(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
バッテリと、該バッテリから供給される電力で駆動する電動モータと、該電動モータにより駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出される圧油の油路を切り換える切換制御弁と、該切換制御弁から吐出される圧油により駆動される油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータにより駆動されるクレーン装置、アウトリガ装置及び走行装置とを備え、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置が格納状態のときに前記走行装置による走行が可能な移動式クレーンの作動制御装置であって、
前記バッテリの残量を検出するバッテリ残量検出部と、
前記移動式クレーンの操作内容に基づき、前記切換制御弁を制御することで前記クレーン装置、前記アウトリガ装置及び前記走行装置の作動内容を制御する作動内容制御部と、を備え、
前記作動内容制御部は、前記バッテリ残量検出部の検出結果に基づき、前記バッテリの残量が予め設定した低残量閾値範囲内であると判定すると、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を、前記走行装置による走行が可能な走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限するように制御し、
前記低残量閾値範囲は、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な電力、及び前記走行可能状態へ移行させた後に予め設定した走行時間の走行が可能な電力を供給可能な前記バッテリの残量の範囲に設定されていることを特徴とする移動式クレーンの作動制御装置。
前記走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容は、前記クレーン装置の吊り荷を降ろすのに必要な作動内容、並びに前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置を格納するのに必要な作動内容であることを特徴とする請求項1に記載の移動式クレーンの作動制御装置。
前記クレーン装置の作動内容は、該クレーン装置の備えるブームの伸張動作及び縮小動作と、前記ブームの起伏動作と、前記ブームの旋回動作と、前記クレーン装置の備えるウインチの巻上げ動作及び巻下げ動作とを含み、
前記アウトリガ装置の作動内容は、該アウトリガ装置が備える複数のアウトリガの張出動作及び格納動作を含み、
前記クレーン装置の吊り荷を降ろすのに必要な作動内容は、前記ブームの縮小動作、起伏動作及び旋回動作、並びに前記ウインチの巻上げ動作及び巻下げ動作であり、
前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置を格納するのに必要な作動内容は、前記ブームの縮小動作、伏動作及び旋回動作、前記ウインチの巻上げ動作、並びに前記複数のアウトリガの格納動作であることを特徴とする請求項2又は3に記載の移動式クレーンの作動制御装置。
前記油圧ポンプから吐出された圧油を前記切換制御弁に供給するための主管路及び供給した圧油をタンクに戻すための戻り管路の間に設けられたアンロード弁と、前記アンロード弁を開閉作動させるアンロード弁作動用電磁弁とを備え、
前記アンロード弁は、作動信号の入力によって前記アンロード弁作動用電磁弁を作動することで開状態となって前記主管路と前記戻り管路とを連通して前記油圧ポンプを無負荷運転させるように構成されており、
前記作動内容制御部は、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限する制御を行っているときに、前記走行可能状態へ移行させるのに不要な作動内容の操作が行われたことに応じて、前記アンロード弁作動用電磁弁に対して作動信号を入力して前記油圧ポンプを無負荷運転させると共に、前記電動モータの動作を停止する制御を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の移動式クレーンの作動制御装置。
前記作動内容制御部は、前記バッテリの残量が前記低残量閾値範囲内になったと判定したときに、前記電動モータを停止する制御を行い、前記電動モータを停止後に、操作装置を介した、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を前記走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限する作動モードであるリザーブモードへの移行指示の入力に応じて、前記バッテリの残量が前記低残量閾値範囲内である間、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限する制御を実施することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の移動式クレーンの作動制御装置。
バッテリと、該バッテリから供給される電力で駆動する電動モータにより駆動されるクレーン装置、アウトリガ装置及び走行装置とを備え、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置が格納状態のときに前記走行装置による走行が可能な移動式クレーンの作動制御装置であって、
前記バッテリの残量を検出するバッテリ残量検出部と、
前記移動式クレーンの操作内容に基づき、前記クレーン装置、前記アウトリガ装置及び前記走行装置の作動内容を制御する作動内容制御部と、を備え、
前記作動内容制御部は、前記バッテリ残量検出部の検出結果に基づき、前記バッテリの残量が予め設定した低残量閾値範囲内であると判定すると、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を、前記走行装置による走行が可能な走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限するように制御し、
前記低残量閾値範囲は、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な電力、及び前記走行可能状態へ移行させた後に予め設定した走行時間の走行が可能な電力を供給可能な前記バッテリの残量の範囲に設定されていることを特徴とする移動式クレーンの作動制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1及び2の技術は、いずれも電動モータの消費エネルギーを低減することでバッテリを長持ちさせる技術となる。そのため、作業機が移動不可能となるバッテリ残量にまで低減したことに操作者が気付かずに、作業機を現場から動かせなくなるといった状況に陥る可能性がある。このような状況では、バッテリを充電するしかないが、必要量のバッテリ充電には時間を要するため現場からの即時撤収が必要な場合などに即応が困難となる。
【0005】
特に、移動式クレーンでは、一般に、荷を吊っている状態から移動可能(走行可能)な状態へ移行させるために、吊り荷を地面に降ろす動作に加えて、クレーン装置やアウトリガ装置を格納する動作を行う必要があり、これらの動作を行うための電力が必要となる。加えて、移動をするにも電力が必要となるため、バッテリ残量が不足している場合に、荷下ろし動作や格納動作が不要な他の移動式の作業機と比較して必要な充電量を充電するまでに多くの時間を要する。