特許第6502109号(P6502109)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6502109
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 7/08 20060101AFI20190408BHJP
   H01Q 1/12 20060101ALI20190408BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
   H01Q7/08
   H01Q1/12 Z
   H01Q1/24 B
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-18145(P2015-18145)
(22)【出願日】2015年2月2日
(65)【公開番号】特開2016-144016(P2016-144016A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220125
【氏名又は名称】東京パーツ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】青柳 昌彦
【審査官】 米倉 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−103407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 7/08
H01Q 1/12
H01Q 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口端と閉口端を有するケースと、
磁性体コアと、前記磁性体コアの軸方向に沿って前記磁性体コアの外周面に巻回されたコイル導体とを有し、前記ケース内に前記軸方向に沿って前記開口端から挿入されるアンテナ本体と、
前記閉口端側に位置する前記アンテナ本体の端部に装着された支持部材と、を具備し、
前記支持部材は、前記アンテナ本体の端部に固定された装着部と、前記装着部から延出された複数の板バネ部とを有し、
前記複数の板バネ部が前記ケースの内面を前記軸方向に直交する2方向に押圧し、前記アンテナ本体を前記ケースに非接触状態で保持する、
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記複数の板バネ部は、前記ケースの内面を前記軸方向に押圧する、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
記ケースの閉口端と前記支持部材との間に、前記軸方向の隙間が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記支持部材は、前記ケース内において前記コイル導体に接触しない、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記支持部材は、樹脂板の曲げ加工品からなり、
前記複数の板バネ部は、前記装着部から所定の方向に折り曲げることによって形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばキーレスエントリーシステムを搭載した車両のドアハンドルの内部に設置され、ドアの施解錠を遠隔制御で行う通信システムなどに適用することができるアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車には、ドアの施解錠をキー操作なしで行うことができるキーレスエントリーシステムが装備されることが多い。キーレスエントリーシステムは、ワイヤレス方式の通信システムによって車両のドアの施解錠を遠隔制御で行うものであり、車両のユーザが携帯する携帯機と通信を行うために、車両外側のドアハンドル内にアンテナ装置が装備されている。
【0003】
このようなアンテナ装置として、例えば特許文献1には、磁性体コアと、磁性体コアに巻回されたコイルを備えた巻回体と、この巻回体が収容されたケースと、このケースの開口部に嵌合して巻回体を支持するキャップを備え、巻回体とケースとの隙間に発泡ウレタンや発泡シリコーンなどによるフォームやスポンジを設けたものが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、磁性体コアと、この磁性体コアを包囲するボビンと、このボビンに巻回されたコイルを備えた巻回体と、この巻回体が収容されたケースと、巻回体とケースとの隙間に設けられた発泡体とを備え、この発泡体が所定量だけ圧縮されているものが開示されている。
【0005】
特許文献1と特許文献2に記載のアンテナ装置によれば、車両および車両ドアの振動や衝撃によって巻回体がケースと接触するのを防ぐとともに、ケースに加わる変形や荷重をある程度吸収して、磁性体コアの破損を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2007/015344号
