【文献】
"PUCCH resource management for CoMP Scenarios",3GPP TSG RAN WG1 Meeting #68bis, R1-121352,2012年 3月30日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_68b/Docs/R1-121352.zip
【文献】
"HARQ-ACK resource allocation for data scheduled via ePDCCH",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #68bis, R1-121290,2012年 3月30日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_68b/Docs/R1-121290.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受信したPRBセットに対応する、前記ACK/NACKをマッピングするPUCCHのリソース候補は、radio resource control(RRC)により設定される、
請求項1に記載の無線通信端末。
前記受信したPRBセットに対応する、前記ACK/NACKをマッピングするPUCCHのリソース候補は、radio resource control(RRC)により設定される、
請求項6に記載の無線通信方法。
前記受信したPRBセットに対応する、前記ACK/NACKをマッピングするPUCCHのリソース候補は、radio resource control(RRC)により設定される、
請求項11に記載の集積回路。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
(実施の形態1)
<本発明に係る一形態を得るに至った経緯>
先ず、実施の形態1の具体的な構成および動作を説明する前に、E−PDCCHが採用された場合のA/Nリソースの割当方法として、本発明者らが着目した一つの方法について説明する。
【0025】
図4は、E−PDCCHが送信される時の下り回線サブフレームの例を示す。
図5は、E−PDCCHが採用された場合のシステム構成を示す。
【0026】
E−PDCCHは次のような特徴の一部またはすべてを有する。
(1)全端末共通のリソースを用いて送信されるPDCCHとは異なり、端末ごとに割り当てられた周波数リソースブロックにて送信される。
(2)セル内全端末共通の参照信号を用いて復調されるPDCCHとは異なり、端末ごとに与えられた端末固有の参照信号にて復調される。
(3)セル内全端末共通のスクランブル符号を用いてスクランブルされるPDCCHとは異なり、端末ごとに与えられるスクランブル符号を用いてスクランブルされる。
(4)E−PDCCHを送信するか否かは、設定により変えることができる。
【0027】
図4に示すように、全端末共通のリソースを用いて送信されるPDCCHとは異なり、E−PDCCHは、端末ごとに周波数リソースブロック(PRB)が設定され、そのPRBで送信される。
図4の例では、PRB番号2、4、・・・、24、26がE−PDCCHとして設定されている。また、E−PDCCHは、1つまたは複数のリソースeCCE(enhanced Control Channel Element:拡張制御チャネル要素)で構成される。eCCE番号とPRB番号との関係はまだ明確となっていないが、E−PDCCHは端末ごとに設定されることを考慮すると、以下のような関係が考えられる。
(1)システム帯域全体のすべてのPRBでeCCE番号が異なる番号付け(
図4A)
(2)端末ごとに設定される、E−PDCCHが送信される1つまたは複数のPRBセットの中ですべてのeCCE番号が異なる番号付け(
図4B)
(3)設定されるPRBに関わらず、各PRB内で全てのeCCE番号が異なる番号付け(
図4C)
【0028】
また、
図5に示すように、E−PDCCHを採用した通信システムでは、1つのセル内にPDCCH端末とE−PDCCH端末とが混在することが想定される(
図5中、E−PDCCH端末を黒色で示している)。ここで、PDCCH端末とは、PDCCHの制御情報を受信して通信の制御が行われる端末、E−PDCCH端末とは、E−PDCCHの制御情報を受信して通信の制御が行われる端末を示す。
【0029】
したがって、E−PDCCHの導入により、制御情報の領域が増加されることに加え、セル単位の設定に制約されない柔軟な制御情報割り当てが可能となる。例えばセル内で異なる設定のE−PDCCHを複数使用したり、セル間で同じ設定のE−PDCCHを使用したりできる。よって、E−PDCCHの導入は、特にセル間で協調を行うCoMP、ならびに、セル間の干渉制御が重要なHetNetに適した運用で効果が大きいと期待されている。
【0030】
一方、E−PDCCHを制御情報として割り当てられたPDSCHに対するA/Nのフィードバックリソースの決定法は、これまで定められていなかった。
【0031】
最も簡単な方法は、E−PDCCHもPDCCHと同様に、例えば次式(2)のようにA/Nリソース番号を定めることである。
【数2】
【0032】
ここで、n
PUCCHE-PDCCHは、当該E−PDCCH端末がA/Nを送信するリソース番号である。N
eはA/Nリソースオフセット値であり、n
eCCEはE−PDCCHがマッピングされたeCCEの番号である。また、N
eはD−A/Nリソースオフセットパラメータであり、セル固有の値でも、端末ごとに独立に与えられる値でも良い。関数f(a、b)は、例えばf(a、b)=a+bである。
【0033】
この方法であれば、A/Nリソースを端末ごとに通知する必要が無く、なおかつE−PDCCH端末間でA/Nが衝突する可能性がないという利点がある。その一方で、E−PDCCH端末のA/Nが広範囲に分散してしまうこと、複数の端末間でA/Nが衝突し、割り当てブロックが生じるという欠点がある。
図6にその様子を示す。
【0034】
図6は、PDCCH端末用のA/NリソースとE−PDCCH端末用のA/Nリソースとを4つずつ設定した場合の例を示している。PDCCH端末用のA/Nリソースは従来の式(1)に従って決定されているとする。また、E−PDCCH端末用のA/Nリソースは、式(2)に従って決定されているとする。
【0035】
まず、E−PDCCH端末のA/NリソースをeCCE番号により決定することにより、A/Nリソースが広範囲に分散してしまうという問題がある。分散の程度はeCCE番号の取り得る値の範囲および式(2)によって異なる。例えば
図4AのようなeCCE番号付けがなされると、A/Nリソースの分散は非常に大きいものとなり、PUSCHを送信できるはずであった帯域を減少させてしまう。これは上り回線のスループット劣化を引き起こしてしまう。
【0036】
さらに、A/Nリソースが衝突してしまうという問題が生じる。
図6では、PDCCH端末とE−PDCCH端末との間でA/Nが衝突する様子を表している。実際には、セル内で複数のE−PDCCHが設定される可能性があり、この場合、異なるE−PDCCH間でもA/Nの衝突が生じる可能性がある。衝突はA/Nの品質を大きく劣化させるものであり許容できないため、複数の端末間でA/Nリソースの衝突が起きた場合には、割り当てを諦める必要がある。一方で、複数端末間のPDCCHまたはE−PDCCHスケジューリングをやり直すことで割り当てブロックの回避を試みることもできるが、これには下り制御信号および上りA/N信号の双方のスケジューリングを同時に調整しなければならず、実現には複雑なシステムおよびアルゴリズムが必要となる。また、下り制御信号の配置と上りA/Nリソースのいずれか一方が定まるともう一方も自動的に決定するため、両方の配置が割り当てブロック確率またはリソース利用効率の観点から適切になるようスケジューリングするのは困難である。
【0037】
もう1つの方法は、RRC(Radio resource control)制御情報などにより、事前に端末ごとにA/Nリソースを割り当てておく方法である。
【0038】
Rel.10では、キャリアアグリゲーション時など、より多くのA/Nビットをフィードバックする必要がある場合のA/Nリソース決定法として、RRCにより複数のA/Nリソース候補を4つ設定しておき、PDCCHに含まれる2ビットのARI(ACK/NACK Resource Indicator)を用いてサブフレーム単位で動的に選択する方法が採用された(非特許文献3)。
図7は、RRC制御情報により設定されたA/Nリソース候補と、ARIの値を対応付けた表である。端末は、復号したPDCCHのARIが示す値からA/Nリソースを決定する。
【0039】
E−PDCCHにもARIを導入し、前記と同様のA/Nリソース選択を行うことで、E−PDCCHのスケジューリングに依存しないA/Nリソース設定が可能となる。この場合、複数のE−PDCCH端末に同じA/Nリソース候補を設定し、各端末に送信するE−PDCCHのARIでA/Nリソースを制御すれば良い。また、選択肢が複数あるので、PDCCH端末のA/Nリソースおよび異なるE−PDCCHが設定された端末のA/Nリソースと割り当てブロックを回避することができる。また、割り当てブロックの回避はARIの調整で行えるので、PDCCHおよびE−PDCCHのスケジューリングを再調整するのは不要である。
【0040】
しかしながら、ARIによるA/Nリソース選択は、ARIのビット数に応じた数しかA/Nリソース候補を設定することができない。例えばARIが2ビットの場合、選択可能なA/Nリソースは4つである。PDCCH端末または他のE−PDCCHが設定された端末とA/Nリソースの衝突が起こりうることを考慮すると、4つのうちいくつかのA/Nリソースは使用できない可能性もある。このため、ARIだけでは選択肢が少なく、柔軟なA/Nリソース制御が行えないという問題が生じる。
【0041】
A/Nリソース候補の数は、ARIのビット数を増加させることで増やすことができる。しかし、過度なARIビット数増加はE−PDCCHのオーバーヘッド増大になるため、性能およびカバレッジの観点から望ましくない。
【0042】
そこで、本実施の形態1の通信システムは、E−PDCCHにARIが導入されることを前提に、(1)ARIのビット数を増加させることなく、(2)A/Nリソース候補の数を増やす、という2点を同時に実現することを目的としている。
【0043】
[通信システムの概要]
本実施の形態1の通信システムは、
図5の例のように、セル内の1つの基地局100、および、複数の端末200等から構成される。
【0044】
[基地局100構成]
図8は、基地局100の要部を示すブロック図である。
【0045】
基地局100は、
図8に示すように、複数の端末200へそれぞれ送信する複数の制御情報を生成する制御部110と、制御情報および送信データを無線送信用の信号に変換しアンテナ11を介して信号を無線送信する送信部120と、を備えている。
【0046】
制御部110は、下り回線のリソース割当情報等から各端末200の制御情報を生成する。また、制御部110は、各端末200に送信する制御情報をPDCCHまたはE−PDCCHにスケジューリングする。このときE−PDCCHは、あらかじめ端末200に対して設定された1つまたは複数のConfigurationのうち、いずれか1つのConfigurationにより送信される。また、E−PDCCH端末には、E−PDCCHに含まれるARIを用いて、RRCの通知により予め指定された通知A/Nリソース候補のいずれを用いてA/Nを送信するかが通知される。したがって、制御部110は、ARIを含んだE−PDCCH端末の制御情報を生成して、送信部120へ出力する。
【0047】
送信部120は、送信データおよび制御情報が含まれる各チャネルの信号を無線送信する。すなわち、送信部120は、送信データをPDSCHで送信し、PDCCH端末の制御情報をPDCCHで送信し、E−PDCCH端末の制御情報をE−PDCCHで送信する。
【0048】
図9は、基地局100の詳細を示すブロック図である。
【0049】
詳細には、基地局100は、
図9に示すように、アンテナ11、制御情報生成部12、制御情報符号化部13、変調部14、17、データ符号化部15、再送制御部16、サブフレーム構成部18、IFFT部19、CP付加部20、および、無線送信部21等を備えている。また、基地局100は、無線受信部22、CP除去部23、逆拡散部24、相関処理部25、および、判定部26等を備えている。
【0050】
これらのうち、制御情報生成部12が主に制御部110として機能し、制御情報符号化部13から無線送信部21ならびにデータ符号化部15から無線送信部21にかけた構成が主に送信部120として機能する。
【0051】
基地局100は、下り回線にてPDCCH、E−PDCCH、PDSCHを送信する。また、基地局100は、上り回線にてA/N信号を運ぶPUCCHを受信する。なお、ここでは、説明が煩雑になることを避けるために、本実施の形態の特徴と密接に関連する下り回線のPDCCH、E−PDCCH、PDSCHの送信、および、その下り回線データに対するPUCCHの上り回線での受信に係わる構成部を主に示している。そして、上り回線データの受信に係わる構成部の図示および説明を省略する。
【0052】
基地局100が生成する下り回線の制御信号とデータ信号は、それぞれ別個に符号化および変調され、サブフレーム構成部18へと入力される。
【0053】
