特許第6502372号(P6502372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6502372
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】埋込み型外科用締結装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/03 20060101AFI20190408BHJP
   A61B 17/04 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
   A61B17/03
   A61B17/04
【請求項の数】20
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-554310(P2016-554310)
(86)(22)【出願日】2014年11月3日
(65)【公表番号】特表2016-540615(P2016-540615A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】US2014063651
(87)【国際公開番号】WO2015073241
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2017年9月4日
(31)【優先権主張番号】14/082,432
(32)【優先日】2013年11月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512080321
【氏名又は名称】エシコン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】タンハウザー・ロバート・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】スクラ・エミル・リチャード
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0256375(US,A1)
【文献】 特表2012−512715(JP,A)
【文献】 特表2007−518446(JP,A)
【文献】 特表2013−531510(JP,A)
【文献】 特表2007−530140(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0172088(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0190817(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 − 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用締結装置であって、
上面及び底面を有する圧縮性部材と、
前記圧縮性部材内に少なくとも部分的に配設され、上部、及び前記上部から遠位方向に延出する少なくとも1つの細長い穿刺部材を有する、締結要素と、を備え、
前記穿刺部材が前記圧縮性部材内に少なくとも部分的に収容されるように、前記締結要素が、前記圧縮性部材内に位置し、それにより、前記締結装置に加えられた力が、前記少なくとも1つの穿刺部材を、前記圧縮性部材から少なくとも部分的に外に延出させて組織に係合させ
前記圧縮性部材の前記上面近傍において、上部開口部を有する空洞が形成されており、前記穿刺部材が前記圧縮性部材内に少なくとも部分的に収容されている際に、前記締結要素の前記上部が前記圧縮性部材の前記空洞内に位置することで、前記外科用締結装置を使用する外科医が、前記圧縮性部材の前記空洞内に位置する前記締結要素の前記上部を上方から目視しつつ、前記外科医の指で前記締結要素の前記上部を押すことができるようになっている、外科用締結装置。
【請求項2】
前記締結要素が、架橋部材によって接続された2つの細長い穿刺部材を有する、請求項1に記載の締結装置。
【請求項3】
前記圧縮性部材が、吸収性ポリマー発泡体を含む、請求項1に記載の締結装置。
【請求項4】
前記圧縮性部材が、吸収性ヒドロゲルを含む、請求項1に記載の締結装置。
【請求項5】
前記圧縮性部材が、略円筒形の構成を有する、請求項1に記載の締結装置。
【請求項6】
前記締結要素が、吸収性ポリマーを含む、請求項1に記載の締結装置。
【請求項7】
前記圧縮性部材が、ポリオキサエステル、グリコリド、L(−)−ラクチド、D(+)−ラクチド、メソ−ラクチド、炭酸トリメチレン、p−ジオキサノン、及びε−カプロラクトンのホモポリマー、並びにそれらのコポリマーから作製された、発泡体またはヒドルゲルである、請求項に記載の締結装置。
【請求項8】
少なくとも1つの追加の締結部材を備える、請求項1に記載の締結装置。
【請求項9】
前記吸収性ポリマーが、グリコリド、L(−)−ラクチド、D(+)−ラクチド、メソ−ラクチド、炭酸トリメチレン、p−ジオキサノン、及びε−カプロラクトンのホモポリマー、並びにそれらの対応するコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項6に記載の締結装置。
【請求項10】
前記圧縮性部材が、輪状構成を有する、請求項1に記載の締結装置。
【請求項11】
前記構成が、略円形である、請求項10に記載の締結装置。
【請求項12】
前記構成が、略楕円形である、請求項10に記載の締結装置。
【請求項13】
前記圧縮性部材の前記空洞が略半球形である、請求項1に記載の締結装置。
【請求項14】
組織修復メッシュと、請求項1に記載の外科用締結装置と、を備える、組み合わせ。
【請求項15】
前記締結要素の前記上部に取り付けられたヘッド部材を更に備える、請求項1に記載の締結装置。
【請求項16】
