【実施例】
【0039】
(実施例1)
ケン化度が89〜99mol%のポリビニルアルコールのアセタール化樹脂としてゴーセネックス(登録商標)Z-100(日本合成化学株式会社製)20重量%を水に分散させ撹拌しながら90℃まで加熱して溶解させる。(以下この水溶液を「アセタール化PVA樹脂水溶液」と言う。)
【0040】
アセタール化PVA樹脂水溶液25重量%(樹脂量5%)とチタン白5重量%を水に投入し混合分散させ、1.5重量%のオルガチックス(登録商標)TC−310(マツモトファインケミカル株式会社製)(以下の実施例、比較例においては「チタネート系カップリング剤」と言う)と2重量%のグリセリンを添加して均一にした塗料を作成した。この塗料を印字装置PJ−1B(マークテック株式会社社製)で80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を目視で観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0041】
(実施例2)
アセタール化PVA樹脂水溶液25重量%(樹脂量5%)とチタン白10重量%を水に投入し混合分散させ、1.5重量%のチタネート系カップリング剤と2重量%のエチレングリコールを添加して均一にした塗料を作成した。
この塗料を印字装置PJ−1Bで80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を目視で観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0042】
(実施例3)
アセタール化PVA樹脂水溶液25重量%(樹脂量5%)とチタン白10重量%を水に投入し混合分散させ、1.5重量%のプレンアクト(登録商標)AL−M(味の素ファインテクノ株式会社製)(以下の実施例、比較例においては「アルミネート系カップリング剤」と言う)と2重量%のグリセリンを添加して均一にした塗料を作成した。
この塗料を印字装置PJ−1Bで80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を目視で観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0043】
(比較例1)
アセタール化PVA樹脂水溶液10重量%(樹脂量2%)とチタン白5重量%を水に投入し混合分散させ、1.5重量%のチタネート系カップリング剤と2重量%のグリセリンを添加して均一にした塗料を作成した。この塗料を印字装置PJ−1Bで80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を目視で観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0044】
(比較例2)
アセタール化PVA樹脂水溶液60重量%(樹脂量12%)とチタン白5重量%を水に投入し混合分散させ、1.5重量%のチタネート系カップリング剤と2重量%のグリセリンを添加して均一にした塗料を作成した。
この塗料を印字装置PJ−1Bで80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行ったが粘度が高いためマーキングができなかった。
そこで刷毛でマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を目視で観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0045】
(比較例3)
アセタール化PVA樹脂水溶液25重量%(樹脂量5%)とチタン白15重量%を水に投入し混合分散させ、1.5重量%のチタネート系カップリング剤と2重量%のグリセリンを添加して均一にした塗料を作成した。
この塗料を印字装置PJ−1Bで80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を目視で観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0046】
(比較例4)
アセタール化PVA樹脂水溶液25重量%(樹脂量5%)とチタン白10重量%を水に投入し混合分散させ、2重量%のプロピレングリコールを添加し均一にした塗料を作成した。
この塗料を印字装置PJ−1Bで80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を目視で観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0047】
(比較例5)
アセタール化PVA樹脂水溶液25重量%(樹脂量5%)とチタン白10重量%を水に投入し混合分散させ、1.5重量%のアルミネート系カップリング剤を添加して均一にした塗料を作成した。この塗料を印字装置PJ−1B(マークテック社製)で80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0048】
(比較例6)
アセタール化PVA樹脂水溶液25重量%(樹脂量5%)とチタン白2重量%を水に投入し混合分散させ、1.5重量%のチタネート系カップリング剤と2重量%のグリセリンを添加して均一にした塗料を作成した。
この塗料を印字装置PJ−1Bで80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を目視で観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0049】
(比較例7)
アセタール化PVA樹脂水溶液25重量%(樹脂量5%)とチタン白10重量%を水に投入し混合分散させ、0.5重量%のチタネート系カップリング剤と2重量%のグリセリンを添加して均一にした塗料を作成した。
この塗料を印字装置PJ−1Bで80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を目視で観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0050】
(比較例8)
アセタール化PVA樹脂水溶液25重量%(樹脂量5%)とチタン白10重量%を水に投入し混合分散させ、3重量%のチタネート系カップリング剤と2重量%のグリセリンを添加して均一にした塗料を作成した。
この塗料を印字装置PJ−1Bで80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を目視で観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0051】
(比較例9)
アセタール化PVA樹脂水溶液25重量%(樹脂量5%)とチタン白10重量%を水に投入し混合分散させ、1.5重量%のチタネート系カップリング剤と0.5重量%のエチレングリコールを添加して均一にした塗料を作成した。
この塗料を印字装置PJ−1Bで80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を目視で観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0052】
(比較例10)
アセタール化PVA樹脂水溶液25重量%(樹脂量5%)とチタン白10重量%を水に投入し混合分散させ、1.5重量%のチタネート系カップリング剤と3重量%のエチレングリコールを添加して均一にした塗料を作成した。
この塗料を印字装置PJ−1Bで80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を目視で観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0053】
(比較例11)
ケン化度が86.5〜89mol%未満のポリビニールアルコールのアセタール化樹脂として、ゴーセノール(登録商標)GL−05(日本合成化学株式会社製)を20%、水に分散させ撹拌しながら90℃まで加熱して溶解させる(以下この水溶液を「アセタール化PVA樹脂2水溶液」という)。
【0054】
アセタール化PVA樹脂2水溶液25重量%(樹脂量5%)とチタン白5重量%を水に投入し混合分散させ、1.5重量%のチタネート系カップリング剤と2重量%のグリセリンを添加して均一にした塗料を作成した。
この塗料を印字装置PJ−1Bで80℃に加熱した未加硫トレッド材(50mm×50mm)にマーキングを行い、直後に水を噴霧して塗膜の状態を目視で観察した。
その後、鋼製成形金型で未加硫トレッド材(50mm×50mm)を挟んで圧力をかけて180℃で20分加熱して加硫反応を行った後、金型への付着の有無を目視により確認した。
【0055】
実施例1〜3及び比較例1〜11の配合比率を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
実施例1〜3及び比較例1〜11の水冷時の状態及び加硫反応後の金型への塗料の付着の有無について目視によって評価した結果を表2に示す。
【0058】
表2の水冷時の状態は、塗料が溶解しない場合には○、一部溶解する場合には△、溶解する場合には×で表わす。
また、金型への塗料の付着は、付着がない場合には○、付着がある場合には×で表わす。
なお、その他の評価は備考に記載した。
【0059】
【表2】
【0060】
表2に示したとおり、本発明のゴム用塗料は80℃のゴム材料でも表面に付着して速乾性があり、冷水によっても溶解せず、かつ、180℃で20分間の加硫反応による成形工程においても塗料が成形金型に付着しない塗料である。