(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ソフトフォーカスフィラーが、全体的若しくは部分的に、前記ゲル化された水相に存在するか、又は全体的若しくは部分的に、前記ゲル化された油相に存在する、請求項1に記載の組成物。
親油性ゲル化剤として、シリコーン油に分散されたシリコーンエラストマー及び/又はシルセスキオキサン樹脂で被覆されたオルガノポリシロキサンエラストマーの粉末の少なくとも1種のゲルを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤系として、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸コポリマー/オルガノポリシロキサンエラストマー系を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0008】
化粧料組成物
最初に、本発明の組成物はエマルションとは異なることに留意することが重要である。
エマルションは、一般的に油性液相と水性液相から成る。エマルションは、これらの2つの液相の一方の液滴の他方の液相内の分散系である。エマルションの分散相を形成する液滴のサイズは典型的にほぼマイクロメーター(0.1〜100μm)である。さらに、エマルションは、その経時的な安定性を保証するために界面活性剤又は乳化剤の存在を必要とする。
対照的に、本発明の組成物は、2つの非混和性ゲル化相の巨視的に均質な混合物から成る。これらの2つの相は両方ともゲル型テクスチャーを有する。このテクスチャーは特に、一貫した及び/又はクリーム状の外観によって視覚的に反映されている。
用語「巨視的に均質な混合物」は、各ゲル化相が裸眼で個別化できない混合物を意味する。
さらに正確には、本発明の組成物では、ゲル化水相とゲル化油相が互いに貫通し合い、ひいては安定な、かつ一貫した生成物を形成する。この一貫性は、互いに貫通し合ったマクロドメインを混合することによって達成される。これらの互いに貫通し合ったマクロドメインは測定不能な対象である。従って、顕微鏡によれば、本発明の組成物はエマルションとは非常に異なる。本発明の組成物は「観念」、すなわちO/W又はW/O観念を有するとしてどちらかに特徴づけることはできない。
従って、本発明の組成物は、ゲル型の一貫性を有する。組成物の安定性は、界面活性剤なしで持続性である。結果として、本発明の化粧料組成物は、その経時的な安定性を保証するために如何なる界面活性剤又はシリコーン乳化剤をも必要としない。
【0009】
従来技術から、例えば、ゲル型組成物を形成する前に水性ゲル化相若しくは親油性ゲル化相のどちらかに染料物質を導入することによって、ゲル型組成物中の水性ゲルと油性ゲルの混合物の本質的な性質を観察することが知られている。目視検査では、ゲル型組成物において、ゲル化した水相又はゲル化した油相の一方のみに染料が存在しても、染料は均一に分散しているように見える。実際には、ゲル型組成物を形成する前に、油相と水相にそれぞれ異なる色の2種の異なる染料を導入すれば、ゲル型組成物全体にわたって均一に分散された両方の色を観察することができる。これは、エマルションを形成する前に、水相又は油相にそれぞれ水溶性又は油溶性の染料を導入すると、外相内の染料の色のみが観察されるであろうエマルションとは対照的である(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Edition (1995) Chapter 21, page 282)。
【0010】
「滴下試験」を行なうことによって、ゲル型組成物をエマルションと区別することも知られている。この試験は、ゲル型組成物の双連続性を実証することを基礎とする。実際には、上述したように、組成物の一貫性は、水性及び油性ゲル化ドメインを互いに貫通させ合うことによって達成される。従って、それぞれ親水性及び疎水性溶媒による簡単な試験によってゲル型組成物の双連続性を強調することができる。この試験は、一方で、被験組成物の第1サンプル上に親水性溶媒の液滴を堆積させ、他方で、同被験組成物の第2サンプル上に疎水性溶媒の液滴を堆積させて、両溶媒液滴の挙動を分析することを基礎とする。O/Wエマルションの場合、親水性溶媒の液滴はサンプル内で拡散し、疎水性溶媒の液滴はサンプル表面にとどまる。W/Oエマルションの場合、親水性溶媒の液滴はサンプル表面にとどまり、疎水性溶媒の液滴はサンプル全体に拡散する。最終的に、ゲル型組成物(双連続系)の場合、親水性及び疎水性液滴はサンプル全体に拡散する。
【0011】
本発明の場合、ゲル型組成物をエマルションと区別する特権を与えられる試験は、希釈試験に存する。実際には、ゲル型組成物では、ゲル化水性ドメインとゲル油性ドメインが互いに貫通し合い、安定な一貫性組成物を形成し、その水及び油中での希釈挙動はエマルションの挙動と異なる。従って、ゲル型組成物(双連続系)の希釈挙動をエマルションと比較することができる。
さらに詳細には、希釈試験は、30mlのプラスチックビーカー内で160gの希釈溶媒(水又は油)に加えて40gの生成物を入れることを基礎とする。この希釈は、制御された撹拌下で行なって、いずれの乳化現象をも回避する。特に、遊星型ミキサー:Speed Mixer TM DAC400FVZを用いて行なう。ミキサーの速度を4分間1500rpmに設定する。最後に、結果として生じるサンプルの観察を光学顕微鏡で100倍(10×10倍)の拡大率で行なう。Dow CorningからのParleam(登録商標)及びXiameter PMX-200 Silicone Fluid 5CS(登録商標)のような油は希釈溶媒として適していることに気づくかもしれない。
ゲル型組成物(双連続系)の場合、油中又は水中のどちらかで希釈すると、不均一態様が常に観察される。ゲル型組成物(双連続系)を水で希釈すると、懸濁液中の油性ゲルの塊を観察し、ゲル型組成物(双連続系)を油で希釈すると、懸濁液中の水性ゲルの塊を観察する。
反対に、エマルションは希釈すると異なる挙動を示す。O/Wエマルションは、水性溶媒で希釈すると、不均一かつ塊のある態様を示すことなく徐々に薄くなる。この同O/Wエマルションは、油で希釈すると、不均一な外観を呈する(油に懸濁したO/Wエマルションの塊)。W/Oエマルションは、水性溶媒で希釈すると、不均一な外観を呈する(水に懸濁したW/Oエマルションの塊)。この同W/Oエマルションは、油で希釈すると、不均一かつ塊のある態様を示すことなく徐々に薄くなる。
【0012】
本発明によれば、本発明の組成物を形成する水性ゲル化相及び油性ゲル化相は、95/5〜5/95の範囲の質量比で存在する。さらに好ましくは、水相と油相は、30/70〜80/20の範囲の質量比で存在する。
2つのゲル化相間の比は、所望の化粧品特性に応じて調整される。
従って、特に顔のメイクアップ組成物の場合、1より大きい水性ゲル化相/油性ゲル化相質量比、特に60/40〜90/10の範囲、好ましくは60/40〜80/20、好ましくは60/40〜70/30の範囲を優先するのが有利であり、さらに好ましくは60/40又は70/30の水性ゲル化相/油性ゲル化相質量比を優先する。
これらの好ましい比は、爽やかかつ軽い組成物を得るのに特に有利である。
有利には、本発明の組成物は、外的機械的応力を受けなければ流れない最小の応力を有するクリーム状ゲルの形態である。
後述する文脈から明らかになるように、本発明の組成物は、1.5Paの最小限界応力、特に10Paより大きい限界応力を有し得る。
本発明の組成物は、有利には少なくとも400Paに等しく、好ましくは1000Paより大きい剛性モジュラスG*をも有する。
有利な実施形態異型によれば、本発明の組成物を形成するために検討中のゲル化相は、それぞれ、1.5Paより大きい、好ましくは10Paより大きい限界応力を有する。
限界応力の特徴づけは、振動レオロジー測定によって行なわれる。本明細書の実験セクションで測定方法を提示する。
一般に、対応する測定は、蒸発防止装置(ベルジャー)を取り付けたプレート-プレート測定体(直径60mm)を備えたHaake RS600強制応力レオメーターを用いて25℃で行なう。各測定では、サンプルを適所にそっと置き、空隙(2mm)にサンプルを置いて5分後に測定を始める。次に1Hzの設定周波数で組成物を10
-2〜10
3Paの応力勾配に供する。
本発明の組成物は、ある一定の弾性をも有し得る。この弾性は、剛性モジュラスG*によって特徴づけ可能である。この最小応力限界下ではこの値は少なくとも400Paに等しく、好ましくは1000Paより大きくてよい。組成物の値G*は、検討中の組成物を1Hzの設定周波数で10
-2〜10
3Paの応力勾配に供することによって得られる。
【0013】
親水性ゲル化剤
本発明の目的では、用語「親水性ゲル化剤」は、本発明の組成物の水相をゲル化できる化合物を意味する。
このゲル化剤は親水性であり、ひいては本組成物の水相内に存在する。
ゲル化剤は水溶性又は水分散性であり得る。
上述したように、本発明の組成物の水相は、合成のポリマーゲル化剤から選択される少なくとも1種の親水性ゲル化剤でゲル化される。
本発明の目的では、用語「合成の」は、ポリマーが天然に存在せず天然起原のポリマーの誘導体でもないことを意味する。
本発明の検討中の合成のポリマー親水性ゲル化剤は、粒状でもよく、粒状でなくてもよい。
本発明の目的では、用語「粒状」は、ポリマーが粒子、好ましくは球状粒子の形であることを意味する。
後述する文脈から明らかになるように、ポリマー親水性ゲル化剤は、有利には、特に下記で定義されるように、架橋アクリルホモポリマー又はコポリマー;会合性ポリマー、特にポリウレタン型の会合性ポリマー;ポリアクリルアミド及び架橋及び/又は中和された2-アクリルアミド-2−メチルプロパンスルホン酸ポリマー及びコポリマー;変性又は未変性カルボキシビニルポリマー、及びその混合物から選択される。
【0014】
A.粒状合成ポリマーゲル化剤
それらは、好ましくは架橋ポリマーから選択される。
それらは、特に架橋アクリルホモポリマー又はコポリマーでもよく、好ましくは部分的に中和されるか又は中和され、かつ粒状の形である。
一実施形態によれば、本発明の粒状ゲル化剤は、架橋ポリアクリル酸ナトリウムから選択される。好ましくは、それは、乾燥又は非水和状態で100μm、好ましくは50μm以下の平均サイズを有する。粒子の平均サイズは、レーザー粒度分析又は当業者に知られる他の等価な方法によって測定される質量-平均径(D50)に対応する。
従って、好ましくは、本発明の粒状ゲル化剤は、架橋ポリアクリル酸ナトリウムから、好ましくは100ミクロン以下の平均サイズ(又は平均直径)を有する粒子の形で、より好ましくは球状粒子の形で選択される。
架橋ポリアクリル酸ナトリウムの例として、Avecia社によってブランド名Octacare X100、X110及びRM100で販売されているもの、SNF社によって商品称Flocare GB300及びFlosorb 500で販売されているもの、BASF社によって商品名Luquasorb 1003、Luquasorb 1010、Luquasorb 1280及びLuquasorb 1110で販売されているもの、Grain Processing社によって商品名Water Lock G400及びG430(INCI名: アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー)で販売されているものに言及することができる。
架橋ポリアクリラートマイクロスフェア、例えば、Sumitomo Seika社によって商品名Aquakeep(登録商標)10 SH NFで販売されているものも言及することができる。
該ゲル化剤は、水相の総質量に対して0.1質量%〜5質量%の固形分、水相の総質量に対して、特に0.3%〜2%、特に0.5%〜1.7%の割合で使用し得る。
【0015】
B.非粒状合成ポリマーゲル化剤
このゲル化剤ファミリーは、下記のサブファミリーで詳述され得る。
1.会合性ポリマー、
2.ポリアクリルアミド及び架橋及び/又は中和された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー及びコポリマー、及び
3.変性又は未変性カルボキシビニルポリマー。
【0016】
B.1 会合性ポリマー
本発明の目的では、用語「会合性ポリマー」は、その構造内に少なくとも1種の脂肪鎖及び少なくとも1種の親水性部分を含むいずれの両親媒性ポリマーをも意味する。本発明の会合性ポリマーは、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性でもよい。
【0017】
会合性アニオンポリマー
言及し得る会合性アニオンポリマーのうち、少なくとも1個の親水性単位及び少なくとも1個の脂肪鎖アリルエーテル単位を含むもの、さらに特に親水性単位が不飽和エチレン性アニオンモノマー、さらに特にビニルカルボン酸、最も特にアクリル酸又はメタクリル酸又はその混合物によって形成され、脂肪鎖アリルエーテル単位が、下記式(I)のモノマーに対応するものがある:
CH
2 = C(R’)CH
2 O B
n R(I)
(式中、R’は、H又はCH
3を示し、Bは、エチレンオキシ基を示し、nは、ゼロであるか又は1〜100の範囲の整数を示し、Rは、8〜30個の炭素原子、好ましくは10〜24個、なおさらに特に12〜18個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキル、アリール、アルキルアリール及びシクロアルキル基から選択される炭化水素ベース基を示す)。
このタイプのアニオン性両親媒性ポリマーは、特許EP 0 216 479に乳化重合プロセスに従って、記載され調製されている。
【0018】
会合性アニオン性ポリマーのうち、マレイン酸無水物/C
30-C
38-α-オレフィン/マレイン酸アルキルターポリマー、例えばNewphase Technologies社によって商品名Performa V 1608で販売されている製品(マレイン酸無水物/C
30-C
38-α-オレフィン/マレイン酸イソプロピルコポリマー)にも言及することができる。
会合性アニオン性ポリマーうち、好ましい実施形態によれば、そのモノマーのうちのα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸及びα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸とオキシアルキレン化脂肪アルコールのエステルを含むコポリマーに言及することができる。
好ましくは、これらの化合物は、モノマーとしてα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸とC
1-C
4アルコールのエステルを含む。
言及し得るこのタイプの化合物の例としては、Roehm & Haas社が販売しているAculyn 22(登録商標)が挙げられ、これはメタクリル酸/アクリル酸エチル/オキシアルキレン化メタクリル酸ステアリル(20個のEO単位を含む)ターポリマー又はAculyn 28(登録商標)(メタクリル酸/アクリル酸エチル/オキシアルキレン化メタクリル酸ベヘニル(25個のEO)ターポリマー)である。
言及し得る会合性アニオン性ポリマーには、不飽和オレフィンカルボン酸タイプの少なくとも1個の親水性単位、及び不飽和カルボン酸の(C
10-C
30)アルキルエステルのようなタイプだけの少なくとも1個の疎水性単位を含むアニオン性ポリマーも挙げられる。言及し得る例としては、特許US 3 915 921及びUS 4 509 949に従って記載され調製されているアニオン性ポリマーが挙げられる。
言及し得る会合性アニオン性ポリマーには、アニオンターポリマーも挙げられる。
本発明に用いられるアニオン性ターポリマーは、(1)非イオン性モノマーで部分的又は全体的に塩化されている遊離型の酸性官能基を有する(2)N,N-ジメチルアクリルアミド及びアクリル酸2-ヒドロキシエチル及び少なくとも1種のポリオキシエチレン化アクリル酸アルキルモノマーから選択された(3)下記式(I)の少なくとも1種のモノマーの直鎖又は分岐及び/又は架橋ターポリマーである:
【化1】
【0019】
式中、R1は水素原子を表し、Rは直鎖又は分岐C
2-C
8アルキル基を表し、nは1〜10の数を表す。
用語「分岐ポリマー」は、このポリマーが水に溶解されたときに、低速度勾配で非常に高い粘性をもたらす高程度の絡み合いを得るようにペンダント鎖を有する非直鎖ポリマーを意味する。
用語「架橋ポリマー」は、化学ゲルの生成をもたらす、水に不溶であるが水に膨潤可能である三次元網目構造の形である非直鎖ポリマーを意味する。
モノマー(1)の酸官能基は、特にスルホン酸又はホスホン酸官能基であり、前記官能基は遊離形又は部分的又は全体的に塩化された形である。
モノマー(1)は、遊離形又は部分的又は全体的に塩化された形で、スチレンスルホン酸、エチルスルホン酸及び2-メチル-2-[(1オキソ2-プロペニル]アミノ]-1-プロパンスルホン酸(タウリン酸アクリロイルジメチルとしても知られる)から選択されてもよい。これは、好ましくは5mol%と95mol%の間、さらに特に10mol%と90mol%の間のモル比でアニオン性ターポリマーに存在する。モノマー(1)は、さらに特に遊離形又は部分的又は全体的に塩化された形の2-メチル-2-[(1オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸である。
【0020】
部分的又は全体的に塩化された形の酸性官能基は、好ましくはナトリウム塩又はカリウム塩のようなアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩のようなアミノアルコール塩、又はリシン塩のようなアミノ酸塩である。
モノマー(2)は、好ましくは4.9mol%と90mol%の間、さらに特に9.5mol%と85mol%の間、なおさらに特に19.5mol%と75mol%の間のモル比でアニオンターポリマーに存在する。
式(I)において、言及し得る直鎖C
8-C
16アルキル基の例としては、オクチル、デシル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル及びヘキサデシルが挙げられる。
式(I)において、言及し得る分岐C
8-C
16アルキル基の例としては、2-エチルヘキシル、2-プロピルヘプチル、2-ブチルオクチル、2-ペンチルノニル、2-ヘキシルデシル、4-メチルペンチル、5-メチルヘキシル、6-メチルヘプチル、15-メチルペンタデシル、16-メチルヘプタデシル及び2-ヘキシルオクチルが挙げられる。
本発明の特定の形によれば、式(I)において、Rは、C
12-C
16アルキル基を示す。
本発明の特定の形によれば、式(I)において、nは、3〜5の範囲にある。
テトラエトキシル化アクリル酸ラウリルが、さらに特に式(I)のモノマーとして使用される。
【0021】
式(I)のモノマー(3)は、好ましくは0.1mol%と10mol%の間、さらに特に0.5mol%と5mol%の間のモル比でアニオン性ターポリマーに存在する。
本発明の特定態様によれば、アニオン性ターポリマーは、、ジエチレン又はポリエチレン化合物で用いられるモノマーの全量に対して表される割合で、0.005mol%〜1mol%、好ましくは0.01mol%〜0.5mol%、さらに特に0.01mol%〜0.25mol%に架橋及び/又は分岐される。
架橋剤及び/又は分岐剤は、好ましくは、エチレングリコールジメタクリラート、ジアリルオキシ酢酸又はその塩、例えばジアリルオキサ酢酸ナトリウム、テトラアリルオキシエタン、エチレングリコールジアクリラート、ジアリルウレア、トリアリルアミン、トリメチロールプロパントリアクリラート及びメチレンビス(アクリルアミド)、又はその混合物から選択される。
アニオン性ターポリマーは、錯化剤、転移剤又は鎖制限剤のような添加剤を含有してもよい。
さらに特に、INCI名ポリアクリラートクロスポリマー-6、例えば、SEPPIC社によって商標名Sepimax Zen(登録商標)として販売されている製品の、アンモニウム塩の形で部分的又は全体的に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸、N,N-ジメチルアクリルアミド及びトリメチロールプロパントリアクリラートで架橋されたテトラエトキシル化ラウリルアクリラートのアニオン性ターポリマーが利用される。
【0022】
カチオン性会合性ポリマー
言及し得るカチオン性会合性ポリマーとしては、アミン側鎖基を有するポリアクリラートが挙げられる。
四級化又は非四級化アミン側鎖基をもったポリアクリラートは、例えば、Steareth-20(ポリオキシエチレン化(20)ステアリルアルコール)のようなタイプの疎水基を含有する。
