(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
軸線方向に延びると共に対向する2つの主面を形成する板状形状を有する検出素子であって、前記軸線方向の先端側に位置し被測定ガス中の特定ガス成分を検出するための検出部と、前記軸線方向の後端側に位置し一方の前記主面に2つ以上の電気接続端子部が形成された素子後端部とを有する検出素子と、
前記軸線方向に延びる長尺形状のフレーム本体部と、前記フレーム本体部の先端部から折り返して前記後端側に延び、前記電気接続端子部と電気的に接続する素子当接部とをそれぞれ有する2つ以上の接続端子と、
前記接続端子と前記素子後端部とを内部に収容するセパレータ部と、
前記セパレータ部の外周を取り囲む基体部と、を備えるセンサであって、
前記セパレータ部は、樹脂部材によって形成されると共に、複数の収容空間部を仕切る隔壁を有し、
前記複数の収容空間部は、前記素子当接部の一部と前記素子後端部とを収容する素子収容空間部と、2つ以上の前記フレーム本体部をそれぞれ収容する複数の端子収容空間部とを含み、
前記基体部は、樹脂部材によって形成され、
前記基体部は、前記軸線方向の後端側に位置する底部と、前記セパレータ部の径方向周囲を取り囲むように前記底部の周縁部から前記軸線方向の先端側に延びる側部と、を有し、
前記隔壁と前記側部とは、直接的に、又は、前記基体部とは別部材によって間接的に接続している、ことを特徴とするセンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のセンサは、セパレータがセラミック材料によって形成されている。この場合、セパレータをセンサの構成部材として組み付ける際には、例えば、セパレータを支持する金属製の保持金具を外筒に対して加締めることで固定すると共に、外筒を主体金具に取り付ける等の組み付け方法に工夫が必要となる。このため、セラミック材料によって形成したセパレータをセンサの構成部材として用いる場合、センサの製造コストが高くなったり、製造工程が増えたりという不具合が生じ得る。また、セラミック材料を用いてセパレータを形成した場合には、センサの重さが重くなるという問題も生じ得る。
【0005】
また、特許文献2のセンサのように、セパレータが樹脂材料によって形成されたセンサでは、セラミック製のセパレータに比べ強度が低下するという問題が生じ得る。また、特許文献2の技術では、検出素子に電気的に接続されたコネクタが検出素子の軸線方向に沿って延びている。このため、センサが軸線方向に大型化するという問題が生じ得る。センサが軸線方向に大型化した場合、取り付け場所によってはセンサの取り付けが困難になる場合が生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、軸線方向に延びると共に対向する2つの主面を形成する板状形状を有する検出素子であって、前記軸線方向の先端側に位置し被測定ガス中の特定ガス成分を検出するための検出部と、前記軸線方向の後端側に位置し一方の前記主面に2つ以上の電気接続端子部が形成された素子後端部とを有する検出素子と、前記軸線方向に延びる長尺形状のフレーム本体部と、前記フレーム本体部の先端部から折り返して前記後端側に延び、前記電気接続端子部と電気的に接続する素子当接部とをそれぞれ有する2つ以上の接続端子と、前記接続端子と前記素子後端部とを内部に収容するセパレータ部と、前記セパレータ部の外周を取り囲む基体部と、を備えるセンサが提供される。このセンサは、前記セパレータ部は、樹脂部材によって形成されると共に、複数の収容空間部を仕切る隔壁を有し、前記複数の収容空間部は、前記素子当接部の一部と前記素子後端部とを収容する素子収容空間部と、2つ以上の前記フレーム本体部をそれぞれ収容する複数の端子収容空間部とを含む。
この形態のセンサによれば、セパレータ部は、樹脂部材によって形成される共に、複数の収容空間部を仕切る隔壁を有する。これにより、セパレータ部をセラミック製部材によって形成する場合に比べセンサの軽量化を図ることができると共に、隔壁によってセパレータ部の強度が低下する可能性を低減できる。
【0008】
(2)上記形態のセンサであって、前記基体部は、樹脂部材によって形成され、前記基体部は、前記軸線方向の後端側に位置する底部と、前記セパレータ部の径方向周囲を取り囲むように前記底部の周縁部から前記軸線方向の先端側に延びる側部と、を有し、前記隔壁と前記側部とは、直接的に、又は、前記基体部とは別部材によって間接的に接続しても良い。
