(54)【発明の名称】携帯通信端末、位置推移把握システム、収集情報提供装置、位置推移提供プログラム、収集情報提供プログラム、位置推移把握方法、位置推移提供方法、および収集情報提供方法
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施形態1.
本発明の第1の実施形態の位置推移把握システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の位置推移把握システムの構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態の位置推移把握システムは、携帯通信端末100a〜100zと情報収集セット200とを含む。
【0022】
携帯通信端末100a〜100zは、位置情報生成部101a〜101z、時刻情報提供部102a〜102z、通信部103a〜103z、記憶部104a〜104z、および制御部105a〜105zをそれぞれ含み、本実施形態では、互いに同じ構成である。
【0023】
位置情報生成部101a〜101zは、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星から受信した情報に基づいて、自端末の現在位置を示す位置情報を生成する。時刻情報提供部102a〜102zは、例えば、リアルタイムクロックによって実現され、現在時刻を示す時刻情報を提供する。通信部103a〜103zは、近距離無線通信を行って、他の携帯通信端末100a〜100zおよび情報収集セット200と情報を送受信する。記憶部104a〜104zは、情報を記憶する。制御部105a〜105zは、例えば、プログラム制御に従って処理を実行するCPU(Central Processing Unit)によって実現され、携帯通信端末100a〜100zの各部を制御する。
【0024】
情報収集セット200は、情報蓄積部211および制御部212を含む制御装置210と、当該制御装置210に接続された通信装置220とを含む。制御装置210は、例えば、コンピュータによって実現される。なお、通信装置220は、制御装置210に内蔵されていてもよい。
【0025】
通信装置220は、制御装置210の制御部212の制御に従って、近距離無線通信を行い、携帯通信端末100a〜100zと情報を送受信する。制御部212は、通信装置220が携帯通信端末100a〜100zから受信した情報を情報蓄積部211に蓄積させる。情報蓄積部211は、制御部212の制御に従って情報を蓄積する。
【0026】
なお、携帯通信端末100a〜100zの通信部103a〜103z、および情報収集セット200の通信装置220が行う近距離無線通信は、例えば、ブルートゥース(登録商標)の規格に基づく通信や、赤外線無線通信、その他の無線通信である。なお、以下、近距離無線通信で行われる情報の送受信を行き交い通信と称することがある。
【0027】
次に、本実施形態の位置推移把握システムの動作について説明する。まず、携帯通信端末100aと携帯通信端末100bとが互いに情報を送受信する動作について説明する。
図2は、来場者「イ」が所持する携帯通信端末100aと来場者「ロ」が所持する携帯通信端末100bとが情報を送受信する様子を示す説明図である。
図3は、来場者「イ」が所持する携帯通信端末100aと来場者「ロ」が所持する携帯通信端末100bとが情報を送受信する動作を示すシーケンス図である。なお、以下、来場者「イ」,「ロ」等を単に「イ」,「ロ」等という。
【0028】
「イ」が所持する携帯通信端末100aおよび「ロ」が所持する携帯通信端末100bは、周期的に、他の携帯通信端末に応答を要求する情報である要求情報を近距離無線通信で送信する。具体的には、携帯通信端末100a,100bの通信部103a,103bは、制御部105a,105bの制御に従って、周期的に、要求情報を近距離無線通信で送信する。本例では、「イ」の近傍に「ロ」がいて、「イ」が所持する携帯通信端末100aが送信した要求情報を「ロ」が所持する携帯通信端末100bが受信したとする(ステップS101,S102)。要求情報には、発信元の携帯通信端末100aを他の携帯通信端末100b〜100zから識別するための識別情報「A」が含まれている。以下、各携帯通信端末の符号の末尾に付された文字が当該携帯通信端末に設定された識別情報であるとする。
【0029】
携帯通信端末100aが送信した要求情報を受信した携帯通信端末100bの制御部105bは、位置情報生成部101bに位置情報を生成させる(ステップS103)。そして、携帯通信端末100bの制御部105bは、ステップS102の処理で要求情報を受信したことに応じて、以下の処理を行う。すなわち、制御部105bは、識別情報「A」と、位置情報と、時刻情報とを対応付けて記憶部104bに記憶させる(ステップS104)。なお、識別情報「A」は、ステップS102の処理で受信した要求情報に含まれている。位置情報は、ステップS103の処理で生成されている。時刻情報は、時刻情報提供部102bによって提供される。
【0030】
また、携帯通信端末100bの制御部105bは、携帯通信端末100aが送信した要求情報を受信したことに応じて、当該携帯通信端末100aに、近距離無線通信で、応答情報を送信する(ステップS105)。応答情報には、発信元の携帯通信端末100bを他の携帯通信端末100a,100c〜100zから識別するための識別情報「B」が含まれている。
【0031】
携帯通信端末100bが送信した応答情報を受信した携帯通信端末100aの制御部105aは、位置情報生成部101aに位置情報を生成させる(ステップS106)。そして、携帯通信端末100aの制御部105aは、ステップS104の処理で送信された応答情報を受信したことに応じて、以下の処理を行う。すなわち、制御部105aは、識別情報「B」と、位置情報と、時刻情報とを対応付けて記憶部104aに記憶させる(ステップS107)。なお、識別情報「B」は、ステップS105の処理で送信された応答情報に含まれている。位置情報は、ステップS106の処理で生成されている。時刻情報は、時刻情報提供部102aによって提供される。
【0032】
次に、携帯通信端末100aと情報収集セット200とが互いに情報を送受信する動作について説明する。
図4は、「イ」が所持する携帯通信端末100aと情報収集セット200とが情報を送受信する様子を示す説明図である。
図5は、「イ」が所持する携帯通信端末100aと情報収集セット200とが情報を送受信する動作を示すシーケンス図である。本例では、携帯通信端末100aは、
図3に示すように携帯通信端末100bと情報を送受信する各処理を行ったあとで、情報収集セット200と情報を送受信する。
【0033】
「イ」が所持する携帯通信端末100aおよび情報収集セット200は、周期的に、他の携帯通信端末への応答を要求する情報である要求情報を近距離無線通信で送信する。具体的には、携帯通信端末100aの通信部103aおよび情報収集セット200の通信装置220は、それぞれ制御部105aおよび制御装置210の制御部212の制御に従って、周期的に、要求情報を近距離無線通信で送信する。本例では、情報収集セット200の近傍に「イ」がいて、情報収集セット200の通信装置220が送信した要求情報を「イ」が所持する携帯通信端末100aが受信したとする(ステップS201,S202)。要求情報には、発信元の情報収集セット200の通信装置220を携帯通信端末100a〜100zから識別するための識別情報「GATE1」が含まれている。
【0034】
