(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
その上部に基板が保持される保持テーブルと、前記基板とほぼ同形状の開孔が設けられた接着テープ切断テーブルと、該接着テープ切断テーブル上に前記基板より幅広の接着テープを供給する接着テープ供給手段と、該接着テープ供給手段から供給された接着テープを前記接着テープ切断テーブル上に押圧して貼り付ける押圧手段と、前記接着テープ切断テーブルの開孔の下方に設けられ該開孔に沿って前記接着テープを切断する接着テープ切断手段と、前記接着テープ切断テーブル上と前記保持テーブル上との間を移動可能に設けられ前記基板とほぼ同形状に形成された接着テープ搬送体とを備え、前記接着テープ供給手段から供給される接着テープを前記接着テープ切断テーブル上に貼り付けた後、前記接着テープを裏面側から前記接着テープ搬送体で吸着保持し、前記接着テープを前記開孔に沿って切断することで前記接着テープ搬送体に前記基板とほぼ同形状の接着テープを保持し、該接着テープを保持テーブル上に搬送して前記接着テープを基板上に押圧して貼り付けする接着テープ貼り付け装置において、
前記接着テープ切断テーブルは、前記接着テープの幅方向の第1接着テープ切断位置と第2接着テープ切断位置との間が移動可能に構成され、
前記接着テープ搬送体は、前記第1接着テープ切断位置と第2接着テープ切断位置との上方と前記保持テーブル上との間を移動可能に構成され、
前記接着テープ切断テーブルを第1接着テープ切断位置と第2接着テープ切断位置との間を交互に移動させながら前記接着テープを切断することで、前記接着テープのくり貫き穴が千鳥配置となるように形成されることを特徴とする基板への接着テープ貼り付け装置。
前記保持テーブルが下部チャンバ内に設けられ、前記接着テープ搬送体が上部チャンバ内に垂下支持されて構成され、前記接着テープの貼り付け時に前記上部チャンバと下部チャンバとで真空チャンバを形成し、該真空チャンバ内で真空状態で前記接着テープを基板上に貼り付けるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の基板への接着テープ貼り付け装置。
その上部に基板が保持される貼り付けテーブルと、前記貼り付けテーブル上に前記基板より幅広の接着テープを供給する接着テープ供給手段と、該接着テープ供給手段から供給された接着テープを貼り付けテーブル上の基板に押圧して貼り付ける押圧手段と、前記基板の外形に沿って前記接着テープを切断する接着テープ切断手段とを備えた基板への接着テープ貼り付け装置において、
前記貼り付けテーブルを前記接着テープと相対的に水平動可能に設け、前記接着テープを基板の外形に沿って切断する毎に前記貼り付けテーブルを前記接着テープと相対的に水平動させて、前記接着テープのくり貫き穴が千鳥配置となるように形成されることを特徴とする基板への接着テープ貼り付け装置。
基板より幅広の接着テープを基板とほぼ同形状の開孔が設けられた接着テープ切断テーブル上に貼り付けし、前記開孔上で前記接着テープの裏面側から接着テープ搬送体で吸着保持しながら前記接着テープを開孔に沿って切断することで前記接着テープ搬送体にくり貫かれた接着テープを保持し、該接着テープを前記基板上に搬送して、前記基板上に接着テープを押圧して貼り付ける基板への接着テープ貼り付け方法において、
前記接着テープ切断テーブルを接着テープの幅方向に移動可能に構成しておき、前記接着テープを切断してくり貫く毎に接着テープの供給と前記接着テープ切断テーブルの移動を行うことで、前記接着テープを千鳥配置でくり貫いていくようにしたことを特徴とする基板への接着テープの貼り付け方法。
貼り付けテーブル上に基板を保持しておき、前記貼り付けテーブル上に前記基板より幅広の接着テープを供給し、供給された接着テープを貼り付けテーブル上の基板に押圧して貼り付けた後、前記基板の外形に沿って前記接着テープを切断する基板への接着テープ貼り付け方法において、
