特許第6501610号(P6501610)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6501610
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】電気機器収納用箱のフレーム構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20190408BHJP
   H02B 1/30 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
   H05K7/18 C
   H05K7/18 D
   H02B1/30 A
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-104320(P2015-104320)
(22)【出願日】2015年5月22日
(65)【公開番号】特開2016-219645(P2016-219645A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2018年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】特許業務法人なじま特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 正樹
(72)【発明者】
【氏名】上野 友置
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 淳史
(72)【発明者】
【氏名】増井 基温
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−043308(JP,U)
【文献】 特開平07−067219(JP,A)
【文献】 特開2014−022392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/18
H02B 1/00 − 1/38
H02B 1/46 − 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体の内面側に開いた断面形状を持つ折曲フレームを組み合わせてなる天井枠及び底枠の四隅に、折曲部材からなるコーナー金具を接合し、箱体の内面側に開いた断面形状を持つ折曲フレームからなる支柱フレームの上下端部をこれらのコーナー金具に接続金具で接合することにより、直方体状のフレームを構成した電気機器収納用箱のフレーム構造であって、
コーナー金具は底部と立上部の両側に折曲辺を備えた形状であり、天井枠及び底枠を形成する横フレームは連結部の両側に腕部を備えた形状であり、支柱フレームは固定辺とこれに平行な対向辺を備えた形状であり、
コーナー金具の両側の折曲辺を、横フレームの両側の腕部と、支柱フレームの固定辺及び対向辺に当接させて接合したことを特徴とする電気機器収納用箱のフレーム構造。
【請求項2】
扉が取付けられる前面側のコーナー金具と支柱フレームとの接続金具による接合を、扉の端部の折曲部よりも箱体の内側で行ったことを特徴とする請求項1記載の電気機器収納用箱のフレーム構造。
【請求項3】
コーナー金具と支柱フレームとの接続金具による接合を、箱体の前後方向と側面方向の2方向から行ない、側面方向の接続金具を側板で覆ったことを特徴とする請求項2記載の電気機器収納用箱のフレーム構造。
【請求項4】
支柱フレームには、側板を固定するための取付金具を着脱自在に設け、隣接する箱体を連結する連結金具として機能させることを特徴とする請求項3記載の電気機器収納用箱のフレーム構造。
【請求項5】
前記天井枠及び底枠は折曲フレームからなる横フレーム及び奥行フレームからなり、
これらの横フレーム及び奥行フレームの端部に空間部を形成し、この空間部にコーナー金具を接合したことを特徴とする請求項1記載の電気機器収納用箱のフレーム構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器収納用箱のフレーム構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フレーム構造からなる従来の電気機器収納用箱は、支柱フレーム、横フレーム、奥行フレームを4本ずつ組合せ、各フレームの端部どうしを溶接して直方体状のフレームを構成していた。しかし組立をより容易に行うことができるようにするために、特許文献1に示すように、中空断面形状を持つ支柱フレーム、横フレーム、奥行フレームの各端部を、コーナーピースに差し込んで固定する構造が提案されている。