まず、制御信号の生成について述べる。制御情報生成部12は、下り回線の割り当てを行う各端末200のリソース割り当て結果(リソース割当情報)と符号化率情報とから、各端末200への制御情報を生成する。端末200毎の制御情報には、どの端末200に宛てた制御情報であるかを示す端末ID情報が含まれる。例えば、制御情報の通知先の端末200のID番号でマスキングされたCRCビットが端末ID情報として制御情報に含まれる。ここで、PDCCHにマッピングされる制御情報とE−PDCCHにマッピングされる制御情報とで、異なる情報が含まれる。特にE−PDCCHにマッピングされる制御情報には、RRCで予め通知したA/Nリソース候補のどれを用いるかを指示するARIが含まれる。生成した各端末200への制御情報は制御情報符号化部13へ入力される。
【0054】
制御情報符号化部13は、端末200ごとの制御情報を、符号化率情報に基づいて、それぞれ独立に符号化する。符号化は、PDCCHにマッピングされる制御情報とE−PDCCHにマッピングされる制御情報とで同じでも良いし異なっても良い。制御情報符号化部13の出力は、変調部14へ入力される。
【0055】
変調部14は、端末200ごとの制御情報をそれぞれ独立に変調する。変調は、PDCCHにマッピングされる制御情報とE−PDCCHにマッピングされる制御情報とで同じでも良いし異なっても良い。変調部14の出力は、サブフレーム構成部18へ入力される。
【0056】
次に、データ信号の生成について述べる。データ符号化部15では、各端末200に送信するデータビット系列に対して各端末200のIDに基づきマスキングされたCRCビットを付加し、それぞれ誤り訂正符号化する。データ符号化部15の出力は、再送制御部16へ入力される。
【0057】
再送制御部16は、端末200ごとの符号化送信データを保持しておき、初回送信時には送信データを変調部17へ出力する。一方、再送制御部16は、判定部26からNACK信号が入力された端末200、すなわち再送を行う端末200に対しては、その再送に対応する送信データを変調部17に出力する。
【0058】
変調部17は、入力された各端末200へのデータ符号化系列をそれぞれデータ変調する。変調系列は、サブフレーム構成部18へ入力される。
【0059】
サブフレーム構成部18は、リソース割当情報に基づいて、入力された制御情報系列とデータ系列をサブフレームの時間および周波数で分割されたリソースへとマッピングする。これにより、サブフレーム構成部18は、サブフレームを構成し、IFFT部19へと出力する。
【0060】
IFFT部19は、入力された送信サブフレームに対してIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を行い、時間波形を得る。得られた時間波形はCP付加部20へ入力される。
【0061】
CP付加部20は、サブフレーム内の各OFDMシンボルにCPを付加して無線送信部21へ出力する。
【0062】
無線送信部21は、入力したシンボルに対して搬送波周波数帯へ無線変調が行われ、アンテナ11を介して変調された下り回線信号を送信する。
【0063】
無線受信部22は、端末200のA/N信号を受信したアンテナ11からの入力を受け、無線復調が行われる。復調された下り回線信号はCP除去部23へと入力される。
【0064】
CP除去部23は、下り回線信号内の各SC−FDMA(Single Carrier-Frequency-Division Multiple Access)シンボルからCPを除去する。CP除去後のシンボルは逆拡散部24へ入力される。
【0065】
逆拡散部24は、符号多重された複数端末200のA/N信号から対象となる端末200のA/Nを取りだすため、対応する直交符号による逆拡散を行う。逆拡散後された信号は相関処理部25へと出力される。
【0066】
相関処理部25は、A/Nを取りだすためZAC系列による相関処理を行う。相関処理後の信号は、判定部26へと入力される。
【0067】
判定部26は、当該端末200のA/NがACK、NACKいずれであったか判定する。判定結果がACKであった場合、判定部26は再送制御部16に次のデータの送信を促す。一方、判定結果がNACKであった場合、判定部26は再送制御部16に再送を促す。
【0068】
[端末200の構成]
図10は、端末の要部を示すブロック図である。
【0069】
端末200は、アンテナ41を介して制御情報および下りデータを受信する受信部230と、制御情報に基づいてA/N信号を送信するリソースを決定する制御部220と、決定したリソースでA/N信号を送信する送信部210とを備えている。
【0070】
端末200は、E−PDCCHの制御情報を受信するよう設定されている場合に、E−PDCCH端末となり、PDCCHの制御情報を受信するよう設定されている場合に、PDCCH端末となる。また、端末200は、両方を受信するよう設定される場合もある。すなわち、両方受信するよう設定された端末200は、E−PDCCHとPDCCHの両方から制御情報の受信を試み、E−PDCCHから自身の制御情報を抽出できたらE−PDCCH端末に、PDCCHから自身の制御情報を抽出できたらPDCCH端末となる。特に通知や指定がない場合には、端末200は、PDCCH端末となる。
【0071】
さらに端末200は、自身の制御情報が含まれる可能性のあるE−PDCCHのConfigurationをRRC等の上位レイヤより通知されている。このConfigurationは1つであってもよいし、複数であってもよい。端末200は、複数のConfigurationのE−PDCCHを設定された場合、それぞれのConfigurationのいずれにより自身のE−PDCCHが送信されたか調べる。基地局100は、端末200に対し、いずれか1つのConfigurationでE−PDCCHを送信している。
【0072】
受信部230は、PDSCHを介して受信データを受信し、E−PDCCHまたはPDCCHを介して制御情報を受信する。すなわち、受信部230は、E−PDCCH端末200の場合には、E−PDCCHを介してARIを含んだ制御情報を受信し、PDCCH端末200の場合には、PDCCHを介して制御情報を受信する。受信部230は、受信した制御情報を制御部220へ出力する。
【0073】
制御部220は、E−PDCCH端末200である場合、受信データのA/N信号の送信リソースを、受信したE−PDCCHのConfigurationおよびARIの値の2つに基づいて、RCC等により通知されたA/Nリソース(RRC通知A/Nリソース)のうち、何れを用いるかを同定する。また、制御部220は、PDCCH端末200である場合、従前のPDCCH端末と同様に、A/N信号の送信リソースを決定する。制御部220は、決定内容を送信部210へ出力する。
【0074】
送信部210は、決定されたリソースを使用して、受信データのA/N信号を無線送信する。
【0075】
図11は、端末の詳細を示すブロック図である。
【0076】
端末200は、詳細には、
図11に示すように、アンテナ41、無線受信部42、CP除去部43、FFT部44、抽出部45、データ復調部46、データ復号部47、判定部48、制御情報復調部49、制御情報復号部50、制御情報判定部51、制御処理部52、A/N信号変調部53、1次拡散部54、IFFT部55、CP付加部56、2次拡散部57、多重部58、および、無線送信部59を備えている。また、端末200は、参照信号用のIFFT部60、CP付加部61および拡散部62を備えている。
【0077】
これらのうち、制御処理部52が主に制御部220として機能する。また、A/N信号変調部53から無線送信部59にかけた構成が主に送信部210として機能し、無線受信部42から判定部48および無線受信部42から制御情報判定部51にかけた構成が主に受信部230として機能する。
【0078】
端末200は、下り回線でPDCCHまたはE−PDCCHにマッピングされた制御情報、および、PDSCHにマッピングされた下り回線データを受信する。また、端末200は、上り回線でPUCCHを送信する。ここでは、説明が煩雑になることを避けるために、本実施の形態の特徴と密接に関連する下り回線(具体的には、PDCCH、E−PDCCH、PDSCH)の受信、および、下り回線の受信データに対する上り回線(具体的には、PUCCH)での送信に係わる構成部のみを示す。
【0079】
無線受信部42は、基地局から送信された下り回線信号を受信したアンテナ41からの入力を受け、無線復調を行い、CP除去部43へ出力する。
【0080】
CP除去部43はサブフレーム内の各OFDMシンボル時間波形からCPを除去し、FFT部44へ出力する。
【0081】
FFT部44は、入力された時間波形に対し、OFDM(Orthogonal frequency division multiplexing)復調を行うためにFFT(Fast Fourier Transform)を行い、周波数領域におけるサブフレームを得る。得られた受信サブフレームは抽出部45へ入力される。
【0082】
抽出部45は、PDCCH領域またはE−PDCCH領域から自端末向けの制御情報を抽出する。PDCCH、E−PDCCHのいずれに制御情報が含まれているかという情報は、基地局100から予め指示されているものとする(図示せず)。抽出部45は、制御情報の符号化率情報を用いて、自身の制御情報がマッピングされている可能性のある制御情報領域から1つまたは複数の制御情報候補を抽出し、制御情報復調部49へ出力する。また、抽出部45は、制御情報判定部51から結果が得られたら、自端末宛の制御情報に含まれるリソース割り当て結果に基づき、受信サブフレームから自端末向けのデータ信号を抽出する。得られたデータ信号はデータ復調部46へ入力される。
【0083】
制御情報復調部49は、入力された1つまたは複数の制御情報に対して復調を行い、制御情報復号部50へ出力する。
【0084】
制御情報復号部50は、制御情報の符号化率情報を用いて、入力された1つまたは複数の復調系列に対してそれぞれ復号を行う。復号結果は制御情報判定部51へ入力される。
【0085】
制御情報判定部51は、1つまたは複数の復号結果から、端末ID情報を用いて自端末宛の制御情報を判定する。判定には、制御情報に含まれる自端末ID情報でマスキングされたCRCビットなどが用いられる。制御情報判定部51は、自端末宛の制御情報があった場合、その制御情報を抽出部45へ出力する。また、制御情報判定部51は、その制御情報を制御処理部52へ出力する。
【0086】
制御処理部52は、PDCCH端末200の場合とE−PDCCH端末200の場合とで、異なる動作を行う。
【0087】
PDCCH端末200の場合、制御処理部52は、制御情報がマッピングされたリソース(CCE)番号から、式(1)に基づきA/N信号のリソース番号を求める。制御処理部52は、求めたA/N信号リソース番号から、1次拡散、2次拡散および参照信号に用いる各拡散符号と、PUCCHを送信する周波数リソースブロック(RB)とを決定する。これらの情報は、1次拡散部54、2次拡散部57および参照信号の拡散部62へ入力される。
【0088】
一方、E−PDCCH端末200の場合、制御処理部52は、受信したE−PDCCHのConfigurationおよび制御情報に含まれるARIが指示する値の2つに基づいて、RRC制御情報として通知されたA/Nリソース候補のうち何れを用いるかを決定する。なお、ここでのRRC通知A/Nリソースは、予め基地局100から端末200に対して指示されているものとする(図示せず)。制御処理部52は、指示されたA/Nリソース番号に対応する1次拡散、2次拡散および参照信号に用いる各拡散符号と、PUCCHを送信する周波数リソースブロック(RB)とを決定する。そして、制御処理部52は、各拡散符号をそれぞれ1次拡散部54、2次拡散部57および参照信号の拡散部62へ出力する。
【0089】
データ復調部46は、入力された自端末向けのデータ信号を復調する。復調結果はデータ復号部47へ入力される。
【0090】
データ復号部47は、入力された復調データに対して復号を行う。復号結果は判定部48へ入力される。
【0091】
判定部48は、端末200のIDでマスキングされたCRCを用いて、復号結果が正しいか否かを判定する。復号結果が正しい場合には、判定部48は、ACK信号をA/N信号変調部53へ出力し、また、受信データを取りだす。復号結果が正しくない場合には、判定部48は、NACK信号をA/N信号変調部53へ出力する。
【0092】
A/N信号変調部53は、入力信号がACKであるかNACKであるかによって値の異なる変調シンボルを生成する。生成された変調シンボルは、1次拡散部54へ入力される。
【0093】
1次拡散部54は、制御処理部52より入力されたZAC系列を用いてA/N信号を1次拡散し、1次拡散後のA/N信号をIFFT部55に出力する。ここで、循環シフトホッピングに用いる循環シフト量はSC−FDMA単位で異なるため、1次拡散部54は、SC−FDMAシンボル毎に異なる循環シフト量を用いてA/N信号を1次拡散する。
【0094】
IFFT部55は、1次拡散部54から入力されたSC−FDMAシンボルごとにIFFTを行い、得られる時間波形をCP付加部56へ出力する。
【0095】
CP付加部56は、入力されたSC−FDMA時間波形ごとにCPを付加し、この信号を2次拡散部57へ出力する。
【0096】
2次拡散部57は、CP付加後のSC−FDMA時間波形に対し、ブロックワイズ拡散コード系列を用いて2次拡散を行う。拡散符号は、制御処理部52によって指示された符号が用いられる。2次拡散された系列は多重部58へ入力される。
【0097】
