(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲おいて適宜変更可能である。
【0013】
図1は、本実施形態に係る情報提示システム1の全体構成を説明する構成概略図である。本実施形態に係る情報提示システム1は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置2と、スマートフォン、タブレット、ノートPC(Personal Computer)等の可搬性の端末装置3と、サーバ装置4とが有線や無線等の通信網で構築されたネットワーク5を介して接続された構成となっている。
【0014】
なお、本実施形態においては、ユーザが使用する画像形成装置2及び端末装置3は、家庭や職場等の設置場所L1に設置され、サーバ装置4は、設置場所L1から離れたサービスセンタS1に設置されることを想定している。なお、ネットワーク5は、所謂、インターネットであり、クラウドとも称される。ネットワーク5は互いに隔離した場所に設置された機器同士を接続して情報を相互に授受させる。
【0015】
画像形成装置2は、MFP(Multi-Function Peripheral)として構成されており、記録媒体としての用紙に画像を形成するプリンタ機能の他、原稿上の画像を読み取るイメージスキャナとしての機能や、通信機能を備えており、これらの機能を組み合わせることにより、装置1台でプリンタ、複写機(コピー機)、又はファクシミリ装置等として動作することができる。なお、本実施形態に係る画像形成装置2は、プリンタとして機能する場合、例えば、A3サイズやA4サイズ等の用紙に対し所望のカラー画像を形成することができるように構成されている。
【0016】
ここで、本実施形態に係る画像形成装置2の構成について
図2の概略構成図を用いて説明する。
図2に示すように、画像形成装置2は、略箱型に形成された装置筐体10の内部に種々の部品が配置されている。なお、以下の説明では、
図2における右端部分を画像形成装置2の正面とし、この正面に対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。なお、本発明では、画像形成装置2において用紙に画像を形成するために駆動する、画像形成部31、定着器26、転写ローラ35、給紙部15、中搬送部20、排出部29等の各部材は画像形成手段に含まれるものとして説明する。
【0017】
画像形成装置2は、画像形成装置制御部11により全体動作が統括制御されるように構成されている。画像形成装置制御部11は、画像形成装置通信部12を介して端末装置3と有線又は無線接続されている。画像形成装置制御部11は、端末装置3から印刷対象の画像を表す画像情報が与えられるとともに、当該画像情報の画像形成指示を受けると、用紙P上に印刷画像を形成する画像形成処理(印刷処理)を実行する。
【0018】
装置筐体10の上方には、種々の情報を表示するとともに、ユーザの操作入力を受付ける表示操作部13が設けられている。表示操作部13は、例えば、液晶パネル及びタッチセンサが一体化されたタッチパネル部分と、数字ボタンや矢印ボタン等の組み合わせから成る操作ボタン部分とから構成されている。以下の説明では、説明の便宜上、タッチパネル部分を表示部13A、操作ボタン部分を操作部13Bと称する。
【0019】
装置筐体10内の最下部には、用紙Pを収容する用紙収容カセット14と、用紙収容カセット14に集積された状態で収容されている用紙Pを1枚ずつ分離して給紙する給紙部15とが設けられている。給紙部15は、用紙収容カセット14の前端上側に位置しており、一点鎖線で示す搬送路Wに沿って用紙Pを進行させる。
【0020】
給紙部15は、用紙Pを案内するガイド16に加えて、用紙収容カセット14の前端上側に配置されたホッピングローラ17と、ガイド16の終端近傍に配置されたレジストローラ18と、ガイド16に沿って配置された複数のローラ等とを備える。
【0021】
給紙部15は、画像形成装置制御部11による制御に基づきホッピングローラ17等の各ローラを回転させる。ホッピングローラ17は、回転することにより用紙収容カセット14から用紙Pを1枚ずつ分離しながらピックアップし、搬送路Wに沿って繰出す。用紙Pは、各ローラの回転により、ガイド16に案内されながら搬送路Wに沿って後上方へ折り返されるように進行し、やがて先端部分がレジストローラ18に到達する。レジストローラ18は、用紙Pに対して適度な抵抗力を作用させることにより、進行方向に対し用紙Pの側辺が傾斜する、所謂、斜行を矯正しながら中搬送部20に搬送する。
