(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6501524
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】PSMA上昇により致死性前立腺癌が同定される
(51)【国際特許分類】
G01N 33/68 20060101AFI20190408BHJP
G01T 1/161 20060101ALI20190408BHJP
G01N 33/574 20060101ALN20190408BHJP
【FI】
G01N33/68
G01T1/161 D
!G01N33/574 A
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-558737(P2014-558737)
(86)(22)【出願日】2013年2月22日
(65)【公表番号】特表2015-513083(P2015-513083A)
(43)【公表日】2015年4月30日
(86)【国際出願番号】US2013000045
(87)【国際公開番号】WO2013126147
(87)【国際公開日】20130829
【審査請求日】2016年2月8日
(31)【優先権主張番号】61/602,900
(32)【優先日】2012年2月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508298488
【氏名又は名称】コーネル ユニヴァーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】バンダー,ニール・エイチ
【審査官】
大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−540657(JP,A)
【文献】
特表2005−507857(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0214204(US,A1)
【文献】
国際公開第2010/096486(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48 − 33/98
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程:
(a)患者の前立腺特異的膜抗原(PSMA)発現をアッセイする工程;及び
(b)そのアッセイから、最大及び平均組織ターゲティング指数(TTI)を用いて、患者のPSMA発現が上昇しているかどうかを同定する工程
を含む致死性前立腺癌を有する患者を同定するための方法。
【請求項2】
PSMA発現を組織検体についてアッセイする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
組織検体が、前立腺生検、前立腺の経尿道的切除、または前立腺摘除された組織である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
PSMA発現を体液についてアッセイする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
体液が、血液、尿、前立腺液または精液である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
PSMA発現をイメージングによりアッセイする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
イメージングを、PSMAに特異的に結合できる作用剤の使用により実施する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
作用剤が、抗体、抗体誘導体、PSMAリガンド、小分子PSMA結合剤、PSMA酵素阻害剤、PSMA結合ペプチド、またはPSMA結合アプタマーである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
作用剤が、検出を可能にする他の作用剤で標識されている、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
検出を可能にする作用剤が、ジルコニウム−89、テクネチウム−99m、放射性ヨウ素、インジウム−111、銅−64、ヨウ素−124である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
検出を可能にする作用剤が、インドシアニングリーン、シアニン色素、蛍光色素、赤外色素などの色素、または酵素である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
イメージングを、陽電子放射断層撮影(PET)、PET/コンピューター断層撮影(CT)、PET/磁気共鳴(MR)、プラナーイメージング、SPECTイメージング、光学イメージング、または色素イメージングにより行なう、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 前立腺癌(PC)は、種々のタイプの腫瘍を包含するものである(腺癌(95%)および非腺癌(5%))。腺癌と非腺癌は異なる処置法に応答し、したがって異なる処置法で処置すべきである。腺癌内ですら、腫瘍の致死性は低リスク/緩慢(indolent)/非致命的から高リスク/致死的まで著しく多様である;後者のカテゴリーにより、PCは男性において癌による3番目に多い死因となっている。現在、個々の患者の癌の挙動を予測できないことは、処置法の決定を困難かつ著しく不適正にしている。その結果、そのPCが致命的でない多数の患者を過剰処置することになる。これらの過剰処置された患者は、その患者に対して有益性をもたらさない処置によって彼らのクオリティーオブライフを損なわれる。逆に、致死性形態の前立腺を伴なう患者が副作用を避けるために不十分に処置されれば、最終結果は死亡となる可能性がある。必要とされるのは、腺癌を非腺癌から、また致死性PCを緩慢性PCから、区別する方法である。理想的には、これは非侵襲的に行なわれ、前立腺全体および/または全身を監視できるものであろう。これは、侵襲的であってそれ自体が合併症をもたらしかつ前立腺全体のうちわずかな部分をサンプリングするにすぎない現在の前立腺生検法と対照的なものであろう。