前記貼り付けテーブルと前記接着テープとを相対的に水平動可能に設け、前記接着テープを基板の外形に沿って切断してくり貫く毎に前記貼り付けテーブルと前記接着テープとを相対的に水平動させて、前記接着テープのくり貫き孔が千鳥配置となるように形成されることを特徴とする基板への接着テープ貼り付け方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を
図1乃至
図6に基づいて説明する。
【0018】
図1は、基板への接着テープ貼り付け装置の全体構造を示す一部省略平面図、
図2は、
図1のA−A方向の縦断正面図、
図3は、
図1におけるB−B方向の縦断側面図である。また、
図4は、
図3におけるC−C方向の矢視断面図である。
図5は、テープ貼り付けテーブル部の概略平面図であり、
図6は、
図3のD−D方向の矢視断面図である。
【0019】
図1乃至
図3において、基板(ウエハ)への接着テープ貼り付け装置1は、基板供給/収納部aと、位置決め部bと、基板供給/収納部aのウエハWを一枚ずつ取り出して位置決め部bに搬送する基板搬送機構cと、上記位置決め部bで位置決めされたウエハWを受け取って保持する接着テープ貼り付け部dと、上記位置決め部b上のウエハWを接着テープ貼り付け部dに移送する基板搬送機構eと、上記接着テープ貼り付け部dに隣接して位置し、接着テープTをウエハWの外形に見合う大きさと形状に切断する接着テープ切断部fと、上記接着テープ貼り付け部dと接着テープ切断部fとの間を移動し、接着テープ切断部fで切断された接着テープTを吸着保持して接着テープ貼り付け部dに移送するとともに接着テープ貼り付け部dでウエハW上に接着テープTを貼り付ける接着テープ搬送機構gとからなり、これらを機台2上に設けて構成されている。
【0020】
この発明で使用する基板の一実施形態として例えば半導体ウエハを用いた例を基に説明する。また、ウエハWに貼着する接着テープTは、ウエハWの裏面に貼り付けられるDAFを用い、上記ウエハWの外形よりも広幅でロール状に形成されたものを使用した例を基に説明する。なお、DAFの幅は、これに限定されるものではないが、例えばウエハWの外形の約2.5倍程度のものを用いる。
【0021】
図1のように上記基板供給/収納部aは、機台2上の右側角部分に位置し、図示しない適宜の昇降機構上に収納カセット3が載置されて構成されている。前記収納カセット3には、多数枚のウエハWが収納されている。
【0022】
前記位置決め部bは、基板供給/収納部aに近接して設けられている。基板搬送機構cは、先端でウエハWを吸着する吸着ハンドを有する搬送ロボット4を備え、該搬送ロボット4は、前後、上下及び旋回が可能になっている。前記搬送ロボット4は、前記基板供給/収納部aのウエハWを一枚ずつ取り出して位置決め部bに搬送するようになっている。
【0023】
前記搬送ロボット4は、ウエハWを上面から吸着して受け渡しを行うようになっている。なお、吸着ハンドには、非接触でウエハWを搬送する非接触ハンドを採用しても良い。
【0024】
前記位置決め部bと接着テープ貼り付け部d及び接着テープ切断部fは、機台2上の中央部に一列に並べて設けられている。位置決め部bは、機台2上にウエハWを水平に保持するように設けられた位置決めテーブル5と、前記ウエハWを回転させる回転モータ6と、前記位置決めテーブル5上に保持されたウエハWのオリフラを光学的に検出する位置決めセンサ7が設けられている。
【0025】
前記回転モータ6は、前記位置決めテーブル5に回転を付与するようになっており、該位置決めテーブル5にウエハWが載置されると、該位置決めテーブル5とウエハWを一体に回転させ、前記位置決めセンサ7でオリフラが検出される。該オリフラが検出されたウエハWは、該オリフラが所定の方向に向くように位置決めされる。なお、オリフラに代えてノッチが設けられたウエハWであっても同様に位置決めが行なわれる。