言及し得るアミノ側鎖基を有するポリアクリラートの例としては、National Starch社からのポリマー8781-121B又は9492-103である。
【0023】
非イオン性会合性ポリマー
非イオン性会合性ポリマーは、
− ビニルピロリドンと脂肪鎖疎水性モノマーのコポリマー;
−メタクリル酸又はアクリル酸C
1-C
6アルキルと少なくとも1つの脂肪鎖を含む両親媒性モノマーのコポリマー;
− 親水性メタクリラート又はアクリラートと少なくとも1つの脂肪鎖を含む疎水性モノマーのコポリマー、例えばポリエチレングリコールメタクリラート/ラウリルメタクリラートコポリマー;
− 会合性ポリウレタン
から選択される。
会合性ポリウレタンは、鎖内に通常ポリオキシエチレンの種類の親水性ブロック(その場合、ポリウレタンはポリウレタンポリエーテルと呼ばれてもよい)と、脂肪族配列のみ及び/又は脂環式及び/又は芳香族配列であってよい疎水性ブロック両方を含む非イオン性ブロックコポリマーである。
【0024】
特に、これらのポリマーは、親水性ブロックによって分離された、6〜30個の炭素原子を含有する少なくとも2つの炭化水素ベース親油性鎖を含み、炭化水素ベース鎖はおそらく親水性ブロック末端のペンダント鎖(1つ以上)である。特に、1つ以上のペンダント鎖が想定されることが可能である。さらに、ポリマーは、親水性ブロックの一端で又は両端で炭化水素ベース鎖を含んでもよい。
会合性ポリウレタンは、トリブロック又はマルチブロックの形のブロックポリマーでもよい。従って、疎水性ブロックは、鎖の各端にあってもよく(例えば:親水性中央ブロックを含有するトリブロックコポリマー)又は末端と鎖の両方に分配されてもよい(例えば:マルチブロックコポリマー)。これらのポリマーは、また、グラフトポリマー又は星型ポリマーでもよい。好ましくは、会合性ポリウレタンは、親水性ブロックが50〜1000のオキシエチレン基を含むポリオキシエチレン鎖であるトリブロックコポリマーである。一般に、会合性ポリウレタンは、親水性ブロックの間にウレタン結合を含み、そこから名前を生じる。
1つの好ましい実施形態によれば、ポリウレタン型の非イオン性会合性ポリマーはゲル化剤として使用する。
【0025】
本発明に使用し得る非イオン性脂肪鎖ポリウレタンポリエーテルの例として、Rheolate(登録商標)FX 1100(Steareth-100/PEG 136/HDI(ヘキサメチルジイソシアネート)コポリマー)、Elementis社によって販売されている尿素官能基を含有するRheolate(登録商標)205又はRheolate(登録商標)208、204又は212、さらに、Acrysol(登録商標)RM 184又はAcrysol(登録商標)RM 2020を使用することも可能である。
Akzoからの製品C
12-C
14アルキル鎖を含有するElfacos(登録商標)T210、及び製品C
16-
18アルキル鎖(PPG-14 Palmeth-60 ヘキシルジカルバメート)を含有するElfacos(登録商標)T212にも言及することができる。
水中20%の固形分含量で販売されているC
20アルキル鎖及びウレタン結合を含有するRoehm & Haasからの製品DW 1206B(登録商標)も使用し得る。
これらのポリマーを、特に水又は水性アルコール媒体に溶解したもの又は分散したものが利用されてもよい。言及し得る該ポリマーの例としては、Elementis社によって販売されているRheolate(登録商標)255、Rheolate(登録商標)278及びRheolate(登録商標)244が挙げられる。Roehm & Haas社によって販売されている製品DW 1206F及びDW 1206Jも使用し得る。
本発明に従って使用し得る会合性ポリウレタンは、特にG. Fonnum, J. Bakke and Fk. Hansen, Colloid Polym. Sci., 271, 380-389 (1993)による論文に記載されているものである。
【0026】
さらに特に、本発明によれば、(i)150〜180モルのエチレンオキシドを含む少なくとも1種のポリエチレングリコール、(ii)ステアリルアルコール又はデシルアルコール、及び(iii)少なくとも1種のジイソシアネートを含む少なくとも3種の重縮合によって化合物を得ることができる会合性ポリウレタンが利用されてもよい。
該ポリウレタンポリエーテルは、特にRoehm及びHaas社によって商品名Aculyn(登録商標)46及びAculyn(登録商標)44で販売されている。Aculyn(登録商標)46は、マルトデキストリン(4%)と水(81%)のマトリックス中15質量%の、150又は180モルのエチレンオキシドを含有するポリエチレングリコール、ステアリルアルコール及びメチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)の縮重合体であり、Aculyn(登録商標)44は、プロピレングリコール(39%)と水(26%)の混合物中35質量%の、150又は180モルのエチレンオキシドを含有するポリエチレングリコール、デシルアルコール及びメチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)の縮重合体である。
これらのポリマーを、特に水又は水性アルコール媒体に溶解したもの又は分散したものが利用されてもよい。言及し得る該ポリマーの例としては、Elementis社からのSER AD FX1010、SER AD FX1035及びSER AD 1070、及びElementis社によって販売されているRheolate(登録商標)255、Rheolate(登録商標)278及びRheolate(登録商標)244が挙げられる。Roehm & Haas社からの製品Aculyn(登録商標)44、Aculyn(登録商標)46、DW 1206F及びDW 1206J、さらにAcrysol(登録商標) RM 184、或いはBorchers社からのBorchigel LW 44、並びにその混合物が利用されてもよい。
【0027】
両性会合性ポリマー
本発明の会合性両性ポリマーのうち、
架橋又は非架橋、分岐又は非分岐両性ポリマーに言及することができ、これは下記の共重合によって得ることができる:
1)式(IVa)又は(IVb)の少なくとも1種のモノマー:
【化2】
【0028】
(式中、R
4及びR
5は、同一又は異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を表し、
R
6、R
7及びR
8は、同一又は異なっていてもよく、1〜30個の炭素原子を含有する直鎖の又は分岐アルキル基を表し;
Zは、NH基又は酸素原子を表し;
nは、2〜5の整数であり;
A
-は、無機酸又は有機酸から誘導されるアニオン、例えばメトスルファートアニオン又はクロリド又はブロミドのようなハライドである);
2)式(V)の少なくとも1種のモノマー:
【化3】
(式中、R
9及びR
10は、同一又は異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を表し;
Z
1は、基OH又は基NHC(CH
3)
2CH
2SO
3Hを表す);
3)式(VI)の少なくとも1つのモノマー:
【化4】
【0029】
(式中、R
9及びR
10は、同一又は異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を表し、Xは、酸素原子又は窒素原子を表し、R
11は1〜30個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐アルキル基を表し);
4)任意に少なくとも1種の架橋又は分岐剤;式(IVa)(IVb)又は(VI)のモノマーの少なくとも1つは8〜30個の炭素原子を含有する少なくとも1種の脂肪鎖を含み、式(IVa)、(IVb)、(V)及び(VI)のモノマーの前記化合物は、例えばC
1-C
4アルキルハライド又はC
1-C
4ジアルキルスルファートで四級化されていてもよい。
本発明の式(IVa)及び(IVb)のモノマーは、好ましくは以下からなる群から選択される:
− メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、
− メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、
− メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、
− ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、例えばC
1-C
4アルキルハライド又はC
1-C
4ジアルキルスルファートで四級化されていてもよい。
【0030】
さらに特に、式(IVa)のモノマーは、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドから選択される。
本発明の式(V)の化合物は、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2-メチルクロトン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及び2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸によって形成される群から選択される。さらに特に、式(V)のモノマーはアクリル酸である。
本発明の式(VI)のモノマーは、好ましくはC
12-C
22、さらに特にC
16-C
18アルキルアクリラート又はメタクリラートによって形成される群から選択される。
架橋剤又は分岐剤は、好ましくはN,N’-メチレンビスアクリルアミド、トリアリルメチルアンモニウムクロリド、アリルメタクリラート、n-メチロールアクリルアミド、ポリエチレングリコールジメタクリラート、エチレングリコールジメタクリラート、ジエチレングリコールジメタクリラート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリラート及びアリルスクロースから選択される。
本発明のポリマーは、非イオン性モノマー、特にC
1-C
4アルキルアクリラート又はメタクリラートのような他のモノマーを含有してもよい。
これらの両性ポリマーにおけるカチオン電荷数/アニオン電荷数の比は好ましくは約1に等しい。
会合性両性ポリマーの質量-平均分子量は、500を超える、好ましくは10 000と10 000 000の間、さらに好ましくは100 000と8 000 000の間の質量-平均分子量を有する。
【0031】
好ましくは、本発明の会合性両性ポリマーは、1mol%〜99mol%、さらに好ましくは20mol%〜95mol%、なおさらに好ましくは25mol%〜75mol%の式(IVa)又は(IVb)を含有する。それらは、また、好ましくは1mol%〜80mol%、さらに好ましくは5mol%〜80mol%、なおさらに好ましくは25mol%〜75mol%の式(V)の化合物を含有する。式(VI)の化合物の含量は、好ましくは0.1mol%と70mol%の間、さらに好ましくは1mol%と50mol%の間、なおさらに好ましくは1mol%と10mol%の間にある。架橋剤又は分岐剤は、それが存在する場合、好ましくは0.0001mol%と1mol%の間、さらに好ましくは0.0001mol%と0.1mol%の間にある。
好ましくは、式(IVa)又は(IVb)の化合物と式(V)の化合物の間のモル比は、20/80〜95/5、より好ましくは25/75〜75/25の範囲にある。
本発明の会合性両性ポリマーは、例えば、特許出願WO 98/44012に記載されている。
本発明に従って特に好ましい両性ポリマーは、アクリル酸/アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/メタクリル酸ステアリルコポリマーから選択される。
好ましい実施形態によれば、会合性ポリマーは、非イオン性会合性ポリマーから、さらに特に会合性ポリウレタン、例えばElementisによって商品名Rheolate FX 1100で販売されているSteareth-100/PEG-136/HDIコポリマーから選択される。このような会合性ポリマーは、水相の総質量に対して、有利には0.1%から8重量%の固形分、好ましくは0.5質量%と4質量%の間の割合で用いられる。
【0032】
B.2 ポリアクリルアミド及び架橋及び/又は中和された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー及びコポリマー
使用されるポリマーは、本発明の水性ゲル化剤として適切であり、少なくとも2-アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS(登録商標))モノマーを、水性アンモニア以外の無機塩基、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムで部分的又は全体的に中和された形で含む架橋又は非架橋ホモポリマー又はコポリマーであってよい。
これらは、好ましくは全体に又はほぼ全体に中和される、すなわち少なくとも90%中和される。
本発明のこれらのAMPS(登録商標)ポリマーは、架橋又は非架橋であってよい。
ポリマーが架橋される場合、架橋剤は、ラジカル重合によって得られたポリマーを架橋させるために一般に用いられるポリオレフィン系不飽和化合物から選択されてもよい。
言及し得る架橋剤の例としては、ジビニルベンゼン、ジアリルエーテル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジアリルエーテル、エチレングリコール又はテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレエート、テトラアリルエチレンジアミン、テトラアリルオキシエタン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、アリル(メタ)アクリラート、糖系列のアルコールのアリルエーテル又は多官能価アルコールの他のアリルエーテル又はビニルエーテル、さらにリン酸及び/又はビニルホスホン酸誘導体のアリルエステル、又はこれらの化合物の混合物が挙げられる。
【0033】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、架橋剤は、メチレンビスアクリルアミド、アリルメタクリラート及びトリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)から選択される。架橋度は、ポリマーに対して一般的には0.01mol%〜10mol%、さらに特に0.2mol%〜2mol%の範囲にある。
本発明で使用するのに適したAMPS(登録商標)ポリマーは、水溶性又は水分散性である。この場合には、
− AMPSモノマーのみ及び架橋される場合には上で定義したもののような1種以上の架橋剤を含むいずれの「ホモポリマー」;又は
− AMPS(登録商標)と1種以上の親水性又は疎水性エチレン性不飽和モノマー及び架橋される場合には上で定義したもののような1種以上の架橋剤から得られるコポリマー
である。前記コポリマーが疎水性エチレン性不飽和モノマーを含む場合、これらのモノマーは脂肪鎖を含まず、好ましくは少量で存在する。
本発明の目的では、用語「脂肪鎖」は、少なくとも7個の炭素原子を含むいずれの炭化水素ベース鎖をも意味するものである。
用語「水溶性又は水分散性」は、1%の質量濃度で、25℃で水相に導入される場合、巨視的に均質な及び透明な溶液を得ることを可能にするポリマー、すなわち500nmに等しい波長で、試料1cm厚を通して、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の最大光透過率値を有する溶液を意味する。
【0034】
本発明の「ホモポリマー」は、好ましくは架橋さ中和され、下記の工程を含む調製プロセスに従って得ることができる:
(a)遊離形のAMPS等のモノマーをtert-ブタノール又は水とtert-ブタノールの溶液に分散又は溶解する;
(b)(a)で得られたモノマー溶液又は分散液を1種以上の無機塩基又は有機塩基、好ましくは水性アンモニアNH
3で、90%〜100%の範囲の程度のポリマーのスルホン酸官能基の中和を得ることを可能にする量で中和する;
(c)架橋用モノマーを(b)で得られた溶液又は分散液に添加する;
(d)標準フリーラジカル重合を10℃〜150℃の範囲の温度でフリーラジカル開始剤の存在下で行う;ポリマーはtert-ブタノールベースの溶液又は分散液から沈殿する。
本発明の水溶性又は水分散性AMPS(登録商標)コポリマーは、水溶性エチレン性不飽和モノマー、疎水性モノマー、又はこれの混合物を含有する。
水溶性コモノマーは、イオン性又は非イオン性であってもよい。
イオン性水溶性コモノマーのうち、言及し得る例としては下記の化合物、及びその塩が挙げられる:
− (メタ)アクリル酸、
− スチレンスルホン酸、
− ビニルスルホン酸及び(メタ)アリルスルホン酸、
− ビニルホスホン酸、
− マレイン酸、
− イタコン酸、
− クロトン酸、
− 下記式(A)の水溶性ビニルモノマー:
【化5】
【0035】
式中、
− R
1は、H、-CH
3、-C
2H
5及び-C
3H
7から選択され、
− X
1は、以下から選択される:
− タイプ-OR
2(R
2は少なくとも1つのスルホン基(-SO
3-)及び/又はスルファート基(-SO
4-)及び/又はホスファート基(-PO
4H
2-)で置換された、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐の飽和又は不飽和炭化水素ベース基である)のアルキルオキシド。
非イオン性水溶性コモノマーのうち、言及し得る例としては以下が挙げられる:
− (メタ)アクリルアミド、
− N-ビニルアセトアミド及びN-メチル-N-ビニルアセトアミド、
− N-ビニルホルムアミド及びN-メチル-N-ビニルホルムアミド、
− 無水マレイン酸、
− ビニルアミン、
− 4〜9個の炭素原子を含有する環状アルキル基を含むN-ビニルラクタム、例えばN-ビニルピロリドン、N-ブチロラクタム及びN-ビニルカプロラクタム、
− 式CH
2=CHOHのビニルアルコール、
− 下記式(B)の水溶性ビニルモノマー:
【化6】
【0036】
式中、
− R
3は、H、-CH
3、-C
2H
5及び-C
3H
7から選択され、
− X
2は、タイプ-OR
4(R
4はハロゲン(ヨウ素、臭素、塩素又はフッ素)原子で置換されていてもよい、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐の飽和又は不飽和炭化水素ベース基である);ヒドロキシル(-OH)基;エーテルから選択される。
例えば、グリシジル(メタ)アクリラート、ヒドロキシエチルメタクリラート、及びエチレングリコール、ジエチレングリコール又はポリアルキレングリコールの(メタ)アクリレラートに言及される。
脂肪鎖を含まない疎水性コモノマーのうち、例えば、下記に言及することができる:
− スチレン及びその誘導体、例えば4-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン;
− 式CH
2=CH-OCOCH
3の酢酸ビニル;
− 式CH
2=CHOR(Rは1〜6個の炭素を含有する直鎖又は分岐の飽和又は不飽和炭化水素ベース基である)のビニルエーテル;
− アクリロニトリル;
− カプロラクトン;
− 塩化ビニル及び塩化ビニリデン;
− 重合後、メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン及びシリコーンメタクリルアミド等のシリコーンポリマーが得られるシリコーン誘導体、;
− 下記式(C)の疎水性ビニルモノマー:
【化7】
【0037】
式中、
− R
4は、H、-CH
3、-C
2H
5及び-C
3H
7から選択され;
− X
3は、以下から選択される:
− タイプ-OR
5(R
5は1〜6個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐の飽和又は不飽和炭化水素ベース基である)のアルキルオキシド。
例えば、メタクリル酸メチル、メタクリエチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル及びアクリル酸2-エチルヘキシルに言及される。
本発明の水溶性又は水分散性のAMPS(登録商標)ポリマーは、好ましくは50 000 g/mol〜10 000 000 g/mol、好ましくは80 000 g/mol〜8 000 000 g/mol、さらに好ましくは100 000 g/mol〜7 000 000 g/molの範囲のモル質量を有する。