多重部58は、参照信号の拡散部62と2次拡散部57とからそれぞれ入力された2つの系列を時間多重し、PUCCHサブフレームを構成する。時間多重された信号は無線送信部59へ入力される。
【0098】
無線送信部59は、入力された信号に対して搬送波周波数帯へ無線変調を行い、アンテナ41から上り回線信号を無線送信する。
【0099】
IFFT部60は、参照信号に対してIFFTを行い、得られる時間波形をCP付加部61へ出力する。
【0100】
CP付加部61は、入力された参照信号の時間波形にCPを付加し、この信号を拡散部62へ出力する。
【0101】
拡散部62は、CP付加後の時間波形に対し拡散を行う。拡散符号は、制御処理部52によって指示された符号が用いられる。拡散された系列は多重部58へ入力される。
【0102】
[動作]
本実施の形態1の基地局100及び端末200の処理フローをステップ(1)〜(6)で説明する。
【0103】
図12は、E−PDCCHに含まれるARIと、E−PDCCHのConfigurationにより定まるA/Nリソースを表した表である。
【0104】
ステップ(1):基地局100は、PDSCHの送受信よりも前に、E−PDCCHで制御情報を送信し得る端末200に対し、E−PDCCHの使用を通知しておく。なお、E−PDCCHで送信しない端末200には、特に通知を行わなくても良い。端末200も、特に通知が無い、または認識できない場合には、PDCCHで制御情報が送信されるものとして制御情報を受信する。また、基地局100は、E−PDCCHで制御情報を送信する可能性がある端末200には、PDSCHの送受信よりも前に、使用する可能性のあるE−PDCCHのConfigurationを通知しておく。例えば
図12において、ある端末200には3つすべてのConfigurationが設定され、ある端末200にはConfiguration A、Configuration Bが設定され、ある端末200にはConfiguration Aのみが設定される。また、基地局100は、PDSCHの送受信よりも前に、ARIの値とE−PDCCHのConfigurationによって定まるA/Nリソース候補を通知しておく。このA/Nリソース候補は、
図12におけるA〜D、W〜Z、O〜Rである。これらの通知には、RRC制御信号などを用いる。
【0105】
ステップ(2):基地局100は、各サブフレームにおいてデータを割り当てる端末200を決定し、PDSCH内にスケジューリングする。スケジューリングには、各端末200へのトラフィック量に加え、端末200が送信するCSIフィードバックまたはサウンディング参照信号(SRS)なども利用される。
【0106】
ステップ(3):基地局100は、スケジューリング結果を含む制御情報を各端末200宛に生成し、それらをPDCCHまたはE−PDCCHにスケジューリングする。基地局100は、複数のE−PDCCH Configurationが設定された端末200に対しては、E−PDCCHを送信するConfigurationを決定し、そのConfigurationのもとでスケジューリングを行う。
【0107】
また、基地局100は、制御情報をスケジューリングしたすべての端末200間で、A/Nリソースの衝突が起こらないか確認する。A/Nリソースの衝突が起こる場合には、基地局100は、PDCCHのスケジューリング結果、E−PDCCHのARIの値、E−PDCCHのConfigurationなどを変えることにより、A/Nリソースの衝突を回避できるか調べる。基地局100は、A/Nリソースの衝突を回避できない場合、衝突が起こる端末200に対するスケジューリングを諦める(割り当てブロック)。
【0108】
ステップ(4):基地局100は、全端末200の制御情報スケジューリングが終了したら、PDCCHおよびE−PDCCHの制御情報とPDSCHの下りデータとを下り回線で無線送信する。
【0109】
ステップ(5):端末200は、受信信号から自端末宛の制御情報を得て、データ信号の抽出および復号を行う。特にE−PDCCHで制御情報が送信されている可能性がある端末200は、使用され得る1つまたは複数のConfigurationのうち、いずれのConfigurationで送信されているかも確認する。また、端末200は、制御情報をもとに受信データ信号に対応するA/N信号を送信する符号および周波数のリソースを特定する。特にE−PDCCH端末200は、自端末宛のE−PDCCHのConfiguration、E−PDCCHに含まれるARIの値に基づき、RRCで事前に通知されたA/Nリソース候補の何れを用いるかを決定する。
【0110】
ステップ(6):端末200は、データ信号の判定結果に応じてACKまたはNACKを特定し、上記のように特定したA/Nリソース(符号および周波数のリソース)を用いてA/N信号を送信する。
【0111】
[効果]
以上のように、実施の形態1の基地局100および端末200によれば、複数のE−PDCCH Configurationが設定された端末200に対して、ARIのビット数を増加させることなく、A/Nリソース候補の数を増やすことができる。
【0112】
また、実施の形態1によれば、通信環境または端末状況などに応じてE−PDCCH端末に使用され得るConfigurationを追加することにより、A/Nリソース候補の数を、必要に応じて段階的に増やすことができる。
【0113】
また、実施の形態1によれば、A/Nリソース候補、すなわち
図12におけるA〜D、W〜Z、O〜Rは全てRRC制御情報などにより事前に通知されたA/Nリソースである。したがって、eCCE番号等、E−PDCCHがスケジューリングされたリソースによりA/Nリソースが決定される、式(2)のような割り当て法と比較して、基地局100は容易にA/Nリソースを調整できる。また、これにより基地局100の回路規模を削減できる。
【0114】
(変形例1)
なお、実施の形態1の通信システムは、次のような変更を行っても同様の効果を得ることができる。
【0115】
E−PDCCHのConfigurationによって、ARIのビット数を変えてもよい。
【0116】
図13Aおよび
図13Bは、ConfigurationによってARIのビット数が異なる場合の例を示している。
図13Aは、Configuration AのみARIが2ビットであり、他のConfigurationは1ビットの場合の例である。
図13BではConfiguration Aのみ1ビットであり、他のConfigurationは2ビットの場合の例である。
【0117】
このようにすることで、実施の形態1と同様の効果に加え、ARIのビット数を低減することによるオーバーヘッド低減効果も得ることができる。例えば、Configuration Aは高頻度にE−PDCCHに用いられ、Configuration BおよびCは少ないE−PDCCH端末のみに使用されるような運用では、Configuration BおよびCでE−PDCCHを送信する端末200は少ないので、Configuration AのARIビット数を多くし、Configuration BおよびCのときのARIビット数を少なくすることができる。このときARIビット分のオーバーヘッドが低減できるが、Configuration BおよびCのE−PDCCH端末は少ないので、ARIビット数を減らしたことによる割り当てブロック率の劣化は小さく抑えることができる。一方、同じ運用においても、割り当てブロック率の劣化よりもARIビットのオーバーヘッドを低減することが優先される環境では、反対にConfiguration AのARIビット数を少なくし、Configuration BおよびCのARIビット数を多くしてもよい。これにより、実施の形態1と同等の効果を達成しつつ、Configuration AのARIビット数を少なくして制御情報に含まれる情報ビット数を減らすことで、さまざまな環境の送受信が想定されるE−PDCCH Configuration Aの受信品質を改善することができる。
【0118】
(変形例2)
なお、実施の形態1の通信システムは、次のような変更を行っても、同様の効果を得ることができる。
【0119】
E−PDCCHのConfiguration毎に、ARIにより指定可能なA/Nリソース候補の範囲を限定してもよい。
【0120】
図14は、E−PDCCHのConfigurationによってA/Nリソース候補を設定できる範囲に制限を与えた例を示している。
図14Aの例では、Configuration BおよびCのA/Nリソース範囲がPDCCH端末のA/Nリソース範囲と異なる領域のみに制限されており、
図14Bの例では、Configuration AのA/Nリソース範囲がPDCCH端末のA/Nリソース範囲と同じ領域に制限されている。
【0121】
このようにすることで、実施の形態1と同様の効果に加え、A/Nリソース候補設定可能範囲を制限することによるRRC制御信号のオーバーヘッド低減効果も得ることができる。例えば、Configuration Aは高頻度にE−PDCCHに用いられるConfigurationであり、Configuration BおよびCは少ないE−PDCCH端末のみに使用されるConfigurationであるような運用では、Configuration BまたはCでE−PDCCHを送信する端末200は少ない。そこで、Configuration AのA/Nリソース候補設定可能範囲を広くとり、Configuration BおよびCのA/Nリソース候補設定可能範囲を狭くすることで、実施の形態1と同様の効果を得つつ、RRCのオーバーヘッドを低減できる。一方、同じ運用であっても、Configuration AのA/Nリソース候補設定可能範囲を狭くとり、Configuration BまたはCのA/Nリソース候補設定可能範囲を広くとってもよい。この場合、割り当てブロックが起こらない限り設定範囲の狭いConfiguration Aを用いるので、PUSCHに割当可能なリソースを確保し、上り回線スループットを改善できる。
【0122】
(実施の形態2)
[通信システムの概要]
実施の形態2では、E−PDCCHは、端末に対して1つまたは複数のPRBより構成されるPRB setとして設定される。当該端末では、設定されたPRB setの中でE−PDCCHが送受信される。
【0123】
また、E−PDCCHのPRB setは、各E−PDCCH端末に対し、1つまたは複数が設定される。設定されたPRB setの情報は、RRC制御情報などにより基地局から端末に通知される。設定されるPRB setの数は、端末ごとに変えることができる。
【0124】
図15は、サブフレーム内に2つのPRB setが設定された例を表している。
図15Aは、2つのPRB setでPRBの周波数間隔が同じ例を示し、
図15Bは、2つのPRB setでPRBの周波数間隔が異なる例を示している。実施の形態2では、このようなPRBの周波数間隔も、1つまたは複数のPRB setごとに設定可能とする。なお、あらかじめ定められた複数のPRB setが規定されており、その中から使用するPRB setを選択する、としてもよい。
【0125】
以下では説明が煩雑になることを避けるために、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付して、実施の形態1との差分のみ説明する。
【0126】
[基地局の構成]
基地局100の構成は、主に、制御部110の処理内容が異なるだけで、他は実施の形態1と同様である。制御部110の処理内容については続く動作の説明で詳述する。
【0127】
[端末の構成]
端末200の構成は、主に、制御部220の処理内容が異なるだけで、他は実施の形態1と同様である。制御部220の処理内容については続く動作の説明で詳述する。
【0128】
[動作]
本実施の形態2の基地局100及び端末200の処理フローをステップ(1)〜(6)で説明する。
【0129】
図16は、E−PDCCHに含まれるARIと、E−PDCCHのPRB setにより定まるA/Nリソースを表した表である。
【0130】
ステップ(1):基地局100は、PDSCHの送受信よりも前に、E−PDCCHで制御情報を送信し得る端末200に対し、PRB setの設定を通知しておく。なお、全てのE−PDCCH端末に使用され得るPRB setである場合には、その設定は通知しなくともよい。また、通知されるPRB setの設定およびPRB setの個数は、個別端末200ごとに定められる。例えば
図15において、ある端末200にはPRB set AおよびBが設定され、ある端末200にはPRB set Aのみが設定される。また、基地局100は、PDSCHの送受信よりも前に、ARIの値とE−PDCCHのPRB setによって定まるA/Nリソース候補を通知しておく。このA/Nリソース候補は、
図16におけるA〜DおよびW〜Zである。これらの通知には、RRC制御信号などが用いられる。
【0131】
ステップ(2):基地局100は、各サブフレームにおいてデータを割り当てる端末200を決定し、PDSCH内にスケジューリングする。スケジューリングには、各端末200へのトラフィック量に加え、端末200が送信するCSIフィードバックまたはサウンディング参照信号(SRS)なども利用される。
【0132】
ステップ(3):基地局100は、スケジューリング結果を含む制御情報を各端末200宛に生成し、それらをPDCCHまたはE−PDCCHにスケジューリングする。基地局100は、複数のE−PDCCH PRB setが設定された端末200に対しては、E−PDCCHを送信するPRB setを決定し、そのPRB setの中でスケジューリングを行う。
【0133】