【特許文献2】国際公開第2008/072496号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載のアンテナ装置では、巻回体の周囲に密着して配される発泡体が、ケース内である程度圧縮状態となるように巻回体をケース内に挿入する必要があるため、巻回体をケース内に挿入する際に、発泡体の一部が巻回体から剥がれたり、破損する危険性がある。
また、ケース内で巻回体を安定して保持するためには、発泡体とケースとの接触面積を比較的大きくとる必要があるため、ケース内に巻回体を挿入する際の抵抗が大きくなり、スムーズな挿入が難しくなる。このため、発泡体の破損だけではなく、コイルが断線したり、ケース内における磁性体コアのセンターがずれる危険性もあり、安定した性能を得るのが難しい。
さらには、巻回体をケース内に挿入した後に共振周波数の再調整等を行う必要が生じた場合、巻回体をケースから引き抜いてコイルピッチやコイル位置を微調整する必要があるが、この引き抜きの際にも発泡体やコイルが破損する危険性がある。
【0008】
そこで、本発明の主たる目的は、振動や衝撃によって磁性体コアが破損するのを防止しつつ、組立の際にコイルが断線したり、ケース内における磁性体コアのセンターずれを防止することができるアンテナ装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記の課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用することができる。また、本発明の態様あるいは技術的特徴は以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものである。
【0010】
本発明の一実施態様に係るアンテナ装置は、
開口端と閉口端を有するケースと、
磁性体コアと、前記磁性体コアの軸方向に沿って前記磁性体コアの外周面に巻回されたコイル導体とを有し、前記ケース内に前記軸方向に沿って前記開口端から挿入されるアンテナ本体と、
前記閉口端側に位置する前記アンテナ本体の端部に装着された支持部材と、を具備し、
前記支持部材は、前記アンテナ本体の端部に固定された装着部と、前記装着部から延出された複数の板バネ部とを有し、
前記複数の板バネ部が前記ケースの内面を押圧し、前記アンテナ本体を前記ケースに非接触状態で保持する、
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の他の実施態様では、更なる特徴として、
「前記複数の板バネ部は、前記ケースの内面を前記軸方向に直交する2方向と前記軸方向に押圧すること」、
「前記複数の板バネ部は、前記ケースの内面を前記軸方向に直交する2方向に押圧し、 前記ケースの閉口端と前記支持部材との間に、前記軸方向の隙間が設けられていること」、
「前記支持部材は、前記ケース内において前記コイル導体に接触しないこと」、
「前記支持部材は、樹脂板の曲げ加工品からなり、前記複数の板バネ部は、前記装着部から所定の方向に折り曲げることによって形成されていること」、
を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明のアンテナ装置によれば、振動や衝撃によって磁性体コアが破損するのを防止することができる。また、アンテナ本体をスムーズにケース内に保持させることができ、組立の際にケース内で磁性体コアのセンターがずれたり、コイルが断線するのを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態例に係るアンテナ本体の平面図である。
図2】本発明の第1実施形態例に係る支持部材を示す図であり、(a)は曲げ加工前の展開図、(b)は曲げ加工後の斜視図である。
図3図1のアンテナ本体に、保持具と図2の支持部材を装着した状態を示す平面図である。
図4】本発明の第1実施形態例に係るアンテナ装置の断面図である。
図5】本発明の第1実施形態例に係るアンテナ装置の断面図である。
図6】本発明の第1実施形態例に係るアンテナ装置の分解斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態例に係る支持部材を示す図であり、(a)は折り曲げ加工前の展開図、(b)は折り曲げ加工後の斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態例に係るアンテナ装置の断面図である。
図9】本発明の第2実施形態例に係るアンテナ装置の断面図である。
図10】本発明の変形例に係る支持部材を示す図であり、(a)は折り曲げ加工前の展開図、(b)は折り曲げ加工後の斜視図である。
図11】本発明の第3実施形態例に係る支持部材を示す図であり、(a)は折り曲げ加工前の展開図、(b)は折り曲げ加工後の斜視図である。
