(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記(a)の少なくとも1つのアミノ酸配列または前記第2のアミノ酸配列が、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載の融合タンパク質。
【発明を実施するための形態】
【0047】
いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドまたはタンパク質は、少なくとも第1のドメインと、第2のドメインとを含み、第1のドメインは、核酸認識要素のための少なくとも1つのコード配列を含み、第2のドメインは、核酸エフェクター要素のための少なくとも1つのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドまたはタンパク質は、少なくとも第1のドメインを含み、第1のドメインは、ラルストニアまたはそのバリアントに由来するアミノ酸配列に由来する核酸認識要素のための少なくとも1つのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドまたはタンパク質は、少なくとも第1のドメインを含み、第1のドメインは、ラルストニアに由来するアミノ酸配列に由来する核酸認識要素のための少なくとも1つのコード配列を含む。
【0048】
用語「RTN」は、少なくとも第1のドメインを含む本発明のポリペプチドまたはタンパク質を指し、第1のドメインは、ラルストニアに由来するアミノ酸配列に由来する核酸認識要素のための少なくとも1つのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、用語「RTN」は、少なくとも第1のドメインと、第2のドメインとを含む本発明のポリペプチドまたはタンパク質を指し、第1のドメインは、ラルストニアに由来するアミノ酸配列に由来する核酸認識要素のための少なくとも1つのコード配列を含み、第2のドメインは、エフェクタータンパク質であるアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、用語「RTN」は、少なくとも第1のドメインと、第2のドメインとを含む本発明のポリペプチドまたはタンパク質を指し、第1のドメインは、ラルストニアに由来するアミノ酸配列に由来する核酸認識要素のための少なくとも1つのコード配列を含み、第2のドメインは、ヌクレアーゼであるアミノ酸を含む。RTN DNA結合特異性は、DNA結合ドメイン内の反復ドメインの数および順序に依存する。反復は、一般的に、約30〜約40個のアミノ酸から構成される。いくつかの実施形態では、反復ドメインは、約32〜約38個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド結合特異性は、各反復ドメインの12および13個のアミノ酸によって決定される。いくつかの実施形態では、反復ドメインは、約33〜約37個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、反復ドメインは、約34〜約35個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、反復ドメインは、約33〜約36個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、反復ドメインは、約33〜約35個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、反復ドメインは、34〜35個のアミノ酸からなる。いくつかの実施形態では、反復ドメインは、33〜35個のアミノ酸からなる。いくつかの実施形態では、反復ドメインは、34〜36個のアミノ酸からなる。
【0049】
本明細書で使用されるとき、「核酸」、または「オリゴヌクレオチド」、または「ポリヌクレオチド」は、少なくとも2つのヌクレオチドが一緒に共有結合されることを意味する。一本鎖の記述も、相補鎖の配列を定義する。よって、核酸は、記述される一本鎖の相補鎖も包含する。核酸の多くのバリアントが所与の核酸として同じ目的のために使用され得る。よって、核酸は、実質的に同一の核酸およびその補体も包含する。一本鎖は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的配列とハイブリダイズすることができるプローブを提供する。よって、核酸は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするプローブも包含する。核酸は、一本鎖もしくは二本鎖であるか、または二本鎖および一本鎖配列の両方の一部を含むことができる。核酸は、DNA、ゲノムおよびcDNAの両方、RNA、またはハイブリッドであってよく、核酸は、デオキシリボ−とリボ−ヌクレオチドの組み合わせ、ならびにウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシン、およびイソグアニンを含む塩基の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、合成され、天然ではないアミノ酸修飾を含む。核酸は、化学合成方法により、または組換え方法により得ることができる。
【0050】
本明細書で使用されるとき、「動作可能に連結される」は、遺伝子の発現が、それが空間的に接続されるプロモーターの制御下にあることを意味する。プロモーターは、その制御下の遺伝子の5’(上流)または3’(下流)に位置付けられ得る。プロモーターと遺伝子との間の距離は、プロモーターが由来する遺伝子においてそれが制御するそのプロモーターと遺伝子との間の距離とほぼ同じであってよい。当該技術分野において既知であるように、この距離の変化は、プロモーター機能を損失することなく調整することができる。
【0051】
本明細書で使用されるとき、「プロモーター」は、細胞において核酸の発現をもたらすか、活性化するか、または強化することができる合成または天然由来の分子を意味する。プロモーターは、その発現をさらに強化し、かつ/またはその空間的発現および/もしくはその時間的発現を変更するために、1つ以上の特定の転写調節配列を含み得る。プロモーターは、遠位エンハンサーまたは抑制因子要素も含み得、これは、転写の開始部位から数千ほどの塩基対に位置し得る。プロモーターは、ウイルス、細菌、真菌、植物、昆虫、および動物を含む供給源に由来し得る。プロモーターは、発現が生じる細胞、組織、もしくは臓器に関して、または発現が生じる発達段階に関して、あるいは生理学的ストレス、病原体、金属イオン、もしくは誘発剤等の外部刺激に応答して、遺伝子成分の発現を構成的もしくは差次的に調節することができる。プロモーターの代表的な例としては、バクテリオファージT7プロモーター、バクテリオファージT3プロモーター、SP6プロモーター、lacオペレーター−プロモーター、tacプロモーター、SV40後期プロモーター、SV40初期プロモーター、RSV−LTRプロモーター、CMV IEプロモーター、SV40初期プロモーター、またはSV40後期プロモーター、およびCMV IE プロモーターが挙げられる。
【0052】
本明細書で使用されるとき、「実質的に相補的」は、第1の配列が8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、180、270、360、450、540以上のヌクレオチドもしくはアミノ酸の領域にわたって、第2の配列の補体に少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるか、または2つの配列がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを意味する。
【0053】
本明細書で使用されるとき、「実質的に同一」は、第1の配列が第2の配列の補体に実質的に相補的である場合、第1および第2の配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、180、270、360、450、540以上のヌクレオチドもしくはアミノ酸の領域にわたって、または核酸に関して、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であることを意味する。
【0054】
核酸に関して本明細書で使用されるとき、「バリアント」は、(i)参照されるヌクレオチド配列の一部分もしくは断片、(ii)参照されるヌクレオチド配列もしくはその一部分の補体、(iii)参照される核酸もしくはその補体に実質的に同一である核酸、または(iv)ストリンジェントな条件下で、参照される核酸、その補体、もしくはそれに実質的に同一な配列とハイブリダイズする核酸を意味する。
【0055】
本明細書で使用されるとき、「バリアント」は、ペプチドまたはポリペプチドに関して、アミノ酸の挿入、欠失、または保存置換によりアミノ酸配列が異なるが、少なくとも1つの生物学的活性を保持するものである。バリアントは、少なくとも1つの生物学的活性を保持するアミノ酸配列を有する参照されるタンパク質に実質的に同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質も意味し得る。アミノ酸の保存置換、すなわち、アミノ酸を、類似する性質(例えば、荷電領域の親水性、程度、および分布)を有する異なるアミノ酸と置き換えることは、典型的には多少の変化を伴うものとして、当該技術分野において認識されている。多少の変化は、一部において、当該技術分野において理解される、アミノ酸の疎水性親水性指数を考慮することにより特定することができる。Kyte et al.,J.Mol.Biol.157:105−132(1982)。アミノ酸の疎水性親水性指数は、その疎水性および電荷の考察に基づいている。類似する疎水性親水性指数のアミノ酸を置換することができ、尚もタンパク質機能を保持することが当該技術分野において既知である。一態様では、±2の疎水性親水性指数を有するアミノ酸が置換される。アミノ酸の親水性は、生物学的機能を保持するタンパク質をもたらすであろう置換を明らかにするようにも使用され得る。ペプチドの文脈におけるアミノ酸の親水性の考察は、抗原性および免疫原性と良好に相関することが報告された有用な手段である、そのペプチドの最大局所部平均親水性の計算を可能にする。米国特許第4,554,101号は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0056】
同様の親水性値を有するアミノ酸の置換は、当該技術分野において理解されるように、生物学的活性、例えば免疫原性を保持するペプチドをもたらすことができる。置換は、互いに±2内の親水性値を有するアミノ酸で行うことができる。アミノ酸の疎水性指数および親水性値の両方は、アミノ酸の特定の側鎖によって影響を受ける。この見解と一致して、生物学的機能と互換性があるアミノ酸置換は、疎水性、親水性、電荷、大きさ、および他の性質によって明らかにされるように、アミノ酸の相対的類似性、特に、これらのアミノ酸の側鎖に依存すると考えられている。
ベクター
【0057】
本明細書で使用されるとき、「ベクター」は、複製の起源を含む核酸配列を意味する。ベクターは、ウイルスベクター、バクテリオファージ、細菌人工染色体、または酵母人工染色体であってよい。ベクターは、DNAまたはRNAベクターであってよい。ベクターは、自己複製染色体外ベクターであってよく、好ましくは、DNAプラスミドである。
【0058】
本発明は、特許請求される発明のポリペプチドまたはタンパク質のいずれかをコードするポリペプチド、タンパク質、および核酸配列を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも75%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも75%の配列同一性を有し、配列番号1の12番目および13番目のアミノ酸に核酸結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、以下から選択される少なくとも1つのRVD配列を含む:SI、SN、SH、NP、NH、NT、NK、NN、ND、HN、HY、HD、HH、RN、RS、およびGS。いくつかの実施形態では、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、以下から選択される任意の組み合わせの少なくとも1つまたは複数のRVD配列:SI、SN、SH、NP、NH、NT、NK、NN、ND、HN、HY、HD、HH、RN、RS、NG、およびGSを含み、SI、SN、SH、NP、およびNHは、任意の核酸塩基に結合し、NT、NK、およびNNは、アデニンに結合し、ND、HN、HY、HD、およびHHは、アデニンおよび/またはグアニンに結合し、NGは、チミンに結合し、RN、RS、およびGSは、グアニンに結合する。いくつかの実施形態では、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、以下から選択される任意の組み合わせの少なくとも1つまたは複数のRVD配列:SI、SN、SH、NP、NH、NT、NK、NN、ND、HN、HY、HD、HH、RN、RS、NG、およびGSを含み、SI、SN、SH、NP、およびNHは、任意の核酸塩基に結合し、NKは、グアニンに結合し、NNは、アデニンまたはグアニンに結合し、ND、HN、HY、HD、およびHHは、シトシンに結合し、NGは、チミンに結合し、RN、RS、およびGSは、グアニンに結合する。いくつかの実施形態では、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、以下から選択される任意の組み合わせの少なくとも1つまたは複数のRVD配列:SI、SN、SH、NP、NH、NT、NK、NN、ND、HN、HY、HD、HH、RN、RS、NG、およびGSを含み、SIは、アデニンに結合し、SNは、グアニンおよび/またはアデニンに結合し、SH、NP、およびNHは、任意の核酸塩基に結合し、NKは、グアニンに結合し、NNは、アデニンおよび/またはグアニンに結合し、NDは、シトシンに結合し、HNは、グアニンに結合し、HY、HD、およびHHは、シトシンに結合し、NGは、チミンに結合し、RNは、グアニンおよび/またはアデニンに結合し、RSおよびGSは、グアニンに結合する。いくつかの実施形態では、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、RVD配列のうちの少なくとも1つがNP、ND、またはHNであり、かつNPがシトシン、アデニン、およびグアニンに結合し、NDがシトシンに結合し、HNがアデニンおよび/またはグアニンに結合する、任意の組み合わせの少なくとも1つまたは複数のRVD配列を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも75%の配列同一性を有し、配列番号1のアミノ酸の12位および13位のうちの少なくとも一方に保存アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも80%の配列同一性を有し、配列番号1のアミノ酸の12位および13位のうちの少なくとも一方に保存アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも85%の配列同一性を有し、配列番号1のアミノ酸の12位および13位のうちの少なくとも一方に保存アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を有し、配列番号1のアミノ酸の12位および13位のうちの少なくとも一方に保存アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも91%の配列同一性を有し、配列番号1のアミノ酸の12位および13位のうちの少なくとも一方に保存アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも92%の配列同一性を有し、配列番号1のアミノ酸の12位および13位のうちの少なくとも一方に保存アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも93%の配列同一性を有し、配列番号1のアミノ酸の12位および13位のうちの少なくとも一方に保存アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも94%の配列同一性を有し、配列番号1のアミノ酸の12位および13位のうちの少なくとも一方に保存アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも95%の配列同一性を有し、配列番号1のアミノ酸の12位および13位のうちの少なくとも一方に保存アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも96%の配列同一性を有し、配列番号1のアミノ酸の12位および13位のうちの少なくとも一方に保存アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも97%の配列同一性を有し、配列番号1のアミノ酸の12位および13位のうちの少なくとも一方に保存アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも98%の配列同一性を有し、配列番号1のアミノ酸の12位および13位のうちの少なくとも一方に保存アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも99%の配列同一性を有し、配列番号1のアミノ酸の12位および13位のうちの少なくとも一方に保存アミノ酸置換を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1と少なくとも75%の配列同一性を有する。
【0061】
いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸として、ベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号2と少なくとも80%の配列同一性を有し、配列番号2において、前述のアミノ酸置換のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸として、ベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号2と少なくとも85%の配列同一性を有し、配列番号2において、前述のアミノ酸置換のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸として、ベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号2と少なくとも90%の配列同一性を有し、配列番号2において、前述のアミノ酸置換のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸として、ベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号2と少なくとも95%の配列同一性を有し、配列番号2において、前述のアミノ酸置換のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸として、ベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号2と少なくとも99%の配列同一性を有し、配列番号2において、前述のアミノ酸置換のうちの少なくとも1つを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸によってコードされたもの、またはベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号3と少なくとも80%の配列同一性を有し、配列番号3において、前述のアミノ酸置換のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸によってコードされたもの、またはベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有し、配列番号3において、前述のアミノ酸置換のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸によってコードされたもの、またはベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号3と少なくとも90%の配列同一性を有し、配列番号3において、前述のアミノ酸置換のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸によってコードされたもの、またはベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号3と少なくとも95%の配列同一性を有し、配列番号3において、前述のアミノ酸置換のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸によってコードされたもの、またはベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号3と少なくとも99%の配列同一性を有し、配列番号3において、前述のアミノ酸置換のうちの少なくとも1つを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸によってコードされたもの、またはベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19のうちのいずれかと少なくとも75%の配列同一性を有し、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19において、前述のアミノ酸置換のうちの2つ以上を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸によってコードされたもの、またはベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19と少なくとも80%の配列同一性を有し、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19において、前述のアミノ酸置換のうちの2つ以上を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸として、ベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19と少なくとも85%の配列同一性を有し、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19のうちのいずれか1つ以上において、前述のアミノ酸置換のうちの2つ以上を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸として、ベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19のうちのいずれか1つ以上と少なくとも90%の配列同一性を有し、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19のうちのいずれか1つ以上において、前述のアミノ酸置換のうちの2つ以上を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸として、ベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19と少なくとも95%の配列同一性を有し、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19のうちのいずれか1つ以上において、前述のアミノ酸置換のうちの2つ以上を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質(核酸として、ベクター内の核酸として、または精製された組換えタンパク質として)は、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19のうちのいずれか1つ以上と少なくとも99%の配列同一性を有し、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19のうちのいずれか1つ以上において、前述のアミノ酸置換のうちの2つ以上を含む。
【0064】
