特許第6501722号(P6501722)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6501722
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20190408BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
   H04N1/00 127B
   H04N1/00 C
   G06F3/12 310
   G06F3/12 334
   G06F3/12 392
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-64424(P2016-64424)
(22)【出願日】2016年3月28日
(65)【公開番号】特開2017-183836(P2017-183836A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2018年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】100082740
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 恵基
(72)【発明者】
【氏名】江口 浩司
【審査官】 花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−035767(JP,A)
【文献】 特開2015−126246(JP,A)
【文献】 特開2015−191473(JP,A)
【文献】 特開2011−101231(JP,A)
【文献】 特開2015−200989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/09 − 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する画像形成部と、
自装置の状態を示す状態情報の送信先となる端末装置の装置識別情報を記憶する記憶部と、
端末装置と無線で通信する通信部と、
前記画像形成部及び前記通信部を制御する制御部と
を備え、
前記状態情報は、
前記自装置に発生した障害の内容を示す障害情報であり、
前記制御部は、
前記自装置に障害が発生すると、前記通信部を介して通信可能な端末装置から装置識別情報を受信し、当該受信した装置識別情報が、前記記憶部に記憶されている前記装置識別情報と一致する場合に、当該端末装置に前記障害情報を送信するよう前記通信部を制御する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記通信部によって端末装置から受信した装置識別情報が、前記記憶部に記憶されている前記装置識別情報と一致すると、当該端末装置に前記障害情報を送信するかどうかを、前記自装置の操作者に操作部を介して選択させ、送信すると選択された場合に、当該端末装置に前記障害情報を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像を形成する画像形成部と、
自装置の状態を示す状態情報の送信先となる端末装置の装置識別情報を記憶する記憶部と、
端末装置と無線で通信する通信部と、
前記画像形成部及び前記通信部を制御する制御部と
を備え、
前記状態情報は、
前記自装置に発生した障害の内容を示す障害情報と、前記発生した障害の復旧方法を示す障害対応ガイダンス情報とでなり、
前記制御部は、
前記自装置に障害が発生すると、前記障害情報を表示部に表示させるとともに、前記通信部を介して通信可能な端末装置から装置識別情報を受信し、当該受信した装置識別情報が、前記記憶部に記憶されている前記装置識別情報と一致する場合に、当該端末装置に前記障害対応ガイダンス情報を送信するよう前記通信部を制御する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記通信部によって端末装置から受信した装置識別情報が、前記記憶部に記憶されている前記装置識別情報と一致すると、当該端末装置に前記障害対応ガイダンス情報を送信するかどうかを、前記自装置の操作者に操作部を介して選択させ、送信すると選択された場合に、当該端末装置に前記障害対応ガイダンス情報を送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像を形成する画像形成部と、
自装置の状態を示す状態情報の送信先となる端末装置の装置識別情報を記憶する記憶部と、
端末装置と無線で通信する通信部と、
前記画像形成部及び前記通信部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記通信部によって複数の端末装置から装置識別情報を受信すると、前記複数の端末装置から受信した複数の装置識別情報のうち、前記記憶部に記憶されている前記装置識別情報と一致する装置識別情報により識別される端末装置を、前記自装置に登録されている登録済端末装置と認識し、前記通信部を介して当該登録済端末装置と前記自装置との間の通信状態を検出し、前記登録済端末装置の装置識別情報のリストを、前記通信状態に応じて当該リスト内の装置識別情報をソートして表示部に表示させ、前記リストから前記状態情報を送信する前記登録済端末装置の装置識別情報を、前記自装置の操作者に操作部を介して選択させ、選択された装置識別情報により識別される前記登録済端末装置に前記状態情報を送信するよう前記通信部を制御する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記通信状態が最も良好な前記登録済端末装置の装置識別情報が、前記リストの最上位に位置するように、前記リスト内の装置識別情報をソートする
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記通信状態として、電波強度及びエラー率の一方もしくは両方を検出し、検出した電波強度及びエラー率の一方もしくは両方に応じて、前記リスト内の装置識別情報をソートする
