【文献】
Text of ISO/IEC 2nd CD 23008-1 MPEG Media Transport,Geneva, Switzerland,2013年 1月,p.12-23,99-100,50-51,URL,http://mpeg.chiariglione.org/standards/mpeg-h/mpeg-media-transport/text-isoiec-2nd-cd-23008-1-mpeg-media-transport
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プレゼンテーション位置を識別するステップは、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)文書から前記プレゼンテーション位置を識別するステップを有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
前記ブロードバンドネットワークを通して前記ブロードバンドメディアデータを受信するステップは、前記ブロードバンドメディアデータをサーバからリクエストし、DASHを用いて前記ブロードバンドメディアデータを受信するステップを有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
前記プレゼンテーション位置を識別するステップは、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)文書から前記プレゼンテーション位置を識別するステップを含むことを特徴とする請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下で論議する
図1乃至
図6、及び本明細書において本開示の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、例示としてのみ提供され、本開示の範囲を限定するいかなる方法として理解されてはならない。本開示の原理が任意の適切に配列された無線通信システムで実施可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には理解できる。
【0015】
MMTコーディング及びメディア配信は、「MPEG-H Systems, Text of ISO/IEC 2nd CD 23008-1 MPEG Media Transport」との文献及び標準化内容にて論議されている。本文献は、ここで完全に説明されるように、本開示に引用される。MMTは、カプセル化と、配信と、シグナリングとを含む3個の機能領域を定義する。カプセル化機能領域は、MMTコンプライアントエンティティ(MMT compliant entity)により処理される、メディアコンテンツと、MMTパッケージと、フォーマットデータユニットとの論理構造を定義する。MMTパッケージは、メディアコンテンツと、適応的な配信が必要とされる情報を提供するメディアコンテンツ間の関係とを含む構成要素を指定する。データユニットのフォーマットは、コード化されたメディアを配信プロトコルのペイロードとして格納するか、或いは運ぶようにカプセル化し、格納と運搬との間で変換しやすくなるように定義される。配信機能領域は、アプリケーションレイヤープロトコルと、ペイロードのフォーマットとを定める。アプリケーションレイヤープロトコルは、マルチメディアの配信のための通常のアプリケーションレイヤープロトコルと比べて、MMTパッケージの配信のために、多重化(multiplexing)を含む拡張した特徴を提供する。ペイロードフォーマットは、特定のメディアタイプ又は符号化方式に不可知(agnostic)のコード化されたメディアデータを運搬するために定められる。シグナリング機能領域は、MMTパッケージの配信及び消費を管理するためのメッセージのフォーマットを定義する。消費管理のためのメッセージは、MMTパッケージの構造をシグナリングするために使用され、配信管理のためのメッセージは、ペイロードフォーマットの構造及びプロトコルの構成をシグナリングするために使用される。
【0016】
MMTは、オーディオ、ビデオのような時間連続のマルチメディア及びウィジェット、ファイルなどのような他の固定コンテンツ(static content)の配信のための新たなフレームワークを定義する。MMTは、MMTパッケージを受信エンティティに配信するためのプロトコル(すなわち、MMTP)を規定する。MMTPは、プロトコルヘッダの一部として、MMTPパッケージの送信時間をシグナリングする。このような時間は、受信エンティティが、各入力MMTパケットの送信時間及び受信時間を検査することにより、デジッタ(de-jittering)を実行できるようにする。
【0017】
図1は、本開示の様々な実施形態が実現できる通信システム100の一例を示す図面である。
図1に示す通信システム100の実施形態は、ただの例示のためのものである。通信システム100の他の実施形態は、本開示の範囲から逸脱しない範囲内で使用できる。
