(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理部は、前記その他の電話機から発呼操作が、予め登録されている電話番号からの発呼操作であった場合に、前記その他の電話機の回線を前記会議トランクへ接続する、請求項1に記載の電話会議システム。
【背景技術】
【0002】
3者以上の間で行う電話会議は、通常、予め設定した時間に、指定した電話番号へそれぞれがアクセスすることにより確立される。このような電話会議を行う場合には、事前に電話会議参加者のスケジュールの調整を行うとともに、指定した電話番号を予約する。また、これ以外の方法として、いくつかの提案が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている会議通話接続方法は、会議招集者が最初に第1の会議被招集者を呼び出す。第1の会議被招集者の応答後、会議招集者又は第1の会議被招集者が第1のフッキング操作を行い第2の会議被招集者の電話番号をダイヤルする。第2の会議被招集者の応答後、呼び出しを行った会議招集者又は、第1又は第2会議被招集者が、第2のフッキング操作又は会議釦を押下することによって、三者通話となる。同様に会議招集者、第1及び第2会議被招集者の三名のいずれかの電話機からも上述と同様の操作を行うことにより、四者通話状態となる。以下同様の操作を繰り返すことにより第n者(但し、nは4を越える整数)の会議通話接続を可能とする。
【0004】
また、特許文献2に記載されている電話装置は、ミキシング手段と、二者間での通話中に、該二者間の通話を保留状態にして、第三者との通話を開始させる第三通話開始手段とを備える。そして、保留状態となっている二者間での通話を再開させる。さらに、第三通話開始手段によって開始される通話で受信する第三者の音声を、再開される通話の相手側へ送信する音声に加え、該相手側から受信する音声を、該第三者へ送信する音声に加えるようにミキシング手段を制御する。そして、三者間での相互通話を開始させる。
【0005】
特許文献3に記載されている三者通話装置は、予め設定されている電話番号を前記接続回線に送出するダイヤル部と、三者通話を行うための処理を行う制御部と、制御部を起動して三者通話を行うための処理を開始させる三者通話スイッチとを具備する。また、三者通話を行うために、二者通話ステップと、通話中に第1通話者により三者通話スイッチが押下されて三者通話装置が起動する三者通話起動ステップとを備える。そして、電話網に第3通話者の電話番号を送出するダイヤリングステップと、第1通話者と第3通話者とが電話網を介して通話する第2呼二者通話ステップとをそなえる。さらに、第3通話者の操作に基づいて、第1通話者と前記第2通話者と第3通話者との間の三者通話の開始を電話網に通知する三者通話開始ステップとを具備する。
【0006】
すなわち、上述した特許文献に記載された関連する技術により電話会議を行う場合は、通話者が通話状態を一旦保留状態にして、電話会議の参加者を呼び出す操作を行う。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、本発明にかかる実施の形態1における電話会議システム100のブロック図である。電話会議システム100は、2台の電話機の回線を通話可能とする通常の2者間通話に加えて、3以上の電話機による電話会議を行うことができる。電話会議システム100は、複数の内線電話機ex_1〜ex_Nと、ボタン電話装置10とを備える。
【0016】
複数の内線電話機ex_1〜ex_Nは、ボタン電話装置10に接続された電話機である。内線電話機ex_1〜ex_Nは、それぞれ、受話器、スピーカ、マイク、ダイヤル発信部、着信検出部、表示部、音量調節ボタン及び回線接続部を主に有している。また、内線電話機ex_1〜ex_Nは、それぞれ、会議ボタン24を有している。会議ボタン24は、電話会議システム100が会議モードへ移行するにあたり、ユーザが押下するボタンである。例えば、ユーザが内線電話機ex_1の会議ボタン24を押下すると、内線電話機ex_1は、会議モードへ移行する指示信号をボタン電話装置10に送信する。
【0017】
