(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ナイアシン誘発紅潮の発生または重篤度を予防または低減するための製薬組成物であって、該製薬組成物は、350mg〜1200mg以下の量のニコチン酸および50mg〜5000mgのエイコサペンタエン酸のC1−C5エステルを含み、含有する場合には存在するすべての脂肪酸の3重量%以下のドコサヘキサエン酸を含有する、組成物。
ナイアシン誘発紅潮の発生または重篤度を予防または低減するための製薬組成物であって、該製薬組成物は、350mg〜800mg以下の量のニコチン酸および50mg〜5000mgのエイコサペンタエン酸エチルエステルを含み、ドコサヘキサエン酸を含有しない、製薬組成物。
前記組成物を被験体に投与することによって、該被験体が紅潮を経験しないか、または、ナイアシンを投与されたが、エイコサペンタエン酸エチルエステルは投与されていない対照被験体と比較して、該被験体が低減された紅潮を経験する、請求項9または10に記載の製薬組成物。
前記ニコチン酸が350mg〜400mgの量で存在し、前記エイコサペンタエン酸エチルエステルが300〜800mgの量で存在する、請求項12に記載の製薬組成物。
1日当たり25mg〜5000mgの前記エイコサペンタエン酸エチルエステルを提供するのに十分な量の前記製薬組成物を被験体に投与することによって、該被験体が紅潮を経験しないか、または、ナイアシンを投与されたが、エイコサペンタエン酸エチルエステルは投与されていない対照被験体と比較して、該被験体が低減された紅潮を経験する、請求項12または請求項13に記載の製薬組成物。
心血管関連疾患または障害の処置または予防を必要とする被験体において心血管関連疾患または障害を処置または予防するための、請求項1〜15のいずれかに記載の製薬組成物。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態において、本発明は、約1200mg以下の、約1000mg以下の、約750mg以下の、または約500mg以下の量のニコチン酸と、エイコサペンタエン酸またはその誘導体とを含む製薬組成物を提供する。一実施形態において、組成物は、含有するとしても、10重量%以下のドコサヘキサエン酸を含有する。別の実施形態において、エイコサペンタエン酸またはその誘導体は、エイコサペンタエン酸エチルエステルである。なお別の実施形態において、組成物は、含有する場合には、ドコサヘキサエン酸またはその誘導体の量を実質的に含有しない。
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1) 約1200mg以下の量のニコチン酸、およびエイコサペンタエン酸またはその誘導体を含む製薬組成物であって、含有する場合には10重量%以下のドコサヘキサエン酸を含有する製薬組成物。
(項目2) 前記ドコサヘキサエン酸を実質的に含有しない、上記項目に記載の組成物。(項目3) 前記エイコサペンタエン酸またはその誘導体が約100mg〜約5000mgの量で存在する、上記項目のいずれかに記載の組成物。
(項目4) 前記エイコサペンタエン酸またはその誘導体が約100mg〜約1000mgの量で存在する、上記項目のいずれかに記載の組成物。
(項目5) 前記エイコサペンタエン酸またはその誘導体がエイコサペンタエン酸エチルエステルを含む、上記項目のいずれかに記載の組成物。
(項目6) 前記ニコチン酸が前記エイコサペンタエン酸またはその誘導体中に懸濁して、懸濁剤を形成する、上記項目のいずれかに記載の組成物。
(項目7) 前記懸濁剤がカプセル内に存在する、上記項目のいずれかに記載の組成物。(項目8) スタチンをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の組成物。
(項目9) 約800mg以下の量のニコチン酸、およびエイコサペンタエン酸エチルエステルを含む製薬組成物であって、実質的な量のドコサヘキサエン酸またはその誘導体を含有しない、製薬組成物。
(項目10) 約500mg以下の量のニコチン酸、および約100mg〜約1000mgのエイコサペンタエン酸エチルエステルを含む製薬組成物であって、該組成物がドコサヘキサエン酸を含有せず、該ニコチン酸が該エイコサペンタエン酸エチルエステル中に懸濁し、該組成物がカプセル内に存在する、製薬組成物。
(項目11) 前記ニコチン酸が約50mg〜約400mgの量で存在し、前記エイコサペンタエン酸エチルエステルが約300〜約800mgの量で存在する、上記項目のいずれかに記載の組成物。
(項目12) 上記項目のいずれか一項に記載の製薬組成物を前記被験体に投与するステップを包含する、心血管関連疾患または障害を処置または予防する必要がある該被験体の該心血管関連疾患または障害を処置または予防する方法。
(項目13) 約800mg以下の量のニコチン酸を含む第1の製薬組成物、およびエイコサペンタエン酸またはその誘導体を含み、ドコサヘキサエン酸またはその誘導体を実質的に含有しない第2の製薬組成物を、被験体に共投与するステップを包含する、心血管関連疾患または障害を処置する必要がある該被験体の該心血管関連疾患または障害を処置する方法。
(項目14) 前記共投与ステップが前記第1の製薬組成物および前記第2の製薬組成物を約24時間の期間内に前記被験体に投与することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15) 前記共投与ステップが前記第1の製薬組成物および前記第2の製薬組成物を約12時間の期間内に前記被験体に投与することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16) 前記共投与ステップが前記第1の製薬組成物および前記第2の製薬組成物を実質的に同時に前記被験体に投与することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。(項目17) 前記被験体が前記共投与ステップの前後約3時間以内に非ステロイド性抗炎症剤を摂取しない、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18) 前記エイコサペンタエン酸またはその誘導体が前記第2の製薬組成物に約100mg〜約2000mgの量で存在する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19) 前記エイコサペンタエン酸またはその誘導体がエイコサペンタエン酸エチルエステルを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20) 血清低密度リポタンパク質Cおよび血清トリグリセリドのレベルを低下させて、血清高密度リポタンパク質Cのレベルを上昇させる必要がある被験体において血清低密度リポタンパク質Cおよび血清トリグリセリドのレベルを低下させて、血清高密度リポタンパク質Cのレベルを上昇させる方法であって、該方法が(a)1000mg以下の量のニコチン酸および(b)少なくとも約95重量%のエイコサペンタエン酸エチルエステルを含む油を含み、ドコサヘキサエン酸またはその誘導体を含有しない製薬組成物を、該被験体に投与するステップを包含する、方法。
(項目21) 前記エイコサペンタエン酸エチルエステルが前記組成物に約100mg〜約2000mgの量で存在する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目22) 前記組成物が1日当たり約1〜約4投薬単位で前記被験体に投与される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目23) 少なくとも約95重量%のエイコサペンタエン酸エチルエステルを含む油の約100mg〜約1000mg中に分散した、約1mg〜約200mgの量のニコチン酸を含む製薬組成物であって、ドコサヘキサエン酸またはその誘導体を含有せず、カプセルシェル内に封入されている、製薬組成物。
(項目24) 心停止のリスクを低下させる必要がある被験体の心停止のリスクを低下させる方法であって、該方法が、(a)1000mg以下の量のニコチン酸および(b)少なくとも約95重量%のエイコサペンタエン酸エチルエステルを含む油を含み、ドコサヘキサエン酸またはその誘導体を含有しない製薬組成物を該被験体に投与するステップを包含する、方法。
(項目25) 1200mg以下の量のニコチン酸を含む第1の製薬組成物およびエイコサペンタエン酸またはその誘導体を含み、含有する場合には10重量%以下のドコサヘキサエン酸を含有する第2の製薬組成物を含む、キット。
(項目26) (a)ナイアシン療法をまだ開始していない被験体を提供するステップと、(b)少なくとも約95重量%のEPAまたはその誘導体を含む製薬組成物によって該被験体を前処置するステップと、(c)次にナイアシンを該被験体に投与するステップとを包含する、該被験体のナイアシン誘発紅潮の発生もしくは重篤度を予防または低減する方法。
(項目27) 約1日〜約30日の期間にわたって1日当たり約1mg〜約5000mgのEPAまたはその誘導体を提供するのに十分な量の前記製薬組成物によって前記被験体が前処置される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目28) 約1日〜約10日の期間にわたって1日当たり約1mg〜約2000mgのEPAまたはその誘導体を提供するのに十分な量の前記製薬組成物によって前記被験体が前処置される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目29) (a)紅潮を経験するナイアシン療法中の被験体を提供するステップと、(b)少なくとも約95重量%のEPAまたはその誘導体を該紅潮の重篤度を予防または低減するのに十分な量で含む製薬組成物によって該被験体を処置するステップとを包含する、該被験体のナイアシン誘発紅潮の重篤度を処置または低減する方法。
【0004】
別の実施形態において、本発明は、原発性高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型脂質異常症、冠動脈心疾患、血管疾患、脳卒中、アテローム性動脈硬化、不整脈、高血圧症、心筋梗塞、および他の心血管事象から選択される心血管関連疾患もしくは障害を処置および/または予防する方法であって、上記疾患もしくは傷害を処置および/または予防する必要がある被験体に本明細書で開示するような1つまたは複数の組成物を含む1つ〜複数の投薬単位を投与するステップを包含する方法を提供する。
【0005】
