特許第6502473号(P6502473)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6502473無線通信システムにおける同期信号送信方法。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6502473
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおける同期信号送信方法。
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20190408BHJP
【FI】
   H04L27/26 114
   H04L27/26 200
   H04L27/26 420
【請求項の数】14
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-507825(P2017-507825)
(86)(22)【出願日】2015年8月5日
(65)【公表番号】特表2017-530596(P2017-530596A)
(43)【公表日】2017年10月12日
(86)【国際出願番号】KR2015008203
(87)【国際公開番号】WO2016024754
(87)【国際公開日】20160218
【審査請求日】2017年2月10日
(31)【優先権主張番号】62/036,105
(32)【優先日】2014年8月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/045,543
(32)【優先日】2014年9月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ソ インクォン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ハンピョル
【審査官】 原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−529416(JP,A)
【文献】 Huawei, HiSilicon,D2DSS design[online],3GPP TSG-RAN WG1♯77 R1-142340,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_77/Docs//R1-142340.zip>,2014年 5月10日
【文献】 Ericsson,Synchronization Signals Design for D2D[online],3GPP TSG-RAN WG1#78 R1-143370,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_78/Docs/R1-143370.zip>,2014年 8月10日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいてD2D(Device−to−Device)端末(UE)が同期信号を送信する方法であって、
二つのシーケンスを組み合せることにより複数のセカンダリー同期信号を生成する段階と、
前記複数のセカンダリー同期信号を一つのサブフレームで送信する段階と
を含み、
前記D2D端末は、前記セカンダリー同期信号が送信されるサブフレームのサブフレーム番号に拘わらず、一つの所定のサブフレーム番号を利用して、前記二つのシーケンスを組み合わせて前記複数のセカンダリー同期信号を生成する、同期信号送信方法。
【請求項2】
前記一つの所定のサブフレーム番号は0である、請求項1に記載の同期信号送信方法。
【請求項3】
前記セカンダリー同期信号が送信される前記サブフレームが同一のサブフレーム番号を有するとみなされる場合、前記生成されたセカンダリー同期信号は連続したシンボル上で送信される、請求項1に記載の同期信号送信方法。
【請求項4】
前記連続したシンボルは0番のサブフレーム上に存在する、請求項3に記載の同期信号送信方法。
【請求項5】
前記D2D端末によって生成されたセカンダリー同期信号の送信には、セカンダリー同期信号のための最大パワー低減が適用される、請求項1に記載の同期信号送信方法。
【請求項6】
前記セカンダリー同期信号の最大送信パワーは、プライマリー同期信号の送信パワーに前記セカンダリー同期信号のための最大パワー低減を適用することによって決定される、請求項5に記載の同期信号送信方法。
【請求項7】
前記パワー低減は端末別に異なって適用される、請求項5に記載の同期信号送信方法。
【請求項8】
無線通信システムにおいて同期信号を送信するD2D(Device−to−Device)端末装置であって、
送信モジュールと、
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、二つのシーケンスを組み合わせることにより複数のセカンダリー同期信号を生成し、一つのサブフレームを介して前記複数のセカンダリー同期信号を送信し、
前記D2D端末は、前記セカンダリー同期信号が送信されるサブフレームのサブフレーム番号に拘わらず、一つの所定のサブフレーム番号を利用して、前記二つのシーケンスを組み合わせて前記複数のセカンダリー同期信号を生成する、D2D端末装置。
【請求項9】
前記所定のサブフレーム番号は0である、請求項8に記載のD2D端末装置。
【請求項10】
前記セカンダリー同期信号が送信される前記サブフレームが同一のサブフレーム番号を有するとみなされる場合、前記生成されたセカンダリー同期信号は連続したシンボル上で送信される、請求項8に記載のD2D端末装置。
【請求項11】
前記連続したシンボルは0番のサブフレーム上に存在する、請求項10に記載のD2D端末装置。
【請求項12】
前記D2D端末によって生成されたセカンダリー同期信号の送信には、セカンダリー同期信号のための最大パワー低減が適用される、請求項8に記載のD2D端末装置。
【請求項13】
前記セカンダリー同期信号の最大送信パワーは、プライマリー同期信号の送信パワーに前記セカンダリー同期信号のための最大パワー低減を適用することによって決定される、請求項12に記載のD2D端末装置。
【請求項14】
前記パワー低減は端末別に異なって適用される、請求項12に記載のD2D端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は無線通信システムに係り、より詳しくはD2D通信における同期信号生成及び送信方法及び装置に対するのである。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムが音声やデータなどのような様々な通信サービスを提供するために広範囲に展開されている。一般に、無線通信システムは、可用のシステムリソース(帯域幅、送信電力など)を共有して複数ユーザとの通信を支援できる多元接続(multiple access)システムである。多元接続システムの例には、CDMA(code division multiple access)システム、FDMA(frequency division multiple access)システム、TDMA(time division multiple access)システム、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)システム、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)システム、MC−FDMA(multi carrier frequency division multiple access)システムなどがある。
