特許第6502127号(P6502127)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6502127
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】車両用ディスクブレーキ
(51)【国際特許分類】
   F16D 69/00 20060101AFI20190408BHJP
   F16D 65/092 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
   F16D69/00 G
   F16D65/092 C
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-43792(P2015-43792)
(22)【出願日】2015年3月5日
(65)【公開番号】特開2016-161121(P2016-161121A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226677
【氏名又は名称】日信工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 道雄
(72)【発明者】
【氏名】小林 靖
(72)【発明者】
【氏名】樋口 祐多
【審査官】 杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−093739(JP,U)
【文献】 実開昭59−141234(JP,U)
【文献】 実用新案登録第2552633(JP,Y2)
【文献】 特開平09−264350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 49/00 − 71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクロータの一側部に配置され、ピストンを収容するシリンダ孔を備えた作用部と、前記ディスクロータの他側部に配置され、反力爪を備えた反作用部とをブリッジ部で連結してキャリパボディを形成し、該キャリパボディを、前記ディスクロータの一側部で車体に固設するキャリパブラケットに、前記キャリパボディの車両前進時におけるディスク回出側及びディスク回入側に配置される一対のスライドピンを介してディスク軸方向にスライド可能に支持すると共に、前記ディスクロータを挟んで作用部側と反作用部側とに、ライニングと裏板とを備えた摩擦パッドをそれぞれ配置した車両用ディスクブレーキにおいて、
作用部側の前記摩擦パッドは、車両走行時に前記ディスクロータとの間に発生する負圧を逃がすための負圧逃がし部を形成し
前記負圧逃がし部は、作用部側の前記摩擦パッドの車両前進時におけるディスク回入側に、前記ライニングのディスクロータ側の一部を、前記ディスク回入側の側部から切り欠いて形成されていることを特徴とする車両用ディスクブレーキ。
【請求項2】
ディスクロータの一側部に配置され、ピストンを収容するシリンダ孔を備えた作用部と、前記ディスクロータの他側部に配置され、反力爪を備えた反作用部とをブリッジ部で連結してキャリパボディを形成し、該キャリパボディを、前記ディスクロータの一側部で車体に固設するキャリパブラケットに、前記キャリパボディの車両前進時におけるディスク回出側及びディスク回入側に配置される一対のスライドピンを介してディスク軸方向にスライド可能に支持すると共に、前記ディスクロータを挟んで作用部側と反作用部側とに、ライニングと裏板とを備えた摩擦パッドをそれぞれ配置した車両用ディスクブレーキにおいて、
作用部側の前記摩擦パッドは、車両走行時に前記ディスクロータとの間に発生する負圧を逃がすための負圧逃がし部を形成し
前記負圧逃がし部は、作用部側の前記摩擦パッドの車両前進時におけるディスク回入側に、前記ライニングを、該ライニングのディスクロータ側面から反ディスクロータ側面に亘って、前記ディスク回入側の側部から切り欠いて形成されていることを特徴とする車両用ディスクブレーキ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行車両に搭載される車両用ディスクブレーキに係り、詳しくは、車体に固設されるキャリパブラケットに、一対のスライドピンを介してキャリパボディをディスク軸方向にスライド可能に支持すると共に、ディスクロータを挟んで一対の摩擦パッドをディスク軸方向に移動可能に配置したピンスライド型の車両用ディスクブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ピンスライド型の車両用ディスクブレーキでは、制動解除時に一対の摩擦パッドをパッド戻しスプリングを用いてディスクロータの側面から強制的に引き戻し、摩擦パッドの引き摺り防止やジャダの発生の防止を図ったものがあった(例えば、特許文献1参照。)。また、反作用部側の摩擦パッドを制動解除時に強制的にディスクロータの側面から引き戻すものとして、反作用部側の摩擦パッドに貫通孔を形成し、該貫通孔内に形成した段部とブラケットとの間にパッド戻しスプリングを装着したものがあった(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2552633号公報