前記ヘッド部材が、ディスク状形状を有する、請求項15に記載の締結装置。
【請求項17】
請求項1に記載の締結装置と、外科用縫合糸と、を備える、組み合わせ。
【請求項18】
前記縫合糸が、少なくとも一方の端に取り付けられた外科用針を有する、請求項17に記載の組み合わせ。
【請求項19】
前記ポリマーが、85/15ポリ[L(−)ラクチド−コ−グリコリド]を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項20】
前記縫合糸が、少なくとも1つの逆棘を更に備える、請求項17に記載の組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が関連する技術分野は、医療装置、より具体的には、外科的処置において使用するための外科用締結装置である。
【背景技術】
【0002】
本外科用締結装置は、様々な重要機能を果たすために、従来の外科的処置において使用される。これらの機能は、軟組織近置、骨近置、臓器の固定又は修復、及びメッシュなどの医療装置の組織への固定を含み得る。かかる外科的処置において使用される様々な型の従来の固定装置としては、縫合糸、ステープル、ねじ、及びタックが挙げられる。タックは、外科的処置において特定の実用性を提供するいくつかの利点を有する。利点としては、移植の簡易性及び迅速性、最小侵襲性の処置で容易に埋植される性能、保持力などが挙げられる。外科用タックは、ヘルニア欠陥の修復をもたらすために、ヘルニア修復メッシュを腹膜又は他の体組織に固定する必要がある、ヘルニア修復処置において特に有用である。タックは、いくつかの構成を有し得るが、特に有用な構成は、遠位穿刺部材を持つ2つの脚を有する、ストラップ型タックであり、これらの脚は、近位ストラップ部材によって接続される。他の変形形態としては、ヘッド及び遠位方向に延出する穿刺部材を有するタックが挙げられる。これらのタックは、典型的には、外科医によってヘルニア修復メッシュの周縁の周りに発射又は分配される複数のタックを装填された、タック付与器具によって分配される。典型的には、従来の外科用タックは、タック付与器具なしに分配することができない。更に外科医は、メッシュを組織に締結させるために1つ又は2つのタックのみを必要とし得るが、典型的には、従来のタック付与器具は、複数のタックで充填されている。タック付与器及びタックは、吸収性タックを使用するときに再滅菌することができないため、未使用のタックは廃棄される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
当該技術分野において既知の外科用タック及びタック付与器は、それらの意図される目的及び用途に適切であるが、この技術分野では、改善された外科用タックが常に必要とされている。特に、外科医によってタック付与器具なしに容易に付与され得る個片化タックが、組織修復処置において有用な付属物であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、新規の埋込み型外科用締結装置が開示される。本締結装置は、上面及び底面を有する圧縮性収容部材を有する。締結又はタック要素は、圧縮性収容部材内に少なくとも部分的に配設される。締結又はタック要素は、上部、及びその上部から遠位方向に延出する少なくとも1つの細長い穿刺部材を有する。締結又はタック要素は、圧縮性収容部材内に位置し、それにより、少なくとも1つの穿刺部材は、圧縮性収容部材内に少なくとも部分的に収容される。タック装置に加えられる力は、1つ又は2つ以上の穿刺部材を、圧縮性収容部材から少なくとも部分的に外に延出させて組織に係合させる。
【0005】
本発明の別の態様は、外科的処置を行う、例えば、組織欠陥を修復する方法である。最初に、埋込み型外科用締結装置が提供される。本締結装置は、上面及び底面を有する圧縮性収容部材を有する。締結又はタック要素は、圧縮性収容部材内に少なくとも部分的に配設される。締結要素は、上部、及びその上部から遠位方向に延出する少なくとも1つの細長い穿刺部材を有する。締結要素は、圧縮性収容部材内に位置し、それにより、少なくとも1つの穿刺部材が、圧縮性収容部材内に少なくとも部分的に収容され、タック装置に加えられる力は、穿刺部材を圧縮性収容部材から少なくとも部分的に外に延出させて組織に係合させる。次に、装置の底面を組織又は医療装置に当てて、締結装置の上部に力を加えることによって、締結装置を組織に適用し、それによって、1つ又は2つ以上の遠位穿刺部材を、圧縮性収容部材から少なくとも部分的に脱出させて下層組織に係合させる。
【0006】
本発明の更に別の態様は、前述の外科用締結装置と、外科用針及び縫合糸との組み合わせ、並びに該組み合わせを使用する方法である。
【0007】
本発明のこれら及び他の態様並びに利点は、以下の記載及び添付の図面からより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明の外科用締結装置が取り付けられた組織修復メッシュ埋植片の底側を図示する斜視図である。
図1B図1Aの外科用締結装置の斜視図であり、この外科用締結装置は、架橋部材によって接続された2つの細長い穿刺部材を有する締結又はタック要素を有するように見られる。
図1C】展開前位置にある装置を示す、視線1−1に沿ってとられた図1Aの外科用締結装置の部分断面図を図示する。
図1D】外科医の親指が装置の上部を係合させ、タック要素の穿刺部材を下層組織中に部分的に打ち込んでいる、組織の上に位置付けられた図1Cの外科用締結装置を図示する。
図1E】本発明の外科用締結装置を用いて組織に隣接した体壁欠陥の上の所定位置に取り付けられた、図1Aのヘルニアメッシュ埋植片の斜視図であり、穿刺部材は、体壁組織中に延出し、それに係合するように見られる。
図2A】本発明の固定外科用締結装置が取り付けられた組織メッシュ埋植片の底側を図示する斜視図である。
