(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6502123
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】生体情報測定装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/01 20060101AFI20190408BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
A61B5/01 100
A61B5/02 310G
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-40156(P2015-40156)
(22)【出願日】2015年3月2日
(65)【公開番号】特開2016-158878(P2016-158878A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2018年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】591182112
【氏名又は名称】NSウエスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅岡 海山
(72)【発明者】
【氏名】大極 祐介
(72)【発明者】
【氏名】北原 亮
【審査官】
清水 裕勝
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/170109(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0146890(US,A1)
【文献】
国際公開第2014/004905(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0010461(US,A1)
【文献】
特開平09−122083(JP,A)
【文献】
特開2006−204320(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/034742(WO,A1)
【文献】
特開2008−092356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00−5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳の内部で生体情報を測定する装置であって、
耳甲介及び耳珠の少なくとも一方に当接するように耳に装着される装着部を備え、
前記装着部の表面には、装着方向の正面側から見た中心から外側にずれた位置に外耳道に挿入するための突起部が突設されており、
前記装着部は、
前記突起部と前記装着部の装着方向の正面側から見た中心とを通る仮想平面に対する面対称構造であり、かつ、
検知部を有する複数のセンサ素子を備えていて、耳に装着された際に、前記複数のセンサ素子の検知部が耳珠、耳甲介又は外耳道に当接するか又は対向しかつ前記仮想平面上に位置するように構成されている
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の生体情報測定装置において、
前記複数のセンサ素子のうちの少なくとも1つは、前記突起部の近傍に配置されている
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の生体情報測定装置において、
前記装着部に相対回動可能に連結され、前記センサ素子からの計測結果を受ける装置本体と、
前記装着部及び前記装置本体の相対的位置を調整する調整機構とを備えている
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の生体情報測定装置において、
前記複数のセンサ素子は、体表温を測定するサーミスタを含み、
前記サーミスタは、前記複数のセンサ素子のうち、耳に装着された際に外耳道に最も近い位置に配置されている
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項5】
請求項2に記載の生体情報測定装置において、
前記複数のセンサ素子の少なくとも1つは、外耳道に光または超音波を照射するとともに、前記検知部で該外耳道からの反射成分を検知する非接触型センサ素子であり、
前記突起部には、前記非接触型センサ素子が配設されている
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の生体情報測定装置において、
前記装着部は、耳に装着された際に外耳道に向かって音を出射する音出射部をさらに備えている
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報を測定する生体情報測定装置に関するものであり、特に、耳に装着して生体情報を測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
耳に装着するインイヤー型イヤホンとして、例えば、左右それぞれの耳に対応した形状を有する2つの装着部を備え、該両装着部の耳甲介の下側に接する位置に脈拍センサ(赤外線センサ)を配設するセンサ付イヤホンが知られている。また、特許文献1,2には、弾性体又は挟持幅調節ネジの調整によりセンサ素子を耳珠に密着させて生体情報を測定する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−288644号公報