この形態のセンサによれば、隔壁と基体部の側部とが接続しているため、隔壁の強度を向上できる。よって、セパレータ部の強度が低下する可能性を更に低減できる。
【0009】
(3)上記形態のセンサであって、前記基体部と前記セパレータ部とは樹脂部材によって一体とされていても良い。
この形態のセンサによれば、基体部とセパレータ部とを容易に形成できる。
【0010】
(4)上記形態のセンサであって、前記軸線方向と直交する断面において、前記隔壁の厚みは一定であっても良い。
この形態のセンサによれば、樹脂部材によってセパレータ部を形成する際に、セパレータ部の各部分における熱収縮の程度が不均一になることを抑制できる。これにより、セパレータ部を精度良く形成できる。
【0011】
(5)上記形態のセンサであって、さらに、前記検出素子から出力される検出信号を外部に取り出すためのコネクタ端子を有し、前記基体部は、前記軸線方向に対して交差する方向に延び、前記コネクタ端子の一端部を収容するコネクタ部を有し、前記コネクタ端子の他端部と前記接続端子とは前記収容空間部内で電気的に接続していても良い。
この形態のセンサによれば、コネクタ部が軸線方向に対して交差する方向に延びるため、センサが軸線方向に大型化することを抑制できる。
【0012】
(6)上記形態のセンサであって、前記コネクタ端子の他端部は、凹部又は穴部を有するコネクタ端子側係合部を有し、前記接続端子は、前記凹部又は前記穴部に入り込むことで前記コネクタ端子側係合部と係合する接続端子側係合部を有しても良い。
この形態のセンサによれば、接続端子側係合部とコネクタ端子側係合部とが係合することで、コネクタ端子の他端部と接続端子との電気的な接続を良好に維持できる。
【0013】
(7)上記形態のセンサであって、前記コネクタ端子は前記基体部に埋設されて、前記コネクタ端子と前記基体部とが接合されていても良い。
この形態のセンサによれば、コネクタ端子を容易に基体部に固定することができる。
【0014】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、センサの他に、接続端子と検出素子とを内部に収容するためのセパレータ部、セパレータ部の製造方法、センサの製造方法等の態様で実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
A.実施形態:
図1は、本発明の実施形態としてのセンサ200の断面図である。
図2は、端子収容ユニット10の斜視図である。
図3は、検出素子20の斜視図である。
図1において、検出素子20の軸線Oに平行な方向を軸線方向CDとし、紙面上側をセンサ200の後端側BSとし、紙面下側をセンサ200の先端側ASとする。このセンサ200は、例えば、内燃機関の吸気系統に取り付けられ、吸気系統内を流れる被測定ガス中の酸素濃度を検出するための検出信号を出力する。
【0017】
センサ200(
図1)は、後端側BSから先端側ASの順に、端子収容ユニット10と、取付部15と、主体金具16と、プロテクタ17とを備える。また、センサ200は、軸線方向CDに延びる検出素子20を備える。
【0018】
検出素子20は、板状形状であり、軸線方向CDに延びると共に互いに対向する第1板面20faと第2板面20fbとを有する。第1板面20faと第2板面20fbとは、検出素子20の主面を形成し、検出素子20の外表面のうち最も面積が大きい面である。
図3に示すように、検出素子20は、軸線方向CDの先端側AS側に位置する検出部21と、軸線方向CDの後端側BSに位置する素子後端部22とを有する。素子後端部22は、第1板面20faに形成された第1〜第3の金属端子部24a〜24cと、第2板面20fbに形成された第4と第5の金属端子部24d,24eとを有する。各金属端子部24a〜24eは白金等の金属や導電性を有する部材によって形成され、それぞれ表面が略矩形状である。第2の金属端子部24bは、他の金属端子部24a,24c,24d,24eに比べて後端側BSに配置されている。ここで、第1〜第5の金属端子部24a〜24eを区別することなく用いる場合は、「金属端子部24」を用いる。この金属端子部24が課題を解決するための手段に記載の「電気接続端子部」に相当する。検出部21は、被測定ガス中の特定ガス成分(例えば、酸素)の濃度を検出するために用いられる。
図1に示すように、検出素子20のうち検出部21が位置する先端側部分は、多孔質部材によって形成された検出部保護層90で覆われている。
【0019】
検出素子20(