【0018】
図1に示すように、システム100は、システム100内の様々な構成要素間の通信を容易にする異種ネットワーク102を含む。例えば、ネットワーク102は、インターネットプロトコル(IP)パケット、フレームリレーフレーム、非同期転送モード(ATM)セル、又は他の情報をネットワークアドレス間で通信する。また、ネットワーク102は、ケーブル及び衛星通信リンクのようなブロードキャスティングネットワークを含む異種ネットワークであってもよい。ネットワーク102には、1つ以上のローカルエリアネットワーク(LANs)、メトロポリタンエリアネットワーク(MANs)、広域ネットワーク(WANs)、インターネットのようなグローバルネットワークの全体又は一部、あるいは、1つ以上の位置にある任意の他の通信システム又はシステムを含めることができる。
【0019】
様々な実施形態において、異種ネットワーク102は、ブロードキャストネットワーク102a及びブロードバンドネットワーク102bを含む。ブロードキャストネットワーク102aは、一般的に、1方向、例えば、1つ以上のサーバ104及び105からクライアント装置106乃至115の方向である、クライアント装置106乃至115へのメディアデータのブロードキャストのためのものである。ブロードキャストネットワーク102aには、例えば、衛星、無線、有線、及び光ファイバーネットワークリンク及び装置のような任意の数のブロードキャストリンク及び装置を含めてもよい。
【0020】
ブロードキャストネットワーク102bは、一般的に、2方向、例えば、1つ以上のサーバ104及び105からクライアント装置106乃至115に往復する方向である、クライアント装置106乃至115のメディアデータに対するブロードバンドアクセスのために設計される。ブロードバンドネットワーク102bには、例えば、インターネット、無線、有線、及び光ファイバーネットワークリンク及び装置のような任意の数のブロードバンドリンク及び装置を含めてもよい。
【0021】
ネットワーク102は、サーバ104及び105と様々なクライアント装置106乃至115間の通信を容易にする。サーバ104及び105の各々は、1つ以上のクライアント装置にコンピューティングサービスを提供できる任意の適切なコンピューティング又は処理装置を含む。サーバ104及び105の各々は、例えば、1つ以上の処理装置、命令及びデータを格納する1つ以上のメモリ、及びネットワーク102を通した通信を容易にする1つ以上のネットワークインターフェースを含む。例えば、サーバ104及び105は、MMTPを用いてネットワーク102内のブロードキャストネットワークを通してメディアデータをブロードキャスティングするサーバを含む。他の例において、サーバ104及び105は、DASHを用いてネットワーク102内のブロードキャストネットワークを通してメディアデータをブロードキャストするサーバを含む。
【0022】
各クライアント装置106乃至115は、ネットワーク102を通して少なくとも1つのサーバ又は他のコンピューティング装置(複数の装置)と相互作用する任意の適切なコンピューティング又は処理装置を示す。このような例において、クライアント装置106乃至115は、デスクトップコンピュータ106、携帯電話又はスマートフォン108、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)110、ラップトップコンピュータ112、タブレットコンピュータ114、及びセットトップボックス及び/又はテレビジョン115を含む。しかしながら、任意の他の又は追加のクライアント装置も、通信システム100内で使用できる。
【0023】
このような例において、一部のクライアント装置108乃至114は、ネットワーク1
02と間接的に通信する。例えば、クライアント装置108、110は、セルラー基地局
又はeNodeBのような1つ以上の基地局116を通して通信する。また、クライアン
ト装置112
、11
4は、IEEE802.11無線アクセスポイントのような1つ以
上の無線アクセスポイント118を通して通信する。なお、これらは、ただ例示のための
ものであり、それぞれのクライアント装置は、ネットワーク102と直接に通信するか、
又は任意の適切な媒介装置(複数の装置)又はネットワーク(複数のネットワーク)を通
してネットワーク102と間接的に通信できる。以下でより詳細に説明するように、クラ
イアント装置106乃至115のいずれか1つ及び全部には、MMT及びDASHを用い
てブロードキャスト及びブロードバンドメディアデータの受信及びプレゼンテーションを
行うためのハイブリッドアーキテクチャーを含めてもよい。
【0024】
図1は、通信システム100の一例を示したが、
図1を様々に変形してもよい。例えば、システム100は、任意の数の各構成要素を任意の適切な配列で含んでいてもよい。一般的に、コンピューティング及び通信システムは様々な構成を取り、
図1は、本開示の範囲をいかなる特定の構成にも限定しない。
