(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より、給湯器などのガス器具を操作するためのリモートコントローラが実用に供されている。このリモートコントローラは、主として、台所、浴室等に取り付けられ、例えば、前面側に設けられたボタンの押下操作などにより、電源のオンオフ、出湯温度の設定、風呂の湯張り、時間設定等の諸操作を、ガス器具から離れた遠隔位置にて行うことができるようになっている。この種のガス器具用のリモートコントローラでは、前面側に配置されたパネルから装置外に露出する形で各種操作部が設けられており、操作部の具体的構造としては、押下操作可能なボタン構造が広く採用されている。
【0003】
例えば特許文献1の技術では、予約給湯をセットする操作部19や、湯温の設定をする操作部21などが装置前面側に設けられ、これら操作部19、21に対する外部からの操作によって機器に対する情報入力が可能となっている。この例では、操作部19、21が操作ボタン23、24によって構成されており、これらの操作ボタン23、24に対する押下操作により、後方側に設けられたタクトスイッチ25、26のオンオフを切り替えることが可能となっている。
【0004】
この特許文献1の例では、フロントケースAの本体部に形成された開口部内に操作ボタン23、24が配置された構造となっている(特許文献1の
図9参照)。操作ボタン23、24は、撓み変形可能に構成された連結部によってフロントケースAの本体部(開口領域の外側部分)と連結されており、操作ボタン23、24と本体部とが一体化している。そして、引用文献1の
図6等で例示されるように、操作ボタン23、24はいずれも、裏面側が後方側に向けて突出した構造となっており、押下操作時には、その操作されたボタンに形成された突出部が、その後方側に配置されるタクトスイッチ(タクトスイッチ25、26)を押すように作用する。
【0005】
ガス器具用のリモートコントローラでは、ユーザの操作性や構成上のメリットなどを考慮し、このようなボタン構造を広く採用しているが、操作部をボタン構造とする場合、それほど強い力を加えすぎなくても滑らかに押下操作を行い得るような構成が望ましいといえる。つまり、ボタン部分が変位しにくいような固いボタン構造とならないようにする必要があり、そのためには、ボタン部分とケース本体部とを連結する連結部をある程度撓みやすく構成しておく必要がある。引用文献1の構成では、このような要求に応えるべく、ボタン部(操作ボタン23、24)の外周縁と、ケース本体部に形成された開口部の内周縁との間の環状空間において、当該環状空間の周方向に沿うように且つボタン部(操作ボタン23、24)の外周縁及び開口部の内周縁に非接触となるように湾曲した構造で連結部を配置している。この構成では、ボタン部(操作ボタン23、24)の外周縁と、ケース本体部とを連結する各々の連結部において、撓みを生じさせるための長さが十分に確保されているため、ボタン部(操作ボタン23、24)に対してある程度の力で押下操作を行えば連結部を良好に撓み変形させることができ、後方側のスイッチ(タクトスイッチ25、26)に対する接触操作が可能となるのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、昨今においては、省エネモードの搭載、光熱費の表示等、ガス器具の多機能化、高機能化が進展しつつあり、このような多機能化、高機能化に合ったリモートコントローラを構成しようとすると、上記ボタン構造(ある程度大きく構成されたボタン部の周りに連結部を長く配置する構成)を採用しにくくなるという問題がある。
【0008】
例えば、ガス器具の多機能化や高機能化に伴い、リモートコントローラでは必要なボタンの数が増えたり、或いは表示スペースやその他の電子部品が増加する傾向にあり、1つの操作ボタンに割り当て可能なスペースが小さくなる傾向にある。しかも、リモートコントローラは、設置スペースや製造・管理コストなどの要因により、小型化が推奨されているため、近年のガス器具用リモートコントローラは、より小さなボタンをより密集させて配置することを強いられやすいという事情がある。
【0009】
しかしながら、より小さなボタン部をより密集させて配置するような構造では、あるボタン部を操作する際に、手の一部が隣接する他のボタン部に触れやすくなるため、意図しないボタン部を無意識のうちに押してしまう事態が生じやすいという問題がある。但し、このような場合でも、ボタン部の外側のケース部分(ケース本体部における開口領域近傍部分)の剛性が十分に確保されていれば、このケース部分の撓み困難性によって隣接ボタンへの影響を抑え、隣接ボタンが大きく押下されてしまうことを防ぎやすくなるが、より小さなボタン部をより密集させて配置する構造では、ボタン部を配置するための開口領域間の距離が短くなり、開口領域間に配置されるケース部分が細くなってしまうため、この部分(開口領域間に配置される細いケース部分)だけで押下力を吸収することは難しい。
【0010】
このように、既存構成のままボタンを小型化、密集化すると、操作者が意図したボタン部を押す際に、指の一部が意図しない隣接ボタンの領域まで及びやすくなり、その際には、ボタン間のフレーム(ケース部分)が簡単に変形しやすく、隣接ボタンが押下操作につられて変位しやすいため、意図しない信号が機器に入力されやすくなるのである。
