(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施形態1.
本発明の第1の実施形態の通信装置100について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の通信装置100の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態の通信装置100は、第1のSIMカードスロット110、第2のSIMカードスロット120、通信部130、通信量監視部140、日時情報生成部150、記憶部160、および制御部170を含む。
【0015】
第1のSIMカードスロット110および第2のSIMカードスロット120には、SIMカードがそれぞれ装着される。なお、本例では、第2のSIMカードスロット120には、(1)所定の値に制限された通信速度で、通信量を制限されることなく通信をすることができる契約、に従った通信サービスの提供先を識別する識別情報が記憶された第2のSIMカード220が装着されているとする。また、本例では、第1のSIMカードスロット110には、(2)所定の通信量まで、(1)の通信速度よりも速い速度で通信をすることができる契約、に従った通信サービスの提供先を識別する識別情報が記憶された第1のSIMカード210が装着されているとする。
【0016】
通信部130は、携帯電話網等の移動体通信網の基地局と通信を行う。通信量監視部140は、通信部130が送信したデータの量と受信したデータの量との合計である通信量を積算する。日時情報生成部150は、現在日時を示す日時情報を生成して制御部170に入力する。記憶部160には、第1のSIMカードスロット110に装着されている第1のSIMカード210に応じた契約内容、および第2のSIMカードスロット120に装着されている第2のSIMカード220に応じた契約内容を含む契約内容情報が記憶される。また、記憶部160には、ユーザの使用態様を示す使用態様情報が記憶される。制御部170は、通信装置100の全体を制御する。
【0017】
なお、通信装置100は、例えば、携帯電話機や可搬型コンピュータ等に接続されて、それら装置と移動体通信網の基地局との間の通信を中継するモバイルルータや、携帯電話機等である。また、制御部170は、例えば、プログラム制御に従って処理を実行するCPU(Central Processing Unit)によって実現される。
【0018】
次に、本発明の第1の実施形態の通信装置100の動作について説明する。まず、本発明の第1の実施形態の通信装置100の記憶部160に、契約内容情報を記憶させる動作について説明する。
図2は、記憶部160に、契約内容情報を記憶させる動作を示すフローチャートである。
【0019】
図2に示すように、制御部170は、ユーザによってなされた操作に応じて、契約に基づいて提供をうけるサービスの態様を特定する(ステップS101)。具体的には、制御部170は、通信装置100に接続された装置や、自装置の表示手段(図示せず)に、契約に基づいて提供をうけるサービスをユーザに選択させる画面を表示させる。より具体的には、本例では、第2のSIMカードスロット120に装着されている第2のSIMカード220に応じた契約に基づいて、(1)の通信速度よりも速い速度で通信をすることができる所定の通信量の積算期間をユーザに選択させる画面を表示させる。所定の通信量の積算期間とは、なされた通信による通信量を、契約内容に応じて所定の通信量に到達するまで積算する期間であり、例えば、1日や、30日、1か月等である。本例では、SIMカード220に応じた、前述した(2)の契約によれば、当該期間を経過したり、当該期間の経過前に通信量が所定の通信量に到達したりした場合に、通信部130は、移動体通信網の基地局とデータ通信を行うことができなくなるとする。なお、SIMカード220に応じた、前述した(2)の契約に基づいて、当該期間を経過したり、当該期間の経過前に通信量が所定の通信量に到達したりした場合に、通信部130は、当初の通信速度よりも遅い通信速度で移動体通信網の基地局とデータ通信を行うように設定されていてもよい。
【0020】
制御部170は、表示手段に表示された画面に応じて、通信装置100に接続された装置や、自装置の操作手段(図示せず)にユーザによってなされた操作に応じて、所定の通信量の積算期間を特定する。
【0021】
制御部170は、ステップS101の処理で、操作手段になされた操作に応じて、所定の通信量の積算期間が1日であると特定した場合に(ステップS101のY)、ステップS102の処理に移行し、そうでない場合に(ステップS101のN)、ステップS103の処理に移行する。
【0022】