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、バッテリ残量の不足によって移動式クレーンが現場から移動できない状態となるのを回避するのに好適な移動式クレーンの作動制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔形態1〕 上記目的を達成するために、本発明の形態1に係る移動式クレーンの作動制御装置は、バッテリと、該バッテリから供給される電力で駆動する電動モータと、該電動モータにより駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出される圧油の油路を切り換える切換制御弁と、該切換制御弁から吐出される圧油により駆動される油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータにより駆動されるクレーン装置、アウトリガ装置及び走行装置とを備え、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置が格納状態のときに前記走行装置による走行が可能な移動式クレーンの作動制御装置であって、前記バッテリの残量を検出するバッテリ残量検出部と、前記移動式クレーンの操作内容に基づき、前記切換制御弁を制御することで前記クレーン装置、前記アウトリガ装置及び前記走行装置の作動内容を制御する作動内容制御部と、を備え、前記作動内容制御部は、前記バッテリ残量検出部の検出結果に基づき、前記バッテリの残量が予め設定した低残量閾値範囲内であると判定すると、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を、前記走行装置による走行が可能な走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限するように制御し、前記低残量閾値範囲は、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な電力、及び前記走行可能状態へ移行させた後に予め設定した走行時間の走行が可能な電力を供給可能な前記バッテリの残量の範囲に設定されている。
【0007】
このような構成であれば、作動制御部によって、バッテリの残量が低減して低残量閾値範囲内であると判定したときに、切換制御弁を制御することで、クレーン装置及びアウトリガ装置の作動を、クレーン装置及びアウトリガ装置を走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限することが可能となる。また、作動制限を行う時点で、クレーン装置及びアウトリガ装置を走行可能状態へ移行させ、かつ、予め設定した走行時間の走行を行うことができるバッテリ残量を確保することが可能である。
これによって、移動式クレーンが、バッテリ残量の不足によって現場から移動できない状態となるのを回避することが可能となる。また、走行可能状態へと移行時は誤操作等による走行可能状態へ移行させるのに不要な作動内容の作動を防ぐことが可能となり、不要なバッテリ消費を防げると共に速やかな走行可能状態への移行が可能になる。
【0008】
〔形態2〕 更に、形態2の移動式クレーンの作動制御装置は、形態1の構成に対して、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容は、前記クレーン装置の吊り荷を降ろすのに必要な作動内容、並びに前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置を格納するのに必要な作動内容である。
このような構成であれば、移動式クレーンが荷を吊っている状態でバッテリ残量が低残量閾値範囲内となっても、クレーン装置を作動して吊り荷を降ろして、クレーン装置及びアウトリガ装置を走行可能状態へ移行させることが可能である。更に、走行可能状態へ移行させた後に、予め設定した走行時間の走行を行うことが可能である。
これによって、荷を吊った状態の移動式クレーンが、バッテリ残量の不足によって現場から移動できない状態となるのを回避することが可能となる。
【0009】
〔形態3〕 更に、形態3の移動式クレーンの作動制御装置は、形態2の構成に対して、前記クレーン装置が荷を吊っている状態であるか否かを検出する吊り荷検出部を備え、前記作動内容制御部は、前記バッテリ残量検出部の検出結果及び前記吊り荷検出部の検出結果に基づき、前記バッテリの残量が前記低残量閾値範囲内であると判定し、かつ前記クレーン装置が荷を吊っている状態であると判定すると、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を、前記クレーン装置の前記吊り荷を降ろすのに必要な作動内容の作動のみに制限し、前記バッテリの残量が前記低残量閾値範囲内であると判定し、かつ前記クレーン装置が荷を吊っていない状態であると判定すると、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置を格納するのに必要な作動内容の作動のみに制限する。
【0010】
このような構成であれば、作動制御部によって、バッテリ残量が低残量閾値範囲内であるときに、クレーン装置が荷を吊っている状態のときには、吊り荷を降ろすのに必要な作動内容の作動のみを許可し、クレーン装置が荷を吊っていない状態のときには、クレーン装置及びアウトリガ装置を格納するのに必要な作動内容の作動のみを許可することが可能である。
これによって、吊り荷がある状態のときと無い状態のときとで、より適切な作動内容の作動のみに制限することが可能となり、誤操作等による不要なバッテリ消費をより確実に防ぐことが可能となる。
【0011】
〔形態4〕 更に、形態4の移動式クレーンの作動制御装置は、形態2又は3の構成に対して、前記クレーン装置の作動内容は、該クレーン装置の備えるブームの伸張動作及び縮小動作と、前記ブームの起伏動作と、前記ブームの旋回動作と、前記クレーン装置の備えるウインチの巻上げ動作及び巻下げ動作とを含み、前記アウトリガ装置の作動内容は、該アウトリガ装置が備える複数のアウトリガの張出動作及び格納動作を含み、前記クレーン装置の吊り荷を降ろすのに必要な作動内容は、前記ブームの縮小動作、起伏動作及び旋回動作、並びに前記ウインチの巻上げ動作及び巻下げ動作であり、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置を格納するのに必要な作動内容は、前記ブームの縮小動作、伏動作及び旋回動作、前記ウインチの巻上げ動作、並びに前記複数のアウトリガの格納動作である。
【0012】
このような構成であれば、バッテリ残量が低残量閾値範囲内であるときに、吊り荷を降ろす場合は、ブームの縮小動作、起伏動作及び旋回動作、ウインチの巻上げ動作及び巻下げ動作、並びに複数のアウトリガの格納動作を行って吊り荷を確実に地面に降ろすことが可能となる。一方、クレーン装置及びアウトリガ装置を格納する場合は、ブームの縮小動作、伏動作及び旋回動作、ウインチの巻上げ動作、並びに複数のアウトリガの格納動作を行って移動式クレーンを確実に走行可能状態へ移行させることが可能となる。
【0013】
〔形態5〕 更に、形態5の移動式クレーンの作動制御装置は、形態1から4のいずれか1の構成に対して、前記油圧ポンプから吐出された圧油を前記切換制御弁に供給するための主管路及び供給した圧油をタンクに戻すための戻り管路の間に設けられたアンロード弁と、前記アンロード弁を開閉作動させるアンロード弁作動用電磁弁とを備え、前記アンロード弁は、作動信号の入力によって前記アンロード弁作動用電磁弁を作動することで開状態となって前記主管路と前記戻り管路とを連通して前記油圧ポンプを無負荷運転させるように構成されており、前記作動内容制御部は、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限する制御を行っているときに、前記走行可能状態へ移行させるのに不要な作動内容の操作が行われたことに応じて、前記アンロード弁作動用電磁弁に対して作動信号を入力して前記油圧ポンプを無負荷運転させると共に、前記電動モータの動作を停止する制御を行う。
【0014】
このような構成であれば、作動制御部によって、走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限する制御を行っているときに、走行可能状態へ移行させるのに不要な作動内容の操作が行われたことに応じて、油圧ポンプを無負荷運転させると共に、電動モータの動作を停止することが可能となる。即ち、油圧ポンプの動作を停止することが可能となる。
これによって、走行可能状態へ移行させるのに不要な作動内容の作動を確実に阻止することが可能となる。
【0015】
〔形態6〕 更に、形態6の移動式クレーンの作動制御装置は、形態1から5のいずれか1の構成に対して、前記作動内容制御部は、前記バッテリの残量が前記低残量閾値範囲内になったと判定したときに、前記電動モータを停止する制御を行い、前記電動モータを停止後に、操作装置を介した、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を前記走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限する作動モードであるリザーブモードへの移行指示の入力に応じて、前記バッテリの残量が前記低残量閾値範囲内である間、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限する制御を実施する。
