特許第6502309号(P6502309)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤーマン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6502309-光照射型美容装置 図000002
  • 特許6502309-光照射型美容装置 図000003
  • 特許6502309-光照射型美容装置 図000004
  • 特許6502309-光照射型美容装置 図000005
  • 特許6502309-光照射型美容装置 図000006
  • 特許6502309-光照射型美容装置 図000007
  • 特許6502309-光照射型美容装置 図000008
  • 特許6502309-光照射型美容装置 図000009
  • 特許6502309-光照射型美容装置 図000010
  • 特許6502309-光照射型美容装置 図000011
  • 特許6502309-光照射型美容装置 図000012
  • 特許6502309-光照射型美容装置 図000013
  • 特許6502309-光照射型美容装置 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6502309
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】光照射型美容装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20190408BHJP
【FI】
   A61N5/06 D
【請求項の数】9
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-227056(P2016-227056)
(22)【出願日】2016年11月22日
(65)【公開番号】特開2018-33923(P2018-33923A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2017年12月14日
(31)【優先権主張番号】特願2016-166023(P2016-166023)
(32)【優先日】2016年8月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000114628
【氏名又は名称】ヤーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 岩男
【審査官】 寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−093109(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/009387(WO,A1)
【文献】 特開2011−010940(JP,A)
【文献】 特開平10−295836(JP,A)
【文献】 特開2008−119419(JP,A)
【文献】 特開2015−073744(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0035746(US,A1)
【文献】 特開2012−239874(JP,A)
【文献】 特開2011−000280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
肌面に接触する第1の面を有する本体と、
前記本体に設けられた開口と、
前記開口に設けられた発光素子と、
前記第1の面から一部を露出させて回転可能に設けられたローラ部と、
前記本体と接続される第1の本体部と、使用者が把持可能な把持部を有する第2の本体部とを備える支持部材と、
前記第1の本体部および前記第2の本体部を相対的に回転可能に接続または回転途中で保持するヒンジ部と、
前記発光素子を発光させるための操作を受け付け、前記第1の本体部および前記第2の本体部が相対的に回転することによって前記支持部材内に収容された状態または前記支持部材から露出した状態が切り替えられるスイッチと、
を具備することを特徴とする光照射型美容装置。
【請求項2】
前記ローラ部の回転に対応して前記発光素子を発光させる制御部を更に具備し、
前記制御部は、前記ローラ部の回転に対応して前記発光素子を複数回発光させ、第1の発光から第2の発光までの前記ローラ部の回転角度は、前記ローラ部の回転軸に直交する方向に沿う前記開口の幅の長さと対応することを特徴とする請求項1に記載の光照射型美容装置。
【請求項3】
前記ローラ部の回転に対応して前記発光素子を発光させるための信号を出力する信号出力手段を更に具備し、
前記制御部は、前記信号の出力に対応して前記発光素子を発光させること
を特徴とする請求項2に記載の光照射型美容装置。
【請求項4】
前記信号出力手段は、前記ローラ部に設けられて前記ローラ部と共に回転する第1の部材および前記本体内に固定される第2の部材を有し、
前記第1の部材又は前記第2の部材の一方が、他方の部材を検知する検知手段であることを特徴とする請求項3に記載の光照射型美容装置。
【請求項5】
前記第1の部材が複数設けられ、当該複数の内の1の第1の部材は、他の第1の部材に対して前記ローラ部の回転方向に前記開口の幅分だけずらされて配置され、
前記信号出力手段は、前記ローラ部が1回転する間に、前記第1の部材の数に対応する回数分前記信号を出力することを特徴とする請求項4に記載の光照射型美容装置。
【請求項6】
前記第1の部材又は前記第2の部材の一方は磁石であり、他方は磁気を検知する素子であることを特徴とする請求項4又は5に記載の光照射型美容装置。
【請求項7】
前記第1の面と前記肌面が接触していることを検知する接触検知手段をさらに具備し、
前記制御部は、前記接触検知手段が前記第1の面と前記肌面が接触していることを検知している場合に前記発光素子を発光させ、前記第1の面と前記肌面が接触していることを検知していない場合には記発光素子を発光させないことを特徴とする請求項2ないし6のいずれか一項に記載の光照射型美容装置。
【請求項8】
前記第1の本体部に対する前記第2の本体部の開き角度に対応して、前記発光素子の発光パターンを切り替える発光パターン切り替え部をさらに具備する
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の光照射型美容装置。
【請求項9】
前記第1の本体部に前記発光素子を冷却するための風が通流する通風孔が設けられ
前記通風孔は、前記第1の本体部と前記第2の本体部の境界部に配置される
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の光照射型美容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射型美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザの体毛を肌面上から目立たなくさせる処理(除毛処理)を行うために、体毛に照射される光を生み出すフラッシュランプおよびこの光の出口である照射口を備える光照射型美容装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この光照射型美容装置では、フラッシュランプの光によって体毛を部分的に焼いたり、毛根にダメージを与えたりすることができる。焼かれた体毛は、脆くなり肌面上から簡単に取り除くことができる。毛根にダメージを与えることで、体毛が再び生えるスピードを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−239874号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような光照射型美容装置では、除毛処理の際にユーザが光照射型美容装置の操作を煩わしく思うことがあった。例えば、肌面に対する照射口の位置決めに時間を要する場合があった。
除毛処理の際の操作の煩わしさが低減可能な光照射型美容装置が要望されている。
【0006】