【特許文献2】特開2006−102164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、健康管理等の用途において、血圧、体表温度等のように異なる複数の生体情報を同時に計測することが望まれており、その場合、生体情報測定装置に複数のセンサ素子を配設する必要がある。一方で、見守り支援等のように、被験者が生体情報測定装置を継続的に装着するような用途では、装置の小型化や装着時の違和感を少なくすることが望まれており、日常生活の利便性、快適性を高める等の理由から片耳のみの装着で生体情報を測定できた方がよい場合がある。
【0005】
また、被験者の好みや取付時の体調等の理由から、1つの装着部を右耳と左耳との両方に装着可能であることが望まれており、測定精度の観点から鑑みると、左右どちらの耳に装着した場合においても、複数のセンサ素子が耳内の同じような部位に当接又は対向して測定できることが望ましい。
【0006】
しかしながら、上記センサ付イヤホンや特許文献1〜2に開示されている従来技術は、単一のセンサ素子を用いて測定を行う装置に関するものであり、複数のセンサ素子を用いて複数の異なる生体情報を収集する構造は開示されていない。当然ながら、左右両耳のどちらに装着した場合でも複数のセンサ素子が同じような場所に位置して測定できる構造も開示されていない。
【0007】
本発明は、複数のセンサ素子を有する生体情報測定装置において、左右両耳のどちらに装着した場合でも複数のセンサ素子が同じような場所に位置することで、より安定的な測定ができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る生体情報測定装置は、複数のセンサ素子を有する装着部を備え、該装着部が耳に装着された際に、複数のセンサ素子の検知部が、頭部起立状態で耳珠を通りかつ耳珠の上下高さの厚さを有する平板状の仮想領域上に位置するようにした。
【0009】
すわなち、本発明の第1態様の生体情報測定装置は、耳甲介及び耳珠の少なくとも一方に当接するように耳に装着される装着部を備え、前記装着部は、検知部を有する複数のセンサ素子を備えていて、耳に装着された際に、前記複数のセンサ素子の検知部が耳珠、耳甲介又は外耳道に当接するか又は対向しかつ頭部起立状態で耳珠を通りかつ耳珠の上下高さの厚さを有する平板状の仮想領域上に位置するように構成されている。
【0010】
本態様によると、生体情報測定装置において、装着部が耳に装着された際に、複数のセンサ素子の検知部が耳珠を通る平板状の仮想領域上に並んだ状態で位置するため、被験者が装着部を左右の耳のどちらに装着した場合においても、複数のセンサ素子(検知部)を耳内の同じような場所に位置させて、耳珠、耳甲介又は外耳道に当接するか又は対向させることができる。これにより、より安定的な生体情報の測定が可能になる。
【0011】
例えば、装着部を右耳に装着する際に、複数のセンサ素子(検知部)が耳珠に当接するように構成されていた場合において、上下方向を反転させて左耳に装着すると、複数のセンサ素子(検知部)をそれぞれ右耳と同じような位置で耳珠に当接させることができることとなる。
【0012】
本発明の第2態様では、第1態様記載の生体情報測定装置において、前記装着部は、前記仮想領域上に位置しかつ外耳道内面に向かって突出する突起部を備えている。
【0013】
本態様によると、突起部が外耳道内面に向かって突出しているため、被験者が装着部を耳に装着する場合における位置決めを容易にすることができる。さらに、突起部によって複数のセンサ素子(検知部)の位置をより安定的に耳内の同じような場所に位置させることができる。
【0014】
本発明の第3態様では、第1または第2態様に記載の生体情報測定装置において、前記装着部に相対回動可能に連結され、前記センサ素子からの計測結果を受ける装置本体と、前記装着部及び前記装置本体の相対的位置を調整する調整機構とを備えている。
【0015】
本態様によると、調整機構により、例えば、耳に装着された装置本体の角度を装着部に対し変更することができるようになるため、生体情報測定装置を耳に装着した際のファッション性や利便性を向上させることができる。
【0016】
本発明の第4態様では、第1から第3態様のいずれか1態様に記載の生体情報測定装置において、前記装着部は、頭部起立状態における前記仮想領域の上下が対称な形状である。
【0017】
本態様によると、例えば、装着部を右耳に装着する際と左耳に装着する際とで上下方向が反転した場合においても、装着部が耳内の同じような位置に当接して保持される。これにより、より安定的な生体情報の測定が可能になる。
【0018】
本発明の第5態様では、第2態様記載の生体情報測定装置において、前記複数のセンサ素子の少なくとも1つは、外耳道に光または超音波を照射するとともに、前記検知部で該外耳道からの反射成分を検知する非接触型センサ素子であり、前記突起部には、前記非接触型センサ素子が配設されている。
【0019】
本態様によると、突起部に非接触型センサ素子を配設することにより、被験者の肌に接触することなく生体情報を測定することができる。これにより、被験者の違和感を低減することができる。また、突起部と非接触型センサ素子とが一体的に構成されているため、コンパクトな構成にすることができる。
【0020】
本発明の第6態様では、第1から第5態様のいずれか1態様に記載の生体情報測定装置において、前記装着部は、前記仮想領域上に配設された音出射部をさらに備えている。
【0021】