【発明の概要】
【0002】
PSMAは前立腺腺癌のバイオマーカーである
[0002] PSMAの発現はアンドロゲン受容体(AR)の発現に緊密に連携している。前立腺腺癌はAR
+/PSMA
+である;非腺癌バリアント(たとえば、小細胞性、神経内分泌性、肉腫など)は前立腺癌全体のうち少数を占め(約5%)、AR
−/PSMA
−の表現型をもつ。ある程度一般的に、非腺癌は腺癌から派生し、これらはAR
+/PSMA
+とAR
−/PSMA
−両方の細胞を含む混合表現型を現わす可能性がある。腺癌処置の主力はホルモン療法に続くタキサン(taxane)ベースの化学療法であるが、非腺癌はホルモン療法に応答せず、代わりに白金ベースの化学療法で処置される。
【0003】
高PSMAは致死性前立腺腺癌の分子ホールマークである
[0003] 患者から数年前に彼らの診断時点で得られた記録付きの生検体または外科処置検体を入手して、前立腺癌(PC)のPSMAレベルを測定した。意外なことに、致死性前立腺癌を伴なう患者において、致死性PC患者66人中63人(95%)が、診断時点で、すなわち転移性または去勢抵抗性(castrate-resistant)PC(CRPC)を発症する数年前に、きわめて高いPSMAレベルをもっていた。PSMAレベルは比較的低い状態で始まって疾患が進行するのに伴なって経時的に上昇する−すなわちPSMAレベルに関して局在性PC<転移性PC<ホルモン耐性PCである−と長い間考えられていたので、この結果は意外であった。後に転移性致死性PCを発症する患者において疾患経過の初期にPSMAがきわめて高いことは予想されなかった。
【0004】
[0004] 高いPSMAと致死性PCの関連性は、組織学的Gleasonパターン(低リスク、緩慢性PCと関連する)とGleasonパターン4または5(高リスク、致死性PC)の両方をもつ数人の患者における所見によってさらに強化された:Gleasonパターン3(低リスク、緩慢性PC)の病巣はすべて低いPSMA発現をもち、一方、Gleason 4または5の病変(高リスク、致死性PC)はPSMAに関して均一に強い陽性であった(参照:
図2および3)。これは説得力のある所見である。すなわち、同じ個体、同じ遺伝的背景、同じ前立腺、および同じホルモン環境内で、臨床的に良性のパターン3はそれより有意に致死性である組織学的所見からPSMA発現によって簡単に区別される。それは、根治的前立腺摘除検体において測定されたより高いPSMA発現からより高い腫瘍再発率が予測されたことを示す幾つかの先行刊行物とも一致する(Ross, et al., Clin Cancer Res 2003; 9, 6357-62; Perner, et al., Hum Pathol 2007;38: 696-701; およびMinner, et al., Prostate. 2011; 71:281-288)。進行しなかったかまたは患者の死亡をもたらさなかった緩慢性PCを伴なう患者からの生検体の検査は、これらの病変がPSMA発現に関してごく弱いかまたは陰性であることを示した。以上のことは、PSMAが致死性前立腺腺癌の分子ホールマークであることを指摘する。
【0005】
[0005] 致死性PCを緩慢性PCから区別する能力はPCにおける“聖杯(Holy Grail)”であった。PCは米国人男性において癌による3番目に多い死因である。それは米国で年間約240,000人の男性に診断され、毎年約28,000人がPCのため死亡している。しかし、診断率は死亡率よりはるかに高い。前立腺癌を伴なうと診断された患者の実質的に大部分が彼らのPCのため死亡するのではないことは周知である。“緩慢性”PCを伴なう患者をその疾患が致死性の可能性がある患者から区別するのは不可能であったので、ほぼすべてが根治的外科処置(radical surgery)および/または放射線処置を受ける。それらの処置は転移およびPCによる死亡を阻止するためのものではあるが、不幸なことにクオリティーオブライフをも損なう。この妥協はそれが死亡を阻止する症例では許容できる可能性があるけれども、その患者が死亡のリスクをもたない症例では許容できない。不幸なことに、転移および死亡のリスクがある患者をリスクがない患者に対比して同定することは、今日まで達成されていない目標であった。したがって、実際に益を得けるのは少数であるにもかかわらず、診断された患者の実質的にすべてが副作用に耐えなければならない。しかし、この疾患の致死性形態を緩慢性形態から区別する簡単な検査を行なうことができれば、処置(または処置しないこと)をその患者に合わせて調整できるであろう:致死性形態の疾患を伴なう患者には外科処置および/または放射線処置を受けるようにアドバイスし、それに対し緩慢性疾患を伴なう患者はモニターすることができるであろう。
【0006】