なお別の実施形態において、本発明は、心血管関連疾患または障害を処置または予防する必要がある被験体の心血管関連疾患または障害を処置または予防する方法を提供し、この方法は、被験体に(a)約1200mg以下の、約1000mg以下の、約750mg以下の、または約500mg以下の量のニコチン酸および(b)エイコサペンタエン酸またはその誘導体を含む製薬組成物を投与するステップを包含し、この組成物は、含有する場合には、10重量%以下のドコサヘキサエン酸またはその誘導体を含む。
【0006】
別の実施形態において、本発明は、心血管関連疾患または障害を処置または予防する必要がある被験体の心血管関連疾患または障害を処置または予防する方法を提供し、この方法は、約1200mg以下の、約1000mg以下の、約750mg以下の、または約500mg以下の量のニコチン酸を含む第1の製薬組成物およびエイコサペンタエン酸またはその誘導体を含む第2の製薬組成物を被験体に共投与するステップを包含し、前記第2の製薬組成物が、含有する場合には、10重量%以下のドコサヘキサエン酸もしくはその誘導体を含有するか、あるいは、ドコサヘキサエン酸もしくはその誘導体を実質的に含有しないか、またはドコサヘキサエン酸もしくはその誘導体を含有しない。
【0007】
別の実施形態において、本発明は、以下のことを必要とする被験体において(a)血清低密度リポタンパク質コレステロール(「LDL−C」)を減少させること、(b)血清トリグリセリドレベルを低下させること、(c)血清高密度リポタンパク質コレステロール(「HDL−C」)レベルを上昇させること、(d)アポリポタンパク質B(「Apo
B」)レベルを基準値と比較して低下させること、および/または(e)血清非高密度リポタンパク質コレステロール(「非HDL−C」;すなわち総コレステロールとHDL−Cとの間の差)レベルを低下させることのうちの1つ以上を包含する方法を提供し、この方法は、(a)約1500mg以下の、約1200mg以下の、約1000mg以下の、約750mg以下の、または約500mg以下の量のニコチン酸および(b)エイコサペンタエン酸またはその誘導体を含む1つまたは複数の製薬組成物を被験体に投与するステップを包含し、この組成物は、含有する場合には、10重量%以下のドコサヘキサエン酸もしくはその誘導体を含有するか、あるいは、ドコサヘキサエン酸もしくはその誘導体を実質的に含有しないか、またはドコサヘキサエン酸もしくはその誘導体を含有しない。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、心停止のリスクを遅延または低下させる必要がある被験体の心停止のリスクを遅延または低下させる方法を提供し、この方法は、(a)約1500mg以下の、約1200mg以下の、約1000mg以下の、約750mg以下の、または約500mg以下の量のニコチン酸および(b)エイコサペンタエン酸またはその誘導体を含む製薬組成物を被験体に投与するステップを包含し、この組成物は、含有する場合には、10重量%以下のドコサヘキサエン酸もしくはその誘導体を含有するか、あるいは、ドコサヘキサエン酸もしくはその誘導体を実質的に含有しないか、またはドコサヘキサエン酸もしくはその誘導体を含有しない。
【0009】
なお別の実施形態において、本発明は、約1500mg以下の、約1200mg以下の、約1000mg以下の、約750mg以下の、または約500mg以下の量のニコチン酸を含む第1の製薬組成物、およびエイコサペンタエン酸またはその誘導体を含む第2の製薬組成物を含むキットを提供し、ここで、この第2の製薬組成物は、含有する場合には、10重量%以下のドコサヘキサエン酸を含有する。
【0010】
別の実施形態において、本発明は、ナイアシン療法を開始することになっている被験体を提供するステップと、被験体をEPAによって前処置するステップと、前記前処置後にナイアシンを被験体に投与するステップとを包含する、被験体のナイアシン誘発紅潮を低減する方法を提供する。
【0011】
本発明のこれらおよび他の実施形態は、本明細書で以下にさらに詳細に開示される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は各種の形で具体化することができるが、いくつかの実施形態の以下での説明は、本開示が本発明の例示として解釈されるものであり、本発明を例示された特定の実施形態に限定するものではないことを理解して行われる。見出しは、便宜のためのみに与えられており、決して本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。いずれの見出しの下で例示された実施形態も、その他の見出しの下で例示された実施形態と組合され得る。
【0014】
本出願で規定した各種の定量的値での数値の使用は、別途明示的に指摘しない限り、示した範囲内の最小値および最大値の両方に「約」という語が先行するかのように、概数として示される。この方式で、示した値からのわずかに変化した値を使用して、示した値と実質的に同じ結果を達成することができる。本明細書で使用する場合、「約」および「おおよそ」という用語は、数値を指すときに、争点となっている当該分野の当業者にとってその明白で通常の意味を有するものとする。また範囲の開示は、挙げられた最小値と最大値との間の各値を含む連続範囲ならびにこのような値によって形成し得る任意の範囲であるものとする。また、挙げられた数値を割ってその他の挙げられた数値にすることによって形成し得る、ありとあらゆる比(およびこのような任意の比の範囲)が本明細書で開示される。したがって当業者は、多くのこのような比、範囲、および比の範囲が本明細書で示された数値から明確に誘導できることと、すべての例においてこのような比、範囲、および比の範囲が本発明の各種の実施形態を表すことを認識するであろう。
【0015】
特定の理論に拘束されることなく、エイコサペンタエン酸がシクロオキシゲナーゼ経路におけるアラキドン酸代謝の競合的阻害薬であることと、EPAによるPGD
2レベルの低下によってナイアシン紅潮が軽減されることが考えられる。ナイアシン誘発紅潮を軽減することに加えて、理論に拘束されずに、EPAは、低用量のナイアシンで見られるようなHDL−Cの増加とは無関係である、有益な心血管系への効果(例えば、血小板凝集の低減、血管拡張、およびプラーク安定化)を提供できることも考えられる。したがって、本発明の一実施形態において、低用量ナイアシンとEPAとの併用(またはEPAによる前処置と続いての低用量ナイアシン)が提供される。別の実施形態において、このような療法は、有効な心血管に対する利益を提供し、副作用は従来のナイアシン投薬と比較して低減される。
【0016】
エイコサペンタエン酸
一実施形態において、本発明の組成物は、本明細書では集合的に「EPA」と呼ばれる、エイコサペンタエン酸またはその製薬的に許容されるエステル、誘導体、コンジュゲートもしくは塩、または上記のいずれかの混合物を含む。本文脈で「製薬的に許容される」という用語は、問題の物質が被験体に対して許容されない毒性も生じず、組成物の他の構成要素との相互作用も生じないことを意味する。
【0017】
一実施形態において、EPAは、エイコサペンタエン酸エステルを含む。別の実施形態において、EPAは、エイコサペンタエン酸のC
1−C
5アルキルエステルを含む。別の実施形態において、EPAは、エイコサペンタエン酸エチルエステル、エイコサペンタエン酸メチルエステル、エイコサペンタエン酸プロピルエステル、またはエイコサペンタエン酸ブチルエステルを含む。
【0018】
別の実施形態において、EPAは、エチル−EPA、リチウムEPA、モノグリセリドEPA、ジグリセリドEPAもしくはトリグリセリドEPA、またはEPAのその他の任意のエステルもしくは塩の形、あるいは、EPAの遊離酸形である。EPAは、その酸化速度を低下させるが、そうでなければその生物学的作用を任意の充分な程度まで変化させない、2置換誘導体または他の誘導体の形でもあり得る。
【0019】
別の実施形態において、EPAは、EPA−脂肪酸コンジュゲートを含む。一実施形態において、EPA−脂肪酸コンジュゲートは、構造(I)〜(II)に示すようなEPA、第2の脂肪酸またはEPA、およびリンカーの間で形成されたジエステルであり、式中、R
1およびR
2は、EPAまたは別の脂肪酸に由来するアシル脂肪酸基である。R
1およびR
2がどちらもEPAに由来し得る(EPA−EPA)か、またはEPAおよび別の脂肪酸に由来し得る(EPA−脂肪酸)。R
3は一般に、水素、完全炭化水素であるか、またはヘテロ原子を含有するかのどちらかであり、好ましくはC
1−C
4アルキル基である。
【0020】
【化1】
リンカーは、例えば、アルキルジオール(例えば、1,3−プロパンジオール)、アルケニルジオール、アルキニルジオール、アリールジオール(例えば、1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン))など、またはジェミナルジオール(例えば、C
1−C
4アルキルジェミナルジオール、アルキルジェミナルジオール)などを含む、任意の好適なジオールであり得る。第2の脂肪酸は、例えば、EPA、LA、AA、ALA、STA、ETA、またはDPAを含む、任意の好適な脂肪酸であり得る。ジエステルコンジュゲートの合成は、例えば、金属、金属クロリド、または有機酸を触媒として使用すること;脂肪酸クロリド、例えば、EPA−クロリド、γ−リノレン酸クロリド(GLA−クロリド)、ジホモ−γ−リノレン酸クロリド(DGLA−クロリド)、リノール酸クロリド(LA−クロリド)、アラキドン酸クロリド(AA−クロリド)、コンジュゲートリノール酸クロリド(cLA−クロリド)、ALA−クロリド、STA−クロリド、ETA−クロリド、DPA−クロリドなどを使用すること;および触媒としての固定化酵素の使用を含む、当分野で周知の方法に従って達成される。
【0021】
別の実施形態において、本発明の組成物は、EPA−脂肪酸ジエステルの混合物を含む。関連実施形態において、本発明の組成物は、存在するすべての脂肪酸の重量で、20%未満のEPA−DHAコンジュゲート、15%未満のEPA−DHAコンジュゲート、10%未満のEPA−DHAコンジュゲート、9%未満のEPA−DHAコンジュゲート、8%未満のEPA−DHAコンジュゲート、7%未満のEPA−DHAコンジュゲート、6%未満のEPA−DHAコンジュゲート、5%未満のEPA−DHAコンジュゲート、4%未満のEPA−DHAコンジュゲート、3%未満のEPA−DHAコンジュゲート、2%未満のEPA−DHAコンジュゲート、1%未満のEPA−DHAコンジュゲート、0.5%未満のEPA−DHAコンジュゲート、または0.1%未満のEPA−DHAコンジュゲートを含む。
【0022】