本発明での使用に適した水溶性の又は水分散性AMPSホモポリマーとして、例えば、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウムの架橋又は非架橋ポリマー、例えば、商品Simulgel 800(CTFA名:ポリアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム)に使用されたもの、架橋アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸アンモニウムポリマー(INCI名:アンモニウムポリジメチルタウラミド)、例えば、特許EP 0 815 928 B1に記載されているもの及びClariant社によって商標名Hostacerin AMPS(登録商標)として販売されている製品等に言及することができる。
【0038】
本発明の水溶性又は水分散性AMPSコポリマーとして、言及し得る例としては以下が挙げられる:
− 架橋アクリルアミド/ナトリウムアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホナートコポリマー、例えば、商品Sepigel 305(登録商標)(CTFA名:ポリアクリルアミド/C
13-C
14 イソパラフィン/Laureth-7)に用いられるもの又はSEPPIC社によって商品名Simulgel600(CTFA名:アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム/イソヘキサデカン/Polysorbate-80)として販売されている商品に使用されたもの;
− AMPS(登録商標)とビニルピロリドン又はビニルホルムアミドのコポリマー、
例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムで中和された以外はClariant社によって名称Aristoflex AVC(登録商標)(CTFA名:アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VPコポリマー)として販売されている商品に使用されたもの;
− AMPS(登録商標)とアクリル酸ナトリウムのコポリマー、例えばAMPS/アクリル酸ナトリウムコポリマー、例えば、SEPPIC社によって商品名Simulgel EG(登録商標)として又は商標名Sepinov EM(CTFA名:アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー)として販売されている商品に使用されたもの;
− AMPS(登録商標)とアクリル酸ヒドロキシエチルのコポリマー、例えばAMPS(登録商標)/アクリル酸ヒドロキシエチルコポリマー、例えば、SEPPIC社によって商品名Simulgel NS(登録商標)(CTFA名:アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー(及び)Squalane(及び)Polysorbate 60)として販売されている商品に使用されたもの、又は例えば商品名ナトリウムアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホナート/アクリル酸ヒドロキシエチルコポリマーで販売されている製品、例えば商品Sepinov EMT 10(INCI名:アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー)。
本発明の好ましい水溶性又は水分散性AMPSコポリマーとして、AMPS(登録商標)とアクリル酸ヒドロキシエチルのコポリマーに言及することができる。
一般に、本発明の水相は、その総質量に対して0.1%〜10%、好ましくは0.2%〜8%、さらに好ましくは0.5%〜6%、さらに0.5質量%〜5質量%の固形分のポリアクリルアミド及び/又は架橋及び/又は中和された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー及びコポリマーを含み得る。
【0039】
B.3 変性又は未変性のカルボキシビニルポリマー
変性又は未変性のカルボキシビニルポリマーは、(a)α,β-エチレン性不飽和カルボン酸又はそのエステルから選択される少なくとも1種のモノマーの重合から誘導されるコポリマーであってもよく、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーは(b)疎水性基を含む。
用語「コポリマー」は、2つのタイプのモノマーから得られるコポリマー及び2つを超えるタイプのモノマーから得られるもの、例えば3つのタイプのモノマーから得られるターポリマーの両方を意味する。
これらの化学構造は、さらに特に少なくとも1個の親水性単位及び少なくとも1個の疎水性単位を含む。用語「疎水基又は単位」は、少なくとも8個の炭素原子、好ましくは10〜30個の炭素原子、特に12〜30個の炭素原子、より好ましくは18〜30個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐炭化水素ベース鎖を有する基を意味する。
好ましくは、これらのコポリマーは、下記のモノマーの重合から誘導されるコポリマーから選択される:
− 下記式(1)の少なくとも1種のモノマー:
【化8】
【0040】
式中、R
1は、H又はCH
3又はC
2H
5を示す、すなわちアクリル酸、メタクリル酸又はエチルアクリル酸モノマー、及び
− 下記で式(2)のモノマーに対応する不飽和カルボン酸(C
10-C
30)アルキルエステルタイプの少なくとも1種のモノマー:
【化9】
【0041】
式中、R
2は、H又はCH
3又はC
2H
5(すなわちアクリラート、メタクリラート又はエチルアクリラート単位)、好ましくはH(アクリラート単位)又はCH
3(メタクリラート単位)を示し、R
3はC
10-C
30、好ましくはC
12-C
22アルキル基を示す。
不飽和カルボン酸(C
10-C
30)アルキルエステルは、好ましくはラウリルアクリラート、ステアリルアクリラート、デシルアクリラート、イソデシルアクリラート及びドデシルアクリラート、及び対応するメタクリラート、例えばラウリルメタクリラート、ステアリルメタクリラート、デシルメタクリラート、イソデシルメタクリラート及びドデシルメタクリラート、並びにその混合物から選択される。
好ましい実施形態によれば、これらのポリマーは架橋されている。
このタイプのコポリマーのうち、さらに特に、以下を含むモノマー混合物の重合から誘導されるポリマーを使用する:
− 本質的にアクリル酸、
− 上記式(2)のエステル(式中、R
2はH又はCH
3であり、R
3は12〜22個の炭素原子を含有するアルキル基を示す)、及び
− 周知の共重合性不飽和ポリエチレンモノマーである架橋剤、例えばジアリルフタラート、アリル(メタ)アクリラート、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジメタクリラート、メチレンビスアクリルアミド。
【0042】
このタイプのコポリマーのうち、さらに特に95質量%〜60質量%のアクリル酸(親水性単位)、4質量%〜40質量%のC
10-C
30アルキルアクリラート(疎水性単位)及び0〜6質量%の架橋する重合性モノマー、或いは98質量%〜96質量%のアクリル酸(親水性単位)、1質量%〜4質量%のC
10-C
30アルキルアクリラート(疎水性単位)及び0.1質量%〜0.6質量%の架橋する重合性モノマー、例えば以前に記載されたものからなるものが利用される。
上述のポリマーのうち、最も特に本発明による好ましいものは、アクリラート/C
10-C
30-アルキルアクリラートコポリマー(INCI名:アクリラート/C
10-30アルキルアクリラートクロスポリマー)、例えば、商標名Pemulen TR-1、Pemulen TR-2、Carbopol 1382、Carbopol EDT 2020及びCarbopol Ultrez 20 Polymer、なおさらに好ましくはPemulen TR-2としてLubrizol社によって販売されている製品である。
変性又は未変性のカルボキシビニルポリマーのうち、ポリアクリル酸ナトリウム、例えば、90%固形分及び10%水を含有する商品名Cosmedia SPとして販売されているもの、又は約60%固形分、油(水素添加されたポリデセン)及び界面活性剤(PPG-5 Laureth-5)を含有する逆エマルションとしてのCosmedia SPL(登録商標)に言及することができ、両方ともCognis社によって販売されている。
少なくとも1つの極性油を含む逆エマルジョンの形である部分的に中和されたポリアクリル酸ナトリウム、例えば、BASF社によって販売されている商品名Luvigel(登録商標)EMとして販売されている製品に言及することもできる。
【0043】
変性又は未変性のカルボキシビニルポリマーは、架橋された(メタ)アクリル酸ホモポリマーから選択されてもよい。
本特許出願の目的では、用語「(メタ)アクリル」は、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
言及し得る例としては、商品名Carbopol 910、934、940、941、934 P、980、981、2984、5984及びCarbopol Ultrez 10 PolymerとしてLubrizolによって、又は商品名Synthalen(登録商標) K、Synthalen(登録商標) L又はSynthalen(登録商標) Mとして3V-Sigmaによって販売されている製品が挙げられる。
変性又は未変性のカルボキシビニルポリマーのうち、特に、Lubrizol社によって販売されているCarbopol(INCI名:カルボマー)及びPemulen(CTFA名:アクリラート/C10-30アルキルアクリラートクロスポリマー)に言及することができる。
変性又は未変性のカルボキシビニルポリマーは、水相の質量に対して0.1質量%〜10質量%の固形分、水相の質量に対して特に0.3質量%〜8質量%、好ましくは0.4質量%と6質量%の間の割合で存在してもよい。
有利には、本発明の組成物は、架橋及び/又は中和された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸コポリマーから選択されたポリマー親水性ゲル化剤を含む。
別の好ましい異型によれば、合成ポリマー親水性ゲル化剤は、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルのコポリマーである。
【0044】
親油性ゲル化剤
本発明の目的では、用語「親油性ゲル化剤」は、本発明の組成物の油相をゲル化することができる化合物を意味する。
ゲル化剤は、親油性であるので、組成物の油相中に存在する。
ゲル化剤は、脂溶性又は脂肪分散性である。
後述する文脈から明らかになるように、親油性ゲル化剤は、有利には粒状ゲル化剤、オルガノポリシロキサンエラストマー、半結晶性ポリマー、デキストリンエステル及び水素結合を含有するポリマー、並びにその混合物から選択される。
【0045】
I.粒状ゲル化剤
本発明の組成物に用いられる粒状ゲル化剤は、粒子、好ましくは球状粒子の形態である。
本発明で使用するのに適した代表的な親油性粒状ゲル化剤として、最も特に極性ワックス、無極性ワックス、変性粘土、及びヒュームドシリカ及び疎水性シリカエアロゲル等のシリカに言及することができる。
【0046】
ワックス
本発明の文脈で検討中の用語「ワックス」は、一般的には、室温(25℃)で固体であり、固体/液体の状態が可逆的な変化を受け、200℃まで、特に120℃までであってよい、30℃以上の融点を有する親油性化合物を意味する。
本発明の目的では、融点は、ISO規格11357-3(1999)に記載されているように熱分析(DSC)で観察される最大吸熱ピークの温度に相当する。示差走査熱量計(DSC)、例えばTA Instruments社によって商品名MDSC 2920として販売されている熱量計を用いてワックスの融点が測定されてもよい。
測定プロトコルは、以下の通りである:
るつぼ内に置かれた5mg試料のワックスを、-20℃〜100℃の範囲の第1の温度上昇に10℃/分の加熱速度で供し、次に100℃から-20℃に10℃/分の冷却速度で冷却し、最後に-20℃〜100℃の範囲の第2の温度上昇に5℃/分の加熱速度で供する。第2の温度上昇中に、空のるつぼが吸収する力とワックスの試料を含有するるつぼが吸収する力との差の変化を温度の関数として測定する。化合物の融点は、吸収された力の差の変化を温度の関数として表す曲線のピークの頂点に相当する温度値である。
本発明の組成物に使用し得るワックスは、動物、植物、鉱物又は合成起源、及びその混合物の室温で固体であるワックスから選択される。
ワックスは、本発明の目的では、化粧品又は皮膚科の分野で一般に使用するものであってよい。ワックスは、特に極性又は無極性の、エステル官能基又はヒドロキシル官能基を含んでよい炭化水素ベースシリコーン及び/又はフルオロワックスであってよい。ワックスは、天然又は合成起源であってよい。
【0047】
a)無極性ワックス
本発明のための用語「無極性ワックス」は下記で定義されるように25℃での溶解度パラメーター、δ
aが0(J/cm
3)
1/2に等しいワックスを意味する。
Hansen三次元溶解空間の溶解度パラメーターの定義及び計算は、CM. Hansenによる論文:The three dimensional solubility parameters, J.Paint Technol. 39, 105 (1967)に記載されている。
このHansen空間によれば:
− δ
Dは、分子の衝突中に誘発された双極子の形成から生じるロンドン分散力を特徴づけ;
− δ
pは、永久双極子間のデバイ相互作用力を特徴づけ、誘起双極子と永久双極子との間のケーソム(Keesom)相互作用力をも特徴づけ;
− δ
hは、特有の相互作用力(例えば水素結合、酸/塩基、供与体/受容体等)を特徴づけ;
− δ
aは、等式:δ
a=(δ
p2+δ
h2)
1/2によって決定される。
パラメーターδ
p、δ
h、δ
D及びδ
aは、(J/cm
3)
1/2で表される。
無極性ワックスは、特に、炭素原子と水素原子だけから構成され、N、O、Si及びPのようなヘテロ原子がない炭化水素ベースワックスである。
無極性ワックスは、ミクロクリスタンワックス、パラフィンロウ、オゾケライト及びポリエチレンワックス、並びにその混合物から選択される。
言及し得るオゾケライトは、Ozokerite Wax SP 1020 Pである。
用いられ得るミクロクリスタンワックスとして、Sonneborn社として販売されているMultiwax W 445(登録商標)、及びParamelt社として販売されているMicrowax HW(登録商標)及びBase Wax 30540(登録商標)、及びBaerlocher社によって販売されているCerewax(登録商標) No.3が挙げられる。
無極性ワックスとして本発明の組成物に用いられ得るミクロワックスとして、特に、ポリエチレンミクロワックス、例えばMicro Powders社によって商品名Micropoly 200(登録商標)、220(登録商標)、220L(登録商標)及び250S(登録商標)として販売されているものが挙げられる。
言及し得るポリエチレンワックスとしては、New Phase Technologiesによって販売されているPerformalene 500-L Polyethylene及びPerformalene 400 Polyethylene、及びHoneywell社によって販売されているAsensa(登録商標)SC 211が挙げられる。
【0048】
b)極性ワックス
本発明の目的では、用語「極性ワックス」は、その25℃における溶解度パラメーターδ
aが0(J/cm
3)
1/2以外であるワックスを意味する。
特に、用語「極性ワックス」は、その化学構造が基本的に炭素原子及び水素原子から形成され、或いはそれらから構成され、かつ酸素、窒素、ケイ素若しくはリン原子等を含む陰性度が高いヘテロ原子を少なくとも1つ含むワックスを意味する。
極性ワックスは、特に炭化水素ベースワックス、フルオロワックス又はシリコーンワックスである。
優先的に、極性ワックスは、炭化水素ベースワックスであってよい。
用語「炭化水素ベースワックス」は、本質的に炭素原子及び水素原子と、必要により酸素原子及び窒素原子から形成されるか、或いはそれらで構成され、かついずれのケイ素原子又はフッ素原子をも含有しないワックスを意味する。それは、アルコール、エステル、エーテル、カルボン酸、アミン及び/又はアミド基を含有し得る。
本発明によれば、用語「エステルワックス」は、少なくとも1つのエステル官能基を含むワックスを意味する。本発明によれば、用語「アルコールワックス」は、少なくとも1つのアルコール官能基を含む、すなわち少なくとも1つの遊離ヒドロキシル(OH)基を含むワックスを意味する。
【0049】
下記のものをエステルワックスとして特に使用してよい。
− エステルワックス、例えば下記:
i)式R
1COOR
2のワックス(式中、R
1及びR
2は、直鎖、分岐又は環状脂肪族鎖を表し、原子数は10〜50個の範囲であり、O、N又はP等のヘテロ原子を含有してよく、その融点は25〜120℃の範囲である)
ii)Heterene社によって商品名Hest(登録商標)2T-4Sで販売されているビス(1,1,1-トリメチロールプロパン)テトラステアラート;
iii)一般式R
3-(-OCO-R
4-COO-R
5)のジカルボン酸のジエステルワックス、
(式中、R
3及びR
5は、同一又は異なり、好ましくは同一であり、C
4-C
30アルキル基(4〜30個の炭素原子を含むアルキル基)を表し、R
4は、直鎖若しくは分岐C
4-C
30脂肪族基(4〜30個の炭素原子を含むアルキル基)を表し、1つ以上の不飽和を含んでも含まなくてもよく、好ましくは直鎖及び不飽和である);
iv)直鎖若しくは分岐C
8-C
32脂肪鎖を有する動物油又は植物油の接触水素化によって得られるワックス、例えば水素化ホホバ油、水素化サンフラワー油、水素化ヒマシ油、水素化ヤシ油等、及びセチルアルコールでエステル化されたヒマシ油の水素化によって得られるワックスにも言及される;
v) ミツロウ、合成ミツロウ、ポリグリセロール化ミツロウ、カルナウバロウ、カンデリラワックス、オキシプロピレン化ラノリンワックス、米糠ワックス、オールクリーワックス、エスパルトグラスワックス、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、ジャパンワックス、ウルシワックス、モンタンワックス、オレンジワックス、ラウレルワックス、水素化ホホバワックス、サンフラワーワックス、レモンワックス、オリーブワックス又はベリーワックス
から選択されるもの。
【0050】
別の実施形態によれば、極性ワックスは、アルコールワックスであってよい。本発明によれば、用語「アルコールワックス」は、少なくとも1つのアルコール官能基を含む、すなわち少なくとも1つの遊離ヒドロキシル(OH)基を含むワックスを意味する。言及し得るアルコールワックスとしては、例えばNew Phase Technologies社によって販売されているC
30-
50アルコールワックスPerformacol(登録商標)550 Alcohol、ステアリルアルコール及びセチルアルコールが挙げられる。
好ましくは低融点の有利には置換ポリシロキサンであってよい、シリコーンワックスを使用することもできる。
用語「シリコーンワックス」は、少なくとも1つのケイ素原子を含み、特にSi-O基を含む油を意味する。
このタイプの市販のシリコーンワックスのうち、特に商品名Abilwax 9800、9801又は9810(Goldschmidt)、KF910及びKF7002(Shin-Etsu)、又は176-1118-3及び176-11481(General Electric)で販売されているものに言及することができる。
使用可能なシリコーンワックスは、アルキル又はアルコキシジメチコーン、及び(C
20-C
60)アルキルジメチコーン、特に(C
30-C
45)アルキルジメチコーン、例えば、GE-Bayer Silicones社によって商品名SF-1642として販売されているシリコーンワックス又はDow Corning社によって商品名SW-8005(登録商標)C30 Resin Waxで販売されているC
30-
45アルキルジメチルシリルポリプロピルシルセスキオキサンであってもよい。
本発明に文脈では、言及し得る特に有利なワックスとして、ポリエチレンワックス、ホホバワックス、カンデリラワックス及びシリコーンワックス、特にカンデリラワックスが挙げられる。