[0006] 高いPSMA発現を示す検査により、致死性PCを伴なう患者が同定される。検査は、組織検体(たとえば、前立腺生検、TURP、前立腺摘除による組織)について、体液(たとえば、血液、尿、前立腺液、精液)について、またはイメージングにより(たとえば、PSMAに特異的に結合できるいずれかの作用剤、たとえば抗体、抗体誘導体、PSMAリガンド、小分子PSMA結合剤、PSMA酵素阻害剤、PSMA結合ペプチド、PSMA結合アプタマーなどにより)実施できる。これらのPSMA結合剤は、検出を可能にする他のいずれかの作用剤(たとえば、放射性同位体、たとえばジルコニウム−89、テクネチウム−99m、放射性ヨウ素、インジウム−111、銅−64、ヨウ素−124など;またはインドシアニングリーン、シアニン色素、蛍光色素、赤外色素などの色素、酵素など)で標識することができる。イメージングは、陽電子放射断層撮影(PET)、PET/コンピューター断層撮影(CT)、PET/磁気共鳴(MR)、プラナーイメージング、SPECTイメージング、光学イメージング、または色素イメージングなどを用いて実施できる。
【0007】
[0007] そのような方法は診断および療法上の有用性および価値をもつ。診断用としては、患者の前立腺を(非侵襲的に)イメージングして、それが致死性癌を宿しているかを判定し、もしそうであれば、指向した確認生検のための位置を特定することができる(現在採用されている12回以上のかなりランダムなサンプリング生検ではなく)。イメージング試験で致死性病変が同定されなければ、生検を除外することができる。
【0008】
[0008] 米国で毎年およそ1,000,000人の男性に前立腺生検を受けさせる(現在実施されているように)代わりに、致死性の可能性がある病変を伴なう患者のみが(指向した)生検を受けると、これにより生検率は90%以上、合併症は99%以上、医療費は15億米ドル以上、低減する。
【0009】
[0009] PC歴があって他の男性家族メンバーがPCを発症するリスクが高い家族では、何らかの病変の存在を検出するためにそれらの家族メンバーにイメージングを行なうことができる。そのようなスクリーニングを毎年または他の適宜な間隔で実施して、致死性病変(単数または複数)の発現をモニターすることができる。
【0010】
[0010] 生検が軽度/緩慢性PCを示す患者については、イメージング試験で前立腺全体をスクリーニングして、可能性のある潜在致死性PCを探すことができる。軽度/緩慢性PCを伴なうと診断された患者について、高感度で、特異的、効果的かつ非侵襲的に前立腺をイメージングできることは、劇的に改善されたサーベイランスツールを提供するであろう。現在、“積極的サーベイランス”を受けるこれらの患者は前立腺内への12回以上の穿刺からなる生検を毎年受けて、より攻撃的な処置を必要とする高リスク/致死性病変が発症したかを判定される。
【0011】
[0011] 前立腺腺癌を非腺癌から区別できる分子バイオマーカーは療法をガイドすることができる。腺癌処置の主力はホルモン療法であり、他の処置(たとえば、タキサン(taxane)ベースの化学療法、免疫療法など)を伴なうかまたは伴なわない;非腺癌はホルモン療法で処置せず、種々の化学療法剤(たとえば、シスプラチン(cisplatin)、エトポシド(etoposide)など)が用いられているであろう。
【0012】
[0012] 致死性PCを緩慢性PCから区別できる分子バイオマーカーは、数百万人の男性のクオリティーオブライフを不必要に損ないかつ医療システムに無駄な数十億ドルの経費をかけている介入から、彼らを救済することができるであろう。それは、処置をその癌の根底にあるリスクに合わせて調整できるであろう。緩慢な性質の癌はモニターするだけでよい;致死的リスクを伴なう癌は、外科処置または放射線でより攻撃的に処置することができる。病変部位(単数または複数)のイメージマッピングは、前立腺内における病巣切除療法の採用をガイドすることができる。
【0013】
[0013] 転移部位のPSMAイメージングは、生検を行なう位置を決定する際に補助となるであろう。これにより、現在わずか25%である生検収率が改善されるであろう。PSMAイメージングは、薬物療法に対する応答を評価するための前立腺癌特異的イメージングツールをも提供するであろう。現在、そのようなイメージング様式は存在しない。コンピューター断層撮影(CT)および磁気共鳴(MR)は腫瘤を示すにすぎず、それは良性または悪性のいずれかである可能性がある。悪性疾患の症例ですら、そのような悪性疾患が前立腺癌または他の悪性疾患である可能性がある。骨スキャンは骨代謝を反映するにすぎず、腫瘍を直接にはイメージングしない。その結果、骨スキャンにおける取込み増加は腫瘍または良性プロセス(たとえば、炎症、骨折)である可能性がある。処置によって改善しつつある腫瘍の症例ですら、骨スキャンはしばしば矛盾した結果、すなわち骨が治癒しつつあることが原因で、増悪しているという結果をもたらす。しかし、PC特異的スキャンはより正確に処置をガイドするであろう−改善しつつあるというスキャンを伴なう患者はその療法が維持される;そのスキャンが疾患の進行を示す患者は、他の、おそらくより有益な処置に変更できるであろう。新たな処置または新たな処置の組合わせの評価は、腫瘍指向性イメージング試験の適用によって改善されるであろう。これは、新たな処置の開発を補助するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】[0014]