本発明は、この事情に鑑みてなされたものであり、除毛処理の際の操作の煩わしさが低減可能な光照射型美容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態の光照射型美容装置は、肌面に接触する第1の面を有する本体と、前記本体に設けられた開口と、前記開口に設けられた発光素子と、前記第1の面から一部を露出させて回転可能に設けられたローラ部と、前記本体と接続される第1の本体部と、使用者が把持可能な把持部を有する第2の本体部とを備える支持部材と、前記第1の本体部および前記第2の本体部を相対的に回転可能に接続または回転途中で保持するヒンジ部と、前記発光素子を発光させるための操作を受け付け、前記第1の本体部および前記第2の本体部が相対的に回転することによって前記支持部材内に収容された状態または前記支持部材から露出した状態が切り替えられるスイッチと、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の光照射型美容装置1の概略図。
図2】光照射部20の斜視図。
図3】光照射部20の正面図。
図4】接触ローラ部220の概略図。
図5】検知部230の一部を拡大して示す断面図。
図6】保持部231と開口210bを模式的に示す図。
図7】制御基板130の機能ブロック図。
図8】第2の実施形態の検知部330の一部を拡大して示す断面図
図9】光照射型美容装置1の変形例2を示す概略図。
図10】光照射型美容装置3を操作部312を正面に見た平面図。
図11図10のA−A断面を示す光照射型美容装置3の一部断面図。
図12】角度変更が行われた後の光照射型美容装置3を模式的に示す模式図。
図13】制御基板315の機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
(光照射型美容装置1について)
【0010】
以下、第1の実施形態を図1〜7に基づき説明する。図1は、第1の実施形態の光照射型美容装置1の概略図である。図2は、光照射部20の斜視図である。図3は、光照射部20の正面図である。図4は、接触ローラ部220の概略図である。図5は、検知部230の一部を拡大して示す断面図である。図6は、保持部231と開口210bを模式的に示す図である。図7は、制御基板130の機能ブロック図である
【0011】
図1に示すように第1の実施形態の光照射型美容装置1は、装置本体10および光照射部20を具備する。
光照射型美容装置1は、除毛処理を行うための装置である。光照射型美容装置1は、光照射部20からユーザの体(例えば、顔、手、足など)に高輝度の光を照射して、体毛を焼いて除去したり、毛根にダメージを与えたりして体毛の成長や再生を抑制する。
【0012】
光照射型美容装置1は、ユーザによって肌面上を動かされながら連続的にユーザの肌面に光照射部20の光を照射する。
【0013】
(装置本体10について)
装置本体10は、先端部10a、後端部10b、仕切り部10cおよび通風孔10d,10e,を備える。装置本体10には、端子部110、操作部112、冷却ファン114および制御基板130が配設される。
【0014】
装置本体10は、充電可能な二次電池を備えたり、この二次電池の電力、商用電源の電力などを光照射部20に入力するための電源ケーブルを備えたり、光照射部20の光の照射のタイミングを制御するための信号送受信用ケーブルを備えたりすることも出来る。
【0015】
装置本体10は、ユーザが片手で持ちやすいように全体的に角部を丸められている。装置本体10は、全体として緩やかな「く」の字形状を有する(全体的に略円弧形状)。
先端部10aには、光照射部20が着脱自在に装着される。ここで図示は省略したが、先端部10aは、光照射部20を保持するための保持機構を備える。
【0016】
保持機構は、先端部10aから光照射部20が容易に脱落してしまうことを防止できれば特に限定されない。保持機構は、例えば、磁石である。この場合、光照射部20の少なくとも一部を金属で形成することが望ましい。先端部10aと光照射部20が、それぞれ反対の極性の磁石を備えてもよい。
【0017】
後端部10bには、端子部110が露出している。
仕切り部10cは、装置本体10内部の先端部10aに位置する。仕切り部10cは、装着された光照射部20と対面する。ここでは図示を省略したが、仕切り部10cには光照射部20と電気的に接続される接触端子などが配設される。上記した保持機構を仕切り部10cに設けてもよい。
【0018】
通風孔10dは、装置本体10の表面から裏面にかけて貫通する。通風孔10dは、排気口である。
通風孔10eは、仕切り部10cの表面から裏面に貫通する。この実施形態では、通風孔10dは、吸気口である。
【0019】
端子部110は、光照射型美容装置1を商用電源と接続するために設けられる。商用電源によって光照射部20が光を照射したり、二次電池を充電したりすることができる。端子部110は、図示を省略したケーブルによって制御基板130と接続される。
【0020】
操作部112は、例えば、スイッチやディスプレイを有する。操作部112は、装置本体10の表面に設けられる。操作部112は、通風孔10dの反対側に位置する。スイッチは、例えば、ユーザが光照射型美容装置1のメイン電源をON・OFFするためのメインスイッチ、光照射スイッチおよび動作モード切替スイッチである。
【0021】
光照射スイッチをユーザが操作することによって、ユーザは、手動で、好きなタイミングで光照射部20から光を照射することができる。
動作モード切替スイッチをユーザが操作することによって、光照射部20が照射する光の強さを変えたり、光照射スイッチの機能を使用しないようにしたりすることができる。
【0022】
ディスプレイは、例えば、Light Emitting Diode(LED)や液晶画面を備える。ディスプレイによって、ユーザは、現在の光照射型美容装置1のモードを知ることができる。
【0023】
冷却ファン114は、例えば、シロッコファンやターボファンである。冷却ファン114は、先端部10aに取り付けられた光照射部20および通風孔10eを介して外気を装置本体10内部に取り込む(図中の「Air1」参照)。取り込まれた装置本体10内部の空気は、通風孔10dから出る(図中の「Air2」参照)。
【0024】
(光照射部20について)
図2および図3に示すように、光照射部20は、筐体210(肌面に接触する第1の面を有する本体)、キセノン管212(発光素子)、透過ガラス214、装飾ローラ216、接触ローラ部220を備える。光照射部20は、キセノン管212の光を肌に照射する。
【0025】
光照射部20は、装置本体10に着脱自在に取り付けられる。この構造によって、例えば、キセノン管212が経年劣化した場合に、新しい光照射部20に取り換えることができる。
【0026】
筐体210は、肌接触面210a(第1の面)、開口210b(第1の面を有する本体に設けられた開口)、ローラ開口210c、タッチセンサ部210d(接触検知手段)、通風孔210eを備える。筐体210は、キセノン管212、透過ガラス214および接触ローラ部220を収容する。
【0027】
肌接触面210aは、筐体210の正面である。肌接触面210aは、除毛処理時にユーザの肌面と接触する。肌接触面210aの表面は、ユーザの肌面上をなめらかに移動可能なように、ガラスやプラスチックなどでコーティングされることが望ましい。
【0028】
開口210bは、肌接触面210aから筐体210内部に向かって設けられる。開口210bからキセノン管212の光が照射される。開口210bは、略長方形状を有する。開口210bの長辺は、接触ローラ部220が備える接触ローラ226(第1の面から一部を露出させて回転可能に設けられたローラ部)の回転軸方向に沿っている。
【0029】
開口210bの短辺の長さは「接触ローラ226の回転軸に直交する方向に沿う幅の長さ」である。ここで「接触ローラ226の回転軸に直交する方向に沿う」ことは「光照射型美容装置1の移動方向に沿う」と同じ意味である。「接触ローラ226の回転軸」は、接触ローラ軸225として後述する。
【0030】
ローラ開口210cは、肌接触面210aから筐体210内部に向かって設けられる。ローラ開口210cから接触ローラ226の一部が露出している。ローラ開口210cの周辺は、接触ローラ226の回転軸である接触ローラ軸225などを収容するために一部が盛り上がっている。
【0031】
タッチセンサ部210dは、肌接触面210aにおける開口210bの周りの部位である。タッチセンサ部210dは、例えば、静電容量方式のタッチセンサを備える。静電容量方式のタッチセンサは、表面型でも投影型でもどちらでもよい。タッチセンサは、制御基板130と電気的に接続される。
【0032】
