特許第6500515号(P6500515)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6500515
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】風向風速計の取付治具
(51)【国際特許分類】
   G01P 5/06 20060101AFI20190408BHJP
   G01P 5/00 20060101ALI20190408BHJP
   G01P 13/02 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
   G01P5/06 C
   G01P5/00 F
   G01P5/06 J
   G01P13/02 A
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-45524(P2015-45524)
(22)【出願日】2015年3月9日
(65)【公開番号】特開2016-166743(P2016-166743A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2018年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和文
【審査官】 北川 創
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−050186(JP,A)
【文献】 特開平06−213911(JP,A)
【文献】 特開平06−162381(JP,A)
【文献】 実開昭51−015843(JP,U)
【文献】 実開平01−147624(JP,U)
【文献】 実開昭58−054579(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0260598(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P 5/00 − 5/26
G01P 13/00 − 13/04
H02G 7/00 − 7/22
G01W 1/00 − 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平材と斜材とを有する塔体の所定の高さに風向風速計を取り付ける風向風速計の取付治具であって、
上端に方位設定治具が着脱可能に取り付けられる上下方向に延びる第1支持軸と、前記第1支持軸から離間した位置に前記第1支持軸と平行に設けられるとともに、上端に風向風速計が着脱可能に取り付けられる第2支持軸と、前記第1支持軸と前記第2支持軸とを連結する槍出し金具と、前記第1支持軸の上端部を前記水平材に取り付ける第1取付手段と、前記第1支持軸の下端部を前記斜材に取り付ける第2取付手段と、前記第1取付手段よりも下方且つ前記第2取付手段よりも上方の前記斜材の部分に前記第1支持軸の中央部を取り付ける第3取付手段とを備え、
前記第1取付手段、前記第2取付手段、及び前記第3取付手段のそれぞれは、前記第1支持軸の前記塔体の表面に沿う方向への取付角度を調整する第1取付角度調整金具を備え、
前記第1取付手段は、前記第1支持軸の前記塔体の塔芯に対する角度を調整する第2取付角度調整金具を備えていることを特徴とする風向風速計の取付治具。
【請求項2】
前記第1取付手段の前記第1取付角度調整金具は、前記水平材に固定される固定金具にねじ締結体を介して取り付けられる金具本体を備え、この金具本体に前記第1支持軸が連結され、
前記第2取付手段の前記第1取付角度調整金具は、前記斜材に固定される固定金具にねじ締結体を介して取り付けられる金具本体を備え、この金具本体に前記第1支持軸が連結され、
前記第3取付手段の前記第1取付角度調整金具は、前記斜材に固定される固定金具にねじ締結体を介して取り付けられる金具本体を備え、この金具本体に前記第1支持軸が連結されていることを特徴とする請求項に記載の風向風速計の取付治具。
【請求項3】
前記第2取付角度調整金具は、前記第1取付手段の前記第1取付角度調整金具の金具本体と前記第1支持軸との間に設けられ、一端が前記第1支持軸に固定される固定金具にねじ締結体を介して連結され、他端が前記金具本体にねじ締結体を介して連結される連結板であって、何れか一方のねじ締結体に対応する前記連結板の部分が長孔に形成されていることを特徴とする請求項に記載の風向風速計の取付治具。
【請求項4】
前記第2取付角度調整金具は、前記第1取付手段の前記第1取付角度調整金具の金具本体と前記第1支持軸との間に設けられ、一端が前記第1支持軸に固定される固定金具にねじ締結体を介して連結され、他端が前記金具本体にねじ締結体を介して連結されるリンク機構であることを特徴とする請求項に記載の風向風速計の取付治具。
【請求項5】
