(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記研磨面が、磁性基材、光学基材及び半導体基材の少なくとも一つからなる群より選択される基材を研磨するように適合されている、請求項1記載のケミカルメカニカルポリッシングパッド。
前記硬化剤系が複数の反応性水素基を有し、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが複数の未反応NCO基を有し、前記未反応NCO基に対する前記反応性水素基の化学量論比が0.7〜1.2である、請求項1記載のケミカルメカニカルポリッシングパッド。
【背景技術】
【0002】
集積回路及び他の電子装置の作製においては、導体、半導体及び絶縁体の複数の層を半導体ウェーハの表面に付着させたり、半導体ウェーハの表面から除去したりする。導体、半導体及び絶縁体の薄層は、多くの付着技術を使用して付着させることができる。最新の加工において一般的な付着技術としては、スパッタリングとも知られる物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、プラズマ増強化学蒸着法(PECVD)及び電気化学的めっき法(ECP)がある。
【0003】
材料層が順次に付着され、除去されるにつれ、ウェーハの最上面は非平坦になる。後続の半導体加工(たとえばメタライゼーション)は、ウェーハが平坦面を有することを要するため、ウェーハは平坦化されなければならない。平坦化は、望ましくない表面トポグラフィーならびに表面欠陥、たとえば粗面、凝集した材料、結晶格子の損傷、スクラッチ及び汚染された層又は材料を除去するのに有用である。
【0004】
ケミカルメカニカルプラナリゼーション又はケミカルメカニカルポリッシング(CMP)は、半導体ウェーハのような基材を平坦化するために使用される一般的な技術である。従来のCMPにおいては、CMP装置中、ウェーハがキャリヤアセンブリに取り付けられ、ポリッシングパッドと接する状態に配置される。キャリヤアセンブリが制御可能な圧をウェーハに提供して、ウェーハをポリッシングパッドに押し当てる。パッドは、外部駆動力によってウェーハに対して動かされる(たとえば回転する)。それと同時に、研磨媒(たとえばスラリー)がウェーハとポリッシングパッドとの間に供給される。このように、ウェーハ表面は、パッド表面及び研磨媒の化学的かつ機械的作用によって研磨され、平坦化される。
【0005】
ケミカルメカニカルポリッシングに関して呈示される一つの難題は、基材が所望の程度まで研磨されたときを決定することである。研磨終点を決定するためのインサイチュー法が開発されている。インサイチュー光学終点検出技術は、二つの基本カテゴリー:(1)単一波長の反射光学信号をモニタする技術、又は(2)複数の波長からの反射光学信号をモニタする技術に分類することができる。光学終点検出に使用される一般的な波長としては、可視スペクトルの波長(たとえば400〜700nm)、紫外スペクトルの波長(315〜400nm)及び赤外スペクトルの波長(たとえば700〜1000nm)がある。米国特許第5,433,651号明細書において、Lustigらは、レーザ光源からの光をウェーハ表面に伝送し、反射した信号をモニタする、単一波長を使用するポリマー終点検出法を開示した。ウェーハ表面の組成が一つの金属から別の金属へと変化すると、反射率は変化する。そして、この反射率の変化を使用して研磨終点を検出する。米国特許第6,106,662号明細書において、Bibbyらは、分光計を使用して、光学スペクトルの可視範囲における反射光の強度スペクトルを取得することを開示した。金属CMP用途において、Bibbyらは、スペクトル全体を使用して研磨終点を検出することを教示している。
【0006】
これらの光学終点検出技術を適応させるために、ウィンドウを有するケミカルメカニカルポリッシングパッドが開発されてきた。たとえば、米国特許第5,605,760号明細書において、Robertsは、少なくとも一部分が一定範囲の波長のレーザ光に対して透過性であるポリッシングパッドを開示している。開示された実施態様のいくつかにおいて、Robertsは、透明なウィンドウ片を含むが、そこ以外は不透明であるポリッシングパッドを教示している。ウィンドウ片は、成形されたポリッシングパッド中の透明なポリマーのロッド又はプラグとすることができる。ロッド又はプラグは、ポリッシングパッド内にインサート成形することもできるし(すなわち「一体型ウィンドウ」)、成形作業後にポリッシングパッド中の切抜きの中に設置することもできる(すなわち「嵌め込み型ウィンドウ」)。
【0007】
米国特許第6,984,163号明細書に記載されているような脂肪族イソシアネート系のポリウレタン材料が、広い光スペクトルにわたって改善された光透過を提供した。残念ながら、これらの脂肪族ポリウレタンウィンドウは、とりわけ、厳しい研磨用途に求められる必須の耐久性を欠く傾向にある。
【0008】
従来のポリマー系の終点検出ウィンドウは、しばしば、330〜425nmの波長を有する光に暴露されると、望ましくない劣化を示す。しかし、より薄い材料層及びより小さな装置サイズを容易にするために、より短い波長の光を半導体研磨用途における終点検出目的に利用することがますます迫られている。
【0009】
加えて、より微細な形体及びより多くのメタライゼーション層とともに、半導体装置はますます複雑になっている。この傾向は、平坦さを維持し、研磨の欠陥を制限するために、研磨消耗品の改善された性能を要求する。研磨の欠陥は、半導体装置を機能不能にするであろう導線の電気的断絶又は短絡を生じさせるおそれがある。マイクロスクラッチ又はチャターマークのような研磨の欠陥を減らすための一つの手法が、より軟質な研磨層材料を使用することであることは一般に知られている。したがって、欠陥品率性能の改善を促進するために、より軟質な研磨層材料を使用しようとする傾向がある。それにもかかわらず、従来のウィンドウ組成は、そのようなより軟質の研磨層材料とうまく適合せず、研磨欠陥品率の増大を招く傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、ケミカルメカニカルポリッシングパッドにおける使用のための改善されたポリマー終点検出ウィンドウ組成の必要性が絶えずある。特に、≦65ショアD硬度を<300%の破断伸度及び25〜100%の400nmにおける複光路透過率DPT