図3)は、空燃比センサとして用いられ、従来の検出素子と同様の構成であるため、その内部構造等の詳細説明は省略するが、概略構成を以下に説明する。検出素子20は、検出部21が形成された板状形状の素子層28と、素子層28を加熱するための板状形状のヒータ層29とが積層した積層体である。素子層28はジルコニアを主体とする固体電解質体と白金を主体とする一対の電極とを、中空の測定室が一部に形成された絶縁層を介して積層した構成をなしている。素子層28は、固体電解質体の両面に形成された一対の電極の一方の電極(「第1電極」とも呼ぶ。)を外部に晒すと共に、一対の電極の他方の電極(「第2電極」とも呼ぶ。)を測定室に配置した酸素ポンプセルと、固体電解質体の両面に形成された一対の電極の一方を測定室に配置する。また、素子層28は、第2電極を基準ガス室に配置した酸素濃度測定セルを有する。そして素子層28は、酸素濃度測定セルの出力電圧が所定の値になるように、酸素ポンプセルの一対の電極間に流す電流を制御することで、測定室内の酸素を汲み出したり、測定室内に外部から酸素を汲み入れたりする構成を有する。なお、酸素ポンプセルのうち、一対の電極、及び、固体電解質体のうちでこれら電極に挟まれる部位は、酸素濃度に応じた電流が流れる検出部21を構成する。金属端子部24は、検出部21から検出信号を取り出すためや、ヒータ層29に埋設された電熱線に電力を供給するために用いられる。
【0020】
端子収容ユニット10(
図1)は、後端側BSに底部31を有する有底筒状のセパレータ部30と、底部31を自身の底部として構成する有底筒状の基体部40とを備える。すなわち、セパレータ部30と基体部40との底部は共通する。基体部40は、セパレータ部30の外周を取り囲む筒状の本体部41と、本体部41から軸線方向CDに対して交差する方向に延びるコネクタ部50とを有する。本実施形態では、コネクタ部50は軸線方向CDと直交する方向に延びる。端子収容ユニット10は、樹脂部材によって一体とされている(つまり、一体成形されている)。樹脂部材としては、成形性のよい樹脂、例えば、ナイロン(登録商標)、PA(ポリアミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等を用いることができる。
【0021】
セパレータ部30(
図2)は、検出素子20や後述する接続端子60を収容するための第1〜第6の収容空間部34a〜34fと、6つの収容空間部34a〜34fを仕切る隔壁35とを有する。
図1に示すように、隔壁35は底部31からセパレータ部30の先端側端面の近傍まで延びる複数の板状部材によって構成されている。隔壁35は、軸線方向CDと直交する平面において、第1〜第6の収容空間部34a〜34fを仕切る。
図2に示すように、第1〜第5の収容空間部34a〜34eには、対応する第1〜第5の接続端子60a〜60e(詳細には、後述する第1〜第5の接続端子60a〜60eのフレーム本体部)がそれぞれ収容される。第6の収容空間部34fには、検出素子20の素子後端部22と第1〜第5の接続端子60a〜60eの一部(詳細には、後述する第1〜第5の接続端子60a〜60eの素子当接部の一部)が収容される。
【0022】
図2に示すように、セパレータ部30を先端側ASから見た場合に、第6の収容空間部34fは、筒状のセパレータ部30の略中央に配置され、第1〜第5の収容空間部34a〜34eは第6の収容空間部34fよりもセパレータ部30の径方向外側に配置されている。ここで、第1〜第6の収容空間部34a〜34fを区別することなく用いる場合は、「収容空間部34」を用いる。また、第1〜第5の接続端子60a〜60eを区別することなく用いる場合は、「接続端子60」を用いる。なお、セパレータ部30の詳細構成については後述する。ここで、第1〜第5の収容空間部34a〜34eが課題を解決するための手段に記載の「端子収容空間部」に相当し、第6の収容空間部34fが課題を解決するための手段に記載の「素子収容空間部」に相当する。
【0023】
基体部40の本体部41は、セパレータ部30の外周を取り囲む側部44を有する。側部44は、軸線方向CDの後端側BSに位置する底部31の周縁部から軸線方向CDの先端側ASに延びる。側部44は、セパレータ部30の径方向周囲を取り囲むように配置されている。
図1に示すように、隔壁35と側部44とは底部31によって間接的に接続されている。また、
