(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、ユーザ(撮影者)の側からすれば、置換処理が施されたのか否か、置換処理が施されたのであればその置換領域はどの辺りなのかといったことを知ることはできず、単に出来上がった合成画像が供給されるだけなので、利便性に富んだものとは言えなかった。
【0008】
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、複数の画像を合成して合成画像を得るマルチショット合成をユーザの利便性に富んだ形で好適に実行することができる
撮影装置及び撮影方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮影装置は、複数の画像を取得する画像取得部と、前記複数の画像を合成して合成画像を生成する画像合成部と、前記合成される画像の少なくとも一部で置換処理を施すことにより合成置換画像を生成する画像置換部と、前記画像置換部が前記置換処理を施して合成置換画像を生成した旨を報知する置換報知部と、
前記画像置換部が前記置換処理を施して合成置換画像を生成したときに、前記合成置換画像が使用適格要件を満足するか否かを判定するとともに、前記合成置換画像が使用適格要件を満足すると判定したとき、前記置換報知部に置換報知処理を実行させ、前記合成置換画像が使用適格要件を満足しないと判定したとき、前記画像取得部に複数の画像の取得を再実行させる判定制御部と、を有することを特徴としている。
【0010】
前記置換報知部は、表示部に、合成置換画像とともにそれが置換処理を施したものである旨を表示させることができる。
【0011】
前記置換報知部は、表示部に、合成置換画像のうち置換処理を施した領域と置換処理を施さなかった領域を異なる表示態様で表示させることができる。
【0012】
前記置換報知部は、表示部に、置換処理を施す前の合成画像と置換処理を施した後の合成置換画像を比較可能に表示させることができる。
【0013】
本発明の撮影装置は、前記置換報知部による報知結果を受けて前記合成置換画像を記録画像として取り込むか否かを決定する取込決定部をさらに有することができる。
【0016】
前記判定制御部は、前記合成置換画像に占める置換領域の割合が所定の閾値を超えたか否かを以って、前記合成置換画像が使用適格要件を満足するか否かを判定することができる。
【0017】
前記複数の画像は、撮影光学系により形成された被写体像を電気的な画素信号に変換するイメージセンサにより撮影したものであり、且つ、前記撮影光学系の少なくとも一部をなす光学要素と前記イメージセンサの少なくとも一方を移動部材とし、この移動部材を前記撮影光学系の光軸と異なる方向に移動させながら、各移動後の被写体光束を前記イメージセンサの検出色の異なる複数の画素に入射させて撮影したものとすることができる。
【0018】
本発明の撮影方法は、複数の画像を取得する画像取得ステップと、前記複数の画像を合成して合成画像を生成する画像合成ステップと、前記合成される画像の少なくとも一部で置換処理を施すことにより合成置換画像を生成する画像置換ステップと、前記画像置換ステップで前記置換処理を施して合成置換画像を生成した旨を報知する置換報知ステップと、
前記画像置換ステップで前記置換処理を施して合成置換画像を生成したときに、前記合成置換画像が使用適格要件を満足するか否かを判定するとともに、前記合成置換画像が使用適格要件を満足すると判定したとき、前記置換報知ステップで置換報知処理を実行させ、前記合成置換画像が使用適格要件を満足しないと判定したとき、前記画像取得ステップで複数の画像の取得を再実行させる判定制御ステップと、を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の画像を合成して合成画像を得るマルチショット合成をユーザの利便性に富んだ形で好適に実行することができる
撮影装置及び撮影方法が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
≪第1実施形態≫
図1〜
図10を参照して、第1実施形態のデジタルカメラ(撮影装置)10について説明する。
【0025】