【0022】
中搬送部20は、レジストローラ18後側近傍に配置されたアイドルローラ21と、ドライブローラ22と、アイドルローラ21及びドライブローラ22によって張架された無端のベルト部材である転写ベルト23とを備える。
【0023】
中搬送部20は、画像形成装置制御部11による制御に基づきドライブローラ22を回転させることにより、転写ベルト23を図中矢印E1方向に駆動させる。転写ベルト23の上側部分には用紙Pが載置され、当該用紙Pは転写ベルト23の駆動に伴い前方から後方に向けて進行する。すなわち、転写ベルト23の上側部分は搬送路Wを形成している。なお、転写ベルト23における下側部分の下方には、用紙Pに転写されずに残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング装置24が設けられている。
【0024】
また、中搬送部20の上側には、搬送路Wに沿って、4個の画像形成ユニット25C、25M、25Y、及び25Kが後方から前方にかけて順に配置されている。画像形成ユニット25C、25M、25Y、及び25K(以下、これらをまとめて画像形成ユニット25と称することがある)は、それぞれシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の各色に対応したトナーを収容するもののその他構成は全て同一となるよう構成されている。
【0025】
ここで、本実施形態に係る画像形成ユニット25の構成について
図3の概略構成図を用いて説明する。
図3に示すように、画像形成ユニット25は、画像形成部31と、トナーカートリッジ32と、LED(Light Emitting Diode)ヘッド33と転写ローラ35とを備える。
【0026】
トナーカートリッジ32は、現像剤としての未使用のトナーを収容する収容空間を有し、画像形成部31上方に着脱可能に取り付けられている。トナーカートリッジ32は、収容している未使用のトナーを画像形成部31のトナー収容部41に供給する。
【0027】
画像形成部31は、トナー収容部41の他、供給ローラ42と、現像ローラ43と、規制ブレード44と、感光体ドラム45と、帯電ローラ46とを備える。画像形成部31は、ドラムモータ37から駆動力が供給されることにより、供給ローラ42、現像ローラ43及び帯電ローラ46を図中矢印R2方向(反時計回り)へ回転させるとともに、感光体ドラム45を図中矢印R1方向(時計回り)へ回転させる。さらに、画像形成部31は、供給ローラ42、現像ローラ43、規制ブレード44及び帯電ローラ46に対してそれぞれバイアス電圧を印加させることで帯電させる。
【0028】
供給ローラ42は、例えば、ステンレス鋼材からなる細長い円柱状の導体を軸とし、その周側面は、例えば、導電性シリコーンゴム発泡体や導電性ウレタンゴム発泡体等が弾性層によって被覆されている。なお、この弾性層には、半導電性を付与する目的で、アセチレンブラックやカーボンブラック等が添加される場合もある。供給ローラ42は、帯電によりトナー主要部41内のトナーを周側面に付着させ、回転により当該トナーを現像ローラ43の周側面に付着させる。
【0029】
現像ローラ43は、例えば、ステンレス鋼材からなる細長い円柱状の導体を軸とし、その周側面は、ウレタンゴムやシリコーンゴム等からなる弾性層と、当該弾性層の表面を覆う表面層によって被覆されている。表面層は、弾性層表面をウレタン溶液を用いて表面処理することにより、或いはアクリル樹脂やアクリル−フッ素共重合樹脂を弾性層表面に塗布することにより形成されている。なお、アクリル樹脂又はアクリル−フッ素共重合樹脂により表面層が形成される場合、カーボンブラックを添加することで導電性を付与している。現像ローラ43は、規制ブレード44によって周側面から余分なトナーが除去された後、当該周側面を感光体ドラム45の周側面に当接させる。
【0030】
規制ブレード44は、例えば、所定厚のステンレス鋼板から構成され、その一部に曲げ加工が施されることにより、現像ローラ43の周側面と当接する当接部が形成されている。この当接部は、現像ローラ43の周側面に対して所定の線圧を加えるように調整されている。