前記方位設定治具は、前記第1支持軸の上端に着脱可能に取り付けられるとともに、前記第1支持軸の軸線上に基準点が設けられる基準板と、前記基準点が中心となるように設けられる所定の半径の円弧板状の角度目盛板と、前記基準板の前記基準点に鉛直に設けられるリアサイトと、前記角度目盛板に周方向に移動可能に設けられるフロントサイトと、前記リアサイトと前記フロントサイトとを結ぶ目標線と、一端が前記基準点に連結されるとともに、他端が前記角度目盛板に連結され、かつ、他端が前記角度目盛板の周方向に移動可能な糸状の磁方位線と、前記磁方位線上に設けられる方位磁針と、前記基準板の上部に設けられる前記基準点と所定の方位とを結ぶ真方位線とを備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の風向風速計の取付治具。
【請求項6】
前記磁方位線は、磁気子午線であり、前記真方位線は、前記基準点と真北又は真南を結ぶ真の子午線であることを特徴とする請求項5に記載の風向風速計の取付治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風向風速計の取付治具に関し、特に、水平材と斜材とを有する鉄塔等の塔体の所定の高さに風向風速計を設置するのに有効な風向風速計の取付治具に関する。
【背景技術】
【0002】
風向風速計を設置する場合、風向がずれたまま表示、計測されるのを防止するため、風向風速計の向きを所定の向きに(一般的には真北)に設定する必要がある。このため、従来は、地図、南中時刻における太陽の方向、方位磁石等を用いて、風向風速計の向きを真北に設定している。
【0003】
また、特許文献1や特許文献2に記載のように、送電鉄塔等の構造物に風向風速計を設置する場合には、構造物自体の影響を避けるため、やりだし等によって構造物から水平方向にできるだけ離した位置に設置する必要があるが、作業員の足場を設置できない状況での作業となるため、大掛かりな測量装置や、太陽の位置を利用する真北計等は利用しにくく、作業に時間と手間がかかる。また、方位磁針による方法は、鉄塔等の鋼製の構造物の場合には、構造物が持つ磁気の影響で地磁気が乱れ、方位磁針が磁北線からずれることもあるため、設置精度が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−162381号公報
【特許文献2】特開2012−155457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、送電線鉄塔等の塔体に風向風速計を設置する作業を、容易に、短時間で、精度よく行うことができる、風向風速計の取付治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、水平材と斜材とを有する塔体の所定の高さに風向風速計を取り付ける風向風速計の取付治具であって、上端に方位設定治具が着脱可能に取り付けられる上下方向に延びる第1支持軸と、前記第1支持軸から離間した位置に前記第1支持軸と平行に設けられるとともに、上端に風向風速計が着脱可能に取り付けられる第2支持軸と、前記第1支持軸と前記第2支持軸とを連結する槍出し金具と、前記第1支持軸の上端部を前記水平材に取り付ける第1取付手段と、前記第1支持軸の下端部を前記斜材に取り付ける第2取付手段と、前記第1取付手段よりも下方且つ前記第2取付手段よりも上方の前記斜材の部分に前記第1支持軸の中央部を取り付ける第3取付手段とを備え、前記第1取付手段、前記第2取付手段、及び前記第3取付手段のそれぞれは、前記第1支持軸の前記塔体の表面に沿う方向への取付角度を調整する第1取付角度調整金具を備え、前記第1取付手段は、前記第1支持軸の前記塔体の塔芯に対する角度を調整する第2取付角度調整金具を備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明の風向風速計の取付治具によれば、第1支持軸の上端部を第1取付手段により水平材に取り付け、第1支持軸の下端部を第2取付手段により斜材に取り付け、第3取付手段により前記第1取付手段よりも下方且つ前記第2取付手段よりも上方の前記斜材の部分に前記第1支持軸の中央部を取り付けることにより、取付治具を介して風向風速計を塔体の所定の高さに取り付けることができる。
また、第1取付角度調整金具により、第1支持軸の塔体の表面に沿う方向への角度を調整し、第2取付角度調整金具により、第1支持軸の塔体の塔芯に対する角度を調整することにより、第1支持軸の軸線を鉛直線に一致させることができて、第1支持軸の上端に取り付けられる方位設定治具、及び第2支持軸の上端に取り付けられる風向風速計を水平にすることができる。
そして、方位設定治具を操作することにより、方位設定治具により求めた方位に基づいて風向風速計を設置することができ、風向風速計を使用可能な状態とすることができる。
上記の第1支持軸の塔体の表面に沿う方向への角度調整、塔体の塔芯に対する角度調整、及び方位設定治具により求めた方位に基づいて風向風速計を設置する作業は、全て塔体側で行うことができるので、風向風速計の塔体への取付作業を容易に、短時間で、精度よく行うことができる。
また、塔体が送電鉄塔のように、柱材が塔芯に対して所定の角度で傾斜している場合であっても、第1取付角度調整金具により第1支持軸の塔体の表面に沿う方向への角度を調整し、第2取付角度調整金具により第1支持軸の塔体の塔芯に対する角度を調整することにより、第1支持軸の軸線を鉛直線に容易に一致させることができるので、柱材の傾斜角度が異なる各種の塔体に適用することができる。
