【実施例】
【0015】
図1は、本発明の実施例に係る電子システムの構成例を示す図である。本発明の実施例に係る電子システム1は、車載装置10と、情報端末20とを含んで構成される。車載装置10は、通信手段2を介して情報端末20に接続される。通信手段2は、1つまたは複数の通信規格(例えば、BT通信、WF通信、USB接続など)に対応することができ、通信手段2を介してデータの送受が行われる。好ましくは車載装置10および情報端末20は、BTオーディオプロファイルにより音声データの送受を可能なBT機器をそれぞれ包含する。
【0016】
図2は、本発明の実施例に係る車載装置の構成例を示すブロック図である。車載装置10は、入力部100、マルチメディア再生部110、ナビゲーション部120、表示部130、音声出力部140、記憶部150、通信部160、制御部170を含んで構成される。但し、
図2の構成は例示であり、車載装置10の構成は、これに限定されない。
【0017】
入力部100は、入力キーデバイス、音声認識入力装置、タッチパネルなどにより、ユーザーからの指示を受け取り、これを制御部170へ提供する。マルチメディア再生部110は、CD、DVD、ブルーレイディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記録媒体に記憶された音声データや映像データを再生する。
【0018】
ナビゲーション部120は、GPS衛星から送信されるGPS信号、車両に搭載されるジャイロセンサや加速センサのセンサ出力に基づき自車位置を算出し、算出された自車位置から目的地までの経路を算出し、算出された経路の音声案内をしたり、自車位置周辺の道路地図を表示部130に表示させたりする。
【0019】
表示部130は、液晶ディスプレイやその他の表示装置を含み、例えば、ナビゲーション部120によって生成された道路地図の画像を表示したり、車載装置10のユーザー設定を行うための設定画面やメニュー画面を表示したりする。さらにマルチメディア再生部110によって再生画像を表示したりする。
【0020】
音声出力部140は、マルチメディア再生部110によって再生された音声データの音声を出力したり、ナビゲーション部120によって生成された音声案内等を出力する。さらに、
図1に示すように、情報端末20が接続されているとき、車載装置10からの再生要求に応答して情報端末20から送信された音声データの音声出力をすることも可能である。
図3は、本実施例に係る音声出力部140の構成例を示す図である。音声出力部140は、車載装置10のマルチメディア再生部110等によって再生されたディジタル音声データL1および情報端末20から送信されたディジタル音声データL2を受け取り、制御部170からの切替信号S1に従いいずれか一方のディジタル音声データを出力する切替部142と、制御部170からの音量レベル調整信号S2に従い切替部142から出力されたディジタル音声データの音量レベルを調整する音量調整部144と、音量調整部144で音量レベルが調整された音声信号の音声を出力するスピーカー146を含む。音量調整部144は、ディジタル音声データの音量レベルを調整する場合には、ディジタルアンプを含み、音量レベルが調整されたディジタル音声データをアナログ音声信号に変換するD/Aコンバータを含む。あるいは音量調整部144は、D/Aコンバータによりディジタル音声データをアナログ音声信号に変換し、変換されたアナログ音声信号の音量レベルを調整するアナログアンプを含むものであってもよい。
【0021】
記憶部150は、車載装置10が実行するアプリケーションソフトウエア、制御部170が実行するプログラム、ナビゲーション部120が実行されるときに必要とされる地図データなどを記憶する。通信部160は、情報端末20との間の通信手段2を構成し、例えば、BT通信を行うためのBT機器、WF通信を行うためのWF機器等を包含する。
【0022】
制御部170は、好ましい態様では、ROM、RAMなどを含むマイクロコントローラ等から構成され、ROMまたはRAMは、車載装置10の各部の動作を制御するための種々のプログラムを格納することができる。本実施例では、制御部170は、情報端末20から送信される音声データの出力を制御するための音声出力制御プログラム200を実行する。
【0023】
