特許第6502693号(P6502693)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6502693
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】ウェットシート収納容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20190408BHJP
   B65D 25/52 20060101ALI20190408BHJP
   A47K 7/00 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
   B65D83/08 A
   B65D25/52 D
   A47K7/00
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-23013(P2015-23013)
(22)【出願日】2015年2月9日
(65)【公開番号】特開2016-145060(P2016-145060A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2018年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】氏家 広大
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−047375(JP,A)
【文献】 特開2008−100749(JP,A)
【文献】 特開2009−046179(JP,A)
【文献】 特開2012−025484(JP,A)
【文献】 特開2008−100747(JP,A)
【文献】 実開平07−009757(JP,U)
【文献】 特開2003−012053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
A47K 7/00
B65D 25/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有し、ロール状に巻回された状態のウェットシートを前記開口部から収納する容器本体と、前記開口部を開閉するように前記容器本体に取り付けられ、上面に前記ウェットシートを外側に取り出すための取出部を有する蓋体と、を備えるウェットシート収納容器であって、
前記容器本体内のロール状のウェットシートよりも上方の内周面又は前記蓋体の内周面の全周に沿って設けられ、液分を下方に滴下する液分ガイドを備え、
前記液分ガイドは、中央が開口した開口端部を有し、当該開口端部が初期状態の前記ロール状のウェットシートの芯部よりも外側で且つ外縁部よりも内側に位置していることを特徴とするウェットシート収納容器。
【請求項2】
前記蓋体の天面部の形状が曲面状であることを特徴とする請求項1に記載のウェットシート収納容器。
【請求項3】
前記液分ガイドは、前記蓋体と一体形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のウェットシート収納容器。
【請求項4】
前記液分ガイドは、前記ロール状のウェットシートの取り出し方向に折り畳み可能に蛇腹状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のウェットシート収納容器。
【請求項5】
前記液分ガイドは、前記容器本体と一体形成され、
前記開口端部は、前記ロール状のウェットシートを収納する際に拡径可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のウェットシート収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートを収納するウェットシート収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、清拭や化粧などに使用される衛生用品として、不織布製のシートに水やアルコールなどの液体成分(以下、液分)を含浸させたウェットシートが知られている。ロール状に巻回された状態のウェットシートを収納するウェットシート収納容器は、例えば、容器本体が上下に分離可能に構成され、上側の容器本体の上面にはスリットや小孔からなるウェットシートの取出部が形成されているものが広く知られている。
【0003】
ウェットシートは、温度や湿度などの保管条件により含有する液分が蒸発し、容器の天面に水滴として付着する。また、ロール状に巻回された状態のウェットシートは、適切な保管条件であっても、時間の経過により下部に液分が移行し、上部の液分率が低下する。即ち、ロール状に巻回された状態のウェットシートは、均一に液分を含浸させることが難しく、下部に偏る傾向がある。ウェットシートの液分率に偏りが生じると、液分率が低下した部分の使用感が低下するという問題がある。また、菌やカビに対する保存安定性が低下するという問題がある。
【0004】
上記の問題に対して、上側の容器本体の上面に形成された取出部の周囲の位置に液体滴下壁を設けることで、ウェットシートを取出部から取り出した際にウェットシートが絞られて漏れ出した液分を下方に滴下する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−46179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の技術によれば、結果的にロールの上部に液分を再含浸させることとなるが、ロールの上部の一部にのみ液分が溜まるため、均一に液分を含浸させることができない。従って、依然としてウェットシートの液分率の偏りを解消することができず、使用感や保存安定性を向上させることができない。