別の実施形態において、本発明の組成物は、存在するすべての脂肪酸の重量で、少なくとも96%のEPA−EPAコンジュゲート、少なくとも97%のEPA−EPAコンジュゲート、少なくとも98%のEPA−EPAコンジュゲート、または少なくとも99%のEPA−EPAコンジュゲートを含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、存在するすべての脂肪酸の重量で、10%以下の、9%以下の、8%以下の、7%以下の、6%以下の、5%以下の、4%以下の、3%以下の、2%以下の、1%以下の、0.6%以下の、0.5%以下の、0.4%以下の、0.3%以下の、0.2%以下の、または0.1%以下の、EPA−EPAジエステル以外の任意のEPA−脂肪酸コンジュゲートを含有する。
【0023】
別の実施形態において,EPAは、本発明の組成物中に約50mg〜約5000mgの、約75mg〜約2500mgの、または約100mg〜約1000mgの、例えば、約75mgの、約100mgの、約125mgの、約150mgの、約175mgの、約200mgの、約225mgの、約250mgの、約275mgの、約300mgの、約325mgの、約350mgの、約375mgの、約400mgの、約425mgの、約450mgの、約475mgの、約500mgの、約525mgの、約550mgの、約575mgの、約600mgの、約625mgの、約650mgの、約675mgの、約700mgの、約725mgの、約750mgの、約775mgの、約800mgの、約825mgの、約850mgの、約875mgの、約900mgの、約925mgの、約950mgの、約975mgの、約1000mgの、約1025mgの、約1050mgの、約1075mgの、約1100mgの、約1025mgの、約1050mgの、約1075mgの、約1200mgの、約1225mgの、約1250mgの、約1275mgの、約1300mgの、約1325mgの、約1350mgの、約1375mgの、約1400mgの、約1425mgの、約1450mgの、約1475mgの、約1500mgの、約1525mgの、約1550mgの、約1575mgの、約1600mgの、約1625mgの、約1650mgの、約1675mgの、約1700mgの、約1725mgの、約1750mgの、約1775mgの、約1800mgの、約1825mgの、約1850mgの、約1875mgの、約1900mgの、約1925mgの、約1950mgの、約1975mgの、約2000mgの、約2025mgの、約2050mgの、約2075mgの、約2100mgの、約2125mgの、約2150mgの、約2175mgの、約2200mgの、約2225mgの、約2250mgの、約2275mgの、約2300mgの、約2325mgの、約2350mgの、約2375mgの、約2400mgの、約2425mgの、約2450mgの、約2475mgまたは約2500mgの量で存在する。
【0024】
一実施形態において、本発明の組成物は、全組成物または存在するすべての脂肪酸の重量で、約10%以下の、約9%以下の、約8%以下の、約7%以下の、約6%以下の、約5%以下の、約4%以下の、約3%以下の、約2%以下の、約1%以下の、または約0.5%以下のドコサヘキサエン酸またはその誘導体を含有する。別の実施形態において、本発明の組成物は、ドコサヘキサエン酸またはその誘導体を実質的に含有しない。なお別の実施形態において、本発明の組成物は、ドコサヘキサエン酸またはその誘導体を含有しない。
【0025】
別の実施形態において、EPAは、組成物中に存在するすべての脂肪酸の重量で、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%を構成する。
【0026】
別の実施形態において、本発明の組成物は、全組成物の重量で、または全脂肪酸の含有量の重量で、10%未満の、9%未満の、8%未満の、7%未満の、6%未満の、5%未満の、4%未満の、3%未満の、2%未満の、1%未満の、0.5%未満の、0.25%未満のEPA以外の任意の脂肪酸を含有する。「EPA以外の脂肪酸」の例示的な例は、リノレン酸(LA)、アラキドン酸(AA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、アルファ−リノレン酸(ALA)、ステアリドン酸(stearadonic acid)(STA)、エイコサトリエン酸(ETA)および/またはドコサペンタエン酸(DPA)を含む。
【0027】
別の実施形態において、本発明の組成物は、以下の特徴のうちの1つ以上を有する:(a)エイコサペンタエン酸エチルエステルが、組成物中に存在するすべての脂肪酸の重量で、少なくとも96%、少なくとも97%、または少なくとも98%に相当する;組成物が、重量で4%以下の、3%以下の、または2%以下の、エイコサペンタエン酸エチルエステル以外の全脂肪酸を含有する;(c)組成物が、0.6%以下、0.5%以下、または0.4%以下の、エイコサペンタエン酸エチルエステル以外の任意の個別の脂肪酸を含有し;組成物は、約1〜約2、約1.2〜約1.8または約1.4〜約1.5の屈折率(20℃)を有する;組成物が、約0.8〜約1.0、約0.85〜約0.95もしくは約0.9〜約0.92の比重(20℃)を有し、20ppm以下、15ppm以下または10ppm以下の重金属を含有し、5ppm以下、4ppm以下、3ppm以下、もしくは2ppm以下のヒ素を含有する、および/または5ミリグラム当量/kg以下、4ミリグラム当量/kg以下、3ミリグラム当量/kg以下、もしくは2ミリグラム当量/kg以下の過酸化物価を有する。
ニコチン酸
一実施形態において、本発明の組成物はニコチン酸(本明細書では「ナイアシン」、「3−ピリジンカルボキサミド」および/または「ビタミンB3」とも呼ばれる)を含む。別の実施形態において、ニコチン酸は結晶形である。一実施形態において、EPAおよびニコチン酸は、共有結合されていない。
【0028】
一実施形態において、ニコチン酸は、本発明の組成物中に約5mg〜約1200mgの、約10mg〜約800mgの、約15mg〜約750mgの、約20mg〜約500mgの、約25mg〜約400mgの、または約50mg〜約200mgの量で、例えば、約25mgの、約50mgの、75mgの、約100mgの、約125mgの、約150mgの、約175mgの、約200mgの、約225mgの、約250mgの、約275mgの、約300mgの、約325mgの、約350mgの、約375mgの、約400mgの、約425mgの、約450mgの、約475mgの、約500mgの、約525mgの、約550mgの、約575mgの、約600mgの、約625mgの、約650mgの、約675mgの、約700mgの、約725mgの、約750mgの、約775mgの、約800mgの、約825mgの、約850mgの、約875mgの、約900mgの、約925mgの、約950mgの、約975mgの、約1000mgの、約1025mgの、約1050mgの、約1075mgの、約1100mgの、約1125mgの、約1150mgの、約1175mgの、または約1200mgの量で存在する。
【0029】
各種の実施形態において、ニコチン酸は、即時放出形、長時間放出形または持続放出形であることができる。本文脈における「即時放出」という用語は、ヒト被験体による摂取時にニコチン酸製剤からニコチン酸が約400〜約600mg/時、例えば、約500mg/時の速度で吸収される、ニコチン酸製剤を指す。通例、即時放出ニコチン酸は、いずれの放出調節バリアまたは層によってコーティングされていない。即時放出ニコチン酸は、結晶形であることができる。ナイアコール(Niacor)(登録商標)(Upsher−Smith Laboratories)は、例示的な即時放出ニコチン酸製剤である。「長時間放出ニコチン酸」という用語は本明細書で、ヒト被験体による摂取時にニコチン酸製剤からニコチン酸が約80〜約200mg/時、例えば、約100mg/時の速度で吸収されるニコチン酸製剤を指す。ナイアスパン(登録商標)(Kos Pharmaceuticals)は、例示的な長時間放出ニコチン酸製剤である。本文脈における「持続放出」という用語は、ヒト被験体による摂取時にニコチン酸製剤からニコチン酸が約25mg/時〜約75mg/時、例えば、約50mg/時の速度で吸収される、ニコチン酸製剤を指す。
【0030】
一実施形態において、ニコチン酸およびEPAは、約1:1000〜約1000:1の、約1:500〜約500:1の、約1:100〜約100:1の、約1:50〜約50:1の、約1:25〜約25:1の、約1:10〜約10:1の、約1:5〜約5:1の、約1:4〜約4:1の、約1:3〜約3:1の、約1:2〜約2:1の、もしくは約1:1の重量比で本発明の組成物中に存在するか、または共投与される。
【0031】
別の実施形態において、追加の心血管剤がEPAおよび/もしくはニコチン酸と同時配合されるか、またはEPAおよび/もしくはニコチン酸と共投与される。追加の心血管剤は例示的に、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼ阻害薬(「スタチン」とも呼ばれる)、フィブラートまたは胆汁酸塩捕捉剤もしくは結合樹脂を含むことができる。
【0032】
一実施形態において、本発明の組成物はEPAおよびスタチンを含む。本発明の各種の実施形態に従って使用できる好適なスタチンの非制限的な例は、プラバスタチン(prevastatin)、ロバスタチン、シンバスタチン、アトロバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチンおよびロスバスタチンおよびこれらの塩を含む。関連実施形態において、組成物は、含有する場合には、10%以下のDHAまたはその誘導体を含有する。別の関連実施形態において、組成物はDHAまたはその誘導体、例えば、エチル−DHAを含有しない。
【0033】
スタチンは、本発明の1つまたは複数の組成物中に存在する場合、約1〜約300mgの、約5mg〜約200mgの、約10mg〜約180mgの、約20mg〜約150mgの、約30mg〜約100mgの、または約40mg〜約60mgの量で存在できる。
【0034】
プラバスタチン(プラバコール(登録商標);Bristol−Myers Squibb製、プリンストン、ニュージャージー州)は親水性であり、食品なしで最も良く吸収される。プラバスタチン(Prevastatin)は、約1mg〜約80mgの、約5mg〜60mgの、または約10mg〜約40mgの量で本発明の組成物中に存在する(またはそれと共投与する)ことができる。
【0035】
ロバスタチン(メバコール(登録商標);Merck製、ホワイトハウスステーション、ニュージャージー州)は、約1mg〜約100mgの、約5mg〜約80mgの、または約10mg〜約40mgの量で本発明の組成物中に存在する(または本発明の組成物と共投与する)ことができる。
【0036】
シンバスタチン(ゾコール(登録商標)Merck製、ホワイトハウスステーション、ニュージャージー州)は、約1mg〜約80mg/日、約2mg〜約60mg、または約5mg〜約40mgの量で本発明の組成物中に存在する(または本発明の組成物と共投与する)ことができる。