図2B図2Aの固定外科用締結装置の斜視図であり、この外科用締結装置は、上部ヘッド部材から延出する細長い穿刺部材を有する締結又はタック要素を有するように見られる。
図2C】展開前位置にある装置を示す、視線2−2に沿ってとられた図2Aの外科用締結装置の部分断面図を図示する。
図2D】外科医の親指が装置の上部を係合させ、タック要素の穿刺部材を下層組織中に部分的に打ち込んでいる、組織の上に位置付けられた図2Cの外科用締結装置を図示する。
図2E】本発明の外科用締結装置を用いて組織に隣接した体壁欠陥の上の所定位置に取り付けられた、図2Aの組織修復メッシュ埋植片の部分斜視断面斜視図であり、穿刺部材は、体壁組織中に延出し、係合するように見られる。
図3A】本発明の外科用締結装置の代替実施形態が取り付けられた組織修復メッシュ埋植片の底側を図示する斜視図であり、この外科用締結装置は、楕円形の輪状構成を有し、複数の締結又はタック要素を有するように見られる。
図3B図3Aの外科用締結装置の拡大部分断面図である。
図3C】展開前位置にある装置を示す、視線3−3に沿ってとられた図3Aの装置の部分断面図を図示する。この締結装置は、複数の締結又はタック要素を有するように見られ、各タック要素は、架橋部材によって接続された2つの細長い穿刺部材を有する。
図3D】外科医の親指が、タック要素に隣接した装置の上部を係合させ、タック要素の穿刺部材を下層組織中に部分的に打ち込んでいる、組織の上に位置付けられた図3Cの外科用締結装置を図示する。
図3E図3Aの外科用締結装置を用いて組織に隣接した体壁欠陥の上の所定位置に取り付けられた、図3Aの組織修復メッシュ埋植片の部分断面斜視図であり、穿刺部材は、下層組織中に延出し、係合するように見られる。
図4A】本発明の外科用締結装置の代替実施形態が取り付けられたヘルニアメッシュ埋植片の底側を図示する斜視図であり、この装置は、楕円形の輪状構成を有し、複数の締結又はタック要素を有するように見られる。
図4B図4Aの装置の拡大部分断面図である。
図4C】展開前位置にある装置を示す、視線4−4に沿ってとられた図4Aの外科用締結装置の部分断面図を図示し、この外科用締結装置は、それぞれが上部ヘッド部材から延出する単一の細長い穿刺部材を有する、複数の締結又はタック要素を有するように見られる。
図4D】外科医の親指が、タック要素に隣接した装置の上部を係合させ、タック要素の穿刺部材を下層組織中に部分的に打ち込んでいる、組織の上に位置付けられた、図4Cの外科用締結装置を図示する。
図4E図4Aの外科用締結装置を用いて組織に隣接した体壁欠陥の上の所定位置に取り付けられた、図4Aの組織修復メッシュ埋植片の部分断面斜視図であり、穿刺部材は、下層組織中に延出し、係合するように見られる。
図5】本発明の外科用締結装置の斜視図であり、外科用縫合糸及び針が装置に取り付けられている。
図6】組織内の創傷又は切創を修復するための外科的処置において用いられる、図5の外科用針、外科用縫合糸、及び締結装置の組み合わせを図示する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の新規の埋込み型外科用締結装置は、埋植に好適な種々の生体適合性材料から作製されてもよい。これらの材料としては、生体適合性非吸収性材料、及び生体適合性吸収性材料が挙げられる。本発明の埋込み型タック装置を、生体適合性吸収性材料から製造することが特に好ましい。本明細書に記載されるタック装置は、収容部材で少なくとも部分的に収容される締結又はタック要素を有する。
【0010】
本発明のタック部材は、種々の吸収性ポリマーから作製されてもよい。それらは、グリコリド、L(−)−ラクチド、D(+)−ラクチド、メソ−ラクチド、炭酸トリメチレン、p−ジオキサノン、及びε−カプロラクトンのホモポリマー、並びに任意の比率でのそれらの対応するコポリマーを含む。コポリマーという用語は、制限なしに、複数のモノマー型によって作製されたポリマーを含むことが理解される。本発明のタック部材はまた、前述のホモポリマー及びコポリマーのブレンドで作製されてもよい。ポリ(p−ジオキサノン)及びラクチドの豊富なラクチド/グリコリドコポリマーのブレンド、特に85/15ポリ[L(−)ラクチド−コ−グリコリド]が特に実用的である。
【0011】
本発明の締結装置の収容部材は、例えば、ポリオキサエステル、グリコリド、L(−)−ラクチド、D(+)−ラクチド、メソ−ラクチド、炭酸トリメチレン、p−ジオキサノン、及びε−カプロラクトンのホモポリマー、並びに任意の比率でのそれらの対応するコポリマーから作製された、発泡体又はヒドロゲルであってもよい。以下の吸収性ポリマー、すなわち、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、炭酸トリメチレン、ポリオキサエステル、及び前述のポリマーのうちの1つ又は2つ以上の任意の対応するコポリマーが有用である。軟性であるが弾性の収容部材を製造するために十分低いガラス転移温度を有する、対応するポリマー及びコポリマーが特に実用的である。寸法安定性を有するポリマー及びコポリマーが更に実用的である。ガラス転移温度を有するポリマー及びコポリマー中の寸法安定性を達成する1つの方法は、結晶化による。
【0012】
本発明の新規の埋込み型締結装置は、従来の製造プロセス及び加工設備を使用して作製されてもよい。これらのプロセスは、成形、鋳造、凍結乾燥、切断、刻印、機械加工など、及びそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0013】
本発明の埋込み型締結装置は、例えば、予備成形されたタックを凍結乾燥された発泡体部材又はヒドロゲル部材中に埋め込む、固定タックを収容する成形型に発泡体又はヒドロゲルを入れて鋳造するなどの、従来のプロセスにおいて作製され、組み立てられてもよい。