【0007】
本発明は、ウェットシートの使用感や保存安定性の低下を抑制可能なウェットシート収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
開口部を有し、ロール状に巻回された状態のウェットシートを前記開口部から収納する容器本体と、前記開口部を開閉するように前記容器本体に取り付けられ、上面に前記ウェットシートを外側に取り出すための取出部を有する蓋体と、を備えるウェットシート収納容器であって、
前記容器本体内のロール状のウェットシートよりも上方の内周面又は前記蓋体の内周面の全周に沿って設けられ、液分を下方に滴下する液分ガイドを備え、
前記液分ガイドは、中央が開口した開口端部を有し、当該開口端部が初期状態の前記ロール状のウェットシートの芯部よりも外側で且つ外縁部よりも内側に位置していることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のウェットシート収納容器において、
前記蓋体の天面部の形状が曲面状であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のウェットシート収納容器において、
前記液分ガイドは、前記蓋体と一体形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のウェットシート収納容器において、
前記液分ガイドは、前記ロール状のウェットシートの取り出し方向に折り畳み可能に蛇腹状に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載のウェットシート収納容器において、
前記液分ガイドは、前記容器本体と一体形成され、
前記開口端部は、前記ロール状のウェットシートを収納する際に拡径可能に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、容器の天面に結露した液分や、ウェットシートを引き出した際に絞られた液分を、ロール上部に再含浸させることによって、ウェットシートの使用感の低下を抑制することができる。また、ウェットシートの菌やカビに対する保存安定性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態のウェットシート収納容器を正面から見た断面図である。
図2】本実施形態のウェットシート収納容器を正面上方から見た外観斜視図である。
図3】本実施形態のウェットシート収納容器の液分ガイド及びロール状のウェットシートを示す斜視図である。
図4】本実施形態のウェットシート収納容器の作用を説明するための図である。
図5】液分ガイドの変形例を示す図である。
図6】液分ガイドの変形例を示す図である。
図7】蓋体と液分ガイドとを一体的に形成した一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
先ず、構成について説明する。
本実施形態に係るウェットシート収納容器(以下、収納容器)100は、図1及び図2に示すように、例えば、開口部11を有し、ロール状に巻回された状態のウェットシートPを開口部11から収納する容器本体10と、開口部11を開閉するように容器本体10に着脱可能に取り付けられ、上面にウェットシートPを外側に取り出すための取出部21を有する蓋体20と、を備えて構成されている。
この収納容器100に収納するロール状に巻かれたウェットシートPには、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目が施されており、そのミシン目に沿って切り離したサイズのウェットシートPをユーザーが使用するようになっている。
【0017】
容器本体10は、底部から上端部近傍までほぼ一定の略円筒状であり、上面には大きく開口した開口部11を有している。また、この容器本体10の上端部の外周面には、周方向に沿って雄ネジ部が形成されている。
容器本体10は、円筒状であることから、ロール状のウェットシートPをほぼ同心位置に配置して収納することを可能としている。また、ウェットシートPは、ロールの中心側から紙片を繰り出すようになっている。
この容器本体10は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いはPET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等を用いて、射出成形、二色成形、ブロー成形等により一体的に形成されている。
【0018】
蓋体20は、容器本体10に比べて丈の短い円筒状であって、その上端側は天面部22により閉塞され、下端部は開口している。また、蓋体20は、外径が容器本体10の外径とほぼ等しく、その内周面には容器本体10の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が形成されている。蓋体20は、この雌ネジ部により、容器本体10の上端部に対して着脱可能となっている。
従って、蓋体20を容器本体10から取り外した状態では容器本体10の内部にウェットシートPを充填することを可能とし、蓋体20を容器本体10に取り付けた状態では内部のウェットシートPのロールが外に出ないように保持することを可能とする。
