時間は2時間より長く、焼成温度は110〜140℃である。
【0191】
本発明の一部の実施例によると、インテリジェントパワーモジュールの製造方法はインテリジェントパワーモジュールに対してモジュール機能検査を行うステップP60を更に含でもよい。ここで、モジュール機能検査は絶縁耐圧と、静的電力消費と遅延時間検査とを含む。
【0192】
この実施例におけるインテリジェントパワーモジュール10の製造工程は上述の実施例におけるインテリジェントパワーモジュール10の製造工程と同一であるから、ここで詳しく説明しない。
【0193】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュールの製造方法を詳しく説明する。
本発明の一部の実施例によるインテリジェントパワーモジュールの製造方法は、以下のようなステップQ10〜Q50を含む。
Q10において、ヒートシンクを形成する。
Q20において、前記ヒートシンクをパワーモジュール基材とし、前記パワーモジュール基材の一方に絶縁層を形成する。
Q30において、前記絶縁層の前記ヒートシンクと接触しない側に溶接エリアとピンとを形成する。
Q40において、前記溶接エリアのパワー溶接エリアに少なくとも一つのパワーデバイスを取り付ける。
Q50において、封止層を形成して前記インテリジェントパワーモジュールの作製を完成させる。
【0194】
本発明の実施例によるパワーモジュールの作製方法によると、ヒートシンクを形成することにより、パワーモジュールの熱伝導面積と熱伝導效率を有効に向上させ、パワーデバイスの放熱不良による焼損又は失効等の問題を減少させ、パワーモジュールの信頼性を更に向上させ、パワーモジュールの故障率を低減する。また、複数のパワーモジュールを同一領域に集中して設けることにより、上記同一領域にヒートシンクを集中して作製して、作製の複雑度を増加することなく、同時に、複数のパワーモジュールが動作状態熱量を非パワーモジュールに伝達することを避けることができる。
【0195】
また、本発明の上記の実施例のパワーモジュールの作製方法によると、以下のような付加的な技術的特徴を備える。
前記溶接エリアは非パワー溶接エリアを更に含み、前記非パワー溶接エリアに少なくとも一つの非パワーデバイスを取り付ける。
ステップQ10は、湿式炭素複合層を利用してヒートシンクを形成するステップQ11を含む。
ステップQ30は、前記ヒートシンクの前記絶縁層に接触しない側に放熱ひだを形成するステップQ31を含み、前記放熱ひだは前記少なくとも一つのパワーデバイスが位置する領域に対応する。
【0196】
本発明の実施例によるパワーモジュールの作製方法は、湿式炭素複合層によりヒートシンク及び放熱ひだを形成し、パワーモジュールの放熱面積と放熱效率を有効に増大させ、同時に、湿式炭素複合層は極めて高い機械強度を有するから、ヒートシンクの厚さを有効に減少させ、更にパワーモジュールの体積を減少させる。
【0197】
本発明の一つの実施例によると、ステップQ40は以下のようなステップQ41〜Q45を含む。
Q41において、前記パワー溶接エリアに第1ソルダペースト層を塗布する。
Q42において、前記パワー溶接エリアに前記少なくとも一つのパワーデバイスを取り付けた後、前記第1ソルダペースト層に対してリフロー溶接処理を行って、前記第1ソルダペースト層を硬化させる。
Q43において、前記非パワー溶接エリアに第2ソルダペースト層を塗布する。
Q44において、前記非パワー溶接エリアに前記少なくとも一つの非パワーデバイスを取り付けた後、前記ソルダペースト層に対してリフロー溶接処理を行い、前記第2ソルダペースト層を硬化させる。
Q45において、前記ヒートシンクに対して洗浄処理を行い、ここで洗浄処理は、シャワー処理及び/又は超音波洗浄処理を含む。
【0198】
本発明の実施例によるパワーモジュールの作製方法は、第1ソルダペースト層によってパワーモジュールをパワー溶接エリアに正確に溶接し、誤って取り付けた又は破損したパワーモジュールを取り外す時、第1ソルダペースト層を急速に加熱することによりパワーモジュールの取り外しを実現する。
【0199】
本発明の実施例によるパワーモジュールの作製方法は、第2ソルダペースト層によって非パワーモジュールを非パワー溶接エリアに正確に溶接し、誤って取り付けた又は破損した非パワーモジュールを取り外す時、同様に、第2ソルダペースト層を急速に加熱することによりパワーモジュールの取り外しを実現する。また、洗浄処理ステップを加えることにより、フラックス等の表面の不純物を有効に除去し、その後の材料の接着性を増加するとともに、表面の不純物による応力問題を軽減させる。
【0200】
本発明の一つの実施例によると、前記パワーモジュール基材の一方に絶縁層を形成することは、以下のような具体的なステップを含む。前記パワーモジュール基材の一方に、シリカ層、窒化ケイ素層及び炭化ケイ素層のうちの一種又は複数種の熱伝導絶縁層を含む熱伝導絶縁層を形成し、前記熱伝導絶縁層に熱圧着処理を行って前記絶縁層を形成する。
【0201】
本発明の実施例によるパワーモジュールの作製方法は、熱伝導絶縁層からなる絶縁層を加えることにより、パワーモジュールの間の短絡現象を有効に避け、また、熱伝導絶縁層は大量の無機成分を含み、パワーモジュールの熱伝導效率を更に向上させる。
【0202】
本発明の一つの実施例によると、ステップQ30は以下のようなステップQ’31〜Q’34を含む。
Q’31において、前記絶縁層
の放熱層と接触しない側に金属シード層を形成し、ここで、前記金属シード層の厚さは0.01〜0.1ミクロンメートルである。
Q’32において、前記シード層に対して電気メッキ処理を行い、回路配線を形成し、ここで、前記回路配線の厚さは1〜5ミクロンメートルである。
Q’33において、前記回路配線にエッチング処理を行い前記溶接エリアと、前記ピンと溶接パッドとを形成する。
Q’34において、前記溶接エリアと、前記ピンと前記溶接パッドとの間に金属線を接続する。
【0203】
本発明の一つの実施例によると、前記絶縁層の前記ヒートシンクに接触しない側に溶接エリアとピンとを形成することは、以下のような具体的なステップを含む。前記絶縁層の前記ヒートシンクに接触しない側に回路配線を形成する。前記回路配線にエッチング処理を行って前記溶接エリアと、前記ピンと溶接パッドとを形成する。前記溶接エリアと、前記ピンと前記溶接パッドとの間に金属線を形成する。
【0204】
本発明の一つの実施例によると、前記絶縁層の前記ヒートシンクに接触しない側に回路配線を形成することは、以下のような具体的なステップを含む。前記絶縁層の前記ヒートシンクに接触しない側に金属シード層を形成し、ここで、前記金属シード層の厚さは0.01〜0.1ミクロンメートルである。前記シード層にメッキ処理を行って前記回路配線を形成し、ここで、前記回路配線の厚さは1〜5ミクロンメートルである。
【0205】
本発明の一つの実施例によると、封止層を形成して前記パワーモジュールの作製を完成することは、以下のような具体的なステップを含む。熱可塑性樹脂に対して射出成形処理を行って封止層を形成し、前記パワーモジュールの作製を完成させる。ここで、前記射出成形処理の領域は前記パワーモジュールのひだ領域以外の領域である。
【0206】
本発明の一つの実施例によると、封止層を形成して前記パワーモジュールの作製を完成することは、以下のような具体的なステップを含む。熱硬化性樹脂に対してトランスファー成形処理を行って封止層を形成し、前記パワーモジュールの作製を完成させる。ここで、前記トランスファー成形処理の領域は前記パワーモジュールのひだ領域以外の領域である。