それらは、油相内の油相の質量に対して0.5質量%〜30質量%、例えば油相の5%と20%の間、さらに特に油相の質量に対して2質量%〜15質量%の割合で存在し得る。
【0051】
変性粘土
本発明の組成物は、少なくとも1種の親油性粘土を含んでよい。
粘土は、天然であっても合成であってもよく、それらは、アルキルアンモニウム塩、例えばC
10〜C
22アンモニウムクロリド、例えば、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリドを用いる処理によって親油性にされる。
それらは、ベントナイト、特にヘクトライト及びモンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ノントロナイト、セピオライト、黒雲母、アタパルジャイト、バーミキュライト及びゼオライトから選択され得る。
それらは好ましくはヘクトライトから選択される。
C
10〜C
22アンモニウムクロリドで変性されたヘクトライト、例えばジステアリルジメチルアンモニウムクロリドで変性されたヘクトライト、例えば、Elementis社によって商品名Bentone 38V(登録商標)で販売されている製品又はElementis社によって商品名Bentone Gel ISD V(登録商標)(87%イソドデカン/10%ジステアルジモニウム/3%プロピレンカーボネート)で販売されているイソドデカンのベントンゲルを親油性粘土として使用するのが好ましい。
親油性粘土は、特に、油相の総質量に対して0.1質量%〜15質量%、特に0.5%〜10%、さらに特に1質量%〜10質量%の範囲の含量で存在し得る。
【0052】
シリカ
本発明の組成物の油相は、ゲル化剤として、ヒュームドシリカ又はシリカエアロゲル粒子を含んでもよい。
a)ヒュームドシリカ
疎水性表面処理を受けたヒュームドシリカが本発明で使用するのに最も適している。特に、シリカ表面に存在するシラノール基の数を減らす化学反応によって、シリカの表面を化学的に修飾することができる。特にシラノール基を疎水基と置き換えることができ、ひいては疎水性シリカが得られる。
疎水性基は、以下のとおりであってよい。
− 特にヒュームドシリカをヘキサメチルジシラザンの存在下で処理することによって得られるトリメチルシロキシル基。このように処理されたシリカは、CTFA(第8版, 2000)によればシリル化シリカ(silica silylate)として知られる。それらは、例えば、Degussa社によって参照コードAerosil R812(登録商標)で、Cabot社によってCab-O-Sil TS-530(登録商標)で販売されている;
− 特にヒュームドシリカをポリジメチルシロキサン又はジメチルジクロロシランの存在下で処理することによって得られるジメチルシリルオキシル又はポリジメチルシロキサン基。このように処理されたシリカは、CTFA(第8版, 2000)によればジメチルシリル化シリカとして知られる。それらは、例えば、参照コードAerosil R972(登録商標)及びAerosi l R974(登録商標)でDegussa社によって並びにCab-O-Sil TS-610(登録商標)及びCab-O-Sil TS-720(登録商標)でCabot社によって販売されている。
ヒュームドシリカは、本発明の組成物中に油相の総質量に対して0.1質量%と40質量%の間、さらに特に1質量%と15質量%の間、なおさらに特に油相の総質量に対して2質量%と10質量%の間で存在し得る。
【0053】
b)疎水性シリカエアロゲル
本発明の組成物の油相は、ゲル化剤として、少なくともシリカエアロゲル粒子を含んでもよい。
シリカエアロゲルは、シリカゲルの液体成分を空気と置き換える(乾燥させる)ことによって得られる多孔性物質である。
それらは一般的に液体媒体中でゾルゲルプロセスによって合成され、次に通常は超臨界流体(その最も一般的に使用されるものは超臨界CO
2である)を用いる抽出によって乾燥される。このタイプの乾燥は、細孔及び物質の収縮を避けることができる。ゾルゲルプロセス及び種々の乾燥操作はBrinker C.J. and Scherer G.W., Sol-Gel Science, New York:Academic Press, 1990に詳述されている。
本発明に用いる疎水性シリカエアロゲル粒子は、500〜1500m
2/g、好ましくは600〜1200m
2/g、さらに良くは600〜800m
2/gの単位質量当たりの比表面積(SM)及び1〜1500μm、さらに良くは1〜1000μm、好ましくは1〜100μm、特に1〜30μm、さらに好ましくは5〜25μm、さらに良くは5〜20μm、なおさらに良くは5〜15μmの範囲の体積平均径(D[0.5])として表されるサイズを有する。
一実施形態によれば、本発明に用いる疎水性シリカエアロゲル粒子は、1〜30μm、好ましくは5〜25μm、さらに良くは5〜20μm、なおさらに良くは5〜15μmの範囲の体積平均径(D[0.5])として表されるサイズを有する。
単位質量当たりの比表面積は、国際規格ISO 5794/1(付録D)に対応するJournal of the American Chemical Society, Vol.60, page 309, February 1938に記載されているBET(Brunauer-Emmett-Teller)法としても知られる窒素吸着法で決定可能である。BET比表面積は、検討中の粒子の総比表面積に相当する。
シリカエアロゲル粒子のサイズは、MalvernからのMasterSizer 2000型の通常の粒径分析装置を用いて静的光散乱によって測定可能である。ミー散乱(Mie scattering)理論に基づいてデータを処理する。等方性粒子に対して正確であるこの理論は、非球状粒子の場合に、「有効な」粒径を決定できるようにする。この理論は特にVan de Hulst, H.C.による出版物Light Scattering by Small Particles, Chapters 9 and 10, Wiley, New York,1957に記載されている。
有利な実施形態によれば、本発明に用いる疎水性シリカエアロゲル粒子は、600〜800m
2/gの範囲の単位質量当たりの比表面積(SM)を有する。
【0054】
本発明で使用するシリカエアロゲル粒子は、有利には0.02g/cm
3〜0.10g/cm
3、好ましくは0.03g/cm
3〜0.08g/cm
3の範囲、特に0.05g/cm
3〜0.08g/cm
3の範囲のタップ密度ρを有し得る。
本発明の文脈では、タップ密度プロトコルとして知られる下記プロトコルによりこの密度を評価することができる。
40gの粉末を測定シリンダー中に注ぎ;次に測定シリンダーを、Stampf VolumeterからのStav 2003機械上に置き;次に測定シリンダーを一連の2500のタッピング作用(この操作は、2つの連続試験間の体積の差が2%未満になるまで繰り返される)に供し;次にタップ粉末の最終体積Vfを測定シリンダー上で直接測定する。タップ密度は、比m/Vf、この場合40/Vf(Vfはcm
3で表され、mはgで表される)によって決定される。
1つの好ましい実施形態によれば、本発明で使用する疎水性シリカエアロゲル粒子は、5〜60m
2/cm
3、好ましくは10〜50m
2/cm
3、さらに良くは15〜40m
2/cm
3の範囲の単位体積当たりの比表面積SVを有する。
単位体積当たりの比表面積は、下記関係:S
V=S
M×ρ(ρは、g/cm
3で表されるタップ密度であり、SMは、上で定義したように、m
2/gで表される単位質量当たりの比表面積である)によって与えられる。
【0055】
好ましくは、本発明の疎水性シリカエアロゲル粒子は、5〜18ml/g、好ましくは6〜15ml/g、さらに良くは8〜12ml/gの範囲の、湿潤点で測定される油吸収能を有する。
Wpと表される、湿潤点で測定されるこの吸収能は、均質ペーストを得るために100gの粒子に添加する必要がある油の量に相当する。
それは湿潤点法又は規格NF T 30-022に記載されている粉末の油取込みの決定方法に従って測定される。それは、以下に述べる湿潤点を測定することによって、粉末の利用可能な表面上に吸着される油及び/又は粉末によって吸収される油の量に相当する。
量m=2gの粉末をガラスプレート上に置いてから、油(イソノナン酸イソノニル)を滴加する。粉末への4〜5滴の油の添加後、スパチュラを用いて混合を行ない、油と粉末の集合体が形成されるまで油の添加を続ける。この点から、一度に1滴の割合で油を添加し、引き続き混合物をスパチュラで摩砕する。堅く平滑なペーストが得られたら、油の添加を停止する。このペーストは、クラック又は塊の形成なしでガラスプレート全体に広げられなければならない。次に、用いた油の体積Vs(mlで表される)を記録する。
油取込みは、比Vs/mに相当する。
【0056】
本発明により使用するエアロゲルは、疎水性シリカ、好ましくはシリル化シリカ(INCI名:シリル化シリカ)のエアロゲルである。
用語「疎水性シリカ」は、OH基をシリル基Si-Rn、例えばトリメチルシリル基で官能化するため、その表面がシリル化剤、例えばハロゲン化シラン、例えばアルキルクロロシラン、シロキサン、特にジメチルシロキサン、例えばヘキサメチルジシロキサン、又はシラザンで処理されたいずれのシリカをも意味する。
シリル化によって表面修飾された疎水性シリカエアロゲル粒子の調製については、文献US 7 470 725を参照されたい。
好ましくはINCI名シリル化シリカの、トリメチルシリル基で表面修飾された疎水性シリカエアロゲル粒子を利用するのが好ましい。
本発明で使用し得る疎水性シリカエアロゲルとして、言及し得る例には、Dow Corning社によって、商品名VM-2260又はVM-2270(INCI名:シリル化シリカ)で販売されているエアロゲルがあり、その粒子は約1000μmの平均径及び600〜800m
2/gの範囲の単位質量当たりの比表面積を有する。
Cabot社によって参照コードAerogel TLD 201、Aerogel OGD 201及びAerogel TLD 203、Enova(登録商標) Aerogel MT 1100及びEnova Aerogel MT 1200で販売されているエアロゲルに言及することもできる。
商品名VM-2270(INCI名:シリル化シリカ)でDow Corning社によって販売されているエアロゲルの利用が好ましく、その粒子は5〜15μmの範囲の平均径及び600〜800m
2/gの範囲の単位質量当たりの比表面積を有する。
好ましくは、疎水性シリカエアロゲル粒子は、本発明の組成物中に、油相の総質量に対して0.1質量%〜8質量%、好ましくは0.2質量%〜5質量%、好ましくは0.2質量%〜3質量%の範囲の固形分で存在する。
【0057】
II.オルガノポリシロキサンエラストマー
親油性ゲル化剤として使用可能なオルガノポリシロキサンエラストマーは、本発明の組成物に良い適用特性を与えるという利点をも有する。それは、適用後に非常に優しい感じ及びマット効果を与え、特に皮膚への適用に有利である。それは、ケラチン物質上に存在する凹みの効率的な充填をも可能にする。
用語「オルガノポリシロキサンエラストマー」又は「シリコーンエラストマー」は、粘弾性、特にスポンジ又は補足球の一貫性を有する補足の変形可能オルガノポリシロキサンを意味する。その弾性モジュラスは、この物質が変形に耐え、伸長及び収縮する限られた能力を有するようなものである。この物質は、伸長後にその最初の形状に回復することができる。
それはさらに特に架橋オルガノポリシロキサンエラストマーである。
従って、オルガノポリシロキサンエラストマーは、特に白金触媒の存在下でのケイ素に結合した少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合したエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンとの架橋付加反応によって;或いは特に有機スズの存在下での、ヒドロキシル末端基を含有するジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合した少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンとの脱水素架橋縮合反応によって;或いはヒドロキシル末端基を含有するジオルガノポリシロキサンと、加水分解可能オルガノポリシランとの架橋縮合反応によって;或いは特に有機ペルオキシド触媒の存在下でのオルガノポリシロキサンの熱的架橋によって;或いはγ線、紫外線又は電子ビーム等の高エネルギー放射線によるオルガノポリシロキサンの架橋によって得ることができる。
【0058】
好ましくは、例えば、特許出願EP-A-295 886に記載されているように、オルガノポリシロキサンエラストマーは、(A)それぞれケイ素に結合した少なくとも2つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンと、(B)ケイ素に結合した少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンとの、特に(C)白金触媒の存在下での架橋付加反応によって得られる。
特に、オルガノポリシロキサンエラストマーは、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルポリシロキサンと、トリメチルシロキシ末端基を含むメチルヒドロゲノポリシロキサン(methylhydrogenopolysiloxane)との、白金触媒の存在下での反応によって得られる。
化合物(A)は、オルガノポリシロキサンエラストマーの形成のためのベース試薬であり、架橋は、化合物(A)と化合物(B)との、触媒(C)の存在下での付加反応によって遂行される。
化合物(A)は、特に、各分子の異なるケイ素原子に結合した少なくとも2つの水素原子を含有するオルガノポリシロキサンである。
化合物(A)は、いずれの分子構造をも示すことができ、特に直鎖又は分岐構造又は環式構造を示す。
化合物(A)は、特に、化合物(B)と良好に混和できるように、1〜50000センチストークの範囲の25℃での粘度を有し得る。
化合物(A)のケイ素原子に結合した有機基は、アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル;置換アルキル基、例えば2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル又は3,3,3-トリフルオロプロピル;アリール基、例えばフェニル、トリル、キシリル;置換アリール基、例えばフェニルエチル;及び置換一価炭化水素ベース基、例えばエポキシ基、カルボン酸エスエル基又はメルカプト基であり得る。
従って化合物(A)は、トリメチルシロキシ末端基を含むメチルヒドロポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチルヒドロシロキサンコポリマー、及びジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサン環式コポリマーから選択され得る。
【0059】
化合物(B)は、有利には少なくとも2つの低級アルケニル基(例えばC
2-C
4)を含有するジオルガノポリシロキサンであり;低級アルケニル基は、ビニル、アリル及びプロペニル基から選択され得る。これらの低級アルケニル基は、オルガノポリシロキサン分子のいずれの位置にあってよいが、オルガノポリシロキサン分子の末端にあるのが好ましい。オルガノポリシロキサン(B)は、分岐、直鎖、環式又はネットワーク構造を有し得るが、直鎖構造が好ましい。化合物(B)は、液体状態からガム状態に及ぶ粘度を有し得る。好ましくは、化合物(B)は、25℃で少なくとも100センチストークの粘度を有する。
上記アルケニル基に加えて、化合物(B)中のケイ素原子に結合した他の有機基は、アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル又はオクチル;置換アルキル基、例えば2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル又は3,3,3-トリフルオロプロピル;アリール基、例えばフェニル、トリル又はキシリル;置換アリール基、例えばフェニルエチル;並びに置換一価炭化水素ベース基、例えばエポキシ基、カルボン酸エステル基又はメルカプト基であってよい。
オルガノポリシロキサン(B)は、メチルビニルポリシロキサン、メチルビニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-ジフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むメチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、及びジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)シロキサンコポリマーから選択され得る。
【0060】
特に、オルガノポリシロキサンエラストマーは、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルポリシロキサンと、トリメチルシロキシ末端基を含むメチルヒドロポリシロキサンとの、白金触媒の存在下での反応によって得ることができる。
有利には、化合物(B)の1分子当たりのエチレン基の数と、化合物(A)の1分子当たりのケイ素原子に結合した水素原子の数との合計は少なくとも5である。
化合物(A)中のケイ素に結合した水素原子の総量と化合物(B)中の全てのエチレン性不飽和基の総量との分子比が1.5/1〜20/1の範囲内になるような量で化合物(A)を添加するのが有利である。
化合物(C)は、架橋反応の触媒であり、特にクロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン錯体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン錯体、クロロ白金酸-ジケトン錯体、白金ブラック及び担体上白金である。
触媒(C)は、化合物(A)及び(B)の総量の1000質量部当たり好ましくは0.1〜1000質量部、さらに良くは1〜100質量部の量で、清浄白金金属として添加される。
エラストマーは有利には非乳化エラストマーである。
用語「非乳化」は、いずれの親水性鎖をも含有しない、特にいずれのポリオキシアルキレン単位(特にポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレン)又はいずれのポリグリセリル単位をも含有しないオルガノポリシロキサンエラストマーを定義する。従って、本発明の1つの特定態様によれば、組成物は、ポリオキシアルキレン単位とポリグリセリル単位のないオルガノポリシロキサンエラストマーを含む。
【0061】
特に、本発明で使用するシリコーンエラストマーはジメチコーンクロスポリマー(INCI名)、ビニルジメチコーンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコーンクロスポリマー-3(INCI名)から選択される。
オルガノポリシロキサンエラストマー粒子は、少なくとも1種の炭化水素ベース油及び/又はシリコーン油に含められたエラストマーオルガノポリシロキサンから形成されるゲルの形で運ばれ得る。これらのゲル中、オルガノポリシロキサン粒子は非球状粒子であることが多い。
非乳化エラストマーは、特に、特許EP 242 219、EP 285 886及びEP 765 656並びに特許出願JP-A-61-194009に記載されている。
シリコーンエラストマーは、一般的にゲル、ペースト又は粉末の形であるが、有利にはシリコーンエラストマーが直鎖シリコーン油(ジメチコーン)又は環式シリコーン油(例えば:シクロペンタシロキサン)、有利には直鎖シリコーン油に分散しているゲルの形である。
さらに特に使用し得る非乳化エラストマーとして、商品名KSG-6、KSG-15、KSG-16、KSG-18、KSG-41、KSG-42、KSG-43及びKSG-44でShin-Etsu社によって販売されているもの、商品名DC9040及びDC9041でDow Corning社によって販売されているもの並びに商品名SFE 839でGeneral Electric社によって販売されているものが挙げられる。
【0062】
特定の態様によれば、シクロペンタジメチルシロキサン、ジメチコーン、ジメチルシロキサン、メチルトリメチコーン、フェニルメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチコーン及びシクロメチコーンを含む非排他的リストから選択されるシリコーン油、好ましくは、任意にフッ素化脂肪族基、又はヒドロキシル、チオール及び/若しくはアミン基等の官能基で任意に修飾されていてもよい、25℃で1〜500cStの範囲の粘度を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)又はジメチコーンから選択される直鎖シリコーン油に分散したシリコーンエラストマーのゲルを利用する。
