特許第6500295号(P6500295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6500295
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】車両用ホルダー
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/06 20060101AFI20190408BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
   B60R7/06 Z
   B60R11/02 C
   B60R11/02 T
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-59548(P2018-59548)
(22)【出願日】2018年3月27日
【審査請求日】2018年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 雅博
(72)【発明者】
【氏名】土利川 卓
【審査官】 高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−114309(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0029537(US,A1)
【文献】 特開2009−119960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/11
B60J 5/04
B60N 3/10
B60R 7/00− 7/14
11/02
13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転席から手の届く位置に設置される車両用ホルダーであって、
底板と、
前記底板の外縁から上方に向かって延びる側壁と、
前記側壁に設けられ携帯型電子機器接続口と、
を備え、
前記底板は、第1底板と、前後方向に延びた段部を介して前記第1底板に接続された該第1底板よりも低い位置にある第2底板とからなり、
前記第2底板は、前記段部に接続された左側外縁、前記左側外縁に対向した右側外縁、設置されたときに前記運転席から見て手前側にくる手前側外縁、および前記手前側外縁に対向した奥側外縁を有し、かつ前記右側外縁と前記手前側外縁とが交わる隅部が底上部によって前記段部による段差と同じ量だけ底上げされており、
前記第2底板の前記奥側外縁に接続された前記側壁の一部分は、上方に向かうにつれて奥側に傾斜し、かつ前記一部分に前記携帯型電子機器接続口が設けられている
ことを特徴とする車両用ホルダー。
【請求項2】
前記第1底板は、飲料用カップの底に対応する円形部分を含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ホルダー。
【請求項3】
前記段部および前記底上部は、左右方向において3cm〜5cm離間している
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ホルダー。
【請求項4】
前記携帯型電子機器接続口は、開閉可能な蓋付きのUSBポートである
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転席から手の届く所に設置される車両用ホルダーであって、特に、スマートフォン等の携帯型電子機器および飲料用カップを収容するのに適した車両用ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型電子機器および飲料用カップを収容することができる従来の車両用ホルダーとしては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。この車両用ホルダーは、車両の運転席と助手席との間にあるセンタコンソールに設置されるものであって、飲料用カップを収容するためのカップホルダー17と、携帯型電子機器を収容するための充電ボックス22とを備えている。また、この車両用ホルダーは、充電ボックス22内に取り付けられたコンセント部65をさらに備え、これにより、充電ボックス22に収容された携帯型電子機器の充電が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−119960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用ホルダーは、充電ボックス22内で充電されている携帯型電子機器にメッセージ等が表示されても、運転席に着座した運転者がそれを直ちに視認することができないという問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、飲料用カップとともに、充電中の携帯型電子機器を運転者による視認が容易な姿勢で収容することができる車両用ホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用ホルダーは、車両の運転席から手の届く位置に設置される車両用ホルダーであって、底板と、底板の外縁から上方に向かって延びる側壁と、側壁に設けられ携帯型電子機器接続口とを備え、底板は、第1底板と、前後方向に延びた段部を介して第1底板に接続された該第1底板よりも低い位置にある第2底板とからなり、第2底板は、段部に接続された左側外縁、左側外縁に対向した右側外縁、設置されたときに運転席から見て手前側にくる手前側外縁、および手前側外縁に対向した奥側外縁を有し、かつ右側外縁と手前側外縁とが交わる隅部が底上部によって段部による段差と同じ量だけ底上げされており、第2底板の奥側外縁に接続された側壁の一部分は上方に向かうにつれて奥側に傾斜し、かつ該一部分に携帯型電子機器接続口が設けられている、との構成を有している。