ユーザの肌面がタッチセンサ部210dに接触することによってタッチセンサと制御基板130の間に電流が流れたり電圧が印加されたりする。制御基板130は、この電流や電圧を検知して開口210bの周りにユーザの肌面が接触しているか否かを知覚する。タッチセンサ部210dが電子回路を備え、これらの電流又は電圧をデジタル信号に変換して制御基板130に出力してもよい。タッチセンサ部210dは、接触の有無を示す信号を出力してもよい。例えば、接触有:1,接触無:0である。
【0033】
タッチセンサは、ユーザの肌面の接触を検知可能であれば、特に限定されない。タッチセンサ部210dは、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式の種々の方式のタッチセンサを備える事ができる。また、タッチセンサ部210dは、開口210b内の照度を検知する照度センサを備えることもできる。照度センサは、例えば、ユーザの肌によって開口210bが塞がれることで変化する開口210b内の照度を検知する。検知された照度によってユーザの肌面がタッチセンサ部210dに接触しているか否かを制御基板130が知覚できる。
【0034】
通風孔210eは、筐体210の表面から裏面にかけて貫通する。通風孔10dは、吸気口である。装置本体10の冷却ファン114が駆動することで通風孔210eから外気が筐体210内部に流入する。この流入した空気は、キセノン管212を冷却する。通風孔210eから流入した空気は、装置本体10内部に流れる。
【0035】
キセノン管212は、開口210bに配置される。
透過ガラス214は開口210bに嵌め込まれる。透過ガラス214は、キセノン管212の光に含まれる紫外線をカットする。透過ガラス214は、開口210b内部にユーザが不用意に指などを入れてしまうことを防止する。
【0036】
装飾ローラ216は、筐体210の側面(肌接触面210aとその反対側の装置本体10と対向する面を接続する面)に設けられる。
装飾ローラ216は接触ローラ226の回転と対応して回転する。装飾ローラ216は、ユーザの肌と接触しないように配設される。
【0037】
装飾ローラ216は、接触ローラ226が正常に回転しているか否かを把握するためのローラである。
除毛処理時には、接触ローラ226は、ユーザの肌面と接触する。このとき装置本体10および筐体210に隠れて接触ローラ226はユーザから見えなくなる。この場合、接触ローラ部220が正常に回転しているか否かユーザが把握することが困難である。回転する装飾ローラ216を見ることで、ユーザは、接触ローラ部220が回転しているか否かを間接的に把握することができる。
【0038】
(接触ローラ部220について)
図4および図5に示すように、接触ローラ部220は、基板221、軸保持台222,223、装飾ローラ軸224、接触ローラ軸225、接触ローラ226、接触ローラギア227、装飾ローラギア228および検知部230(信号出力手段)を備える。
【0039】
基板221は、軸保持台222,223、装飾ローラ軸224、接触ローラ軸225、接触ローラ226、接触ローラギア227、装飾ローラギア228および検知部230を保持する。基板221には、検知部230と接続される電子回路が形成される。この電子回路は、信号送受信用の接続ピン221aを備える。電子回路は、図示しない電子素子(例えば、ICチップ、抵抗素子、コンデンサ、コイル素子)を備える。
【0040】
軸保持台222,223は、柱である。軸保持台222,223は、基板221に設けられる。軸保持台222,223は、互いに所定の距離をあけて対向する。軸保持台222,223は、図2に示した開口210bの長辺に沿って離されて配置される。
【0041】
軸保持台222は、貫通孔222a,222bを備える。
貫通孔222a,222bは、下(基板221側)から上に向かって順に直列配置される。貫通孔222aには、装飾ローラ軸224が回転可能に挿入される。貫通孔222bには、接触ローラ軸225が回転可能に挿入される。
【0042】
軸保持台223は、貫通孔223a,223bを備える。貫通孔223a,223bは、下(基板221側)から上に向かって直列配置される。貫通孔223aの配設位置(基板221からの高さ)は、貫通孔222aと対応する。同様に、貫通孔223bの配設位置は、貫通孔222bと対応する。
【0043】
貫通孔223aには、装飾ローラ軸224が回転可能に挿入される。貫通孔223bには、接触ローラ軸225が回転可能に挿入される。
装飾ローラ軸224および接触ローラ軸225の長手方向の長さは、軸保持台222,223間の距離よりも長い。したがって、装飾ローラ軸224の左右の端および接触ローラ軸225の左右の端は、軸保持台222,223よりもそれぞれ外側に位置する。
【0044】
接触ローラ軸225および装飾ローラ軸224の軸保持台222,223よりも外側に位置する部位には、図示を省略した係止部材が設けられる。係止部材は、接触ローラ軸225が、軸保持台222,223から脱落してしまうことを防止する。係止部材は、この脱落を防止できる構造であれば特に限定されない。係止部材は、例えば、貫通孔222a,222b,223aおよび223bの径よりも広いフランジやナットである。フランジやナットが軸保持台222,223に引っかかることで脱落が防止される。
【0045】
装飾ローラ軸224の左右の端には装飾ローラ216がそれぞれ取り付けられる。装飾ローラ軸224と装飾ローラ216は一体的に回転する。
接触ローラ226は、円柱形状を有する。接触ローラ226は、ユーザの肌面に当接される。接触ローラ226は、接触ローラ軸225の中央部に配置される。接触ローラ226は、肌面上を転動する。接触ローラ226と接触ローラ軸225は一体的に回転する。
【0046】
接触ローラ226は、ゴムやプラスチックで形成される。接触ローラ226の表面は、ユーザの肌面に対する摩擦力を大きくするための処理(例えば、凹凸加工)が施されている。
【0047】
接触ローラギア227は、接触ローラ軸225に設けられる。接触ローラギア227は、接触ローラ226と軸保持台223の間に位置する。接触ローラギア227と接触ローラ軸225は一体的に回転する。接触ローラギア227は、装飾ローラギア228と接触する。接触ローラギア227が回転すると、装飾ローラギア228も回転する。
【0048】
装飾ローラギア228は、装飾ローラ軸224に設けられる。装飾ローラギア228と装飾ローラ軸224は一体的に回転する。
【0049】
(検知部230について)
検知部230は、保持部231、検知対象232a,232bおよびセンサ233を備える。
保持部231は、装飾ローラ軸224に設けられる。保持部231は、装飾ローラギア228と軸保持台222に挟まれている。保持部231と、装飾ローラ軸224は一体的に回転する。
【0050】
図5に示すように保持部231は、保持孔231a,231bを備える。保持部231は、検知対象232a,232bを収容する。保持部231は、円柱形状を有する。
【0051】
保持孔231a,231bは、保持部231の側面にそれぞれ設けられる。保持孔231a,231bは、保持部231の側面から保持部231の中心部に向かって設けられる。保持孔231a,231bは、保持部231の周方向に互いに180°ずれている。すなわち、二つの保持孔231a,231bは、互いに装飾ローラ軸224を挟んで反対側に位置する。
【0052】
検知対象232a,232bは、保持孔231a,231bにそれぞれ配設される。検知対象232a,232bは、例えば、磁石である。ここでは、検知対象232a,232bはネオジウム磁石である。
【0053】
センサ233は、保持部231に対応する基板221上の位置に固定される。センサ233は、検知対象232a,232bの磁界を検知する。センサ233が検知した磁界の強さに対応する信号(電流又は電圧)が、センサ233と制御基板130の間に流れたり印加されたりする。
【0054】
「センサ233と制御基板130の間に流れたり印加されたりする」ことをここでは「検知部230が制御基板130に対して信号を出力する」と定義する。制御基板130は、この信号の出力に基づいてキセノン管212の発光を制御する。
センサ233は、例えば、ホール素子を備える。ホール素子に生じた電圧を制御基板130が検知する。
【0055】
センサ233が電子回路を備え、電流又は電圧をデジタル信号に変換して制御基板130に出力してもよい。センサ233は、電流又は電圧の値と所定の閾値を比較することもできる。この比較の結果に対応して、センサ233は、検知対象232a,232bを検知したことを示すデジタル信号を制御基板130に出力してもよい。例えば、センサ233は、電流又は電圧の値が閾値以上の場合は、「1:検知対象を検知」、電流又は電圧の値が閾値より低い場合は「0:検知対象を非検知」という旨の信号を出力する。