400とともに示し、望ましくないウィンドウ変形を示さず、厳しい研磨用途に求められる耐久性を有するポリマー終点検出ウィンドウ組成の必要性が絶えずある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、研磨面を有する研磨層と、終点検出ウィンドウとを含み、前記終点検出ウィンドウが、(i)(a)芳香族多官能イソシアネート、及び(b)プレポリマーポリオールを含む成分の反応生成物である、5.5〜9.5重量%の未反応NCO基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマーと、(ii)二官能硬化剤0〜90重量%、及び1分子あたり少なくとも1個の窒素原子を有し、1分子あたり平均少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール硬化剤10〜100重量%を含む硬化剤系とを含む成分の反応生成物を含む、ケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する。
【0012】
本発明は、研磨面を有する研磨層と、終点検出ウィンドウとを含み、前記終点検出ウィンドウが、(i)(a)芳香族多官能イソシアネート、及び(b)プレポリマーポリオールを含む成分の反応生成物である、5.5〜9.5重量%の未反応NCO基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマーと、(ii)二官能硬化剤0〜90重量%、及び1分子あたり少なくとも1個の窒素原子を有し、1分子あたり平均少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール硬化剤10〜100重量%を含む硬化剤系とを含む成分の反応生成物を含み、そして、前記研磨面が、磁性基材、光学基材及び半導体基材の少なくとも一つからなる群より選択される基材を研磨するように適合されている、ケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する。
【0013】
本発明は、研磨面を有する研磨層と、終点検出ウィンドウとを含み、前記終点検出ウィンドウが、(i)(a)芳香族多官能イソシアネート、及び(b)プレポリマーポリオールを含む成分の反応生成物である、5.5〜9.5重量%の未反応NCO基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマーと、(ii)二官能硬化剤0〜90重量%、及び1分子あたり少なくとも1個の窒素原子を有し、1分子あたり平均少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール硬化剤10〜100重量%を含む硬化剤系とを含む成分の反応生成物を含み、前記硬化剤系が複数の反応性水素基を有し、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが複数の未反応NCO基を有し、前記未反応NCO基に対する前記反応性水素基の化学量論比が0.7〜1.2である、ケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する。
【0014】
本発明は、研磨面を有する研磨層と、終点検出ウィンドウとを含み、前記終点検出ウィンドウが、(i)(a)芳香族多官能イソシアネート、及び(b)プレポリマーポリオールを含む成分の反応生成物である、5.5〜9.5重量%の未反応NCO基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマーと、(ii)二官能硬化剤0〜90重量%、及び1分子あたり少なくとも1個の窒素原子を有し、1分子あたり平均少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール硬化剤10〜100重量%を含む硬化剤系とを含む成分の反応生成物を含み、そして、前記終点検出ウィンドウが、≧1g/cm
3の密度、0.1容量%未満の気孔率、35〜65のショアD硬度、<300%の破断伸度及び25〜100%の400nmにおける複光路透過率DPT
400を示す、ケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する。
【0015】
本発明は、研磨面を有する研磨層と、終点検出ウィンドウとを含み、前記終点検出ウィンドウが、(i)(a)芳香族多官能イソシアネート、及び(b)プレポリマーポリオールを含む成分の反応生成物である、5.5〜9.5重量%の未反応NCO基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマーと、(ii)二官能硬化剤0〜90重量%、及び1分子あたり少なくとも1個の窒素原子を有し、1分子あたり平均少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール硬化剤10〜100重量%を含む硬化剤系とを含む成分の反応生成物を含み、そして、前記終点検出ウィンドウが、≧1g/cm
3の密度、0.1容量%未満の気孔率、35〜65のショアD硬度、<300%の破断伸度、25〜100%の400nmにおける複光路透過率DPT
400及び40〜100%の800nmにおける複光路透過率DPT
800を示し、さらに、<30%の800nmと400nmとの間の複光路透過率デルタΔDPT
800-400を示す、ケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する。
【0016】
本発明は、研磨面を有する研磨層と、終点検出ウィンドウとを含み、前記終点検出ウィンドウが、(i)(a)芳香族多官能イソシアネート、及び(b)プレポリマーポリオールを含む成分の反応生成物である、5.5〜9.5重量%の未反応NCO基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマーと、(ii)二官能硬化剤0〜90重量%、及び1分子あたり少なくとも1個の窒素原子を有し、1分子あたり平均少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール硬化剤10〜100重量%を含む硬化剤系とを含む成分の反応生成物を含み、前記研磨面が、その中に形成されたらせん溝パターンを有し、前記研磨面が、磁性基材、光学基材及び半導体基材の少なくとも一つからなる群より選択される基材を研磨するように適合されている、ケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する。