【0007】
上記車両用ホルダーの第1底板は、飲料用カップの底に対応する円形部分を含んでいることが好ましい。
【0008】
また、上記車両用ホルダーの段部および底上部は、左右方向において3cm〜5cm離間していることが好ましい。
【0009】
また、上記車両用ホルダーの携帯型電子機器接続口は、例えば、開閉可能な蓋付きのUSBポートである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、飲料用カップとともに、充電中の携帯型電子機器を運転者による視認が容易な姿勢で収容することができる車両用ホルダーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る車両用ホルダーの設置状態を示す図である。
図2】本発明に係る車両用ホルダーの斜視図である。
図3】本発明に係る車両用ホルダーの平面図である。
図4】本発明に係る車両用ホルダーの左側面図である。
図5】本発明に係る車両用ホルダーの右側面図である。
図6】本発明に係る車両用ホルダーの断面図であって、(A)は図3の線A−Aにおける断面図、(B)は図3の線B−Bにおける断面図である。
図7】本発明に係る車両用ホルダーに収容された携帯型電子機器の姿勢を示す図である。
図8】本発明に係る車両用ホルダーに収容された携帯型電子機器の別の姿勢を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る車両用ホルダーの実施例について説明する。
【0013】
図1に示すように、本発明の実施例に係る車両用ホルダー10は、ハンドルH等が設けられた車両のダッシュボードに設置される。運転席に着座した運転者は、少し手を伸ばすだけで車両用ホルダー10に容易にアクセスすることができる。また、当然ではあるが、運転席に着座した運転者は、車両用ホルダー10(およびその収容物)を容易に視認することもできる。なお、本実施例では、車両がフォークリフトである。
【0014】
図2図6に示すように、車両用ホルダー10は、上部が開放された収容空間11と、収容空間11内に設けられた蓋13付きのUSBポート12と、収容空間11の開放された上部を取り囲む鍔部14とを備えている。なお、以下の説明では、図2中のX方向、Y方向およびZ方向を、「前後方向」、「左右方向」および「上下方向」と呼ぶこととする。また、以下の説明では、図1に示す通りに設置されたときに運転席からの距離が近い側を「手前側」、運転席からの距離が遠い側を「奥側」と呼ぶこととする。
【0015】
収容空間11は、第1底板20と、第1底板20の縁から上方に向かって延びた第1側壁21と、前後方向に延びた段部30を介して第1底板20に接続された、第1底板20よりも下方にある第2底板40と、第2底板40の縁から上方に向かって延びた第2側壁41とによって形成されている。
【0016】
第1側壁21および第2側壁41の上端部は、鍔部14に接続されている。また、第1側壁21および第2側壁41は、隙間が生じないように接続されている。なお、鍔部14は、視認性を高めるために、手前側に向かうにつれて下方に傾斜している。
【0017】
第1底板20は、飲料用カップの底に対応する円形部分を含んでいる。また、第1側壁21の一部は、奥側張出部22および手前側張出部25を構成している。奥側張出部22および手前側張出部25は、第1底板20および第2底板40の境界、すなわち、段部30に沿って、互いに接近するように張り出している。
【0018】
奥側張出部22は、図3および図6(A)に示すように、上方に向かうにつれて奥側に傾斜した第1面23と、第1面23の上端部から奥側に向かって延びた第2面24とを有している。また、手前側張出部25は、上方に向かうにつれて手前側に傾斜した第1支持面としての第1面26と、第1面26の上端部から手前側に向かって延びた第2面27とを有している。奥側張出部22の第2面24および手前側張出部25の第2面27は、いずれも第1底板20に平行である。また、奥側張出部22の第2面24および手前側張出部25の第2面27は、同一面内にある。
【0019】
収容空間11のうち、第1底板20および第1側壁21(これには、奥側張出部22および手前側張出部25が含まれる)に囲まれた部分は、カップホルダーとして機能する。
【0020】
第2底板40は、段部30に接続された左側外縁と、左側外縁に対向した右側外縁と、手前側外縁と、手前側外縁に対向した奥側外縁とを有している。また、第2側壁41は、第2底板40の右側外縁から上方に向かって延びた第2右側側壁41aと、第2底板40の手前側外縁から上方に向かって延びた第2手前側側壁41bと、第2底板40の奥側外縁から上方に向かって延びた第2奥側側壁41cとを含んでいる。このうち、第2奥側側壁41cは、上方に向かうにつれて奥側に傾斜した部分41c1と、その上端部に接続された、上方に向かうにつれて手前側に傾斜した部分41c2とからなっている。手前側に傾斜した部分41c2および鍔部14は、略直角をなす。手前側に傾斜した部分41c2を設けたのは、車両のダッシュボードに対する車両用ホルダー10の着脱を容易にするためである。
【0021】
前述のUSBポート12は、第2奥側側壁41cの奥側に傾斜した部分41c1に設けられている。