【0056】
以上のように構成された接触ローラ部220は、接触ローラ226が回転することで、接触ローラ軸225および接触ローラギア227が一体的に回転する。さらに接触ローラギア227は、装飾ローラギア228を回す。この結果、装飾ローラ軸224、保持部231、装飾ローラ216も回転する。
【0057】
まとめると、接触ローラ226が回転すると、保持部231および装飾ローラ216が回転する。
【0058】
保持部231が回転すると、センサ233に対して検知対象232aが接近する。センサ233が検知対象232aの磁界を検知する。さらに保持部231が回転(ここでは略180°の回転)すると、センサ233に対して、今度は検知対象232bが接近する。センサ233は、今度は検知対象232bの磁界を検知する。
【0059】
保持部231の回転に対応して、センサ233は、検知対象232aを検知した信号、検知対象232bを検知した信号を順に、繰り返し、制御基板130に出力する。この信号が制御基板130入力されることでキセノン管212が発光する。
【0060】
(保持部231および開口210bの関係について)
次に図6を用いて保持部231および装置本体10の開口210bの関係について説明する。図6は、保持部231の断面を示しており、開口210bを正面から示している。
【0061】
図中の一点鎖線は、実線で図示された開口210b、センサ233および保持部231が対応すること、および、破線で図示された開口210b、センサ233および保持部231が対応することを示す仮想線である。
【0062】
開口210bは、縦幅v[mm]×横幅h[mm]の寸法を有している。縦幅v[mm]は、開口210bの短辺の長さであり、横幅h[mm]は、開口210bの長辺の長さである。保持部231の断面は、円周の長さc[mm](図示せず)の円形状を有している。
【0063】
ここで、保持部231の円周の長さと開口210bの縦幅の関係は、次の数式1で表される。
v=c/a・・・(1)
v:開口210bの縦幅。
c:保持部231の円周の長さ。
a:変数
【0064】
縦幅vと円周の長さcのどちらか一方は、他方に対して数[mm]程度の誤差があってもよい。変数aは、0よりも大きい数字である。ここでは変数aは、検知対象の個数に対応して2である。
【0065】
「c/2」は、保持部231の半周の長さを意味する。すなわち、保持部231の半周の長さは、縦幅vと略同じことを意味している。保持部231が、半周の長さ分回転した時、光照射型美容装置1は、ユーザの肌面上を開口210bの縦幅v[mm]分動かされていることになる。
【0066】
次に、この実施の形態における検知対象の個数とキセノン管212の発光に必要な保持部231の回転角度θ1について説明する。
検知対象の個数とキセノン管212の発光に必要な保持部231の回転角度θ1は、次の数式2で表される。
θ1=360/a・・・(2)
θ1:キセノン管212の第1の発光から第2の発光までに必要な回転角度
a :検知対象の個数。
【0067】
ここでは、検知対象の個数は、2である(検知対象232a,232b)。従って、第1の発光から第2の発光までに必要な回転角度は180°である。
保持部231が、この回転角度θ1分だけ回転した時、光照射型美容装置1は、ユーザの肌面上を開口210bの縦幅v[mm]分動かされていることになる。
【0068】
(制御基板130について)
次に図7を用いて、制御基板130の機能について説明する。図7は、制御基板130の機能ブロック図である。
【0069】
図7に示すように、制御基板130は、メモリ部131、検知制御部132、ファン制御部133、電圧変換部134および発光制御部135を有する。これらの機能は、回路素子(例えば、演算用、メモリ用ICチップ、抵抗素子、コンデンサ、コイル素子)によって実現される。制御基板130は、二次電池用の充電回路を備えることもできる。
【0070】
メモリ部131にはファームウェアや種々の閾値、変換テーブルなどが予め記憶されている。
【0071】
検知制御部132は、図1に示す操作部112、図2に示すタッチセンサ部210dおよび図5に示す検知部230と接続される。検知制御部132は、ユーザによる操作部112の操作を検知する。検知制御部132には、タッチセンサ部210dや検知部230から出力されたアナログ信号又はデジタル信号が入力される。
検知制御部132は、検知部230がホール素子を備えている場合、このホール素子に生じた電圧を検知することもできる。
【0072】
検知制御部132は、検知部230やタッチセンサ部210dから入力された電圧や電流の大きさとメモリ部131に記憶された閾値とを比較することができる。検知制御部132は、タッチセンサ部210dから入力された電流(又は電圧)が例えば閾値よりも大きい場合、「開口210bの周りにユーザの肌面が接触していることを示すフラグ」を立てる(例えばデジタル信号の「1」をメモリに保持させる)。
【0073】
検知制御部132は、検知部230から入力された電流(又は電圧)が、例えば閾値よりも大きい場合「キセノン管212を発光させるフラグ」を立てる(例えばデジタル信号の「1」をメモリに保持させる)。閾値よりも小さい場合「キセノン管212を発光させないフラグ」を立てる(例えば、デジタル信号の「0」をメモリに保持させる)。
【0074】
このフラグは、検知部230やタッチセンサ部210dから入力されたデジタル信号(例えば、「1:検知対象を検知」,「0:検知対象を非検知」という旨の信号)に基づいて立ててもよい。
【0075】
ファン制御部133は、図1に示す冷却ファン114と接続される。ファン制御部133は、冷却ファン114の駆動をON・OFFする。
【0076】
電圧変換部134は、商用電源や二次電池から得られる電力を変換する。この変換は、例えば、交流電流を直流電流に整流したり、電圧を昇圧したり降圧したりすることである。電圧変換部134が変換した電力は、キセノン管212の発光などに使用される。
【0077】
発光制御部135は、メモリ部131、検知制御部132、ファン制御部133、および電圧変換部134を制御する。
発光制御部135は、キセノン管212に供給される電気を一時的に蓄電するコンデンサやこのコンデンサの充電回路を備える。
【0078】
発光制御部135は、コンデンサが蓄えた電気をキセノン管212に供給する。この結果、キセノン管212が発光する。
【0079】
(発光の制御例1)
発光制御部135は、以下の条件(1)〜(3)がすべて揃った場合に、キセノン管212を発光させる。
【0080】
(1)「開口210bの周りにユーザの肌面が接触していることを示すフラグ」が立っている。
(2)「キセノン管212を発光させるフラグ」が立っている。
(3)キセノン管212を発光させるのに必要な分だけの電気がコンデンサに蓄電されている。
【0081】
(発光の制御例2)
発光制御部135は、以下の条件(1)及び(2)が揃ったときもキセノン管212を発光させる。
(1)検知制御部132がユーザによる操作部112の操作(例えば、手動発光ボタンの押下操作)を検知する。
(2)キセノン管212を発光させるのに必要な分だけの電気がコンデンサに蓄電されている。
【0082】
以上説明したように、光照射型美容装置1ではキセノン管212の光を肌に照射することで除毛処理が行える。
【0083】
(効果)
以上のように構成された光照射型美容装置1によれば、除毛処理の際の操作の煩わしさを低減させることができる。
(効果の具体例)
【0084】
(1)接触ローラ226を備える事によって、接触ローラ226によって光照射型美容装置1を肌面上でスムーズに移動させることができる。
【0085】
ここで、従来の製品(以下、単に「装置」と称す。)の除毛処理時の操作の一例を説明する。この装置は、フラッシュランプや肌面にフラッシュランプの光を照射するための照射口を備える。このような装置では、1)除毛処理を行いたい部位にフラッシュランプの光を照射した後、2)装置を持ち上げて一旦肌面から離し、3)別の除毛処理を行いたい部位に装置を当接させ、4)フラッシュランプの光を新しく当接した肌面に照射することで除毛処理を行うことができる。
【0086】
この場合、除毛処理を行いたい部位の数だけ、装置の持ち上げ及び除毛処理を行いたい部位への当接を繰り返すことになる。
