(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6502125
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】鉄筋コンクリート有孔梁
(51)【国際特許分類】
E04C 5/18 20060101AFI20190408BHJP
E04G 21/12 20060101ALI20190408BHJP
E02D 27/00 20060101ALI20190408BHJP
E04C 3/20 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
E04C5/18 105
E04G21/12 105A
E02D27/00 Z
E04C3/20
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-43212(P2015-43212)
(22)【出願日】2015年3月5日
(65)【公開番号】特開2016-160721(P2016-160721A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2018年3月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】515061525
【氏名又は名称】和泉 信之
(73)【特許権者】
【識別番号】000148346
【氏名又は名称】株式会社錢高組
(73)【特許権者】
【識別番号】596117821
【氏名又は名称】コーリョー建販株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】和泉 信之
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 治人
(72)【発明者】
【氏名】岩倉 知行
【審査官】
土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−087504(JP,A)
【文献】
特開平06−306872(JP,A)
【文献】
特開平10−068133(JP,A)
【文献】
特開平11−269893(JP,A)
【文献】
特開2000−104352(JP,A)
【文献】
特開2001−081904(JP,A)
【文献】
特開2014−122504(JP,A)
【文献】
特開2004−176412(JP,A)
【文献】
米国特許第05217326(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 5/00 − 5/20
E04C 3/00 − 3/46
E02D 27/01
E04G 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する鉄筋コンクリート有孔梁であって、
梁のスパン方向に沿って延びる鉄筋であって梁の幅方向に所定間隔を置いて配置される梁主筋と、
前記梁主筋に掛け回される梁フープ筋と、を備え、
前記梁主筋は、前記開口に対し上側と下側に配置され、
前記下側に配置される梁主筋の少なくとも一部は、前記幅方向において梁の領域外に配置されるととともに、前記梁の領域外に配置された梁主筋に前記梁フープ筋が掛け回される、
ことを特徴とする鉄筋コンクリート有孔梁。
【請求項2】
請求項1に記載の鉄筋コンクリート有孔梁において、梁の下側には耐圧盤が形成されており、
前記梁の領域外に配置される梁主筋は、前記耐圧盤内に配置される、
ことを特徴とする鉄筋コンクリート有孔梁。
【請求項3】
請求項1に記載の鉄筋コンクリート有孔梁において、梁の下側には前記幅方向に延設されて成る台状部が形成されており、
前記梁の領域外に配置される梁主筋は、前記台状部内に配置される、
ことを特徴とする鉄筋コンクリート有孔梁。
【請求項4】
請求項3に記載の鉄筋コンクリート有孔梁において、前記台状部の上面は、前記開口の下縁より低い位置にある、
ことを特徴とする鉄筋コンクリート有孔梁。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート有孔梁において、梁の下部は杭により支持され、
前記幅方向において梁の領域内に配置される梁主筋と前記杭に設けられた杭主筋とが交差する、
ことを特徴とする鉄筋コンクリート有孔梁。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート有孔梁において、前記開口の周囲に補強金具が配される、
ことを特徴とする鉄筋コンクリート有孔梁。
【請求項7】
