(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6502020
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】ナッツ類の酸化防止用組成物
(51)【国際特許分類】
A23D 9/00 20060101AFI20190408BHJP
A23L 3/3517 20060101ALI20190408BHJP
A23L 3/3544 20060101ALI20190408BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20190408BHJP
A23P 20/10 20160101ALI20190408BHJP
A23B 9/14 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
A23D9/00 510
A23L3/3517
A23L3/3544 501
A23L5/00 F
A23P20/10
A23B9/14
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-72087(P2014-72087)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-192617(P2015-192617A)
(43)【公開日】2015年11月5日
【審査請求日】2017年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】390010674
【氏名又は名称】理研ビタミン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敏和
【審査官】
鈴木 優志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−061576(JP,A)
【文献】
特開平09−208986(JP,A)
【文献】
特開平06−336443(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/102019(WO,A1)
【文献】
特開2005−278446(JP,A)
【文献】
特開昭59−071387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 3/00〜3/3598
A23L 5/00〜5/30
A23L 29/00〜29/10
A23L 23/00〜25/10
A23L 35/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/DWPI/MEDLINE/FSTA/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)構成脂肪酸の炭素数が6〜12の中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が50〜99.9質量%であり、(b)トコフェロール及び/又はL−アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量が0.1〜15質量%であることを特徴とするナッツ類の酸化防止用組成物(但し、油脂の全構成脂肪酸中に炭素数14〜22の飽和脂肪酸を10〜50質量%含有するものを除く)。
【請求項2】
請求項1に記載のナッツ類の酸化防止用組成物により被覆されていることを特徴とするナッツ類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナッツ類の酸化防止用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アーモンド等のナッツ製品は、原料ナッツ類を加熱処理して製造される。この加熱処理によってナッツ類特有の香ばしいロースト臭が発現されるが、酸化の進行によりその風味が経時的に劣化し、また酸敗による臭気が発生するという問題がある。そこで、この問題を解決するため、ナッツ類の表面にコーティング材を被覆する加工処理により酸化を防止する方法が種々検討されている。
【0003】
それらは、例えば、種実類の表面をシェラック皮膜で被覆して、種実類と空気との接触を低減することを特徴とする種実類の酸化防止方法(特許文献1)、加熱処理したナッツ類の表面をトレハロースにて被覆することを特徴とするナッツ類の抗酸化処理方法(特許文献2)、構成脂肪酸の炭素数が8〜22で平均置換度が2以上のショ糖脂肪酸エステルでナッツ類をコーティングしたことを特徴とする酸化を防止したナッツ類(特許文献3)、加熱殺菌したナッツ類の表面を、スクラロースを含む組成物にて被覆することを特徴とするナッツ類の被覆方法(特許文献4)等である。
【0004】
一方、ナッツ類は、そのまま食用に供されるほか、チョコレート、クッキー、ケーキ等の菓子類に用いるために、スライスして薄片状にすることや粉砕して粒状物にすること等の加工がされる場合がある。このように加工されたナッツ類は、酸化の進行がさらに急速になるため、上記の方法のみで長期間酸化を防止するのは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−258515号公報
【特許文献2】特開2002−027953号公報
【特許文献3】特許第3797365号公報