【0026】
上記位置決め部b上に保持されたウエハWを接着テープ貼り付け部dに搬送する基板搬送機構eは、ウエハWの上面部分を吸着保持するとともに適宜な機構で昇降自在な吸着ハンド15を備える。該吸着ハンド15は、後端部分にスライダ16が設けられ、該スライダ16は、機台2上の位置決め部bと接着テープ貼り付け部dに沿って敷設されたレール16に摺動可能に嵌合されている。また、前記吸着ハンド15は、図示しない適宜な駆動源によりレール16に沿って、位置決め部bと接着テープ貼り付け部dとの間を移動するようになっている。前記吸着ハンド15に吸着されたウエハWは、位置決め部bから接着テープ貼り付け部dの保持テーブル9上に搬送されるようになっている。なお、吸着ハンド15に非接触でウエハWを保持する非接触ハンドを用いても良い。
【0027】
前記接着テープ切断部fは、前記接着テープ貼り付け部dを挟んだ位置決め部bと反対側に位置するように配置されている。前記接着テープ切断部fは、機台2上に間隔を開けて対向するように立設された一対の側板18、18間に配置され、両側板18、18間の中央付近に前記下部チャンバ8の上端部と略等しい高さ位置となる接着テープ切断テーブル19が水平に設けられている。この接着テープ切断テーブル19の下部位置に、接着テープ切断手段としてのカッター機構50が設けられている。該カッター機構50は、上下動と旋回動自在に配置され、接着テープ切断テーブル19に貼り付けられた接着テープTを開孔28の内周に沿って切り抜くようになっている。
【0028】
図3のように両側板18、18間の一端側上部に接着テープ供給手段として
の接着テープ供給ロール21が設けられている。また、両側板18、18の下部にはセパレータ巻取ロール22が設けられ、同じく両側板18、18の他端側の上部には切り抜き後の余剰接着テープを巻き取る接着テープ巻取ロール23が設けられている。また、両側板18、18間には、さらに接着テープ供給ロール21から引き出された接着テープTを下方に誘導するガイドローラ24と、前記ガイドローラ24の下方で接着テープTからセパレータTsを剥がす一対のガイドローラ25と、前記接着テープ切断テーブル19の上面に対して接着テープTの供給方向の後方に位置するガイドローラ26と、接着テープTを上方のテープ巻取ロール23に誘導する一対のガイドローラ27、27とが設けられている。そして、セパレータTsを剥がされた接着テープTは、一対のガイドローラ25、25とガイドローラ26の間の部分が、その粘着面を下に向けた略水平状態で、貼り付けテーブル19の上面に供給される。
【0029】
前記接着テープ切断テーブル19は、
図2乃至
図5のようにウエハWの外形よりも大きな平面矩形状に形成され、その中央部にウエハWの外径と略等しい開孔28を備える。また、後述するが、前記開孔28の後端側(接着テープTの供給側)の両側には、接着テープTのウエハWへの貼り付け面と対向する部分に切欠き部19a、19bが設けられている。
【0030】
前記接着テープ切断テーブル19には、前方側(接着テープTの回収側)の鉛直方向にスライダ38が設けられ、該スライダ38は、前方側に立設された支持枠36に沿って敷設されたレール37、37に摺動可能に嵌合している。前記接着テープ切断テーブル19は、図示しない適宜の駆動源により前記レール37、37に沿って昇降動可能になっている。
【0031】
また、前記支持枠36の下端は、テーブル台39に固定されている。前記テーブル台39の下方で機枠2上には、接着テープTの幅方向に2本のレール40、40が敷設されている。前記テーブル台39の下面にはスライダ41、41が設けられ、前記スライダ41、41が前記レール40、40に摺動可能に嵌合している。また
