(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも一行の各前記指紋認識領域が同一のデータ処理チップによって制御される場合に、行方向で隣接する各前記指紋認識領域で同一の位置にある指紋認識電極が互いに電気的に接続され、
少なくとも一列の各前記指紋認識領域が同一のデータ処理チップによって制御される場合に、列方向で隣接する各前記指紋認識領域で同一の位置にある指紋認識電極が互いに電気的に接続されることを特徴とする請求項3に記載の指紋認識素子。
アレイ状に配列される各前記指紋認識領域で、対角線が隣接する各前記指紋認識領域における各指紋認識電極が同一の直線に配列されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の指紋認識素子。
各前記指紋認識領域に含まれる各指紋認識電極は、各前記指紋認識領域の枠と45度の角を成す方向に沿って配列されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の指紋認識素子。
同一の指紋認識領域において隣接する指紋認識電極の間の中心距離が42.3ミクロン〜84.7ミクロンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の指紋認識素子。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例に係る指紋認識素子及びタッチデバイスの具体的な実施形態を、詳しく説明する。
【0017】
図面において、各部品のサイズと形状は、実際な比例を反映するものではなく、本発明の内容を模式的に説明することを目的とする。
【0018】
本発明の実施例に係る指紋認識素子は、
図4aに示すように、マトリックス状に分布される複数の矩形の指紋認識領域100を含み、ここで、
図4aは、指紋認識素子が8×8個の正方形の指紋認識領域100を含むことを例として説明を行う。
【0019】
各指紋認識領域100は、指紋認識領域100の対角線方向に沿って配列される複数の相互に独立な指紋認識電極110を含み、各指紋認識領域100での指紋認識電極110の配列方向が相同である。具体的に、
図4aでは、各指紋認識電極110が指紋認識領域100の主対角線方向(つまり、左上から右下までの対角線方向)に沿って配列されることを例として説明を行う。ここで、相互に独立な指紋認識電極とは、同一の指紋認識領域中にそれぞれの指紋認識電極が互いに絶縁であることを指す。
【0020】
具体的に実施する場合に、本発明の実施例に係る上記指紋認識素子に含まれる各指紋認識電極110の具体的な形状は、
図4aに示す矩形に限らず、菱形や円形などの形状であってもよい。
図4aでは、各指紋認識電極110が正方形であり、各指紋認識領域100も正方形であり、各指紋認識電極110が指紋認識領域100の主対角線方向に沿って対角線が首尾連接するように配列されるが、具体的に実施する場合には、指紋認識領域100の形状及び指紋認識電極110の具体的な形状によって、各指紋認識電極110全てが指紋認識領域100の対角線方向に沿って配列される規則に従って、各指紋認識電極110の具体的な配列を具体的に設計してもよく、ここで特に制限しない。
【0021】
一般的に、本発明の実施例に係る上記指紋認識素子において区分けされた各指紋認識領域のサイズが一般的に同じであり、指紋認識電極のサイズも一般的に同じである。
【0022】
本発明の実施例に係る上記指紋認識素子では、手指が上記指紋認識素子で任意の方向に滑動する場合、各指紋認識領域100において各指紋認識電極110が相同の対角線方向に沿って配列されるので、手指が複数の方向に沿って滑動する時に、同一又は隣接の指紋認識領域100に属する指紋認識電極110は、完全な指紋情報を検出することによって、指紋を認識でき、スライド式指紋認識素子が手指の滑動方向に制限されなく、スライド式指紋認識素子の適用範囲を拡大し、手指を滑動する時に長距離の滑動を行わなくても、完全な指紋を検出することができ、指紋滑動認識の感度を向上する。プレス式指紋認識に対して、本発明の実施例のスライド式指紋認識素子によれば、少ない指紋認識電極を使えても、完全的な指紋パターンを検出することができ、コストの削減に有利である。
【0023】
具体的に実施する場合に、本発明の実施例に係る上記指紋認識素子が指紋認識を行う時に、複数の指紋認識領域100の指紋認識電極110によって検出された画像を合成して最終の指紋画像を形成することが必要となる場合が多いので、各指紋認識領域100によって取得された画像の解像度が相対的に一致することを保証するために、具体的に設計する時に、一般的に、各指紋認識領域100の指紋認識電極110の数を相同に設置し、