【0207】
本発明の実施例によるパワーモジュールの作製過程は、以下のようなステップを含む。
(1)ヒートシンク306と放熱ひだ17Aとを形成するステップは、以下のステップを含む。
必要となる回路レイアウトに基づいて、適切な大きさを持つヒートシンク306を設計する。通常のインテリジェントパワーモジュールに対して、一枚の大きさは64mm×30mmを選択でき、厚さは1.5mmである。その後、許容温度が300℃以上の耐高温接着剤によって、上記64mm×30mm長方形の紙質放熱体の一面に厚さが0.5mmの同材料の長方形を配置する。
【0208】
角形又は球形の添加物を有する絶縁材料と銅材を利用し、同時熱圧着の方法で、絶縁材料をヒートシンク306の表面に絶縁層307として形成し、銅材を絶縁層307の表面に回路配線308として形成する。ここで、耐圧特性を高めるために、絶縁層307の厚さは110μmにし、放熱特性を高めるために、絶縁層307の厚さは70μmにすることができる。ここで、通電能力を高めるために、回路配線308の厚さは0.07mmにし、コストダウンのために、回路配線308の厚さは0.035mm又は0.0175mmにすることができる。
【0209】
回路配線308の特定の位置を腐食させて、残った部分は金属線305及び溶接パッド18Aであり、厚さ0.5mmの湿式炭素複合材を利用して不規則的な形状に形成し、放熱ひだ17Aとする。両面に防水接着剤を塗布するような耐食、防水処理を行う。許容温度が300℃以上の耐高温接着剤を利用し、前記放熱ひだ17Aを前記ヒートシンク306の裏面に接着する。
【0210】
(2)ピン301を形成するステップは以下のようなステップを含む。
各ピン301は銅基材を利用し、プレス又はエッチングの方法によって、ピン301は12個の単独のピンユニットが補強リブによって接続されている。単独のピンユニットは長さCが25mm、幅Kが1.5mm、厚さHが1mmの長尺状である。取り付けしやすくするために、ピンユニットの一端に一定の弧度をプレスする。その後、化学めっきの方法によってニッケル層を形成する。ニッケル塩と次亜リン酸ナトリウムとの混合溶液によって、適切なキレート剤を添加し、特定の形状に形成された銅材の表面にニッケル層を形成する。金属ニッケルは強いパッシベーション効果を有するため、一層の極めて薄い不動態膜を迅速に生成することができ、大気、アルカリおよびある種の酸による腐食に抵抗することができる。ニッケルめっき結晶は極めて小さく、ニッケル層の厚さは、一般的に、0.1μmである。次に、酸性硫酸塩プロセスによって、室温で形状とニッケル層とが形成された銅材をスズ陽イオンを含むめっき液に浸して通電し、ニッケル層の表面にニッケル-スズ合金層を形成する。合金層は、一般的に、5μmになるように制御する。合金層の形成は保護性と溶接性とを大幅に向上させる。
【0211】
(3)パワー素子19と、非パワー素子14aと、回路配線308と溶接パッド18Aとを形成するステップは、以下のようなステップを含む。
まず、ソルダペースト印刷機によって、スチールメッシュを利用して、前記絶縁層307上の前記金属線305の特定の位置と前記溶接パッド18Aとにソルダペーストを塗布する。ここで、はんだ上がり高さを向上させるために、0.15mmの厚さのスチールメッシュを利用することができ、パワー素子19と非パワー素子14aがずれるリスクを減少させるために、0.12mmの厚さのスチールメッシュを利用することもできる。実施例において、利用された前記パワー素子19の高さは0.07mmであり、最も軽量のコンポーネントであるから、スチールメッシュの厚さが0.12mmのスチールメッシュを選択する。
【0212】
前記パワー素子19と、非パワー素子14aとピン301とを取り付ける。前記パワー素子19と前記非パワー素子14aは前記金属線305の特定の位置に直接に置くことができ、ピン301は一端を前記溶接パッド18Aにセットし、他端をキャリアによって固定する必要がある。前記キャリアは合成石等の材料によって作製される。ここで、前記キャリアは底部に前記放熱ひだ17Aを露出させる透かし彫り処理を行う必要がある。前記ヒートシンク306裏面の縁部から少なくとも1mmの、前記放熱ひだ17Aに覆われていない位置は前記キャリアに接触して支持作用を奏する。
【0213】
その後、前記キャリアに置かれた前記絶縁層307はリフロー溶接によって、ソルダペーストが硬化され、前記非パワー素子14aと前記ピン301とが固定される。
【0214】
ここでは、溶解温度が280℃のソルダペーストを選択する。
【0215】
(4)金属線305を形成するステップは、以下のようなステップを含む。
まず、前記ヒートシンク306を洗浄機に入れて洗浄し、リフロー溶接する時に残ったロジン等のフラックス及びプレスする時に残ったアルミニウム線等の異物を洗浄する。洗浄は前記非パワー素子14aの前記金属線305における配列密度に応じて、シャワー又は超音波又は両者の組み合わせの形で行うことができる。
洗浄する時、メカニカルアームにより前記ピン301を挟み、前記ヒートシンク306を洗浄槽に置くが、メカニカルアームが前記ヒートシンク306に触れないように注意する必要がある。前記ヒートシンク306は脆性を有し変形しやすくて、メカニカルアームが前記ヒートシンク306を挟むと、洗浄する時に生じた震動により、ヒートシンク306が破損しやすいためである。
【0216】
(5)ボンディングワイヤを形成するステップは、以下のようなステップを含む。
必要な通電能力に応じて、適切な直径のアルミニウム線をボンディングワイヤとして選択する。信号制御のための集積回路については、金線をボンディングワイヤとすることが考えられる。本実施例においては、全てアルミニウム線を選択し、一般的には、パワー素子19のボンディングには350μm〜400μmのアルミニウム線を利用し、前記非パワー素子14aのボンディングには38μm〜200μmのアルミニウム線を利用し、ヒートシンク306のボンディングには350μm〜400μmのアルミニウム線を利用する。
【0217】
前記パワーモジュールは、ブリッジ整流器機能モジュール1001と、コンプレッサーインバータ機能モジュール1002と、力率補正モジュール1003とファンインバータ機能モジュール1004とを含む。
【0218】
樹脂封止層12aを形成するステップは、以下のようなステップを含む。
まず、無酸素環境で前記ヒートシンク306を焼成する。焼成時間は2時間より小さくてはいけなく、焼成温度は125℃にする。
【0219】
ピン301が配置された前記ヒートシンク306をモールド型に運ぶ。ピン301の特定の部分を固定装置に接触させ、前記ヒートシンク306を位置決めし、前記ボスを金型キャビティーの底部に揃える。金型キャビティーの底部に高さが1mmのエジェクタピンを取り付けることにより、高さが低くなりすぎないようにしてもよい。
【0220】
型締する時、金型内部に形成された金型キャビティーに前記ヒートシンク306を置き、その後ゲートから封止樹脂を注ぎ込む。封止する方法として熱硬化性樹脂を利用するトランスファー成形又は熱硬化性樹脂を利用する射出成形を利用することができる。また、ゲートから注ぎ込まれた封止樹脂に応じて金型キャビティー内部のガスは排気口を通って外部へ排出される。
【0221】
ここで、前記ヒートシンク306の裏面は下型
450に密着する。より強く密着させるために、上型
440にエジェクタピンを加えることができるが、依然として少量の封止樹脂
12aが前記ヒートシンク306の裏面と下型