【0011】
また、小さなボタンをより密集させて配置する構成では、ボタン部の配置領域となる開口領域(ケースに形成された開口部内の領域)をできるだけ小さくする必要があるため、特許文献1のようなボタン配置(即ち、ボタン部の外周縁と開口部の内周縁との間に十分な環状空間が確保されるような配置)が難しくなり、特許文献1のような連結部の構造(即ち、ボタンの外周縁に沿って円弧状に長く連結部を配置する構造)を採用することが困難となる。つまり、より小さなボタンをより密集させて配置する場合、連結部の長さを十分に確保することが難しく、ボタン部分が変位しにくいような固いボタン構造となりやすいため、操作対象となるボタンに対して強い力で押下操作がなされやすい。このため、意図したボタンを強く押下する操作がなされ、その際に指の一部が隣接ボタンにまで及んでしまうと、ボタン間のフレーム(ケース部分)は強い力を受けて容易に変形してしまい、意図したボタンと隣接ボタンとが同時に押下されてしまうような事態がより生じやすくなるのである。
【0012】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、押下ボタンが前面側に設けられたガス器具用のリモコンにおいて、複数の押下ボタンをより近づけて配置しやすく、且つ、いずれかの押下ボタンの押下操作時に、意図しない隣接ボタンが同時に押下されてしまうといった事態を、より確実に抑制しやすい構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、回路基板をケース本体に収容してなるリモコンであって、
前記ケース本体は、前記回路基板の前方側を覆うフロントパネルを備え、
前記フロントパネルには、2つの開口部が隣接して形成された開口対が1又は複数設けられ、
前記開口対における2つの前記開口部のそれぞれの内部には、後方側に押下可能な押下ボタンと、前記押下ボタンを前記開口部の内縁部に連結する連結部と、が設けられ、
2つの前記開口部の間には、前方側又は後方側の少なくともいずれかに突出する突出部を備え且つ前記連結部よりも厚く構成された補強部が設けられ
、
前記開口対における2つの前記開口部の間には、2つの前記開口部の各開口領域を仕切る仕切部が形成されており、
前記補強部は、前記仕切部において2つの前記開口部が隣接する隣接方向と交差する方向に沿って形成された補強リブを有することを特徴とする。
請求項3の発明は、回路基板をケース本体に収容してなるリモコンであって、
前記ケース本体は、前記回路基板の前方側を覆うフロントパネルを備え、
前記フロントパネルには、2つの開口部が隣接して形成された開口対が1又は複数設けられ、
前記開口対における2つの前記開口部のそれぞれの内部には、後方側に押下可能な押下ボタンと、前記押下ボタンを前記開口部の内縁部に連結する連結部と、が設けられ、
2つの前記開口部の間には、前方側又は後方側の少なくともいずれかに突出する突出部を備え且つ前記連結部よりも厚く構成された補強部が設けられ、
前記開口対における2つの前記開口部の間には、2つの前記開口部の各開口領域を連通する連通領域を構成する溝部が形成され、
前記補強部は、前記溝部の前記連通領域の両側にそれぞれ配置されるとともに前方側又は後方側の少なくともいずれかに突出して形成される補強突出部を備えており、
2つの前記補強突出部が対向する対向方向において2つの前記補強突出部の間の領域には、前方側に光を照射する発光部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1
、3の発明では、フロントパネルにおいて、2つの開口部が隣接して形成された開口対が1又は複数設けられ、開口対における2つの開口部のそれぞれの内部には、後方側に押下可能な押下ボタンと、押下ボタンを開口部の内縁部に連結する連結部と、が設けられている。そして、2つの開口部の間には、前方側又は後方側の少なくともいずれかに突出する突出部を備え且つ連結部よりも厚く構成された補強部が設けられている。
この構成では、押下ボタンと開口部の内縁部とを連結する連結部が相対的に薄く構成されているため、連結部において撓み変形が生じやすく、各々の押下ボタンが押下操作に応じて良好に変位しやすくなる。
更に、各押下ボタンが配置された2つの開口部の間には、突出構造を備えると共に相対的に厚く構成された補強部が設けられているため、2つの押下ボタンの間に構成される中間部分の剛性を確実に高めることができる。この構成では、いずれか一方の押下ボタンに対して押下操作を行うときに、操作する指の一部が他方の押下ボタンにかかってしまったとしても、補強部によって押下力を確実に受けることができ、他方の押下ボタンに強い押下力が加わることを確実に抑制することができるため、意図しない他方の押下ボタンまでもが一緒に押下げられてしまうことを防ぎ易くなる。
【0015】
請求項
1の発明では、開口対における2つの開口部の間において、2つの開口部の各開口領域を仕切る仕切部が形成されており、補強部は、仕切部において2つの開口部が隣接する隣接方向と交差する方向に沿って形成された補強リブを有している。