また、ユーザが内線電話機ex_1の会議ボタン24を押下して電話会議システム100を会議モードに移行した後に、ユーザが再度内線電話機ex_1の会議ボタン24を押下すると、内線電話機ex_1は、会議モードを終了する指示信号をボタン電話装置10に送信する。尚、会議モードを終了する指示信号を送信するためのボタンは、会議ボタン24とは別に設けても良い。
【0018】
ボタン電話装置10は、構内に敷設した複数の内線電話機用の回線に接続し、内線電話同士の通話を確立する。また、ボタン電話装置10は、構外の公衆電話網を介して外線電話機に接続し、外線電話機と内線電話機との通話を確立する。ボタン電話装置10は、内線インターフェース20と、会議トランク30と、外線インターフェース40と、処理部50とを備えている。また、
図1に示した例において、ボタン電話装置10は、公衆電話網60を介して外線電話機70と接続している。
【0019】
内線インターフェース20は、複数の内線電話機ex_1〜ex_Nが終端に接続された複数の内線電話回線を接続する。内線インターフェース20は、内線ポートを含む回線である内線21〜Nを有している。
図1に示すように、例えば、内線電話機ex_1は、内線電話回線を介して、対応する内線21に接続している。また、内線電話機ex_2は、内線電話回線を介して、対応する内線22に接続している。同様に、任意の内線電話機ex_Nは、内線電話回線を介して、対応する任意の内線Nに接続している。内線インターフェース20は、処理部50に接続している。
【0020】
それぞれの内線電話回線は、それぞれの内線電話機と、ボタン電話装置10とを接続する。内線電話回線は、各内線電話機が送信する信号をボタン電話装置10へ伝送し、また、ボタン電話装置10が送信する信号を対応する各内線電話機へ伝送する。
【0021】
会議トランク30は、複数の電話回線をミキシングするミキシング回路を有し、複数の電話回線に対して同時に音声信号の送受信を共有する。会議トランク30は、処理部50に接続しており、処理部50を介して接続された内線電話回線又は外線電話回線の信号を受けつける。そして、会議トランク30は、処理部50を介して接続された複数の回線を互いに通話可能な状態とする。
【0022】
外線インターフェース40は、公衆電話網に接続された外線電話回線を接続する。外線インターフェース40は、外線ポートを含む回線である外線41を有している。外線41は、外線電話回線を介して、公衆電話網60に接続している。尚、
図1において外線インターフェース40は、外線ポートを1つ有しているのみであるが、複数の外線ポートを有していても良い。
【0023】
外線電話回線は、外線41と、公衆電話網60とを接続する。外線電話回線は、公衆電話網60を介して送信される外線電話機70からの信号を、ボタン電話装置10へ伝送し、また、ボタン電話装置10が送信する信号を、公衆電話網60を介して対応する外線電話機70へ伝送する。
【0024】
処理部50は、内線インターフェース20、会議トランク30及び外線インターフェース40に接続し、各電話回線を適宜接続する処理を行う。例えば、内線電話機ex_1と内線電話機ex_2との2者通話状態を確立する場合、処理部50は、内線21と内線22とを接続する。また、内線電話機ex_1と外線電話機70との2者通話状態を確立する場合、処理部50は、内線21と外線41とを接続する。さらに、2者通話状態において、通話状態の内線電話機が有する会議ボタン24が押下されると、処理部50は、通話中の回線を会議トランク30へ接続する。そして、その他の電話機の回線から発呼操作が行われた場合は、その電話機の回線を会議トランク30へ接続し、3以上の電話機による電話会議を行うことが可能な状態にする。
【0025】
次に、
図2〜4を参照しながら、電話会議システム100における各回線の接続状態を説明する。
【0026】
2者間通話状態
図2は、実施の形態1における電話会議システム100の2者間通話状態の一例を示す概念図である。
図2の例では、内線電話機ex_1と、公衆電話網60を介して接続された外線電話機70との2者間通話状態が確立している。すなわち、太い矢印によって示した回線は音声信号の送受信が可能な状態となっている。ボタン電話装置10内部の配線に着目すると、内線電話機ex_1が接続された内線21と、外線電話機70が接続された外線41とは、ここでは図示しない処理部によって、2者間通話状態が確立するように接続されている。
【0027】
一方で、破線によって示した回線すなわち内線電話機ex_2と、内線電話機ex_3とが接続された回線は、通話状態が確立されていない。