450との間に入るから、型から取り出した後、レーザーエッチング又は研削を行って前記ヒートシンク306裏面に残った少量の封止樹脂
12aを除去し、前記ヒートシンク306の裏面を封止樹脂
12aから露出させる必要がある。前記ヒートシンク306の裏面以上の部分は
封止樹脂12aによって封止される。
【0222】
(7)ピン301に後続処理を行うステップは、以下のようなステップを含む。
前の工程、即ちトランスファ成形工程においてピン301以外の他の部分が樹脂封止層12aによって封止される。この工程は、使用する長さと形状との必要に応じて、例えば、点線51の位置で外部のピン301を切断する。後段の取り付けを便利にするように、一定の形状に折り曲げる場合もある。
【0223】
その後、モジュールを検査機器に入れて、通常の電気的パラメータ検査を行う。一般的に、絶縁耐圧、静的電力消費、遅延時間等の検査項目を含み、検査に合格したものは完成品である。
【0224】
上記の工程を利用して、パワーモジュールの作製を完成させる。
【0225】
以上、図面を参照しながら本発明の技術案を説明した。本発明はパワーモジュールの作製方法を提示した。ヒートシンクを形成することにより、パワーモジュールの熱伝導面積と熱伝導效率とを有効に向上させ、パワーデバイスの放熱不良による焼損又は失效等の問題を減少させ、パワーモジュールの信頼性を高め、パワーモジュールの故障率を低減する。また、複数のパワーモジュールを同一領域に集中して設けることにより、上記同一領域にヒートシンクを集中して作製して、作製の複雑度を増加することなく、同時に、複数のパワーモジュールが動作状態熱量を非パワーモジュールに伝達することを避けることができる。
【0226】
図46(A)、
図46(AA)に示すように、本発明の実施例によるインテリジェント機能モジュール実施例の回路図である。
【0227】
本発明に提出されるインテリジェント機能モジュール中のU相高電圧駆動集積チューブ41、V相高電圧駆動集積チューブ42、W相高電圧駆動集積チューブ43は、三つの上部ブリッジアームIGBTチューブを駆動するためのシングルアームHVICチューブであり、これらの構造は完全に同一であり、入力端HINの0〜5Vの論理信号を出力端HOに伝送する機能を発揮し、ここでHOはVS〜VS+15Vの論理信号である。VSは0〜300Vの間で変わるから、前記U相高電圧駆動集積チューブ41と、前記V相高電圧駆動集積チューブ42と、前記W相高電圧駆動集積チューブ43とが耐高圧性があるテープアウトプロセスによって実現され、コストダウンするために、650VのBCDプロセスを利用する場合はあるが、耐圧構造の設計難度を下げるために、650VのSOIプロセスを利用する場合もある。
【0228】
本発明により提供されるインテリジェント機能モジュールの中のU相低電圧駆動集積チューブ44と、V相低電圧駆動集積チューブ45と、W相低電圧駆動集積チューブ46とは三つの下部ブリッジアームIGBTチューブを駆動するシングルアームLVICチューブであり、これらの構造は完全に同一であり、入力端LINの0〜5Vの論理信号を出力端LOに伝送する機能を発揮し、ここでLOは0〜15Vの論理信号である。前記U相低電圧駆動集積チューブ44と、前記V相低電圧駆動集積チューブ45と、前記W相低電圧駆動集積チューブ46とは耐高圧性があるテープアウトプロセスによって実現される必要はないから、コストダウンするために、20VのBIPOLarプロセスを利用する場合があるが、一致性を向上させるために、20VのBCDプロセスを利用する場合もある。
【0229】
本発明により提供されるインテリジェント機能モジュールの中の第1低電圧駆動集積チューブ47は、力率補正回路部分の高速IGBTチューブ27を駆動するシングルアームLVICであり、コストを抑えるために、20VのBIPOLarプロセスを利用してテープアウトを利用する場合があるが、消費電力を低下させることを考えて、20VのBCDプロセスを利用する場合もある。
【0230】
本発明により提供されるインテリジェント機能モジュールの中の第1IGBTチューブ、第2IGBTチューブ、第3IGBTチューブ、第4IGBTチューブ、第5IGBTチューブ、第6IGBTチューブ、第1FRDチューブ、第2FRDチューブ、第3FRDチューブ、第4FRDチューブ、第5FRDチューブ、第6FRDチューブは、
図46(AA)におけるIGBTチューブ21、IGBTチューブ22、IGBTチューブ23、IGBTチューブ24、IGBTチューブ25、IGBTチューブ26、FRDチューブ11、FRDチューブ12、FRDチューブ13、FRDチューブ14、FRDチューブ15、FRDチューブ16にそれぞれ対応する。
【0231】
前記U相高電圧駆動集積チューブ41と、前記U相低電圧駆動集積チューブ44のVCC(即ち電源端)と、前記V相高電圧駆動集積チューブ42と、前記V相低電圧駆動集積チューブ45のVCCと、前記W相高電圧駆動集積チューブ43と、前記W相低電圧駆動集積チューブ
46と、前記PFC駆動集積チューブ47のVCCとが接続され、且つ前記インテリジェントパワーモジュール10のVDD端として、VDDは前記インテリジェントパワーモジュール10の低電圧領域給電電源であり、一般的に、VDDは15Vである。
【0232】
前記U相高電圧駆動集積チューブ41のHIN端(即ち入力端)は前記インテリジェントパワーモジュール10のU相上部ブリッジアーム入力端UHINとする。前記V相高電圧駆動集積チューブ42のHIN端は前記インテリジェントパワーモジュール10のV相上部ブリッジアーム入力端VHINとする。前記W相高電圧駆動集積チューブ43のHIN端は前記インテリジェントパワーモジュール10のW相上部ブリッジアーム入力端WHINとする。前記U相低電圧駆動集積チューブ44のLIN端(即ち入力端)は前記インテリジェントパワーモジュール10のU相下部ブリッジアーム入力端ULINとする。前記V相低電圧駆動集積チューブ45のLIN端は前記インテリジェントパワーモジュール10のV相下部ブリッジアーム入力端VLINとする。前記W相低電圧駆動集積チューブ46のLIN端は前記インテリジェントパワーモジュール10のW相下部ブリッジアーム入力端WLINとする。前記第1低電圧駆動集積チューブ47のPIN端は前記インテリジェントパワーモジュール10の力率補正回路(PFC回路)の入力端PFCINとする。
【0233】
前記インテリジェントパワーモジュール10のU、V、W三相及びPFCの計7つの入力回路で0〜5Vの入力信号を入力受信する。
【0234】
前記U相高電圧駆動集積チューブ41のGND端(即ち接地端)と、V相高電圧駆動集積チューブ42のGND端と、W相高電圧駆動集積チューブ43のGND端と、前記U相低電圧駆動集積チューブ44のGND端と、前記V相低電圧駆動集積チューブ45のGND端と、前記W相低電圧駆動集積チューブ46のGND端と、前記第1低電圧駆動集積チューブ47のGNDとが接続され、且つ前記インテリジェントパワーモジュール10のCOM端とし、COMはVDD給電電源のネガティブターミナルである。
【0235】
前記U相高電圧駆動集積チューブ41のVB端(即ち高電圧電源のポジティブターミナル)は前記インテリジェントパワーモジュール10のU相高電圧領域の給電電源ポジティブターミナルUVBとする。前記V相高電圧駆動集積チューブ42のVB端は前記インテリジェントパワーモジュール10のV相高電圧領域の給電電源ポジティブターミナルVVBとする。前記W相高電圧駆動集積チューブ43のVB端は前記インテリジェントパワーモジュール10のW相高電圧領域の給電電源ポジティブターミナルWVBとする。前記U相高電圧駆動集積チューブ41のHO端(即ち入力端)はIGBTチューブ21のゲートに接続され、前記U相高電圧駆動集積チューブ41のVS端(即ち高電圧電源のネガティブターミナル)は前記IGBTチューブ21のエミッタと、FRDチューブ11の陽極と、IGBTチューブ24のコレクターと、FRDチューブ14の陰極とに接続され、前記インテリジェントパワーモジュール10のU相高電圧領域の給電電源ネガティブターミナルUVSとする。