図1に示すように、デジタルカメラ10は、ボディ本体20と、このボディ本体20に着脱可能(レンズ交換可能)な撮影レンズ30とを備えている。撮影レンズ30は、被写体側(
図1中の左側)から像面側(
図1中の右側)に向かって順に、撮影レンズ群(撮影光学系、移動部材、振れ補正部材)31と、絞り(撮影光学系)32とを備えている。ボディ本体20は、被写体側(
図1中の左側)から像面側(
図1中の右側)に向かって順に、シャッタ(撮影光学系)21と、イメージセンサ(画像取得部、撮像部、移動部材、振れ補正部材)22とを備えている。またボディ本体20は、撮影レンズ30への装着状態で絞り32とシャッタ21を駆動制御する絞り/シャッタ駆動回路23を備えている。撮影レンズ群31から入射し、絞り32とシャッタ21を通った被写体光束による被写体像が、イメージセンサ22の受光面上に形成される。イメージセンサ22の受光面上に形成された被写体像は、マトリックス状に配置された検出色の異なる多数の画素によって、電気的な画素信号に変換され、画像データ(時系列に撮像(取得)した複数の画像データ)としてDSP(制御装置)40に出力される。DSP40は、イメージセンサ22から入力した画像データに所定の画像処理を施して、これをLCD(表示部)24に表示し、画像メモリ25に記憶する。なお、
図1では、撮影レンズ群31が単レンズからなるように描いているが、実際の撮影レンズ群31は、例えば、固定レンズ、変倍時に移動する変倍レンズ、フォーカシング時に移動するフォーカシングレンズなどの複数枚のレンズを有している。
【0026】
図示は省略しているが、イメージセンサ22は、パッケージと、このパッケージに収納される固体撮像素子チップと、この固体撮像素子チップを密封保護するようにパッケージに固定される蓋部材とを含む複数の構成要素からなる。本明細書において、「イメージセンサ22を駆動する」とは、「イメージセンサ22の複数の構成要素のうち被写体光束が通過する少なくとも一部を駆動する」ことを意味する。
【0027】
撮影レンズ30は、撮影レンズ群31の解像力(MTF)情報や絞り32の開口径(絞り値)情報などの各種情報を記憶した通信用メモリ33を搭載している。撮影レンズ30をボディ本体20に装着した状態では、通信用メモリ33が記憶した各種情報がDSP40に読み込まれる。
【0028】
ボディ本体20は、DSP40に接続させて、撮影操作スイッチ26を備えている。撮影操作スイッチ26は、電源スイッチやレリーズスイッチなどの各種スイッチからなる。
【0029】
ボディ本体20は、DSP40に接続させて、ジャイロセンサ(振れ検出部)27を備えている。ジャイロセンサ27は、ボディ本体20に加わる移動角速度(X軸とY軸周り)を検出することで、該ボディ本体20の光軸直交平面内の振れを示す振れ検出信号を検出する。
【0030】
図1〜
図3に示すように、イメージセンサ22は、撮影光学系の光軸Zと直交するX軸方向とY軸方向(直交二方向)に移動可能に像振れ補正装置50に搭載されている。像振れ補正装置50は、ボディ本体20のシャーシなどの構造物に固定される固定支持基板51と、イメージセンサ22を固定した、固定支持基板51に対してスライド可能な可動ステージ52と、固定支持基板51の可動ステージ52との対向面に固定した磁石M1、M2、M3と、固定支持基板51に可動ステージ52を挟んで各磁石M1、M2、M3と対向させて固定した、各磁石M1、M2、M3との間に磁気回路を構成する磁性体からなるヨークY1、Y2、Y3と、可動ステージ52に固定した、前記磁気回路の磁界内において電流を受けることにより駆動力を発生する駆動用コイルC1、C2、C3を有している。駆動用コイルC1、C2、C3に交流駆動信号(交流電圧)を流す(印加する)ことにより、固定支持基板51に対して可動ステージ52(イメージセンサ22)が光軸直交平面内で駆動するようになっている。駆動用コイルC1、C2、C3に流す交流駆動信号は、DSP40による制御の下、イメージセンサ駆動回路60によって生成される。
【0031】
本実施形態では、磁石M1、ヨークY1及び駆動用コイルC1からなる磁気駆動手段と、磁石M2、ヨークY2及び駆動用コイルC2からなる磁気駆動手段(2組の磁気駆動手段)とがイメージセンサ22の長手方向(水平方向、X軸方向)に所定間隔で配置され、磁石M3、ヨークY3及び駆動用コイルC3からなる磁気駆動手段(1組の磁気駆動手段)がイメージセンサ22の長手方向と直交する短手方向(鉛直(垂直)方向、Y軸方向)に配置されている。