ことを特徴とする請求項又はに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものであり、例えば、画像形成装置の状態を無線通信により他の装置に通知する画像形成装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置で障害が発生した場合に、発生した障害を電子メールによって特定の装置に通知するシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。このシステムでは、画像形成装置で発生した障害に関する情報を、サーバが画像形成装置から取得し、さらにこのサーバが、取得した情報に基づく内容の電子メールを作成し、サーバが作成した電子メールをインターネットを介して特定の装置(これを通知先装置と呼ぶ)へ送信するようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−191545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムでは、画像形成装置で発生した障害を、特定の装置(すなわち通知先装置)に通知する為には、画像形成装置と通知先装置以外に、少なくとも電子メールを作成する専用のサーバが必要であり、システムが大掛かりになってしまうという問題を有していた。
【0005】
本発明は以上の点を考慮したものであり、簡易なシステム構成で、画像形成装置の状態を特定の装置に通知できる画像形成装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、画像を形成する画像形成部と、自装置の状態を示す状態情報の送信先となる端末装置の装置識別情報を記憶する記憶部と、端末装置と無線で通信する通信部と、前記画像形成部及び前記通信部を制御する制御部とを備え、前記状態情報は、前記自装置に発生した障害の内容を示す障害情報であり、前記制御部が、前記自装置に障害が発生すると、前記通信部を介して通信可能な端末装置から装置識別情報を受信し、当該受信した装置識別情報が、前記記憶部に記憶されている前記装置識別情報と一致する場合に、当該端末装置に前記障害情報を送信するよう前記通信部を制御するようにした。
【0008】
こうすることで、電子メールを作成する専用のサーバなどを用意することなく、画像形成装置の状態を、特定の端末装置に通知することができる。
【発明の効果】
【0009】
かくして本発明は、簡易なシステム構成で、画像形成装置の状態を特定の装置に通知できる画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態による障害通知システムの構成を示す図である。
図2】複合機の機能構成を示すブロック図である。
図3】モバイル端末の機能構成を示すブロック図である。
図4】第1の実施の形態による複合機側の障害通知処理の手順を示すフローチャートである。
図5】第1の実施の形態による障害確認画面の構成を示す図である。
図6】第1の実施の形態による送信確認画面の構成を示す図である。
図7】第1の実施の形態によるモバイル端末側の障害通知処理の手順を示すフローチャートである。
図8】第1の実施の形態による障害対応ガイダンス画面の構成を示す図である。
図9】第2の実施の形態による障害通知システムの構成を示す図である。
図10】第2の実施の形態による複合機側の障害通知処理の手順を示すフローチャートである。
図11】第2の実施の形態による障害確認画面の構成を示す図である。
図12】第2の実施の形態による送信確認画面の構成を示す図である。
図13】第2の実施の形態による障害通知システムに複合機を追加した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施するための形態(以下、これを実施の形態と呼ぶ)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.障害通知システムの構成]
図1に、第1の実施の形態の障害通知システム1の概略を示す。この障害通知システム1は、例えば、プリンタ機能、スキャナ機能などを有する複合機2と、この複合機2と無線接続されるモバイル端末3とで構成されている。
【0013】
複合機2とモバイル端末3は、それぞれ無線LAN規格(例えばIEEE802.11a/b/g/n/acなど)に準じたインタフェースを内蔵していて、この無線LAN規格に従って互いに直接通信可能となっている。尚、具体的には、無線LAN規格のアドホックモードを利用して、複合機2とモバイル端末3が直接通信するようになっているが、これに限らず、例えばBluetooth(登録商標)やNFCなど、無線LAN規格以外の無線通信規格を利用して、複合機2とモバイル端末3が直接通信するようになっていてもよい。この障害通知システム1では、複合機2に障害が発生すると、複合機2と無線LANにより接続されているモバイル端末3に対して、障害の内容と障害の復旧方法を通知するようになっている。
【0014】
次に、複合機2の機能構成について、図2を用いて説明する。複合機2は、制御部10、印刷部11、スキャナ部12、通信部13、操作パネル部14、記憶部15を有している。制御部10は、各部(印刷部11、スキャナ部12、通信部13、操作パネル部14、記憶部15)の制御や、印刷部11及びスキャナ部12で扱う画像情報の管理など、複合機2全体の統括制御を行う。通信部13は、無線LAN規格に準じたインタフェースであり、無線LAN規格に従ってモバイル端末3などの他の装置と通信を行い、例えばモバイル端末3との間で画像情報や後述する障害対応ガイダンス情報などの各種情報を送受信する。
【0015】
印刷部11は、プリンタ機能を担う部分であり、通信部13によって受信された画像情報に基づく画像を用紙に形成(すなわち印刷)する。スキャナ部12は、スキャナ機能を担う部分であり、複合機2にセットされた原稿をスキャンして画像情報に変換する。操作パネル部14は、表示部14Aと操作部14Bとを備えている。表示部14Aは、ユーザによって入力された情報や、複合機2の状態などを表示するディスプレイであり、操作部14Bは、ユーザが情報を入力する為のキーボードスイッチである。