情報収集セット200の通信装置220が送信した要求情報を受信した携帯通信端末100aの制御部105aは、ステップS202の処理で識別情報「GATE1」を含む要求情報を受信したことに応じて、以下の処理を行う。すなわち、制御部105aは、識別情報「A」と記憶部104aに記憶されている情報とを含む応答情報を通信部103aに通信装置220へ近距離無線通信で送信させる(ステップS203)。ステップS203の処理で送信される情報は、携帯通信端末100aの識別情報「A」と、
図3に示すステップS107の処理で記憶部104bに記憶された情報とである。したがって、ステップS203の処理では、携帯通信端末100aの識別情報「A」、携帯通信端末100bの識別情報「B」、位置情報、および時刻情報が送信される。なお、位置情報は、
図3に示すステップS106の処理で生成された情報である。また、時刻情報は、携帯通信端末aの通信部103aが携帯通信端末100bの通信部103bから応答情報を受信したことに応じて時刻情報提供部102aが提供した情報である。よって、ステップS203の処理で携帯通信端末100aから情報収集セット200の通信装置220に送信される情報は、携帯通信端末100aと携帯通信端末100bとが行き交い通信を行った位置を示す情報および時刻を示す情報を含む。
【0035】
情報収集セット200の制御装置210の制御部212は、ステップS203の処理で送信されて通信装置220が受信した情報を情報蓄積部211に記憶させる(ステップS204)。
【0036】
したがって、情報収集セット200の制御装置210の情報蓄積部211には、携帯通信端末100aと携帯通信端末100bとが行き交い通信を行ったときの情報が蓄積される。
【0037】
次に、本発明の第1の実施形態の位置推移把握システムがテーマパークにおける来場者の位置推移の把握に用いられる例について説明する。
図6は、テーマパークにおける各来場者の位置の推移の第1の例を示す説明図である。
図6には来場者である「イ」の位置の推移が示されている。
図6に示すように、本実施形態では、例えば、テーマパークの出入口300に情報収集セット200が設置されている。なお、出入口300には、通信装置220が設置されていれば、情報収集セット200の制御装置210は別の場所に設置されていてもよい。
【0038】
「イ」は、例えば、情報収集セット200が設置された出入口300で、携帯通信端末100a(
図6において図示せず)を受け取る。そうすると、携帯通信端末100aの制御部105aは、通信部103aが通信装置220と情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104aに記憶させる。
「GATE : 13時00分 : point GATE」
ここで、「GATE」は、携帯通信端末100aの通信部103aが情報収集セット200の通信装置220から受信した当該情報収集セット200を示す識別情報である。また、「13時00分」は、携帯通信端末100aの通信部103aが通信装置220と情報を送受信したときに時刻情報提供部102aから提供された時刻情報によって示される時刻である。「point GATE」は、携帯通信端末100aの通信部103aが通信装置220と情報を送受信したときに位置情報生成部101aが生成した出入口300の位置を示す位置情報である。
【0039】
次に、「イ」は、
図6に矢印1で示されている経路を移動し、地点P1で来場者「ロ」と行き交う。「イ」が「ロ」と行き交うときに、「イ」の携帯通信端末100aと「ロ」の携帯通信端末100bとが情報を送受信する。そして、「イ」の携帯通信端末100aの制御部105aは、通信部103aが「ロ」の携帯通信端末100bと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104aに記憶させる。
「B : 13時02分 : point P1」
さらに、「イ」は、
図6に矢印2で示されている経路を移動し、地点P2で来場者「ハ」と行き交う。「イ」が「ハ」と行き交うときに、「イ」の携帯通信端末100aと「ハ」の携帯通信端末100cとが情報を送受信する。そして、「イ」の携帯通信端末100aの制御部105aは、通信部103aが「ハ」の携帯通信端末100cと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104aに記憶させる。
「C : 13時10分 : point P2」
また、「イ」は、
図6に矢印3で示されている経路を移動し、地点P3で来場者「ニ」と行き交う。「イ」が「ニ」と行き交うときに、「イ」の携帯通信端末100aと「ニ」の携帯通信端末100dとが情報を送受信する。そして、「イ」の携帯通信端末100aの制御部105aは、通信部103aが「ニ」の携帯通信端末100dと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104aに記憶させる。
「D : 13時30分 : point P3」
さらに、「イ」は、
図6に矢印4で示されている経路を移動し、地点P4で来場者「ホ」と行き交う。「イ」が「ホ」と行き交うときに、「イ」の携帯通信端末100aと「ホ」の携帯通信端末100eとが情報を送受信する。そして、「イ」の携帯通信端末100aの制御部105aは、通信部103aが「ホ」の携帯通信端末100eと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104aに記憶させる。
「E : 13時45分 : point P4」
また、「イ」は、
図6に矢印5で示されている経路を移動し、地点P5で来場者「ヘ」と行き交う。「イ」が「ヘ」と行き交うときに、「イ」の携帯通信端末100aと「ヘ」の携帯通信端末100fとが情報を送受信する。そして、「イ」の携帯通信端末100aの制御部105aは、通信部103aが「ヘ」の携帯通信端末100fと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104aに記憶させる。
「F : 13時53分 : point P5」
さらに、「イ」は、
図6に矢印6で示されている経路を移動し、地点P6で来場者「ト」と行き交う。「イ」が「ト」と行き交うときに、「イ」の携帯通信端末100aと「ト」の携帯通信端末100gとが情報を送受信する。そして、「イ」の携帯通信端末100aの制御部105aは、通信部103aが「ト」の携帯通信端末100gと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104aに記憶させる。
「G : 14時08分 : point P6」
また、「イ」は、
図6に矢印7で示されている経路を移動し、地点P7で来場者「チ」と行き交う。「イ」が「チ」と行き交うときに、「イ」の携帯通信端末100aと「チ」の携帯通信端末100hとが情報を送受信する。そして、「イ」の携帯通信端末100aの制御部105aは、通信部103aが「チ」の携帯通信端末100hと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104aに記憶させる。
「H : 14時13分 : point P7」
さらに、「イ」は、
図6に矢印8で示されている経路を移動し、地点P8で来場者「リ」と行き交う。「イ」が「リ」と行き交うときに、「イ」の携帯通信端末100aと「リ」の携帯通信端末100iとが情報を送受信する。そして、「イ」の携帯通信端末100aの制御部105aは、通信部103aが「リ」の携帯通信端末100iと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104aに記憶させる。
「I : 14時20分 : point P8」
また、「イ」は、