持ち上げた装置を除毛処理を行いたい部位に当接させる作業は、ユーザにとって、縦、横、奥行きの3次元的な操作になる。この場合、ユーザの思っていた場所と違う場所に装置を当接してしまったり、装置を持つ腕が疲れてしまったりする場合がある。
【0087】
この除毛処理方法では、ユーザは、除毛処理を行いたい部位ごとに照射口の位置を決める必要があるが、ユーザの思っていた場所と違う場所に装置を当接してしまうことや、腕の疲れによりこの位置決めに時間を要する場合がある。
【0088】
光照射型美容装置1では、接触ローラ226を備える事によって、光照射型美容装置1を肌面上でスムーズにかつ肌面に沿って1次元的に移動させることができる。このことにより、ユーザの思っていた場所と違う場所に光照射型美容装置1を当接してしまったり、光照射型美容装置1を持つ腕が疲れてしまったりすることを防止することができる。結果として、当接作業に起因する開口210bの位置を速やかに決めることができる。
【0089】
(2)光照射型美容装置1では、接触ローラ226の回転に同期して検知部230が回転し、光照射型美容装置1が開口210bの縦幅v[mm]分移動するごとにキセノン管212が発光する。この結果、キセノン管212の光を開口210bの縦幅ごとに連続して除毛対象に照射することができる。
【0090】
このことにより、照射ムラを低減できるし、除毛処理を行いたい部位ごとにユーザがキセノン管212のトリガーボタンを押す必要がない。また、除毛処理を行いたい部位ごとに開口210bの位置決めを行うことを意識する必要がない。
【0091】
照射ムラの1つの意味は「キセノン管212の第1の発光によって光が照射された肌面上の範囲と、第2の発光によって光が照射された肌面上の範囲が離れることで、光が照射されない範囲ができてしまう」ことである。この光が照射されない範囲では除毛効果が得られないので、再度キセノン管212の光を照射する必要がある。
【0092】
照射ムラの1つの意味は「キセノン管212の第1の発光によって光が照射された肌面上の範囲と、第2の発光によって光が照射された肌面上の範囲が重なることで、キセノン管212の光が他の除毛対象の部位よりも必要以上に多く照射される部位が出てしまうこと」である。
【0093】
(変形例1)
以上、第1の実施形態の光照射型美容装置1について説明した。光照射型美容装置1は種々の変形が可能である。
【0094】
(1)検知対象232a,232bとセンサ233を入れ替えてもよい。すなわち、保持部231が、検知対象232a,232bに対応する二つのセンサを備え、基板221が、センサ233に対応する一つの検知対象を備える。
【0095】
(2)検知対象232a,232bは、発光素子(例えば、LED)でもよい。センサ233は、受光素子(例えば、フォトダイオード)でもよい。
【0096】
(3)接触ローラ226又は接触ローラ軸225が検知部230の各要素を備えてもよい。この場合、光照射型美容装置1は装飾ローラ軸224。装飾ローラギア228、装飾ローラ216を備えなくともよい。この結果、光照射部20を薄型にできる。
【0097】
(4)光照射型美容装置1は、検知対象232a,232bのうち、どちらか一方を備えればよい。さらに、保持部231の円周の長さを開口210bの縦幅よりも短くしてもよい。例えば、半分の長さにしてもよい。この場合、発光制御部135は、保持部213が2回転するごとにキセノン管212を発光させる。
【0098】
(5)検知部230は、機械的な接触センサでもよい。
(6)肌接触面210aが、ユーザの肌面に電流を流すための電極を備えてもよい。ユーザの肌面に電流を流すことで、筋肉を強制的に運動させることができる。この結果、老廃物を除去したり、肌に「つや」や「張り」を与えたりする効果を期待できる。
【0099】
(7)開口210bの形状を変更してもよい(例えば、矩形状、三角形状、台形状、真円形状、楕円形状、星形状など)。
【0100】
(8)光照射型美容装置1が、加速度センサを備えてもよい。加速度センサは光照射型美容装置1が動かされていることを検知する。発光制御部135は、加速度センサが「光照射型美容装置1が動かされていること」を検知している場合にキセノン管212を発光させ、光照射型美容装置1が動かされていない場合にはキセノン管212を発光させない(安全性の向上)。
【0101】
(9)装置本体10と光照射部20を一体形成してもよい。
(10)光照射部20は、ハロゲンランプやLEDランプを備えてもよい。
【0102】
(11)キセノン管212の近傍に温度センサを配置してもよい。温度センサは例えばサーミスタである。発光制御部135は、温度センサの温度に対応してキセノン管212を発光させる。この結果、高温によるキセノン管212の故障を防止することができる。
【0103】
(12)光照射部20の開口210bを覆うフィルター付きのアタッチメントを、筐体210に取り付けてもよい。アタッチメントは、例えば磁石によって筐体210に取り付けられる。フィルターは、バンドパスフィルター,ローパスフィルター、ハイパスフィルターのいずれかである。特定の波長の光を取りだして、ユーザの肌面に供給することができる。この特定の波長の光によって肌を美しくする効果を期待できる。
【0104】
(13)筐体210や上記(12)のアタッチメントがペルチェ素子を備えてもよい。ペルチェ素子は、ユーザの肌に温感や冷感をあたえる。ペルチェ素子は、キセノン管212の光で温まった肌の温度を下げることができる。
【0105】
(14)装置本体10、肌接触面210a又は上記(12)のアタッチメントが電極を備えてもよい。この電極は、例えばイオン導入やイオン導出に使用される。
【0106】
イオン導入とは、微弱な電流を使って、ビタミンC誘導体やプラセンタを肌の奥へと浸透させることを目的とした美容方法を指す。
イオン導出とは、イオン導入とは逆方向に微弱な電流を流して、肌の汚れ(例えば、古い角質)を除去することを目的とした美容方法を指す。
【0107】
例えば、装置本体10の電極は陽極であり、筐体210の電極は陰極である。ユーザは、装置本体10の電極を握り筐体210の電極を肌面に当てることでユーザの体に微弱な電流を流すことができる。
(15)接触ローラ軸225が装飾ローラ216を備えてもよい。
【0108】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の光照射型美容装置2を図8に基づき説明する。図8は、第2の実施形態の光照射型美容装置2が備える検知部330(信号出力手段)の模式図である。
【0109】
図8では、図5に示した第1の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
【0110】
検知部330は、第1の実施形態の検知部230に対応する。検知部330は、検知対象232a,232bおよびセンサ333a、333bを備える。
検知対象232a,232bは、保持部231の周方向に互いに180°ずれており、かつ、保持部231の長軸方向(224装飾ローラ軸224が伸びる方向)に沿って互いにずれている。
【0111】
センサ333a、333bは、センサ233a,233bと対応する。センサ333aは、検知対象232aに対応する基板221上の位置に固定される。センサ333aは、検知対象232aの磁界を検知する。
【0112】
センサ333bは、検知対象232bに対応する基板221上の位置に固定される。センサ333bは、検知対象232bの磁界を検知する。
【0113】
光照射型美容装置2では、発光制御部135(図7参照)は、センサ333a,333bを個別に識別することができる。発光制御部135は、センサ333a、333bから出力された信号に基づいてキセノン管212を発光させる。
【0114】
発光制御部135は、センサ333aから出力された信号に基づいてキセノン管212を発光させた場合、次は、センサ333bから信号の出力がないとキセノン管212を発光させない。
【0115】
つまり、この実施形態の発光制御部135は、同じセンサ(例えばセンサ333a)から連続して信号が出力された場合、2回目以降の信号が入力されてもキセノン管212を発光させない。
【0116】
光照射型美容装置2が肌面上を往復するように操作される場合がある。往路において例えば、センサ333aから出力された信号に基づいてキセノン管212が一度発光する。このあと、光照射型美容装置2がすぐに逆方向(復路方向)に動かされる。
【0117】
復路において、センサ333aが検知対象232aを検知するので、センサ333aは、往路と復路とでこの検知の信号を連続的に出力する。復路における信号に基づいてキセノン管212が発光すると、往路において一度照射された部位に対して、短時間の内にもう一度キセノン管212の光が照射されることになる。
