(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、
図1〜
図11を用いて、本発明の一実施の形態の画像読取装置について詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0018】
[画像読取装置]
図1は、本実施の形態の画像読取装置の構成として、主要部の断面の構成を示す。本実施の形態の画像読取装置は、上部装置1、下部装置2を含む。上部装置1は、CISユニット10、移動機構3、搬送ローラ4等を備える。下部装置2は、背景部20、搬送ローラ4、スタッカ8、等を備える。
【0019】
説明上の方向として、X,Y,Z方向を示す。X,Y方向は、水平面を構成する方向であり、Z方向は鉛直方向である。水平面において、X方向は横方向、Y方向は縦方向である。Y方向は、用紙9の搬送方向や、縦A4タイプの用紙9の縦方向や、CISユニット10の移動方向と対応する。X方向は、CISユニット10のセンサの複数の撮像素子の配列方向と対応する。
図1では、Y,Z方向での断面を示す。
【0020】
用紙9は、画像読み取り対象の原稿用紙、例えば縦A4タイプの用紙である。スタッカ8には、複数の用紙9が積層可能となっている。用紙9は、搬送ローラ4を含む搬送機構により、上部装置1と下部装置2との間の搬送路9aを搬送される。搬送ローラ4は、用紙9をY方向で搬送させるためのローラである。
【0021】
画像読取装置は、搬送機構により搬送ローラ4を駆動することにより、スタッカ8上の用紙9を一枚ずつ、上部装置1と下部装置2の間の搬送路9aに繰り出し、Y方向で搬送させ、反対側へ排出させる。なお、Y方向でスタッカ8の反対側には、搬送路9aから排出される用紙を積層するホッパー等を有してもよい。
【0022】
移動機構3は、CISユニット移動機構及び位置切り替え機構であり、CISユニット10をY方向で所定範囲内で連続的に移動させて、CISユニット10のセンサによるY方向の読取位置を連続的に切り替える機構である。
【0023】
上部装置1と下部装置2との間で、Y方向の搬送路9aの途中には、CISユニット10と背景部20とが対向するように設けられている。背景部20は、Y方向で所定位置に固定で設けられている。CISユニット10は、移動機構3によりY方向で所定範囲内で連続的に移動可能に設けられている。
【0024】
本実施の形態の画像読取装置は、搬送される用紙9の画像を光学的に読み取るための読取ユニットとして、CISユニット10を有する。CISユニット10は、密着型イメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)を備えるユニットである。CISユニット10は、背景部20及び用紙9に対する密着光学系を構成する。密着光学系により、Z方向において、背景部20及び用紙9の面とセンサとの距離が短い。CISにより、コンパクトな構成、ウォームアップ不要、低消費電力、等が実現できる。CISユニット10のY方向の連続的な移動に伴い、センサの読取位置もY方向で連続的な移動が可能となっている。
【0025】
背景部20は、CISユニット10に対する下部ユニットであり、後述の
図2の黒背景領域20A及び白背景領域20Bを含み、通常の画像読み取りの際、及び補整の際に、背景を構成する。
【0026】
[CISユニット及び背景部]
図2は、CISユニット10及び背景部20の構成として、Y,Z方向での断面の構成を示す。
図2では、CISユニット10のセンサ15のY方向の読取位置が、背景部20の白基準部22の中央である位置P3にある状態を示している。
【0027】
搬送路9aは、CISユニット10と背景部20との間で、Y方向で用紙9が搬送される経路、及びZ方向での用紙9の位置を示す。なお、図面では、説明の便宜のため、用紙9の搬送路9aについて、CISユニット10の下面であるガラス面13aと、背景部20の上面であるガラス面25aとの間に隙間を設けて図示している。密着光学系であるため、実際にはこの隙間の距離は短い。用紙9は、搬送機構により搬送路9aで搬送されることにより、CISユニット10の下面であるガラス面13aと、背景部20の上面であるガラス面25aとの間を通過する。
【0028】
CISユニット10は、光源、導光体12、ガラス13、レンズ14、センサ15を有する。CISユニット10は、通常の画像読み取り時、及び補整時には、Z方向で背景部20へ向けて光を出射し、背景部20または用紙9からの反射光を入射し、読取信号として読み取る。
【0029】
光源は、図示しないが、X方向の所定位置に設けられている。光源としては、例えばR,G,Bの3色の発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子が用いられる。導光体12は、光源から発生した光を、CISユニット10内部に導き、Z方向の下方向へ向けて出射する。
【0030】
ガラス13は、CISユニット10のZ方向の下側のXY平面に設けられた透過部であり、センサ15等を保護し、CISユニット10の出射光や入射光を透過する。レンズ14は、光学系を構成するレンズアレイであり、背景部20または用紙9からの反射光を、Z方向でガラス13を介して入射し、その入射光をセンサ15へ導く。
【0031】
センサ15は、ラインイメージセンサであり、X方向でライン状に配列された複数の撮像素子を含む。センサ15は、レンズ14を通じたZ方向の入射光を、画素に関係付けられた撮像素子毎に受光し、撮像素子毎に、受光のレベルを、読取信号として出力する。
【0032】
背景部20は、黒背景領域20A、白基準領域20B、ガラス25等を含む。ガラス25は、背景部20の上面であるXY平面に設けられた透過部であり、黒背景部21、白基準部22、及び黒背景部23の上面を覆って保護している。
【0033】
背景部20は、Y方向で右側から順に、第1背景部である黒背景部21、第2背景部である白基準部22、第3背景部である黒背景部23を備える。黒背景領域20Aとして、黒背景部21及び黒背景部23を有し、白基準領域20Bとして、白基準部22を有する。黒背景領域20A及び白基準領域20Bは、それぞれ、所定の反射率を持つ。