【0236】
前記V相高電圧駆動集積チューブ42のHO端はIGBTチューブ22のゲートに接続され、前記V相高電圧駆動集積チューブ42のVS端は前記IGBTチューブ22のエミッタと、FRDチューブ12の陽極と、IGBTチューブ25のコレクターと、FRDチューブ15の陰極とに接続され、前記インテリジェントパワーモジュール10のV相高電圧領域の給電電源ネガティブターミナルVVSとする。
【0237】
前記W相高電圧駆動集積チューブ43のHO端はIGBTチューブ23のゲートに接続され、前記W相高電圧駆動集積チューブ43のVS端は前記IGBTチューブ23のエミッタと、FRDチューブ13の陽極と、IGBTチューブ26のコレクターと、FRDチューブ16の陰極とに接続され、前記インテリジェントパワーモジュール10のW相高電圧領域の給電電源ネガティブターミナルWVSとする。
【0238】
前記IGBTチューブ21のコレクターと、前記FRDチューブ11の陰極と、前記IGBTチューブ22のコレクターと、前記FRDチューブ12の陰極と、前記IGBTチューブ23のコレクターと、前記FRDチューブ13の陰極と、ハイパワーFRDチューブ18の陰極とが接続され、前記インテリジェントパワーモジュール10の高電圧入力端Pとし、一般的に、Pは300Vに接続される。
【0239】
前記U相低電圧駆動集積チューブ44のLO端(即ち出力端)はIGBTチューブ24のゲートに接続され、前記IGBTチューブ24のエミッタはFRDチューブ14の陽極に接続され、前記インテリジェントパワーモジュール10のU相低電圧参照端UNとする。
【0240】
前記V相低電圧駆動集積チューブ45のLO端はIGBTチューブ25のゲートに接続され、前記IGBTチューブ25のエミッタはFRDチューブ15の陽極に接続され、前記インテリジェントパワーモジュール10のV相低電圧参照端VNとする。
【0241】
前記W相低電圧駆動集積チューブ46のLO端はIGBTチューブ26のゲートに接続され、前記IGBTチューブ26のエミッタはFRDチューブ16の陽極に接続され、前記インテリジェントパワーモジュール10のW相低電圧の参考端WNとする。
【0242】
前記第1低電圧駆動集積チューブ47のPOUT端は高速IGBTチューブ27のゲートに接続され、前記高速IGBTチューブ27のエミッタはローパワーFRDチューブ17の陽極に接続され、前記高速IGBTチューブ27のコレクターは前記ローパワーFRDチューブ17の陰極と、前記ハイパワーFRDチューブ18の陽極とに接続されている。ここでのローパワーFRDチューブ17は必要なものではなく、他の実施例においてこの部品を接続しなくても良い。
【0243】
図46(B)と、
図46(C)と、
図46(D)とを参照すると、
図46(B)は本発明インテリジェント機能モジュールの好ましい実施例の平面図であり、
図46 (C)は、
図46 (B)のX-X’線に沿う断面図であり、
図46(D)は、本発明の実施例によるインテリジェント機能モジュールの、封止樹脂を除去した正面の平面図である。
【0244】
本発明のインテリジェントパワーモジュール10は、表面に絶縁層307が設けられた紙質のヒートシンク306と、前記絶縁層307に配置された回路配線308と、前記回路配線308に配置された前記IGBTチューブ21と、前記IGBTチューブ22と、前記IGBTチューブ23と、前記IGBTチューブ24と、前記IGBTチューブ25と、前記IGBTチューブ26と、前記高速IGBTチューブ27と、前記HVICチューブ41と、前記HVICチューブ42と、前記HVICチューブ43と、前記LVICチューブ44と、前記LVICチューブ45と、前記LVICチューブ46と、支持プレート309に配置された前記FRDチューブ11と、前記FRDチューブ12と、前記FRDチューブ13と、前記FRDチューブ14と、前記FRDチューブ15と、前記FRDチューブ16と、前記ローパワーFRDチューブ17と、前記ハイパワーFRDチューブ
18と、前記回路配線
308の縁部部分に配置されたピン301とを備え、ここで、前記ヒートシンク306の一面を正面とし、他面を裏面とする。
【0245】
ヒートシンク306の正面は絶縁層307で覆われ、前記回路配線308は前記絶縁層307のヒートシンク306から遠い方の面に設けられる。
【0246】
前記ヒートシンク306の裏面に、放熱するためのひだ320を設ける。
【0247】
ここで、前記ヒートシンク306とひだ320とはいずれも湿式炭素複合材機能紙を利用することができる。
【0248】
前記ヒートシンク306は、高温グルーによって前記ひだ320と接続されていてもよいし、又は両方が一体に作製されてもよい。
【0249】
また、前記インテリジェントパワーモジュール10は、前記回路配線308の縁部部分に配置されたピン301と、上記各要素の間を電気的に接続成する金属線305と、この回路を封止し且つ少なくとも紙質のヒートシンク306の上面における前記全ての要素を封止する封止樹脂302とを更に含む。
【0250】
また、前記インテリジェントパワーモジュール10は、前記回路配線308と、前記IGBTチューブ21と、前記IGBTチューブ22と、前記IGBTチューブ23と、前記IGBTチューブ24と、前記IGBTチューブ25と、前記IGBTチューブ26と、前記FRDチューブ11と、前記FRDチューブ12と、前記FRDチューブ13と、前記FRDチューブ14と、前記FRDチューブ15と、前記FRDチューブ16と、前記FRDチューブ17とを接続して対応する回路を構成する金属線305を更に含む。
【0251】
また、前記インテリジェントパワーモジュール10は、前記パワーモジュールの縁部に配置され、前記回路配線308に接続されて外へ延伸して入出力を行うピン301を更に含む。
【0252】
ここで、インテリジェントパワーモジュール10の内部回路レイアウト及び外周のアプリケーションの必要に応じ、前記ピン301はインテリジェントパワーモジュール10の1辺の縁部、2辺の縁部、3辺の縁部又は4辺の縁部に配置することができる。
【0253】
以下、本発明の実施例によるインテリジェントパワーモジュール10の各構成要素を詳しく説明する。紙質のヒートシンク306は湿式炭素複合材機能紙であり、粉末と繊維状炭素材料を複合グラファイト質に加工した材料は350℃以上の高温を耐えられ且つ必要に応じて任意の形状に折り畳むことができ、前記放熱ひだ320を取得する。耐食性の向上と防水のために、表面に防水処理行うことができる。前記紙質のヒートシンク306は前記放熱ひだ320に一体に作製されるが、ここで前記紙質のヒートシンク306の形状は平坦であり、前記放熱ひだ320の形状は不規則である。前記紙製のヒートシンク306は前記放熱ひだ320と異なる厚さの湿式炭素複合材を使用することができ、本実施例は異なる厚さのものを使用した。ここで、機械強度を増加するために、前記紙質のヒートシンク306には厚い湿式炭素複合材を利用し、厚さは1.5mmにすることができ、コストダウンとひだの密度を増加するために、前記放熱ひだ320には薄い湿式炭素複合材を利用し、厚さは0.5mmにすることができる。ここで、前記紙質のヒートシンク306の前記放熱ひだ320を有する面を前記紙質のヒートシンク306の裏面とし、対向面を前記紙質のヒートシンク306の表面とする。ここで、前記放熱ひだ320は前記紙の放熱17の裏面を完全に覆ってはならず、前記紙質のヒートシンク306の裏面の縁部に少なくとも1.5mmの平坦な位置を残す必要がある。