【0014】
ヘルニア修復などの組織修復処置において特定の実用性を有するストラップ状外科用タックは、譲受人共通の米国特許出願第12/464143号において開示され、参照により組み込まれる。
【0015】
図1A〜Eを参照すると、本発明の新規の外科用埋込み型締結装置10が見られる。装置10は、固定締結具又はタックとして機能する。締結装置10は、締結又はタック要素20、及び収容部材80を有するように見られる。タック要素20は、下向きに延出する脚部材30の対を有するように見られる。脚部材30は、近位端32及び遠位端34を有するように見られる。遠位端34から延出しているのは穿刺点50である。穿刺点50は、遠位穿刺点52及び逆棘54を有するように見られる。穿刺点50は、二重又は複数の逆棘、リッジ、フック、歯などを含む他の従来の構成を有してもよい。横部材40は、脚部材30の間に延出し、近位端32において脚部材30に接続するように見られる。脚部材30及び横部材40は、正方形、矩形、円形、楕円形、多角形、それらの組み合わせなどを含む種々の断面を有してもよい。脚部材30は、直線状、曲線状、又は角張りであってもよい。同様に、横部材40は、直線状、曲線状、又は角張りであってもよい。埋込み型タック装置10は、収容部材80によって部分的に収容されるように見られる。収容部材80は、実質的に半球又はドーム形の構成を有するように見られるが、円筒形、立方体、円錐台形、プリズム、ロンビック、ピラミッド、球形、それらの組み合わせなどを含む他の幾何形状を有してもよい。部材80は、上側82及び底側84を有するように見られる。好ましくは、底側84は平坦であるが、所望に応じて曲線状、角張りであってもよい。収容部材80はまた、空洞90を含む上区分85を有するようにも見られる。空洞90は、側壁92によって結合され、底区分94を有する略半球形の構成を有するように見られる。空洞90は、上部開口部95を有するように見られる。空洞90は、円筒形、半立方体などを含む他の幾何構成を有してもよい。タック要素20は、収容部材80内に取り付けられ、それにより、脚部材32の遠位端34及び穿刺点50は、部材80内に収容されるが、脚部材30の近位端及び横部材40は、空洞90内に収容される。所望に応じて、図示されていないが、脚部材30の全長が部材80内に収容されて、横部材40のみが空洞90内に位置付けられてもよく、又は締結若しくはタック要素20全体が収容部材80内に収容されて、空洞90内に要素20の区分若しくは部分がなくてもよい。更に、任意選択で空洞90は、装置10から排除されてもよい。収容部材80は、タック要素20の穿刺点50が収容部材80の底部84又は側部から外に延出するのを可能にする、圧縮性材料である。
【0016】
ヘルニアなどの体壁内の組織欠陥を修復するのに有用な組織欠陥修復メッシュ70は、図1A〜Eに図示されている。メッシュ70は、底側71、上側72、及び外周73を有しているように見られる。腹部体壁内のヘルニア組織欠陥の概略もまた、図1Eに図示されている。欠陥60は、体壁62を通して延出する開口部61を有するように見られる。下層内臓63は、体壁欠陥60の下に図示される。また、体壁62の内側上の腹膜内部64及び外皮層65も見られる。
【0017】
本発明の埋込み型外科用締結装置は、以下の方法で使用されてもよい。外科医又は助手は、滅菌パッケージから装置10を取り出す。図1A〜Eを参照すると、装置10は外科医によって把持され、それにより、外科医の指のうちの1本、例えば親指77又は他の指が、収容部材80及び横部材40の上区分85を係合させる。次に外科医は、要素80の底側84が組織又は医療装置、例えば組織壁62と接触しているヘルニアメッシュ装置70と接触するように、装置10を位置付ける。次に外科医は、装置10の上部を親指77などの指で手動で押して横部材40を係合させ、収容部材80を少なくとも部分的に圧縮又は変形させ、タック要素20の脚30及び穿刺点50が部材80の底側84を通って移動してそこから少なくとも部分的に脱出して、メッシュ70及び腹膜64を穿孔するのを可能にし、それにより、穿刺点50及び脚部材30の少なくとも遠位区分34が体壁62の組織内に定着する。図1Aに見られるように、本発明の4つの装置10を使用して、メッシュ70を腹膜64及び体壁62に固定又は締結させる。外科医による所望に応じて、又は欠陥60を修復するためにメッシュ70を更に固定する必要に応じて、追加の締結装置10は、メッシュ70の周縁73に設置されてもよい。代替として、装置10を使用して、メッシュ70を欠陥60に隣接した体壁62の腹膜表面64上の所定位置に「タック」し又は位置付けてもよく、外科医が、従来のタッキング装置並びにタック及び/又は縫合糸を使用して、組織欠陥60を修復するために、体壁62へのメッシュ70の貼付を完了させてもよい。
【0018】
本発明の新規の外科用埋込み型締結又はタック装置110の代替実施形態は、図2A〜Eに見られる。装置110は、固定締結具又はタックとして機能する。タックデバイス110は、締結又はタック要素120及び収容部材180を有するように見られる。締結又はタック要素120は、下向きに延出する脚部材130を有するように見られる。脚部材130は、近位端132及び遠位端134を有するように見られる。遠位端134から延出しているのは穿刺点150である。穿刺点150は、遠位穿刺点152、及び1つ又は2つ以上の逆棘154を有するように見られる。穿刺点150は、単一又は複数の(すなわち、2つを超える)逆棘、リッジ、フック、歯などを含む他の従来構成を有してもよい。タックヘッド部材140は、脚部材130の近位端132に取り付けられたディスク状部材であるように見られ、それにより、脚部材130は、タックヘッド部材140の底側141から離れて延出する。