図4は、本発明の実施例に係る音声出力制御プログラムの機能的な構成例を示す図である。本実施例に係る音声出力制御プログラム200は、情報端末20に対して音声データの再生を要求する再生要求部201、音声出力部140の切替部142の切替えを行う音声切替部202、情報端末20から送信される音声データのサンプリングを行う第1サンプリング部203、情報端末20から送信される音声データの初期音量レベルを読み取る初期音量レベル読取部204、情報端末20から送信される音声データの歪みの有無を判定する第1歪み判定部205、情報端末20に対して音量レベルの下げを要求する音量レベル減少要求部206、音量レベルの下げが行われた音声データのサンプリングを行う第2サンプリング部207、第1サンプリング部203および第2サンプリング部207でそれぞれサンプリングされた音声データを比較することで、初期音量レベルの音声データの歪みの有無を判定する第2歪み判定部208、音量レベルの下げが行われた音声データの音量レベルを読み取る変更後音量レベル読取部209、第2歪み判定部208の判定結果に基づき情報端末20に対して音量レベルの変更を要求する音量レベル変更要求部210、第2歪み判定部208の判定結果に基づき音量レベルを調整するための音量レベル調整信号S2を音量調整部144へ出力する音量レベル調整部211とを含んで構成される。なお、これらの各部の詳細な動作は、後述する。
【0024】
図5は、本発明の実施例に係る情報端末の構成例を示すブロック図である。本実施例に係る情報端末20は、入力部300、通信部310、表示部320、マルチメディア再生部330、音声出力部340、記憶部350、制御部360を含んで構成される。但し、この構成は一例であり、情報端末20はこの構成に限定されるものではない。例えば、情報端末20は、電話機能やナビゲーション機能等をさらに包含することができる。
【0025】
入力部300は、入力キーデバイス、音声認識入力装置、タッチパネル等により、ユーザーからの指示を受け取り、これを制御部360へ提供する。通信部310は、車載装置10との間の通信手段2を構成し、例えば、BT機器、WF機器、USB機器等を含み、車載装置10との間でデータの送受を可能にする。表示部320は、マルチメディア再生部330によって再生された映像や通信部310を介してインターネット等から取得した映像を表示する。マルチメディア再生部330は、記憶部350に格納された音声データや映像データを再生したり、通信部310から取得したマルチメディアデータを再生する。
【0026】
音声出力部340は、マルチメディア再生部330によって再生された音声データ等を音声出力する。さらに音声出力部340は、再生される音声データの音量レベルを調整する音量調整部を含み、ユーザーからの入力操作、あるいは後述するように車載装置10からの要求に応答して音量レベルを調整する。記憶部350は、制御部360が実行するプログラムや外部から取得したアプリケーションソフトウエア、マルチメディアデータ等を記憶する。
【0027】
制御部360は、マイクロプロセッサやマイクロコントローラを含み、ROM/RAMあるいは記憶部350に記憶されたプログラム等を実行することにより各部を制御する。さらに本実施例では、制御部360は、車載装置10が通信手段2を介して接続されているとき、車載装置10の音声出力制御プログラムと協働して音声データの出力を制御する制御プログラムを実行する。
図6は、制御プログラム400の機能的な構成を示すブロック図である。制御プログラム400は、情報端末20に予め格納されているものであっても良いし、アプリケーションとしてインストールしたプログラムであっても良い。
【0028】
制御プログラム400は、車載装置10の再生要求部からの要求に応答してマルチメディア再生部330等に音声データを再生させる音声再生部410、音量レベルを含む音声データを通信部310を介して送信する音声データ送信部420、車載装置10からの音量レベルの変更の要求に応答して音声出力部340の音量レベルを変更する音量レベル変更部430を含む。送信部420は、音声データを車載装置10へ送信するとき、音声出力部340の音量調整部で設定された音量レベルを音声データに付加する。
【0029】
次に、本発明の実施例に係る電子システムにおける音声出力動作について、
図7Aないし
図7Dに示すフローを参照して説明する(なお、
図7A〜7Dを総称して
図7と呼ぶことがある)。なお、
図7で使用される変数「VD1」は、初期音量レベル、変数「VD2」は、変更後の音量レベルを示す。また、「Sampling A」および「Sampling B」は、第1サンプリング部203および第2サンプリング部207によってサンプリングされた情報端末20からの音声データを示す。