【0254】
前記絶縁層307に覆われた前記紙質のヒートシンク306の一つの表面は、前記紙質のヒートシンク306の正面と呼び、エポキシ樹脂等の樹脂材料に高濃度で酸化アルミニウム等の充填物を充填して熱伝導率を向上させる。より高い熱伝導性を得るため、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素等の物を添加してもよい。ここで、添加物は球形又は角形であり、熱圧着方式により、前記紙質のヒートシンク306の表面に圧着される。
【0255】
前記回路配線308は銅等の金属からなり、前記紙質のヒートシンク306上の特定の位置に形成され、必要なパワーに応じて、0.035mm又は0.07mm等の厚さにすることができる。通常のインテリジェントパワーモジュールに対しては、0.07mmにすることを優先に考え、本実施例において0.07mmの厚さを利用する。特に、前記紙質のヒートシンク306の縁部に、前記ピン301を配置するための前記回路配線308が形成されている。ここで、前記紙質のヒートシンク306の両辺の付近に複数の前記ピン301を配置するための前記回路配線308を設けられる。必要な機能に応じて、前記紙質のヒートシンク306の1辺、2辺、3辺、4辺の付近に複数の前記ピン301を配置するための前記回路配線308を設けることができる。
【0256】
前記IGBTチューブ21〜27とFRDチューブ11〜18とは前記回路配線308に固定され規定の回路を構成する。ここで、前記7枚のIGBTチューブのエミッタとゲートとを有する面は上向きに、コレクターを有する面は下向きに取り付けられ、前記FRDチューブの陽極を有する面は上向きに、陰極を有する面は下向きに取り付けられる。
【0257】
前記HVICチューブ41は前記IGBTチューブ21に固定され、前記HVICチューブ42は前記IGBTチューブ22に固定され、前記HVICチューブ43は前記IGBTチューブ23に固定され、前記LVICチューブ44は前記IGBTチューブ24に固定され、前記LVICチューブ45は前記IGBTチューブ25に固定され、前記LVICチューブ46は前記IGBTチューブ26に固定される。ここで、前記HVICチューブとLVICチューブとの、IGBTチューブに固定された位置はIGBTチューブのエミッタであり、通常の30AのIGBTチューブについて、エミッタの面積は6mm
2以上であり、通常のシングルアームHVICチューブとシングルアームLVICチューブについては、面積は2mm
2以下である。
【0258】
前記支持プレート309の厚さは1mmにし、放熱性を向上させるために、電流能力30A以上のインテリジェントパワーモジュールについては、1.5〜2mmにすることもできる。コストを抑え、且つ体積を更に減少するために、15A電流能力15A以下のインテリジェントパワーモジュールについては、0.2〜0.5mmにすることもできる。支持プレート309のFRDチューブを取り付けた面に平坦部を設け、支持プレート309のFRDチューブを取り付けた面は平坦部から遠い方の縁部にいくつかの突起部310を設け、突起部310の高さは前記FRDチューブ厚さ及び前記IGBTチューブの厚さの和±1μmであり、通電能力を向上させるために、前記突起部310の数量は5つであり、プロセスを簡略化させるために、前記突起部310の数量は2つであり、本実施例では3つである。
【0259】
前記FRDチューブ11〜16の陰極は前記支持プレート309の正面の平坦部に固定され、前記FRDチューブ11〜16の陽極を有する面は上へ向く。
前記FRDチューブ11〜16の陽極は導電性はんだ、例えば銀の接着剤、ソルダペースト等により、前記IGBTチューブ21〜26のエミッタにそれぞれ接続され、前記突起部310は導電性はんだ、例えば銀の接着剤、ソルダペースト等により、前記IGBTチューブ21〜26のコレクターにそれぞれ接続された回路配線308に接続されている。ここで、一般的に、FRDチューブの電流能力は、対応的なIGBTチューブの半分以下であり、よって、 FRDチューブの面積は、普通、IGBTチューブの面積よりかなり小さいから、FRDチューブの陽極はIGBTチューブのエミッタに完全に接触した後、IGBTチューブの陽極及びゲートは部分的に露出する。
【0260】
前記HVICチューブ41〜46はそれぞれ前記IGBTチューブ21〜26に非常に近づいた前記回路配線308に固定されている。
【0261】
前記金属線305はアルミニウム線、金線又は銅線であっても良く、ボンディングにより各回路素子と回路配線308との間に電気的な接続関係を築き、前記ピン301と前記回路配線308とが電気的な接続関係を築く場合もある。
【0262】
前記ピン301は前記紙質のヒートシンク306の縁部に設けられた前記回路配線308に固定され、例えば外部との入力、出力を行う機能を有する。ここで、向かい合った両辺に複数のピン301を設け、ピン301と回路配線308とははんだ等導電性接着剤により溶接する。通常、前記ピン301は、銅等の金属で作製し、銅表面は化学めっきと電気メッキとにより一層ニッケル - スズ合金層を形成し、通常、合金層の厚さは5μmであり、メッキは、銅が腐食酸化されないように保護し、且つ溶接性を向上させることができる。
【0263】
前記樹脂302はトランスファー成形法により熱硬化性樹脂利用して成形する又は射出成形により熱可塑性樹脂を利用して成形することができる。
【0264】
従来技術に比べ、本発明の実施例のインテリジェントパワーモジュール10は以下のような良い効果を有する。
1、インテリジェントパワーモジュールの低電圧領域駆動回路はLVICチューブにより実現され、高電圧区駆動回路はHVICチューブにより実現され、LVICチューブは低コストのBIPOLAR又は
CMOS等の低圧プロセスにより実現され、HVICチューブならBCD又はSOI等の高電圧プロセスにより実現され、前者のプロセスコストはただ后者の1/3だけであり、インテリジェントパワーモジュールの製造コストを低減させる。
【0265】
2、本発明のインテリジェントパワーモジュールは各々独立したHVICチューブ又はLVICチューブが対応するIGBTチューブに配置され、HVICチューブ又はLVICチューブからIGBTチューブゲートまでのルーティングを一致させ、これにより6つのIGBTチューブ動態特性の一致性を保証することができ、力率補正用の一つののIGBTの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを非常に急峻にすることができ、且つ回路配線の面積を大幅に節約し、これによりインテリジェントパワーモジュールの回路基板の面積を減少させ、インテリジェントパワーモジュールのコストをさらに低下させる。
【0266】
3、本発明のパワーモジュール構造は小さいインダクタンスとコンデンサを利用することができ、分布インダクタンスとコンデンサの減少は本発明のインテリジェントパワーモジュールの動態の消費電力を大幅に低減させ、本発明は、回路基板の代わりに紙質のヒートシンクを利用し、アルミニウムヒートシンクの代わりに放熱ひだを利用し、インテリジェントパワーモジュールの重量を低下させ、材料コストも、輸送コストもそれにつれて低下する。