【0118】
往路においてすでに除毛処理が行われており、復路においてもう一度キセノン管212の光が照射されても除毛効果が薄い場合がある。キセノン管212の発光に使用される電力が無駄になってしまう場合がある。
光照射型美容装置2では、このような電力の無駄を防止することができる。
光照射型美容装置2における発光制御部135のキセノン管212に対する制御は、ユーザが操作部112を操作することでいつでも解除が可能であることが望ましい。
【0119】
(変形例2)
以上、本発明のいくつかの実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0120】
(1)例えば、図9に示すように接触ローラ226に対応する複数の接触ローラ226a〜226hを肌接触面210aが備えてもよい。図9は、光照射型美容装置1又は光照射型美容装置2の変形例2を示す概略図である。
【0121】
接触ローラ226a〜226hによって光照射型美容装置1および光照射型美容装置2を肌面上で移動させやすくなる。
光照射型美容装置1は、接触ローラ226a〜226hに対応させて接触ローラ部220の各要素(例えば、検知部230)を複数備えてもよい。
【0122】
接触ローラ226a〜226gのいくつかは備えなくてもよい。例えば、接触ローラ226a、226c、226eおよび226gを備えず、ローラ226b、226d、226fおよび226hなどが全体として十字型に配置されてもよい
【0123】
光照射型美容装置1は、接触ローラ軸225を接触ローラ226a〜226gに対応させて複数備えてもよい(図9の接触ローラ軸225a〜225g参照)。この場合、接触ローラ226a〜226gはそれぞれ独立して回転する。
【0124】
接触ローラ軸225a、225bおよび225cは、一本化できる。この場合、接触ローラ226a、226bおよび226cは、一体的に回転する。接触ローラ軸225h、225dも同様である。この場合、接触ローラ226hおよび226dは、一体的に回転する。
【0125】
接触ローラ軸225e、225fおよび225gも同様である。この場合、接触ローラ226e、226fおよび226gは、一体的に回転する。
複数の接触ローラ226a〜226gの少なくとも一つが、タッチセンサ部210dの機能を備えてもよい。複数の接触ローラ226a〜226gの少なくとも一つが、ボール形状を有していいてもよい。
(2)第1、第2の実施形態および変形例1、2の要素を適宜組み合わせることもできる。
【0126】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の光照射型美容装置3を図10図12に基づき説明する。図10は、光照射型美容装置3を操作部312を正面に見た平面図である。図11は、図10のA−A断面を示す光照射型美容装置3の一部断面図である。図12は、図10のA−A断面を示し、角度変更が行われた後の光照射型美容装置3を模式的に示す模式図である。図12の破線は、ユーザの手を示している。
【0127】
以下、図1図9に示した第1および第2の実施形態や各変形例の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
【0128】
図10に示すように光照射型美容装置3は、光照射部20a、装置本体30(支持部材)およびヒンジ31を具備する。
【0129】
(光照射部20aについて)
光照射部20aは、図3に示した光照射部20の変形例であり、図11に示すように、光照射部20が備える通風孔210e、接触ローラ226の配置が変更されている。光照射部20aのこれら以外の構成および機能は、光照射部20と同様である。
【0130】
(装置本体30について)
装置本体30は、第1筐体部310(第1の本体部)および第2筐体部320(第2の本体部)を備える。装置本体30は、図1に示した装置本体10に対応する。
(第1筐体部310について)
第1筐体部310は、先端部310a、後端部310bを備える。第1筐体部310には、操作部312、冷却ファン314および制御基板315が配設される。
【0131】
先端部310aは、図1に示した先端部10aと対応する。先端部310aには、光照射部20aが着脱自在に装着(接続)される。ここでは図示を省略したが、先端部310aには、光照射部20aを保持するための保持機構や光照射部20aと電気的に接続される接触端子が設けられる。
【0132】
後端部310bは、対向面310cを備える。後端部310bには、ヒンジ接続部310dおよび通風孔310eが設けられる。後端部310bは、第2筐体部320との境界部に位置する。
【0133】
対向面310cは、第2筐体部320と対向している。対向面310cは、傾斜面であり、光照射部20aの肌接触面210aに対して所定の角度(例えば10度以上)傾いている。対向面310cは、操作部312に近い方の部位が肌接触面210aから最も遠く、冷却ファン314に向かって傾斜するに従って、肌接触面210aに近づいていく。
【0134】
ヒンジ接続部310dは、第2筐体部320に向かって対向面310cから突き出た部位である。ヒンジ接続部310dは、第2筐体部320に挿入される。ヒンジ接続部310dには、ヒンジ31の一部が取り付けられる。
【0135】
通風孔310eは、図1に示した通風孔10dに対応する。通風孔310eは、対向面310cから第1筐体部310の内部に向かう貫通孔である。通風孔310eには、光照射部20aが備えるキセノン管212を冷却するための風(図11中の「Air」参照)が通流する。
【0136】
通風孔310eは、風が通流する構成であれば、吸気孔として設けられても排気孔として設けられてもどちらでも差し支えない。
通風孔310eと第2筐体部320の間には、わずかに隙間が設けられている(図11中の符号「c」参照))。このため、通風孔310eが第2筐体部320によって塞がれてしまうことはない。
【0137】
操作部312、冷却ファン314および制御基板315は、図示はしないネジや接着剤、保持部などにより第1筐体部310に取り付けられる。この「保持部」は例えば、第1筐体部310内に設けられた柱310fや台座310gである。
【0138】
操作部312は、図1に示した操作部112と対応する。ここでは、操作部312は、メイン電源をONまたはOFFにするためのスイッチである。操作部312は、第1筐体部310の側面部(先端部310aと後端部310bを接続している部位)に設けられている。
【0139】
冷却ファン314は、図1に示した冷却ファン114に対応する。冷却ファン314は、キセノン管212を冷却するための風をおこす。
【0140】
制御基板315は、図1に示した制御基板130と対応する。制御基板315は、冷却ファン314の駆動、キセノン管212の発光を制御したり、ユーザによる操作部312の操作を検知したりする。
【0141】
(第2筐体部320について)
第2筐体部320は、先端部320a、後端部320bおよび側面部320c(把持部)を備える。第2筐体部320には、操作スイッチ322、コンデンサ323およびセンサ部324が配設される。第2筐体部320は、第1筐体部310の通風孔310eと対応する通風孔を備えることもできる。
【0142】
第2筐体部320は、ヒンジ31を介して第1筐体部310に取り付けられ、かつ第1筐体部310と相対的に回転する。換言すれば、第1筐体部310および第2筐体部320は、ヒンジ31によって互いに開閉可能に接続される。
【0143】
第2筐体部320の先端部320aから後端部320bまでの長さと、第1筐体部310の先端部310aから後端部310bまでの長さは略等しいことが望ましい。
【0144】
先端部320aは、対向面320dを備える。先端部320aには、ヒンジ収容部320e、ヒンジ接続部320f、スイッチ収容部320gおよび貫通孔320hが設けられる。先端部320aは、第1筐体部310との境界部に位置する。
【0145】
対向面320dは、第1筐体部310の対向面310cと対向している。対向面320dは、傾斜面であり、肌接触面210aに対して所定の角度(例えば10度以上)傾いている。
【0146】
ヒンジ収容部320eは、ヒンジ31を収容する空間である。ヒンジ収容部320eには、第1筐体部310のヒンジ接続部310dが配置される。
【0147】