この構成では、2つの開口領域の間をそれほど広げることなく、2つの押下ボタンの間に構成される中間部分(仕切部)の剛性をより確実に高めることができる。また、補強リブは、2つの開口部が隣接する隣接方向と交差する方向に沿って形成されているため、その方向(隣接方向と交差する方向)では、補強リブが設けられた範囲全体にわたって押下力の抑制効果が得られることになる。よって、意図しない押下ボタン側に押下力がより及びにくくなる。
【0016】
請求項
2の発明では、各々の開口部内に設けられた各々の連結部が、仕切部の両側にそれぞれ連結されている。
この構成によれば、開口領域間に設けられた仕切部を、両連結部の基端部分として兼用することができるため、より効率的な配置が可能となる。しかも、両連結部を連結する共通の基端部分(仕切部)が高剛性の構造となっているため、いずれの押下ボタンが操作される場合でも、連結部の変位につられて基端部分が大きく変形してしまうようなことがなく、意図しない領域側へ力が伝達されることをより確実に抑えやすくなる。
【0017】
請求項
3の発明では、開口対における2つの開口部の間には、2つの開口部の各開口領域を連通する連通領域を構成する溝部が形成され、補強部は、溝部の連通領域の両側にそれぞれ配置されるとともに前方側又は後方側の少なくともいずれかに突出して形成される補強突出部を備えている。そして、2つの補強突出部が対向する対向方向において2つの補強突出部の間の領域には、前方側に光を照射する発光部が設けられている。
この構成では、2つの押下ボタンの間に発光部からの光を透過可能な領域を確保しつつも、ボタン間に配置された部分の剛性を高めることができる。特に、2つの押下ボタンの間に発光部を設け、その光を前方側に照射しうるように溝部を設けた構成とすると、2つの押下ボタンの間に空間を設けなければならず、剛性の低下が懸念されるが、本構成では、溝部によって構成される連通領域の両側において補強突出部を設けているため、光を導出可能な空間を構成しつつも、高剛性の部分を積極的に介在させることができる。
【0018】
請求項
4の発明では、押下ボタンにおいて連結部が設けられた側の連結側端部には、当該押下ボタンの中心側に向かって凹む凹部が形成され、連結側端部において凹部の両側には凹部の凹む向きとは逆向きに凸となる凸部が形成されている。そして、連結部は、各々の凸部の先端よりも中心側の位置であって且つ凹部内の所定位置を基端部とし、各々の凸部の先端側とは非接触な構成で開口部の内縁部側に延びている。
このように、押下ボタンの外縁部において部分的に凹部を形成し、この凹部内の所定位置を基端部として連結部を延出させた構造とすれば、限られた開口部内の領域において押下ボタンの領域をより広く確保しつつ、連結部をより長く構成することができる。特に、連結部がより撓みやすい構造となるため、押下ボタンが変形しにくいような固いスイッチ構造となりにくく、押下ボタンの操作性をより高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構造)
まず、リモコン1の全体的な構造について説明する。
リモコン1は、ガス器具(例えば、給湯器)を遠隔操作するためのガス器具用リモートコントローラとして構成されており、浴室、台所等において所定の取付箇所(例えば壁面)に設置(例えば固定)されるものである。このリモコン1は、
図1〜
図3のような外観をなしており、主として、
図3のような部品などによって構成されている。
【0021】
なお、本明細書では、リモコン1の厚さ方向を前後方向としており、
図1〜
図4で示すフロントパネル7に設けられた透過部7bの表示側の外面(前面21)と直交する方向が前後方向となっている。そして、透過部7bの表示側の外面(前面21)が設けられた側を前方側、それとは反対側を後方としている。また、前後方向と直交する所定方向を上下方向としており、
図4、
図6等で示す押下ボタン81a,81bが向かい合う方向が上下方向となっている。そして、上記前後方向及び上記上下方向と直交する方向を左右方向としている。なお、
図1〜
図3等で示すように、リモコン1は、前面視矩形状に構成されており、
図2のようにリモコン1を前面視したときの長手方向が左右方向となっており、前面視したときの短手方向が上下方向となっている。
【0022】
図1、
図3で示すように、リモコン1は、箱状に構成されるケース本体3と、このケース本体3の前面側を部分的に覆う構成で装着されるカバーケース9とを備えている。ケース本体3は、当該ケース本体3の後方側を構成するリアパネル5と、このリアパネル5の前面側に固定されるフロントパネル7とを備えており、これらが互いに組み付けられた構造となっている。ケース本体3の内部には、回路基板P(
図9参照、
図3等では図示略)が収容されており、ケース本体3内の上部側には、この回路基板Pに実装された形で発光表示パネル11が配置されている。なお、回路基板Pは、配線や電子部品を備えた公知構造の電子回路基板として構成されており、前後方向を厚さ方向とする構成で例えば横長に配置されている。発光表示パネル11は、例えば、液晶表示器などの公知の表示装置として構成されており、少なくとも前方側に光を放出しながら各種情報を表示し得る構成となっている。なお、
図2、
図12では、ケース本体3の内部に収容される発光表示パネル11を二点鎖線によって概念的に示している。