脚部材130は、正方形、矩形、円形、楕円形、多角形、それらの組み合わせなどを含む種々の断面を有してもよい。タックヘッド部材140は、正方形、楕円形、円形、矩形などを含む種々の形状を有してもよい。タックヘッド部材140の上側142は、隆起(例えば、曲線状)、凸状、凹状、又は平坦であってもよい。脚部材132は、直線状、曲線状、又は角張りであってもよい。埋込み型締結又はタック装置110は、収容部材180によって部分的に収容されるように見られる。収容部材180は、実質的に半球又はドーム形の構成を有するように見られるが、円筒形、立方体、円錐台形、プリズム、ロンビック、ピラミッド、球形、それらの組み合わせなどを含む他の幾何形状を有してもよい。部材180は、上側182及び底側184を有するように見られる。好ましくは、底側184は平坦であるが、所望に応じて曲線状、角張りなどであってもよい。収容部材180はまた、空洞190を含む上区分185を有するようにも見られる。空洞190は、側壁192によって結合され、底区分194を有する略半球形の構成を有するように見られる。空洞190は、上部開口部195を有するように見られる。空洞90は、円筒形、半立方体などを含む他の幾何構成を有してもよい。タック要素120は、収容部材180内に取り付けられ、それにより、脚部材130の遠位端134及び穿刺点150は、部材180内に収容されるが、脚部材130及びタックヘッド部材140の近位端は、空洞190内に収容される。所望に応じて、図示されていないが、脚部材130の全長が部材180内に収容されて、タックヘッド部材140のみが空洞190内に位置付けられてもよく、又はタック要素120全体が部材180内に収容されて、空洞190内にタック要素120の区分若しくは部分がなくてもよい。更に、任意選択で空洞190は、装置110から排除されてもよい。収容部材180は、タック要素120の穿刺点150が収容部材180の底部184又は側部から外に延出するのを可能にする、圧縮性材料である。
【0019】
ヘルニアなどの体壁内の組織欠陥を修復するのに有用な組織欠陥修復メッシュ70は、図2A〜Eに図示されている。メッシュ70は、底側71、上側72、及び外周73を有するように見られる。腹部体壁内のヘルニア組織欠陥の概略もまた、図2A〜Eに図示される。欠陥60は、体壁62を通して延出する開口部61を有するように見られる。下層内臓63は、体壁欠陥60の下に図示される。また、体壁62の内側上の内部腹膜64及び外皮層65も見られる。
【0020】
本発明の埋込み型外科用締結又はタック装置110は、以下の方法で使用されてもよい。外科医又は助手は、滅菌パッケージから装置110を取り出す。図2A〜Eを参照すると、装置110は外科医によって把持され、それにより、外科医の指のうちの1本、例えば親指77又は他の指が、収容部材180及び横部材140の上区分185を係合させる。次に外科医は、収容要素180の底側184が組織又は医療装置、例えば組織壁62と接触しているヘルニアメッシュ装置70と接触するように、装置110を位置付ける。次に外科医は、装置110の上部を親指77などの指で手動で押し、タックヘッド部材140を係合させ、収容部材180を少なくとも部分的に圧縮又は変形させ、タック要素120の脚130及び穿刺点150が部材180の底側184を通って移動してそこから少なくとも部分的に脱出して、メッシュ70及び腹膜64を穿孔するのを可能にし、それにより、穿刺点150及び脚部材130の少なくとも遠位区分134が体壁62の組織内に定着する。図2Aに見られるように、本発明の4つの装置110を使用して、メッシュ70を腹膜64及び体壁62に固定又は締結させる。外科医による所望に応じて、又は欠陥60を修復するためにメッシュ70を更に固定する必要に応じて、追加の締結又はタック装置110は、メッシュ70の周縁73に設置されてもよい。代替として、装置110を使用して、メッシュ70を欠陥60に隣接した体壁62の腹膜表面64上の所定位置に「タック」し又は位置付けてもよく、外科医が、従来のタッキング装置並びにタック及び/又は縫合糸を使用して、組織欠陥60を修復するために、体壁62へのメッシュ70の貼付を完了させてもよい。
【0021】
複数の締結又はタック要素220を収容する、本発明の締結又はタック装置の代替実施形態210は、図3A〜3Eに見られる。埋込み型タック装置210は、環形又は輪形の収容部材280を有するように見られる。収容部材280は、上側282及び底側284を有するように見られる。好ましくは、底側284は平坦であるが、所望に応じて曲線状、角張りなどであってもよい。収容部材280は、楕円形の開口部289を持つ、略楕円形状を有するように見られる。収容部材280は、円形、正方形、矩形などを含む他の形状、及びそれらの組み合わせを有してもよく、開口部289も同様の形状であってもよい。収容部材280は、略矩形の断面を有するように見られるが、円形、長円形、半円形、正方形、楕円形、矩形、多角形、曲線状、それらの組み合わせなどの他の幾何断面を有してもよい。収容部材280はまた、複数の空洞290を収容する上区分285を有するようにも見られる。各空洞290は、側壁292によって結合され、底区分294を有する略半球形の構成を有するように見られる。各空洞290は、上部開口部195を有するように見られる。空洞190は、円筒形、半立方体などを含む他の幾何構成を有してもよい。締結又はタック装置210は、収容部材280に取り付けられた締結又はタック要素220を有するように見られる。各タック要素220は、下向きに延出する脚部材230の対を有するように見られる。脚部材230は、近位端232及び遠位端234を有するように見られる。遠位端234から延出しているのは穿刺点250である。穿刺点250は、遠位穿刺点252及び逆棘254を有するように見られる。