また、基地局100は、スケジューリングしたすべての端末200間で、A/Nリソースの衝突が起こらないか確認する。A/Nリソースの衝突が起こる場合には、基地局100は、PDCCHのスケジューリング結果、E−PDCCHのARIの値、E−PDCCHのPRB setなどを変えることにより、A/Nリソースの衝突を回避できるか調べる。基地局100は、A/Nリソースの衝突を回避できない場合、衝突が起こる端末200に対するスケジューリングを諦める(割り当てブロック)。
【0134】
ステップ(4):基地局100は、全端末200の制御情報マッピングが終了したら、PDCCHおよびE−PDCCHの制御情報とPDSCHの下りデータとを下り回線で無線送信する。
【0135】
ステップ(5):端末200は、受信信号から自端末宛の制御情報を得て、データ信号の抽出および復号を行う。特にE−PDCCHで制御情報が送信されている可能性がある端末200は、事前に設定され、使用され得る1つまたは複数のPRB setのうち、いずれのPRB setで送信されているかも確認する。また、端末200は、制御情報をもとに受信データ信号に対応するA/N信号を送信する符号および周波数のリソースを特定する。特にE−PDCCH端末200は、自端末宛のE−PDCCHが送信されたPRB setとE−PDCCHに含まれるARIの値とに基づき、RRCで事前に通知されたA/Nリソース候補の何れを用いるかを決定する(例えば
図17参照)。
【0136】
ステップ(6):端末200は、データ信号の判定結果に応じてACKまたはNACKを特定し、上記のように特定したA/Nリソース(符号および周波数のリソース)を用いてA/N信号を送信する。
【0137】
[効果]
以上のように、実施の形態2の基地局100および端末200によれば、複数のE−PDCCH PRB setが設定された端末200に対して、ARIのビット数を増加させることなく、A/Nリソース候補の数を増やすことができる。さらに、実施の形態2によれば、複数のPRB setが設定された端末200が選択可能なA/Nリソース候補の数が増えたことで、単一のPRB setしか設定されていない端末200のA/Nリソースが割り当てブロックとなる確率も低減することができる。
【0138】
反対に、端末200の数が少ない場合、または、同一サブフレームにおいて下り回線で割り当てる端末200の数が少ない場合など、A/Nリソースの数が割り当てる端末200の数に対して多いときには、使用するA/Nリソースを、例えばA〜Dに制限することにより、使用するPRB set数を減らすことができる。これにより、データを送信する下り回線PRBの数を多くすることができるので、端末あたりのスループットを高めることができる。
【0139】
また、実施の形態2によれば、通信環境または端末状況などに応じてE−PDCCH端末に使用され得るPRB setを追加することにより、A/Nリソース候補の数を、必要に応じて段階的に増やすことができる。
【0140】
また、実施の形態1によれば、A/Nリソース候補、すなわち
図16におけるA〜D、W〜Zは全てRRC制御情報などにより事前に通知されたA/Nリソースである。したがって、eCCE番号等、E−PDCCHがスケジューリングされたリソースによりA/Nリソースが決定される、式(2)のような割り当て法と比較して、基地局100は容易にA/Nリソースを調整できる。また、これにより基地局100の回路規模を削減できる。
【0141】
(変形例1)
なお、実施の形態2の通信システムは、次のような変更を行っても同様の効果を得ることができる。
【0142】
E−PDCCHのPRB setによって、ARIのビット数を変えてもよい。例えばPRB set Aで送信されたE−PDCCHに含まれるARIのビット数は2ビット、PRB set Bで送信されたE−PDCCHに含まれるARIのビット数は1ビット、などである。あるいは、PRB setによっては、ARIを0ビットとしてもよい。このとき、RRC制御情報として通知された1つのA/Nリソースを使用する。
【0143】
このようにすることで、実施の形態2と同様の効果に加え、ARIのビット数を低減することによるオーバーヘッド低減効果も得ることができる。例えば、PRB set Aは高頻度にE−PDCCHに用いられ、PRB set Bは少ないE−PDCCH端末のみに使用されるような運用では、PRB set BでE−PDCCHを送信する端末200は少ないので、PRB set AのARIビット数を多くし、PRB set BのARIビット数を少なくすることができる。このときARIビット分のオーバーヘッドが低減できるが、PRB set BのE−PDCCH端末は少ないので、ARIビット数を減らしたことによる割り当てブロック率の劣化は小さく抑えることができる。一方、同じ運用においても、割り当てブロック率の劣化よりもARIビットのオーバーヘッドを低減することが優先される環境では、反対にPRB set AのARIビット数を少なくし、PRB set BのARIビット数を多くしてもよい。これにより、実施の形態1と同等の効果を達成しつつ、PRB set AのARIビット数を少なくして制御情報に含まれる情報ビット数を減らすことで、E−PDCCH PRB set Aの受信品質を改善することができる。
【0144】
(変形例2)
なお、実施の形態2の通信システムは、次のような変更を行っても、同様の効果を得ることができる。
【0145】
E−PDCCHのPRB set毎に、ARIにより指定可能なA/Nリソース候補の範囲を限定してもよい。
【0146】
このようにすることで、実施の形態2と同様の効果に加え、A/Nリソース候補設定可能範囲を制限することによるRRC制御信号のオーバーヘッド低減効果も得ることができる。例えば、PRB set Aは高頻度にE−PDCCHに用いられるPRB setであり、PRB set Bは少ないE−PDCCH端末のみに使用されるPRB setであるような運用では、PRB set BでE−PDCCHを送信する端末200は少ない。そこで、PRB set AのA/Nリソース候補設定可能範囲を広くとり、PRB set BのA/Nリソース候補設定可能範囲を狭くすることで、実施の形態2と同様の効果を得つつ、RRCのオーバーヘッドを低減できる。一方、同じ運用であっても、PRB set AのA/Nリソース候補設定可能範囲を狭くとり、PRB set BまたはCのA/Nリソース候補設定可能範囲を広くとってもよい。この場合、割り当てブロックが起こらない限り設定範囲の狭いPRB set Aを用いるので、PUSCHに割当可能なリソースを確保し、上り回線スループットを改善できる。
【0147】
[バリエーション]
実施の形態2では、あるPRBが、2つ以上の異なるPRB setに含まれる可能性がある。
図18に例を示す。このように、いずれのPRB setにも含まれるPRBでE−PDCCHが送信されたとき、端末200は、ARIと2つのPRB setで定まる2つのA/Nリソースのうち、いずれを用いればよいか判別することができない。基地局100は、端末200がいずれのA/Nリソースを用いて送信するか分からないため、2つのA/Nリソース両方とも端末200のために予約しなければならない。これは、A/Nリソースの利用効率を劣化につながる。
【0148】
そこで実施の形態2では、いずれのPRB setにも含まれるPRBでE−PDCCHが送受信されたとき、必ずPRB set Aから送信されたとみなすように規定することで、上述した判別できないという問題を解決できる。これにより、端末200がPRB setの設定に関わらず、必ずARIで指定するA/Nリソースを1つに定めることができるので、PUCCHリソースの利用効率劣化を防ぐことができる。
【0149】
なお、実施の形態2では、いずれのPRB setにも含まれるPRBでE−PDCCHが送受信されたとき、PRB setに含まれるPRBの周波数間隔が小さい方のPRB setに対応するA/Nリソースを使用する、としてもよい。PRB setの周波数間隔は、広がりが大きいほど周波数ダイバーシチ効果が高いため、さまざまな通信環境、通信品質のE−PDCCH端末が受信できる。したがって、主に周波数間隔の広がりが大きいPRB setを使用する運用が考えられる。このような場合には、周波数間隔が大きいPRB setほど多くの端末200を収容している可能性が高い。したがって、いずれのPRB setにも含まれるPRBでE−PDCCHが送受信されたとき、PRB setに含まれるPRBの周波数間隔が小さい方のPRB setに対応するA/Nリソースを使用することにより、A/Nリソースの衝突確率を下げることができる。また、このようにすることで、PRB setに含まれるPRBの周波数間隔が大きい方のPRB setに対応するA/Nリソースが使用可能となるので、より多くの端末200を収容することが可能となる。
【0150】
あるいは、実施の形態2では、いずれのPRB setにも含まれるPRBでE−PDCCHが送受信されたとき、PRB setに含まれるPRBの周波数間隔が大きい方のPRB setに対応するA/Nリソースを使用する、としてもよい。セル内のE−PDCCH端末200の通信環境および通信品質が比較的良く、大きな周波数ダイバーシチ効果を必要としない運用では、周波数間隔の広がりが小さいPRB setを使用した方が、下り回線のPDSCHの連続帯域を大きくとることができるため、端末あたり高い下りスループットを達成することができる。したがって、この場合には周波数間隔の広がりが小さいPRB setを主に使用する運用が考えられる。このような場合には、周波数間隔が小さいPRB setほど多くの端末200を収容している可能性が高い。したがって、いずれのPRB setにも含まれるPRBでE−PDCCHが送受信されたとき、PRB setに含まれるPRBの周波数間隔が大きい方のPRB setに対応するA/Nリソースを使用することにより、A/Nリソースの衝突可能性を下げることができる。また、このようにすることで、PRB setに含まれるPRBの周波数間隔が小さい方のPRB setに対応するA/Nリソースが使用可能となるので、より多くの端末200を収容することが可能となる。
【0151】
(実施の形態3)
[通信システムの概要]
実施の形態3では、E−PDCCHは、端末に対して1つまたは複数のPRBにより構成されるサーチスペース(SS:Search Space)により送受信される。当該端末では、設定されたサーチスペースの中でE−PDCCHが受信される。
【0152】
また、各E−PDCCH端末に対し、1つまたは複数のサーチスペースが設定される。多くの端末200にとって共通のサーチスペースは共通サーチスペース(CSS:Common Search Space)と呼ばれ、1つまたは少ない端末200にとってのみ共通のサーチスペースはUE固有サーチスペース(USS:UE-specific Search Space)と呼ばれる。設定されたサーチスペースの情報は、RRC制御情報などにより基地局100から端末200に通知される。設定されるサーチスペースの数は、端末ごとに変えることができる。
【0153】
図19は、サブフレーム内にCSSおよびUSSの2つが設定された例を表している。CSSは、E−PDCCHの平均受信信号対干渉雑音電力比(SINR)が低い端末200または高い精度でE−PDCCHの周波数スケジューリングができない端末200も収容されるため、PRB間隔を広くとり、周波数ダイバーシチ効果を得られるように配置される可能性が高い。一方、USSは、CSSで収容する必要のない端末200、または、周波数スケジューリング効果を得られる端末が収容されるため、PRB間隔を狭くとり、特定の周波数帯域に集中して配置される可能性が高い。サーチスペースを設定するPRBは、端末200ごとに設定可能であってもよいし、予め定められた設定であってもよい。
【0154】
以下では説明が煩雑になることを避けるために、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付して、実施の形態2との差分のみ説明する。
【0155】
[基地局の構成]
基地局100の構成は、主に、制御部110の処理内容が異なるだけで、他は実施の形態1と同様である。制御部110の処理内容については続く動作の説明で詳述する。
【0156】
[端末の構成]
端末200の構成は、主に、制御部220の処理内容が異なるだけで、他は実施の形態1と同様である。制御部220の処理内容については続く動作の説明で詳述する。
【0157】
[動作]
本実施の形態3の基地局100及び端末200の処理フローをステップ(1)〜(6)で説明する。
【0158】
図20は、CSSとUSSの2つが設定された場合に、E−PDCCHに含まれるARIと、E−PDCCHのサーチスペースにより定まるA/Nリソースを表した表である。
【0159】
ステップ(1):基地局100は、PDSCHの送受信よりも前に、E−PDCCHで制御情報を送信し得る端末200に対し、サーチスペースの設定を通知しておく。なお、全てのE−PDCCH端末に使用され得るCSSの設定情報は、あらかじめ規定されているとしてもよい。また、サーチスペースの設定およびサーチスペースの個数は、個別端末200ごとに定められる。例えば
図19において、ある端末200にはCSSおよびUSSが設定され、ある端末200にはCSSのみが設定される。また、基地局100は、PDSCHの送受信よりも前に、ARIの値とサーチスペースとによって定まるA/Nリソース候補を通知しておく。このA/Nリソース候補は、
図20におけるA〜DおよびW〜Zである。これらの通知には、RRC制御信号などが用いられる。
【0160】