【0031】
感光体ドラム45は、例えば、アルミニウムからなる円筒状のアルミ素管の周側面に、薄膜状の電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層して構成されている。このため、感光体ドラム45周側面は帯電し得るようになっている。感光体ドラム45は、図中矢印R1方向に回転することにより、後述するLEDヘッド33から照射された画像情報に基づく照射光により形成された静電潜像の箇所に現像ローラ43を当接させることでトナーが付着しトナー画像が現像される。
【0032】
帯電ローラ46は、例えば、ステンレス鋼材からなる細長い円柱状の導体を軸とし、その周側面は、例えば、エピクドルヒドリン等の導電性の弾性体で被覆されている。なお、帯電ローラ46の周側面は感光体ドラム45の周側面に当接している。帯電ローラ46は、帯電した状態で感光体ドラム45と当接することにより感光体ドラム45の周側面を一様均一に帯電させる。
【0033】
LEDヘッド33は、複数のLEDチップが左右方向に沿って直線状に配置されて形成されたLEDアレイを備え、画像形成装置制御部11から供給される画像情報に基づいた発光パターンで所定の時間間隔毎に発光することで、感光体ドラム45を露光する。これにより感光体ドラム45はその上端近傍において周側面に静電潜像を形成する。
【0034】
転写ローラ35は、感光体ドラム45の真下に配置されており、その周側面における上端近傍と該感光体ドラム45の下端近傍との間に転写ベルト23の上側部分を挟持している。転写ローラ35には、所定のバイアス電圧が印加されるとともに、ドラムモータ37から駆動力が供給されることにより、図中矢印R2方向へ回転する。これにより転写ローラ35は、搬送路Wに沿って用紙Pが搬送された場合に、感光体ドラム45の周側面に現像されたトナー画像を用紙Pに転写させることができる。
【0035】
このようにして各画像形成ユニット25は、搬送路Wに沿って前方から搬送されてくる用紙Pに対し、それぞれのトナー色のトナー画像を順次転写して重ねながら後方へ進行させていく。
【0036】
ここで、
図2で示す中搬送部20の後端近傍には定着器26が設けられている。定着器26は加熱ローラ27と加圧ローラ28とを備える。加熱ローラ27は中心軸を左右方向に向けて円筒状に形成されており、内部にヒータが設けられている。加圧ローラ28は加熱ローラ27と同様に円筒状に形成されており、上側の表面を加熱ローラ27における下側の表面に所定の押圧力で押し付けている。定着器26は、画像形成装置制御部11による制御に基づき、加熱ローラ27を加熱するとともに、当該加熱ローラ27及び加圧ローラ28をそれぞれ所定方向へ回転させる。これにより定着器26は画像形成ユニット25から受け渡された用紙P、すなわち、4色のトナー画像が重ねられた用紙Pに対して熱及び圧力を付与してトナーを定着させ、さらに後方へ受け渡す。
【0037】
定着器26の後方には、排紙部29が配置されている。排紙部29は、給紙部15と同様に用紙Pを案内するガイドや複数のローラ等の組み合わせにより構成されている。排紙部29は、画像形成装置制御部11による制御に基づき、各ローラを適宜回転させることにより、定着器26から受け渡された用紙Pを後上方へ搬送し、さらに前方へ向けて折り返すことで、装置筐体10の上面に形成された排紙トレイ10Tへ排出する。
【0038】
このような画像形成装置2は、印刷処理を実行する際、各色の画像形成ユニット25においてLEDヘッド33をそれぞれ発光させてトナー画像を形成し、これらを用紙Pに順次転写するように構成されている。
【0039】
次に、本実施形態に係る画像形成装置2の機能構成について
図4の機能ブロック図を用いて説明する。画像形成装置制御部11は、CPU(Central Processing Unit)51と画像形成装置記憶部52とを備える。設定情報格納部としての画像形成装置記憶部52は種々のプログラムや種々のデータを記憶する。具体的には、画像形成装置記憶部52は、不揮発性のROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、揮発性のRAM(Random Access Memory)等により構成され、当該画像形成装置2において使用される用紙Pの用紙設定等を格納する。