図6に矢印9で示されている経路を移動し、地点P9で来場者「ヌ」と行き交う。「イ」が「ヌ」と行き交うときに、「イ」の携帯通信端末100aと「ヌ」の携帯通信端末100jとが情報を送受信する。そして、「イ」の携帯通信端末100aの制御部105aは、通信部103aが「ヌ」の携帯通信端末100jと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104aに記憶させる。
「J : 14時34分 : point P9」
さらに、「イ」は、
図6に矢印10で示されている経路を移動し、地点P10で来場者「ル」と行き交う。「イ」が「ル」と行き交うときに、「イ」の携帯通信端末100aと「ル」の携帯通信端末100kとが情報を送受信する。そして、「イ」の携帯通信端末100aの制御部105aは、通信部103aが「ル」の携帯通信端末100kと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104aに記憶させる。
「K : 14時45分 : point P10」
そして、「イ」は、
図6に矢印11で示されている経路を移動し、地点P10から出入口300に移動する。出入口300には、情報収集セット200の通信装置220が設置されている。そこで、「イ」の携帯通信端末100aの制御部105aは、出入口300を通過するときに、通信部103aに、記憶部104aに記憶されている情報を情報収集セット200の通信装置220へ送信させる。
【0040】
図7は、「イ」の携帯通信端末100aが通信装置220へ送信した情報の例を示す説明図である。
図7に示すように、「イ」の携帯通信端末100aは、行き交い通信を行った相手方の携帯通信端末の識別情報、および当該行き交い通信を行った時刻を示す時刻情報と位置を示す位置情報とを通信装置220へ送信する。そして、
図7に示すように、通信装置220へ送信された情報に含まれる時刻情報と位置情報とによって、携帯通信端末100aを所持する「イ」の位置の推移を把握することができる。
【0041】
図8は、テーマパークにおける各来場者の位置の推移の第2の例を示す説明図である。
図8には来場者である「ヲ」の位置の推移が示されている。
図8に示すように、「ヲ」は、例えば、情報収集セット200の通信装置220が設置された出入口300で、携帯通信端末100lを受け取る。そうすると、携帯通信端末100lの制御部105lは、通信部103lが通信装置220と情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104lに記憶させる。
「GATE : 14時15分 : point GATE」
次に、「ヲ」は、
図8に矢印12で示されている経路を移動し、地点P11で来場者「ワ」と行き交う。「ヲ」が「ワ」と行き交うときに、「ヲ」の携帯通信端末100lと「ワ」の携帯通信端末100mとが情報を送受信する。そして、「ヲ」の携帯通信端末100lの制御部105lは、通信部103lが「ワ」の携帯通信端末100mと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104lに記憶させる。
「M : 14時17分 : point P11」
さらに、「ヲ」は、
図8に矢印13で示されている経路を移動し、地点P12で来場者「カ」と行き交う。「ヲ」が「カ」と行き交うときに、「ヲ」の携帯通信端末100lと「カ」の携帯通信端末100nとが情報を送受信する。そして、「ヲ」の携帯通信端末100lの制御部105lは、通信部103lが「カ」の携帯通信端末100nと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104lに記憶させる。
「N : 14時23分 : point P12」
また、「ヲ」は、
図8に矢印14で示されている経路を移動し、地点P13で来場者「ニ」と行き交う。「ヲ」が「ニ」と行き交うときに、「ヲ」の携帯通信端末100lと「ニ」の携帯通信端末100dとが情報を送受信する。そして、「ヲ」の携帯通信端末100lの制御部105lは、通信部103lが「ニ」の携帯通信端末100dと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104lに記憶させる。
「D : 14時31分 : point P13」
さらに、「ヲ」は、
図8に矢印15で示されている経路を移動し、地点P14で来場者「ヨ」と行き交う。「ヲ」が「ヨ」と行き交うときに、「ヲ」の携帯通信端末100lと「ヨ」の携帯通信端末100oとが情報を送受信する。そして、「ヲ」の携帯通信端末100lの制御部105lは、通信部103lが「ヨ」の携帯通信端末100oと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104lに記憶させる。
「O : 14時44分 : point P14」
また、「ヲ」は、
図8に矢印16で示されている経路を移動し、地点P15で来場者「タ」と行き交う。「ヲ」が「タ」と行き交うときに、「ヲ」の携帯通信端末100lと「タ」の携帯通信端末100pとが情報を送受信する。そして、「ヲ」の携帯通信端末100lの制御部105lは、通信部103lが「タ」の携帯通信端末100pと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104lに記憶させる。
「P : 14時50分 : point P15」
さらに、「ヲ」は、
図8に矢印17で示されている経路を移動し、地点P16で来場者「チ」と行き交う。「ヲ」が「チ」と行き交うときに、「ヲ」の携帯通信端末100lと「チ」の携帯通信端末100hとが情報を送受信する。そして、「ヲ」の携帯通信端末100lの制御部105lは、通信部103lが「チ」の携帯通信端末100hと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104lに記憶させる。
「H : 14時58分 : point P16」
また、「ヲ」は、
図8に矢印18で示されている経路を移動し、地点P17で来場者「レ」と行き交う。「ヲ」が「レ」と行き交うときに、「ヲ」の携帯通信端末100lと「レ」の携帯通信端末100qとが情報を送受信する。そして、「ヲ」の携帯通信端末100lの制御部105lは、通信部103lが「レ」の携帯通信端末100qと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104lに記憶させる。
「Q : 15時10分 : point P17」
さらに、「ヲ」は、
図8に矢印19で示されている経路を移動し、地点P18で来場者「ソ」と行き交う。「ヲ」が「ソ」と行き交うときに、「ヲ」の携帯通信端末100lと「ソ」の携帯通信端末100rとが情報を送受信する。そして、「ヲ」の携帯通信端末100lの制御部105lは、通信部103lが「ソ」の携帯通信端末100rと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104lに記憶させる。
「R : 15時12分 : point P18」
また、「ヲ」は、
図8に矢印20で示されている経路を移動し、地点P19で来場者「ヌ」と行き交う。「ヲ」が「ヌ」と行き交うときに、「ヲ」の携帯通信端末100lと「ヌ」の携帯通信端末100jとが情報を送受信する。そして、「ヲ」の携帯通信端末100lの制御部105lは、通信部103lが「ヌ」の携帯通信端末100jと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104lに記憶させる。
「J : 15時20分 : point P19」
さらに、「ヲ」は、
