【実施例】
【0013】
以下本発明の一実施例による昇降式駐車装置について説明する。
図1は本実施例による昇降式駐車装置の主要構成図であり、
図1(a)は同昇降式駐車装置の主要構成を示す側面図、
図1(b)は同昇降式駐車装置の主要構成を示す正面図、
図1(c)は
図1(b)のX部を示す要部正面図、
図1(d)は
図1(b)のY部を示す要部正面図である。
【0014】
本実施例による昇降式駐車装置は、上段パレット10と下段パレット20とを4本のパレット支柱30に配置し、地表面から掘削したピットPに対して、上段パレット10と下段パレット20とを4本のパレット支柱30とともに昇降動作させる。
図1(a)に示すように、上段パレット10の入出庫側には、車輌載置面11から地表面Tに向けて傾斜させた傾斜面12を設けている。
【0015】
図1(c)に示すように、入出庫側の一対のパレット支柱30FL、30FRの下部には、下段パレット20に対してパレット支柱30FL、30FRが上下動する浮動機構40FL、40FRを設けている。
浮動機構40FL、40FRは、一対のパレット支柱30FL、30FRの下部に、それぞれ固定した一対のスライド用ローラ(スライド用駆動体)41FL、41FRと、一対のスライド用ローラ41FL、41FRの間に配置した一対の固定用ローラ(固定用駆動体)42FL、42FRと、下段パレット20に固定され、一対の固定用ローラ42FL、42FRを支持するとともに、スライド用ローラ41FL、41FRの軸が摺動する長孔44FL、44FRを備えた駆動体軸受プレート43FL、43FRとで構成している。
昇降動作させる昇降チェーン(昇降用伝達体)51は、スライド用ローラ41FL、41FRおよび固定用ローラ42FL、42FRの下方に配置している。
【0016】
下段パレット20は、車輌載置面21の両側部に、凸状部22L、22Rを形成している。凸状部22L、22Rは、車輌載置面21から鉛直方向に折り曲げられた鉛直片22LV、22RVと、この鉛直片22LV、22RVの上端を折り曲げて形成した水平片22LH、22RHとで形成される。
固定用ローラ42FL、42FRの一部は、鉛直片22LV、22RVと水平片22LH、22RHとで形成される空間に位置している。
また、固定用ローラ42FL、42FRの軸は、車輌載置面21より高く、水平片22LH、22RHより低い位置に配置している。
スライド用ローラ41FL、41FRの軸が、長孔44FL、44FRの下端に位置するときには、スライド用ローラ41FL、41FRの軸は固定用ローラ42FL、42FRの軸と同じ高さとしている。
【0017】
図1(d)に示すように、上段パレット10は、パレット支持軸受60を介してパレット支柱30FL、30FRに取り付けている。
パレット支持軸受60は、一対のパレット支柱30FL、30FRの上部に取り付けた軸受61と、上段パレット10の両側部から延出させた軸62とで構成している。
上段パレット10を、パレット支持軸受60を介してパレット支柱30FL、30FRに取り付けることで、上段パレット10はパレット支柱30FL、30FRに対して傾斜可能となり、上段パレット10の高さ変更をスムーズに行わせることができる。
なお、図示はしないが、上段パレット10は、反入出庫側に位置する一対のパレット支柱30Bについても、パレット支持軸受60を介して取り付けている。
【0018】
図2から
図4を用いて本実施例による昇降式駐車装置の動作を説明する。
図2はピット内に下段パレットが着床した状態を示す構成図、
図3は上昇開始時の状態を示す構成図、
図4はピット外に下段パレットが上昇した状態を示す構成図である。
図2に示すように、ピットP内に下段パレット20が着床した状態では、上段パレット10の車輌載置面11は、地表面Tより高い位置にあり、傾斜面12の端部が地表面Tに当接している。スライド用ローラ41FL、41FRの軸は、
図2(c)に示すように長孔44FL、44FRの下端に位置している。
図2に示す状態では、下段パレット20に対する上段パレット10の高さは、入出庫側および反入出庫側のいずれも高さH1である。
【0019】
図3に示すように、上昇開始時の状態では、下段パレット20は
図2の状態と同様に着床した状態にあるが、スライド用ローラ41FL、41FRの軸は、
図3(c)に示すように長孔44FL、44FRの上端に移動する。
従って、
図3(a)に示すように、上段パレット10は入出庫側が上昇し、下段パレット20に対する上段パレット10の入出庫側の高さH2は、反入出庫側の高さH1よりも高くなる。