【0003】
装置対装置(Device−to−Device;D2D)通信とは、端末(User Equipment;UE)間に直接的なリンクを設定し、基地局(evolved NodeB;eNB)の介入無しで端末間に音声、データなどを直接やり取りする通信方式のことをいう。D2D通信は、端末−対−端末(UE−to−UE)通信、ピア−対−ピア(Peer−to−Peer)通信などの方式を含むことができる。また、D2D通信方式は、M2M(Machine−to−Machine)通信、MTC(Machine Type Communication)などに応用することができる。
【0004】
D2D通信は、急増しているデータトラフィックによる基地局の負担を解決可能な一つの方案として考慮されている。例えば、D2D通信によれば、既存の無線通信システムと異なり、基地局の介入無しで装置間にデータをやり取りするので、ネットワークの過負荷が減る。また、D2D通信を導入することによって、基地局における手順の減少、D2Dに参加する装置の消費電力の低減、データ送信速度の増加、ネットワークの収容能力の増大、負荷の分散、セルカバレージの拡大などの効果を期待することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はPAPR(Peak−to−Average Power Ratio)問題を解決するための同期信号生成及び送信方法を技術的課題とする。
【0006】
本発明で達成しようとする技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されなく、言及しなかった他の技術的課題は下記の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1技術的な態様は、無線通信システムにおいて同期信号を送信する方法であって、
二つのシーケンスの組合せからセカンダリー同期信号を生成する段階と、前記同期信号を送信する段階を含み、前記二つのシーケンスの組合せ方式は前記セカンダリー同期信号が送信されるサブフレーム番号によって異なり、前記セカンダリー同期信号の生成が端末によって行われる場合、前記組合せ方式を決定するサブフレーム番号は同一であると見なす、同期信号送信方法である。
【0008】
本発明の第2技術的な態様は、無線通信システムにおいて同期信号を送信する端末装置であって、送信モジュールと、プロセッサを含み、前記プロセッサは、二つのシーケンスの組合せからセカンダリー同期信号を生成し、前記同期信号を送信し、前記二つのシーケンスの組合せ方式は前記セカンダリー同期信号が送信されるサブフレーム番号によって異なり、前記セカンダリー同期信号の生成が端末によって行われる場合、前記組合せ方式を決定するサブフレーム番号は同一であると見なす、端末装置である。
【0009】
前記第1技術的な側面及び第2技術的な側面は次の事項の全部又は一部を含むことができる。
【0010】
前記同一であると見なすサブフレーム番号は0であってもよい。
【0011】
前記組合せ方式を決定するサブフレーム番号が同一であると見なす場合、前記生成されたセカンダリー同期信号は連続したシンボル上で送信されることができる。
【0012】
前記連続したシンボルは0番サブフレーム上に存在することができる。
【0013】
前記端末によって生成されたセカンダリー同期信号の送信には、セカンダリー同期信号のための最大パワー低減が適用されることができる。
【0014】
前記セカンダリー同期信号の最大送信パワーは、プライマリー同期信号の送信パワーに前記セカンダリー同期信号のための最大パワー低減を適用することによって決定されることができる。
【0015】
前記パワー低減は端末別に異なって適用されることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、同期信号の送信において電力的側面、同期信号の検出において効率性を達成することができる。
【0017】
本発明で得られる効果は以上で言及した効果に制限されなく、言及しなかった他の効果は下記の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本明細書に添付される図面は本発明の理解のために提供するもので、本発明の多様な実施形態を示し、明細書の記載と一緒に本発明の原理を説明するためのものである。
図1】無線フレームの構造を示す図である。
図2】下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。
図3】下りリンクサブフレームの構造を示す図である。
図4】上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
図5】多重アンテナを有する無線通信システムの構成図である。
図6】D2D通信を説明するための図である。
図7】本発明の実施例に係わるPAPR問題を説明するための図である。
図8】送受信装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別に明示しない限り、選択的なものとして考慮されてもよい。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施されてもよく、また、一部の構成要素及び/又は特徴は結合されて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に代えてもよい。
【0020】
本明細書では、本発明の実施例を、基地局と端末間におけるデータ送受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接に通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で、基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)により行われてもよい。
【0021】
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)で構成されるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、又は基地局以外の他のネットワークノードにより行われるということは明らかである。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代えてもよい。中継機は、Relay Node(RN)、Relay Station(RS)などの用語に代えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。
【0022】
以下に記述されるセルの名称は、基地局(base station、eNB)、セクタ(sector)、リモートラジオヘッド(remote radio head、RRH)、リレー(relay)などの送受信ポイントに適用され、また、特定送受信ポイントで構成搬送波(component carrier)を区分するための包括的な用語で使われてもよい。