【0023】
ケース本体3の一部をなすフロントパネル7は、例えば、樹脂材料などによって構成されており、
図3、
図4で示すように、取付状態(
図1、
図2参照)のときにカバーケース9に前側が覆われるベース部7aと、取付状態のときに外部に露出して配置される透過部7bとを備えている。このフロントパネル7は、
図4で示すように前面視矩形状に構成され、左右方向を長手方向とする長手状の形態をなしており、
図3、
図5、
図12で示すように後方側が開放した箱状の構成となっている。
【0024】
図3、
図12のように、ベース部7aはフロントパネル7において透過部7b以外を構成する部分となっており、このベース部7aには、
図4のように、操作部31,32,33,34,35,36が形成されている。なお、これら操作部31〜36については、後に詳述する。透過部7bは、ベース部7aの前面部よりも前方側に突出した部分であり、
図2、
図12のように、発光表示パネル11を収容しつつ覆うような箱状(後方側が開放した箱状)の形態となっている。この透過部7bは、例えば透明性(無色透明或いは有色透明等の透明性)を有しており、発光表示パネル11を保護しつつ、当該発光表示パネル11から放出された光を前方側に透過(照出)させるように機能している。
【0025】
リアパネル5は、例えば、樹脂材料などによって構成され、
図3のように、前面視矩形状、且つ前方側が開放した箱状に構成されており、
図1、
図3等で示すように、フロントパネル7によって前方側が覆われる構成となっている。そして、
図1のように、フロントパネル7と結合することで、内部に収容空間を備えたケース本体3を構成している。このリアパネル5は、
図3のように、板状の壁部(後壁部)72と、この壁部72から前側に立ち上がる周壁部とを備えている。そして、壁部72の上端部には、左右方向に延びる上壁部71が形成され、壁部72の下端部には、左右方向に延びる下壁部73が形成され、両側端部には、上下方向に延びる側壁部75,76がそれぞれ形成されている。そして、これら壁部71、73、75、76が連結されることで、環状の周壁部が構成されている。また、壁部72には、ケース本体3内から電線等を引き出すための孔部79が形成されている。
【0026】
このように構成されるフロントパネル7及びリアパネル5は、公知の溶着やねじ等の連結部材を用いた連結などによって互いに組み付けられ、これにより、箱状のケース本体3が構成される。そして、このケース本体3は、例えばねじ等の連結部材を孔部77、78(
図3)に挿し通す等の取付構造により、取付対象(浴室や台所などの壁部)に固定されるようになっている。
【0027】
カバーケース9は、
図3のような外観をなし、全体或いはほぼ全体が樹脂材料によって構成されている。このカバーケース9は、ケース本体3における透過部7b以外の部分の前方側を覆うように機能するものであり、透過部7bを挿入可能な開口部51と、開口部51の左右両側に配置される一対の被覆部(側方被覆部)53,54と、開口部51の位置よりも下方側の位置を被覆する下方側被覆部57とを備えている。そして、一対の被覆部53,54の上端部間に架設された形で開口部51の上端部を構成する上枠部55が設けられている。なお、
図1〜
図3等で示す例では、側部スイッチ61、62が、一対の被覆部53,54をそれぞれ構成し、これら側部スイッチ61、62の開口領域側の側部によって開口部51の左右両側の内縁部が構成されており、下部スイッチ64、65、66の開口領域側の端部(上端部)によって開口部51の下側の内縁部が構成されている。そして、このように構成されるカバーケース9は、開口部51内に透過部7bを挿入させるようにケース本体3に組み付けることができ、係合構造によってケース本体3とカバーケース9との組み付け状態(
図1、
図2)が維持されるようになっている。下方側被覆部57は、開閉可能又は着脱可能に構成されており、下方側被覆部57が操作部31〜36の前方側から退避したときに、これら操作部31〜36に対する操作が可能となるように構成されている。
【0028】
(特徴的ボタン構造)
ここで、フロントパネル7に設けられたボタン構造について説明する。
図4、
図5のように、上述したフロントパネル7には、2つの開口部が隣接して形成された開口対が複数設けられており、それぞれの開口対の位置に、上下一対の押下ボタンを備えてなる操作部が構成されている。具体的には、
図4、
図5のように、フロントパネル7の下端側の領域において、左右に並ぶように操作部31,32,33,34,35,36がそれぞれ形成されている。なお、操作部31,32,35,36は、同一の構成であるため、以下の説明では、操作部31のみを詳細に説明する。また、操作部33と操作部34は、左右対称の構造となっており、それ以外は同様の構造であるため、操作部33を重点的に説明する。なお、
図3やその他の図では、フロントパネル7において、操作部31,32,33,34,35,36の各開口領域の外側の部分を本体部30として示しており、後述する仕切部30aなども本体部30の一部をなしている。また、フロントパネル7において、開口領域の内側の部分(本体部30以外の部分)として、後述する連結部や押下ボタンなどが設けられている。
【0029】
まず、操作部31について説明する。