図3の状態から更に上昇させることで、上段パレット10と下段パレット20とは4本のパレット支柱30とともに上昇し、
図4の状態に至る。
【0020】
図4に示すように、ピットP外に下段パレット20が上昇した上昇完了状態では、下段パレット20の車輌載置面21は、地表面Tと同じ高さの位置にある。スライド用ローラ41FL、41FRの軸は、
図4(c)に示すように長孔44FL、44FRの上端に位置している。
従って、
図4(a)に示すように、下段パレット20に対する上段パレット10の入出庫側の高さH2は、反入出庫側の高さH1よりも高い状態を維持している。
以上のように、下段パレット10の上昇時には、昇降チェーン51によってスライド用ローラ41FL、41FRが長孔44FL、44FRの上端に移動する。
【0021】
なお、
図4に示す上昇完了状態から、下段パレット20を降下させる場合には、下段パレット20が着床するまで、スライド用ローラ41FL、41FRの軸は、
図4(c)に示すように長孔44FL、44FRの上端に位置した状態で降下する。
そして、下段パレット20が着床した状態は、
図3と同様であり、その後、パレット支柱30FL、30FRの自重によって
図2(c)に示すようにスライド用ローラ41FL、41FRの軸は、長孔44FL、44FRの下端に移動する。
【0022】
本実施例によれば、
図4に示すように、ピットP外に下段パレット20が上昇した状態における下段パレット20に対する上段パレット10の入出庫側の高さH2は、
図2に示すように、ピットP内に下段パレット20が着床した状態における下段パレット20に対する上段パレット10の入出庫側の高さH1より高いため、下段パレット20の車輌の入出庫が上段パレット10に設けた傾斜面12によって制限されることがない。
また、本実施例によれば、
図2に示すように、ピットP内に下段パレット20が着床した状態における下段パレット20に対する上段パレット10の入出庫側の高さH1は、下段パレット20に載置した車輌の入出庫に必要な高さH2より低いため、ピットPを浅くできる。
また、本実施例によれば、上段パレット10の入出庫側には、車輌載置面11から地表面Tに向けて傾斜させた傾斜面12を設けることで、上段パレット10の車輌載置面11を地表面Tより高くできるとともに、上段パレット10上の車輌の入出庫が可能となる。
また、本実施例によれば、上段パレット10および下段パレット20は、車輌の入庫時には傾斜させずに水平状態を保っているため、車輌が自重によって動くことがなく、安全性が高い。
また、本実施例によれば、上昇動作のスタート時に上段パレット10の入出庫側が上昇して車輌載置面11は入出庫側が高くなるように傾斜するため、雨水や粉塵が反入出庫側に流れ落ちる。従って、入出庫側にいる作業者に、雨水や粉塵がかかることがなく安全性にも優れている。
また、本実施例によれば、スライド用ローラ41FL、41FRが長孔44FL、44FRを摺動するだけで下段パレット20に対する上段パレット10の高さを変更できるため、高さ変更のための複雑な機構が不要であり、ピットP内の限られたスペースで対応できる。
【0023】
図5は本実施例による昇降式駐車装置の昇降機構とバランス機構を示す要部構成図である。
昇降機構50F、50Bは、下段パレット20の入出庫側と反入出庫側に設けている。
下段パレット20の入出庫側に配置する昇降機構50Fは、昇降チェーン51Fと、一対のスライド用ローラ41FL、41FRと、一対の固定用ローラ42FL、42FRと、一方の固定柱(図示せず)の上方に取り付けられる昇降用伝達体端末クロス金具52Fと、他方の固定柱(図示せず)の上方に取り付けられる昇降用スプロケット53Fと、昇降用スプロケット53Fを駆動するモータ54と、モータ54の駆動を昇降用スプロケット53Fに伝達するための駆動用スプロケット55および駆動シャフト56とにより構成している。なお、図示しない固定柱は、ピットP内の両側方に配設される。
昇降チェーン51Fは、一端を昇降用伝達体端末クロス金具52Fに取り付け、他端側を昇降用スプロケット53Fに取り付け、一対のスライド用ローラ41FL、41FRの下部、および一対の固定用ローラ42FL、42FRの下部に当接させている。
【0024】
モータ54を正回転させることで、駆動用スプロケット55および駆動シャフト56を介して昇降用スプロケット53Fが正回転する。