【0016】
記憶部15は、画像情報、ユーザ登録情報、障害情報及び障害対応ガイダンス情報などを記憶する。ここで、ユーザ登録情報は、複合機2を利用するユーザごとに登録される情報であり、例えばユーザ名及びパスワードなどのユーザを識別できるユーザ識別情報と、ホスト名(装置名)、IPアドレス、MACアドレスなどのユーザの装置(これをユーザ装置と呼ぶ)を識別できる装置識別情報とで構成されている。これらユーザ識別情報と装置識別情報からなるユーザ登録情報は、ユーザが操作部14Bを操作して複合機2に登録できるようになっている。尚、ここでは、一例として、モバイル端末3の装置識別情報がユーザ登録情報として複合機2に登録されている。
【0017】
また、障害情報は、複合機2に発生する障害の内容を示す情報であり、障害対応ガイダンス情報は、複合機2に発生する障害の内容及び障害の復旧方法を示す情報である。尚、詳しくは後述するが、複合機2では、複合機2に障害が発生した場合に、発生した障害に対応する障害対応ガイダンス情報を、モバイル端末3などの他の装置に送信することで、障害の内容と障害の復旧方法とを通知するようになっている。複合機2の機能構成はこのようになっている。
【0018】
次に、モバイル端末3の機能構成について、図3を用いて説明する。モバイル端末3は、制御部20、操作パネル部21、通信部22、アプリケーション部23、記憶部24を有している。制御部20は、各部(操作パネル部21、通信部22、アプリケーション部23、記憶部24)を制御して、モバイル端末3全体の統括制御を行う。操作パネル部21は、ユーザが情報を入力する為の操作部として機能するとともに、複合機2から受信した障害情報及び障害対応ガイダンス情報などの各種情報を表示する表示部として機能する所謂タッチパネルである。通信部22は、複合機2の通信部13と同様、無線LAN規格に準じたインタフェースであり、無線LAN規格に従って複合機2などの他の装置と通信を行い、例えば複合機2との間で画像情報や障害対応ガイダンス情報などの各種情報を送受信する。
【0019】
アプリケーション部23は、制御部20が記憶部24にインストールされているアプリケーションを起動することで動作する機能部である。モバイル端末3には、複合機2との通信制御を可能とするアプリケーションがインストールされていて、アプリケーション部23は、このアプリケーションにより複合機2との通信制御を行うようになっている。記憶部24は、モバイル端末3を識別する為のホスト名(装置名)、IPアドレス、MACアドレスなどの装置識別情報や、アプリケーションなどを記憶する。モバイル端末3の機能構成はこのようになっている。尚、記憶部24に記憶されている装置識別情報は、モバイル端末3が無線LANなどの無線通信で使用する識別情報となっている。
【0020】
[1−2.障害通知処理]
次に、複合機2がモバイル端末3に障害を通知するときの処理(これを障害通知処理と呼ぶ)について詳しく説明する。この障害通知処理は、複合機2とモバイル端末3とが協働して行う処理であり、ここでは、まず複合機2側の障害通知処理から説明する。図4に示すフローチャートを用いて、複合機2側の障害通知処理の手順について詳しく説明する。尚、この障害通知処理は、複合機2の制御部10が、例えば記憶部15に記憶されているプログラムを実行して行う処理である。
【0021】
制御部10は、最初のステップSP1において、複合機2で障害が発生しているかどうかをチェックする。具体的に、複合機2では、各部(印刷部11、スキャナ部12、通信部13、操作パネル部14、記憶部15)で障害が発生すると、各部から制御部10に対して、発生した障害が報告されるようになっていて、制御部10は、各部から障害が報告されているかどうかにより、複合機2で障害が発生しているかどうかをチェックするようになっている。
【0022】
障害が発生していない場合、制御部10は、この障害通知処理を終了する。尚、この障害通知処理は、例えば、複合機2が起動している間、所定時間ごと(例えば5分ごと)に実行されるようになっている。一方で、障害が発生している場合、制御部10は、ステップSP2に移る。
【0023】
ステップSP2において、制御部10は、通信部13を介して、他の装置から発信されている無線LANの電波の検出を行う。無線LANの電波が検出されなかった場合、制御部10は、この障害通知処理を終了する。一方で、無線LANの電波を検出すると、制御部10は、ステップSP3に移る。
【0024】
ステップSP3において、制御部10は、通信部13を介して検出した無線LANの電波から、無線LANで通信可能な装置の情報(これを装置情報と呼ぶ)を検出し、さらにこの装置情報を解析(具体的には装置情報として受信したデータパケット内のヘッダ及びデータを解析)することで、装置情報に含まれている装置識別情報を取得する。尚、無線LANによって接続される装置は、定期的に自装置の装置情報を他装置に送信するとともに他装置から送信される他装置の装置情報を受信して、接続可能な装置を互いに認識するようになっている。
【0025】
そして制御部10は、取得した装置識別情報が、記憶部15に記憶されている装置識別情報(すなわちユーザ登録情報として登録されている装置識別情報)のうちの一つと一致するかどうかを判定する。ここで、取得した装置識別情報が、ユーザ登録情報として登録されている装置識別情報と一致したとすると、このことは、取得した装置識別情報により識別される装置(すなわち無線LANの電波を発信している装置)が、複合機2に登録されているユーザ装置として認識されたことを意味する。尚、ここでは、一例として、モバイル端末3がユーザ装置として認識されたとする。この場合、制御部10は、ステップSP3で肯定結果を得てステップSP4に移る。
【0026】
一方で、取得した装置識別情報が、登録されている装置識別情報と一致しなかったとすると、このことは、無線LANの電波を発信している装置が、複合機2に登録されているユーザ装置ではないことを意味する。この場合、制御部10は、ステップSP3で否定結果を得て、この障害通知処理を終了する。