【0017】
本発明は、本発明によるケミカルメカニカルポリッシングパッドを製造する方法であって、研磨面を有する研磨層を提供する工程、芳香族多官能イソシアネート、及びプレポリマーポリオールを含む成分の反応生成物である、5.5〜9.5重量%の未反応NCO基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを提供する工程、二官能硬化剤0〜90重量%、及び1分子あたり少なくとも1個の窒素原子を有し、1分子あたり平均少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール硬化剤10〜100重量%を含む硬化剤系を提供する工程、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーと前記硬化剤系とを混合して混合物を形成する工程、前記混合物を反応させて生成物を形成する工程、前記生成物から終点検出ウィンドウを形成する工程、及び前記終点検出ウィンドウを前記研磨層とインタフェースで連結させてケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する工程を含む方法を提供する。
【0018】
本発明は、本発明によるケミカルメカニカルポリッシングパッドを製造する方法であって、研磨面を有する研磨層を提供する工程、5.5〜9.5重量%の未反応NCO基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを提供する工程、二官能硬化剤0〜90重量%、及び1分子あたり少なくとも1個の窒素原子を有し、1分子あたり平均少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール硬化剤10〜100重量%を含む硬化剤系を提供する工程、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーと前記硬化剤系とを混合して混合物を形成する工程、前記混合物を反応させて生成物を形成する工程、前記生成物から終点検出ウィンドウを形成する工程、及び前記終点検出ウィンドウを前記研磨層とインタフェースで連結させてケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する工程を含み、前記終点検出ウィンドウが一体型ウィンドウである、方法を提供する。
【0019】
本発明は、基材を研磨する方法であって、プラテン、光源及びフォトセンサを有するケミカルメカニカルポリッシング装置を提供する工程、少なくとも一つの基材を提供する工程、請求項1記載のケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する工程、前記ケミカルメカニカルポリッシングパッドを前記プラテンの上に設置する工程、任意選択的に、研磨面と前記基材との間の界面に研磨媒を提供する工程、前記研磨面と前記基材との間に動的接触を生じさせて、少なくとも前記基材から材料を除去する工程、及び前記光源からの光を前記終点検出ウィンドウに通して伝送し、前記基材の表面から反射して前記終点検出ウィンドウを反対に通過して前記フォトセンサに入射する光を分析することによって研磨終点を決定する工程を含む方法を提供する。
【0020】
本発明は、基材を研磨する方法であって、プラテン、光源及びフォトセンサを有するケミカルメカニカルポリッシング装置を提供する工程、少なくとも一つの基材を提供する工程、請求項1記載のケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する工程、前記ケミカルメカニカルポリッシングパッドを前記プラテンの上に設置する工程、任意選択的に、研磨面と前記基材との間の界面に研磨媒を提供する工程、前記研磨面と前記基材との間に動的接触を生じさせて、少なくとも前記基材から材料を除去する工程、及び前記光源からの光を前記終点検出ウィンドウに通して伝送し、前記基材の表面から反射して前記終点検出ウィンドウを反対に通過して前記フォトセンサに入射する光を分析することによって研磨終点を決定する工程を含み、前記少なくとも一つの基材が、磁性基材、光学基材及び半導体基材の少なくとも一つからなる群より選択される、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
基材研磨作業における重要な工程は、加工の終点を決定することである。終点検出のための一つの一般的なインサイチュー法は、選択された波長の光に対して透過性であるウィンドウをポリッシングパッドに設けることを含む。研磨中、光ビームがそのウィンドウを通してウェーハ表面に当てられると、そこで光ビームは反射し、ウィンドウを反対に通過して検出器(たとえば分光光度計)まで戻る。この戻り信号に基づき、終点検出のために基材表面の性質(たとえばその上の膜の厚さ)を求めることができる。そのような研磨プロセス終点検出技術を容易にするために、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドは、他に類のない成分のセットの反応生成物を含む終点検出ウィンドウを有し、その反応生成物は、硬さ(すなわち、35〜65のショアD硬度)及び低い引張り伸び(すなわち、破断伸度<300%)と、研磨終点検出を容易にするための良好な光学的性質(すなわち、25〜100%の400nmにおける複光路透過率DPT
400)との他に類のない組み合わせを示し、その終点検出ウィンドウ組成は、望ましくないウィンドウ変形(すなわち、過度な膨らみ)を示さず、厳しい研磨用途に求められる耐久性を有する。
【0023】
本願明細書及び添付の特許請求の範囲の中で使用される「研磨媒」とは、砥粒含有研磨溶液及び非砥粒含有研磨溶液、たとえば無砥粒及び反応液研磨溶液を包含する。
【0024】
本願明細書及び添付の特許請求の範囲の中で終点検出ウィンドウに関して使用される「複光路透過率」又は「DPT」は、以下の式を使用して決定される。
DPT=(IW
Si−IW
D)÷(IA
Si−IA
D)
式中、IW
Si、IW
D、IA
Si及びIA
Dは、SD1024F分光器、キセノン閃光ランプ及び3mm光ファイバケーブルを含むVerity SP2006スペクトル干渉計を使用して、3mm光ファイバケーブルの発光面を原点で終点検出ウィンドウの第一の面に対して(垂直に)配置し、光をウィンドウの厚さT