図6のように前記テーブル台39の前方側には前記レール40に沿って、ボールネジ43が並設され、このボールネジ43と螺合するナット部材44が前記テーブル台39に接続されている。また、前記ボールネジ43にはモータ42が接続され、該モータ42を駆動することで前記テーブル台39が前記接着テープ切断テーブル19と一体に接着テープTの幅方向に移動するようになっている。
【0032】
前記テーブル台39は、
図2、
図3及び
図6のようにその中央部に開孔39aが設けられている。また、前記開孔39aの前後側には、2枚の支持枠58、58が鉛直に設けられ、機枠2の開孔2aを貫通している。前記開孔2aは、前記テーブル台39の移動時に干渉しない大きさに形成されている。
【0033】
また、前記接着テープ切断テーブル19の上方位置で前記一対のガイドローラ25、25とガイドローラ26との間には押圧手段としての貼り付けローラ29と、前記接着テープTの下流側に位置するテープチャック機構30とが設けられている。前記貼り付けローラ29は、接着テープTの供給方向に沿った前後方向に図示しない適宜な駆動源により移動するようになっている。また、
図4のように両側板18、18の内側に接着テープTの供給方向に沿ってレール45、45が敷設されている。また、前記テープチャック機構30の両側にはスライダ47、47が設けられ、前記スライダ47、47は、前記レール45、45に摺動可能に嵌合されている。前記テープチャック機構30は、図示しない適宜の駆動源により、前記レール45、45に沿って移動自在になっている。
【0034】
図3及び
図4のように前記テープチャック機構30は、前記接着テープTを裏面側から押える上部チャック31と、該上部チャック31と対向して設けられ、前記接着テープTを上部チャック31とで挟持する剥離ローラ32と、前記上部チャック31を上下動させて接着テープTの挟持と解放を行うシリンダ33と、前記接着テープTを案内するガイドローラ35などで構成されている。
【0035】
また、前記上部チャック31は、
図4のように3分割されて構成されている。また、前記上部チャック31のそれぞれに対向して剥離ローラ32が3分割して設けられている。前記上部チャック31にはそれぞれシリンダ33が接続され、前記上部チャック31は、それぞれ独立にまたは同期して剥離ローラ32との間で接着テープTを挟持して引き出すようになっている。また、前記上部チャック31と剥離ローラ32は、図示しない適宜の機構で中央の上部チャック31M及び剥離ローラ32Mを基準に接着テープTの幅方向に移動可能になっており、接着テープTを挟持した際に幅方向の張力を調節可能になっている。
【0036】
前記テープチャック機構30は、前記上部チャック31と剥離ローラ32とで接着テープTを挟持して、前記接着テープ切断テーブル19上に繰り出すようになっている。前記貼り付けローラ29は、シリンダ20によって上下動可能に構成され、図示しない適宜の駆動源によって往復移動することにより、接着テープTをテープ切断テーブル19上に押圧して接着させるようになっている。
【0037】
また、剥離ローラ32も前記レール
45に沿って前後に移動自在となるように架設され、適宜の駆動源によって往復移動することにより、カッター刃51による切り抜き後の接着テープ切断テーブル19上に接着された余剰接着テープTを接着テープ切断テーブル19の上面から剥がすようになっている。
【0038】
図2及び
図3のように前記カッター機構50は、前記開孔28と同軸心状に立設された回転軸52と、該回転軸52を回転させるモータ53と、前記回転軸52の上端に接続された支持板46と、該支持板46上に設けられたカッター刃51と、前記モータ53に接続された駆動プーリ54と、前記回転軸52の下端に軸止された従動プーリ55と、前記モータ53を支持するモータ枠57と、前記駆動プーリ54と従動プーリ55との間に張設されたベルト56と、前記テーブル台39から下垂された支持枠58と、該支持枠58の底板58a上に固定されたシリンダ59などを備えて構成されている。
【0039】