【0027】
ステップSP4において制御部10は、今回発生した障害に対応する障害情報を記憶部15から読み出し、図5に示すように、発生した障害の内容を複合機2の操作者に知らせるとともに、発生した障害に対応する障害対応ガイダンス情報を、ステップSP3で認識したユーザ装置に送信するかどうかを複合機2の操作者に選択させる為の障害確認画面30を、操作パネル部14の表示部14Aに表示する。
【0028】
この障害確認画面30には、発生した障害の内容を示す文章T1と、発生した障害に対応する障害対応ガイダンス情報を、認識したユーザ装置に送信するかどうかを問う文章T2と、送信するかどうかを操作者に選択させる為のYESボタンB1及びNOボタンB2などが表示される。尚、発生した障害の内容を示す文章T1は、記憶部15から読み出した障害情報に含まれている。また、図5の例では、文章T2が『Aさんの端末に障害対応ガイダンス情報を送信しても良いですか?』となっているが、この文章T2内の『Aさん』の『A』には、識別されたユーザ装置の装置識別情報に紐付けられたユーザ識別情報に含まれるユーザ名(すなわち識別されたユーザ装置を所有しているユーザの名前)が入るようになっている。また、このとき表示部14Aに表示されているYESボタンB1とNOボタンB2は、それぞれ操作者が操作部14Bを介して選択決定できるようになっている。
【0029】
制御部10は、このような障害確認画面30を表示部14Aに表示させた後、ステップSP5に移る。ステップSP5において制御部10は、操作者が障害対応ガイダンス情報をユーザ装置に送信すると選択したかどうか(すなわちYESボタンB1が選択決定されたかどうか)を判定する。ここで、操作者が、操作部14Bを介してNOボタンB2を選択決定することにより障害対応ガイダンス情報を送信しないと選択したとする。この場合、制御部10は、ステップSP5で否定結果を得て、この障害通知処理を終了する。
【0030】
一方で、操作者が、操作部14Bを介してYESボタンB1を選択決定することにより障害対応ガイダンス情報を送信すると選択したとする。この場合、制御部10は、ステップSP5で肯定結果を得て、ステップSP6に移る。ステップSP6において、制御部10は、今回発生した障害に対応する障害対応ガイダンス情報を記憶部15から読み出し、この障害対応ガイダンス情報を、通信部13を介してユーザ装置(すなわちモバイル端末3)に送信する。
【0031】
障害対応ガイダンス情報を送信した後、制御部10は、次のステップSP7に移り、図6に示すように、今回発生した障害に対応する障害対応ガイダンス情報を送信した旨を操作者に知らせる為の送信確認画面40を、操作パネル部14の表示部14Aに表示する。この送信確認画面40には、今回発生した障害に対応する障害対応ガイダンス情報を識別したユーザ装置に送信した旨の文章T3が表示される。尚、図6の例では、文章T3が『Aさんの端末に紙づまりに対応する障害対応ガイダンス情報を送信しました』となっているが、この文章T3内の『A』にも、装置識別情報に緋付けられたユーザ識別情報に含まれるユーザ名(すなわち識別したユーザ装置を所有しているユーザの名前)が入るようになっている。制御部10は、このような送信確認画面40を表示部14Aに表示させた後、この障害通知処理を終了する。複合機2側の障害通知処理の手順は、以上のようになっている。
【0032】
次に、図7に示すフローチャートを用いて、モバイル端末3側の障害通知処理の手順について詳しく説明する。尚、この障害通知処理は、モバイル端末3の制御部20が、記憶部24に記憶されているプログラムを実行して行う処理である。
【0033】
モバイル端末3の操作者が、操作パネル部21を介して複合機2との通信制御を可能とするアプリケーションを起動する操作を行うと、制御部20は、最初のステップSP10でこのことを認識して、ステップSP11に移る。ステップSP11において制御部20は、このアプリケーションを起動する。これによりアプリケーション部23が動作して、以降、このアプリケーション部23によって複合機2との通信制御が行われる。
【0034】
つづくステップSP12において制御部20は、通信部22を介して、無線LANで通信可能な複合機2が存在するかどうかを判定する。尚、上述したように、無線LANによって接続される装置は、定期的に自装置の装置情報を他装置に送信する為、モバイル端末3の制御部20は、記憶部24から読み出した装置識別情報を含む装置情報を、通信部22を介して他装置に送信するとともに、他装置から受信した装置情報をもとに、無線LANで通信可能な複合機2が存在するかどうかを判定するようになっている。
【0035】
ここで、無線LANで通信可能な複合機2が検出できなかった場合、制御部20は、ステップSP12に戻り、所定時間後(例えば5分後)に、再度、無線LANで通信可能な複合機2が存在するかどうかを判定する。尚、このような判定は、例えば、モバイル端末3の操作者によってアプリケーションを終了する操作が行われるまで継続される。
【0036】
一方で、無線LANで通信可能な複合機2が検出できた場合、制御部20は、ステップSP12で肯定結果を得て、ステップSP13に移る。ステップSP13において制御部20は、通信部22を介して複合機2との通信を確立させ、複合機2から障害対応ガイダンス情報が送信されているかどうかを判定する。ここで、複合機2から障害対応ガイダンス情報が送信されていなければ、制御部20は、ステップSP13で否定結果を得て、ステップSP12に戻り、所定時間後(例えば5分後)に、再度、無線LANで接続可能な複合機2が存在するかどうかを判定する。
【0037】
一方で、障害対応ガイダンス情報が送信されていれば、制御部20は、ステップSP13で肯定結果を得て、ステップSP14に移る。ステップSP14において制御部20は、複合機2から送信されている障害対応ガイダンス情報を受信し、受信が完了すると、その旨を通信部22を介して複合機2に通知するとともに、図8に示すように、複合機2で発生した障害の内容と障害の復旧方法を操作者に知らせる為の障害対応ガイダンス画面50を、操作パネル部21に表示する。この障害対応ガイダンス画面50には、複合機2で発生した障害の内容を示す文章T10と、障害の復旧方法を示す文章T11が表示される。尚、障害の内容を示す文章T10、及び復旧方法を示す文章T11は、ともに複合機2から受信した障害対応ガイダンス情報に含まれている。このような障害対応ガイダンス画面50を表示させた後、制御部20は、この障害通知処理を終了する。モバイル端末3側の障害通知処理の手順は、以上のようになっている。