Wに通して送り、第一の面に対して実質的に平行な終点検出ウィンドウの第二の面に対して配置された面から反射してウィンドウの厚さT
Wを反対に通過する光の強さを原点で計測することによって計測され、IW
Siは、原点からウィンドウを通過し、ウィンドウの第二の面に対して配置されたシリコンブランケットウェーハの表面から反射してウィンドウを反対に通過して原点に戻る光の強さの計測値であり、IW
Dは、原点からウィンドウを通過し、黒体の表面から反射してウィンドウを反対に通過して原点に戻る光の強さの計測値であり、IA
Siは、原点から終点検出ウィンドウの厚さT
wに等しい空気の厚さを通過し、3mm光ファイバケーブルの発光面に対して垂直に配置されたシリコンブランケットウェーハの表面から反射して空気の厚さを反対に通過して原点に戻る光の強さの計測値であり、IA
Dは、3mm光ファイバケーブルの発光面で黒体から反射する光の強さの計測値である。
【0025】
本願明細書及び添付の特許請求の範囲の中で使用される「DPT
400」とは、400nmの波長を有する光の場合に終点検出ウィンドウによって示されるDPTである。
【0026】
本願明細書及び添付の特許請求の範囲の中で使用される「DPT
800」とは、800nmの波長を有する光の場合に終点検出ウィンドウによって示されるDPTである。
【0027】
本願明細書及び添付の特許請求の範囲の中で使用される「800nmと400nmとの間の複光路透過率デルタ」又は「ΔDPT
800-400」とは、以下の式
ΔDPT
800-400=DPT
800−DPT
400
を使用して求められる、800nmの波長を有する光の場合に終点検出ウィンドウによって示される複光路透過率と、400nmの波長を有する光の場合に終点検出ウィンドウによって示される複光路透過率との差である。
【0028】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドは、研磨面を有する研磨層と、終点検出ウィンドウとを含み、その終点検出ウィンドウは、(i)(a)芳香族多官能イソシアネート、及び(b)プレポリマーポリオールを含む成分の反応生成物である、5.5〜9.5重量%(好ましくは5.75〜9.0重量%)の未反応NCO基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマーと、(ii)二官能硬化剤0〜90重量%(好ましくは0〜75重量%、より好ましくは0〜70重量%)、及び1分子あたり少なくとも1個の窒素原子(好ましくは1〜4個の窒素原子、より好ましくは2〜4個の窒素原子、もっとも好ましくは2個の窒素原子)を有し、1分子あたり平均少なくとも3個(好ましくは3〜6個、より好ましくは3〜5個、もっとも好ましくは4個)のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール硬化剤10〜100重量%(好ましくは25〜100重量%、より好ましくは30〜100重量%)を含む硬化剤系とを含む成分の反応生成物を含む。
【0029】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨層は、基材を研磨するように適合された研磨面を有する。好ましくは、研磨面は、磁性基材、光学基材及び半導体基材の少なくとも一つから選択される基材を研磨するように適合されている。より好ましくは、研磨面は、半導体基材を研磨するように適合されている。
【0030】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨層は、好ましくは、ポリカーボネート類、ポリスルホン類、ナイロン類、ポリエーテル類、ポリエステル類、ポリスチレン類、アクリルポリマー類、ポリメチルメタクリレート類、ポリ塩化ビニル類、ポリフッ化ビニル類、ポリエチレン類、ポリプロピレン類、ポリブタジエン類、ポリエチレンイミン類、ポリウレタン類、ポリエーテルスルホン類、ポリアミド類、ポリエーテルイミド類、ポリケトン類、エポキシ類、シリコーン類、EPDM及びそれらの組み合わせから選択されるポリマーを含むポリマー材料でできている。好ましくは、研磨層はポリウレタンを含む。当業者は、所与の研磨作業のためにケミカルメカニカルポリッシングパッドにおける使用に適した厚さを有する研磨層を選択することを理解するであろう。好ましくは、研磨層は、20〜150ミル(より好ましくは30〜125ミル、もっとも好ましくは40〜120ミル)の平均厚さを示す。
【0031】
好ましくは、研磨面は、穿孔及び溝の少なくとも一つから選択されるマクロテキスチャを有する。穿孔は、研磨面から研磨層の厚さの途中まで又は全部に延びることができる。好ましくは、溝は、研磨中にケミカルメカニカルポリッシングパッドが回転すると、少なくとも一つの溝が、研磨されている基材の表面を掃くように研磨面上に配設される。好ましくは、研磨面は、カーブした溝、直線状の溝及びそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの溝を含むマクロテキスチャを有する。
【0032】
好ましくは、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨層は、基材を研磨するように適合された研磨面を有し、研磨面は、その中に形成された溝パターンを含むマクロテキスチャを有する。好ましくは、溝パターンは複数の溝を含む。より好ましくは、溝パターンは溝デザインから選択される。好ましくは、溝デザインは、同心状の溝(円形又はらせん状とすることができる)、カーブした溝、クロスハッチ溝(たとえばパッド表面上にX−Yグリッドとして配設)、他の規則的デザイン(たとえば六角形、三角形)、タイヤトレッド型パターン、不規則なデザイン(たとえばフラクタルパターン)及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。より好ましくは、溝デザインは、ランダムな溝、同心状の溝、らせん溝、クロスハッチ溝、X−Yグリッド溝、六角形の溝、三角形の溝、フラクタルな溝及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。もっとも好ましくは、研磨面は、その中に形成されたらせん溝パターンを有する。溝プロフィールは、好ましくは、まっすぐな側壁を有する長方形から選択され、又は、溝断面は「V」字形、「U」字形、鋸子状及びそれらの組み合わせとすることもできる。