ヒンジ接続部320fは、ヒンジ収容部320eに表面を露出させて設けられる。ヒンジ接続部320fは、ヒンジ収容部320eに設けられた柱状の部材またはヒンジ収容部320eを囲う壁面である。ヒンジ接続部320fには、ヒンジ31の一部が取り付けられる。
【0148】
スイッチ収容部320gは、操作スイッチ322を収容する空間である。スイッチ収容部320gは、対向面320dに設けられている。
【0149】
貫通孔320hは、対向面320dからヒンジ収容部320eに連通する。貫通孔320hを介して、第1筐体部310のヒンジ接続部310dがヒンジ収容部320e内に挿入される。
【0150】
後端部320bは図1に示した後端部10bと対応する。後端部320bには、端子部110が配置される。
【0151】
操作スイッチ322およびコンデンサ323は、図示はしないネジや接着剤、保持部などにより第2筐体部320に取り付けられる。この「保持部」は例えば、第2筐体部320内に設けられた柱320kや台座320mである。
【0152】
操作スイッチ322やコンデンサ323は、図示はしない配線によって、端子部110、第1筐体部310の制御基板315または光照射部20aのキセノン管212などと電気的に接続される。
【0153】
第2筐体部320から第1筐体部310への配線は、第1筐体部310と第2筐体部320の相対的な回転によって断線してしまわないように、例えば、ヒンジ31の近傍を通るように配設される。このような配線は、例えばノート型のパソコンなどで一般的に行われている。
【0154】
操作スイッチ322は、スイッチ収容部320gに設けられる。操作スイッチ322は、制御基板315と電気的に接続されている。操作スイッチ322は、第1筐体部310および第2筐体部320が相対的に回転することによって装置本体30に収容された状態(図11参照)または装置本体30から露出した状態(図12参照)が切り替えられる。
【0155】
図12に示すように、ユーザは、装置本体30から露出した状態の操作スイッチ322を例えば親指(図12の符号F参照)で押下することができる。操作スイッチ322が押下されるとキセノン管212が発光する。
【0156】
操作スイッチ322は、少なくとも操作スイッチ322の近傍の対向面320dと水平となるように配置される。上記したように、対向面320dは、肌接触面210aに対して傾斜しているので、操作スイッチ322もまた全体的に、肌接触面210aに対して所定の角度傾いている。
コンデンサ323は、キセノン管212の発光に必要な電力蓄積する。
【0157】
ヒンジ31は、基部31a、第1接続部31bおよび第2接続部31cを備える。
第1接続部31bおよび第2接続部31cは、基部31aの中心軸Pを回転軸として互いに相対的に回転可能なように基部31aに設けられる。
【0158】
ヒンジ31として、任意の角度で安定的に停止するヒンジを適用できる。このような機能を備えるヒンジは、例えば、トルクヒンジやフリーストップヒンジと呼ばれる。
【0159】
第1接続部31bは、第1筐体部310のヒンジ接続部310dに取り付けられる。第2接続部31cは、第2筐体部320のヒンジ接続部320fに取り付けられる。
第1接続部31bと第2接続部31cが相対的に、例えば90度回転した場合、これに対応して第1筐体部310と第2筐体部320も互いに相対的に90度回転する。
【0160】
なお、図11は、第1接続部31bと第2接続部31cが最も接近している状態を示しており、この状態のとき第1接続部31bに対する第2接続部31cの開き角度(回転方向の相対的な角度)は0度である。
【0161】
第1接続部31bに対する第2接続部31cの開き角度が大きくなるように、ユーザが、第1筐体部310および第2筐体部320に力を込めると、図12に示すように、第1筐体部310および第2筐体部320は、中心軸Pを回転軸として互いに相対的に回転する。
【0162】
ユーザが力を抜いた時点で、第1接続部31bおよび第2接続部31c(第1筐体部310および第2筐体部320)の回転が停止する。ヒンジ31は、次にユーザが第1筐体部310および第2筐体部320に力を込めるまで、ユーザが力を抜いた時点での第1接続部31bおよび第2接続部31c(第1筐体部310および第2筐体部320)の開き角度を保持する。
【0163】
なお、第1接続部31bおよび第2接続部31cは、図10の矢印Arの方向に回転しもよい。
【0164】
光照射型美容装置3が肌面上で押し引きされ、または、肌面に押し付けられているときには、第1接続部31bおよび第2接続部31cが互いに回転しない程度の回転方向の固さ(回転の抵抗の強さ)をヒンジ31が有することが望ましい。
【0165】
光照射型美容装置3が肌面上で押し引きされていることや肌面に押し付けられていることをセンサで検知し、ヒンジ31が回転しないようなロック機構を光照射型美容装置3が備えてもよい。ロック機構として、例えば、ソレノイドを用いた電磁弁によってヒンジ31の回転を阻害する機構が考えられる。
【0166】
センサ部324は、第1接続部31bと第2接続部31cの開き角度を検知するためのポジションセンサーである。
センサ部324は、検知結果(例えば、角度の値を示すデジタル信号や、電流や電圧によるアナログ信号)を制御基板315に出力する
【0167】
センサ部324は、例えば、ロータリーエンコーダを有する。ロータリーエンコーダは、ヒンジ31に取り付けられ、第1接続部31bを基準とした第2接続部31cの回転角度を検知する。
【0168】
センサ部324は、照度センサを有してもよい。照度センサは、例えば、ヒンジ収容部320e内の照度を計測する。計測された照度は、第1筐体部310と第2筐体部320の開き角度に換算される。
【0169】
センサ部324は、第1接続部31bと第2接続部31cの開き角度ではなく、第1筐体部310と第2筐体部320の開き角度を検知してもよい。センサ部324としてホールセンサを有してもよい。
【0170】
(制御基板315について)
次に、図13を用いて制御基板315の機能について説明する。図13は、制御基板315の機能ブロック図である。制御基板315は、図1に示した制御基板130と対応する。
【0171】
制御基板315は、メモリ部131、検知制御部132、ファン制御部133、電圧変換部134および発光制御部316(発光パターン切り替え部)を有する。
これらの機能は、回路素子(例えば、演算用、メモリ用ICチップ、抵抗素子、コンデンサ、コイル素子)によって形成される制御回路によって実現される。
【0172】
発光制御部316は、発光制御部135と対応する。発光制御部316は、センサ部324から出力された演算結果に基づいて第1接続部31bと第2接続部31c(または第1筐体部310と第2筐体部320)の開き角度を演算する。
【0173】
この演算の一例は、メモリ部131に記憶された変換テーブルを参照して、センサ部324から出力された検知結果(例えば、電流値、電圧値または照度の値)を角度に換算することである。検知結果が角度の値を示すデジタル信号の場合、この換算の工程を省略することができる。
【0174】
発光制御部316は、開き角度に対応させてキセノン管212の発光パターンを切り替える。
【0175】
(発光パターンの例)
(1)第1の発光パターン(開き角度:0度)
図11に示すように第1接続部31bと第2接続部31cの開き角度が0度の場合、発光制御部316は、第1、第2の実施形態または各変形例と同様の発光パターンとなるようにキセノン管212を発光させる。すなわち、発光制御部316は、接触ローラ226の回転に対応させてキセノン管212を発光させる。
【0176】
(2)第2の発光パターン(開き角度:45度以上)
図12に示すように第1接続部31bと第2接続部31cの開き角度が45度以上の場合、発光制御部316は、接触ローラ226の回転に対応させてキセノン管212を発光させることはせず、操作スイッチ322が押下されたときのみキセノン管212を発光させる。この場合、操作スイッチ322が1回押下されるとキセノン管212は1回発光する。
【0177】
(3)第3の発光パターン(開き角度:0度より大きく45度より小さい)
第1接続部31bと第2接続部31cの開き角度が0度より大きく45度より小さい場合、発光制御部316は、接触ローラ226の回転に対応させてキセノン管212を発光させることはせず、操作スイッチ322が押下されたときに連続的にキセノン管212を発光させる。この場合、操作スイッチ322が1回押下されるとキセノン管212は複数回発光する。
【0178】
(4)発光パターンの変形例