【0038】
[1−3.まとめと効果]
ここまで説明したように、第1の実施の形態の障害通知システム1では、予め複合機2に、複合機2と無線LANで通信可能なモバイル端末3の装置識別情報を登録しておき、複合機2で障害が発生すると、複合機2が現在無線LANで通信可能な他の装置を検出する。そして複合機2は、このとき検出した他の装置から送信されてくる装置識別情報が、予め登録されている装置識別情報と一致すると、検出した他の装置が予め登録されているユーザ装置(モバイル端末3)であると認識し、このモバイル端末3に対して、発生している障害の内容及び復旧方法を示す障害対応ガイダンス情報を送信するようにした。
【0039】
こうすることで、障害通知システム1では、従来のように電子メールを作成する専用のサーバなどを用意することなく、複合機2に発生している障害の内容及び復旧方法を、特定の装置(すなわち複合機2に登録されているモバイル端末3)に通知することができる。また、障害通知システム1は、既存の無線LANを利用してシステムを構築できるので、システムの構築に要するコストを、従来と比べて大幅に削減することもできる。
【0040】
また、この障害通知システム1では、複合機2と無線通信可能で且つ複合機2に装置識別情報が登録されている装置であっても、複合機2の操作者が障害対応ガイダンス情報を送信しないと選択した場合には、この装置に障害対応ガイダンス情報を送信しないようにした。このように、障害通知システム1では、障害対応ガイダンス情報を送信するかどうかを、最終的に複合機2の操作者が選択できるので、簡易なシステム構成でありながら、操作者が所望する装置にのみ障害ガイダンス情報を送信することができる。
【0041】
また、この障害通知システム1では、複合機2とモバイル端末3を一人の操作者が操作して、この操作者が複合機2で発生した障害の詳細な情報(障害の内容と復旧方法)をモバイル端末3側で確認するといった利用形態も想定している。
【0042】
近年、スマートフォンなどに代表されるモバイル端末3は、表示能力(画面サイズ、解像度)の向上が目覚しく、一般的に、複合機2の表示能力より優れた表示能力を有している。この為、障害通知システム1では、どのような障害が発生したのかなどの簡易な情報については、複合機2の表示部14Aに表示するようにして、発生した障害の復旧方法などの詳細な情報については、モバイル端末3の操作パネル部21に表示するようにした。こうすることで、操作者は、発生した障害に関する詳細な情報については、表示能力の優れたモバイル端末3側で、容易に確認することができる。また、モバイル端末3に対しては、障害の復旧方法を示す文章にくわえて、障害の復旧方法を示す画像や、障害の復旧方法を示すホームページのアドレスなどを含めた、より詳細な障害対応ガイダンス情報を送信するようにしてもよい。
【0043】
[2.第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、複合機2側で障害対応ガイダンス情報を送信するモバイル端末3を選択できるようにした実施の形態である。複合機2とモバイル端末3の機能構成は、第1の実施の形態と同様の為、詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。また、モバイル端末3側の障害通知処理についても、第1の実施の形態と同様の為、詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。ゆえに、ここでは、システム構成と、複合機2側の障害通知処理について説明する。
【0044】
[2−1.障害通知システムの構成]
図9に示すように、第2の実施の形態の障害通知システム100は、複合機2と、この複合機2と無線接続される複数のモバイル端末3とで構成されている。複合機2と各モバイル端末3は、第1の実施の形態と同様、それぞれ無線LAN規格に従って互いに直接通信可能となっている。また、複合機2には、複数のモバイル端末3の装置識別情報がユーザ登録情報として登録されている。
【0045】
[2−2.障害通知処理]
次に、図10に示すフローチャートを用いて、複合機2側の障害通知処理の手順について詳しく説明する。尚、図10では、第1の実施の形態の障害通知処理(図4)と同一ステップには同一符号を付している。制御部10は、最初のステップSP1において、複合機2で障害が発生しているかどうかをチェックする。障害が発生していない場合、制御部10は、この障害通知処理を終了する。尚、この障害通知処理も、例えば、複合機2が起動している間、所定時間ごと(例えば5分ごと)に実行されるようになっている。一方で、障害が発生している場合、制御部10は、ステップSP2に移る。
【0046】
ステップSP2において、制御部10は、通信部13を介して、他の装置から発信されている無線LANの電波の検出を行う。無線LANの電波が検出されなかった場合、制御部10は、この障害通知処理を終了する。一方で、無線LANの電波を検出すると、制御部10は、ステップSP3に移る。
【0047】
ステップSP3において、制御部10は、通信部13を介して検出した無線LANの電波から、無線LANで通信可能な装置の装置情報を検出し、さらにこの装置情報を解析することで、装置情報に含まれている装置識別情報を取得する。このとき、制御部10は、複合機2と無線LANで通信可能な装置(すなわちモバイル端末3)が複数存在していれば、装置識別情報を複数装置分取得することになる。
【0048】