【0028】
また、
図2に示した2者間通話状態においては、会議トランク30は、いずれの回線にも接続していない。
【0029】
会議モードへの移行状態
図3は、実施の形態1における電話会議システム100の会議モードに移行した状態を示す概念図である。会議モードへ移行するに際し、内線電話機ex_1の通話者は、会議ボタン24を押下する。会議ボタン24が押下されると、内線電話機ex_1は、会議モードへ移行する指示信号をボタン電話装置10に送信する。
【0030】
ボタン電話装置10は、会議モードへ移行する指示信号を受けると、2者通話状態が確立されている内線21と、外線41とを、それぞれ会議トランク30へ接続する。すなわち、通話中の内線電話機ex_1の回線及び外線電話機70の回線を会議トランクへ接続する。これにより、他の電話機からの発呼操作があった場合に、3以上の電話機による電話会議を行うことが可能な状態となっている。
【0031】
会議モードの通話状態の確立
図4は、実施の形態1における電話会議システム100の3者通話状態を示す概念図である。
図4の例示は、電話会議システム100が会議モードへ移行した後に、内線電話機ex_2が内線電話機ex_1に対して発呼操作を行った場合である。この場合、処理部50は、内線電話機ex_2が接続されている内線22を会議トランク30へ接続する。その結果、会議トランク30は、内線21、外線41及び内線22の通話状態を確立している。
図4の例示では、内線電話機ex_3は発呼操作が行われていないために通話状態が確立されていない。しかし、内線電話機ex_3が内線電話機ex_1に対する発呼操作を行えば、会議トランク30へ接続され、電話会議に参加可能な状態である。
【0032】
電話会議確立手順
次に、
図5及び6を参照しながら、ボタン電話装置10における各回線の接続手順を説明する。
【0033】
図5は、実施の形態1におけるボタン電話装置10の2者間通話状態を示すシーケンス図である。
図5の例は、外線41に接続された外線電話機70が公衆電話網60を介して、内線21に接続された内線電話機ex_1に発呼操作を行った場合における、ボタン電話装置10の状態である。
【0034】
まず、外線電話機70が発呼操作をすることにより、外線41は、内線21を発呼する(ステップS10)。外線41が内線21を発呼することにより、内線電話機ex_1はスピーカから着信音を発生させるなどして内線電話機ex_1の使用者に着信を通知する。外線41からの発呼を受けて、内線電話機ex_1の使用者は着信に応答する操作を行う。具体的には、内線電話機ex_1の受話器を取り上げると共に通話ボタンを押下する等の操作を行う。これにより、処理部50は、内線21を外線41へ接続する(ステップS11)。そして、内線21と外線41とは2者通話状態が確立される(ステップS12)。2者通話状態が確立された電話会議システム100は、
図2において説明した接続状態である。
【0035】
2者通話状態が確立されると、その他の電話機からの着信を受付けない。例えば、
図5に示すように、内線21と外線41との間に2者通話状態が確立された後に、内線22が内線21へ発呼する(ステップS13)。この場合、内線21は外線41との2者通話状態が確立されているため、内線22の着信を拒否する(ステップS14)。具体的には、例えば、ボタン電話装置10は、図示しないトーン発信部を用いて、内線21が他の回線との間において通話状態であることを通知するためのトーン音を、内線22に対して送信する。
【0036】
次に、内線21と外線41との2者間通話を終了させる。具体的には、例えば、内線電話機ex_1の使用者が通話ボタンを押下する等の操作を行う。これを受けて、処理部50は、内線21と外線41とを切断する操作を行う(ステップS15)。尚、この場合、内線21又は外線41のいずれか一方から、他方に対して切断操作を行えば良い。すなわち、外線41に接続されている外線電話機70の通話ボタンを押下した場合も、処理部50は、内線21と外線41とを切断する操作を行う。
【0037】
そして、処理部50が2者間通話の回線を切断すると、2者間通話は、終了する(ステップS16)。
【0038】
次に、
図6を参照しながら電話会議システム100の会議モードについて説明する。