【0034】
黒背景領域20Aは、通常の画像読み取り時の黒背景として設けられている。黒背景領域20Aは、用紙9の画像読み取り面であるZ方向の上面に対する裏面の印刷の透けを低減する。黒背景部21及び黒背景部23は、例えば、透明樹脂板のZ方向の下面に、所定の反射率を持つ黒色の部材が塗装された構成である。
【0035】
白基準領域20である白基準部22は、白基準値を得るために設けられている。白基準部22は、例えば、透明樹脂板のZ方向の下面に、塗装無しで、所定の反射率を持つ白基準ラベル24が貼り付けられた構成である。白基準とは、シェーディング補正における白基準値を得るための、白色の背景を持つ基準である。白基準値は、後述の補整の際に決定され、通常の画像読み取りの際に画像補正処理で使用される。
【0036】
本実施の形態では、黒背景領域20A及び白基準領域20Bは、通常の画像読み取りの前の補整の際に使用される。本実施の形態の画像読取装置は、補整機能、言い換えると汚れ検出機能を有する。画像読取装置は、補整機能により、黒背景領域20A及び白基準領域20Bを含む領域を対象とした読取信号を用いて、補整処理、言い換えると汚れ検出処理を行う。
【0037】
[背景部]
図3は、下部装置2における背景部20の構成として、X,Y方向での平面構成を示す。背景部20の領域において、X方向の幅は、画像読み取り対象の用紙9のX方向の幅よりも大きい幅であり、センサ15のX方向の幅と対応している。背景部20の領域において、黒背景部21の幅w1、白基準部22の幅w2、黒背景部23の幅w3は、それぞれ、所定の幅を有し、例えば数mmの幅とする。この幅は、少なくとも2〜3mm以上の幅である。
【0038】
黒背景部21は、Y方向の右端を位置P0とし、中央を位置P1とし、左端を位置P2とする。白基準部22は、Y方向の右端を位置P2とし、中央を位置P3とし、左端を位置P4とする。黒背景部23は、Y方向の右端を位置P4とし、中央を位置P5とし、左端を位置P6とする。
【0039】
本実施の形態では、通常の画像読み取りにおけるデフォルトの静止位置である読取位置は、黒背景部21の中央の位置P1である。通常の画像読み取りの際、CISユニット10のセンサ15は、位置P1上に配置される。センサ15であるラインイメージセンサの複数の撮像素子が、X方向でライン状に配置される。センサ15により、例えば縦A4タイプの用紙9の行方向の画像における複数の画素を同時に読み取り可能である。通常の画像読み取りの際、画像読取装置は、対象の用紙9をY方向で搬送し、背景部20の黒背景部21を含む領域上を通過させる。この搬送に伴い、CISユニット10のセンサ15は、黒背景部21の位置P1で、用紙9の画像をX方向のライン毎に連続的に読み取る。
【0040】
本実施の形態では、補整の際の連続読み取りの開始位置は位置P1であり、連続読み取りの終了位置は位置P5である。範囲301は、位置P1から位置P5までのセンサ15の読取位置の連続的な移動の範囲を示す。範囲301は、黒背景領域20Aとして、黒背景部21の位置P1から位置P2までの領域、及び黒背景部23の位置P4から位置P5までの領域を含み、白基準領域20Bとして、白基準部22の位置P2からP4までの領域を含む。画像読取装置は、補整の際、CISユニット10のY方向の連続的な移動の制御により、センサ15の読取位置を、位置P1から位置P5へ連続的に一定速度で移動させる。これにより、画像読取装置は、背景部20の黒背景領域20A及び白基準領域20Bを含む領域からの反射光をセンサ15により連続的に受光して読み取る。
【0041】
[機能ブロック構成]
図4は、本実施の形態の画像読取装置における機能ブロック構成を示す。本実施の形態の画像読取装置は、制御部100、読取制御部101、搬送制御部102、搬送機構103、移動制御部105、移動機構3、CISユニット10、背景部20、出力装置106、設定部107、白基準汚れ処理部141、黒背景汚れ処理部142、等を有する。
【0042】
制御部100は、画像読取装置の全体の制御を行う。画像読取装置は、図示しないCPU、RAM、ROM、二次記憶装置、バス、入出力インタフェース装置、入力装置、電源装置等を備える。画像読取装置は、CPUによるプログラム処理や専用回路等により、制御部100等の各部を実現する。画像読取装置は、モータ等を含む機械的機構により、搬送機構103や移動機構3を実現する。
【0043】
読取制御部101は、通常制御部110、補整制御部120を含み、CISユニット10を用いた読み取りの制御処理を行う。通常制御部110は、通常の画像読み取りの際の制御処理を行う。補整制御部120は、補整の際の制御処理を行う。
【0044】
搬送制御部102は、搬送機構103を制御することにより、用紙9の搬送を制御する。搬送機構103は、搬送ローラ4の駆動により、用紙9を搬送する。
【0045】
移動制御部105は、移動機構3を制御することにより、センサ15を含むCISユニット10の移動及び位置切り替えを制御する。移動制御部105は、読取位置等の移動制御の指示を移動機構3へ与える。移動機構3は、指示に従い、モータやローラの駆動により、CISユニット10をY方向で移動させる。
【0046】
CISユニット10は、光源11、導光体12、センサ15、レンズ14、ガラス13を含む。背景部20は、黒背景領域20A、白基準領域20Bを含む。補整時、CISユニット10は、背景部20の領域からの連続読み取りで、反射光をセンサ15で受光したレベルを、読取信号D1として出力する。CISユニット10は、通常の画像読み取り時、黒背景領域20A上の用紙9からの読み取りで、反射光をセンサ15で受光したレベルを、読取信号D10として出力する。センサ15から出力される読取信号D1や読取信号D10は、図示しないフレキシブル基板、増幅回路等を介して、読取制御部101に入力される。
【0047】