図2に示すように、隔壁35と側部44とは少なくとも先端側ASにおいて、直接的に接続されている。「直接的に接続」とは、他の部材を介することなく隔壁35と側部44とが取り付けられていることを意味する。「間接的に接続」とは、他の部材を介して隔壁35と側部44とが取り付けられていることを意味する。本体部41の先端側端面には、溝411が周方向に亘って形成されている。なお、本体部41の詳細構成については後述する。
【0024】
コネクタ部50(
図1)内には、検出素子20から出力される検出信号を外部に取り出すためのコネクタ端子52(詳細にはコネクタ端子52の一端部54)が収容されている。コネクタ端子52は、接続端子60の数に対応して5つ設けられている(
図1では1つのみ図示)。コネクタ端子52は、基体部40にインサート成形されることで、基体部40に埋設された状態で、且つ基体部40に接合されてなる。すなわち、基体部40の樹脂とコネクタ端子52が樹脂モールドされている。より具体的には、金型内にコネクタ端子52を配置し、コネクタ端子52の周りに樹脂を注入することでコネクタ端子52が基体部40に取り付けられる。インサート成形によって、コネクタ端子52を容易に基体部40に固定することができる。
【0025】
各コネクタ端子52の他端部56は、第1〜第5の収容空間部34a〜34e内で対応する接続端子60と電気的に接続している。コネクタ端子52の一端部54はコネクタ部50の開口部58内に配置され、開口部58に外部のコネクタが挿入されることで、外部のコネクタ内にある端子がコネクタ端子52の一端部54に電気的に接続される。これにより、外部のコネクタを介して酸素濃度を算出するための測定機器に対して検出信号が伝達される。
【0026】
主体金具16は、検出素子20が内側に配置される筒状の部材である。主体金具16は、SUS430等のステンレス鋼によって形成される。主体金具16は、検出素子20の軸線方向CDを中心とした周囲を取り囲む。主体金具16は、検出素子20の検出部21が先端側ASに突出すると共に素子後端部22が後端側BSに突出するように検出素子20を保持する。主体金具16のうち後端側BSに位置する後端側外周部168には、取付部15がレーザー溶接等によって取り付けられている。主体金具16のうち先端側ASに位置する先端側外周部167には、プロテクタ17がレーザー溶接によって取り付けられている。
【0027】
主体金具16は、さらに、軸線方向CDにおいて後端側外周部168と先端側外周部167との間に位置し、全周に亘って形成された溝部162を有する。この溝部162には、シール部材158が配置されている。本実施形態では、シール部材158はO−リングである。このシール部材158は、センサ200と取付対象体との間を封止する。具体的には、シール部材80は、センサ200が取付対象体に取り付けられる際に、センサ取り付け孔の内壁に圧接されることにより変形し、センサ取り付け孔とセンサ200との間を封止する。
【0028】
主体金具16内には、アルミナからなる筒状のセラミックホルダ175と、滑石粉末からなる粉末充填層173と、アルミナからなる筒状のセラミックスリーブ171とが、この順に先端側ASから後端側BSに向けて配置されている。更に、セラミックスリーブ171と主体金具16の後端部164との間には、加締リング157が配置されている。
【0029】
セラミックホルダ175は、主体金具16のうち先端側ASに位置する棚部169に係止されている。セラミックスリーブ171及びセラミックホルダ175は、軸線方向CDに沿った矩形状の軸孔を有する筒状体である。このセラミックスリーブ171及びセラミックホルダ175は、その矩形状の軸孔に板状の検出素子20を軸線方向CDに沿って内挿して、検出素子20を支持している。セラミックスリーブ171は、主体金具16内に装着された後、主体金具16の後端部164を径方向内側に屈曲させ、加締リング157を介して、セラミックスリーブ171の後端面に向けて加締めることにより、主体金具16内に固定されている。
【0030】
プロテクタ17(
図1)は、外部プロテクタ18と、外部プロテクタ18の内側に位置する内部プロテクタ19と、を有する。外部プロテクタ18及び内部プロテクタ19は有底筒状である。外部プロテクタ18及び内部プロテクタ19は、複数の孔部を有する金属製の部材である。これらの複数の孔部を通過して内部プロテクタ19内に被測定ガスが流入する。外部プロテクタ18及び内部プロテクタ19は、検出素子20の検出部21を覆うことで外部からの水等から保護する。
【0031】