図12】本発明の第3実施形態例に係るアンテナ装置の断面図である。
図13】本発明の第3実施形態例に係るアンテナ装置の断面図である。
図14】本発明の変形例に係る支持部材を示す図であり、(a)は折り曲げ加工前の展開図、(b)は折り曲げ加工後の斜視図である。
図15】本発明の第4実施形態例に係る支持部材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
図16】本発明の第4実施形態例に係るアンテナ装置の断面図である。
図17】本発明の第5実施形態例に係る支持部材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
図18】本発明の第5実施形態例に係るアンテナ装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態例を説明する。
【0015】
(第1実施形態例)
本発明の第1実施形態例に係るアンテナ装置を、図1から図6を参照して説明する。本例のアンテナ装置は、キーレスエントリーシステムを搭載した車両のドアハンドルの内部に設置され、ドアの施解錠を遠隔制御で行う通信システムの一部として用いることができるものである。
【0016】
本例のアンテナ装置は、主に、ケース10と、アンテナ本体20と、支持部材30と、保持具40と、蓋50を備えている。
【0017】
ケース10はアンテナ本体20を収容するものであり、絶縁性樹脂によって概ね角筒状に形成されており、一端(図4および図5では右端)が開口し、他端(図4および図5では左端)が閉口している。
【0018】
アンテナ本体20は、図1に示すように、磁性体コア21とコイル導体22を備えている。
磁性体コア21は、磁性材料によって概ね角柱状に形成されている。なお、磁性材料として例えば電気抵抗の比較的小さい金属磁性体を用いる場合には、磁性体コア21の外側に絶縁テープ23を巻いた状態で使用するのが好ましい。
コイル導体22は、ポリイミド等の耐熱性樹脂を被覆した一本の導線からなり、磁性体コア21の軸方向(磁性体コア21の長手方向を意味し、図1では左右方向)に沿って磁性体コアの外周面に多数回巻回されている。
【0019】
磁性体コア21の両端部には所定の範囲に亘ってコイル導体22が巻回されていない領域が存在し、このコイル導体22が巻回されていない磁性体コア21の一端部に、図2に示すような支持部材30が装着される。
【0020】
支持部材30は、適度な厚みと弾性を有する絶縁性の耐熱性樹脂板を所定の形状に折曲加工したものであり、装着部31と複数の板バネ部32a、32b、32c、32dによって構成されている。
支持部材30の材料や厚みは、板バネ部に要求されるバネ定数等に応じて決めることができる。
【0021】
装着部31は、磁性体コア21の一端面に接着剤や両面接着シートなどによって直接固定される部分であり、磁性体コア21の一端面の形状とほぼ同じ大きさの矩形状を呈している。
【0022】
板バネ部32a、32b、32c、32dは、装着部31の周囲4方向から延出されており、いずれも矩形状を呈している。この延出方向における板バネ部32a、32b、32c、32dの高さH(図2(a)参照)は、磁性体コア21の一端面からコイル導体22までの距離D(図1参照)よりも小さく設定されている。
互いに対向する2つの板バネ部32aと板バネ部32bは、同じ大きさに形成されている。また、互いに対向する2つの板バネ部32cと板バネ部32dは、同じ大きさに形成されている。
【0023】
本例の支持部材30は、図2(a)の展開図の状態から、装着部31の4辺に位置する谷折り線33aにおいて所定角度だけ谷折りすることによって、板バネ部32a、32b、32c、32dが成形されている。
成形された支持部材30は、図2(b)に示すように、板バネ部32a、32b、32c、32dが、装着部31の周囲4方向から所定角度だけ同じ方向に傾斜した形態を有している。
板バネ部32a、32b、32c、32dの傾斜角は、本例では90度未満に設定され、要求されるバネ定数等に応じて適宜の角度に設定される。
【0024】
上記のようにして形成された板バネ部32a、32b、32c、32dは、装着部31の周縁部を支点として適度なバネ性を有するとともに、板バネ部32aと板バネ部32bは同じバネ定数を有し、板バネ部32cと板バネ部32bは同じバネ定数を有するものとなる。
【0025】
支持部材30は、図3に示すように、磁性体コア21の一端部(図3では左端部)に装着される。具体的には、板バネ部32a、32b、32c、32dの先端が磁性体コア21の他端側(図3では右端側)を向くように、磁性体コア21の端面に装着部31が固定されている。
【0026】
磁性体コア21の軸方向の他端(図3では右端)には、絶縁性の耐熱性樹脂からなる保持具40が装着される。