図1は、本特許文書で開示された様々な特性を使用できる1つの動作環境を示したが、これらの特性は、任意の他の適切なシステムにおいても使用できる。
【0025】
図2及び
図3は、本開示に従うコンピューティングシステム内の装置の例を示す図である。特に、
図2は、例示的なサーバ200を示し、
図3は、例示的なクライアント装置300を示す。サーバ200は、
図1において、サーバ104及び105を示し、クライアント装置300は、
図1において、クライアント装置106乃至115のうちの1つ以上を示す。
【0026】
図2に示すように、サーバ200は、少なくとも1つの制御器210、少なくとも1つの記憶装置215、少なくとも1つの通信部220、及び少なくとも1つの入出力(I/O)ユニット225間の通信をサポートするバスシステム205を含む。
【0027】
制御器210は、メモリ230にロードされた命令語を実行する。制御器210には、任意の適切な配列で任意の適切な個数及びタイプのプロセッサ又は他の装置を含めてもよい。制御器210のタイプの例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ディジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途集積回路(ASIC)、及び分離回路(discreet circuitry)を含む。
【0028】
メモリ230及び永久記憶部235は、記憶装置215の例であり、(データ、プログラムコード、及び/又は一時的又は持続的な他の適切な情報のような)情報を記憶し、その情報の検索を容易とできる任意の構造(複数の構造)を示す。メモリ230は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は任意の他の適切な揮発性又は不揮発性記憶装置(複数の装置)を示す。永久記憶部235は、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードドライブ、フラッシュメモリ、又は光ディスクのように、データの長期的な記憶をサポートする1つ以上の構成要素又は素子を含む。
【0029】
通信部220は、他のシステム又は装置との通信をサポートする。例えば、通信部220には、ネットワーク102を通した通信を容易にするネットワークインターフェースカード、送信器、受信器、衛星通信システム、又は無線送受信器を含めることができる。通信部220は、任意の適切な物理又は無線通信リンク(複数のリンク)を通して通信をサポートする。
【0030】
I/Oユニット225は、データの入力及び出力を可能にする。例えば、I/Oユニット225は、キーボード、マウス、キーパッド、タッチスクリーン、又は他の適切な入力装置を通したユーザ入力のための接続を提供する。また、I/Oユニット225は、ディスプレー、プリンタ、又は他の適切な出力装置に出力を送信する。
【0031】
なお、
図2は、
図1のサーバ104を示すものとして説明されたが、同一の又は類似の構造がクライアント装置106乃至115のうちの1つ以上で使用できる。例えば、ラップトップ又はデスクトップコンピュータは、
図2に示すものと同一であるか又は類似の構造を有してもよい。
【0032】
以下でより詳細に説明するように、サーバ200は、MMTPを用いてブロードキャストネットワークを通してメディアデータをブロードキャストする。また、サーバ200は、DASHを用いてブロードバンドサーバから使用可能な関連したブロードバンドメディアデータに関する情報を含むシグナリングメッセージを送信する。他の例において、サーバ200は、DASHを用いてブロードキャストされたメディアデータと関連したブロードバンドメディアデータを提供するブロードバンドサーバであってもよい。さらなる一例において、サーバ200は、ブロードキャストされたメディアデータ及び関連したブロードバンドメディアデータのすべてを提供する。
【0033】
図3に示すように、クライアント装置300は、アンテナ305、送受信器310、送信(TX)処理回路315、マイクロフォン320、及び受信(RX)処理回路325を含む。また、クライアント装置300は、スピーカ330、制御器340、入出力(I/O)インターフェース(IF)345、キーパッド350、ディスプレー355、及びメモリ360を含む。メモリ360は、オペレーティングシステム(OS)361及び1つ以上のアプリケーション363を含む。
【0034】
送受信器310は、システム内の他の構成要素が送信した入力RF信号をアンテナ305から受信する。送受信器310は、入力RF信号をダウンコンバートすることにより、中間周波数(IF)又は基底帯域信号を生成する。IF又は基底帯域信号は、RX処理回路325に送信され、RX処理回路225は、基底帯域又はIF信号のフィルタリング、デコーディング、及び/又はディジタル化を行うことにより、処理された基底帯域信号を生成する。RX処理回路325は、処理された基底帯域信号をスピーカ330(例えば、音声データの場合)又は制御部340(例えば、ウェブブラウジングデータの場合)に送信する。