【0040】
画像形成装置制御部11のCPU51は、画像形成装置記憶部52から所定のプログラムを読み出して実行することにより、機能ブロックとして画像出力部53及び計測部54を形成する。画像出力部53は、端末装置3から画像形成装置通信部12を介して画像の印刷指示を受信し、又は操作部13Bを介して所定の印刷操作を受け付けると、定着制御部61、露光制御部62、電圧制御部63及び駆動制御部64に対して印刷指示を出力する。計側部54は、温湿度センサ66を制御することにより、例えば、定着器26の加熱ローラ27付近の温度を計測し、計測結果を定着制御部61に出力する。
【0041】
画像出力部53からの印刷指示に基づき、定着制御部61は定着器26の加熱ローラ27の温度を制御する。露光制御部62は印刷すべき画像に基づいてLEDヘッド33の発光を制御する。電圧制御部63は帯電ローラ46、現像ローラ43、供給ローラ42、規制ブレード44、及び転写ローラ35に印加する電圧をそれぞれ制御する。駆動制御部64はドラムモータ37の回転駆動を制御する。トナー残量検出部65は、トナーカートリッジ32内のトナー残量を検出する。
【0042】
情報通信部としての画像形成装置通信部12は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3u/ab等の規格に準拠した有線LAN(Local Area Network)又はIEEE802.11a/b/g/n/ac等の規格に準拠した無線LANにより、ネットワーク5と接続されている。画像形成装置通信部12は、所定の変調処理や復調処理を行いながら、端末装置3やサーバ装置4からネットワーク5を介して受信した種々の情報やデータを画像形成装置制御部11へ供給するとともに、当該画像形成装置制御部11から供給された種々の情報やデータをネットワーク5を介して端末装置3やサーバ装置4に送信する。
【0043】
なお、画像形成装置制御部11は、操作部13Bを介して受け付けたユーザの操作指示や画像形成装置記憶部52に記憶されている装置情報等を画像形成装置通信部12を介してサーバ装置4へ送信することができるように構成されている。
【0044】
次に、端末装置3について説明する。本実施形態に係る端末装置3は、例えば、
図1に示すように可搬型のスマートフォンやタブレット端末等を想定している。このような端末装置3は、
図3に示すように、端末装置制御部71、端末装置表示部72、端末装置入力部73、及び端末装置通信部74を備える。端末装置3は、前述した画像形成装置2と同一の設定場所L1において、当該画像形成装置2と同一のユーザにより使用される。
【0045】
端末装置制御部71は、画像形成装置制御部11と同様に図示せぬCPUや記憶部等により構成されており、当該記憶部に記憶している種々のプログラムを読み出して実行することにより、種々の機能を実行する。端末装置表示部72は、例えば、液晶パネル等で構成され、種々の情報を表示する。端末装置入力部73は、例えば、タッチセンサ等で構成され、ユーザの入力操作を受け付ける。なお、端末装置表示部72及び端末装置入力部73は、画像形成装置2の表示操作部13と同様に、液晶パネル及びタッチセンサを一体化したタッチパネルとして構成されている。
【0046】
端末装置通信部74は、IEEE802.11a/b/g/n/ac等の規格に準拠した無線LANにより、ネットワーク5と接続されている。端末装置通信部74は、所定の変調処理や復調処理等を行いながら、画像形成装置2やサーバ装置4からネットワーク5を介して受信した種々の情報やデータを端末装置制御部71へ供給するとともに、端末装置制御部71から供給された種々の情報やデータをネットワーク5を介して画像形成装置2やサーバ装置4へ送信する。
【0047】
このような構成により、端末装置3は、ネットワーク5を介してサーバ装置4等と種々の通信を行い、ユーザの操作入力に応じて種々のプログラムを実行し、また種々の情報を表示画面に表示する。
【0048】
次に、サーバ装置4について説明する。サーバ装置4は、ネットワーク5(すなわちクラウド)に接続されており、クラウドサーバとも呼ばれる。このようなサーバ装置4は、サーバ装置制御部81、媒体設定情報格納部としてのサーバ装置記憶部82、及びサーバ装置通信部83を備える。サーバ装置制御部81は図示せぬCPUを中心に構成されており、各種プログラム等に従い、種々の演算処理を実行する。