請求項6に記載の鉄筋コンクリート有孔梁において、前記補強金具は、梁のスパン方向及び梁せい方向に対して略45°の方向に延びる鉄筋を備えて成る、
ことを特徴とする鉄筋コンクリート有孔梁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリート有孔梁に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリート建築物の梁には、特許文献1に示されるように配管や配線、或いは人通用の開口(貫通孔)が設けられる場合がある。また、地中梁は特許文献2に示されるように上部にスラブを配し、下部に耐圧盤が配される場合もある。
尚、上記のような貫通孔を有する梁を本明細書では鉄筋コンクリート有孔梁と称する。また、本明細書で記載する「鉄筋コンクリート」の用語は、鉄骨鉄筋コンクリートを含み、コンクリートを鉄筋で補強する全ての構造を含む意味で用いる。
【0003】
図5及び
図6は従来技術に係る鉄筋コンクリート有孔梁(以下、単に「梁」と称する)の一例を示すものであり、
図5は梁のスパン方向と直交する面で梁を切断した際の断面図(模式図)、
図6は梁主筋と杭主筋との関係を示す平面図(模式図)である。尚、
図5では図面の煩雑化を避ける為にハッチングは省略している。
図5及び
図6において符号100は床スラブ、符号200は梁、符号400は耐圧盤、をそれぞれ示している。梁200には貫通孔300が形成されている。
【0004】
床スラブ100において符号60は梁200のスパン方向(
図5の紙面表裏方向)に延びる床スラブ筋を示している。床スラブ筋60は
図5において梁200の幅方向(紙面左右方向)に適宜の間隔を置いて配置されている。尚、梁200の幅方向(
図5の紙面左右方向)に延びるとともに、梁200のスパン方向に適宜の間隔を置いて設けられる床スラブ筋60も設けられているが、
図5ではその図示は省略している。
【0005】
耐圧盤400において符号70は梁200のスパン方向に延びる耐圧盤鉄筋を示している。耐圧盤鉄筋70は
図5において梁200の幅方向に適宜の間隔を置いて配置されている。尚、梁200の幅方向に延びるとともに、梁200スパン方向に延びる耐圧盤鉄筋70も設けられているが、
図5ではその図示は省略している。
【0006】
梁200において符号90は梁200のスパン方向に延びる梁主筋を示している。梁主筋90は
図5において梁200の幅方向に適宜の間隔を置いて配置されている。梁主筋90は貫通孔300に対し上側と下側に設けられており、上下に配された梁主筋90にはフープ筋80が掛け回されている。
【0007】
図6において符号120は杭を示している。梁200の交差部位において杭120は梁200を支持している。杭120において符号130は杭主筋を示しており、杭主筋130の先端は梁200に入り込み、梁主筋90と交差している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014−122504号公報
【特許文献2】特開平05−79044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
地震時、梁200と耐圧盤400とが交差する部分の梁端側は応力が集中する為、損壊が生じ易い一方で、他方、例えば梁200のせいを大きくすれば掘削量が増えてしまうし、幅を増加させて構造性能を向上させても、施工コストの増大を招き、好ましくない。
【0010】
また、杭120により梁200を支持する部位では、梁主筋90と杭主筋130とが密に交差する為、施工が不可能となったり、或いは施工が可能であっても施工性が低下するといった問題が生じる。
【0011】
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、より一層コスト面及び施工性の面において優れた鉄筋コンクリート有孔梁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する為の本発明の第1の態様は、開口を有する鉄筋コンクリート有孔梁であって、梁のスパン方向に沿って延びる鉄筋であって梁の幅方向に所定間隔を置いて配置される梁主筋と、前記梁主筋に掛け回される梁フープ筋と、を備え、前記梁主筋は、前記開口に対し上側と下側に配置されるとともに、前記下側に配置される梁主筋の少なくとも一部は、前記幅方向において梁の領域外に配置されていることを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、開口を有する鉄筋コンクリート有孔梁において、梁主筋は、開口に対し上側と下側に配置されるとともに、下側に配置される梁主筋の少なくとも一部が、梁の幅方向において梁の領域外に配置されているので、梁主筋の配置間隔を拡げることによって過密配筋を避けることができ、施工性の向上を図ることができる。