【0016】
このような構成であれば、バッテリ残量が低残量閾値範囲内になったと判定したときに、まず、電動モータを停止し、操作者が操作装置を操作してリザーブモードへの移行指示が入力されると、バッテリ残量が前記低残量閾値範囲内である間、クレーン装置及びアウトリガ装置の作動を、移動式クレーンを走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限する制御を実施することが可能である。
これによって、操作者の判断で、例えば、現場からの速やかな移動が必要な場合は、リザーブモードへと移行し、そうでない場合は、例えば、バッテリを充電して作業を継続するといった選択が可能となる。
【0017】
〔形態7〕 一方、上記目的を達成するために形態7の移動式クレーンの作動制御装置は、バッテリと、該バッテリから供給される電力で駆動する電動モータにより駆動されるクレーン装置、アウトリガ装置及び走行装置とを備え、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置が格納状態のときに前記走行装置による走行が可能な移動式クレーンの作動制御装置であって、前記バッテリの残量を検出するバッテリ残量検出部と、前記移動式クレーンの操作内容に基づき、前記クレーン装置、前記アウトリガ装置及び前記走行装置の作動内容を制御する作動内容制御部と、を備え、前記作動内容制御部は、前記バッテリ残量検出部の検出結果に基づき、前記バッテリの残量が予め設定した低残量閾値範囲内であると判定すると、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限するように制御し、前記低残量閾値範囲は、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な電力、及び前記走行可能状態へ移行させた後に予め設定した走行時間の走行が可能な電力を供給可能なバッテリ残量の範囲に設定されている。
【0018】
このような構成であれば、作動制御部によって、バッテリの残量が低減して低残量閾値範囲内であると判定したときに、クレーン装置及びアウトリガ装置の作動を、クレーン装置及びアウトリガ装置を走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限することが可能となる。また、作動制限を行う時点で、クレーン装置及びアウトリガ装置を走行可能状態へ移行させ、かつ、予め設定した走行時間の走行を行うことができるバッテリ残量を確保することが可能である。
これによって、例えば、クレーン装置、アウトリガ装置及び走行装置の少なくとも1つを、油圧アクチュエータを用いずに電動モータで駆動する構成の移動式クレーンについても、上記形態1と同等の作用及び効果を得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
上述のように、本発明によれば、バッテリ残量の不足によって移動式クレーンが現場から移動できない状態となるのを回避することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第2実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、部材ないし部分の縦横の寸法や縮尺は実際のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法や縮尺は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す第1〜第2実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0022】
(第1実施形態)
(構成)
本発明の第1実施形態に係る移動式クレーン1Aは、
図1(a)及び(b)に示すように、機体80を備え、その機体80上に、クレーン装置4と、アウトリガ装置7とが搭載されている。
更に、機体80の前方(クレーンの前進方向と同じ)には、上部にバッテリユニット制御ボックス3が搭載されたバッテリユニット2が設けられ、機体80の後方には、走行用操作レバー6R及び6Lが設けられている。また、バッテリユニット制御ボックス3の上部には、図示省略するが、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を操作するための各種操作レバーやスイッチを備えた機体側操作装置503が設けられている。
【0023】
更に、移動式クレーン1Aは、走行装置として、機体80の底部右端に設けられた右クローラ装置100Rと、底部左端に設けられた左クローラ装置100Lとを備えている。
右クローラ装置100Rは、
図2に示すように、当該右クローラ装置100Rを独立駆動させるための油圧アクチュエータとして、右走行用モータ103Rを備え、左クローラ装置100Lは、当該左クローラ装置100Lを独立駆動させるための油圧アクチュエータとして、左走行用モータ103Lを備えている。これら右走行用モータ103R及び左走行用モータ103Lは、
図2に示すように、何れも油圧ポンプ50からコントロールバルブ8を介して圧油を供給することにより作動するようになっている。
【0024】
そして、右クローラ装置100R及び左クローラ装置100Lは、操作者が走行用操作レバー6R及び6Lを操作することによって、それぞれ独立に駆動させることが可能となっている。以下、両者を区別する必要が無い場合に、単に「クローラ装置100」と略記する場合がある。
なお、第1実施形態に係る移動式クレーン1Aは、
図1(a)及び(b)に示すように、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の双方が格納状態のときにクローラ装置100による走行が可能な状態(以下、「走行可能状態」と記載する場合がある)となる。
また、移動式クレーン1Aは、機体80の内部に、
図2に示す、油圧ポンプ50を含んで構成される圧油供給装置5と、この圧油供給装置5から供給される圧油の油路を切換制御する各種切換制御弁が積層されたスタック型のコントロールバルブ8とを備えている。
【0025】
バッテリユニット2は、
図2に示すように、鉛蓄電池やリチウムイオン電池等の二次電池からなるバッテリ21と、バッテリ21から供給される電力で駆動する電動モータ23と、バッテリユニット制御ボックス3とを備える。
電動モータ23は、油圧ポンプ50に連結されており、バッテリ21からの電力供給を受けて駆動し、その駆動力によって油圧ポンプ50を駆動するように構成されている。
バッテリユニット制御ボックス3は、
図2に示すように、内部にコントローラ9A及びモータドライバ31を備えている。
【0026】
コントローラ9Aは、
図3に示すように、遠隔操作装置500からの遠隔操作信号Rctr、機体側操作装置503からの操作信号Ctr、各種検出器からの検出信号Vb,Wp、各種切換制御弁からの各スプールの作動位置信号L1〜L5等の入力に応じて、移動式クレーン1Aの備える各種電気装置を作動制御する。
なお、遠隔操作装置500の操作部の操作に応じて無線送信される遠隔操作信号Rctrは、
図3に示すように、受信機501を介して、コントローラ9Aに入力されるようになっている。
【0027】
また、コントローラ9Aは、信号線(図示略)を介してバッテリ状態を検出する各種検出器(図示略)に接続されている。そして、各種検出器で検出したバッテリ21の電圧Vb等のバッテリ状態検出情報に基づき、バッテリ21の動作(異常時の保護動作等を含む)を制御する。また、外部充電器によるバッテリ21の充電制御も行う。
モータドライバ31は、信号線(図示略)を介してコントローラ9Aと接続されており、
図3に示すように、コントローラ9Aからモータ制御信号Mctrが入力される。そして、モータドライバ31は、コントローラ9Aから入力されたモータ制御信号Mctrに基づき、電動モータ23を駆動制御するようになっている。
【0028】
また、モータドライバ31は、バッテリ21の出力電圧Vbを検出するバッテリ電圧検出機能25を備えている。
なお、第1実施形態において、バッテリ21は、電動モータ23以外にも、コントローラ9A、モータドライバ31等を含む全ての電気装置に対して電力を供給している。