図4aと
図4cでは、各指紋認識領域100が6つの指紋認識電極110を含むことを例として説明を行い、つまり、各指紋認識領域100全てが6つの指紋認識電極110で組成される。
【0024】
図4bは、
図4a中の2×2指紋認識領域のマトリックス状の構造の模式図である。具体的に実施する場合に、指紋認識素子に設置される指紋認識領域100の具体的なサイズと、各指紋認識領域100に含まれる指紋認識電極110の数とを、実際の要求により設けてもよく、一般的に、各指紋認識領域100によって取得される画像の連続性と完全性を保証するために、毎二つの隣接の指紋識別領域において同一の位置にある指紋認識電極の間の距離は、一般的に5mm〜20mmに制御されることが好ましい。具体的に、
図4bに示すように、行方向に相隣する二つの指紋認識領域1001と1002において、同一の位置にある指紋認識電極1101と1102との間の距離D1の範囲が5mm〜20mmであることが好ましい。同様に、列方向に相隣する二つの指紋認識領域1001と1003において、同一の位置にある指紋認識電極1101と1103との間の距離D2の範囲が5mm〜20mmであることが好ましい。
【0025】
なお、各指紋認識領域で取得される画像の解像度を保証し、タッチ感度を向上するために、一般的に、同一の指紋認識領域内において相隣する指紋認識電極の間の中心距離が42.3ミクロン〜84.7ミクロンに制御されるべきであり、それに対し、前記指紋認識素子の認識解像度が300dpi〜600dpiである。具体的に、
図4bに示すように、指紋認識領域1002において相隣の二つの指紋認識電極1104と1105との中心距離d1(縦方向の中心距離)とd2(横方向の中心距離)全てが、42.3μm〜84.7μmであることが好ましい。
【0026】
そして、
図4cに示すように、各指紋認識領域100によって取得される画像の連続性を保証するために、具体的に設計する場合に、一般的に、各指紋認識領域100のアレイ配列において対角線が隣接する各指紋認識領域100の各指紋認識電極110を、同一の直線に配列し、つまり、対角線が隣接する指紋認識領域100の対角線上の各指紋認識電極110が相対連続的に配列される。
【0027】
上記記述から分かるように、本発明の実施例に係る上記指紋認識素子に含まれる指紋認識電極110の数が多くて、指紋認識領域100の指紋認識電極すべてがそれぞれに導線で対応するデータ処理チップ(IC)に接続されると、指紋認識素子におけるデータ処理チップ(IC)が非常に複雑になる。そのため、具体的に設計する場合に、少なくとも一行の各指紋認識領域が同一のデータ処理チップ(IC)によって制御されるようにする。若しくは、少なくとも一列の各指紋認識領域が同一のデータ処理チップによって制御されるようにする。例えば、
図4cに示すように、同一の列の各指紋認識領域が同一のデータ処理チップ(例えば、IC1、IC2、IC3……ICn)によって制御されるようにして、データ処理チップ(IC)の数を減少し、コストを削減する。もちろん、一つのデータ処理チップ(IC)によって複数の行又は複数の列の指紋認識領域を制御してもよく、ここで特に制限しない。
【0028】
さらに、指紋認識素子における配線の数を減少するために、具体的に実施する倍に、少なくとも一行にある各指紋認識領域100が同一のデータ処理チップ(IC)によって制御される時に、行方向で隣接の各指紋認識領域100における同一の位置にある指紋認識電極110を互いに電気的に接続し、具体的に、配線を介して接続する。若しくは、少なくとも一列にあるの各指紋認識領域100が同一のデータ処理チップ(IC)によって制御される時に、列方向で隣接の各指紋認識領域100における同一の位置にある指紋認識電極110を互いに電気的に接続する。
図4cに示すように、配線を介して同一の列にある指紋認識電極110を電気的に接続する。
【0029】
上記記述で、隣接の各指紋認識領域100における同一の位置にある指紋認識電極110とは、各指紋認識領域100に含まれる指紋認識電極110の数が相同である場合に、各指紋認識領域100にn個の指紋認識電極110を含むこととし、同一の位置にある指紋認識電極110が各指紋認識領域100における第j個の指紋認識電極であり、j=1……nであり、例えば、