【0003】
この特許文献1に示された電気機器収納用箱のフレーム構造は、コーナーピースによって接続部の強度を確保することができる利点がある。しかしその反面、3方向に接続用の脚部を突設させたコーナーピースを鋳造によって専用部品として製造しなければならず、製造コストが高くなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−121092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、構造が簡単で製造コストが安価であり、鋳造による専用部品を必要とせずに強固なフレーム構造を構成することができる電気機器収納用箱のフレーム構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するためになされた本発明は、箱体の内面側に開いた断面形状を持つ折曲フレームを組み合わせてなる天井枠及び底枠の四隅に、折曲部材からなるコーナー金具を接合し、箱体の内面側に開いた断面形状を持つ折曲フレームからなる支柱フレームの上下端部をこれらのコーナー金具に接続金具で接合することにより、直方体状のフレームを構成した電気機器収納用箱のフレーム構造であって、コーナー金具は底部と立上部の両側に折曲辺を備えた形状であり、天井枠及び底枠を形成する横フレームは連結部の両側に腕部を備えた形状であり、支柱フレームは固定辺とこれに平行な対向辺を備えた形状であり、コーナー金具の両側の折曲辺を、横フレームの両側の腕部と、支柱フレームの固定辺及び対向辺に当接させて接合したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の発明は請求項1の発明において、扉が取付けられる前面側のコーナー金具と支柱フレームとの接続金具を、扉の端部の折曲部よりも箱体の内側に形成したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の発明は請求項2の発明において、コーナー金具と支柱フレームとの接続金具による接合を、箱体の前後方向と側面方向の2方向から行ない、側面方向の接続金具を側板で覆ったことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の発明は請求項3の発明において、支柱フレームには、側板を固定するための取付金具を着脱自在に設け、隣接する箱体を連結する連結金具として機能させることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の発明は請求項1の発明において、前記天井枠及び底枠は折曲フレームからなる横フレーム及び奥行フレームからなり、これらの横フレーム及び奥行フレームの端部に空間部を形成し、この空間部にコーナー金具を接合したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各フレーム及びコーナー金具を全て折曲げ構造としたので、従来のような鋳造による専用部品を必要とせず、簡単な構造で強固なフレームを構成することができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、前面側のコーナー金具と支柱フレームとの接続部を、扉の端部の折曲部よりも箱体の内側に形成したので、扉の閉塞時に接続金具が隠されるとともに、扉の開放時にも扉と接続金具との干渉を避けることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、箱体の前後・左右方向に対して強度を持たせることができるとともに、側面方向の接続金具を側板で覆い接続金具が隠されるように形成される。
【0014】
請求項4の発明によれば、側板を固定するための取付金具を、隣接する箱体との連結金具として機能させることができるため、部品点数の削減が可能である。
【0015】