ステップ(2):基地局100は、各サブフレームにおいてデータを割り当てる端末200を決定し、PDSCH内にスケジューリングする。スケジューリングには、各端末200へのトラフィック量に加え、端末200が送信するCSIフィードバックまたはサウンディング参照信号(SRS)なども利用される。
【0161】
ステップ(3):基地局100は、スケジューリング結果を含む制御情報を各端末200宛に生成し、それらをPDCCHまたはE−PDCCHにスケジューリングする。基地局100は、複数のサーチスペースが設定された端末200に対しては、E−PDCCHを送信するサーチスペースを決定し、そのサーチスペースの中でスケジューリングを行う。
【0162】
また、基地局100は、スケジューリングしたすべての端末200間で、A/Nリソースの衝突が起こらないか確認する。A/Nリソースの衝突が起こる場合には、基地局100は、PDCCHのスケジューリング結果、E−PDCCHのARIの値、E−PDCCHのサーチスペースなどを変えることにより、A/Nリソースの衝突を回避できるか調べる。基地局100は、A/Nリソースの衝突を回避できない場合、衝突が起こる端末200に対するスケジューリングを諦める(割り当てブロック)。
【0163】
ステップ(4):基地局100は、全端末200の制御情報マッピングが終了したら、PDCCHおよびE−PDCCHの制御情報とPDSCHの下りデータとを下り回線で無線送信する。
【0164】
ステップ(5):端末200は、受信信号から自端末宛の制御情報を得て、データ信号の抽出および復号を行う。特にE−PDCCHで制御情報が送信されている可能性がある端末200は、事前に設定され、使用され得る1つまたは複数のサーチスペースのうち、いずれのサーチスペースで送信されているかも確認する。また、端末200は、制御情報をもとに受信データ信号に対応するA/N信号を送信する符号および周波数のリソースを特定する。特にE−PDCCH端末200は、自端末宛のE−PDCCHが送信されたサーチスペースとE−PDCCHに含まれるARIの値とに基づき、RRCで事前に通知されたA/Nリソース候補の何れを用いるかを決定する(例えば
図21参照)。
【0165】
ステップ(6):端末200は、データ信号の判定結果に応じてACKまたはNACKを特定し、上記のように特定したA/Nリソース(符号および周波数のリソース)を用いてA/N信号を送信する。
【0166】
[効果]
以上のように、実施の形態3の基地局100および端末200によれば、複数のE−PDCCHサーチスペースが設定された端末200に対して、ARIのビット数を増加させることなく、A/Nリソース候補の数を増やすことができる。さらに、実施の形態3によれば、複数のサーチスペースが設定された端末200が選択可能なA/Nリソース候補の数が増えたことで、単一のサーチスペースしか設定されていない端末200のA/Nリソースが割り当てブロックとなる確率を低減することができる。
【0167】
反対に、端末200の数が少ない場合、または、同一サブフレームにおいて下り回線で割り当てる端末200の数が少ない場合など、A/Nリソースの数が割り当てる端末200の数に対して多いときには、使用するA/Nリソースを、例えばA〜Dに制限することにより、使用するサーチスペースの数を減らすことができる。これにより、データを送信する下り回線PRBの数を多くすることができるので、端末あたりのスループットを高めることができる。
【0168】
また、実施の形態3によれば、通信環境または端末状況などに応じてE−PDCCH端末に使用され得るサーチスペースを追加設定することにより、A/Nリソース候補の数を、必要に応じて段階的に増やすことができる。
【0169】
また、実施の形態3によれば、A/Nリソース候補、すなわち
図20におけるA〜D、W〜Zは全てRRC制御情報などにより事前に通知されたA/Nリソースである。したがって、eCCE番号等、E−PDCCHがスケジューリングされたリソースによりA/Nリソースが決定される、式(2)のような割り当て法と比較して、基地局100は容易にA/Nリソースを調整できる。また、これにより基地局100の回路規模を削減できる。
【0170】
(変形例1)
なお、実施の形態3の通信システムは、次のような変更を行っても同様の効果を得ることができる。
【0171】
E−PDCCHのサーチスペースによって、ARIのビット数を変えてもよい。例えばCSSで送信されたE−PDCCHに含まれるARIのビット数は2ビット、USSで送信されたE−PDCCHに含まれるARIのビット数は1ビット、などである。あるいは、サーチスペースによっては、ARIを0ビットとしてもよい。このとき、RRC制御情報として1つのA/Nリソースを必ず使用する。
【0172】
このようにすることで、実施の形態3と同様の効果に加え、CSSのオーバーヘッドを低減し、CSSで送信されるE−PDCCHの受信品質を高めることができる。また、CSSのカバレッジを拡大し、様々な平均受信SINRの端末がE−PDCCHを受信可能となる。反対に、カバレッジの拡大が不要な運用においては、CSSに含まれるARIのビット数を多くすることで、CSSでE−PDCCHを送受信する端末200のA/Nリソース選択の自由度を高め、割り当てブロック率を小さくすることができる。
【0173】
(変形例2)
なお、実施の形態3の通信システムは、次のような変更を行っても、同様の効果を得ることができる。
【0174】
E−PDCCHが送受信されるサーチスペース毎に、ARIにより指定可能なA/Nリソース候補の範囲を限定してもよい。
【0175】
このようにすることで、実施の形態3と同様の効果に加え、A/Nリソース候補設定可能範囲を制限することによるRRC制御信号のオーバーヘッド低減効果も得ることができる。例えば、CSSは高頻度にE−PDCCHに用いられるサーチスペースであり、USSは少ないE−PDCCH端末のみに使用されるサーチスペースであるような運用では、USSでE−PDCCHを送信する端末200は少ない。そこで、CSSのA/Nリソース候補設定可能範囲を広くとり、USSのA/Nリソース候補設定可能範囲を狭くすることで、実施の形態3と同様の効果を得つつ、RRCのオーバーヘッドを低減できる。一方、同じ運用であっても、CSSのA/Nリソース候補設定可能範囲を狭くとり、USSのA/Nリソース候補設定可能範囲を広くとってもよい。この場合、割り当てブロックが起こらない限り設定範囲の狭いCSSを用いるので、PUSCHに割当可能なリソースを確保し、上り回線スループットを改善できる。また、USSは高頻度でE−PDCCHに用いられるサーチスペースであり、CSSは少ないE−PDCCH端末のみに使用されるサーチスペースであるような運用では、USSでE−PDCCHを送信する端末200が多い。そこで、USSのA/Nリソース候補設定可能範囲を広くとり、CSSのA/Nリソース候補設定可能範囲を狭くすることで、実施の形態3と同様の効果を得つつ、RRCのオーバーヘッドを低減できる。
【0176】
[バリエーション]
実施の形態3では、あるPRBが、2つ以上のサーチスペースに同時に含まれる可能性がある。いずれのサーチスペースにも含まれるPRBでE−PDCCHが送信されたとき、端末200は、ARIとサーチスペースとで定まる複数のA/Nリソースのうち、いずれを用いればよいか判別することができない。基地局100は、端末200がいずれのA/Nリソースを用いて送信するか分からないため、2つのA/Nリソース両方とも端末200のために予約しなければならない。これは、A/Nリソースの利用効率を劣化させてしまう。
【0177】
そこで実施の形態3では、いずれのサーチスペースにも含まれるPRBでE−PDCCHが送受信されたとき、必ずCSSから送信されたとみなすように規定することで、上述した判別できないという問題を解決できる。これにより、端末200がサーチスペースの設定に関わらず、必ずARIで指定するA/Nリソースを1つに定めることができるので、PUCCHリソースの利用効率劣化を防ぐことができる。
【0178】
なお、実施の形態3では、いずれのサーチスペースにも含まれるPRBでE−PDCCHが送受信されたとき、USSに対応するA/Nリソースを使用する、としてもよい。CSSは広い範囲で受信されるE−PDCCHであるため、対応するA/Nリソースも今頻度に使用されている可能性がある。そこでいずれのサーチスペースにも含まれるPRBでE−PDCCHが送受信されたとき、USSに対応するA/Nリソースを使用する、とすることで、空いている可能性の高いA/Nリソースを割り当てることができるので、A/Nリソースの衝突確率を下げることができる。また、このようにすることで、CSSのA/Nリソースが使用可能となるので、より多くの端末200を収容することが可能となる。
【0179】
(実施の形態4)
[通信システムの概要]
実施の形態4では、E−PDCCHは、端末に対してDistributedモードまたはLocalizedモードにより送受信される。Distributedモードとは、E−PDCCHが2つ以上のPRBにまたがって配置および送信されるモードであり、Localizedモードとは、1つのPRBに配置および送信されるモードである。
【0180】
各E−PDCCH端末には、DistributedモードおよびLocalizedモードの両方か、または、いずれか一方が設定される。Distributedモードは複数のPRBに単一の制御情報が配置されるため、高い周波数ダイバーシチ効果が得られる。Localizedモードは単一のPRBのみに制御情報が配置されるため、周波数ダイバーシチ効果は小さいものの、周波数スケジューリング効果および干渉回避効果が得られる。いずれの送信モードが使用され得るか、という情報は、RRC制御情報などにより基地局100から端末200に通知される。
【0181】
図22は、DistributedモードとLocalizedモードで送信されたE−PDCCHがサブフレーム内に存在する場合の例を表している。Distributedモードでは、広がったPRBを用いるため、周波数ダイバーシチ効果を得ることができる。一方、Localizedモードでは、単一のPRBで制御情報が送信されることから、周波数ダイバーシチ効果は得られないものの、周波数スケジューリング効果および干渉回避効果を得ることができる。
【0182】
以下では説明が煩雑になることを避けるために、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付して、実施の形態3との差分のみ説明する。
【0183】
[基地局の構成]
基地局100の構成は、主に、制御部110の処理内容が異なるだけで、他は実施の形態1と同様である。制御部110の処理内容については続く動作の説明で詳述する。
【0184】
[端末の構成]
端末200の構成は、主に、制御部220の処理内容が異なるだけで、他は実施の形態1と同様である。制御部220の処理内容については続く動作の説明で詳述する。
【0185】
[動作]
本実施の形態4の基地局100及び端末200の処理フローをステップ(1)〜(6)で説明する。
【0186】
図23は、DistributedモードとLocalizedモードの2つが設定された場合に、E−PDCCHに含まれるARIと、E−PDCCHのサーチスペースにより定まるA/Nリソースを表した表である。
【0187】
ステップ(1):基地局100は、PDSCHの送受信よりも前に、E−PDCCHで制御情報を送信する可能性のある端末200に対し、E−PDCCHの使用を通知しておく。なお、E−PDCCHで送信しない端末200には、特に通知を行わなくても良い。端末200も、特に通知が無い、または認識できない場合には、PDCCHで制御情報が送信されるものとして制御情報を受信する。また、E−PDCCHで制御情報を送信する可能性がある端末200には、PDSCHの送受信よりも前に、使用する可能性のある送信モードの設定情報を通知しておく。例えば、ある端末200にはDistributedモードとLocalizedモードの両方が設定され、ある端末200にはいずれか片方、例えばDistributedモードのみが設定される。また、基地局100は、PDSCHの送受信よりも前に、ARIの値とE−PDCCHを送受信する送信モードとによって定まるA/Nリソース候補を通知しておく。このA/Nリソース候補は、
図23におけるA〜D、W〜Zである。これらの通知には、RRC制御信号などが用いられる。
【0188】
ステップ(2):基地局100は、各サブフレームにおいてデータを割り当てる端末200を決定し、PDSCH内にスケジューリングする。スケジューリングには、各端末200へのトラフィック量に加え、端末200が送信するCSIフィードバックまたはサウンディング参照信号(SRS)なども利用される。
【0189】
ステップ(3):基地局100は、スケジューリング結果を含む制御情報を各端末200宛に生成し、PDCCHおよびE−PDCCHをスケジューリングする。E−PDCCHで複数のサーチスペースが設定された端末200に対しては、送信に使用する送信モードも定められる。
【0190】
また、基地局100は、スケジューリングしたすべての端末200間で、A/Nリソースの衝突が起こらないか確認する。A/Nリソースの衝突が起こる場合には、基地局100は、PDCCHのスケジューリング結果、E−PDCCHのARIの値、E−PDCCHの送信モードなどを変えることにより、A/Nリソースの衝突を回避できるか調べる。基地局100は、A/Nリソースの衝突を回避できない場合、衝突が起こる端末200に対するスケジューリングを諦める(割り当てブロック)。
【0191】