【0033】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウの形成に使用されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、5.5〜9.5重量%(好ましくは5.75〜9.0重量%)の未反応NCO基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマーであり、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、芳香族多官能イソシアネート及びプレポリマーポリオールを含む成分の反応生成物である。
【0034】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウの形成に使用されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、好ましくは、1分子あたり平均2個の反応性イソシアネート基(すなわちNCO)を含む。
【0035】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウの形成に使用されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、好ましくは、0.1重量%未満の遊離トルエンジイソシアネート(TDI)モノマー含量を有する、低遊離イソシアネート末端ウレタンプレポリマーである。
【0036】
好ましくは、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウの形成に使用されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーの調製に使用される芳香族多官能イソシアネートは、芳香族ジイソシアネートである。より好ましくは、芳香族多官能イソシアネートは、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、パラ−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、及びそれらの混合物からなる群より選択される。もっとも好ましくは、使用される芳香族多官能イソシアネートは、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、及びそれらの混合物からなる群より選択される。
【0037】
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーの調製に使用されるプレポリマーポリオールは、好ましくは、ジオール類、ポリオール類、ポリオールジオール類、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群より選択される。より好ましくは、プレポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオール類(たとえばポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン)グリコール)、ポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール類、それらの混合物ならびにエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールからなる群より選択される一つ以上の低分子量ポリオール類とのそれらの混合物からなる群より選択される。さらに好ましくは、プレポリマーポリオールは、任意選択的にエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも一つの低分子量ポリオールと混合した、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリプロピレンエーテルグリコール類(PPG)及びポリエチレンエーテルグリコール類(PEG)の少なくとも一つからなる群より選択される。もっとも好ましくは、プレポリマーポリオールは、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールの少なくとも一つと混合したPPGを含む。
【0038】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウの形成に使用される硬化剤系は、好ましくは、二官能硬化剤0〜90重量%(好ましくは0〜75重量%、より好ましくは0〜70重量%)、及び1分子あたり少なくとも1個の窒素原子(好ましくは1〜4個の窒素原子、より好ましくは2〜4個の窒素原子、もっとも好ましくは2個の窒素原子)を有し、1分子あたり平均少なくとも3個(好ましくは3〜6個、より好ましくは3〜5個、もっとも好ましくは4個)のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール硬化剤10〜100重量%(好ましくは25〜100重量%、より好ましくは30〜100重量%)を含む。好ましくは、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウの形成に使用される硬化剤系は、2,000〜100,000の数平均分子量M
Nを有し、1分子あたり平均3〜10個のヒドロキシル基を有する高分子量ポリオール硬化剤<1重量%(好ましくは<0.1重量%、より好ましくは<0.01重量%)を含む。より好ましくは、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウの形成に使用される硬化剤系は、二官能硬化剤0〜90重量%(好ましくは0〜75重量%、より好ましくは0〜70重量%)、1分子あたり少なくとも1個の窒素原子(好ましくは1〜4個の窒素原子、より好ましくは2〜4個の窒素原子、もっとも好ましくは2個の窒素原子)を有し、1分子あたり平均少なくとも3個(好ましくは3〜6個、より好ましくは3〜5個、もっとも好ましくは4個)のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール硬化剤10〜100重量%(好ましくは25〜100重量%、より好ましくは30〜100重量%)、及び2,000〜100,000の数平均分子量M