本態様によると、音出射部が仮想領域上に配設されているため、被験者が装着部を左右の耳のどちらに装着した場合においても、音出射部を、例えば外耳道入口に安定的に位置させることができる。これにより、被験者が音出射部からの音をより明快に聞くことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、被験者が装着部を左右どちらの耳に装着しても複数のセンサ素子を耳内の同じような場所に位置させることができるため、生体情報測定装置に複数のセンサ素子を用いた場合においても、安定的な生体情報の測定を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】
図2のIII−III線拡大断面図であり、生体情報測定装置が耳に装着された状態を示した図である。
【
図4】生体情報測定装置の装着部を一部破断して示す斜視図であり、音出射部および調整機構を説明するための図である。
【
図5】生体情報測定装置の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0025】
(生体情報測定装置の構成)
図1は実施形態に係る生体情報測定装置の斜視図である。また、
図2は耳を顔の側面から見た図であり、
図3は生体情報測定装置が耳に装着された状態を示す
図2のIII−III線拡大断面図である。なお、
図2において、後述する生体情報測定装置1の装着部22の外形を仮想線で示している。
【0026】
図1に示すように、生体情報測定装置1は、装置本体10と、装置本体10に一体的に連結された測定部20とを備えている。装置本体10は、略矩形箱状の筐体11を有し、筐体11内には後述するAD変換部41及び演算部42を搭載した回路基板(図示しない)が収容されている。
【0027】
測定部20は、上記筐体11の装着方向側(
図1の上側)に位置する裏面の長手方向一端部に基端で一体的に連結固定され、該筐体11の厚さ方向に延びる円筒状の連結部21と、連結部21の先端部に連結部21の中心線回りに回動可能に取り付けられ、耳90に装着されるインイヤー型の装着部22と、連結部21と装着部22との間に設けられた調整機構23(
図4参照)とを備えている。
【0028】
連結部21の筐体側端部には、小径となるように段差状に括れた括れ部21aが形成されており、括れ部21aには、耳殻94に掛けることができるように湾曲するロッド状の耳かけ部12が着脱自在に取り付けられている。
【0029】
装着部22は、外表面がカバー30で覆われたもので、複数のセンサ24〜26及び音出射部27を備えている。複数のセンサ24〜26は、それぞれ検知部24a〜26aを有しており、該検知部24a〜26aは、頭部起立状態で耳珠91を通りかつ耳珠91の上下高さの厚さを有する平板状の仮想領域W上に配設されている。ここで、仮想領域Wは、頭部起立状態で耳珠91の上端を通る水平面A1と、頭部起立状態で耳珠91の下端を通る水平面A2との間に形成された領域である。この仮想領域W上には、上記各センサ24〜26の検知部24a〜26aに加えて音出射部27が配設されている。
【0030】
また、
図2に示すように、装着部22は、頭部起立状態における仮想領域の上下が対称な形状となるように構成されている。これにより、装着部22を右耳に装着する際と左耳に装着する際とで上下方向が反転した場合においても、装着部22が耳内の同じような位置に当接して保持される。
【0031】
図3は、人体の耳部を仮想領域Wの厚さ方向(
図2の上下方向)の中心(
図2ではIII−III線)で切断したときの断面図である。このIII−III線上には、センサ素子としての光学式脈拍センサ24、体表温センサ25及び動きセンサ26並びに音出射部27が並んで配設されている。より具体的には、装着部22の耳への装着状態で、光学式脈拍センサ24の検知部24a(例えば、光受光素子)及び体表温センサ25の検知部25a(例えば、サーミスタ)は、耳珠91の内側壁面に当接するように配設され、動きセンサ26の検知部26a(例えば、光受光素子)及び音出射部27は、外耳道92内壁と対向するように配設されている。このような構成とすることにより、装着部22を左右のどちらの耳に装着した場合においても、各センサ24〜26(検知部24a〜26a)及び音出射部27を
図3に示すような場所に位置させることができる。
【0032】
なお、
図1、
図3では、仮想領域Wの厚さ方向の中心に各センサ24〜26の検知部24a〜26aが配設されている例を示しているがこれに限定されず、仮想領域W内において、それぞれのセンサ24〜26(検知部24a〜26a)の厚さ方向の位置がずれていてもよく、同様の効果が得られる。
【0033】
また、
図4に示すように、装着部22は、耳への装着状態で、外耳道92内面に向かって外耳道入口92aより少し内側まで突出する突起部22aをさらに有している。突起部22aは、前記センサ24〜26及び音出射部27と同様に仮想領域W上に位置するもので、外耳道92側が全体にわたって開口しており、この突起部22aの開口の内側に動きセンサ26及び音出射部27が配設されている。音出射部27は、装着部22内に内蔵されたスピーカー27bと、スピーカー27bから出射された音を突起部22aの開口に誘導する音誘導路27aとによって構成されている。
【0034】
装着部22の外表面のカバー30は、光学式脈拍センサ24及び体表温センサ25が露出するように開口している。また、カバー30において、装着部22の突起部22aを覆う突起部分は、外形が外耳道入口92aの直径より小さく形成されており、装着した際の被験者の耳への負担が少ないように構成されている。また、カバー30の外耳道92内面側は略全体にわたって開口しており、音出射部27から出射された音や、動きセンサ26に出入される赤外線や超音波がこの開口を通過して耳内に向かう又はセンサに向かうように構成されている。