図8に矢印21で示されている経路を移動し、地点P20で来場者「ツ」と行き交う。「ヲ」が「ツ」と行き交うときに、「ヲ」の携帯通信端末100lと「ツ」の携帯通信端末100sとが情報を送受信する。そして、「ヲ」の携帯通信端末100lの制御部105lは、通信部103lが「ツ」の携帯通信端末100sと情報を送受信したことに基づいて、以下に示す情報を記憶部104lに記憶させる。
「S : 15時22分 : point P20」
そして、「ヲ」は、
図8に矢印22で示されている経路を移動し、地点20から出入口300に移動する。出入口300には、情報収集セット200の通信装置220が設置されている。そこで、「ヲ」の携帯通信端末100lの制御部105lは、出入口300を通過するときに、通信部103lに、記憶部104lに記憶されている情報を情報収集セット200の通信装置220へ送信させる。
【0042】
図9は、「ヲ」の携帯通信端末100lが通信装置220へ送信した情報の例を示す説明図である。
図9に示すように、「ヲ」の携帯通信端末100lは、行き交い通信を行った相手方の携帯通信端末の識別情報、および当該行き交い通信を行った時刻を示す時刻情報と位置を示す位置情報とを通信装置220へ送信する。そして、
図9に示すように、通信装置220へ送信された情報含まれる時刻情報と位置情報とによって、携帯通信端末100lを所持する「ヲ」の位置の推移を把握することができる。
【0043】
図10は、
図7に示した説明図と
図9に示した説明図とに重複して現れた携帯通信端末を示す説明図である。
図10に示すように、携帯通信端末100dを所持している来場者「ニ」は、13時30分に地点P3で来場者「イ」と行き交い、14時31分に地点P13で来場者「ヲ」と行き交ったことがわかる。また、
図10に示すように、携帯通信端末100hを所持している来場者「チ」は、14時08分に地点P6で来場者「イ」と行き交い、14時58分に地点P16で来場者「ヲ」と行き交ったことがわかる。さらに、
図10に示すように、携帯通信端末100jを所持している来場者「ヌ」は、14時34分に地点P9で来場者「イ」と行き交い、15時20分に地点P19で来場者「ヲ」と行き交ったことがわかる。
【0044】
そうすると、情報収集セット200の制御装置210の情報蓄積部211に蓄積された情報にもとづいて、以下のことがわかる。
「地点P3にいた来場者「ニ」は61分後に地点P13にいた」
「地点P6にいた来場者「ト」は50分後に地点P16にいた」
「地点P9にいた来場者「ヌ」は46分後に地点P19にいた」
つまり、各来場者の位置の推移を把握することができる。したがって、来場者の動線を把握することができる。
【0045】
本実施形態によれば、各携帯通信端末は、他の携帯通信端末と行き交い通信を行うごとに位置情報と時刻情報とを記憶する。したがって、情報収集セット200の通信装置220が各携帯通信端末から当該情報を受信することによって、各携帯通信端末を所持していた各来場者の位置の推移を把握することができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、携帯通信端末100a,100lが行き交い通信を行ったときの情報を情報収集セット200の通信装置220が当該携帯通信端末100a,100lから受信する。当該情報によって、行き交った相手が所持していた携帯通信端末を識別する情報、行き交い通信を行った時刻、および行き交い通信を行った場所が示される。よって、携帯通信端末100a,100lから受信した情報にもとづいて、他の携帯通信端末の所持者の位置の推移を把握することができる。
【0047】
さらに、本実施形態によれば、当該他の携帯通信端末の所持者の位置の推移を、当該所持者が出入口300を通過して退出する前に、把握することができる。したがって、例えば、来場者の位置の推移を予測して、一部の範囲における来場者の過密化や過疎化を防ぐようにすることが可能になる。
【0048】
また、本実施形態によれば、携帯電話通信網等の通信ネットワークを用いたり、基準局を設けたりすることなく、低コストで携帯通信端末の位置の推移を把握するシステムを構築することができる。
【0049】
実施形態2.
次に、本発明の第2の実施形態の位置推移把握システムについて、図面を参照して説明する。本実施形態では、本発明の位置推移把握システムを遭難した登山者の早期発見のために用いる。
【0050】
図11は、本発明の第2の実施形態の位置推移把握システムの構成例を示すブロック図である。
図11に示すように、本実施形態の位置推移把握システムは、携帯通信端末400a〜400d、情報収集セット500a,500b、および情報集計セット600a,600bを含む。
【0051】
図12は、本発明の第2の実施形態の位置推移把握システムにおける各構成要素の配置を示す説明図である。本実施形態では、情報集計セット600aが登山口に設置され、登山口から第1の登山道701および第2の登山道702を経由すると至る山小屋に情報集計セット600bが設置される。また、第1の登山道701と第2の登山道702との接続箇所を起点とする第3の登山道703の沿道に情報収集セット500aが設置される。そして、第3の登山道703の終点において左右方向に接続される第4の登山道704を右方向に進んだ沿道に情報収集セット500bが設置される。
【0052】
図11に示すように、情報集計セット600a,600bは、情報蓄積部611a,611bおよび制御部612a,612bをそれぞれ含む制御装置610a,610bと、当該制御装置610a,610bにそれぞれ接続された通信装置620a,620bとをそれぞれ含む。制御装置610a,610bは、例えば、コンピュータによって実現される。なお、通信装置620a,620bは、制御装置610a,610bに内蔵されていてもよい。
【0053】
通信装置620a,620bは、制御装置610a,610bの制御部612a,612bの制御にそれぞれ従って、近距離無線通信を行い、携帯通信端末400a〜400dと情報を送受信する。制御部612a,612bは、通信装置620a,620bが携帯通信端末400a〜400dから受信した情報をそれぞれ情報蓄積部611a,611bに蓄積させる。情報蓄積部611a,611bは、制御部612a,612bの制御に従ってそれぞれ情報を蓄積する。
【0054】
携帯通信端末400a〜400dは、登山者によってそれぞれ所持される。本実施形態では、携帯通信端末400aは登山者「甲」によって所持され、携帯通信端末400bは登山者「乙」によって所持され、携帯通信端末400cは登山者「丙」によって所持され、携帯通信端末400dは登山者「丁」によって所持される。
【0055】
携帯通信端末400a〜400dは、位置情報生成部401a〜401d、時刻情報提供部402a〜402d、通信部403a〜403d、記憶部404a〜404d、および制御部405a〜405dをそれぞれ含む。
【0056】
位置情報生成部401a〜401dは、第1の実施形態における位置情報生成部401a〜401zに相当し、例えば、GPS衛星から受信した情報に基づいて、自端末の現在位置を示す位置情報を生成する。時刻情報提供部402a〜402dは、第1の実施形態における時刻情報提供部102a〜102zに相当し、例えば、リアルタイムクロックによって実現され、現在時刻を示す時刻情報を提供する。通信部403a〜403dは、第1の実施形態における通信部103a〜103zに相当し、近距離無線通信を行って、他の携帯通信端末400a〜400d、情報収集セット500a,500b、および情報集計セット600a,600bと情報を送受信する。記憶部404a〜404dは、第1の実施形態における記憶部104a〜104zに相当し、情報を記憶する。制御部405a〜405dは、第1の実施形態における制御部105a〜105zに相当し、携帯通信端末400a〜400dの各部を制御する。