取付部15は、主体金具16と端子収容ユニット10とを接続する部材である。取付部15は、ステンレス鋼等の金属製の部材である。取付部15のうち先端側ASに位置する部分は主体金具16にレーザー溶接等に取り付けられ、後端側BSに位置する部分は端子収容ユニット10の基体部40に加締めによって取り付けられている。基体部40(詳細には、本体部41)の先端側端面に形成された溝411には、シール部材159が配置されている。シール部材159はO−リングである。このシール部材159は、取付部15と基体部40との取付部分を封止する。取付部15は、
図1の紙面方向に突出する一対のフランジ部(図示せず)を有する。フランジ部には孔が形成されている。この孔にネジを挿通し、取付対象体に設けられたネジ孔にネジ止めすることでセンサ200が取付対象体に取り付けられる。ここで、ネジ孔は1個でも複数でも良い。
【0032】
図4は、第2の接続端子60bを説明するための図である。
図4(a)は、第2の接続端子60bの上面図である。
図4(b)は、第2の接続端子60bの正面図である。
図4(c)は、第2の接続端子60bの右側面図であり、
図4(d)は、
図4(a)のF4a−F4a断面図である。
図4(d)には、第2の接続端子60bがセンサ200に組み付けられた場合の軸線方向CDを示している。
【0033】
図4(d)に示すように、第2の接続端子60bは、コネクタ当接部69と、フレーム本体部62と、素子当接部61と、張り出し部63と、2つの係止部68(
図4(b))とを有する。
図4(b)に示すように、フレーム本体部62は、長尺形状の板状であり、軸線方向CDに延びる。
【0034】
素子当接部61は、フレーム本体部62の先端部621から折り返して後端側BSに延びる。素子当接部61は、フレーム本体部62の先端部621から検出素子20が位置する側(検出素子20に近づく側)に向かって延びる内側延出部64と、内側延出部64のうち検出素子20が位置する側の端部に接続され後端側BSに向かって延びるバネ部65とを有する。本実施形態の内側延出部64は、水平方向に沿って直線状に延びる。バネ部65は、後端側BSに向かうに従って検出素子20に近づくように延びる。バネ部65の後端側BSに位置する部分は、金属端子部24と接触することで金属端子部24と電気的に接続される素子当接部67が形成されている。
【0035】
コネクタ当接部69は、フレーム本体部62の後端部624から折り返して先端側ASに向かって延びる。コネクタ当接部69は、フレーム本体部62に対して素子当接部61が位置する側とは反対側に折り返されている。
図4(a)及び
図4(d)に示すように、張り出し部63は、フレーム本体部62から素子当接部61が位置する側とは反対側に延びる。張り出し部63は、コネクタ当接部69を取り囲むように形成されている。張り出し部63は、第2の収容空間部34bに収容され、第2の収容空間部34bの壁面に当たることで第2の接続端子60bの動きが規制される。
図4(b)に示すように、2つの係止部68は、フレーム本体部62の先端側ASからフレーム本体部62の幅方向に突出する板状の部材である。2つの係止部68は、セパレータ部30の先端側端面に形成された溝に配置されセパレータ部30に係止されることで、フレーム本体部62が検出素子20側に変形することを抑制する。
【0036】
図5は、第1と第5の接続端子60a,60eを説明するための図である。
図5(a)は、第1と第5の接続端子60a,60eの上面図である。
図5(b)は、第1と第5の接続端子60a,60eの正面図である。
図5(c)は、第1と第5の接続端子60a,60eの右側面図である。
図5(d)は、
図5(a)のF5a−F5a断面図である。
図5(d)には、第1と第5の接続端子60a,60eがセンサ200に組み付けられた場合の軸線方向CDを示している。第1と第5の接続端子60a,60eと第2の接続端子60b(
図4)との異なる点は、係止部68の個数と素子当接部61aの構成である。第1と第5の接続端子60a,60eのその他の構成について、第2の接続端子60bと同様の構成であるため、同様の構成については同一の符号を付すと共に説明を省略する。
【0037】
係止部68(
図5(b))は、1つのみ設けられている。係止部68は、フレーム本体部62の先端側ASからフレーム本体部62の幅方向に突出する。
図5(c)に示すように、素子当接部61aは、フレーム本体部62の先端部621から折り返して後端側BSに延びる。素子当接部61aと第2の接続端子60bの素子当接部61(
図4)との異なる点は、内側延出部64aがフレーム本体部62の幅方向に屈曲した部分を有する点と、バネ部65aの幅がバネ部65(