図4b中の1101と1102は、行方向で隣接する二つの指紋認識領域1001と1002の同一の位置の指紋認識電極であり、1101と1103は、列方向で隣接する二つの指紋認識領域1001と1003の同一の位置の指紋認識電極であることを、注意すべきである。
【0030】
好ましくは、本発明の実施例に係る上記指紋認識素子は、具体的に使用する場合に手指が任意の方向に可滑動するので、いかなる場合でも完全な指紋情報を検出できるためには、具体的に実施する場合に、一般的に、各指紋認識領域100の枠を正方形に設けて、各指紋認識領域100に含まれる各指紋認識電極110を、枠と45度角を成す方向に沿って配列する。
【0031】
以下、本発明の実施例に係る指紋認識素子の操作を、
図4cに示す列方向で隣接する各指紋認識領域100で同一位置にある指紋認識電極110が配線を介して互いに導通され、且つ一列の指紋認識領域100が同一のデータ処理チップ(IC)によって制御されることを例として説明する。ここで、一つのデータ処理チップは、一つの結像画像を読み出す。本発明の実施例の指紋認識素子によれば、手指の複数の滑動方向で、全てに指紋を検出することができる。
【0032】
実例一、手指が右又は左へ滑動する:
手指が右へ滑動する場合に、手指滑動の初期領域と指紋押圧滑動の範囲の異なりによって、複数の状況があり、以下に、三種の状況を例として説明を行う。
【0033】
第一種の状況では、
図5aに示すようである、ここで、矢印が手指滑動方向を示し、手指滑動の初期領域(
図5aにおいて点線枠で示される)が指紋認識領域1001の部分領域を覆い、指紋押圧滑動範囲は、少なくとも左右に隣接する二つの指紋認識領域1001と1002の部分指紋認識電極を含むので、その最終画像は、
図5bに示すように、指紋認識領域1001の結像1と指紋認識領域1002の結像2との組合によって形成される。ここで、結像1と結像2は、それぞれに、第1列と第2列の指紋認識領域に接続されるデータ処理チップによって読み出された画像に対応する。具体的に、
図5aに示すように、手指滑動の初期領域(点線枠部分)は、Lを分界線として指紋認識領域1001の指紋認識電極によって二つの部分(左下部分201と右上部分202)に区分けられ、手指が滑動する時に、左下部分201の指紋情報が指紋認識領域1001の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1001に対応するICに伝送され(
図5b中の結像1の画像が得られ)、右上部分202の指紋情報が指紋認識領域1002の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1002に対応するICに伝送され(
図5b中の結像2の画像が得られ)、その後、画像処理によって
図5bに示す最終画像が得られる。
【0034】
第二種の状況では、
図5cに示すように、手指滑動の初期領域(
図5cにおいて点線枠で示される)が指紋認識領域1001と1002の部分領域を覆い、指紋押圧滑動範囲は、少なくとも左右に隣接する二つの指紋認識領域1001と1002との部分指紋認識電極を含むので、その最終画像は、
図5dに示すように、指紋認識領域1001の結像1と指紋認識領域1002の結像2との組合によって形成される。ここで、結像1と結像2は、それぞれに、第1列と第2列の指紋認識領域によって読み出された画像に対応する。具体的に、
図5cに示すように、手指滑動の初期領域(点線枠部分)は、Lを分界線として指紋認識領域1001の指紋認識電極によって二つの部分(左下部分301と右上部分302)に区分けられ、手指が滑動する時に、左下部分301の指紋情報が指紋認識領域1001の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1001に対応するICに伝送され(
図5d中の結像1の画像が得られ)、右上部分302の指紋情報が指紋認識領域1002の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1002に対応するICに伝送され(
図5d中の結像2の画像が得られ)、その後、画像処理によって
図5dに示す最終画像が得られる。
【0035】
第三種の状況では、
図5eに示すように、手指滑動の初期領域(
図5eにおいて点線枠で示される)が指紋認識領域1001と1003の部分領域を覆い、指紋滑動範囲は、少なくとも左右に隣接する両列の指紋認識領域(1001、1002、1003、1004)の部分指紋認識電極を含むので、その最終画像は、
図5fに示すようにされる。ここで、結像1と結像2は、それぞれに、第一列と第二列の指紋認識領域によって読み出される画像に対応する。具体的に、