通常制御部110は、画像補正処理部111やメモリ等を含む。通常制御部110は、通常の画像読み取り処理の際、CISユニット10を用いて得た読取信号D10と、補整の際に白基準処理部130により得た白基準値D11とを入力する。通常制御部110は、画像補正処理部111により、読取信号D10と白基準値D11とから、読取画像データD12を得て、メモリに格納する。画像補正処理部111は、画像補正処理として、読取信号D10の画素値を、白基準値D11で除算することにより、読取画像データD12の画素値を得る。
【0048】
補整制御部120は、読取信号入力部121、振幅演算部122、汚れ判定部123、汚れ警告部124、白基準処理部130を有する。
【0049】
補整機能による補整処理の際、補整制御部120は、CISユニット10の移動制御により、センサ15の読取位置を、背景部20の黒背景領域20A及び白基準領域20Bを含む領域を通過するようにY方向で連続的に移動させる。これにより、補整制御部120は、CISユニット10からの出射光を当該領域に照射し、当該領域からの反射光を、ガラス13及びレンズ14を介してセンサ15で受光し、読取信号D1として読み取る。背景部20の領域やガラス面13aに汚れがある場合、読取信号D1にノイズとして反映されている。補整制御部120は、読取信号D1の処理により、その汚れを判別及び検出する。
【0050】
読取信号入力部121は、補整時、CISユニット10の移動制御を行って、CISユニット10からの読取信号D1を入力し、その読取信号D1に対応する読取信号D2を振幅演算部122に出力する。読取信号D1,D2は、背景部20の黒背景領域20A及び白基準領域20Bを含む領域における、Y方向の位置及び時間での連続的な波形を含み、X方向の画素毎の連続的な波形を含む。
【0051】
振幅演算部122は、読取信号D2から、X方向の画素毎に、Y方向の連続的な波形における最大値と最小値を得て、最大値と最小値との差分値を振幅値として演算し、その振幅値による振幅信号D3を、汚れ判定部123に出力する。
【0052】
汚れ判定部123は、振幅信号D3から、所定の閾値との比較判定等の判定処理により、ガラス面13aの汚れを含む汚れを判別及び検出し、ガラス面汚れを検出した場合には、ガラス面汚れ有りに対応する検出信号D4を、汚れ警告部124へ出力する。
【0053】
また、汚れ判定部123は、白基準汚れを検出した場合には、それに対応する検出信号D5を白基準汚れ処理部141へ出力する。汚れ判定部123は、黒背景汚れを検出した場合には、それに対応する検出信号D6を黒背景汚れ処理部142へ出力する。
【0054】
汚れ警告部124は、ガラス面汚れ有りに対応する検出信号D4に基づいて、ガラス面汚れ有りの旨のアラートD7を、出力装置106を通じてユーザに対し出力する。出力装置106は、例えばLCDパネル等の表示装置であり、その画面にアラート内容が表示される。これに限らず、汚れ警告部124は、音声出力等によってアラートを出力してもよい。これにより、ユーザに対してガラス面汚れを警告し、ガラス面汚れの確認及び清掃を促し、ガラス面汚れを除去させる。
【0055】
設定部107は、管理者の操作に基づいて、画像読取装置の各種の設定を行う。設定部107は、汚れ判定に係わる後述の第1閾値や第2閾値を含む閾値を設定可能である。
【0056】
白基準処理部130は、補整時の読取信号D1を入力し、読取信号D1のうち、白基準部領域20Bの読み取り値を用いて、白基準値D11を決定する処理を行う。白基準処理部130は、汚れ判定部123の判定結果に基づいて、当該読み取り値における、汚れが無い部分のデータを用いて、白基準値D11を決定する。白基準値D11は、シェーディング補正における白基準値であり、CISユニット10の特性を表す。CISユニット10の特性として、センサ15や光源11等の個体差を含む。シェーディング補正は、CISユニット10の光学系における輝度ムラを一様になるように補正することである。白基準処理部130は、白基準値D11を通常制御部110に与える。
【0057】
[補整処理フロー]
図5は、本実施の形態の画像読取装置における補整処理の処理フローを示す。本実施の形態の画像読取装置は、通常の画像読み取りの前に、補整、即ち汚れ検出等の動作を行う。
図4の補整制御部120は、通常制御部110による通常の画像読み取り処理の前に、
図5の補整処理を実行する。以下、
図5のステップS1〜S11について説明する。
【0058】
(S1) まず、S1で、補整制御部120は、CISユニット10のセンサ15のY方向の位置を、補整時の連続読み取りの開始位置である位置P1にする。デフォルト状態では、センサ15の位置は、通常の画像読み取りの静止位置である位置P1になっており、その場合、補整制御部120は、S1で位置を切り替える必要は無い。位置P1以外の状態である場合、補整制御部120は、移動制御部105へ指示し、移動制御部105からの移動機構3の制御に基づいて、CISユニット10を移動させて、センサ15の位置を位置P1に切り替える。
【0059】
(S2) S2で、補整制御部120は、用紙9の搬送が無い状態で、読取信号入力部121による読取信号D1の入力を開始させると同時に、移動制御部105へ指示し、CISユニット10のY方向の連続移動を開始させる。補整制御部120は、移動制御部105からの移動機構3の制御を通じて、センサ15の読取位置を、位置P1から位置P5へ向けて、一定速度での移動を開始させる。
【0060】
(S3) S3で、読取信号入力部121は、CISユニット10のセンサ15が位置P1から位置P5まで連続移動する間に、センサ15から出力される連続的な波形を含む読取信号D1を入力する。
【0061】
S3の際、補整制御部120は、CISユニット10の光源11を点灯し、CISユニット10からZ方向の下方向へ光を出射する。CISユニット10は、背景部20の領域からの反射光を、ガラス13及びレンズ14を介して入射し、センサ15で受光し、読取信号D1として出力する。
【0062】
(S4) S4で、補整制御部120は、CISユニット10のセンサ15のY方向の位置が、補整の連続読み取りの終了位置である位置P5になったら、CISユニット10の連続移動を終了させる。補整制御部120は、CISユニット10の連続移動の終了と同時に、読取信号入力部121による読取信号D1の入力を終了させる。