ステップ(4):基地局100は、全端末200の制御情報スケジューリングが終了したら、PDCCHおよびE−PDCCHの制御情報とPDSCHの下りデータとを下り回線で無線送信する。
【0192】
ステップ(5):端末200は、受信信号から自端末宛の制御情報を得て、データ信号の抽出および復号を行う。特にE−PDCCHで制御情報が送信されている可能性がある端末200は、事前に設定され、使用され得る1つまたは複数の送信モードのうち、いずれの送信モードで送信されたかも確認する。また、端末200は、制御情報をもとに受信データ信号に対応するA/N信号を送信する符号および周波数のリソースを特定する。特にE−PDCCH端末200は、自端末宛のE−PDCCHが送信された送信モードとE−PDCCHに含まれるARIの値とに基づき、RRCで事前に通知されたA/Nリソース候補の何れを用いるかを決定する(例えば
図24参照)。
【0193】
ステップ(6):端末200は、データ信号の判定結果に応じてACKまたはNACKを特定し、上記のように特定したA/Nリソース(符号および周波数のリソース)を用いてA/N信号を送信する。
【0194】
[効果]
以上のように、実施の形態4の基地局100および端末200によれば、複数のE−PDCCHの送信モードが設定された端末200に対して、ARIのビット数を増加させることなく、A/Nリソース候補の数を増やすことができる。さらに、実施の形態4によれば、複数の送信モードが設定された端末200が選択可能なA/Nリソース候補の数が増えたことで、単一の送信モード、例えばDistributedモードしか設定されていない端末200のA/Nリソースが割り当てブロックとなる確率を低減することができる。
【0195】
反対に、端末200の数が少ない場合、または、同一サブフレームにおいて下り回線で割り当てる端末200の数が少ない場合など、A/Nリソースの数が割り当てる端末200の数に対して多いときには、使用するA/Nリソースを、例えばA〜Dに制限することにより、使用する送信モードを限定することができる。例えば送信モードをDistributedモードに限定することにより、いずれの端末200のE−PDCCHも周波数ダイバーシチ効果を得られるので、E−PDCCHの高品質受信を実現できる。また、反対に、送信モードをLocalizedモードに限定することにより、いずれの端末200のE−PDCCHも単一PRBで送信されるので、E−PDCCHに使用されるPRBの総数を減らすことができる。これにより、PDSCHに使用できるPRB数を増やすことができ、端末あたりの下り回線スループットを向上することができる。
【0196】
また、実施の形態4によれば、通信環境または端末状況などに応じてE−PDCCH端末に使用され得る送信モードを追加設定することにより、A/Nリソース候補の数を、必要に応じて段階的に増やすことができる。
【0197】
また、実施の形態4によれば、A/Nリソース候補、すなわち
図23におけるA〜D、W〜Zは全てRRC制御情報などにより事前に通知されたA/Nリソースである。したがって、eCCE番号等、E−PDCCHがスケジューリングされたリソースによりA/Nリソースが決定される、式(2)のような割り当て法と比較して、基地局100は容易にA/Nリソースを調整できる。また、これにより基地局100の回路規模を削減できる。
【0198】
[バリエーション]
実施の形態4では、E−PDCCHで送信される制御信号がeCCE等の単位リソースを1つしか使用しない場合、すなわちAggregation levelが1である場合には、Localizedモードで送信されたとみなしてA/Nリソースを決定するようにしてもよい。周波数ダイバーシチ効果が高く、多くの端末200が受信できるDistributedモードの方が、収容される端末数が多い可能性が高い。したがって、Aggregation levelが1の場合にはLocalizedモードで送信されたとみなしてA/Nを決定することにより、A/Nリソースの割り当てブロック確率を低減することができる。
【0199】
(変形例1)
なお、実施の形態4の通信システムは、次のような変更を行っても同様の効果を得ることができる。
【0200】
E−PDCCHの送信モードによって、ARIのビット数を変えてもよい。例えばDistributedモードで送信されたE−PDCCHに含まれるARIのビット数は2ビット、Localizedモードで送信されたE−PDCCHに含まれるARIのビット数は1ビット、などである。あるいは、送信モードによっては、ARIを0ビットとしてもよい。ARIが0ビットのときには、RRC制御情報として与えられた1つのA/Nリソースを必ず使用する。
【0201】
このようにすることで、実施の形態4と同様の効果に加え、ARIのビット数を低減することによるオーバーヘッド低減効果も得ることができる。Distributedモードでより多くの端末にE−PDCCHを送信する運用では、DistributedモードのE−PDCCH含まれるARIビット数をLocalizedモードの場合よりも多くすることで、ARIビット数低減の影響を押さえつつ、割り当てブロック率を低減することができる。反対に、積極的にLocalizedモードでE−PDCCHを送信する運用では、LocalizedモードのE−PDCCHに含まれるARIビット数をDistributedモードの場合よりも多くすることで、ARIビット数低減の影響を押さえつつ、割り当てブロック率を低減することができる。
【0202】
(変形例2)
なお、実施の形態4の通信システムは、次のような変更を行っても、同様の効果を得ることができる。
【0203】
E−PDCCHが送受信される送信モード毎に、ARIにより指定可能なA/Nリソース候補の範囲を限定してもよい。
【0204】
このようにすることで、実施の形態4と同様の効果に加え、A/Nリソース候補設定可能範囲を制限することによるRRC制御信号のオーバーヘッド低減効果も得ることができる。例えば、Distributedモードは高頻度にE−PDCCHに用いられ、Localizedモードは少ないE−PDCCH端末のみに使用される運用では、LocalizedモードでE−PDCCHを受信する端末200は少ない。そこで、DistributedモードのA/Nリソース候補設定可能範囲を広くとり、LocalizedモードのA/Nリソース候補設定可能範囲を狭くすることで、実施の形態4と同様の効果を得つつ、RRCのオーバーヘッドを低減できる。
【0205】
(実施の形態5)
実施の形態5では、E−PDCCHは、端末に設定された1つまたは複数のComponent Carrier(CC)のうち、いずれか1つで送受信される。ここで、E−PDCCHを受信する端末200には、E−PDCCHの送信に使用されるCCとして1つまたは複数が設定されているものとする。基地局100は、PDSCHの送信よりも前に、端末200に対し、ARIの値と、E−PDCCHが送信されるCCとによって決定するA/Nリソースを通知しておく。
【0206】
実施の形態5では、基地局100は、E−PDCCH端末200が使用するA/Nリソースを、E−PDCCHに含まれるARIの値と、E−PDCCHが送信されたCCとによって決定する。そして、実施の形態1〜4と同様に、端末200は、受信したE−PDCCHに含まれるARIの値、および、E−PDCCHがいずれのCCから検出されたか、に基づいて、使用するA/Nリソースを、予め通知されたA/Nリソース候補の中から選択する。例えば
図25のようにE−PDCCHを送受信するCCとして2つが設定されており、E−PDCCHがCC1またはCC2から送信される場合、端末200は、ARIの値、および、E−PDCCHがCC1、CC2の何れから送信されたか、によって使用するA/Nリソースを決定する。
【0207】
以上のように、実施の形態5の基地局100および端末200によれば、複数のCCが設定された端末200に対して、ARIのビット数を増加させることなく、A/Nリソース候補の数を増やすことができる。さらに、実施の形態5によれば、複数のCCが設定された端末200が選択可能なA/Nリソース候補の数が増えたことで、単一のCCしか設定されていない端末200のA/Nリソースが割り当てブロックとなる確率を低減することができる。
【0208】
また、実施の形態5によれば、ARIとCCとにより選択され得るA/Nリソースは、全てRRC制御情報などにより事前に通知されたリソースである。したがって、eCCE番号等、E−PDCCHがスケジューリングされたリソースによりA/Nリソースが決定される、式(2)のような割り当て法と比較して、基地局100は容易にA/Nリソースを調整できる。また、これにより基地局100の回路規模を削減できる。
【0209】
(実施の形態6)
実施の形態6では、E−PDCCHは、干渉コーディネーションサブフレームまたはノーマルサブフレームのいずれかで送信される。
図26に干渉コーディネーションサブフレームとノーマルサブフレームの両方を送受信する例を示す。干渉コーディネーションサブフレームでは、一部または全ての基地局100は、小さな電力で送信を行う。基地局100は、一部またはすべての端末200に対し、干渉コーディネーションサブフレームとノーマルサブフレームとの時間関係を、RRC制御情報などにより予め通知しておく。
【0210】
実施の形態6では、E−PDCCH端末200が使用するA/Nリソースは、E−PDCCHに含まれるARIの値、および、E−PDCCHが干渉コーディネーションサブフレームで送信されたかノーマルサブフレームで送信されたか、によって決定される。基地局100は、PDSCHの送信よりも前に、端末200に対し、ARIの値とE−PDCCHが送信されたサブフレームの種類とによって決定するA/Nリソースを予め通知しておく。そして、実施の形態1〜4と同様に、端末200は、受信したE−PDCCHに含まれるARIの値、および、E−PDCCHがいずれのサブフレームで受信されたか、によって、使用するA/Nリソースを、予め通知されたA/Nリソース候補の中から選択する。
【0211】
以上のように、実施の形態6の基地局100および端末200によれば、干渉コーディネーションサブフレームの情報が通知された端末200に対して、ARIのビット数を増加させることなく、A/Nリソース候補の数を増やすことができる。さらに、実施の形態6によれば、干渉コーディネーションサブフレームが設定された端末200が選択可能なA/Nリソース候補の数が増えたことで、ノーマルサブフレームしか設定されていない端末200のA/Nリソースが割り当てブロックとなる確率を低減することができる。
【0212】
また、実施の形態6によれば、ARIとサブフレームの種類とにより選択され得るA/Nリソースは、全てRRC制御情報などにより事前に通知されたリソースである。したがって、eCCE番号等、E−PDCCHがスケジューリングされたリソースによりA/Nリソースが決定される、式(2)のような割り当て法と比較して、基地局100は容易にA/Nリソースを調整できる。また、これにより基地局100の回路規模を削減できる。
【0213】
[バリエーション1]
実施の形態6では、干渉コーディネーションはサブフレーム単位で行っている場合について説明したが、干渉コーディネーションがPRB単位で行われている場合でも、実施の形態6を用いることで同様の効果を達成することができる。この場合、端末200は、E−PDCCHが干渉コーディネーションPRBかノーマルPRBかということと、ARIの値とに基づいて、A/Nリソースを決定する。
【0214】
この場合、実施の形態6の効果に加えて、干渉コーディネーションを行うか否かがPRB単位で設定されるので、同一サブフレームの中でもPRBによって使用するA/Nリソースを変えることができる。
【0215】
[バリエーション2]
実施の形態6では、干渉コーディネーションサブフレームであるかノーマルサブフレームであるか、をA/Nリソース決定に用いる場合について説明した。しかし、E−PDCCHが送受信されたサブフレームが、ブロードキャスト型(MBSFN)サブフレームであるかノーマルサブフレームであるか、をA/Nリソース決定に用いても、実施の形態6と同じ効果を得ることができる。なお、MBSFNサブフレームであるか否かはセル固有参照信号(CRS)がPDCCH時間領域にのみ有るか、そうでないかにより定まる(例えば
図27参照)。どのサブフレームがMBSFNサブフレームであるか、という情報は、基地局100から端末200に予め通知される。なお、バリエーション1と同様に、MBSFNはサブフレーム単位でなくPRB単位であってもよい。PRB単位であれば、全てのサブフレームでARIのビット数を増加させることなく、A/Nリソース候補の数を増やすことができる。
【0216】
[バリエーション3]
または、E−PDCCHが送受信されたサブフレームが、CRSを含むサブフレーム(w/ CRS)であるか、CRSを含まないサブフレーム(w/o CRS)であるか、をA/Nリソース決定に用いても、実施の形態6と同じ効果を得ることができる(例えば、
図28参照)。バリエーション1および2と同様に、CRSを含むか否かは、サブフレーム単位でなく、PRB単位であってもよい。PRB単位であれば、全てのサブフレームでARIのビット数を増加させることなく、A/Nリソース候補の数を増やすことができる。
【0217】
[バリエーション4]
あるいは、E−PDCCHが送受信されたサブフレームが、Semi−staticな下り回線送信を割り当てられたサブフレームか、DCIによる下り回線送信を割り当てられたサブフレームか、をA/Nリソース決定に用いても、実施の形態6と同じ効果を得ることができる。バリエーション1、2、3と同様に、Semi−staticな割り当てか否かは、サブフレーム単位でなく、PRB単位であってもよい。PRB単位であれば、全てのサブフレームでARIのビット数を増加させることなく、A/Nリソース候補の数を増やすことができる。