穿刺点250は、二重又は複数の逆棘、リッジ、フック、歯などを含む他の従来構成を有してもよい。横部材240は、脚部材230の間に延出し、近位端232において脚部材230に接続するように見られる。脚部材230及び横部材240は、正方形、矩形、円形、楕円形、多角形、それらの組み合わせなどを含む種々の断面を有してもよい。脚部材230は、直線状、曲線状、又は角張りであってもよい。同様に、横部材240は、直線状、曲線状、又は角張りであってもよい。タック部材220は、収容部材280内に取り付けられ、それにより、脚部材230の遠位端234及び穿刺点250は、部材280内に収容されるが、脚部材230の近位端232及び係合する横部材240は、空洞290内に収容される。所望に応じて、図示されていないが、脚部材230の全長が部材280内に収容されて、係合する横部材240のみが空洞290内に位置付けられてもよく、又はタック要素220全体が部材280内に収容されて、空洞290内にタック要素220の区分若しくは部分がなくてもよい。更に、任意選択で空洞290は、装置210から排除されてもよい。収容部材280は、タック要素20の穿刺点250が収容部材280の底部284又は側部から外に延出するのを可能にする、圧縮性材料である。
【0022】
ヘルニアなどの体壁内の組織欠陥を修復するのに有用な組織欠陥修復メッシュ70は、図3A〜Eに図示されている。メッシュ70は、底側71、上側72、及び外周73を有するように見られる。腹部体壁内のヘルニア組織欠陥の概略もまた、図3A〜Eに図示される。欠陥60は、体壁62を通して延出する開口部61を有するように見られる。下層内臓63は、体壁欠陥60の下に図示される。また、体壁62の内側上の内部腹膜64及び外皮層65も見られる。
【0023】
本発明の埋込み型外科用締結又はタック装置210は、以下の方法で使用されてもよい。外科医又は助手は、滅菌パッケージから装置210を取り出す。図3A〜Eを参照すると、装置210は外科医によって把持され、それにより、外科医の指のうちの1本、例えば親指77又は他の指が、収容部材280及び横部材240の上区分285を係合させる。次に外科医は、収容部材280の底側284が組織又は医療装置、例えば組織壁62と接触しているヘルニアメッシュ装置70と接触するように、装置210を位置付ける。次に外科医は、各タック要素220の上部を親指77などの指で手動で押し、横部材240を係合させ、収容部材280を少なくとも部分的に圧縮又は変形させ、タック要素220の脚230及び穿刺点250が部材280の底側284を通って移動してそこから少なくとも部分的に脱出して、メッシュ70及び腹膜64を穿孔するのを可能にし、それにより穿刺点250及び脚部材230の少なくとも遠位区分234が体壁62の組織内に定着する。これは、タック要素220の全てが収容部材280の周囲の体壁62の下層組織に固定されるまで、各タック要素220に対して繰り返される。図3Aに見られるように、本発明の2つの装置210を使用して、メッシュ70を腹膜64及び体壁62に固定する。装置210は、それらが同心円状に取り付けられて「二重冠」修復をもたらすことができるように、異なる全体サイズを有するように見られる。しかしながら、代替として、単一装置210を用いることができる。外科医による所望に応じて、又は欠陥60を修復するためにメッシュ70を更に固定する必要に応じて、追加のタック装置210が、同様の同心円様式でメッシュ70の周囲に設置されてもよい。代替として、外科医は、従来のタッキング装置並びにタック及び/又は縫合糸を、タック装置210の付属物として使用し、組織欠陥60を修復するように体壁62へのメッシュ70の貼付を完了させてもよい。
【0024】
複数のタック要素320を収容する本発明の埋込み型外科用締結又はタック装置の代替実施形態は、図4A〜Eに見られる。埋込み型締結又はタック装置310は、環形又は輪形収容部材380を有するように見られる。収容部材380は、上側382及び底側384を有するように見られる。好ましくは、底側384は平坦であるが、所望に応じて曲線状、角張りなどであってもよい。収容部材389は、楕円形の開口部389を持つ、略楕円形状を有するように見られる。輪部材380は、円形、正方形、矩形などを含む他の形状、及びそれらの組み合わせを有してもよく、開口部389も同様の形状であってもよい。収容部材380は、略矩形の断面を有するように見られるが、円形、長円形、半円形、正方形、楕円形、矩形、多角形、曲線状、それらの組み合わせなどの他の幾何断面を有してもよい。収容部材380はまた、複数の空洞390を収容する上区分385を有するようにも見られる。各空洞390は、側壁392によって結合され、底区分394を有する、略半球形の構成を有するように見られる。各空洞390は、上部開口部395を有するように見られる。空洞390は、円筒形、半立方体などを含む他の幾何構成を有してもよい。締結又はタック装置320は、下向きに延出する脚部材330を有するように見られる。各脚部材330は、近位端332及び遠位端334を有するように見られる。遠位端334から延出しているのは穿刺点350である。穿刺点350は、遠位穿刺点352、及び1つ又は2つ以上の逆棘154を有するように見られる。穿刺点350は、単一又は複数の(すなわち、2つを超える)逆棘、リッジ、フック、歯などを含む他の従来の構成を有してもよい。タックヘッド部材340は、脚部材330の近位端332に取り付けられたディスク状部材であるように見られ、それにより、脚部材330は、タックヘッド部材340の底側341から離れて延出する。脚部材330は、正方形、矩形、円形、楕円形、多角形、それらの組み合わせなどを含む種々の断面を有してもよい。タックヘッド部材340は、正方形、楕円形、円形、矩形などを含む種々の形状を有してもよい。タックヘッド部材340の上側342は、隆起(例えば、曲線状)、凸状、凹状、又は平坦であってもよい。