【0267】
4、FRDチューブとIGBTチューブとは立体に置き、接触面積を増加し、パワー素子の間のルーティングの長さを最低に低減させ、且つ接続用の金属線を節約し、面積を更に大幅に減少させ、インテリジェントパワーモジュールのコストを再び低減させる。
【0268】
上記より、本発明のインテリジェントパワーモジュール10はコスト削減と同時に、体積と重量を減少させ、放熱効果を向上させる。
【0269】
また、本発明の一つの実施例により提出されるインテリジェントパワーモジュール10製造方法は、以下のようなステップS1〜S6を含む。
ステップS1において、紙質のヒートシンク306を形成し、前記ヒートシンク306の正面を絶縁層307で覆い、絶縁層307の表面に回路配線308を形成する。
具体的には、設定された回路レイアウトに基づいて所定のサイズの湿式炭素複合材料を選択して紙質のヒートシンク306を形成する。
【0270】
ヒートシンク306の正面に、絶縁材料と銅材を利用し、熱圧着の方法により、絶縁材料を前記ヒートシンク306の表面に前記絶縁層307として形成し、銅材を前記絶縁層307の表面に銅箔層として形成する。
【0271】
その後、銅箔層の特定の位置を腐食させ、残った部分が回路配線308を形成する。
【0272】
ステップS2において、前記回路配線308の表面にIGBTチューブ21〜27と、FRDチューブ11〜18と、HVICチューブ41〜43と、LVICチューブ44〜46と予め作製されたピン301とを取り付け、支持プレートにFRDチューブ11〜16を取り付ける。
ステップS3において、前記IGBTチューブ21〜26のエミッタ位置にそれぞれHVICチューブ41〜43と、LVIC44〜
46チューブと、FRDチューブ11〜16とを取り付ける。
ステップS4において、金属線305によってIGBTチューブ21〜27と、FRDチューブ11〜18と、HVICチューブ41〜43と、LVICチューブ44〜
46と前記回路配線308とを接続して対応する回路を形成する。
ステップS5において、封止樹脂302により前記ヒートシンク306の正面を封止する。ステップS6において、前記ヒートシンク306の裏面をひだ320で覆う。具体的には、湿式炭素複合材を利用してひだ320を形成し、耐高温接着剤によって前記ヒートシンク306の裏面に接着する。
【0273】
更に、ステップS2の前に以下のようなステップS7を含む。
ステップS7において、独立したメッキ付きピン301を作製する。
具体的には、まず、銅基材を選択し、銅基材についてプレスまたはエッチングの方法により、一列のピン301を作製し、ピン301の間は補強リブによって接続される。
【0274】
その後、前記ピン301の表面に順番にニッケル層とニッケル-スズ合金層とを形成し、メッキ層付きのピン301を取得する。
【0275】
さらに、上記のステップS6の後に、更に以下のようなステップS8を含む。
ステップS8において、前記ピン301のトリミング成形を行い、モジュール機能検査を行う。
【0276】
以下に、図面を参照しながら本実施例によるインテリジェントパワーモジュール10の製造工程を詳しく説明する。本発明インテリジェントパワーモジュール10の製造方法は、紙質のヒートシンク306表面に絶縁層307を設ける工程と、絶縁層307の表面に回路配線308を形成する工程と、回路配線308にGBTチューブ21〜27とFRDチューブ11〜18を配置する工程と、IGBTチューブにHVICチューブ41〜43と、LVICチューブ44〜46とPFC駆動集積チューブ47とを配置する工程と、金属線305によって各回路素子と前記回路配線
308を接続する工程と、焼成してモールドする工程と、ピン301を成型する工程と、機能検査を行う工程とを含む。具体的な工程図は、例えば
図53と
図53(A)とに示すようである。
【0277】
以下、上記各工程の詳しい状況を説明する。
【0278】
第1工程は、
図47(A)と
図47(B)とを参照する。
【0279】
図47(A)は本発明の実施例の第1工程の紙質のヒートシンクの正面に絶縁層と銅箔層を形成する平面図であり、
図47(B)は
図47(A)の側面図である。
【0280】
本発明の実施例の第1工程は、大きさが適切な紙質のヒートシンクに絶縁層を形成して絶縁層の表面に回路配線を形成する工程である。
【0281】
まず、平面
図47(A)と側面
図47(B)とを参照すると、必要な回路レイアウトによって大きさが適切な紙質のヒートシンク306を用意し、通常のインテリジェントパワーモジュールは44mm×20mmの大きさを選び、両面に耐食処理を行う。アルミニウム基板の少なくとも一面の表面に絶縁層307を設ける。また、絶縁層
307の表面に導電パターンである銅箔を貼り付ける。その後この工程によって製造された銅箔をエッチングし、部分的に銅箔を除去し、回路配線308を形成する。
【0282】
ここで、大きさが適切な紙質のヒートシンクを形成することは、1m×1mの型材に直接パンチング等の方法により形成することができるし、1m×1mの型材を剪断して形成することもできる。
【0283】
第2工程において、一部の実施例において、
図48(AA)と
図48(BB)とを参照する。
図48(AA)は本発明の実施例の第2工程において回路配線にIGBTチューブと、FRDチューブとピンとを取り付ける平面図であり、
図48(BB)は
図48(AA)の側面図である。
【0284】
本発明の第2工程は、回路配線308にIGBTチューブ21〜27と、FRDチューブ11〜18とピン301とを取り付ける工程である。
【0285】
図48(AA)と
図48(BB)とを参照すると、ソルダペースト等のはんだによりIGBTチューブ21〜27と、FRDチューブ11〜18とピン301とを回路配線308の規定の位置に取り付ける。
【0286】
ここで、ソルダペーストが溶接された後のボイド率を減少させ、且つコスト削減のために、窒素で保護されたリフローオーブンを利用してソルダペーストの固定を行うことが考えられる。コストが問題なければ、真空還流方式を利用することも考えられる。一般的に、ソルダペーストの融解温度は280℃程度である。
【0287】
各ピン301は銅基材を利用するものであり、プレス又はエッチングの方法により、ピン301を作製し、その後、化学めっきの方法によりピン
301の表面にニッケル層を形成することは、具体的に以下のようなステップを含む。
ニッケル塩と次亜リン酸ナトリウムとの混合溶液により、適切なキレート剤を添加し、既に特定の形状に形成された銅材の表面にニッケル層を形成し、金属ニッケルは強いパッシベーション効果を有するため、一層の極めて薄い不動態膜を迅速に生成することができ、大気、アルカリおよびある種の酸による腐食に抵抗することができる。ニッケルめっき結晶は極めて小さく、一般的に、ニッケル層の厚さは0.1μmである。
【0288】
次に、酸性硫酸塩プロセスにより、室温で形状とニッケル層とが形成された銅材をスズ陽イオンを含むめっき液中に浸し通電し、ニッケル層の表面にニッケル-スズ合金層を形成する。一般的に、合金層は5μmになるよう制御する。合金層を形成することによりピンの保護性と溶接性とが大幅に向上する。
【0289】
他の一部の実施例において、
図48(A)と
図48(B)とを参照する。
図48(A)は本発明の実施例の第2工程において前記回路配線の表面にIGBTチューブと、HVICチューブと、LVICチューブと予め設定されたピンとを取り付け、支持プレートにFRDチューブを取り付ける平面図であり、