そして、制御部170は、ステップS102の処理で、記憶部160に記憶されている契約内容情報に、所定の通信量を設定する(ステップS102)。具体的には、制御部170は、通信装置100に接続された装置や、自装置の表示手段に、契約内容に従った所定の通信量の入力をユーザに促す画面を表示させる。そして、制御部170は、表示手段に表示された画面に応じて、通信装置100に接続された装置や、自装置の操作手段(図示せず)にユーザによってなされた操作に応じて、所定の通信量を特定する。そして、制御部170は、記憶部160に記憶されている契約内容情報に、特定した所定の通信量を設定して、処理を終了する。
【0023】
図3は、記憶部160に記憶されている契約内容情報の例を示す説明図である。
図3に示す例において、Aの行には、ステップS102の処理で設定された内容に応じて、1日あたりの通信量が100MBであることが示されている。
【0024】
また、制御部170は、ステップS103の処理で、記憶部160に記憶されている契約内容情報に、所定の通信量の積算期間を設定する(ステップS103)。具体的には、制御部170は、通信装置100に接続された装置や、自装置の表示手段に、契約内容に従った所定の通信量の積算期間の入力をユーザに促す画面を表示させる。そして、制御部170は、表示手段に表示された画面に応じて、通信装置100に接続された装置や、自装置の操作手段にユーザによってなされた操作に応じて、所定の通信量の積算期間を特定する。そして、制御部170は、記憶部160に記憶されている契約内容情報に、特定した所定の通信量の積算期間を設定する。
【0025】
さらに、制御部170は、記憶部160に記憶されている契約内容情報に、所定の通信量を設定する(ステップS104)。具体的には、制御部170は、通信装置100に接続された装置や、自装置の表示手段に、契約内容に従った所定の通信量の入力をユーザに促す画面を表示させる。そして、制御部170は、表示手段に表示された画面に応じて、通信装置100に接続された装置や、自装置の操作手段にユーザによってなされた操作に応じて、所定の通信量を特定する。そして、制御部170は、記憶部160に記憶されている契約内容情報に、特定した所定の通信量を設定する。
【0026】
制御部170は、ステップS103の処理で設定された所定の通信量の積算期間と、ステップS104の処理で設定された所定の通信量とに基づいて、1日あたりの通信量を算出する(ステップS105)。そして、制御部170は、記憶部160に記憶されている契約内容情報に、ステップS105の処理による算出結果を設定する。
【0027】
なお、制御部170は、
図1に示す各処理を、ユーザの要求処理に応じて行ってもよいし、SIMカードスロット110,120に装着されたSIMカード210,220が変更されたことを検出した場合に行ってもよい。
【0028】
図3に示す例において、Bの行には、ステップS103の処理で設定された内容に応じて、所定の通信量の積算期間が30日であることが示されている。また、
図3に示す例において、Bの行には、ステップS104の処理で設定された内容に応じて、所定の通信量が3GBであることが示されている。そして、
図3に示す例において、Bの行には、ステップS105の処理で算出された内容に応じて、1日あたりの通信量が100MBであることが示されている。
【0029】
次に、本発明の第1の実施形態の通信装置100の記憶部160に、ユーザの使用態様に応じた使用態様情報を設定する動作について説明する。
図4は、記憶部160に、使用態様情報を設定する動作を示すフローチャートである。
【0030】
制御部170は、まず、ユーザによってなされた操作に応じて、ユーザが高速通信を行いたい指定日時を設定する場合に(ステップS201のY)、ステップS203の処理に移行し、そうでない場合に(ステップS201のN)、ステップS202の処理に移行する。
【0031】
具体的には、制御部170は、通信装置100に接続された装置や、自装置の表示手段に、高速通信を行いたい指定日時があるか否かをユーザに選択させる画面を表示させる。そして、制御部170は、表示手段に表示された画面に応じて、通信装置100に接続された装置や、自装置の操作手段にユーザによってなされた操作に応じて、指定日時を設定するか否かを判断する。そして、制御部170は、指定日時を設定すると判断した場合に(ステップS201のY)、ステップS203の処理に移行し、そうでない場合に(ステップS201のN)、ステップS202の処理に移行する。
【0032】
制御部170は、ステップS202の処理で、ユーザに、使用したいSIMカードを選択させる(ステップS202)。
【0033】
具体的には、制御部170は、通信装置100に接続された装置や、自装置の表示手段に、使用したいSIMカードをユーザに選択させる画面を表示させる。そして、制御部170は、表示手段に表示された画面に応じて、通信装置100に接続された装置や、自装置の操作手段にユーザによってなされた操作に応じて、高速通信に応じたSIMカードを選択する。制御部170は、選択結果に従ったSIMカードに記憶されている情報に基づいて処理を実行することに決定し、処理を終了する。