脚部材330は、直線状、曲線状、又は角張りであってもよい。タック部材320は、収容部材380内に取り付けられ、それにより、脚部材330の遠位端334及び穿刺点350は、部材380内に収容されるが、脚部材330及びタックヘッド部材340の近位端332は、空洞390内に収容される。所望に応じて、図示されていないが、各脚部材330の全長が部材380内に収容されて、タックヘッド部材340のみが空洞390内に位置付けられてもよく、又は各タック要素320全体が部材380内に収容されて、空洞390内にタック要素320の区分若しくは部分がなくてもよい。更に、任意選択で空洞390は、装置310から排除されてもよい。収容部材380は、タック要素320の穿刺点350が収容部材380の底部384又は側部から外に延出するのを可能にする、圧縮性材料である。
【0025】
ヘルニアなどの体壁内の組織欠陥を修復するのに有用な組織欠陥修復メッシュ70は、図4A〜Eに図示されている。メッシュ70は、底側71、上側72、及び外周73を有するように見られる。腹部体壁内のヘルニア組織欠陥の概略もまた、図4A〜Eに図示される。欠陥60は、体壁62を通して延出する開口部61を有するように見られる。下層内臓63は、体壁欠陥60の下に図示される。また、体壁62の内側上の内部腹膜64及び外皮層65も見られる。
【0026】
本発明の埋込み型外科用締結又はタック装置310は、以下の方法で使用されてもよい。外科医又は助手は、滅菌パッケージから装置310を取り出す。図4A〜Eを参照すると、装置310は外科医によって把持され、それにより、外科医の指のうちの1本、例えば親指77が、収容部材380及びタックヘッド部材140の上区分385を係合させる。次に外科医は、収容部材380の底側384が組織又は医療装置、例えば組織壁62と接触しているヘルニアメッシュ装置70と接触するように、装置310を位置付ける。次に外科医は、各締結又はタック要素320の上部を親指77などの指で手動で押し、タックヘッド部材340を係合させ、収容部材380を少なくとも部分的に圧縮又は変形させ、タック要素320の脚330及び穿刺点350が部材380の底側384を通って移動してそこから少なくとも部分的に脱出して、メッシュ70及び腹膜64を穿孔するのを可能にし、それにより穿刺点350及び脚部材330の少なくとも遠位区分334が体壁62の組織内に定着する。これは、タック要素320の全てが収容部材380の周囲の体壁62の下層組織に固定されるまで、各タック要素320に対して繰り返される。図4Aに見られるように、本発明の2つの装置310を使用して、メッシュ70を腹膜64及び体壁62に固定する。装置310は、それらが同心円状に取り付けられて「二重冠」修復をもたらすことができるように、異なる全体サイズを有するように見られる。しかしながら、代替として、単一装置310を用いることができる。外科医による所望に応じて、又は欠陥60を修復するためにメッシュ70を更に固定する必要に応じて、追加のタック装置310が、同様の同心円様式でメッシュ70の周囲に設置されてもよい。代替として、外科医は、従来のタッキング装置並びにタック及び/又は縫合糸を、タック装置310の付属物として使用し、欠陥60を修復するように体壁62へのメッシュ70の貼付を完了させてもよい。
【0027】
図5及び6を参照すると、本発明の別の実施形態が図示されている。組み合わせ400は、外科用縫合糸420と共に本発明の締結装置10からなるように見られる。外科用縫合糸420は、近位端422及び遠位端427を有するように見られる。遠位端427は、外科用針440の近位端442に取り付けられるように見られる。縫合糸420の近位端422は、外科的結び目425を形成することによりこの端422を締結又はタック要素20の横部材40に結びつけることによって締結要素10に固定される。縫合糸420は、例えば、糊付け、溶接、共成形などを含む他の従来方法で装置10に取り付けられてもよい。縫合糸420は、タック要素20、収容部材80、又はタック要素20及び収容部材80の両方に取り付けられてもよい。縫合糸420は、固定して又は摺動可能に装置10に取り付けられてもよく、例えば、縫合糸ループがタック要素20に取り付けられる。組み合わせ400を使用して、図6に見られるように組織500を縫合してもよい。組織500は、切創530を有するように見られる。切創530は、面538を有する対向側535を有する。外科医は、装置10の上部(すなわち、タック要素20及び収容部材80)を押しながら切創500の一端532に装置10を配置して、脚部材30の少なくとも一部並びに穿刺点50及び逆棘部材54を組織500内に固定する。次に外科医は、ステッチ440を形成するために複数回往復して外科用針を組織の中に入れて通し、そこから出すことによって、切創530の長さに沿って切創530の周りの組織のマットレス型縫合糸近置を形成する。これは、外科医が切創530の反対端534に到達し、それにより側方535及び面538が実質的に近置されるまで継続され、次に縫合糸420が、それを所定の場所に固定するために従来の方法で結びつけられる。切創500は、切創500の一端上にのみ外科用結び目を利用することによって、組み合わせ400で修復される。
【0028】
図示されていないが、縫合糸420は、任意選択で従来の逆棘を有してもよい。逆棘は、例えば、切断、成形などを含む従来の方法で形成又は適用されてもよい。逆棘が任意選択で存在する場合、縫合糸420は複数の逆棘を有することが好ましいが、単一の逆棘を有することが可能である。
【0029】