特に下記INCI名を有する化合物に言及することができる。
− ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー、例えばShin-Etsu社からのUSG-105及びUSG-107A;Dow Corning社からのDC9506及びDC9701、
− ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(及び)ジメチコーン、例えばShin-Etsu社からのKSG-6及びKSG-16、
− ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(及び)シクロペンタシロキサン、例えばKSG-15、
− シクロペンタシロキサン(及び)ジメチコーンクロスポリマー、例えばDow Corning社からのDC9040、DC9045及びDC5930、
− ジメチコーン(及び)ジメチコーンクロスポリマー、例えばDow Corning社からのDC9041、
− ジメチコーン(及び)ジメチコーンクロスポリマー、例えばDow Corning社からのDow Corning EL-9240(登録商標)シリコーンエラストマーブレンド(ヘキサジエン/ポリジメチルシロキサン(2cSt)で架橋されたポリジメチルシロキサンの混合物)、
− C4-C24アルキルジメチコーン/ジビニルジメチコーンクロスポリマー、例えばAlzo社からのNuLastic Silk MA。
【0063】
本発明により有利に使用できる直鎖シリコーン油に分散したシリコーンエラストマーの例として、特に下記参照コード:
− ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(及び)ジメチコーン、例えばShin-Etsu社からのKSG-6及びKSG-16;
− ジメチコーン(及び)ジメチコーンクロスポリマー、例えばDow Corning社からのDC9041;及び
− ジメチコーン(及び)ジメチコーンクロスポリマー、例えばDow Corning社からのDow Corning EL-9240(登録商標)シリコーンエラストマーブレンド(ヘキサジエン/ポリジメチルシロキサン(2cSt)で架橋されたポリジメチルシロキサンの混合物)に言及することができる。
好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、好ましくは25℃で1〜100cSt、特に1〜10cStの範囲の粘度を有するジメチコーンで架橋されたINCI名「ジメチコーンクロスポリマー」又は「ジメチコーン(及び)ジメチコーンクロスポリマー」を有する少なくとも1種の架橋シリコーンエラストマー、例えば商品名DC 9041 Dow Corningで販売されているヘキサジエン/ポリジメチルシロキサン(5cSt)で架橋されたポリジメチルシロキサンの混合物又は商品名Dow Corning EL-9240(登録商標)シリコーンエラストマーブレンドDow Corningで販売されているヘキサジエン/ポリジメチルシロキサン(2cSt)で架橋されたポリジメチルシロキサンの混合物を含む。
特に好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、25℃で1〜100cSt、特に1〜10cStの範囲の粘度を有するジメチコーンで架橋されたINCI名「ジメチコーン(及び)ジメチコーンクロスポリマー」を有する少なくとも1種の架橋シリコーンエラストマー、例えば、商品名DC 9041 Dow Corningで販売されている、ヘキサジエン/ポリジメチルシロキサン(5cSt)で架橋されたポリジメチルシロキサンの混合物を含む。
【0064】
オルガノポリシロキサンエラストマー粒子は、粉末形で使用してもよく:Dow Corning社によって商品名Dow Corning 9505 Powder及びDow Corning 9506 Powderで販売されている粉末に言及することができる。これらの粉末はINCI名:ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマーを有する。
例えば、特許US 5 538 793に記載されているように、オルガノポリシロキサン粉末をシルセスキオキサン樹脂で被覆してもよい。該エラストマー粉末は、商品名KSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-103、KSP-104及びKSP-105でShin-Etsu社によって販売され、INCI名:ビニルジメチコーン/メチコーンシルセスキオキサンクロスポリマーを有する。
本発明によって有利に使用され得るシルセスキオキサン樹脂で被覆したオルガノポリシロキサン粉末の例として、特にShin-Etsu社からの参照コードKSP-100に言及することができる。
特に好ましい態様によれば、本発明の組成物は、油性ゲル化剤として及び/又はソフトフォーカスフィラーとして、INCI名:ビニルジメチコーン/メチコーンシルセスキオキサンクロスポリマーを有する少なくとも1種の架橋シリコーンエラストマーを含む。
オルガノポリシロキサンエラストマー型の好ましい親油性ゲル化剤として、特にジメチコーンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコーン(及び)ジメチコーンクロスポリマー (INCI名)、ビニルジメチコーンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコーンクロスポリマー-3(INCI名)から選択される架橋オルガノポリシロキサンエラストマーに言及することができ、特にジメチコーンクロスポリマー(INCI名)に言及することができる。
オルガノポリシロキサンエラストマーは、本発明の組成物中に、油相の総質量に対して0.2質量%と10質量%の間、特に0.2質量%と5質量%の間の活性材料(固形分)の含量で存在し得る。
【0065】
III. 半結晶性ポリマー
本発明の組成物は、少なくとも1種の半結晶性ポリマーを含み得る。好ましくは、半結晶性ポリマーは有機構造、及び30℃以上の融点を有する。
本発明の目的では、用語「半結晶性ポリマー」は、結晶化可能部分と非晶質部分を含み、かつ相温度、特に融点(固液転移)の一次可逆変化を有するポリマーを意味する。結晶化可能部分は、側鎖(又はペンダント鎖)又は骨格内のブロックのどちらかである。
半結晶性ポリマーの結晶化可能部分がポリマー骨格のブロックである場合、この結晶化可能ブロックは、非晶質ブロックとは異なる化学的性質を有し;この場合、半結晶性ポリマーは、例えばジブロック、トリブロック又はマルチブロック型のブロックコポリマーである。結晶化可能部分が骨格上のペンダントである鎖の場合、半結晶性ポリマーはホモポリマー又はコポリマーであり得る。
半結晶性ポリマーの融点は、好ましくは150℃未満である。
半結晶性ポリマーの融点は、好ましくは30℃以上かつ100℃未満である。さらに好ましくは、半結晶性ポリマーの融点は、好ましくは30℃以上かつ70℃未満である。
本発明の半結晶性ポリマーは、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg)で固体であり、30℃以上の融点を有する。融点の値は、示差走査熱量計(DSC)、例えば商品名DSC30でMettler社によって販売されている熱量計を用いて毎分5℃又は10℃温度を上昇させながら測定される融点に相当する。(検討中の融点は、サーモグラムの最大吸熱ピークの温度に対応する点である)。
本発明の半結晶性ポリマーは好ましくは、前記組成物を受けるよう意図されているケラチン支持体、特に皮膚又は唇の温度より高い融点を有する。
本発明によれば、半結晶性ポリマーは有利には、それらの融点より高い温度で脂肪相に可溶、特に少なくとも1質量%まで溶ける。結晶化可能鎖又はブロックを除いて、ポリマーのブロックは非晶質である。
【0066】
本発明の目的では、用語「結晶化可能鎖又はブロック」は、単独で得られたとしたら、融点より高いか又は低いかに応じて非晶質状態から結晶状態に可逆的に変化するであろう鎖又はブロックを意味する。本発明の目的では、「鎖」は、ポリマー骨格に対してペンダント又はラテラルである原子群である。「ブロック」は、ポリマー骨格に属する原子群であり、この群がポリマーの反復単位の1つを構成する。
好ましくは、半結晶性ポリマーのポリマー骨格は、それらの融点より高い温度で脂肪相に可溶である。
好ましくは、半結晶性ポリマーの結晶化可能ブロック又は鎖は、各ポリマーの総質量の少なくとも30%、さらに良くは少なくとも40%に相当する。結晶化可能側鎖を含有する半結晶性ポリマーはホモポリマー又はコポリマーである。結晶化可能ブロックを含有する本発明の半結晶性ポリマーはブロック又はマルチブロックコポリマーである。それらは、反応性二重結合(又はエチレン結合)を含有するモノマーの重合又は重縮合によって得られる。本発明のポリマーが、結晶化可能側鎖を有するポリマーである場合、これらの側鎖は有利にはランダム又は統計的形態である。
好ましくは、本発明の半結晶性ポリマーは合成起源のものである。
好ましい実施形態によれば、半結晶性ポリマーは下記:
− 結晶化可能疎水性側鎖を有する1つ以上のモノマーの重合の結果として生じる単位を含むホモポリマー及びコポリマー、
− 骨格内に少なくとも1つの結晶化可能ブロックを有するポリマー、
− 脂肪族若しくは芳香族又は脂肪族/芳香族ポリエステル型の重縮合物、
− メタロセン触媒作用によって調製されるエチレン及びプロピレンのコポリマー、及び
− アクリラート/シリコーンコポリマー
から選択される。
【0067】
本発明で使用し得る半結晶性ポリマーは、特に下記:
− そのモノマーがEP-A-0 951 897に記載されている、制御された結晶化のポリオレフィンのブロックコポリマー、
− 特に脂肪族若しくは芳香族又は脂肪族/芳香族ポリエステル型の重縮合物、
− メタロセン触媒作用によって調製されるエチレン及びプロピレンのコポリマー、
− 少なくとも1つの結晶化可能側鎖を有するホモポリマー又はコポリマー及び骨格内に少なくとも1つの結晶化可能ブロックを有するホモポリマー又はコポリマー、例えば文献US-A-5 156 911に記載されているもの、例えばパンフレットIntelimer(登録商標)Polymersに記載されているLandec社からのIntelimer(登録商標)製品に相当する(C
10-C
30)アルキルポリアクリラート、Landec社からのLandec IP22 (Rev.4-97)、例えば製品Intelimer(登録商標)IPA 13-1(約145000の分子量と49℃の融点を有するポリステアリルアクリラート)、
− 少なくとも1つの結晶化可能側鎖を有する、特に文献WO-A-01/19333に記載されているように、フルオロ基を含有するホモポリマー又はコポリマー、
− アクリラート/シリコーンコポリマー、例えばアクリル酸とポリジメチルシロキサングラフトを有するアクリル酸ステアリルとのコポリマー、ポリジメチルシロキサングラフトを有するメタクリル酸ステアリルのコポリマー、アクリル酸とポリジメチルシロキサングラフトを有するメタクリル酸ステアリルとのコポリマー、ポリジメチルシロキサングラフトを有するメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びメタクリル酸ステアリルのコポリマー(特にShin-Etsu社によって商品名KP-561(CTFA名 :アクリラート/ジメチコーン)、KP-541(CTFA名:アクリラート/ジメチコーン及びイソプロピルアルコール)、KP-545(CTFA名:アクリラート/ジメチコーン及びシクロペンタシロキサン)で販売されているコポリマーに言及し得る)、
− 及びその混合物
から選択される。
【0068】
好ましくは結晶化可能側鎖を有する半結晶性ポリマーから選択される半結晶性ポリマーの量は、油相の総質量に対して0.1質量%〜30質量%の固体、例えば油相の総質量に対して、0.5質量%〜25質量%、さらに良くは5質量%〜20質量%、なおさらに5質量%〜12質量%に相当するのが好ましい。
【0069】
IV.デキストリンエステル
本発明の組成物は、親油性ゲル化剤として少なくとも1種のデキストリンエステルを含んでよい。
特に、本組成物は好ましくは、デキストリンの少なくとも1種の好ましくはC
12-C
24、特にC
14-C
18脂肪酸エステル、又はその混合物を含む。
好ましくは、デキストリンエステルは、デキストリンと、C
12-C
18、特にC
14-C
18脂肪酸とのエステルである。
好ましくは、デキストリンエステルは、ミリスチン酸デキストリン及び/又はパルミチン酸デキストリン、並びにその混合物から選択される。
特定の実施形態によれば、デキストリンエステルはミリスチン酸デキストリン、特に例えば商品名Rheopearl MKL-2でChiba Flour Milling社により販売されている製品である。
好ましい実施形態によれば、デキストリンエステルは、パルミチン酸デキストリンである。この製品は、例えば、商品名Rheopearl TL(登録商標)、Rheopearl KL(登録商標)及びRheopearl(登録商標)KL2でChiba Flour Milling社によって販売されているものから選択され得る。
特に好ましい様式では、本発明の組成物の油相は、油相の総質量に対して0.1質量%〜30質量%、好ましくは2質量%〜25質量%、好ましくは7.5質量%〜17質量%のデキストリンエステルを含み得る。
特に好ましい様式では、本発明の組成物は、油相の総質量に対して0.1質量%〜10質量%、好ましくは0.5質量%〜5質量%のパルミチン酸デキストリンを含み得る。パルミチン酸デキストリンは、特に商品名Rheopearl TL(登録商標)、Rheopearl KL(登録商標)又はRheopearl(登録商標)KL2でChiba Flour Milling社によって販売されている製品であってよい。
【0070】
V.水素結合を含有するポリマー
本発明で使用するのに適した水素結合を含有するポリマーの代表例として、最も特にポリアミド、特に炭化水素ベースポリアミド及びシリコーンポリアミドに言及することができる。
【0071】
ポリアミド
本発明の組成物の油相は、炭化水素ベースポリアミド及びシリコーンポリアミド並びにその混合物から選択される少なくとも1種のポリアミドを含み得る。
好ましくは、ポリアミドの総含量は、油相の総質量に対して固形分として表される0.1質量%と30質量%の間、好ましくは0.1質量%と20質量%の間、好ましくは0.5質量%と10質量%の間にある。
本発明の目的では、用語「ポリアミド」は、少なくとも2個の反復アミド単位、好ましくは少なくとも3個の反復アミド単位、さらに良くは10個の反復アミド単位を含有する化合物を意味する。
【0072】
a)炭化水素ベースポリアミド
用語「炭化水素ベースポリアミド」は、本質的に炭素及び水素原子、任意に酸素又は窒素原子から形成され、実際にはなおそれらから構成され、かつ任意のケイ素又はフッ素原子を含まないポリアミドを意味する。それは、アルコール、エステル、エーテル、カルボン酸、アミン及び/又はアミド基を含有してよい。
本発明の目的では、用語「官能化された鎖」は、特にヒドロキシル、エーテル、エステル、オキシアルキレン及びポリオキシアルキレン基から選択される1種以上の官能基又は試薬を含むアルキル鎖を意味する。
有利には、本発明の組成物の本ポリアミドは、100 000g/mol未満(特に1000〜100 000g/molの範囲)、特に50 000g/mol未満(特に1000〜50 000g/molの範囲)より少なく、さらに特に1000〜30 000g/molの範囲、好ましくは2000〜20 000g/mol、より良くは2000〜10 000g/molの質量-平均分子量を有する。
本ポリアミドは、水に、特に25℃で溶解しない。
本発明の第1の実施形態によれば、使用されるポリアミドは、下記式(I)のポリアミド又はその混合物である。
【化10】
【0073】
式中、Xは基-N(R
1)
2又は基-OR
1(R
1は同一又は異なっていてもよい直鎖又は分枝鎖C
8〜C
22アルキル基である)であり、R
2は、C
28〜C
42二酸ダイマー残基であり、R
3は、エチレンジアミン基であり、nは、2〜5である。
特定態様によれば、使用するポリアミドは、式(Ia)のアミド末端ポリアミド又はその混合物である。
【化11】
【0074】
式中、Xは基-N(R
1)
2(R
1は同一又は異なっていてもよい直鎖又は分枝鎖C
8〜C
22アルキル基である)であり、R
2は、C
28〜C
42二酸ダイマー残基であり、R
3は、エチレンジアミン基であり、nは、2〜5である。
本発明の組成物の油相は、また、さらにこの場合には、下記式(Ib)の少なくとも1種の追加のポリアミドを含み得る。
【化12】
【0075】
式中、Xは、基-OR
1(R
1は同一又は異なっていてもよい直鎖又は分岐C
8〜C
22、好ましくはC
16〜C
22アルキル基を表し、R
2は、C
28-C
42ダイマー残基であり、R
3は、エチレンジアミン基であり、nは、2〜5である。
例えば、その商品は、商品名Uniclear 80及びUniclear 100又はUniclear 80 V、Uniclear 100V及びUniclear 100 VGでArizona Chemical社によって販売され、それのINCI名がエチレンジアミン/ステアリルダイマージリノール酸エステルコポリマーである。
【0076】
b)シリコーンポリアミド
シリコーンポリアミドは、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg)の固体であることが好ましい。
シリコーンポリアミドは、式(III)又は(IV)の少なくとも1個の単位を含むポリマーであることが好ましい。
【化13】
又は
【0077】
・R
4、R
5、R
6及びR
7は、同一又は異なっていてもよく、以下から選択された基を表す。
− 飽和又は不飽和のC
1〜C
40直鎖、分岐又は環状炭化水素ベース基、それらの鎖内に1個以上の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含有してよく、フッ素原子で部分的又は全体的に置換されてよい、
− 1個以上のC
1〜C
4アルキル基で置換されていてよいC
6〜C
10アリール基、
− 1個以上の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含有していてもよいポリオルガノシロキサン鎖、
・基Xは、同一又は異なっていてもよく、直鎖又は分岐C
1〜C
30アルキレンジイル基を表し、その鎖内に1個以上の酸素及び/又は窒素原子を含有してよい。
・Yは、飽和又は不飽和のC
1〜C
50直鎖又は分岐アルキレン、アリーレン、シクロアルキルエン、アルキルアリーレン又はアリールアルキレン二価基であり、1個以上の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含んでよく、及び/又は置換基として下記の原子又は原子群の1つを有してよい:フッ素、ヒドロキシル、C3〜C
8シクロアルキル、C
1〜C
40アルキル、C
5〜C
10アリール、1〜3個のC
1〜C
3アルキルで置換されていてもよいフェニル、C
1〜C
3ヒドロキシアルキル及びC
1〜C
6アミノアルキル基、又は
Yは、下記式に対応する基を表す。
【化14】
【0078】
式中
− Tは、ポリオルガノシロキサン鎖で置換されていてもよく、O、N及びSから選択される1個以上の原子を含有してもよい直鎖又は分岐の飽和又は不飽和C
3〜C
24三価又は四価炭化水素ベース基を表すか、又はTは、N、P及びAlから選択される三価原子を表し、
− R
8は、1個以上のエステル、アミド、ウレタン、チオカルバメート、尿素、チオ尿素及び/又はスルホンアミド基を含んでよい、直鎖又は分岐C
1〜C
50アルキル基又はポリオルガノシロキサン鎖を表し、それはポリマーの他の鎖に結合されてもよい。
・nは、2〜500、好ましくは2〜200の範囲の整数であり、mは、1〜1000、好ましくは1〜700、なおさらに良くは6〜200の範囲の整数である。
特定態様によれば、シリコーンポリアミドは、式(III)の少なくとも1個の単位を含み、mが50〜200、特に75〜150の範囲にあり、好ましくは約100である。
より好ましくは、R
4、R
5、R
6及びR
7は、独立して、式(III)において直鎖又は分岐C
1〜C