図4)よりも小さい点である。
図5(a)及び
図5(b)に示すように内側延出部64aは、水平方向に沿って直線状に延びると共に、バネ部65aが接続された側がフレーム本体部62の幅方向に屈曲する。この屈曲する方向は、係止部68が突出する方向とは反対の方向である。
【0038】
第3と第4の接続端子60c,60d(
図2)は、第1と第5の接続端子60a,60eと比べた場合に、係止部68及び素子当接部61aのフレーム本体部62に対する位置が反対である点でのみ異なる。すなわち、
図5(b)において、第3と第4の接続端子60c,60dは、係止部68がフレーム本体部62に対して左側に位置し、バネ部65aがフレーム本体部62に対して右側に位置する。
【0039】
図6は、セパレータ部30と基体部40の側部44とを示す斜視図である。
図7は、セパレータ部30に接続端子60を配置したときの斜視図である。
図8は、
図6に示す図を先端側ASから見た図である。
図9は、
図7に示す図を先端側ASから見た図である。
図6及び
図7には、側部44(
図2)のうち溝411より径方向内側の部分を示している。また、
図8には、理解の容易のために、先端側端面について、側部44にはクロスハッチングを付し、隔壁35にはシングルハッチングを付すと共に、検出素子20が配置される部分を点線で示している。
【0040】
図6及び
図7に示すように、セパレータ部30の隔壁35は、複数の収容空間部34を仕切る。具体的には、複数の収容空間部34はそれぞれ、隔壁35によって軸線方向CDと直交する断面が略矩形状となるように区画される。すなわち、隔壁35によって収容空間部34の軸線方向CDに沿った側壁が形成されている。これにより、接続端子60及び検出素子20がセパレータ部30に配置された場合に、接続端子60のフレーム本体部62と検出素子20とのそれぞれにおける軸線方向CDを中心とした周囲が、隔壁35によって取り囲まれる。
図8に示すように、隔壁35の先端側端面は、側部44に直接的に接続している。具体的には、隔壁35の先端側端面のうち、セパレータ部30の径方向外側に位置する4つの隅部35pが側部44に接続している。また、隔壁35は基体部40の底部31(
図1)において間接的に接続している。隔壁35の先端側端面には、接続端子60の係止部68(
図4(b),
図5(b))が配置される溝38が形成されている。
【0041】
図9に示すように、第1〜第5の収容空間部34a〜34eには、対応する接続端子60のフレーム本体部62、張り出し部63、及び、コネクタ当接部69が収容される。第6の収容空間部34fには、検出素子20の素子後端部22(
図1)と接続端子60のバネ部65,65aが収容される。ここで、軸線方向CDと直交する断面において、隔壁35の厚みD1、D2(
図8)は一定であることが好ましい。こうすることで、樹脂部材によってセパレータ部30を射出成形等によって形成する際に、セパレータ部30の各部分における熱収縮の程度が不均一になることを抑制できる。これにより、セパレータ部30を精度良く作成できる。なお、隔壁35の先端側端面の一部は、面取りが施され、面取り部35gが形成されている。なお、他の実施形態では、隔壁35の厚みは一定でなくても良い。
【0042】
隔壁35の厚みD1,D2は、軸線方向CDと直交する以下の第1と第2の方向における厚みである。
・第1方向DR1:軸線方向CDと直交し、検出素子20の第1板面20faと第2板面20fbとが対向する方向。
・第2方向DR2:軸線方向CDと第1方向DR1に直交する方向。
本実施形態では、第1方向DR1における隔壁35の厚みを厚みD1とし、第2方向DR2における隔壁35の厚みを厚みD2としている。
【0043】
上記実施形態によれば、セパレータ部30を樹脂部材によって形成すると共に、セパレータ部30は、複数の収容空間部34を仕切る隔壁が一体形成されている。これにより、セパレータ部30をセラミック製部材によって形成する場合に比べセンサの軽量化を図ることができると共に、隔壁35によってセパレータ部30の強度が低下する可能性を低減できる。また、上記実施形態では、
図8に示すように、隔壁35と基体部40の側部44とは、隅部35pによって直接的に接続している。また、
図1に示すように、隔壁35と側部44とは底部31を介して間接的に接続している。これにより、隔壁35の強度を向上できるため、セパレータ部30の強度が低下する可能性を更に低減できる。また、上記実施形態によれば、側部44を有する基体部40とセパレータ部30とは樹脂部材によって一体とされてなる。これにより、基体部40とセパレータ部30とを容易に形成できる。また、上記実施形態によれば、