保持具40は、磁性体コア21の一端が挿入される筒状部41と、導電性金属からなる2つの端子部材43が保持された端子保持部42によって構成されている。
【0027】
筒状部41の外周は矩形状を呈し、その外形はケース10の内形とほぼ同じ大きさで形成されている。
端子保持部42の外周は矩形状を呈し、その外形はケース10の内形よりも小さく形成されている。
【0028】
コイル導体22の両端部である2つの端末は、筒状部41の外周に形成された溝部を介して、2つの端子部材43の一端にそれぞれ半田等によって電気的に接続されている。また、2つの端子部材43の他端には、リード線60が半田等によって電気的に接続されている。
【0029】
アンテナ本体20は、支持部材30が装着された側から磁性体コア21の軸方向に沿ってケース10内に挿入される。
アンテナ本体20がケース10内に挿入されると、装着部31がケース10の閉口面に当接し、筒状部41の外周面がケース10の内周面に密着するとともに、4つの板バネ部32a、32b、32c、32dの先端部分がケース10の4つの内周面に当接する。
その結果、板バネ部32a、32b、32c、32dがケース10の4つの内周面を押圧しつつ、アンテナ本体20を4方向から支持することにより、アンテナ本体20はケースの内周面に非接触状態で保持される。そして、磁性体コア21の外周面とケース10の内周面との間には所定の隙間が確保される。
【0030】
ケース10の開口端は、絶縁性樹脂からなる蓋50によって閉塞される。そして、2本のリード線60は、蓋50に設けられている2つの孔から外部に引き出される。
なお、ケース10内の保持具40と蓋50の間の空間には、防水性を確保する目的で必要に応じて軟質樹脂からなる充填材が充填される。
【0031】
以上のように、本例のアンテナ装置では、ケース10の閉口端側に位置するアンテナ本体20の一端部に、支持部材30が装着される。そして、支持部材30の装着部31は、アンテナ本体20の一端部に固定され、装着部31から延出された複数の板バネ部32a、32b、32c、32dがケース10の内面を押圧することによって、アンテナ本体20はケース10に非接触の状態で保持される。
このため、本例のアンテナ装置では、車両および車両ドアの振動や衝撃によってアンテナ本体20がケース10の内面に強く突き当たってしまうのを効果的に防ぐことができ、磁性体コアの破損を防止することができる。
【0032】
また、本例のアンテナ装置では、アンテナ本体20をケース10に非接触状態で保持するために、板バネ構造を有する支持部材30を用いているため、アンテナ本体20を無理なくスムーズにケース10内に挿入して保持させることができる。これにより、アンテナ装置の組立の際に、ケース10内で磁性体コア21のセンターがずれたり、コイル導体22が断線するのを効果的に防止することもできる。
【0033】
また、本例のアンテナ装置では、4つの板バネ部が矩形状のケース10の4つの側面を磁性体コア21の軸方向に直交する2方向に押圧する構造になっているため、アンテナ本体20をケース10に非接触状態で安定して保持することができる。
【0034】
また、本例のアンテナ装置では、装着部31の周囲4方向から延出されている板バネ部の高さHは、磁性体コア21の一端面からコイル導体22までの距離Dよりも小さく設定されている。
このため、アンテナ本体20をケース10内に挿入する際や、車両および車両ドアの振動や衝撃によって板バネ部が過剰に撓んだとしても、板バネ部がコイル導体22に接触することはない。
よって、アンテナ装置の組立時や車両の使用時に、コイル導体22が断線するのを極めて効果的に防止することができる。
【0035】
また、本例のアンテナ装置では、支持部材30として樹脂板の曲げ加工品を用い、装着部31から所定の方向に折り曲げることによって板バネ部を形成している。
このため、極めて簡易な構造でアンテナ本体20をケース10に非接触状態で安定して保持することができ、製造工程の簡略化と製造コストの低減を図ることができる。
【0036】
(第2実施形態例)
本発明の第2実施形態例に係るアンテナ装置を、図7図9を参照して説明する。図7図9において図1図6中の符号と同じ符号を付しているものは同等の構成要素を示しており、再度の説明は省略する
【0037】
本実施形態例は、支持部材30の構造が第1実施形態例と異なる。
具体的には、第1実施形態例の支持部材は、4つの板バネ部32a、32b、32c、32dがケース10の内面を磁性体コア21の軸方向に直交する2方向に押圧する構造になっているが、本実施形態例の支持部材は、板バネ部が磁性体コアの軸方向にも押圧する構造になっている。
【0038】
本例の支持部材30は、装着部31と6つの板バネ部32a、32b、32c、32d、32e、32fによって構成されている。
板バネ部32a、32b、32c、32dは、装着部31の周囲4方向から延出されており、いずれも矩形状を呈している。