図1は、細胞系によるPSMAおよびARの発現を示す。等量の細胞溶解物を各列に装填した。PSMAをモノクローナル抗体(mAb)J591により検出した;ARをmAb 抗AR(AR441)により検出した。GAPDHを装填対照として用いた。6種類の細胞系(MDA−PCa−2b、LNCaP、LNCaP−AR、VCAP、CWR22Rv1およびLAPC−4)はARとPSMAの両方を発現した。MDA−PCa−2bは、この曝露でかろうじて見えるだけの比較的低いレベルのARを発現する。CWR22Rv1は、エキソン3の重複のため、それよりわずかに大きいARタンパク質(110KDに対比して114KD)を発現する。PC3、および他の細胞系DU145(示していない)はAR
−/PSMA
−であった。PC3−PSMAは、PSMAをトランスフェクションしたPC3系である。
【
図2】[0015]
図2は、同じ患者の前立腺からの2つのニードルコア生検体を示す。左の生検体はGleasonパターン3を示す;右にはパターン4または5の領域がある。両方ともPSMAについて免疫組織化学的に染色されている。軽度の病変はPSMAの発現がほとんどない;高度の病変は強いPSMA陽性である。
【
図3】[0016]
図3も、他の患者の前立腺からの2つのニードルコア生検体を示す。左の生検体はGleasonパターン3の領域を示す;右にはパターン5の領域がある。両方ともPSMAについて免疫組織化学的に染色されている。軽度の病変はPSMA陰性である;高度の病変は強いPSMA陽性である。
【
図4】[0017]
図4は、病理学および免疫組織化学により確認された腫瘍部位がPSMA発現で明らかになることを示す。パネル(a)は
89Zr−J591術前PETスキャンを示し、右頂点(白い矢印)に高強度の限局的な取込みがある。パネル(b)はH&E(ヘマトキシリン−エオジン)染色した検体を示す;右頂点にGleason 7の前立腺癌病変を示し(細い矢印)、これはパネル(a)に示した病巣に対応する;またGleason 6の小さな病巣を示し(太い矢印)、これはPETスキャンでは示されなかった。パネル(c)はパネル(b)の右側病変の高倍率の免疫組織化学的イメージを示し、これはPSMAについての陽性染色を証明する。これらのデータは、イメージング用の抗PSMA抗体(たとえば、
89Zr−J591)は前立腺内癌病巣を効果的に視覚化するために使用できること、およびGleason和≧7の病変を優先的に同定できる一方でGleason和≦6の病変を見落とす可能性があることを示す。
【
図5】[0018]
図5は、転移性前立腺癌を伴なう患者からのPETおよびCTスキャンを示す。これらのパネルは、CTスキャン(左カラム)およびPETスキャン(右カラム)を示す。上右パネルは
89Zr−J591イメージを示し、これは左腸骨における高い取込みを示し、骨転移を際立たせ、これはCTによっても観察される。しかし、これはフルデオキシグルコース(Fludeoxyglucose)(
18F)PET(下右パネル)には観察されない。
【
図6】[0019]
図6は、前立腺癌を伴なう患者からのPET、CT、および骨スキャンを示す。左パネルはPETスキャンを示す(上の各パネルは
89Zr−J591イメージングを示し、下の各パネルはFDGイメージングを示す);中パネルはCTスキャンを示す(上の各パネルは
89Zr−J591イメージングを示し、下の各パネルはFDGイメージングを示す);右パネルは骨スキャンを示す。これらのデータは、抗PSMA抗体
89Zr−J591を用いるイメージングが、FDG PETスキャンニングと比較して病変内へのより強い取込みを示すことを示す。さらに、これらのデータは、骨格系が、骨スキャンで明瞭にはみられなかった非−FDG結合性(non-FDG avid)でもある多数の病変における取込みと関係していることを示す。
【
図7】[0020]
図7〜9は、
図6と同じ患者から取得したCTおよびPET/CTスキャンを示す。これらの図において、左パネルはCTスキャンを示し(上の各パネルは
89Zr−J591イメージングを示し、下の各パネルはFDGイメージングを示す)、右パネルはPET/CTスキャンを示す(上の各パネルは
89Zr−J591イメージングを示し、下の各パネルはFDGイメージングを示す)。これらのデータは、合わせて、前立腺癌病変を示す際にPSMA PETがFDG PETより優れていることを示す。すべての症例において、病変を生検し、前立腺癌であることを確認した(データは示していない)。
【
図8】[0020]
図7〜9は、
図6と同じ患者から取得したCTおよびPET/CTスキャンを示す。これらの図において、左パネルはCTスキャンを示し(上の各パネルは
89Zr−J591イメージングを示し、下の各パネルはFDGイメージングを示す)、右パネルはPET/CTスキャンを示す(上の各パネルは
89Zr−J591イメージングを示し、下の各パネルはFDGイメージングを示す)。これらのデータは、合わせて、前立腺癌病変を示す際にPSMA PETがFDG PETより優れていることを示す。すべての症例において、病変を生検し、前立腺癌であることを確認した(データは示していない)。
【
図9】[0020]
図7〜9は、
図6と同じ患者から取得したCTおよびPET/CTスキャンを示す。これらの図において、左パネルはCTスキャンを示し(上の各パネルは
89Zr−J591イメージングを示し、下の各パネルはFDGイメージングを示す)、右パネルはPET/CTスキャンを示す(上の各パネルは
89Zr−J591イメージングを示し、下の各パネルはFDGイメージングを示す)。これらのデータは、合わせて、前立腺癌病変を示す際にPSMA PETがFDG PETより優れていることを示す。すべての症例において、病変を生検し、前立腺癌であることを確認した(データは示していない)。
【0015】
実施例
[0021]