【特許文献2】特開平9−264350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ピンスライド型の車両用ディスクブレーキでは、制動時に摩擦パッドとディスクロータとの摺接により発生する制動トルクによりキャリパボディに曲げモーメントが発生し、ピストンがディスクロータの側面に対して傾いた状態で摩擦パッドを押動することがあり、制動が解除されてキャリパボディが初期位置に復帰しても、摩擦パッドがディスクロータに対して傾いた状態となり、ディスクロータと摩擦パッドのディスク回入側との間に形成される隙間が、ディスクロータと摩擦パッドのディスク回出側との間に形成される隙間より狭くなることがあった。また、制動を繰り返す事によりディスクロータが摩擦熱により熱変形した後、制動が解除されディスクロータが冷却されて元の形状に戻ると、ディスクロータと摩擦パッドとの間隔がさらに不均一となることがあった。このように、ディスクロータの側面に対して摩擦パッドが傾いた状態で車両が走行してディスクロータが回転すると、ディスクロータと摩擦パッドとの隙間が狭い箇所に負圧が発生し、摩擦パッドがディスクロータに張り付く虞があった。
【0005】
上述の特許文献1及び2のものでは、制動解除時にパッド戻しスプリングによってディスクロータの側面から摩擦パッドを強制的に引き戻すようにしているが、パッド戻しスプリングでは、制動トルクやディスクロータの熱変形等により、制動解除時に摩擦パッドとディスクロータとの間に形成される隙間が不均一な状態となることは矯正できないことから、ディスクロータと摩擦パッドとの間に発生する負圧によって、摩擦パッドがディスクロータに張り付き、摩擦パッドの引き摺りやジャダが発生することは抑制できなかった。
【0006】
そこで本発明は、車両走行中にディスクロータと摩擦パッドとの間に負圧が発生することを防止し、摩擦パッドの引き摺りやジャダの発生を抑制することができる車両用ディスクブレーキを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の車両用ディスクブレーキは、ディスクロータの一側部に配置され、ピストンを収容するシリンダ孔を備えた作用部と、前記ディスクロータの他側部に配置され、反力爪を備えた反作用部とをブリッジ部で連結してキャリパボディを形成し、該キャリパボディを、前記ディスクロータの一側部で車体に固設するキャリパブラケットに、前記キャリパボディの車両前進時におけるディスク回出側及びディスク回入側に配置される一対のスライドピンを介してディスク軸方向にスライド可能に支持すると共に、前記ディスクロータを挟んで作用部側と反作用部側とに、ライニングと裏板とを備えた摩擦パッドをそれぞれ配置した車両用ディスクブレーキにおいて、作用部側の前記摩擦パッドは、車両走行時に前記ディスクロータとの間に発生する負圧を逃がすための負圧逃がし部を形成し、前記負圧逃がし部は、作用部側の前記摩擦パッドの車両前進時におけるディスク回入側に、前記ライニングのディスクロータ側の一部を、前記ディスク回入側の側部から切り欠いて形成されていることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の車両用ディスクブレーキは、ディスクロータの一側部に配置され、ピストンを収容するシリンダ孔を備えた作用部と、前記ディスクロータの他側部に配置され、反力爪を備えた反作用部とをブリッジ部で連結してキャリパボディを形成し、該キャリパボディを、前記ディスクロータの一側部で車体に固設するキャリパブラケットに、前記キャリパボディの車両前進時におけるディスク回出側及びディスク回入側に配置される一対のスライドピンを介してディスク軸方向にスライド可能に支持すると共に、前記ディスクロータを挟んで作用部側と反作用部側とに、ライニングと裏板とを備えた摩擦パッドをそれぞれ配置した車両用ディスクブレーキにおいて、作用部側の前記摩擦パッドは、車両走行時に前記ディスクロータとの間に発生する負圧を逃がすための負圧逃がし部を形成し、前記負圧逃がし部は、作用部側の前記摩擦パッドの車両前進時におけるディスク回入側に、前記ライニングを、該ライニングのディスクロータ側面から反ディスクロータ側面に亘って、前記ディスク回入側の側部から切り欠いて形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の車両用ディスクブレーキによれば、ピストンによって押動される作用部側の摩擦パッドに、車両走行時に前記ディスクロータとの間に発生する負圧を逃がすための負圧逃がし部を形成したことにより、車両走行中に、摩擦パッドがディスクロータに張り付くことを防止でき、摩擦パッドの引き摺りやジャダの発生を抑制することができる。