【0023】
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、これらの特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱することなく他の形態に変更されてもよい。
【0024】
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示すこともできる。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
【0025】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、及び3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書でサポートすることができる。すなわち、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明していない段階又は部分は、上記の標準文書でサポートすることができる。なお、本文書で開示している全ての用語は、上記の標準文書によって説明することができる。
【0026】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような種々の無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802。11(Wi−Fi)、IEEE 802。16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展である。WiMAXは、IEEE 802。16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び進展したIEEE 802。16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では、3GPP LTE及びLTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想はこれに制限されない。
【0027】
LTA/LTA−Aリソース構造/チャネル
図1を参照して無線フレームの構造について説明する。
【0028】
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上り/下りリンク信号パケット送信はサブフレーム(subframe)単位に行われ、1サブフレームは、複数のOFDMシンボルを含む一定の時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム(radio frame)構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2無線フレーム構造を支援する。
【0029】
図1(a)は、タイプ1無線フレームの構造を例示する図である。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1個のサブフレームは時間領域(time domain)において2個のスロット(slot)で構成される。1個のサブフレームを送信するためにかかる時間をTTI(transmission time interval)という。例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0。5msであってよい。1スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、下りリンクでOFDMAを用いているため、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ぶこともできる。リソースブロック(RB)はリソース割当て単位であり、1スロットにおいて複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0030】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なってもよい。CPには、拡張CP(extended CP)及び一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1 OFDMシンボルの長さが増加するため、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、一般CPの場合に比べて少ない。拡張CPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってもよい。端末が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合は、シンボル間干渉をより減らすために、拡張CPを用いることができる。
【0031】
一般CPが用いられる場合、1スロットは7個のOFDMシンボルを含み、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームにおける先頭2個又は3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink control channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てることができる。
【0032】
図1(b)は、タイプ2無線フレームの構造を示す図である。タイプ2無線フレームは、2ハーフフレーム(half frame)で構成される。各ハーフフレームは、5サブフレーム、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period;GP)、及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)で構成され、ここで、1サブフレームは2スロットで構成される。DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定と端末の上り送信同期を取るために用いられる。保護区間は、上りリンク及び下りリンク間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。一方、無線フレームのタイプにかかわらず、1個のサブフレームは2個のスロットで構成される。
【0033】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0034】
図2は、下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。同図で、1下りリンクスロットは時間領域で7個のOFDMシンボルを含み、1リソースブロック(RB)は周波数領域で12個の副搬送波を含むとしたが、本発明はこれに制限されない。例えば、一般CP(normal−Cyclic Prefix)では1スロットが7 OFDMシンボルを含むが、拡張CP(extended−CP)では1スロットが6 OFDMシンボルを含んでもよい。リソースグリッド上のそれぞれの要素をリソース要素(resource element)と呼ぶ。1リソースブロックは12×7個のリソース要素を含む。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの個数NDLは、下り送信帯域幅による。上りリンクスロットは下りリンクスロットと同一の構造を有することができる。