請求項5の発明によれば、天井枠及び底枠を折曲フレームからなる横フレーム及び奥行フレームにより構成し、これらの横フレーム及び奥行フレームの端部に形成した空間部にコーナー金具を接合したので、コーナー金具の位置規制が可能となり、接合が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態のフレーム構造を示す斜視図である。
図2】実施形態の電気機器収納用箱の外観を示す斜視図である。
図3】横フレームの説明図である。
図4】奥行フレームの説明図である。
図5】コーナー部の分解斜視図である。
図6】コーナー部の分解斜視図である。
図7】底部の分解斜視図である。
図8】コーナー金具の斜視図である。
図9】支柱フレームの説明図である。
図10】コーナー金具と支柱フレームの関係を示す斜視図である。
図11】支柱フレームの取付け構造を示す斜視図である。
図12】コーナー部の斜視図である。
図13】扉を閉じた状態の水平断面図である。
図14】扉を閉じた状態の斜視図である。
図15】取付金具と支柱フレームとの関係を示す斜視図である。
図16】天井コーナー部の斜視図である。
図17】天井コーナー部の斜視図である。
図18】蝶番部分の斜視図である。
図19】ハンドル部分の斜視図である。
図20】扉裏面の斜視図である。
図21】鎖錠状態を示す斜視図である。
図22】隣接する筐体を連結する取付金具の連結面の状態を示す斜視図である。
図23】隣接する筐体を連結した状態を示す斜視図である。
図24】基台の説明図である。
図25】第2の実施形態を示す斜視図である。
図26】第2の実施形態の支柱フレームの説明図である。
図27】第2の実施形態の扉の下端部を示す斜視図である。
図28】第2の実施形態の扉の下端部の説明図である。
図29】第2の実施形態の横フレームの説明図である。
図30】第2の実施形態の鎖錠棒固定孔の説明図である。
図31】第3の実施形態の片側の扉の斜視図である。
図32】第3の実施形態の他方の扉の斜視図である。
図33】第3の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、本発明の電気機器収納用箱のフレーム構造は、天井枠1、底枠2、コーナー金具3、支柱フレーム4により構成されるものである。図2に示すように、前面には扉5が取付けられ、他の側面は側板6で覆われる。また上面は天井板7で覆われ、下面は図7に示すように底板8で覆われる。なお9は基台、10は扉5のハンドル、11は天井枠1の四隅に取付けられた吊下ボルトである。
【0018】
図1に示されるように、天井枠1及び底枠2は横フレーム12及び奥行フレーム13からなるものである。図3は横フレーム12を示す図であり、鋼板等の金属板を折り曲げた折曲フレームである。なお図3は底枠2の横フレーム12を示しており、天井枠1の横フレーム12は天地が逆になる。
【0019】
図3に示すように、この横フレーム12は箱体の内面側となる上面に開いた断面形状を持ち、略H状となっている。この横フレーム12は、図3の断面図に示されるとおり、両側の腕部14、15と、それらを繋ぐ連結部16と、一方の腕部14に連設された底板固定辺17と、他方の腕部15に連設された水切形成辺18と水切辺19とからなる。底板固定辺17と水切形成辺18は、底面となる連結部16と平行である。底板固定辺17には、底板8を固定するための孔部20が複数個形成されている。底板固定辺17は箱体の内側を向く方向に配置され、水切辺19は箱体の外側を向く方向に配置される。
【0020】
図4は底枠2の奥行フレーム13の説明図である。この奥行フレーム13も横フレーム12と同様、箱体の内面側となる上面に開いた断面形状を持ち、図4の断面図に示されるとおり、両側の腕部21、22と、それらをつなぐ連結部23と、腕部21に連設された底板固定辺24と、他方の腕部22に連設された取付具固定辺25とを備えている。底板固定辺24には、多数の固定孔26が形成されている。取付具固定辺25にも多数の固定孔27が形成されている。腕部21の延長面上に、切欠部28を備えた延出辺29が形成されている。取付具固定辺25が形成された腕部22は、強度を持たせるために段曲げ形状となっている。この段曲げ部の一部を取付具固定辺25より前後方向に延出させ、延出辺30を形成している。
【0021】
奥行フレーム13の連結部23の端部付近には、アンカーボルトあるいは吊下ボルト11を通過させるための貫通孔33が形成されている。奥行フレーム13は底板固定辺24を箱体の内側に向けて配置される。
【0022】