40アルキル基、好ましくは基CH
3、C
2H
5、n-C
3H
7又はイソプロピル基を表す。
使用し得るシリコーンポリマーの一例として、文献US A 5 981 680の実施例1〜3に従って得られたシリコーンポリアミドの1つに言及することができる。
商品名DC 2-8179(DP 100)及びDC 2-8178(DP 15)でDow Corning社によって販売されている化合物に言及することができ、それのINCI名がNylon-611/ジメチコーンコポリマー、すなわちNylon-611/ジメチコーンコポリマーである。シリコーンポリマー及び/又はコポリマーは、有利には、45℃〜190℃の範囲の固体状態から液体状態への転移温度を有する。好ましくは、それらは、70〜130℃、さらに良くは80℃〜105℃の範囲の固体状態から液体状態への転移温度を有する。
好ましくは、ポリアミド及び/又はシリコーンポリアミドの総含量は、油相の総質量に対して0.5質量%と25質量%、特に2質量%〜20質量%、好ましくは2質量%と12質量%の間にある。
有利には、水素結合を含有するポリマーは、エチレンジアミン/ステアリルダイマージリノール酸エステルコポリマー及びNylon-611/ジメチコーンコポリマーから選択される。
有利な異型によれば、本発明の組成物は、粒状ゲル化剤、オルガノポリシロキサンエラストマー、半結晶性ポリマー、デキストリンエステル及び水素結合を含有するポリマー、並びにその混合物から選択される親油性ゲル化剤、特に少なくとも1種のオルガノポリシロキサンエラストマーを含む。
【0079】
親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤系
好ましい合成的なポリマーの親水性ゲル化剤として、さらに特に、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸コポリマー、特にAMPS(登録商標)とアクリル酸ヒドロキシエチルのコポリマー、例えば、SEPPIC社によって商品名Simulgel NS(登録商標)で販売されている商品に使用されたもの(CTFA名:アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー(及び)スクアレン(及び)ポリソルベート60)、又は商品名アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム/アクリル酸ヒドロキシエチルコポリマー、例えば商品Sepinov EMT 10(INCI名称:アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー)で販売されている製品のようなAMPS(登録商標)/アクリル酸ヒドロキシエチルコポリマーに言及することができる。
オルガノポリシロキサンエラストマー型の好ましい親油性ゲル化剤として、さらに特に、ジメチコーンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコーン(及び)ジメチコーンクロスポリマー(INCI名)、ビニルジメチコーンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコーンクロスポリマー-3(INCI名)、特にジメチコーンクロスポリマー(INCI名)及びジメチコーン(及び)ジメチコーンクロスポリマー(INCI名)から選択される架橋オルガノポリシロキサンエラストマーに言及することができる。
好ましい態様によれば、好ましい親油性ゲル化剤として、さらに特に、シリコーン油に分散されたシリコーンエラストマーゲル及び/又はシルセスキオキサン樹脂で被覆したオルガノポリシロキサンエラストマー粉末に言及することができる。
【0080】
従って、特定の態様によれば、シクロペンタジメチルシロキサン、ジメチコーン、ジメチルシロキサン、メチルトリメチコーン、フェニルメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチコーン及びシクロメチコーンを含む非排他的リストから選択されるシリコーン油、好ましくは25℃で1〜500cStの範囲の粘度を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)又はジメチコーンから選択される直鎖シリコーン油に分散したシリコーンエラストマー、特に下記参照コード:
− ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(及び)ジメチコーン、例えばShin-Etsu社からのKSG-6及びKSG-16、
− ジメチコーン(及び)ジメチコーンクロスポリマー、例えばDow Corning社からのDC9041、
− ジメチコーン(及び)ジメチコーンクロスポリマー、例えばDow Corning社からのDow Corning EL-9240(登録商標)シリコーンエラストマーブレンド
のゲルを利用する。
【0081】
特に好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、好ましくは25℃で1〜100cSt、特に1〜10cStの範囲の粘度を有するジメチコーンを含む、INCI名「ジメチコーン(及び)ジメチコーンクロスポリマー」を有する少なくとも1種の架橋シリコーンエラストマー、例えば商品名DC 9041でDow Corningによって販売されているポリジメチルシロキサンとヘキサジエン/ポリジメチルシロキサン(5cSt)の混合物又は商品名EL-9240(登録商標)シリコーンエラストマーブレンドでDow Corningによって販売されているポリジメチルシロキサンとヘキサジエン/ポリジメチルシロキサン(2cSt)の混合物を含む。
他の特に好ましい態様によれば、本発明の組成物は、INCI名:ビニルジメチコーン/メチコーンシルセスキオキサンクロスポリマー、例えばShin-Etsu社によって販売されている参照コードKSP-100のシルセスキオキサン樹脂で被覆されたオルガノポリシロキサンエラストマーの少なくとも1種の粉末を含む。
本発明で使用するのに最も特に適した親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤系の非限定的な例として、特に2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸/オルガノポリシロキサンエラストマーのコポリマー系に言及することができる。
従って、本発明の組成物は、有利には、親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤系として、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチル/オルガノポリシロキサンエラストマーのコポリマー系を含み得る。
好ましくは、本発明の組成物は、親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤系として、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチル/オルガノポリシロキサンエラストマー粉末のコポリマー系を含み得る。
【0082】
ソフトフォーカスフィラー
前述のように、特許請求された組成物は、特に以下に詳述されるように、少なくとも1種のソフトフォーカスフィラーを含む。
このタイプのフィラーは、それらが欠点をかすんだようにするので特に有利である。前述のように、これらのフィラーの性能は、有利には、本発明の組成物に使用することによって増加する。
ソフトフォーカス効果は、ヘイズ及び透明度測定(透過TH)によって特徴づけられる。ヘイズは、規格ASTM D 1003に従って全透過率に対する光散乱の割合に対応する(透明プラスチックのヘイズ及び視感透過率のための標準試験法)。
25μmフィルムの組成物を50μmポリエチレン(PE)フィルム上へ適用する。次に、室温で1時間乾燥した後にそのフィルムを測定する。最後に、そのフィルムを機械の中に入れ、透明度及びヘイズ測定を行う。
特に、本発明の組成物は、以下を含む:
− 少なくとも1種の合成ポリマー親水性ゲル化剤でゲル化した少なくとも1つの水相;少なくとも1種の親油性ゲル化剤でゲル化した少なくとも1つの油相、前記相はその中に巨視的に均質な混合物を形成する;
− 少なくとも1種のソフトフォーカスフィラー、ヘイズ及び透過THが、それぞれ、規格ASTM D 1003に従って75以上であることに特徴を有する(透明プラスチックのヘイズ及び視感透過率のための標準試験法)。
【0083】
言うまでもなく、下記で示されるように、本発明の組成物は、同時に追加の標準フィラーも含有してよく、当業者が、組成物における種類又は量がソフトフォーカスフィラーによって得られたソフトフォーカス効果を損なうフィラーを選ばないことを確実とするように注意することは理解される。
本発明の目的では、用語「フィラー」は、組成物の媒体に溶けずに分散する形態である無色又は白色、鉱物又は有機、天然又は合成のいずれの形状の固体粒子をも意味するものと解釈すべきである。
本発明の組成物に使用し得るるソフトフォーカスフィラーは、特に1.33と2の間の屈折率によって特徴づけられる。
それらは、一般的には、25μm以下、特に20μm以下、特に15μm以下の数平均サイズを有する粒子を含むか又はそれから構成される。
用語「数平均サイズ」は、集団の半分の統計的粒度分布によって所定の寸法を示し、Malvern Mastersizer機械で測定されたD50と呼ばれる。
これらの粒子は、いずれの形であってもよく、特に球状又は非球状であってもよい。
特に、ソフトフォーカスフィラーは、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ポリウレタン粉末、カルナウバミクロワックス、合成ワックスミクロワックス、シリコーン樹脂粉末、中空半球状シリコーン粒子、アクリルコポリマー粉末、発泡ビニリデン/アクリロニトリル/メチレンメタクリラートマイクロスフェア、特に少なくとも1種のエチレン/アクリル酸コポリマーを含むポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末、シリコーン樹脂で被覆された架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末、デンプン粉末、ポリアミド粉末、シリカ及びシリケート、特にアルミナの粉末、疎水性エーロゲル粒子、3ミクロン以下の数平均サイズを有するタルク、シリカ/TiO2複合体、硫酸バリウム粒子、窒化ホウ素粒子、1%〜2%をミネラルワックスで表面処理されたシリカ粒子、非晶質シリカマイクロスフェア、シリカミクロビーズ、タルク/TiO
2/アルミナ/シリカ複合粉末、シリコーンエラストマー、球状セルロースビーズ、及びその混合物から選択される。
【0084】
さらに特に、ソフトフォーカスフィラーは、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ポリウレタン粉末、カルナウバミクロワックス、合成ワックスミクロワックス、シリコーン樹脂粉末、中空半球状シリコーン粒子、アクリルコポリマー粉末、発泡ビニリデン/アクリロニトリル/メチレンメタクリラートマイクロスフェア、特に少なくとも1種のエチレン/アクリル酸コポリマーを含むポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、デンプン粉末、ポリアミド粉末、シリカ及びシリケート、特にアルミナの粉末、疎水性エーロゲル粒子、3ミクロン以下の数平均サイズを有するタルク、シリカ/TiO
2複合体、硫酸バリウム粒子、窒化ホウ素粒子、1%〜2%のミネラルワックスで表面処理されたシリカ粒子、非晶質シリカマイクロスフェア、シリカミクロビーズ、タルク/TiO
2/アルミナ/シリカ複合粉末、球状セルロースビーズ、及びその混合物からなる群から選択される。
好ましい態様によれば、組成物は、ポリメタクリル酸メチル粉末(バルク充填された又はコア-シェル構造を有する)、タルク/TiO
2/アルミナ/シリカ複合粉末、シリカ/TiO
2複合粉末、中空半球状シリコーン粒子、架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末、シリコーン樹脂で被覆された架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末、デンプン粉末、ポリアミド粉末、球状セルロースビーズ、及びその混合物から選択される少なくとも1種のソフトフォーカスフィラーを含む。
他の好ましい態様によれば、組成物は、アクリルコポリマー粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末(バルク充填マイクロスフェア又はコア-シェル構造を有するマイクロスフェア)、タルク/TiO
2/アルミナ/シリカ複合粉末、シリカ/TiO
2複合粉末、中空半球状シリコーン粒子、デンプン粉末、ポリアミド粉末、球状セルロースビーズ、及びその混合物からなる群から選択される少なくとも1種のソフトフォーカスフィラーを含む。
【0085】
本発明に従って使用し得るソフトフォーカスフィラーとして、特に以下に言及することができる。
− タルク/TiO
2/アルミナ/シリカ複合粉末、例として、例えば、Catalyst & Chemicals社によって商品名Coverleaf AR-80(登録商標)で販売されているもの;
− シリカ/TiO
2複合体、例えば、商品名Sunsil Tin 50でSunjin Chemical社によって販売されているもの;
− 特にポリ(メタ)アクリル酸メチルの、アクリルコポリマー粉末、例えば8μmの平均サイズを有するNihon JunyokiからのPMMA粒子Jurimer MBI(登録商標)、Wackherr社によって商品名Covabeads LH85(登録商標)で販売されている中空PMMA球体、Ganz Chemical社からのPMMA粒子Ganzpearl GMP0820(登録商標)、及び商品名Expancel(登録商標)で販売されている発泡ビニリデン/アクリロニトリル/メチレンメタクリラートマイクロスフェア;アクリラート/エチルヘキシルアクリラートクロスポリマーコポリマーの中空球、例えば商品名Maquibeads SP-10でDaito Kasei Kogyo社によって販売されている製品;アクリラート/エチルヘキシルアクリラートコポリマーマイクロスフェア、例えば、商品名Techpolymer ACP-8CでSerisui Plastics社によって販売されているもの;
− 特許出願JP-2003 128 788及びJP-A-2000-191789に記載されているように、INCI名メチルシラノール/シリケートクロスポリマーの中空半球状シリコーン粒子、例えばTakemoto Oil and FatからのNLK 500(登録商標)、NLK 506(登録商標)及びNLK 510(登録商標);
− 疎水性シリカエアロゲル粒子(INCI名:シリル化シリカ)、例えば、商品名Dow Corning VM-2270 Aerogel Fine ParticlesでDow Corning社によって販売されている製品;
− 架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末、例えばDow Corning社からのDow Corning 9701 Cosmetic Powder(登録商標)(INCI名:ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー);又は商品名EP-9801Hydrocosmetic PowderでDow Corning社によって販売されている製品(INCI名:ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(及び)ブチレングリコール);
− 例えば特許US 5 538 793に記載されているように、 シリコーン樹脂、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆された架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末。該エラストマー粉末は、Shin-Etsu社によって商品名KSP-100(登録商標)、KSP-101(登録商標)、KSP-102(登録商標)、KSP-103(登録商標)、KSP-104(登録商標)及びKSP-105(登録商標)で販売されている;又は商品名MW-SRP-100でMiyoshi Kasei社によって販売されているPEG-7グリセリルココアート、Polyquaternium-7及びメチルシラノールトリ-PEG-8グリセリルココアートで処理されたINCI名ビニルジメチコーン/メチコーンシルセスキオキサンクロスポリマーを有する製品;
− デンプン粉末、特にアルミニウムデンプンオクテニルスクシネート、例えば商品名Dry Flo PlusでAkzo Nobel社によって販売されている製品;
− ポリアミド粉末、例えばNylon(登録商標)12粉末、特にAtochem社によって商品名Orgasol 2002でExtra D Nat Cos(登録商標)で販売されている製品;
− 球状セルロースビーズ、例えば、商品名Cellulobeads USFでDaito Kasei社によって販売されているもの;及び
− その混合物。
【0086】
特定実施形態によれば、本発明に従って使用されるソフトフォーカスフィラーは、以下から選択される。
− タルク/TiO
2/アルミナ/シリカ複合粉末、例として、例えば、Catalyst & Chemicals社によって商品名Coverleaf AR-80(登録商標)で販売されているもの;
− アクリルコポリマー粉末、特にアクリラート/エチルヘキシルアクリラートクロスポリマーコポリマー中空球、例えば、商品名Maquibeads SP-10でDaito Kasei Kogyo社によって販売されている製品;
− 特許出願JP-2003 128 788及びJP-A-2000-191789に記載されているように、 INCI名メチルシラノール/シリカートクロスポリマーの、中空半球状シリコーン粒子、例えばTakemoto Oil and FatからのNLK 506(登録商標);
− 架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末、例えば、商品名EP-9801 Hydrocosmetic PowderでDow Corning社によって販売されている製品(INCI名:ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(及び)ブチレングリコール);
− シリコーン樹脂で、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆された架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末、例えば、Shin-Etsu社によって商品名KSP-100(登録商標)、KSP-101(登録商標)、KSP-102(登録商標)、KSP-103(登録商標)、KSP-104(登録商標)及びKSP-105(登録商標)で販売されている製品;又は商品名MW-SRP-100でMiyoshi Kasei社によって販売されているPEG-7グリセリルココアート、Polyquaternium-7及びメチルシラノールトリ-PEG-8グリセリルココアートで処理されたINCI名ビニルジメチコーン/メチコーンシルセスキオキサンクロスポリマーを有する製品;及び
− その混合物。
【0087】
さらにより好ましくは、本発明に従って使用されるソフトフォーカスフィラーは、以下から選択される。
− タルク/TiO
2/アルミナ/シリカ複合粉末、例として、例えば、Catalyst & Chemicals社によって商品名Coverleaf AR-80(登録商標)で販売されているもの;
− 架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末、例えば、商品名EP-9801 Hydrocosmetic PowderでDow Corning社によって販売されている製品(INCI名:ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(及び)ブチレングリコール);