【0218】
なお、ここまで述べた実施の形態2〜6は、いずれか単独で用いるのではなく、複数を組み合わせて使用してもよい。組み合わせることにより、ARIのビット数を増やさずに、A/Nリソースの選択自由度をさらに高めることができる。
【0219】
(実施の形態7)
[通信システムの概要]
実施の形態7の通信システムは、
図29に示すように、1つまたは複数のノード(マクロ基地局、ピコ基地局)と複数の端末とから構成される。大きなセルを形成するマクロ基地局(以下、CoMPシナリオ4におけるマクロ基地局をマクロノード、ピコ基地局をピコノードと記載する)のセル内に、複数のピコノードが配置される。基地局は、複数のノードを用いて下り回線の協調送信および上り回線の協調受信を行うことができる。
【0220】
ピコ基地局は、RRH(Remote radio head)のようなものであっても良い。マクロ基地局とピコ基地局とは、光ファイバのような低遅延大容量インターフェースで接続され、CoMPセットを形成しているものとする。以下では説明が煩雑になることを避けるために、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付して、実施の形態1との差分のみ説明する。
【0221】
[基地局の構成]
基地局(マクロ基地局、ピコ基地局)100の構成は、主に、制御部110の処理内容が異なるだけで、他は実施の形態1と同様である。ただし、マクロセル内に複数の基地局100が配置され、前述のように、それらは低遅延大容量インターフェースで接続され、CoMPセットを形成している。制御部110の処理内容については続く動作の説明で詳述する。
【0222】
[端末の構成]
端末200の構成は、主に、制御部220の処理内容が異なるだけで、他は実施の形態1と同様である。制御部220の処理内容については続く動作の説明で詳述する。
【0223】
[動作]
本実施の形態7の基地局100及び端末200の処理フローをステップ(1)〜(6)で説明する。
【0224】
ステップ(1):基地局100は、PDSCHの送受信よりも前に、E−PDCCHで制御情報を送信する可能性のある端末200に対し、E−PDCCHの使用を通知しておく。なお、E−PDCCHで送信しない端末200には、特に通知を行わなくても良い。端末200も、特に通知が無い、または認識できない場合には、PDCCHで制御情報が送信されるものとして制御情報を受信する。また、E−PDCCHで制御情報を送信する可能性がある端末200には、PDSCHの送受信よりも前に、使用する可能性のあるE−PDCCHのConfigurationをRRC制御情報として通知しておく。また、基地局100は、PDSCHの送受信よりも前に、ARIの値とE−PDCCHのConfigurationとによって定まるA/Nリソース候補をRRC制御情報として通知しておく。このA/Nリソース候補は、
図30におけるA〜D、W〜Zである。さらに、基地局100は、各A/Nリソースに対応するバーチャルセルIDをRRC制御情報として通知しておく。ここで、バーチャルセルIDとは、PUCCHを送信する際に必要なベース系列の番号、系列ホッピングパターン、または、Cyclic Shift(CS)ホッピングパターンを決定するのに必要なIDである。Rel.10における従前のシステムでは、このIDはセルIDであり、セル内のすべての端末200間で共通のパラメータであったが、本実施の形態7では、バーチャルセルIDは端末200個別に設定可能なパラメータであるとする。
【0225】
ステップ(2):基地局100は、各サブフレームにおいてデータを割り当てる端末200を決定し、PDSCH内にスケジューリングする。スケジューリングには、各端末200へのトラフィック量に加え、端末200が送信するCSIフィードバックまたはサウンディング参照信号(SRS)なども利用される。
【0226】
ステップ(3):基地局100は、スケジューリング結果を含む制御情報を各端末200宛に生成し、PDCCHおよびE−PDCCHをスケジューリングする。複数のE−PDCCH Configurationが設定された端末200に対しては、E−PDCCH送信に使用するConfigurationも決定する。
【0227】
また、基地局100は、スケジューリングしたすべての端末200間で、A/Nリソースの衝突が起こらないか確認する。A/Nリソースの衝突が起こる場合には、基地局100は、PDCCHのスケジューリング結果、E−PDCCHのARIの値、E−PDCCHのConfigurationなどを変えることにより、A/Nリソースの衝突を回避できるか調べる。基地局100は、A/Nリソースの衝突を回避できない場合、衝突が起こる端末200に対するスケジューリングを諦める(割り当てブロック)。
【0228】
ステップ(4):基地局100は、全端末200の制御情報マッピングが終了したら、PDCCHおよびE−PDCCHの制御情報とPDSCHの下りデータとを下り回線で無線送信する。
【0229】
ステップ(5):端末200は、受信信号から自端末宛の制御情報を得て、データ信号の抽出および復号を行う。特にE−PDCCHで制御情報が送信されている可能性がある端末200は、使用され得る1つまたは複数のConfigurationのうち、いずれのConfigurationで送信されているかも確認する。また、端末200は、制御情報をもとに受信データ信号に対応するA/N信号を送信する符号および周波数のリソースを特定する。特にE−PDCCH端末200は、自端末宛のE−PDCCHのConfiguration、E−PDCCHに含まれるARIの値に基づき、RRCで事前に通知されたA/Nリソース候補の何れを用いるかを決定する。また、端末200は、当該A/Nリソースに対応するバーチャルセルIDも決定する。
図30に、E−PDCCHのConfigurationとARIとにより定まるA/Nリソースとそれに対応するバーチャルセルIDの例を示す。
図30ではバーチャルセルIDとしてVCID−0とVCID−1が設定されているが、全てのA/Nリソースに対して異なるバーチャルセルIDを設定してもよい。
【0230】
ステップ(6):端末200は、データ信号の判定結果に応じてACKまたはNACKを特定し、上記のように特定したA/Nリソース(符号および周波数のリソース)を用いてA/N信号を送信する。A/N信号の送信はPUCCHにより行われる。また、端末200は、上記A/Nリソースに対応するバーチャルセルIDを用いてPUCCHのベース系列番号、ベース系列ホッピングパターン、CSホッピングパターンを生成する。
【0231】
[効果]
実施の形態7では、実施の形態1の効果に加え、E−PDCCHのConfigurationに応じて異なるバーチャルセルIDによりPUCCHを生成できる。PUCCHのA/Nリソースは、バーチャルセルIDまたはセルIDが同一の端末200間でのみ直交できる。したがって、実施の形態7によれば、E−PDCCHのConfigurationごとに異なる端末200群と多重可能なA/N信号を送信できる。これにより、例えばマクロ基地局とピコ基地局との間に位置する端末200が、マクロ基地局で受信されるマクロ端末と多重受信可能なA/N信号と、ピコ基地局で受信されるピコ端末と多重可能なA/N信号と、をE−PDCCHのConfigurationに応じて生成することができる。
【0232】
E−PDCCHのConfigurationが異なる送信基地局に対応しているとき、実施の形態7によれば、A/N信号をE−PDCCHの送信局で受信するバーチャルセルIDに切り替えることができる。A/N信号は再送制御に用いる信号であるため、E−PDCCH送信基地局で受信することにより、遅延またはバックホールの負担を抑えて再送制御を行うことができる。
【0233】
バーチャルセルIDだけでなく、送信電力またはタイミングオフセット等のパラメータも、E−PDCCHのConfigurationによって動的に切り替えるよう設定してもよい。これにより、端末200からマクロ基地局までの距離と、端末200からピコ基地局までの距離とが大きく異なる場合であっても、A/N信号の受信局を切り替えて受信することができる。
【0234】
また、実施の形態7では、バーチャルセルIDは2つとしたが、片方はセル固有のID(セルID)であってもよい。これは、E−PDCCH送信基地局のうちいずれか一方は、下り回線で端末に接続しているセルである可能性が高いためである。このように一方を既知のセルIDとすることで、実施の形態7と同等の効果を得つつ、RRC制御信号のオーバーヘッドを低減することができる。
【0235】
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
【0236】
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0237】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0238】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0239】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0240】
以上、上記実施の形態に係る無線通信端末は、ACK/NACK指標を含んだ制御信号を、1つまたは複数のConfiguration候補の中からいずれか1つのConfigurationを用いて送信された拡張物理下り制御チャネル(E−PDCCH)を介して受信する受信部と、前記E−PDCCHの送受信に用いられたE−PDCCHのConfiguration情報および前記ACK/NACK指標に基づき、下りデータのACK/NACK信号に使用するリソースを、予め指定された指定リソースの中から選択する制御部と、選択された前記指定リソースを用いて前記ACK/NACK信号を送信する送信部と、を具備する構成を採る。
【0241】
これにより、複数のE−PDCCH Configurationが予め設定されている端末200に対して、ARIのビット数を増加させることなく、A/Nリソース候補の数を増やすことができる。これにより、単一のE−PDCCH Configurationしか設定されていない端末200でも割り当てブロック確率を低減できる。また、通信環境または端末状況などに応じてE−PDCCH端末に使用され得るConfigurationを追加することにより、A/Nリソース候補の数を、必要に応じて段階的に増やすことができる。
【0242】
また、上記実施の形態に係る無線通信端末では、前記ACK/NACK指標は、送信されるE−PDCCHのConfigurationにより異なる状態数を有しており、前記制御部は、E−PDCCHの送受信に用いられたConfiguration情報および前記ACK/NACK指標に基づき、下りデータのACK/NACK信号に使用するリソースを、予め指定された指定リソースの中から選択する。
【0243】
これにより、ACK/NACK指標によるACK/NACKリソース選択に要するビット数を低減し、オーバーヘッドを軽減できる。
【0244】
また、上記実施の形態に係る無線通信端末では、前記指定リソースは、E−PDCCHの送受信に用いられるConfigurationにより指定可能な範囲が異なり、前記制御部は、E−PDCCHの送受信に用いられたConfiguration情報および前記ACK/NACK指標に基づき、下りデータのACK/NACK信号に使用するリソースを、予め指定された指定リソースの中から選択する。
【0245】
これにより、ACK/NACKリソースとして使用可能な範囲を制限することで、ACK/NACKリソースの取り得る範囲を狭め、指定リソースの通知に要するオーバーヘッドを軽減できる。
【0246】
また、上記実施の形態に係る無線通信端末では、前記Configuration候補は、周波数リソースブロック(PRB)セットである。
【0247】
これにより、複数のE−PDCCH PRBセットが予め設定されている端末200に対して、ACK/NACK指標の状態数を増加させることなく、指定リソースの数を増やすことができる。また、通信環境または端末状況などに応じてE−PDCCH端末に使用され得るPRBセットを追加することにより、A/Nリソース候補の数を、必要に応じて段階的に増やすことができる。さらに、増やした指定リソースはすべて基地局からあらかじめ通知されたACK/NACKリソースであるため、基地局にとって端末間のACK/NACKリソース調整が容易であり、小さな回路規模またはアルゴリズムで基地局を運用できる。
【0248】
また、上記実施の形態に係る無線通信端末では、前記制御部は、前記ACK/NACK指標を含んだ制御信号が送受信されるPRBが2つ以上のPRBセットに所属するPRBだった場合に、あらかじめ決められた特定のPRBセットに所属しているとみなし、前記特定のPRBセットとACK/NACK指標でACK/NACKリソースをあらかじめ指定された指定リソースの中から選択する。
【0249】
これにより、ACK/NACK指標を含んだ制御信号が送受信されるPRBのPRBセットが判別できない場合でもACK/NACKリソースを一意に定めることができるため、基地局が複数のPRBセットに対応するACK/NACKリソースを空けておく必要が無くなり、ACK/NACKリソースの利用効率が向上する。
【0250】