【0035】
TX処理回路315は、アナログ又はディジタル音声データを、あるいは制御器340から他の送信基底帯域データ(例えば、ウェブデータ、電子メール、又は、双方向ビデオゲームデータ)をマイクロフォン320から受信する。TX処理回路315は、送信基底帯域データの符号化、多重化、及び/又はディジタル化を行うことにより、処理された基底帯域又はIF信号を生成する。RF送受信器310は、処理された送信基底帯域又はIF信号をTX処理回路315から受信し、基底帯域又はIF信号を、アンテナ305を通して送信されるRF信号にアップコンバートする。
【0036】
制御器340は、1つ以上のプロセッサ又は他の処理装置を含み、クライアント装置300の全般的な動作を制御するためにメモリ360に記憶されるオペレーティングシステム361を実行できる。例えば、制御器340は、公知の原理に従って、送受信器310、RX処理回路325、及びTX処理回路315により順方向チャネル信号の受信及び逆方向チャネル信号の送信を制御できる。一部の実施形態において、制御器340は、少なくとも1つのマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを含む。
【0037】
また、制御器340は、メモリ360に存在している他のプロセス及びプログラムを実行できる。制御器340は、実行プロセスからの要求に従って、メモリ360内に又は外部にデータを移動できる。一部の実施形態において、制御器340は、オペレーティングシステム361に基づくか、あるいは、外部装置又はオペレータから受信された信号に応じてアプリケーション363を実行するように構成される。また、制御器340は、I/Oインターフェース345に接続され、ラップトップコンピュータ及びハンドヘルドコンピュータのような他の装置に接続できる機能をクライアント装置300に提供する。I/Oインターフェース345は、アクセサリーと制御器340との間の通信経路である。
【0038】
また、制御器340は、キーパッド350及びディスプレー355と接続される。クライアント装置300のオペレータは、キーパッド350を使用してデータをクライアント装置300に入力できる。ディスプレー355は、液晶ディスプレー又はウェブサイトからテキスト及び/又は少なくとも制限されたグラフィックをレンダリングできる他のディスプレーである。
【0039】
メモリ360は、制御器340に接続される。メモリ360の一部は、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでいてもよく、メモリ360の他の部分は、フラッシュメモリ又は他の読出し専用メモリ(ROM)を含んでいてもよい。
【0040】
以下でより詳細に説明するように、クライアント装置300は、MMT及びDASHを用いてブロードキャスト及びブロードバンドメディアデータの受信及びプレゼンテーションを行うためのハイブリッドアーキテクチャーを含んでいてもよい。
【0041】
図2及び
図3は、コンピューティングシステム内の装置の一例を示しているが、
図2及び
図3を様々に変形できる。例えば、
図2及び
図3での様々な構成要素が組み合せられるか、より細分化されるか、又は省略されるか、追加の構成要素が特定の必要に従って付加されてもよい。特定の例として、制御器340は、複数のプロセッサ、例えば、1つ以上の中央処理装置(CPUs)及び1つ以上のグラフィック処理装置(GPUs)に分割されてもよい。また、
図3は、携帯電話又はスマートフォンとして構成されるクライアント装置300を示す一方、クライアント装置は、例えば、非限定的に、セットトップボックス、テレビジョン、及びメディアストリーミング装置を含む他のタイプの移動装置又は固定装置として動作するように構成されてもよい。また、コンピューティング及び通信ネットワークを使用するもののように、クライアント装置及びサーバは、広範囲な構成とでき、
図2及び
図3は、本開示を任意の特定のクライアント装置又はサーバに限定しない。
【0042】
本開示の実施形態は、次世代ブロードキャスティングサービスのための主な特徴のうちの1つが、例えば、個人化された広告挿入のような個人化されたサービスを可能にするために、ブロードキャストネットワーク及びブロードバンドネットワークのすべてを使用するハイブリッドサービスであることを認識する。メディア配信において、表現言語として使用されるハイパーテキストマークアップ言語(HTML)5とMMT及びDASHとがそれぞれブロードキャスト配信及びブロードバンド配信のために使用される。
【0043】
本開示の実施形態は、HTML5がブロードキャスト配信及びブロードバンド配信ネットワークの両方からのメディアコンポネントを効率的に記述する方法、及び、両方の配信ネットワークから入ってくるこのようなコンポネントの同期情報を提供できないことを認識する。本開示の実施形態は、MMT具現ガイドラインがMMTアセット及びMPEG−2 TS間のクロック基準を同期化する方法を提供しているにすぎないことを認識する。