− シリコーン樹脂で、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆された架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末、例えば、Shin-Etsu社によって商品名KSP-100(登録商標)、KSP-101(登録商標)、KSP-102(登録商標)、KSP-103(登録商標)、KSP-104(登録商標)及びKSP-105(登録商標)で販売されている製品;又は商品名MW-SRP-100でMiyoshi Kasei社によって販売されているPEG-7グリセリルココアート、Polyquaternium-7及びメチルシラノールトリ-PEG-8グリセリルココアートで処理されたINCI名ビニルジメチコーン/メチコーンシルセスキオキサンクロスポリマーを有する製品;及び
− その混合物。
【0088】
一実施形態によれば、前記ソフトフォーカスフィラーは、全体的又は部分的に、及び好ましくは単独で、ゲル化水相中に存在する。
別の実施形態によれば、前記ソフトフォーカスフィラーは、全体的又は部分的に、及び好ましくは単独で、ゲル化油相中に存在する。
別の実施形態によれば、組成物は、ゲル化水相中にソフトフォーカスフィラー及び油相中に第2のソフトフォーカスフィラーを含み、第2のソフトフォーカスフィラーもまたおそらく油性ゲル化剤として作用する。
特に、ソフトフォーカスフィラーが油性ゲル化剤として作用する場合には、組成物の総質量に対して12質量%を超える、好ましくは15質量%を超える含量で存在する。
別の実施形態によれば、本発明の組成物において、ソフトフォーカスフィラーは、油性ゲル化剤と異なる。
本発明の組成物は、前記組成物の総質量に対して0.2質量%〜40質量%、特に0.5質量%〜37質量%、特に0.75質量%〜35質量%、好ましくは1質量%〜30質量%のソフトフォーカスフィラーを含み得る。
【0089】
水相
本発明の組成物の水相は、水と、場合により水溶性溶媒とを含む。
本発明では、用語「水溶性溶媒」は、室温で液体であり、かつ水に混和し得る(25℃及び大気圧で50質量%より高い水との混和性)化合物を意味する。
本発明の組成物に使用し得る水溶性溶媒は揮発性であってもよい。
本発明の組成物に使用し得る水溶性溶媒のうち、特に1〜5個の炭素原子を含有する低級モノアルコール、例えばエタノール及びイソプロパノール等、2〜8個の炭素原子を含有するグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール及びジプロピレングリコール等、C
3及びC
4ケトン並びにC
2-C
4アルデヒドに言及することができる。
水相(水と、場合により水混和性溶媒)は、組成物中に前記組成物の総質量に対して5質量%〜95質量%、さらに良くは30質量%〜80質量%、好ましくは40質量%〜75質量%の範囲の含量で存在し得る。
別の実施形態異型によれば、本発明の組成物の水相は、少なくとも1種のC
2-C
32ポリオールを含み得る。
【0090】
本発明の目的では、用語「ポリオール」は、少なくとも2つのフリーのヒドロキシル基を含むいずれの有機分子をも意味するものと理解すべきである。
好ましくは、本発明に従うポリオールは、室温において液体形態で存在する。
本発明に適したポリオールは、アルキル鎖上に少なくとも2つの-OH官能基、特に少なくとも3つの-OH官能基、さらに特に少なくとも4つの-OH官能基を有する直鎖、分岐又は環式の飽和若しくは不飽和アルキル型の化合物であってよい。
本発明の組成物の配合に有利に適しているポリオールは、特に2〜32個の炭素原子、好ましくは3〜16個の炭素原子を示すものである。
有利には、ポリオールは、例えば、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、例えばグリセロールオリゴマー、例えばジグリセロール、及びポリエチレングリコール、並びにその混合物から選択可能である。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記ポリオールは、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール及びポリエチレングリコール、並びにその混合物から選択される。
特定の実施形態によれば、本発明の組成物は少なくともプロピレングリコールを含み得る。
別の特定の実施形態によれば、本発明の組成物は少なくともグリセロールを含み得る。
【0091】
油相
本発明の目的では、油相は少なくとも1種の油を含む。
用語「油」は、室温及び大気圧で液体形態であるいずれの脂肪物質をも意味する。
本発明の化粧料組成物の調製に適した油相は、炭化水素ベース油、シリコーン油、フルオロ油若しくは非フルオロ油、又はその混合物を含み得る。
油は、揮発性又は不揮発性であってよい。
それらは動物、植物、鉱物又は合成起源のものであってよい。1つの実施形態異型によれば、植物起源の油が好ましい。
本発明の目的では、用語「不揮発性油」は0.13Pa未満の蒸気圧を有する油を意味する。
本発明の目的では、用語「シリコーン油」は、少なくとも1つのケイ素原子、特に少なくとも1つのSi-O基を含む油を意味する。
用語「フルオロ油」は、少なくとも1つのフッ素原子を含む油を意味する。
用語「炭化水素ベース油」は、主に水素原子と炭素原子を含有する油を意味する。
油は、任意に酸素、窒素、硫黄及び/又はリン原子を、例えばヒドロキシル基又は酸基の形で含んでよい。
本発明の目的では、用語「揮発性油」は、室温及び大気圧で皮膚と接触すると、1時間以内に蒸発し得るいずれの油をも意味する。揮発性油は、室温で液体、特に室温及び大気圧で非ゼロの蒸気圧を有する、特に0.13Pa〜40000Pa(10-3〜300mmHg)の範囲、特に1.3Pa〜13000Pa(0.01〜100mmHg)の範囲、さらに特に1.3Pa〜1,300Pa(0.01〜10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する揮発性化粧料化合物である。
【0092】
揮発油
揮発性油は、炭化水素ベース油又はシリコーン油であり得る。
8〜16個の炭素原子を含有する揮発性炭化水素ベース油のうち、特に分岐C
8-C
16アルカン、例えばC
8-C
16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる)、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、例えば、商標名Isopar又はPermethylで販売されている油、分岐C
8-C
16エステル、例えばネオペンタン酸イソヘキシル、及びその混合物に言及することができる。好ましくは、揮発性炭化水素ベース油は、8〜16個の炭素原子を含有する揮発性炭化水素ベース油、及びその混合物、特にイソドデカン、イソデカン及びイソヘキサデカンから選択され、特にイソヘキサデカンである。
8〜16個の炭素原子、特に10〜15個の炭素原子、さらに特に11〜13個の炭素原子を含む揮発性直鎖アルカン、例えばSasolによってそれぞれ参照コードParafol 12-97及びParafol 14-97で販売されているn-ドデカン(C
12)及びn-テトラデカン(C
14)、並びにその混合物、Cognis社からの特許出願WO 2008/155 059の実施例1及び2で得られるウンデカン-トリデカン混合物、n-ウンデカン(C
11)とn-トリデカン(C
13)との混合物、並びにその混合物にも言及することもできる。
言及し得る揮発性シリコーン油としては、直鎖揮発性シリコーン油、例えばヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン及びドデカメチルペンタシロキサンが挙げられる。
言及し得る揮発性環式シリコーン油としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン及びドデカメチルシクロヘキサシロキサンが挙げられる。
【0093】
不揮発性油
不揮発性油は、特に不揮発性炭化水素ベース油、フルオロ油及び/又はシリコーン油から選択可能である。
特に言及し得る不揮発性炭化水素ベース油としては、下記:
− 動物起源の炭化水素ベース油、
− 植物起源の炭化水素ベース油、10〜40個の炭素原子を含有する合成エーテル、例えばジカプリルイルエーテル、
− 合成エステル、例えば式R
1COOR
2の油(式中、R
1+R
2≧10という条件で、R
1は、1〜40個の炭素原子を含有する直鎖若しくは分岐脂肪酸残基を表し、R
2は、特に分岐し、1〜40個の炭素原子を含有する炭化水素ベース鎖を表す)。このエステルは、特に脂肪酸アルコールエステル、例えばオクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールエステル、例えばミリスチン酸イソプロピル又はパルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸オクチル、ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル又はヒドロキシステアリン酸オクチル、アルキル若しくはポリアルキルリシノラアート、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステル、例えばネオペンタン酸イソデシル又はネオペンタン酸イソトリデシル、及びイソノナン酸エステル、例えばイソノナン酸イソノニル又はイソノナン酸イソトリデシル、
− ポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル、例えばジペンタエリスリトールテトラヒドロキシステアラート/テトライソステアラート、
− 12〜26個の炭素原子を含有する分岐及び/又は不飽和炭素ベース鎖を有する室温で液体の脂肪アルコール、例えば2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール及びオレイルアルコール、
− C
12-C
22高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及びその混合物、
− 非フェニルシリコーン油、例えばカプリリルメチコーン、及び
− フェニルシリコーン油、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリカート、ジメチコーン又は100cSt以下の粘度を有するフェニルトリメチコーン、及びトリメチルペンタフェニルトリシロキサン、並びにその混合物;及びこれらの種々の油の混合物が挙げられる。
好ましくは、本発明の組成物は、揮発性及び/又は不揮発性シリコーン油を含む。
本発明の組成物は、前記組成物の総質量に対して5質量%〜95質量%、さらに良くは5質量%〜40質量%、好ましくは7質量%〜35質量%の油を含み得る。
上述したように、本発明のゲル化油相は、1.5Paより大きい、好ましくは10Paより大きい限界応力を有し得る。この限界応力値は、この油相のゲル型テクスチャーを反映する。
【0094】
染料
本発明の組成物は、少なくとも1種の粒状又は非粒状の水溶性又は水不溶性染料を好ましくは組成物の総質量に対して少なくとも0.01質量%の割合で含んでもよい。
明白な理由で、この量は、所望の色効果の強度及び検討中の染料によって与えられる色強度に関して非常に顕著に変化しやすく、その調整は明らかに当業者の能力の範囲内に入る。
本発明の組成物は、前記組成物の総質量に対して0.01質量%〜25質量%、特に0.1質量%〜25質量%、特に1質量%〜20質量%、好ましくは2.5質量%〜15質量%の染料を含み得る。
上述したように、本発明で使用するのに適した染料は水溶性であってよいが、脂溶性であってもよい。
本発明の目的では、用語「水溶性染料」は、水相又は水混和性溶媒に可溶であり、かつ色を付与できるいずれの天然又は合成、一般的に合成化合物をも意味する。
本発明で使用するのに適した水溶性染料としては、特に合成又は天然の水溶性染料、例えばFDC Red 4、DC Red 6、DC Red 22、DC Red 28、DC Red 30、DC Red 33、DC Orange 4、DC Yellow 5、DC Yellow 6、DC Yellow 8、FDC Green 3、DC Green 5、FDC Blue 1、ベタイン(カエンサイ)、カルミン、銅クロロフィリン、メチレンブルー、アントシアニン(エノシアニン(enocianin)、黒ニンジン、ハイビスカス及びニワトコ)、カラメル及びリボラビンが挙げられる。
水溶性染料は、例えば、カエンサイジュース及びカラメルである。
本発明の目的では、用語「脂溶性染料」は、油相又は脂肪物質と混和性の溶媒に可溶であり、かつ色を付与できるいずれの天然又は合成、一般的に合成化合物をも意味する。
本発明で使用するのに適した脂溶性染料としては、特に合成又は天然脂溶性染料、例えばDC Red 17、DC Red 21、DC Red 27、DC Green 6、DC Yellow 11、DC Violet 2、DC Orange 5、スダンレッド、カロテン(β-カロテン、リコピン)、キサントフィル(カプサンチン、カプソルビン、ルテイン)、パーム油、スダンブラウン、キノリンイエロー、アナトー及びクルクミンが挙げられる。
【0095】
これらの着色粒状染料は、それらを含有する組成物の総質量に対して0.01質量%〜15質量%の割合で存在し得る。
それらは特に顔料、真珠層及び/又は金属の色合いを有する粒子であってよい。
用語「顔料」は、水溶液に溶けない白色又は着色鉱物又は有機粒子を意味するものと理解すべきであり、それらを含有する組成物を着色及び/又は不透明にすることを意図している。
本発明の組成物は、前記組成物の総質量に対して0.01質量%〜25質量%、特に0.1質量%〜25質量%、特に1質量%〜25質量%、好ましくは2.5質量%〜15質量%の顔料を含んでよい。
好ましくは、本発明の組成物がメイクアップ組成物である場合、前記組成物の総質量に対して、それは、少なくとも2.5%、好ましくは少なくとも10質量%の顔料を含み得る。
顔料は白色又は着色鉱物及び/又は有機物であり得る。
本発明で使用し得る鉱物顔料としては、酸化チタン、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、酸化セリウム又は二酸化セリウム及び酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム、三価鉄ブルー、マンガンバイオレット、ウルトラマリーンブルー及びクロム水和物、並びにその混合物が挙げられる。
それは、例えば、絹雲母/褐色酸化鉄/二酸化チタン/シリカ型であり得る構造を有する顔料であってもよい。該顔料は、例えば、参照コードCoverleaf NS又はJSでChemicals and Catalysts社によって販売され、30の域のコントラス比を有する。
それらは、例えば、酸化鉄を含有するシリカミクロスフェア型であり得る構造を有する顔料であってもよい。この構造を有する顔料の例は、Miyoshi社により参照コードPC Ball PC-LL-100 Pで販売されている製品であり、この顔料は黄色酸化鉄を含有するシリカミクロスフェアで構成されている。
有利には、本発明の顔料は酸化鉄及び/又は二酸化チタンである。
【0096】
用語「真珠層」は、特に、ある種の軟体動物によりその貝殻内で生成されるか或いは合成される任意形状の虹色又は非虹色の着色粒子を意味するものと理解すべきであり、それは光干渉による色効果を有する。
本発明の組成物は、前記組成物の総質量に対して0〜15質量%の真珠層を含んでよい。
真珠層は、真珠層顔料、例えば酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、オキシ塩化ビスマスで被覆されたチタンマイカ、酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、有機染料で被覆されたチタンマイカ並びにオキシ塩化ビスマスに基づく真珠層顔料から選択可能である。それらは表面に金属酸化物及び/又は有機染料の少なくとも2つの連続層が重ねられたマイカ粒子であってもよい。
また言及し得る真珠層の例としては、酸化チタン、酸化鉄、天然顔料又はオキシ塩化ビスマスで被覆された天然マイカが挙げられる。
市販されている真珠層の中で、Engelhard社によって販売されている真珠層Timica、Flamenco及びDuochrome(マイカに基づく)、Merck社によって販売されているTimiron真珠層、Eckart社によって販売されているPrestigeマイカベース真珠層、及びSun Chemical社によって販売されているSunshine合成マイカベース真珠層が挙げられる。
真珠層は、さらに特に黄色、ピンク色、赤色、青銅色、オレンジ色、茶色、金色及び/又は銅の色若しくは色合いを有し得る。
有利には、本発明による真珠層は、二酸化チタン又は酸化鉄で被覆されたマイカ、及びオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカである。
本発明の目的では、用語「金属の色合いを有する粒子」は、その性質、サイズ、構造及び表面仕上げにより、入射光を特に非虹色様式で反射することができるいずれの化合物をも意味する。
【0097】
本発明で使用し得る金属の色合いを有する粒子は、特に下記:
− 少なくとも1種の金属及び/又は少なくとも1種の金属誘導体の粒子;
− 少なくとも1種の金属及び/又は少なくとも1種の金属誘導体を含んでなる金属の色合いを有する少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆された単物質又は多物質の有機又は鉱物基質を含む粒子;及び
− 前記粒子の混合物から選択される。
前記粒子中に存在し得る金属のうち、例えば、Ag、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Zr、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、Te及びSe、並びにその混合物又は合金に言及することができる。Ag、Au、Cu、Al、Zn、Ni、Mo及びCr並びにその混合物又は合金(例えば青銅及び黄銅)が好ましい金属である。
用語「金属誘導体」は、金属から誘導される化合物、特に酸化物、フッ化物、塩化物及び硫化物を表す。
言及し得るこれらの粒子の例として、アルミニウム粒子、例えば商品名Starbrite 1200 EAC(登録商標)でSiberline社により販売されているもの及びEckart社によるMetalure(登録商標)及び金属層で被覆されたガラス粒子、特に文献JP-A-09188830、JP-A-10158450、JP-A-10158541、JP-A-07258460及びJP-A-05017710に記載されているものが挙げられる。
【0098】
染料の疎水処理
前述した粉状染料は、疎水性薬剤で全体的又は部分的に表面処理して、それらを本発明の組成物の油相とさらに相溶性に、特にそれらが油との良い濡れを有するようにすることができる。従って、これらの処理をした顔料は油相内で良く分散する。
疎水処理した顔料は特に文献EP-A-1 086 683に記載されている。
疎水処理剤は、シリコーン、例えばメチコーン、ジメチコーン及びペルフルオロアルキルシラン;脂肪酸、例えばステアリン酸;金属セッケン、例えばジミリスチン酸アルミニウム、水添タロウグルタミン酸(hydrogenated tallow glutamate)のアルミニウム塩;ペルフルオロアルキルホスファート、ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド;ペルフルオロポリエーテル;アミノ酸;N-アシルアミノ酸又はその塩;レシチン、イソプロピルトリイソステアリルチタナート、セバシン酸イソステアリル、及びその混合物から選択可能である。
上記化合物で言及した用語「アルキル」は、特に1〜30個の炭素原子を含有し、好ましくは5〜16個の炭素原子を含有するアルキル基を表す。
【0099】
追加のフィラー
有利には、本発明の組成物は、1種以上のソフトフォーカスフィラーの他に、ケア及び/又はメイクアップ組成物に従来使用された1種以上のフィラーを含み得る。
これらの追加のフィラーはいずれの形の無色又は白色の固体粒子でもあり、それらは組成物の媒体に不溶で分散された形である。
無機又は有機の天然又は合成の種類のこれらのフィラーは、それらを含有する組成物に軟度を与えかつメイクアップ結果にマットな効果及び均一性を与える。
特に、該追加のフィラーは、本発明の組成物中に組成物の総質量に対して0.5質量%と10質量%の間、特に0.5質量%と7質量%の間、特に0.5質量%と5質量%の間の含量で存在してもよい。
本発明の1つの実施形態によれば、組成物は、少なくとも固体粒子、例えば顔料及び/又は追加のフィラーを含み得る。
有利には、本発明の組成物は、組成物の総質量に対して0.01質量%〜25質量%、特に0.1質量%〜25質量%、特に1質量%〜20質量%、好ましくは5質量%〜15質量%の固体粒子を含み得る。