図5eに示すように、手指滑動の初期領域(点線枠部分)は、L1とL2を分界線として指紋認識領域1001と1003の指紋認識電極によって三つの部分(第一部分401、第二部分402、第三部分403)に区分けられ、手指が滑動する時に、第一部分401の指紋情報が指紋認識領域1001の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1001に対応するICに伝送され、第二部分402の指紋情報が指紋認識領域1004の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1004に対応するICに伝送され、第三部分403の指紋情報が指紋認識領域1003の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1003に対応するICに伝送される。上記図面4cに対応する実施例で述べたように、指紋認識領域1001と1003が同一列にあり、同一のICに接続されるので、両者によって検出された画像を組み合わせて得られた画像は、
図5fの結像1(第一部分401と第三部分403の指紋画像を含む)に対応し、指紋認識領域1004は、指紋認識領域1001及び1003とは列が異なるので、対応するように接続するICも異なり、従って、指紋認識領域1004に対応するICで得られた画像は、
図5fの結像2(第二部分402の指紋画像に対応する)に対応し、画像1と画像2が画像処理されて、
図5fに示す最終画像が得られる。
【0036】
同様に、手指が左へ滑動する場合は上記の右へ滑動する場合と、状況と原理が類似であるので、ここで、重複な説明を省略する。
【0037】
実例二、手指が下へ又は上へ滑動する:
手指が下へ滑動する場合に、手指滑動の起点と指紋押圧の範囲の異なりによって、複数の状況があり、以下に、三種の状況を例として説明を行う。
【0038】
第一種の状況では、
図6aに示すようである。ここで、矢印が手指滑動方向を示し、手指滑動の初期領域(
図6aにおいて点線枠で示される)が指紋認識領域1002の部分領域を覆い、指紋押圧滑動範囲は、少なくとも第二列の二つの指紋認識領域1002と1004との部分指紋認識電極を含むので、その最終画像は、
図6bに示すように、第二列の指紋認識領域の結像が画像処理されて合成される。具体的に、
図6aに示すように、手指滑動の初期領域(点線枠部分)は、Lを分界線として指紋認識領域1002の指紋認識電極によって二つの部分(左下部分501と右上部分502)に区分けられ、手指が下へ滑動する時に、左下部分501の指紋情報が指紋認識領域1004の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1004に対応するICに伝送され、右上部分502の指紋情報が指紋認識領域1002の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1002に対応するICに伝送される。上記の図面4cに対応する実施例で述べたように、指紋認識領域1002と1004は、同一の列にあり、同一のICに接続されるので、両者によって検出された画像を組み合わせて得られた画像は、
図6b中の結像1(左下部分501と右上部分502を含む指紋画像)に対応し、
図6bに示す最終画像が得られる。
【0039】
第二種の状況では、
図6cに示すように、手指滑動の初期領域(
図6cにおいて点線枠で示される)が一部の指紋認識領域1001と1002を覆い、指紋押圧滑動範囲は、少なくとも左右に隣接する両列の指紋認識領域(1001、1002、1003、1004)の一部分の指紋認識電極を含むので、その最終画像は、
図6dに示すようである。ここで、結像1と結像2は、それぞれに、第一列と第二列の指紋認識領域によって読み出される画像に対応する。具体的に、
図6cに示すように、手指滑動の初期領域(点線枠部分)は、L1、L2、L3を分界線として指紋認識領域1001と1002の指紋認識電極によって四つの部分(第一部分601、第二部分602、第三部分603、第四部分604)に区分けられ、手指が下へ滑動する時に、第一部分601の指紋情報が指紋認識領域1003の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1003に対応するICに伝送され、第二部分602の指紋情報が指紋認識領域1001の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1001に対応するICに伝送される。上記の図面4cに対応する実施例で述べたように、1001と1003は、同一の列にあるので、この二つの領域が同一のICに接続され、従って、1001と1003で検出された画像を組み合わせて得られた画像は、