【0063】
(S5) S5で、補整制御部120は、移動制御部105へ指示し、移動制御部105からの移動機構3の制御に基づいて、CISユニット10のセンサ15のY方向の位置を、位置P5から位置P1へ復帰を開始させる。
【0064】
(S6) S6で、補整制御部120は、センサ15の位置が位置P1へ復帰するまでの間に、所定の処理を行う。読取信号入力部121は、位置P1から位置P5までの範囲及び期間で入力した連続的な波形を含む読取信号D2を、振幅演算部122へ出力する。振幅演算部122は、読取信号D2を入力し、当該範囲のY方向の連続的な波形における最大値と最小値との差分値を振幅値として演算し、その振幅信号D3を汚れ判定部123へ出力する。
【0065】
(S7) S7で、汚れ判定部123は、振幅信号D3を入力し、CISユニット10のガラス面13aの汚れの判別を含む、汚れの有無及び種類を判定し、汚れが有る場合には検出する。汚れ判定部123は、判定及び検出の結果である検出信号として、ガラス面汚れが有る場合の検出信号D4を、汚れ警告部124へ出力する。
【0066】
また、汚れ判定部123は、白基準汚れを検出した場合には、白基準汚れ有りの検出信号D5を、白基準汚れ処理部141へ出力し、黒背景汚れを検出した場合には、黒背景汚れ有りの検出信号D6を、黒背景汚れ処理部142へ出力する。白基準汚れ処理部141は、検出信号D5に従い、白基準汚れに対処する所定の画像補正処理等を行う。この処理は、公知の各種の処理を適用可能であると共に、省略も可能である。黒背景汚れ処理部142は、検出信号D6に従い、黒背景汚れに対処する所定の画像補正処理等を行う。この処理は、公知の各種の処理を適用可能であると共に、省略も可能である。
【0067】
(S8) S8で、白基準処理部130は、S4までで得た読取信号D1に基づいて、及びS7の汚れ判定結果に基づいて、白基準値決定処理を行う。白基準処理部130は、読取信号D1のうちの白基準部22の読み取り値における、汚れが無い部分のデータを用いて、白基準値D11を決定し、白基準値D11を通常制御部110に与える。
【0068】
(S9) S9で、補整制御部120は、S5で開始したCISユニット10のセンサ15の位置の位置P1への復帰が終了するまで待機する。
【0069】
(S10) 補整制御部120は、S9の復帰の終了後、S10で、S7の判定結果を確認し、ガラス面汚れ有りの検出信号D4が無い場合(S10−N)には、
図5の補整処理を終了し、通常の画像読み取り処理へ移る。補整制御部120は、ガラス面汚れ有りの検出信号D4が有る場合(S10−Y)には、S11へ移る。
【0070】
(S11) 補整制御部120は、汚れ警告部124により、ガラス面汚れ有りの旨のアラートを、出力装置106を介してユーザに対して出力する。具体的には、汚れ警告部124は、出力装置106の画面に、ガラス面汚れ有りの旨のメッセージを含むアラートを表示し、CISユニット10のガラス面13aの確認及び清掃をユーザに促す。これにより、ガラス面13aの汚れを除去させる。汚れ警告部124は、動作を一時停止させ、汚れ除去のために待機し、ユーザによる確認入力を受けると、動作を再開させる。補整制御部120は、S11の後、
図5の補整処理を終了し、通常の画像読み取り処理へ移る。
【0071】
通常の画像読み取り処理では、通常制御部110により、CISユニット10のセンサ15の位置P1の状態で、用紙9の搬送に基づいて、用紙9の画像の読み取りが行われる。その際には、S8で得た白基準値D11を用いて、
図4の画像補正処理が行われる。
【0072】
[読取位置の例]
図6は、CISユニット10の連続的な移動に伴う、センサ15による背景部20のY方向での読取位置の例を示す。
図6では、CISユニット10及び背景部20におけるY,Z方向の断面を示す。
図6の(A)は、センサ15の読取位置が、補整の際の連続読み取りの開始位置である黒背景部21の位置P1にある状態を示す。
図6の(B)は、
図6の(A)の位置P1から移動し、センサ15の読取位置が、白基準部22の位置P3にある状態を示す。
図6の(C)は、
図6の(B)の位置P3から移動し、センサ15の読取位置が、補整の際の連続読み取りの終了位置である黒背景部23の位置P5にある状態を示す。
【0073】
このように、補整の際、CISユニット10のセンサ15の読取位置は、位置P1から位置P5まで連続的に移動する。これにより、背景部20の読み取り部分は、黒背景領域20A及び白基準領域20Bを含む、位置P1から位置P5までの連続的な領域である。
【0074】
[汚れに応じた読取信号の例]
図7は、各種の汚れの有無の状態に応じた、CISユニット10のY方向での連続的な移動に伴う読取信号の例を示す。
図7では、CISユニット10及び背景部20におけるY,Z方向の断面を簡略に示す。
【0075】
本実施の形態の画像読取装置は、補整処理の際、背景部20に対し、CISユニット10をY方向で連続的に移動させながら、黒背景領域20A及び白基準領域20Bを含む領域からの反射光をセンサ15で連続的に読み取る。連続的に読み取る領域は、複数の画素に対応する複数の点を含む。画像読取装置は、その連続的な波形を含む読取信号における出力レベルを確認し、黒背景汚れ及び白基準汚れと区別して、CISユニット10のガラス面13aの汚れを判別及び検出する。画像読取装置は、読取信号から振幅信号を得て、閾値との比較判定により、ガラス面13aの汚れを判別及び検出する。
【0076】
図7の(A)は、黒背景、白基準、ガラス面13aのいずれにも汚れが無い状態の場合を示す。
図7の(A)の上側は、CISユニット10のセンサ15及びガラス13、背景部20の黒背景部21の一部及び白基準部22の一部を示す。CISユニット10についてはセンサ15の光軸を示す。黒背景部21は、特に、中央の位置P1から左端の位置P2までを示す。白基準部22は、右端の位置P2から中央の位置P3までを示す。図示するセンサ15の読取位置は、位置P1と位置P2との間の位置Paにある状態を示す。
【0077】