キセノン管212を第1の発光パターンで発光させる条件となる開き角度は、0度に限定されず、例えば0度以上15度以下の場合、キセノン管212を第1の発光パターンで発光させるように構成してもよい。
【0179】
開き角度に対応するパターンを更に細かく区分してもよい。更に細かく区分されたパターンは、発光から次の発光までの間隔、発光回数またはキセノン管212の発光強度を異ならせることで差別化できる。
【0180】
キセノン管212の発光強度を異ならせる場合、例えば、第1のパターンなら、他の発光パターンよりも弱くなり、第2の発光パターンなら発光パターンの中の一番強くなり、第3の発光パターンなら中間の強さとなるようにキセノン管212が制御される。
【0181】
また、操作スイッチ322が押されている期間中は、キセノン管212が連続発光(連続的に点滅を繰り返す)し、操作スイッチ322が押されなくなったらキセノン管212の発光を停止するようにしてもよい。
【0182】
また、操作スイッチ322が押されている期間中に接触ローラ226が回転したことに対応してキセノン管212を発光させるようにしてもよい。
【0183】
なお、上記したパターンのいずれにおいても、光照射部20aの開口210bの周りにユーザの肌面が接触していない場合には、キセノン管212を発光させないことが望ましい。
【0184】
(効果について)
以上のように構成された光照射型美容装置3によれば、除毛処理の際の操作の煩わしさを低減させることができる。
【0185】
(具体例)
(1)図11に示すように第1接続部31bと第2接続部31cの開き角度が0度の状態の光照射型美容装置3によれば、第1および第2の実施形態や各変形例と同様の効果を得ることができる。
【0186】
(2)光照射型美容装置3によれば、ヒンジ31によって、除毛処理を行いたい部位に合わせて、第1筐体部310および第2筐体部320の開き角度をユーザが一番持ちやすい角度に調整することができる(除毛処理における操作性の向上)。
【0187】
除毛処理対象の肌面に効果的にキセノン管212の光を照射するには、この肌面に対して光照射部20aの開口210bが可能な限り水平の状態で当接されることが望ましい。このように当接する場合、必然的に第1筐体部310と肌面がなす角度は略直角となる。
【0188】
肩や肘の上げ下げや曲げ伸ばし、手首の回転によって第1筐体部310と肌面がなす角度を直角にすることは容易であるが、人体は、曲面を多く有しており、また、除毛対象の肌面の肩からの距離もまちまちであるので、ユーザが除毛を行いたいと思う部位によっては肩、肘や手首に負担が掛かることがある。
【0189】
したがってユーザが除毛を行いたいと思う部位によっては、図11に示すように、第1筐体部310および第2筐体部320が直線状(第1筐体部310および第2筐体部320の開き角度が略180度)に配列されていた方が、肘や手首の負担が少ない場合や図12に示すように、第1筐体部310と第2筐体部320が相対的に回転していた方が肩や肘や手首の負担が少ない場合がある。
【0190】
例えば、脚や腕など身体の他の部位に比べて平坦な面が長く続き、光照射型美容装置3を持つ方の肩からの距離が遠い部位の除毛を行うときには、第1筐体部310および第2筐体部320が直線状に配列されていた方が、肩や肘や手首の負担が少なく、光照射型美容装置3の操作性が良い場合が多い。
【0191】
脇や顔など、脚や腕などと比べて面積が狭く、また、光照射型美容装置3を持つ方の肩からの距離が脚や腕などと比べて近い部位の除毛を行うときには、第1筐体部310に対して第2筐体部320が回転していた方が、肩や肘や手首の負担が少なく、光照射型美容装置3の操作性が良い場合が多い。
【0192】
また、背中や首筋など、ユーザにとって死角になる部位の除毛を行うときにも第1筐体部310に対して第2筐体部320が回転していた方が、肩や肘や手首の負担が少なく、光照射型美容装置3の操作性が良い場合が多い。
【0193】
光照射型美容装置3によれば、除毛処理対象の肌面の位置に対応させて第1筐体部310に対する第2筐体部320の角度を可変させることができるので、操作性の良い状態で身体のさまざまな部位に対して除毛処理を施すことができる。
操作性を良くすることでユーザが除毛処理を煩雑に思うことを防止することができる。
【0194】
(3)光照射型美容装置3によれば、図12に示すように、第1筐体部310と第2筐体部320が相対的に回転している場合、操作スイッチ322が露出する。操作スイッチ322は、第2筐体部320に配置され、ユーザの指の近くに位置するので、ユーザは操作スイッチ322を容易に押下できる。
【0195】
また、すでに述べたように、操作スイッチ322は、全体的に、肌接触面210aに対して所定の角度傾いている。この傾きによって、操作スイッチ322が、ユーザの指に当たりやすくなり、押下しやすくなる。
【0196】
(4)光照射型美容装置3によれば、第1接続部31bに対する第2接続部31cの開き角度に対応して、キセノン管212の発光パターンを切り替えるので、ボタン操作によりユーザが発光パターンを切り替えなくてよい。この結果、キセノン管212の発光パターンの切り替えに係る操作性が向上する。
【0197】
(5)光照射型美容装置3によれば、通風孔310eが第1筐体部310の対向面310cを含む後端部310bに設けられており、例えば、図11に示すように、第1筐体部310および第2筐体部320が直線状に配列されている場合、第2筐体部320の先端部320aによって、ユーザの指が触れないようにカバーされる。
【0198】
このため、第1筐体部310内のエアフローがユーザの指によって阻害されることを防止することができる。キセノン管212の冷却を安定して行うことができる。
【0199】
すでに述べたとおり、通風孔310eと第2筐体部320の間には、わずかに隙間が設けられている。このため、通風孔310eが第2筐体部320によって塞がれてしまうことはない。
【0200】
(6)対向面310cは、図12に示すように、第2筐体部320を把持したユーザの指(例えば、図12の親指F)から離れるように傾斜している。このため、通風孔310eがユーザの指によって塞がれてしまうことを防止することができる。
【0201】
結果として、第1筐体部310内のエアフローがユーザの指によって阻害されることを防止することができる。キセノン管212の冷却を安定して行うことができる。
(変形例3)
【0202】
以上、第3の実施形態の光照射型美容装置3について説明した。光照射型美容装置3は種々の変形が可能である。
【0203】
例えば、ヒンジ31として、段階的に角度が変更できるクリックヒンジを採用してもよい。
例えば、装置本体30と光照射部20aを一体形成してもよい。
キセノン管212の発光の代わりにレーザーで体毛を除去してもよい。
光照射部20aが、例えばペルチェ素子を有し、肌面を温めたり、冷却したりしてもよい。接触ローラ226は、例えば、円柱形状、多角柱形状または球形状のいずれかの形状を有してもよい。
【0204】
光照射部20aが電極を有し、筋肉を運動させることを目的として肌面に電流を流し、筋肉を強制的に収縮運動させるように構成してもよい。電流による筋肉の強制的な収縮運動をElectrical Muscle Stimulation(EMS)と呼ぶ。電流は交流であることが望ましく、周波数は特に限定されない。
【0205】
また、第1〜3の実施形態および各変形例の要素を適宜組み合わせたり、いくつかの構成を省略したりすることもできる。
【符号の説明】
【0206】
1、2、3…光照射型美容装置、10、30…装置本体、20、20a…光照射部、31…ヒンジ、110…端子部、112、312…操作部、114、314…冷却ファン、130、315…制御基板、131…メモリ部、132…検知制御部、133…ファン制御部、134…電圧変換部、135、316…発光制御部、210…筐体、212…キセノン管、213…保持部、214…透過ガラス、216…装飾ローラ、220…接触ローラ部、221…基板、222,223…軸保持台、224…装飾ローラ軸、225…接触ローラ軸、226…接触ローラ、227…接触ローラギア、228…装飾ローラギア、230…検知部、231…保持部、232a,232b…検知対象、233,333a,333b…センサ、310…第1筐体部、320…第2筐体部、322…操作スイッチ、323…コンデンサ、324…センサ部、330…検知部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13