図1に示すように、コネクタ端子52は軸線方向CDと直交する方向(直交方向)に延び、基体部40は直交方向に延びるコネクタ部50を有する。これにより、センサ200が軸線方向CDに大型化することを抑制できる。
【0044】
B.セパレータ部と側部との他の接続態様:
図10は、セパレータ部30と側部44との第1の接続態様を説明するための図である。
図11は、セパレータ部30と側部44との第2の接続態様を説明するための図である。
図10及び
図11は、第1実施形態の
図8に相当する図である。上記実施形態では、隔壁35と基体部40の側部44とは、隅部35pによって直接的に接続されていたが、これに代えて他の部材を介して間接的に接続されていても良い。
図10及び
図11に示すセパレータ部30と基体部40の側部44とは、別部材である接続部材85によって接続されている。接続部材85は、側部44の内周面から径方向内側に突出するリブである。接続部材85は、軸線方向CDに沿って底部31(
図1)から隔壁35の先端側端面まで延びる。接続部材85は、セパレータ部30と同一の樹脂部材で形成されても良い。また、樹脂部材85は、ステンレス鋼などの金属やセパレータ部30と異種の樹脂部材によって形成されても良い。接続部材85が側部44及び隔壁35に取り付けられることによって、側部44と隔壁35とが間接的に接続している。また、接続部材85に代えて、隔壁35と側部44とは別部材としての接着剤や充填剤によって互いに取り付けられることで接続されても良い。このようにしても、上記実施形態と同様に、隔壁35の強度を向上できるため、セパレータ部30の強度が低下する可能性を更に低減できる。また、上記実施形態では、
図1に示すように、隔壁35と側部44とは、基体部40の底部31によって間接的に接続されていたが、底部31によって接続されていなくても良い。
【0045】
C.接続端子とコネクタ端子との他の実施形態:
図12は、第2の接続端子60baの他の実施形態を説明するための図である。
図12(a)は、第2の接続端子60baの上面図である。
図12(b)は、第2の接続端子60baの正面図である。
図12(c)は、第2の接続端子60baの右側面図である。第2の接続端子60baは、上記実施形態の第2の接続端子60b(
図4)に代えてセンサ200の構成部材として用いられても良い。第2の接続端子60baと上記実施形態の第2の接続端子60bとの違いは、張り出し部63aが後述するコネクタ端子52aの他端部56aと係合する機構を有する点である。その他の構成については、第2の接続端子60baと第2の接続端子60bとは同様の構成であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。
【0046】
張り出し部63aは、フレーム本体部62の幅方向WD(
図12(b)の左右方向)の端部に接続され、フレーム本体部62と交差する一対の側部63A,63Bを有する。一対の側部63A,63Bのうち、一方を第1の側部63Aと呼び、他方を第2の側部63Bと呼ぶ。第1と第2の側部63A,63Bは、素子当接部61が位置する側とは反対側に突出する。第1と第2の側部63A,63Bは、フレーム本体部62の幅方向WDにおいて互いに向かい合う。第1と第2の側部63A,63Bとは、コネクタ当接部69を挟む位置関係にある。
【0047】
図12(b),(c)に示すように、第1と第2の側部63A,63Bはそれぞれ、後述するコネクタ端子52aの他端部56aと軸線方向CDにおいて係合する接続端子側係合部663と、穴部661とを有する。接続端子側係合部663は、穴部661よりも後端側BSに位置する。接続端子側係合部663は、板状であり幅方向WDに弾性変形可能なように構成されている。なお、第1と第2の側部63A,63Bは、第2の接続端子60baを用いて説明したが、その他の接続端子(第1,第3,第4,第5の接続端子)にも同様に形成されている。
【0048】
図13は、コネクタ端子52aの他の実施形態と、コネクタ端子52aと第2の接続端子60baとの係合について説明するための図である。
図13(a)は、コネクタ端子52aと第2の接続端子60baとの係合が開始される直前の図である。
図13(b)は、コネクタ端子52aと第2の接続端子60baとの係合したときの図である。コネクタ端子52aは、上記実施形態のコネクタ端子52(