【特許文献4】特開2008−099678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ナッツ類の酸化防止効果が長期間持続するナッツ類の酸化防止用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、中鎖脂肪酸トリグリセリドにトコフェロール及び/又はL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを添加した組成物を用いてナッツ類を被覆するとナッツ類の酸化防止効果が長期間にわたって持続することを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)(a)中鎖脂肪酸トリグリセリドと(b)トコフェロール及び/又はL−アスコルビン酸脂肪酸エステルとを含有することを特徴とするナッツ類の酸化防止用組成物、
(2)前記(1)に記載のナッツ類の酸化防止用組成物により被覆されていることを特徴とするナッツ類、から成っている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のナッツ類の酸化防止用組成物を用いてナッツ類を被覆することにより、ナッツ類の酸化の進行による臭気物質の発生が長期間抑制されるため、風味劣化を抑制しつつナッツ類を長期間保存することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明で用いられる中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、その構成脂肪酸の炭素数が各々6〜12、好ましくは8〜12のトリグリセリドが挙げられ、医療用等に用いられる純度の高い物のみならず、食品等に用いられるMCTの混合物を用いることができる。該中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、アクターM−107FR(製品名;理研ビタミン社製)、アクターM−4N(製品名;理研ビタミン社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれを用いることができる。
【0011】
本発明で用いられるトコフェロールとしては、例えばdl−α−トコフェロール(食品添加物)、d−α−トコフェロール(食品添加物)及びミックストコフェロール等が挙げられ、いずれも好ましく用いられる。
【0012】
ミックストコフェロールとしては、植物油が精製される過程で副生する脱臭留出物(例えば脱臭スカム、脱臭スラッジ又はホットウェル油等)から回収されるトコフェロールであれば特に制限はなく、例えば、キャノーラ油、ごま油、米ぬか油、サフラワー油、大豆油、とうもろこし油、なたね油、パーム油、ひまわり油、綿実油及び落花生油等の脱臭留出物から分離・精製して得られる、d−α−、d−β−、d−γ−、d−δ−トコフェロール及びトコフェロールの同族体であるd−α−、d−β−、d−γ−、d−δ−トコトリエノール等を含む混合物が挙げられる。該混合物中の総トコフェロール含有量は34質量%以上であるのが好ましく、60質量%以上であるのが特に好ましい。
【0013】
商業的に販売されているトコフェロールには、上記したトコフェロールに油脂を配合した製品があるが、本発明においては、このような態様のトコフェロールも支障なく用いることができる。
【0014】
本発明で用いられるトコフェロールとしては、例えば、理研Eオイル400(商品名;理研ビタミン社製)、理研Eオイル600(商品名;理研ビタミン社製)、理研Eオイル805(商品名;理研ビタミン社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
【0015】
本発明で用いられるL−アスコルビン酸脂肪酸エステルは、L−アスコルビン酸に脂肪酸をエステル結合させたものであり、例えばL−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル等が挙げられ、相対的に融点が低く油脂への添加・溶解が容易であり、またフライ用油脂組成物に安定性を付与する効果が比較的高いため、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステルが好ましく用いられる。L−アスコルビン酸パルミチン酸エステルとしては、例えば、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル(商品名;DSMニュートリションジャパン社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
【0016】
本発明のナッツ類の酸化防止用組成物(以下、「本発明の酸化防止用組成物」という)は、少なくとも(a)中鎖脂肪酸トリグリセリドと(b)トコフェロール及び/又はL−アスコルビン酸脂肪酸エステルとを含有する。その製造方法に特に制限はなく、例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリドとトコフェロール及び/又はL−アスコルビン酸脂肪酸エステルとを40〜100℃、好ましくは60〜100℃に加熱して混合溶解することより容易に製造することができる。
【0017】