装着部31の内側には、複数の切込線33cを設けることで、2つの板バネ部32e、32fが形成されている。この2つの板バネ部32e、32fは、同じ大きさに形成されている。
【0039】
本例の支持部材30では、図7(a)の展開図の状態から、装着部31の4辺に位置する谷折り線33aにおいて90度未満の所定角度だけ谷折りすることによって、4つの板バネ部32a、32b、32c、32dが形成される。
また、装着部31の内側に位置する2つの山折り線33bにおいて90度を超える所定角度だけ山折りすることによって、2つの板バネ部32e、32fが形成される。
上記のように折り曲げ加工された支持部材30は、図7(b)に示すように、装着部31の周囲4方向から板バネ部32a、32b、32c、32dが所定角度だけ上方に傾斜した形態を有し、装着部31の内側から板バネ部32e、32fが所定角度だけ下方に傾斜した形態を有している。
【0040】
上記のようにして形成された板バネ部32a、32b、32c、32d、32e、32fは、装着部31を支点として適度なバネ性を有するとともに、板バネ部32aと板バネ部32bは同じバネ定数を有し、板バネ部32cと板バネ部32dは同じバネ定数を有し、板バネ部32eと板バネ部32fは同じバネ定数を有するものとなる。
【0041】
支持部材30は、板バネ部32a、32b、32c、32dの先端が磁性体コア21の他端側(図8では右端側)を向くように、装着部31が接着剤等によって磁性体コア21の端面に固定される。
【0042】
アンテナ本体20は、支持部材30が装着された側から磁性体コア21の軸方向に沿ってケース10内に挿入される。
アンテナ本体20がケース10内に挿入されると、保持具40の筒状部41の外周面がケース10の内周面に密着するとともに、4つの板バネ部32a、32b、32c、32dの先端部分がケース10の4つの内周面に当接し、2つの板バネ部32e、32fの先端部分がケース10の閉口面に当接する。
その結果、板バネ部32a、32b、32c、32dがケース10の内周面を押圧するとともに、板バネ部32e、32fがケース10の閉口面を押圧し、アンテナ本体20を5方向から支持することにより、アンテナ本体20はケースの内周面と閉口面に非接触状態で保持される。そして、磁性体コア21の外周面とケース10の内周面、および、装着部31とケース10の閉口面との間には隙間が確保される。
【0043】
本例のアンテナ装置においても、第1の実施形態例と同様の効果を有する。
また、本例のアンテナ装置では、支持部材30の複数の板バネ部は、ケース10の内面を磁性体コア21の軸方向に直交する2方向だけではなく、軸方向にも押圧する構造になっている。このため、磁性体コア21の軸方向の衝撃や振動に対しても、アンテナ本体20がケース10の閉口面に強く突き当たってしまうのを効果的に防ぐことができ、磁性体コアの破損をより一層確実に防止することができる。
【0044】
なお、本例の支持部材30では、2つの板バネ部32e、32fを装着部31の中央側から周縁側に折り曲げているが、例えば図10に示すように2つの板バネ部32e、32fを装着部31の周縁側から中央側に折り曲げたものを用いても同様の効果を得ることができる。
【0045】
(第3実施形態例)
本発明の第3実施形態例に係るアンテナ装置を、図11図13を参照して説明する。図11図13において図1図6中の符号と同じ符号を付しているものは同等の構成要素を示しており、再度の説明は省略する
【0046】
本実施形態例は、支持部材30の構造が第2実施形態例と異なる。
具体的には、第2実施形態例の支持部材は、2つの板バネ部32e、32fを装着部31の内部において折り曲げる構造になっているが、本実施形態例の支持部材は、2つの板バネ部32g、32hを装着部31の外部において折り曲げる構造になっている。
【0047】
本例の支持部材30は、装着部31と6つの板バネ部32a、32b、32c、32d、32g、32hによって構成されている。
板バネ部32a、32b、32c、32dは、装着部31の周囲4方向から延出されており、いずれも矩形状を呈している。
2つ板バネ部32a、32bの内側には、切込線33eを設けることで、2つの板バネ部32g、32hが形成されている。この2つの板バネ部32g、32hは、同じ大きさに形成されている。
【0048】
本例の支持部材30では、図11(a)の展開図の状態から、谷折り線33aにおいて90度未満の所定角度だけ谷折りすることによって、4つの板バネ部32a、32b、32c、32dが形成される。また、山折り線33dにおいて90度を超える所定角度だけ山折りすることによって、2つの板バネ部32g、32hが形成される。
上記のように折り曲げ加工された支持部材30は、図11(b)に示すように、装着部31の4辺から板バネ部32a、32b、32c、32dが所定角度だけ上方に傾斜した形態を有し、装着部31の対向する長辺2辺から板バネ部32g、32hが所定角度だけ下方に傾斜した形態を有している。