図5図6に示すように、横フレーム12と奥行フレーム13とを組み合わせたとき、奥行フレーム13の延出辺29に形成された切欠部28に、横フレーム12のH状に形成された腕部14が挿入される。また横フレーム12の他方の腕部15は、奥行フレーム13の取付具固定辺25に形成された延出辺30の端部に当接する。このようにして、横フレーム12と奥行フレーム13とを組み合わせると、図6に示すように、横フレーム12の2つの腕部14、15と、奥行フレーム13の2つの延出辺29、30によって囲まれた空間部34がコーナー部に形成される。コーナー金具3はこの空間部34内に位置規制され、溶接接合される。なお、コーナー金具3はボルト等の接続金具で奥行きフレーム13に接合するものであっても良い。また、横フレーム12の連結部16上には図6図7に示すように、アース端子100を取り付けるアース端子取付金具101を形成している。
【0023】
図7に示すように、底板8は横フレーム12の底板固定辺24に固定される。この実施形態では、底板8は2枚に分割されているが、1枚とすることもできる。2枚に分割する場合には、強度を確保するために、中央側の端部を図7に示す折曲げ構造とする折曲部8aを形成することが好ましい。
【0024】
図8に示すように、コーナー金具3は縦断面が略L字形状であり、底部41、これに対して垂直な立上部42、それらの側面に形成された折曲辺43を備えた折曲部材からなる。底部41には貫通孔44が形成され、立上部42と折曲辺43にも接続孔45が形成されている。コーナー金具3は左右対称であり、同一形状で8つのコーナーに使用することができる。コーナー金具3は天井枠1及び底枠2を支柱フレーム4と接続するために用いるものであるが、横フレーム12の腕部14,15と、コーナー金具3の底部41の両端の折曲辺43が当接することにより前後方向に対しての補強効果を発揮するものである。さらに、奥行フレーム13の腕部21、22と、コーナー金具3の底部41の開放端部および立上部42が当接することにより、左右方向に対しての補強効果も発揮するものである。なお、立上部42と折曲辺43の接続部には複数の切欠孔31を形成している。これは、接続部付近に形成される接続孔45が曲げ加工時に引っ張られて孔変形することを防止するために設けられている。
【0025】
支柱フレーム4も、図9に示すように箱体の内面側に開いた断面形状を持つ折曲フレームである。支柱フレーム4は、扉側を向いた固定辺50と、その一端に連設された水切辺51と、固定辺50の他端に連設されたL字状の折曲辺52と、固定辺50に対して垂直な接続辺53と、固定辺50に対して平行な対向辺54と、その先端を直角に折り曲げた機器取付辺55とを備えている。固定辺50は箱体の外側を向き、対向辺54は内側を向く。すなわち、対向辺54は前後の支柱フレーム4と対向する面であり、接続辺53は側板6に面するものである。
【0026】
固定辺50には、コーナー金具3を接続するための接続孔56が形成されている。水切辺51の下端は横フレーム12の水切辺19と当接する。接続辺53にもコーナー金具3を接続するための接続孔57が形成されている。対向辺54には、電気機器の取付レール、配線オプション等を固定する孔部58が形成されている。機器取付辺55には電気機器や、電気機器を搭載する棚板などが取り付けられる機器取付孔59が形成されている。
【0027】
上記したように、コーナー金具3との接続辺は固定辺50と接続辺53の2辺であり、他の辺の孔はそれぞれ垂直方向に形成されている。
【0028】
図10図14に、底枠2と支柱フレーム4とコーナー金具3との関係を示す。コーナー金具3は底枠2の前記空間部34内に装入され、図10のように溶接される。次に支柱フレーム4をその立上部42や折曲辺43の外側面に沿って差し込み、図11のように支柱フレーム4の固定辺50の接続孔56から接続金具となるネジ60をねじ込み、支柱フレーム4の接続辺53の接続孔57からネジ61をねじ込み、支柱フレーム4をコーナー金具3に固定する。すなわち、図13に示すように、コーナー金具3と支柱フレーム4との接続は、箱体の前後方向と側面方向の2方向から行なうこととなる。さらに、コーナー金具3の立上辺から形成された両端の折曲辺43は、それぞれ、支柱フレーム4の固定辺50と対向辺54に当接させるように形成していることから前後方向に対しての補強効果を更に持たせることが可能である。
【0029】