図4、
図5で示すように、操作部31は、横方向に並ぶ複数の操作部31〜36の一つをなし、
図6のように、フロントパネル7のベース部7aにおいて上下に形成された2つの開口部41a,41bからなる開口対41と、2つの開口部41a,41bの間に形成された仕切部30aと、開口対41における2つの開口部41a,41bのそれぞれの内部に設けられた押下ボタン81a,81bと、各押下ボタン81a,81bを各開口部41a,41bの内縁部にそれぞれ連結する連結部91a,91bとを備えた構成となっている。
【0030】
この操作部31は、実際には、
図7、
図9のように樹脂シート13によって前面部が覆われており、前面側から与えられる操作力を、樹脂シート13を介して受けるように構成されている。樹脂シート13は、ベース部7aの一部(少なくとも、操作部31〜36及びベース部7aにおける操作部31〜36の周辺部分)を覆うようにベース部7aの前面部に貼り付けられるものであり、
図1、
図2のような通常状態のときには、下方側被覆部57によって前方側が覆われている。なお、
図9は、ベース部7aにおける操作部31付近の断面構造を概略的に示すものであるが、この図では、ベース部7aに貼り付けられる樹脂シート13も併せて示しており、この樹脂シート13を太線にて概念的に示している。
図7、
図9の例では、1つの樹脂シート13が、操作部31の全領域(即ち、2つの開口部41a,41bの全領域及び仕切部30aの領域)を覆い、更に、操作部31の周囲全体に亘り、ベース部7aにおける操作部31以外の部分を覆っている。また、樹脂シート13には、押下ボタン81a,81bのそれぞれに対応する位置に、各押下ボタン81a,81bの位置を示す図形が表されている。
図7では、これらの図形をクロスハッチングにて概念的に示している。
【0031】
図6、
図8のように、2つの開口部41a,41bはいずれも、内縁部が正面視略矩形状に構成されており、内縁部の4つの角部が湾曲した構成となっている。2つの押下ボタン81a,81bはいずれも正面視略矩形状且つ板状に構成されており、仕切部30a側に設けられた端部が凹んだ形状になっている。押下ボタン81aは、外縁部が開口部41aの内縁部に沿うように配置されている。そして、押下ボタン81aの外縁部が開口部41aの内縁部に沿って配置される領域では、押下ボタン81aの外縁部と開口部41aの内縁部の間に、ほぼ一定幅の隙間が構成されている。押下ボタン81bも同様であり、外縁部が開口部41bの内縁部に沿うように配置されている。そして、押下ボタン81bの外縁部が開口部41bの内縁部に沿って配置される領域では、押下ボタン81bの外縁部と開口部41bの内縁部の間に、ほぼ一定幅の隙間が構成されている。
【0032】
図6、
図8のように、連結部91aは、押下ボタン81aを開口部41aの内縁部(具体的には、下端部)に連結するように撓み変形可能に構成された部分であり、左右の幅が押下ボタン81aの左右の幅よりも狭い構造となっている。また、連結部91aの厚さは、押下ボタン81aの厚さよりも小さくなっている。連結部91bは、押下ボタン81bを開口部41bの内縁部(具体的には、上端部)に連結するように撓み変形可能に構成された部分であり、左右の幅が押下ボタン81bの左右の幅よりも狭い構造となっている。また、連結部91bの厚さは、押下ボタン81bの厚さよりも小さくなっている。2つの押下ボタン81a,81bはこれらの連結部91a,91bによって連結されることで、仕切部30aから延びる片持ち状の構造となっており、いずれのボタンも前方側から後方側に押下操作可能となっている。
【0033】
より具体的には、押下ボタン81aにおいて連結部91aが設けられた側の連結側端部α1には、当該押下ボタン81aの中心P1側に向かって凹む凹部93aが形成され、連結側端部α1において凹部93aの両側には凹部93aの凹む向き(上向き)とは逆向き(下向き)に凸となる凸部95a,96aが形成されている。そして、連結部91aは、各々の凸部95a,96aの先端よりも中心側(仕切部30aから離れる側である上側)の位置であって且つ凹部93a内の所定位置を基端部とし、各々の凸部95a,96aの先端側とは非接触な構成で開口部41aの内縁部側(具体的には、仕切部30a側)に延びている。押下ボタン81b側も同様であり、押下ボタン81bにおいて連結部91bが設けられた側の連結側端部α2には、当該押下ボタン81bの中心P2側に向かって凹む凹部93bが形成され、連結側端部α2において凹部93bの両側には凹部93bの凹む向き(下向き)とは逆向き(上向き)に凸となる凸部95b,96bが形成されている。そして、連結部91bは、各々の凸部95b,96bの先端よりも中心側(仕切部30aから離れる側である下側)の位置であって且つ凹部93b内の所定位置を基端部とし、各々の凸部95b,96bの先端側とは非接触な構成で開口部41bの内縁部側(具体的には、仕切部30a側)に延びている。
【0034】
補強部97は、2つの開口部41a,41bの間に配置された高剛性の部分であり、前方側又は後方側の少なくともいずれかに突出する突出部を備え且つ連結部91a,91bよりも厚く構成された部分となっている。
図6、
図8、
図9の例では、仕切部30aが補強部97として機能しており、意図しないボタンへの押圧力を抑制するように働く。