また、風向風速計を取り付ける第2支持軸は、第1支持軸から離間した位置に設けられているので、塔体付近の風による影響を受けるのを防止でき、風向風速計による計測精度を高めることができる。
【0008】
また、本発明において、前記第1取付手段の前記第1取付角度調整金具は、前記水平材に固定される固定金具にねじ締結体を介して取り付けられる金具本体を備え、この金具本体に前記第1支持軸が連結され、前記第2取付手段の前記第1取付角度調整金具は、前記斜材に固定される固定金具にねじ締結体を介して取り付けられる金具本体を備え、この金具本体に前記第1支持軸が連結され、前記第3取付手段の前記第1取付角度調整金具は、前記斜材に固定される固定金具にねじ締結体を介して取り付けられる金具本体を備え、この金具本体に前記第1支持軸が連結されている。
【0009】
本発明の風向風速計の取付治具によれば、第1取付角度調整金具のねじ締結体を緩めることにより、第1支持軸の塔体の表面に沿う方向への取付角度を調整することができる。
【0010】
また、本発明において、前記第2取付角度調整金具は、前記第1取付手段の前記第1取付角度調整金具の金具本体と前記第1支持軸との間に設けられ、一端が前記第1支持軸に固定される固定金具にねじ締結体を介して連結され、他端が前記金具本体にねじ締結体を介して連結される連結板であって、何れか一方のねじ締結体に対応する前記連結板の部分が長孔に形成されていることとしてもよい。
【0011】
本発明の風向風速計の取付治具によれば、第2取付角度調整金具のねじ締結体を緩めることにより、第1支持軸を連結板を介して塔体の塔芯方向へ揺動させて、第1支持軸のその方向への取付角度を調整することができる。
【0012】
また、本発明において、前記第2取付角度調整金具は、前記第1取付手段の前記第1取付角度調整金具の金具本体と前記第1支持軸との間に設けられ、一端が前記第1支持軸に固定される固定金具にねじ締結体を介して連結され、他端が前記金具本体にねじ締結体を介して連結されるリンク機構であることとしてもよい。
【0013】
本発明の風向風速計の取付治具によれば、第2取付角度調整金具のねじ締結体を緩めることにより、第1支持軸をリンク機構を介して塔体の塔芯方向へ揺動させて、第1支持軸のその方向への取付角度を調整することができる。
【0014】
また、本発明において、前記方位設定治具は、前記第1支持軸の上端に着脱可能に取り付けられるとともに、前記第1支持軸の軸線上に基準点が設けられる基準板と、前記基準点が中心となるように設けられる所定の半径の円弧板状の角度目盛板と、前記基準板の前記基準点に鉛直に設けられるリアサイトと、前記角度目盛板に周方向に移動可能に設けられるフロントサイトと、前記リアサイトと前記フロントサイトとを結ぶ目標線と、一端が前記基準点に連結されるとともに、他端が前記角度目盛板に連結され、かつ、他端が前記角度目盛板の周方向に移動可能な糸状の磁方位線と、前記磁方位線上に設けられる方位磁針と、前記基準板の上部に設けられる前記基準点と所定の方位とを結ぶ真方位線とを備えていることとしてもよい。
【0015】
本発明の風向風速計の取付治具によれば、方位設定治具のリアサイトとフロントサイトとを結ぶ目標線上に目標点が位置するように、方位設定治具を第1支持軸の軸線周りに回転させることにより、目標線を基準点における目標点の方位角に合わせる。そして、方位磁針の所定方位に磁方位線が一致するように方位設定治具を第1支持軸の軸線周りに回転させ、磁方位線を基準点における方位磁針の所定方位に合わせる。これにより、方位設定治具の真方位線を所定の方位に合わせることができ、この真方位線に風向風速計の所定方位が一致するように、風向風速計を第2支持軸の軸線周りに回転させて、一致した位置に風向風速計を固定することにより、風向風速計の設置が完了することができ、風向風速計を使用可能な状態とすることができる。
【0016】
また、本発明において、前記磁方位線は、磁気子午線であり、前記真方位線は、前記基準点と真北又は真南を結ぶ真の子午線であることとしてもよい。
【0017】
本発明による風向風速計の取付治具によれば、方位磁針のコンパスに磁気子午線が一致するように方位設定治具を第1支持軸の軸線周りに回転させ、磁気子午線を基準点における方位磁針のコンパスに合わせる。これにより、方位設定治具の真の子午線を真北又は真南に合わせることができ、この真の子午線に風向風速計の北又は南が一致するように、風向風速計を第2支持軸の軸線周りに回転させて、一致した位置に風向風速計を固定することにより、風向風速計の設置が完了することができ、風向風速計を使用可能な状態とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上、説明したように、本発明の風向風速計の取付け治具によれば、風向風速計の塔体の所定の高さへの設置を容易に、短時間で、精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による風向風速計の取付治具が取り付けられる鉄塔を示した概略図である。