【0032】
さらに固定支持基板51には、各駆動用コイルC1、C2、C3の近傍(中央空間部)に、磁石M1、M2、M3の磁力を検出して可動ステージ52(イメージセンサ22)の光軸直交平面内の位置を示すホール出力信号(位置検出信号)を出力(検出)するホールセンサ(位置検出部)H1、H2、H3が配置されている。ホールセンサH1、H2により可動ステージ52(イメージセンサ22)のY軸方向位置及び傾き(回転)が検出され、ホールセンサH3により可動ステージ52(イメージセンサ22)のX軸方向位置が検出される。DSP40は、イメージセンサ駆動回路60を介して、ジャイロセンサ27が検出したボディ本体20の光軸直交平面内の振れを示す振れ検出信号と、ホールセンサH1、H2、H3が出力したイメージセンサ22の光軸直交平面内の位置を示すホール出力信号とに基づいて、像振れ補正装置50によってイメージセンサ22を光軸直交平面内で駆動する。これにより、イメージセンサ22上への被写体像の結像位置を変位させて、手振れに起因する像振れを補正することができる。
【0033】
本実施形態のデジタルカメラ10は、像振れ補正装置50を利用して、イメージセンサ22(イメージセンサユニット)を撮影光学系の光軸Zと直交する平面内で微細に移動させながら時系列に複数回の撮影を行い、その画像を1枚に合成(画像の単純な加算ではなくデータ上の画像処理による特殊演算を行っての合成)することで、超高精細(高画質、高精度)な画像を生成する撮影モード(マルチショット合成モード)を搭載している。以下ではこの撮影モードを「RRS(リアル・レゾリューション・システム)撮影モード」と呼ぶ。「RRS撮影モード(マルチショット合成モード)」では、1画素あたり1つの色情報のみを取得する従来のベイヤ方式と異なり、1画素毎にRGB各色の情報を得ることで、細部までのディティールや色再現に優れた極めて高精細な画像を描き出すことができる。また、モアレや偽色が発生することが無く、高感度ノイズを低減する効果が得られる。
【0034】
図4(A)〜
図4(D)は本実施形態の「RRS撮影モード(マルチショット合成モード)」の一例を示す概念図である。同図において、イメージセンサ22は、受光面にマトリックス状に所定の画素ピッチで配置された多数の画素を備え、各画素の前面にベイヤ配列のカラーフィルタR、G(Gr、Gb)、Bのいずれかが配置されている。各画素は、前面のカラーフィルタR、G(Gr、Gb)、Bを透過して入射した被写体光線の色を検出、つまり、色成分(色帯域)の光を光電変換し、その強さ(輝度)に応じた電荷を蓄積する。より具体的に、
図4(A)の基準位置で1枚の画像を撮影し、そこからイメージセンサ22を1画素ピッチだけ下方に移動させた
図4(B)の位置で1枚の画像を撮影し、そこからイメージセンサ22を1画素ピッチだけ右方に移動させた
図4(C)の位置で1枚の画像を撮影し、そこからイメージセンサ22を1画素ピッチだけ上方に移動させた
図4(D)の位置で1枚の画像を撮影し、最後に
図4(A)の基準位置に戻る。このように、イメージセンサ22を光軸直交平面内で1画素ピッチの正方形を描くように駆動しながら時系列に撮影した4枚の画像が、RAW画像データとして、DSP(制御装置)40に入力される。
【0035】
図1に示すように、ボディ本体20は、DSP40に接続させて、「RRS撮影」を行うか否か、更にはその詳細を設定するためのRRS撮影モード設定部28を備えている。
【0036】
図5は、DSP(制御装置)40の内部構成を示す機能ブロック図である。このDSP40は、イメージセンサ22が「RRS撮影モード(マルチショット合成モード)」で時系列に撮像した4枚の画像(RAW画像)に対して各種の処理を施すものである。
【0037】
DSP40は、画像入力部41と、画像合成部42と、基準画像決定部43と、置換領域算出部44と、画像置換部45と、置換判定部46と、置換報知部47と、取込決定部48とを有している。
【0038】
画像入力部41は、イメージセンサ22が時系列に撮像した4枚の画像が入力するものである。
【0039】