【0035】
仕切部30aは、開口対41における2つの開口部41a,41bの間において、2つの開口部41a,41bの各開口領域を仕切るように形成されている。この仕切部30aは、左右方向(横方向)に延びた構成となっており、例えば、仕切部30aの上下の最小幅が、各連結部91a,91bの左右の最小幅よりも小さくなっている。そして、この仕切部30aの上下両側には、上述した各々の連結部91a,91bがそれぞれ上下に延びる形で連結されている。
【0036】
図6、
図8、
図9のように、仕切部30aには、2つの開口部41a,41bが隣接する隣接方向(即ち、上下方向)と交差する方向(具体的には、左右方向)に沿って補強リブ97a,97bが形成されている。
図6、
図9のように、補強リブ97aは、連結部91a,91bよりも前方側に突出するリブ状部分であり、両開口部41a,41bの左端部から右端部までにわたって左右方向に延びる形で構成されている。なお、補強リブ97aの左右両側の部分は、中央側の部分(例えば、連結部91a,91bが連結される部分)よりも上下幅が大きくなっている。
図8、
図9のように、補強リブ97bは、連結部91a,91bよりも後方側に突出するリブ状部分であり、
図8のように、左右方向において両開口部41a,41bの左端部位置から右端部位置までにわたって左右方向に延びる形で構成されている。
図9のように、補強リブ97bの後方側への突出量(前後方向の大きさ)は、補強リブ97aの前方側への突出量(前後方向の大きさ)よりも大きく、且つ両連結部91a,91bの厚さ(前後方向の厚さ)よりも大きくなっている。
【0037】
このように構成される操作部31では、例えば、樹脂シート13を介して押下ボタン81aを前方側から後方側に押下操作したときに、連結部91aが撓み変形(弾性変形)しつつ押下ボタン81aが後方側に変位し、その変位量が一定量に達すると、押下ボタン81aに形成された突起99a(後方側への突出部)が回路基板Pに実装されたスイッチSW1(例えば、タクトスイッチなどの接触式スイッチ等)を押すことで、このスイッチSW1にて所定信号が発生するようになっている。なお、押下ボタン81bに対する操作方法や、その操作に応じた作用(突起99bがスイッチSW2を押す作用など)も同様である。
【0038】
ここで、操作部31の特徴的効果について例示する。なお、以下の効果は、操作部32、35、36でも同様に得られる。
【0039】
操作部31の構成では、押下ボタン81a,81bと開口部41a,41bの内縁部とを連結する連結部91a,91bが相対的に薄く構成されているため、連結部91a,91bにおいて撓み変形が生じやすく、各々の押下ボタン81a,81bが押下操作に応じて良好に変位しやすくなる。
【0040】
更に、各押下ボタン81a,81bが配置された2つの開口部41a,41bの間には、突出構造を備えると共に相対的に厚く構成された補強部97が設けられているため、2つの押下ボタン81a,81bの間に構成される中間部分の剛性を確実に高めることができる。この構成では、押下ボタン81a,81bのいずれか一方に対して押下操作を行うときに、操作する指の一部が他方の押下ボタンにかかってしまったとしても、補強部97によって押下力を確実に受けることができ、他方の押下ボタンに強い押下力が加わることを確実に抑制することができるため、意図しない他方の押下ボタンまでもが一緒に押下げられてしまうことを防ぎ易くなる。
【0041】
更に、開口対41における2つの開口部41a,41bの間には、2つの開口部41a,41bの各開口領域を仕切る仕切部30aが形成され、この仕切部30aが補強部97として機能している。そして、仕切部30aには、2つの開口部41a,41bが隣接する隣接方向(上下方向)と交差する方向(具体的には左右方向)に沿って形成された補強リブ97a,97bが形成されている。この構成では、2つの開口領域の間をそれほど広げることなく、2つの押下ボタン81a,81bの間に構成される中間部分(仕切部30a)の剛性をより確実に高めることができる。また、補強リブ97a,97bは、2つの開口部が隣接する隣接方向と交差する方向に沿って形成されているため、その方向(隣接方向と交差する方向)では、補強リブ97a,97bが設けられた範囲全体にわたって押下力の抑制効果が得られることになる。よって、意図しない押下ボタン側に押下力がより及びにくくなる。
【0042】
また、操作部31では、各々の連結部91a,91bが、仕切部30aの両側にそれぞれ連結されている。この構成によれば、開口領域間に設けられた仕切部30aを、両連結部91a,91bの基端部分として兼用することができるため、より効率的な配置が可能となる。しかも、両連結部91a,91bを連結する共通の基端部分(仕切部30a)が高剛性の構造となっているため、いずれの押下ボタン81a,81bが操作される場合でも、連結部91a,91bの変位につられて基端部分が大きく変形してしまうようなことがなく、意図しない領域側へ力が伝達されることをより確実に抑えやすくなる。
【0043】