細胞系によるPSMAおよびARの発現
[0022] 細胞系によるPSMAおよびARの発現を評価した。
図1は、細胞系によるPSMAおよびARの発現を示す。等量の細胞溶解物を各列に装填した。PSMAをモノクローナル抗体(mAb)J591により検出した;ARをmAb 抗AR(AR441)により検出した。GAPDHを装填対照として用いた。6種類の細胞系(MDA−PCa−2b、LNCaP、LNCaP−AR、VCAP、CWR22Rv1およびLAPC−4)はARとPSMAの両方を発現した。MDA−PCa−2bは、この曝露でかろうじて見えるだけの比較的低いレベルのARを発現する。CWR22Rv1は、エキソン3の重複のため、それよりわずかに大きいARタンパク質(110KDに対比して114KD)を発現する。PC3、および他の細胞系DU145(示していない)はAR
−/PSMA
−であった。PC3−PSMAは、PSMAをトランスフェクションしたPC3系である。
【0016】
[0023]
前立腺試料におけるPSMAについての免疫組織化学的染色
[0024] 2人の異なる患者から2つのニードルコア生検体を得た(
図2および3)。それぞれをPSMA発現について免疫組織化学的に染色した。
図2において、左の生検体はGleasonパターン3を示す;右にはパターン4または5の領域およびPSMAをほとんど発現しない軽度の病変がある;高度の病変は強いPSMA陽性である。
図3において、左の生検体はGleasonパターン3の領域を示す;右にはパターン5の領域があり、軽度の病変はPSMA陰性である;高度の病変は強いPSMA陽性である。
【0017】
[0025]
PET、CT、および骨スキャンニングによるPSMA発現
[0026] PSMA発現をPET、CT、および骨スキャンニングにより評価した(
図4〜9)。
図4は、PSMA発現が病理学および免疫組織化学により確認された腫瘍部位を明らかにすることを示す。パネル(a)は
89Zr−J591術前PETスキャンを示し、右頂点(白い矢印)に高強度の限局的な取込みがある。パネル(b)はH&E染色した検体を示す;右頂点にGleason 7の前立腺癌病変を示し(細い矢印)、これはパネル(a)に示した病巣に対応する;またGleason 6の小さな病巣を示し(太い矢印)、これはPETスキャンでは示されなかった。パネル(c)はパネル(b)の右側病変の高倍率の免疫組織化学的イメージを示し、これはPSMAについての陽性染色を証明する。これらのデータは、イメージング用の抗PSMA抗体(たとえば、
89Zr−J591)は前立腺内癌病巣を効果的に視覚化するために使用できること、およびGleason和≧7の病変を優先的に同定できる一方でGleason和≦6の病変を見落とす可能性があることを示す。
【0018】
[0027]
図5は、転移性前立腺癌を伴なう患者からのPETおよびCTスキャンを示す。これらのパネルは、CTスキャン(左カラム)およびPETスキャン(右カラム)を示す。上右パネルは
89Zr−J591イメージを示し、これは左腸骨における高い取込みを示し、骨転移を際立たせ、これはCTによっても観察される。しかし、これはフルデオキシグルコース(
18F)PET(下右パネル)には観察されない。
【0019】
[0028]
図6は、前立腺癌を伴なう患者からのPET、CT、および骨スキャンを示す。左パネルはPETスキャンを示す(上の各パネルは
89Zr−J591イメージングを示し、下の各パネルはFDGイメージングを示す);中パネルはCTスキャンを示す(上の各パネルは
89Zr−J591イメージングを示し、下の各パネルはFDGイメージングを示す);右パネルは骨スキャンを示す。これらのデータは、抗PSMA抗体
89Zr−J591を用いるイメージングが、FDG PETスキャンニングと比較して病変内へのより強い取込みを示すことを示す。さらに、これらのデータは、骨スキャンで明瞭にはみられなかった非−FDG結合性でもある多数の病変における取込みに、骨格系が関与していることを示す。
【0020】
[0029]
図7〜9は、
図6と同じ患者から取得したCTおよびPET/CTスキャンを示す。これらの図において、左パネルはCTスキャンを示し(上の各パネルは
89Zr−J591イメージングを示し、下の各パネルはFDGイメージングを示す)、右パネルはPET/CTスキャンを示す(上の各パネルは
89Zr−J591イメージングを示し、下の各パネルはFDGイメージングを示す)。これらのデータは、合わせて、前立腺癌病変を示す際にPSMA PETがFDG PETより優れていることを示す。すべての症例において、病変を生検し、前立腺癌であることを確認した(データは示していない)。
【0021】
[0030]
全生存率に関する予後判定ツールとしてのPSMA発現
[0031] 放射性標識J591イメージングによる非侵襲的なPSMA発現測定手段を試験して、転移性の去勢抵抗性前立腺癌を伴なう患者における全生存率に関する予後判定ツールとしてのそれの能力を評価した。
【0022】
[0032] 放射性標識J591(
111In−J591または
177Lu−J591)を注入した後のプラナーガンマカメライメージを、転帰に対して盲検条件下にある2人の独立した放射線専門医により2つの方法を用いて半定量的に採点した。0〜4+の5点視覚スコア(visual score)(VS)を割り当てた。さらに、組織ターゲティング指数(Tissue Targeting Index)(TTI)、すなわちイメージを半定量的に採点するためにデザインされた新規な計量値を、全身カウント密度に対する病変カウント密度(バックグラウンドについて補正したもの)の比を用いて計算して、最大(TTI