【0037】
アトロバスタチン(リピトール(登録商標)Pfizer製、ニューヨーク、ニューヨーク州)は、約1mg〜約100mg、約5mg〜約80mg、または約10mg〜約40mgの量で本発明の組成物中に存在する(または本発明の組成物と共投与する)ことができる。
【0038】
フルバスタチン、(レスコール(登録商標)Novartis製、ニューヨーク、ニューヨーク州)は、約5mg〜約160mg、約10mg〜約120mg、または約20mg〜約80mgの量で本発明の組成物中に存在する(または本発明の組成物と共投与する)ことができる。
【0039】
ロスバスタチン(クレストール(登録商標)Astra Zeneca製、ウィルミントン、デラウェア州)濃縮オメガ−3脂肪酸との併用投与でのロスバスタチンの投薬量は、濃縮オメガ−3脂肪酸の投薬量当り1〜80mg、好ましくは2〜60mg、およびさらに好ましくは5〜40mgである。
【0040】
別の実施形態において、EPAと、ニコチン酸(ならびに場合によりスタチンおよび/またはフィブラート)と、1つ以上の製薬的に許容される賦形剤とから成る、あるいはから本質的に成る製薬組成物が提供される。別の実施形態において、EPAと、ニコチン酸
ナイアシンとから成る、あるいはから本質的に成る、活性成分を含有する製薬組成物が提供される。別の実施形態において、EPAと、ニコチン酸と、スタチンとから成る活性成分を含有する製薬組成物、あるいは、EPAと、ニコチン酸と、スタチンとから本質的に成る活性成分を含有する製薬組成物が提供される。
剤形
一実施形態において、本発明の組成物は、経口的に送達可能である。「経口的に送達可能な」または「経口投与」という用語は本明細書において、薬剤または組成物が嚥下されるか否かにかかわらず、薬剤または組成物が被験体の口内に配置される、被験体への治療剤またはその組成物の任意の送達形を含む。それゆえ「経口投与」は、頬側および舌下ならびに食道投与を含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、固体剤形の形である。好適な固体剤形の非制限的な例は、錠剤(例えば、懸濁錠、噛み(bite)懸濁錠、高速分散錠剤、チュアブル錠、溶融錠、発泡錠、2層錠剤など)、カプレット剤、カプセル剤(例えば、固体および/もしくは液体を充填した軟ゼラチンカプセル剤または硬ゼラチンカプセル剤)、粉剤(例えば、包装粉剤、分配可能な粉剤または発泡粉剤)、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、トローチ剤、ペレット剤、顆粒剤、微粒剤、カプセル化微粒剤、粉末エアゾール製剤、または経口投与に合理的に適合したその他の固体剤形を含む。
【0042】
EPA、ニコチン酸、スタチンおよび/またはその他の所望の活性成分は、同じ投薬単位で同時配合することができるか、または別々の投薬単位に個別に配合されることができる。「用量単位」および「投薬単位」という用語は本明細書において、治療効果を提供するための単回投与に好適な治療剤の量を含有する製薬組成物の分量を指す。このような投薬単位は、1日当たり1回から複数回(すなわち1〜約10回、1〜8回、1〜6回、1〜4回、もしくは1〜2回)、または治療応答を誘発するのに必要な回数だけ投与され得る。
【0043】
一実施形態において、本発明の組成物は、EPAに分散または懸濁されたニコチン酸および/またはスタチンを含み、ここで、分散剤または懸濁剤は、カプセル剤(例えば、ゼラチンまたはHPMCカプセル剤)、サシェ剤、または本明細書に記載するような他の剤形もしくは担体中に存在する。別の実施形態において、分散剤または懸濁剤は実質的に均質である。なお別の実施形態において、2つ以上の投薬単位の共投与が所望である場合、EPAは第1の投薬単位(例えば、カプセル剤中の懸濁剤)中に存在し、ニコチン酸は、第2の投薬単位(例えば、錠剤)中に存在する。場合により、任意の所望のスタチンは、第3の組成物中に存在することができる。
【0044】
別の実施形態において、本発明の1つまたは複数の組成物は、直接吸収される液体剤形もしくは用量単位形の形であることができるか、またはそれらは摂取前に食品もしくは飲料と混合することができる。好適な液体剤形の非制限的な例としては、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、シロップ剤、液体エアゾール製剤などが挙げられる。
貯蔵安定性
一実施形態において、本発明の組成物は、室温、冷蔵(例えば、約5℃から約5℃〜10℃)温度、または冷凍で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12か月の期間にわたって維持した閉鎖容器での貯蔵時に、組成物中に最初に存在した1つまたは複数の活性成分の少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97.5%、または少なくとも約99%を示す。
賦形剤
本発明の組成物は場合により、1つ以上の製薬的に許容される賦形剤を含む。「製薬的に許容される賦形剤」という用語は本明細書では、それ自体は治療剤でなく、対象への治療剤の送達のための担体もしくはビヒクルとして使用されるか、あるいはその取り扱いもしくは貯蔵特性を改善するために、または、組成物の単位用量の形成を許容もしくは促進するために、製薬組成物に添加され、そして、許容されない毒性も組成物中の他の構成成分との相互作用も生じない、任意の物質を意味する。
【0045】
本発明の組成物は場合により、1つ以上の製薬的に許容される希釈剤を賦形剤として含む。好適な希釈剤は例示的に、個別にまたは組合せてのどちらかで、ラクトース(無水ラクトースおよびラクトース1水和物が挙げられる);デンプン(直接圧縮型デンプンおよび加水分解デンプン(例えば、セルタブ(Celutab)(商標)およびエムデックス(Emdex)(商標))が挙げられる);マンニトール;ソルビトール;キシリトール;デキストロース(例えば、セレロース(商標)2000)およびデキストロース1水和物;リン酸水素カルシウム2水和物;スクロースベース希釈剤;粉糖;第一硫酸カルシウム(monobasic calcium sulfate)1水和物;硫酸カルシウム2水和物;粒状乳酸カルシウム3水和物;デキストレート;イノシトール;加水分解穀類固形物;アミロース;セルロース(微結晶性セルロース、食用グレードのα−セルロースおよびアモルファスセルロースの源(例えば、レクスセル(Rexcel)(商標))および粉末セルロースが挙げられる);炭酸カルシウム;グリシン;ベントナイト;ポリビニルピロリドン;などを含む。このような希釈剤は存在する場合、全体で、組成物の総重量の約5%〜約99%、約10%〜約85%、または約20%〜約80%を構成する。
【0046】
本発明の組成物は場合により、1つ以上の製薬的に許容される崩壊剤を賦形剤として含む。好適な崩壊剤は、個別にまたは組合せてのどちらかで、デンプン(グリコール酸デンプンナトリウム(例えば、PenWestのエキスプロタブ(商標))およびアルファ化コーンスターチ(例えば、ナショナル(商標)1551、ナショナル(商標)1550、およびコロコーン(商標)1500)が挙げられる)、粘土(例えば、ビーガム(商標)HV)、セルロース(例えば、精製セルロース、微結晶性セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム(例えば、FMCのアクジゾル(商標)))、アルギネート、クロスポビドン、およびゴム(例えば、アガー、グアー、キサンタン、ローカストビーン、カラヤ、ペクチンおよびトラガカントゴム)を含む。このような崩壊剤は、存在する場合、通例、全体で、組成物の総重量の約0.2%〜約30%、約0.2%〜約10%、または約0.2%〜約5%を構成する。
【0047】
本発明の組成物は場合により、1つ以上の抗酸化剤を含む。例示的な抗酸化剤は、アスコルビン酸ナトリウムおよびビタミンE(トコフェロール)を含む。1つ以上の抗酸化剤は存在する場合、通例、本発明の組成物中に重量で約0.001%〜約5%の、約0.005%〜約2.5%の、または約0.01%〜約1%の量で存在する。
【0048】
本発明の組成物は場合により、1つ以上の製薬的に許容される結合剤または接着剤を賦形剤として含む。このような結合剤および接着剤は、サイジング、潤滑、圧縮および包装などの通常の処理操作を可能にするが、それでも摂取時に錠剤を崩壊させて、組成物が吸収されるようにするのに十分な凝集力を錠剤化される粉末に与えることができる。好適な結合剤および接着剤は、個別にまたは組合せてのどちらかで、アラビアゴム;トラガカント;スクロース;ゼラチン;グルコース;デンプン(例えば、これに限定されるわけではないが、アルファ化デンプン(例えば、ナショナル(商標)1511およびナショナル(商標)1500));セルロース(例えば、これに限定されるわけではないが、メチルセルロースおよびカルメロースナトリウム(例えば、タイロース(商標)));アルギン酸およびアルギン酸の塩;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;PEG;グアーゴム;多糖酸;ベントナイト;ポビドン(例えば、ポビドンK−15、K−30およびK−29/32);ポリメタクリレート;HPMC;ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、クルセル(商標));およびエチルセルロース(例えば、エトセル(商標))を含む。このような結合剤および/または接着剤は存在する場合、全体で、組成物の総重量の約0.5%〜約25%、約0.75%〜約15%、または約1%〜約10%を構成する。
【0049】