このようにコーナー金具3を箱体の外側に近い位置に配置して支柱フレーム4を支持させたので、箱体内部の機器取付けスペースを圧迫することがない。また支柱フレーム4は前後方向と横方向の2方向から接続金具となるネジ60、61によりコーナー金具3に固定されているので、電気機器収納用箱の左右方向及び前後方向の動きを抑制し、強度を持たせることができる。
【0030】
図15に示すように、支柱フレーム4の接続辺53と対向辺54との接続部には複数のスリット62が形成されており、クランク状の取付金具63が挿入され、ネジ64によって固定されている。この取付金具63は側板6を取付けるために使用され、詳しくは、図15図18に示すように、取付金具64の側板取付面48の取付孔49と側板6をネジ47で取付ける。取付金具63をクランク状に屈曲させ、側板6の取付面65を支柱フレーム4の接続辺53よりもやや外側に位置させる。またクランク状に屈曲させることによって、取付金具63の強度を向上させている。
【0031】
なお、取付金具63を支柱フレーム4の接続辺53の外面に設けると、側板6が支柱フレーム4より外側に突出してしまうこととなる。また取付金具63をL字状とすると対向辺54の孔部58を利用して取り付けることとなり、孔部58に取り付けられる取付レール等の取付位置が制限されてしまう。さらに、取付金具63は鋼板で折り曲げ形成しているため、クランク量を短くする場合には折り曲げができないといった問題点や、または、鋼板の厚さを薄くする必要があるという問題点が生じる。これに対して実施形態のようにスリット62にクランク状の取付金具63を挿入して固定すれば、これらの問題を回避することができる。また、取付金具63の上下端部がスリット62の端部で当接するように固定するため、取付金具63が回動することも防止できる。
【0032】
なお、この取付金具63は着脱可能に形成しており、側板6が不要な場合は外しておくことも可能である。さらに、取付金具63は側板6を取り付けるほか、図22図23に示すように、隣接する箱体の取付金具63とを接続し連結させるための連結金具としても機能するものである。両フレーム構造の取付金具63の連結面66を面合せした上で、孔部67にボルト69で固定されるものである。なお、取付金具63は、側板6の固定と隣接するフレーム構造との連結金具とを兼ねるため、部品点数を削減できるものである。
【0033】
以上の説明は箱体の下側における底枠2と支柱フレーム4とコーナー金具3、側板6との関係について行ったが、上側の天井枠1と支柱フレーム4とコーナー金具3との関係も、天地が逆になるだけで同様である。その状態を図16図17に示す。
【0034】
次に扉5の構造について説明する。図18図20に示すように、扉5は箱体側蝶番70と扉側蝶番71と蝶番ピン72とによって箱体の前面に枢着されている。図13図14に示すように、扉5の先端部には扉5の中央に向かう折曲部73が形成されており、扉5を閉じた際に支柱フレーム4の固定辺50のネジ60を覆う様に形成されている。すなわち、前面側のコーナー金具3と支柱フレーム4との接続は、扉5の端部の折曲部73よりも箱体の内側で行なわれている。れにより、扉5の閉塞時には、接続金具となるネジ60が隠されるとともに、扉5の開放時にも扉5と接続金具との干渉を避けることができる。なお側板6も左右上下端部には側板6の中央に向かう折曲部6aが形成しており、支柱フレーム4とコーナー金具3とを接続するネジ61を覆っている。また、扉5の裏面には上記の扉側蝶番71よりも内側にパッキン74が形成しており、扉5の閉塞時に支柱フレームの水切辺51、横フレーム12の水切辺19と当接し、防水防塵性能を確保させている。
【0035】
ハンドル10の構造を示すため扉5の表面を省略した図19に示すように、扉5に表面にはハンドル10が設けられており、その裏面には図20に示すベロ81が取付けられている。図21に示すように、ハンドル操作によってベロ81は支柱フレーム4の固定辺50の裏面に係合する。またベロ81の上下のアームには上下の鎖錠棒82の基端が枢着されている。鎖錠棒82の先端は扉5の裏面の鎖錠棒規制部材83にガイドされ、ハンドル操作によって図21に示すように横フレーム12の腕部15の裏面に係合する。このため扉5を閉鎖位置にロックすることができる。鎖錠棒82の上部も下部と同様に横フレーム12の腕部15の裏面に係合し、扉5に形成した鎖錠棒規制部材83によりガイドされている。
