特許第6501142号(P6501142)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6501142
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】発泡性固型混合飼料
(51)【国際特許分類】
   A23K 50/10 20160101AFI20190408BHJP
   A23K 20/20 20160101ALI20190408BHJP
【FI】
   A23K50/10
   A23K20/20
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-267162(P2014-267162)
(22)【出願日】2014年12月16日
(65)【公開番号】特開2016-112002(P2016-112002A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】594076131
【氏名又は名称】伊藤 弘一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 弘一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 弘子
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−262757(JP,A)
【文献】 特開2004−049046(JP,A)
【文献】 特開平10−084883(JP,A)
【文献】 特開平10−084868(JP,A)
【文献】 特開2005−130816(JP,A)
【文献】 特開平06−090674(JP,A)
【文献】 特開昭60−156350(JP,A)
【文献】 特公昭46−025019(JP,B1)
【文献】 特開2006−320284(JP,A)
【文献】 特開平11−346671(JP,A)
【文献】 特開平05−304900(JP,A)
【文献】 特開昭58−209968(JP,A)
【文献】 特開平03−053851(JP,A)
【文献】 特開平09−294545(JP,A)
【文献】 特開昭63−181951(JP,A)
【文献】 米国特許第04729896(US,A)
【文献】 特開平05−219895(JP,A)
【文献】 米国特許第06616939(US,B1)
【文献】 中国特許出願公開第103549158(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 10/00 − 50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
牡蠣殻粉末,糖類末,発酵物類末(ビール酵母末などの発酵物類),ビタミンB郡類末,炭酸水素ナトリウム粉末,さらに食塩をも含む発泡性固型混合飼料は、容器の中に入れ水を加えて溶かして使うことから発泡作用による液体ミネラル飲水になる特徴とした哺育期及び育成期用の家畜用発泡性固型混合飼料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の家畜体用の舐用固型混合飼料をベースにし、発泡性機能の発案を新たに設けた、哺育期及び育成期の家畜体(仔牛等)専用の発泡性固型混合飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
既に、特許取得済であった「舐用固形飼料」,「舐用固型混合飼料」,「軽量舐用固型混合飼料」(例えば、特許文献1,2,3,を参照。)及び、新たに特許申請中の「連結式舐用固型混合飼料」,などはこの上記、家畜体用の一連の各々の舐用シリーズ飼料であり、主に、成体化した家畜体つまり、産業動物(例えば非特許文献1のp3〜p4,p10〜p15,p12〜p13,p16〜17,p89〜p90の上2行目まで参照。)である乳牛,肉牛,馬,山羊,めん羊,豚,などを対象に、不足がちなミネラル類等の栄養補充及び、健全性等を目的とした飼養を主体にしている。給与方法は、産業動物が舌でもって唾液分泌動作を伴った舐用作用により、固形化及び固型混合化されたミネラル類等を自由に,簡単に,摂取できるように、工夫開発された製品であった。
【0003】