この蓋体20は、例えば、PEやPP、或いはPET、ABS樹脂等を用いて、射出成形、二色成形、ブロー成形等により一体的に形成されている。
【0019】
蓋体20の天面部22の中央部には、凹部23が形成されており、当該凹部23に嵌合するように小蓋25が天面部22に取り付けられている。
また、凹部23の中央部には、円筒部24が立設されており、その内側が上下に貫通して取出部21となっている。この円筒部24の上端には、周外に向かって突出したフランジ状の係止部24aが形成され、小蓋25を閉じたときに係止することを可能としている。
【0020】
ここで、取出部21は、容器本体10に蓋体20を取り付けたままの状態で、内側のウェットシートPを取り出すためのものである。
取出部21は、例えば、平面視で十字状の切り込みにより形成され、ウェットシートPがその中心を上方に向かって通過する際に、当該ウェットシートPに適度に摺動抵抗を付与するようになっている。これにより、ウェットシートPの使用時にその摺動抵抗がウェットシートPに作用し、ミシン目からの分離が促されるとともに、次のウェットシートPの先端部が取出部21に挟まれた状態で保持されるので、容器本体10に戻ることが防止され、次のウェットシートPをすぐに使用することが可能となる。
この取出部21は、小蓋25のY軸回りの回動により開閉が行われる。小蓋25は、その後端部近傍に当該小蓋25をY軸方向に沿って折曲可能とするヒンジ部(図示省略)を備えており、凹部23に嵌合して取出部21を閉じた状態から起立して取出部21を開いた状態まで回動することが可能となっている。なお、この小蓋25は、ウェットシートPを取り出す際に開状態とされる以外は、通常閉状態に維持されている。
【0021】
容器本体10の内部には、ロール状のウェットシートPよりも上方の内周面の全周に沿って設けられ、液分を下方に滴下する液分ガイド30が着脱可能に設置されている。
液分ガイド30は、図1及び図3に示すように、中央が開口した下端部(開口端部)32に向かうにつれて細くなる漏斗状であり、その上端部31及び下端部32は円形状に開口している。液分ガイド30は、上端部31の外径が容器本体10の外径よりもわずかに短くなっており、容器本体10の上端部で嵌合されて保持されるようになっている。液分ガイド30は、図3に示すように、下端部32の外径(最大長さ)d1が、初期状態のロール状のウェットシートPの芯部P2の径である芯径d2よりも長く且つ外縁部P3の径である巻取径d3よりも短くなっている(d2<d1<d3)。即ち、液分ガイド30は、下端部32が初期状態のロール状のウェットシートPの芯部P2よりも外側で且つ外縁部P3よりも内側に位置するようになっている。
この液分ガイド30は、例えば、PEやPP、PETなどの硬質材料を用いて、射出成形、二色成形、ブロー成形等により一体的に形成されている。また、例えば、硬質材料を用いる代わりに、シリコンゴム等のゴムや、スチレン系、オレフィン系、塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ナイロン系のエラストマー等の熱可塑性エラストマーなどの軟質材料を用いるようにしてもよい。
なお、液分ガイド30は、その表面に撥水加工が施されていると、液分がスムーズに移動するので、より好ましい。
【0022】
次に、作用について説明する。
本実施形態においては、ロール状のウェットシートPを容器本体10に入れ、その上方から液分ガイド30を装着した後、容器本体10と蓋体20とを螺合させることで、容器本体10の内部において、ロール状のウェットシートPが、液分ガイド30の下方に位置する状態となっている。
ロール状のウェットシートPは、使い始めの段階では、均一に液分が含浸されているが、保管条件が変化したり時間が経過したりすると、含有する液分が蒸発したり下部に液分が移行したりしてロール状のウェットシートPの液分率に偏りが生じる。
蒸発して蓋体20の天面部22に水滴として付着した液分は、図4に示すように、液分ガイド30の内表面を伝ってロール状のウェットシートPの上面に滴下される。また、下部に移行した後蒸発して液分ガイド30の外表面に水滴として付着した液分は、図5に示すように、液分ガイド30の外表面を伝ってロール状のウェットシートPの上面に滴下される。即ち、液分がより失われるロール状のウェットシートPの上部側(上面)に液分が滴下され、均一に液分が含浸されることとなる。
そして、それ以降、ロール状のウェットシートPの液分率に偏りが生じた場合でも、同様にして、液分がロール状のウェットシートPの上面に滴下されるため、均一に液分を含浸させることができる。
【0023】
以上のように、本実施形態に係る収納容器100は、容器本体10内のロール状のウェットシートPよりも上方の内周面の全周に沿って設けられ、液分を下方に滴下する液分ガイド30を備える。液分ガイド30は、中央が開口した開口端部(下端部32)を有し、当該開口端部が初期状態のロール状のウェットシートPの芯部P2よりも外側で且つ外縁部P3よりも内側に位置している。
従って、本実施形態に係る収納容器100によれば、容器の天面に結露した液分や、ウェットシートPを引き出した際に絞られた液分を、ロール上部に再含浸させることによって、均一に液分を含浸させることができるので、ウェットシートPの使用感の低下を抑制することができる。また、ウェットシートPの菌やカビに対する保存安定性の低下を抑制することができる。
【0024】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0025】