前記モータ枠57は、前後方向に上方突出部57a、57aが立設され、前記上方突出部57a、57aのそれぞれの裏面にスライダ60、60が設けられている。また、前記支持枠58は、前記スライダ60を介して前記支持枠58上に敷設されたレール61に摺動可能に嵌合し、前記シリンダ59のシリンダ軸が伸縮することで前記カッター機構50が昇降動するようになっている。
【0040】
また、前記モータ53を駆動することで前記回転軸52が回転し、カッター刃51が前記回転軸52を中心に回転するようになっている。従って、前記カッター刃51は、シリンダ59の駆動により上昇すると接着テープ切断テーブル19上に接着された接着テープTの開孔28に位置する部分を突き破り、モータ53の起動による旋回で接着テープTを円形に切り抜くようになっている。前記開孔28はウエハWの外径と同径かそれよりも少し大径に形成され、前記カッター刃51はウエハWの外径とほぼ同等か、外径よりも少し小径に接着テープTを切り抜くように上昇位置での旋回半径を適宜の手段で調整可能に構成されている。
【0041】
なお、ウエハWにノッチやオリフラが形成されている場合は、接着テープTが図示しない適宜のカッター機構(例えば、V形状のカッターでの打ち抜きや直線カッター)により、カッター刃51による接着テープTの切り抜き前にノッチやオリフラの形状に切込みを形成しておけば良い。なお、本実施形態のようにウエハWにオリフラが形成されている場合、例えば貼り付けローラ29の支持枠に昇降可能にカッターを設けて、貼り付けローラ29の前進時にカッターを作用させて接着テープTに直線状の切込みを形成するようにしても良い。
【0042】
前記接着テープ貼り付け部dは、前記位置決め部bと接着テープ切断部fの間に配置されている。前記接着テープ貼り付け部dは、後述する上部チャンバ70と合わさって真空チャンバを形成する下部チャンバ8を備える。該下部チャンバ8は、その内部に保持テーブル9が水平に設けられている。
【0043】
前記保持テーブル9は、下方にガイド部材12が固定され、該ガイド部材12は、下部チャンバ8の底部を介して前記保持テーブル9と平行に設けられた支持板14に支持されている。前記支持板14は、下部チャンバ8の下方のチャンバ枠に固定されたシリンダ13のシリンダ軸と接続され、該シリンダ13を作用させることで前記保持テーブル9は昇降するようになっている。
【0044】
また、前記保持テーブル9は、その上面でウエハWを吸着保持するようウエハWの形状に多孔質体が設けられている。前記多孔質体の下方には、図示しない適宜のヒーターが設けられ、前記保持テーブル9を加熱するようになっている。また、該多孔質体には、前記下部チャンバ8の外側に連通した通気パイプ11が接続されており、該通気パイプ11には図示しない適宜の真空ポンプが接続されている(真空チャンバ内の減圧度と差圧が設けられるようになっている)。また、前記保持テーブル9のテーブル面と水平となるよう吸着パッド10が複数設けられている。該吸着パッド10は、前記支持板14の下面に固定されたシリンダ62のシリンダ軸と接続されており、前記吸着パッド10は、前記シリンダ62の作用で保持テーブル9の表面から突没自在になっている。なお、吸着パッド10に代えて吸着孔などウエハWを保持できるものであれば各種のものが使用できる。
【0045】
前記接着テープ貼り付け部dと接着テープ切断部fとの間の上方にはテープ搬送体70が設けられている。該テープ搬送体70の上方には前記側板18、18上から前記下部チャンバ8上方に至るまでの間に渡って支持板65が設けられ、該支持板65の下面にレール66、66が敷設されている。また前記レール66に沿ってボールネジ67が設けられている。該ボールネジ67の一端は、前記テープ貼り付け部dの上方で前記支持板65の一端に固定されたモータ枠
87に軸支されており、前記ボールネジ67の他端は、機枠2の一端側の側板18に軸支されている。また、モータ枠