画像合成部42は、画像入力部41に入力した4枚の画像を合成して合成画像を生成するものである。
【0040】
基準画像決定部43は、画像入力部41に入力した4枚の画像の中から1枚を選択してこれを基準画像に決定する。例えば、基準画像決定部43は、イメージセンサ22が最初(1枚目)または最後(4枚目)に撮影した画像を基準画像に決定する。
【0041】
置換領域算出部44は、画像合成部42による合成画像の少なくとも一部を基準画像決定部43が決定した基準画像で置換するための置換領域を算出する。置換領域算出部44は、画像合成部42による合成画像の品質が所定の水準を満足しているか否か、すなわち手振れや被写体の動き、蛍光灯のちらつき(フリッカー)の悪影響を受けているか否か等に基づいて、置換領域を算出する。
【0042】
より具体的に、置換領域算出部44は、基準画像と他の合成前フレーム画像とを画素ごとに比較することにより、置換領域を算出する。あるいは、置換領域算出部44は、各合成前フレーム画像をブロック化し、基準画像と他の合成前フレーム画像とをブロックごとに比較することにより、置換領域を算出する。あるいは、置換領域算出部44は、輝度データや色差データにより差分情報を得て、この差分情報に基づいて、置換領域を算出する。あるいは、置換領域算出部44は、高周波成分の検出を行ってその高周波成分が閾値を超えているか否かを判定することにより、置換領域を算出する。このように、置換領域算出部44が置換領域を算出する態様には自由度があり、種々の設計変更が可能である。
【0043】
図6は、置換領域算出部44が算出した合成画像の基準画像置換領域と非置換領域の一例を示す図である。合成画像の基準画像置換領域は、合成画像の品質が所定の水準を満足しないために基準画像での置換が指定される領域であり、非置換領域は、合成画像の該当部分をそのまま適用(使用)する領域である。
【0044】
画像置換部45は、置換領域算出部44が算出した置換領域(
図6)に従って、画像合成部42による合成画像の少なくとも一部を基準画像決定部43が決定した基準画像で置き換える置換処理を施すことにより、合成置換画像を生成することが可能である。
【0045】
画像置換部45は、置換領域算出部44が算出した置換領域がゼロでなければ当該置換領域に従った置換処理を実行し、置換領域算出部44が算出した置換領域がゼロであれば置換処理を実行しない。
【0046】
置換判定部46は、画像置換部45が置換処理を施して合成置換画像を生成したか否かを判定する。置換判定部46は、画像置換部45が全く置換処理を施していない場合(置換領域ゼロ)は勿論のこと、合成置換画像に占める置換領域の割合(面積比)が極めて小さい場合や合成置換画像中の置換領域の分布度合い(例えば合成置換画像中のメイン被写体に置換処理が施されていない場合)により、画像置換部45が置換処理を施していないと判定する(置換領域ゼロとみなす)ことができる。すなわち、画像置換部45が置換処理を施して合成置換画像を生成したか否かを判定するための手法や基準には自由度があり、種々の設計変更が可能である。
【0047】
置換報知部47は、画像置換部45が置換処理を施して合成置換画像を生成したと置換判定部46が判定したときに、ユーザ(撮影者)にその旨を報知するためのユーザインタフェースとして機能する。
【0048】
図7、
図8、
図9は、それぞれ、置換報知部47による置換報知処理の第1、第2、第3の態様を示している。同図の例は、被写体である花が風で揺れ動いていたために花の全体に置換処理を施した場合を想定している。
【0049】
図7の第1の態様では、置換報知部47は、LCD(表示部)24に、合成置換画像とともにそれが置換処理を施したものである旨のメッセージを表示させている。
【0050】
図8の第2の態様では、置換報知部47は、LCD(表示部)24に、合成置換画像のうち置換処理を施した領域と置換処理を施さなかった領域を異なる表示態様で表示させている。ここでは置換報知部47は、置換処理を施した花の全体を特殊表示(点滅表示)させている。
【0051】
図9の第3の態様では、置換報知部47は、LCD(表示部)24に、置換処理を施す前の合成画像と置換処理を施した後の合成置換画像を比較可能に交互(あるいは並列して)に表示させている。
【0052】
置換報知部47は、
図7の第1の態様、
図8の第2の態様、