【0022】
第2底板40は、右側外縁と手前側外縁とが交わる隅部に設けられた底上部42を含んでいる。底上部42は、図3および図6(B)に示すように、第2底板40から真上に向かって延びた第1面43と、第1面43の上端部から手前側に向かって延びた第2面44と、第2面44の手前側の端部から上方に向かって延びた第2支持面としての第3面45と、第3面45の上端部から手前側に向かって延びた第4面46とを有している。第2面44および第4面46は、第2底板40と平行である。また、第2支持面45は、上方に向かうにつれて手前側に傾斜している。第2支持面45は、手前側張出部25の第1支持面26と同一平面内にある。
【0023】
第1面43による底上量(言い換えると、第2底板40と底上部42の第2面44との間の上下方向における距離)は、段部30による段差に等しい。したがって、第1底板20および第2面44も同一平面内にある。
【0024】
なお、本実施例では、段部30による段差は2.5cmであり、段部30と底上部42との間の距離は4cmであるが、これらは単なる一例である。
【0025】
本実施例に係る車両用ホルダー10は、携帯型電子機器の一例としての多機能携帯電話器(スマートフォン)Pを図7に示すような姿勢で収容することができる。この姿勢において、多機能携帯電話器Pの下端部は、同一面内にある第1底板20および第2面44と、同一面内にある第1支持面26および第2支持面45とによって支持されている。また、この姿勢において、多機能携帯電話器Pの前面S(すなわち、タッチパネルディスプレイ側の面)は、運転席に着座した運転者の方を向いている。
【0026】
多機能携帯電話器Pがこのような姿勢で収容されることにより、運転者は、前面Sに表示された情報を直ちに確認することができる。また、多機能携帯電話器Pがこのような姿勢で収容されれば、多機能携帯電話器Pの背面側および下方に十分な空きスペースができるので、そこを、USBポート12と多機能携帯電話器Pとを接続する充電ケーブルの通り道として利用することができる。なお、この空きスペースは、小物類を収容するために利用することもできる。
【0027】
また、車両用ホルダー10は、多機能携帯電話器(スマートフォン)Pを図8に示すような姿勢で収容することもできる。多機能携帯電話器Pがこのような姿勢で収容されれば、多機能携帯電話器Pの前面Sに表示される情報の視認性は低下するものの、大型の飲料用カップを収容することが可能となる。
【0028】
以上、本発明の実施例に係る車両用ホルダー10について説明してきたが、本発明はこれには限定されない。
【0029】
例えば、USBポート12は、携帯型電子機器に充電のための電力を供給可能な他の携帯型電子機器接続口であってもよい。
【0030】
また、奥側張出部22、手前側張出部25および底上部42の形状は、それぞれの機能が失われない程度において適宜変更されてもよい。なお、奥側張出部22は省略されてもよい。ただし、この場合は、飲料用カップに対する保持性が低下する。
【0031】
また、段部30による段差(=第1面43による底上量)は、2cmであってもよい。2cmの段差があれば、USBポート12と多機能携帯電話器Pとを充電ケーブルで余裕をもって接続することができる。なお、本発明では、段部30による段差に上限はない。
【0032】
また、段部30と底上部42との間の距離は、3cm〜5cmの範囲内に収まっていることが好ましい。この範囲内であれば、充電ケーブルとの接続性を良好に保ちつつ、多機能携帯電話器Pを図7に示した姿勢で収容することができる。
【0033】
また、本発明に係る車両用ホルダー10は、フォークリフト以外の車両に設置されてもよい。例えば、車両用ホルダー10は、乗用自動車に設置されてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10 車両用ホルダー
11 収容空間
12 USBポート(携帯型電子機器接続口)
13 蓋
14 鍔部
20 第1底板
21 第1側壁
22 奥側張出部
23 (奥側張出部の)第1面
24 (奥側張出部の)第2面
25 手前側張出部
26 (手前側張出部の)第1面(第1支持面)
27 (手前側張出部の)第2面
30 段部
40 第2底板
41 第2側壁
41a 第2右側側壁
41b 第2手前側側壁
41c 第2奥側側壁
42 底上部
43 (底上部の)第1面
44 (底上部の)第2面
45 (底上部の)第3面(第2支持面)
46 (底上部の)第4面
【要約】
【課題】飲料用カップとともに、充電中の携帯型電子機器を運転者による視認が容易な姿勢で収容することができる車両用ホルダーを提供する。
【解決手段】車両用ホルダー10は、底板20,40と、底板20,40の外縁から上方に向かって延びる側壁21,41と、側壁41に設けられ携帯型電子機器接続口12とを備え、前後方向に延びた段部30を介して第1底板20に接続された第2底板40は該第1底板20よりも低い位置にあり、段部30に接続された左側外縁、左側外縁に対向した右側外縁、設置されたときに運転席から見て手前側にくる手前側外縁、および手前側外縁に対向した奥側外縁を有し、右側外縁と手前側外縁とが交わる隅部は底上部42によって段部30による段差と同じ量だけ底上げされ、側壁41の一部分41c1は上方に向かうにつれて奥側に傾斜し、かつ該一部分41c1に携帯型電子機器接続口12が設けられている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8