また、上記実施の形態に係る無線通信端末では、前記制御部は、前記ACK/NACK指標を含んだ制御信号が送受信されるPRBが2つ以上のPRBセットに所属するPRBだった場合に、最も周波数の低いPRBと最も周波数の高いPRBとの間隔が小さい特定のPRBセットに所属しているとみなし、前記特定のPRBセットとACK/NACK指標でACK/NACKリソースをあらかじめ指定された指定リソースの中から選択する。
【0251】
これにより、端末数の少ないPRBセットに所属しているとみなしてACK/NACKリソースを決定するため、当該ACK/NACKが他の端末に使用されている可能性が低く、割り当てブロックとなる確率を低減できる。
【0252】
また、上記実施の形態に係る無線通信端末では、前記Configuration候補は、サーチスペースである。
【0253】
これにより、複数のサーチスペースが予め設定されている端末200に対して、ACK/NACK指標の状態数を増加させることなく、指定リソースの数を増やすことができる。また、通信環境または端末状況などに応じてE−PDCCH端末に使用され得るサーチスペースを追加することにより、A/Nリソース候補の数を、必要に応じて段階的に増やすことができる。さらに、増やした指定リソースはすべて基地局からあらかじめ通知されたACK/NACKリソースであるため、基地局にとって端末間のACK/NACKリソース調整が容易であり、小さな回路規模またはアルゴリズムで基地局を運用できる。
【0254】
また、上記実施の形態に係る無線通信端末では、前記制御部は、前記ACK/NACK指標を含んだ制御信号が送受信されるPRBが2つ以上のサーチスペースに所属するPRBだった場合に、端末固有サーチスペース(USS)に所属しているとみなし、前記USSとACK/NACK指標でACK/NACKリソースをあらかじめ指定された指定リソースの中から選択する。
【0255】
これにより、ACK/NACK指標を含んだ制御信号が送受信されるサーチスペースが判別できない場合でもACK/NACKリソースを一意に定めることができるため、基地局が複数のサーチスペースに対応するACK/NACKリソースを空けておく必要が無くなり、ACK/NACKリソースの利用効率が向上する。また、同時収容端末数が少ない可能性が高いUSSに対応するACK/NACKリソースを使用することで、割り当てブロックとなる確率を低減できる。
【0256】
また、上記実施の形態に係る無線通信端末では、前記Configuration候補は、E−PDCCHの送信に使用される送信モードであり、前記送信モードは、2つ以上のPRBで送信されるDistributedモードまたは1つのPRBのみで送信されるLocalizedモードである。
【0257】
これにより、DistributedモードおよびLocalizedモード両方が予め設定されている端末200に対して、ACK/NACK指標の状態数を増加させることなく、指定リソースの数を増やすことができる。また、通信環境または端末状況などに応じてE−PDCCH端末に使用され得る送信モードを追加することにより、A/Nリソース候補の数を、必要に応じて段階的に増やすことができる。さらに、増やした指定リソースはすべて基地局から予め通知されたACK/NACKリソースであるため、基地局にとって端末間のACK/NACKリソース調整が容易であり、小さな回路規模またはアルゴリズムで基地局を運用できる。
【0258】
また、上記実施の形態に係る無線通信端末では、前記Configuration候補は、Component Carrier(CC)である。
【0259】
これにより、複数のCCの使用が予め設定されている端末200に対して、ACK/NACK指標の状態数を増加させることなく、指定リソースの数を増やすことができる。また、通信環境または端末状況などに応じてE−PDCCH端末に使用され得るCCを追加することにより、A/Nリソース候補の数を、必要に応じて段階的に増やすことができる。さらに、増やした指定リソースはすべて基地局から予め通知されたACK/NACKリソースであるため、基地局にとって端末間のACK/NACKリソース調整が容易であり、小さな回路規模またはアルゴリズムで基地局を運用できる。
【0260】
また、上記実施の形態に係る無線通信端末では、前記制御部は、前記E−PDCCHの送受信に用いられたE−PDCCHのConfiguration情報および前記ACK/NACK指標に基づき、下りデータのACK/NACK信号に使用するリソースと、ACK/NACK信号を送信するPUCCHのベース系列、ホッピングパターンまたは巡回シフト(CS)ホッピングパターンを生成するために用いるバーチャルセルIDとを、予め指定された指定リソースおよび指定バーチャルセルIDの中からそれぞれ選択し、前記送信部は、選択された前記指定リソースおよび前記指定バーチャルセルIDを用いて前記ACK/NACK信号を送信する。
【0261】
これにより、複数のE−PDCCH Configurationが予め設定されている端末200に対して、ARIのビット数を増加させることなく、A/Nリソース候補の数を増やすことができる。さらに、ConfigurationとACK/NACK指標の状態に応じて送信するACK/NACK信号の形式を変えることで、複数の異なる端末群と、ACK/NACK信号を多重送信することができる。
【0262】
また、上記実施の形態に係る基地局装置は、無線通信端末に予め通知してある1つまたは複数のE−PDCCH Configurationのうち、E−PDCCHの送信に使用されたConfigurationが何れであるかということと、制御信号に含まれるACK/NACK指標とにより、無線通信端末から下りデータのACK/NACK信号を送信させるリソースを、予め指定した指定リソースの中から決定する制御部と、前記制御部の決定結果を表わすACK/NACK指標を含んだ制御信号を、決定された前記指定リソースに対応するConfigurationを用いたE−PDCCHを介して送信する送信部と、を具備する構成を採る。
【0263】
これにより、ACK/NACK指標により指定可能なE−PDCCH端末の指定リソースを、送信するE−PDCCHのConfigurationにより切り替えることができる。よって、ACK/NACK指標の状態数を増やさずに、ACK/NACKの選択肢を増やすことができる。
【0264】
また、上記実施の形態に係る基地局装置では、前記Configurationは、周波数リソースブロック(PRB)セットである。
【0265】
これにより、ACK/NACK指標により指定可能なE−PDCCH端末の指定リソースを、送信するE−PDCCHのPRBセットにより切り替えることができる。よって、ACK/NACK指標の状態数を増やさずに、ACK/NACKの選択肢を増やすことができる。
【0266】
また、上記実施の形態に係る基地局装置では、前記Configurationは、サーチスペースである。
【0267】
これにより、ACK/NACK指標により指定可能なE−PDCCH端末の指定リソースを、送信するE−PDCCHのサーチスペースにより切り替えることができる。よって、ACK/NACK指標の状態数を増やさずに、ACK/NACKの選択肢を増やすことができる。
【0268】
また、上記実施の形態に係る基地局装置では、前記Configurationは、E−PDCCHの送信に使用される送信モードであり、前記送信モードは、2つ以上のPRBで送信されるDistributedモードまたは1つのPRBのみで送信されるLocalizedモードである。
【0269】
これにより、ACK/NACK指標により指定可能なE−PDCCH端末の指定リソースを、送信するE−PDCCHの送信モードにより切り替えることができる。よって、ACK/NACK指標の状態数を増やさずに、ACK/NACKの選択肢を増やすことができる。
【0270】
また、上記実施の形態に係る基地局装置では、前記Configurationは、Component Carrier(CC)である。
【0271】
これにより、ACK/NACK指標により指定可能なE−PDCCH端末の指定リソースを、E−PDCCHが何れのCCにより送信されたかに応じて切り替えることができる。よって、ACK/NACK指標の状態数を増やさずに、ACK/NACKの選択肢を増やすことができる。
【0272】
また、上記実施の形態に係る基地局装置では、前記制御部は、無線通信端末に予め通知してある1つまたは複数のE−PDCCH Configurationのうち、E−PDCCHの送信に使用されたConfigurationが何れであるかということと、制御信号に含まれるACK/NACK指標とにより、無線通信端末から下りデータのACK/NACK信号を送信させるリソースと、PUCCHを生成するバーチャルセルIDとを、予め指定した指定リソースならびに指定バーチャルセルIDの中から決定し、前記送信部は、前記制御部の決定結果を表わすACK/NACK指標を含んだ制御信号を、決定された前記指定リソースおよび前記指定バーチャルセルIDに対応するConfigurationを用いたE−PDCCHを介して送信する。
【0273】
これにより、ACK/NACK指標により指定可能なE−PDCCH端末の指定リソースを、E−PDCCHが何れのConfigurationにより送信されたかに応じて切り替えることができる。よって、ACK/NACK指標の状態数を増やさずに、ACK/NACKの選択肢を増やすことができる。また、PUCCHを生成するバーチャルセルIDを、E−PDCCHが何れのConfigurationにより送信されたかに応じて切り替えることにより、PUCCHにより送信されるACK/NACK信号が多重可能な端末群を切り替えることができる。
【0274】
また、上記実施の形態に係るリソース割り当て方法は、ACK/NACK指標を含んだ制御信号を拡張物理下り制御チャネル(E−PDCCH)を介して受信し、前記ACK/NACK指標およびE−PDCCHのConfigurationに基づいて、周波数および符号領域で互いに分離された複数のACK/NACKリソースのうち予め指定された指定リソース候補の中から、何れかを選択する。
【0275】
これにより、ACK/NACK指標により指定可能なE−PDCCH端末の指定リソースを、送信するE−PDCCHのConfigurationにより切り替えることができる。よって、ACK/NACK指標の状態数を増やさずに、ACK/NACKの選択肢を増やすことができる。
【0276】
また、上記実施の形態に係るリソース割り当て方法では、前記Configurationは、周波数リソースブロック(PRB)セットである。
【0277】
これにより、ACK/NACK指標により指定可能なE−PDCCH端末の指定リソースを、E−PDCCHが送受信されるPRBセットにより切り替えることができる。よって、ACK/NACK指標の状態数を増やさずに、ACK/NACKの選択肢を増やすことができる。
【0278】
また、上記実施の形態に係るリソース割り当て方法では、前記Configurationは、サーチスペースである。
【0279】
これにより、ACK/NACK指標により指定可能なE−PDCCH端末の指定リソースを、送信するE−PDCCHのサーチスペースにより切り替えることができる。よって、ACK/NACK指標の状態数を増やさずに、ACK/NACKの選択肢を増やすことができる。
【0280】
また、上記実施の形態に係るリソース割り当て方法では、前記Configurationは、E−PDCCHの送受信に用いられる送信モードであり、前記送信モードは、2つ以上のPRBで送信されるDistributedモードまたは1つのPRBのみで送信されるLocalizedモードである。
【0281】
これにより、ACK/NACK指標により指定可能なE−PDCCH端末の指定リソースを、送信するE−PDCCHの送信モードにより切り替えることができる。よって、ACK/NACK指標の状態数を増やさずに、ACK/NACKの選択肢を増やすことができる。
【0282】
また、上記実施の形態に係るリソース割り当て方法では、前記Configurationは、Component Carrier(CC)である。
【0283】
これにより、ACK/NACK指標により指定可能なE−PDCCH端末の指定リソースを、E−PDCCHが何れのCCにより送信されたかに応じて切り替えることができる。よって、ACK/NACK指標の状態数を増やさずに、ACK/NACKの選択肢を増やすことができる。
【0284】
また、上記実施の形態に係るリソース割り当て方法では、前記ACK/NACK指標およびE−PDCCHの送受信に用いられたConfigurationに基づいて、ACK/NACK信号を送信するPUCCHのベース系列、ホッピングパターンまたは巡回シフトホッピングパターンの生成に必要なバーチャルセルIDを、さらに選択する。
【0285】
これにより、ACK/NACK指標により指定可能なE−PDCCH端末の指定リソースを、E−PDCCHが何れのConfigurationにより送信されたかに応じて切り替えることができる。よって、ACK/NACK指標の状態数を増やさずに、ACK/NACKの選択肢を増やすことができる。また、PUCCHを生成するバーチャルセルIDを、E−PDCCHが何れのConfigurationにより送信されたかに応じて切り替えることにより、PUCCHにより送信されるACK/NACK信号が多重可能な端末群を切り替えることができる。
【0286】
2012年8月2日出願の特願2012−172224の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。