図9の第3の態様の置換報知処理に加えて、図示しないスピーカーからLCD(表示部)24に表示された合成画像が置換処理を施したものであることを知らせるメッセージを音声発信させてもよい。
【0053】
取込決定部48は、ユーザ(撮影者)が置換報知部47による報知結果を受けて合成置換画像を記録画像として取り込むか否かを決定するためのユーザインタフェースとして機能する。例えば、取込決定部48は、LCD(表示部)24に「この合成画像には置換処理が施されていますがこれを保存しますか?」といったメッセージを表示させて、保存するか否かの決定処理をユーザ(撮影者)に促す。取込決定部48は、合成置換画像を保存する旨の決定処理がなされた場合には、当該合成置換画像を画像メモリ25に保存し、合成置換画像を保存しない旨の決定処理がなされた場合には、当該合成置換画像を破棄する。
【0054】
図10のフローチャートを参照して、第1実施形態のデジタルカメラ10によるRRS撮影処理を説明する。このRRS撮影処理は、DSP(制御装置)40のコンピュータに所定のプログラムを実行させることにより実現される。
【0055】
ステップS1では、イメージセンサ(撮像部)22によって4枚の画像を時系列に撮像する。
【0056】
ステップS2では、画像合成部42が、イメージセンサ22が撮像した4枚の画像を合成して合成画像を生成する。
【0057】
ステップS3では、置換判定部46が、画像置換部45が合成画像に置換処理を施して合成置換画像を生成したか否かを判定する。
【0058】
画像置換部45が置換処理を施していないと置換判定部46が判定した場合(ステップS3:No)、ステップS4において、置換処理が施されていない合成画像が「合成成功画像」として画像メモリ25に保存される。
【0059】
画像置換部45が置換処理を施したと置換判定部46が判定した場合(ステップS3:Yes)、ステップS5において、置換報知部47が、その合成置換画像をLCD(表示部)24に表示させて、置換報知処理(警告表示)を実行する(例えば
図7〜
図9)。
【0060】
ステップS6では、取込決定部48が、置換報知部47による報知結果を受けたユーザ(撮影者)による決定処理に従って、合成置換画像を記録画像として取り込むか否かを決定する。すなわち、ユーザ(撮影者)は、置換報知部47による報知結果を参考にしながら合成置換画像を検証することで、当該合成置換画像の品質が許容できるレベルであるか否か(記録する価値があるか否か)を判断する。
【0061】
合成置換画像を記録画像として取り込むことを決定した場合(合成置換画像の品質が許容できるレベルであると判断した場合)(ステップS6:Yes)、ステップS7において、合成置換画像が「準合成成功画像」として画像メモリ25に保存される。
【0062】
合成置換画像を記録画像として取り込まないことを決定した場合(合成置換画像の品質が許容できないレベルであると判断した場合)(ステップS6:No)、ステップS8において、合成置換画像が失敗画像として破棄される。
【0063】
≪第2実施形態≫
図11、
図12を参照して、第2実施形態のデジタルカメラ(撮影装置)10について説明する。
【0064】
図11に示すように、第2実施形態のDSP(制御装置)40’は、第1実施形態のDSP(制御装置)40の構成において、判定制御部49をさらに追加したものである。第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同一なので、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0065】
判定制御部49は、画像置換部45が置換処理を施して合成置換画像を生成したと置換判定部46が判定したときに、当該合成置換画像が使用適格要件を満足するか否かを判定する。この「使用適格要件」は、置換報知処理を行った上で合成置換画像を記録画像として取り込むか否かをユーザ(撮影者)に問い合わせるまでもなく、合成置換画像を明らかな失敗画像として破棄すべきものであるか否か、を判断するための基準である。
【0066】