【0010】
また、負圧逃がし部を作用部側の摩擦パッドの車両前進時におけるディスク回入側に形成したことにより、車両前進時において、ディスクロータと摩擦パッドの間で最も負圧を発生しやすい箇所に負圧逃がし部を効果的に形成することができる。さらに、負圧逃がし部を作用部側の摩擦パッドの車両前進時におけるディスク回出側にも形成することにより、車両後退時においても、ディスクロータと摩擦パッドとの間に発生する負圧を逃がすことができる。
【0011】
また、負圧逃がし部を、摩擦パッドのディスクロータ側面と反ディスクロータ側面とを貫通する貫通孔で形成したことにより、摩擦パッドのディスクロータ側と大気側とを連通でき、負圧を逃がしやすい。さらに、負圧逃がし部を、ライニングのディスクロータ側の一部を切り欠いて形成したり、ライニングのディスクロータ側面から反ディスクロータ側面に亘って切り欠いて形成することにより、簡単な構造でディスクロータと摩擦パッドとの間に発生する負圧を良好に逃がすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1形態例を示す車両用ディスクブレーキの断面平面図である。
図2図1のII−II断面図である。
図3】本発明の第2形態例を示す車両用ディスクブレーキの断面平面図である。
図4】本発明の第3形態例を示す車両用ディスクブレーキの断面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び図2は、本発明の車両用ディスクブレーキの一形態例を示す図で、矢印Aは、車両前進時に車輪と一体に回転するディスクロータの回転方向であり、以下で述べるディスク回出側及びディスク回入側とは車両前進時におけるものとする。
【0014】
本形態例の車両用ディスクブレーキ1は、ディスクロータ2の一側部で車体に固設されるキャリパブラケット3に、ディスクロータ2の外周をディスク軸方向へ延びる一対のキャリパ支持腕3a,3aを延設し、両キャリパ支持腕3a,3aに、一対のスライドピン4,4を介して、キャリパボディ5をディスク軸方向へ移動可能に支持するもので、各スライドピン4は、キャリパボディ5の作用部5aの両側へ突出する取付腕5b,5bに、それぞれ取付ボルト6によって突設され、また、各キャリパ支持腕3aには、このスライドピン4をスライド可能に収容する袋状のガイド孔3bがそれぞれ形成されている。
【0015】
キャリパブラケット3は、ディスクロータ2の一側部で車体取付部3c,3cに挿通される固定ボルトを、車体(何れも図示せず)にねじ止めして固着され、キャリパブラケット3の両端には、ディスクロータ2の外側を跨いでキャリパボディ5のブリッジ部5cのディスク回入側と回出側とを挟みながら、作用部5a方向へ突出する前記一対のキャリパ支持腕3a,3aが延設されている。また、キャリパ支持腕3a,3aの対向面には、制動トルクを受けるトルク受段部3d,3dが形成されるとともに、キャリパ支持腕3a,3aの車体反取付け側は、タイロッド3eで連結されている。
【0016】
キャリパボディ5は、ディスクロータ2の両側に対向配置される作用部5a及び反作用部5dと、キャリパ支持腕3a,3aの間でディスクロータ2の外周を跨いでこれらを連結するブリッジ部5cとからなっている。作用部5aには、上述の取付腕5b,5bと、ピストン7がピストンシール8を介して収容されるシリンダ孔5eと、該シリンダ孔5eの底部に画成される液圧室9とが設けられ、また、反作用部5dには、反力爪5f,5fが設けられている。
【0017】
ピストン7と反力爪5fとの間には、作用部側の摩擦パッド10と反作用部側の摩擦パッド11とが、ディスクロータ2を挟んで対向配置されている。キャリパボディ5に取り付けられたスライドピン4,4は、キャリパブラケット3のガイド孔3bにそれぞれ挿通され、各ガイド孔3b,3bの開口部近傍と、スライドピン4,4の軸部外周との間に、蛇腹状のダストブーツ12,12がそれぞれ装着されている。
【0018】
摩擦パッド10,11は、ディスクロータ2の側面と摺接するライニング10a,11aと、キャリパ支持腕3a,3aに形成される金属製の裏板10b,11bとからなっている。裏板10b,11bの両側部には、一対の耳片10c,11cがそれぞれ突設されており、摩擦パッド10,11は、耳片10c,10c,11c,11cをキャリパ支持腕3a,3aのトルク受段部3d,3dにそれぞれ係止させ、トルク受段部3d,3d上をディスク軸方向へスライド可能に配置されている。また、作用部側の摩擦パッド10のライニング10aは、ディスク回入側のディスク半径方向中央部が、ディスクロータ側面から反ディスクロータ側面に亘って立方体状に切り欠かれて、負圧逃がし部10dが形成されている。
【0019】