【0049】
サーバ装置記憶部82は、画像形成装置記憶部52と同様に、不揮発のROM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等と、揮発性のRAM等により構成されている。サーバ装置記憶部82は、書き換え可能なフラッシュメモリやハードディスクドライブに対して各種プログラムを予め記憶させるとともに、画像形成装置2から受信した装置情報を逐次記憶させる。
【0050】
そして、サーバ装置制御部81はサーバ装置記憶部82に記憶されている種々のプログラムを読み出して実行することにより、例えば、表示順決定部84等の種々の機能ブロックを実現する。
【0051】
サーバ装置通信部83は、IEEE802.3u/ab等の規格に準拠した有線LANにより、ネットワーク5と接続されている。サーバ装置通信部83は、所定の変調処理や復調処理等を行いながら、画像形成装置2や装置端末3からネットワーク5を介して受信した種々n情報やデータをサーバ装置制御部81へ供給するとともに、サーバ装置制御部81から供給された種々の情報やデータをネットワーク5を介して画像形成装置2や端末装置3へ送信する。
【0052】
このような構成により、サーバ装置4は、例えば、画像形成装置2から装置情報等の情報を受信してサーバ装置記憶部82に記憶させ、また端末装置3等からネットワーク5を介して種々の要求を受け付け、当該要求に応じて種々の処理を実行し、その実行結果を端末装置3へ送信することができる。なお、サーバ装置4は、ネットワーク5を介して他の図示せぬ画像形成装置とも接続して装置情報を受信し、また他の図示せぬ端末装置からの要求に応じた種々の処理も実行し得るように構成されている。
【0053】
なお、サーバ装置記憶部83は、画像形成装置2の表示部13Aや端末装置3の端末装置表示部72が表示するメニューにおいて、転写電圧を変更する変更メニュー、定着温度を変更する変更メニュー、印刷速度を変更する変更メニュー等の用紙の種類毎に関連付けられた媒体装置設定情報を保持する。ここでサーバ装置記憶部83が保持する各変更メニューは各メニューの設定値に対して±3の設定値の範囲で変更可能とされる。具体的には、転写電圧は100V単位、定着温度は5℃単位、及び印刷速度変更は、薄紙/普通紙/厚紙/より厚紙/ごく厚紙で、それぞれ27PPM/24PPM/21PPM/18PPM/15PPM単位で変更が可能である。
【0054】
次に、上記構成を備えた画像形成装置2の印刷動作について説明する。なお、基本的にブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の画像形成ユニット25は同じ動作をするため、ここではブラック(K)の画像形成ユニット25Kを用いて説明する。
【0055】
画像形成装置制御部11の画像出力部53は、画像形成装置通信部12を介して画像の印刷指示を受信すると、印刷動作を開始する。具体的には、画像出力部53は、駆動制御部64に対して印刷指示を出力する。
【0056】
駆動制御部64はドラムモータ37に対して回転駆動指示を与え、感光体ドラム45は
図3中矢印R1方向に、現像ローラ43及び供給ローラ42を
図3中矢印R2方向に回転させる。
【0057】
感光体ドラム45が回転すると、帯電ローラ46は感光体ドラム45と連れ回り回転することにより、感光体ドラム45周側面を一様均一に帯電させる。そして、露光制御部62は印刷すべき画像に基づいてLEDヘッド33の発光を制御することにより感光体ドラム45の周側面に静電潜像を形成させる。
【0058】
感光体ドラム45周側面に静電潜像が形成されると、供給ローラ42に保持されたトナーが現像ローラ43表面に供給される。現像ローラ43表面のトナーは規制ブレード44を通過すると、当該規制ブレード44のせん断力により層厚が規制され均一となる。均一に規制されたトナーが付着する現像ローラ43周側面と静電潜像が形成された感光体ドラム45周側面とが接触すると、感光体ドラム45周側面の静電潜像がトナーにより現像されトナー画像が形成される。
【0059】
一方、ドライブローラ22の回転により転写ベルト23は