【0034】
また、制御部170は、ステップS203の処理で、ユーザが高速通信を行いたい指定日時のうち曜日を設定する(ステップS203)。
【0035】
具体的には、制御部170は、通信装置100に接続された装置や、自装置の表示手段に、高速通信を行いたい曜日をユーザに選択させる画面を表示させる。そして、制御部170は、表示手段に表示された画面に応じて、通信装置100に接続された装置や、自装置の操作手段にユーザによってなされた操作に応じて、ユーザが高速通信を行いたい曜日を設定する。
【0036】
さらに、制御部170は、ステップS203の処理で特定された曜日において、ユーザが高速通信を行いたい時間帯を設定する(ステップS204)。
【0037】
具体的には、制御部170は、通信装置100に接続された装置や、自装置の表示手段に、高速通信を行いたい時間帯をユーザに選択させる画面を表示させる。そして、制御部170は、表示手段に表示された画面に応じて、通信装置100に接続された装置や、自装置の操作手段にユーザによってなされた操作に応じて、ユーザが高速通信を行いたい時間帯を設定する。
【0038】
制御部170は、ユーザが高速通信を行いたい指定日時をさらに設定する場合に(ステップS205のY)、ステップS203の処理に移行し、そうでない場合に(ステップS205のN)、ステップS206の処理に移行する。
【0039】
具体的には、制御部170は、通信装置100に接続された装置や、自装置の表示手段に、高速通信を行いたい指定日時がさらにあるか否かをユーザに選択させる画面を表示させる。そして、制御部170は、表示手段に表示された画面に応じて、通信装置100に接続された装置や、自装置の操作手段にユーザによってなされた操作に応じて、指定日時をさらに設定するか否かを判断する。そして、制御部170は、指定日時をさらに設定すると判断した場合に(ステップS205のY)、ステップS203の処理に移行し、そうでない場合に(ステップS205のN)、ステップS206の処理に移行する。
【0040】
図5は、ステップS203,S204の処理で設定された、ユーザの使用態様に応じた使用態様情報の例を示す説明図である。
図5に示す例では、月曜日に、7:00〜8:00の間、および19:00〜20:30の間に高速通信を行うことが使用態様情報に設定されている。また、
図5に示す例では、火曜日に、7:00〜8:00の間、12:00〜13:00の間、および19:00〜20:30の間に高速通信を行うことが使用態様情報に設定されている。
図5に示す例では、水曜日に、7:00〜8:00の間、および17:00〜21:00の間に高速通信を行うことが使用態様情報に設定されている。また、
図5に示す例では、金曜日に、7:00〜8:00の間、および19:00〜20:30の間に高速通信を行うことが使用態様情報に設定されている。
【0041】
制御部170は、ステップS206の処理で、
図2に示すステップS102の処理結果またはステップS105の処理結果に基づいて設定された、
図3に示す記憶部160に記憶されている契約内容情報を参照する(ステップS206)。そして、制御部170は、各曜日ごとに1時間あたりの通信量を算出して(ステップS207)、算出結果を使用態様情報に設定し、処理を終了する。
【0042】
なお、各曜日ごとの1時間あたりの通信量は、制御部170が、
図3に示す契約内容情報における1日あたりの通信量を、
図5に示す使用態様情報における各曜日ごとの高速通信の使用時間の合計で除算することで算出される。
【0043】
具体的には、例えば、月曜日における高速通信の使用時間の合計は、2時間30分である。そこで、制御部170が、
図3に例示した1日あたりの通信量である100MBを2.5で除算すると、1時間あたりの通信量は、40MBである。そして、制御部170が、算出した1時間あたりの通信量である10MBを、7:00〜8:00の時間帯の1時間および19:00〜20:30の時間帯の1.5時間に均等にそれぞれ割り当てる。すると、7:00〜8:00の時間帯に40MBが割り当てられ、19:00〜20:30の時間帯に60MBが割り当てられる。
【0044】
図5の通信量の欄には、当該算出の結果に基づいて割り当てられた、各時間帯ごとの通信量が示されている。なお、
図5に示す例では、各時間帯の通信量の合計が、
図3に示す契約内容情報における1日あたりの通信量と合致するように適宜調整されている。
【0045】
次に、通信部130が通信を行う場合に制御部170が行うSIMカードの選択処理について説明する。
図6は、SIMカードの選択処理を示すフローチャートである。
【0046】