即ち、第1実施形態の移動式クレーン1Aは、バッテリ21からの電力供給のみで各種コントローラや電動モータ23等の電気装置を駆動し、電動モータ23の駆動力によって油圧ポンプ50を駆動することで、クレーン装置4、アウトリガ装置7、及びクローラ装置100を作動させるようになっている。
また、
図2に示す、バッテリユニット2、圧油供給装置5及びコントロールバルブ8から圧油供給システムが構成される。
【0029】
クレーン装置4は、
図1(a)及び(b)に示すように、コラム40と、ブーム41と、ウインチ42と、ワイヤロープ43と、フック44と、荷重検出器45とを含んで構成される。
コラム40は、機体80上に旋回自在に設けられ、ブーム41は、入れ子式で伸縮自在に構成されかつコラム40の上端部に起伏自在に枢支されている。
ウインチ42は、コラム40の内部に設けられ、このウインチ42からワイヤロープ43をブーム41の先端部に導いて、ブーム41の先端部の滑車(図示略)を介してフック44に掛け回すことにより、フック44がブーム41の先端部から吊り下げられている。
【0030】
荷重検出器45は、ブーム41の先端部の内側に設けられ、フック44に吊り下げられた吊り荷の荷重Wpを検出する。この荷重検出器45は、信号線(図示略)を介してコントローラ9Aに接続されており、
図3に示すように、検出した荷重Wpの検出信号(以下、「荷重検出信号」と記載する場合がある)を、コントローラ9Aに入力するようになっている。なお、荷重検出器45としては、例えば、デジタル荷重計のロードセルや、モーメントリミッタなどを用いることが可能である。
【0031】
また、クレーン装置4は、
図2に示すように、ブーム41の起伏、ウインチ42の巻上げ及び巻下げ、ブーム41の伸縮、及びコラム40の旋回の作動を行うための油圧アクチュエータとして、ブーム起伏用油圧シリンダ400、ウインチ用油圧モータ401、ブーム伸縮用油圧シリンダ402、及び旋回用油圧モータ403を備えている。
そして、これらの油圧アクチュエータ400、401、402及び403は、
図2に示すように、何れも油圧ポンプ50からコントロールバルブ8を介して圧油を供給することにより作動するようになっている。
なお、第1実施形態において、コントローラ9A、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25、及び荷重検出器45は、移動式クレーン1Aの作動制御装置を構成する。
【0032】
アウトリガ装置7は、
図1(a)及び(b)に示すように、機体80の前後左右のそれぞれに配置された、合計4本のアウトリガ7FR、7FL、7BR、及び7BL(以下、これらを総じて「アウトリガ7FR〜7BL」と記載する場合がある)を備えて構成されている。アウトリガ7FR〜7BLは、伸縮自在なインナボックス75FR、75FL、75BR、及び75BL(以下、これらを総じて「インナボックス75FR〜75BL」と記載する場合がある)を備えている。
【0033】
このアウトリガ装置7は、
図1(a)及び(b)に示す格納された状態から、4本のアウトリガ7FR〜7BLを手動で水平方向に回動させることで、機体に対して放射状の張り出し位置に位置させられるように構成されている。その後、遠隔操作装置500又は機体側操作装置503の操作によって、各アウトリガ7FR〜7BLのインナボックス75FR〜75BLを伸長させ、更に、各アウトリガ7FR〜7BLの下部を地上に接地させることで、全周同一の吊上げ性能を確保しつつ、機体80の安定を図るようになっている。
【0034】
また、アウトリガ装置7は、
図2に示すように、各アウトリガ7FR〜7BLを張出動作させるための油圧アクチュエータとして、右前アウトリガシリンダ70FR、左前アウトリガシリンダ70FL、右後アウトリガシリンダ70BR、及び左後アウトリガシリンダ70BLを備えている。
そして、これらのアウトリガシリンダ70FR、70FL、70BR及び70BLは、
図2に示すように、何れも油圧ポンプ50からコントロールバルブ8を介して圧油を供給することにより作動するようになっている。
【0035】
一方、圧油供給装置5は、
図2に示すように、油圧ポンプ50と、左吐出ポート51Lと、右吐出ポート51Rと、主管路55と、戻り管路57と、タンク58とを含んで構成される。
また、コントロールバルブ8は、走行用切換制御弁11と、クレーン用切換制御弁12と、ブーム起伏用切換制御弁14と、ウインチ用切換制御弁15と、ブーム伸縮用切換制御弁16と、旋回用切換制御弁17と、アウトリガ用切換制御弁18と、アウトリガシリンダ用切換制御弁19とを含んで構成される。
【0036】
各切換制御弁11、12、14〜19は、信号線(図示略)を介してコントローラ9Aに接続されており、遠隔操作装置500及び機体側操作装置503の操作によって出力される操作信号に応じたコントローラ9Aからの制御信号に基づいて油路の切換動作が実行される。なお、第1実施形態において、各切換制御弁11、12、14〜18は、機体側操作装置503として機械的な操作レバーが付設されており、その操作に応じて各切換制御弁11、12、14〜18を直接作動させることが可能となっている。
走行用切換制御弁11は、
図2に示すように、走行用操作レバー6Rの操作に応じて右走行用モータ103Rに対する圧油の油路を切り換える右走行用切換制御弁111Rと、走行用操作レバー6Lの操作に応じて左走行用モータ103Lに対する圧油の油路を切り換える左走行用切換制御弁111Lとを含んで構成される。
【0037】
油圧ポンプ50から吐出された圧油は、右吐出ポート51Rを介して右走行用切換制御弁111Rに供給されると共に、左吐出ポート51Lを介して左走行用切換制御弁111Lに供給される。これら供給された圧油は、走行用操作レバー6R及び6Lの少なくとも一方がニュートラルの状態のときは、右走行用切換制御弁111R及び左走行用切換制御弁111Lの少なくとも一方を素通りして、主管路55に流れ込み、該主管路55を介してコントロールバルブ8の走行用切換制御弁11以外の他の切換制御弁へと向けて供給される。また、油圧ポンプ50から吐出された圧油は、戻り管路57を介してタンク58に戻されるようになっている。
【0038】
クレーン用切換制御弁12は、主管路55と戻り管路57との間に設けられた、メインリリーフ弁(アンロード弁)121と、アンロード弁作動用電磁弁122とを備えている。アンロード弁作動用電磁弁122は、コントローラ9Aからの作動信号Uoに応じて、アンロードが必要なときにメインリリーフ弁121を開き、主管路55と戻り管路57とを連通させるようになっている。即ち、
図2に示す例では、油圧ポンプ50から吐出した圧油を、走行用切換制御弁11以外の他の切換制御弁を介さずに戻り管路57を介してタンク58に戻すようになっている。即ち、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の作動時において油圧ポンプ50を強制的にアンロード(無負荷運転)させることが可能となっている。
【0039】
また、ブーム起伏用切換制御弁14は、遠隔操作装置500又は機体側操作装置503の操作に応じてブーム起伏用油圧シリンダ400に対する圧油の油路を切り替えるためのブーム起伏用スプール141と、ブーム起伏用スプール141の作動位置L1を検出するための第1差動トランス143とを備えている。
また、ウインチ用切換制御弁15は、遠隔操作装置500又は機体側操作装置503の操作に応じてウインチ用油圧モータ401に対する圧油の油路を切り替えるためのウインチ用スプール151と、ウインチ用スプール151の作動位置L2を検出するための第2差動トランス153とを備えている。
【0040】
また、ブーム伸縮用切換制御弁16は、遠隔操作装置500又は機体側操作装置503の操作に応じてブーム伸縮用油圧シリンダ402に対する圧油の油路を切り替えるためのブーム伸縮用スプール161と、ブーム伸縮用スプール161の作動位置L3を検出するための第3差動トランス163とを備えている。
また、旋回用切換制御弁17は、遠隔操作装置500又は機体側操作装置503の操作に応じて旋回用油圧モータ403に対する圧油の油路を切り替えるための旋回用スプール171と、旋回用スプール171の作動位置L4を検出するための第4差動トランス173とを備えている。
【0041】
また、アウトリガ用切換制御弁18は、遠隔操作装置500又は機体側操作装置503の操作に応じてアウトリガシリンダ用切換制御弁19に対する圧油の油路を切り替えるためのアウトリガ用スプール181と、アウトリガ用スプール181の作動位置L5を検出するための第5差動トランス183とを備えている。
