特許第6502913号(P6502913)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6502913
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】フィン内蔵管
(51)【国際特許分類】
   F28F 1/40 20060101AFI20190408BHJP
【FI】
   F28F1/40 M
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-220486(P2016-220486)
(22)【出願日】2016年11月11日
(65)【公開番号】特開2018-77028(P2018-77028A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2018年10月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】大野 裕之
【審査官】 庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−027285(JP,A)
【文献】 実開平01−101092(JP,U)
【文献】 特開平11−000720(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/055408(WO,A1)
【文献】 実開昭62−098985(JP,U)
【文献】 実開昭48−068257(JP,U)
【文献】 実開平02−036782(JP,U)
【文献】 実開昭63−190779(JP,U)
【文献】 実開昭49−123657(JP,U)
【文献】 実開昭59−065280(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 1/40
F28D 7/10
B21D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管の内部に螺旋フィンが介装されるフィン内蔵管であって、
前記管は、
中心線が略直線状に延びる直管部と、
前記中心線が湾曲する曲げ加工部と、を有し、
前記螺旋フィンは、前記管に対して前記直管部の内部と前記曲げ加工部の内部とで共に螺旋状に捩られており、板状のフィン材が前記中心線まわりに一定の角度だけ捩れる軸方向の螺旋ピッチが前記直管部に位置する部位に比べて前記曲げ加工部に位置する部位で大きくなっていることを特徴とするフィン内蔵管。
【請求項2】
請求項1に記載のフィン内蔵管であって、
前記曲げ加工部は、曲げ中心軸を中心として曲げられ、
前記螺旋フィンは、前記曲げ加工部において前記フィン材が前記曲げ中心軸と直交しないよう延在することを特徴とするフィン内蔵管。
【請求項3】
請求項2に記載のフィン内蔵管であって、
前記直管部に介在する前記螺旋フィンは、前記曲げ加工部に近接する部位の螺旋ピッチが他の部位に比べて小さくなっていることを特徴とするフィン内蔵管。
【請求項4】
請求項2に記載のフィン内蔵管であって、
前記直管部に介在する前記螺旋フィンは、前記曲げ加工部に近接する部位の螺旋ピッチが他の部位に比べて大きくなっていることを特徴とするフィン内蔵管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管の内部に螺旋フィンが介装されるフィン内蔵管に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、伝熱管の内部に螺旋板が装着された熱交換器が開示されている。
【0003】
上記熱交換器の製造時には、長板を予め捩って螺旋板を形成した後に、螺旋板を伝熱管の内部に設置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−268994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記熱交換器の製造時には、伝熱管を湾曲させる曲げ加工をすることがある。
【0006】
しかし、上記伝熱管は、湾曲する曲げ加工部の曲げ剛性がその内部に介在する螺旋板の位置によって一定でないため、設計された形状に成形されない虞がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、曲げ加工部の成形精度を高められるフィン内蔵管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様によれば、管の内部に螺旋フィンが介装されるフィン内蔵管であって、前記管は、中心線が略直線状に延びる直管部と、前記中心線が湾曲する曲げ加工部と、を有し、前記螺旋フィンは、前記管に対して前記直管部の内部と前記曲げ加工部の内部とで共に螺旋状に捩られており、板状のフィン材が前記中心線まわりに一定の角度だけ捩れる軸方向の螺旋ピッチが前記直管部に位置する部位に比べて前記曲げ加工部に位置する部位で大きくなっていることを特徴とするフィン内蔵管が提供される。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、管の曲げ加工部では、直管部に比べて、螺旋フィンの螺旋ピッチが大きくなっていることで、螺旋フィンの曲げ剛性の変化が小さく抑えられる。よって、フィン内蔵管における曲げ加工部の成形精度を高められる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る二重管を示す断面図である。