また、操作部31では、各々の押下ボタン81a,81bにおいて連結部が設けられた側の連結側端部α1,α2に、各押下ボタン81a,81bの中心側に向かって凹む凹部93a,93bがそれぞれ形成され、各連結側端部α1,α2において凹部93a,93bのそれぞれの両側には、凹部の凹む向きとは逆向きに凸となる凸部が形成されている。そして、各々の連結部91a,91bは、凸部の先端よりも中心側の位置であって且つ凹部内の所定位置を基端部とし、凸部の先端側とは非接触な構成で開口部の内縁部側に延びている。このように、押下ボタンの外縁部において部分的に凹部を形成し、この凹部内の所定位置を基端部として連結部を延出させた構造とすれば、限られた開口部内の領域において押下ボタンの領域をより広く確保しつつ、連結部をより長く構成することができる。特に、各々の連結部91a,91bがより撓みやすい構造となるため、押下ボタンが変形しにくいような固いスイッチ構造となりにくく、押下ボタンの操作性をより高めることができる。
【0044】
次に、操作部33、34の構造について説明する。なお、操作部34は、操作部33を左右逆にした同様の構造(具体的には、左右方向と直交する所定の仮想面γ(
図4)を中心として左右対称とした構造)であるため、以下では主に操作部33の構成について詳述する。
【0045】
図10〜
図13で示すように、操作部33は、フロントパネル7のベース部7aにおいて上下に形成された2つの開口部43a,43bからなる開口対43と、2つの開口部43a,43bの間に形成された溝部103と、開口対43における2つの開口部43a,43bのそれぞれの内部に設けられた押下ボタン83a,83bと、各押下ボタン83a,83bを各開口部43a,43bの内縁部にそれぞれ連結する連結部101a,101bとを備えた構成となっている。
【0046】
この操作部33は、実際には、
図12、
図14のように、上述した樹脂シート13に覆われており、前面側から与えられる操作力を、樹脂シート13を介して受けるように構成されている。なお、
図12は、フロントパネル7の断面構造を概略的に示すものであるが、この図では、ベース部7aに貼り付けられる樹脂シート13も併せて示しており、この樹脂シート13を太線にて概念的に示している。
図12、
図14の例では、1つの樹脂シート13が、操作部33、34の全領域を覆い、更に、操作部33、34の周囲全体に亘り、ベース部7aにおける操作部33、34以外の部分を覆っている。この樹脂シート13には、押下ボタン83a,83b,84a,84bのそれぞれに対応する位置に、各押下ボタン83a,83b,84a,84bの位置を示す図形が表されている。
図14では、これらの図形をクロスハッチングにて概念的に示している。
【0047】
2つの開口部43a,43bはいずれも、内縁部が正面視略矩形状に構成されており、内縁部の4つの角部が湾曲した構成となっている。2つの押下ボタン83a,83bはいずれも正面視略矩形状且つ板状に構成されている。押下ボタン83aは、外縁部が開口部43aの内縁部に沿うように配置され、押下ボタン83aの外縁部が開口部43aの内縁部に沿って配置される領域では、押下ボタン83aの外縁部と開口部43aの内縁部の間に、ほぼ一定幅の隙間が構成されている。押下ボタン83bも同様であり、外縁部が開口部43bの内縁部に沿うように配置され、押下ボタン83bの外縁部が開口部43bの内縁部に沿って配置される領域では、押下ボタン83bの外縁部と開口部43bの内縁部の間に、ほぼ一定幅の隙間が構成されている。
【0048】
連結部101aは、押下ボタン83aを開口部43aの内縁部(具体的には、右端部)に連結するように撓み変形可能に構成された部分であり、開口部43aの左右方向の端部から左右方向に延びている。そして、連結部101aの上下の幅は、押下ボタン83aの上下の幅よりも狭くなっており、連結部101aの厚さは、押下ボタン83aの厚さよりも小さくなっている。連結部101bは、押下ボタン83bを開口部43bの内縁部(具体的には、上端部)に連結するように撓み変形可能に構成された部分であり、開口部43bの左右方向の端部から左右方向に延びている。そして、連結部101bの上下の幅は、押下ボタン83bの上下の幅よりも狭くなっており、連結部101bの厚さは、押下ボタン83bの厚さよりも小さくなっている。2つの押下ボタン83a,83bはこれらの連結部101a,101bによって連結されることで、開口部の左右方向端部を基端部として延びる片持ち状の構造となっており、いずれのボタンも前方側から後方側に押下操作可能となっている。
【0049】
そして、この構成でも、2つの開口部43a,43bの間には、前方側又は後方側の少なくともいずれかに突出する突出部を備え且つ連結部101a,101bよりも厚く構成された補強部が設けられている。具体的には、
図10、
図11のように、2つの開口部43a,43bの間には、2つの開口部43a,43bの各開口領域を連通する連通領域(空間領域)を構成する溝部103が形成され、
図11のように、この溝部103の連通領域の両側(溝部103の内縁部)には、後方側に突出し且つ上下方向に延びるように形成されたリブ状の補強突出部107a,107bがそれぞれ設けられている。
【0050】
そして、
図10、
図11のように、2つの補強突出部107a,107bが対向する対向方向(左右方向)において2つの補強突出部107a,107bの間の領域には、前方側に光を照射する発光部133が設けられている。この発光部133は、例えばチップ構造の発光素子(LED素子等)などによって構成されており、例えば上述した回路基板Pに実装されている。なお、