本明細書で使用されるとき、「配列同一性」は、2つの配列(bl2seq)をブラスト処理するために、独立型BLASTエンジンプログラムを使用することにより決定され、これは、デフォルトパラメータを使用して(Tatusova and Madden,FEMS Microbiol Lett.,1999,174,247−250;参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、National Center for Biotechnology Information(NCBI)ftpサイトから検索することができる。2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈において本明細書で使用されるとき、「同一」または「同一性」は、配列が特定の領域にわたって同じである残基の特定のパーセンテージを有することを意味する。パーセンテージは、2つの配列を最適に整列する、特定の領域にわたって2つの配列を比較する、合致する位置の数を得るために、同一の残基が両方の配列に生じる位置の数を決定する、特定の領域において、合致した位置の数を位置の総数で割る、および配列同一性のパーセンテージを得るために、結果を100で乗じることにより、計算することができる。2つの配列が異なる長さであるか、または整列が1つ以上の付着末端を生成し、かつ特定の比較領域が単一の配列のみを含む場合、単一配列の残基は、計算の分母に含まれるが、分子には含まれない。DNAとRNAを比較する場合、チミン(T)およびウラシル(U)は、等価と考えられ得る。同一性は、手動で、またはBLASTもしくはBLAST2.0等のコンピュータ配列アルゴリズムを使用することによって行うことができる。
【0065】
本明細書で使用されるとき、「保存」アミノ酸置換は、下の表A、B、またはCに記載されるように定義され得る。いくつかの実施形態では、融合ポリペプチドおよび/またはそのような融合ポリペプチドをコードする核酸は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの修飾により導入された保存置換を含む。アミノ酸は、物理的性質および2次および3次タンパク質構造への寄与により分類され得る。保存置換は、1個のアミノ酸を、類似する性質を有する別のアミノ酸と置換するものとして当該技術分野において認識されている。例示的な保存置換が表Aに記載される。
【表A】
【0066】
あるいは、保存アミノ酸置換は、表Bに記載される、Lehninger(Biochemistry,Second Edition;Worth Publishers,Inc.NY,N.Y.(1975),pp.71−77)に記載されるように分類され得る。
【表B】
【0067】
あるいは、例示的な保存置換が表Cに記載される。
【表C】
【0068】
本明細書に記載されるポリペプチドは、アミノ酸残基の1つ以上の挿入、欠失、もしくは置換、またはその任意の組み合わせ、ならびにアミノ酸残基の挿入、欠失、もしくは置換以外の修飾を坦持するポリペプチドを含むことが意図されることを理解するべきである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリペプチドまたは核酸は、1つ以上の保存置換を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリペプチドまたは核酸は、2つ以上の保存置換を含む。
【0069】
本明細書で使用されるとき、前述のアミノ酸置換のうちの「2つ以上」は、列記されるアミノ酸置換のうちの2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20以上を意味する。いくつかの実施形態では、「2つ以上」は、列記されるアミノ酸置換のうちの2つ、3つ、4つ、または5つを意味する。いくつかの実施形態では、「2つ以上」は、列記されるアミノ酸置換のうちの2つ、3つ、または4つを意味する。いくつかの実施形態では、「2つ以上」は、列記されるアミノ酸置換のうちの2つ、または3つを意味する。いくつかの実施形態では、「2つ以上」は、列記されるアミノ酸置換のうちの2つを意味する。
【0070】
本明細書で使用されるとき、「内因性」は、標的遺伝子またはそれが導入される宿主細胞に天然に関連する核酸またはタンパク質配列を指す。
【0071】
本明細書で使用されるとき、「外因性」は、標的遺伝子またはそれが導入される宿主細胞に天然に関連しない核酸またはタンパク質配列を指し、天然に存在する核酸、例えばDNA配列、または天然に存在しないゲノム位置に位置する天然に存在する核酸配列の天然に存在しない複数のコピーを含む。
【0072】
本明細書で使用されるとき、「遺伝的に修飾された植物(またはトランスジェニック植物)」は、そのゲノム内に外因性ポリヌクレオチドを含む植物を指す。一般に、および好ましくは、外因性ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが後に続く世代に受け継がれるように、ゲノム内に安定して組み込まれる。外因性ポリヌクレオチドは、ゲノムのみに、または組換え発現カセットの一部として組み込まれ得る。「トランスジェニック」は、本明細書において、任意の細胞、細胞系、カルス、組織、植物部分、または植物を含むように使用され、その遺伝子型は、外因性核酸の存在によって変更され、最初にそのように変更されたそれらの遺伝子導入物(trans genies)、ならびに初期トランスジェニックから性的交差または無性繁殖によって作製されたものを含む。本明細書で使用されるとき、用語「トランスジェニック」は、従来の植物交配方法、または無作為交差受精、非組換えウイルス感染、非組換え細菌形質転換、非組換え転位、または自然突然変異等の天然に生じる事象によるゲノム(染色体または染色体外)の変更を包含しない。
【0073】
本明細書で使用されるとき、用語「修飾」は、配列が単純にポリペプチドの結合によって修飾されたと考えられることを意味することが意図される。ヌクレオチドの配列は変更されるが、そのような変更(およびその他)はポリペプチドの目的とする核酸への結合後に起こり得ることを示唆することが意図されない。いくつかの実施形態では、核酸配列はDNAである。目的とする核酸の修飾(モジュラー反復単位を含むように修飾されたポリペプチドによってそれに結合するという意味で)は、いくつかの方法のうちのいずれか(例えば、ゲル移動度シフトアッセイ、標識されたポリペプチドの使用、つまり標識は、放射、蛍光、酵素、またはビオチン/ストレプトアビジン標識を含み得る)において検出することができる。必要なのは、目的とする核酸配列の修飾(およびその検出)だけであり得る(例えば、疾患の診断において)。しかしながら、望ましくは、試料のさらなる処理が行われる。便宜上、ポリペプチド(およびそれに特異的に結合される核酸配列)は、残りの試料から分離される。有利に、ポリペプチド−DNA複合体は、そのような分離を容易にするために、固相支持体に結合される。例えば、ポリペプチドは、アクリルアミドまたはアガロースゲルマトリックスに存在し得る、またはより好ましくは、膜の表面上、またはマイクロタイタープレートのウェル内に固定化される。
【0074】
いくつかの実施形態では、本発明の融合タンパク質は、少なくとも2つのドメインを含み、第1のドメインは、ラルストニアDNA結合要素であり、第2のドメインは、メチラーゼである。
【0075】
本発明のDNA配列は、細菌、真菌、藻類、植物、および動物を含むが、これらに限定されない、任意の原核生物もしくは真核生物細胞および/または目的とする生物における発現のための発現カセットに提供され得る。カセットは、本発明のDNA配列に動作可能に連結される5’および3’調節配列を含む。「動作可能に連結される」は、2つ以上の要素間の機能的連結を意味するよう意図される。例えば、目的とするポリヌクレオチドまたは遺伝子と調節配列(すなわち、プロモーター)との間の動作可能な連結は、目的とするポリヌクレオチドの発現を可能にする機能的連結である。動作可能に連結される要素は、隣接または非隣接であってよい。2つのタンパク質コード領域を結合することを指すように使用される場合、動作可能に連結されるとは、コード領域が同じリーディングフレームにあることが意図される。カセットは、生物内に同時に形質転換される少なくとも1つの追加遺伝子をさらに含み得る。あるいは、追加遺伝子(複数可)は、複数の発現カセット上に提供され得る。そのような発現カセットは、調節領域の転写調節下にあるDNA配列の挿入のための複数の制限部位および/または組換え部位と共に提供される。発現カセットは、選択可能マーカー遺伝子をさらに含み得る。
【0076】
発現カセットは、転写の5’−3’方向で、植物もしくは他の生物または非ヒト宿主細胞の転写および翻訳開始領域(すなわち、プロモーター)、本発明のDNA配列、ならびに転写および翻訳停止領域(すなわち、停止領域)機能性を含む。調節領域(すなわち、プロモーター、転写調節領域、および翻訳停止領域)および/または本発明のDNA配列は、宿主細胞に対して、または互いに天然であり得る/類似し得る。あるいは、調節領域および/または本発明のDNA配列は、宿主細胞に対してまたは互いに異種であってよい。本明細書で使用されるとき、配列に関して「異種」は、外来種を起源とするか、または同種からである場合、組成および/またはゲノム遺伝子座において、意図的なヒトの介在によりその天然の形態から実質的に変更される配列である。例えば、異種ポリヌクレオチドに動作可能に連結されたプロモーターは、ポリヌクレオチドが由来する種とは異なる種からであるか、または同じ/類似する種からである場合、1つまたは両方がそれらの元の形態および/またはゲノム遺伝子座から実質的に変更されるか、あるいはプロモーターは動作可能に連結されたポリヌクレオチドに対して天然プロモーターではない。本明細書で使用されるとき、キメラ遺伝子は、コード配列に異種である転写開始領域に動作可能に連結されるコード配列を含む。
【0077】
停止領域は、転写開始領域に対して天然であり得るか、目的とする動作可能に連結されたDNA配列に対して天然であり得るか、宿主に対して天然であり得るか、またはプロモーター、目的とするDNA配列、植物宿主、もしくはこれらの任意の組み合わせに対する別の源(すなわち、外来または異種)に由来し得る。植物に使用するための簡便な停止領域は、オクトピンシンターゼおよびノパリンシンターゼ停止領域等、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(A.tumefaciens)のTi−プラスミドから入手可能である。Guerineau et al.(1991)Mol.Gen.Genet.262:141−144、Proudfoot(1991)Cell 64:671−674、Sanfacon et al.(1991)Genes Dev.5:141−149、Mogen et al.(1990)Plant Cell 2:1261−1272、Munroe et al.(1990)Gene 91:151−158、Ballas et al.(1989)Nucleic Acids Res.17:7891−7903、およびJoshi et al.(1987)Nucleic Acids Res.15:9627−9639も参照。
【0078】
適切な場合、ポリヌクレオチドは、形質転換生物における発現の増加に最適化され得る。つまり、ポリヌクレオチドは、改善された発現のために宿主により好まれるコドンを使用して合成され得る。例えば、宿主が好むコドンの使用の詳解に関しては、Campbell and Gown(1990)Plant Physiol.92:1−11を参照。宿主が好む遺伝子、特に植物が好む遺伝子を合成するための方法が当該技術分野において利用可能である。例えば、米国特許第5,380,831号および第5,436,391号、ならびにMurray et al.(1989)Nucleic Acids Res.17:477−498を参照(参照により本明細書に組み込まれる)。
【0079】
さらなる配列修飾は、細胞宿主における遺伝子発現を強化することが知られている。これらは、偽性ポリアデニル化シグナル、エクソン−イントロンスプライス部位シグナル、トランスポゾン様反復、および遺伝子発現に有害であり得る他のそのように十分に特徴付けされた配列をコードする配列の排除を含む。配列のG−C含量は、宿主細胞において発現される既知の遺伝子を参照に計算される、所与の細胞宿主に関して平均であるレベルに調節され得る。可能な場合、配列は、予測されたヘアピン二次mRNA構造を避けるように修飾される
【0080】
発現カセットは、5’リーダー配列をさらに含み得る。そのようなリーダー配列は、翻訳を強化するように機能し得る。翻訳リーダーは、当該技術分野において既知であり、ピコルナウイルスリーダー、例えば、EMCVリーダー(脳心筋炎5’非コード領域)(Elroy−Stein et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA86:6126−6130)、ポティウイルスリーダー、例えば、TEVリーダー(タバコエッチウイルス)(Gallie et al.(1995)Gene 165(2):233−238)、MDMVリーダー(トウモロコシ萎縮モザイクウイルス)(Virology 154:9−20)、およびヒト免疫グロブリン重鎖結合タンパク質(BiP)(Macejak et al.(1991)Nature 353:90−94)、アルファルファモザイクウイルスのコートタンパク質mRNAからの非翻訳リーダー(AMV RNA 4)(Tabling et al.(1987)Nature 325:622−625)、タバコモザイクウイルスリーダー(TMV)(Gallie et al.(1989)in Molecular Biology of RNA,ed.Cech(Liss,New York),pp.237−256)、ならびにトウモロコシクロロティックモトルウイルスリーダー(MCMV)(Lommel et al.(1991)Virology 81:382−385)を含む。Della−Cioppa et al.(1987)Plant Physiol.84:965−968も参照のこと。
【0081】
発現カセットの調製において、適切な配向で、かつ必要に応じて適切なリーディングフレームにおいてDNA配列を提供するように、様々なDNA断片が操作され得る。この端部に向かって、アダプターまたはリンカーがDNA断片を接合するために採用されるか、または簡便な制限部位、過剰なDNAの除去、制限部位の除去等を提供するために他の操作が伴う場合がある。この目的のため、インビトロ変異誘発、プライマー修復、制限、アニーリング、再置換、例えば、転位および塩基転換を伴うことができる。
【0082】
本発明は、単離された、もしくは実質的に精製されたポリヌクレオチドまたはタンパク質組成物を包含する。「単離された」もしくは「精製された」ポリヌクレオチド、またはタンパク質、あるいはその生物学的に活性な部分は、その天然に存在する環境において見られるポリヌクレオチドもしくはタンパク質に通常付随する、またはそれと相互作用する成分を実質的に、もしくは本質的に含まない。よって、単離された、もしくは精製されたポリヌクレオチドまたはタンパク質は、組換え技法によって生成された場合、他の細胞物質もしくは培養培地を実質的に含まない、または化学的に合成された場合、化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。最適には、「単離された」ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが由来する生物のゲノムDNAにおいてポリヌクレオチドに天然に隣接する配列(すなわち、ポリヌクレオチドの5’および3’端に位置する配列)(最適には、配列をコードするタンパク質)を含まない。例えば、様々な実施形態では、単離されたポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが由来する細胞のゲノムDNAにおいてポリヌクレオチドに天然に隣接するヌクレオチド配列の約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb、または0.1kb未満を含み得る。細胞物質を実質的に含まないタンパク質は、約30%、20%、10%、5%、または1%(乾燥重量)未満の汚染タンパク質を有するタンパク質の調製を含む。本発明のタンパク質またはその生物学的に活性なタンパク質が組換えにより生成される場合、最適には、培養培地は、約30%、20%、10%、5%、または1%(乾燥重量)未満の化学前駆体または目的とする非タンパク質化学物質を表す。
【0083】
開示されるDNA配列およびそれによってコードされるタンパク質の断片ならびにバリアントも本発明により包含される。「断片」とは、DNA配列の一部分、またはアミノ酸配列の一部分、したがって、それによってコードされるタンパク質を意味する。コード配列を含むDNA配列の断片は、天然タンパク質の生物学的活性、したがって、本明細書に記載される標的DNA配列に対してDNA認識もしくは結合活性を保持するタンパク質断片をコードし得る。あるいは、ハイブリダイゼーションプローブとして有用であるDNA配列の断片は、一般に、生物学的活性を保持するタンパク質をコードしないか、またはプロモーター活性を保持しない。よって、DNA配列の断片は、少なくとも約20ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約100ヌクレオチドから、本発明の最大完全長ポリヌクレオチドの範囲であり得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、および/または配列番号19を含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチド配列配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、および/または配列番号19のうちのいずれか1つが少なくとも1回反復される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、表1の配列のいずれも含まない。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、表1の単一の配列を含むが、表1の代替え配列の少なくとも1つ以上を含まない。いくつかの実施形態では、代替え配列は、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19を含む。
【0085】
本発明は、本明細書に記載されるポリペプチドタンパク質のいずれか1つをコードする核酸も提供する。よって、本発明は、配列番号1と少なくとも75%(または80%、85%、90%、95%、もしくは99%)の配列同一性を含むタンパク質をコードする核酸を提供する。
【0086】
いくつかの実施形態では、核酸は、配列番号1と少なくとも75%(または80%、85%、90%、95%、もしくは99%)の配列同一性を含むタンパク質をコードし、X
1X
2は、天然に存在するアミノ酸の天然に存在しないアミノ酸との任意の組み合わせである。
【0087】
遺伝コードにおける冗長を考えると、当業者は、任意の特定のタンパク質をコードする多くのヌクレオチド配列を生成することができる。全てのそのようなヌクレオチド配列は、本明細書において想定される。
【0088】
本発明は、前述の核酸のいずれかを含むベクターも提供する。よって、本発明は、配列番号1と少なくとも75%(または80%、85%、90%、95%、もしくは99%)の配列同一性を有するタンパク質をコードする核酸を含むベクターを提供する。本発明は、配列番号1と少なくとも75%(または80%、85%、90%、95%、もしくは99%)の配列同一性を有し、かつ以下:SI、SN、SH、NP、NH、NT、NK、NN、ND、HN、HY、HD、HH、RN、RS、およびGSから選択される配列番号1のその12番目および13番目のアミノ酸に少なくとも1つのRVD配列を含む、少なくとも1つのタンパク質をコードする核酸を含むベクターを提供する。いくつかの実施形態では、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、以下から選択される任意の組み合わせの少なくとも1つまたは複数のRVD配列:SI、SN、SH、NP、NH、NT、NK、NN、ND、HN、HY、HD、HH、RN、RS、NG、およびGSを含み、SI、SN、SH、NP、およびNHは、任意の核酸塩基に結合し、NT、NK、およびNNは、アデニンに結合し、ND、HN、HY、HD、およびHHは、アデニンおよび/またはグアニンに結合し、NGは、チミンに結合し、RN、RS、およびGSは、グアニンに結合する。いくつかの実施形態では、NKはグアニンに結合し、NGはチミンに結合し、NNはグアニンもしくはアデニンに結合し、かつ/またはHDはシトシンに結合する。いくつかの実施形態では、SIはアデニンに結合し、SNはグアニンもしくはアデニンに結合し、NDはシトシンに結合し、HNはグアニンに結合し、かつ/またはRNはグアニンもしくはアデニンに結合する。
【0089】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、少なくとも第1および第2のドメインを含み、第1のドメインは、上述の単一のRVD配列を含む、少なくとも1つのポリペプチドモノマーを含む。いくつかの実施形態では、第1のドメインは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20以上のモノマーを含み、各モノマーは、2個のアミノ酸からなる単一核酸結合ドメイン、またはRVDを含む。本発明のいくつかの実施形態では、第1のドメインは、少なくとも2つのモノマーを含み、各モノマーは、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個以上のアミノ酸のスペーサーによって分離される。
【0090】
いくつかの実施形態では、第2のドメインは、本発明の第1のドメインによって付与される核酸結合に相補的な別の機能を含む。いくつかの実施形態では、第2のドメインは、ヌクレアーゼ、またはヌクレアーゼの機能断片である。いくつかの実施形態では、第2のドメインは、エンドヌクレアーゼ、またはエンドヌクレアーゼの機能断片である。いくつかの実施形態では、第2のドメインは、ニッカーゼ、またはニッカーゼの機能断片である。いくつかの実施形態では、第2のドメインは、抑制因子、または抑制因子の機能断片である。いくつかの実施形態では、第2のドメインは、転写活性化因子、または転写活性化因子の機能断片である。
【0091】
いくつかの実施形態では、ベクターは、本明細書に記載される各ポリペプチドの1つ以上をコードする配列を含む核酸を含む。いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19から選択される各ポリペプチドのうちの1つ以上をコードする配列を含む核酸を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、ベクターはプラスミドである。他の実施形態では、ベクターはレトロウイルスである。いくつかの実施形態では、ベクターは、直鎖状DNA分子である。いくつかの実施形態では、レトロウイルスは、長い末端反復、psiパッケージングシグナル、クローニング部位、および選択可能マーカーをコードする配列を含む。いくつかの実施形態では、ベクターは、pLXIN(Clontech)等のウイルスベクターである。
【0093】
本発明は、前述の核酸のいずれかを含む細胞または生物も提供する。よって、本発明は、配列番号1と少なくとも75%(または80%、85%、90%、95%、もしくは99%)の配列同一性を有するタンパク質をコードする核酸を含む細胞または生物を提供する。本発明は、任意の組み合わせで、以下のポリペプチド:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のいずれか1つ以上と少なくとも75%(または80%、85%、90%、95%、もしくは99%)の配列同一性を有するタンパク質をコードする核酸を含む細胞または生物を提供する。本発明は、任意の組み合わせで、以下のポリペプチド:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のいずれか1つ以上と少なくとも75%(または80%、85%、90%、95%、もしくは99%)の配列同一性を有し、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のいずれかの12位および13位でRVDドメインのうちの少なくとも1つに少なくとも1つの変異を含むタンパク質をコードする核酸を含む細胞または生物を提供する。本発明は、任意の組み合わせで、以下のポリペプチド:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のいずれか1つ以上と少なくとも75%(または80%、85%、90%、95%、もしくは99%)の配列同一性を有し、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のいずれかの12位および13位でRVDドメインのうちの少なくとも1つに少なくとも1つの変異を含むタンパク質と接触することによって変異される核酸を含む細胞または生物を提供する。
【0094】