87には、モータ68が固定され、該モータ68と前記ボールネジ67の一端が接続されている。
【0046】
前記上部チャンバ70は、その上部に間隔を開けて支持枠71が設けられ、前記上部チャンバ70は、前記支持枠71に設けられたガイド部材73を介して支持されている。また、前記支持枠71にはシリンダ72が設けられ、該シリンダ72のシリンダ軸が前記上部チャンバ70に前記支持枠71を介して接続されている。また、前記支持枠71上にはスライダ74、74が設けられ、前記スライダ74、74は、前記レール66、66に摺動可能に嵌合している。また、前記ボールネジ67と螺合されたナット部材75は、前記支持枠71に固定されている。従って、前記モータ68を駆動することで、前記上部チャンバ70はレール66に沿って、接着テープ貼り付け部dと接着テープ切断部fの上方を移動するようになっている。
【0047】
前記上部チャンバ70は、外側上部に真空アダプタ76が設けられ、図示しない適宜の真空ポンプに接続されている(なお、前記真空アダプタ76の真空源は、前記保持テーブル9の真空源とは別のラインで接続するか、バルブ等で前記真空チャンバ内の真空圧と前記保持テーブル9の真空圧に差圧を設けるようにしてある)。前記上部チャンバ70が下部チャンバ8と合わさって真空チャンバを形成した際に前記真空アダプタ76から排気することで真空チャンバ内を減圧状態とすることができる。また、前記真空アダプタ76から大気を導入することで真空チャンバ内の減圧を解除できるようになっている。なお、真空チャンバ内を減圧した後、アルゴンや窒素などの不活性ガスを導入することで、不活性ガス雰囲気下での貼り付けを行うことも可能である。
【0048】
前記接着テープ搬送機構gは、前記上部チャンバ70と、その内部に形成された接着テープ搬送体77と、該接着テープ搬送体77を上部から支持する支持枠78と、前記支持枠78を上方から押圧し揺動させる押圧ローラ81と、前記真空チャンバ内でウエハWに接着テープTを貼り付けた後、さらに接着テープTをウエハWに押圧する貼り付けローラ83などを備えて構成されている。
【0049】
前記接着テープ搬送体77は、ウエハWの外形とほぼ同径またはやや小径に形成された多孔質体で形成されている。また、前記接着テープ搬送体77には、真空パイプ88が接続され、該真空パイプ88は図示しない適宜の真空ポンプに接続されている。従って、前記真空ポンプにより前記接着テープ搬送体77に吸着力を発生させるようになっている(なお、前記真空チャンバ内の減圧度とは差圧が設けられるようになっている)。前記接着テープ搬送体77は、前記接着テープ切断テーブル19に形成された開孔28上で接着テープ切断テーブル19上に貼り付けられた接着テープTの裏面側を吸着保持するようになっている。
【0050】
前記接着テープ搬送体77は、その上面の支持枠78に支持されている。該支持枠78の一端は、上チャンバ70内に下垂して設けられた支持枠86の下端の軸79に軸支され、揺動可能になっている。前記支持枠78の他端側は、上部チャンバ70内に下垂して設けられたバネ80及びガイド部材に接続され、前記支持枠78は、上部チャンバ70内に傾斜状態で吊架されている。また、上チャンバ70の内面上部には前記支持板78の上面に沿ってレール82が敷設されており、該レール82に沿って移動可能に押圧ローラ81が設けられている。該押圧ローラ81は、図示しない適宜の駆動源により、前記レール82に沿って移動することで前記支持板78をその上面から押圧し、該支持板78を前記テープ搬送体77と一体に水平方向に揺動させるようになっている。
【0051】
また、前記上チャンバ70の側方には、支持板84が突出して設けられ、該支持板84の下方のローラ枠に貼り付けローラ83が軸支されている。該貼り付けローラ83は、前記支持板84に固定されたシリンダ85により昇降し、ウエハW上に貼り付けられた接着テープTを保持テーブル9上に押圧するようになっている。
【0052】