制御部170は、まず、日時情報生成部150が生成した日時情報と、
図5に示す契約内容情報とに基づいて、現在の曜日に高速通信の時間帯が設定されているか否かを判断する(ステップS301)。なお、制御部170は、例えば、記憶部160に予め記憶されている各日付と曜日とが対応付けられた暦情報に基づいて、現在の曜日を特定可能であるとする。
【0047】
制御部170は、現在の曜日に高速通信を使用する時間帯が設定されていると判断した場合に(ステップS301のY)、記憶部160に記憶されている通信量情報を読み出す(ステップS302)。
【0048】
通信量情報について説明する。通信量情報とは、通信部130が行った通信による通信量を含む通信量に関する情報である。
図7は、記憶部160に記憶されている通信量情報の例を示す説明図である。
図7に示すように、通信量情報は、
図5に示す使用態様情報における現在日時が含まれる時間帯に使用可能な通信量を示す使用可能通信量情報、当該時間帯に使用した通信量を示す使用通信量情報、当該時間帯に使用可能な通信残量を示す残使用可能通信量情報、当日に使用した通信量を示す当日使用通信量情報、および対応するSIMカードに基づく累計通信量を示す累計通信量情報を含む。
【0049】
図7には、使用可能通信量情報に60MBが設定されていることが示されている。また、
図7には、使用通信量情報に10MBが設定されていることが示されている。
図7には、残使用可能通信量情報に50MBが設定されていることが示されている。また、
図7には、当日使用通信量情報に50MBが設定されていることが示されている。
図7には、累計通信量情報に400MBが設定されていることが示されている。
【0050】
そして、制御部170は、日時情報生成部150が生成した日時情報が示す日時が、契約内容情報が示す時間帯に含まれているか否かを判断する(ステップS303)。制御部170は、日時情報生成部150が生成した日時情報が示す日時が、契約内容情報が示す時間帯に含まれていない場合に(ステップS303のN)、第2のSIMカードスロット120に装着されている第2のSIMカード220に基づく通信を行うと決定する(ステップS304)。そして、制御部170は、第2のSIMカード220に基づく通信を通信部130に指示してステップS303の処理に移行し、通信部130は、第2のSIMカード220に基づく通信を行う。なお、第2のSIMカード220に基づく通信とは、例えば、第2のSIMカード220に記憶されている識別情報に基づいて提供される通信サービスに応じた通信をいう。
【0051】
制御部170は、日時情報生成部150が生成した日時情報が示す日時が、契約内容情報が示す時間帯に含まれている場合に(ステップS303のY)、第1のSIMカードスロット110に装着されている第1のSIMカード210に基づく通信を行うと決定する(ステップS305)。さらに、日時情報生成部150が生成した日時情報が示す日時が、契約内容情報が示す時間帯に含まれており(ステップS306のY)、通信量監視部140が積算した通信量が、使用可能通信量情報が示す通信量を超えるまで(ステップS307のN)、制御部170は、第1のSIMカード210に基づく通信を通信部130に指示し、通信部130は、第1のSIMカード210に基づく通信を行う。また、制御部170は、通信量監視部140に、通信部130が行う通信による通信量の積算を指示する。通信量監視部140は、制御部170の指示に応じて通信部130が行う通信による通信量を積算する。なお、第1のSIMカード210に基づく通信とは、例えば、第1のSIMカード210に記憶されている識別情報に基づいて提供される通信サービスに応じた通信をいう。
【0052】
日時情報生成部150が生成した日時情報が示す日時が、契約内容情報が示す時間帯に含まれなくなった場合(ステップS306のN)、または通信量監視部140が積算した通信量が、使用可能通信量情報が示す通信量を超えた場合に(ステップS307のY)、制御部170は、第2のSIMカードスロット120に装着されている第2のSIMカード220に基づく通信を行うと決定する(ステップS308)。
【0053】
そして、制御部170は、第2のSIMカード220に基づく通信を通信部130に指示してステップS309の処理に移行し、通信部130は、第2のSIMカード220に基づく通信を行う。また、制御部170は、通信量監視部140に、通信部130が行う通信による通信量の積算の停止を指示する。通信量監視部140は、制御部170の指示に応じて通信部130が行う通信による通信量の積算を停止する。
【0054】
制御部170は、ステップS309の処理で、日時情報生成部150が生成した日時情報が示す日時に基づいて、現在時刻以後の当日に、契約内容情報が示す時間帯があるか否かを判断する(ステップS309)。
【0055】