【0035】
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内で第1のスロットにおける先頭部の最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。3GPP LTEシステムで用いられる下り制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format IndicatorChannel;PCFICH)、物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Chanel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、上り送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHで送信される制御情報を、下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、上りリンク又は下りリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上り送信電力制御命令を含む。PDCCHは、下り共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当て及び送信フォーマット、上り共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当て情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割当て、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信されてもよく、端末は複数のPDCCHをモニタすることができる。PDCCHは一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組合せ(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割当て単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマットと利用可能なビット数は、CCEの個数とCCEによって提供されるコーディングレート間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を示すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
【0036】
図4は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別できる。制御領域には上りリンク制御情報を含む物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザーデータを含む物理上り共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。一つの端末のPUCCHは、サブフレームにおいてリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2スロットに対して互いに異なった副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホップ(frequency−hopped)するという。
【0037】
参照信号(Reference Signal;RS)
無線通信システムでパケットを送信する際、送信されるパケットは無線チャネルを介して送信されるため、送信過程で信号の歪みが発生し得る。歪まれた信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号から歪みを補正しなければならない。チャネル情報を把握するために、送信側も受信側も知っている信号を送信し、該信号がチャネルを介して受信される際の歪み程度を用いてチャネル情報を得る方法を主に用いる。該信号をパイロット信号(Pilot Signal)又は参照信号(Reference Signal)という。
【0038】
多重アンテナを使ってデータを送受信する場合には、それぞれの送信アンテナと受信アンテナの間のチャネル状況を探し出すことによって正しい信号を受信することができる。よって、各送信アンテナ別に、より詳しくはアンテナポート(アンテナポート)別に別途の参照信号が存在しなければならない。
【0039】
参照信号は上りリンク参照信号と下りリンク参照信号に区分できる。現在、LTEシステムには、上りリンク参照信号として、
i)PUSCH及びPUCCHを介して送信された情報のコヒーレント(coherent)な復調のためのチャネル推定のための復調参照信号(DeModulation−Reference Signal、DM−RS)、及び
ii)基地局が、ネットワークが他の周波数での上りリンクチャネルの品質を測定するためのサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal、SRS)がある。
【0040】
一方、下りリンク参照信号には、
i)セル内の全ての端末が共有するセル特定参照信号(Cell−specific Reference Signal、CRS)、
ii)特定端末のみのための端末特定参照信号(UE−specific Reference Signal)
iii)PDSCHが送信される場合、コヒーレントな復調のために送信される(DeModulation−Reference Signal、DM−RS)、
iv)下りリンクDMRSが送信される場合、チャネル状態情報(Channel State Information;CSI)を伝達するためのチャネル状態情報参照信号(Channel State Information−Reference Signal、CSI−RS)、
v)MBSFN(Multimedia Broadcast Single Frequency Network)モードで送信される信号に対するコヒーレントな復調のために送信されるMBSFN参照信号(MBSFN Reference Signal)、及び
vi)端末の地理的位置情報を推正するのに用いられる位置参照信号(Positioning Reference Signal)がある。
【0041】
参照信号は、その目的によって、二つに大別することができる。チャネル情報獲得のための目的の参照信号とデータ復調のために用いられる参照信号がある。前者はUEが下りリンクへのチャネル情報を獲得するのにその目的があるので、広帯域で送信されなければならなく、特定のサブフレームで下りリンクデータを受信しない端末であってもその参照信号を受信しなければならない。また、これはハンドオーバーなどの状況にも用いられる。後者は基地局が下りリンクを送信するときに該当のリソースに一緒に送信する参照信号で、端末は該当の参照信号を受信することで、チャネルを測定してデータを復調することができるようになる。この参照信号はデータが送信される領域に送信されなければならない。