図1中矢印E1方向に駆動する。そして、用紙Pは、ホッピングローラ17により搬送路Wに沿って繰り出され、レジストローラ18により挟持搬送される。その後、用紙Pは、転写ベルト23により搬送される。イエロー(Y)の画像形成ユニット25Y、マゼンタ(M)の画像形成ユニット25M、シアン(C)の画像形成ユニット25Cにおいても同様にトナー画像を感光体ドラム45上に形成させておく。感光体ドラム45周側面のトナー画像は、所定のバイアス電圧が印加された転写ローラ35により順次用紙Pに転写される。
【0060】
トナー画像が転写された用紙Pは、予め加熱された加熱ローラ27と当該加熱ローラ27と対抗した配置された加圧ローラ28との間のニップ部を通過することにより熱及び圧力が付与され、用紙P上のトナーが定着される。定着処理された用紙Pは、排紙部29から排紙トレイ10Tへ排出され、一連の印刷処理は終了する。
【0061】
次に、本実施形態に係る情報提示システムについて説明する。本実施形態では、画像形成装置2に不具合が発生した場合に、端末装置3からネットワーク5(クラウド)を介してサーバ装置4にアクセスし、対処方法を検索し、画像形成装置2の設定を変更することを想定している。
【0062】
また、本実施形態においては、画像形成装置2に発生する不具合として転写不良、定着不良を想定する。転写不良とは、転写電圧が高い場合にハーフトーン等のドット画像にチリ、横筋が生じ、転写電圧が低い場合にベタ印刷が正常に転写されずに画像の印刷濃度が薄くなる不具合をいう。また、定着不良とは、定着温度が高すぎる場合に用紙上のトナーが定着器のローラに移ることで画像の印刷濃度が薄くなり、定着温度が低すぎる場合に用紙にトナーが定着されずに剥がれてしまう不具合をいう。
【0063】
この様な不具合が発生した場合、ユーザは装置付属のマニュアルを参照した上で、装置が提供する転写電圧変更メニュー、定着温度変更メニュー、又は印刷速度変更メニュー等の調整を行う必要があり、この調整作業は煩雑で分かりにくいものであった。
【0064】
本発明では、ユーザが使用する用紙Pに関する用紙設定の格納有無に基づき、上記転写電圧変更、定着温度変更、又は印刷速度変更等の調整を簡便に行うことが可能な情報提示システムを提供するものである。
図5〜
図12を用いて本実施形態に係る情報提示システムの動作について説明する。ここで、
図5は本実施形態に係る情報提示システムの動作を説明するフローチャートであり、
図6〜
図12は、サーバ装置4が提供する情報設定、設定提示画面の構成例を説明する模式図である。
【0065】
まず、
図5のステップS10において、画像形成装置2に上記不具合が発生すると、画像形成装置制御部11は、現在記録媒体として使用されている用紙Pの用紙設定が画像形成装置記憶部52に格納されているか否かを確認する。
【0066】
用紙Pの用紙設定として、例えば、「エクセレントホワイト」、「エクセレントグロス」、「エクセレントペーパー」といった用紙Pの用紙設定が画像形成装置記憶部52に格納されている場合(ステップS11 Yes)、画像形成装置制御部11は、該当する用紙設定を読み出し(ステップS12)、読み出した用紙設定に基づく装置設定を適用する(ステップS13)。
【0067】
一方、用紙設定が画像形成装置記憶部52に格納されていない場合(ステップS11 No)、その旨は画像形成装置通信部12、端末装置通信部74を介して端末装置制御部71に通知される。通知を受けた端末装置制御部71は、例えば、ブラウザプログラム等を利用し、端末装置通信部74を介してネットワーク5(クラウド)に接続する(ステップS14)。そして、端末装置制御部71は、サーバ装置通信部83を介して、サーバ装置4が提供するFAQ画面を端末装置表示部72に表示させる(ステップS15)。
【0068】
ここで、
図6(a)は、端末装置表示部72が表示するFAQ画面100の構成例を示している。FAQ画面100は、特に用紙情報の入力に特化した画面であり、入力項目としては、"メーカ名"入力ボックス101、"媒体名"入力ボックス102、"厚さ"入力ボックス103、及び"色"入力ボックス104を備える。
【0069】
ユーザは、