図2図2は、フィン内蔵管の製造装置を示す斜視図である。
図3図3は、芯金を示す平面図である。
図4図4は、フィン内蔵管を製造する工程を示す斜視図である。
図5図5は、フィン内蔵管を製造する工程を示す斜視図である。
図6図6は、フィン内蔵管を製造する工程を示す斜視図である。
図7図7は、フィン内蔵管を製造する工程を示す断面図である。
図8図8は、変形例に係るフィン内蔵管を示す断面図である。
図9図9は、他の変形例に係るフィン内蔵管を示す断面図である。
図10図10は、図9のX−Xに沿う断面図である。
図11図11は、さらに他の変形例に係るフィン内蔵管を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るフィン内蔵管30(熱交換チューブ)が適用される二重管40を示す断面図である。二重管40は、空調装置(図示省略)の冷媒(流体)が循環する熱交換器として設けられる。
【0013】
二重管40は、内部に内側流路51を形成する円筒状の内管20と、内管20のまわりに外側流路52を形成する円筒状の外管32と、を備える。内管20の両端部には冷媒を導く配管(図示省略)が接続される。外管32の両端部36、37は、内管20の外周に接合される。外管32は、冷媒を導く配管(図示省略)が接続される入口38及び出口39を有する。
【0014】
外側流路52には、図中矢印A、Bで示すように、入口38及び出口39を通じて高温高圧の液状冷媒が流通する。内側流路51には、図中矢印C、Dで示すように、低温低圧のガス状冷媒が流通する。二重管40では、外側流路52及び内側流路51を流通する冷媒どうしが熱交換する。
【0015】
内管20の内部には、螺旋フィン10が介装される。螺旋フィン10は、後述するように、帯板状のフィン材11が螺旋状に捩られることで成形される。フィン材11の両端部11A、11Bは、内管20の内面21に例えばカシメによって固定される。
【0016】
二重管40を構成する各部材32、20、10は、例えばアルミニウム等の金属を材質とする。
【0017】
内管20及び螺旋フィン10は、熱交換器の要素としてフィン内蔵管30を構成する。フィン内蔵管30では、内側流路51を流通する冷媒が螺旋フィン10に沿って螺旋状に旋回しながら流通することで、冷媒が内管20を介して熱交換することが促される。
【0018】
二重管40は、設置されるスペースに対応して、その中程を湾曲させた湾曲部44を有する。内管20は、湾曲部44を構成する曲げ加工部24と、曲げ加工部24から直線状に延在する直管部23、25と、を有する。外管32は、湾曲部44を構成する曲げ加工部34と、曲げ加工部34から直線状に延在する直管部33、35と、を有する。
【0019】
次に、図2を参照して、フィン内蔵管30の製造装置50について説明する。
【0020】
製造装置50は、内管20の内部に挿入する芯金60と、内管20の外周を把持するチャック70と、内管20の外周を摺動自在に支持して曲げ加工をする曲げ加工機80と、を備える。
【0021】
製造装置50は、芯金60を駆動する駆動機構65と、チャック70を駆動する駆動機構75と、を備える。駆動機構65は、矢印Eで示すように芯金60を内管20の軸Oまわりに回転駆動するとともに、矢印Fで示すように、芯金60を軸O方向に移動させる。駆動機構75は、チャック70を矢印Hで示すように軸O方向に移動させる。駆動機構65、75及び曲げ加工機80の作動は、コントローラ(図示省略)によって制御される。
【0022】
曲げ加工機80は、ロール型81、圧力型82、及びクランプ型83を備える。ロール型81は、曲げ中心軸Sを中心とする円弧状に延在する成形溝81Aを有する。圧力型82は、軸O方向に延在するガイド溝82Aを有する。内管20は、成形溝81Aとガイド溝82Aとの間に摺動自在に支持され、軸O方向に移動するように案内される。クランプ型83は、内管20の外周を把持するクランプ溝(図示省略)を有する。
【0023】
曲げ加工時には、ロール型81及びクランプ型83は、両者の間に内管20が把持された状態で、駆動機構(図示省略)によって曲げ中心軸Sを中心に回動する。これにより、駆動機構75によって送られる内管20は、成形溝81Aに沿って曲げられる。
【0024】
芯金60は、軸O方向に延在する円柱状の基端部62、支持部63、及び先端部64と、支持部63及び先端部64にわたって開口するスリット61と、を有する。
【0025】
芯金60の基端部62は、駆動機構65に連結される部位である。
【0026】