そして制御部10は、取得した複数の装置識別情報のそれぞれが、記憶部15に記憶されている装置識別情報(すなわちユーザ登録情報として登録されている装置識別情報)のうちの一つと一致するかどうかを判定する。ここで、取得した複数の装置識別情報のうちの1つ以上が、登録されている装置識別情報と一致したとする。このことは、登録されている装置識別情報と一致した装置識別情報により識別される装置が、複合機2に登録されているユーザ装置として認識されたことを意味する。尚、ここでは、一例として、複数のモバイル端末3が、ユーザ装置として認識されたとする。この場合、制御部10は、ステップSP3で肯定結果を得てステップSP20に移る。
【0049】
一方で、取得した複数の装置識別情報の全てが、登録されている装置識別情報と一致しなかったとすると、このことは、無線LANの電波を発信している複数の装置の全てが、複合機2に登録されているユーザ装置ではないことを意味する。この場合、制御部10は、ステップSP3で否定結果を得て、この障害通知処理を終了する。
【0050】
ステップSP20において制御部10は、ユーザ装置として認識された複数の装置(すなわちモバイル端末3)のそれぞれと、複合機2との通信状態を検出する。具体的には、複合機2と各モバイル端末3との間の電波強度及びエラー率を、通信状態として検出する。電波強度は、複合機2がモバイル端末3から受信した電波の強度であり、この電波強度が強ければ複合機2とモバイル端末3との距離が近く、弱ければ距離が離れていることを表す。一方、エラー率は、複合機2がモバイル端末3から受信したデータのうち、破損していた部分(元データとは異なる部分)の割合であり、このエラー率が高ければ複合機2とモバイル端末3との間に電波干渉が発生している可能性が高いことを表す。ゆえに、電波強度が強くエラー率が低ければ、通信状態が良好であることを意味する。
【0051】
制御部10は、複数のモバイル端末3のそれぞれと実際に通信することで、各モバイル端末3との間の電波強度及びエラー率を検出して、これをモバイル端末3の装置識別情報と対応付けて記憶部15に記憶する。尚、制御部10は、例えば、電波強度を1〜5の5段階(数値が大きいほど電波強度が強い)の数値に置き換え、エラー率についても1〜5の5段階(数値が大きいほどエラー率が低い)の数値に置き換えて、記憶部15に記憶する。
【0052】
複合機2と各モバイル端末3との通信状態を検出し終えると、制御部10は、ステップSP21に移る。ステップSP21において制御部10は、今回発生した障害に対応する障害情報を記憶部15から読み出し、図11に示すように、発生した障害の内容を複合機2の操作者に知らせるとともに、発生した障害に対応する障害対応ガイダンス情報を、認識した複数のユーザ装置のうちのどのユーザ装置に送信するかを操作者に選択させる為の障害確認画面110を、操作パネル部14の表示部14Aに表示する。
【0053】
この障害確認画面110には、発生した障害の内容を示す文章T1と、認識した複数のユーザ装置(モバイル端末3)のリストL1と、障害対応ガイダンス情報を送信するユーザ装置をリストL1から選択するよう指示する文章T20と、リストL1上で選択されたユーザ装置に障害対応ガイダンス情報を送信する為の送信ボタンB10と、送信をキャンセルする為のキャンセルボタンB11などが表示される。リストL1は、各行に、ユーザ装置ごとの装置識別情報111と、装置識別情報111により識別されるユーザ装置を選択する為のチェックボックスCbとが表示されるようになっている。尚、図11の例では、装置識別情報111が、例えば『Aさんの端末』のように、誰のユーザ装置であるのかを示す文字情報となっているが、これに限らず、ユーザ装置を識別できる装置識別情報であれば、ユーザ登録情報に含まれるホスト名、IPアドレス、MACアドレスなどを、装置識別情報111として各行に表示するようにしてもよい。
【0054】
また、このリストL1には、ユーザ装置ごとの装置識別情報111が、通信状態の良い順にソートされた状態で表示されるようになっている。すなわち、制御部10は、複数のユーザ装置ごとの電波強度の数値とエラー率の数値とを、記憶部15から読み出し、ユーザ装置ごとの装置識別情報111を、電波強度の数値とエラー率の数値との合計が大きい順にソートして、リストL1に表示するようになっている。
【0055】
こうすることで、例えば、リストL1に表示されている装置識別情報111のうち、最上位に表示されているものが、複合機2との通信状態が最も良好なユーザ装置の装置識別情報111となる。
【0056】
制御部10は、このような障害確認画面110を表示部14Aに表示させた後、ステップSP22に移る。ステップSP22において制御部10は、リストL1から任意のユーザ装置の装置識別情報111が選択された状態で、送信ボタンB10が選択決定されたかどうかを判定する。ここで、操作者が、操作部14Bを介してキャンセルボタンB11を選択決定することにより障害対応ガイダンス情報の送信をキャンセルすると選択したとする。この場合、制御部10は、ステップSP22で否定結果を得て、この障害通知処理を終了する。
【0057】
一方で、操作者が、操作部14Bを介して送信ボタンB10を選択決定することによりリストL1から選択したユーザ装置に障害対応ガイダンス情報を送信すると選択したとする。この場合、制御部10は、ステップSP22で肯定結果を得て、ステップSP23に移る。ステップSP23において、制御部10は、今回発生した障害に対応する障害対応ガイダンス情報を記憶部15から読み出し、この障害対応ガイダンス情報を、通信部13を介して、リストL1から選択されたユーザ装置(すなわちモバイル端末3)に送信する。ここで、リストL1から複数のユーザ装置が選択された場合、制御部10は、複数のユーザ装置のそれぞれに、障害対応ガイダンス情報を送信する。
【0058】
障害対応ガイダンス情報を送信した後、制御部10は、次のステップSP7に移り、図12に示すように、今回発生した障害に対応する障害対応ガイダンス情報を送信した旨を操作者に知らせる為の送信確認画面120を、操作パネル部14の表示部14Aに表示する。尚、図12は、リストL1から選択された複数のユーザ装置に、障害対応ガイダンス情報を送信した場合の表示例となっている。制御部10は、このような送信確認画面120を表示部14Aに表示させた後、この障害通知処理を終了する。複合機2側の障害通知処理の手順は、以上のようになっている。