【0049】
上記のようにして形成された板バネ部32a、32b、32c、32d、32g、32hは、装着部31を支点として適度なバネ性を有するとともに、板バネ部32aと板バネ部32bは同じバネ定数を有し、板バネ部32cと板バネ部32dは同じバネ定数を有し、板バネ部32gと板バネ部32hは同じバネ定数を有するものとなる。
【0050】
支持部材30は、板バネ部32a、32b、32c、32dの先端が磁性体コア21の他端側(図12では右端側)を向くように、装着部31が接着剤等によって磁性体コア21の一端面に固定される。
【0051】
アンテナ本体20は、支持部材30が装着された側から磁性体コア21の軸方向に沿ってケース10内に挿入される。
アンテナ本体20がケース10内に挿入されると、保持具40の筒状部41の外周面がケース10の内周面に密着するとともに、4つの板バネ部32a、32b、32c、32dの先端部分がケース10の4つの内周面に当接し、2つの板バネ部32g、32hの先端部分がケース10の閉口面に当接する。
その結果、板バネ部32a、32b、32c、32dがケース10の内周面を押圧するとともに、板バネ部32g、32hがケース10の閉口面を押圧し、アンテナ本体20を5方向から支持することにより、アンテナ本体20はケースの内周面と閉口面に非接触状態で保持される。そして、磁性体コア21の外周面とケース10の内周面、および、装着部31とケース10の閉口面との間には隙間が確保される。
【0052】
本例のアンテナ装置においても、第2の実施形態例と同様の効果を有する。
また、本例のアンテナ装置では、装着部31の対向する長辺2辺から延出されている板バネ部32a、32bの内側の一部領域を板バネ部32g、32hとすることにより、板バネ部32a、32bのバネ定数を小さくすることができる。これにより、装着部31の対向する長辺2辺から延出されている板バネ部32a、32bのバネ定数が、装着部31の対向する短辺2辺から延出されている板バネ部32c、32dのバネ定数と等しくなるように調整することができる。
このようにして、ケース10の4つの内周面に当接する4つの板バネ部32a、32b、32c、32dのバネ定数が等しくなるように設定することにより、磁性体コア21の外周面とケース10の内周面との隙間をバランス良く均一に保つことができ、アンテナ本体20をケース10に非接触状態で極めて安定して保持することができる。
【0053】
なお、本例の支持部材30では、板バネ部32a、32bの内側の一部領域を板バネ部32g、32hとしているが、例えば図14に示すように板バネ部32a、32bの左右両端部を板バネ部32g、32hとしても同様の効果を得ることができる。
【0054】
(第4実施形態例)
本発明の第4実施形態例に係るアンテナ装置を、図15図16を参照して説明する。図15図16において図1図6中の符号と同じ符号を付しているものは同等の構成要素を示しており、再度の説明は省略する
【0055】
本実施形態例は、支持部材30の構造が第1実施形態例と異なる。
具体的には、第1実施形態例の支持部材は、板状のものを折曲加工したものであるが、本実施形態例の支持部材は、筒状のものを元に折曲加工したものである。
【0056】
本例の支持部材30は、角筒状の装着部31aと4つの板バネ部32a、32b、32c、32dによって構成されている。
板バネ部32a、32b、32c、32dは、角筒状の装着部31aの4辺の端部に切り込みを入れ、90度を超える所定角度だけ外側に折り曲げることによって形成されており、いずれも矩形状を呈している。
【0057】
上記のようにして形成された板バネ部32a、32b、32c、32dは、装着部31を支点として適度なバネ性を有するとともに、板バネ部32aと板バネ部32bは同じバネ定数を有し、板バネ部32cと板バネ部32dは同じバネ定数を有するものとなる。
【0058】
支持部材30は、板バネ部32a、32b、32c、32dの先端が磁性体コア21の他端側(図16では右端側)を向くように、筒状の装着部31aが磁性体コア21の一端外周に嵌め込まれて固定される。
【0059】
アンテナ本体20は、支持部材30が装着された側から磁性体コア21の軸方向に沿ってケース10内に挿入される。
アンテナ本体20がケース10内に挿入されると、保持具40の筒状部41の外周面がケース10の内周面の所定の位置に係止され、磁性体コア21の先端とケース10の閉口面との間に所定の隙間が設けられるとともに、4つの板バネ部32a、32b、32c、32dの先端部分がケース10の4つの内周面に当接する。
その結果、板バネ部32a、32b、32c、32dがケース10の内周面を押圧しつつ、アンテナ本体20を4方向から支持することにより、アンテナ本体20はケースの内周面に非接触状態で保持され、磁性体コア21の外周面とケース10の内周面との間には隙間が確保される。