Nを有し、1分子あたり平均3〜10個のヒドロキシル基を有する高分子量ポリオール硬化剤<0.001重量%を含む。もっとも好ましくは、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウの形成に使用される硬化剤系は、二官能硬化剤0〜90重量%(好ましくは0〜75重量%、より好ましくは0〜70重量%)、1分子あたり少なくとも1個の窒素原子(好ましくは1〜4個の窒素原子、より好ましくは2〜4個の窒素原子、もっとも好ましくは2個の窒素原子)を有し、1分子あたり平均少なくとも3個(好ましくは3〜6個、より好ましくは3〜5個、もっとも好ましくは4個)のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール硬化剤10〜100重量%(好ましくは25〜100重量%、より好ましくは30〜100重量%)、及び2,000〜100,000の数平均分子量M
Nを有し、1分子あたり平均3〜10個のヒドロキシル基を有する高分子量ポリオール硬化剤を<検出可能量含む。
【0039】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウの形成に使用されるアミン開始ポリオール硬化剤は、1分子あたり少なくとも1個の窒素原子(好ましくは1〜4個の窒素原子、より好ましくは2〜4個の窒素原子、もっとも好ましくは2個の窒素原子)を含み、1分子あたり平均少なくとも3個(好ましくは3〜6個、より好ましくは3〜5個、もっとも好ましくは4個)のヒドロキシル基を含む。好ましくは、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウの形成に使用されるアミン開始ポリオール硬化剤は、≦700(より好ましくは150〜650、さらに好ましくは200〜500、もっとも好ましくは250〜300)の数平均分子量M
Nを有する。
【0040】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウの形成に使用されるアミン開始ポリオール硬化剤は、好ましくは、350〜1,200mgKOH/g(より好ましくは400〜1,000mgKOH/g、もっとも好ましくは600〜850mgKOH/g)のヒドロキシル価を有する(ASTM試験法D4274−11によって測定)。
【0041】
市販されているアミン開始ポリオール硬化剤の例は、Voranol(登録商標)ファミリーのアミン開始ポリオール類(The Dow Chemical Companyから入手可能)、Quadrol(登録商標)スペシャルティーポリオール(N,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン)(BASFから入手可能)、Pluracol(登録商標)アミン系ポリオール類(BASFから入手可能)、Multranol(登録商標)アミン系ポリオール類(Bayer MaterialScience LLCから入手可能)、トリイソプロパノールアミン(TIPA)(The Dow Chemical Companyから入手可能)及びトリエタノールアミン(TEA)(Mallinckrodt Baker Inc.から入手可能)を含む。いくつかの好ましいアミン開始ポリオール硬化剤を表1に掲げる。
【0043】
理論によって拘束されることを望まないが、硬化剤系中に使用されるアミン開始ポリオール硬化剤の濃度は、それを用いて製造される終点検出ウィンドウにおける物性の所望のバランスを促進することに加えて、その反応及び硬化剤系中の二官能硬化剤とイソシアネート末端ウレタンプレポリマー中に存在する未反応イソシアネート(NCO)基との反応を自触媒するようにも働くと考えられる。
【0044】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウの形成に使用される二官能硬化剤は、好ましくは、ジオール類及びジアミン類から選択される。より好ましくは、二官能硬化剤は、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びその異性体、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及びその異性体(たとえば3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン)、4,4′−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン、1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン、4,4′−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)、4,4′−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(MCDEA)、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、N,N′−ジアルキルジアミノジフェニルメタン、p,p′−メチレンジアニリン(MDA)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、4,4′−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(MBOCA)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)(MDEA)、4,4′−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)(MDCA)、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチル−5,5′−ジメチルジフェニルメタン、2,2′,3,3′−テトラクロロジアミノジフェニルメタン、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート及びそれらの混合物からなる群より選択される二官能芳香族硬化剤である。さらに好ましくは、使用される二官能芳香族硬化剤は、4,4′−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(MBOCA)、4,4′−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(MCDEA)及びそれらの異性体からなる群より選択される。もっとも好ましくは、使用される二官能芳香族硬化剤は4,4′−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(MBOCA)である。