いくつかの実施形態では、細胞または生物は、配列番号1と少なくとも75%(または80%、85%、90%、95%、もしくは99%)の配列同一性を有する核酸配列を含むタンパク質をコードする核酸を含む。いくつかの実施形態では、特許請求される発明のポリペプチドまたはタンパク質は、複数の反復ドメインを含み、少なくとも1つの反復ドメインは、配列番号1〜19と少なくとも75%(または80%、85%、90%、95%、もしくは99%)の配列同一性を有する核酸配列、または配列番号1〜19と75%(または80%、85%、90%、95%、もしくは99%の配列同一性を有するそのバリアントを含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、細胞は、前述のベクターまたは核酸配列のいずれかを含む。
【0096】
本発明の一態様では、本発明のポリペプチドは、モノマーサブ単位を含み、少なくとも1つのモノマーサブ単位は、ヌクレオチド認識要素を含むラルストニアに由来する少なくとも1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドは、モノマーサブ単位を含み、少なくとも1つのモノマーサブ単位は、以下のポリペプチド:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のいずれか1つ以上と少なくとも75%(または80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%)の配列同一性を有するヌクレオチド認識要素を含むラルストニアに由来する少なくとも1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドは、モノマーサブ単位を含み、少なくとも1つのモノマーサブ単位は、以下のポリペプチド:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のうちのいずれか1つ以上と少なくとも75%(または80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%)の配列同一性からなるヌクレオチド認識要素を含むラルストニアに由来する少なくとも1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本発明の核酸分子は、1つ以上のモノマーサブ単位をコードする核酸配列を含み、1つ以上のモノマーサブ単位は、コードされる場合、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、または12以上の連続モノマーを含み、各モノマーは、ヌクレオチド認識要素を含むラルストニアに由来する少なくとも1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本発明の核酸分子は、1つ以上のモノマーサブ単位をコードする核酸配列を含み、1つ以上のモノマーサブ単位は、コードされる場合、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、または12以上の連続モノマーを含み、各モノマーは、以下のポリペプチド:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のうちのいずれか1つ以上と少なくとも75%(または80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%)の配列同一性からなるヌクレオチド認識要素、またはその任意のバリアントもしくは類似体を含むラルストニアに由来する少なくとも1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、ラルストニアに由来する核酸認識要素を含む1つ以上のポリペプチド配列をコードする1つ以上の核酸配列、およびキサントモナス(Xanthamonus)に由来する核酸認識要素を含む1つ以上のポリペプチド配列をコードする1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、DNA認識要素である、連続する、独立した(indepdnently)可変モノマーサブ単位を含み、モノマーサブ単位のうちの少なくとも1つ以上は、本明細書に開示されるラルストニア配列に由来する。いくつかの実施形態では、本発明は、DNA認識要素である、連続する、独立した可変モノマーサブ単位を含む融合タンパク質に関し、モノマーサブ単位のうちの少なくとも1つ以上は、表1に開示されるラルストニア配列に由来する。いくつかの実施形態では、本発明は、DNA認識要素である、連続するモノマーサブ単位を含む融合タンパク質に関し、融合タンパク質は、以下のポリペプチド配列:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のうちの少なくとも1つから選択された連続するポリペプチドの組み合わせ、またはその任意のバリアントもしくは類似体を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、DNA認識要素である、連続するモノマーサブ単位を含む融合タンパク質に関し、融合タンパク質は、以下のポリペプチド配列:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のうちの少なくとも1つから選択された連続するポリペプチドの組み合わせ、またはその任意のバリアントもしくは類似体を含み、各モノマーは、DNA標的配列の1つのヌクレオチドに結合する。いくつかの実施形態では、本発明は、DNA認識要素である、連続するモノマーサブ単位を含む融合タンパク質に関し、融合タンパク質は、以下のポリペプチド配列:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のうちの少なくとも1つから選択された連続するポリペプチドの組み合わせ、またはその少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%パーセント相同であるその任意のバリアントもしくは類似体を含み、各モノマーは、核酸配列の存在下でDNA標的配列の1つのヌクレオチドに結合する。いくつかの実施形態では、本発明は、DNA認識要素である、連続するモノマーサブ単位を含む融合タンパク質に関し、融合タンパク質は、以下のポリペプチド配列:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のうちの少なくとも1つから選択された連続するポリペプチドの組み合わせ、またはその少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%パーセント相同であるその任意のバリアントもしくは類似体を含み、各モノマーは、核酸配列の存在下でDNA標的配列の1つのヌクレオチドに結合し、融合タンパク質は、エフェクタータンパク質/ポリペプチドである少なくとも1つのポリペプチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、DNA標的配列に結合する第1のドメインと、エフェクター機能を有する第2のドメインとを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、DNA認識要素である、連続するモノマーサブ単位を含む融合タンパク質に関し、融合タンパク質は、以下のポリペプチド配列:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のうちの少なくとも1つから選択された連続するポリペプチドの組み合わせ、またはその少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%パーセント相同であるその任意のバリアントもしくは類似体を含み、各モノマーは、核酸配列の存在下でDNA標的配列の1つのヌクレオチドに結合し、融合タンパク質は、エフェクタータンパク質/ポリペプチドである少なくとも1つのポリペプチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、DNA標的配列に結合する第1のドメインと、ヌクレアーゼ機能を有する第2のドメインとを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、DNA認識要素である連続するモノマーサブ単位を含む融合タンパク質に関し、融合タンパク質は、以下のポリペプチド配列:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のうちの少なくとも1つから選択された連続するポリペプチドの組み合わせ、またはその少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%パーセント相同であるその任意のバリアントもしくは類似体を含み、各モノマーは、核酸配列の存在下でDNA標的配列の1つのヌクレオチドに結合し、融合タンパク質は、エフェクタータンパク質/ポリペプチドである少なくとも1つのポリペプチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、DNA標的配列に結合する第1のドメインと、ニッカーゼまたはリガーゼ機能を有する第2のドメインとを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、DNA標的配列に結合する第1のドメインと、ヌクレアーゼ機能を有する第2のドメインとを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、DNA認識要素である連続するモノマーサブ単位を含む融合タンパク質に関し、融合タンパク質は、以下のポリペプチド配列:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のうちの少なくとも1つから選択された連続するポリペプチドの任意の組み合わせ、またはその少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%パーセント相同であるその任意のバリアントもしくは類似体を含み、各モノマーは、核酸配列の存在下でDNA標的配列の1つのヌクレオチドに結合し、かつ融合タンパク質は、エフェクタータンパク質/ポリペプチドである少なくとも1つのポリペプチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、本発明は、DNA認識要素である、連続するモノマーサブ単位を含む融合タンパク質に関し、融合タンパク質は、以下のポリペプチド配列:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のうちの少なくとも1つから選択された連続するポリペプチドの任意の組み合わせ、またはその少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%パーセント相同であるその任意のバリアントもしくは類似体を含み、各モノマーは、核酸配列の存在下でDNA標的配列の1つのヌクレオチドに結合し、かつ融合タンパク質は、エフェクタータンパク質/ポリペプチドである少なくとも1つのポリペプチド配列をさらに含み、任意の開示されるエフェクタータンパク質機能を有する少なくとも1つのポリペプチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、本発明は、DNA認識要素である、連続するモノマーサブ単位を含む融合タンパク質に関し、融合タンパク質は、以下のポリペプチド配列:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、
配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のうちの少なくとも1つから選択された連続するポリペプチドの任意の組み合わせ、またはその少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%パーセント相同であるその任意のバリアントもしくは類似体を含み、各モノマーは、核酸配列の存在下でDNA標的配列の1つのヌクレオチドに結合し、かつ融合タンパク質は、エフェクタータンパク質/ポリペプチド機能を含むか、またはエフェクタータンパク質もしくはそのバリアントである少なくとも2つのポリペプチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、本発明は、DNA認識要素である連続するモノマーサブ単位を含む融合タンパク質に関し、融合タンパク質は、以下のポリペプチド配列:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のうちの少なくとも1つから選択された連続するポリペプチドの任意の組み合わせ、またはその少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%パーセント相同であるその任意のバリアントもしくは類似体を含み、各モノマーは、核酸配列の存在下でDNA標的配列の1つのヌクレオチドに結合し、かつ融合タンパク質は、エフェクター/タンパク質機能を含む少なくとも3つ以上のポリペプチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、本発明は、DNA認識要素である連続するモノマーサブ単位を含む融合タンパク質に関し、融合タンパク質は、以下のポリペプチド配列:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、または配列番号19のうちの少なくとも1つから選択された連続するポリペプチドの任意の組み合わせ、またはその少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%パーセント相同であるその任意のバリアントもしくは類似体を含み、各モノマーは、核酸配列の存在下でDNA標的配列の1つのヌクレオチドに結合し、かつ融合タンパク質は、エフェクタータンパク質/ポリペプチドを含む少なくとも4つ以上のポリペプチド配列をさらに含む。
【0097】
本発明の核酸またはタンパク質は、最終目的のベクターに後に組み立てることができる標的ベクターにおいてモノマー単位および/または反復単位を予め組み立てることによるモジュラーアプローチによって構築することができる。本発明の一態様では、本発明のポリペプチドは、本発明の反復モノマーを含み、最終目的のベクターに後に組み立てることができる標的ベクターにおいて反復単位を予め組み立てることによるモジュラーアプローチによって構築することができる。本発明は、この方法によって生成されたポリペプチドならびにポリペプチドをコードする核酸配列、およびそのようなDNA配列を含む宿主生物および細胞を提供する。
【0098】
特定のアミノ酸に関して特定のコドンを得るために特異的にDNA配列を修飾するための技法は、当該技術分野において既知である。変異誘発およびポリヌクレオチド改変の方法は、広く説明されてきた。例えば、Kunkel(1985)Proc.Nat!.Acad.Sci.USA 82:488−492、Kunkel et al.(1987)Methods in Enzymol.154:367−382、米国特許第4,873,192号、Walker and Gaastra,eds.(1983)Techniques in Molecular Biology(MacMillan Publishing Company,New York)、および本明細書において引用される参考文献を参照。全てのこれらの刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0099】
以下の例は、新たな反復単位を構築し、標的DNA配列において塩基対を特異的に認識する人工的に構築された反復単位の特異的結合活性を試験するための方法を提供する。反復ドメインにおいて使用される反復単位の数は、日常的な実験により、当業者によって確認され得る。一般に、少なくとも1.5の反復単位が最小と考えられるが、典型的には、少なくとも約8つの反復単位が使用される。大きさが半分の反復単位を使用することができるため、反復単位は、完全な反復単位である必要はない。さらに、本明細書に開示される方法およびポリペプチドは、特定の数の反復単位を有する反復ドメインに依存する。よって、本発明のポリペプチドは、例えば、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、31.5、32、32.5、33、33.5、34、34.5、35、35.5、36、36.5、37、37.5、38、38.5、39、39.5、40、40.5、41、41.5、42、42.5、43、43.5、44、44.5、46、46.5、47、47.5、48、48.5、49、49.5、50、50.5以上の反復単位を含み得る。
【0100】
本発明では、反復単位を有する反復ドメインを含むポリペプチドが設計され得、反復単位において、標的DNA配列内の塩基対の認識を決定する超可変領域が含まれる。本発明の一実施形態では、各反復単位は、標的DNA配列内の1つの塩基対の認識を決定する超可変領域を含む。さらなる実施形態では、反復ドメインにおいて、標的DNA配列内の塩基対を特異的に認識しない1つまたは2つの反復単位が含まれる。発明者によって見出された認識コードを考慮すると、反復単位のモジュラー整列は、実現可能であり、各反復単位は、標的DNA配列内の1つの塩基対の特異的認識に関与する。したがって、反復単位の配列は、1つの反復単位が1つの塩基対と合致するように、標的DNA配列内の塩基対の配列に対応する。
【0101】
本発明は、ポリペプチドにより標的DNA配列内の塩基対を選択的に認識するための方法を提供し、該ポリペプチドは、反復単位を含む少なくとも1つの反復ドメインを含み、該反復単位において、各々は、該標的DNA配列内の塩基対またはヌクレオチドの認識を決定する少なくとも1つのRVD領域を含む。より具体的には、発明者は、標的DNA配列内の塩基対の選択的認識に関与するDNA結合ポリペプチド内のこれらのアミノ酸を特定した。認識コードの解明により、ポリペプチド内の選択されたアミノ酸による標的DNA配列内の特定の塩基対を認識するための一般原則が特定された。発明者は、様々なアミノ酸長の反復単位アレイ(またはポリマー)の一部である別個の種類のモノマーが定義された/特定の1つの塩基対を認識する能力を有することを発見した。反復ドメインを形成する各反復単位内で、RVD領域は、標的DNA配列内の塩基対の特異的な認識に関与する。
【0102】
よって、本発明は、反復単位を含む少なくとも1つの反復ドメインを含むポリペプチドにより標的DNA配列内の塩基対を選択的に認識する方法だけでなく、ポリペプチド内の反復ドメインにより選択的に認識される標的DNA配列を生成することができる方法も提供する。これらのポリペプチドは、単離された核酸配列または研究室での他のインビボ配列をクローニングする、変異誘発する、ないしは別の方法で変更するために、分子生物学ツールとして有用である。これは、選択的変異誘発の効果的な手段を提供する。
【0103】
本発明は、特定のDNA配列を認識するポリペプチドを構築および/または作製するための方法も提供する。本発明のこれらのポリペプチドは、本発明の反復モノマーを含み、最終目的のベクターに後に組み立てることができる標的ベクターにおいて反復単位を予め組み立てることによるモジュラーアプローチによって構築することができる。いくつかの実施形態では、DNA構築物は、本明細書に開示されるポリペプチドを組換えにより生成および/または分泌するようにコドン最適化される。組換えタンパク質を生成するために、当該技術分野における任意の組換え系が使用され得る。例としては、バキュロウイルス細胞、哺乳類細胞等の他の真核生物細胞、または細菌細胞が挙げられる。
【0104】
標的DNA配列が既知であり、タンパク質による認識が望ましい場合、当業者は、特定の認識アミノ酸配列を含む、一連のモジュラー反復単位を具体的に構築し、所望の標的DNA配列の認識およびそれへの結合を可能にするように適切な順序で、これらの反復単位をポリペプチド内に組み込むことができる。本発明のモジュラー反復単位DNA結合ドメインと組み合わせることにより、あらゆるポリペプチドを修飾することができる。そのような例としては、転写活性化因子および抑制因子タンパク質、耐性媒介タンパク質、ヌクレアーゼ、トポイソメラーゼ、リガーゼ、インテグラーゼ、リコンビナーゼ、リゾルバーゼ、メチラーゼ、アセチラーゼ、デメチラーゼ、デアセチラーゼであるポリペプチド、およびDNA、RNA、またはタンパク質を修飾することが可能な任意の他のポリペプチドが挙げられる。
【0105】
本発明のモジュラー反復単位DNA結合ドメインは、転写調節領域および翻訳停止領域を含むがこれらに限定されない任意の他の調節領域で機能するように、核局在化シグナル等の細胞コンパートメント局在化シグナルと組み合わせることができる。
【0106】
本発明のさらなる実施形態では、これらのモジュラーにより設計された反復単位は、反復ドメインによる結合の結果としてDNAと近接する場合、DNAを切断することが可能なエンドヌクレアーゼドメインと組み合わせられる。そのようなヌクレオチド鎖切断は、真菌、植物、および動物を含む真核生物の相同組換えの速度を刺激することが知られている。部位特異的ヌクレオチド鎖切断の結果として特定の部位で相同組換えを刺激する能力は、部位特異的切断を作製することなしに可能であるよりも非常に高い頻度で、特定の部位に目的とするDNA配列を組み込んだ形質転換細胞の回復を可能にする。加えて、反復ドメインおよびエンドヌクレアーゼドメインから形成されたポリペプチドによって生じるもの等のヌクレオチド鎖切断は、時折、切断の部位の配列を変更するという方法で細胞DNA代謝器官により、例えば、未変更の配列と比較して、切断の部位に短い挿入または欠失をもたらすことにより、修復される。これらの配列変更は、例えば、非機能タンパク質を作製するためにタンパク質コード配列を変更する、遺伝子転写物が適切に切断されないようにスプライス部位を修飾する、非機能転写物を作製する、もはや適切に転写されないように遺伝子のプロモーター配列を変更する等により、遺伝子またはタンパク質の機能の不活性化をもたらすことができる。
【0107】
特定のエンドヌクレアーゼを使用したDNAの切断は、切断の領域の相同組換えの速度を増加することができる。いくつかの実施形態では、Fok I(フラボバクテリウム・オケアノコイテス(Flavobacterium okeanokoites))エンドヌクレアーゼが、DNA切断を誘発するためにエフェクターにおいて利用され得る。Fok Iエンドヌクレアーゼドメインは、DNA結合ドメインから独立して機能し、典型的にはダイマーとして二本鎖DNAを切断する(Li et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A 89(10):4275−4279、およびKim et al.(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A 93(3):1156−1160;その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。一本鎖FokIダイマーも開発されており、同様に利用することができる(Mino et al.(2009)J.Biotechnol.140:156−161)。所望の標的DNA配列を認識するための反復ドメイン、ならびに亜鉛フィンガーヌクレアーゼを採用して、前の研究が行ったものと類似する標的DNA配列で、またはその付近でDNA切断を誘発するためのFokIエンドヌクレアーゼドメインを含むエフェクターが構築され得る(Townsend et al.(2009)Nature 459:442−445、Shukla et al.(2009)Nature 459,437−441、その全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。そのようなエフェクターの利用は、Bibikova et al.(2003)Science 300,764、Urnov et al.(2005)Nature 435,646、Wright et al.(2005)The Plant Journal 44:693−705、ならびに米国特許第7,163,824号および同第7,001,768号(その全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)により亜鉛フィンガーヌクレアーゼに関して報告されるこれらの使用に類似する、付加、欠失、および他の修飾を含むゲノムにおける標的変化の生成を可能にすることができる。
【0108】