【0057】
なお、携帯通信端末400a〜400dの通信部403a〜403d、情報収集セット500a,500bの通信装置520a,520b、および情報集計セット600a,600bの通信装置620a,620bが行う近距離無線通信は、例えば、ブルートゥース(登録商標)の規格に基づく通信や、赤外線無線通信、その他の無線通信である。
【0058】
なお、情報収集セット500a,500bおよび情報集計セット600a,600bは、
図1に示す第1の実施形態における情報収集セット200と同じ構成であってもよい。
【0059】
図11に示すように、情報収集セット500a,500bは、情報蓄積部511a,511bおよび制御部512a,512bをそれぞれ含む制御装置510a,510bと、当該制御装置510a,510bにそれぞれ接続された通信装置520a,520bとを含む。制御装置510a,510bは、例えば、コンピュータによって実現される。なお、通信装置520a,520bは、制御装置510a,510bにそれぞれ内蔵されていてもよい。
【0060】
通信装置520a,520bは、制御装置510a,510bの制御部512a,512bの制御に従って、近距離無線通信を行い、携帯通信端末400a〜400dと情報を送受信する。制御部512a,512bは、通信装置520a,520bが携帯通信端末400a〜400dから受信した情報をそれぞれ情報蓄積部511a,511bに蓄積させる。情報蓄積部511a,511bは、制御部512a,512bの制御に従ってそれぞれ情報を蓄積する。
【0061】
前述したように、情報収集セット500a,500bは、登山道の沿道に設置される。したがって、商用電源等の電力供給源がない場所に設置される場合がある。そこで、本実施形態の情報収集セット500a,500bには、電力供給源がない場所であっても、情報収集セット500a,500bの各部に電力供給可能な電力供給システムが設けられている。
【0062】
図13は、情報収集セット500aの電力供給システムの構成例を示すブロック図である。
図13に示すように、情報収集セット500aの電力供給システムは、1.8V電源動作部530、3.3V電源動作部540、ハイブリッド充電回路部550、1.8V電圧変換部560、および3.3V電圧変換部570を含む。
【0063】
1.8V電源動作部530は、電波検出回路531、ウェイクアップパルス生成回路532、および電界効果トランジスタ533を含む。
【0064】
電波検出回路531には、アンテナ534が接続されている。そして、電波検出回路531は、アンテナ534が受信した電波の信号強度を測定する。ウェイクアップパルス生成回路532は、電波検出回路531によるアンテナ534が受信した電波の信号強度の測定結果が所定の閾値以上である場合に、ウェイクアップパルスを電界効果トランジスタ533に入力する。電界効果トランジスタ533は、ウェイクアップパルス生成回路によって生成されたウェイクアップパルスが入力された場合に、3.3Vの電圧を3.3V電源動作部540の各部に印加する。
【0065】
3.3V電源動作部540は、アナログ無線部541、デジタル無線部542、マイクロコンピュータ543、およびその他回路部544を含む。3.3V電源動作部540の各部は、電界効果トランジスタ533によって印加された3.3Vの電圧によって駆動される。
【0066】
アナログ無線部541およびデジタル無線部542は、携帯通信端末400a〜400dに情報を送信するための無線信号を生成したり、受信した無線信号を復号したりする。マイクロコンピュータ543は、3.3V電源動作部540の各部を制御する。その他回路部545は、3.3V電源動作部540の各部に電力を供給したりする。
【0067】
ハイブリッド充電回路部550は、ソーラパネル551、充電回路552、充電池553、および電磁波電圧変換部554を含む。ソーラパネル551は、太陽光エネルギを電気エネルギに変換して充電回路552に入力する。電磁波電圧変換部554にはアンテナ555が接続されている。そして、電磁波電圧変換部554は、例えば、コイルによって実現され、アンテナ555が受信した電磁波を電気エネルギに変換して充電回路552に入力する。充電回路552は、ソーラパネル552が入力した電気エネルギ、および電磁波電圧変換部554が入力した電気エネルギに基づいて、充電池553に充電する。
【0068】
1.8V電圧変換部560は、充電池553に蓄電された電力に基づく1.8Vの電圧の電力を電波検出回路531およびウェイクアップパルス生成回路532に供給する。3.3V電圧変換部570は、充電池553に蓄電された電力に基づく3.3Vの電圧の電力を電界効果トランジスタ533に供給する。
【0069】
なお、本実施形態では、1.8V電源動作部530の各部は、1.8V電圧変換部560で変換された1.8Vの電圧で駆動されるように構成されているが、1.8V電圧変換部560は他の電圧に変換してもよく、1.8V電源動作部530の各部は当該他の電圧で駆動するように構成されていてもよい。
【0070】
また、本実施形態では、3.3V電源動作部540の各部は、3.3V電圧変換部570で変換された3.3Vの電圧で駆動されるように構成されているが、3.3V電圧変換部570は他の電圧に変換してもよく、3.3V電源動作部540の各部は当該他の電圧で駆動するように構成されていてもよい。
【0071】
図14は、情報収集セット500a,500bの動作を示すフローチャートである。なお、
図14には、情報収集セット500aの近傍を、丙によって所持された携帯通信端末400cが通過した場合を例示されている。しかし、情報収集セット500a,500bの動作は、携帯通信端末400a〜400dのいずれが当該情報収集セット500a,500bの近傍を通過した場合であっても同様である。
【0072】
登山者である丙によって所持された携帯通信端末400cが情報収集セット500aの通信装置520aに近づくと、アンテナ534が受信した、携帯通信端末400cによって送信された電波の信号強度が強まる。そして、
図14に示すように、電波検出回路531によるアンテナ534が受信した電波の信号強度の測定結果が所定の閾値以上である場合に(ステップS301のY)、以下の処理が行われる。すなわち、ウェイクアップパルス発生回路532がウェイクアップパルスを電界効果トランジスタ533に入力する(ステップS302)。電界効果トランジスタ533は、ウェイクアップパルスが入力されると、3.3V電圧変換部570が供給する3.3Vの電圧の電力を3.3V電源動作部540に供給する。具体的には、電界効果トランジスタ533は、ゲート端子にウェイクアップパルスが入力されると、ソース端子に印加されている3.3Vの電圧に基づくドレイン電流を3.3V電源動作部540に供給する。そして、ドレイン電流を供給することにより3.3V電源動作部540を起動開始させる(ステップS303)。
【0073】
そして、3.3V電源動作部540が起動開始から200ミリ秒等の所定の時間が経過し、行き交い通信の準備が完了した場合に(ステップS304のY)、マイクロコンピュータ543によって実現される制御部512aは、以下の処理を行う。すなわち、制御部512aは、情報蓄積部511aに蓄積されている蓄積情報を読み出す(ステップS305)。制御部512aは、ステップS305の処理で読みだした情報を、アナログ無線部541およびデジタル無線部542によって実現される通信装置520aに、携帯通信端末400cへ送信させる(ステップS306)。
【0074】