図7の(A)の下側は、
図7の(A)の上側の位置P1から位置P3までの領域に対応した、センサ15の出力レベルである読取信号の波形を示す。横軸はY方向の読取位置、縦軸は出力レベルを示す。出力レベルは、ここでは、黒背景部21の黒色を0とし、白基準部22の白色をKとする。当該領域において、最小値が0であり、最大値がKである。振幅701は、最大値(K)と最小値(0)との差分値(K)である。
【0078】
図7の(B)は、黒背景部21の上面の位置Paにゴミ710の付着による汚れがある状態の場合を示す。ゴミ710は、黒背景部21の黒色よりも明るい白いゴミとする。
図7の(B)の下側は、同様に、位置P1から位置P3までの領域に対応した読取信号の波形を示す。出力レベルは、黒背景部21の黒色が0で最小値であり、白基準部22の白色がKで最大値である。振幅702は、最大値(K)と最小値(0)との差分(K)である。黒背景上に白い汚れがある場合、その汚れの位置Paに対応した箇所のみで、出力レベルが高くなり、凸波形となり、振幅712である差分値が小さくなるが、当該領域の全体では振幅702であり、汚れが無い場合の振幅701と同じである。
【0079】
図7の(C)は、白基準部22の上面の位置Pbに汚れがある状態の場合を示す。白基準部22の右端の位置P2と中央の位置P3との間の位置Pbに、ゴミ720が付着しているとする。ゴミ720は、白基準部22の白色よりも暗い黒いゴミとする。
図7の(C)の下側は、同様に、位置P1から位置P3までの領域に対応した、読取信号の波形を示す。出力レベルは、黒背景部21の黒色が0で最小値であり、白基準部22の白色がKで最大値である。振幅703は、最大値(K)と最小値(0)との差分(K)である。白基準上に黒い汚れがある場合、その汚れの位置Pbに対応した箇所のみで、出力レベルが低くなり、凹波形となり、振幅713である差分値が小さくなるが、当該領域の全体では振幅703であり、汚れが無い場合の振幅701と同じである。
【0080】
図7の(D)は、CISユニット10のガラス面13aに汚れがある状態の場合を示す。
図7の(D)の上側で、センサ15の光学経路上のガラス面13aにゴミ730が付着しているとする。ゴミ730は、白基準部22の白色よりも暗い黒いゴミとする。
図7の(C)の下側は、同様に、位置P1から位置P3までの領域に対応した、読取信号の波形を示す。出力レベルは、黒背景部21の黒色の0よりも明るいk1が最小値であり、白基準部22の白色のKよりも暗いk2が最大値である。振幅704は、最大値(k2)と最小値(k1)との差分値(k2−k1)である。振幅704は、振幅701〜703よりも小さい。
【0081】
図7の(D)のように、CISユニット10のガラス面13aに黒い汚れがある場合、Y方向の読取位置に依らずに、出力レベルの最大値が小さく、最小値が大きくなる。汚れによる輝度の変動分が、いずれの読取位置にも反映される。これにより、振幅である差分値が、他の状態の場合の振幅よりも小さくなる。ガラス面13aの汚れの程度に応じて、振幅が小さくなる。
【0082】
従って、本実施の形態の画像読取装置は、汚れ判定部123で、振幅の大きさを閾値との比較判定で判定することにより、
図7の(C)の白基準汚れと
図7の(D)のガラス面汚れとの区別を含め、ガラス面汚れを判別及び検出することができる。具体的には、汚れ判定部123は、
図7の(D)の振幅704のような振幅値と、所定の第1閾値Th1とを比較し、振幅値が第1閾値Th1以下である場合、当該箇所を、ガラス面13aの汚れが有りと判定する。更に、汚れ判定部123は、振幅値が第1閾値Th1以下である箇所の画素数が、所定の第2閾値Th2以上である場合、当該箇所を、ガラス面13aの汚れが有りと判定してもよい。
【0083】
なお、黒背景汚れを検出する場合、汚れ判定部123は、
図7の(B)の位置Paの振幅712のような振幅値と、黒背景汚れ検出用の閾値とを比較し、振幅値が閾値以下である場合、黒背景汚れ有りとして判定してもよい。また、白基準の汚れを検出する場合、汚れ判定部123は、
図7の(C)の位置Pbの振幅713のような振幅値と、白基準汚れ検出用の閾値とを比較し、振幅値が閾値以下である場合、白基準汚れ有りとして判定してもよい。
【0084】
上記のように、本実施の形態の画像読取装置は、CISユニット10のセンサ15の光学系経路上のガラス面13aの汚れを、他の種類の汚れである黒背景汚れや白基準汚れとは区別して検出することができる。
【0085】
[汚れの例]
図8は、背景部20のX,Y方向の平面におけるY方向の読取位置の例、及び各種の汚れの位置の例を示す。
図8では、背景部20の黒背景領域20A及び白基準領域20Bのうち、黒背景部21の位置P1から白基準部22の位置P3までの部分的な領域を示す。補整時、CISユニット10のセンサ15の読取位置は、前述のように位置P1から位置P5へ連続的に変化する。位置y1〜y5は、位置P1から位置P3の範囲内におけるセンサ15のY方向の読取位置の例を示す。
【0086】
位置x1〜位置x3は、汚れがあるX方向の位置の例を示す。黒背景部21上、X,Y方向の平面で(x3,y1)の位置に、ゴミ801が付着している。ゴミ801は、黒背景上の白い汚れである。また、白基準部22上、(x1,y4)の位置に、ゴミ802が付着している。ゴミ802は、白基準上の黒い汚れである。また、位置x2に対応する位置803は、CISユニット10のガラス面13aにゴミが付着したことによるガラス面汚れに対応するX方向の位置の例を示す。
【0087】
用紙9の搬送や他の原因によって、黒背景領域20Aの上面、白基準領域20Bの上面、ガラス面13a等に、ゴミ等が付着して汚れとなる場合がある。特に、CISユニット10のセンサ15の光学経路上のガラス面13aにゴミが付着して汚れとなる場合がある。ガラス面13aの汚れの場合、画像読み取りの際にY方向で継続的にノイズとして反映されるので、読み取り画像の品質への影響が大きい。
【0088】
そこで、本実施の形態の画像読取装置は、補整機能として、例えば通常の画像読み取りに先立ち、特有の補整処理を行い、これによりCISユニット10のガラス面13aの汚れを検出し、アラートを出力する。