FokIエンドヌクレアーゼドメインは、標準的な方法によって調製された海洋細菌フラボバクテリウム・オケアノコイテス(ATCC)のゲノムDNAからPCRによってクローニングすることができる。FokIエンドヌクレアーゼの配列は、Pubmed(受入番号M28828および受入番号J04623、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)で入手可能である。酵母サッカロミセス・セレビッシェ(Saccharomyces cerevisiae)からのI−Sce Iエンドヌクレアーゼが、相同組換えの速度を増加するDNA切断を生成するために使用された。I−Sce Iは、18bpの認識配列、したがって、所与のDNA内、たとえ大きなゲノム内においても非常に低い頻度の認識部位を有するミトコンドリアイントロンによってコードされるエンドヌクレアーゼである(Thierry et al.(1991)Nucleic Acids Res.19(1):189−190;その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。I−SceIによって認識される切断部位の低頻度は、相同組換えを強化するためにそれの使用を適切にする。該DNA切断を誘発するためのI−Sce Iの使用に関するさらなる説明は、米国特許出願第20090305402号に見出すことができ、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0109】
I−Sce Iの認識部位は、広範な異なる系内に導入されてきた。この部位のI−Sce Iでの後の切断は、部位が導入された位置の相同組換えを増加させる。相同組換えの頻度の強化は、ツメガエル卵母細胞の染色体外DNA、マウスゲノム、およびタバコ植物ニコチアナ・プルムバギニフォリア(Nicotiana plumbaginifolia)内に導入されたI−Sce I部位により得てきた。例えば、Segal et al.(1995)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.92(3):806−810、Choulika et al.(1995)Mol.Cell Biol.15(4):1968−1973、およびPuchta et al.(1993)Nucleic Acids Res.21(22):5034−5040(その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照。異種DNA結合ドメインと作用する任意の他のエンドヌクレアーゼがエフェクターにおいて利用され得、I−Sce Iエンドヌクレアーゼがそのような非限定的な例の1つであることを理解する。I−Sce I等のDNA認識および結合ドメインを有するエンドヌクレアーゼの使用の制限は、そのような部位が既に所望の位置に存在しない場合、その部位での相同組換えを強化するために、該エンドヌクレアーゼの使用前に相同組換えの標準的な方法によって認識部位が所望の位置に導入されなければならないことである。目的とする内因性標的DNA配列を切断するために、新規標的DNA配列を認識する既知のエンドヌクレアーゼを修飾する、または1つ以上のそのようなエンドヌクレアーゼのキメラ型を作製する等により、よって、そのような操作されたエンドヌクレアーゼドメインの生成を導く新規エンドヌクレアーゼの設計および合成を可能にする方法が報告された(Chevalier et al.(2002)Molecular Cell 10:895−905、国際公開第WO2007/060495号、同第WO2009/095793号、Fajardo−Sanchez et al.(2008)Nucleic Acids Res.36:2163−2173、その両方は、参照によりその全体が組み込まれる)。そのため、そのようなエンドヌクレアーゼドメインは、DNA結合活性に非機能性を付与するが、DNA切断機能を活性に維持するように同様に操作され、上記のFokIの使用に類似するDNA切断を誘発するために、エフェクターにおいて該同様に操作されたエンドヌクレアーゼ切断ドメインを利用することが想定され得る。そのような用途において、標的DNA配列認識は、好ましくは、エフェクターの反復ドメインによって提供されるが、DNA切断は操作されたエンドヌクレアーゼドメインによって達成されるだろう。
【0110】
上述のように、エフェクターは、所望の特定の標的配列に関して特異的な認識を有する反復ドメインを含む。好ましい実施形態では、エフェクターは、内因性染色体DNA配列に特異的に結合する。特定の核酸配列、またはより好ましくは特定の内因性染色体配列は、相同組換えを強化することが望ましい核酸領域の任意の配列であってよい。例えば、核酸領域は、点変異もしくは欠失等の変異を導入することが望ましい遺伝子、または所望の表現型を付与する遺伝子を導入することが望ましい領域を含む領域であってよい。
【0111】
さらなる実施形態は、所望の付加が導入された、修飾された植物を生成する方法に関する。本方法は、修飾を導入することが望ましい内因性標的DNA配列を含む植物細胞を得ることと、内因性標的DNA配列およびエンドヌクレアーゼドメインに結合する反復ドメインを含むエフェクターを有する内因性標的DNA配列内に二本鎖切断を生成することと、外因性核酸と内因性標的DNA配列との間に相同組換えを生じさせる条件下で、内因性標的DNAの少なくとも一部分に相同である配列を含む外因性核酸を植物細胞に導入することと、相同組換えが生じた植物細胞から植物を生成することとを含み得る。他の実施形態は、上述および本明細書に記載される方法により作製された遺伝的に修飾された細胞および植物に関する。標的DNA配列は人工であるか、または天然に存在し得ることに留意するべきである。そのような方法は、当該技術分野において既知の技法および方法を使用して、あらゆる生物(そのような非限定的な生物は、動物、ヒト、真菌、卵菌の細菌、およびウイルスを含む)において使用され、そのような生物においてそのような目的のために利用されることを理解する。
【0112】
本発明のさらなる実施形態では、これらのモジュラーにより設計された反復ドメインは、例えば、植物遺伝子、動物遺伝子、真菌遺伝子、卵菌遺伝子、ウイルス遺伝子、またはヒト遺伝子の遺伝子の発現の調節または制御に関与する1つ以上のドメインと組み合わされる。亜鉛フィンガードメインを含むDNA結合ポリペプチドを生成することにより遺伝子発現を調節する方法は、当該技術分野において既知である(米国特許第7,285,416号、同第7,521,241号、同第7,361,635号、同第7,273,923号、同第7,262,054号、同第7,220,719号、同第7,070,934号、同第7,013,219号、同第6,979,539号、同第6,933,113号、同第6,824,978号、その各々は、本明細書において参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。例えば、ラルストニア様ファミリーのこれらのエフェクターは、特定の標的DNA配列に結合するために修飾される。そのようなポリペプチドは、例えば、目的とする遺伝子の転写を活性化、抑制、ないしは別の方法で調節するために、該遺伝子のプロモーターまたは他の調節領域の遺伝的制御領域に特異的に結合するように本発明の方法によって修飾される転写の転写活性化因子、または抑制因子タンパク質であってよい。
【0113】
本発明のまたさらなる実施形態では、標的DNA配列は、天然に存在する反復ドメインにより、または修飾された反復ドメインにより特異的に認識されるために修飾される。一例として、ラルストニア様ファミリーのメンバーの標的DNA配列は、対応するエフェクターによって誘発され得る新規制御可能なプロモーターを生成するようにプロモーター内に挿入され得る。二次誘発性系は、トランス活性化因子および標的遺伝子を使用して構築することができ、トランス活性化因子はポリペプチドであり、該ポリペプチドは、該標的遺伝子に結合し、発現を誘発する本発明の反復単位を含む少なくとも1つの反復ドメインを含む。トランス活性化因子および標的遺伝子は、1つの細胞系内に導入され得るが、異なる細胞系にも存在し、後に遺伝子移入され得る。さらなる実施形態では、病気耐性植物は、本発明のポリペプチドを含む反復ドメインの標的DNA配列を、耐性媒介遺伝子を活性化することにより発現後に植物の防御反応をもたらす遺伝子の前に挿入することにより構築され得る。
【0114】
さらなる実施形態では、特注DNA結合ポリペプチドは、反復単位型を再整列し、よって、新規標的DNA結合特異性を有する反復ドメインの生成を可能にすることによって構築することができる。個々の反復単位は、古典的なクローニング戦略を除外するDNAレベルではほぼ同一である。本発明は、本発明の反復ドメインを有する特注ポリペプチドを組み立てるための迅速かつ安価な戦略を提供する。そのようなポリペプチドのクローニングの汎用性を改善するために、2工程アセンブリ法が設計された。この方法は、それらの標的DNA認識および結合特異性を研究するために、新規反復型を有するポリペプチドを組み立てるために使用された。
【0115】
簡潔に、任意のDNA配列は、特定の認識および互いへの結合を容易にするために、塩基対を、遺伝子の任意のDNA領域もしくは特定の領域、または該修飾されたDNA配列に結合する反復単位から構成される反復ドメインを有するポリペプチドを特異的に標的とするための遺伝制御要素に導入することにより、本発明のポリペプチドを含む反復ドメインによる結合を可能にするように修飾され得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、有機化学合成の当業者に知られている既知のアミノ酸の化学的性質を使用して合成的に製造され得る。そのような手順は、例えば、BocおよびFmocのいずれかの方法を使用する、溶液および固相手順の両方を含む。本発明の化合物は、固相合成法を使用して合成され得る。Fmoc−N保護されたβ−アミノ酸は、オルト−クロロ−トリチルクロリド樹脂を含む、任意の数の固体支持体上に、標準的な条件下で、従来の手動の固相合成法によりポリ−α/β−ペプチドを合成するために使用され得る。Fmoc−β−アミノ酸のオルト−クロロ−トリチルクロリド樹脂とのエステル化は、Barlos et.al.,Tetrahedron Lett.,1989,30,3943の方法により行うことができる。樹脂(150mg、1.05mmol Cl)を、10分間、2mlのCH
2Cl
2中で膨張させる。次いで、CH
2Cl
2中のFmoc保護されたβ−アミノ酸およびiPr
2EtNの溶液を、連続的に添加し、アルゴン下で4時間、懸濁液を混合した。その後、樹脂を濾過し、CH
2Cl
2/MeOH/iPr
2EtN(17:2:1、3×3分)、CH
2Cl
2(3×3分)、DMF(2×3分)、CH
2Cl
2(3x3分)、およびMeOH(2×3分)で洗浄した。樹脂の置換は、300nmでジベンゾフルベン付加物の吸光度を測定することにより、3mgの試料上で決定された。Fmoc基は、Ar気泡下で、DMF(4ml、2×20分)中20%のピペリジンを使用して除去された。次いで、樹脂を濾過し、DMF(6×3分)で洗浄した。各カップリング工程に関して、DMF(2ml)中のβ−アミノ酸(3当量)、BOP(3当量)、およびHOBT(3当量)およびiPr
2EtN(9当量)の溶液を、樹脂に連続的に添加し、Ar下で1時間、懸濁液を混合した。カップリング反応の監視は、2,4,6−トリニトロベンゼン−スルホン酸(TNBS)により行われた(W.S.Hancock and J.E.Battersby,Anal.Biochem.(1976),71,260)。TNBS試験が陽性の場合(不完全なカップリングを示す)、懸濁液をさらに1時間反応させた。次いで、樹脂を濾過し、以下のFmoc脱保護工程の前にDMF(3×3分)で洗浄した。最後のFmoc保護基を除去した後、樹脂を、DMF(6×3分)、CH
2Cl
2(3×3分)、Et
2O(3×3分)で洗浄し、真空下で3時間乾燥させた。最後に、Ar下で、CH
2Cl
2中2%のTFA(2ml、5×15分)を使用して、ペプチドを樹脂から切断した。溶媒を除去し、油状残留物をエーテル中で粉砕し、粗ポリペプチドを得た。化合物は、HPLCによりさらに精製される。
【0117】
本発明は、目的とする標的DNA配列に特異的なモジュラー反復単位を構築することにより遺伝子発現を標的調節する、該反復モノマーを付加することによりポリペプチドを修飾し、該ポリペプチドが今や標的DNAを認識できるようにする、原核生物または真核生物(eurkaryotic)細胞に該修飾されたポリペプチドを導入するまたは発現させ、該修飾されたポリペプチドが標的DNA配列を認識できるようにする、およびそのような認識の結果として該細胞における該標的遺伝子の発現を調節する方法も提供する。
【0118】
本発明は、標的DNA配列を認識する本発明の少なくとも1つの反復ドメインを含むポリペプチドの構築により、該標的DNA配列を指向修飾するための方法も提供し、該ポリペプチドは、標的DNAを修飾することが可能な機能ドメインも含み(部位特異的組換え、ドナー標的配列の制限または組み込み等を介して)、それにより複雑なゲノムにおける標的DNA修飾を可能にする。
【0119】
本発明は、反復単位を含む少なくとも1つの反復ドメインを含む修飾されたポリペプチドの生成をさらに提供し、反復単位の各々内の超可変領域は、標的DNA配列内の塩基対の選択的認識を決定する。本発明のさらなる実施形態では、上述の反復ドメインを含むポリペプチドをコードするDNAが提供される。
【0120】
本発明の別の実施形態では、標的DNA配列に位置する1つ以上の塩基対を含むように修飾され、その結果、該塩基対の各々は、対応する反復単位を有する反復ドメインを含むポリペプチドによって特異的に認識され得、各反復単位は、該DNA内の対応する塩基対の認識を決定する超可変領域を含む、DNAが提供される。
【0121】
本発明のまた別の実施形態では、これらのポリペプチドおよびDNAの使用が提供される。加えて、本発明の単離された核酸分子、および本発明のコード配列によってコードされるタンパク質またはポリペプチドで形質転換された植物、植物部分、タネ、植物細胞、および他の非ヒト宿主細胞が提供される。またさらに、本明細書に記載されるポリペプチドおよびDNAは、動物およびヒト細胞ならびに真菌または植物のような他の生物内に導入され得る。要約すると、本発明は、ポリペプチドによって標的DNA配列内の塩基対を選択的に認識するための方法に注目し、該ポリペプチドは、反復単位を含む少なくとも1つの反復ドメインを含み、各反復単位は、該標的DNA配列内の塩基対の認識を決定する超可変領域を含み、連続する反復単位は、該標的DNA配列内の連続する塩基対に対応する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示されるタンパク質もしくは核酸配列のうちのいずれか1つ、またはその組み合わせを含むヒト細胞に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される1つ以上の核酸もしくはポリペプチドの導入によって生じた変異、異種遺伝子、バリアント、または他の遺伝的修飾を含むヒト細胞等の細胞に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される1つ以上の核酸もしくはポリペプチドの導入によって生じた変異、異種遺伝子、バリアント、または他の遺伝的修飾を含む非ヒト動物細胞等の細胞に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される1つ以上の核酸もしくはポリペプチドの導入によって生じた変異、異種遺伝子、バリアント、または他の遺伝的修飾を含む昆虫細胞等の細胞に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される1つ以上の核酸もしくはポリペプチドの導入によって生じた変異、異種遺伝子、バリアント、または他の遺伝的修飾を含む植物細胞等の細胞に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される1つ以上の核酸もしくはポリペプチドの導入によって生じた変異、異種遺伝子、バリアント、または他の遺伝的修飾を含む魚類細胞等の細胞に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される1つ以上の核酸もしくはポリペプチドの導入によって生じた変異、異種遺伝子、バリアント、または他の遺伝的修飾を含む哺乳類細胞等の細胞に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される1つ以上の核酸もしくはポリペプチドの導入によって生じた変異、異種遺伝子、バリアント、または他の遺伝的修飾を含む真核生物細胞等の細胞に関する。
【0122】
別の態様では、細胞における標的遺伝子の発現を調節する方法が提供される。細胞は、好ましくは、植物細胞、ヒト細胞、動物細胞、真菌細胞、または任意の他の生存細胞であってよい。細胞は、ポリペプチドを含み、該ポリペプチドは、反復単位を含む少なくとも1つの反復ドメインを含み、これらの反復単位は超可変領域を含み、各反復単位は、該標的DNA配列内の1つの塩基対の認識に関与する。該ポリペプチドは、ポリペプチドをコードするDNAとして導入されるか、またはポリペプチドは、当該技術分野において既知の方法により、それ自体が細胞に導入されるかのいずれかである。どのように導入されるかにかかわらず、ポリペプチドは、塩基対の標的DNA配列を特異的に認識し、好ましくはそれに結合し、標的遺伝子の発現を調節する少なくとも1つの反復ドメインを含むべきである。好ましい実施形態では、全ての反復単位は、標的DNA配列内の塩基対の認識を決定する超可変領域を含む。
【0123】
エフェクターの細胞内への取り込みを容易にするための本発明のポリペプチド(polpeptide)またはRTNに連結され得るペプチド配列の例としては、HIVのtatタンパク質の11のアミノ酸ペプチド、p16タンパク質のアミノ酸84 103に対応する20の残留ペプチド配列(Fahraeus et al.(1996)Current Biology 6:84);the third helix of the 60−amino acid long homeodomain of Antennapedia(Derossi et al.(1994)J.Biol.Chem.269:10444を参照)、カポジ線維芽細胞増殖因子(K−FGF)h領域等のシグナルペプチドのh領域、またはHSVからのVP22転座ドメイン(Elliot&O’Hare(1997)Cell 88:223 233)が挙げられるが、これらに限定されない。強化された細胞取り込みを提供する他の好適な化学部分は、エフェクターに化学的にも連結され得る。本明細書に記載されるように、エフェクターは、選択の任意の内因性遺伝子の発現を調節するために、任意の好適な標的部位を認識するように設計され得る。調節に好適な内因性遺伝子の例としては、VEGF、CCR5、ERα、Her2/Neu、Tat、Rev、HBV C、S、X、およびP、LDL−R、PEPCK、CYP7、フィブリノーゲン、ApoB、Apo E、Apo(a)、レニン、NF−κB、I−κB、TNF−α、FASリガンド、アミロイド前駆体タンパク質、心房性ナトリウム利尿因子(atrial naturetic factor)、ob−レプチン、ucp−1、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−12、G−CSF、GM−CSF、Epo、PDGF、PAF、p53、Rb、胎児性ヘモグロビン、ジストロフィン、ユートロフィン(eutrophin)、GDNF、NGF、IGF−1、VEGF受容体fltおよびflk、トポイソメラーゼ、テロメラーゼ、bcl−2、サイクリン、アンジオスタチン、IGF、ICAM−1、STATS、c−myc、c−myb、TH、PTI−1、ポリガラクツロナーゼ、EPSPシンターゼ、FAD2−1、δ−12デサチュラーゼ、δ−9デサチュラーゼ、δ−15デサチュラーゼ、アセチル−CoAカルボキシラーゼ、アシル−ACP−チオエステラーゼ、ADP−グルコースピロホスホリラーゼ、デンプンシンターゼ、セルロースシンターゼ、スクロースシンターゼ、老化関連遺伝子、重金属キレート化剤、脂肪酸ヒドロペルオキシドリアーゼ、ウイルス性遺伝子、原生動物遺伝子、真菌遺伝子、および細菌遺伝子が挙げられる。一般に、調節される好適な遺伝子は、サイトカイン、リンホカイン、成長因子、分裂促進因子、走化因子、存在活性因子、受容体、カリウムチャネル、G−タンパク質、シグナル伝達分子、疾患耐性因子、および他の疾患関連遺伝子を含む。
【0124】
毒素分子は、細胞膜にわたってポリペプチドを輸送する能力も有する。しばしば、そのような分子は、少なくとも2つの部分(「2成分毒素」と呼ばれる)から構成される:転座もしくは結合ドメインまたはポリペプチド、および別個の毒素ドメインもしくはポリペプチド。典型的には、転座ドメインまたはポリペプチドは、細胞受容体に結合し、その後、毒素は細胞内に輸送される。クロストリジウム−パーフリンジェンスイオタ毒素、ジフテリア毒素(DT)、シュードモナス外毒素A(PE)、百日咳毒素(PT)、炭疽菌毒素、および百日咳アデニル酸シクラーゼ(CYA)を含むいくつかの細菌毒素は、ペプチドを、内部またはアミノ末端融合として細胞の細胞基質に送達する試みにおいて使用されてきた(Arora et al.(1993)J.Biol.Chem.268:3334 3341、Perelle et al.(1993)Infect.Immun.61:5147 5156(1993)、Stenmark et al.(1991)J.Cell Biol.113:1025 1032(1991)、Donnelly et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:3530 3534、Carbonetti et al.(1995)Abstr.Annu.Meet.Am.Soc.Microbiol.95:295、Sebo et al.(1995)Infect.Immun.63:3851 3857、Klimpel et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10277 10281、およびNovak et al.(1992)J.Biol.Chem.267:17186 17193)。
【0125】
エフェクターは、免疫リポソーム等のリポソームおよびリポソーム誘導体を介して、動物細胞、好ましくは哺乳類細胞内にも導入され得る。用語「リポソーム」は、水相を封入する1つ以上の同心状に規則正しく並べられた脂質2重層から構成される小胞を指す。水相は、典型的には、細胞に送達される化合物を含み、この場合は、エフェクターである。リポソームは、原形質膜と融合し、それによりエフェクターを細胞基質内に放出する。あるいは、リポソームは、貪食されるか、または輸送小胞の細胞によって取り込まれる。一旦エンドソームまたはファゴソームに入ると、リポソームは、分解するか、または輸送小胞の膜と融合し、その内容物を放出するかのいずれかである。
【0126】
本発明は、特に、植物および農業技術の分野に関する。一態様では、本発明は、植物細胞における標的遺伝子の発現を調節するための方法を目的とし、この方法は、本発明により修飾されたポリペプチドを有する植物細胞を提供することを含み、該ポリペプチドは、標的遺伝子内の標的ヌクレオチド配列またはその相補鎖を特異的に認識することが可能であり、該ポリペプチドが該標的ヌクレオチド配列を認識し、特異的にそれに結合することを可能にし、それにより該植物細胞内の該標的遺伝子の発現が調節される。
【0127】
ポリペプチドは、当該技術分野において既知の任意の好適な方法を介して植物細胞に提供され得る。例えば、タンパク質は植物細胞に外因的に付加することができ、植物細胞は、ポリペプチドが植物細胞内に導入され、標的ヌクレオチド配列に結合し、植物細胞における標的遺伝子の発現を調節するような条件下で維持される。あるいは、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、例えば、DNAまたはRNAは、植物細胞において発現され得、植物細胞は、発現されたポリペプチドが標的ヌクレオチド配列に結合し、植物細胞における標的遺伝子の発現を調節するような条件下で維持される。
【0128】
植物細胞における標的遺伝子の発現を調節するための好ましい方法は、以下の工程を含む:a)本発明により修飾されたポリペプチドの発現系を有する植物細胞を提供することであって、該ポリペプチドは、標的遺伝子、好ましくはプロモーターの発現制御要素内の標的ヌクレオチド配列またはその相補鎖を特異的に認識し、好ましくはそれに結合することができる工程、およびb)条件下で該植物細胞を培養することであって、該ポリペプチドが生成され、該標的ヌクレオチド配列に結合し、それにより該植物細胞内の該標的遺伝子の発現が調節される工程。
【0129】
任意の標的ヌクレオチド配列は、本発明の方法によって調節され得る。例えば、標的ヌクレオチド配列は、標的遺伝子に対して内因性または外因性であってよい。本発明の実施形態では、標的ヌクレオチド配列は、生存細胞に存在するかまたはインビトロで存在し得る。特定の実施形態では、標的ヌクレオチド配列は、植物に対して内因性である。標的ヌクレオチド配列は、標的遺伝子に関して、任意の好適な場所に位置し得る。例えば、標的ヌクレオチド配列は、標的遺伝子のコード領域の上流または下流であってよい。あるいは、標的ヌクレオチド配列は、標的遺伝子のコード領域内である。好ましくは、標的ヌクレオチド配列は、遺伝子のプロモーターである。
【0130】