そして、通信装置520aは、携帯通信端末400cから識別情報と時刻情報とを受信する。そして、制御部512aは、通信装置520aが受信した識別情報と時刻情報とを情報蓄積部511aに記憶させる(ステップS307)。
【0075】
なお、情報収集セット500aの制御部512aは、24時間ごと等の所定の時間間隔で、情報蓄積部511aに記憶されている情報を消去してもよいし、情報蓄積部511aに記憶されてから24時間等の所定の時間が経過した情報を消去してもよい。また、制御部512aは、情報蓄積部511aの記憶容量に応じて、最新の所定の人数(例えば、100人等)の情報が情報蓄積部511aに記憶されるようにし、情報を古い順に消去するようにしてもよい。そのようにすれば、情報蓄積部511aにおいて、記憶量が記憶容量を超えてしまい、新たな情報を記憶させることができないという問題の発生を未然に防ぐことができる。
【0076】
次に、本実施形態の位置推移把握システムの動作について説明する。
図12に示すように、甲は、矢印710によって示されているように、登山口から山小屋に向かって第1の登山道701を移動する。そして、甲は、第1の登山道701の地点P30において、携帯通信端末400bを所持して登山口に向かって下山する乙と行き交う。
携帯通信端末400a,400bは、甲と乙とが行き交うときに互いに情報を送受信する行き交い通信を行う。
【0077】
具体的には、携帯通信端末400a,400bは、
図3を参照して説明したように、第1の実施形態の携帯通信端末100a,100bにおける動作と同様に、互いの識別情報を送受信する。そして、携帯通信端末400a,400bの制御部405a,405bは、受信した互いの識別情報と生成した位置情報と提供された時刻情報とを対応付けて記憶部404a,404bにそれぞれ記憶させる。なお、本例では、携帯通信端末400a,400bの行き交い通信は17時00分に行われたとする。したがって、携帯通信端末400a,400bの記憶部404a,404bに記憶される時刻情報は、それぞれ17時00分を示す時刻情報である。また、携帯通信端末400a,400bの制御部405a,405bは、位置情報生成部401a,401bが生成した位置情報を記憶部404a,404bに記憶させる。
【0078】
携帯通信端末400bの記憶部404bに記憶された情報は、情報集計セット600aによって収集される。具体的には、乙が登山口の近傍に設置されている情報集計セット600aの通信装置620aの近傍を通過したときに、情報集計セット600aの通信装置620aが携帯通信端末400bの通信部403bと情報を送受信して当該情報を受信する。
【0079】
情報集計セット600aの制御装置610aの制御部612aは、携帯通信端末400bの通信部403bから受信した情報を情報蓄積部611aに記憶させる。
【0080】
よって、携帯通信端末400bの記憶部404bに記憶されている識別情報「A」と17時00分を示す時刻情報と位置情報によって示される第1の登山道701における地点P30とによって、携帯通信端末400aが17時00分に第1の登山道701の地点P30にあったことを把握することができる。したがって、甲が17時00分に第1の登山道701の地点P30にいたことが把握される。
【0081】
また、第1の登山道701を山小屋方向に通過すると、登山道は、山小屋に向かう第2の登山道702と第4の登山道704に向かう第3の登山道703とに別れる。本実施形態では、甲は、第3の登山道703を起点から第4の登山道704に接続する終点に向かって進んだとする。すると、甲によって所持されている携帯通信端末400aは、第3の登山道703の沿道に設置されている情報収集セット500aの通信装置520aの近傍を通過する。通信装置520aは、近傍を通過する携帯通信端末400aと情報を送受信する。
【0082】
具体的には、情報収集セット500aの制御装置510aの制御部512aは、情報蓄積部511aに蓄積されている情報と情報収集セット500aを識別する識別情報「POSTa」とを通信装置520aに携帯通信端末400aへ送信させる。また、携帯通信端末400aの制御部405aは、識別情報「A」と現在時刻である18時00分を示す時刻情報とを通信部403aに通信装置520aへ送信させる。
【0083】
そして、携帯通信端末400aの制御部405aは、情報収集セット500aの通信装置520aが送信した情報を記憶部404aに記憶させる。具体的には、情報収集セット500aの制御装置510aの情報蓄積部511aには、近傍をそれまでに通過した各携帯通信端末が送信した識別情報と時刻情報とが蓄積されている。したがって、情報収集セット500aの制御装置510aの制御部512aは、近傍をそれまでに通過した各携帯通信端末の識別情報と通過時刻を示す時刻情報と情報収集セット500aを識別する識別情報「POSTa」とを携帯通信端末400aへ通信装置520aに送信させる。そして、携帯通信端末400aの制御部405aは、通信部403aが受信した各識別情報と時刻情報とを記憶部404aに記憶させる。
【0084】
また、情報収集セット500aの制御装置510aの制御部512aは、携帯通信端末400aの通信部403aが送信した識別情報「A」と18時00分を示す時刻情報とを情報蓄積部511aに蓄積させる。
【0085】
本実施形態では、甲は、第3の登山道703を終点まで進み、左右方向に接続される第4の登山道704を右方向に進んだとする。すると、甲によって所持されている携帯通信端末400aは、第4の登山道704の沿道に設置されている情報収集セット500bの通信装置520bの近傍を通過する。通信装置520bは、近傍を通過する携帯通信端末400aと情報を送受信する。
【0086】
具体的には、情報収集セット500bの制御装置510bの制御部512bは、情報蓄積部511bに蓄積されている情報と情報収集セット500bを識別する識別情報「POSTb」とを通信装置520bに携帯通信端末400aへ送信させる。また、携帯通信端末400aの制御部405aは、識別情報「A」と現在時刻である19時00分を示す時刻情報とを通信部403aに通信装置520bへ送信させる。
【0087】
そして、携帯通信端末400aの制御部405aは、情報収集セット500bの通信装置520bが送信した情報を記憶部404aに記憶させる。具体的には、情報収集セット500bの制御装置510bの情報蓄積部511bには、近傍をそれまでに通過した各携帯通信端末が送信した識別情報と時刻情報とが蓄積されている。したがって、情報収集セット500bの制御装置510bの制御部512bは、近傍をそれまでに通過した各携帯通信端末の識別情報と通過時刻を示す時刻情報と情報収集セット500bを識別する識別情報「POSTb」とを通信装置520bに携帯通信端末400aへ送信させる。そして、携帯通信端末400aの制御部405aは、通信部403aが受信した各識別情報と時刻情報とを記憶部404aに記憶させる。
【0088】
また、情報収集セット500bの制御装置510bの制御部512bは、携帯通信端末400aの通信部403aが送信した識別情報「A」と19時00分を示す時刻情報とを情報蓄積部511bに蓄積させる。
【0089】
情報収集セット500aの制御装置510aの情報蓄積部511aに蓄積された情報は、登山者である丙が所持する携帯通信端末400cによって収集される。具体的には、丙が第3の登山道703の沿道に設置されている情報収集セット500aの通信装置520aの近傍を通過したときに、携帯通信端末400cの通信部403cが情報収集セット500aの通信装置520aと情報を送受信して当該情報と情報収集セット500aを識別する識別情報「POSTa」とを受信する。
【0090】
携帯通信端末400cの制御部405cは、通信部403cが情報収集セット500aの通信装置520aから受信した情報を記憶部404cに記憶させる。