【0089】
黒背景上の汚れは、通常の画像読み取り時には、用紙9の裏面に隠れるので、品質への影響が小さく、公知の画像補正処理等でも対処可能であるため、アラートの必要性は低い。白背景上の汚れは、白基準値に反映される場合には品質に影響するが、白基準値の決定の際に、白基準汚れ以外の部分を用いて白基準値を決定する処理や、白基準汚れの影響を無効化するように平均値等を用いて白基準値を決定する処理等によって対処可能である。ある程度までの白基準汚れについては公知の処理で対処可能であるため、アラートの必要性は低い。
【0090】
本実施の形態では、ユーザの手間を軽減するため、ある程度までの黒背景汚れや白基準汚れについては、アラートを出力せず、公知の画像補正処理等、所定の処理によって対処し、ガラス面汚れのみについてアラートを出力する。
【0091】
[読取信号の波形の例]
図9は、補整の際の位置P1から位置P5までの連続的な波形を含む読取信号D1のうち、
図8の読取位置及び汚れの例に対応した読取信号の波形の例を示す。この読取信号の波形は、Y方向の読取位置毎に、X方向の連続的な複数の画素を含む波形を示す。
【0092】
図9の(1)は、位置y1の時点の読取信号を示す。横軸はX方向の位置を示し、縦軸はセンサ15の出力レベルを示す。位置y1の読取信号の波形において、位置x3に対応した波形部分901では、周囲の黒色の出力レベルよりも高いレベル、即ち凸波形になっている。また、位置x2の波形部分は、周囲よりも少し出力レベルが高い凸波形になっている。他の位置では概ね同じ出力レベルになっている。
【0093】
図9の(2)は、位置y2の読取信号の波形を同様に示す。位置x2の波形部分は少し出力レベルが高い凸波形になっており、他の位置では概ね同じ出力レベルになっている。
【0094】
図9の(3)は、位置y3の読取信号の波形を同様に示す。位置y3は、黒背景と白基準との境界にあたるので、出力レベルは、黒色に対応した低いレベルと、白色に対応した高いレベルとの間にある。位置x2の波形部分は、周囲の白色よりも出力レベルが低い凹波形になっている。
【0095】
図9の(4)は、位置y4の読取信号の波形を同様に示す。位置x1に対応した波形部分904では、周囲の白色の出力レベルよりも低いレベル、即ち凹波形になっている。また、位置x2の波形部分は周囲の白色よりも出力レベルが低い凹波形になっている。他の位置では概ね同じ出力レベルになっている。
【0096】
図9の(5)は、位置y5の読取信号の波形を同様に示す。位置x2の波形部分は周囲の白色よりも出力レベルが低い凹波形になっている。他の位置では概ね同じ出力レベルになっている。
【0097】
図9の(1)〜(5)の読取信号において、まず、位置x1に関しては、(4)の位置y4の読取信号のみ、波形部分904が凹波形となっている。これは、位置(x1,y4)に、白基準上の黒い汚れに対応したゴミ802があることによるものである。
【0098】
また、位置x3に関しては、(1)の位置y1の読取信号のみ、波形部分901が凸波形となっている。これは、位置(x3,y1)に、黒背景上の白い汚れに対応したゴミ801があることによるものである。
【0099】
また、位置x2に関しては、(1)〜(5)のいずれの読取信号の波形においても、凸波形または凹波形になっている。これは、
図8のガラス面汚れの位置803に対応しているためである。
【0100】
[振幅演算及び汚れ判定]
図10は、振幅演算部122や汚れ判定部123による、
図8の汚れ及び
図9の読取信号に関する処理例として、重ね合わせ波形、振幅波形、閾値比較判定による汚れ判定、等を示す。
【0101】
図10の(A)は、
図9の(1)〜(5)のY方向の位置y1〜y5の読取信号の波形を重ね合わせた波形を示す。即ち、X方向の画素に対応した位置毎に、Y方向における最大値や最小値をとるための、重ね合わせ波形を示す。
【0102】
図10の(B)は、
図10の(A)の重ね合わせ波形に基づいて演算された振幅信号の波形、及び閾値との比較判定を示す。
【0103】
振幅演算部122は、
図9のようなX方向及びY方向の連続的な読取信号の波形から、X方向の各位置の画素毎に、Y方向の最大値と最小値をとり、最大値と最小値との差分値を振幅値として得る([振幅値]=[最大値]−[最小値])。
【0104】
例えば、
図10の(A)のX方向における位置x2では、出力レベルの最大値1001及び最小値1002となっている。他のX方向の位置では、Y方向での値の重ね合わせにより、凹凸はキャンセルされており、概ね同じような出力レベルの最大値及び最小値となっている。
【0105】
図10の(B)の振幅波形では、位置x2を除いて概ね同じような振幅値となっている。位置(x3,y1)のように黒背景上の白い汚れの箇所や、位置(x1,y4)のように白基準上の黒い汚れの箇所についても、周囲の汚れが無い箇所の最大値や最小値により、凹凸がキャンセルされている。
【0106】
一方、位置x2では、ガラス面13aの汚れの影響により、Y方向の位置に依らずに継続的にその汚れが最大値や最小値に反映される。よって、
図10の(A)の重ね合わせ波形で、周囲の位置よりも、出力レベルの最大値が小さくなり、最小値が大きくなる。よって、
図10の(B)の振幅波形で、位置x2の波形部分1010では、差分値である振幅値1012が、他の箇所の振幅値1011よりも小さくなる。
【0107】
汚れ判定部123は、
図10の(B)の振幅波形を、所定の第1閾値Th1と比較する。値1013は、第1閾値Th1を示す。汚れ判定部123は、振幅値である差分値が、第1閾値Th1以下である箇所を、ガラス面汚れ有りと判定する。即ち、本例では、汚れ判定部123は、位置x2に対応する箇所を、ガラス面汚れ有りと判定する。
【0108】
図10の(C)は、更に詳しい汚れ判定処理例として、ガラス面汚れ有りの箇所に関する画素数の閾値比較判定を示す。
図10の(C)は、
図10の(B)の位置x2の波形部分1010を見やすいように拡大して示している。位置x2の付近で、位置xa及び位置xbは、