各切換制御弁14〜18は、信号線(図示略)を介してコントローラ9Aと接続しており、第1〜第5差動トランス143〜183で検出された作動位置L1〜L5の検出信号(以下、「作動位置信号L1〜L5」と記載する場合がある)は、
図3に示すように、コントローラ9Aへと入力されるようになっている。即ち、コントローラ9Aは、作動位置信号L1〜L5によって、各スプール141〜181の差動内容(切換位置)を把握することが可能となっている。
【0042】
また、アウトリガシリンダ用切換制御弁19は、
図2に示すように、右前アウトリガシリンダ切換弁19FRと、左前アウトリガシリンダ切換弁19FLと、右後アウトリガシリンダ切換弁19BRと、左後アウトリガシリンダ切換弁19BLとを備えている。
各アウトリガシリンダ切換弁19FR、19FL、19BR、及び19BLは、信号線(図示略)を介してコントローラ9Aと接続しており、
図3に示すように、遠隔操作装置500又は機体側操作装置503の操作に応じてコントローラ9Aから入力される制御信号Actr2〜5によって作動制御される。
【0043】
次に、
図4に基づき、コントローラ9Aの機能構成を説明する。
コントローラ9Aは、バッテリ21の電圧Vbを監視し、バッテリ21の残量が低減したときに、操作者の操作装置の操作によるリザーブモードへと移行する。そして、リザーブモードに移行すると、移動式クレーン1Aが、予め設定した走行時間を走行可能なバッテリ残量で走行可能状態へと移行できるように、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の作動内容を制御する低残量時作動制御処理を実行するようになっている。
ここで、リザーブモードへの移行は、機体80に設けられたリザーブスイッチ35(図示略)を、操作者が手動でON状態にすることによって移行可能となっている。なお、リザーブスイッチは、遠隔操作装置500の方にも設ける構成としてもよい。
【0044】
また、コントローラ9Aは、図示省略するが、低残量時作動制御処理に係る制御プログラム等の所定の制御プログラムに基づいて、各種演算処理を行うCPUと、制御プログラムを含む各種データを格納しているROMと、ROM等から読み出したデータやCPUの演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAMと、上述した受信機501、機体側操作装置503、コントロールバルブ8、モータドライバ31および各種検出器等を含めた外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(インターフェイス)とを備えている。
【0045】
このコントローラ9Aは、低残量時作動制御処理に係る制御プログラムをCPUで実行することで実現される各種機能部として、
図4に示すように、モード制御部900と、モータ停止処理部902と、リザーブモード処理部904Aとを備えている。
モード制御部900は、バッテリ21の電圧Vbに基づき、電動モータ23を停止させるモードであるモータ停止モードへの移行指令をモータ停止処理部902に出力したり、リザーブスイッチ35のON/OFF状態を示すスイッチ信号Rswに基づき、リザーブモードへの移行指令をリザーブモード処理部904Aに出力したりする処理を行う。
【0046】
モータ停止処理部902は、モード制御部900からのモータ停止モードへの移行指令に応じてモータ停止モードへと移行し、電動モータ23の動作を指令するモータ制御信号Mctrのモータドライバ31への出力を停止して、電動モータ23を停止する処理を行う機能を有している。
リザーブモード処理部904Aは、モード制御部900からのリザーブモードへの移行指令に応じて、リザーブモードへと移行する。そして、遠隔操作装置500からの遠隔操作信号Rctrと、機体側操作装置503からの操作信号Ctrと、コントロールバルブ8からの作動位置信号L1〜L5と、荷重検出器45からの荷重検出信号Wpとに基づき、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の作動を制限する処理を行う。
【0047】
具体的に、移動式クレーン1Aが荷を吊っている状態である場合は、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の吊り荷を地面に降ろすのに必要な作動内容以外の作動を制限する処理となる。一方、移動式クレーン1Aが荷を吊っていない状態である場合は、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに必要な作動内容以外の作動を制限する処理となる。
ここで、第1実施形態の移動式クレーン1Aは、クレーン装置4及びアウトリガ装置7が格納されていない状態ではクローラ装置100による走行ができないように構成されている。
【0048】
具体的に、クレーン装置4の格納状態は、
図1(a)及び(b)に示すように、クレーン装置4のブーム41が最縮小状態、最伏状態及び格納旋回位置状態、並びにウインチ42が最巻上げ状態となる状態である。また、アウトリガ装置7の格納状態は、アウトリガ装置7の4本のアウトリガ7FR〜7BLがいずれも機体80に格納された状態となる状態である。即ち、
図1(a)及び(b)に示すように、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の双方が格納状態のときに走行可能状態となる。
【0049】
以下、吊り荷を地面に降ろすのに必要な作動内容以外の作動内容を実施する操作を「非荷下ろし操作」と記載し、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに必要な作動内容以外の作動内容を実施する操作を「非格納操作」と記載する場合がある。
第1実施形態において、非荷下ろし操作は、ブーム41の伸張動作、アウトリガ装置7の張出動作を行う操作といった吊り荷を降ろすのに不要な操作となる。
また、非格納操作は、ブーム41の伸張動作、ウインチ42の巻下げ動作、ブーム41の起動作、アウトリガ装置7の張出動作を行う操作といったクレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに不要な操作となる。
【0050】
以下、
図5に基づき、低残量時作動制御処理の具体的な処理手順を説明する。
なお、第1実施形態において、低残量時作動制御処理は、メインルーチン(図示略)に呼び出されて繰り返し実行されるサブルーチンとなっている。
コントローラ9Aにおいて低残量時作動制御処理のプログラムが実行されると、
図5に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、モード制御部900において、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25からの電圧Vbに基づき、電圧Vbが予めROMに格納された第1電圧閾値Vth1(以下、単に「Vth1」と記載する場合がある)以上か否かを判定する。そして、Vth1以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS102に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、モータ停止処理部902に対してモータ停止モードへの移行指令を出力して、ステップS104に移行する。
【0051】
ここで、Vth1は、例えば、移動式クレーン1Aの各種電気装置を通常作動(無制限作動)するのに必要なバッテリ残量の下限値を示す電圧値に設定されている。
具体的に、Vth1は、例えば、クレーン装置4の吊り荷を地面に降ろすのに必要な作動内容に要する電力と、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに必要な作動内容に要する電力と、走行可能状態となった後に、移動式クレーン1Aの設定走行時間の走行に要する電力とを供給可能なバッテリ残量を示す電圧値よりも大きな電圧値に設定されている。
ステップS102に移行した場合は、コントローラ9Aにおいて、現在のモードが通常動作モードであれば通常動作モードを継続し、現在のモードがモータ停止モードであれば通常動作モードへと移行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0052】