【0042】
多重アンテナ(MIMO)システムのモデリング
図5は多重アンテナを有する無線通信システムの構成図である。
【0043】
図5(a)に示したように、送信アンテナの数をN個に、受信アンテナの数をN個に増やせば、送信機又は受信機でだけ多数のアンテナを使う場合とは異なり、アンテナ数に比例して理論的なチャネル送信容量が増加する。したがって、送信レートを向上させ、周波数効率を画期的に向上させることができる。チャネル送信容量が増加するに従い、送信レートは理論的に単一アンテナの利用時の最大送信レート(R)にレート増加率(R)が掛けられた分だけ増加することができる。
【0044】
【数1】
【0045】
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて理論上4倍の送信レートを獲得することができる。多重アンテナシステムの理論的容量の増加が90年代中盤に証明された以後、実質的にデータ送信率を向上させるための多様な技術が現在まで活発に研究されている。また、いくつかの技術は既に3世代移動通信と次世代無線LANなどの多様な無線通信の標準に反映されている。
【0046】
現在までの多重アンテナ関連研究動向を調べると、多様なチャネル環境及び多重接続環境での多重アンテナ通信容量計算などについての情報理論側面研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及びモデル導出研究、送信信頼度向上及び送信率向上のための視空間信号処理技術研究など、多様な観点で活発な研究が進行されている。
【0047】
多重アンテナシステムにおける通信方法を数学的モデリングを用いてより具体的に説明する。前記システムにはN個の送信アンテナとN個の受信アンテナが存在すると仮定する。
【0048】
送信信号を調べると、N個の送信アンテナがある場合、送信可能な最大情報はN個である。送信情報は次のように表現できる。
【0049】
【数2】
【0050】
【化1】
【0051】
【数3】
【0052】
【化2】
【0053】
【数4】
【0054】
【化3】
【0055】
【数5】
【0056】
【化4】
【0057】
【数6】
【0058】
【化5】
【0059】
一方、図5(b)はN個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示す図である。前記チャネルを束ねてベクター及び行列の形態に表示することができる。図5(b)で、全部N個の送信アンテナから受信アンテナiに到着するチャネルは次のように示すことができる。
【0060】
【数7】
【0061】
したがって、N個の送信アンテナからN個の受信アンテナに到着する全てのチャネルは次のように表現できる。
【0062】
【数8】
【0063】
【化6】
【0064】
【数9】
【0065】
前述した数式モデリングによって受信信号は次のように表現できる。
【0066】
【数10】
【0067】
【化7】
【0068】
【数11】
【0069】
ランクの他の定義は行列を固有値分解(Eigen value decomposition)したとき、0でない固有値の個数に定義することができる。同様に、ランクのさらに他の定義は特異値分解(singular value decomposition)したとき、0でない特異値の個数に定義することができる。したがって、チャネル行列においてランクの物理的な意味は与えられたチャネルで互いに異なる情報を送信することができる最大数であると言える。
【0070】
D2D端末の同期獲得
以下では、前述した説明及び既存LTE/LTE−Aシステムに基づき、D2D通信における端末間同期獲得について説明する。OFDMシステムでは、時間/周波数同期が合わない場合、セル間干渉(Inter−Cell Interference)によってOFDM信号で相異なる端末の間にマルチプレックシングができなくなることがあり得る。同期を合わせるために、D2D端末が直接同期信号を送受信して全ての端末が個別的に同期を合わせることは非効率的である。したがって、D2Dのような分散ノードシステムでは、特定のノードが代表同期信号を送信し、残りのUEがこれと同期を合わせることができる。言い換えれば、D2D信号送受信のために、一部のノードが(この時、ノードはeNB、UE又はSRN(synchronization reference node又はsynchronization sourceであってもよい)同期ソースとしてD2D同期信号(D2DSS、 D2D Synchronization Signal)を周期的に送信し、残りの端末がこれと同期を合わせて信号を送受信することができる。
【0071】
D2DSSの送信周期は40msより小さくなく、サブフレームにおいて一つ以上のシンボルがD2DSSの送信に使われることができる。
【0072】
D2D同期信号にはプライマリー同期信号(PD2DSS(Primary D2DSS又はPSSS(Primary Sidelink synchronization signal))、セカンダリー同期信号(SD2DSS(Secondary D2DSS又はSSSS(Secondary Sidelink synchronization signal))があり得る。PD2DSSは所定長さのザドフ−チューシーケンス(Zadoff−chu sequence)又はPSSの類似/変形/繰返しの構造などであってもよい。SD2DSSはM−シーケンス又はSSSの類似/変形/繰返しの構造などであってもよい。
【0073】
D2D端末がD2D同期ソースを選択するに際して、同じ優先順位基準が適用されなければならない。カバレージ外の状況で、端末は全ての受信されたD2DSSの信号強度が前もって設定された値以下の場合に同期ソースとなることができる。そして、カバレージ内の状況で、端末はeNBによって同期ソースに設定されることができる。仮に、端末がeNBから同期を合わせる場合、同期ソースはeNBであってもよく、D2DSSはPSS/SSSであってもよい。eNBから誘導された同期ソースのD2DSSはeNBから誘導されない同期ソースのD2DSSと異なることができる。
【0074】
PD2DSCH(Physical D2D synchronization channel)はD2D信号送受信の前に端末が一番先に分からなければならない基本となる(システム)情報(例えば、D2DSSに関連した情報、デュプレックスモード(Duplex Mode、DM)、TDD UL/DL構成、リソースプール関連情報、D2DSSに関連したアプリケーションの種類など)が送信される(放送)チャネルであってもよい。PD2DSCHはD2DSSと同一のサブフレーム上で又は後行のサブフレーム上で送信できる。
【0075】
D2DSSは特定のシーケンス形態であってもよく、PD2DSCHは特定の情報を示すシーケンスか前もって決まったチャネルコーディングを経た後のコードワード形態であってもよい。ここで、SRNはeNB又は特定のD2D端末となることができる。部分ネットワークカバレージ(partial network coverage)又はカバレージ外(out of network coverage)の場合には端末が同期ソースとなることができる。