【0036】
図24に示すように、基台9は4本の折曲フレーム84、85を溶接して構成される。基台9の上面に電気機器収納用箱が搭載され、図21に示すように奥行フレーム13の貫通孔33及びコーナー金具3の貫通孔44を貫通するボルト86によって基台9に固定される。また基台9の下面には、アンカーボルト等を通すためのボルト取付孔87が形成されている。
【0037】
(第2の実施形態)
以上に説明した第1の実施形態においては、横フレーム12と支柱フレーム4にそれぞれ水切辺19、水切辺51を形成し、外部からの水の浸入を防止している。しかし図25以下に示す第2の実施形態においては、図26に示すように水切辺51のない支柱フレーム4が使用されている。この場合には、図27図28に示すように、扉5の折曲部73を左右側だけではなく上下端部にも形成するとともに、その対向位置にパッキン90を形成し、防水防塵性能を持たせている。また、この実施形態においても、支柱フレーム4とコーナー金具3との接続部となるネジ60,61をパッキン90よりも箱体の内側に位置させている。
【0038】
第2の実施形態においては、図29に示すように横フレーム12の水切形成辺18を内側に折り曲げている。また支柱フレーム4も図9に示すように水切辺51を内側に折り曲げた図28に示す構造としている。なお、奥行きフレーム13は図4と同じである。
【0039】
また第2の実施形態においては、図30に示すように横フレーム12の水切形成辺18に鎖錠棒固定孔91を形成している。この鎖錠棒固定孔91を横フレーム12の両端部に形成しておけば、扉5を右開きとしても左開きとしても共用することができる。さらに中央部にも形成しておけば、両開きの扉にも共用可能である。
【0040】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、図33に示すように、扉5を両開き構造としたものである。この場合には、一方の扉5に図31に示すようにベロ81と鎖錠棒82を操作できるハンドル10を取付け、他方の扉5に図32に示すようにベロ81のない鎖錠棒82とハンドル10とを取付けておく。図32の後者の扉5を先ず閉鎖状態とし、鎖錠棒82を横フレーム12の水切形成辺18の裏面側に固定する。この扉5のハンドル側の端部には、切欠部92を形成しておく。そして図31の一方の扉5を閉じたときに、ベロ81を切欠部92に挿入するとともに、鎖錠棒82の先端を横フレーム12の裏面側に係合させ、両方の扉5を閉鎖状態とする。なお、その他のフレーム構造等の構成は第1の実施形態、第2の実施形態と同様である。
【0041】
以上に説明したように、本発明の電気機器収納用箱のフレーム構造は、構造が簡単で製造コストが安価であり、鋳造による専用部品を必要とせずに強固な構造とすることができる利点がある。
【符号の説明】
【0042】
1 天井枠
2 底枠
3 コーナー金具
4 支柱フレーム
5 扉
6 側板
6a 折曲部
7 天井板
8 底板
8a 折曲部
8b ねじ
9 基台
10 ハンドル
11 吊下ボルト
12 横フレーム
13 奥行フレーム
14 腕部
15 腕部
16 連結部
17 底板固定辺
18 水切形成辺
19 水切辺
20 孔部
21 腕部
22 腕部
23 連結部
24 底板固定辺
25 取付具固定辺
26 固定孔
27 固定孔
28 切欠部
29 延出辺
30 延出辺
31 切欠孔
33 貫通孔
34 空間部
41 底部
42 立上部
43 折曲辺
44 貫通孔
45 接続孔
47 ネジ
48 側板取付面
49 取付孔
50 固定辺
51 水切辺
52 折曲辺
53 接続辺
54 対向辺
55 機器取付辺
56 接続孔
57 接続孔
58 孔部
59 機器取付孔
60 ネジ
61 ネジ
62 スリット
63 取付金具
64 ネジ
65 取付面
66 連結面
67 孔部
68 取付孔
69 ボルト
70 箱体側蝶番
71 扉側蝶番
72 蝶番ピン
73 折曲部
74 パッキン
81 ベロ
82 鎖錠棒
83 鎖錠棒規制部材
84 折曲フレーム
85 折曲フレーム
86 ボルト
87 ボルト取付孔
90 パッキン
91 鎖錠棒固定孔
92 切欠部
100 アース端子
101 アース端子取付金具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33