【0091】
そして、丙が下山して登山口を通過するときに、丙が所持する携帯通信端末400cによって収集された、情報収集セット500aの制御装置510aの情報蓄積部511aに蓄積された情報と情報収集セット500aを識別する識別情報「POSTa」とは、情報集計セット600aによって収集される。具体的には、丙が登山口の近傍に設置されている情報集計セット600aの通信装置620aの近傍を通過したときに、情報集計セット600aの通信装置620aが携帯通信端末400cの通信部403cと情報を送受信して当該情報を受信する。
【0092】
情報集計セット600aの制御装置610aの制御部612aは、携帯通信端末400cの通信部403cから受信した情報を情報蓄積部611aに記憶させる。
【0093】
したがって、情報集計セット600aの制御装置610aの情報蓄積部611aには、情報収集セット500aの制御装置510aの情報蓄積部511aに蓄積されていた情報が蓄積される。よって、当該情報に含まれる識別情報「A」と18時00分を示す時刻情報とによって、携帯通信端末400aが18時00分に情報収集セット500aの通信装置520aの近傍を通過したことを把握することができる。したがって、甲が18時00分に第3の登山道703を進んでいたことが把握される。
【0094】
また、情報収集セット500bの制御装置510bの情報蓄積部511bに蓄積された情報は、登山者である丁が所持する携帯通信端末400dによって収集される。具体的には、丁が第4の登山道704の沿道に設置されている情報収集セット500bの通信装置520bの近傍を通過したときに、携帯通信端末400dの通信部403dが情報収集セット500bの通信装置520bと情報を送受信して当該情報と情報収集セット500bを識別する識別情報「POSTb」とを受信する。
【0095】
携帯通信端末400dの制御部405dは、情報収集セット500bの通信装置520bから受信した情報を記憶部404dに記憶させる。
【0096】
そして、丁が下山して登山口を通過するときに、丁が所持する携帯通信端末400dによって収集された情報収集セット500bの制御装置510bの情報蓄積部511bに蓄積された情報と情報収集セット500bを識別する識別情報「POSTb」とは、情報集計セット600aによって収集される。具体的には、丁が登山口の近傍に設置されている情報集計セット600aの通信装置620aの近傍を通過したときに、情報集計セット600aの通信装置620aが携帯通信端末400dの通信部403dと情報を送受信して当該情報を受信する。
【0097】
情報集計セット600aの制御装置610aの制御部612aは、携帯通信端末400dの通信部403dから受信した情報を情報蓄積部611aに記憶させる。
【0098】
したがって、情報集計セット600aの制御装置610aの情報蓄積部611aには、情報収集セット500aの制御装置510aの情報蓄積部511aに蓄積されていた情報が蓄積される。よって、当該情報に含まれる識別情報「A」と19時00分を示す時刻情報とによって、携帯通信端末400aが19時00分に情報収集セット500bの通信装置520bの近傍を通過したことを把握することができる。したがって、甲が19時00分に第4の登山道704を進んでいたことが把握される。
【0099】
したがって、その後甲から連絡がなく、遭難したと考えられる場合に、第3の登山道703の終点に左右方向に接続される第4の登山道704を右方向に進んで捜索することによって、甲を早期に発見することが可能になる。
【0100】
本実施形態によれば、各携帯通信端末は、他の携帯通信端末と行き交い通信を行うごとに位置情報と時刻情報とを記憶する。したがって、情報収集セット200の通信装置220が携帯通信端末から情報を受信することによって、携帯通信端末を所持していた登山者がいた位置と時刻とを把握することができる。
【0101】
また、本実施形態によれば、登山道が設けられた山中に通信ネットワークに接続された基地局等の設備を設けることなく、登山者の位置推移を把握することができる。
【0102】
本実施形態によれば、登山口に設けられた情報集計セット600aの制御装置610aの通信装置620aが、当該登山口を通過した登山者が所持する携帯通信端末400a〜400dと情報を送受信する。そして、通信装置620aが受信した情報は、情報蓄積部611aに蓄積される。したがって、情報蓄積部611aに蓄積された情報に基づいて、登山者の入山管理および下山管理を行うことができる。
【0103】
また、本実施形態によれば、登山道の沿道に設けられた情報収集セット500a,500bの情報蓄積部511a,511bに蓄積された情報は、各携帯通信端末を介して情報集計セット600aまで運ばれる。よって、情報収集セット500a,500bを携帯電話通信網等の移動体通信ネットワークに接続できない場所にも設置することができる。
【0104】
本実施形態によれば、情報蓄積部611aには、登山道の沿道に設けられた情報収集セット500a,500bの情報蓄積部511a,511bに蓄積された情報が各携帯通信端末を介して蓄積される。したがって、情報蓄積部611aに蓄積された情報に基づいて、遭難した登山者の位置の推移を把握することができる。また、当該遭難した登山者が通過したことを最後に確認された位置を把握することができる。よって、当該遭難した登山者の捜索の開始位置を容易に決定することができる。したがって、当該遭難した登山者を迅速に発見することが可能になる。
【0105】
また、本実施形態によれば、情報収集セット500a,500bは、ソーラパネル551や電磁波電圧変換部554によって変換された電気エネルギによって駆動されるように構成されているので、電力供給源を設けることなく、登山道の沿道に設置することができる。
【0106】
さらに、情報収集セット500a,500bは、携帯通信端末と情報を送受信するときには3.3Vの電圧で駆動されるが、そうでないときには1.8Vで駆動されるように構成されているので、携帯通信端末の通過を待機しているときの消費電力を低減することができる。
【0107】
実施形態3.
本発明の第3の実施形態の携帯通信端末10について、図面を参照して説明する。
図15は、本発明の第3の実施形態の携帯通信端末10(
図1に示す第1の実施形態の携帯通信端末100a〜100zおよび
図11に示す第2の実施形態の携帯通信端末400a〜400dに相当)の構成例を示すブロック図である。
図15に示すように、本発明の第3の実施形態の携帯通信端末10は、通信手段11(
図1に示す第1の実施形態の通信部103a〜103zおよび
図11に示す第2の実施形態の通信部403a〜403dに相当)と、位置情報生成手段12(
図1に示す第1の実施形態の位置情報生成部101a〜101zおよび
図11に示す第2の実施形態の位置情報生成部401a〜401dに相当)と、記憶手段13(
図1に示す第1の実施形態の記憶部104a〜104zおよび
図11に示す第2の実施形態の記憶部404a〜404dに相当)とを備える。
【0108】
通信手段11は、近距離無線通信を行う。位置情報生成手段12は、通信手段11が近距離無線通信を行ったときに、現在位置を示す位置情報を生成する。記憶手段13は、位置情報生成手段12が生成した位置情報を記憶する。そして、通信手段11は、位置情報を収集する情報収集手段(
図1に示す第1の実施形態の情報収集セット200および
図11に示す第2の実施形態の情報収集セット500a,500bに相当)に記憶手段13に記憶された位置情報を送信する。
【0109】
本実施形態によれば、多額の費用等を費やすことなく、携帯通信端末の位置の推移を把握することができる。
【0110】
実施形態4.