制御部170は、現在時刻以後の当日に、契約内容情報が示す時間帯があると判断した場合に(ステップS309のY)、通信量監視部140が積算した通信量に基づいて、
図5に示す使用態様情報を更新し(ステップS310)、ステップS303の処理に移行する。具体的には、制御部170は、ステップS310の処理で、使用可能通信量情報が示す通信量から通信量監視部140が積算した通信量を減じた差の通信量を、使用態様情報が示す、当日の現在時刻以後の時間帯の通信量に加算する。
【0056】
より具体的には、
図5に示す例では、水曜日の7:00〜8:00の時間帯に設定されている通信量は20MBなのであるが、当該時間帯に通信量監視部140が積算した通信量が10MBであったとする。すると、制御部170は、20MB−10MB=10MBの演算を行う。そして、制御部170は、算出した10MBを、17:00〜21:00の時間帯に設定されている通信量である80MBに加算する。すなわち、制御部170は、10MB+80MB=90MBの演算を行い、演算結果である90MBを17:00〜21:00の時間帯の通信量に設定する。
【0057】
また、
図5に示す例では、火曜日の7:00〜8:00の時間帯に設定されている通信量は28MBなのであるが、当該時間帯に通信量監視部140が積算した通信量が18MBであったとする。すると、制御部170は、28MB−18MB=10MBの演算を行う。そして、制御部170は、算出した10MBを、12:00〜13:00の時間帯に設定されている通信量、および19:00〜20:30の時間帯に設定されている通信量に割り振って加算する。例えば、制御部170は、12:00〜13:00の時間帯に設定されている通信量、および19:00〜20:30の時間帯に設定されている通信量に、それぞれ5MBずつ割り振って加算する。すなわち、制御部170は、5MB+28MB=33MBの演算を行い、演算結果である33MBを12:00〜13:00の時間帯の通信量に設定する。また、制御部170は、5MB+44MB=49MBの演算を行い、演算結果である49MBを19:00〜20:30の時間帯の通信量に設定する。なお、制御部170は、例えば、各時間帯の長さに応じた割合で当該各時間帯に通信量を割り振るように構成されていてもよい。また、使用可能通信量情報が示す通信量から通信量監視部140が積算した通信量を減じた差が0MBであった場合には、使用可能通信量情報が示す通信量が全て使用されたので、他の時間帯への通信量の割り当ては行われない。
【0058】
制御部170は、ステップS301の処理で、現在の曜日に高速通信を使用する時間帯が設定されていないと判断した場合に(ステップS301のN)、
図7に例示した通信量情報を読み出して(ステップS311)、更新し、通信装置100に接続された装置や、自装置の表示手段に、表示させる。
【0059】
具体的には、制御部170は、ステップS105の処理で算出し、
図3に示す契約内容情報における1日あたりの通信量の値に、使用可能通信量情報の値を更新する。また、制御部170は、通信量監視部140が積算している通信量に、使用通信量情報の値を更新する。当日における通信の開始前であれば、通信量監視部140が積算している通信量は0MBであるので、使用通信量情報の値は0MBに更新される。制御部170は、更新された使用可能通信量情報の値から更新された使用通信量情報の値を減算した差に、残使用可能通信量情報の値を更新する。使用通信量情報の値が0MBであれば、残使用可能通信量情報の値は、更新された使用可能通信量情報の値になる。また、制御部170は、当日における通信の開始前であれば、当日使用通信量情報の値を0MBに更新する。なお、累計通信量情報は、本処理では更新されずに表示される。
【0060】
そして、制御部170は、第1のSIMカードスロット110に装着されている第1のSIMカード210に基づく通信を行うと決定する(ステップS312)。通信量監視部140が積算した通信量が、使用可能通信量情報が示す通信量を超えるまで(ステップS313のN)、制御部170は、第1のSIMカード210に基づく通信を通信部130に指示し、通信部130は、第1のSIMカード210に基づく通信を行う。また、制御部170は、通信量監視部140に、通信部130が行う通信による通信量の積算を指示する。通信量監視部140は、制御部170の指示に応じて通信部130が行う通信による通信量を積算する。
【0061】
通信量監視部140が積算した通信量が、使用可能通信量情報が示す通信量を超えた場合に(ステップS313のY)、制御部170は、第2のSIMカードスロット120に装着されている第2のSIMカード220に基づく通信を行うと決定する(ステップS314)。
【0062】