本発明の組成物は場合により、1つ以上の製薬的に許容される湿潤剤を賦形剤として含む。本発明の組成物において湿潤剤として使用できる界面活性剤の非制限的な例は、4級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムおよび塩化セチルピリジニウム)、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ノノキシノール9、ノノキシノール10、およびオクトキシノール9)、ポロキサマー(ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンブロックコポリマー)、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび油(例えば、ポリオキシエチレン(8)カプリル酸/カプリン酸モノグリセリドおよびポリオキシエチレン(8)カプリル酸/カプリン酸ジグリセリド(例えば、Gattefosseのラブラゾール(商標))、ポリオキシエチレン(35)ヒマシ油およびポリオキシエチレン(40)水素化ヒマシ油);ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレン(20)セトステアリルエーテル)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレン(40)ステアレート)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、ポリソルベート20およびポリソルベート80(例えば、ICIのツイーン(商標)80))、プロピレングリコール脂肪酸エステル(例えば、プロピレングリコールラウレート(例えば、Gattefosseのラウログリコール(商標)))、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸およびその塩(例えば、オレイン酸、オレイン酸ナトリウムおよびオレイン酸トリエタノールアミン)、グリセリル脂肪酸エステル(例えば、グリセリルモノステアレート)、ソルビタンエステル(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンモノパルミテートおよびソルビタンモノステアレート)、チロキサポール、およびその混合物を含む。このような湿潤剤は、存在する場合、全体で、組成物の総重量の約0.25%〜約15%、約0.4%〜約10%、または約0.5%〜約5%を構成する。
【0050】
本発明の組成物は場合により、1つ以上の製薬的に許容される滑沢剤(抗粘着剤および/または流動促進剤を含む)を賦形剤として含む。好適な滑沢剤は、個別にまたは組合せてのどちらかで、グリセリルベハペート(例えば、コンプリトール(商標)888);ステアリン酸およびその塩(マグネシウムステアレート(マグネシウムステアレート)、カルシウムステアレートおよびナトリウムステアレートが挙げられる);水素化植物油(例えば、ステロテックス(商標));コロイド状シリカ;タルク;ワックス;ホウ酸;安息香酸ナトリウム;酢酸ナトリウム;フマル酸ナトリウム;塩化ナトリウム;DL−ロイシン;PEG(例えば、カーボワックス(商標)4000およびカーボワックス(TM)6000);オレイン酸ナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム;およびラウリル硫酸マグネシウムを含む。このような滑沢剤は存在する場合、全体で、組成物の総重量の約0.1%〜約10%、約0.2%〜約8%、または約0.25%〜約5%を構成する。
【0051】
好適な抗粘着剤は、タルク、コーンスターチ、DL−ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウムおよび金属ステアレートを含む。タルクは、例えば、機器表面への製剤の粘着を低減するために、またブレンド中の静電気を低減するためにも使用される抗粘着剤または流動促進剤である。タルクは存在する場合、組成物の総重量の約0.1%〜約10%、約0.25%〜約5%、または約0.5%〜約2%を構成する。流動促進剤は、固体製剤の粉末流を促進するために使用することができる。好適な流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、デンプン、タルク、第三リン酸カルシウム、粉末セルロースおよびマグネシウムトリシリケートを含む。
【0052】
本発明の組成物は場合により、1つ以上の着香剤、甘味剤、および/または着色料を含む。本発明で有用な着香剤は、制限なく、アカシアシロップ、アリターム、アニス、リンゴ、アスパルテーム、バナナ、ババロア、ベリー、ブラックカラント、バター、バターピーカン、バタースコッチ、クエン酸カルシウム、樟脳、カラメル、チェリー、チェリークリーム、チョコレート、シナモン、シトラス、シトラスパンチ、シトラスクリーム、ココア、コーヒー、コーラ、クールチェリー、クールシトラス、シクラメート、シラメート(cylamate)、デキストロース、ユーカリ、オイゲノール、フルクトース、フルーツパンチ、ジンジャー、グリチルレチン酸塩、カンゾウ(リコリス)シロップ、ブドウ、グレープフルーツ、ハチミツ、イソマルト、レモン、ライム、レモンクリーム、マグナスイート(登録商標)、マルトール、マンニトール、メープル、メントール、ミント、ミントクリーム、ミックスベリー、ナッツ、オレンジ、ピーナッツバター、セイヨウナシ、ペパーミント、ペパーミントクリーム、プロスイート(Prosweet)(登録商標)粉末、ラズベリー、ルートビヤ、ラム、サッカリン、サフロール、ソルビトール、スペアミント、スペアミントクリーム、ストロベリー、ストロベリークリーム、ステビア、スクラロース、スクロース、スイスクリーム、タガトース、タンジェリン、タウマチン、トゥッティフルッティ(tutti fruitti)、バニラ、クルミ、スイカ、ワイルドチェリー、ウィンターグリーン、キシリトール、およびその組合せ、例えば、アニス−メントール、チェリー−アニス、シナモン−オレンジ、チェリー−シナモン、チョコレート−ミント、ハチミツ−レモン、レモン−ライム、レモン−ミント、メントール−ユーカリ、オレンジ−クリーム、バニラ−ミントなどを含む。
【0053】
本発明で使用できる甘味剤は例えば、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、アリターム、アスパルテーム、シクラメート、シラメート(cylamate)、デキストロース、イソマルト、マグナスイート(登録商標)、マルチトール、マンニトール、ネオヘスペリジンDC、ネオテーム、プロスイート(Prosweet)(登録商標)粉末、サッカリン、ソルビトール、ステビア、スクラロース、スクロース、タガトース、タウマチン、キシリトールなどを含む。
【0054】
着香剤、甘味剤、および/または着色料は、本発明の組成物中に任意の好適な量で、例えば、重量で約0.01%〜約10%、約0.1%〜約8%、または約1%〜約5%存在することができる。
【0055】
本発明の組成物は場合により、懸濁化剤を含む。好適な懸濁化剤の非制限的で例示的な例は、二酸化ケイ素、ベントナイト、水和ケイ酸アルミニウム(例えば、カオリン)およびこれらの混合物を含む。1つ以上の懸濁化剤は、本発明の組成物中に、重量で約0.01%〜約3.0%の、約0.1%〜約2.0%の、または約0.25%〜約1.0%の総量で場合により存在する。
【0056】
上述の賦形剤は、当分野で公知である、複数の役割を有することができる。例えば、デンプンは、充填剤ならびに崩壊剤として作用することができる。上の賦形剤の分類は、どんな方式でも制限的であると解釈されるべきではない。任意の方式で分類された賦形剤は、当業者によってただちに認識されるように、賦形剤の各種の異なる分類の下でも機能し得る。
治療方法
一実施形態において、本発明の組成物は、心血管関連疾患または障害の処置および/または予防に有用である。「心血管関連疾患または障害」という用語は本明細書において、心臓もしくは血管(すなわち動脈および静脈)の任意の疾患もしくは障害またはその任意の症状を指す。心血管関連疾患または障害の非制限的な例としては、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型脂質異常症、冠動脈心疾患、血管疾患、脳卒中、アテローム性動脈硬化、不整脈、高血圧症、心筋梗塞、および他の心血管事象が挙げられる。
【0057】
「処置」という用語は所与の疾患または障害に関して、これに限定されるわけではないが上記疾患もしくは障害を抑制すること、例えば、疾患または障害の発症を抑止すること;疾患もしくは障害を軽減すること、例えば、疾患もしくは障害の後退を引き起こすこと;または疾患もしくは障害によって引き起こされた、または疾患もしくは障害から生じた状態を軽減すること、例えば、疾患もしくは障害の症状を軽減、予防または処置することを含む。「予防」という用語は、所与の疾患または障害に関して:疾患が発生しなかった場合に、疾患発症の開始を予防すること、障害もしくは疾患への素因があり得るが、障害もしくは疾患を有するとまだ診断されていない被験体において、疾患もしくは障害が発生するのを予防すること、および/またはすでに存在する場合に、さらなる疾患/障害を防止することを意味する。
【0058】
一実施形態において、本発明は、本明細書で開示するような1つまたは複数の組成物を含む1つ〜複数の投薬単位を、血中脂質療法が必要な被験体に投与するステップを包含し、血中脂質療法の方法を提供する。別の実施形態において、処置されている被験体は、約150mg/dlを超えるまたは約175mg/dlを超える、例えば、約200mg/dl〜約600mg/dlの、または約200mg/dl〜約500mg/dlの、本発明の組成物による処置前のトリグリセリド基準値レベルを有する。
【0059】
関連実施形態において、例えば、約1〜約200週間の、約1〜約100週間の、約1〜約80週間の、約1〜約50週間の、約1〜約40週間の、約1〜約20週間の、約1〜約15週間の、約1〜約10週間の、約1〜約5週間の、約1〜約2週間のまたは約1週間の期間にわたる本発明の組成物による処置時に、1または複数の被験体は、(i)ニコチン酸1g超/日による処置、(ii)ニコチン酸3g超/日による処置、または(iii)ニコチン酸約1〜約3g/日とオマコール(登録商標)約4gとの併用による処置と比較して、:(a)基準値と比較してのトリグリセリドレベルの低下、(b)基準値と比較してのApo Bレベルの低下、(c)基準値と比較してのHDL−Cレベルの上昇、(d)基準値と比較してのLDL−Cレベルの上昇なし、(e)基準値と比較してのLDL−Cレベルの低下、(f)基準値と比較しての非HDL−Cレベルの低下、および/または(g)紅潮なしもしくは紅潮の低減のうちの1つ以上を示す。各オマコール(登録商標)カプセル剤は、オメガ−3脂肪酸のエチルエステル900mg−おおよそEPA 465mgおよびDHA 375mgDHA−ならびにα−トコフェロール4mgを含有する。
【0060】
関連する血清総コレステロール、HDL−C、非HDL−C、およびLDL−Cのレベルは、当分野で利用可能な周知の分析方法のいずれかに従って、例えば、血液パネル分析を行うためのSynchron 4CX(登録商標)4CEを使用して、測定することができる。一実施形態において、被験体は、血液試料採取前に最長12時間にわたって絶食する。
【0061】