以上が、本発明の一実施形態に係る構成であり、次に本発明の接着テープ貼り付け装置1でのウエハWへの接着テープTの貼り付け動作について、
図7乃至
図11に基づいて以下に説明する。
【0053】
まず、接着テープTの貼り付けに先立って、基板供給/収納部aの収納カセット3から搬送ロボット4でウエハWを1枚ずつ取出して、位置決め部bの位置決めテーブル5上に移送する。続いて、位置決めテーブル5を回転させて位置決めセンサ7でウエハWのオリフラ位置を認識して位置決めする。なお、ウエハWは、表面に図示しない回路パターンが形成されており、その表面に図示しない保護テープが貼り付けられている。また、理解が容易なようにウエハWや接着テープの厚みは実際よりも誇張して描いている。また、
図10及び
図11は、接着テープTのウエハWへの貼り付け動作を概念的に示したもので、一部省略されている。
【0054】
また、上記位置決め動作と並行して、
図10(a)のように接着テープ切断テーブル19上に接着テープTが前記テープチャック機構30に挟持されて引き出される。続いて、接着テープ切断テーブル19の開孔28上に接着テープTの左側寄りの部分が位置するように該接着テープ切断テーブル19を第1接着テープ切断位置P1に移動させておき、貼り付けローラ29で接着テープTを押圧して接着テープ切断テーブル19に貼り付ける。また、図示しない適宜のカッター機構でオリフラ部分の接着テープTを切断する。
【0055】
図7(a)のように、位置決めされたウエハWは、吸着ハンド15の上面に吸着され、接着テープ貼り付け部dの保持テーブル9上へ搬送される。前記ウエハWは、保持テーブル9から突出した吸着パッド10上に吸着保持される。
【0056】
また、上記保持テーブル9へのウエハWの移送と並行して上部チャンバ70が接着テープ切断部fの接着テープ切断テーブル19上へ移動し、前記開孔28上に下降する(
図7(a)及び10(b)参照)。
【0057】
前記保持テーブル9上に貼り付けられた接着テープTは、開孔28上で前記接着テープ搬送体77に裏面側から吸着される。その後、カッター刃51が上昇して開孔28に沿った一部に刃先が突き刺されて回転することで接着テープTがウエハWの形状にくり貫かれる。これにより、ウエハWの外形に沿ってくり貫かれた接着テープTは、前記テープ接着吸着体77に吸着保持された状態となる。また、接着テープ切断テーブル19上に貼り付けられた接着テープTには、くり貫き孔Thが形成される。
【0058】
次に
図7(b)のように吸着パッド10上に保持されたウエハWは、吸着パッド10の下降により保持テーブル9に吸着保持され、加熱される。また、上部チャンバ70は、接着テープ搬送体77にくり貫かれた接着テープTを吸着保持した状態で接着テープ切断テーブル19から上昇して離間する。前記上部チャンバ70の上昇に伴い、接着テープ搬送体77が押圧ローラ81の移動により水平状態から傾斜状態となる。また、カッター刃51が下降して接着テープTから離間する。
【0059】
次に
図7(c)及び
図11(c)のように上部チャンバ70が、下部チャンバ8上に移動した後、下降して、真空チャンバが形成される。真空チャンバが形成されると、図示しない真空ポンプが作動して、真空チャンバ内が減圧され、真空状態となる。
【0060】
次に
図8(d)のように保持テーブル9の吸着パッド10が上昇してウエハWが接着テープ搬送体77に吸着保持された接着テープTの傾斜下端に接着される。
【0061】
続いて
図8(e)のように保持テーブル9がウエハWの下面位置まで上昇し、ウエハWを吸着保持しながら、保持テーブル9に内蔵された図示しない適宜のヒーターによりウエハWを加熱する。
【0062】
次に
図8(f)のように上部チャンバ70の押圧ローラ81が図示矢印方向に移動することで、接着テープ搬送体77が傾動状態から水平状態へと揺動し、接着テープTが傾斜下端側からウエハW上に押圧貼り付けされる。