図2】風向風速計の取付治具の正面図である。
図3図2の第2支持軸を省略した右側面図である。
図4】風向風速計の取付治具の第2取付角度調整金具の動作を示した説明図であって、図3のa、b方向から見た説明図である。
図5図3のc方向から見た説明図である。
図6】方位設定治具の平面図である。
図7図6の右側面図である。
図8】フロントサイトと角度目盛板との関係を示した拡大図である。
図9】方位設定治具による北方位の設定作業を示した説明図である。
図10】風向風速計の変形例を示した説明図である。
図11】風向風速計の変形例を示した説明図である。
図12】風向風速計の他の変形例を示した説明図である。
図13】風向風速計の他の変形例を示した説明図である。
図14】風向風速計の他の変形例を示した説明図である。
図15】風向風速計の他の変形例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1図9には、本発明による風向風速計の取付治具の一実施の形態が示されている。本実施の形態の風向風速計の取付治具(以下、取付治具1という。)は、水平材と斜材とを有する塔体、例えば、主柱材62と、主柱材62間に水平に設けられる主水平材63と、主柱材62間に斜めに設けられる主斜材64と、主柱材62と主斜材64との間に水平に設けられる補助水平材65と、主斜材64と主水平材63との間に斜めに設けられる補助斜材66とを備えた送電鉄塔(以下、鉄塔61という。)に適用され、鉄塔61の補助水平材(以下、水平材65という。)と補助斜材(以下、斜材66という。)とによって構成される三角形の取付座を利用して、鉄塔61の所定の高さの位置に風向風速計60を取り付けるように構成したものである。
なお、本実施の形態の鉄塔61は、主柱材61が塔芯に対して所定の角度で傾斜している。また、水平材65及び斜材66を構成するアングル材は、角部が塔芯側に位置するように鉄塔61に配置されている。
【0021】
取付治具1は、図2図5に示すように、上端に方位設定治具40が着脱可能に取り付けられるパイプ状の第1支持軸2と、第1支持軸2と間隔をおいて平行に設けられるとともに、上端に風向風速計60が着脱可能に取り付けられるパイプ状の第2支持軸3と、第1支持軸2と第2支持軸3とを連結する槍出し金具6と、第1支持軸2の上端部をアングル材からなる水平材65に取り付ける第1取付手段11と、第1支持軸2の下端部をアングル材からなる斜材66に取り付ける第2取付手段35と、第1支持軸2の中央部を第1取付手段11よりも下方且つ第2取付手段35よりも上方の斜材66の部分に取り付ける第3取付手段36とを備えている。
【0022】
槍出し金具6は、第1支持軸2の中央部に上下に間隔をおいて固定されるクランプ金具9a、9bと、第2支持軸3の下端部に固定されるクランプ金具9cと、第1支持軸2の上側のクランプ金具9aと第2支持軸3のクランプ金具9cとの間を連結する梁材7と、梁材7と第1支持軸2の下側のクランプ金具9bとの間を連結する斜材8とから構成されている。各クランプ金具9a〜9cは、ねじ10により第1支持軸2及び第2支持軸3に固定されている。
【0023】
梁材7と第1支持軸2の上側のクランプ金具9aとの間、梁材7と第2支持軸3のクランプ金具9cとの間、及び斜材8と第1支持軸2の下側のクランプ金具9bとの間、斜材8と梁材7との間、斜材8とクランプ金具9bとの間は、それぞれ溶接、ねじ等によって一体に連結されている。
【0024】
第1取付手段11は、第1支持軸2の上端部に固定される第1固定金具12と、水平材64に固定される第2固定金具15と、第2固定金具15に取り付けられる第1取付角度調整金具22と、第1固定金具12と第1取付角度調整金具22との間に取り付けられる第2取付角度調整金具27とを備えている。
【0025】
第1固定金具12には、例えば、一部が切り離された環状のバンド部13と、バンド部13の切り離された端片間を締め付けるねじ14とを備えた単管用のクランプが用いられる。第1固定金具12のバンド部13の内側に第1支持軸2を挿通させ、この状態でねじ14を締め付けることにより、第1固定金具12が第1支持軸2の上端部に固定される。
【0026】
第2固定金具15には、例えば、L形板状の金具本体16と、金具本体16の両板片16a、16b間を斜め方向から締め付けるねじ締結体18とを備えた鋼材用のクランプが用いられる。第2固定金具15の金具本体16の内側に水平材64を挿通させ、この状態で金具本体16の両板片16a、16b間にねじ締結体18の棒ねじ19を貫通させ、棒ねじ19の金具本体16の両板片16a、16bから突出させた部分にL型ワッシャ20を介してナット21を螺合させて締め付けることにより、第2固定金具15が水平材64に固定される。
【0027】
第2固定金具15の金具本体16の一方の板片16aの先端には、外側(図2の上方)にコ形状に屈曲された取付角度調整金具取付部17が設けられ、この取付角度調整金具取付部17に第1取付角度調整金具22が取り付けられる。
なお、取付角度調整金具取付部17は、水平材64よりも上方に配置される。
【0028】