別の実施形態において、本発明の組成物による処置時に、1または複数の被験体は、ニコチン酸1g以上/日もしくはニコチン酸3g以上/日、またはニコチン酸約1〜約3g/日とオマコール(登録商標)、例えば、オマコール(登録商標)約4g/日との併用による処置と比較して:(a)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%、または少なくとも約50%のトリグリセリドレベルの低下;(b)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、または少なくとも約50%の非HDL−Cレベルの低下;(c)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、もしくは少なくとも約50%のHDL−Cレベルの上昇;(d)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%、または少なくとも約50%のLDL−Cレベルの低下;(e)基準値と比較しての少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、または少なくとも約50%のApo Bレベルの低下;および/または(f)紅潮なしもしくは紅潮の低減のうちの1つ以上を示す。
【0062】
別の実施形態において、本発明は、本明細書で開示する1つ以上の組成物を被験体に投与するステップを包含する、原発性高コレステロール血症および/または混合型脂質異常症(フレデリクソンIIa型およびIIb型)を処置または予防する必要がある患者において、原発性高コレステロール血症および/または混合型脂質異常症(フレデリクソンIIa型およびIIb型)を処置または予防する方法を提供する。関連実施形態において、本発明は、スタチンまたはニコチン酸の長時間放出単剤療法による処置が不十分と見なされるときに(フレデリクソンIV型高脂血症)、1または複数の被験体のトリグリセリドレベルを低下させる方法を提供する。
【0063】
別の実施形態において、本発明は、本明細書で開示する1つ以上の組成物を被験体に投与するステップを包含する、心筋梗塞の病歴がある患者において再発性非致死性心筋梗塞のリスクを処置または予防する方法を提供する。
【0064】
別の実施形態において、本発明は、本明細書で開示する1つ以上の組成物を、アテローム動脈硬化性疾患の進行を低速化するまたは後退を促進する必要がある被験体に投与するステップを包含する、その必要がある患者においてアテローム動脈硬化性疾患の進行を低速化するまたは後退を促進する方法を提供する。
【0065】
別の実施形態において、本発明は、本明細書で開示する1つ以上の組成物を、非常に高い血清トリグリセリドレベル(例えば、IVおよびV型高脂血症)を処置または予防する必要がある被験体に投与するステップを包含する、その必要がある被験体において非常に高い血清トリグリセリドレベル(例えば、IVおよびV型高脂血症)を処置または予防する方法を提供する。
【0066】
別の実施形態において、本発明は、非常に高い血清トリグリセリドレベル(例えば、1000mg/dlを超えるまたは2000mg/dlを超える)を有し、膵炎を発症するリスクに瀕した被験体を処置する方法であって、本明細書で開示する1つ以上の組成物を被験体に投与するステップを包含する、方法を提供する。
【0067】
本明細書で開示する方法のいずれかと場合により関連する別の実施形態において、本明細書で開示する1つまたは複数の任意の組成物の被験体への投与は、従来の高い用量(例えば、>1.5g、例えば、約2g〜約3gの維持用量)の即時放出、長時間放出もしくは持続放出ニコチン酸療法または併用療法と比較して、紅潮の非存在または紅潮の低減をもたらす。「紅潮」という用語は本明細書では、顔面紅潮、または皮膚のその他の範囲に関連する紅潮、例えば、通例、顔、頸部、胸部、および背中に発生する発赤、そう痒、灼熱感および/または刺痛感を含む。
【0068】
別の実施形態において、本発明の組成物の1または複数の被験体への投与は:(a)3g以上/日のニコチン酸療法、(b)2g以上/日のニコチン酸療法、(c)1g以上/日のニコチン酸療法、(d)少なくとも2g、3gもしくは4g/日のオマコール(登録商標)および1g超/日のニコチン酸療法、あるいは(e)少なくとも2g、3gまたは4g/日のオマコール(登録商標)および2g以上/日のニコチン酸療法または3g以上/日のニコチン酸療法と比較して、紅潮なし、許容できる紅潮または紅潮の低減をもたらす。
【0069】
本明細書で開示する方法のいずれかと場合により関連する別の実施形態において、本発明の組成物のいずれかの1または複数の被験体への投与は、1.5g超/日以上の量、例えば、2g以上/日、または3g以上/日の量の長時間放出または持続放出ニコチン酸投薬単位の1または複数の被験体への投与と比較して、肝毒性を実質的にもたらさないか、または全くもたらさず、あるいは、肝毒性の低下をもたらす。
【0070】
なお別の実施形態において、被験体への本明細書で開示する組成物のいずれかの投与は、オマコール(登録商標)1gカプセル剤4個および即時放出ニコチン酸3gの1日共投与と比較して、紅潮をもたらさないか、または紅潮の低下をもたらし、そしてLDL上昇をもたらさないか、またはLDL上昇の低減をもたらす。
【0071】
なお別の実施形態において、被験体への本明細書で開示する組成物のいずれかの投与は、オマコール(登録商標)1gカプセル剤4個および即時放出ニコチン酸3gの1日投与と比較して、被験体服薬遵守の向上および/または被験体の処置中止の減少をもたらす。別の実施形態において、被験体服薬遵守(処方された投薬レジメンに実質的に従う被験体の%)は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20日の期間にわたって70%超、80%超、90%超、93%超、95%超、もしくは98%超であり、および/または紅潮による被験体の中止または服薬不遵守(紅潮の効果に起因して処方された投薬レジメンに実質的に従わない被験体の%)は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20日の期間にわたって8%未満、7%未満、5%未満または3%未満である。
【0072】
本発明の一実施形態は、即時放出ニコチン酸を約50mg〜約1500mg/日で、EPA、例えば、DHAを含有しないエチルエステルEPAを約50mg〜約5g/日で、および/またはスタチンを約10mg〜約300mg/日で、心血管関連疾患または障害を処置または予防する必要がある被験体に投与することによって、本明細書で定義するような心血管関連疾患または障害を処置または予防することを含む。
【0073】
別の実施形態において、本発明の組成物は、約5mg〜約1500mgの、約10mg〜約1000mgの、約20mg〜約800mgの、約50mg〜約500mgの、または約75mg〜約450mgのニコチン酸の1日維持用量を提供するのに十分な量で、例えば、約25mgの、約50mgの、75mgの、約100mgの、約125mgの、約150mgの、約175mgの、約200mgの、約225mgの、約250mgの、約275mgの、約300mgの、約325mgの、約350mgの、約375mgの、約400mgの、約425mgの、約450mgの、約475mgの、約500mgの、約525mgの、約550mgの、約575mgの、約600mgの、約625mgの、約650mgの、約675mgの、約700mgの、約725mgの、約750mgの、約775mgの、約800mgの、約825mgの、約850mgの、約875mgの、約900mgの、約925mgの、約950mgの、約975mgの、約1000mgの、約1025mgの、約1050mgの、約1075mgの、約1100mgの、約1125mgの、約1150mgの、約1175mgの、約1200mgの、約1225mgの、約1250mgの、約1275mgの、約1300mgの、約1325mgの、約1350mgの、約1375mgの、約1400mgの、約1425mgの、約1450mgの、または約1475mgの1日量で被験体に投与される。
【0074】
一実施形態において、本発明の組成物は、約1mg〜約10,000mgの、25mg〜約5000mgの、約50〜約3000mgの、約75mg〜約2500mg、または約100mg〜約1000mgの、例えば、約75mgの、約100mgの、約125mgの、約150mgの、約175mgの、約200mgの、約225mgの、約250mgの、約275mgの、約300mgの、約325mgの、約350mgの、約375mgの、約400mgの、約425mgの、約450mgの、約475mgの、約500mgの、約525mgの、約550mgの、約575mgの、約600mgの、約625mgの、約650mgの、約675mgの、約700mgの、約725mgの、約750mgの、約775mgの、約800mgの、約825mgの、約850mgの、約875mgの、約900mgの、約925mgの、約950mgの、約975mgの、約1000mgの、約1025mgの、約1050mgの、約1075mgの、約1100mgの、約1025mgの、約1050mgの、約1075mgの、約1200mgの、約1225mgの、約1250mgの、約1275mgの、約1300mgの、約1325mgの、約1350mgの、約1375mgの、約1400mgの、約1425mgの、約1450mgの、約1475mgの、約1500mgの、約1525mgの、約1550mgの、約1575mgの、約1600mgの、約1625mgの、約1650mgの、約1675mgの、約1700mgの、約1725mgの、約1750mgの、約1775mgの、約1800mgの、約1825mgの、約1850mgの、約1875mgの、約1900mgの、約1925mgの、約1950mgの、約1975mgの、約2000mgの、約2025mgの、約2050mgの、約2075mgの、約2100mgの、約2125mgの、約2150mgの、約2175mgの、約2200mgの、約2225mgの、約2250mgの、約2275mgの、約2300mgの、約2325mgの、約2350mgの、約2375mgの、約2400mgの、約2425mgの、約2450mgの、約2475mgの、または約2500mgの1日EPA用量を提供するのに十分な量で被験体に投与される。
【0075】
別の実施形態において、スタチンは、約1〜約300mgの、約5mg〜約200mgの、約10mg〜約180mgの、約20mg〜約150mgの、約30mg〜約100mgの、または約40mg〜約60mgの1日量で被験体に投与される。
【0076】
ニコチン酸、EPAおよび/またはスタチンは、同時製剤としてまたは個別投薬単位として投薬することができる。ニコチン酸、EPAおよび/またはスタチンが別々の投薬単位として共投与される場合、各投薬単位は、24時間の、18時間の、12時間の、10時間の、8時間の、6時間の、4時間の、2時間の、1時間の、0.5時間の期間にわたって、または実質的に同時に被験体に投与することができる。
【0077】