【0063】
次に
図8(g)のように真空アダプタ76から大気を導入し、真空状態を解除することで接着テープTは、ウエハWへ押圧されさらに密着良く貼り付けられる。
【0064】
次に
図9(h)のように上部チャンバ70が上昇して水平動し、貼り付けローラ83がウエハW上に臨み、続いて
図9(i)のように貼り付けローラ83が上部チャンバ70の移動とともにウエハW上を転動することでウエハWへの接着テープTの貼り付けが完了する。なお、この貼付ローラ83による押圧は、例えば接着テープ搬送体77の外周からはみ出している場合や、真空チャンバ内での貼り付けが不十分な場合に有効であり、前記貼り付けローラ83を使用せずに貼り付けを行なっても良い。貼り付けが完了したウエハWは、保持テーブル9上から取り出され、搬送ロボット4により、収納カセット3に順次収納されていく。
【0065】
次に
図5及び
図11(d)のように接着テープ切断テーブル19が接着テープTの幅方向右側寄りの第2接着テープ切断位置P2に移動する。なお、接着テープ切断テーブル19の移動に先立って、テープチャック機構30が接着テープTの挟持を解放した状態で供給側へ移動することで剥離ローラ25が接着テープ切断テーブル19上を転動し、接着テープTが接着テープ切断テーブル19から剥離される。
【0066】
前記接着テープ切断テーブル19が第2接着テープ切断位置P2に移動すると、テープチャック機構30が接着テープTの余剰部分を挟持して、接着テープTを所定の張力で接着テープ切断テーブル19上に引き出す。このとき、接着テープTの次のくり貫き部が接着テープ切断テーブル19の開孔28上に位置される。なお、この接着テープTのくり貫き部は、千鳥配置となるように設定されている。従って、接着テープTのくり貫き孔Thがほぼ円形である場合は、それぞれのくり貫き孔Thの間隔を近接することができ、接着テープTの消費量が低減できる。使用する接着テープの幅や貼り付ける基板の大きさにもよるが、通常千鳥配置の2列取りであれば4インチウエハであれば約10〜15%程度消費量を低減できる。
【0067】
上記動作が繰り返されることで、接着テープTのくり貫きが千鳥配置で行われながら、ウエハWに接着テープTが順次貼り付けられていく。
【0068】
以上が、本発明の基板への接着テープの貼り付け装置の一実施形態であるが、発明の範囲内で適宜の変更が行なえる。
【0069】
例えば、本発明は接着テープとして、DAFを貼り付ける例を基に説明したが、その他の各種の接着テープに適用できる。例えば、基板の表面を保護する保護テープや、基板に貼り付けるレジストフィルム、ダイシングテープなどにも適用できる。ダイシングテープに利用する場合は、基板の外周にリングフレームを有するものであっても良い。この場合は、接着テープ切断テーブルの開孔はリングフレームより内側に収まる形状に形成すれば良い。
【0070】
基板についても、半導体ウエハや各種の板状部材へ適用できる。また、基板の形状も円形だけでなく楕円などでも良く、千鳥配置で効率的に配置できる形状であれば、適宜の形状のものに適用できる。また、接着テープ搬送体の外形サイズあるいはカッターの切断位置を変えることで貼り付ける接着テープの大きさは適宜変更できる。また、本発明の実施形態においては接着テープから、2列でくり貫きを行なったが、2列以上であっても良い。また、基板への接着テープの貼り付け方法も上記に限定されず、接着テープを基板形状にくり貫き、これを搬送して貼り付けるものであれば各種の貼り付け方法を採用できる。
【0071】
また、本発明の実施形態では、先にくり貫いた接着テープを基板上に搬送して貼り付けるようにしたが、貼り付けテーブル上に載置された基板上に接着テープを供給するようにし、基板に接着テープを押圧して貼り付けた後に基板形状に接着テープをくり貫くようにしても良い。この場合、貼り付けテーブルに適宜の離型処理や、接着テープの保持力を保つ処理を施すことが好ましい。