組織内に設置されたとき、本発明の埋込み型タック装置は、組織修復メッシュ又はパッチが下層内臓に接触するのを防止する一助となるスペーサー要素として追加的に作用する。本発明の埋込み型タック装置は、メッシュ、不織布、発泡体、組織工学物質などの組織繊維から作製された装置を含む、組織修復装置を組織に固定するために特に有用である。本発明の埋込み型タック装置はまた、創傷近置装置、組織係留埋植片、腱、靭帯、皮膚、膜などを含む、他の医療装置及び組織埋植片を組織に固定する際にも実用性を有する。更に、本発明の組織修復装置を使用して、創傷閉合、体壁欠陥修復、臓器修復及び固定、血管修復及び配置などを含むが、これらに限定されない種々の外科的処置において組織を近置させることができる。
【0030】
本発明をその詳細な実施形態について図示及び説明してきたが、当業者であれば、特許請求される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明の形態及び詳細において様々な変更がなされてもよいことを理解するであろう。
【0031】
〔実施の態様〕
(1) 外科用締結装置であって、
上面及び底面を有する圧縮性部材と、
前記圧縮性部材内に少なくとも部分的に配設され、上部、及び前記上部から遠位方向に延出する少なくとも1つの細長い穿刺部材を有する、締結要素と、を備え、
前記穿刺部材が前記圧縮性部材内に少なくとも部分的に収容されるように、前記締結要素が、前記圧縮性部材内に位置し、それにより、前記締結装置に加えられた力が、前記少なくとも1つの穿刺部材を、前記圧縮性部材から少なくとも部分的に外に延出させて組織に係合させる、外科用締結装置。
(2) 前記締結要素が、架橋部材によって接続された2つの細長い穿刺部材を有する、実施態様1に記載の締結装置。
(3) 前記圧縮性部材が、吸収性ポリマー発泡体を含む、実施態様1に記載の締結装置。
(4) 前記圧縮性部材が、吸収性ヒドロゲルを含む、実施態様1に記載の締結装置。
(5) 前記圧縮性部材が、略円筒形の構成を有する、実施態様1に記載の締結装置。
【0032】
(6) 前記締結要素が、吸収性ポリマーを含む、実施態様1に記載の締結装置。
(7) 前記吸収性ポリマーが、ポリオキサエステル、グリコリド、L(−)−ラクチド、D(+)−ラクチド、メソ−ラクチド、炭酸トリメチレン、p−ジオキサノン、及びε−カプロラクトンのホモポリマー、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、炭酸トリメチレン、ポリオキサエステル、並びにそれらのコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、実施態様3又は4に記載の締結装置。
(8) 少なくとも1つの追加の締結部材を備える、実施態様1に記載の締結装置。
(9) 前記吸収性ポリマーが、グリコリド、L(−)−ラクチド、D(+)−ラクチド、メソ−ラクチド、炭酸トリメチレン、p−ジオキサノン、及びε−カプロラクトンのホモポリマー、並びにそれらの対応するコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、実施態様6に記載の締結装置。
(10) 前記圧縮性部材が、輪状構成を有する、実施態様1に記載の締結装置。
【0033】
(11) 前記構成が、略円形である、実施態様10に記載の締結装置。
(12) 前記構成が、略楕円形である、実施態様10に記載の締結装置。
(13) 前記圧縮性部材の前記上面内に空洞を更に備える、実施態様1に記載の締結装置。
(14) 組織修復メッシュと、実施態様1に記載の外科用締結装置と、を備える、組み合わせ。
(15) 前記締結要素の前記上部に取り付けられたヘッド部材を更に備える、実施態様1に記載の締結装置。
【0034】
(16) 前記ヘッド部材が、ディスク状形状を有する、実施態様15に記載の締結装置。
(17) 実施態様1に記載の締結装置と、外科用縫合糸と、を備える、組み合わせ。
(18) 前記縫合糸が、少なくとも一方の端に取り付けられた外科用針を有する、実施態様17に記載の組み合わせ。
(19) 前記ポリマーが、85/15ポリ[L(−)ラクチド−コ−グリコリド]を含む、実施態様9に記載の装置。
(20) 前記縫合糸が、少なくとも1つの逆棘を更に備える、実施態様17に記載の組み合わせ。
【0035】
(21) 外科的処置を行う方法であって、
A.外科用締結装置を提供することであって、前記装置が、
上面及び底面を有する圧縮性部材と、
前記圧縮性部材内に少なくとも部分的に配設され、上部、及び前記上部から遠位方向に延出する少なくとも1つの細長い穿刺部材を有する、締結要素と、を備え、
前記少なくとも1つの穿刺部材が前記圧縮性部材内に少なくとも部分的に収容されるように、前記締結要素が、前記圧縮性部材内に位置し、それにより、前記締結装置に加えられた力が、前記少なくとも1つの穿刺部材を、前記圧縮性部材から少なくとも部分的に外に延出させて組織に係合させる、提供することと、
B.前記装置の前記底面を組織又は医療装置に当てて、前記装置の前記上部に力を加えることによって、前記締結装置を組織に適用し、それによって、前記少なくとも1つの遠位穿刺部材を、前記圧縮性部材から少なくとも部分的に脱出させて下層組織に係合させることと、を含む、方法。
(22) 前記外科的処置が、体壁欠陥の修復、組織移植片の貼付、組織近置、及び医療装置の貼付からなる群から選択される、実施態様21に記載の方法。
(23) 組織を修復する方法であって、
A.実施態様18に記載の組み合わせを提供することと、
B.前記装置の前記底面を組織に当てて、前記装置の前記上部に力を加えることによって、前記締結装置を組織に適用し、それによって、前記少なくとも1つの遠位穿刺部材を、前記圧縮性部材から少なくとも部分的に脱出させて下層組織に係合させることと、
C.前記針及び縫合糸を使用して組織を修復することと、を含む、方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6