よって、従来の背景から今回、この哺育期及び育成期の家畜体(仔牛等)専用の発泡性固型混合飼料8は、開発過程において、まだ未発達中段階の上記同様の期間における家畜体の基礎体力及び抵抗力,及び特に、その家畜体内の臓器、主に消化器系統(又は骨格系統等)の組織の形状・容積等の基礎的解剖学上の見地から重点を置き、産業動物を対象にしていた従来の舐用固型混合飼料をベースに発泡性機能を新たに設けて、開発した製品である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開昭63年第181951号公報
【特許文献2】 特開平06年第090674号公報
【特許文献3】 特開平09年第294545号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「産業動物の飼養及び保管に関する基準の解説」監修:内閣総理大臣官房管理室 発行:株式会社ぎょうせい,昭和62年11月30日,p3〜p4,p10〜p15,p12〜p13,p16〜p17,p39,p89〜p90の上2行目まで。
【非特許文献2】「デーリィ・ジャパン/臨時増刊号」(分娩および泌乳初・乳牛管理)執筆者:伊藤紘一(アメリカ飼料穀物協会)発行:株式会社デーリィ・ジャパン社,昭和61年02月001日,p24〜p25,p26〜p27の下から3行目まで。
【非特許文献3】「牛はどうやって草からミルクをつくるのかルーメンの秘密」著者:小野寺良次(宮崎大学農学部教授,鹿児島大学大学院連合農学研究科(博士過程)教授(兼任))発行:株式会社新日本出版社1990年09月25日,p65〜p66.p70〜p79の3行目まで。
【非特許文献4】「デーリィ・ジャパン/臨時増刊号」(「乳牛の栄養」基本知識と応用・実際)*基礎編:執筆者:佐藤博(北海道農業試験場畜産部)発行:株式会社デリィー・ジャパン社,昭和61年02月01日,p15の7行目〜p17の6行目,p17の下から10行目〜p18の表3と同ページ上2行目まで。,*応用編:執筆者:鈴木茂(酪農家)p112の上4行目〜20行目,p113〜p114の上1行目まで。
【非特許文献5】「家畜の栄養と生理」編者:西田周作(東北大学農学部教授)発行:社団法人農山漁村文化協会,昭和35年01月15日,p130上3行目〜p137の6行目
【非特許文献6】「図説家畜比較解剖学」著者:川田信平(獣医学博士),醍醐正之(医学博士)発行:文永堂出版社,昭和57年04月20日,p280,p304〜p305,p306〜p307,p308の下文〜p310,p312
【非特許文献7】「カラー版・ウシの病気」監修:農林水産省家畜衛生試験場 発行者:来馬希木,発行所:社団法人 家の光協会,昭和60年04月18日,*本文:p151〜p154上20行目,p156下から8行目〜p159,p160〜P161,*図絵:p53〜p56,執筆者:野口一郎(農林水産省家畜衛生試験場),*本文:p77〜p85,*図絵:p20〜p23,執筆者:徳田悟一(農林水産省家畜衛生試験場)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
まず、本題である、発明が解決しようとする課題に入る前に、序文として今回の発泡性固型混合飼料の「発泡機能」の意味及び特性又同様の飼料の形状,後に、本題の課題に向かう1つの背景,よって、本題は、本文の段落番号0013番 イ),にて記載した。
【0007】
この発泡性固型混合飼料8による発泡性機能とは、つまり容器(哺乳瓶,バケツ,又、畜舎内設置の給水器(ウォーターカップ)等。)にて本体(発泡固型混合飼料8)を投入し、加水して本体配合在中の発泡性物質から発する発泡作用(炭酸ガス放出)によって本体溶解し、結果、液体化されたミネラル類等の飲用水物質に変換し得ることである。
【0008】
次に、前記の加水による化学反応より、発泡性固型混合飼料8から、この液体化されたミネラル類等の飲用水物質の特性としては、成体化した産業動物を対象とした従来の一連の各々の舐用シリーズ飼料のような、摂取時に、舌による舐用作用をなくし、今回の飲用作用の摂取に切り替えることから、哺育期及び、育成期の家畜体の内臓組織の形状・容積等、主に、消化器系統(例えば、非特許文献5を参照。)による消化・吸収機能部位に対する負担軽減。つまり、飲用作用にて、発泡作用反応を経た本体(発泡性固型混合飼料8)から、溶け出した全成分が食道内通過し、消化器系統内の組織細胞へ、バイパス的に到達。よって、効率的かつ、敏速的に上記同様の機能部位にて、消化・吸収生理作用がスムーズにリセットできるように工夫されたことを意味する。
【0009】