昇降用スプロケット53Fが正回転することで、昇降チェーン51Fの他端側は昇降用スプロケット53Fによって巻き上げられ、昇降用伝達体端末クロス金具52Fから昇降用スプロケット53Fまでの昇降チェーン51Fが短くなるため、昇降チェーン51Fによってスライド用ローラ41FL、41FR、および固定用ローラ42FL、42FRは上方に押し上げられ、下段パレット20が上昇する。
昇降用スプロケット53Fが逆回転すると、昇降チェーン51Fの他端側が昇降用スプロケット53Fによって巻き下げられ、昇降用伝達体端末クロス金具52Fから昇降用スプロケット53Fまでの昇降チェーン51Fが長くなるため、スライド用ローラ41FL、41FR、および固定用ローラ42FL、42FRに加わっている荷重によって昇降チェーン51Fは下方に押し下げられ、下段パレット20が降下する。
【0025】
下段パレット20の反入出庫側に配置する昇降機構50Bは、一対のスライド用ローラ41FL、41FRの代わりに、第2固定用ローラ(第2固定用駆動体)41BL、41BRとしている以外は、入出庫側に配置する昇降機構50Fと同一構成である。
すなわち、昇降機構50Bは、昇降チェーン51Bと、一対の第2固定用ローラ41BL、41BRと、一対の固定用ローラ42BL、42BRと、一方の固定柱(図示せず)の上方に取り付けられる昇降用伝達体端末クロス金具52Bと、他方の固定柱(図示せず)の上方に取り付けられる昇降用スプロケット53Bと、昇降用スプロケット53Bを駆動するモータ54と、モータ54の駆動を昇降用スプロケット53Bに伝達するための駆動用スプロケット55および駆動シャフト56とにより構成している。なお、図示しない固定柱は、ピットP内の両側方に配設される。
昇降チェーン51Bは、一端を昇降用伝達体端末クロス金具52Bに取り付け、他端側を昇降用スプロケット53Bに取り付け、一対の第2固定用ローラ41BL、41BRの下部、および一対の固定用ローラ42BL、42BRの下部に当接させている。
【0026】
モータ54を正回転させることで、駆動用スプロケット55および駆動シャフト56を介して昇降用スプロケット53Bが正回転する。
昇降用スプロケット53Bが正回転することで、昇降チェーン51Bの他端側は昇降用スプロケット53Bによって巻き上げられ、昇降用伝達体端末クロス金具52Bから昇降用スプロケット53Bまでの昇降チェーン51Bが短くなるため、昇降チェーン51Bによって第2固定用ローラ41BL、41BR、および固定用ローラ42BL、42BRは上方に押し上げられ、下段パレット20が上昇する。
昇降用スプロケット53Bが逆回転すると、昇降チェーン51Bの他端側が昇降用スプロケット53Bによって巻き下げられ、昇降用伝達体端末クロス金具52Bから昇降用スプロケット53Bまでの昇降チェーン51Bが長くなるため、第2固定用ローラ41BL、41BR、および固定用ローラ42BL、42BRに加わっている荷重によって昇降チェーン51Bは下方に押し下げられ、下段パレット20が降下する。
【0027】
バランス機構70FX、70FY、70BX、70BYは、左右対称に一対配設するとともに、左右対称に配設した一対のバランス機構70FX、70FYと一対のバランス機構70BX、70BYを、下段パレット20の入出庫側および反入出庫側にそれぞれ設けている。
下段パレット20の入出庫側に配置する一方のバランス機構70FXは、バランスチェーン(バランス用伝達体)71FXと、下段パレット20の両側方に配置する一対のバランスチェーンローラ(バランス用伝達駆動体)72FXL、72FXRと、一方のバランスチェーンローラ72FXRの外方に配置する補助ローラ(補助駆動体)73FXと、一方の固定柱(図示せず)の下方に取り付けられる吊りボルト74FXおよび位置規制ピン75FXと、他方の固定柱(図示せず)の上方に取り付けられるバランス用伝達体端末金具76FXとにより構成している。
【0028】
下段パレット20の入出庫側に配置する他方のバランス機構70FYは、一方のバランス機構70FXと左右対称に配設している。
すなわち、他方のバランス機構70FYは、バランスチェーン(バランス用伝達体)71FYと、下段パレット20の両側方に配置する一対のバランスチェーンローラ72FYL、72FYRと、一方のバランスチェーンローラ72FYLの外方に配置する補助ローラ73FYと、一方の固定柱(図示せず)の下方に取り付けられる吊りボルト74FYおよび位置規制ピン75FYと、他方の固定柱(図示せず)の上方に取り付けられるバランス用伝達体端末金具76FYとにより構成している。
【0029】