別の実施形態において、ニコチン酸、EPAおよび/またはスタチンを順次投与することができる。例えば、EPAは、EPA装薬期間中に唯一の薬剤として被験体に投与することができる。装薬期間は例えば、1日、2日、4日、6日、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間または10週間であることができる。このような任意の装薬期間の後、ニコチン酸および/またはEPAと共に、またはEPA処置の代わりに、スタチン処置を開始することができる。
【0078】
別の実施形態において、EPAは、午前中、例えば、午前4時ごろ〜午前10時ごろに被験体に投与され、低用量(low dosee)のニコチン酸(すなわち1500mg未満は、同じ被験体に午後または晩、例えば、午後12時ごろ〜午後11時ごろに投与される。
【0079】
関連実施形態において、例えば、約1〜約200週間の、約1〜約100週間の、約1〜約80週間の、約1〜約50週間の、約1〜約40週間の、約1〜約20週間の、約1〜約15週間の、約1〜約12週間の、約1〜約10週間の、約1〜約5週間の、約1〜約2週間のまたは約1週間の期間にわたる本発明による処置時に、被験体または被験体群は、以下の結果のうちの1個以上を示す:
(a)基準値と比較してのトリグリセリドレベルの低下;
(b)基準値と比較してのApo Bレベルの低下;
(c)基準値と比較してのHDL−Cの上昇;
(d)基準値と比較してのLDL−Cレベルの上昇なし;
(e)基準値と比較してのLDL−Cレベルの低下;
(f)基準値と比較しての非−HDL−Cレベルの低下;
(g)基準値と比較してのvLDLレベルの低下;
(h)基準値と比較してのapo A−Iレベルの上昇;
(i)基準値と比較してのapo A−I/apo B比の上昇;
(j)基準値と比較してのリポタンパク質レベルの低下;
(k)基準値と比較してのLDL粒子数の減少;
(l)基準値と比較してのLDLサイズの縮小;
(m)基準値と比較しての残余物様粒子コレステロールの減少;
(n)基準値と比較しての酸化LDLの減少;
(o)基準値と比較しての空腹時血漿グルコース(FPG)の低下;
(p)基準値と比較してのヘモグロビンA
1c(HbA
1c)の減少;
(q)基準値と比較してのホメオスタシス・モデル・インスリン抵抗性の低下;
(r)基準値と比較してのリポタンパク質関連ホスホリパーゼA2の減少;
(s)基準値と比較しての細胞内接着分子−1の減少;
(t)基準値と比較してのインターロイキン−2の減少;
(u)基準値と比較してのプラスミノーゲン活性化因子阻害因子−1の減少;
(v)基準値と比較しての高感度C反応性タンパク質(hsCRP)の減少;
(w)基準値と比較しての血清リン脂質EPAの増加;
(x)基準値と比較しての赤血球膜EPAの増加;および/または
(y)基準値と比較してのドコサヘキサエン酸(DHA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、アラキドン酸(AA)、パルミチン酸(PA)、ステアリドン酸(staeridonic acid)(SA)またはオレイン酸(OA)の血清リン脂質および/または赤血球含有量の1つ以上の減少または増加。
【0080】
一実施形態において、本発明の方法は、被験体または被験体群への投薬前に、上の(a)〜(y)に示した1つ以上のマーカーの基準値レベルを測定するステップを包含する。別の実施形態において、この方法は、(a)〜(y)に示した1つ以上のマーカーの基準値レベルを決定した後に本明細書で開示するような組成物を被験体に投与して、続いて前記1つ以上のマーカーの追加の測定値を得るステップを包含する。
【0081】
別の実施形態において、例えば、約1〜約200週間の、約1〜約100週間の、約1〜約80週間の、約1〜約50週間の、約1〜約40週間の、約1〜約20週間の、約1〜約15週間の、約1〜約12週間の、約1〜約10週間の、約1〜約5週間の、約1〜約2週間の、または約1週間の期間にわたる本発明の組成物による処置時に、被験体または被験体群は、すぐ上で説明した(a)〜(y)の結果のいずれか2個以上、いずれか3個以上、いずれか4個以上、いずれか5個以上、いずれか6個以上、いずれか7個以上、いずれか8個以上、いずれか9個以上、いずれか10個以上、いずれか11個以上、いずれか12個以上、いずれか13個以上、いずれか14個以上、いずれか15個以上、いずれか16個以上、いずれか17個以上、いずれか18個以上、いずれか19個以上、いずれか20個以上、いずれか21個以上、いずれか22個以上、いずれか23個以上、いずれか24個以上、または25個すべてを示す。
【0082】
別の実施形態において、本発明の組成物による処置時に、被験体または被験体群は、以下の結果の1つ以上を示す:
(a)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、少なくとも約55%もしくは少なくとも約75%のトリグリセリドレベルの低下(実際の%変化または中央値%変化);
(b)基準値と比較しての、非HDL−Cレベルの30%未満の上昇、20%未満の上昇、10%未満の上昇、5%未満の上昇もしくは上昇なし、または少なくとも約1%の、少なくとも約3%の、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、少なくとも約55%の、もしくは少なくとも約75%の非HDL−Cレベルの低下(実際の%変化または中央値%変化);
(c)基準値と比較しての少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、少なくとも約55%の、もしくは少なくとも約75%のHDL−Cレベルの上昇(実際の%変化または中央値%変化);
(d)基準値と比較しての、LED−Cレベルの30%未満の上昇、20%未満の上昇、10%未満の上昇、5%未満の上昇もしくは上昇なし、または少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、少なくとも約55%の、少なくとも約55%もしくは少なくとも約75%のLDL−Cレベルの低下(実際の%変化または中央値%変化);
(e)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、少なくとも約55%もしくは少なくとも約75%のApo Bレベルの低下(実際の%変化または中央値%変化);
(f)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%のvLDLレベルの低下(実際の%変化または中央値%変化);
(g)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%のapo A−Iレベルの上昇(実際の%変化または中央値%変化);
(h)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%のapo A−I/apo B比の上昇(実際の%変化または中央値%変化);
(i)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%のリポタンパク質(a)レベルの低下(実際の%変化または中央値%変化);
(j)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%のLDL平均粒子数の減少(実際の%変化または中央値%変化);
(k)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%のLDL平均粒子サイズの増大(実際の%変化または中央値%変化);
(l)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%の残余物様粒子コレステロールの減少(実際の%変化または中央値%変化);
(m)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%の酸化LDLの減少(実際の%変化または中央値%変化);
(n)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%の空腹時血漿グルコース(FPG)の低下(実際の%変化または中央値%変化);
(o)基準値と比較しての少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、もしくは少なくとも約50%のヘモグロビンA
1c(HbA
1c)の減少(実際の%変化または中央値%変化);
(p)基準値と比較しての少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%ホメオスタシスモデル指数インスリン抵抗性の低下(実際の%変化または中央値%変化);
(q)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%のリポタンパク質関連ホスホリパーゼA2の減少(実際の%変化または中央値%変化);
(r)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%の細胞内接着分子−1の減少(実際の%変化または中央値%変化);
(s)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%のインターロイキン2の減少(実際の%変化または中央値%変化);
(t)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%のプラスミノーゲン活性化因子阻害因子−1の減少(実際の%変化または中央値%変化);
(u)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、もしくは少なくとも約100%の高感度C反応性タンパク質(hsCRP)の減少(実際の%変化または中央値%変化);
(v)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、少なくとも約100%の、少なくとも約200%の、もしくは少なくとも約400%の血清リン脂質EPAの増加(実際の%変化または中央値%変化);
(w)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、少なくとも約100%の、少なくとも約200%の、もしくは少なくとも約400%の血清リン脂質および/もしくは赤血球膜EPAの増加(実際の%変化または中央値%変化);
(x)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、少なくとも約55%の、もしくは少なくとも約75%の血清リン脂質および/もしくは赤血球DHA、DPA、AA、PAおよび/もしくはOAのうちの1つ以上の減少もしくは増加(実際の%変化または中央値%変化);ならびに/または