図6bの結像1(つまり、第二部分602と第一部分601の指紋画像の組合)に対応する。第三部分603の指紋情報が指紋認識領域1004の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1004に対応するICに伝送され、第四部分604の指紋情報が指紋認識領域1002の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1002に対応するICに伝送される。ここでの1002と1004は、同一の列にあり、且つ同一のICに接続されて制御されるので、
図6d中の結像2の指紋画像は、指紋認識領域1002と1004で検出された画像の組合(つまり、
図6c中に第四部分604と第三部分603の指紋画像の組合)に対応し、
図6c中の結像1と結像2が画像処理されて、
図6dに示す最終画像が得られる。
【0040】
第三種の状況では、
図6eに示すようである。ここで、矢印が手指滑動方向を示し、手指滑動の初期領域(
図6eにおいて点線枠で示される)が一部の指紋認識領域1001を覆い、指紋押圧滑動範囲は、少なくとも第一列の二つの指紋認識領域1001と1003の一部の指紋認識電極を含むので、その最終画像は、
図6fに示すように、第一列の指紋認識領域の結像が画像処理されて合成される。具体的に、
図6eに示すように、手指滑動の初期領域(点線枠部分)は、Lを分界線として指紋認識領域1001の指紋認識電極によって二つの部分(左下部分701と右上部分702)に区分けられ、手指が下へ滑動する時に、左下部分701の指紋情報が指紋認識領域1003の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1003に対応するICに伝送され、右上部分702の指紋情報が指紋認識領域1001の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1001に対応するICに伝送される。上記の図面4cに対応する実施例で述べたように、指紋認識領域1001と1003が同一の列にあり、同一のICに接続されるので、両者で検出された画像を組み合わせて得られた画像は、
図6fの結像1(左下部分701と右上部分702を含む指紋画像)に対応し、手指が下へ滑動する時に、第二列の領域(指紋認識領域1002と1004を含む)を覆わないので、第二列の対応のICによっては画像が全然検出されなく、そのため、得られる
図6fに示す最終画像には結像1の指紋画像のみを含む。
【0041】
同様に、手指が上へ滑動する場合は上記の下へ滑動する場合と、状況と原理で類似であるので、ここで、重複な説明を省略する。
【0042】
実例三、手指が斜めに滑動する:
手指が斜めに下向へ滑動する場合に、この滑動方向は、指紋認識電極110の配列方向である指紋認識領域100の対角線方向と一致しなく、
図7aに示すように、手指滑動の起点が指紋認識領域1001と1003を部分的に覆い、指紋滑動範囲は、少なくとも左右に隣接する両列の指紋認識領域(1001、1002、1003、1004)の一部の指紋認識電極を含むので、その最終画像は、
図7bに示すようのである。ここで、結像1と結像2は、それぞれに、第一列と第二列の指紋認識領域によって読み出される画像に対応する。具体的に、
図7aに示すように、手指滑動の起始領域(点線枠部分)は、L1とL2を分界線として指紋認識領域1001と1003の指紋認識電極によって三つの部分(第一部分801、第二部分802、第三部分803)に区分けられ、手指が斜めに滑動する時に、第一部分801の指紋情報が指紋認識領域1001の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1001に対応するICに伝送され、第二部分802の指紋情報が指紋認識領域1004の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1004に対応するICに伝送され、第三部分803の指紋情報が指紋認識領域1003の指紋認識電極の検出によって得られ、且つ指紋認識領域1003に対応するICに伝送される。図面4cに示すように、指紋認識領域1001と1003が同一の列にあり、同一のICに接続されるので、両者で検出された画像を組み合わせて得られた画像は、