一方、ステップS104に移行した場合は、モータ停止処理部902において、現在のモードが通常動作モードであればモータ停止モードに移行し、現在のモードがモータ停止モードであればモータ停止モードを継続する。そして、電動モータ23の動作を指令するモータ制御信号Mctrのモータドライバ31への出力を停止して、ステップS106に移行する。これにより、電動モータ23が動作を停止する。即ち、操作者は、作業途中で電動モータ23が停止する(装置の作動が停止する)ことでバッテリ残量が少なくなっていることを知ることができる。第1実施形態において、モータ停止モード中は、例えばランプの点灯等により知らせるようにする。
【0053】
ステップS106では、モード制御部900において、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25からの電圧Vbに基づき、電圧Vbが予めROMに格納された第2電圧閾値Vth2(以下、単に「Vth2」と記載する場合がある)未満か否かを判定する。そして、Vth2未満であると判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS108に移行する。
ここで、Vth2は、Vth1よりも小さい値に設定され、例えば、リザーブモードへの移行が可能なバッテリ残量の下限値を示す電圧値に設定されている。即ち、電圧VbがVth2未満である場合、リザーブモードへの移行が不可能な状態となる。
【0054】
具体的に、Vth2は、例えば、クレーン装置4の吊り荷を地面に降ろすのに必要な作動内容に要する電力と、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに必要な作動内容に要する電力と、格納状態となった後に、移動式クレーン1Aの設定走行時間の走行に要する電力とを供給可能なバッテリ残量の下限値を示す電圧値に設定されている。
なお、設定走行時間は、移動式クレーン1Aが現場から脱出するまでに必要(例えば搬送用トラックに乗せるまでに必要)な時間が現場毎に異なるため、例えば、予め設定した範囲内で操作者が任意の時間を設定可能な構成としてもよい。この場合、コントローラ9Aは、設定された時間に基づき、必要な電力(バッテリ残量)を計算して(あるいは予め設定した閾値電圧マップを参照して)、第1電圧閾値Vth1及び第2電圧閾値Vth2を設定する。
【0055】
ステップS108に移行した場合は、モード制御部900において、リザーブスイッチ35のON/OFFを示す信号Rswに基づき、リザーブスイッチ35がON状態であるか否かを判定する。そして、ON状態であると判定した場合(Yes)は、リザーブモードへの移行指令をリザーブモード処理部904Aに出力して、ステップS110に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS110に移行した場合は、リザーブモード処理部904Aにおいて、モード制御部900からのリザーブモードの移行指令に応じて、現在のモードがリザーブモードである場合はリザーブモードを継続し、そうでない場合はリザーブモードに移行する。その後、ステップS112に移行する。
【0056】
ステップS112では、リザーブモード処理部904Aにおいて、荷重検出器45からの荷重検出信号Wpに基づき、荷重Wpと予めROMに格納された荷重閾値Wthとを比較する。そして、この比較結果に基づき、荷重が検出されたか否かを判定し、荷重が検出されなかった(吊り荷がない)と判定した場合(No)は、ステップS114に移行し、荷重が検出された(吊り荷がある)と判定した場合(Yes)は、ステップS116に移行する。
【0057】
ステップS114に移行した場合は、リザーブモード処理部904Aにおいて、遠隔操作信号Rctr及び操作信号Ctrと、作動位置信号L1〜L5とに基づき、非格納操作が実施されたか否かを判定する。そして、非格納操作が実施されたと判定した場合(Yes)は、ステップS118に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS106に移行する。
一方、ステップS116に移行した場合は、リザーブモード処理部904Aにおいて、遠隔操作信号Rctr及び操作信号Ctrと、作動位置信号L1〜L5とに基づき、非荷下ろし操作が実施されたか否かを判定する。そして、非荷下ろし操作が実施されたと判定した場合(Yes)は、ステップS118に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS106に移行する。
【0058】
ステップS118に移行した場合は、リザーブモード処理部904Aにおいて、非格納操作又は非荷下ろし操作に対して、アンロード弁作動用電磁弁122に作動信号Uoを送信する。これにより、アンロード弁作動用電磁弁122を作動させて、メインリリーフ弁121を開き油圧ポンプ50を無負荷運転(アンロード)にさせる。これと同時に、電動モータ23の動作を指令するモータ制御信号Mctrのモータドライバ31への出力を停止し、電動モータ23を停止させる。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
即ち、非格納操作又は非荷下ろし操作に対して、強制的に油圧ポンプ50の回転を停止させることで、非格納操作又は非荷下ろし操作に対する作動内容が作動しないようにする。
【0059】
(動作)
次に、第1実施形態に係る移動式クレーン1Aの動作を説明する。
移動式クレーン1Aの電源が投入されると、バッテリ21から各種電気装置に電力が供給されクレーン装置4、アウトリガ装置7及びクローラ装置100が作動可能な状態となる。操作者は、走行用操作レバー6R及び6L、又は遠隔操作装置500の操作によってクローラ装置100を作動させて移動式クレーンを作業現場まで移動する。作業現場に移動すると、次に操作者は、手動でアウトリガ装置7を張り出し方向に旋回し、その後、遠隔操作装置500又は機体側操作装置503(以下、「操作装置500又は503」と略記する)の操作によって、現場の地形に合わせたアウトリガ装置7の張り出し動作を行い、移動式クレーン1Aを全周同一の吊上げ性能を確保可能な状態とする。
【0060】
続いて、操作者は、操作装置500又は503を操作して、クレーン装置4のブーム41の伸縮動作、起伏動作及び旋回動作、ウインチ42の巻上げ動作及び巻下げ動作を行って、吊り荷の移動等の作業を行う。
一方、コントローラ9Aは、バッテリ21からの電力供給に応じて、CPUにおいてROMに格納されたメインプログラム(メインルーチン)を実行し、メインルーチンからサブルーチンである低残量時作動制御処理のプログラムを呼び出して実行する。
ここでは、バッテリ21として、48[V]のバッテリを採用することとし、通常動作モード時の使用電圧V1の範囲を「47[V]≦V1≦48[V]」として、第1電圧閾値Vth1を47[V]に設定する。加えて、リザーブモード時の使用電圧V2の範囲を「46.8[V]≦V2<47[V]」として、第2電圧閾値Vth2を46.8[V]に設定する。
【0061】
コントローラ9Aは、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25からの電圧Vbに基づき、電圧Vbが47[V]以上であるか否かを判定する。バッテリ21の残量が十分にある状態では、電圧Vbは47[V]以上となるので、コントローラ9Aは、通常動作モードへと移行する。これにより、操作者は、通常動作モードで作動可能な作動内容を全て実施することが可能となる。例えば、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の操作全般(安全機能等で制限されていない操作全て)を行うことが可能となる。
その後、バッテリ21の残量が減少していき、電圧Vbが47[V]未満となると、コントローラ9Aは、モータドライバ31に対して電動モータ23の動作を停止するモータ制御信号Mctrを出力する。これにより、電動モータ23の動作が停止する。即ち、移動式クレーン1Aが作動途中の状態で動作を停止する。
【0062】
その後、コントローラ9Aは、電圧Vbが46.8[V]未満であるか否かを判定する。ここで、電圧Vbが46.8[V]未満ではない場合は、次に、コントローラ9Aは、リザーブスイッチ35がON状態であるか否かを判定する。ここでは、ON状態であるとして、コントローラ9Aは、リザーブモードに移行し、荷重検出器45からの荷重Wpに基づき、荷重が検出されたか否かを判定する。ここでは、荷重閾値Wthが0[N]に設定されているとする。コントローラ9Aは、荷重Wpが0[N]よりも大きい場合に、荷重が検出された(クレーン装置4が荷を吊っている状態である)と判定する。一方、荷重Wpが0[N]である場合は、荷重が検出されなかった(クレーン装置4が荷を吊っていない状態である)と判定する。