【0044】
したがって、本開示の実施形態は、ブロードキャスト配信のためのMMT及びブロードバンド配信のためのDASHを使用するハイブリッドサービスを可能にする。本開示の実施形態は、MMTプロトコルを用いてブロードキャスト配信ネットワークからの、そして、DASHとともにHTTPによるブロードバンドネットワークからのメディアコンポネントに関する情報を説明するための方法及びシステムを提供する。本開示の実施形態は、両方の配信ネットワークから入ってくるそのようなコンポネントの同期情報をさらに提供する。
【0045】
図4は、本開示に係るMMT及びDASHを用いるブロードキャスト及びブロードバンドハイブリッドサービスのためのクライアント装置400の例示的なアーキテクチャーを示す図である。このような例示的な例において、クライアント装置400は、
図1のクライアント装置106乃至115のうちの1つ以上を示す。
【0046】
クライアント装置400は、ブロードキャストネットワーク102aのようなブロードキャストネットワークからMMTPパケットを受信し、そのMMTPパケットを適切な処理ブロックに配信するMMTPパケットフィルタ405を含む。例えば、MMTPパケットフィルタ405は、メディアデータを含むパケットの処理及び最終的なプレゼンテーションのためにFECデコーディングバッファ415に送信し、シグナリング情報を含むパケットをMMTP信号メッセージパーサー410に送信する。例えば、MMTPパケットフィルタ405は、受信されたMMTPパケットのそれぞれのパケット識別子(例えば、packet_id)に基づいて、パケットをどこにルーティングするかを識別できる。
【0047】
クライアント装置400が特定のサービスに合われる場合に、MMTPパケットフィルタ405は、処理ブロックによりMMTPシグナリングメッセージのパケット識別子だけが与えられる。MMTパッケージテーブルメッセージ(例えば、MPT_message)がMMTPシグナリングメッセージパーサー410により処理された後に、MMTPパケットフィルタ405は、メディアコンポネントのパケット識別子の提供を受け、そのメディアコンポネントでMMTPパケットをフィルタリングし始める。
【0048】
MMTP信号メッセージパーサー410は、MMTPパケットフィルタ405からMMTPパケットを受信し、そのパケットを通して運搬されるMMTPシグナリングメッセージをパーシングする。MMTP信号メッセージパーサー410は、以下でより詳細に論議されるように、配信のためのMMTPシグナリングメッセージから検索された情報を適切な処理ブロックにルーティングする。
【0049】
クライアント装置400において特定のサービスが提供されている場合に、MMTP信号メッセージパーサー410は、まず、MPTメッセージを検索し、MPTメッセージを処理することによりMMTアセット及びそれらの各パケット識別子のリストを識別する。MMTプレゼンテーション情報メッセージ(例えば、MPI_message)を受信すると、MMTP信号メッセージパーサー410は、MPIテーブル(例えば、MPT_table())のプレゼンテーション情報コンテンツタイプ情報(例えば、Pi_content_type_byteフィールド)を処理する。その後、MMTP信号メッセージパーサー410は、そこに運搬された(例えば、MPI_table()のPi_content_byteとして運搬された)データをMPEG−Hコンポジション情報(CI)パーサー420、メディアプレゼンテーション記述(MPD)パーサー425、又はプレゼンテーションエンジン430に配信する。例えば、プレゼンテーション情報の値(例えば、Pi_content_type_byte)がHTML5である場合に、MMTP信号メッセージパーサー410は、このデータをプレゼンテーションエンジン430に配信する。プレゼンテーション情報の値(例えば、PI_content_type_byte)がMPEG_H CIである場合に、MMTP信号メッセージパーサー410は、このデータをMPEG_H CIパーサー420に配信する。プレゼンテーション情報の値(例えば、PI_content_type_byte)がDASH MPDである場合に、MMTP信号メッセージパーサー410は、このデータをMPDパーサー425に配信する。
【0050】
アプリケーションレイヤー順方向エラー訂正(AL_FEC)メッセージが受信された場合、そのメッセージ内の情報は、順方向エラー訂正に使用するFECデコーディングバッファ415に提供される。仮想受信器バッファモデル(hypothetical receiver buffer model:HRBM)メッセージが受信された場合、そのメッセージ内の情報は、デジッタバッファ435に提供される。
【0051】
MPEG−H CIパーサー420は、MMTP信号メッセージパーサー410からMPEG−H CIを受信し処理する。MPEG−H CIパーサー420は、MPUを参照する「メディアシンク」エレメントからMPUの第1のアクセスユニットのプレゼンテーション時間を識別し、その関連プレゼンテーション時間を