【0030】
先ず、
図7Aにおいて、車載装置10の再生要求部201から情報端末20に対して音声データの再生要求が行われる(S100)。再生要求部201による要求は、通信手段2を介して行われる。情報端末20が通信手段2を介して車載装置10に接続されているとき、車載装置10は、あたかも情報端末20の入出力装置として機能することができる。例えば、車載装置側から、情報端末20が保有するアプリケーションソフトウエアを実行させたり、情報端末20が保有する音声データや映像データを再生させることができ、車載装置10は、情報端末20から送信される音声データや映像データを受け取り、これを音声出力部140や表示部130に出力させることができる。再生要求部201は、ユーザーからの入力に応答して実行されたり、あるいは制御部170の予め決められたシーケンス等において自動的に実行されるようにしてもよい。再生要求部210による要求が行われると、音声切替部202は、音声出力部140の切替部142に対して切替信号S1を出力し、切替部142に情報端末20からの音声データを選択させる。
【0031】
車載装置10からの再生要求があると、情報端末20の音声再生部410は、楽曲を再生させる(S102)。例えば、メディアソースとしてCDアルバムが選択されているとき、音声再生部410は、マルチメディア再生部330にCDのトラック#1を再生させる。なお、再生される音声データは、ユーザーが視聴を希望する楽曲データであっても良いし、音声データの歪みを判定するための専用の音声データであっても良い。便宜上、S102で再生される音声データを識別するため、当該音声データを「track1」で表す。情報端末で再生された音声データは、音声データ送信部420によって通信手段2を介して車載装置10へ送信される。
【0032】
情報端末20から送信された音声データは、通信手段2を介して車載装置10で受信されると、次に、第1サンプリング部203は、音声データ(track1)を予め決められた期間、例えば10秒間、サンプリングする(S104)。第1サンプリング部203は、例えば、サンプリング回路またはサンプリング/ホールド回路を用いて音声データのサンプリングを行うようにしてもよい。サンプリングされた結果は、「Sampling A」として保持される。第1サンプリング部202によってサンプリングされる音声データは、歪みが含まれているか否かの判定対象となるデータである。
【0033】
次に、初期音量レベル読取部204は、音声データ(track1)に重畳して符号化された初期音量レベルを表す音量データを読み取り(S106)、これを初期音量レベルVD1として保持し、さらに変数VD2=VD1に設定する。初期音量レベル読取部204は、第1サンプリング部203によってサンプリングされた音声データから音量レベルを読み取ることができる場合には、そこから読み取るようにしてもよい。また、初期音量レベル読取部204は、情報端末20に対して音量レベルの送信を要求し、その要求に応答して送信された音量レベルを表すデータを取得するようにしてもよい。
【0034】
次に、第1歪み判定部205は、初期音量レベルVD1が予め決められた閾値よりも大きいか否かを判定する(S108)。ここでは、情報端末20の音量レベルのレンジが最小0から最大10であるものとし、閾値は、例えば、当該レンジ内の中心(半分)の「5」に設定される。おおよそ、音量レベルの半分よりも小さければ、音声データに歪みがないものと推測されるためである。但し、これは一例であり、情報端末の音量レベルのレンジが0から20である場合に閾値を「10」としたり、あるいはそれ以外の任意の値に設定しても良い。なお、情報端末20の音量レベルのレンジは、車載装置からの特定のコマンドにより情報端末から取得してもよいし、あるいは予め設定するようにしてもよい。
【0035】
第1歪み判定部205は、初期音量レベルVD1が閾値よりも大きければ、音声データ(track1)が歪んでいる可能性があり、さらなる歪み判定を継続し、閾値以下であれば、音声データ(track1)が歪んでいる可能性が少ないか、または非常に小さいと判定し、以後の歪み判定を行わない(S108)。この場合、
図7C、7Dに示すようにステップS128へ進み、音量レベル調整部211は、VD1=VD2であるため、音量レベル調整信号S2を介しての音量調整部144の音量レベルの調整を行わない。従って、情報端末20から送信された音声データがそのまま、車載装置10の音量調整部144において増幅または減衰される。