図6は、ボタン電話装置10の会議モードを示すシーケンス図である。
図6の例は、外線41に接続された外線電話機70が公衆電話網60を介して、内線21に接続された内線電話機ex_1に発呼操作を行った後、会議モードに移行し、内線電話機ex_1が電話会議に参加する場合における、ボタン電話装置10の状態である。尚、
図5において説明した手順と重複する部分については同じ記号を用いたうえで適宜説明を省略する。
【0039】
まず、外線電話機70が発呼操作をすることにより、外線41は、内線21を発呼する(ステップS10)。次に、
図5を参照しながら説明した手順と同様に、処理部50は、内線21を外線41へ接続する(ステップS11)。これにより、内線21と外線41とは2者通話状態が確立される(ステップS12)。
【0040】
次に、内線電話機ex_1の使用者は、会議モードに移行するため、内線電話機ex_1の有する会議ボタン24を押下する(ステップS20)。会議ボタン24が押下されると、処理部50は、内線21の接続を、会議トランク30へ転送する(ステップS21)。同様に、会議ボタン24が押下されると、処理部50は、外線41の接続を、会議トランク30へ転送する(ステップS22)。これにより内線21と、会議トランク30とは、通話状態が確立される(ステップS23)。同様に、外線41と、会議トランク30とは、通話状態が確立される(ステップS24)。したがって、内線21と外線41とは、会議トランク30を介して接続された状態となる。そして、電話会議システム100は、他の回線から発呼操作があった場合に、これを会議トランク30へ接続することにより、3以上の電話機による電話会議を行うことが可能な状態となる。これは、
図3において説明した接続状態である。
【0041】
次に、内線電話機ex_2の使用者は、電話会議に参加するため、内線電話機ex_1に発呼する(ステップS25)。処理部50は、内線22からの発呼を受付ける(ステップS26)。さらに、処理部50は、会議トランク30を内線22へ接続する(ステップS27)。これにより内線22と、会議トランク30とは、通話状態が確立される(ステップS28)。内線22と、会議トランク30との間において通話状態が確立されると、内線電話機ex_2の使用者は、電話会議に参加することができる。尚、この場合の接続状態は、
図4において説明した接続状態である。
【0042】
このように、電話会議システム100は、2者通話状態から会議モードに移行する際に、通話を中断することなく、3以上の電話機による電話会議を行うことが可能な状態が確立される。
【0043】
次に、会議モードを終了する場合について説明する。内線電話機ex_1の使用者は、会議モードを終了させるため、内線電話機ex_1の有する会議ボタン24を押下する(ステップS29)。会議ボタン24が押下されると、処理部50は、会議トランク30に接続されている各回線を、切断又は転送することにより、2者間通話状態へと戻す操作を行う。すなわち、処理部50は、会議モード移行後に接続した内線22を切断する(ステップS30)。また、処理部50は、会議モード移行前から接続されている内線21を会議トランク30から内線21へ転送する(ステップS31)。同時に、処理部50は、外線41を会議トランク30から外線41へ転送する(ステップS32)。そして、処理部50は、内線21と外線41とを接続して2者通話状態を確立する(ステップS33)。尚、会議モードを終了するための手段としては、会議ボタン24を押下するという操作に代えて、例えばフッキング操作を採用してもよい。
【0044】
次に、2者通話状態を終了させる場合について説明する。その場合、例えば、内線電話機ex_1の使用者は、通話ボタンを押下する等の操作を行う。これを受けて、処理部50は、内線21と外線41とを切断する操作を行う(ステップS15)。そして、処理部50が2者間通話の回線を切断すると、2者間通話は、終了する(ステップS16)。
【0045】
このように実施の形態1の電話会議システムは、専用回線を事前に確保することなく、また、確立された通話状態を中断させることなく電話会議の参加者を追加する電話会議システムを提供することができる。
【0046】
実施の形態2
次に、
図7及び