任意の標的遺伝子は、本発明の方法によって調節され得る。例えば、標的遺伝子は、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、核酸、ビタミン、オリゴ糖、炭水化物、脂質、または小分子の生合成、修飾、細胞輸送、代謝、および分解に影響を及ぼす生成物をコードすることができる。さらに、エフェクターは、病気耐性の増加、構造および貯蔵多糖類の修飾、風味、タンパク質、および脂肪酸、果実成熟、収率、色、栄養上の特性、保存能力の改善等の特質のために植物を操作するために使用され得る。
【0131】
したがって、本発明は、標的細胞内の目的とする遺伝子の発現を変更する方法を提供し、目的とする遺伝子の構造領域および/もしくは調節領域のDNA配列の少なくとも一部分を決定する(必要である場合)ことと、既知の配列のDNA上の特定の塩基対を認識するために、本発明により修飾された反復単位を含むポリペプチドを設計することと、該修飾されたポリペプチドを標的細胞に存在させる(好ましくはその核に)こととを含む。(DNA配列が既に既知である場合、決定される必要はないことは明らかである。)
【0132】
本発明は、(1)前述のベクターのうちのいずれか、または(2)前述のタンパク質もしくはポリペプチドのうちのいずれかを含むキットも提供する。本発明は、(1)前述のベクターのうちのいずれか、または(2)前述のタンパク質もしくはポリペプチドのうちのいずれか、および(3)本明細書に開示される前述の細胞(修飾された、または未修飾のいずれか)のうちのいずれかを含むキットも提供する。
【0133】
別の実施形態では、本発明は、遺伝的に修飾された生物を生成するために使用され得る、幹細胞において部位特異的変異を生成するために使用されるキットに関する。キットは、典型的には、RTN等の1つ以上の部位特異的遺伝操作技術を含む。キットは、部位特異的修飾のための1組以上の幹細胞または胚細胞も含み得る。幹細胞は、精原幹細胞(SSC)、ならびにSSCの成長に必要な培地および条件を含むがこれらに限定されない。キットは、これらに限定されないが、レポーター遺伝子または選択可能マーカー等の部位特異的ゲノム導入用の外因性配列を含み得る。キットは、(i)RTNを幹細胞内に導入する、(ii)部位特異的に修飾された幹細胞を特定する、(iii)部位特異的に修飾された幹細胞を、必要な培地中または条件下で、および幹細胞が遺伝的に修飾された生物を生成するために必要とされる数に成長させる、(iv)遺伝的に修飾された生物を生成するために、成長した幹細胞を使用する、(v)どの生物または子孫が目的とする部位特異的変異を保有するかを特定するための説明書を含み得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、本発明は、特注であってよい異なるまたは個別の遺伝的に修飾されたSSCの混合集団を含むキットを提供する。遺伝的に修飾されたSSCの混合集団は、単一工程で複数の遺伝的に修飾された生物を生成するために、無精子の雄レシピエント内に直接注入するために好適な量で提供され得る。別個または個別の遺伝的に修飾されたSSCの混合集団は、少なくとも2つの遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも2つの遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも3つの遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも4つの遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも5つの遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも6つの遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも7つの遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも8つの遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも9つの遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも10の遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも20の遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも30の遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも40の遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも50の遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも100の遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも1000の遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも1万の遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも3万の遺伝的に修飾されたSSCからなり、または生物ゲノムの各遺伝子内に遺伝的修飾を保有する遺伝的に修飾されたSSCと一致してよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法のいずれかによって特注され得る異なるもしくは個別の遺伝的に修飾された幹細胞または胚細胞の混合集団を含むキットを提供する。遺伝的に修飾された修飾された幹細胞または胚細胞の混合集団は、単一工程で複数の遺伝的に修飾された生物を生成するために、無精子の雄レシピエント内に直接注入するために好適な量で提供され得る。別個もしくは個別の遺伝的に修飾された幹細胞または胚細胞の混合集団は、少なくとも2つの遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも2つの遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも3つの遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも4つの遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも5つの遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも6つの遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも7つの遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも8つの遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも9つの遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも10の遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも20の遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも30の遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも40の遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも50の遺伝的に修飾されたSSC、少なくとも100の遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも1000の遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも1万の遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞、少なくとも3万の遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞からなり、または生物ゲノムの各遺伝子内に遺伝的修飾を保有する遺伝的に修飾された幹細胞もしくは胚細胞と一致してよい。
【0136】
いくつかの実施形態では、本発明は、部位特異的修飾のための1組以上の幹細胞もしくは胚細胞またはSSCを含むキットを提供する。複数組のSSCは、異なる病気状態を有する十分に特徴付けされた生物に由来し得る。SSCは、遺伝的修飾もしくは天然に由来し得る、または任意の方法による複数の変異を含み得る。キットは、病気状態のSSCを成長させる培地および条件、ならびに遺伝的に修飾された生物を生成するための無精子の雄レシピエントを含み得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、本発明は、生物または組織試料からSSC系を得るために必要なツール、ならびに得たSSCを遺伝的に修飾し、得たSSCから遺伝的に修飾された生物を生成するために必要なツールを含むキットを提供する。キットは、採取用の精母細胞等の細胞収集ツール、およびラミニン選択等のSSC選択ツール、およびSSC繁殖および冷凍保存ツール、ならびに細胞表面マーカー染色を含み得るSSC検証ツールを含み得る。キットは、SSCを成長させるための培地および条件、SSCを遺伝的に修飾するためのツール、ならびにSSCから遺伝的に修飾された生物を生成するための無精子の雄レシピエントも含み得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、本発明は、誘発された多能性幹(iPS)細胞から生成されたSSCを含むキットを提供する。iPS細胞は、病気状態を含む十分に特徴付けされた異なる遺伝的背景ならびに局所、株、民族遺伝的背景に由来し得る。キットは、iPSを成長させるための培地および条件、iPSを遺伝的に修飾するためのツール、ならびにiPSから遺伝的に修飾された生物を生成するための無精子の雄レシピエントも含み得る。
【0139】
トランスジェニック動物または修飾された細胞の形質転換および生成のためのさらなる方法は、PCT出願第PCT/US2012/038465号に見出され、その内容は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0140】
本発明の一態様は、融合タンパク質を標的細胞に送達するための方法に関し、融合タンパク質はエフェクタータンパク質を含む。本発明の融合タンパク質の作製は、1つ以上のポリペプチド成分を培地から単離し、引き続き、1つのポリペプチド成分の遊離アミノ末端を第2のポリペプチド成分のカルボキシ末端に結合することを伴う。他の実施形態では、融合タンパク質は、簡単なポリペプチド合成により作製される、および/または核酸配列の発現ベクター内へのクローニングを通して発現される。本発明の発現構築物を発現する細胞に基づく組換え系からタンパク質を精製する場合、当業者は、そのような発現構築物がタンパク質生成のために細菌宿主細胞内に形質転換される場合に採用される任意の特定のIII型分泌系に関して容易に決定することができる適合性分泌シグナルを特定することができる。III型分泌系によって通常分泌されるタンパク質を特定することにより、分泌系によって通常分泌される完全長タンパク質の様々な断片を欠落する欠失変異体を調製することが可能である。発現された様々な欠失断片のエピトープ(すなわち、N末端エピトープ、C末端エピトープ等)に対して産生された標識された抗体を使用することにより、分泌された欠失変異体および分泌されないものを特定することが可能である。よって、完全長タンパク質の分泌に必要なタンパク質ドメインは、容易に特定することができる。タンパク質ドメインが特定され、配列決定されたら、それらは、本発明の融合タンパク質の分泌シグナルとして利用することができる。
【0141】
典型的には、分泌シグナルは、特定のIII型分泌系によって通常分泌されるタンパク質のN末端ドメイン、例えば、エルウィニア・アミロボーラ(Erwinia amylovora)のDspEタンパク質のN末端ドメインからの201アミノ酸配列である(例えば、1999年7月9日に出願された米国特許出願第09/350,852号を参照、参照により本明細書に組み込まれる)。エルウィニア・アミロボーラDspEの201アミノ酸分泌シグナルは、エルウィニア・アミロボーラのhaφin分泌系に適合する。様々なIII型分泌系に適合する他の分泌シグナルが当該技術分野において記載されており、他が絶えず特定されている。
【0142】
精製されたエフェクタータンパク質は、いくつかの方法によって得ることができる。タンパク質またはポリペプチドは、好ましくは、従来の技法により、精製された形態(少なくとも約80%、90%の純度)で生成される。組換え宿主細胞はIII型分泌系を発現するため、タンパク質またはポリペプチドは、組換え宿主細胞の成長培地内に分泌される。そのような場合、タンパク質を単離するために、組換え宿主細胞を増殖させ、分泌されたタンパク質またはポリペプチドを含む上清から細胞成分を分離するために成長培地を遠心分離し、上清を除去する。次いで、上清は、連続硫酸アンモニウム沈殿を受ける。ポリペプチドまたはタンパク質を含む画分は、タンパク質を分離するために、適切に寸法決定されたデキストランまたはポリアクリルアミドカラムにおいてゲル濾過を受ける。必要であれば、タンパク質の画分はHPLCによりさらに精製され得る。
【0143】
タンパク質形質導入ドメインを坦持するエフェクタータンパク質は、組換え大腸菌細胞から多量の精製されたタンパク質を調製するために現在の最先端技術を使用することにより、III型分泌系とは関係なく調製することもできる。そのような技術は、大腸菌可溶化物から組換えタンパク質の一工程親和性精製のために、His6等の強い誘発性プロモーターおよびペプチドタグを採用する。
【0144】
一実施形態では、標的細胞は、真核生物細胞である。真核生物細胞は、HeLa細胞等の組織培養、または腹腔内注射を介してマウスに送達されるもの等の動物全体におけるものを含む(Schwarze et al.,“Protein Transduction:Unrestricted Delivery into all Cells?”Trends Cell Biol.10:290−295(2000)、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0145】
本発明の一態様では、本発明のDNA結合または認識要素は、選択のDNA標的配列に結合するアミノ酸の鎖を作製するためにモジュラー様式で一緒に融合され得る。本発明の別の態様では、1つ以上のDNA結合認識要素は、1つ以上のエフェクタータンパク質に結合され得る。エフェクタータンパク質は、細菌植物病原体、動物病原体、または根圏細菌(腸管病原性の大腸菌、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、シゲラ菌(Shigella spp.)、エルシニア菌(Yersinia spp.)、シュードモナス・シリンゲ(Pseudomonas syringae)、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)、ラルストニア・ソラナセラム(Ralstonia solanacearum)、エルウィニア・アミロボーラ、シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)、およびシュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)を含むが、これらに限定されない)により生成され得る。好適なエフェクタータンパク質は、過敏性応答誘導因子、弱毒性タンパク質、過敏性応答および病原性依存外膜タンパク質、毒性タンパク質、および病原性タンパク質を含む。エフェクタータンパク質の例としては、HopPsyA AAF71481(P.シリンゲ)、HopPtoA AF232006(P.シリンゲ)、Tir BAA96815(大腸菌)、ExoS AAG07228(P.エルギノーサ)、ExoT AAG03434(P.エルギノーサ)、ExoY AAG05579(P.エルギノーサ)、SopE AAC02071(S.ティフィムリウム)、SopB AAF21057(SigA)(S.ティフィムリウム)、SipA CAA63302(S.ティフィムリウム)、SptP AAC44349(S.ティフィムリウム)、IpaB A34965(シゲラ菌)、IpaA AAA26525(シゲラ菌)、IpaD SI 5579(シゲラ菌)、YopE SI 4242(エルシニア菌)、YopH AAC69768(エルシニア菌)、YpkA AAC69765(エルシニア菌)、YopJ AAC69766(YopP)(エルシニア菌)、AvrPto AAA25728(P.シリンゲ)、AvrBs2 AAD 1 1434(X.カンペストリス)、およびAvrBs3 CAA34257(X.カンペストリス)が挙げられる(例えば、Galan et al.,“Type III Secretion Machines:Bacterial Devices for Protein Delivery into Host Cells,”Science 284:1322−1328(1999)を参照、参照により本明細書に組み込まれる)。一実施形態では、エフェクタータンパク質は、標的細胞に異種である(すなわち、通常存在しない)。
【0146】
本発明の目的に従い、本明細書に具体化され、広範に記載されるように、本発明は、多能性細胞、全能性細胞、体性幹細胞、精原幹細胞(SSC)、胚幹(ES)細胞、誘発性多能性幹(iPS)細胞、胚芽、生殖細胞、原始性生殖細胞(PGC)、植物管細胞、花粉細胞、および胞子を含むが、これらに限定されない幹細胞および生殖体のRTNを使用した部位特異的遺伝操作のための方法に関する。幹細胞の部位特異的操作の方法は、部位特異的DNA結合およびRTN等の切断タンパク質の使用を含むが、これらに限定されない。
【0147】
幹細胞の部位特異的操作は、遺伝子(複数可)または遺伝子生成物(複数可)の機能の変更、および遺伝的に修飾された生物をもたらし、細胞または組織培養モデルは、これらの操作された幹細胞から生成される。修飾された幹細胞および生物は、ノックアウトおよびノックイン細胞および生物を含む。
【0148】
別の態様では、本発明は、ラット、マウス、ブタ、ウサギ、モルモット、イヌ、非ヒト霊長類、ミニブタを含む哺乳類、ならびにトウモロコシ、大豆、米、ジャガイモ、小麦、タバコ、トマト、およびアラビドプシス、を含むが、これらに限定されない植物、ならびにそのような生物の子孫および祖先を含むがこれらに限定されない、RTNを使用して、部位特異的操作によって作製された遺伝的に修飾された生物に関する。
【0149】
別の実施形態では、本発明は、遺伝的に修飾された生物を生成するために使用され得る、幹細胞において部位特異的変異を生成するために使用されるキットを提供する。キットは、典型的には、RTN等の1つ以上の部位特異的遺伝操作技術を含む。キットは、部位特異的修飾のための1組以上の幹細胞も含み得る。本発明のいくつかの実施形態では、幹細胞は、これらに限定されないが、精原幹細胞(SSC)、ならびにSSCの成長のために必要な培地および条件を含み得る。いくつかの実施形態では、キットは、これらに限定されないが、レポーター遺伝子または選択可能マーカー等の部位特異的ゲノム導入用の外因性配列を含む。いくつかの実施形態では、キットは、(i)RTN(またはRTNをコードする核酸配列)を幹細胞に導入する、(ii)XTNによって部位特異的に修飾された幹細胞を特定する、(iii)部位特異的に修飾された幹細胞を、必要な培地中もしくは条件下で、および幹細胞が遺伝的に修飾された生物を生成する、または動物における生殖系列伝達をもたらすために必要とされる数に成長させる、(iv)遺伝的に修飾された生物を生成するために、成長した幹細胞を使用する、もしくは移植する、および/または(v)どの生物または子孫が目的とする部位特異的変異を含むかを特定するための説明書を含む。本発明のいくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の幹細胞、または1つ以上の胚芽を含み、1つ以上の幹細胞、または1つ以上の胚芽は、以下の変異のうちの1つ以上を含む:(i)欠失変異、(ii)ノックアウト変異、および/または(iii)異種核酸配列の付加。(i)、(ii)、および/または(iii)のうちの1つ以上の変異は、RTNによって生じた部位特異的変異である。
【0150】
本発明のいくつかの実施形態では、異種核酸配列は、選択可能マーカーまたはオルソロガス遺伝子から選択される。本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の幹細胞は、精原幹細胞(SSC)、胚性幹細胞、または誘発された多能性幹細胞から選択される。
【0151】
本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の幹細胞は、動物または植物の生殖系列の系統に由来する。本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の幹細胞または1つ以上の胚芽は、トランスポゾンまたはそのバリアントの少なくとも1つの逆方向タンデム反復をさらに含む。
【0152】
本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の幹細胞は、体性幹細胞である。本発明のいくつかの実施形態では、生物は1つ以上の幹細胞を含み、1つ以上の幹細胞は、以下の変異のうちの1つ以上を含む:(i)欠失変異、(ii)ノックアウト変異、および/または(iii)異種核酸配列の付加。(i)、(ii)、および/または(iii)のうちの1つ以上の変異は、RTNによって生じた部位特異的変異である。本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の幹細胞は、SSCを含む。
【0153】
本発明において、エフェクタータンパク質は、融合タンパク質を生成するために、本明細書に開示される少なくとも1つのDNA認識要素、またはその誘導体もしくは機能類似体と融合する。
【0154】
本発明の一態様は、エフェクタータンパク質を標的細胞内に送達するための方法に関する。この方法は、標的細胞内に、該標的DNAまたはその誘導体もしくは機能類似体を認識する本発明の少なくとも1つの反復ドメインまたはDNA認識要素を含むポリペプチドに融合するエフェクタータンパク質を導入することを伴う。本発明の別の態様は、エフェクタータンパク質をコードする第1のDNA分子と、第1のDNA分子と動作可能に関連し、該標的DNAまたはその誘導体もしくは機能類似体を認識する本発明の少なくとも1つの反復ドメインを含むポリペプチドをコードする第2のDNA分子とを含むDNA構築物に関する。
【0155】
本発明の方法は、エフェクタータンパク質の細胞、特に哺乳類細胞への効率的な送達を可能にする。この方法は、医薬品、殺虫剤、殺真菌剤、除草剤、および他の用途における使用のためのエフェクタータンパク質の送達も可能にする。特に、本発明は、タンパク質療法の形態でエフェクタータンパク質の患者への送達を可能にする。生物学的に活性な完全長タンパク質を用いた療法は、それらの標的にそれらのタンパク質の組込み型進化的特異性へのアクセスを可能にし、それにより小分子療法において時折見られる非特異的作用を潜在的に回避する。さらに、組織特異的ウイルスベクターと併用される場合、本発明の使用は、エフェクタータンパク質の特定の細胞への標的送達を可能にし、最初の標的後にエフェクタータンパク質の二次的な再分布利益を追加する。このアプローチの前例は、VP22タンパク質形質導入ドメインがp53腫瘍抑制因子タンパク質に融合される実験において見出すことができる(Phelan et al.,“Intercellular Delivery of Functional p53 by the Herpesvirus Protein VP22,”Nat.Biotechnol.16:440−443(1998)、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0156】