芯金60の支持部63は、基端部62に対して先端部64を支持する部位である。支持部63は、基端部62及び先端部64より縮径して形成され、内管20の内面21に間隙をもって軸O方向に延在する。これにより、芯金60の摺動抵抗が小さく抑えられる。
【0027】
図3に示すように、先端部64は、内管20の内面21に摺接する型部64Aと、型部64Aから軸O方向に次第に縮径するように延在する型先端部64B及び先端逃げ部64Cと、を有する。
【0028】
型部64Aは、円柱状に形成される。型部64Aの外周面は、内管20の内面21に間隙をもって対峙する。型部64Aは、後述するように、曲げ加工時に相対回転しながら曲げ加工部24の近傍で内管20の内面21に当接して、曲げ加工部24を成形するようになっている。
【0029】
型先端部64Bは、型部64Aから段差なく縮径する紡錘状に形成される。型先端部64Bの外周面は、型部64Aの外周面から曲折することなく曲面状に延在している。型先端部64Bは、後述するように、曲げ加工時に相対回転しながら曲げ加工部24の内面21に当接し、曲げ加工部24を成形するようになっている。
【0030】
先端逃げ部64Cは、型先端部64Bからさらに縮径して突出する。先端逃げ部64Cは、後述するように、曲げ加工時に曲げ加工部24の内面21に干渉しないようになっている。
【0031】
スリット61は、一定の開口幅を有して軸O方向に延在する間隙であり、芯金60に収容されるフィン材11を支持する支持壁部を形成する。スリット61の開口端部61Aは、次第に開口幅が増大して先端逃げ部64Cに開口している。
【0032】
次に、製造装置50を用いてフィン内蔵管30を製造する方法について説明する。
【0033】
まず、図2に矢印Gで示すように、フィン材11を内管20に挿入する。そして、内管20の外周をカシメることによって、フィン材11の先端部11Aを内管20に固定する。
【0034】
なお、上記した構成に限らず、例えば、フィン材11の先端部11Aを内管20の内面21に圧入して内管20に固定する構成としてもよい。
【0035】
続いて、図4に示すように、芯金60を内管20に挿入する。このとき、芯金60のスリット61にフィン材11が挿入される。
【0036】
続いて、図5、6に矢印Hで示すように、内管20を芯金60に対して軸O方向に移動するとともに、図5、6に矢印Eで示すように、芯金60を内管20に対して一方向に回転させる。
【0037】
これにより、芯金60のスリット61から出ていくフィン材11は、先端部11Aを支点として捩られる。こうして、内管20の直管部25の内部で螺旋フィン10が形成される。
【0038】
続いて、図7に示すように、曲げ加工機80を作動して内管20を曲げる。このときに、ロール型81及びクランプ型83が内管20を把持した状態で矢印Iで示すように曲げ中心軸Sを中心に回動する。これにより、駆動機構75によって矢印Hで示すように送られる内管20は、円弧状の成形溝81Aに沿って曲げられる。
【0039】
上記曲げ加工時に、内管20は、その内面21に芯金60の先端部64の外周が当接することによって曲げ加工部24が成形される。
【0040】
上記曲げ加工時に、曲げ加工部24の内側に位置する湾曲内側部分24Aでは、圧縮応力が生じるが、その近傍で円柱状の型部64Aが内管20の内面21に当接することによって、座屈することが抑えられる。これにより、湾曲内側部分24Aには、シワ等の成形不良が発生することが抑えられる。
【0041】
上記曲げ加工時に、曲げ加工部24の外側に位置する湾曲外側部分24Bでは、引張応力が生じるが、紡錘状の型先端部64Bが相対回転してその内面21に当接することによって、その円弧形状をした断面形状が維持される。これにより、湾曲外側部分24Bでは、その断面形状が過度に扁平になった部位が形成されることが抑えられる。
【0042】
コントローラは、上記曲げ加工時に、駆動機構75によって内管20を矢印Hで示すように軸O方向に送る移動速度に対して駆動機構65によって芯金60を矢印Eで示すように回転させる回転速度を低下させる制御を行う。こうして、螺旋フィン10は、フィン材11が軸Oについて一定角度だけ捩れる軸O方向の長さ(以下、「螺旋ピッチ」と称する。)が直管部23、25に比べて曲げ加工部24で大きくなるように形成される。
【0043】
上記曲げ加工が行われた後に、曲げ加工機80は、内管20を把持していたクランプ型83を退避位置に移動させる。そして、内管20を芯金60に対して軸O方向に移動するとともに、芯金60を回転させることで、内管20の直管部23の内部に螺旋フィン10を形成する。
【0044】
そして、内管20の外周をカシメることによって、フィン材11の基端部11Bを内管20に固定する。
【0045】
こうして、フィン内蔵管30が製造される。上記したフィン内蔵管30が製造される工程の前に内管20に外管32の両端部が接合されている。また、フィン内蔵管30が製造される工程の前に内管20に外管32の一端部が接合され、フィン内蔵管30が製造される工程の後に内管20に外管32の他端部が接合される構成としてもよい。いずれの場合にも、製造装置50は、曲げ加工機80を用いて内管20及び外管32を共に曲げ加工する。なお、図7では、便宜上、外管32の図示を省略している。