【0063】
ここでは、
図6に示すように、クレーン装置4が荷を吊っている状態で停止しているとする。この状態において、コントローラ9Aは、
図6中の「×」で示す、非荷下ろし操作に対応する作動内容の作動を禁止する。即ち、吊り荷を降ろすのに不要な作動内容である、クレーン装置4のブーム41の伸張動作、及びアウトリガ装置7の張出動作について作動を禁止する。
具体的に、操作者が操作装置500又は503によって非荷下ろし操作を行った場合に、作動位置信号L1〜L5や、コントローラ9Aに入力される操作信号から作動内容を検出する。コントローラ9Aは、非荷下ろし操作に対応する作動内容を検出した場合に、直ちにアンロード弁作動用電磁弁122に対して作動信号Uoを送信し、アンロードを実行させると共に、電動モータ23の動作を指令するモータ制御信号Mctrのモータドライバ31への出力を停止し、電動モータ23を停止させることで、油圧ポンプ50の回転を停止する。これにより、非荷下ろし操作に対応する作動内容を作動しないようにする。
【0064】
一方、コントローラ9Aは、
図6中の「○」で示す、吊り荷を降ろすのに必要なクレーン装置4の作動内容である、ブーム41の縮小動作、起伏動作及び旋回動作、ウインチの巻上げ動作及び巻下げ動作、並びにアウトリガ装置7の格納動作については作動を許可する。
図6中の「○」で示す作動内容の作動によって、吊り荷を地面に降ろした後は、荷重Wpが0[N]となるため、コントローラ9Aは、クレーン装置4が荷を吊っていない状態であると判定する。
この場合、コントローラ9Aは、
図7中の「×」で示す、非格納操作に対応する作動内容の作動を禁止する。即ち、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに不要な作動内容である、クレーン装置4のブーム41の伸張動作及び起動作、並びにウインチ42の巻下げ動作と、アウトリガ装置7の張出動作とについて作動を禁止する。
【0065】
この場合も、吊り荷を吊っている場合と同様に、コントローラ9Aは、非格納操作に対応する作動を検出したときに、アンロード弁作動用電磁弁122に対して作動信号Uoを送信し、アンロードを実行させる。これと同時に、電動モータ23の動作を指令するモータ制御信号Mctrのモータドライバ31への出力を停止し、電動モータ23を停止させることで、油圧ポンプ50の回転を停止する。
一方、コントローラ9Aは、
図7中の「○」で示す、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに必要な作動内容である、クレーン装置4のブーム41の縮小動作、伏動作及び旋回動作、並びにウインチ42の巻上げ動作と、アウトリガ装置7の格納動作とについて作動を許可する。
【0066】
図7中の「○」で示す作動内容の作動によって、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納すると、移動式クレーン1Aは格納状態となって、クローラ装置100によって走行可能な状態となる。操作者は、走行用操作レバー6R及び6L、又は遠隔操作装置500を操作することで、移動式クレーン1Aを走行させて、設定走行時間内に現場から脱出させることが可能となる。例えば、移動式クレーン1Aを、現場の近くに待機させた搬送用トラックの荷台に移動させることが可能となる。
【0067】
なお、設定走行時間を超える走行時間の走行によって走行途中で電圧Vbが46.8[V]未満となった場合、コントローラ9Aは、電動モータ23の動作を指令するモータ制御信号Mctrのモータドライバ31への出力を停止して、電動モータ23の動作を停止する。これにより、油圧ポンプ50の動作が停止して、移動式クレーン1Aの動作が停止する。
ここで、コントローラ9Aは、作動制御部に対応し、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25は、バッテリ残量検出部に対応し、荷重検出器45及びコントローラ9A(リザーブモード処理部904A)は、吊り荷検出部に対応する。
また、Vth2以上Vth1未満の範囲に対応するバッテリ21の残量の範囲は、低残量閾値範囲に対応する。
【0068】
(第1実施形態の作用及び効果)
第1実施形態に係る移動式クレーン1Aの作動制御装置は、コントローラ9Aにおいて、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25で検出したバッテリ21の電圧VbがVth2以上Vth1未満の範囲内であると判定したときに、荷重検出器45で検出した荷重Wpに基づき、荷重を検出した(クレーン装置4が荷を吊っている状態である)と判定したときには、吊り荷を降ろすのに必要な作動内容の作動のみを許可するようにした。一方、荷重を検出しなかった(クレーン装置4が荷を吊っていない状態である)と判定したときには、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに必要な作動内容の作動のみ許可するようにした。
【0069】
具体的に、荷を吊っている状態であると判定すると、ブーム41の縮小動作、起伏動作及び旋回動作、ウインチ42の巻上げ動作及び巻下げ動作、並びにアウトリガ装置7の格納動作のみ作動を許可し、荷を吊っていない状態であると判定すると、ブーム41の縮小動作、伏動作及び旋回動作、ウインチ42の巻上げ動作、並びにアウトリガ装置7の格納動作のみ作動を許可するようにした。
加えて、第1実施形態に係る移動式クレーン1Aの作動制御装置は、Vth2以上Vth1未満の範囲を、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納状態にして、かつ、設定走行時間の走行を行うことができるバッテリ残量を確保可能な電圧の範囲に設定するようにした。
【0070】
これによって、移動式クレーン1Aが、バッテリ残量の不足によって現場から移動できない状態となるのを回避することが可能となる。
また、格納状態に移行時は、誤操作等による格納状態とするのに不要な作動内容の作動を防ぐことが可能となり、不要なバッテリ消費を防げると共に速やかな格納状態への移行が可能となる。特に、吊り荷がある状態のときと無い状態のときとで、より適切な作動内容の作動のみに制限することが可能となり、誤操作等による不要なバッテリ消費をより確実に防ぐことが可能となる。
【0071】
また、第1実施形態に係る移動式クレーン1Aの作動制御装置は、コントローラ9Aにおいて、格納状態とするのに必要な作動内容の作動のみに制限する制御を行っているときに、格納状態とするのに不要な作動内容の操作が行われたことに応じて、作動信号Uoによってアンロード弁作動用電磁弁122を作動し、メインリリーフ弁(アンロード弁)121を開けることで油圧ポンプ50をアンロード(無負荷運転)させるようにした。これと同時に、電動モータ23の動作を指令するモータ制御信号Mctrのモータドライバ31への出力を停止し、電動モータ23を停止させることで、油圧ポンプ50の回転を停止するようにした。即ち、格納状態とするのに不要な作動内容の操作に応じた作動を阻止するようにした。
これによって、格納状態とするのに不要な作動内容の作動を、他の許可された作動内容の作動へと速やかに移行できる状態で阻止することが可能となる。
【0072】
また、第1実施形態に係る移動式クレーン1Aの作動制御装置は、コントローラ9Aにおいて、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25で検出したバッテリ21の電圧VbがVth2以上Vth1未満の範囲内になったと判定したときに、モータ停止モードへと移行して、電動モータ23の動作を指令するモータ制御信号Mctrのモータドライバ31への出力を停止し、電動モータ23の動作を停止するようにした。更に、電動モータ23を停止後に、操作者がリザーブスイッチ35をON操作したことに応じてリザーブモードへと移行し、電圧VbがVth2以上Vth1未満の範囲内の間、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の作動を、これらを格納状態とするのに必要な作動内容の作動のみに制限する制御を実施するようにした。