max)および平均(TTI
ave)スコアを記録した。その後の療法および全生存率のフォローアップ、作表を記録し、Cox回帰分析を用いてイメージングスコアと全生存率の関連を調べた。
【0023】
[0033] この試験で、転移性の去勢抵抗性前立腺癌を伴なう130人の男性が放射性標識J591イメージングを受けた。86.2%が骨、51.5%がリンパ節、16.9%が肺、9.2%が肝臓への転移を伴なっていた。87.7%はプラナーイメージングによって既知の疾患部位に正確にターゲティングされた。CALGB(Halabi)ノモグラムスコアはこの集団について予後判定に役立った。連続変数として、TTI
max(p=0.013)およびTTI
ave(p=0.002)は生存不良と関連していた。VSは生存不良の傾向を立証した(p=0.09)。多変量解析において、Halabiスコアに対照した場合、TTIは独立した予後値を維持していた(TTI
max p=0.02,TTI
ave p=0.004)。
【0024】
[0034] これらの試験は、PSMA発現のレベルが転移性の去勢抵抗性前立腺癌を伴なう男性における全生存率と関連することを立証した。PSMA発現の非侵襲的測定値は、放射性J591を追跡するプラナーガンマカメライメージングで半定量的に測定できる。高いPSMA発現は、去勢抵抗性の亢進を伴なう、より攻撃的な腫瘍生態の指標になると思われる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0035] この技術の1観点は、前立腺癌患者において腺癌と非腺癌を区別する方法であって、下記の工程を含む方法である:(a)患者の前立腺特異的膜抗原(prostate specific membrane antigen)(PSMA)発現をアッセイし;そして(b)そのアッセイから、患者のPSMA発現が腺癌または非腺癌のいずれの前立腺癌を指示しているかを判定する。関連する観点において、PSMA発現を組織検体、たとえば前立腺生検、前立腺の経尿道的切除、または前立腺摘除された組織についてアッセイする。さらに他の観点において、PSMA発現を体液、たとえば血液、尿、前立腺液または精液についてアッセイする。この技術の他の観点において、PSMA発現をイメージングによりアッセイする。関連する観点において、イメージングを、PSMAに特異的に結合できるいずれかの作用剤、たとえば抗体、抗体誘導体、PSMAリガンド、小分子PSMA結合剤、PSMA酵素阻害剤、PSMA結合ペプチド、またはPSMA結合アプタマーの使用により実施する。関連する観点において、作用剤は、検出を可能にする他の作用剤、たとえばジルコニウム−89、テクネチウム−99m、放射性ヨウ素、インジウム−111、銅−64、ヨウ素−124で標識されている。同等の観点において、作用剤はインドシアニングリーン、シアニン色素、蛍光色素、赤外色素などの色素、または酵素である。この技術の1観点において、イメージングを、陽電子放射断層撮影(PET)、PET/コンピューター断層撮影(CT)、PET/磁気共鳴(MR)、プラナーイメージング、SPECTイメージング、光学イメージング、または色素イメージングにより行なう。
【0026】
[0036] この技術の1観点は、患者において致死性前立腺癌と緩慢性前立腺癌を区別する方法であって、下記の工程を含む方法である:(a)患者の前立腺特異的膜抗原(PSMA)発現をアッセイし;そして(b)そのアッセイから、患者のPSMA発現が致死性または緩慢性のいずれの前立腺癌を指示しているかを判定する。関連する観点において、PSMA発現を組織検体、たとえば前立腺生検、前立腺の経尿道的切除、または前立腺摘除された組織についてアッセイする。さらに他の観点において、PSMA発現を体液、たとえば血液、尿、前立腺液または精液についてアッセイする。この技術の他の観点において、PSMA発現をイメージングによりアッセイする。関連する観点において、イメージングを、PSMAに特異的に結合できるいずれかの作用剤、たとえば抗体、抗体誘導体、PSMAリガンド、小分子PSMA結合剤、PSMA酵素阻害剤、PSMA結合ペプチド、またはPSMA結合アプタマーの使用により実施する。関連する観点において、作用剤は、検出を可能にする他の作用剤、たとえばジルコニウム−89、テクネチウム−99m、放射性ヨウ素、インジウム−111、銅−64、ヨウ素−124で標識されている。同等の観点において、作用剤はインドシアニングリーン、シアニン色素、蛍光色素、赤外色素などの色素、または酵素である。この技術の1観点において、イメージングを、陽電子放射断層撮影(PET)、PET/コンピューター断層撮影(CT)、PET/磁気共鳴(MR)、プラナーイメージング、SPECTイメージング、光学イメージング、または色素イメージングにより行なう。
【0027】