【0060】
本例のアンテナ装置においても、第1の実施形態例と同様の効果を有する。
また、本例のアンテナ装置では、支持部材30の装着部31aを筒状にし、装着部31aを磁性体コア21の外周に嵌め込むようにしているため、接着剤等を用いることなく磁性体コア21に支持部材30を装着可能である。
【0061】
また、本例のアンテナ装置では、保持具40の筒状部41の外周面がケース10の内周面の所定の位置に係止され、磁性体コア21の先端とケース10の閉口面との間に所定の隙間が設けられる構造になっている。このため、磁性体コア21の軸方向の衝撃や振動に対しても、磁性体コアの破損をより一層確実に防止することができる。
【0062】
(第5実施形態例)
本発明の第5実施形態例に係るアンテナ装置を、図17図18を参照して説明する。図17図18において図1図6中の符号と同じ符号を付しているものは同等の構成要素を示しており、再度の説明は省略する
【0063】
本実施形態例は、支持部材30の構造が第1実施形態例と異なる。
具体的には、本実施形態例の支持部材は、第1実施形態例の支持部材の装着部に別の耐熱性樹脂板を所定の形状に折曲加工したものを一体化したものである。
【0064】
本例の支持部材30は、装着部31と6つの板バネ部32a、32b、32c、32d、32i、32jによって構成されている。
板バネ部32a、32b、32c、32dは、装着部31の周囲4方向から延出されており、いずれも矩形状を呈している。
装着部31の下面に貼り付けられた折曲加工品には、2つの板バネ部32i、32jが形成されている。この2つの板バネ部32i、32jは、同じ大きさに形成されている。
【0065】
上記のようにして形成された板バネ部32a、32b、32c、32d、32i、32jは、装着部31を支点として適度なバネ性を有するとともに、板バネ部32aと板バネ部32bは同じバネ定数を有し、板バネ部32cと板バネ部32dは同じバネ定数を有し、板バネ部32iと板バネ部32jは同じバネ定数を有するものとなる。
【0066】
支持部材30は、板バネ部32a、32b、32c、32dの先端が磁性体コア21の他端側(図18では右端側)を向くように、装着部31が接着剤等によって磁性体コア21の端面に固定される。
【0067】
アンテナ本体20は、支持部材30が装着された側から磁性体コア21の軸方向に沿ってケース10内に挿入される。
アンテナ本体20がケース10内に挿入されると、保持具40の筒状部41の外周面がケース10の内周面に密着するとともに、4つの板バネ部32a、32b、32c、32dの先端部分がケース10の4つの内周面に当接し、2つの板バネ部32i、32jの先端部分がケース10の閉口面に当接する。
その結果、板バネ部32a、32b、32c、32dがケース10の内周面を押圧するとともに、板バネ部32i、32jがケース10の閉口面を押圧し、アンテナ本体20を5方向から支持することにより、アンテナ本体20はケースの内周面と閉口面に非接触状態で保持される。そして、磁性体コア21の外周面とケース10の内周面、および、装着部31とケース10の閉口面との間には隙間が確保される。
【0068】
本例のアンテナ装置においても、第1の実施形態例と同様の効果を有する。
また、本例のアンテナ装置では、支持部材30の複数の板バネ部は、ケース10の内面を磁性体コア21の軸方向に直交する2方向だけではなく、軸方向にも押圧する構造になっている。このため、磁性体コア21の軸方向の衝撃や振動に対しても、アンテナ本体20がケース10の閉口面に強く突き当たってしまうのを効果的に防ぐことができ、磁性体コアの破損をより一層確実に防止することができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態例を説明したが、本発明はこれらの実施形態例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態例を適宜に変形等できることは言うまでもない。
また、上記の実施形態例ではアンテナ装置を車両のドアハンドルに装着した場合を説明したが、本発明のアンテナ装置は住宅や事務所等のドアにも適用できるものである。
【符号の説明】
【0070】
10 ケース
20 アンテナ本体
21 磁性体コア
22 コイル導体
23 絶縁テープ
30 支持部材
31、31a 装着部
32a、32b、32c、32d、32e、32f、32g、32h、32i、32j 板バネ部
33a 谷折り線
33b、33d 山折り線
33c、33e 切込線
40 保持具
41 筒状部
42 端子保持部
43 端子部材
50 蓋
60 リード線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
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図18