そして、本体の発泡性固型混合飼料8の形状(モデル)は、哺育期及び育成期中における家畜体に幅広い必須なミネラル類等の補充の点から、厳選した各々の成分等の粒径(メッシュ),各々の成分配合割合等を検討した上で、特に、物理上の力学的観点に重点を置いた。この力学的観点とは、容器に、本体(発泡性固型混合飼料8)を投入し、加水後の水中における本体溶解の過程から、発泡作用力(炭酸ガス放出)の対流による、本体の溶解スピード及び出力,又、同溶解時の全配合成分にて、均一な攪拌回転度(スピン)及び、濃度均衡度などの物理的な作用を中心に絞りこんだ。従って、この同様の飼料8に当たっての形状(モデル)を考える上で、いろいろと検討した結果、最終的に、四角柱体型(ピラミッド型)が、望ましいことに決定づけられ、成型された四角柱体型(ピラミッド型)の哺育期及び育成期の家畜体(仔牛等)専用の発泡固型混合飼料8に至った。
【0010】
その次に、下記の、本題の課題に向う1つの背景があると思われる。
【0011】
それは、今回、反芻動物である家畜体、仔牛を実例としたこの発泡性固型混合飼料8は哺育期及び育成期の家畜体(仔牛)専用であることは、勿論のこと、この反芻動物である牛(又は、仔牛)は4つの胃袋(例えば、非特許文献6を参照。(成牛の解剖図))を所有した反芻胃をもつ。この反芻胃を中心に成牛と仔牛と比較して、哺育期及び育成期の仔牛においては、特に、第一胃(ルーメン)等の容積,形状,(例えば、非特許文献5の図18を中心にての参照。(仔牛の解剖図))又、第一胃内生息の微生物(ルーメンバクテリア。(細菌))と、プロトゾア(原虫。)の両者の機能作用(例として、非特許文献2p26〜p27の下3行目まで及び、非特許文献3のP74の本文小タイトル、ルーメン内の立役者、からP79まで参照。)の未熟さと、胃内生息数の少なさから想定して生ずる、胃内の水素イオン濃度(PH)、バッファー効果(例えば、非特許文献4のp112〜p114の上1行目参照。)の生理活性の大切さが非常に急務になってくる。つまり、家畜体(仔牛)が餌を摂取したときの胃内の不快感等を軽減するため、胃内のPHが適正数値になるように、あい気(げっぷ)等を行う生理現象。そして、まだ未発達で未熟な仔牛の口腔内構造にて、唾液を合成し分泌する口腔腺(3大内分泌腺である耳下腺,下顎腺,舌下腺。)の分泌量が、一番のポイントになってくる。(例えば、非特許文献6のp280の解剖図(成牛の場合)〜p290参照。)よって、これらをサポートするため、1つの課題に向かう背景は、反芻胃である第一胃等の内部における最適な環境整備(第一胃内の細菌及び原虫類の機能作用に対する負担軽減等と胃内のPHの適正数値の保持等。)の構築等において、それに有効なミネラル類等を選定している。
【0012】
よって、本題である、発明が解決しようとする課題の発生は、下記の通りになる。
【0013】
イ).哺育期及び育成期の家畜体(仔牛等)専用の発泡性固型混合飼料8は、家畜体の生体内にて、主に、第一胃内の環境整備等を重点に置いている。又、利便性の点も含めて、簡単に容易に、同様の飼料8である本体を投入し、加水して発泡作用を発して得られた、即席ミネラル類等の飲用水物質になる製品が、国内にて、他社の舐用の固形(固形混合)飼料分野には、存在しなかった課題。以上である。
【課題を解決しようとする手段】
【0014】
発泡性固型混合飼料8にて、原料である発泡性物質の重曹粉末,賦形剤の粉末糖類,又微粉末の海洋性鉱物類,添加物である粉末のビタミンB群,発酵物質等,以上、これらの粉末状物質を配合、混合し、それらを型に入れ暫くの間、加圧成型し、風乾して得た製品。又、厳選された米国産等のスターター(人工的代用乳)と一緒に少し期間を置いて、併用すると更に同様のスターターの飼養効能等が、向上し解決した。
【発明の効果】
【0015】
上記の効果は、反芻動物である哺育期及び育成期中にて、哺育期の中期頃(生後約5〜7週期齢)及び、育成期の中期頃(生後約20週齢)の仔牛を1例として、記して、容器(哺乳瓶,バケツ,又、畜舎内設置の給水器(ウォーターカップ)等。)にて、この本体(発泡性固型混合飼料8)を投入し、加水して、本体配合在中の発泡物質から発する発泡作用(炭酸ガス放出)によって、即席ミネラル等の飲用水物質に変換し得ることから、下記の効果を奏する。
イ).本体の発泡性固型混合飼料8そのものの重量が、とても軽く容積も小さいため、運賃にて廉価に提供できる。
ロ).本体(発泡性固型混合飼料8)を投入する際、容器と水さえあれば、手軽にいつでも,どこでも,場所を限定せず、加水して、発泡作用により、簡単に即席ミネラル類等の飲用水物質にて、利便性を含んだ哺育期及び育成期の家畜体(仔牛等)専用の発泡性固型混合飼料8を家畜体(仔牛)に提供できるようになった。