【0046】
図8は、こうして製造されたフィン内蔵管30を示す断面図である。螺旋フィン10は、直管部23の内部に介装される直フィン部13と、曲げ加工部24に介装される曲げフィン部14と、直管部25の内部に介装される直フィン部15と、を有する。
【0047】
直フィン部13、15は、それぞれの中心線が内管20の軸Oに沿って略直線状に延びる。直フィン部13、15の螺旋ピッチP1、P2は、任意に設定される。
【0048】
曲げフィン部14は、その中心線が内管20の軸Oに沿って湾曲する。曲げフィン部14の螺旋ピッチP3は、直フィン部13、15の螺旋ピッチP1、P2より大きくなっている。
【0049】
以上のように、本実施形態によれば、フィン内蔵管30は、内管20(管)の内部に螺旋フィン10が介装される。内管20は、中心線が略直線状に延びる直管部23、25と、中心線が湾曲する曲げ加工部24と、を有する。曲げ加工部24に延在する螺旋フィン10の螺旋ピッチP3は、直管部23、25に延在する螺旋フィン10の螺旋ピッチP1、P2に比べて大きくなるように構成される。
【0050】
上記構成に基づき、曲げ加工部24では、螺旋フィン10の螺旋ピッチが直管部23、25に比べて大きくなっていることで、螺旋フィン10の曲げ剛性の変化が小さく抑えられる。これにより、フィン内蔵管30は、内管20の曲げ加工が螺旋フィン10の曲げ剛性に影響されることが抑えられるため、曲げ加工部24の成形精度を高められる。
【0051】
次に、図9〜11に示すフィン内蔵管30の変形例について説明する。
【0052】
図9に示すように、曲げフィン部14より先に加工される直フィン部15は、曲げ加工部24に近接する部位の螺旋ピッチP4が、曲げ加工部24から離れた他の部位の螺旋ピッチP5に比べて小さく形成される。これにより、螺旋フィン10は、直管部25の端部におけるフィン材11の位置が任意に調整される。
【0053】
なお、上記した構成に限らず、図11に示すように、直フィン部15は、曲げ加工部24に近接する部位の螺旋ピッチP6が、曲げ加工部24から離れた他の部位の螺旋ピッチP7に比べて大きく形成されるようにしてもよい。これにより、螺旋フィン10は、直管部25の端部におけるフィン材11の位置が任意に調整される。
【0054】
直フィン部13は、曲げ加工部24に近接する部位の螺旋ピッチP1、P2が、曲げ加工部24から離れた他の部位に比べて大きく形成される。これにより、螺旋フィン10は、直管部23の端部におけるフィン材11の位置が任意に調整される。
【0055】
こうして、螺旋フィン10は、直管部25、23の各端部におけるフィン材11の位置が調整されることにより、曲げ加工部24の内部に介在するフィン材11の両端部の位置が決まる。
【0056】
曲げフィン部14は、曲げ加工部24の内部に介在するフィン材11が曲げ中心軸Sと略平行になるように配置される。曲げフィン部14は、フィン材11が軸Oについて捩られることがなく、螺旋ピッチが無限大になっている。
【0057】
図10は、曲げ中心軸Sを含む内管20(曲げ加工部24)及び曲げフィン部14(フィン材11)の断面図である。図10に示すように、曲げフィン部14を形成するフィン材11は、曲げ中心軸Sに対して略平行に延在する。
【0058】
曲げフィン部14は、曲げ加工部24の内部空間を曲げ中心軸Sに対して径方向内側の空間41と径方向外側の空間42とを仕切るように延在する。
【0059】
曲げ加工部24では、フィン材11が曲げ中心軸Sと略平行に延在することにより、螺旋フィン10の曲げ剛性が最も小さく抑えられる。これにより、フィン内蔵管30は、内管20の曲げ加工が螺旋フィン10の曲げ剛性に影響されることが抑えられるため、曲げ加工部24の成形精度を高められる。
【0060】
なお、図10に2点鎖線で示すように、フィン材11が曲げ中心軸Sと略直交することで、螺旋フィン10の曲げ剛性が最も大きくなり、曲げ加工部24の成形精度が低くなる。
【0061】
この対処方法として、曲げ加工部24では、フィン材Sが曲げ中心軸と直交しないように延在するように構成してもよい。これにより、螺旋フィン10の曲げ剛性が最も大きくなることが回避される。よって、曲げ加工部24の成形精度を高められる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0063】
上記実施形態のフィン内蔵管30は、熱交換器を構成する熱交換チューブとして好適であるが、熱交換器以外に使用される機械又は設備にも適用できる。
【符号の説明】
【0064】
10 螺旋フィン
11 フィン材
11A 先端部
20 内管(管)
24 曲げ加工部
30 フィン内蔵管
41 空間
42 空間
S 曲げ中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11