いくつかの実施形態では、本発明は、挿入された核酸配列を有する1つ以上の核酸配列を含む組成物に関する。いくつかの実施形態では、挿入された核酸は、細胞内の条件下で発現することが可能であるコード配列、例えば、ゲノムが本明細書に記載されるポリペプチドのうちのいずれかに結合し、後のその作用によって修飾される標的細胞の細胞内環境において発現するために必要とされる任意の必須発現調節要素と組み合わせたコード配列である、少なくとも1つの転写活性遺伝子を含む。核酸の転写活性遺伝子は、ヌクレオチドのドメイン、すなわち、必須転写媒介または調節要素(複数可)と動作可能に連結されるヌクレオチドのコード配列を含む発現モジュールを含み得る。発現モジュールに存在し得る必須転写媒介要素は、プロモーター、エンハンサー、停止およびポリアデニル化シグナル要素、スプライシングシグナル要素等を含むが、これらに限定されない。本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の幹細胞は、トランスポゾンまたはそのバリアントの少なくとも1つの逆方向末端反復をさらに含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、発現モジュールは、広範な宿主範囲において遺伝子の発現を提供する転写調節要素を含む。様々なそのような組み合わせが既知であり、特定の転写調節要素は、SV40要素、ラウス肉腫ウイルスのLTRに由来する転写調節要素、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)のLTRに由来する転写調節要素、hsp70プロモーター等を含むが、これらに限定されない。
【0158】
いくつかの実施形態では、挿入された核酸に存在する少なくとも1つの転写活性遺伝子または発現モジュールは、選択可能マーカーとして機能する。様々な異なる遺伝子が選択可能マーカーとして採用されており、選択可能マーカーとして本明細書に記載されるベクターにおいて採用される特定の遺伝子は、主に便宜上選択される。既知の選択可能マーカー遺伝子は、チミジンキナーゼ遺伝子、ジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、キサンチン−グアニンホスポリボシル(phosporibosyl)トランスフェラーゼ遺伝子、CAD、アデノシンデアミナーゼ遺伝子、アスパラギンシンセターゼ遺伝子、多くの抗生物質耐性遺伝子(テトラサイクリン、アンピシリン、カナマイシン、ネオマイシン等)、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ遺伝子、および発現が、直接的または間接的のいずれかで、例えばβ−ガラクトシターゼ、GFP等の検出可能生成物の存在を提供する遺伝子を含むが、これらに限定されない。
【0159】
いくつかの実施形態では、本発明の核酸は、最低1つの転写活性遺伝子を含み、核酸の一部分は、少なくとも1つの制限エンドヌクレアーゼ認識部位、例えば、外因性核酸の挿入のための部位として機能する制限部位も含む。様々な制限部位が当該技術分野において既知であり、HindIII、PstI、SalI、AccI、HincII、XbaI、BamHI、SmaI、XmaI、KpnI、SacI、EcoRI等を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ベクターは、ポリリンカー、すなわち、本明細書に開示されるもの等の複数の異なる制限酵素によって認識される、近接して整列される一連の、または数々の部位を含む。他の実施形態では、挿入された外因性核酸は、それぞれ、Cre、Flp、およびPhiC31リコンビナーゼによって認識されるLoxP、FRT、またはAttB/AttP部位等のリコンビナーゼ認識部位を含み得る。
【0160】
別の態様では、本発明は、選択されたヌクレオチド配列の結合に特異的なポリペプチドをコードする核酸を生成するための方法に関し、(1)スタータープラスミドをPspXlまたはヌクレアーゼで直線化することであって、スタータープラスミドが、選択されたヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドに特異的なRVDを含む第1のモノマーをコードするヌクレオチド配列を含み、第1のモノマーが、3’端に固有のPspXlまたはヌクレアーゼ部位を有することと、(2)スタータープラスミドPspXl部位内に、選択されたヌクレオチド配列の次のヌクレオチド(複数可)に特異的なRVDを含む1つ以上のモノマーをコードするDNAモジュールを結合することであって、DNAモジュールが、Xhol粘着末端を有することと、(3)核酸が選択されたヌクレオチド配列に結合することが可能なポリペプチドをコードするまで工程(1)および(2)を繰り返すこととを含む。本方法は、結合後、PspXl部位またはヌクレアーゼ部位のDNAモジュールの配向を決定することをさらに含み得る。本方法は、1〜30回、工程(1)および(2)を繰り返すことを含み得る。
【0161】
DNA結合ドメインの供給源が本発明のポリペプチドをコードする核酸である場合、ポリペプチドまたはタンパク質をコードする核酸は、一般に、追加要素が必要に応じてトランスポサーゼの発現を提供する、上述の発現モジュールの一部である。
【0162】
いくつかの実施形態では、多細胞性生物は、本明細書に開示される組成物によって変異誘発(mytogenized)された細胞を使用して作製され得る。いくつかの実施形態では、多細胞性または単細胞性生物は、植物または動物である。いくつかの実施形態では、多細胞性または単細胞性生物は、脊椎動物である。いくつかの実施形態では、脊椎動物は、例えば、ゲッ齒類(マウスまたはラット)、家畜(ブタ、ウマ、ウシ等)、ペット(イヌまたはネコ)、および例えばヒト等の霊長類等の哺乳類である。
【0163】
本明細書に記載される方法は、外因性核酸を標的細胞のゲノム内に導入し、安定して組み込むことが望ましい様々な用途において使用され得る。外因性核酸を標的細胞内に組み込むインビボ方法は既知である。核酸結合系の多細胞性または単細胞性生物への投与経路は、投与形式の共通の特徴が核酸結合系成分の標的細胞(複数可)へのインビボ送達を提供することである、系成分を保持するベクターの性質、送達ビヒクルの性質、多細胞性または単細胞性生物の性質等を含むいくつかのパラメータに依存する。ある特定の実施形態では、プラスミド等の直鎖状または環状化DNAが、核酸結合系を標的細胞に送達するためのベクターとして採用される。そのような実施形態では、プラスミドは、生理食塩水溶液等の水性送達ビヒクルにおいて投与され得る。あるいは、多細胞性または単細胞性生物におけるベクターの分布を調節する薬剤が採用され得る。例えば、対象の系成分を含むベクターがプラスミドベクターである場合、リポソーム等の脂質系ビヒクルが採用され、脂質系ビヒクルは、ベクターの細胞または組織特異的送達のための特定の細胞型を標的とし得る。交互に、ポリリシン系ペプチドが、担体等として採用され得、これは、標的部分により修飾されても、修飾されなくてもよい(Brooks et al.,J.Neurosci.Methods,1998,80,137−47、およびMuramatsu et al.,Int.J.Mol.Med.,1998,1,55−62)。系成分は、アデノウイルス由来ベクター、シンドビスウイルス由来ベクター、レトロウイルス由来ベクター、ハイブリッドベクター等のウイルスベクター上に組み込むこともできる。上記のベクターおよび送達ビヒクルは、単に例示である。核酸結合系の多細胞性または単細胞性生物および標的細胞へのインビボ投与を提供する限り、任意のベクター/送達ビヒクルの組み合わせを採用することができる。
【0164】
核酸結合要素を含むベクター核酸の量、および多くの実施形態において、細胞内に導入されるポリペプチドをコードするベクター核酸の量は、核酸結合核酸の標的細胞ゲノム内への所望の切除および挿入を提供するのに十分である。そのため、導入されるベクター核酸の量は、十分な量のDNA結合活性、および標的細胞内に挿入されることが望ましい十分なコピー数の核酸を提供するはずである。標的細胞内に導入されるベクター核酸の量は、採用される特定のインビボ投与プロトコル等の、採用される特定の導入プロトコルの効率により変動する。
【0165】
多細胞性または単細胞性生物に投与される系の各成分の特定の投与量は、核酸結合核酸の性質、例えば、発現モジュールおよび遺伝子の性質、成分要素が存在するベクターの性質、送達ビヒクルの性質等により変動する。投与量は、当業者により経験的に容易に決定され得る。例えば、マウスにおいて、核酸結合系成分が生理食塩水溶液ビヒクルにおいて哺乳類に静脈内投与される別個のプラスミド上に存在する場合、投与される核酸結合プラスミドの量は、多くの実施形態では、典型的には、約0.5〜40μgの範囲であり、典型的には、約25μgであり、一方、投与されるプラスミドをコードする核酸結合系の量は、典型的には、約0.5〜25μgの範囲であり、通常約1μgである。
【0166】
対象の方法は、様々な大きさの核酸に結合し、作用するように使用され得る。一般に、対象の方法を使用して標的細胞ゲノム内に挿入されるDNAの大きさは、約0.5kb〜100.0kb、通常約1.0kb〜約60.0kb、または約1.0kb〜約10.0kbの範囲である。
【0167】
本発明は、例えば、ラット、マウス、もしくは他の脊椎動物の生殖系列変異誘発、ラット、マウス、もしくは他の脊椎動物の体性変異誘発、ラット、マウス、もしくは他の脊椎動物の遺伝子組換え、およびヒト遺伝子療法の使用において使用され得る。これらの各々において、組成物は、DNA、RNA、またはタンパク質として送達され得る。
【0168】
宿主細胞のDNA内に挿入されたDNAを含むもの等の、形質転換された細胞および/またはトランスジェニック生物は、選択可能マーカーが導入されたDNA配列の一部として含まれる場合、形質転換されない細胞および/または形質転換された生物から選択され得る。選択可能マーカーは、例えば、抗生物質耐性を提供する遺伝子、変更された目に見える表現型を生成するために、例えば緑色蛍光タンパク質等の宿主の生理機能を修飾する遺伝子を含む。これらの遺伝子を含む細胞および/または生物は、形質転換されない細胞/生物を死滅させる抗生物質、殺虫剤、または除草剤濃縮物の存在下で生存するか、または変更された目に見える表現型を生成することが可能である。この分野に詳しい者に既知の標準的な技法、例えば、サザンブロットおよびポリメラーゼ連鎖反応等の技法を使用して、DNAは、導入されたDNAが挿入されたかを確認するためにトランスジェニック細胞および/または生物から単離され得る。
【0169】
本明細書に開示される発明がより効率的に理解され得るために、以下に例が提供される。これらの例は単に例示目的のためであり、本発明を決して制限すると解釈されるものではないことを理解するべきである。これらの例を通して、分子クローニング反応、および他の標準的な組換えDNA技法は、別途記載される場合を除き、市販の試薬を使用して、Maniatis et al.,Molecular Cloning−A Laboratory Manual,2nd ed.,Cold Spring Harbor Press(1989)に記載される方法により実行された。
【0170】
本発明の他の態様では、本発明は、本明細書に開示されるいずれか1つ、または2つ以上の核酸配列を含むウイルスベクターに関する。ウイルスベクターは、任意に、本明細書に記載されるレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、スプーマウイルス、レンチウイルスベクター、およびプラスミド、またはトランスポゾン等の他のベクターを含む群から選択される。レトロウイルスベクターは、任意に、オンコレトロウイルスベクターを含む。レトロウイルスベクターは、任意に、レンチウイルスベクターを含む。
【0171】
本明細書は、細胞における分子の発現がコード核酸分子によってコードされるポリペプチドの生物学的活性をそれらの細胞に提供するように、RTNコード核酸分子を対象に提供するための組成物および方法を含む。本明細書で使用されるコード核酸は、対応するラルストニアアミノ酸配列のRTNアミノ酸配列またはその一部分を特定するヌクレオチドを含む核酸を意味する。コード配列は、開始コドンおよび/または停止配列を含み得る。
【0172】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、薬学的組成物である。疾患、障害、または異常な身体的状態を有する患者を治療するために使用される本明細書の薬学的組成物は、許容可能な担体、助剤、または賦形剤を含み得る。
【0173】
薬学的組成物は、任意に、電気穿孔、DNA微量注入法、リポソームDNA送達、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、およびアデノ関連ウイルス(AAV)ベクター、セムリキ森林ウイルスを含むRNAまたはDNAゲノムを有するウイルスベクター等のエクスビボおよびインビボ法により投与される。これらのベクターの誘導体またはハイブリッドも有用である。
【0174】
投与される投与量は、患者の必要性、所望の作用、および選択された投与経路に依存する。発現カセットは、任意に、リポソームまたはDNAもしくはRNAウイルスベクター等のエクスビボまたはインビボ送達ビヒクルを使用して、細胞またはそれらの前駆体内に導入される。それらはまた、任意に、微量注入法または共沈等の化学方法等の物理的技法を使用してこれらの細胞内に導入される。薬学的組成物は、典型的には、患者に投与される薬学的に許容される組成物を調製するための、および有効量の核酸分子が薬学的に許容されるビヒクルを含む混合物において組み合わされるように既知の方法によって調製される。好適なビヒクルは、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,USA)に記載されている。任意の選択可能なマーカー遺伝子が本発明において使用され得る。
【0175】
これに基づき、薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に許容されるビヒクルまたは希釈剤と関連して、ならびに適切なpH、および生理学的流体と等張の緩衝溶液に含まれる核酸分子等の活性化合物または物質を含み得る。発現カセットをビヒクルと混合する、またはそれらを希釈剤と混合する方法は、当業者に周知である。組成物は、活性化合物を細胞内の特定の部位に輸送するための標的剤を含み得る。発現カセットは、形質転換された細胞を選択するための選択可能マーカー遺伝子も含み得る。選択可能マーカー遺伝子は、形質転換された細胞または組織を選択するために利用される。マーカー遺伝子は、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(NEO)およびハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HPT)をコードするもの等の抗生物質耐性をコードする遺伝子、ならびにグルホシネ−トアンモニウム、ブロモキシニル、イミダゾリノン、および2,4−ジクロロフェノキシアセテート(2,4−D)等の除草化合物に耐性を付与する遺伝子を含む。さらなる選択可能マーカーは、.β.−ガラクトシターゼ、ならびに緑色蛍光タンパク質(GFP)(Su et al.(2004)Biotechnol Bioeng 85:610−9およびFetter et al.(2004)Plant Cell 16:215−28)、青緑色蛍光タンパク質(CYP)(Bolte et al.(2004)J.Cell Science 117:943−54およびKato et al.(2002)Plant Physiol 129:913−42)、および黄色蛍光タンパク質(EvrogenのPhiYFP.TM.、Bolte et al.(2004)J.Cell Science 117:943−54を参照)等の蛍光タンパク質等の表現型マーカーを含む。さらなる選択可能マーカーに関しては、一般には、Yarranton(1992)Curr.Opin.Biotech 3:506−511、Christopherson et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6314−6318、Yao et al.(1992)Cell 71:63−72、Reznikoff(1992)Mol.Microbiol.6:2419−2422、Barkley et al.(1980)in The Operon,pp.177−220、Hu et al.(1987)Cell 48:555−566、Brown et al.(1987)Cell 49:603−612、Figge et al.(1988)Cell 52:713−722、Deuschle et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Aci.USA 86:5400−5404、Fuerst et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2549−2553、Deuschle et al.(1990)Science 248:480−483、Gossen(1993)Ph.D.Thesis,University of Heidelberg、Reines et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:1917−1921、Labow et al.(1990)Mol.Cell.Biol.10:3343−3356、Zambretti et al.(1992)Proc.Natl Acad.Sci.USA 89:3952−3956、Baim et al.(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:5072−5076、Wyborski et al.(1991)Nucleic Acids Res.19:4647−4653、Hillenand−Wissman(1989)Topics Mol.Struc.Biol.10:143−162、Degenkolb et al.(1991)Antimicrob.Agents Chemother.35:1591−1595、Kleinschnidt et al.(1988)Biochemistry 27:1094−1104、Bonin(1993)Ph.D.Thesis,University of Heidelberg、Gossen et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547−5551、Oliva et al.(1992)Antimicrob.Agents Chemother.36:913−919、Hlavka et al.(1985)Handbook of Experimental Pharmacology,Vol.78(Springer−Verlag,Berlin)、Gill et al.(1988)Nature 334:721−724を参照。そのような開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0176】
多くの植物形質転換ベクターおよび植物を形質転換するための方法が利用可能である。例えば、An,G.et al.(1986)Plant Pysiol.,81:301−305、Fry,J.,et al.(1987)Plant Cell Rep.6:321−325、Block,M.(1988)Theor.Appl Genet.76:767−774、Hinchee,et al.(1990)Stadler.Genet.Symp.203212.203−212、Cousins,et al.(1991)Aust.J.Plant Physiol.18:481−494、Chee,P.P.and Slightom,J.L.(1992)Gene.118:255−260、Christou,et al.(1992)Trends.Biotechnol.10:239−246、D’Halluin,et al.(1992)Bio/Technol.10:309−314、Dhir,et al.(1992)Plant Physiol.99:81−88、Casas et al.(1993)Proc.Nat.Acad Sci.USA 90:11212−11216、Christou,P.(1993)In Vitro Cell.Dev.Biol.−Plant;29P:119−124、Davies,et al.(1993)Plant Cell Rep.12:180−183、Dong,J.A.and Mchughen,A.(1993)Plant Sci.91:139−148、Franklin,C.I.and Trieu,T.N.(1993)Plant.Physiol.102:167、Golovkin,et al.(1993)Plant Sci.90:41−52、Guo Chin Sci.Bull.38:2072−2078、Asano,et al.(1994)Plant Cell Rep.13、Ayeres N.M.and Park,W.D.(1994)Crit.Rev.Plant.Sci.13:219−239、Barcelo,et al.(1994)Plant.J.5:583−592、Becker,et al.(1994)Plant.J.5:299−307、Borkowska et al.(1994)Acta.Physiol Plant.16:225−230、Christou,P.(1994)Agro.Food.Ind.Hi Tech.5:17−27、Eapen et al.(1994)Plant Cell Rep.13:582−586、Hartman,et al.(1994)Bio−Technology 12:919923、Ritala,et al.(1994)Plant.Mol.Biol.24:317−325、およびWan,Y.C.and Lemaux,P.G.(1994)Plant Physiol.104:3748を参照。
【0177】
本発明の方法は、DNA配列を含むポリヌクレオチド構築物を宿主細胞内に導入することを伴う。「導入」とは、構築物が宿主細胞の内部へのアクセスを獲得するような様式で、ポリヌクレオチド構築物を植物に提示することが意図される。本発明の方法は、ポリヌクレオチド構築物を宿主細胞内に導入するための特定の方法に依存せず、ポリヌクレオチド構築物が宿主の1つの細胞の内部へのアクセスを獲得するのみである。ポリヌクレオチド構築物を細菌、植物、真菌、および動物内に導入するための方法は、当該技術分野において既知であり、安定した形質転換法、一過性の形質転換法、およびウイルス媒介法を含むが、これらに限定されない。
【0178】
「安定した形質転換」とは、植物内に導入されたポリヌクレオチド構築物が宿主のゲノム内に組み込まれ、その子孫によって受け継がれることが可能であることが意図される。「一過性の形質転換」とは、宿主内に導入されたポリヌクレオチド構築物が宿主のゲノム内に組み込まれないことが意図される。
【0179】
本明細書は、細胞内のコード核酸分子の発現がコード核酸分子によってコードされるポリペプチドの生物学的活性または表現型を提供するように、コード核酸分子を個々の細胞に提供するための方法および組成物を含む。本方法は、本明細書の核酸分子を投与することによって、疾患、障害、または異常な身体的状態を有する個人に生物学的に活性なポリペプチドを提供するための方法にも関する。本方法は、エクスビボまたはインビボで行うことができる。遺伝子療法および組成物は、例えば、米国特許第5,869,040号、同第5,639,642号、同第5,928,214号、同第5,911,983号、同第5,830,880号、同第5,910,488号、同第5,854,019号、同第5,672,344号、同第5,645,829号、同第5,741,486号、同第5,656,465号、同第5,547,932号、同第5,529,774号、同第5,436,146号、同第5,399,346号、および同第5,670,488号、同第5,240,846号に示される。ポリペプチドの量は、対象の必要性により変動する。ベクターの最適な投与量は、例えば、用量増大により経験的技法を使用して容易に決定することができる(用量増大の例に関しては米国特許第5,910,488号を参照)。本明細書の核酸分子を含むベクターは、典型的には、以下に記載される技法を使用して、遺伝子療法において、哺乳類、好ましくはヒトに投与される。核酸分子から生成されたポリペプチドは、任意に、哺乳類、好ましくはヒトにも投与される。本明細書は、本明細書のベクターまたは本明細書のベクターを含む細胞を哺乳類に投与することにより、薬物治療を必要とする哺乳類、好ましくはヒトにそれを行う方法に関する。移植片対宿主病等の有害事象を発症するレシピエント、好ましくは、ヒトは、典型的には、本明細書の修飾されたtmpk分子の基質であるAZT等の薬物を投与される。容易に治療される血液疾患または神経性疾患(神経変性)等の疾患は、本明細書において記載され、当該技術分野において既知である(例えば、カナダ特許出願第2,246,005号に記載されるグロビン遺伝子を投与することにより治療されるサラセミアまたは鎌状赤血球貧血等の疾患)。幹細胞移植により治療可能な血液疾患は、白血病、骨髄異形成症候群、幹細胞障害、骨髄増殖性障害、リンパ増殖障害、食細胞障害、遺伝性代謝障害、組織球障害、遺伝性赤血球異常、遺伝性免疫系障害、遺伝性血小板異常、形質細胞障害、悪性病変を含む(Medical Professional’s Guide to Unrelated Donor Stem Cell Transplants,4th Editionも参照)。神経性幹細胞移植により治療される幹細胞神経疾患は、神経性細胞損傷または損失、例えば、麻痺、パーキンソン病、アルツハイマー病、ALS、多発性硬化症)をもたらす疾患を含む。本明細書のベクターは、幹細胞マーカーとして、および幹細胞を分化させる遺伝子を発現する(例えば、成長因子)ために有用である。