図3のディスプレー355のようなディスプレーを通して定められたプレゼンテーション時間でのプレゼンテーションのためにプレゼンテーションエンジン430に配信する。MPDパーサー425は、MMTP信号メッセージパーサー410からDASH MPDファイルを受信し処理する。MPDパーサー425は、関連DASH MPDを参照して「メディアシンク」エレメントからDASH MPDファイル内の第1のセグメントの第1のアクセスユニットのプレゼンテーション時間を識別する。MPDパーサー425は、それぞれのDASHセグメントの関連プレゼンテーション時間を、ディスプレーを通して定められたプレゼンテーション時間でのプレゼンテーションのためにプレゼンテーションエンジン430に提供する。
【0052】
FECデコーディングバッファ415は、専用パケット識別子を有するMMTPパケットを受信し、そのパケットをデジッタバッファ435にコピーする。MMTP信号メッセージパーサー410によりシグナリングされたAL_FECメッセージの保護ウィンドー時間まで受信されないパケットが存在する場合に、FECデコーディングバッファ415は、受信されたパケットにリペア動作(複数の動作)を適用する。パケットが復旧された場合、FECデコーディングバッファ415は、復旧されたこれらのパケットをデジッタバッファ435にコピーする。
【0053】
デジッタバッファ435は、MMTPパケットをFECデコーディングバッファ415から受信する。デジッタバッファ435は、MMTPパケットのそれぞれのタイムスタンプフィールドで特定された時間から、MMTP信号メッセージパーサー410によりシグナリングされたHRBMメッセージの固定されたエンドツーエンド(end-to-end)遅延が経過するまで、これらのパケットを記憶する。その後に、デジッタバッファ435は、そのパケットをMMTPデカプセル化バッファ440にコピーする。MMTPデカプセル化バッファ440は、デジッタバッファ435から受信されたMMTPパケットをデパケット化した後に、MPUを再構成する。再構成されたMPUは、メディアエンジン455に配信される。HRBMの固定されたエンドツーエンド遅延及びMMTPパケット処理に対する追加の詳細については、この明細書に参照の形態で含まれる「メディアデータ配信制御のための方法及び装置(METHOD AND APPARATUS FOR MEDIA DATA DELIVERY CONTROL)」という名称の2013年10月8日に出願された米国特許出願第2014/0098811号を参照できる。
【0054】
HTTPエンジン445は、
図1において、ブロードバンドネットワーク102bのようなブロードバンドネットワークを通してMPDパーサー425から受信されたユニフォームリソースロケータ(URL)とともにリクエスト(例えば、「GET」リクエスト)を送信し、応答でDASHセグメントのようなブロードバンドデータを受信する。HTTPエンジン445は、受信されたDASHセグメントをDASHセグメントバッファ450に提供する。DASHセグメントバッファ450は、HTTPエンジン445から受信されたDASHセグメントを処理し、DASHセグメントの処理が完了する時に、その処理されたDASHセグメントをメディアエンジン455に配信する。
【0055】
メディアエンジン455は、MPU及びDASHセグメントを受信し、適切なデコーダを使用してデコーディングする。メディアエンジン455は、デコーディング結果をプレゼンテーションエンジン430に配信する。プレゼンテーションエンジン430は、HTML5文書をMMTP信号メッセージパーサー410から受信する。プレゼンテーションエンジン430は、HTML5文書により特定された位置で、MPEG−H CIパーサー420及び/又はMPDパーサー425により提供された時間でメディアエンジン455からのメディアデータをレンダリングする。プレゼンテーションエンジン430は、
図3のディスプレー355のようなディスプレー上にユーザにディスプレーするメディアデータのレンダリング及び提供を行う。非限定的な例において、プレゼンテーションエンジン430は、関連した関係づけられたブロードキャストメディアデータのディスプレーと同期化した個人化広告情報時間及び位置をオーバーレイし、そして/又は、ディスプレーの隅及びディスプレーされるブロードキャストメディアデータの関連した関係づけられた部分と同期化した時間に位置するストリーミングされたブロードバンドメディアコンテンツのピクチャインピクチャ(picture-in-picture:PIP)データを提供できる。
【0056】
図5は、本開示に係る異種ネットワークを通してメディアデータを受信するための例示的なプロセスのフローチャートを示す図である。例えば、
図5に示すプロセスは、
図3のクライアント装置300により実行される。このプロセスは、
図2のサーバ200によって実現されてもよい。
【0057】