【0014】
また、前記下側に配置される梁主筋の少なくとも一部は、前記幅方向において梁の領域外に配置されているとともに、梁主筋にはフープ筋が掛け回される。従って梁主筋とフープ筋とによるコンクリート補強効果が梁幅領域内のみならず梁幅領域外にも作用し、例えば梁と耐圧盤とが交差する部位(特に、梁端部と開口下部分)の強度を効果的に高めることが可能となる。
【0015】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、梁の下側には耐圧盤が形成されており、前記梁の領域外に配置される梁主筋は、前記耐圧盤内に配置されることを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、梁の下部には耐圧盤が形成されており、前記梁の領域外に配置される梁主筋は、前記耐圧盤内に配置されるので、梁の下部に耐圧盤が形成された構成において過密配筋を避けることができ、施工性の向上を図ることができる。また、梁と耐圧盤とが交差する部位(特に、梁端部と開口下部分)の強度を効果的に高めることが可能となる。
【0017】
本発明の第3の態様は、第1の態様において、梁の下側には前記幅方向に延設されて成る台状部が形成されており、前記梁の領域外に配置される梁主筋は、前記台状部内に配置されることを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、梁の下部には前記幅方向に延設されて成る台状部が形成されており、前記梁の領域外に配置される梁主筋は、前記台状部内に配置されるので、梁の下部に前記台状部が形成された構成において過密配筋を避けることができ、施工性の向上を図ることができる。
【0019】
加えて、梁に形成された開口へのアクセス性が向上する。即ち、前記開口が人通孔として形成されている場合であって、前記開口が高い位置にある場合には、点検者は梯子や台などを用いて前記開口にアクセスする必要がある。しかしながら前記台状部が形成されている為、当該台状部を昇降台として利用することができ、その結果前記開口へのアクセス性を向上させることができる。
【0020】
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記台状部の上面は、前記開口の下縁より低い位置にあることを特徴とする。
本態様によれば、前記台状部の上面は、前記開口の下縁より低い位置にあるので、前記台状部が前記開口を侵食せず、前記開口内へのアクセス性の低下を防止することができる。
【0021】
本発明の第5の態様は、第1から第4の態様のいずれかにおいて、梁の下部は杭により支持され、前記幅方向において梁の領域内に配置される梁主筋と前記杭に設けられた杭主筋とが交差することを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、梁の下部は杭により支持され、前記幅方向において梁の領域内に配置される梁主筋と前記杭に設けられた杭主筋とが交差するが、上記第1の態様によって梁主筋の過密配筋が避けられているため、梁主筋と杭主筋との干渉を避けることができる。その結果、施工性の向上を図ることができる。
【0023】
本発明の第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、前記開口の周囲に補強金具が配されることを特徴とする。
本態様によれば、前記開口の周囲に補強金具が配されるので、地震発生時の前記開口周囲のひび割れを抑制することができる。また、補強のための配筋が極めて容易となる。
【0024】
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記補強金具は、梁のスパン方向及び梁せい方向に対して略45°の方向に延びる鉄筋を備えて成ることを特徴とする。
【0025】
本態様によれば、前記補強金具は、梁のスパン方向及び梁せい方向に対して略45°の方向に延びる鉄筋を備えて成るので、前記開口に加わるせん断力に対してより確実に対抗することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図3】本発明の一実施形態に係る梁の梁主筋と杭主筋との関係を示す平面図。
【
図6】従来技術に係る梁主筋と杭主筋との関係を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。尚、各図において共通する構成には同一の符号を付し、重複する説明は避けることとする。