図10の(B)の振幅波形と、第1閾値Th1との交点に対応する。幅HX1は、X方向において、振幅が第1閾値Th1以下になる部分の幅であり、ガラス面汚れのX方向の幅に相当する。
【0109】
汚れ判定部123は、振幅値が第1閾値Th1以下になる、X方向の幅HX1に該当する画素数NX1をカウントする。汚れ判定部123は、この幅HX1の画素数NX1を、所定の第2閾値Th2と比較判定する。汚れ判定部123は、幅HX1の画素数NX1が、第2閾値Th2以上である場合(NX1≧Th2)、その箇所を、ガラス面汚れ有りの箇所として判定する。
【0110】
第2閾値Th2以上である画素数NX1は、ガラス面汚れの汚れ量あるいは汚れの程度を表す指標値としても利用できる。補整制御部120は、ガラス面汚れの汚れ量を判定し、汚れ量に応じたアラートを出力してもよい。
【0111】
[白基準汚れ及び黒背景汚れの判定処理例]
図11は、補足として、白基準汚れや黒背景汚れを検出する場合の判定処理例を示す。
【0112】
図11の(A)は、黒背景汚れの判定処理例を示す。例として
図9の位置y1の読取信号の波形を用いる。汚れ判定部123は、判定処理例として、予め設定された黒背景汚れ検出用の閾値である閾値1101を用いて、閾値比較判定を行う。汚れ判定部123は、読取信号の出力レベルの値と、閾値1101とを比較し、出力レベルの値が閾値1101以上となる部分を検出する。そして、汚れ判定部123は、その閾値1101以上となる部分について、X方向の幅の画素数をカウントし、その画素数を、別の所定の閾値と比較し、当該画素数が当該閾値以上となる部分を、黒背景上の汚れが有る箇所と判定する。
【0113】
本例では、位置x3では、凸波形であるものの、閾値1101よりも小さい値であるため、黒背景汚れとしては検出されない。この程度の汚れについては、画像補正処理等で対処可能であり、品質への影響が小さい。そのため、それを考慮した大きさの閾値1101が予め設定される。上記画素数は、黒背景汚れの汚れ量としても利用できる。
【0114】
図11の(B)は、白基準汚れの判定処理例を示す。例として白基準部22の代表位置である例えば位置P3における読取信号の波形を用いる。白基準汚れの判定の方式としては、白基準領域20Bの読取信号のY方向の連続的な波形における特定の波形部分を選択する方式や、複数の位置の波形部分の統計値をとる方式等がある。汚れ判定部123は、判定処理例として、Y方向の位置毎に、X方向の全画素の単位での平均値を計算し、その平均値が最も大きいY方向の位置を代表位置とし、その代表位置の波形を、白基準値D11の決定に用いると共に、白基準上の汚れの検出に用いる。計算の結果、代表位置が例えば位置P3であるとする。
【0115】
汚れ判定部123は、代表位置である位置P3の読取信号の値と、予め設定された白基準汚れ検出用の閾値である閾値1102とを用いて、閾値比較判定を行う。汚れ判定部123は、位置P3の読取信号の出力レベルの値と、閾値1102とを比較し、出力レベルの値が閾値1102以下となる部分を検出する。そして、汚れ判定部123は、その閾値1102以下となる部分について、X方向の幅の画素数をカウントし、その画素数を、別の所定の閾値と比較し、当該画素数が当該閾値以上となる部分を、白基準上の汚れが有る箇所と判定する。
【0116】
本例では、位置x1では、凹波形であり、閾値1102以下となる値であるため、白基準汚れとして判定される。上記画素数は、白基準汚れの汚れ量としても利用できる。
【0117】
本実施の形態の画像読取装置は、ガラス面汚れの判定及び検出に関しては、第1閾値Th1や第2閾値Th2等の閾値を含む基準について、黒背景汚れや白基準汚れの判定及び検出に関する閾値等の基準よりも厳しい値が設定される。即ち、例えば第1閾値Th1については、
図10の汚れが無い場合に対応した値である振幅値1101との差が小さい値に設定される。これにより、ガラス面汚れを厳しく、高精度で検出することができ、画像読み取りの品質を高めることができる。
【0118】
黒背景汚れや白基準汚れの検出及び判定に関しては、閾値等の基準が、ガラス面汚れに関する閾値等の基準よりも厳しくない値が設定される。即ち、ある程度までの黒背景汚れや白基準汚れを許容する値、例えば汚れが無い場合の値との差が大きい閾値が設定される。ある程度までの黒背景汚れや白基準汚れについては所定の処理で対処可能であることを考慮して、この閾値が設定される。これにより、黒背景汚れや白基準汚れについてはアラートを出力しないか、出力されるアラートを少なくし、ユーザの手間を低減する。
【0119】
上記のように、汚れ判定部123は、黒背景汚れ、白基準汚れ、ガラス面汚れを判別する。汚れ判定部123は、
図10のように、ガラス面13aの汚れを判定した場合、そのガラス面汚れに該当する画素については、黒背景汚れ、白基準汚れの判定処理の際に、画素数カウント等の処理対象から除外する。これにより、高い精度で、それぞれの汚れの種類を判別し、汚れ量を求めることができる。
【0120】
本実施の形態の画像読取装置は、
図4の設定部107を用いて、上記の各閾値を設定可能である。
【0121】
[比較例]
図12は、比較例の画像読取装置における、汚れの状態に応じた読取信号の例を、
図7と同様に示す。
図12の(A)は、汚れ無しの場合、
図12の(B)は、黒背景上の汚れの場合、
図12の(C)は、白基準上の汚れの場合、
図12の(D)は、CISユニットのガラス面の汚れの場合を示す。
【0122】
比較例の画像読取装置は、CISユニットのセンサの読取位置をY方向で移動させて、点単位で読み取る方式である。
図12の(A)で、比較例の画像読取装置は、センサにより、読み取り部分として、黒背景上の一点と白背景上の一点との二点を読み取り、汚れを検出する。比較例の画像読取装置は、CISユニットを移動させてセンサの読取位置を位置p1にして黒背景上の一点を読み取り、次にCISユニットを移動させてセンサの読取位置を位置p2にして白基準上の一点を読み取る。位置p1の出力レベルは、黒背景の黒色に対応した0であり、位置p2の出力レベルは、白基準の白色に対応したKである。
【0123】