【0076】
図6のような状況で、カバレージ外(out of coverage)端末とのD2D通信のためにD2DSSはリレーされることができる。また、D2DSSは多重ホップによってリレーされることができる。以下の説明で、同期信号をリレーするとは、直接基地局の同期信号をAFリレーすることだけではなく、同期信号受信時点と合わせて別個のフォーマットのD2D同期信号を送信することも含む概念である。このように、D2D同期信号がリレーされることによってカバレージ内の端末とカバレージ外の端末が直接通信することができる。
【0077】
D2D同期信号の生成及び送信
以下では、本発明の実施例によるD2D同期信号、特にセカンダリー同期信号(SD2DSS)の生成及び送信方法について説明する。
【0078】
セカンダリー同期信号は二つのシーケンスの組合せによって生成される。この二つのシーケンスの組合せ方式はセカンダリー同期信号が送信されるサブフレーム番号によって異なる。より詳細に、セカンダリー同期信号は長さ31のシーケンスの連鎖によってなることができ、その組合せ方式は次の数式12によることができる。
【0079】
【数12】
【0080】
【化8】
【0081】
【数13】
【0082】
前記数式12及び13と同様に、サブフレーム0とサブフレーム5で、二つのシーケンスの相異なる組合せ方式が使われる。仮に、前記セカンダリー同期信号の生成が端末によって行われる場合、すなわちD2D端末がセカンダリー同期信号を生成する場合、前記のような方式を使うが、ただ、組合せ方式を決定するサブフレーム番号が同一であると見なすことができる。すなわち、サブフレーム0(又は5)に使われるシーケンスのみを使うことができる。若しくは、各SSSシーケンス別にPAPR特性(又はそれに相応するシーケンス特性)が良いサブ−シーケンスを代表シーケンスに定義することができる。SD2DSSの各シーケンス内のサブ−シーケンス(すなわち、既存SSSのサブフレーム0に使われるシーケンスとサブフレーム5に使われるシーケンス)の中で特定のサブ−シーケンスを該当SD2DSSの代表シーケンスとして選定することができる。
【0083】
このように、組合せ方式を決定するサブフレーム番号が同一であると見なされる場合、前記生成されたセカンダリー同期信号は連続したシンボル上で送信されることができる。すなわち、生成されたシーケンスは0番サブフレームの連続したSC−FDMAシンボル上で送信されることができる。
【0084】
前述したように、D2Dでの同期信号生成を定義することにより、PAPRによる問題を解決することができる。仮に、SD2DSS2シンボルの一シンボルは既存サブフレーム0に送信されていたSSSと同一のシーケンスを使い、他のシンボルは既存サブフレーム5に送信されていたSSSと同一のシーケンスを使えば、同じ同期ソースから送信されるSD2DSSシンボルごとにPAPRが異なって設定されることができ、また該当のPAPRを補償するためのパワーバックオフもSD2DSSシンボルごとに異なって適用されることができることを意味する。このような方式はSD2DSS検出性能を減少させることができ、SD2DSSを用いてPD2DSCH復調を遂行する場合、UEの複雑度が増加することができる。したがって、前述したように、SD2DSSをシンボルごとに同じに使うことにより、このような問題を解決することができる。
【0085】
PAPRによる問題についてより詳細に説明すると、既存PSS/SSSを基にしてPD2DSS/SD2DSSが設計される場合、PD2DSSはPSSに使われたザドフ−チューシーケンス(ZC)を基にし、SD2DSSはSSSに使われたM−シーケンスを基にして構成される。また、PD2DSSに使われるシーケンスのルートインデックスの数はSD2DSSに使われるシーケンスのルートインデックス数に比べて相対的に小さく設定されることができる。(既存LTEPSS/SSSのように設定される場合、PD2DSSのルートインデックス数は3個、SD2DSSのルートインデックス数は168個に設定されることができる)。この時、PD2DSSは可能なシーケンスの数が少ないから、多くの端末が同時にPD2DSSを送信する場合、各端末を区分しにくく、各端末のPD2DSSパワーが累積してPD2DSS受信パワーが過度に推定(over−estimated)される場合が発生し得る。このような状況を防止するために、受信機はPD2DSSとSD2DSSに対する受信パワーの平均によって検出されたD2DSSの信号強度を区分するか、SD2DSSの受信パワーのみを用いることができ、さらに他の方法として各同期信号に対する判別基準を別に設定して信号強度を判別することができる。
【0086】
送信機の観点で調べると、M−シーケンスはZC−シーケンスに比べて大きなPAPR特性を有するから、送信機のアンプ性能(例えば、線形に信号を増幅することができる範囲)などによってPD2DSSとSD2DSSの平均送信パワーが異なって設定されることができ、このような場合、PD2DSSとSD2DSSのカバレージが異なって現れることができる。PAPR特性によるPD2DSSとSD2DSSの相異なる送信パワー設定及びこれによるカバレージ差について図7を参照して説明する。図7の(a)及び(b)はそれぞれSD2DSSとPD2DSSの信号波形の例示を示す。二つのシーケンスの平均パワーは23dBm(実線で表示した信号)であると仮定し、端末が線形に信号を増幅することができる最大値を30dBmであると仮定した。また、SD2DSSのPAPR(すなわち、平均パワーに対する最大パワーの割合)は10dB、PD2DSSのPAPRは3dBであると仮定した。このようにD2DSSが構成される場合、端末の最大(平均)パワーである23dBmでD2DSSを送信する場合、PD2DSSは問題なしに送信することができるが、SD2DSSの場合、30dBm以上の瞬間電力を有する信号が歪んで送信されるため、SD2DSS性能が低下する問題がある。このような問題を克服するため、(SD2DSSの信号歪みが発生しないように)SD2DSSの平均パワーを低めて送信することができる。すなわち、図7(a)に点線で示したように、SD2DSSの平均パワーを20dBmに設定する場合、SD2DSSの信号歪みなしにSD2DSS送信が可能である。しかし、この場合、送信パワーの差によってPD2DSSとSD2DSSの間のカバレージ差が発生し得る。これは、PD2DSSが検出されてもSD2DSSが検出されない場合が発生し得ることを意味する。
【0087】
以下では、前述した同期信号生成方法の外にPRPRによる問題を解決するための他の方法を説明する。
【0088】
パワー低減(Power reduction)
セカンダリー同期信号のためのパワー低減の適用を考慮することができる。D2D送信機はSD2DSSシーケンスを選択し、該当のシーケンスに対して定義されたパワー低減を適用してSD2DSSを送信することができ、D2D受信機は検出されたSD2DSSシーケンスに対して定義されたパワー低減を仮定して同期ソース動作可否及びPD2DSCH復調などに適用することができる。パワー低減は前記端末の最大送信パワーを基準に適用することができ、また端末別に異なって適用することができる。
【0089】