【0045】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウの形成に使用される、硬化剤系の成分に含まれる反応性水素基の合計(すなわち、アミン(NH
2)基とヒドロキシル(OH)基との合計)を、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中の未反応イソシアネート(NCO)基で割った比(すなわち化学量論比)は、好ましくは0.7〜1.2(好ましくは0.8〜1.10、より好ましくは0.95〜1.05、もっとも好ましくは0.98〜1.02)である。
【0046】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウは、好ましくは、≧1g/cm
3(好ましくは1.05〜1.2g/cm
3、より好ましくは1.1〜1.2g/cm
3)の密度、0.1容量%未満の気孔率、35〜65のショアD硬度、<300%(好ましくは100〜<300%、より好ましくは150〜250%、もっとも好ましくは175〜245%)の破断伸度及び、本明細書の例に記載される条件の下で計測して、400nmで25〜100%(好ましくは25〜85%、より好ましくは25〜80%、もっとも好ましくは25〜65%)の複光路透過率DPT
400を示す。
【0047】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウは、好ましくは、本明細書の例に記載される条件の下で計測して、800nmで25〜100%(好ましくは30〜85%、より好ましくは45〜80%、もっとも好ましくは40〜65%)の複光路透過率DPT
800を示す。好ましくは、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウは、本明細書の例に記載される条件の下で計測して、25〜100%(好ましくは30〜85%、より好ましくは45〜80%、もっとも好ましくは40〜65%)のDPT
800を示し、本明細書の例に記載される条件の下で計測して、400nmで25〜100%(好ましくは25〜85%、より好ましくは25〜80%、もっとも好ましくは25〜65%)の複光路透過率DPT
400を示し、本明細書の例に記載される条件の下で計測して、800nmと400nmとの間で<30%≦25%、(より好ましくは≦15%、もっとも好ましくは≦10%)の複光路透過率デルタΔDPT
800-400を示す。
【0048】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの終点検出ウィンドウは、好ましくは、嵌め込み型ウィンドウ及び一体型ウィンドウから選択される。より好ましくは、終点検出ウィンドウは、研磨層に組み込まれた一体型ウィンドウである。
【0049】
任意選択的に、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドはさらに、研磨層とインタフェースで連結する少なくとも一つの追加層を含む。好ましくは、研磨層は、接着剤を使用して、少なくとも一つの追加層とインタフェースで連結させる。接着剤は、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、コンタクト接着剤及びそれらの組み合わせから選択することができる。好ましくは、接着剤はホットメルト接着剤又は感圧接着剤である。より好ましくは、接着剤はホットメルト接着剤である。
【0050】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドは、好ましくは、研磨機のプラテンとインタフェースで連結するように適合されている。好ましくは、ケミカルメカニカルポリッシングパッドは、研磨機のプラテンに固定されるように適合されている。好ましくは、ケミカルメカニカルポリッシングパッドは、感圧接着剤及び真空の少なくとも一つを使用してプラテンに固定することができる。好ましくは、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドはさらに、プラテンへの固定を容易にするための感圧プラテン接着剤層を含む。当業者には、感圧プラテン接着剤層としての使用に適切な感圧接着剤を選択する方法はわかるであろう。好ましくは、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドはまた、感圧プラテン接着剤の上に適用される剥離ライナを含むであろう。
【0051】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドを製造する方法は、研磨面を有する研磨層を提供する工程、(a)芳香族多官能イソシアネート、及び(b)プレポリマーポリオールを含む成分の反応生成物である、5.5〜9.5重量%(好ましくは5.75〜9.0重量%)の未反応NCO基を有するイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを提供する工程、二官能硬化剤0〜90重量%(好ましくは0〜75重量%、より好ましくは0〜70重量%)、及び1分子あたり少なくとも1個の窒素原子(好ましくは1〜4個の窒素原子、より好ましくは2〜4個の窒素原子、もっとも好ましくは2個の窒素原子)を有し、1分子あたり平均少なくとも3個(好ましくは3〜6個、より好ましくは3〜5個、もっとも好ましくは4個)のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール硬化剤10〜100重量%(好ましくは25〜100重量%、より好ましくは30〜100重量%)を含む硬化剤系を提供する工程、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーと前記硬化剤系とを混合して混合物を形成する工程、前記混合物を反応させて生成物を形成する工程、前記生成物から終点検出ウィンドウを形成する工程、及び前記終点検出ウィンドウを前記研磨層とインタフェースで連結させてケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する工程を含む。好ましくは、終点検出ウィンドウは、公知の技術を使用して研磨層に組み込まれた一体型ウィンドウとして、又は公知の技術を使用してケミカルメカニカルポリッシングパッドに組み込まれた嵌め込み型ウィンドウとして、研磨層とインタフェースで連結する。もっとも好ましくは、終点検出ウィンドウは一体型ウィンドウとして研磨層に組み込まれる。