第1取付角度調整金具22は、第2固定金具15の金具本体16の取付角度調整金具取付部17に取り付けられるアングル材からなるL形板状の金具本体23と、金具本体23の一方の板片23aを取付角度調整金具取付部17に取り付けるボルト25とナット26とからなるねじ締結体24とから構成されている。
【0029】
第2取付角度調整金具27は、一端が第1固定金具12のバンド部13に連結され、他端が第1取付角度調整金具22の金具本体23の他方の板片23bに連結される板状の連結部材28と、連結部材28の一端を第1固定金具12のバンド部13に連結するねじ部30とナット31とからなるねじ締結体29と、連結部材28の他端を第1取付角度調整金具22の金具本体23の他方の板片23bに連結するボルト33とナット34とからなるねじ締結体32とから構成されている。
【0030】
連結部材28の一端には、ねじ締結体29のねじ部30を挿通させるボルト挿通孔28aが設けられ、連結部材28の他端には、ねじ締結材32のボルト33を挿通させるねじ挿通用長孔28bが設けられている。
なお、ボルト挿通孔28aを長孔とし、ボルト挿通用長孔28bを孔としてもよいし、両方を長孔としてもよい。
【0031】
第2取付手段35は、第1支持軸2の下端部に固定される第1固定金具12と、斜材65に固定される第2固定金具15と、第2固定金具15に取り付けられる第1取付角度調整金具22と、第1取付角度調整金具22を第2固定金具15に固定するねじ締結体24と、第1取付角度調整金具22を第1固定金具12に固定するねじ締結体29とを備えている。
【0032】
第2取付手段35の第1固定金具12、第1取付角度調整金具22、ねじ締結体24、及びねじ締結体29は、第1取付手段5の第1固定金具12、第1取付角度調整金具22、ねじ締結体24、及びねじ締結体29と同一構成を有しているので、それらの詳細な説明は省略するものとする。
【0033】
第2取付手段35の第2固定金具15は、金具本体16の一方の板片16aの先端に、外側(図2の手前側)にL形状に屈曲させた取付角度調整金具取付部17aが設けられ、この取付角度調整金具取付部17aに第1取付角度調整金具22の金具本体23の一方の板片23aがねじ締結体24によって取り付けられる。金具本体23の他方の板片23bは、第1固定金具12のバンド部13に設けられたねじ締結体29のねじ部30を挿通させてナット31で締め付けることにより、第1固定金具12に固定される。なお、取付角度調整金具取付部17aは斜材65よりも上方に配置される。
【0034】
第3取付手段36は、第1支持軸2の中央部にねじ39により固定されるT型継手金具37と、T型継手金具37に水平に取り付けられるパイプ状の梁部材38と、梁部材38の先端に取り付けられる第1固定金具12と、斜材65に固定される第2固定金具15と、第1固定金具12と第2固定金具15との間に取り付けられる第1取付角度調整金具22とを備えている。
【0035】
第3取付手段35の第1固定金具12及び第1取付角度調整金具22は、第1取付手段11の第1固定金具12及び第1取付角度調整金具22と同一構成を有しているので、それらの詳細な説明は省略する。
【0036】
第3取付手段35の第2固定金具15は、第2取付手段30と同様に、金具本体16の一方の板片16aの先端に、外側にL形状に屈曲させた取付角度調整金具取付部17aが設けられ、この取付角度調整金具取付部17aに第1取付角度調整金具22の金具本体23の一方の板片23aがねじ締結体24によって取り付けられる。金具本体23の他方の板片23bは、第1固定金具12のバンド部13に設けられたねじ締結体29のねじ部30を挿通させてナット31で締め付けることにより、第1固定金具12に固定される。なお、取付角度調整金具取付部17aは斜材65よりも上方に配置される。
【0037】
第1取付手段11の第1取付角度調整金具22、第2取付手段35の第1取付角度調整金具22、及び第3取付角度調整金具22により、第1支持軸2の鉄塔61の表面に沿う方向(図3の矢印a−a方向、図2の紙面に直交する方向)への角度を調整することができる。
具体的には、第1取付手段11の第1取付角度調整金具22のねじ締結体24のナット26、第2取付手段35の第1取付角度調整金具22のねじ締結体24のナット26、及び第3取付手段36の第1取付角度調整金具22のねじ締結体24のナット26を緩めた状態とする。これにより、第2取付手段35のねじ締結体24のボルト25の軸線を中心として、第1支持軸2を鉄塔61の表面に沿う方向(図3の矢印a−a方向、図2の紙面に直交する方向)に揺動させることができ、第1支持軸2のその方向への角度を調整することができる。
【0038】
第1取付手段の第2取付角度調整金具27により、第1支持軸2の塔芯に対する角度(図2の矢印b−b方向への角度、図3の紙面に直交する方向への角度)を調整することができる。