そして、制御部170は、第2のSIMカード220に基づく通信を通信部130に指示し、通信部130は、第2のSIMカード220に基づく通信を行う。また、制御部170は、通信量監視部140に、通信部130が行う通信による通信量の積算の停止を指示する。通信量監視部140は、制御部170の指示に応じて通信部130が行う通信による通信量の積算を停止する。
【0063】
なお、制御部170は、ステップS302の処理で、
図7に例示した通信量情報を更新して、通信装置100に接続された装置や、自装置の表示手段に、表示させてもよい。具体的には、制御部170は、使用可能通信量情報の値を、日時情報が示す日時が含まれている、
図5に示す各時間帯に設定されている通信量に更新する。また、制御部170は、使用通信量情報の値を、通信量監視部140が積算している通信量に更新する。当該時間帯における通信の開始前であれば、通信量監視部140が積算している通信量は0MBであるので、使用通信量情報の値は0MBに更新される。制御部170は、残使用可能通信量情報の値を、更新された使用可能通信量情報の値から更新された使用通信量情報の値を減算した差に更新する。使用通信量情報の値が0MBであれば、残使用可能通信量情報の値は、更新された使用可能通信量情報の値になる。また、制御部170は、日時情報が示す日時以前に、
図5に各時間帯のいずれもが到来していない場合に、当日使用通信量情報の値を0MBに更新する。なお、累計通信量情報は、本処理では更新されずに表示される。
【0064】
本実施形態によれば、制御部170が、ユーザによって予め契約内容情報に設定された時間帯以外を、当該時間帯よりも低速で通信を行うように通信部130に指示するように構成されている。そして、制御部170は、当該時間帯には、通信部130に高速で通信を行うように指示する。したがって、ユーザは、予め契約内容情報に設定された時間帯に、自動的に、高速な通信サービスの提供を受けることができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、制御部170が、ユーザによって予め契約内容情報に設定された時間帯ごとに、高速通信で使用可能な通信量を設定する。そして、制御部170は、当該時間帯ごとに、設定された通信量を超えるまで、通信部130に高速で通信を行うように指示する。したがって、高速通信で使用可能な通信量は、各時間帯で平準化されて設定される。よって、ユーザは、予め契約内容情報に設定されたいずれもの時間帯に、自動的に、高速な通信サービスの提供を受けることができる。すると、SIMカードに応じた契約の期間内に、当該契約に応じた通信量を超過してしまい、ユーザが高速な通信サービスの提供を受けられなくなる事態の発生を良好に防止することができる。
【0066】
実施形態2.
次に、本発明の第2の実施形態の通信装置102について説明する。本発明の第1の実施形態の通信装置100は、日時に応じて通信に使用するSIMカードを切り替える。それに対して、本発明の第2の実施形態の通信装置102は、位置に応じて通信に使用するSIMカードを切り替える。
【0067】
図8は、本発明の第2の実施形態の通信装置102の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、本発明の第2の実施形態の通信装置102は、第1のSIMカードスロット112、第2のSIMカードスロット122、通信部132、記憶部162、制御部172、および位置情報生成部182を含む。
【0068】
第1のSIMカードスロット112および第2のSIMカードスロット122には、SIMカードがそれぞれ装着される。なお、本例では、第1のSIMカードスロット112には、複数の国内で通信サービスの提供を受けることができる契約に応じた第1のSIMカード212が装着されているとする。また、本例では、第2のSIMカードスロット122には、一の国内で通信サービスの提供を受けることができる契約に応じた第2のSIMカード222が装着されているとする。当該一の国内は、当該複数の国内に含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。なお、本例では、当該複数の国内に当該一の国内が含まれている場合に、ユーザは、当該一の国内で、第2のSIMカード222に応じた契約によって、第1のSIMカード212に応じた契約による通信サービスよりも有利な条件で通信サービスの提供を受けることができるとする。
【0069】
通信部132は、携帯電話網等の移動体通信網の基地局と通信を行う。位置情報生成部182は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星から信号を受信して、受信した信号に基づいて現在位置を示す位置情報を生成する。記憶部162には、制御部172が、位置情報生成部182が生成した位置情報に基づいて、通信装置102の現在位置が一の国内であるか否かを判断可能な情報が記憶されている。本例では、記憶部162には、位置情報に基づいて現在位置が一の国内であるか否かを判断可能な地図情報が記憶されているとする。制御部172は、通信装置102の全体を制御する。