図1)に代えてセンサ200の構成部材として用いられても良い。コネクタ端子52aと上記実施形態のコネクタ端子52との違いは、他端部56aにコネクタ端子側係合部561を有する点である。その他の構成については、コネクタ端子52aとコネクタ端子52とは同様の構成であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。
【0049】
コネクタ端子52aの他端部56aは、先端側ASにコネクタ端子側係合部561を有する。他端部56aは、軸線方向CDに延びる長尺形状である。コネクタ端子側係合部561は、接続端子側係合部663と係合する部分である。コネクタ端子側係合部561は、他端部56aの側面が他の部分よりも凹んだ凹部である。コネクタ端子側係合部561は先端部569の後端側BSに形成されている。
【0050】
他端部56aは、第2の接続端子60baの後端側BSから第1と第2の側部63A,63Bの間に挿入される。このとき、
図13(a)に示すように、先端部569によって接続端子側係合部663が幅方向WD外側に押し広げられる。そして、
図13(b)に示すように、先端部569が接続端子側係合部663を通過して穴部661に位置したとき、接続端子側係合部663は凹部であるコネクタ端子側係合部561に入り込む。これにより、接続端子側係合部663とコネクタ端子側係合部561とが軸線方向CDにおいて係合する。この係合によって、接続端子60baの先端側ASへの移動が規制される。また、
図13(b)の状態では、コネクタ当接部69と他端部56aとが接触することによって電気的に接続されている。このように、接続端子側係合部663とコネクタ端子側係合部561とが軸線方向CDにおいて係合することによって、接続端子60baが先端側ASに移動してコネクタ端子52aから外れる可能性を低減できる。これにより、他端部56aとコネクタ当接部69との電気的な接続を良好に維持できる。なお、第2の接続端子60baと電気的に接続されるコネクタ端子52aを用いてコネクタ端子側係合部561を説明したが、その他の接続端子(第1,第3,第4,第5の接続端子)と電気的に接続されるコネクタ端子もコネクタ端子52aと同様にコネクタ端子側係合部561を有する。また、コネクタ端子側係合部561は凹部であったが、形状はこれに限定されるものではなく、接続端子側係合部663が入り込んでコネクタ側係合部と係合できる形状であれば良い。例えば、コネクタ端子側係合部561は、幅方向WDに貫通する穴部であっても良い。
【0051】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0052】
D−1.第1変形例:
上記実施形態では、セパレータ部30と基体部40とは同一材料の樹脂部材を用いて、接着剤や機械的接合を用いることなく一体とされていた(一体成形されていた)が、これに限定されるものではなく少なくともセパレータ部30が樹脂部材であれば良い。例えば、基体部40は、ステンレス鋼などの金属によって形成しても良い。また例えば、基体部40は、セパレータ部30とは異なる樹脂部材によって形成されても良い。また、上記実施形態では、コネクタ端子52は、基体部40にインサート成形されることで、基体部40に取り付けられていたが、これに限定されるものではなく他の取付方法によって基体部40に取り付けられても良い。例えば、コネクタ端子52を基体部40に圧入する方法や、接着剤などによって取り付ける方法を採用しても良い。
【0053】
D−2.第2変形例:
上記実施形態では、基体部40とセパレータ部30とは同一材料の樹脂部材によって、接着剤や機械的接合を用いることなく一体とされていた(一体成形されていた)が、異なる材料の樹脂部材を用いて二色成形等の成形方法を用いて一体としても(一体成形しても)良い。
【0054】
D−3.第3変形例:
上記実施形態では、
図4に示すように、接続端子60は内側延出部64を有していたが、有していなくても良い。接続端子60は、フレーム本体部62と素子当接部67を形成するバネ部65,65aとを少なくとも有していれば良い。
【0055】
D−4.第4変形例:
上記実施形態では、
図3に示すように、検出素子20は第1〜第5の金属端子部24a〜24eを有していたがこれに限定されるものではなく、一方の主面20fa(20fb)に2つ以上の金属端子部24を有していれば良い。
【0056】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。