[0037] この技術の他の観点は、前立腺癌患者において腺癌と非腺癌を区別する方法であって、下記の工程を含む方法である:(a)患者の前立腺特異的膜抗原(PSMA)発現をアッセイし;(b)そのアッセイから、患者のPSMA発現が腺癌または非腺癌のいずれの前立腺癌を指示しているかを判定し;そして(c)患者に、(i)PSMAが腺癌を指示している場合には抗アンドロゲン療法;または(ii)PSMA発現が非腺癌を指示している場合には化学療法剤による療法を施す。1観点において、PSMA発現を組織検体、たとえば前立腺生検、前立腺の経尿道的切除、または前立腺摘除された組織についてアッセイする。他の観点において、PSMA発現を体液中に、たとえば血液、尿、前立腺液または精液中に存在する細胞についてアッセイする。他の観点において、PSMA発現をイメージングによりアッセイする。関連する観点において、イメージングを、PSMAに特異的に結合できるいずれかの作用剤の使用により実施し、これには抗体、抗体誘導体、PSMAリガンド、小分子PSMA結合剤、PSMA酵素阻害剤、PSMA結合ペプチド、またはPSMA結合アプタマーが含まれる。関連する観点において、作用剤は、検出を可能にする他の作用剤で標識されている。関連する観点において、検出を可能にする作用剤は、ジルコニウム−89、テクネチウム−99m、放射性ヨウ素、インジウム−111、銅−64、ヨウ素−124である。同等の観点において、検出を可能にする作用剤はインドシアニングリーン、シアニン色素、蛍光色素、赤外色素などの色素、または酵素である。他の観点において、イメージングを、陽電子放射断層撮影(PET)、PET/コンピューター断層撮影(CT)、PET/磁気共鳴(MR)、プラナーイメージング、SPECTイメージング、光学イメージング、または色素イメージングにより行なう。
【0028】
[0038] この技術の1観点は、前立腺癌患者において致死性癌と緩慢性癌を区別する方法であって、下記の工程を含む方法である:(a)患者の前立腺特異的膜抗原(PSMA)発現をアッセイし;(b)そのアッセイから、患者のPSMA発現が致死性または緩慢性のいずれの前立腺癌を指示しているかを判定し;そして(c)患者に、(i)PSMAが致死性前立腺癌を指示している場合には抗アンドロゲン療法を伴なうかもしくは伴なわない外科処置および/または放射線療法;あるいは(ii)PSMA発現が緩慢性前立腺癌を指示している場合には積極的サーベイランス療法を施す。1観点において、PSMA発現を組織検体、たとえば前立腺生検、前立腺の経尿道的切除、または前立腺摘除された組織についてアッセイする。他の観点において、PSMA発現を体液中に、たとえば血液、尿、前立腺液または精液中に存在する細胞についてアッセイする。他の観点において、PSMA発現をイメージングによりアッセイする。関連する観点において、イメージングを、PSMAに特異的に結合できるいずれかの作用剤、たとえば抗体、抗体誘導体、PSMAリガンド、小分子PSMA結合剤、PSMA酵素阻害剤、PSMA結合ペプチド、またはPSMA結合アプタマーの使用により実施する。関連する観点において、作用剤は、検出を可能にする他の作用剤、たとえばジルコニウム−89、テクネチウム−99m、放射性ヨウ素、インジウム−111、銅−64、ヨウ素−124で標識されている。同等の観点において、検出を可能にする作用剤はインドシアニングリーン、シアニン色素、蛍光色素、赤外色素などの色素、または酵素である。他の観点において、イメージングを、陽電子放射断層撮影(PET)、PET/コンピューター断層撮影(CT)、PET/磁気共鳴(MR)、プラナーイメージング、SPECTイメージング、光学イメージング、または色素イメージングにより行なう。
【0029】
本発明の態様
態様1
前立腺癌患者において腺癌と非腺癌を区別する方法であって、下記の工程を含む方法:
(a)患者の前立腺特異的膜抗原(PSMA)発現をアッセイし;そして
(b)そのアッセイから、患者のPSMA発現が腺癌または非腺癌のいずれの前立腺癌を指示しているかを判定する。
態様2
PSMA発現を組織検体についてアッセイする、態様1に記載の方法。
態様3
組織検体が、前立腺生検、前立腺の経尿道的切除、または前立腺摘除された組織である、態様2に記載の方法。
態様4
PSMA発現を体液についてアッセイする、態様1に記載の方法。
態様5
体液が、血液、尿、前立腺液または精液である、態様4に記載の方法。
態様6
PSMA発現をイメージングによりアッセイする、態様1に記載の方法。
態様7
イメージングを、PSMAに特異的に結合できるいずれかの作用剤の使用により実施する、態様6に記載の方法。
態様8
作用剤が、抗体、抗体誘導体、PSMAリガンド、小分子PSMA結合剤、PSMA酵素阻害剤、PSMA結合ペプチド、またはPSMA結合アプタマーである、態様7に記載の方法。
態様9
作用剤が、検出を可能にする他の作用剤で標識されている、態様7または8に記載の方法。
態様10
検出を可能にする作用剤が、ジルコニウム−89、テクネチウム−99m、放射性ヨウ素、インジウム−111、銅−64、ヨウ素−124である、態様9に記載の方法。
態様11
検出を可能にする作用剤が、インドシアニングリーン、シアニン色素、蛍光色素、赤外色素などの色素、または酵素である、態様9に記載の方法。
態様12
イメージングを、陽電子放射断層撮影(PET)、PET/コンピューター断層撮影(CT)、PET/磁気共鳴(MR)、プラナーイメージング、SPECTイメージング、光学イメージング、または色素イメージングにより行なう、態様6に記載の方法。
態様13
患者において致死性前立腺癌と緩慢性前立腺癌を区別する方法であって、下記の工程を含む方法:
(a)患者の前立腺特異的膜抗原(PSMA)発現をアッセイし;そして
(b)そのアッセイから、患者のPSMA発現が致死性または緩慢性のいずれの前立腺癌を指示しているかを判定する。
態様14
PSMA発現を組織検体についてアッセイする、態様13に記載の方法。
態様15
組織検体が、前立腺生検、前立腺の経尿道的切除、または前立腺摘除された組織である、態様14に記載の方法。
態様16
PSMA発現を体液中に存在する細胞についてアッセイする、態様13に記載の方法。
態様17
体液が、血液、尿、前立腺液または精液である、態様16に記載の方法。
態様18
PSMA発現をイメージングによりアッセイする、態様13に記載の方法。
態様19
イメージングを、PSMAに特異的に結合できるいずれかの作用剤の使用により実施する、態様18に記載の方法。