本発明の酸化防止用組成物100質量%中の中鎖脂肪酸トリグリセリド並びにトコフェロール及び/又はL−アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量に特に制限はないが、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリドが通常20〜99.9質量%、好ましくは50〜95質量%であり、トコフェロール及び/又はL−アスコルビン酸脂肪酸エステルが通常0.005〜15質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が20質量%未満では、ナッツ類の酸化防止効果が長期間持続せず、99.9質量%を超えると、トコフェロール及び/又はL−アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量が不十分となり、ナッツ類の酸化防止効果が長期間持続しないため好ましくない。また、トコフェロール及び/又はL−アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量が0.1質量%未満では、ナッツ類の酸化防止効果が長期間持続せず、15質量%を超えると、かえって酸化を促進するケースもあるため好ましくない。
【0018】
本発明の酸化防止用組成物において、トコフェロール及びL−アスコルビン酸脂肪酸エステルの両方を用いる場合には、本発明の酸化防止用組成物中のこれらの含有量の比率に特に制限はなく、例えば、トコフェロール:L−アスコルビン酸脂肪酸エステル=1:9〜9:1(質量比)とすることができる。
【0019】
また、本発明の酸化防止用組成物において、トコフェロール及びL−アスコルビン酸脂肪酸エステルの両方を用いる場合には、これらを共に含有する製品として、例えば理研EC−100V(商品名;理研ビタミン社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれを用いることができる。
【0020】
本発明の酸化防止用組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で他の任意の成分が含まれても良く、例えば、油溶性酸化防止剤や食品用乳化剤等を含むものであっても良い。該油溶性酸化防止剤としては、例えば、カンゾウ油抽出物、ゴマ油不けん化物、γ−オリザノール、ナタネ油抽出物等が挙げられる。また、該食品用乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステル及びレシチン等が挙げられる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの外、グリセリン有機酸脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステル等が含まれる。グリセリン有機酸脂肪酸エステルには、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル及びグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル等が含まれる。
【0021】
本発明の酸化防止用組成物は、ナッツ類の酸化が進行することによる風味劣化又は異臭の発生を抑制すること等を目的として、コーティング材としてナッツ類を被覆処理するために使用することができる。そして、本発明の酸化防止用組成物により被覆されているナッツ類もまた本発明に含まれる。本発明の酸化防止用組成物により被覆される対象のナッツ類に特に制限はないが、例えばアーモンド、カシューナッツ、かぼちゃの種、けしの実、ココナッツ、ごま、しいの実、ビスタチオ、ひまわりの実、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ペカンナッツ、マカダミアナッツ、松の実、ピーナッツ、くるみ等のナッツ又は種実が挙げられる。これらナッツ類は、ホールのままで加熱処理したものであっても良く、薄片状にスライスしたものや粉砕して粒状物としたものを加熱処理したもの等であっても良い。
【0022】
本発明の酸化防止用組成物によりナッツ類を被覆処理する方法に特に制限はなく、例えば、該組成物をナッツ類に噴霧又は塗布する方法、ナッツ類を該組成物に浸漬する方法等の種々な自体公知の方法を実施できる。最も簡便で実際的な方法としては、本発明の酸化防止用組成物をナッツ類に投入して攪拌し、ナッツ類の表面に均一な被覆膜を形成する方法である。
【0023】
本発明の酸化防止用組成物を使用してナッツ類を被覆処理する際の使用量は、ナッツ類の種類や加工状態、目的とする酸化防止効果の程度等により異なり一様ではないが、例えばナッツ類100質量部に対し0.5〜5質量部である。
【0024】
また、本発明の酸化防止用組成物を使用してナッツ類を被覆処理する際の使用量は、ナッツ類に対するトコフェロール及びL−アスコルビン酸脂肪酸エステルの添加量に換算して、トコフェロールの添加量が1〜500ppmであることが好ましく、L−アスコルビン酸脂肪酸エステルの添加量が1〜500ppmであることが好ましい。
【0025】
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0026】
[酸化防止用組成物の製造]
(1)原材料
1)中鎖脂肪酸トリグリセリド(商品名:アクターM−4N;理研ビタミン社製)
2)なたね油(ボーソー油脂社製)
3)抽出トコフェロール(商品名:理研Eオイル400;総トコフェロール含有量34%;理研ビタミン社製)
4)d−α−トコフェロール(商品名:理研Eオイル805;総トコフェロール含有量80%;d−α−トコフェロール含有量40%;理研ビタミン社製)
5)L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル(商品名;DSMニュートリションジャパン社製)