本発明の第4の実施形態の位置推移把握システムについて、図面を参照して説明する。
図16は、本発明の第4の実施形態の位置推移把握システムの構成例を示すブロック図である。
図16に示すように、本発明の第4の実施形態の位置推移把握システムは、複数の携帯通信端末10a〜10z(
図1に示す第1の実施形態の携帯通信端末100a〜100zおよび
図11に示す第2の実施形態の携帯通信端末400a〜400dに相当)と、複数の携帯通信端末10a〜10zから情報を受信する情報収集手段20(
図1に示す第1の実施形態の情報収集セット200および
図11に示す第2の実施形態の情報収集セット500a,500bに相当)とを備える。
【0111】
本実施形態によれば、多額の費用等を費やすことなく、携帯通信端末の位置の推移を把握することができる。
【0112】
実施形態5.
本発明の第5の実施形態の収集情報提供装置50について、図面を参照して説明する。
図17は、本発明の第5の実施形態の収集情報提供装置50(
図11に示す第2の実施形態の情報収集セット500に相当)の構成例を示すブロック図である。
図17に示すように、本発明の第5の実施形態の収集情報提供装置50は、情報蓄積手段51(
図11に示す第2の実施形態の情報蓄積部511a,511bに相当)と、情報提供手段52(
図11に示す第2の実施形態の制御部512a,512bおよび通信装置520a,520bに相当)とを備える。
【0113】
情報蓄積手段51は、携帯通信端末(
図11に示す第2の実施形態の携帯通信端末400a〜400dに相当)から受信した他の携帯通信端末の位置を示す情報を含む携帯通信端末情報を蓄積する。情報提供手段52は、情報蓄積手段51に蓄積された携帯通信端末情報を含む蓄積情報を携帯通信端末に提供する。
【0114】
本実施形態によれば、多額の費用等を費やすことなく、携帯通信端末の位置の推移を把握することができる。
【0115】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0116】
(付記1)
近距離無線通信を行う通信手段と、前記通信手段が前記近距離無線通信を行ったときに、現在位置を示す位置情報を生成する位置情報生成手段と、前記位置情報生成手段が生成した前記位置情報を記憶する記憶手段とを備え、前記通信手段は、位置情報を収集する情報収集手段に前記記憶手段に記憶された前記位置情報を送信することを特徴とする携帯通信端末。
【0117】
(付記2)
前記通信手段が他の携帯通信端末と前記近距離無線通信を行ったときに現在時刻を示す時刻情報を提供する時刻情報提供手段を含み、前記記憶手段は、前記時刻情報提供手段が提供した時刻情報を記憶し、前記通信手段は、前記情報収集手段に、前記記憶手段に記憶された前記時刻情報を送信する付記1に記載の携帯通信端末。
【0118】
(付記3)
前記通信手段は、前記近距離無線通信で、自携帯通信端末を識別する識別情報を他の携帯通信端末に送信し、前記他の携帯通信端末を識別する識別情報を前記他の携帯通信端末から受信して記憶手段に記憶させ、前記情報収集手段に、前記記憶手段に記憶させた前記識別情報を送信する付記1または付記2に記載の携帯通信端末。
【0119】
(付記4)
付記1から付記3のうちいずれかに記載の複数の前記携帯通信端末と、前記複数の携帯通信端末から情報を受信する前記情報収集手段とを備えたことを特徴とする位置推移把握システム。
【0120】
(付記5)
前記情報収集手段は、前記携帯通信端末から受信した情報を蓄積する情報蓄積手段と、前記情報蓄積手段に蓄積されている蓄積情報を前記携帯通信端末に提供する情報提供手段とを含む付記4に記載の位置推移把握システム。
【0121】
(付記6)
前記携帯通信端末に提供された前記蓄積情報を前記携帯通信端末から受信する情報集計手段を備えた付記5に記載の位置推移把握システム。
【0122】
(付記7)
携帯通信端末から受信した他の携帯通信端末の位置を示す情報を含む携帯通信端末情報を蓄積する情報蓄積手段と、前記情報蓄積手段に蓄積された前記携帯通信端末情報を含む蓄積情報を前記携帯通信端末に提供する情報提供手段とを備えることを特徴とする収集情報提供装置。
【0123】
(付記8)
コンピュータに、携帯通信端末と近距離無線通信を行う通信処理と、前記通信処理で前記携帯通信端末と前記近距離無線通信を行ったときに、現在位置を示す位置情報を生成する位置情報生成処理と、前記位置情報生成処理で生成した前記位置情報を記憶手段に記憶させる記憶処理とをそれぞれ実行させ、前記通信処理で、前記記憶手段に記憶された前記位置情報を情報収集手段に送信させるための位置推移提供プログラム。
【0124】
(付記9)
コンピュータに、携帯通信端末から受信した他の携帯通信端末の位置を示す情報を含む携帯通信端末情報を蓄積する情報蓄積手段に蓄積された前記携帯通信端末情報を含む蓄積情報を前記携帯通信端末に提供する情報提供処理を実行させるための収集情報提供プログラム。
【0125】
(付記10)
複数の携帯通信端末が、近距離無線通信を行う通信ステップと、前記通信ステップで他の携帯通信端末と前記近距離無線通信を行ったときに、現在位置を示す位置情報を生成する位置情報生成ステップと、前記位置情報生成ステップで生成した前記位置情報を記憶手段に記憶させる記憶ステップとをそれぞれ含み、前記通信ステップで、前記複数の携帯通信端末から情報を受信する情報収集手段に、前記記憶手段に記憶された前記位置情報を送信することを特徴とする位置推移把握方法。
【0126】
(付記11)
近距離無線通信を行う通信ステップと、前記通信ステップで前記近距離無線通信を行ったときに、現在位置を示す位置情報を生成する位置情報生成ステップと、前記位置情報生成ステップ生成した前記位置情報を記憶手段に記憶させる記憶ステップとを含み、前記通信ステップで、位置情報を収集する情報収集手段に前記記憶手段に記憶された前記位置情報を送信することを特徴とする位置推移提供方法。
【0127】
(付記12)
携帯通信端末から受信した他の携帯通信端末の位置を示す情報を含む携帯通信端末情報を情報蓄積手段に蓄積させる情報蓄積ステップと、前記情報蓄積手段に蓄積された前記携帯通信端末情報を含む蓄積情報を前記携帯通信端末に提供する情報提供ステップとを含むことを特徴とする収集情報提供方法。