【0180】
遺伝子療法に対して様々なアプローチが使用され得る。本出願は、ヒト細胞をヒト内に導入することを含む、ヒトに治療用ポリペプチドを提供するためのプロセスを含み、該ヒト細胞は、その中に本出願のベクターを挿入するためにインビトロまたはエクスビボで処理されており、ヒト細胞は、治療有効量の該治療用ペプチドを該ヒトにおいてインビボで発現する。
【0181】
本方法は、修飾されたDNAコードグロビンを含む遺伝子療法に適したウイルスを生成することにより、組換えウイルスのストックを生成するための方法にも関する。この方法は、好ましくは、ウイルス複製(修飾されたグロビンを含むウイルス)可能な細胞を形質移入し、生成されたウイルスを回収することを伴う。
【0182】
同時形質移入(別個の分子上のDNAおよびマーカー)が採用され得る(例えば、米国特許第5,928,914号および米国特許第5,817,492号を参照)。同様に、検出カセットまたはマーカー(緑色蛍光タンパク質マーカーまたは誘導体、CD19またはCD25)がベクター内自体(好ましくはウイルスベクター)に使用され得る。
【0183】
本発明の方法は、これらに限定されないが、半数体、2倍体、3倍体、4倍体、または異数体を含む、任意の真核生物の幹細胞を変異させるために使用され得る。一実施形態では、細胞は、2倍体である。本発明の方法が有利に使用され得る幹細胞は、体性幹細胞、SSC、ES細胞、iPS細胞、胚芽、または1つ以上の生物に発達することが可能な任意の細胞等の幹細胞を含むが、これらに限定されない。
【0184】
一実施形態では、本発明は、部位特異的ノックアウト、ノックイン、ないしは別の方法で遺伝的に修飾された幹細胞を生成するための方法に関する。部位特異的変異は、所望の部位、続いて、NHEJを切断し、欠失変異をもたらすRTNを用いて生成される。部位特異的変異は、ヘテロ接合性またはホモ接合性の遺伝的に修飾された生物を生成するために使用される精原幹細胞(SSC)において生成され得る。
【0185】
別の実施形態では、本発明は、部位特異的ノックアウト、ノックイン、ないしは別の方法で遺伝的に修飾された幹細胞を生成するための方法に関する。部位特異的変異は、所望の部位を切断し、欠失変異をもたらすRTNを用いて生成される。部位特異的変異は、ヘテロ接合性またはホモ接合性の遺伝的に修飾された生物を生成するために使用される胚性幹(ES)細胞において生成される。
【0186】
別の実施形態では、本発明は、部位特異的ノックアウト、ノックイン、ないしは別の方法で遺伝的に修飾された幹細胞を生成するための方法からなる。部位特異的変異は、所望の部位を切断し、欠失変異をもたらすRTNを用いて生成される。部位特異的変異は、ヘテロ接合性またはホモ接合性の遺伝的に修飾された生物を生成するために使用される誘発された多能性幹(iPS)細胞において生成される。
【0187】
別の実施形態では、本発明は、部位特異的ノックアウト、ノックイン、ないしは別の方法で遺伝的に修飾された幹細胞を生成するための方法からなる。部位特異的変異は、所望の部位を切断し、欠失変異をもたらすRTNを用いて生成される。部位特異的変異は、ヘテロ接合性またはホモ接合性の遺伝的に修飾された生物を生成するために使用される胚芽において生成される。
【0188】
本発明のある特定の実施形態では、細胞は、生物内、または組織外植(例えば、インビボもしくは原位置)において見られるような天然環境内で変異され得る。あるいは、当該技術分野において既知の方法および遺伝子を使用して生物から単離された組織または幹細胞は、本発明の方法により変異され得る。組織または幹細胞は、培養物中で維持されるか(例えば、インビトロ)、または組織もしくは生物内に再移植される(例えば、エクスビボ)。
【0189】
RTNは、ヌクレアーゼ等のエフェクタータンパク質機能を含む。
【0190】
いくつかの実施形態では、本発明は、実施例2に記載される核酸もしくはポリペプチドまたはこれらの断片のうちのいずれか1つを含む組成物に関する。
【0191】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載される核酸またはポリペプチドのうちのいずれか1つを含む組成物に関する。
【0192】
本発明のいくつかの実施形態では、RTNを使用したSSCの遺伝修飾は、別個のSSCもしくはSSC系における複数変異の生成、続いて、別個のSSCもしくはSSC系の貯蔵または混合、および単一雄レシピエント内への注入に関し、これは、他の系で可能であるよりも少ない実験工程および短い時間フレームで、1つ以上の変異を含む複数の遺伝的に修飾された生物を生成することに関する。別個の幹細胞または幹細胞系は、15以上であってよい。本発明のいくつかの実施形態では、RTNを使用した幹細胞の遺伝修飾は、別個の幹細胞もしくは幹細胞系における複数変異の生成、続いて、別個の幹細胞もしくは幹細胞系の貯蔵または混合、および単一雄レシピエント内への注入に関し、これは、他の系で可能であるよりも少ない実験工程および短い時間フレームで、1つ以上の変異を含む複数の遺伝的に修飾された生物を生成することに関する。別個の幹細胞または幹細胞系は、15以上であってよい。
【0193】
本発明のいくつかの実施形態では、遺伝的に修飾された生物を生成するために使用され得る遺伝的に修飾されたSSCまたは修飾された幹細胞もしくは胚細胞の個別のまたは別個のプールもしくは系の数の増加は、試み、時間、および使用された供給源の量を増加せず、また遺伝的に修飾された生物生成の効率を低減しない。複数の別個のおよび個別の遺伝的に修飾されたSSCは、単一の無精子のレシピエント内に移植され得る。2つ以上のプールから15以上のプールの別個の細胞プールに由来する個別の遺伝的に修飾された細胞(SSCまたは幹細胞)の混合集団は、無精子レシピエント内で成熟する。次いで、無精子のレシピエントを、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上であってよい複数の野生型雌と交配させる。これらの多数の雌は、所望の変異をそれらの生殖系列内に組み込んだ子孫を生成する。
【0194】
本発明のいくつかの実施形態では、遺伝的に修飾された生物を生成するために使用され得る遺伝的に修飾された細胞の個別のまたは別個のプールもしくは系の数の増加は、試み、時間、および使用された供給源の量を増加せず、また遺伝的に修飾された生物生成の効率を低減しない。無精子のレシピエントラットは、多数回別個のまたは個別の遺伝的に修飾された細胞のレシピエントであってよい。無精子ラットは、15匹以上の異なる遺伝的に修飾された細胞のレシピエントであってよく、15匹以上の別個に遺伝的に修飾された生物を生成するために、20匹以上の野生型の雌と交配される。最初の交配後、無精子の雄は、最初の遺伝的に修飾された細胞を排除するために処理することができ、別の回の15匹以上の別個のまたは個別の遺伝的に修飾された細胞のレシピエントとなり、15匹以上の別個の遺伝的に修飾された生物を生成するために20匹以上の野生型の雌と交配される。無精子の雄は、15以上の遺伝的に修飾された細胞の混合集団のレシピエントであってよく、2回以上、3回以上、4回以上、または5回以上、20以上の野生型の雌と交配される。
【0195】
本発明のいくつかの実施形態では、遺伝的に修飾された生物を生成するために使用され得る遺伝的に修飾された細胞の個別のまたは別個のプールもしくは系の数の増加は、試み、時間、および使用された供給源の量を増加せず、また遺伝的に修飾された生物生成の効率を低減しない。遺伝的に修飾された細胞の数の増加は、試みおよび胚性幹(ES)細胞または胚芽等の他の細胞系の供給源を必要としない。遺伝的に修飾された生物生成のための遺伝的に修飾されたES細胞量の増加は、胚盤胞注入等の技術工程の数、ならびに卵管移植手術の数の増加を必要とする。本発明のいくつかの実施形態では、本方法は、胚盤胞注入、卵管移植、DNA微量注入、注入した接合体の再移植、またはキメラ子孫の交配を含まない。細胞系は、単一工程において、遺伝的に修飾された生物生成のために15以上の別個の遺伝的に修飾された幹細胞集団を生成することができ、一方、15以上の別個に遺伝的に修飾されたES細胞を生成するために、15以上の別個の工程が手順の全てのレベルにおいて行われなければならず、これは、胚盤胞注入、卵管移植、接合体生成、DNAの調製、DNA微量注入、注入した接合体の再移植、またはキメラ子孫の交配を含むが、これらに限定されない。
【0196】
本発明のいくつかの実施形態では、RTNを用いたSSCの遺伝的修飾は、これらに限定されないが、胚性幹細胞、胚芽、誘発された多能性幹(iPS)細胞、体性幹細胞を含む代替えの幹細胞から遺伝的に修飾された生物の生成に必要とされる工程を必要とすることなく、遺伝的に修飾された生物を生成することに関する。代替えの幹細胞における遺伝的修飾は、接合体生成、DNAの調製、DNA微量注入、注入した接合体の再移植、またはキメラ子孫の交配を含むが、これらに限定されない。
【0197】
いくつかの実施形態では、本発明の幹細胞は、1つ以上のトランスポゾン、そのバリアントのトランスポゾンの1つ以上の逆方向末端反復(ITR)を含む。いくつかの実施形態では、本発明の幹細胞は、1つ以上のトランスポゾン、表2の配列に由来するバリアントのトランスポゾンの1つ以上の逆方向末端反復(ITR)を含む。
【0198】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上のトランスポゾン、トランスポゾンの1つ以上の逆方向末端反復(ITR)を含み、変異配列の逆方向タンデム反復は、既知のITRおよび既知のトランスポゾン要素(表2に示される)に少なくとも70%相同である。
【0199】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上のトランスポゾン、トランスポゾンの1つ以上の逆方向タンデム反復(ITR)を含み、変異配列の逆方向タンデム反復は、既知のITRおよび既知のトランスポゾン要素(表2に示される)に少なくとも75%相同である。
【0200】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上のトランスポゾン、トランスポゾンの1つ以上の逆方向タンデム反復(ITR)を含み、変異配列の逆方向末端反復は、既知のITRおよび既知のトランスポゾン要素(表2に示される)に少なくとも80%相同である。
【0201】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上のトランスポゾン、トランスポゾンの1つ以上の逆方向末端反復(ITR)を含み、変異配列の逆方向タンデム反復は、既知のITRおよび既知のトランスポゾン要素(表2に示される)に少なくとも85%相同である。
【0202】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上のトランスポゾン、トランスポゾンの1つ以上の逆方向末端反復(ITR)を含み、変異配列の逆方向タンデム反復は、既知のITRおよび既知のトランスポゾン要素(表2に示される)に少なくとも90%相同である。
【0203】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上のトランスポゾン、トランスポゾンの1つ以上の逆方向末端反復(ITR)を含み、変異配列の逆方向タンデム反復は、既知のITRおよび既知のトランスポゾン要素(表2に示される)に少なくとも95%相同である。
【0204】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上のトランスポゾン、トランスポゾンの1つ以上の逆方向末端反復(ITR)を含み、変異配列の逆方向タンデム反復は、既知のITRおよび既知のトランスポゾン要素(表2に示される)に少なくとも96%相同である。
【0205】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上のトランスポゾン、トランスポゾンの1つ以上の逆方向末端反復(ITR)を含み、変異配列の逆方向タンデム反復は、既知のITRおよび既知のトランスポゾン要素(表2に示される)に少なくとも97%相同である。
【0206】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上のトランスポゾン、トランスポゾンの1つ以上の逆方向末端反復(ITR)を含み、変異配列の逆方向タンデム反復は、既知のITRおよび既知のトランスポゾン要素(表2に示される)に少なくとも98%相同である。
【0207】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上のトランスポゾン、トランスポゾンの1つ以上の逆方向末端反復(ITR)を含み、変異配列の逆方向タンデム反復は、既知のITRおよび既知のトランスポゾン要素(表2に示される)に少なくとも99%相同である。
【表2】
【0208】
本発明は、本明細書に開示される任意の数の反復単位を有する、本明細書に記載されるポリペプチドのうちのいずれか1つをコードするDNAも含む。
【0209】
本発明の任意のポリペプチドまたは本発明のポリペプチドをコードする核酸は、PCT出願第PCT/IB2010/000154号(参照によりその全体が組み込まれる)に記載される方法において使用され得る。
【0210】
本発明の態様において、本発明は、本明細書に開示される1つ以上のポリペプチドによって修飾された1つ以上の細胞を含む組成物に関する。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の組成物は、1つ以上の幹細胞を含む。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の組成物は、本明細書に開示される1つ以上のポリペプチドによって修飾された1つ以上の哺乳類の幹細胞を含む。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の組成物は、本明細書に開示される1つ以上のポリペプチドによって修飾された1つ以上のiPSC細胞を含む。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の組成物は、本明細書に開示される1つ以上のポリペプチドによって修飾された1つ以上のヒト幹細胞を含む。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の組成物は、本明細書に開示される1つ以上のポリペプチドによって修飾された1つ以上の精原幹細胞を含む。本発明のいくつかの実施形態では、細胞は、哺乳類に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は、ラットまたはミニブタからである。本発明のいくつかの実施形態では、哺乳類は、無精子の雄のラット、または無精子の雄のミニブタである。本発明のいくつかの実施形態では、ラットまたはミニブタは、DAZL欠損またはDAZL−/−である。本発明のいくつかの実施形態では、本発明は、遺伝的に修飾された生物のコロニーに関し、
少なくとも1つの生物は、1つ以上の幹細胞を含み、1つ以上の幹細胞は、以下の変異のうちの1つ以上:(i)欠失変異、(ii)ノックアウト変異、および/または(iii)異種核酸配列の付加を含み、(i)、(ii)、および/または(iii)のうちの1つ以上の変異は、本明細書に開示される1つ以上のポリペプチド(1つ以上のRTN)、および(b)下位区分(a)の生物の子孫によって生じた部位特異的変異である。
【0211】
本発明のいくつかの実施形態では、細胞またはトランスジェニック動物、そのコロニーまたは子孫は、選択可能マーカーまたはオルソロガス遺伝子を含む異種核酸配列を含む。本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの生物および子孫は、トランスポゾンまたはそのバリアントの少なくとも1つの逆方向末端反復をさらに含む。
【0212】
本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの生物および子孫は、配列番号1〜19のうちのいずれか、もしくはもしくはこれらの組み合わせ、または表1の任意の配列、あるいはその任意のバリアントもしくは機能断片に少なくとも70%相同である核酸配列を含む核酸をさらに含む。本発明のいくつかの実施形態では、本発明は、(a)動物または植物の生殖系列系統に由来する少なくとも1つの幹細胞を、(i)目的とする遺伝子を変異させる少なくとも1つのRTN、または(ii)目的とする遺伝子を変異させるRTNをコードする少なくとも1つの発現ベクターを有する幹細胞と接触させ、それにより目的とする遺伝子に少なくとも1つの変異を含む少なくとも1つの幹細胞を作製することと、(b)目的とする遺伝子に少なくとも1つの変異を含む少なくとも1つの幹細胞のインビトロ培養を拡張することと、(c)工程(b)の培養からの1つ以上の幹細胞を生物内に移植することと、を含む1つ以上の遺伝的に修飾された生物を生成する方法に関する。
【0213】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明は、(a)動物または植物の生殖系列系統に由来する少なくとも第1および第2の幹細胞一組を、(i)目的とする遺伝子を変異させる少なくとも1つのRTN、または(ii)目的とする遺伝子を変異させるRTNをコードする少なくとも1つの発現ベクターと接触させ、それにより目的とする遺伝子に少なくとも1つの変異を含む少なくとも第1および第2の幹細胞一組を作製することと、(b)目的とする遺伝子に少なくとも1つの変異を含む少なくとも1つの幹細胞のインビトロ培養を拡張することと、(c)工程(b)の培養からの幹細胞の1組以上を生物内に移植することと、を含む1つ以上の遺伝的に修飾された生物を生成する方法に関する。いくつかの実施形態では、本方法は、RTNによって部位特異的様式で変異された3組、4組、5組、6組、7組、8組、9組、または10組以上の幹細胞をさらに含み、この場合、3組、4組、5組、6組、7組、8組、9組、または10組以上の変異された幹細胞のそれぞれを拡張した後に、各組が単一生物内に移植される。いくつかの実施形態では、変異された一組の幹細胞を含む単一生物は、無精子の雄である。
【0214】
本発明のいくつかの実施形態では、生物は、生殖系列伝達により目的とする遺伝子の少なくとも1つの変異を子孫に伝えることが可能である。本発明のいくつかの実施形態では、遺伝的に修飾された生物は、哺乳類である。本発明のいくつかの実施形態では、遺伝的に修飾された生物は、ラットまたはミニブタである。本発明のいくつかの実施形態では、遺伝的に修飾された生物は、無精子の雄のラットまたは無精子の雄のミニブタである。
【0215】
本発明のいくつかの実施形態では、本方法は、目的とする変異された遺伝子を含む1匹以上の子孫を生成するために、1つ以上の幹細胞を移植された生物を、別の動物と交配することをさらに含む。本発明のいくつかの実施形態では、本発明は、変異された幹細胞系の各々に対応する目的とする1つ以上の変異された遺伝子を含む1匹以上の子孫を生成するために、1組以上の幹細胞を移植された生物を別の動物と交配することをさらに含む。
【0216】
本発明のいくつかの実施形態では、子孫は、哺乳類である。
【0217】
本発明のいくつかの実施形態では、遺伝的に修飾された生物のコロニーを交配する方法は、
(a)動物または植物の生殖系列系統に由来する少なくとも1つの幹細胞を、(i)目的とする遺伝子を変異させる少なくとも1つのRTN、または(ii)目的とする遺伝子を変異させるRTNをコードする少なくとも1つの発現ベクターを有する幹細胞と接触させ、それにより目的とする遺伝子に少なくとも1つの変異を含む幹細胞を作製することと、
(b)目的とする遺伝子に少なくとも1つの変異を含む幹細胞のインビトロ培養を拡張することと、
(c)工程(b)の培養からの目的とする遺伝子に少なくとも1つの変異を含む少なくとも1つの幹細胞を、第1の生物に移植することと、
(d)第1の生物を、同じ種の第2の生物と交配することと、
(e)目的とする遺伝子に少なくとも1つの変異を含む第1および第2の生物の子孫を選択することと、
(f)目的とする遺伝子に少なくとも1つの変異を含む生物のコロニーを作製するために、子孫を交配することと、を含む。
【0218】
本発明のいくつかの実施形態では、第1および第2の生物は、哺乳類である。
【0219】
本発明のいくつかの実施形態では、第1および第2の生物は、ラットまたはミニブタである。
【0220】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明は、2つ以上の個別の生物のサブセットを含む遺伝的に修飾された生物の雑種第1代を製造する方法に関し、本方法は、
(a)第1の幹細胞を、(i)目的とする第1の遺伝子を変異させるRTN、または(ii)目的とする第1の遺伝子を変異させるRTNをコードする発現ベクターと接触させ、それにより第1の変異を含む第1の幹細胞を作製することと、
(b)第2の幹細胞を変性剤と接触させ、それにより第2の変異を含む第2の幹細胞を作製することと、
(c)第1および第2の幹細胞の各々のインビトロ培養を拡張することと、
(d)第1および第2の幹細胞を含む幹細胞の混合集団を生物内に移植することと、
(e)生物を、同じ種の別の生物と交配することとを含む。
【0221】
本発明のいくつかの実施形態では、遺伝的に修飾された生物の雑種第1代は、2組以上の生物を含み、各組は、生物の親に移植された個別の幹細胞のハプロタイプに由来する目的とする個別の変異を含む。
【0222】
本発明のいくつかの実施形態では、混合集団の少なくとも1つの幹細胞は、哺乳類の精原幹細胞である。
【0223】
本発明のいくつかの実施形態では、生物は、哺乳類である。
【0224】
本発明のいくつかの実施形態では、キットは、
(a)目的とする遺伝子で核酸配列を切断するRTN、またはRTNをコードする核酸配列と、
(b)説明を含む取り扱い説明書と、任意に、を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、キットは、
(a)本発明のいくつかの実施形態では、および任意に、
(b)1つ以上の幹細胞または1つ以上の胚芽用の培養培地を含む。
発明のいくつかの実施形態では、キットは、
(a)目的とする遺伝子で核酸配列を切断するRTN、またはRTNをコードする核酸配列と、任意に、
(b)1つ以上の幹細胞または1つ以上の胚芽用の培養培地と、を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、キットは、
(a)目的とする遺伝子で核酸配列を切断するRTN、またはRTNをコードする核酸配列と、
(b)動物または植物の生殖系列系統に由来する1つ以上の幹細胞系と、任意に、
(c)1つ以上の幹細または1つ以上の胚芽用の培養培地と、任意に、
(d)1つ以上の幹細胞を、目的とする遺伝子で核酸配列を切断するRTNまたはRTNをコードする核酸配列でどのように変異させるかの説明書を含む、取り扱い説明書とを含む。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0225】
本明細書に記載されるものに加えて、本発明の様々な修正は、前述から当業者には明らかであろう。そのような修正は、付属の特許請求の範囲内に入ることも意図される。本明細書に引用される各参照(学術論文、米国および米国以外の特許、特許出願公開、国際特許出願公開、遺伝子バンク受入番号等)は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0226】
実施例1:機能分析を用いたラルストニアTAL(RTAL)による核酸ベクターの生成
ラルストニアゲノムの配列相同性のクラスター分析および再考察は、既知のTAL配列に相同である配列番号1の配列を明らかにした。
【0227】
特許請求される発明のポリペプチドをコードする核酸配列は、当業者に既知の分子生物学技法を通して作製される。例えば、DNA配列は、本発明のポリタンパク質をコードする各核酸配列に隣接するXbaIおよび/またはSalI制限部位を用いて合成される。ポリメラーゼ連鎖反応は、ある特定の制限エンドヌクレアーゼ部位を用いてDNAを増幅するために行われる。配列は、ゲル精製され、単離され、結合反応のために水中または好適な緩衝液中で再構築される。必要な調節要素を含むエフェクター機能(ヌクレアーゼ機能等)を有するタンパク質をコードするプラスミドは、プラスミド多重クローニング部位で以下の配列をコードする核酸配列のうちの1つ以上に結合される。
【化1】
【0228】
プラスミド配列は、高いプラスミドのコピー数を生成するために好適な細菌内に形質転換される。上記の少なくとも1つのポリペプチドを含むプラスミドは、抗生物質選択法を用いて選択され、当業者に既知の技法を用いて細菌細胞から単離され、精製され得る。
【0229】
プラスミドも構築することができ、発現されたDNA結合ポリペプチドのインビトロ試験は、Nature Biotechnology 2012 May;30(5):460−5.“FLASH assembly of TALENs for high−throughput genome editing.”