【0052】
基材のケミカルメカニカルポリッシングのための本発明の方法は、プラテン、光源及びフォトセンサ(好ましくはマルチセンサ分光器)を有するケミカルメカニカルポリッシング装置を提供する工程、研磨される少なくとも一つの基材を提供する工程(好ましくは、基材は、磁性基材、光学基材及び半導体基材の少なくとも一つからなる群より選択され、より好ましくは、基材は半導体基材であり、もっとも好ましくは、基材は半導体ウェーハである)、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する工程、前記ケミカルメカニカルポリッシングパッドを前記プラテンの上に設置する工程、任意選択的に、前記ケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨面と前記基材との間の界面に研磨媒を提供する工程(好ましくは、研磨媒は、研磨スラリー及び非砥粒含有反応性液剤からなる群より選択される)、前記研磨面と前記基材との間に動的接触を生じさせて、少なくとも前記基材から材料を除去する工程、及び前記光源からの光を前記終点検出ウィンドウに通して伝送し、前記基材の表面から反射して前記終点検出ウィンドウを反対に通過して前記フォトセンサに入射する光を分析することによって研磨終点を決定する工程を含む。好ましくは、研磨終点は、基材の表面から反射し、終点検出ウィンドウを通過して伝送される光の波長の分析に基づいて決定され、光の波長は>370nm〜800nmの波長を有する。より好ましくは、研磨終点は、基材の表面から反射し、終点検出ウィンドウを通過して伝送される光の複数の波長の分析に基づいて決定され、分析される波長の一つは>370nm〜800nmの波長を有する。
【0053】
ここで、以下の例において本発明のいくつかの実施態様を詳細に説明する。
【0054】
比較例C1〜C4及び例1〜6
表2に提供する組成詳細にしたがって終点検出ウィンドウを作製した。ボルテックスミキサを1,000rpmで30秒間使用して、ウィンドウプレポリマーを硬化剤系の成分と混合した。二官能硬化剤(例えばMBOCA及びMCDEA)を除くすべての原料は60℃の予備混合温度に維持した。MBOCA及びMCDEAは、使用時、120℃の予備混合温度に維持した。
【0055】
終点検出ウィンドウに使用されるウィンドウプレポリマーと硬化剤系との間の化学量論比は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中の未反応イソシアネート(NCO)基に対する硬化剤系中の反応性水素基(すなわち、−OH基と−NH
2基との合計)の比として表2に提供されている。
【0056】
例それぞれにおいて、ボルテックスミキサを使用して、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーと硬化剤系とを混合した。混合ののち、混合物を、2mm×125mm×185mmの寸法のポケット金型の中に計量分配した。次いで、計量分配された混合物を含むポケット金型をオーブン中で18時間硬化させた。オーブンの設定値温度は、はじめの20分間は93℃であり、その後15時間40分間は104℃であり、最後の2時間は21℃に下げた。その後、ポケット金型及びその内容物をオーブンから取り出し、生成物終点検出ウィンドウをポケット金型から取り出した。
【0058】
比較例C1〜C4及び例1〜6のそれぞれにしたがって作製した終点検出ウィンドウを分析して、表3に報告するような物性を測定した。
【0059】
終点検出ウィンドウについて報告するDPT
400及びDPT
800透過率データは、以下の式を使用して求めたものである。
DPT=(IW
Si−IW
D)÷(IA
Si−IA
D)
式中、IW
Si、IW
D、IA
Si及びIA
Dは、SD1024F分光器、キセノン閃光ランプ及び3mm光ファイバケーブルを含むVerity SP2006スペクトル干渉計を使用して、3mm光ファイバケーブルの発光面を原点で終点検出ウィンドウの第一の面に対して(垂直に)配置し、所与の波長の光(すなわち、それぞれ400nm及び800nm)をウィンドウの厚さT
Wに通して送り、第一の面に対して実質的に平行な終点検出ウィンドウの第二の面に対して配置された面から反射してウィンドウの厚さT
Wを反対に通過する所与の波長の光の強さを原点で計測することによって計測され、IW
Siは、原点からウィンドウを通過し、ウィンドウの第二の面に対して配置されたシリコンブランケットウェーハの表面から反射してウィンドウを反対に通過して原点に戻る所与の波長の光の強さの計測値であり、IW
Dは、原点からウィンドウを通過し、黒体の表面から反射してウィンドウを反対に通過して原点に戻る所与の波長の光の強さの計測値であり、IA
Siは、原点から終点検出ウィンドウの厚さT
wに等しい空気の厚さを通過し、3mm光ファイバケーブルの発光面に対して垂直に配置されたシリコンブランケットウェーハの表面から反射して空気の厚さを反対に通過して原点に戻る所与の波長の光の強さの計測値であり、IA
Dは、3mm光ファイバケーブルの発光面で黒体から反射する所与の波長の光の強さの計測値である。比較例C3及びC4ならびに例3〜6にしたがって作製された終点検出ウィンドウについて、観測された複光路透過率を300〜800nmの光の波長に対して描いたグラフをそれぞれ
図1〜6に示す。
【0060】
終点検出ウィンドウについて報告する密度データは、ASTM D1622にしたがって測定したものである。
【0061】
終点検出ウィンドウについて報告するショアD硬度データは、ASTM D2240にしたがって測定したものである。
【0062】
終点検出ウィンドウの引張り特性(すなわち引張り強さ及び破断伸度)は、ASTM D1708−10にしたがって、MTS Systems Corporationから入手可能なAlliance RT/5メカニカルテスタを50.8cm/minのクロスヘッド速度で使用して計測したものである。すべての引張り特性試験は、23℃及び相対湿度50%に設定された温度・湿度制御された実験室内で実施した。試験を実施する前に、すべての試料を前記実験室条件下で5日間コンディショニングした。各終点検出ウィンドウ材料について報告する引張り強さ(MPa)及び破断伸度(%)は、四つの反復試験試料の応力ひずみ曲線から求めたものである。