【0059】
尚、ここでは、複合機2に障害が発生したときに、通信可能な状態のユーザ装置が複数検出され、これら複数のユーザ装置の装置識別情報111を障害確認画面110のリストL1に表示して、このリストL1から障害対応ガイダンス情報を送信するユーザ装置を操作者に選択させるようにしたが、例えば、通信可能な状態のユーザ装置が1台しか認識されなかった場合には、障害確認画面110の代わりに、第1の実施の形態と同様の障害確認画面30を表示して、認識されたユーザ装置に障害対応ガイダンス情報をするかどうかを操作者に選択させるようにしてもよい。
【0060】
[2−3.まとめと効果]
ここまで説明したように、第2の実施の形態の障害通知システム100では、予め複合機2に、複合機2と無線LANで通信可能な複数のモバイル端末3の装置識別情報を登録しておき、複合機2で障害が発生すると、複合機2が現在無線LANで通信可能な他の装置を検出する。そして複合機2は、このとき検出した他の装置から送信されてくる装置識別情報が、予め登録されている装置識別情報と一致すると、検出した他の装置が予め登録されているユーザ装置(モバイル端末3)であると認識する。
【0061】
そして、複合機2は、モバイル端末3を複数認識した場合、認識した複数のモバイル端末3のリストL1を表示部14Aに表示し、このリストL1から、障害対応ガイダンス情報を送信するモバイル端末3を操作者に選択させ、選択されたモバイル端末3に障害ガイダンス情報を送信するようにした。
【0062】
こうすることで、障害通知システム100では、従来のように電子メールを作成する専用のサーバなどを用意することなく、複合機2に登録されている複数のモバイル端末3のうちの任意のモバイル端末3に、複合機2で発生している障害の内容及び復旧方法を通知することができる。また、この障害通知システム100では、操作者がリストL1から複数のモバイル端末3を選択することで、複合機2から、選択された複数のモバイル端末3に、複合機2で発生している障害の内容及び復旧方法を通知することもできる。
【0063】
さらに、障害通知システム100では、複合機2が、複数のモバイル端末3との間の通信状態を検出し、通信状態が良い順に、リストL1に表示されるユーザ装置(モバイル端末3)の装置識別情報111をソートするようにした。こうすることで、複合機2と通信可能な状態の複数のモバイル端末3のうち、複合機2との間の通信状態が良好(もしくは不良)なモバイル端末3がどれであるのかを、リストL1に表示されている装置識別情報111の並び順で、操作者に容易に確認させることができる。
【0064】
また、通常、複合機2とモバイル端末3との距離が近いほど、通信状態が良くなる為、例えばモバイル端末3を持った操作者が複合機2を操作すれば、この操作者が持っているモバイル端末3の装置識別情報111がリストL1の最上位に表示されることになる。この為、複合機2の操作者が、自分が持っているモバイル端末3で、障害ガイダンス情報を確認するような場合には、自分が持っているモバイル端末3をリストL1から容易に見つけ出すことができる。
【0065】
さらに、障害通知システム100は、例えば、図13に示すように複合機2の追加にも対応できるようになっている。この場合、例えば複合機2Aで障害が発生した場合には、操作者がモバイル端末3を持って複合機2Aの設置場所へ行く。このとき、上述したように、複合機2Aでは、リストL1の最上位に操作者が持っているモバイル端末3の装置識別情報111が表示されるので、操作者は、最上位の装置識別情報111を選択することで、自分が持っているモバイル端末3で、複合機2Aで発生している障害の内容及び復旧方法を確認できる。
【0066】
その後、例えば複合機2Bで障害が発生した場合には、操作者がモバイル端末3を持って複合機2Bの設置場所へ行く。このとき、複合機2Bでは、リストL1の最上位に操作者が持っているモバイル端末3の装置識別情報111が表示されるので、操作者は、最上位の装置識別情報111を選択することで、自分が持っているモバイル端末3で、複合機2Bで発生している障害の内容及び復旧方法を確認できる。このように、障害通知システム100では、1台のモバイル端末3で、複数の複合機2のそれぞれで発生している障害の内容及び復旧方法を容易に確認することもできる。
【0067】
[3.他の実施の形態]
[3−1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1及び第2の実施の形態では、複合機2に発生した障害の内容及び復旧方法を示す障害対応ガイダンス情報を、モバイル端末3に送信するようにした。これに限らず、障害対応ガイダンス情報の代わりに、障害の内容を示す障害情報を、モバイル端末3に送信するようにしてもよい。またこれに限らず、複合機2の状態を示す情報(これを状態情報と呼ぶ)であれば、障害情報や障害ガイダンス情報とは異なる情報を、モバイル端末3に送信するようにしてもよい。
【0068】
例えば、複合機2のトナー残量や用紙の残り枚数などを示す状態情報を、モバイル端末3に送信するようにしてもよい。この場合、例えば、複合機2の操作者が、複合機2の操作部14Bを介して複合機2の状態を確認する操作を行ったときに、状態情報をモバイル端末3に送信するようにすればよい。
【0069】
[3−2.他の実施の形態2]
また、上述した第1及び第2の実施の形態では、複合機2とモバイル端末3が無線LANのアドホックモード、又はBluetooth(登録商標)、もしくはNFCなどの無線通信規格を利用して通信するようにした。これに限らず、例えば、複合機2とモバイル端末3が無線LANのインフラストラクチャモードを利用して通信するなどしてもよい。また、例えば、モバイル端末3側で設定可能なAPN(Access Point Name)が、障害通知システム1を構築する無線LANの識別情報に設定されている場合にのみ、このモバイル端末3を障害通知システム1を構築する無線LANに接続させるようにしてもよい。
【0070】
[3−3.他の実施の形態3]