Reyon D,Tsai SQ,Khayter C,Foden JA,Sander JD,Joung JK(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される方法を用いて検証される。
予め組み立てられたTALE反復をコードするプラスミドアーカイブの構築
【0230】
我々は、それらのアミノ酸およびDNA配列がわずかに異なる個別のTALE反復骨格が反復パターンにおいて生じる、最初にMiller,J.C. et al.“A TALE nuclease architecture for efficient genome editing.”,Nat Biotechnol.2011;29:143−148によって説明された同じ構造を用いて反復アレイを構築しようと試みた。いくつかの実施形態では、我々は、アレイ中の最初のアミノ末端TALE反復をα単位と指定した。この後にβ、γ、およびδ単位、次いで、5’端上のIIS型制限部位の位置が異なることを除き(クローニングに必要なα単位上に固有のオーバーハングの作製を可能にするために必要)、α単位と本質的に同一であるε単位が続く。次いで、ε単位の後にβ、γ、δ、およびε単位の反復が再び続く。クローニングに必要な3’端の作製に関連する制限により、わずかに修飾されたDNA配列がカルボキシ末端γまたはε単位で終了するTALE反復アレイに必要とされる。
FLASHアセンブリのためのTALE反復コードDNA断片の調製
【0231】
FLASHアセンブリに使用するためのα単位をコードするDNA断片を調製するために、我々は、プライマーoJS2581(5’−ビオチン−TCTAGAGAAGACAAGAACCTGACC−3’)およびoJS2582(5’−
GGATCCGGTCTCTTAAGGCCGTGG−3’)を使用して、テンプレートとして各α単位プラスミドを用いてPCRを20回行う。得られたPCR生成物を5’端上でビオチン化する。次いで、各αPCR生成物は、4bpオーバーハングを生成するために40単位のBsaI−HF制限酵素で消化され、最終生成物が50μlの0.1×EB中で溶出されることを除き、製造者の指示に従いQIAquick PCR精製キット(QIAGEN)を使用して精製された。
【0232】
ポリペプチド反復をコードするDNA断片を調製するために、10μgのこれらのプラスミドの各々を、NEBuffer 2中の50単位のBbsI制限酵素で、2時間37℃で消化させ、続いて、5分間隔で添加されるそれぞれ100単位のXbaI、BamHI−HF、およびSalI−HF酵素を使用して、37℃でNEBuffer 4中で連続制限消化を行った。後者の制限消化一式は、このより大きいDNA断片がFLASHアセンブリプロセス中に行われる後続の結合に干渉しないことを確実にするためにプラスミド骨格を切断するように設計される。これらの制限消化反応は、次いで、最終生成物が180μlの0.1×EB中で溶出されることを除き、製造者の指示に従い、QIAquick PCR精製キット(QIAGEN)を使用して精製される。
自動FLASHアセンブリ
【0233】
FLASHアセンブリの全ての工程は、96ウェルプレート中で、SPRIplate 96リングマグネット(Beckman Coulter Genomics)およびDynaMag−96サイドマグネット(Life Technologies)を使用して、Sciclone G3液体ハンドリングワークステーション(Caliper)または別の会社が販売する類似する装置を使用して行われる。FLASHの第1工程において、ビオチン化α単位断片を、最初のβγδε断片に結合し、次いで、得られたαβγδε断片を、2×B&W緩衝液中のDynabeads MyOne C1ストレプトアビジンコーティングした磁気ビーズ(Life Technologies)に結合する。次いで、マグネット上にプレートを設置することにより、ビーズをウェルの側面に引き寄せ、次いで、0.005%のTween 20(Sigma)を含む100μlのB&W緩衝液、および100μlの0.1mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)(New England Biolabs)で再度洗浄する。マグネットからプレートを取り外し、ビーズを各ウェル中の溶液に再懸濁し、BsaI−HF制限酵素でビーズ結合断片を消化し、マグネット上にプレートを設置し、100μlのB&W/Tween20、続いて、100μlの0.1mg/ml BSAで洗浄し、次いで次の断片を結合することにより、さらなるβγδε断片が結合される。このプロセスは、複数回繰り返され、さらなるβγδε単位がビーズ結合断片を拡張する。結合される最後の断片は、完全長断片の発現ベクター内へのクローニングを可能にするために、常にβ、βγ
*、βγδ、またはδε
*単位である(δε
*単位で終わる断片は、常にβγ単位の結合が先行することに留意する)。
【0234】
最終完全長ビーズ結合断片を、40単位のBsaI−HF制限酵素、続いて、25単位のBbsI制限酵素(New England Biolabs)で消化する。BbsIによる消化は、ビーズから断片を解放し、断片のクローニング用の固有の5’オーバーハングを生成する。BsaI−HFによる消化は、クローニング用の固有の3’オーバーハングの作製をもたらす。
TALE反復アレイコードDNA断片のTALEN発現ベクター内へのサブクローニング
【0235】
我々のFLASH組み立てされたTALE反復アレイをコードするDNA断片をTALE発現ベクター内にサブクローニングする。いくつかの実施形態では、4つ以上の別個のプラスミドが存在する。いくつかの実施形態では、ベクターは、CMVプロモーター、哺乳類細胞発現に最適化された翻訳開始コドン、3重FLAGエピトープタグ、核局在化シグナル、TALE13タンパク質からのアミノ酸153〜288(Miller et al.6による番付)、2つの固有かつ密接に位置するIIS型BsmBI制限部位、RVDをコードする0.5 TALE反復ドメイン、TALE13タンパク質からのアミノ酸715〜777、および野生型FokI切断ドメインを含む。
【0236】
FLASHにより組み立てられた全てのDNA断片は、BsmBIにより消化される発現ベクターのうちのいずれか内への方向性クローニングを可能にするオーバーハングを保有する。標準的なTALEN発現ベクター(各々異なる0.5TALE反復を保有する)は、Addgene等の供給元から入手可能であり、これらのプラスミドの完全な配列は、合成構成用のこれらの構成専用ウェブページ:http://www.addgene.org/talengineering/expressionvectors/から自由に入手可能である。
【0237】
サブクローニング用のTALEN発現ベクターを調製するために、NEBuffer 3中50単位のBsmBI制限酵素(New England Biolabs)で、55℃で8時間、5μgのプラスミドDNAを消化する。消化されたDNAは、製造者の指示に従い、90μlのAmpure XPビーズ(Agencourt)を使用して精製され、1mMのTrisHCl中5ng/μlの最終濃度に希釈される。FLASH組み立てされたTALE反復アレイは、400UのT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を使用して、TALEN発現ベクター内に結合される。結合生成物は、化学的に応答能のあるXL−1 Blue細胞内に形質転換される。典型的には、6つのコロニーが各結合用に選別され、プラスミドDNAがアルカリ溶解ミニプレップ手順により単離される。同時に、プライマーoSQT34(5’−GACGGTGGCTGTCAAATACCAAGATATG−3’)およびoSQT35(5’−
TCTCCTCCAGTTCACTTTTGACTAGTTGGG−3’)を使用して、PCRにより同じコロニーをスクリーニングする。PCR生成物は、QIAxcelキャピラリー電気泳動システム(Qiagen)により分析される。正確に寸法決定されたPCR生成物を含むクローンからのミニプレップDNAは、プライマーoSQT1(5’−AGTAACAGCGGTAGAGGCAG−3’)、oSQT3(5’−
ATTGGGCTACGATGGACTCC−3’)、およびoJS2980(5’−
TTAATTCAATATATTCATGAGGCAC−3’)を用いたDNA配列確認のために送られ、oSQT1は、TALE反復アレイコード配列の5’端でアニールし、
組み立てられたアレイの半分のアミノ末端の配列決定を可能にし、oSQT3は、TALE反復アレイコード配列の3’でアニールし、組み立てられたアレイの半分のカルボキシ末端の配列決定を可能にし、oJS2980は、FokIドメイン(oSQT3の下流)のコード配列内を刺激し、カルボキシ末端の0.5TALE反復ドメインの配列決定および検証を可能にする。
【0238】
上述のように各アセンブリ用の6つのコロニーをスクリーニングし、続いて、必要であれば、さらに6つのコロニーをスクリーニングする。このアプローチにより、アセンブリ反応の>90%に関して、1つ以上の配列検証されたクローン。これらのパーセンテージは、主に、16.5TALE反復をコードするDNA断片を構築するために設計された実験から導かれる。
EGFP TALEN活性および毒性アッセイ
EGFPレポーターアッセイは、EGFP−PEST融合タンパク質を構成的に発現する組み込まれた構築物を坦持するクローン性U2OSヒト細胞系において行われる。このクローン性系は、多クローン性U2OS EGFP−PESTレポーター系に由来する。クローン性U2OS EGFP−PEST細胞は、10%のFBS、2mMのGlutaMax(Life Technologies)、ペニシリン/ストレプトマイシン、および400μg/mlのG418で補足されたAdvanced DMEM(Life Technologies)中で培養される。細胞は、製造者の指示に従い、Lonza 4D−Nucleofector System、溶液SE、およびプログラムDN−100を使用して、500ngの各TALENプラスミドDNAおよび50ngのptdTomato−N1プラスミドDNAにより3つ組で遺伝子移入される。1μgのptdTomato−N1プラスミドのみが陰性対照として3つ組で遺伝子移入される。細胞は、BD FACSAriaIIフローサイトメーターを使用して、遺伝子移入2日後および5日後にEGFPおよびtdTomato発現に関してアッセイされる。
内因性ヒト遺伝子のPCR増幅および配列検証
標的遺伝子座を増幅するためのPCR反応は、補足表5に示されるプライマーを使用して行われる。Phusion Hot Start II高忠実度DNAポリメラーゼ(Thermo−Fisher)を用いた標準的なPCR条件は、製造者の指示に従い、35サイクル(98℃、10秒変性;68℃、15秒アニーリング;72℃、30秒伸長)で行われる。標準的な条件下で増幅されない遺伝子座に関しては、以下の修飾うちの1つを使用する:1)1.8Mの最終濃度にするためのベタインの添加、2)1.8Mのベタインを用いてタッチダウンPCR([98℃、10秒;72〜62℃、−1℃/サイクル、15秒;72℃、30秒]
10サイクル、[98℃、10秒;62℃、−1℃/サイクル、15秒;72℃、30秒]
25サイクル)、ならびに3)3%または5%のDMSOの添加および65℃のアニーリング温度。PCR生成物は、QIAxcelキャピラリー電気泳動システムにより正確な大きさに関して分析される。正確に寸法決定された生成物は、組み込まれなかったヌクレオチドまたはプライマーを除去するためにExoSap−IT(Affymetrix)で処理され、内因性遺伝子配列を確認するためにDNA配列決定に送られる。
内因性ヒト遺伝子のNHEJ媒介変異を定量化するためのT7エンドヌクレアーゼIアッセイ
【0239】
U2OS−EGFP細胞を培養し、上述のように2つ組で遺伝子移入される。ゲノムDNAは、製造者の指示に従い、高処理量磁気ビーズに基づく精製システム(Agencourt DNAdvance)を使用して、TALENコードプラスミドまたは対照プラスミドで遺伝子移入された細胞から単離された。内因性遺伝子座を増幅するためのPCRは、上述のように35サイクルで行われ、断片は、製造者の指示に従い、Ampure XP(Agencourt)で精製された。200ngの精製されたPCR生成物を変性し、以下のプロトコル(95℃、5分;−2℃/秒で95〜85℃;−0.1℃/秒で85〜25℃、4℃で維持)で、サーマサイクラーを使用して、NEBuffer 2(New England Biolabs)中で再アニールした。33のハイブリダイズしたPCR生成物を、20μlの反応容積中で、37℃で15分間、10UのT7エンドヌクレアーゼIで処理した。2μlの0.5M EDTAを添加して、反応を停止させ、Ampure XPで精製し、OM500方法を使用して、QIAxcelキャピラリー電気泳動システムで定量化した。TALEN特異的切断ピーク下面積の合計(親アンプリコンピークのパーセンテージとして表され、切断された画分として表される)は、前述されるように、以下の方程式を使用して、遺伝子修飾レベルを推定するために使用される。
(%遺伝子修飾=100×(1−(1−切断された画分)
1/2)
実施例2
【0240】
以下に示される5つの断片を分析し、各々を修飾されたpUC57:pUC57−ΔBsaI(JuongらのFLASHアセンブリ文献に開示されるベクター)内にクローニングした。それは、XbaIおよびBamHIを用いてBsaI部位)を破壊するために単一の塩基対変化を含む。
RTN1 EBEs:
【化2】
【0241】
原理の証明のために、これらのクローニングされた断片は、JoungのFLASH TALEN文献のプロトコルに正確に従い、FokIヌクレアーゼに融合された6つの反復単位のキメラタンパク質、つまり、A(C、T、およびG)ヌクレオチドの鎖を標的とするキメラタンパク質を生成するために使用される。これらのキメラタンパク質は、次いで、レポーター構築物を使用して、所望のDNA塩基への結合/標的効率に関して試験される。
【0242】
これらの単位の結合効率が確認されたら、FALSH TALENのキサントモナスEBEライブラリの正確なコピーであるラルストニアEBEのライブラリが生成される。このライブラリは、次いで、FLASH TALENシステムのプロトコルに正確に従い、ラルストニアTALENを生成するために使用され得る。
実施例3.メチルエステラーゼを用いた核酸ベクターの生成
【0243】
他の種からクローニングされた、または同じ種からクローニングされたさらなる配列は、DNA認識で本明細書に開示される実験のいずれかを行うために、それ自体酵素として、またはモノマーもしくはポリマー(タンパク質融合)として連続してのいずれかで機能的に使用され得る。RVD特定コンセンサス配列は、当該技術分野において既知の配列最適化技法を使用して作製された。BLAST検索は、細菌種のメチルエステラーゼ(methlyesterase)配列にわたって行われた(
図1参照)。以下のポリペプチドは、本明細書に開示される核酸配列およびポリペプチド配列番号1〜19に類似するDNA塩基対認識能力を有すると特定された。
メチルエステラーゼに対するTAL EBE
#1
キサントモナスコンセンサスEBE
【化3】
【化4】
【化5】
実施例4
【0244】
一対のBmpr2特異的EBE(ラルストニアDNA結合ドメイン、各16EBE)は、遺伝子合成され、XTN−BB(FokIに融合されたキサントモナスTAL骨格)内にクローニングされた。これらの構築物を、ラットC6細胞内に同時に遺伝子移入し、Cel1 surveyorヌクレアーゼアッセイ用に48時間後にgDNAを抽出した。成功した場合、アッセイは、遺伝子座の元の400bpアンプリコンから240bpおよび150bpのサブ集団を生成するはずである。結果は
図2に示される。
【0245】
アッセイは、ラルストニアおよびキサントモナスTALEN遺伝子移入された細胞において、予測された250bpおよび150bpバンドを明らかにし、これは、WT陰性対照において不在である。これは、ラルストニアEBEがこの遺伝子座を標的とし、FokIヌクレアーゼのラルストニアEBEへの融合がゲノムDNAの標的消化をもたらすことを示す。250bpバンドを使用して、XTNに関しては5.75%、RTNに関しては1.82%である。150bpバンドを使用して、XTNに関しては3.66%、RTNに関しては5.43%である。
【表3】
Bmpr2 FWD RTN EBEのアミノ酸配列:
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
実施例5
【0246】
ゴールデンゲートアセンブリ法を利用して、完全長ラルストニアDNA結合ドメインをラルストニアまたはキサントモナスTALEN骨格内に組み込むために使用することができるラルストニアEBEのライブラリおよび骨格ベクターが作製された。RTNは、ラットC6細胞系内に同時に遺伝子移入され、遺伝子移入48時間後に分析用にgDNAが抽出された。RTN結合部位を含む420bpのgDNA断片がPCRによって増幅された。このアンプリコンは、次いで、製造者のプロトコルに従いSurveyor変異検出キット(Transgenomic)を使用して、Cel1アッセイを受けた。簡潔に、アンプリコンは、一本鎖DNA内に変性され、二本鎖DNAにゆっくり再アニールされる。このプロセス中、元のプールがWTと変異された配列の混合物であることを考えると、ヘテロ二本鎖の形成をもたらすWTと変異体鎖との間に交差ハイブリダイゼーションが存在する。Surveyorヌクレアーゼによるこの再アニールされたプールの処理により、ヘテロ二本鎖を認識し、それらを切断し、これは元のアンプリコン(420bp)から2つの短い断片(255bpおよび165bp)を生成する。
用語:
【0247】
pRVD:単一ラルストニアEBEを含むプラスミド。個々のEBEを遺伝子合成し、FLASH−XTNサブアレイ骨格(XbaI、BamHI)内にクローニングした。
【0248】
pFus X:任意の所与のRTNの最初の10EBEを有するサブアレイプラスミド。必要とされる部分を遺伝子合成し、pHSG−298(SacI、SbfI)内にクローニングした。
【0249】
pFUS Z:任意の所与のRTNの最後から2番目のEBEまでのEBE11を有するサブアレイプラスミド。
Eg:Z4はEBE11〜14を保持し、Z5はEBE11〜15を保持し、Z6はEBE11〜16を保持する。遺伝子合成し、pHSG−298(SacI、SbfI)内にクローニングした。
【0250】
XTN−bb:FokIヌクレアーゼに融合されたN末端およびC末端キサントモナスTALドメインを含むキサントモナスTAL骨格。この骨格は、EBEによって特定される標的配列のTヌクレオチド5’を特定する。標的配列の最後のヌクレオチドを特定するEBE後半も含む。したがって、4つのXTN−bbプラスミドが存在し、各々、標的配列の異なる最終ヌクレオチド(FLASH XTN骨格と同じ)を特定する。
【0251】
全てのプラスミドは、0.1×TE緩衝液中150ng/ulで保管される。
【0252】
方法:(16EBE DNA結合ドメインを構築し、それをキサントモナスTALEN骨格内にクローニングする)。
【0253】
特注のTALENまたはTALエフェクター構築物のアセンブリは、2つの工程を伴う:(i)反復モジュール(pRVD)の1〜10反復のサブアレイ内へのアセンブリ、および(ii)最終構築物を作製するために、サブアレイの骨格内への接合。
【0254】
我々は、17 RVDアレイ(5’−TGATAGTCGC−CTTATG−T−3’)を有するTALENモノマーを構成した。その順番で番付されるプラスミドを使用して、アレイ内にRVD1〜10をコードするものをpRVDプラスミドから選択。例えば、最初のRVDのプラスミドはgRTN−1Tであり、第2はgRTN−2G、第3はgRTN−3A等であろう。これらのプラスミドからのモジュールは、サブアレイプラスミドpFUS−X内にクローニングされる。次に、1から番付されるプラスミドで再度開始する16 RVDアレイのRVD11〜16のモジュールを選択する。よって、RVD11に関しては、gRTN−1Cが使用され、RVD12にはgRTN−2T等が使用される。pFUS−Zプラスミドは、1〜10まで番付され、入るEBEの数により選択されるべきである。よって、我々の例において、pFUS−Z6が使用されるべきである。
【0255】
pRVDおよびサブアレイプラスミド(各150ng)は、T4 DNAリガーゼ緩衝液(New England BioLabs)中1ulのBsaI(10U、New England BioLabs)および1ulのT4 DNAリガーゼ(2000U、New England BioLabs)を含む単一20ul反応において消化および結合を受ける。サーモサイクラーにおいて、37Cで5分、および16Cで、10分の10サイクルで反応をインキュベートし、次いで、5分間50Cに、次いで5分間80Cに加熱した。次いで、1ulの25mM ATPおよび1ulのPlasmid Safe DNase(10U、Epicentre)を添加する。混合物を37Cで1時間インキュベートし、次いで、大腸菌細胞を形質転換するために使用される。細胞を、37℃で一晩、50mg/mlカナマイシンを含むLB寒天上で平板培養した。
【0256】
完全長サブアレイを含むクローンを特定するために、コロニーPCRを介して、各形質転換から最大6つのコロニーを、M13順方向および逆方向プライマーでスクリーニングした。完全長pFUS−Xサブアレイクローンは、1.1kbバンドを生成するはずであり、完全長pFUS−Z6クローンは、700bpバンドを生成するはずである(各EBEに関して、およそ105bpを加算または減算する)。培養は、完全長pFUS−Xおよび完全長pFUS−Z6クローンの一晩培養を開始した。
【0257】
我々は、pFUS−XおよびpFUS−Z培養物からプラスミドDNAを単離した。サブアレイは、4つの骨格プラスミドのうちの1つの中に接合された。20ulの消化および結合反応混合物を、T4 DNA リガーゼ緩衝液中の各々150ngのpFUS−XおよびpFUS−Zプラスミド、150ngの骨格プラスミド、この場合、XTN−bbT、1ulのEsp3I(10U、Thermo Scientific)、および1ulのT4 DNAリガーゼ(2000U、New England Biolabs)を用いて調製した。次いで、反応を、サーモサイクラーにおいて、37Cで10分、および16Cで、15分の3サイクルでインキュベートする。次いで、さらに30分間、反応を37Cでインキュベートし、5分間50Cに、次いで、5分間80Cに加熱する。室温に冷却した後、1ulの25mM ATPおよび1ulのPlasmid Safe DNase(10U、Epicenter)を添加し、37Cで1時間インキュベートした。次いで、反応は、Plasmid Safeを除き、上記のように、大腸菌を形質転換するために使用される。また、この工程において、形質転換体の選択のためにアンピシリン(100mg/ml)が、カナマイシンの代わりに使用される。
【0258】
我々は、XTN−VFおよびXTN−VR2プライマーを用いて、コロニーPCRを介して、各形質転換から最大3つのコロニーをスクリーニングし、各RTN(2.1kbバンドは17EBEアレイを示す)について1つの完全長クローンの一晩培養を開始した。我々は、次いで、プラスミドDNAを単離し、XTN−VF、XTN−VR1、およびXTN−VR2を用いて、DNA配列決定により最終完全長反復アレイを含むクローンを特定する。
【0259】
XbaIおよびBamHIはXTNサブアレイ骨格(部位は下線付き)を消化した:
【化10】
【0260】
XTN−bb(BsmBIは消化され、部位は消化中骨格から自己切除される):
下線付き配列はサブアレイpFUS−XおよびpFUS−Zと重複する。
XTN−bbA:NNNNNNNNNは、TCTAACATCと置き換えられる。
XTN−bbC:NNNNNNNNNは、TCCCACGACと置き換えられる。
XTN−bbG:NNNNNNNNNは、AATAATAACと置き換えられる。
XTN−bbT:NNNNNNNNNは、TCTAATGGGと置き換えられる。
【化11】
【化12】
【化13】
【0261】
BamHIおよびXbaI隣接pRVD断片(遺伝子合成された、BamHI−EBE−XbaI)):
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
実施例7
【0262】
メチルエステラーゼおよびメチルトランスフェラーゼ 34aaコンセンサスEBE(nnは適切なRVDと置き換えられる):
QTTERIVAIGT nn GGTQALEAVLTALPRVCPGMV
34aa QTTERIVAIGT SH GGTQALEAVLTALPRVCPGMVのBacktranseq(SHは非特異的RVDである)
CAGACCACCGAGAGGATCGTGGCCATCGGCACCAGCCACGGCGGCACCCAGGCCCTGGAGGCCGTGCTGACCGCCCTGCCCAGGGTGTGCCCCGGCATGGTG
メチルエステラーゼEBE(XTN骨格中の14EBE):
青字体:メチルエステラーゼEBE。この例において、全ては非特異的RVD SHである。
黒字体:FLASH XTN骨格。
配列は連続である:
【化21】
【化22】