図8を参照しながら、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、ボタン電話装置において制御部、記憶部及びタイマを有している点において実施の形態1とは異なる。したがって、重複する構成要素については適宜省略しながら説明する。
【0047】
図7は、本発明にかかる実施の形態2における電話会議システム200のブロック図である。電話会議システム200は、複数の内線電話機ex_1〜ex_Nと、ボタン電話装置11とを備える。ボタン電話装置11が有する処理部51は、制御部52、記憶部53及びタイマ54を有している。
【0048】
制御部52は、処理部51、記憶部53、タイマ54に接続し、それぞれを制御する。制御部52は、プロセッサ及びRAM(random access memory)等を主な構成要素としている。制御部52は、他の電話機からの発呼操作が、予め登録されている電話番号からの発呼操作であった場合に、会議トランク30へ接続する機能を有している。換言すると、電話会議システム200は、3以上の電話機による電話会議を行うことが可能な状態において、予め登録されていない電話番号からの発呼操作があった場合は、着信を拒否する。また、制御部52は、タイマ54が計測した時間を監視し、会議モードに移行してから経過した時間が予め設定された時間を経過すると、電話会議を終了させる機能を有している。また、制御部52は、予め定められた指示を受けることにより、開催中の電話会議に対する新たな参加者を会議トランク30へ接続しないようにすることもできる。すなわち、処理部51は、制御部52の指示を受け、発呼された回線を会議トランクへ接続する。同様に、処理部51は、制御部52の指示を受け発呼された回線を会議トランクへ接続しない。
【0049】
記憶部53は、電話会議に参加することができる電話番号を記憶し、設定された時間に電話会議を終了させるための時間を記憶する。記憶部53は、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)又はMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリを含む構成を有している。また、記憶部53は、上述した内容の他に、音声情報を記憶し、通話者に対して予め設定された音声を発信する。
【0050】
タイマ54は、時間を計測する機能を備えるものであって、例えばRTC(real-time clock)により構成される。また、タイマ54は、制御部52が有する内部クロックであっても良い。タイマ54は、制御部52に接続している。
【0051】
次に、
図8を参照しながら、電話会議システム200にかかるボタン電話装置11における各回線の接続手順を説明する。
図8は、実施の形態2におけるボタン電話装置11のシーケンス図である。
図8の例は、
図6において説明したシーケンス図に加えて、内線23からの発呼に対して着信拒否をする点において異なる。したがって、すでに説明した手順と重複する部分については同じ記号を用いたうえで適宜説明を省略する。
【0052】
まず、外線電話機70が発呼操作をすることにより、外線41は、内線21を発呼する(ステップS10)。次に、
図5を参照しながら説明した手順と同様に、処理部51は、内線21を外線41へ接続する(ステップS11)。これにより、内線21と外線41とは2者通話状態が確立される(ステップS12)。
【0053】
次に、内線電話機ex_1の使用者が、会議ボタン24を押下する(ステップS20)。続いて処理部51は、
図6において説明したように、内線21の接続を会議トランク30へ転送し(ステップS21)、外線41の接続を会議トランク30へ転送する(ステップS22)。これにより内線21と会議トランク30とは通話状態が確立され(ステップS23)、外線41と会議トランク30とは通話状態が確立される(ステップS24)。
【0054】
次に、電話番号が予め登録されている回線からの発呼があった場合の処理について説明する。内線電話機ex_2の使用者は、電話会議に参加するため、内線電話機ex_1に発呼する(ステップS25)。制御部52は、内線22から内線21に対して発呼があったことを検出し、内線22が予め登録されている番号か否かを判定する(ステップS40)。制御部52は、記憶部53に記憶されている情報に基づき、内線22が予め登録されている番号であることを判定すると、判定結果に基づいて、処理部51に転送指示を送信する(ステップS41)。処理部51は、これを受けて、内線22の接続を、会議トランク30へ転送する(ステップS27)。これにより内線22と、会議トランク30とは、通話状態が確立される(ステップS28)。