図6(b)の登録例110に示すように、"メーカ名"入力ボックス101に"紀州製紙"、"媒体名"入力ボックス102に"色上質紙"、"厚さ"入力ボックス103に"超厚口"、及び"色"入力ボックス104に"ブルー"の各項目を端末装置入力部73を介して入力し、サーバ装置4が提供するおすすめ設定を検索する場合には、"はい"ボタン111、"いいえ"ボタン112のうち、"はい"ボタン111を押下し、用紙情報を登録する(ステップS16)。なお、ここでの入力例はあくまでも一例であり、ユーザが使用する用紙の種類に応じて当該入力項目は適宜変更される。
【0070】
ステップS16において、用紙情報が登録されると、サーバ装置制御部81の表示順位決定部84は、入力された用紙情報に基づき画像形成装置2に対して適用可能なおすすめ設定を決定し、当該決定内容を端末装置3に送信する。端末装置通信部74を介して決定内容を受信した端末装置制御部71は、端末装置表示72を介して
図7に示す例のようなおすすめ設定画面120を表示させる(ステップS17)。
【0071】
図7で示すおすすめ設定画面120では、ユーザにより登録された用紙情報に基づきサーバ装置4の表示順位決定部84により決定された転写設定121、定着温度122、用紙厚(印刷速度)123の調整値がそれぞれ表示されている。
【0072】
ユーザは、表示されたおすすめ設定画面120を参照し、設定内容を装置に適用するか否かを判断する(ステップS18)。
【0073】
ユーザは、おすすめ設定画面120に表示された転写設定121、定着温度122、用紙厚(印刷速度)123の調整値を受け入れる場合には、おすすめ設定画面120の選択画面124内に表示された"トレイ1"ボタン125a又は"MPT"ボタン125bの何れかを押下する。ここで、表示されるトレイボタンは、画像形成装置2が現在実装中のトレイ情報に基づくものであり、当該トレイボタンの押下を受けて装置設定の適用が確定される。ユーザにより"トレイ1"ボタン125a又は"MPT"ボタン125bの何れかが押下されると、
図8に示す印刷確認画面130が表示される。
【0074】
図8に示す印刷確認画面130の指示に基づき、ユーザは印刷動作を実行させる。このとき、サーバ装置制御部81は、確定された装置設定に係る情報をサーバ装置通信部83を介して画像形成装置2に送信する。装置設定に係る情報を受信した画像形成装置2は、受信した情報に基づき装置設定を変更して印刷動作を行う。印刷動作の結果、不具合が解消された場合、ユーザは印刷確認画面130の"はい"ボタン131aを押下する。"はい"ボタン131aの押下に伴う不具合の解消情報は、サーバ装置4に送信され集計がなされる。
【0075】
一方、印刷動作の結果、不具合が解消されない場合、ユーザは印刷確認画面130の"いいえ"ボタン131bを押下する。"いいえ"ボタン131bが押下されると、サーバ装置制御部81の表示順位決定部84は、画像形成装置2に対して適用可能な装置設定を再度決定し、当該決定内容を端末装置3に送信する。端末装置通信部74を介して決定内容を受信した端末装置制御部71は、端末装置表示72を介して
図9に示す例のよう設定変更画面140を表示させる。
【0076】
図9に示す設定変更画面140では、転写設定141、用紙厚設定142の設定変更案が提案されており、ユーザは提案された設定変更案を受け入れる場合は、設定変更画面140の"はい"ボタン143aを押下する。ユーザにより"はい"ボタン143aが押下されると、
図8に示した印刷確認画面130と同内容の印刷確認画面150が表示される(
図10)。
【0077】
図10に示す印刷確認画面130の指示に基づき、ユーザは印刷動作を実行させる。印刷動作の結果、不具合が解消された場合、ユーザは印刷確認画面150の"はい"ボタン151aを押下する。"はい"ボタン151aの押下に伴う不具合の解消情報は、サーバ装置4に送信され集計がなされる。
【0078】
一方、印刷動作の結果、不具合が解消されない場合、ユーザは印刷確認画面150の"いいえ"ボタン151bを押下する。"いいえ"ボタン151bが押下されると、サーバ装置制御部81の表示順位決定部84は、画像形成装置2に対して適用可能な装置設定を再度決定し、当該決定内容を端末装置3に送信する。端末装置通信部74を介して決定内容を受信した端末装置制御部71は、端末装置表示72を介して更なる設定変更画面を表示し、不具合の解消に努める。
【0079】
ところで、