具体的なパワー低減の方法として、できるだけ全てのシーケンスに対してパワー低減値を設定することができる。最大1008個のシーケンスに対して各シーケンスを使う時に適用されるパワー低減値を前もって定義しておくことができる。若しくは、グループ別にパワー低減を適用することができる。すなわち、前もって全体シーケンスのPAPR(又はPD2DSSとの相関関係及びパワーアンプ要件など)を調査し、類似した特性を有するシーケンス同士グルーピングを遂行することができる。同じグループに属するシーケンスは同じパワー低減が適用されると仮定することができる。若しくは、一つの特定のパワー低減値を決定した後、全てのシーケンスに適用することができる。パワー低減値の決定はPAPR特性(又はそれに相応する信号特性)によって遂行されることができる。例えば、PAPR特性が一番悪いシーケンス(すなわち、波形の変動が最大のシーケンス)を基準にパワー低減値を選定するか、全てのシーケンスのPAPR平均(又は中間値)などを基準にパワー低減値を選定することができる。
【0090】
パワー低減値はいつも適用されるか、条件付きで適用されることができる。例えば、いつも下のパワー低減値が適用されるというのは、D2DSS送信がD2D端末の最大送信パワーで遂行されることを意味することができる。一方、条件付きで適用されるというのは、同期信号の送信パワーが最大パワーより低く、該当の送信パワーで送信する場合、選択されたSD2DSSシーケンスのPAPRをD2D端末が完全に送信/受信することができる場合、決まったパワー低減値より小さな値のパワー低減を遂行するか、パワー低減を遂行しない場合を意味することができる。(若しくは、パワーアンプの線形領域が該当のSD2DSSシーケンスのシグナル領域の全部/一部を含む場合、パワー低減値は適用されないかそれより小さな値として適用されることができる)。さらに、下の方法によって定義されたパワー低減値を適用してもSD2DSSのシグナル領域が端末の線形領域に比べて大きいか、端末が完全にSD2DSSを送信することができない場合には該当のD2DSSの送信をドロップ(drop)することもできる。
【0091】
パワー低減値はD2D端末の最大送信パワーを基準に設定されるか、PD2DSSパワーを基準に設定されることができる。若しくは、セカンダリー同期信号の最大送信パワーは、プライマリー同期信号の送信パワーにセカンダリー同期信号のための最大パワー低減を適用することによって決定されることができる。例えば、パワー低減値が3dBの場合、D2D端末の最大送信パワーが23dBmであれば、SD2DSSの平均パワーは20dBmであり得る。若しくは、PD2DSSの送信パワーが20dBmの場合、SD2DSSの送信パワーは17dBmであることを意味することができる。このような関係を基にし、D2D送信機はPD2DSS/SD2DSSの送信パワーを設定することができ、D2D受信機は検出されたシーケンスに対して定義されたパワー低減値を仮定して受信動作を遂行することができる。
【0092】
同期信号の送信パワー設定
PD2DSSの(平均)送信パワーをSD2DSSの(平均)送信パワーと等しく設定することができる。すなわち、PD2DSSとSD2DSSのカバレージを同一に合わせるためにパワー調整を行うものである。これは、SD2DSSのバックオフの大きさによってPD2DSSは端末の最大パワーに相応する送信ができないことがあり得ることを意味する。すなわち、もっと多いパワーが使えるにもかかわらず、低いパワーで送信しなければならないことがあり得る。
【0093】
PD2DSS/SD2DSSを送信する端末は自分が選択した(又はネットワークが指定した)(SD2DSS)シーケンスインデックスのPAPR特性によってPD2DSS/SD2DSSの平均送信パワーを設定することができる。例えば、SD2DSSシーケンスの中でPAPR特性の良いシーケンスが選択される場合、相対的にPD2DSSの平均パワーの減少を減らして送信することができる。また、図7を参照すると、SD2DSSを歪みなしに送信するために、送信機は20dBmの平均パワーでSD2DSSを送信し、PD2DSSも同一の平均パワーである20dBmで送信することができる。このようなD2DSSパワー低減は端末別に異なって適用されることもでき、これは特定の端末(例えば、線形領域が大きい端末)はパワー低減を遂行しないこともあり得ることを意味することができる。該当のD2DSSを受信する端末は検出されたPD2DSS/SD2DSSペアに対して該当のリソースでの受信パワー(例えば、known信号(PD2DSS及びSD2DSS)のRSRP)を測定し(前もって定義された又は上位階層シグナリングによって指示された)閾値との比較によって自分が同期ソースとなるか否かを決定することができる。
【0094】
送信機の線形領域(linear region)の定義
例えば、前もってD2D端末の線形領域(すなわち、線形に信号を増幅することができる領域)が既存LTEシステムで定義された最大パワーに比べて+5dBであるとする場合、PAPR特性が8dBであるSD2DSSシーケンス(グループ)を検出した端末は、該当のSD2DSSの最大パワーが(最大パワー3dB)に設定されたと仮定し、PD2DSS閾値に比べて3dBの低い閾値を適用することができる。この場合、送信端末は自分の線形領域にかかわらず、前もって定義された値に基づいてPD2DSS及びSD2DSSの送信パワーを決定することができ、前もって定義された線形領域はD2D端末アンプの最小要求値を意味することもできる。この時、送信機はPD2DSS/SD2DSSのそれぞれに対して許す最大パワーで送信を遂行することができる(例えば、前記場合、PD2DSSは23dBmで送信し、SD2DSSはPAPRを考慮して信号歪みを無くすことができる20dBm送信を遂行することができる)。D2D受信機は検出されたSD2DSSシーケンスインデックスと前もって定義された線形領域を考慮して、同期ソース動作のための閾値を決定することができる。
【0095】
受信側での閾値の設定
受信端でPD2DSSに対する閾値とSD2DSSに対する閾値をそれぞれ定義することができる。例えば、PD2DSSは最大パワーで送信され、SD2DSSは信号歪みを無くすためにパワーを減らして送信したとすれば、SD2DSSに対してもっと低い閾値を適用するものである。閾値は前もって特定値に定義されるか、受信端末が検出したSD2DSSシーケンスのPAPR特性に基づいて閾値が決定されることもできる(一例として、シーケンスインデックス(グループ)ごとに閾値が前もって定義されることもできる)。(若しくは、ネットワーク、クラスタヘッダー(同期ヘッダー)などによってシグナリングされることもできる)。PD2DSSの小さいルートインデックスによって多数の同期ソースからPD2DSSが同時に受信される状況などを考慮するとき、PD2DSSの信号品質に基づいて同期ソースとして動作するか否かを決定することは適切でないことがあり得る。したがって、SD2DSSの信号品質のみを基準に同期ソース動作可否を決定することができ、SD2DSSに対する閾値のみが定義されることができる。
【0096】