図7bの結像1(第一部分801と第三部分803の指紋画像を含む)に対応し、指紋認識領域1004は、列が指紋認識領域1001及び1003と異なるので、対応して接続するICも異なり、従って、指紋認識領域1004に対応するICで得られた画像は、
図7b中の結像2(第二部分802の指紋画像)に対応する。画像1と画像2が画像処理されて、
図7bに示す最終画像が得られる。
【0043】
上記の三つの実例から分かるように、手指が複数の方向に沿って滑動する時にも、指紋押圧範囲に含まれる同一の列又は隣接の列の指紋認識領域100の指紋認識電極110の結像から、完全な指紋情報を合成することで、指紋を検出し、スライド式指紋認識素子が手指滑動方向にあまり制限されないようにし、スライド式指紋認識素子の適用範囲を拡大する。
【0044】
同一の発明構想に基づいて、本発明の実施例では、上記指紋認識素子を含むタッチデバイスをさらに提供し、このタッチデバイスの問題を解決する原理が、上記指紋認識素子と類似するので、このタッチデバイスの実施については、指紋認識素子の実施を参照し、重複内容を割愛する。このタッチデバイスは、携帯電話、タップレート、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーションなどのタッチ機能付きの製品や部品であってもよい。
【0045】
具体的に、本発明の実施例に係るタッチデバイスでは、
図8に示すように、外囲領域aと、アレイのように配列される複数のタッチ電極を有する表示領域bと、を含み、本発明が提供する上記指紋認識素子は、タッチ電極で組成される表示領域b内に位置する。
【0046】
本発明の実施例に係る上記タッチデバイスでは、埋め込み型タッチスクリーンであってもよく、外付き型タッチスクリーンなどの他の種類のタッチスクリーンであってもよく、ここで特に制限しない。
【0047】
本発明の実施例に係る上記タッチデバイスでは、タッチ表示を実現しながら、手指の複数の方向の滑動に対する指紋の検出を実現できる。
【0048】
具体的に実施する場合に、本発明の実施例に係る上記指紋認識素子は、タッチデバイスの内部に位置してもよく、タッチデバイスの光出射側の表面に位置してもよい。
【0049】
具体的に、本発明の実施例では、指紋認識電極が外部に露出され傷つけられてタッチ機能が故障してしまうことを防止するために、指紋認識電極の上に保護層を設置してもよい。
図9の示すように、本発明の実施例に係る上記指紋認識素子がタッチデバイスの光出射側の表面に位置する場合、使用時に指紋認識電極が傷つけられないように保護するために、タッチ表示装置の表面に伝統の反射防止(
図9に未図示)などの膜層を設置しており、それ以外、指紋認識素子の上に保護層を設置することも必要となり、保護層が例えばSiNやSiOなどの透明保護層であってもよく、その厚さが一般的に20μmを超えないことが好ましい。
【0050】
本発明の実施例に係る指紋認識素子及びタッチデバイスでは、マトリックス状に分布される複数の矩形の指紋認識領域を含み、各指紋認識領域は、指紋認識領域の対角線方向に沿って配列される複数の相互独立の指紋認識電極を含み、各指紋認識領域における指紋認識電極の配列方向が相同である。各指紋認識領域において各指紋認識電極が相同の対角線方向に沿って配列されるので、指紋認識素子において手指が複数の方向に沿って滑動する時に、同一又は隣接の指紋認識領域中に属する指紋認識電極は、完全な指紋情報を検出することで、指紋を認識でき、スライド式指紋認識素子が手指の滑動方向に制限されなく、スライド式指紋認識素子の適用範囲を拡大し、且つ、手指を滑動する時に長距離の滑動を行わなくても、完全的な指紋を検出することができ、指紋滑動認識の感度を向上する。プレス式指紋認識に対して、本発明の実施例のスライド式指紋認識素子によれば、少ない指紋認識電極を使えても、完全的な指紋パターンを検出することができ、コストの削減に有利である。
【0051】
当業者にとって、本発明の精神と範囲を逸脱しなく本発明に対して適宜的に変更と変形を行うことができることは明らかである。このように、本発明のこれらの変更と変形が本発明の特許請求の範囲及びその等価技術の範囲に属すると、本発明は、これらの変更と変形を含めることが考える。
【0052】
本発明は、2015年01月19日出願の出願号“CN201510025632.8”であり発明名称が“指紋認識素子及びタッチデバイス”である中国先願の優先権を要求し、引用によりその内容は全てここに組み込まれる。