【0035】
なお、各センサ24〜26及び音出射部27の配列順序は特に限定されないが、例えば、体表温センサ25がサーミスタの場合、外耳道92に近い側に配設するのが好ましく、このことにより、外気の影響を受けにくいメリットがある。また、装着部22(突起部22a)とカバー30とが一体的に構成されていてもよい。また、上記カバー30の開口は必ずしも必要ではなく、例えば、赤外線や音を通すような素材でカバー30の開口部分が覆われるように構成されていてもよい。
【0036】
調整機構23は、
図4に示すように、連結部21に取り付けられて、該連結部21と一体的に回動する歯車23aと、装着部22の内側に一体的に取り付けられ、歯車23aの外周歯部と節度をもって係合する弾性変形可能な係合部23bとを備えている。上記調整機構23は、連結部21、すなわち該連結部21に一体的に連結固定された装置本体10と装着部22とが相対回動するとき、連結部21と一体の歯車23aにおける歯部に対する係合部23bの係合位置を変化させ、装置本体10と装着部22との相対回動位置が所望の位置まで調整された後は、歯車23aと係合部23bとの係合によって、該調整位置からの回動を抑制するようにしている。
【0037】
これにより、生体情報測定装置1を耳に装着した際のファッション性や利便性を向上させることができる。より具体的には、例えば、装置本体10を被験者の好みの角度に調整してファッション性を向上させたり、例えば、装置本体の下端部にマイクが付いているような場合には口元にマイクが近づくように調整したりすることができる。
【0038】
図5は、生体情報測定装置1の概略構成を示すブロック図である。
図5に示すように、各センサ24〜26による生体情報の測定結果は、AD(Analog to Digital)変換部41によって増幅及びAD変換され、演算部42によってデジタル信号処理されて、外部の携帯電話等の電子端末やインターネット等の回線に無線又は有線によって発信される。また、演算部42は、外部から受信又は内蔵記憶部に格納された音声ファイルや音声情報等に基づいて音出射部27に対して音声信号を出力する。
【0039】
以上のように、本実施形態によると、複数のセンサ24〜26の検知部24a〜26aが仮想領域W上に位置するように設けられているため、被験者が装着部22を左右の耳のどちらに装着した場合においても、複数のセンサ24〜26(検知部24a〜26a)を耳内の同じような場所に位置させて、耳珠91、耳甲介93又は外耳道92に当接するか又は対向させることができるようになる。これにより、複数のセンサ24〜26(検知部24a〜26a)が当接する位置や対向する位置が異なることによって生じる測定値のばらつきを低減することができるため、より安定的な生体情報の測定が可能になる。
【0040】
また、装着部22に突起部22aを設けることにより、被験者が装着部22を耳90に装着する際の位置決めを容易化することができる。さらに、上記位置決めがされることにより、複数のセンサ24〜26(検知部24a〜26a)の耳90への当接位置(対向位置)も安定化させることができる。加えて、上記装着の際にカバー30の突起部分が外耳道92内で遊びを持つように構成されているので、被験者の装着による違和感が少ない。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、種々の改変が可能である。
【0042】
−変形例−
例えば、装着部22に配設されるセンサ素子は、上記センサ24〜26に限定されず、光学式体温(体表温)センサ、マイクロフォン、心電センサ等の他の生体情報を測定するものであってもよく、上記センサ24〜26のうちの2つのセンサ素子を選択して配設するようにしてもよい。また、光学式脈拍センサ24及び体表温センサ25は、耳珠91の体内側表面に当接するものとしたが、生体情報を計測できるように配設されていればよく、例えば、
図3の29に示すように耳甲介93の表面に当接するように配設してもよく、例えば、耳珠91の内側壁面や耳甲介93に非接触で対向するように配設してもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、装着部22に突起部22aが設けられているものとしたが、突起部22aを設けないようにしてもよく、この場合においても同様の効果が得られる。ただし、光や超音波を外耳道92に反射させるような非接触型センサ素子(例えば、動きセンサ26)を装着部22に配設する場合は、該非接触センサ素子を突起部22aに設けることによって、外耳道92とセンサ素子との距離を近づけることができるメリットがある。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、左右どちらの耳にも装着可能であり、かつ安定的な生体情報の測定が可能であるため、例えば、見守り支援等のように継続的に被験者の日常生活における動きなどを測定したい用途において極めて有用である。
【符号の説明】
【0045】
1 生体情報測定装置
10 装置本体
22 装着部
22a 突起部
23 調整機構
24 脈拍センサ(センサ素子)
24a 検知部
25 体表温センサ(センサ素子)
25a 検知部
26 動きセンサ(非接触型センサ素子)
26a 検知部
27 音出射部
W 仮想領域