図48(B)は
図48(A)の側面図であり、
図48(C)は本発明の実施例の第2工程における支持プレートの底面図であり、
図48(D)は本発明の実施例第2工程における支持プレートの正面図である。
【0290】
第2工程は、回路配線308にIGBTチューブ21〜26と、HVICチューブ41〜43と、LVICチューブ44〜46とピン301とを取り付け、支持プレートにFRDチューブ11〜16を取り付ける工程である。
【0291】
図48(A)と
図48(B)とを参照すると、ソルダペースト等のはんだによりIGBTチューブ21〜26と、HVICチューブ41〜43と、LVICチューブ44〜46とピン301とを回路配線308の規定位置に取り付ける。錫線等のはんだはFRDチューブ11〜16を前記支持プレート309の前記突起部310を有する面の特定の位置に取り付ける。前記FRDチューブ11〜16はヒートシンクに直接に接触しないから、ボイド率と蓄熱とを低減させるために、共晶ハンダ付けの方法を利用して溶接する。
【0292】
第3工程において、一部の実施例において、
図49(AA)と
図49(BB)とを参照すると、
図49(AA)は本発明の実施例の第3工程においてIGBTチューブのエミッタにHVICチューブとLVICチューブとを取り付ける平面図であり、
図49(BB)は
図49(AA)の側面図である。
【0293】
本発明の第3工程は、IGBTチューブ21〜27のエミッタ位置にHVICチューブ41〜43とLVICチューブ44〜46とPFC駆動集積チューブ47とを取り付ける工程である。
【0294】
まず、
図49(AA)と
図49(BB)とを参照すると、IGBTチューブ21にHVICチューブ41を取り付け、IGBTチューブ22にHVICチューブ42を、IGBTチューブ23にHVICチューブ43を、IGBTチューブ24に
LVICチューブ44を、IGBTチューブ25に
LVICチューブ45を、IGBTチューブ26に
LVICチューブ46を、高速IGBTチューブ27にPFC駆動集積チューブ47を取り付ける。
【0295】
ここで、HVICチューブとLVICチューブとの裏面はGND等の電極でなければ、導電性の銀の接着剤等を利用して固定材料とすることができ、HVICチューブとLVICチューブとの裏面がGND等の電極であれば、非導電性の赤いグルー等を固定材料とする。
【0296】
次は、175℃で焼成することにより、銀の接着剤又は赤いグルーを硬化させ、ここで、銀の接着剤又は赤いグルーの硬化温度は170℃程度であり、硬化時間はおよそ2時間である。焼成温度はソルダペーストの融解温度より遥かに低いから、ここで加熱する過程で、IGBTチューブと、FRDチューブとピンとの溶接効果に影響を及ぼさない。
【0297】
他の一部の実施例において、
図49(A)と
図49(B)とを参照すると、
図49(A)は本発明の実施例の第3工程においてIGBTチューブのエミッタにFRDチューブを取り付ける平面図であり、
図49(B)は
図49(A)の側面図である。
【0298】
本発明の第3工程はIGBTチューブ21〜26のエミッタ位置にFRDチューブ11〜16を取り付ける工程である。
【0299】
まず、
図49(A)と
図49(B)とを参照すると、IGBTチューブ
21にFRDチューブ11を、IGBTチューブ22にFRDチューブ12を、IGBTチューブ23にFRDチューブ13を、IGBTチューブ24にFRDチューブ14を、IGBTチューブ25にFRDチューブ15を、IGBTチューブ26にFRDチューブ16を取り付ける。
【0300】
ここで、ボイド率をよりよく制御するために、導電性を有する銀の接着剤等を利用して固定材料とすることができ、前記IGBTチューブのエミッタの特定の位置と前記IGBTチューブのコレクターに接続された回路配線308の特定の位置とに、適切な形状及び厚さを持つ銀の接着剤を塗り、前記FRDチューブの陽極を前記IGBTチューブのエミッタの銀の接着剤を有する位置に配置し、前記FRDチューブが位置する支持プレート309の突起部310を前記IGBTチューブのコレクターに接続された回路配線308の銀の接着剤を有する位置に配置する。
【0301】
第4工程において、一部の実施例において、
図50(AA)と
図50(BB)とを参照すると、
図50(AA)は本発明の実施例の第4工程における、金属線によってパワー素子と、非パワー素子と、ヒートシンクと回路配線の間とを接続する平面図であり、
図50(BB)は
図50(AA)の側面図である。
【0302】
本発明の第4工程は金属線305によって回路素子と回路配線308との間を電気的に接続する工程である。
【0303】
図50(AA)と
図50(BB)とを参照すると、IGBTチューブ21〜27と、FRDチューブ11〜18と、HVICチューブ41〜43と、LVICチューブ44〜46と、PFC駆動集積チューブ47と回路配線308とをボンディング接続させる。
【0304】
他の一部の実施例において、
図50(A)と
図50(B)とを参照すると、
図50(A)は本発明の実施例の第4工程において、金属線によってIGBTチューブと、FRDチューブと、HVICチューブと、LVICチューブと回路配線とを接続して回路を形成する平面図であり、
図50(B)は
図50(A)の側面図である。
【0305】
本発明の第4工程は、金属線305によって回路素子と回路配線308との間を電気的に接続する工程である。
【0306】
図50(A)と
図50(B)とを参照すると、IGBTチューブ21〜26と、FRDチューブ11〜16と、HVICチューブ41〜43と、LVICチューブ44〜46と回路配線308とをボンディング接続させる。
【0307】
フロー能力の需要に応じ、適切な直径のアルミニウム線をボンディングワイヤとして選択し、信号制御の部分、例えば、HVICチューブとLVICチューブとについては、15μmの金線又は38μmのアルミニウム線をボンディングワイヤとすることが考えられる。前記パワー部分、例えばIGBTチューブとFRDチューブとについては、ボンディングは200μm〜400μmのアルミニウム線を利用する。
【0308】
ボンダーマシンの震動がボンディングワイヤに与える影響を考えると、まず太い線をボンディングしその後細い線をボンディングする方法を利用することができる。静電防止のことを考えると、まず細い線をボンディングしその後太い線をボンディングする方法を利用することができる。具体的には、マシンの震動の幅とマシンの静電防止効果とによって決める。
【0309】
第5工程において、
図51と
図51(A)とを参照すると、本発明の実施例の第5工程において、金型を利用して封止樹脂によって紙質のヒートシンクを封止する断面図である。
【0310】
本発明の第5工程は封止樹脂302によって紙質のヒートシンク306を封止する工程である。
【0311】
ピン301が配置された前記紙質のヒートシンク306をモールド型
440及び
450に運ぶ。ピン301の特定部分を固定装置
460に接触させることにより、前記紙質のヒートシンク306を位置決めする。
【0312】
型締する時、金型50内部に形成された金型キャビティーに紙質のヒートシンク306を置き、その後ゲート53から封止樹脂302を注ぎ込む。封止する方法として熱硬化性樹脂を利用するトランスファ成形又は熱硬化性樹脂を利用する射出成形を利用することができる。また、ゲート53から注ぎ込まれた封止樹脂302に応じて金型キャビティー内部のガスは排気口54を通って外部へ排出される。前記ゲート53位置の選択については、ピン301を完全に備えない一辺、即ち