【0036】
次に、初期音量レベルVD1が閾値よりも大きいと判定された場合には、
図7Bに示すように、音量レベル減少要求部206により音量レベルの一定の下げが要求される(S110)。情報端末20の音量レベル変更部430は、音量レベルの一定の下げの要求に応答して、情報端末側の音声出力部340の音量調整部の音量レベルを下げる(S112)。
【0037】
次に、再生要求部201は、再度、音声データの再生要求を行い(S114)、情報端末側の音声再生部410は、当該再生要求に応答して、トラック#1の再生を行い(S116)、音声データ送信部420は、再生された音声データ(track1)を車載装置10へ送信する。ここで留意すべきは、音量レベルの下げの要求後に送信される音声データは、最初に送信される音声データと同一の音声データであるが、その音量レベルが最初のものよりも小さい。
【0038】
次に、第2サンプリング部207は、第1サンプリング部203のサンプリング期間と同じ期間、音声データ(track1)のサンプリングを行い、サンプリング結果を「Sampling B」として保持する(S118)。「Sampling B」には、「Sampling A」よりも音量レベルが低い音声データが保持されることになる。
【0039】
次に、第2歪み判定部208は、
図7Cに示すように、「Sampling A」と「Sampling B」とを比較し、「Sampling A」−「Sampling B」=Cの差分を算出し(S120)、差分Cが一定であるか否かを判定する。差分Cが一定であるとき、音声データには歪みが生じていないと判定し、差分Cが一定でないとき、音声データには歪みが生じていると判定する(S122)。
【0040】
図8は、第2歪み判定部208の歪み判定方法を説明する概念図である。
図8(A)は、歪が含まれた音声データの波形Sjであり、一部の波形Z1、Z2は、閾値Thより大きいためにクリップされている。一方、
図8(B)は、
図8(A)よりも音量レベルが低い歪が生じていない音声データの波形Skであり、波形が閾値Thよりも小さく波形がクリップされていない。
図8(A)と
図8(B)の2つの波形Sj、Skは、同一音源の同一の音声データであり、音量レベルのみ異なる。波形Sj、Skは、第1サンプリング部203および第2サンプリング部207によってサンプリングされ、サンプリング値として「Sampling A」、「Sampling B」に保持される。第2歪判定部208は、両サンプルの差分Cを算出し、両サンプルの差分Cを比較する。
【0041】
図8(A)に示す歪みがある音声データと
図8(B)に示す歪がない音声データとを比較した場合、各サンプル地点における差分Cは、一定にはならない。仮に、サンプル地点SM1、SM2、SM3の差分をC1、C2、C3とすると、サンプル地点SM1、SM2では、波形Z1、Z2がクリップされているため、その差分が小さくなるが、サンプル地点SM3では、波形がクリップされていないため、サンプル地点SM1、SM2よりも差分が大きくなる。つまり、C1≠C2≠C3となり、各サンプリ地点SM1、SM2、SM3の差分は一定にはならない。それ故、
図8(A)に示す音声データには歪が生じていると判定される。一方、歪のない音声データ同士を比較した場合、
図9に示すように、各サンプル地点SM1、SM2、SM3での差分C1、C2、C3は、一定となる。但し、「差分が一定」とは、サンプリング周期等の誤差またはマージンを考慮して、C1=C2=C3が必ずしも同一である必要はなく、差分が一定の範囲内とあればよい。
【0042】
第2歪み判定部208によって差分Cが一定、つまり初期音量レベルVD1の音声データに歪みが生じていないと判定された場合(S122)、音量レベル変更要求部210は、VD2=VD1にし、かつ情報端末20に対し、音量レベルを初期音量レベルVD1に戻す要求を行う(S124)。情報端末側の音量レベル変更部430は、この要求に応答して、音量レベルを初期のVD1に戻す(S126)。一方、車載装置側では、