前述した説明における方法はSD2DSSの信号波形の範囲がD2D端末パワーアンプの線形領域を超える場合に適用されるように制限されることもできる。仮に、SD2DSSの信号波形の範囲が線形領域内に分布する場合、SD2DSSパワー低減を行う動作及びPD2DSS/SD2DSSが互いに異なる閾値を設定する動作などを遂行しないこともあり得る。このために、前述した方法の一つ以上が適用されるか否かがシグナリングされることもあり得る。ネットワークカバレージ内のD2D端末は上位階層シグナリング又はPD2DSCHによって該当の内容を受けることもできる。若しくは、特定のPD2DSSルートインデックス又は特定のSD2DSSルートインデックス又は特定PD2DSSとSD2DSSの組合せにおいては、パワー低減などが遂行されないと前もって定義することもできる。
【0097】
【化9】
【0098】
【数14】
【0099】
【化10】
【0100】
スクランブリングシーケンスを省略する場合、SD2DSSは次式15又は16のように定義されることもできる。(下記の式で、シンボルx、yはSD2DSSがマッピングされるシンボルを意味する。)
【0101】
【数15】
【0102】
【数16】
【0103】
本発明の実施例による装置構成
図8は本発明の実施形態による送信ポイント装置及び端末装置の構成を示す図である。
【0104】
図8を参照すると、本発明による送信ポイント装置10は、受信モジュール11、送信モジュール12、プロセッサ13、メモリ14及び複数のアンテナ15を含むことができる。複数のアンテナ15は、MIMO送受信を支援する送信ポイント装置を意味する。受信モジュール11は端末からの上りリンク上の各種の信号、データ及び情報を受信することができる。送信モジュール12は、端末への下りリンク上の各種の信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ13は送信ポイント装置10の全般動作を制御することができる。
【0105】
本発明の一実施例による送信ポイント装置10のプロセッサ13は、前述した各実施例の必要な事項を処理することができる。
【0106】
送信ポイント装置10のプロセッサ13は、その外にも送信ポイント装置10が受信した情報、外部へ送信すべき情報などを演算処理する機能を果たし、メモリ14は演算処理された情報などを所定時間の間に記憶することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素に取り替えられることができる。
【0107】
つぎに、図8を参照すると、本発明による端末装置20は、受信モジュール21、送信モジュール22、プロセッサ23、メモリ24及び複数のアンテナ25を含むことができる。複数のアンテナ25は、MIMO送受信を支援する端末装置を意味する。受信モジュール21は、基地局からの下りリンク上の各種信号、データ及び情報を受信することができる。送信モジュール22は、基地局への上りリンク上の各種信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ23は端末装置20の全般動作を制御することができる。
【0108】
本発明の一実施例による端末装置20のプロセッサ23は前述した各実施例に必要な事項を処理することができる。
【0109】
端末装置20のプロセッサ23は、その外にも端末装置20が受信した情報、外部へ送信すべき情報などを演算処理する機能を果たし、メモリ24は演算処理された情報などを所定時間の間に記憶することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素に取り替えられることができる。
【0110】
このような送信ポイント装置及び端末装置の具体的な構成は、前述した本発明の多様な実施例で説明した事項が独立的に適用されるかあるいは二つ以上の実施例が同時に適用されるように具現されることができ、重複する内容は明確性のために説明を省略する。
【0111】
また、図8についての説明において、送信ポイント装置10についての説明は下りリンク送信主体又は上りリンク受信主体としての中継器装置にも同様に適用されることができ、端末装置20についての説明は下りリンク受信主体又は上りリンク送信主体としての中継器装置にも同様に適用されることができる。
【0112】
前述した本発明の実施例は多様な手段によって具現されることができる。例えば、本発明の実施例は、ハードウェア、ファームウエア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの組合せなどによって具現可能である。
【0113】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例による方法は、一つ又はそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラー、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサなどによって具現されることができる。
【0114】
ファームウエア又はソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例による方法は、以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手順又は関数などの形態に具現されることができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動されることができる。前記メモリユニットは前記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に知られた多様な手段によって前記プロセッサとデータを取り交わすことができる。
【0115】
前述したように開示された本発明の好適な実施例についての詳細な説明は当業者が本発明を具現して実施することができるように提供された。前記では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は本発明の領域から逸脱しない範疇内で本発明を多様に修正及び変更することができることを理解することが可能であろう。例えば、当業者は前述した実施例に記載されたそれぞれの構成を互いに組み合わせる方式で用いることができる。したがって、本発明はここに開示した実施形態に制限されるものではなく、ここに開示した原理及び新規の特徴と一致する最広の範囲を付与しようとするものである。
【0116】
本発明は本発明の精神及び必須の特徴を逸脱しない範疇内で他の特定の形態に具体化されることができる。よって、前記の詳細な説明は全ての面で制限的に解釈されてはいけなく、例示的なものに考慮しなければならない。本発明の範囲は添付の請求範囲の合理的解釈によって決まらなければならなく、本発明の等価的範囲内の全ての変更は本発明の範囲に含まれる。本発明はここに開示した実施形態に制限されるものではなく、ここに開示した原理及び新規の特徴と一致する最広の範囲を付与しようとするものである。また、特許請求範囲で明示的引用関係がない請求項を組み合わせて実施例を構成するかあるいは出願後の補正によって新しい請求項として含むことができる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
前述したような本発明の実施形態は多様な移動通信システムに適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
図8