下段パレット20の反入出庫側に配置する一方のバランス機構70BXは、バランス機構70FXと同一構成であり、下段パレット20の反入出庫側に配置する他方のバランス機構70BYは、バランス機構70BXと同一構成であるため、説明を省略する。
【0030】
本実施例のように、下段パレット20の入出庫側に左右対称に一対のバランス機構70FX、70FYを、下段パレット20の反入出庫側に左右対称に一対のバランス機構70BX、70BYを設けることで、下段パレット20の捻れをなくすことができるため、浮動機構40FR、40FLをスムーズに動作させることができる。
【0031】
図6および
図7は下段パレットの入出庫側に配置する一対のバランス機構の要部正面図であり、
図6は下段パレットが着床した状態を示し、
図7は下段パレットが上昇した状態を示している。
また
図6(a)および
図7(a)は一方のバランス機構70FXを、
図6(b)および
図7(b)は他方のバランス機構70FYを示している。
なお、
図6および
図7では、ピットP内の一方に配設される固定柱80FRと他方に配設される固定柱80FLとを図示している。
【0032】
一方のバランス機構70FXでは、バランスチェーン71FXは、一端を吊りボルト74FXに取り付け、他端をバランス用伝達体端末金具76FXに取り付け、位置規制ピン75FXの下部、補助ローラ73FXの上部、一対のバランスチェーンローラ72FXR、72FXLの下部に当接させている。
他方のバランス機構70FYでは、バランスチェーン71FYは、一端を吊りボルト74FYに取り付け、他端をバランス用伝達体端末金具76FYに取り付け、位置規制ピン75FYの下部、補助ローラ73FYの上部、一対のバランスチェーンローラ72FYR、72FYLの下部に当接させている。
下段パレット20は、吊りボルト74FX、74FYでバランスチェーン71FX、71FYの長さを調整することで、水平を保つように調整される。
【0033】
本実施例では、吊りボルト74FX、74FYの下端にバランスチェーン71FX、71FYの一端を取り付けるとともに、位置規制ピン75FX、75FYおよび補助ローラ73FX、73FYによって、バランスチェーン71FX、71FYは、一対のバランスチェーンローラ72FXR、72FXLの下部に当接する。従って、
図6に示すように、バランスチェーンローラ72FXR、72FXLをピットPの底面に限りなく近づけることができるため、下段パレット20をピットPの底面に限りなく近づけることができ、ピットPを浅くできる。
また、本実施例では、固定柱80FL、80FRの上方にバランス用伝達体端末金具76FX、76FYを取り付けているため、
図7に示すように、下段パレット20を上昇させた場合に、バランスチェーンローラ72FXR、72FXLをバランス用伝達体端末金具76FX、76FYに近い位置まで上昇させることができ、ピットP深さを有効に利用できる。
【0034】
以下本発明の他の実施例による昇降式駐車装置について説明する。
図8は本実施例による昇降式駐車装置の主要構成図であり、
図8(a)は同昇降式駐車装置の主要構成を示す側面図、
図8(b)は同昇降式駐車装置の主要構成を示す正面図である。なお、本実施例は、
図1から
図7に示す実施例と下記の点で相違するのみで、その他の構成は同一であるため、説明を省略する。
本実施例による昇降式駐車装置は、上段パレット10と下段パレット20との間に中段パレット90を配置している。中段パレット90の入出庫側は、一対の中段用支柱91に固定され、中段パレット90の反入出庫側は、一対のパレット支柱30Bに固定されている。一対の中段用支柱91は、下段パレット20と中段パレット90とをつないでいる。
本実施例に示すように、上段パレット10と下段パレット20との間に中段パレット90を配置し、地表面Tより下方を2段とすることもできる。
【0035】
なお、本実施例では、昇降用伝達体51としてチェーンを用いて説明したが、ワイヤーを用いてもよい。
また、本実施例では、バランス用伝達体71FX、71FYとしてチェーンを用いて説明したが、ワイヤーを用いてもよい。
また、本実施例では、スライド用駆動体41FL、41FR、固定用駆動体42FL、42FR、第2固定用駆動体41BL、41BR、バランス用伝達駆動体72FX、72FY、および補助駆動体73FX、73FYとしてローラを用いて説明したが、スプロケットを用いてもよい。
また、本実施例では、パレット支持軸受60は、軸受61および軸62で構成したが、球体と球体受けで構成することもでき、上段パレット10が一対のパレット支柱30FL、30FRに対して揺動可能な構成であればよい。