図7Dに示すように、音量レベル調整部211は、初期音量レベルVD1と変更後音量レベルVD2の差分に応じた音量レベルの調整が行うが(S128)、音量レベル変更要求部210によってVD1=VD2の処理が行われているため(S124)、音量レベル調整部211は、車載装置側の音量調整部144の音調調整を行わない。次に、ユーザーによって曲が指定されると(S130)、再生要求部201は、情報端末20に再生を要求し、情報端末側の音声再生部410が指定された曲の再生を行い(S132)、再生された音声データが車載装置10へ送信される。この音声データは、初期音量レベルVD1を有することになる。そして、音声出力部140は、受信した音声データの音声を出力する(S134)。
【0043】
一方、音声データに歪が生じていると判定された場合(S122)、第1サンプリング部203の「Sampling A」が「Sampling B」に置換される(S140)。次に、変更後音量レベル読取部209は、音量レベルの下げの要求された後の音声データの音量レベルを読み取り、これをVD2として保持する(S142)。次に、第1歪み判定部205は、変更後音量レベルVD2が閾値よりも大きいか否かを判定する(S144)。変更後音量レベルVD2が閾値以下である場合には、情報端末側の音量レベルが十分に小さくなっていると判断し、これ以上小さくなるのを抑制するため、音声データに歪があると判定されている場合であっても、フィードバックループから外され、ステップS128へ進む。そして、音量レベル調整部211は、初期音量レベルVD1と変更後音量レベルVD2の差分に応じた音量レベル調整信号S2を音量調整部144へ出力し、音量調整部144は、VD1−VD2に応じて音量レベルを上げる(S128)。
【0044】
第1歪み判定部205によって、変更後音量レベルVD2が閾値よりも大きいと判定された場合には、ステップS110に戻り、再び、音量レベル減少要求部206により情報端末20に対し音量レベルの下げが要求され、ステップS112〜S122までの処理が繰り返される。この処理は、差分Cが一定と判定されるか(S122)、または変更後音量レベルVD2が閾値以下(S144)となるまで繰り返される。
【0045】
本実施例によれば、情報端末20から送信される音声データを車載装置側において音声出力させるとき、情報端末20からの音声データに歪みが生じているか否かを自動的に判定し、音声データに歪みが生じていると判定された場合には、情報端末側の音量レベルを自動的に下げ、歪みのないまたは歪みが抑制された音声データを受け取り、この音声データの増幅または減衰を行うことができる。それ故、従来のように歪みある音声データをそのまま増幅または減衰する場合と比較して、音質の良い音声出力が可能になる。また、情報端末側の音量レベルを下げさせた場合には、これを補うように車載装置側の音量レベルを増加させるため、極端に小さい音量レベルの音声が出力されることが防止される。
【0046】
なお、上記実施例では、音声データの歪みの判定/調整処理を行った後に、ユーザーによって新たに指定された楽曲を再生する例を示したが、これに限らず、例えば、ユーザーがトラック#1の楽曲の再生を指示したとき、トラック#1の楽曲の再生を連続させてもよい。
【0047】
次に、本発明の他の実施例について説明する。上記実施例では、ユーザーによって指定された楽曲の再生時に、音声データの歪みの判定/調整を行うようにしたが、車載装置は、通信手段2を介して情報端末20に接続されたとき、自動的に音声データの歪みの判定/調整を行うようにしてもよい。この場合、車載装置10は、情報端末20に対して、初期音量レベルの音声データの送信、および初期音量レベルよりも小さい音量レベルの音声データの送信を要求し、情報端末は、当該要求に応じて、2つの異なる音声レベルの音声データを送信する。この音声データは、歪み判定専用の音声データであってもよい。初期音量レベルは、情報端末において設定されている音量レベルである。
【0048】
車載装置側は、2つの異なる音声レベルの音声データを受信したとき、情報端末から受信した音声データが音声出力部140から出力されないようにミュート処理をするか、あるいは切替部142に情報端末20からの音声データを選択させないようにする。そして、車載装置は、上記した
図7に示すフローに従い、初期音量レベルの音声データが歪を有するか否かを判定し、歪みを有するようであれば、初期音量レベルの下げを要求し、かつそれを補償するように車載装置側の音量レベルを上げさせ、他方、歪みが生じていないようであれば、初期音量レベルでの送信を要求するようにしてもよい。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形、変更が可能である。