ハ).本体(発泡性固型混合飼料8)の形状が、四角錐体型(ピラミッド型)に成型したことから、容器にて、水中における、発泡作用力(炭酸ガス放出)の対流により、溶解スピード及び、出力,又、同溶解時の全配合成分にて、均一な攪拌回転度(スピン)及び濃度均衡度等の効果的向上が得られた。
二).母牛の分娩後の母乳(初乳と言う…つまり、この乳成分から種々の生体防御因子等の成分が、妊娠分娩前の母乳成分と比較して、濃厚に自然配合されている。),そして,厳選された米国産の代用乳(乳成分を人工的に加工成分調製された乳。別名:スターター。)を経てきた哺育期及び育成期の仔牛が、加水にて、本体(発泡性固型混合飼料8)が発泡溶解作用を受けることにより得た、即席ミネラル類等の飲用水物質を摂取させた。暫くしてから、微弱ながら、あい気(げっぷ)を、発しった。(バッファー効果等の推察。)このことから、結果、特に、米国産のスターターの喰い込みの飼養効能等の向上が徐々にだが、少しづつ現れてきているようである。
【0016】
以上から、この発泡性固型混合飼料8は、哺育期及び育成期の家畜体(仔牛等)専用は勿論のこと、応用編として、高齢家畜体等にも又、場合によっては、災害時の被災地にて、ミネラル類等の飲用水物質として、清潔な容器と新鮮な水さえあれば、緊急時として人間にも適応可能。又、更に漬物等の食品の保存液としての役割も果たす。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】 本発明の一実施例を示す発泡性固型混合飼料の斜視図8である。
図2図1の上記の発泡性固型混合飼料の平面図9である。
図3図2の上記同様の飼料、A−A線にての断面図10である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発泡性固型混合飼料8の原料である、発泡機能の発泡性物質、重炭酸水素ナトリウム(重曹)粉末,賦形剤のブドウ糖粉末,ショ糖(及び砂糖),トウモロコシデンプン,又、ミネラル類の牡蛎殻微粉末,添加物である、ビタミンB群と発酵物質の粉末酵母、以上により、これら全て各々の粉末状物質を、バランス良く配合し攪拌する。従って、これらを金属性の金型、四角錐体型(ピラミッド型)に充填して暫くの間、加圧し、粉末加圧成型して、風乾し得た、哺育期及び育成期の家畜体(仔牛等)専用の発泡性固型混合飼料8に至る。実施例に当たっては、哺育期の中期頃(生後約5〜7週齢)の家畜体(仔牛)と、育成期の中期頃(生後約20週齢)の家畜体(仔牛)に給与した。実施例は2例となる。
【実施例】
【0019】
今回の発泡性固型混合飼料8の原料及び添加物の配合量は、以下の様な配合割合で行うのが、望ましい。原料として、重炭酸水素ナトリウム(重曹)、5〜20重量%,ブドウ糖(粉末)、20〜50重量%,ショ糖(及び砂糖)10〜30重量%,トウモロコシデンプン、2〜10重量%,牡蛎殻微粉末20〜50重量%,添加物として、粉末酵母15〜40重量%,各々の原料及び添加物の粒経は、0.2〜0.5mmであり、これら全ての各々の粉末物質をバランス良く配合、混合、それらを金型に充填して暫く加圧、成型し、粉末成型にて、風乾し得られた発泡性固型混合飼料8。後に述べる、実施例1,2で仕上がった2つの、同様の飼料の質量は、約55g前後であった。
【0020】
発泡性固型混合飼料8は、六の配合成分により構成されいて、その各々の配合成分の特性として下記の通りである。
【0021】
イ).重炭酸水素ナトリウム(重曹)は、発泡機能は勿論のこと、第一胃(ルーメン)内等のPH(水素イオン濃度)値の恒常性の確保等。ロ).賦形剤であるブドウ糖(粉末)及びショ糖(及び砂糖)は、解糖系のTCAサイクル(細胞内のエネルギー生産システム)及び、肝臓中のビタミンC合成(グルクロン酸経路)に関与。この合成ビタミンCにより、骨組織の強化としてのコラーゲンの生成時に、欠くことのできないビタミン。ハ).トウモロコシデンプンは、補助的賦形剤は勿論、栄養価が高いなど。二).牡蛎殻微粉末は、カルシウム補給及び第一胃(ルーメン)内等の補助的PH値の恒常性に関与。又、数十種類の微量元素(コバルト,マグネシウム,マンガン,鉄,モリブデンなど。)が含有しており、生体内の生化学の変換反応時にて、活躍する各々の酵素群たちの、原動力源にあたる補酵素としての役目。又、この微量元素、特にコバルトは、ルーメン内微生物群のビタミンB12を合成する際に、必要不可欠な元素である。二).粉末酵母は、ビタミンB群等において、生体内のTCAサイクルにて、エネルギー物質の反応変換時における、このサイクルの調整等に関与。及び、酵素群の補酵素の役目等。以上である。
【0022】