このように形成された本形態例の車両用ディスクブレーキ1では、図示しない周知の液圧マスタシリンダで発生した液圧が、液圧室9に供給されると、ピストン7がシリンダ孔5eをディスクロータ方向へ前進して、作用部側の摩擦パッド10をディスクロータ2の一側面へ押圧する。次に、この反作用によって、キャリパボディ5がスライドピン4,4に案内されながら、作用部5a方向へ移動していき、反作用部5dの反力爪5fが、反作用部側の摩擦パッド11をディスクロータ2の他側面へ押圧して制動作用が行われる。
【0020】
制動時の摩擦パッド10,11は、ディスクロータ2とライニング10a,11aとの摺接によってディスク回出方向へ引き摺られ、各裏板10b,11bのディスク回出側の側端面が、トルク受段部3d,3dと当接する。この時発生する制動トルクにより、キャリパボディ5には、ディスク回入側を反作用部方向へ、ディスク回出側を作用部方向へ挙動させるようとする曲げモーメントが生じ、作用部側の摩擦パッド10はディスク回入側がディスク回出側よりもディスクロータ2に強く押圧される。
【0021】
制動が解除されると、ピストン7がピストンシール8の復元力でシリンダ孔の底部方向へ後退し、これに伴って、キャリパボディ5に生じていた曲げモーメントが解除され、キャリパボディ5は初期位置に復帰するが、作用部側の摩擦パッド10は、ディスク回入側がディスク回出側よりもディスクロータ2に強く押圧されていたことから、ディスクロータ2とライニング10aのディスク回入側との間に形成される隙間が、ディスクロータ2とライニング10aのディスク回出側との間に形成される隙間よりも狭くなることがあり、摩擦パッド10がディスクロータ2に対して傾いた状態で保持されることがあった。さらに、制動を繰り返す事によりディスクロータ2が摩擦熱により熱変形した後、制動が解除されディスクロータ2が冷却されて元の形状に戻ると、ディスクロータ2と摩擦パッド10との間隔が不均一となることがあった。
【0022】
このような状態で車両が走行してディスクロータ2が回転すると、ディスクロータ2と摩擦パッド10のライニング10aとの隙間が狭いディスク回入側の隙間に負圧が発生し、摩擦パッド10のライニング10aがディスクロータ2に張り付く虞があるが、本形態例では、作用部側の摩擦パッド10のライニング10aのディスク回入側のディスク半径方向中央部に、切欠きによって形成された負圧逃がし部10dが形成されていることから、負圧の発生を防止することができ、ライニング10aがディスクロータ2に張り付く虞がないことから、摩擦パッド10の引き摺りやジャダの発生を抑制することができる。
【0023】
図3及び図4は、本発明の他の形態例を示す車両用ディスクブレーキの断面平面図で、第1形態例と同様の構成要素を示すものには、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0024】
図3は、本発明の第2形態例を示すもので、本形態例の作用部側の摩擦パッド13のライニング13aは、ディスク回入側のディスク半径方向中央部が、ディスクロータ側面から立方体状に一部分が切り欠かれて負圧逃がし部13bが形成されている。
【0025】
図4は、本発明の第3形態例を示すもので、本形態例の作用部の摩擦パッド14のライニング14aと裏板14bとには、ディスク回入側のディスク半径方向中央部と、ディスク回出側のディスク半径方向中央部とに、ディスクロータ側面と反ディスクロータ側面とを貫通する2つの貫通孔で形成された負圧逃がし部14c,14cが形成されている。本形態例では、ディスク回出側にも負圧逃がし部14cを形成したことにより、車両後退時においても、ディスクロータ2と摩擦パッド14の間の負圧を逃がすことができる。また、負圧逃がし部14c,14cが貫通孔で形成されていることにより、摩擦パッド10のディスクロータ側と大気側とを連通させることができ、負圧を逃がしやすい。
【0026】
尚、本発明は、上述の各形態例に限るものではなく、ライニングのディスク回入側とディスク回出側とを切り欠いて負圧逃がし部を形成したものや、摩擦パッドのディスク回入側にのみ貫通孔で形成した負圧逃がし部を形成したものでも良く、負圧逃がし部の形状や形成箇所は任意である。さらに、摩擦パッドの耳片や、キャリパブラケットのトルク受部の位置や形状は任意であり、また、摩擦パッドをハンガーピンで吊持するタイプのものにも適用することができる。さらに、キャリパボディの形状も本形態例に限らず、ピストンや反力爪の数は任意である。
【符号の説明】
【0027】
1…車両用ディスクブレーキ、2…ディスクロータ、3…キャリパブラケット、3a…キャリパ支持腕、3b…ガイド孔、3c…車体取付部、3d…トルク受段部、3e…タイロッド、4…スライドピン、5…キャリパボディ、5a…作用部、5b…取付腕、5c…ブリッジ部、5d…反作用部、5e…シリンダ孔、5f…反力爪、6…取付ボルト、7…ピストン、8…ピストンシール、9…液圧室、10,11…摩擦パッド、10a,11a…ライニング、10b,11b…裏板、10c,11c…耳片、10d…負圧逃がし部、12…ダストブーツ、13…摩擦パッド、13a…ライニング、13b…負圧逃がし部、14…摩擦パッド、14a…ライニング、14b…裏板、14c…負圧逃がし部
図1
図2
図3
図4