例えば、上記実施形態では、容器本体10の内部に液分ガイド30を着脱可能に設置するようにしているが、これに限定されるものではない。即ち、容器本体10と液分ガイド30とを一体的に形成するようにしてもよい。この場合、液分ガイド30を、軟質材料を用いて形成するとともに、下端部32からスリット33を形成したり(図5(A)参照)、二つに分割したり(図5(B)参照)して、液分ガイド30の下端部32の開口を拡大可能にするとよい。これは、容器本体10と液分ガイド30とを一体的に形成した場合、ロール状のウェットシートPの巻取径d3が液分ガイド30の下端部32の最大長さ(外径)d1よりも長いため、最大長さd1を巻取径d3以上に拡大可能とすることで、ロール状のウェットシートPを収納可能とするためである。
以上のように、液分ガイド30を、容器本体10と一体的に形成され、下端部32を、ロール状のウェットシートPを収納する際に拡径可能に形成することで、ロール状のウェットシートPを容易に収納することができ、収納作業に掛かる時間や手間を削減することができる。
【0026】
また、例えば、図6(A)に示すように、液分ガイド30の下端部32側に複数の溝34を形成するようにしてもよい。また、図6(B)に示すように、液分ガイド30の上端部31側から下端部32に向かう複数のプリーツ状の溝35を形成するようにしてもよい。また、図6(C)に示すように、上端部31側から下端部32に向かう螺旋状の溝36を形成するようにしてもよい。
図6(A)〜図6(C)に示す例によれば、下垂した液分が溝の部分に集約されて水滴になりやすくなるため、ロール状のウェットシートPの上面に滴下させやすくすることができる。
また、例えば、図6(D)に示すように、液分ガイド30の下端部32Aを、山谷形状に形成するようにしてもよいし、波形状に形成するようにしてもよい。
図6(D)に示す例によれば、下垂した液分が下端部32Aの先端部分に集約されて水滴になりやすくなるため、ロール状のウェットシートPの上面に滴下させやすくすることができる。なお、図6(D)に示す例においては、山谷や波を少なくとも3つ以上形成することが好ましい。
【0027】
また、容器本体10の内部に液分ガイド30を設置する代わりに、蓋体20と液分ガイド30とを一体的に形成するようにしてもよい。この場合、図7に示すように、蓋体20の天面部22の形状を曲面状にすることで、蓋体20の天面部22に付着した水滴をスムーズに液分ガイド30に案内することができる。なお、天面部22の形状を曲面状にする構成は、容器本体10の内部に液分ガイド30を設置する構成に適用したとしても、同様の効果を得ることができる。
以上のように、蓋体20の天面部22の形状を曲面状にすることで、蓋体20の天面部22に付着した水滴をスムーズに液分ガイド30に案内することができ、効率的に液分を滴下してウェットシートPの液分率を高めることができる。また、液分ガイド30を蓋体20と一体的に形成することで、蓋体20の着脱と液分ガイド30の着脱とを同時に行うことができ、ウェットシートPの詰め替え作業に掛かる時間や手間を削減することができる。
【0028】
また、蓋体20と液分ガイド30とを一体的に形成する場合、液分ガイド30の下端部32とロール状のウェットシートPの上面との距離を接近させて液分を確実にガイド可能とするため、液分ガイド30の下端部32を蓋体20の下端部よりも下方に突出させることが好ましい。この場合、蓋体20の取出部21と液分ガイド30の下端部32との距離が遠くなるため、ユーザーがウェットシートPを取出部21に保持させにくいという問題がある。そこで、液分ガイド30を、軟質材料を用いて形成するとともに、図7に示すように、蛇腹状に形成してロール状のウェットシートPの取り出し方向に折り畳み可能としている。そうすることで、ウェットシートPを取出部21に保持させる際に、液分ガイド30を折り畳んで取出部21と下端部32との距離を接近させることができる。なお、蛇腹状に形成した部分の内角θ1及び外角θ2は、液分が滑らかに下方に移動するように、100°以上であることが好ましく、125°以上であればより好ましい。
以上のように、液分ガイド30を、ロール状のウェットシートPの取り出し方向に折り畳み可能に蛇腹状に形成することで、取出部21と下端部32との距離を接近させることができ、ウェットシートPを取出部21に保持させ易くすることができる。
【0029】
また、上記実施形態では、液分ガイド30の下端部32が円形状に開口しているが、これに限定されるものではない。即ち、ロールの芯径d2<下端部32の外径d1<ロールの巻取径d3の条件を満たす限りにおいて、いかなる形状に開口するようにしてもよく、例えば、楕円形状や、四角形等の多角形状に開口するようにしてもよい。なお、楕円形状や多角形状に開口する場合、下端部32の外径d1は、開口部分の最大長さとする。
【0030】
その他、収納容器100の細部構成に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0031】
100 収納容器(ウェットシート収納容器)
10 容器本体
11 開口部
20 蓋体
21 取出部
22 天面部
23 凹部
24 円筒部
24a 係止部
25 小蓋
30 液分ガイド
31 上端部
32、32A 下端部(開口端部)
33 スリット
34〜36 溝
P ウェットシート
P2 芯部
P3 外縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7