具体的には、第1取付手段11の第1取付角度調整金具22のねじ締結体24のナット26、第2取付手段35の第1取付角度調整金具22のねじ締結体24のナット26、及び第3取付手段36の第1取付角度調整金具22のねじ締結体24のナット26を締め付けた状態として、第1取付手段11の第2取付角度調整金具27のねじ締結体29、32のナット31、34、第2取付手段35の第1取付角度調整金具22の金具本体23の他方の板片23bを第1固定金具12に固定するねじ締結体29のナット31、第3取付手段36の第1取付角度調整金具22の金具本体23の他方の板片23bを第1固定金具12に固定するねじ締結体29のナット31を緩めた状態とする。これにより、第2取付手段35のねじ締結体20のねじ部30の軸線を中心として、第1支持軸2を塔芯方向(図2の矢印b−b方向、図3の紙面に直交する方向)に揺動させることができ、第1支持軸2のその方向への角度を調整することができる。
【0039】
なお、第1取付角度調整金具22による第1支持軸2の塔芯の表面に沿う方向への角度調整、及び第2取付角度調整金具22による第1支持軸2の塔芯に対する角度調整は、上記の各ねじ締結体24、29のナット26、31を緩めた状態、又は締め付けた状態とすることにより、人力によらずに自重によってその方向への角度調整が可能となる。
【0040】
上記の第1取付角度調整金具22により、第1支持軸2の鉄塔61の表面に沿う方向への角度を調整し、第2取付角度調整金具27により、第1支持軸2の鉄塔61の塔芯に対する角度を調整することにより、第1支持軸2を鉛直線に一致させることができ、第1支持軸2の上端に後述する方位設置治具40を水平に取り付けることができる。
【0041】
方位設定治具40は、図2図6図9に示すように、帯板状の基準板41と、基準板41を第1支持軸2の上端に水平かつ回転可能に取り付ける脚部43と、基準板41の第1支持軸2の軸線上に位置する基準点42に鉛直に設けられるリアサイト48と、基準板41の基準点42が中心となるように設けられる所定の半径の円弧板状の角度目盛板50と、角度目盛板50の周方向に移動可能に設けられるフロントサイト51と、リアサイト48とフロントサイト51とを結ぶ目標線53と、一端が基準板41の基準点42に連結されるとともに、他端が角度目盛板50に連結され、かつ、他端が角度目盛板50の周方向に移動可能な糸状の磁方位線54と、磁方位線54線上に設けられる方位磁針55と、基準板41の上部に設けられる基準点42と所定の方位とを結ぶ真方位線56と、真方位線56の角度目盛板50に対応する部分に鉛直に設けられる表示棒56aと、基準板41の上部に設けられる水平器57とを備えている。角度目盛板50にはスリット50aが設けられ、このスリット50aに挿通させた蝶ねじ59により、フロントサイト51が角度目盛板46に固定される。
【0042】
なお、本実施の形態においては、磁方位線54を磁気子午線の磁北線54とし、真方位線56を真の子午線の真北線56とし、風向風速計60の北を真北線56に合わせているが、磁方位線54を磁気子午線の磁南線54とし、真方位線56を真の子午線の真南線56として、それらにより求めた方位に基づいて風向風速計60を設定してもよいし、磁方位線54と真方位線56とにより任意の方位を求めて、その方位に基づいて風向風速計60を設置するようにしてもよい。
【0043】
脚部43は、第1支持軸2の上端に回転可能に取り付けられるとともに、ねじ46によって第1支持軸2に固定されるキャップ44と、キャップ44の上部にねじ47によって固定される基台45とを備え、基台45の上部に基準板41が水平に取り付けられている。
【0044】
リアサイト48は、帯板状をなすものであって、上端に円形状の照準孔49が設けられている。フロントサイト51は、帯板状をなすものであって、幅方向の中央部に長さ方向を向く同一幅の長孔からなる照準孔52が設けられている。リアサイト48の照準孔49とフロントサイト51の照準孔52とを結ぶ線が、基準点42における任意の目標点58の方位角を示す目標線53となる。
【0045】
本実施の形態においては、予め、基準点42と任意の目標点58の2地点の緯度、経度から方位角を求めておき、角度目盛板50上においてこの方位角にフロントサイト51をセットしておく。
【0046】
また、予め、国土地理院発行の地形図等から基準点42における偏角値を求めておき、磁北線54の他端を角度目盛板50に沿って移動させて、磁北線54を偏角値に合わせておく。
【0047】
風向風速計60は、矢羽根型の風向風速計であって、第2支持軸3の上端に取り付けられる。風向風速計60は、取付治具1の第1支持軸2を、その軸線が鉛直線に一致するように取付角度の調整をした後に、取付治具1の第1支持軸2の上端に方位設定治具40をセットし、方位設定治具40の真北線56を真北に設定した後に、第2支持軸3上で回転させて風向風速計60の北を真北線56に一致させ、この状態で第2支持軸3の上端にねじ等により固定する。
【0048】
そして、上記のように構成した本実施の形態の取付治具1を用いて風向風速計60を鉄塔61の所定の高さに取り付け、その位置において風向風速計60を真北に設定するには、まず、取付治具1の第1支持軸2の軸線を鉛直線に一致させる作業を行う。
【0049】
具体的には、第1取付手段11の第1取付角度調整金具22のねじ締結体24のナット26、第2取付手段35の第1取付角度調整金具22のねじ締結体24のナット26、及び第3取付手段36の第1取付角度調整金具22のねじ締結体24のナット26を緩めた状態とする。