(y)基準値と比較しての、少なくとも約5%の、少なくとも約10%の、少なくとも約15%の、少なくとも約20%の、少なくとも約25%の、少なくとも約30%の、少なくとも約35%の、少なくとも約40%の、少なくとも約45%の、少なくとも約50%の、少なくとも約55%もしくは少なくとも約75%の総コレステロールの減少(実際の%変化または中央値%変化)。
【0083】
一実施形態において、本発明の方法は、被験体または被験体群への投薬前に、(a)〜(y)に示した1つ以上のマーカーの基準値レベルを測定するステップを包含する。別の実施形態において、方法は、(a)〜(y)に示した1つ以上のマーカーの基準値レベルを決定した後に本明細書で開示するような組成物を被験体に投与して、続いて比較のために基準値にて測定される前記1つ以上のマーカーの追加の測定値を得るステップを包含する。
【0084】
別の実施形態において、例えば、約1〜約200週間の、約1〜約100週間の、約1〜約80週間の、約1〜約50週間の、約1〜約40週間の、約1〜約20週間の、約1〜約15週間の、約1〜約12週間の、約1〜約10週間の、約1〜約5週間の、約1〜約2週間の、または約1週間の期間にわたる本発明の組成物による処置時に、被験体または被験体群は、すぐ上で説明した(a)〜(y)の結果のいずれか2個以上、いずれか3個以上、いずれか4個以上、いずれか5個以上、いずれか6個以上、いずれか7個以上、いずれか8個以上、いずれか9個以上、いずれか10個以上、いずれか11個以上、いずれか12個以上、いずれか13個以上、いずれか14個以上、いずれか15個以上、いずれか16個以上、いずれか17個以上、いずれか18個以上、いずれか19個以上、いずれか20個以上、いずれか21個以上、いずれか22個以上、いずれか23個以上、いずれか24個以上、または26個すべて以上を示す。
【0085】
パラメータ(a)〜(y)は、任意の臨床的に許容される方法に従って測定できる。例えば、トリグリセリド、総コレステロール、HDL−Cおよび空腹時血糖値は、血清から試料採取して、標準測光技法を使用して分析することができる。VLDL−TG、LDL−CおよびVLDL−Cは、分取超遠心分離および続いての屈折率測定による定量分析によって、または分析超遠心分離方法によって、血清リポタンパク質分画を使用して計算または決定することができる。Apo A1、Apo BおよびhsCRPは、血清から標準比濁技法を使用して決定することができる。リポタンパク質(a)は、血清から標準免疫比濁技法を使用して決定することができる。LDL粒子数および粒子サイズは、核磁気共鳴(NMR)分光法を使用して決定することができる。残余物リポタンパク質およびLDL−ホスホリパーゼA2は、酵素免疫分離技法を使用してEDTA血漿または血清および血清からそれぞれ決定することができる。酸化LDL、細胞間接着分子−1およびインターロイキン−2レベルは、血清から標準酵素免疫技法から決定することができる。これらの技法は、標準教科書、例えば、Tietz Fundamentals of Clinical Chemistry,6
th Ed.(Burtis,Ashwood and Borter Eds.),WB Saunders Companyに詳細に記載されている。
【0086】
一実施形態において、被験体は、血液試料採取前に最長12時間、例えば、約10時間にわたって絶食する。
【0087】
別の実施形態において、本発明は、心血管関連疾患または障害、例えば、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型脂質異常症、冠動脈心疾患、血管疾患、脳卒中、アテローム性動脈硬化、不整脈、高血圧症、心筋梗塞、および他の心血管事象の処置または予防のための医薬品の製造における、ニコチン酸、EPAおよび場合によりスタチンもしくはフィブラートの使用を提供する。一実施形態において、組成物は、含有する場合は10%以下のDHAを含有する。別の実施形態において、組成物はDHAを含有しない。
【0088】
別の実施形態において、本発明は、心血管関連疾患または障害の処置および/または予防のためのニコチン酸およびEPAを含み、含有するならば10%以下のDHAを含有する製薬組成物を提供する。関連実施形態において、組成物はDHAを含有しない。
【0089】
一実施形態において、本発明は、被験体にEPA前処置と、続いてニコチン酸の1以上の用量を提供するステップを包含する、心血管関連疾患または障害を処置する必要がある被験体において心血管関連疾患または障害を処置する方法を提供する。一実施形態において、ニコチン酸の用量は、被験体に3000mg以下の、2000mg以下の、1000mg以下の、750mg以下の、500mg以下の、または250mg以下のニコチン酸を提供するのに十分である。本文脈で「前処置」という用語は、本明細書に示すようなニコチン酸の初期用量、例えば、3000mg以下の、2000mg以下の、1000mg以下の、750mg以下の、500mg以下の、または250mg以下の用量のニコチン酸を被験体に提供する約0.1〜約96時間前に、約1〜約48時間前に、約2〜約24時間前に、約3〜約15時間前に、または約4〜約12時間前に、被験体にEPAの1以上の用量を提供することを意味する。関連実施形態において、被験体は、約1mg〜約5000mg/日、1mg〜約4000mg/日、1mg〜約3000mg/日、1mg〜約2000mg/日、または1mg〜約1000mg/日の量のEPAによって、約1〜約30日の、1〜約20日の、1〜約15日の、1〜約10日の、1〜約8日の、1〜約6日の、1〜約4日のまたは1〜約2日の期間にわたって前処置される。
【0090】
別の実施形態において、本発明は、(a)ナイアシン療法を開始することになっている被験体を提供するステップと、(b)被験体をEPAによって前処置するステップと、(c)前記前処置後にナイアシンを被験体に投与するステップとを含む、被験体のナイアシン誘発紅潮を予防または低減する方法を提供する。一実施形態において、ナイアシンは、1日当たり3000mg以下の、2000mg以下の、1000mg以下の、750mg以下の、500mg以下の、または250mg以下の用量で投与される。別の実施形態において、被験体は、約1mg〜約5000mg/日の、1mg〜約4000mg/日の、1mg〜約3000mg/日の、1mg〜約2000mg/日の、または1mg〜約1000mg/日の量のEPAによって、約1〜約30日の、1〜約20日の、1〜約15日の、1〜約10日の、1〜約8日の、1〜約6日の、1〜約4日の、または1〜約2日の期間にわたって前処置される。
【0091】
別の実施形態において、本発明は、(a)ナイアシン療法中で、紅潮を経験している被験体を同定するステップと、(b)被験体にEPAを投与するステップとを含む、ナイアシン療法中の被験体のナイアシン−誘発紅潮を低減または軽減する方法を提供する。一実施形態において、ナイアシンは、1日当たり3000mg以下の、2000mg以下の、1000mg以下の、750mg以下の、500mg以下の、または250mg以下の用量で投与される。別の実施形態において、EPAは、約1mg〜約5000mg/日の、1mg〜約4000mg/日の、1mg〜約3000mg/日の、1mg〜約2000mg/日の、または1mg〜約1000mg/日の量で被験体に投与される。
【0092】
他の実施形態において、本明細書に開示した方法のいずれも、伝統的な洋風の食事を摂取する1または複数の被験体の処置または予防に使用される。一実施形態において、本発明の方法は、洋風の食事の摂取者または慎重な(prudent)食事の摂取者を同定して、次に被験体が洋風の食事を摂取すると見なされる場合には被験体を処置するステップを包含する。「洋風の食事」という用語は本明細書では、一般に、総カロリーのパーセンテージで、約45%〜約50%の炭水化物、約35〜約40%の脂質、および約10%〜約15%のタンパク質から成る典型的な食事を指す。洋風の食事は、赤身肉および加工肉、甘いもの、精製穀類、およびデザートを比較的多く摂取すること、例えば、半分以上または70%以上のカロリーがこれらの供給源から得られることによってさらに特徴付けられ得る。
【実施例】
【0093】
以下の実施例は、例示目的であり、どんな方式でも本発明を制限すると解釈されるべきではない。
【0094】
赤血球(RBC)のEPA包含のアラキドン酸形成に対する影響を評価する分析を行った。各種の試験において、患者は二重盲検に基づいて無作為に割付けられ、プラセボ(流動パラフィン)または0.5、1、2もしくは4gの97%純エチルEPA/日のいずれかで12週間にわたって投与された。すべての用量は、同じ外観の8個のカプセルで投与された。RBCは、EPAおよびAAについて、一般にMankuら、M.S.Manku,D.F.Horrobin,Y.S.Huang and N.Morse,Fatty acids in plasma and red cell membranes in normal humans.Lipids 18(1983),pp.906−908)の方法に従って分析した。
【0095】
EDTAで前処理した管に静脈血を採取して、1500gavにて15分間遠心分離した。血漿層および軟膜を分離して、赤血球を等量の0.9%生理食塩水で洗浄した。分析前に試料を−80℃にて保存した。解凍時に、RBCをNaCl/H
2SO
4水溶液(17mmol/l NaCl、1 mmol/l硫酸、1.8ml)に懸濁させて、次にメタノール(3ml)と共に振とうした。クロロホルム(6ml)およびC17:O内部標準を添加して、ボルテックスミキサーを使用して試料を激しく撹拌した。2000gavにて10分間の遠心分離の後、総脂質抽出物を含有する下層を慎重に除去して、無水硫酸ナトリウムで濾過してから蒸発乾固させた。硫酸/メタノールを使用して脂質をエステル交換した。メチルエステルは、イソヘキサン:ジエチエルエーテル(95:5)による溶離前にイソヘキサン洗浄シリカカラムに充填することによって精製した。得られた脂肪酸のメチルエステルを分離して、Hewlett−Packard HP5890 Series II Plusガスクロマトグラフ(cp−wax 52CB 25mキャピラリーカラム、Chrompack UK)を使用して測定した。キャリアガスは水素であった(1ml/分)。オーブンの温度は、41℃/分にて1701℃から2201℃まで上昇するようにプログラムした。検出器の温度は300℃であり、注入器の温度は230℃であった。保持時間およびピーク面積は、Hewlett−Packard HP 3365 Chem Stationによって自動的に計算された。
【0096】
図1に示すように、RBC EPA包含の増加によって、アラキドン酸形成の減少が生じる。以下の図は、複数の臨床試験から収集したすべてのデータの平均である。