さらに、上述した第2の実施の形態では、複合機2と登録済端末装置としてのユーザ装置(モバイル端末3)との間の電波強度及びエラー率を、複合機2とモバイル端末3との間の通信状態として検出し、リストL1に表示されるユーザ装置の装置識別情報111を、複合機2とモバイル端末3との間の通信状態の良い順にソートするようにした。これに限らず、電波強度とエラー率のどちらか一方のみを通信状態として検出するようにしてもよいし、電波強度及びエラー率以外の情報(例えば通信速度)を通信状態として検出するなどしてもよい。
【0071】
また、これに限らず、通信状態以外の情報で、リストL1に表示される装置識別情報111をソートするようにしてもよい。例えば、複合機2の印刷ログをもとに、リストL1に表示される装置識別情報111をソートするようにしてもよい。具体的には、印刷途中で複合機2に障害が発生して、印刷を中断した場合、印刷ログには印刷ジョブのエラーが残る。このとき、複合機2の制御部10は、この印刷ジョブを実行したユーザのユーザ装置が、リストL1の最上位にくるようにソートする。この場合、複合機2の制御部10は、印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報をもとに、この印刷ジョブを実行したユーザと、このユーザのユーザ装置とを特定すればよい。このようにすれば、印刷ジョブを実行したユーザ(つまり複合機2の障害を復旧させたいユーザ)は、リストL1から自分のユーザ装置を容易に見つけ出すことができる。
【0072】
また、印刷ログをもとに、複合機2でのユーザごとの印刷回数を検出し、印刷回数が多い順に、リストL1をソートするなどしてもよい。さらに、通信状態や印刷ログなどの複数の情報をもとに、リストL1をソートするようにしてもよい。この場合、各情報を、例えば5段階の数値に置き換え、この数値の合計値の大きい順もしくは小さい順でソートするようにすればよい。
【0073】
また、リストL1が表示される障害確認画面110に、リストL1にくわえて、リストL1がどのようにソートされているかを示す情報を表示するようにしてもよい。さらに、複合機2で障害が発生してから、この障害が復旧するまでの間に、複合機2から障害対応ガイダンス情報を受信したユーザ装置の装置識別情報111については、リストL1上で選択できないようにしたり、リストL1上に、この装置識別情報111とともに、障害対応ガイダンス情報を既に受信していることを示す情報(文字、図形など)を表示させたりしてもよい。このようにすれば、同じモバイル端末3に、何度も同じ障害対応ガイダンス情報を送信してしまう状況を防ぐことができる。
【0074】
[3−4.他の実施の形態4]
さらに、上述した第1の実施の形態では、複合機2の操作者が障害確認画面30上で複合機2と無線通信可能で且つ複合機2に登録されているモバイル端末3に障害対応ガイダンス情報を送信すると選択した場合にのみ、このモバイル端末3に障害対応ガイダンス情報を送信するようにした。これに限らず、操作者の選択を省略して、複合機2と無線通信可能で且つ複合機2に登録されているモバイル端末3に障害対応ガイダンス情報を自動で送信するようにしてもよい。また、第2の実施の形態についても同様に、操作者の選択を省略して、複合機2と無線通信可能で且つ複合機2に登録されている例えば複数のモバイル端末3に障害対応ガイダンス情報を自動で送信するようにしてもよい。
【0075】
[3−5.他の実施の形態5]
さらに、上述した各実施の形態では、画像形成装置としての複合機2に本発明を適用したが、これに限らず、端末装置と無線で通信可能なインタフェースを有する装置であれば、複合機2以外の種々の装置(例えばプリンタ、スキャナ、コピー機、FAXなど)にも適用できる。また、上述した各実施の形態では、端末装置としてのモバイル端末3に本発明を適用したが、これに限らず、画像形成装置と無線で通信可能なインタフェースを有する装置であれば、モバイル端末3以外の種々の装置(例えばノートブック型のパーソナルコンピュータなど)にも適用できる。さらに、上述した各実施の形態では、通信システムとしての障害通知システム1、100に本発明を適用したが、これに限らず、画像形成装置と端末装置が無線で通信可能なシステムであれば、障害通知システム1、100とは異なるシステムにも適用できる。
【0076】
さらに、上述した各実施の形態では、複合機2に、画像形成部としての印刷部11と、記憶部及び装置側記憶部としての記憶部15と、通信部及び装置側通信部としての通信部13と、制御部及び装置側制御部としての制御部10と、操作部及び表示部としての操作パネル部14(操作部14B及び表示部14A)を設けるようにしたが、これは一例であり、印刷部11、記憶部15、通信部13、制御部10、操作パネル部14とは異なる、画像形成部、記憶部及び装置側記憶部、通信部及び装置側通信部、制御部及び装置側制御部、操作部及び表示部を、複合機2に設けるようにしてもよい。
【0077】
また、上述した各実施の形態では、モバイル端末3に、端末側記憶部としての記憶部24、端末側通信部としての通信部22、端末側制御部としての制御部20を設けるようにしたが、これは一例であり、記憶部24、通信部22、制御部20とは異なる、端末側記憶部、端末側通信部、端末側制御部を、モバイル端末3に設けるようにしてもよい。
【0078】
[3−6.他の実施の形態6]
さらに、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、端末装置と無線通信可能な画像形成装置や、これら端末装置と画像形成装置により構成される通信システムなどで広く利用することができる。
【符号の説明】
【0080】
1、100……障害通知システム、2……複合機、3……モバイル端末、10、20……制御部、11……印刷部、13、22……通信部、14、21……操作パネル部、14A……表示部、14B……操作部、15、24……記憶部、23……アプリケーション部、30、110……障害確認画面、40、120……送信確認画面、50……障害対応ガイダンス画面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13