図12の(B)で、黒背景上の位置p1に、黒背景よりも明るい白いゴミ1210が付着している。これにより、位置p1の出力レベルは、0よりも大きいk1となっている。位置p1のゴミ1210の程度によっては、更に出力レベルが大きくなり、白に近付く。
【0124】
図12の(C)で、白基準上の位置p2に、白基準よりも暗い黒いゴミ1220が付着している。これにより、位置p2の出力レベルは、Kよりも小さいk2となっている。位置p2のゴミ1220の程度によっては、更に出力レベルが小さくなり、黒に近付く。
【0125】
図12の(D)で、CISユニットのセンサの光学経路上のガラス面に、黒背景よりも明るい白いゴミ1230が付着している。これにより、位置p1の出力レベルは、0よりも大きいk1、位置p2の出力レベルは、Kよりも小さいk2となっている。
【0126】
比較例の画像読取装置の方式では、ガラス面汚れの判別及び検出が難しい。ガラス面汚れがY方向で継続的にノイズとして反映されるので、汚れの箇所や種類の判別が難しい。例えば
図12の(C)のように白基準汚れがある場合と、
図12の(D)のようにガラス面汚れがある場合とで、いずれの場合も、位置p2で、出力レベル、輝度が低下する。位置p2の出力レベルが近い場合、白基準汚れによるものか、ガラス面汚れによるものか判別が難しい。同様に、位置p1で、出力レベルが近い場合、黒基準汚れによるものか、ガラス面汚れによるものか判別が難しい。各種の汚れの程度によっては、
図12の(B)〜(D)の読取信号において違いがとても小さい場合もある。
【0127】
よって、比較例の方式では、読取信号から、白基準汚れとガラス面汚れとの区別等、汚れの種類を判別することが難しい。汚れの種類を判別できない場合、汚れの種類に依らずに一律に、汚れ検出毎にユーザにアラートを出力して白基準やガラス面を確認及び清掃させる必要がある。これでは、ユーザの手間、負担が大きい。
【0128】
一方、本実施の形態では、
図7等に示したように、白基準汚れ等とは区別してガラス面汚れの場合のみにアラートを出力することができるので、ユーザの手間、負担を小さくできる。即ち、本実施の形態では、読み取り画像の品質を確保できると共に、利便性も高くできる。
【0129】
本実施の形態は、
図7等に示すようにCISユニット10を連続的に移動させて背景部20の領域を連続的に読み取る方式であり、比較例のように点単位の読み取りの方式ではない。本実施の形態は、CISユニット10の移動制御が容易であり、所定位置の点単位で停止させる位置決めの高精度が不要である。白基準部22のY方向の幅が狭い構成の場合にも、その狭い幅の点に停止させる必要が無い。よって、本実施の形態は、移動機構3等の機械的機構や回路として、複雑な構成は不要であり、低コストで実現できる。また、本実施の形態は、白基準部22のY方向の幅を、例えば数mmのように従来よりも狭くした構成とすることもできる。本実施の形態では、背景部20の領域の幅が狭く読み取り可能な範囲が限られる構成であっても、連続的な読取信号の波形のうちの、一部の読取位置における最大値や最小値が基準として反映される仕組みであるため、移動機構3等の高精度は不要である。
【0130】
なお、黒背景ではなくグレー背景のように特別の背景部を用いて汚れを検出する技術もあるが、用途が限られる。本実施の形態では、グレー背景のような特別の背景部を設けることは不要であり、汎用性が高い。
【0131】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態の画像読取装置によれば、読取ユニットであるCISユニット10のガラス面13aの汚れを検出することにより、読み取り画像の品質を高くすることができる。
【0132】
本実施の形態は、背景部20の領域の特定の点や最大値を用いて汚れを検出する方式ではなく、背景部20の領域の読取信号におけるY方向の連続的な波形から振幅値を演算し、振幅値を用いて汚れを検出する方式である。これにより、本実施の形態の画像読取装置によれば、汚れの種類を判別でき、白基準汚れや黒背景汚れとは区別してガラス面13aの汚れを検出できる。本実施の形態の画像読取装置によれば、画像の品質への影響が大きいガラス面13aの汚れについてはユーザへアラートでき、画像の品質への影響が小さい黒背景汚れや白基準汚れについてはアラートを省略して画像補正処理等で対処し、ユーザの手間を低減できる。
【0133】
また、本実施の形態によれば、ガラス面汚れ等の検出に基づいて、読取信号における汚れが無い部分のデータを用いて高精度の白基準値を得ることができ、画像の品質を高めることができる。
【0134】
[他の実施の形態]
他の実施の形態の画像読取装置として、以下が挙げられる。
【0135】
(1) 本実施の形態の汚れ検出の方式は、用紙を固定した状態で読取ユニットをY方向で移動させて用紙の画像を読み取る方式の画像読取装置にも同様に適用可能である。
【0136】
(2) 背景部20における黒背景及び白基準の配置の構成、及びCISユニット10による連続的な読み取りの順序については、黒背景、白基準の順序に限らず、白基準、黒背景の順序でもよい。
【0137】
(3) 下部装置2に白基準部22を固定的に具備する構成に限らず、背景部20の黒背景の隣に、白基準シートを配置し、その白基準シートと黒背景とを含む領域を連続的に読み取る構成でもよい。
【0138】
(4) CISユニット10の移動制御によるセンサ15の読取位置の範囲については、
図3の範囲301に限らず、ある程度の幅を持つ黒背景領域20A及び白基準領域20Bを含む領域とすればよく、各種の範囲が可能である。例えば、
図3の位置P1から位置P3までの範囲、位置P0から位置P4までの範囲、位置P0から位置P6までの範囲、等も可能である。
【0139】
(5) ガラス面汚れの判定処理については、前述の
図10の第1閾値Th1のみを用いて、振幅値が第1閾値Th1以下である場合に、ガラス面汚れ有りと判定し、その箇所を検出する構成でもよい。
【0140】
以上、本発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。