図7に示したおすすめ設定画面120において、ユーザは他のユーザ設定を検索する場合には、"はい"ボタン126aを押下する。他のユーザ設定を検索しない場合は、"いいえ"ボタン126bを押下する。
【0080】
ユーザにより"はい"ボタン126aが押下されると、サーバ装置制御部81の表示順位決定部84は、これまでに集計した集計結果を端末装置3に送信する。端末装置通信部74を介して集計結果を受信した端末装置制御部71は、端末装置表示72を介して
図11に示す例のようなユーザ設定検索結果画面160を表示させる。ここでいう集計結果とは、サーバ装置制御部81の表示順位決定部84の提案に基づき設定変更を行った結果、不具合が解消された事例を集計した結果を表す。
【0081】
図11に示すユーザ設定検索結果画面160では、これまでにサーバ装置4が集計した集計結果が、転写設定161、用紙厚設定162に区分されて表示されている。例えば、転写設定161では、転写設定として調整値+2を採用して装置設定を適用した結果、印刷結果が改善されたユーザ数が105人存在することを表している。したがって、ユーザは、サーバ装置制御部81の表示順位決定部84による提案に加え、他のユーザの実証結果であるユーザ設定検索結果を利用することにより、より最適な装置設定を決定することができる。
【0082】
そして、ユーザはユーザ設定検索結果に基づく設定変更案を受け入れる場合は、ユーザ設定検索結果画面160の"はい"ボタン163aを押下する。ユーザにより"はい"ボタン163aが押下されると、
図8、
図10に示した印刷確認画面130、150と同内容の印刷確認画面170が表示される(
図12)。
【0083】
図12に示す印刷確認画面170の指示に基づき、ユーザは印刷動作を実行させる。印刷動作の結果、不具合が解消された場合、ユーザは印刷確認画面170の"はい"ボタン171aを押下する。"はい"ボタン171aの押下に伴う不具合の解消情報は、サーバ装置4に送信され集計がなされる。
【0084】
一方、印刷動作の結果、不具合が解消されない場合、ユーザは印刷確認画面170の"いいえ"ボタン171bを押下する。"いいえ"ボタン171bが押下されると、サーバ装置制御部81の表示順位決定部84は、画像形成装置2に対して適用可能な装置設定を再度決定し、当該決定内容を端末装置3に送信する。端末装置通信部74を介して決定内容を受信した端末装置制御部71は、端末装置表示72を介して更なる設定変更画面を表示し、不具合の解消に努める。
【0085】
なお、上記説明においては、サーバ装置4が提供する情報設定、設定提示画面は端末装置3の端末装置表示部72で表示され、端末装置入力部73を介して情報入力を行う形態について説明したが、サーバ装置4が提供する情報設定、設定提示画面を画像形成装置2が備える表示部13Aに表示させ、操作部13Bを介して情報入力を行う形態としてもよい。
【0086】
従来技術では、画像形成装置に不具合が発生した場合、ユーザは装置付属のマニュアルを参照した上で、装置が提供する転写電圧変更メニュー、定着温度変更メニュー、又は印刷速度変更メニュー等の調整を行う必要があり、この調整作業は煩雑で分かりにくいものであった。これに対して本実施形態によれば、用紙情報(設定)を検索することで、最適な設定が提示され画像形成装置の装置設定をネットワーク上のサーバ装置で自動的に変更することができる。ユーザが使用する特殊媒体は多岐にわたり、装置にすべての用紙情報を登録することはできないので、ネットワーク上のサーバ装置にユーザが使用する用紙情報を登録することで対応することができる。また、例えば、4M変動で用紙の特性が変わった場合でも、サーバ装置に新しい用紙情報を登録することで迅速に対応することが可能である。
【0087】
本発明の説明において画像形成装置の例としてMFPを一例にして説明したが、本発明は複写機能を有さないプリンタ(Single Function Printer)にも適用可能である。また画像形成装置の転写方式として直接転写方式について説明したが、中間転写方式についても適用可能であり、この場合、2次転写電圧を変更するように構成することも可能である。また、転写と定着の設定が変更されたカスタムメディアをダウンロードして印刷しもかまわない。さらに、おすすめ設定は、ユーザがサービスセンタ等に投稿した情報を共有したり、メーカが登録などしてもよく、画像形成装置から使用状況を得て登録する形態としてもかまわない。