上記の原料及び添加物の各々の大まかな配合成分表示,とその各々の特性を示した。次に、金型である、四角錐体型(ピラミッド型)の底面は、縦,横,各々4.5cmでの正方形で。底面からの高さは5.7cmの形状に設計した金型である。又、原料及び添加物の粒径は、0.2〜0.5mmとした。原料及び添加物が配合、混合されたこれらの粉末状物質を金型に充填し、重量5kgの加圧にて、暫く加圧し、成型し、粉末加圧成型して、風乾し得た、発泡性固型混合飼料8に成る。よって、下記の本題の実施例1,2に入る。
【実施例1】
【0023】
この実施例1は、哺育期の中期頃(生後約5〜7週齢)の発泡性固型混合飼料8の配合設計は、原料としての重炭酸水素ナトリウム(重曹)粉末5重量%,ブドウ糖(粉末)36重量%,砂糖17重量%,トウモロコシデンプン2重量%,牡蛎殻微粉末30重量%,添加物としての粉末酵母10重量%,でもって、これらの粉末状物質をバランス良く配合し、混合し、これらを金型に充填して、暫くの間、加圧成型、風乾して、仕上がった本体(発泡性固型混合飼料8)。この本体1個にて、にて、容器(哺乳瓶)に、同本体を投入し、加水(温水約500cc)して、それに伴う発砲作用にて、得られたミネラル類等の飲用水物質を、哺乳期中期の家畜体(仔牛)に給与させた。
【実施例2】
【0024】
次に実施例2は、育成期の中期ころ(生後約20週齢)の発泡性固型混合飼料8の配合設計として、原料の重炭酸水素ナトリウム(重曹)8重量%,ブドウ糖(粉末)21重量%,砂糖9重量%,トウモロコシデンプン3重量%,牡蛎殻微粉末30重量%,添加物である粉末酵母29重量%。製造工程は、実施例1同様で、仕上がった本体1個にて、にて、容器(バケツ)に、同本体を投入、加水(冷水500cc)し、それに伴う発泡作用にて、得られたミネラル類等の飲用水物質を、育成期中期の家畜体(仔牛)に給与させた。
【0025】
以上の実施例1,2から、哺育期及び育成期における家畜体の飼養、つまり、ここでは飲用水の摂取に当たっての条件区域が行政等にて指定されており、哺育期は温水制限区域の飲水で、育成期は冷水自由区域の飲水に設定されてある。よって、本体(発泡性固型混合飼料8)の原料である重炭酸水素ナトリウム(重曹)の化学的特質(重曹は水温の変化により発泡出力等に変動あり。)に配慮して上記指定条件区域に沿って、配合量を少し変更してある。又、賦形剤である糖類の配合量(水温による溶解度等。)も同様に変更。但し、牡蛎殻微粉末としては、前記の本体の原料である重曹及び糖類、この両者の配合変動に伴う化学特質及び、その給与後の生体内(ルーメン等)の環境等などから考慮して、この牡蛎殻微粉末の配合量は一定量に保持してある。次に添加物の粉末酵母は、家畜(仔牛)の発育段階過程にて、第一胃内(ルーメン内)の宿生生物(微生物及び原虫)群が、有機物化合物の合成時(ビタミンB群等の合成。)の合成作業能力にあった配合値に設定している。よって、合成時において、宿生生物群における作業の負担軽減に繋がる。
【0026】
以上でもって、明細書の記述を終えまして、今回の「発泡」と言うそのヒントは、宇宙界に存在する彗星がヒントになりました。広大無限な宇宙空間にて、たくましくガスを放出しながら光り輝き、超スピードで移動している素晴らしい姿の彗星を参考にして、従来の舐用シリーズの飼料である舐用固型混合飼料と、哺育期及び育成期の家畜体(仔牛)の胃袋の形状・容積等と言った、以上3つとの融合性を図って発想したピラミッド型の発泡性固型混合飼料8が、誕生致しました。 この家畜体用の従来の舐用シリーズの飼料の元々の始まりは、私の父(故伊藤清一)で、家畜体用の舐用固形飼料(例として、特許文献1を参照。)を発明し、日本にて始めて日本国特許を取得した人でした。病で亡くなった後、それに関連した特許を取得させて頂きました。今回の家畜体用の、哺育期及び育成期専用にした発泡性固形混合飼料。そして、産業動物(成体)を対象にした従来の舐用固形(固型混合)飼料,及び連結式舐用固型混合飼料(特許出願中)である、従来の舐用シリーズの飼料。この一連の飼料開発に当たっては、常に、家畜体と人間の両者にて、“幸福の原理”と言う思想感の一点に、追及してきました。その思想の原点は、上記の両者にて、繋がり性を持ち、“互いに与える愛”を基本軸とし、“共存共栄”による“一統合”だと思っています。又、諸外国、近い将来、米国主催のTPP加盟国にもその様な思想が、どこかに多少、内在しているのではないかと思っていますし、その思想は、もしかしたら、広大無限な大宇宙を背景とした、1つの地球にとって、“輝いた真の平和”に繋がっているかもしれません…。 有難うございました。
【符号の説明】
【0027】
11 図2の発泡性固型混合飼料の断面の組織図である。
図1
図2
図3