【0100】
分散剤
有利には、本発明の組成物は分散剤を含んでもよい。
該分散剤は、界面活性剤、オリゴマー、ポリマー又はそのいくつかの混合物であってよい。
1つの特定の実施形態によれば、本発明の分散剤は界面活性剤である。
特定の実施形態異型によれば、本発明の組成物は、組成物の総質量に相対して1質量%未満の界面活性剤を含み、又は界面活性剤さえも含まない。
【0101】
活性剤
特定のケア用途では、本発明の組成物は、少なくとも1種のモイスチャライザー(湿潤剤としても知られる)を含んでよい。
好ましくは、該モイスチャライザーはグリセロールである。
モイスチャライザーは、前記組成物の総質量に対して0.1質量%〜15質量%、特に0.5質量%〜10質量%、なおさらに1質量%〜6質量%の含量で存在することができる。
本発明の組成物に使用し得る他の活性剤として、言及し得る例には、ビタミン及び日焼け止め、並びにその混合物が含まれる。
好ましくは、本発明の組成物は、少なくとも1種の活性剤を含む。
その所望の化粧品特性が影響を受けないように本発明の組成物中に存在する添加剤の性質及び量を調整することは、当業者にとって日常的なことである。
【0102】
一実施形態によれば、本発明の組成物は、有利には体又は顔、特に顔の皮膚をケアするための組成物の形態であり得る。
別の実施態様によれば、本発明の組成物は、有利にはメイクアップベース組成物の形態であり得る。
一実施形態によれば、本発明の組成物は、有利にはファンデーションの形態であり得る。
一実施形態によれば、本発明の組成物は、有利には皮膚、特に顔をメイクアップするための組成物であり得る。従ってそれはアイシャドー又はフェイスパウダーであってよい。
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、有利には唇製品、特にリップスティックの形態であり得る。
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、睫毛用の製品、特にマスカラの形態であり得る。
該組成物は、特に当業者の一般知識により調製される。
特許請求の範囲を含め、本説明全体を通じて、用語「含む」は、特に指定のない限り、「少なくとも1つを含む」と同義であるものと理解すべきである。
用語「...と...の間」及び「...〜...の範囲」は、特に指定のない限り、限界を含めることを意味するものと理解すべきである。
以下に示す例及び数値により本発明をさらに詳細に説明する。特に言及のない限り、指定量は質量百分率として表してある。
【0103】
振動性動的レオロジー測定の方法論
これらは、弾性モジュラスを測定する調和体制のレオロジー的測定である。
これらの測定は、Haake RS600レオメーターを用いて静止製品に関して25℃で、プレート-プレートローターφ60mm及び2mmのギャップで行なう。
この調和体制の測定は、製品の粘弾性特性の特徴づけを可能にする。この技術は、物質を正弦的に経時変化する応力にさらし、この応力への物質の反応を測定することにある。挙動が線形粘弾性である領域(ひずみが応力に比例するゾーン)では、応力(τ)及びひずみ(γ)は、下記様式で記述される時間の2つの正弦関数である。
τ(t) = τ
0 sin (ωt)
γ(t) = γ
0 sin (ωt + δ)
式中:
τ
0は、応力(Pa)の最大振幅を表し;
γ
0は、ひずみ(-)の最大振幅を表し;
ω=2ΠNは、角振動数(rad.秒
-1)を表し、Nは振動数(Hz)を表し;かつ
δは、ひずみに対する応力の位相角(rad)を表す。
従って、2つの関数は同一の角振動数を有するが、それらは角度δだけ位相がずれている。τ(t)とγ(t)の間の位相角δにより、系の挙動を評価することができる。
−δ=0の場合、物質は純粋に弾性であり;
−δ=Π/2の場合、物質は純粋に粘性(ニュートン流体)であり;かつ
−0<δ<Π/2の場合、物質は粘弾性である。
【0104】
一般に、応力とひずみは下記複素形で記述される。
τ*(t) = τ
0 e
iωt
γ*(t) = γ
0 e
(iωt + δ)
応力に対する物質の全抵抗に相当する複素剛性モジュラスは、それが弾性起源であれ粘性起源であれ、下記式:
G* = τ*/ γ* = G’ + iG’’
で定義され、
式中:
G’は、貯蔵モジュラス又は弾性モジュラスであり、貯蔵エネルギーを特徴づけ、周期の過程で完全に元の状態に戻り、G’=(τ
0/γ
0)cosδ;かつ
G’’は、損失モジュラス又は粘性モジュラスであり、周期の過程で内部摩擦によって消散されるエネルギーを特徴づけ、G’’=(τ
0/γ
0)sinδ。
保持されるパラメーターは、1Hzの周波数で測定されるプラトーで記録される平均剛性モジュラスG*である。
【実施例】
【0105】
実施例1:本発明のスムージングケア組成物
本発明のスムージングケア配合物を下記のように調製する。
相Aの成分をビーカーに計量し、Rayneriブレンダーを用いて室温で撹拌する。
相A1の成分を計量し、次に室温で相Aに添加し、次にその混合物を、Rayneriブレンダーを用いて5分間撹拌し、その間にビーカーの壁をスパチュラでこすることによってホモジナイズする。
ゲルの均質化後、計量されている相B及びB1の成分を激しく撹拌しながら5〜10分かけて充分に組み込まれるまで室温で徐々に添加する。
壁をスパチュラでこすり、Rayneriブレンダーを用いてその混合物を激しく撹拌しながら室温で5分間ホモジナイズする。
下記の質量割合を用いて配合物を調製する。
【0106】
【0107】
本発明の組成物は、適用されると非常に良好なソフトフォーカス特性を示す。特に、細孔の顕著な減少が見られる。
【0108】
実施例2:本発明のゲル-ゲル組成物
本発明のゲル-ゲル組成物のソフトフォーカス特性を証明するために、測定を行った。
1)ゲル-ゲル組成物の調製
本発明の配合物を下記のように調製する。
相Aの成分をビーカーに計量し、Rayneriブレンダーを用いて室温で撹拌する。
ゲルの均質化後、計量されている相Bの成分を激しく撹拌しながら室温で徐々に添加する。
ゲル-ゲル組成物が形成する。
混合物を、Rayneriブレンダーを使用して撹拌しながら室温で約5分間、その間にスパチュラでビーカーの壁をこすりながらホモジナイズする。
その混合物を室温で約5分間Rayneriブレンダーを用いて激しく撹拌する。
配合物を下記の質量割合を用いて調製する。
【0109】
【0110】
2)ソフトフォーカスフィラーの添加
上記のように5つのゲル-ゲル組成物を調製し、それらの各々にソフトフォーカスフィラーを試験組成物の総質量に対して4質量%の量で添加する。
下記のソフトフォーカスフィラーの各々を試験する:
− 商品名EP-9801 Hydrocosmetic PowderでDow Corning社によって販売されているジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(及び)ブチレングリコール;
− 商品名Maquibeads SP-10でDaito Kasei Kogyo社によって販売されているメタクリル酸メチルクロスポリマー;
− 商品名Coverleaf AR-80でCatalysts & Chemicals社によって販売されているタルク(及び)シリカ(及び)アルミナ(及び)二酸化チタン;
− 商品名MW-SRP-100でMiyoshi Kasei社によって販売されているPEG-7グリセリルココアート、Polyquaternium-7及びメチルシラノールトリ-PEG-8グリセリルココアートで処理されたビニルジメチコーン/メチコーンシルセスキオキサンクロスポリマー;及び
− 商品名NLK 506でTakemoto Oil & Fat社によって販売されているメチシラノール/シリケートクロスポリマー。
【0111】
3)ソフトフォーカス効果の評価
種々の配合物を50μmポリエチレンフィルム上に25ミクロンの厚さに広げ、各組成物のソフトフォーカス効果を全透過率及びヘイズを測定する種々の方法によって評価した。
ヘイズは、規格ASTM D 1003に従って全透過率に対する光散乱の割合に対応する(透明プラスチックのヘイズ及び視感透過率のための標準試験法)。
結果を下記の表に示す:
【0112】
【0113】
高ヘイズは、実質的なソフトフォーカス効果を反映する。
ソフトフォーカスフィラーを組み込んでいるゲル-ゲル組成物は、高ヘイズ値を有する。従って、本発明のゲル-ゲル組成物が実質的なソフトフォーカス効果を得ることを可能にすることがわかる。
【0114】
実施例3:水性又は油性モノゲル組成物に対するゲル-ゲル組成物の効果の比較
モノゲル組成物と比較したソフトフォーカスフィラーの特性に対するゲル-ゲル組成物の「ブースター」効果を、ソフトフォーカス測定を行うことによって証明した。
従って、異なるソフトフォーカスフィラーを含むバイゲル組成物の特性を同一濃度で同一フィラーを含有するモノゲル組成物と比較した。
1)ゲル-ゲル組成物の調製
フィラーを添加したゲル-ゲル組成物は、実施例2と同様である。
2)水性モノゲル組成物の調製
相Aの成分をビーカーに計量し、Rayneriブレンダーを用いて室温で撹拌する。
相Bの成分をカプセルに計量し、相AにRayneriブレンダーを用いて激しく撹拌しながら室温で添加する。
生成物が濃くなり、水性ゲルが形成する。
その混合物を、充分にホモジナイズされるまで、スパチュラでビーカーの壁をこすりながら室温で約5分間撹拌する。
配合物を下記の質量割合を用いて調製する。
【0115】
【0116】
3)油性モノゲル組成物の調製
相Aの成分をビーカーに計量し、Rayneriブレンダーを用いて室温で激しく撹拌する。
ゲルを形成する。
その混合物を、充分にホモジナイズされるまで、スパチュラでビーカーの壁をこすりながら室温で約2×5分間撹拌する。
配合物を下記の質量割合を用いて調製する。
【0117】
【0118】
4)ソフトフォーカスフィラーの添加
ソフトフォーカスフィラーを、上記のゲル-ゲルとモノゲル組成物の各々に1)〜 3)の点で試験組成物の総質量に対して4%の量で添加する。
下記のソフトフォーカスフィラーの各々を、水性ゲル-ゲルとモノゲル組成物の各々において試験する:
− 商品名EP-9801 Hydrocosmetic PowderでDow Corning社によって販売されているジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(及び)ブチレングリコール;
− 商品名Coverleaf AR-80でCatalysts & Chemicals社によって販売されているタルク(及び)シリカ(及び)アルミナ(及び)二酸化チタン;及び
− 商品名MW-SRP-100でMiyoshi Kasei社によって販売されているPEG-7グリセリルココアート、Polyquaternium-7及びメチルシラノールトリ-PEG-8グリセリルココアートで処理されたビニルジメチコーン/メチコーンシルセスキオキサンクロスポリマー。
商品名NLK 506でTakemoto Oil & Fat社によって販売されているフィラーメチルシラノール/シリケートクロスポリマーをゲル-ゲル組成物及び油性モノゲル組成物において試験した。
【0119】
5)ソフトフォーカスフィラー効果の評価
実施例2に示したように、種々の配合物を50μmポリエチレンフィルム上に25ミクロンの厚さに広げ、各組成物のソフトフォーカス効果を全透過率及びヘイズを測定する種々の方法によって評価した。
結果を下記の表に示す:
【0120】
/:フィラー(親油性又は親水性の)の性質が導入される媒体と相溶性でないので測定可能でない。
【0121】
前述のように、高ヘイズ値は、実質的なソフトフォーカス効果を反映する。
ソフトフォーカスフィラーを組み込んでいるゲル-ゲル組成物は、同一フィラーを同一含量で含むモノゲル組成物と比較して最も高いヘイズ値を有する。
従って、ゲル-ゲル組成物は、水性又は油性モノゲル組成物と比較した場合、ソフトフォーカスフィラーの特性に対して「ブースター」効果を有する。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕ケラチン物質、特に皮膚及び/又は唇をメイクアップ及び/又はケアするための化粧料組成物であって、
− 少なくとも1種の合成ポリマー親水性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの水相、及び
− 少なくとも1種の親油性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの油相
を含み、
前記相が、その中で巨視的に均質な混合物を形成し、
前記組成物が、少なくとも1種のソフトフォーカスフィラーを含む、
前記組成物。
〔2〕前記組成物の総質量に対して0.2質量%〜40質量%、特に0.5質量%〜37質量%、特に0.75質量%〜35質量%、好ましくは1質量%〜30質量%のソフトフォーカスフィラーを含む、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕前記ソフトフォーカスフィラーが、全体的若しくは部分的に、好ましくは単独で、前記ゲル化された水相に存在するか、又は全体的若しくは部分的に、好ましくは単独で、前記ゲル化された油相に存在する、前記〔1〕又は〔2〕に記載の組成物。
〔4〕前記ソフトフォーカスフィラーが、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ポリウレタン粉末、カルナウバミクロワックス、合成ワックスミクロワックス、シリコーン樹脂粉末、中空半球状シリコーン粒子、アクリルコポリマー粉末、発泡ビニリデン/アクリロニトリル/メチレンメタクリレートマイクロスフェア、ポリエチレン粉末、特に少なくとも1種のエチレン/アクリル酸コポリマーを含むもの、ポリメチルメタクリレート粉末、架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末、シリコーン樹脂で被覆された架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末、デンプン粉末、ポリアミド粉末、シリカ及びシリカートの粉末、特にアルミナの粉末、疎水性エーロゲル粒子、3ミクロン以下の数平均サイズを有するタルク、シリカ/TiO2複合体、硫酸バリウム粒子、窒化ほう素粒子、1%〜2%をミネラルワックスで表面処理されたシリカ粒子、アモルファスシリカマイクロスフェア、シリカミクロビーズ、タルク/TiO2/アルミナ/シリカ複合体粉末、シリコーンエラストマー、球状セルロースビーズ、及びその混合物から選択される、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔5〕前記ソフトフォーカスフィラーが、アクリルコポリマー粉末、ポリメチルメタクリレート粉末、タルク/TiO2/アルミナ/シリカ複合体粉末、シリカ/TiO2複合体粉末、中空半球状シリコーン粒子、架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末、シリコーン樹脂で被覆された架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末、デンプン粉末、ポリアミド粉末、球状セルロースビーズ、及びその混合物から選択される、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔6〕合成ポリマー親水性ゲル化剤として、架橋及び/又は中和された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸コポリマーから選択された少なくとも1種のゲル化剤を含む、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔7〕合成ポリマー親水性ゲル化剤として、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とヒドロキシエチルアクリレートとの少なくとも1種のコポリマーを含む、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔8〕前記親油性ゲル化剤が、粒状ゲル化剤、オルガノポリシロキサンエラストマー、半結晶性ポリマー、デキストリンエステル及び水素結合を含有するポリマー、並びにその混合物から選択される、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔9〕親油性ゲル化剤として、好ましくはジメチコーンクロスポリマー、ジメチコーン(及び) ジメチコーンクロスポリマー、ビニルジメチコーンクロスポリマー、ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー、ジメチコーンクロスポリマー-3、特にジメチコーンクロスポリマー及びジメチコーン(及び)ジメチコーンクロスポリマーから選択される少なくとも1種のオルガノポリシロキサンエラストマーを含む、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔10〕親油性ゲル化剤として、シリコーン油に分散されたシリコーンエラストマー及び/又はシルセスキオキサン樹脂で被覆されたオルガノポリシロキサンエラストマーの粉末の少なくとも1種のゲルを含む、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔11〕親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤系として、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸コポリマー/オルガノポリシロキサンエラストマー系を含有する、前記〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔12〕前記水相及び油相を95/5〜5/95、好ましくは30/70〜80/20の水相/油相質量比で含有する、前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔13〕体又は顔、特に顔の皮膚をケアするための組成物の形態である、前記〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔14〕少なくとも固体粒子、例えば顔料及び/又は追加のフィラーを含む、前記〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔15〕揮発性及び/又は不揮発性シリコーン油を含む、前記〔1〕〜〔14〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔16〕少なくとも1種のモイスチャライザー、好ましくはグリセロールを含む、前記〔1〕〜〔15〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔17〕ケラチン物質、特に皮膚及び/又は唇をメイクアップ及び/又はケアするための化粧料組成物の調製方法であって、
− 前記〔1〕、〔6〕及び〔7〕に記載の少なくとも1種の合成ポリマー親水性ゲル化剤でゲル化された水相、及び
− 少なくとも1種の親油性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの油相、
を巨視的に均質な混合物を得るのに適している条件下で混合する少なくとも1つの工程を含み、
前記組成物が、少なくとも1種のソフトフォーカスフィラーを含む、前記方法。
〔18〕少なくとも3つ以上のゲル化された相を混合する工程を含む、前記〔17〕に記載の方法。
〔19〕前記混合が室温で行われる、前記〔17〕又は〔18〕に記載の方法。
〔20〕ケラチン物質、特に皮膚及び/又は唇をメイクアップ及び/又はケアする化粧方法であって、前記〔1〕〜〔16〕のいずれか1項に記載の組成物を前記ケラチン物質に適用することからなる少なくとも1つの工程を含む、前記方法。
〔21〕ケラチン物質、特に皮膚及び/又は唇をメイクアップ及び/又はケアする化粧方法であって、前記ケラチン物質への適用前に又は適用時に、前記〔1〕、〔6〕及び〔7〕に記載の少なくとも1種の合成ポリマー親水性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの水相と、少なくとも1種の親油性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの油相とを用時混合することによって得られた巨視的に均質な組成物を前記物質に少なくとも適用することを含み、且つ前記組成物が少なくとも1種のソフトフォーカスフィラーを含む、前記方法。