図10、
図11では、発光部133を二点鎖線にて概念的に示している。この発光部133は、少なくとも一部(一部又は全部)が溝部103内(溝部103の内壁と左右に重なる位置)に設けられていてもよく、少なくとも一部(一部又は全部)が2つの補強突出部107a,107bの間(補強突出部107a,107bと左右に重なる位置)に設けられていてもよい。或いは、発光部133の前端部が、2つの補強突出部107a,107bよりも後方の位置に設けられていてもよい。
【0051】
操作部33に隣接した位置には、操作部33と同様の構造をなす操作部34が設けられている。この操作部34は、操作部33を左右逆にした構成となっており、開口部44aが開口部43aと左右に近接し、開口部44bが開口部43bと左右に近接した構成となっている。そして、開口部44aと開口部43aとの間の仕切り部分が、連結部101aと連結部111aの共通の基端部となっており、連結部111aには、開口部44a内に収まる押下ボタン84aが連結されている。また、開口部44bと開口部43bとの間の仕切り部分が、連結部101bと連結部111bの共通の基端部となっており、連結部111bには、開口部44a内に収まる押下ボタン84bが連結されている。更に、開口部44aと開口部43aとの間の仕切り部分及び開口部44bと開口部43bとの間の仕切り部分には、上下方向において開口部43a,44aの上端部位置から開口部43b,44bの下端部位置にまで及ぶように上下方向の延びる補強リブ121が設けられている。この補強リブ121は、後方側に突出したリブ状の構造となっており、補強リブ121が設けられた領域の厚さは、連結部101a、101b、111a、111bの厚さよりも大きくなっており、この位置でも、押圧力が他領域に及ぶことを抑制している。
【0052】
ここで、操作部33の特徴的効果について説明する。なお、以下の効果は、操作部34でも同様に得られる。
操作部33の構成でも、各押下ボタン83a,83bと各開口部43a,43bの内縁部とを連結する連結部101a,101bが相対的に薄く且つ細く構成されているため、連結部101a,101bにおいて撓み変形が生じやすく、各々の押下ボタン83a,83bが押下操作に応じて良好に変位しやすくなる。更に、各押下ボタン83a,83bが配置された2つの開口部43a,43bの間には、突出構造を備えると共に相対的に厚く構成された補強部(補強突出部107a,107b)が設けられているため、2つの押下ボタン83a,83bの間に構成される中間部分の剛性を確実に高めることができる。この構成では、押下ボタン83a,83bのいずれか一方のボタンに対して押下操作を行うときに、操作する指の一部が他方のボタンにかかってしまったとしても、補強部(補強突出部107a,107b)によって押下力を確実に受けることができ、他方のボタンに強い押下力が加わることを確実に抑制することができる。よって、意図しない他方のボタンまでもが一緒に押下げられてしまうことを防ぎ易くなる。
【0053】
更に、この構成では、2つの押下ボタン83a,83bの間に発光部133からの光を透過可能な領域を確保しつつも、ボタン間に配置された部分の剛性を高めることができる。特に、左右方向において、2つの押下ボタン83a,83bの間に発光部133を設け、その光を前方側に照射しうるように溝部103を設けた構成とすると、2つの押下ボタン83a,83bの間に空間を設けなければならず、剛性の低下が懸念されるが、本構成では、溝部103によって構成される連通領域の両側において補強突出部107a,107bを設けているため、光を導出可能な空間を構成しつつも、高剛性の部分を積極的に介在させることができる。
【0054】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0055】
上記実施形態では、開口対が6つ形成され、押下ボタンの組が6組設けられた例を示したが、開口対や押下ボタンの組の数はこの数に限られない。例えば、開口対及び押下ボタンの組が1つのみであってもよく、6以外の複数であってもよい。
【0056】
上記実施形態では、一対の開口部が上下に対向し、その間に仕切部が設けられた構造(操作部31、32等の構造)を例示したが、一対の開口部及び一対の押下ボタンが左右に対向し、その間に仕切部が設けられた構造が設けられていてもよい。例えば操作部31を90°回転させたような構造が設けられていてもよい。
【0057】
上記実施形態では、一対の開口部が上下に対向し、その間に溝部が設けられた構造(操作部33、34等の構造)を例示したが、一対の開口部及び一対の押下ボタンが左右に対向し、その間に溝部が設けられた構造が設けられていてもよい。例えば操作部33、34を一体的に90°回転させたような構造が設けられていてもよい。
【0058】
上記実施形態では、一対の開口部や一対の押下ボタンの前面側にカバー(下方側被覆部57)が設けられ、ボタン操作時にカバーを開いたり取り外したりして使用するような例を示したが、このようなカバーが設けられておらず、非操作時に、一対の開口部や一対の押下ボタンが露出し続ける構成であってもよい。