先ず、
図1〜
図3を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る梁2の断面図、
図2は梁2の正面図、
図3は梁2の梁主筋10A、10Bと杭12の杭主筋13との関係を示す平面図である。尚、
図4は本発明の他の実施形態に係る梁2Aの断面図であるが、当該他の実施形態については後に説明する。尚、各図は模式図であり、図面の煩雑化を避ける為にハッチング等は省略している。
【0028】
図1、
図2には鉄筋コンクリート梁・床構造が示されている。この鉄筋コンクリート梁・床構造は、梁2と、梁2の上部に形成される床スラブ1と、梁2の下部に形成される耐圧盤4と、によって構成される。
【0029】
床スラブ1において符号6は、梁2のスパン方向(
図1の紙面表裏方向、
図2の紙面左右方向)に延びる床スラブ筋を示している。床スラブ筋6は
図1において梁2の幅方向(紙面左右方向)に適宜の間隔を置いて配置されている。床スラブ筋6は、本実施形態では二段に構成されている。尚、梁2の幅方向に延びるとともに、梁2のスパン方向に適宜の間隔を置いて設けられる床スラブ筋6も設けられているが、
図1ではその図示は省略している。
【0030】
耐圧盤4において符号7は、梁2のスパン方向に延びる耐圧盤鉄筋を示している。耐圧盤鉄筋7は
図1において梁2の幅方向に適宜の間隔を置いて配置されている。耐圧盤鉄筋7は、本実施形態では二段に構成されている。尚、梁2の幅方向に延びるとともに、梁2のスパン方向に延びる耐圧盤鉄筋7も設けられているが、
図1ではその図示は省略している。
【0031】
梁2において符号9、10A、10Bは、梁2のスパン方向に延びる梁主筋を示している。梁主筋9、10A、10Bは
図1において梁2の幅方向に適宜の間隔を置いて配置されている。梁主筋9、10A、10Bは、本実施形態では二段に構成されている。このうち梁主筋9の上段は、梁せい方向(
図1及び
図2の上下方向)において床スラブ1の領域内に位置している。また梁主筋10A、10Bは、梁せい方向において耐圧盤4の領域内に位置している。
【0032】
梁主筋9は貫通孔3に対し上側に設けられており、梁主筋9にはフープ筋8Aが掛け回されている。梁主筋10A、10Bは貫通孔3に対し下側に設けられており、梁主筋10Aにはフープ筋10Aが掛け回されている。また、梁主筋10Bにはフープ筋8Cが掛け回されている。尚、
図2において符号8Dは、梁スパン方向において貫通孔3の領域外に設けられたフープ筋である。
フープ筋8A、8B、8C、8Dは、
図2に示すように梁2のスパン方向において適宜の間隔をあけて複数配置される。
【0033】
尚、梁主筋9、10A、10Bは、例えば直径25〜41mmの鉄筋を用いることができる。また、床スラブ筋6および耐圧盤鉄筋7は、例えば直径10〜19mmの鉄筋を用いることができる。即ち、梁主筋9、10A、10Bには、床スラブ筋6および耐圧盤鉄筋7より大径の鉄筋が用いられる。
【0034】
梁2において符号3は梁2の幅方向に貫通する貫通孔を示しており、この貫通孔3によって梁2の幅方向両側に開口が形成された状態となっている。この貫通孔3の周囲には、補強金具5が配されている。補強金具5は環状に形成されており、より具体的には梁2のスパン方向(
図2において左右方向)及び梁せい方向(
図2において上下方向)に対して略45°の方向に延びる鉄筋を備えて構成されている。
【0035】
この様に、補強金具5は、梁2のスパン方向及び梁せい方向に対して略45°の方向に延びる鉄筋を備えて構成されている為、貫通孔3の開口に加わるせん断力に対してより確実に対抗することができる。またこの様な補強金具5を用いることで、補強のための配筋が極めて容易となる。但し、本発明に係る鉄筋コンクリート梁・床構造では、補強金具5を省略することもできる。
尚、貫通孔3の上下に配された符号11で示す鉄筋は、開口補強筋である。
【0036】
図1において符号Dは梁せいを示しており、符号Hは貫通孔3の直径を示し、符号Fは耐圧盤4と貫通孔3との段差を示しており、符号Eは耐圧盤4の高さを示している。また、符号Wは梁2の幅方向占有領域を示している。
貫通孔3の直径Hを梁せいDの1/3を超え1/2以下とすれば、根入れ深さを抑制することができ、施工面及びコスト面において好適な鉄筋コンクリート梁・床構造とすることができる。
例えば、貫通孔3の直径Hを600〜800mmとし、梁せいDを1200〜1600mmとすることができる。
このとき、例えば梁2の幅Wは750mmとすることができる。