これによって、操作者の判断で、例えば、現場からの速やかな移動が必要な場合は、リザーブモードへと移行し、そうでない場合は、例えば、外部充電器によってバッテリ21を充電して作業を継続するといった選択が可能となる。
【0073】
(第2実施形態)
(構成)
本発明の第2実施形態に係る移動式クレーン1Bは、上記第1実施形態に係る移動式クレーン1Aから、荷重検出器45を取り除いた構成となる。加えて、上記第1実施形態のコントローラ9Aに代えて、コントローラ9Bを備えた構成となる。
以下、上記第1実施形態と同じ部分については適宜説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
第2実施形態に係るコントローラ9Bは、
図8に示すように、上記第1実施形態に係るコントローラ9Aの機能部であるリザーブモード処理部904Aに代えて、リザーブモード処理部904Bを備えた構成となる。また、第2実施形態に係るコントローラ9Bは、上記第1実施形態に係るコントローラ9Aと異なり、荷重検出器45からの荷重検出信号Wpの入力が無い。即ち、
図8に示すように、リザーブモード処理部904Bには、荷重検出信号Wpが入力されない構成となる。
【0074】
なお、第2実施形態において、コントローラ9B、及びモータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25は、移動式クレーン1Bの作動制御装置を構成する。
第2実施形態に係るリザーブモード処理部904Bは、モード制御部900からのリザーブモードへの移行指令に応じて、リザーブモードへと移行する。そして、遠隔操作装置500からの遠隔操作信号Rctrと、機体側操作装置503からの操作信号Ctrと、コントロールバルブ8からの作動位置信号L1〜L5とに基づき、移動式クレーン1Bの各種装置の作動を制限する処理を行う。
【0075】
具体的に、第2実施形態に係るリザーブモード処理部904Bは、クレーン装置4が荷を吊っている状態であるか否かを判断することができない。そのため、移動式クレーン1Bが荷を吊っている状態であるか否かに係わらず、クレーン装置4が吊り荷を地面に降ろすのに必要な作動内容、及びクレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに必要な作動内容の双方の作動内容以外の作動を制限する。以下、これら双方の作動内容以外の作動内容の作動に係る操作を「不許可作動操作」と称する場合がある。
次に、
図9に基づき、第2実施形態に係る低残量時作動制御処理の具体的な処理手順を説明する。なお、第2実施形態において、低残量時作動制御処理は、メインルーチン(図示略)に呼び出されて繰り返し実行されるサブルーチンとなっている。
コントローラ9Bにおいて低残量時作動制御処理のプログラムが実行されると、
図9に示すように、まず、ステップS200に移行する。
【0076】
なお、ステップS200〜S210の処理は、上記第1実施形態のステップS100〜S110の処理と同様の処理となるので説明を省略する。以下、ステップS212の処理から説明する。
ステップS212では、リザーブモード処理部904Bにおいて、遠隔操作信号Rctr及び操作信号Ctrと、作動位置信号L1〜L5とに基づき、不許可作動操作が実施されたか否かを判定する。そして、不許可作動操作が実施されたと判定した場合(Yes)は、ステップS214に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS206に移行する。
【0077】
ステップS214に移行した場合は、リザーブモード処理部904Bにおいて、アンロード弁作動用電磁弁122に作動信号Uoを送信する。これにより、アンロード弁作動用電磁弁122を作動させて、メインリリーフ弁121を開き油圧ポンプ50を無負荷運転(アンロード)にさせる。これと同時に、電動モータ23の動作を指令するモータ制御信号Mctrのモータドライバ31への出力を停止し、電動モータ23を停止させる。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0078】
即ち、第2実施形態では、リザーブモードに移行すると、
図10に示すように、図中の「x」で示す、ブーム41の伸張動作、及びアウトリガ装置7の張出動作が禁止され、図中の「○」で示す、ブーム41の伸張動作、及びアウトリガ装置7の張出動作以外の作動内容の作動が許可される。なお、
図10の例では、移動式クレーン1Bが荷を吊っていない状態であるが、荷を吊っている状態でも同様となる。
ここで、コントローラ9Bは、作動制御部に対応し、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25は、バッテリ残量検出部に対応する。
また、Vth2以上Vth1未満の範囲に対応するバッテリ21の残量の範囲は、低残量閾値範囲に対応する。
【0079】
(第2実施形態の作用及び効果)
第2実施形態に係る移動式クレーン1Bの作動制御装置は、コントローラ9Bにおいて、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25で検出したバッテリ21の電圧VbがVth2以上Vth1未満の範囲内であると判定したときに、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の作動を、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納状態にするのに必要な作動内容(不許可作動操作に対応する作動内容以外の作動内容)の作動のみに制限するようにした。
【0080】
具体的に、ブーム41の縮小動作、起伏動作及び旋回動作、ウインチ42の巻上げ動作及び巻下げ動作、並びにアウトリガ装置7の格納動作のみ作動を許可するようにした。
加えて、第2実施形態に係る移動式クレーン1Bの作動制御装置は、Vth2以上Vth1未満の範囲を、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納状態にして、かつ、予め設定した走行時間の走行を行うことができるバッテリ残量を確保可能な電圧の範囲に設定するようにした。
【0081】
これによって、荷重検出器等の荷を吊っている状態か否かを判定するための手段を有さない移動式クレーン1Bが、バッテリ残量の不足によって現場から移動できない状態となるのを回避することが可能となる。
また、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の吊り荷を降ろすのに必要な作動内容、並びにクレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに必要な作動内容以外の不要な作動内容の作動を防ぐことが可能となり、不要なバッテリ消費を防げると共に速やかな格納状態への移行が可能となる。
【0082】
(変形例)
(1)上記各実施形態では、非荷下ろし操作を、ブーム41の伸張動作、及びアウトリガ装置7の張出動作に対応する操作としたが、この構成に限らない。例えば、アウトリガ装置7の格納動作に対応する操作も非荷下ろし操作に含む構成としてもよい。
(2)上記各実施形態では、リザーブスイッチ35を機体80側にのみ設ける構成としたが、この構成に限らず、遠隔操作装置500側にも設ける構成としてもよい。
【0083】
(3)上記各実施形態では、バッテリ21によって駆動する電動モータ23によって油圧ポンプ50を駆動することで、圧油により油圧アクチュエータを駆動して、クレーン装置、アウトリガ装置及び走行装置を作動させる構成とした。この構成に限らず、クレーン装置、アウトリガ装置及び走行装置の少なくとも1つを、油圧アクチュエータを用いずに電動モータによって作動させる構成としてもよい。なお、クレーン装置については、その作動部の一部のみを電動モータで作動する構成としてもよい。このような構成とした場合、電動モータで作動する各作動部については、各電動モータを駆動制御することで上記各実施形態と同様に作動内容の制限等の各種作動制御を行う。
【0084】
(4)上記各実施形態では、差動トランスによって、各切換制御弁のスプールの作動位置を検出する構成とした。この構成に限らず、マイクロスイッチ等の他の位置検出手段を用いる構成としてもよい。
(5)上記各実施形態では、クローラ装置で走行する構成の移動式クレーンを例に挙げて説明したが、この構成に限らず、車輪等の他の走行手段で走行する構成の移動式クレーンに対しても本発明は適用可能である。