【0055】
次に、電話番号が予め登録されていない回線からの発呼があった場合の処理について説明する。内線電話機ex_3の使用者は、内線電話機ex_1に発呼する(ステップS42)。制御部52は、内線23から内線21に対して発呼があったことを検出し、内線23が予め登録されている番号か否かを判定する(ステップS43)。制御部52は、記憶部53に記憶されている情報に基づき、内線23が予め登録されている番号ではないことを判定すると、判定結果に基づいて、内線23からの着信を拒否する(ステップS44)。具体的には、例えば、ボタン電話装置11は、図示しないトーン発信部を用いて、内線21が他の回線との間において通話状態であることを通知するためのトーン音を、内線23に対して送信する。また、記憶部53に予め着信拒否を通知するための音源を記憶しておき、記憶しておいた音源を送信することにより着信拒否を通知しても良い。
【0056】
次に、内線電話機ex_1の使用者は会議モードを終了させ、さらに2者通話状態を終了させるが、以降の手順は
図6において説明したステップS29以降と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0057】
以上のような構成にすることにより、電話会議システム200は、予め登録されている電話番号からの発呼操作であった場合に、かかる回線を会議トランク30へ転送し、電話会議状態を確立する。このようにすることで、実施の形態2にかかる電話会議システム200は適切に着信を処理することができる。
【0058】
また、上述したように、処理部51がタイマ54を有することにより、制御部52は、予め設定された時間が経過すると、会議トランク30へ接続されている各回線を、切断し、又は、2者通話状態へ戻す操作を行うことができる。このようにすることで、会議モードに移行させていることを忘れた状態を継続させないようにすることができる。
【0059】
また、ボタン電話装置11は、内線電話機ex_1からの指示を受け、電話会議中において、新たな参加者の受付を拒否する機能を有しても良い。例えば、電話会議に参加することを意図した回線が、全て会議トランク30へ接続された場合について説明する。この場合、内線電話機ex_1の使用者は、予め定められた手段(例えば、会議ボタン24を押下する等)により、電話会議の受付を終了させる旨の指示を制御部52に送信する。制御部52は、電話会議の受付終了の指示を受けると、開催中の電話会議に対する新たな参加者を会議トランク30へ接続しないようにする。このようにすることで、確立された通話状態を中断させることなく電話会議の参加者を追加し、意図しない者が電話会議に参加することを抑制する電話会議システムを提供することができる。
【0060】
尚、制御部52、記憶部53及びタイマ54は、処理部51に含むものと説明したが、これに限らず、例えば内線電話機ex_1が有しても良い。この場合、各内線電話機が、電話会議に参加可能である電話番号を別個に登録することが可能となる。同様に、予め設定する時間の設定も、各内線電話機に別個に登録することが可能となる。また、制御部52、記憶部53及びタイマ54は、処理部51及び各内線電話機のいずれもが有していても良い。
【0061】
また、処理部51に有する記憶部53に、予め音声情報を記憶させておき、会議モードに移行した際に、その旨の音声情報を各回線に送信することができる。同様に、処理部51に有する記憶部53に、予め音声情報を記憶させておき、電話会議に新たな参加者が加わったことを通知する旨の音声情報を、各回線に送信することができる。
【0062】
また、上述したような音声信号に代えて、内線電話機ex_1〜ex_Nの有する表示部に、会議モードに移行していることや、電話会議に新たな参加者が加わったことなどの情報を適宜通知しても良い。
【0063】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施の形態においては、各電話回線を接続する機能を有するボタン電話装置について説明したが、ボタン電話装置に代えて、PBX(Private Branch Exchanger)装置を用いることもできる。