態様20
作用剤が、抗体、抗体誘導体、PSMAリガンド、小分子PSMA結合剤、PSMA酵素阻害剤、PSMA結合ペプチド、またはPSMA結合アプタマーである、態様19に記載の方法。
態様21
作用剤が、検出を可能にする他の作用剤で標識されている、態様19または20に記載の方法。
態様22
検出を可能にする作用剤が、ジルコニウム−89、テクネチウム−99m、放射性ヨウ素、インジウム−111、銅−64、ヨウ素−124である、態様21に記載の方法。
態様23
検出を可能にする作用剤が、インドシアニングリーン、シアニン色素、蛍光色素、赤外色素などの色素、または酵素である、態様21に記載の方法。
態様24
イメージングを、陽電子放射断層撮影(PET)、PET/コンピューター断層撮影(CT)、PET/磁気共鳴(MR)、プラナーイメージング、SPECTイメージング、光学イメージング、または色素イメージングにより行なう、態様18に記載の方法。
態様25
前立腺癌患者において腺癌と非腺癌を区別する方法であって、下記の工程を含む方法:
(a)患者の前立腺特異的膜抗原(PSMA)発現をアッセイし;
(b)そのアッセイから、患者のPSMA発現が腺癌または非腺癌のいずれの前立腺癌を指示しているかを判定し;そして
(c)患者に、
(i)PSMAが腺癌を指示している場合には抗アンドロゲン療法;または
(ii)PSMA発現が非腺癌を指示している場合には化学療法剤による療法
を施す。
態様26
PSMA発現を組織検体についてアッセイする、態様25に記載の方法。
態様27
組織検体が、前立腺生検、前立腺の経尿道的切除、または前立腺摘除された組織である、態様26に記載の方法。
態様28
PSMA発現を体液中に存在する細胞についてアッセイする、態様25に記載の方法。
態様29
体液が、血液、尿、前立腺液または精液である、態様28に記載の方法。
態様30
PSMA発現をイメージングによりアッセイする、態様25に記載の方法。
態様31
イメージングを、PSMAに特異的に結合できるいずれかの作用剤の使用により実施する、態様30に記載の方法。
態様32
作用剤が、抗体、抗体誘導体、PSMAリガンド、小分子PSMA結合剤、PSMA酵素阻害剤、PSMA結合ペプチド、またはPSMA結合アプタマーである、態様31に記載の方法。
態様33
作用剤が、検出を可能にする他の作用剤で標識されている、態様31または32に記載の方法。
態様34
検出を可能にする作用剤が、ジルコニウム−89、テクネチウム−99m、放射性ヨウ素、インジウム−111、銅−64、ヨウ素−124である、態様33に記載の方法。
態様35
検出を可能にする作用剤が、インドシアニングリーン、シアニン色素、蛍光色素、赤外色素などの色素、または酵素である、態様33に記載の方法。
態様36
イメージングを、陽電子放射断層撮影(PET)、PET/コンピューター断層撮影(CT)、PET/磁気共鳴(MR)、プラナーイメージング、SPECTイメージング、光学イメージング、または色素イメージングにより行なう、態様30に記載の方法。
態様37
前立腺癌患者において致死性癌と緩慢性癌を区別する方法であって、下記の工程を含む方法:
(a)患者の前立腺特異的膜抗原(PSMA)発現をアッセイし;
(b)そのアッセイから、患者のPSMA発現が致死性または緩慢性のいずれの前立腺癌を指示しているかを判定し;そして
(c)患者に、
(i)PSMAが致死性前立腺癌を指示している場合には抗アンドロゲン療法を伴なうかもしくは伴なわない外科処置および/または放射線療法;あるいは
(ii)PSMA発現が緩慢性前立腺癌を指示している場合には積極的サーベイランス療法
を施す。
態様38
PSMA発現を組織検体についてアッセイする、態様37に記載の方法。
態様39
組織検体が、前立腺生検、前立腺の経尿道的切除、または前立腺摘除された組織である、態様38に記載の方法。
態様40
PSMA発現を体液中に存在する細胞についてアッセイする、態様37に記載の方法。
態様41
体液が、血液、尿、前立腺液または精液である、態様40に記載の方法。
態様42
PSMA発現をイメージングによりアッセイする、態様37に記載の方法。
態様43
イメージングを、PSMAに特異的に結合できるいずれかの作用剤の使用により実施する、態様42に記載の方法。
態様44
作用剤が、抗体、抗体誘導体、PSMAリガンド、小分子PSMA結合剤、PSMA酵素阻害剤、PSMA結合ペプチド、またはPSMA結合アプタマーである、態様43に記載の方法。
態様45
作用剤が、検出を可能にする他の作用剤で標識されている、態様43または44に記載の方法。
態様46
検出を可能にする作用剤が、ジルコニウム−89、テクネチウム−99m、放射性ヨウ素、インジウム−111、銅−64、ヨウ素−124である、態様45に記載の方法。
態様47
検出を可能にする作用剤が、インドシアニングリーン、シアニン色素、蛍光色素、赤外色素などの色素、または酵素である、態様45に記載の方法。
態様48
イメージングを、陽電子放射断層撮影(PET)、PET/コンピューター断層撮影(CT)、PET/磁気共鳴(MR)、プラナーイメージング、SPECTイメージング、光学イメージング、または色素イメージングにより行なう、態様42に記載の方法。
[0039] 本発明を特定の態様を参照して開示したが、特許請求の範囲に定めるように、本発明の領域および範囲から逸脱することなく記載した態様に対する多数の改変、変更および変化が可能である。したがって、本発明は記載した態様に限定されるのではなく、特許請求の範囲の言語により定められる全範囲およびその均等物を含むものとする。