【0070】
次に、本発明の第2の実施形態の通信装置102の動作について説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態の通信装置102の動作を示すフローチャートである。
図9に示すように、制御部172は、まず、位置情報生成部182から位置情報を取得する(ステップS401)。そして、制御部172は、ステップS401の処理で取得した位置情報が示す現在位置と、記憶部162に記憶されている地図情報とに基づいて、現在位置が一の国内であるか否かを判断する(ステップS402)。なお、制御部172は、ステップS401の処理で取得した位置情報が示す現在位置と、記憶部162に記憶されている地図情報とに基づいて、現在位置を特定してもよい。
【0071】
制御部172は、現在位置が一の国内であると判断した場合に(ステップS402のY)、第2のSIMカードスロット122に装着されている第2のSIMカード222に基づく通信を行うと決定する(ステップS403)。そして、制御部170は、第2のSIMカード222に基づく通信を通信部132に指示し、通信部132は、第2のSIMカード222に基づく通信を行う。
【0072】
制御部172は、現在位置が一の国内でないと判断した場合に(ステップS402のN)、以下の処理を行う。すなわち、制御部172は、第2のSIMカードスロット122に装着されている第1のSIMカード212に基づく通信を行うと決定する。そして、制御部172は、現在使用すると設定されているSIMカードが第1のSIMカード212である場合に(ステップS404のY)、第1のSIMカード212に基づく通信を通信部132に指示する(ステップS405)。すると、通信部132は、第1のSIMカード212に基づく通信を行う。
【0073】
また、制御部172は、現在使用すると設定されているSIMカードが第1のSIMカード212でない場合に(ステップS404のN)、第1のSIMカード212を使用するSIMカードに設定し、第1のSIMカード212に基づく通信を通信部132に指示する(ステップS406)。すると、通信部132は、第1のSIMカード212に基づく通信を行う。
【0074】
本実施形態によれば、位置情報生成部182が位置情報を生成する。そして、制御部172が、位置情報が示す位置に応じたSIMカードに基づく通信を行うと決定する。したがって、通信装置102の位置に応じて、自動的に、適切なSIMカードを用いた通信を行うことができる。
【0075】
実施形態3.
次に、本発明の第3の実施形態の通信装置10について、図面を参照して説明する。
図10は、本発明の第3の実施形態の通信装置10の構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、本発明の第3の実施形態の通信装置10は、保持部11、日時情報生成部15、記憶部16、通信部13、および制御部17を含む。
【0076】
保持部11は、例えば、
図1に示す本発明の第1の実施形態における第1のSIMカードスロット110および第2のSIMカードスロット120に相当する。日時情報生成部15は、例えば、
図1に示す本発明の第1の実施形態における日時情報生成部150に相当する。記憶部16は、例えば、
図1に示す本発明の第1の実施形態における記憶部160に相当する。通信部13は、例えば、
図1に示す本発明の第1の実施形態における通信部130に相当する。制御部17は、例えば、
図1に示す本発明の第1の実施形態における制御部170に相当する。
【0077】
保持部11には、複数のSIMカードを装着可能である。日時情報生成部15は、現在の日時を示す日時情報を生成する。記憶部16は、情報を記憶する。通信部13は、保持部11に装着されている複数のSIMカードのいずれかに記憶されている識別情報に基づいて提供されるサービスに応じた通信を行う。制御部17は、提供されるサービスを選択するために、複数のSIMカードのいずれかを選択する。
【0078】
そして、記憶部16には、一のSIMカードに応じたサービスの提供を受けたい使用期間を示す使用態様情報が記憶される。
【0079】
また、制御部17は、日時情報が示す日時が、使用態様情報によって示される使用期間内である場合に一のSIMカードを選択し、使用期間外である場合に他のSIMカードを選択する。
【0080】
そして、通信部13は、制御部17が選択したSIMカードに記憶されている識別情報に基づいて提供されるサービスに応じた通信を行う。
【0081】
本実施形態によれば、ユーザが手間をかけることなく、使用態様および契約内容に応じて通信サービスの提供を受けることができる。