より具体的に、判定制御部49は、合成置換画像に占める置換領域の割合が所定の閾値を超えたか否かを以って、合成置換画像が使用適格要件を満足するか否かを判定する。すなわち、判定制御部49は、合成置換画像に占める置換領域の割合が所定の閾値を超えていれば、合成置換画像が使用適格要件を満足していないと判定し、合成置換画像に占める置換領域の割合が所定の閾値を超えていなければ、合成置換画像が使用適格要件を満足していると判定する。
【0067】
そして、判定制御部49は、合成置換画像が使用適格要件を満足すると判定したとき、置換報知部47に置換報知処理を実行させる(例えば
図7〜
図9)。一方、判定制御部49は、合成置換画像が使用適格要件を満足しないと判定したとき、当該合成置換画像を破棄した上で、イメージセンサ(撮像部)22に4枚の画像の撮像を再実行させる。
【0068】
図12のフローチャートに示すように、画像置換部45が置換処理を施したと置換判定部46が判定した場合(ステップS3:Yes)、ステップS35において、判定制御部49が、合成置換画像が使用適格要件を満足するか否かを判定する。判定制御部49は、合成置換画像が使用適格要件を満足すると判定したとき(ステップS35:Yes)、ステップS5に進んで、置換報知部47に置換報知処理を実行させる(例えば
図7〜
図9)。判定制御部49は、合成置換画像が使用適格要件を満足しないと判定したとき(ステップS35:No)、合成置換画像を破棄した上で、ステップS1に戻って、イメージセンサ22に4枚の画像の撮像を再実行させる。
【0069】
このように本実施形態によれば、置換報知部47が、画像置換部45が置換処理を施して合成置換画像を生成したときにその旨を報知するので、複数の画像を合成して合成画像を得るマルチショット合成(例えばRRS撮影)をユーザの利便性に富んだ形で好適に実行することができる。すなわち、置換処理が行われた場合、その旨をユーザ(撮影者)に報知することで、再撮影を促したり合成結果の成否を確認したりするなどの撮影結果に対するフォローが可能になる。特に、超解像撮影の成否をユーザ(撮影者)が判断できるようにするとともに、失敗していた場合のフォローについてもユーザ(撮影者)の意図に従った動作を実現することができる。
【0070】
以上の実施形態では、RRS撮影モードにおいて、イメージセンサ22を光軸直交平面内で1画素ピッチの正方形を描くように駆動しながら時系列に撮影した4枚の画像を「複数の画像」とした場合を例示して説明した。しかし、イメージセンサ22の駆動軌跡及び駆動ピッチ並びに「複数の画像」の枚数には自由度があり、種々の設計変更が可能である。またイメージセンサ22を駆動する方向は、撮影光学系の光軸と直交する平面内に限定されず、撮影光学系の光軸と異なる方向であればよい。さらに「複数の画像」は、RRS撮影モードで撮影(取得)したものに限定されず、同一の被写体について撮影条件を変えながら連続的に撮影したものであればよい。
【0071】
以上の実施形態では、イメージセンサ22を「移動部材」として、このイメージセンサ22を光軸直交平面内で駆動する態様を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、撮影レンズ群(撮影光学系)31の少なくとも一部をなす光学要素を「移動部材」として、この光学要素を撮影レンズ30内に設けたボイスコイルモータによって光軸直交平面内で駆動する態様も可能である。あるいは、イメージセンサ22と撮影レンズ群(撮影光学系)31の少なくとも一部をなす光学要素の双方を「移動部材」として、これらを光軸直交平面内で駆動する態様も可能である。
【0072】
以上の実施形態では、DSP40とイメージセンサ駆動回路60を別々の構成要素(ブロック)として描いているが、これらを単一の構成要素(ブロック)として実現する態様も可能である。
【0073】
以上の実施形態では、像振れ補正装置50の構成として、固定支持基板51に磁石M1、M2、M3及びヨークY1、Y2、Y3を固定し、可動ステージ52に駆動用コイルC1、C2、C3を固定した場合を例示して説明したが、この位置関係を逆にして、可動ステージに磁石及びヨークを固定し、固定支持基板に駆動用コイルを固定する態様も可能である。
【0074】
以上の実施形態では、ボディ本体20と撮影レンズ30を着脱可能(レンズ交換可能)とする態様を例示して説明したが、ボディ本体20と撮影レンズ30を着脱不能(レンズ交換不能)とする態様も可能である。