図50(A)の上辺を選ぶべきであり、排気口54の選択については、ピン301を完全に備える一辺、即ち
図50(A)の下辺を選ぶべきである。
【0313】
ここで、前記紙質のヒートシンク306の裏面は下型
450に密着するが、少量の前記封止樹脂302が前記紙質のヒートシンク306の裏面と下型
450との間に入るため、型から取り出した後、レーザーエッチング又は研削を行って前記紙質のヒートシンク306裏面に残った少量の封止樹脂302を除去し、前記紙質のヒートシンク306の裏面を前記封止樹脂302から露出させ、なだらかにする必要がある。前記紙質のヒートシンク306の裏面以上の部分は封止樹脂302によって封止される。
【0314】
第6工程において、
図52(A)と
図52(B)とを参照すると、
図52(A)は本発明の実施例の第6工程における、ピンをトリミング成形する概略図であり、
図52(B)は本発明の実施例の第6工程において、放熱ひだを取り付ける概略図である。
【0315】
本発明の第6工程は、前記ピン301をトリミング成形し、放熱ひだを配置してモジュール機能検査を行う工程であり、インテリジェントパワーモジュールはこの工程を経て製品として完成する。
【0316】
前の工程、即ちトランスファ成形工程において前記ピン301以外の他の部分が前記樹脂302によって封止される。この工程は、使用する長さと形状の必要に応じて、例えば、点線の位置で外部のピン301を切断する。
図52 (A)に示すように、後の取り付けを便利にするように、一定の形状に曲げる場合もある。
【0317】
許容温度が150℃以上の耐高温接着剤を利用して、前記放熱ひだ320を前記紙質のヒートシンク306の裏面に接着し、ここで、放熱性を向上させるために、前記放熱ひだ320は前記紙質のヒートシンク306の裏面の前記熱硬化性樹脂フレーム13aから露出された部分を完全に覆ってもよいし、コスト削減のために、前記放熱ひだ320は上部に前記パワー素子19を有する前記紙質のヒートシンク306の裏面だけを完全に覆ってもよい。
【0318】
その後、モジュールを検査機器に入れて、通常の電気的なパラメータ検査を行う。通常は、絶縁耐圧、静的電力消費、遅延時間等の検査項目を含み、検査に合格したものは完成品である。
【0319】
上記の工程を利用して、
図46に示すインテリジェントパワーモジュール10を完成する。
【0320】
本発明はインテリジェントパワーモジュール及びその製造方法を提示した。パワー素子におけるパワーデバイスのFRDチューブとIGBTチューブとは支持プレートによって立体的に置くことができ、接触面積を増加し、パワー素子の間のルーティングの長さを最低に低減させ、接続するための金属線を節約し、回路配線の面積を大幅に減少させ、インテリジェントパワーモジュールのコストを低減させる。
【0321】
本発明はインテリジェントパワーモジュールの制御回路、インテリジェントパワーモジュール及びその製造方法を更に提供し、インテリジェントパワーモジュールの低電圧領域の駆動回路は、低電圧駆動集積チューブにより実現され、高電圧領域の駆動回路は、高電圧駆動集積チューブにより実現され、低電圧駆動集積チューブは低コストのBIPOLAR又は
CMOS等の低圧プロセスにより実現され、高電圧駆動集積チューブは、BCD又はSOI等の高電圧プロセスにより実現され、前者のプロセスコストはただ後者の1/3だけであり、インテリジェントパワーモジュールの製造コストを大幅に削減する。
【0322】
また、本発明のインテリジェントパワーモジュールは各々独立した高電圧駆動集積チューブ又は低電圧駆動集積チューブがIGBTチューブに対応して配置され、高電圧駆動集積チューブ又は低電圧駆動集積チューブからIGBTチューブゲートまでのルーティングは一致することができ、これにより6つのIGBTチューブの動態特性の一致性を保証することができ、且つ力率補正のための1つのIGBTの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを非常に急峻にすることができ、回路配線の面積を大量に節約することができ、インテリジェントパワーモジュールの回路基板の面積を大幅に減少させ、インテリジェントパワーモジュールのコストを更に低減させる。
【0323】
また、本発明のパワーモジュール構造は小さいインダクタンスとコンデンサを利用することができ、分布インダクタンスとコンデンサの減少により本発明のインテリジェントパワーモジュールの動態の消費電力を大幅に低減させ、本発明は、回路基板の代わりに紙質のヒートシンクを利用し、アルミニウムヒートシンクの代わりに放熱ひだを利用し、インテリジェントパワーモジュール自体が良い放熱効果を有し、外部にさらにヒートシンクを接続する必要がなく、且つヒートシンクは紙質のものであるため、インテリジェントパワーモジュールの重量を大幅に低下させ、材料コストも、輸送コストもそれにつれて低下する。
【0324】
本発明の説明において、「中心」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を便利にまたは簡単に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は部品が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されると指示又は暗示するものではないので、本発明に対する限定と理解してはいけない。
【0325】
本発明の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、二つ又は二つ以上のことを意味している。
【0326】
なお、本発明の説明において、明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」、「固定」の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能である。机械的な接続や、電気的な接続も可能である。直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することや、二つの部品の内部が連通することや、あるいは二つの部品の間に相互の作用関係があることも可能である。当業者にとって、具体的な場合によって上記用語の本発明においての具体的な意味を理解することができる。
【0327】
本明細書の説明において、「一つの実施形態例」、「一部の実施形態例」、「例」などの用語を参考した説明とは、該実施形態例或いは示例に結合して説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴が、本発明の少なくとも一つの実施形態例或いは示例に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明描写は、必ずしも同じ実施形態例或いは示例を示すことではない。また又、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴は、いずれか一つ或いは複数の実施形態例又は示例において適切に結合することができる。なお、お互いに矛盾しない場合、当業者は本明細書で描写された異なる実施例或いは例、及び異なる実施例或いは例の特徴を結合且つ組み合わせることができる。
【0328】
本発明の実施例を示して説明したが、上記の実施例は例示にすぎず、本発明を限定するものと理解されてはいけない。当業者は、本発明の範囲ないで、これらの実施例に対して各種の変化、補正、切り替え及び変形を行うことができる。