このプロセスは、クライアント装置がブロードキャストネットワークを通してブロードキャストされたメディアデータの受信及び処理することから開始される。例えば、ステップ505において、クライアント装置は、ブロードキャストされたメディアデータをMMTPパケットで受信する。
【0058】
クライアント装置は、ステップ510において、ブロードキャストされたメディアデータと関連した受信されたシグナリングメッセージを識別する。例えば、ステップ510において、クライアント装置は、MTPメッセージを受信し、そのメッセージをMMTP信号メッセージパーサー410にフィルタリングできる。
【0059】
クライアント装置は、ステップ515において、ブロードキャストされたメディアデータと関連したブロードバンドメディアデータが使用可能であるか否を判定する。例えば、ステップ515において、クライアント装置は、シグナリングメッセージに基づいて追加のブロードバンドメディアデータがブロードバンドネットワークを通して使用可能であるか否かを判定する。クライアント装置400内のMMTP信号メッセージパーサー410は、MPIメッセージを処理し、ブロードバンドメディアデータが使用可能であるか否かを判定し、MPIメッセージに含まれたプレゼンテーション情報に基づいて使用可能なブロードキャストされたメディアデータのタイプを識別できる。クライアント装置が、ブロードキャストされたメディアデータと関連したブロードバンドメディアデータが使用可能でないと判定する場合には、クライアント装置は、ステップ505に戻って、ブロードキャストされたメディアデータの受信及び処理を継続して行う。
【0060】
クライアント装置が、ブロードキャストされたメディアデータと関連したブロードバンドメディアデータが使用可能であると判定する場合には、クライアント装置は、ステップ520において、ブロードバンドメディアデータをブロードバンドネットワークを通して受信する。例えば、ステップ520において、クライアント装置は、ブロードバンドメディアデータをサーバからリクエストし、DASHセグメントのようなブロードバンドメディアデータをDASHを通して受信できる。
【0061】
クライアントは、ステップ525において、ブロードキャストされたメディアデータと関連してプレゼンテーションのためのブロードバンドメディアデータを提供する。例えば、ステップ525において、クライアント装置は、ディスプレー装置を通したプレゼンテーションのためにブロードバンドメディアデータ及びブロードキャストされたメディアデータを処理できる。クライアント装置は、ブロードキャストされたメディアデータのプレゼンテーションに関連してメディアプレゼンテーション記述ファイルから、ブロードバンドメディアデータのプレゼンテーション時間、及びブロードキャストされたメディアデータのプレゼンテーションに関連してディスプレー装置上にブロードバンドメディアデータのプレゼンテーションのためのプレゼンテーション位置を識別できる。その後に、クライアント装置は、ディスプレーのためにブロードバンドメディアデータを提供し、そして/又は、位置及び時間でブロードバンドメディアデータをディスプレー装置上にディスプレーする。
【0062】
図6は、本開示に従うメディアデータをブロードキャスティングするための例示的なプロセスのフローチャートを示す図である。例えば、
図6に示すプロセスは、
図2のサーバ200により実行される。
【0063】
このプロセスは、ステップ605において、サーバがメディアデータをクライアント装置にブロードキャスティングすることから開始される。例えば、ステップ605において、サーバは、MMTPパケットを使用してメディアデータをクライアント装置にブロードキャストする。
【0064】
また、サーバは、ブロードキャストされたメディアデータと関連したブロードバンドメディアデータが使用可能であるか否かを示す情報を含むシグナリングメッセージを送信する。例えば、ステップ610において、サーバは、DASHを用いてクライアント装置により検索される関連付けられた及び/又は関連ブロードキャストされたメディアデータが使用可能であることを示すシグナリングメッセージを送信する。
【0065】
図5及び
図6は、異種ネットワークを通してメディアデータを受信し、メディアデータをブロードキャスティングするプロセスの例をそれぞれ示しているが、
図5及び
図6には、様々な変形がなされてもよい。例えば、一連のステップが示されているが、それぞれの図面で様々なステップが重複して実行されるか、並列に実行されるか、異なる順序で実行されるか、又は複数回実行されてもよい。
【0066】
本開示は、例示的な実施形態とともに説明されたが、様々な変更及び修正が当業者に提案されてもよい。本開示は、そのような変更及び修正が特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきものである。
【0067】
本願の内容は、特定の要素、ステップ、又は機能が特許請求の範囲に含まれなければな
らない必須の構成要素を意味すると解釈されてはいけない。特許対象の範囲は、許可され
た特許請求の範囲によってのみ定義される
。