【0050】
そして、第1支持軸2を鉄塔61の表面に沿う方向(図3の矢印a−a方向、図2の紙面に直交する方向)に揺動させることにより、第1支持軸2のその方向への角度を調整して、第1支持軸2の軸線が鉛直方向を向くように調整する。この場合、作業者の人力によって第1支持軸2を揺動させてもよいが、上記の各ねじ締結体24のナット26を緩めた状態とすることにより、自重によって第1支持軸2の軸線が鉛直方向を向くように自然に揺動させてもよい。
【0051】
次に、第1取付手段11の第1取付角度調整金具22のねじ締結体24のナット26、第2取付手段35の第1取付角度調整金具22のねじ締結体24のナット26、及び第3取付手段35の第1取付角度調整金具22のねじ締結体24のナット26を締め付けた状態として、第1取付手段11の第2取付角度調整金具27のねじ締結体29、32のナット31、34、第2取付手段35の第1取付角度調整金具22の金具本体23の他方の板片23bを第1固定金具12に固定するねじ締結体29のナット31、第3取付手段の第1取付角度調整金具22の金具本体23の他方の板片23bを第1固定金具12に固定するねじ締結体29のナット31を緩めることにより、第2取付手段35のねじ締結体20のねじ部30の軸線を中心として、第1支持軸2を鉄塔61の塔芯方向(図2の矢印b−b方向、図3の紙面に直交する方向)に揺動させ、第1支持軸2の塔芯に対する角度を調整し、第1支持軸2の軸線が鉛直方向を向くように調整する。
この場合、上記の各ねじ締結体24のナット26を締め付けた状態とし、各ねじ締結体29、32のナット31、34を緩めた状態とすることにより、自重によって第1支持軸2の軸線が鉛直方向を向くように自然に揺動させてもよい。
【0052】
このようにして、第1支持軸2の鉄塔61の表面に沿う方向の角度、及び鉄塔61の塔芯に対する角度を調整して、第1支持軸2の軸線を鉛直線に一致させた後に、第1支持軸2の上端に方位設定治具40を取り付け、第2支持軸2の上端に風向風速計60を取り付け、方位設定治具40の真北線56を真北に合わせる作業を行う。
【0053】
具体的には、図6に示すように、予め求めておいた基準点42における目標点58の方位角にフロントサイト51をセットし、基準点42における偏角値に磁北線54をセットし、この状態で方位設定治具40を第1支持軸2の上端に取り付ける。
【0054】
そして、図9に示すように、方位設定治具40のリアサイト48の照準孔49からフロントサイト51の照準孔52を通して目標点58を覗き、目標点58が目標線53上に位置するように、方位設定治具40を第1支持軸2の軸線周りに回転させ、目標線53を基準点42における目標点58の方位角に合わせる。
【0055】
次に、方位磁針55のコンパスに磁北線54が一致するように方位設定治具40を第1支持軸2の軸線周りに回転させ、磁北線54を基準点42における方位磁針55のコンパスに合わせる。
【0056】
これにより、方位設置治具40の真北線56を真北に合わせることができ、この真北線56の表示棒56aに風向風速計60の北が一致するように、風向風速計60を第2支持軸3の軸線周りに回転させて、一致した位置に風向風速計60を固定することにより、風向風速計60の設置が完了することになり、風向風速計60を使用可能な状態とすることができる。
【0057】
上記のように構成した本実施の形態の取付治具1にあっては、風向風速計60を鉄塔61の所定の高さに取り付けて使用可能な状態する場合に、鉄塔61の水平材65と斜材66とを利用して、取付治具1を鉄塔61の所定の高さに取り付け、鉄塔61側において、取付治具1の第1支持軸2の軸線を鉛直線に一致させる角度調整作業、第1支持軸2の上端に取り付けた方位設定治具40のリアサイト48の照準孔49からフロントサイト51の照準孔52を通して目標点58を覗き、目標点58が目標線53上に位置するように、方位設定治具40を第1支持軸2の軸線周りに回転させて、目標線53を基準点42における目標点58の方位角に合わせる作業、方位磁針55のコンパスに磁北線54が一致するように方位設定治具40を第1支持軸2の軸線周りに回転させて、磁北線54を基準点42における方位磁針55のコンパスに合わせる作業とを行って真北線56を真北に一致させ、この真北線56に風向風速計60の北を一致させればよいことになる。
【0058】
従って、風向風速計60を鉄塔61の所定の高さに設置する場合に、作業者は鉄塔61側において、方位設定治具40を回転操作すればよいので、風向風速計60を鉄塔61の所定の高さに設置する作業を、容易に、短時間で、精度よく行うことができる。
【0059】
また、風向風速計60を支持する第2支持軸3は、第1支持軸2から槍出し金具6によって離間した位置に設けられているので、鉄塔61付近の風の影響を受けるのを防止でき、風向風速計60による風向、風速の計測精度を高めることができる。
【0060】
また、鉄塔61から離間した位置において、方位磁針55のコンパスにより磁北線54を一致させる作業を行うことになるので、鉄塔61近傍の地磁気によって方位磁針55が影響を受けるのを防止でき、磁北線54を精度よく設定することができ、風向風速計60の設置精度を高めることができる。