【0037】
また、例えば梁せいD=1200mm、貫通穴直径H=600mm、の場合、耐圧盤4の高さE=200mm、段差F=100mmとすることができる。
或いは、例えば梁せいD=1600mm、貫通穴直径H=800mm、の場合、耐圧盤4の高さE=300mm、段差F=100mmとすることができる。
【0038】
以上の構成を備える鉄筋コンクリート梁・床構造は、例えば耐圧盤4のコンクリートを打設後、梁2のコンクリートを打設し、次いで床スラブ筋1のコンクリートを打設することで構築することができる。
【0039】
以上の構成を備える鉄筋コンクリート梁・床構造における特徴は、梁主筋10Bの配置にある。即ち、開口を形成する貫通孔3に対し下側に配置される梁主筋10Bが、梁2の幅方向において梁2の領域Wに対し外側に配置されている。
これにより、梁主筋10A、10Bの配置間隔を拡げることによって過密配筋を避けることができ、施工性の向上を図ることができる。
【0040】
例えば、
図3において符号12は杭を示している。梁2の交差部位において杭12は梁2を支持している。杭12において符号13は杭主筋を示しており、杭主筋13の先端は梁2に入り込み、梁主筋10Aと交差している。梁主筋10Bは梁2の領域外に配置されている為、杭主筋13とは交差しない。即ち、梁主筋10Bが梁2の領域外に配置されているため、梁主筋の過密配筋を避け、梁主筋と杭主筋13との干渉を避けることができ、良好な施工性を確保することができる。
【0041】
尚、図示の便宜上、
図3(及び
図6)において杭主筋13は杭12の外周に沿って等間隔に配置されていない部分があるが、実際の施工においては、多くの場合等間隔に配置され、そしてその様に等間隔に配置された杭主筋13を避けるように、梁主筋10A、10Bが配置される。また、杭主筋13は杭12の外周寄りに配置されているが、杭12の中心寄りに配置されていても良い。
尚、杭径が1500mmのとき、杭主筋13は、例えば直径38mmの鉄筋を用い、本数を24〜36本程度とすることができる。
【0042】
また、梁2の交差部位にフーチングを設け、杭12がフーチングを支持する構造としても良い。その様に構成する場合には、杭主筋13とフーチング主筋(不図示)との干渉を避けることができ、良好な施工性を確保することができる。
【0043】
また、梁主筋10Bにはフープ筋8Cが掛け回される。従って梁主筋10Bとフープ筋8Cとによるコンクリート補強効果が梁幅領域内のみならず梁幅領域外にも作用し、例えば梁2と耐圧盤4とが交差する部位(特に、梁端部と貫通孔3の下部分)の強度を効果的に高めることが可能となる。
【0044】
以上のように梁主筋10Bを梁幅領域外に配置することにより過密配筋を避け、良好な施工性を確保することができる。尚、上記実施形態では梁主筋10Bを梁幅領域外である耐圧盤4内に配置したが本発明はその様な実施形態に限られない。
【0045】
例えば、
図4に示すように、梁2の下部において梁幅方向に延設されて成る台状部14に梁主筋10Bを配置しても良い。
この様に梁2の下部が台状部14と一体化された構成において過密配筋を避けることができ、施工性の向上を図ることができる。
【0046】
加えて、梁2に形成された貫通孔3へのアクセス性が向上する。即ち、貫通孔3が人通孔として形成されている場合であって、貫通孔3の下縁3aが高い位置にある場合には、点検者は梯子や台などを用いて貫通孔3にアクセスする必要がある。しかしながら台状部14が形成されている為、当該台状部14を昇降台として利用することができ、その結果貫通孔3へのアクセス性を向上させることができる。
この台状部14は、梁2のスパン方向全域に渡って形成しても良いし、或いは貫通孔3の下側を含む所定の範囲にのみ形成しても良い。
【0047】
尚、本実施形態では台状部14の上面14aは、貫通孔3の下縁3aより低い位置にある。これにより台状部14が貫通孔3を侵食せず、貫通孔3へのアクセス性の低下を防止することができる。但し、台状部14の上面14aと貫通孔3の下縁3aとを同じ高さとすることもできる。
【0048】
また、台状部14は、本実施形態では一段に形成されているが、例えば台状部14の上面14aと貫通孔3の下縁3aとの間の段差が大きい場合には、例えば台状部14の上面14aと貫通孔3の下縁3aとの間を階段状に形成することもできる。
【符号の説明】
【0049】
1 床スラブ
2 鉄筋コンクリート有孔梁
3 貫通孔
4 耐圧盤
5 補強金具
6 床スラブ筋
7 耐圧盤鉄筋
8A、8B、8C フープ筋
9 梁主筋
10A、10B 梁主筋
11 開口補強筋
12 杭
13 杭主筋
14 台状部