【0027】
(2)酸化防止用組成物の配合
上記原材料を用いて製造した酸化防止用組成物1〜11の配合組成を表1に示した。酸化防止用組成物1〜11の内、酸化防止用組成物1〜4は本発明に係る実施例であり、酸化防止用組成物5〜11はそれらに対する比較例である。
【0028】
【表1】
【0029】
(3)酸化防止用組成物の製造
表1に示した原材料の配合割合に基づいて、所定の原材料を500ml容ガラス製ビーカーに入れ、ガラス棒で攪拌しながら100℃まで加熱して溶解した後、同温度にてさらに10分間撹拌を続けた。その後、これらを室温まで冷却し、酸化防止用組成物1〜8を得た。また、各製剤の作製量は100gとした。なお、酸化防止用組成物9〜11は、表1に示した原材料をそのまま酸化防止用組成物として用いる比較例であるため、上記の製造は行っていない。
【0030】
[試験例]
(1)ナッツ類の被覆処理
表2に示した原材料を1L容ポリ袋に入れ、その袋の口を縛ったものを手で持ち5分間撹拌して均一に混合し、その表面が酸化防止用組成物により均一に被覆されたスライスアーモンド1〜11を各約100g得た。また、対照として、被覆処理をしていないものをスライスアーモンド12とした。
【0031】
【表2】
【0032】
なお、表2に記載の酸化防止剤組成物1〜11の使用量は、スライスアーモンドに対するトコフェロールの添加量及びL−アスコルビン酸脂肪酸エステルの添加量がそれぞれ約36ppm及び約100ppmとなるように調整されている。
【0033】
(2)官能評価試験
(1)のスライスアーモンド1〜12を60℃の恒温器内で3週間及び9週間それぞれ保存した後、ポリ袋を開封して喫食し、下記表3に示す評価基準に従い、アーモンドに含まれる油脂が酸化することによる劣化風味について評価した。官能試験では、下記表3に示す評価基準に従い10名のパネラーで評価を行ない、評点の平均点を求め、以下の基準にしたがって記号化した。結果を表4に示す。
◎:極めて良好 平均点3.5以上
○:良好 平均点3.0以上、3.5未満
△:やや悪い 平均点2.0以上、3.0未満
×:悪い 平均点2.0未満
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
表4の結果より、本発明の酸化防止用組成物1〜4により被覆されたスライスアーモンド1〜4は、「60℃、9週間」という長期間の過酷な保存条件下においても、酸化の進行が抑制され、劣化風味は殆ど感じられなかった。これに対し、比較例の酸化防止用組成物5〜11により被覆されたスライスアーモンド5〜11及び対照のスライスアーモンド12は、「60℃、9週間」の保存条件ではいずれも劣化風味が感じられた。
【0037】
(3)臭気成分の測定
(1)のスライスアーモンド1〜12を60℃の恒温器内で3週間及び9週間それぞれ保存した後に、酸化の進行により生じた臭気成分(n−ヘキサナール)を「ヘッドスペースソープティブエクストラクション法」により測定した。
先ず、20mLヘッドスペースバイアル(GLScience社製)にサンプル2gを入れ、その中にTwister(100%ポリジメチルシロキサン(PDMS)をコーティングさせた攪拌子;膜厚0.5mm;長さ10mm;GERSTEL社製)を1本入れてシリコンマグネティックキャップ(GLScience社製)で蓋をし、40℃恒温槽内で2時間放置して臭気成分を吸着させた。
次いで、このTwisterをバイアルから取り出し、加熱脱着装置(形式:TDU;温度条件:30℃から60℃/分の速度で180℃まで昇温し、同温度で10分間保持する;GERSTEL社製)にセットしてGC/MS装置による分析に供した。GC/MS分析条件を以下に示す。
【0038】
[GC/MS分析条件]
GC装置:6890N(形式;Agilent Technologies社製)
MS装置:5975B(形式;MS四重極温度:150℃;MSイオン源温度:230℃;Agilent Technologies社製)
オーブン温度プログラム:40℃で3分間保持後、10℃/分の速度で140℃まで昇温し、さらに5℃/分の速度で240℃まで昇温し、同温度で7分間保持する。
注入口:Gerstel CIS4(形式;GERSTEL社製)
コールドトラップ温度プログラム:−150℃から12℃/分の速度で220℃まで昇温し、同温度で10分間保持する。
注入モード:スプリットレスモード
注入口圧力:131kPa
カラム:DB−WAXETR(形式;30m×0.25mmI.D.×0.25μmdf;J&W社製)
カラム流量:1.7mL/分
平均線速度:35cm/sec
キャリアガス:ヘリウム
スキャンモード:EI 70eV
【0039】
上記GC/MS分析後、データ処理装置によりクロマトグラム上に記録された各臭気成分に対応するピークについて、積分計を用いてピーク面積を測定した。対照のスライスアーモンド12の臭気成分のピーク面積を基準として、実施例及び比較例のスライスアーモンド1〜11の臭気成分について下式によりピーク面積相対値(%)を求めた。結果を表5に示す。
【0040】
【数1】
【0041】
【表5】
【0042】
表5の結果より、本発明の酸化防止用組成物1〜4により被覆されたスライスアーモンド1〜4は、「60℃、9週間」という長期間の過酷な保存条件下においても、酸化の進行による臭気成分の発生が十分に抑制されていた。これに対し、比較例の酸化防止用組成物5〜11により被覆されたスライスアーモンド5〜11は、「60℃、9週間」の保存条件では臭気成分の発生の抑制は不十分であった。