【0061】
なお、上記の説明においては、基準方位を真北として、方位設定治具40により求めた真北に風向風速計60に設定した北を合わせることにより、風向風速計60を設置したが、基準方位を真北に限らず任意の方位として、方位設定治具40により求めた任意の方位に風向風速計60に設定した任意の方位を合わせることにより、風向風速計60を設置するようにしてもよい。
【0062】
なお、前記の説明においては、第1取付手段11の第2取付角度調整金具27を、一端が第1固定金具12のバンド部13に連結され、他端が第1取付角度調整金具22の金具本体23の他方の板片23bに連結される板状の連結部材28によって構成し、連結部材28の一端にボルト挿通用孔28aを設け、他端にボルト挿通用長孔28bを設け、連結部材の一端をねじ部30とナット31とからなるねじ締結体29によって第1固定金具12のバンド部13に連結し、連結部材28の他端をボルト33とナット34とからなるねじ締結体32によって第1取付角度調整金具22の金具本体23の他方の板片23bに連結するように構成することにより、第1支持軸2を第2取付手段35のねじ締結体29のボルト30の軸線を中心として揺動可能としたが、連結部材28の代わりに周知のリンク機構を用い、このリンク機構を介して第1支持軸2を第2取付手段35のねじ締結体29のボルト30の軸線を中心として揺動可能に構成してもよい。
【0063】
図10及び図11には、取付治具1の変形例が示されている。この変形例は、水平材65及び斜材66のアングル材の向きが異なる場合に適用したものであって、その他の構成は前記実施の形態に示すものと同様である。
【0064】
この変形例では、アングル材からなる水平材65及び斜材66は、角部が塔芯と反対側に位置するように鉄塔61に配置されている。このような構成の水平材65及び斜材66に取付治具1を取り付ける場合、第1取付手段11の第2固定金具15の金具本体16の取付角度調整金具取付部17、及び第2取付手段35の第2固定金具15の金具本体16の取付角度調整金具取付部17a、及び第3取付手段36の第2固定金具15の金具本体16の取付け角度調整金具取付部17aは、水平材65及び斜材66よりも下方に配置され、この角度調整金具取付部17、17aに第1取付角度調整金具22が取り付けられることになる。この変形例においても、上記の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0065】
図12図14には、取付治具1の他の変形例が示されている。この変形例は、水平材65及び斜材66のアングル材の向きが異なる場合に適用するとともに、第1取付手段11、第2取付手段35、及び第3取付手段36の第2固定金具15の金具本体16を一対のブロック16c、16cによって構成し、両ブロック16c、16cの溝16d、16d間で水平材65又は斜材66を挟持し、この状態で両ブロック16c、16c間を棒ねじ19とナット21とによって締め付けるように構成したものである。この変形例においても、上記の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0066】
図15には、取付治具1の他の変形例が示されている。この変形例は、水平材65のアングル材の角部が塔芯側に位置する場合に適用したものであって、その他の構成は図12に示すものと同様である。この変形例においても、上記の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0067】
1 風向風速計の取付け治具(取付け治具)
2 第1支持軸
3 第2支持軸
6 槍出し金具
7 梁材
8 斜材
9a、9b、9c クランプ金具
10 ねじ
11 第1取付手段
12 第1固定金具
13 バンド部
14 ねじ
15 第2固定金具
16 金具本体
16a、16b 板片
16c ブロック
16d 溝
17、17a 取付角度調整金具取付部
18 ねじ締結体
19 棒ねじ
20 L型ワッシャ
21 ナット
22 第1取付角度調整金具
23 金具本体
23a、23b 板片
24 ねじ締結体
25 ボルト
26 ナット
27 第2取付角度調整金具
28 連結部材
28a ボルト挿通用孔
28b ボルト挿通用長孔
29 ねじ締結体
30 ねじ部
31 ナット
32 ねじ締結体
33 ボルト
34 ナット
35 第2取付手段
36 第3取付手段
37 T型継手金具
38 梁部材
39 ねじ
40 方位設定治具
41 基準板
42 基準点
43 脚部
44 キャップ
45 基台
46 ねじ
47 ねじ
48 リアサイト
49 照準孔
50 角度目盛板
50a スリット
51 フロントサイト
52 照準孔
53 目標線
54 磁方位線(磁北線)
55 方位磁針
56 真方位線(真北線)
56a 表示棒
57 水平器
58 目標点
59 蝶ねじ
60 風向風速計
61 鉄塔
62 主柱材
63 主水平材
64 主斜材
65 補助水平材(水平材)
66 補助斜材(斜材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15