(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6502956
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】ロボット・システム用グリッパ・フィンガのグリッパ・チップを置き換えるためのアセンブリ・デバイス
(51)【国際特許分類】
B25J 15/04 20060101AFI20190408BHJP
【FI】
B25J15/04 C
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-555810(P2016-555810)
(86)(22)【出願日】2014年3月17日
(65)【公表番号】特表2017-507797(P2017-507797A)
(43)【公表日】2017年3月23日
(86)【国際出願番号】EP2014055274
(87)【国際公開番号】WO2015139717
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2017年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】516265573
【氏名又は名称】エフアンドピー ロボテックス アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ カステルバジャック、シャルル
(72)【発明者】
【氏名】フリュー、ハンスリューディ
(72)【発明者】
【氏名】ウィイェイラトネ、ノーマン
【審査官】
松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−328869(JP,A)
【文献】
特公昭56−020135(JP,B2)
【文献】
特開2013−094930(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0020231(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 − 21/02
B23P 19/00 − 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット・システム用グリッパ・フィンガ(6)のグリッパ・チップ(5)を置き換えるための、基部キャリッジ(3)及び遠隔キャリッジ(4)を含む、取付けレール(2)を有する取付けデバイスであって、前記基部キャリッジ(3)が、前記グリッパ・フィンガ(6)のグリッパ・ジョー(7)を固定するための第1の固定作用物(30)を含み、前記遠隔キャリッジ(4)が、前記グリッパ・チップ(5)を固定するための第2の固定作用物(40)を含み、前記グリッパ・ジョー(7)は、前記第1の固定作用物(30)によって、長手方向(L)に対して前記基部キャリッジ(3)に固定することができるようになされており、前記グリッパ・チップ(5)は、前記第2の固定作用物(40)によって、前記長手方向(L)に対して前記遠隔キャリッジ(4)に固定することができるようになされており、前記基部キャリッジ(3)及び前記遠隔キャリッジ(4)は、前記グリッパ・チップ(5)が前記ロックされる位置(VP)でグリッパ・ジョー(7)にロックされるように並びに前記グリッパ・チップ(5)が前記ロック解除される位置(EP)で前記グリッパ・ジョー(7)からロック解除されるように、前記長手方向(L)に沿って、ロックされる位置(VP)とロック解除される位置(EP)との間で互いに対して移動可能に配置構成されていて、前記第1の固定作用物(30)が、第1の固定ボルト(31)であり、且つ/又は前記第2の固定作用物(40)が、第2の固定ボルト(41)であることを特徴とする、取付けデバイス。
【請求項2】
前記グリッパ・ジョー(7)を、前記グリッパ・ジョー(7)の第1の固定穴(71)に前記第1の固定ボルト(31)を用いることにより前記長手方向(L)に対して前記基部キャリッジ(3)に固定することができるよう、前記第1の固定ボルト(31)が前記基部キャリッジ(3)で前記長手方向(L)に対して垂直に配置構成される、請求項1に記載の取付けデバイス。
【請求項3】
前記グリッパ・チップ(5)を、前記グリッパ・チップ(5)の第2の固定穴(51)に前記第2の固定ボルト(41)を用いることにより前記長手方向(L)に対して前記遠隔キャリッジ(4)に固定することができるよう、前記第2の固定ボルト(41)が前記遠隔キャリッジ(4)で前記長手方向(L)に対して垂直に配置構成される、請求項1又は2に記載の取付けデバイス。
【請求項4】
前記第1の固定作用物(30)が、前記グリッパ・ジョー(7)を受容し長手方向に案内するための、U字形案内要素の形状の第1の案内要素(32)である、請求項1から3のいずれか一項に記載の取付けデバイス。
【請求項5】
前記第2の固定作用物(40)が、前記グリッパ・チップ(5)を受容し長手方向に案内するための、U字形案内要素の形状の第2の案内要素(42)である、請求項1から4のいずれか一項に記載の取付けデバイス。
【請求項6】
前記第1の案内要素(32)及び前記第2の案内要素(42)が、前記長手方向(L)に対して垂直に配置構成された閉塞ボルトを含み、前記グリッパ・チップ(5)及び前記グリッパ・ジョー(7)は、前記長手方向(L)に対して、前記グリッパ・チップ(5)及び前記グリッパ・ジョー(7)の閉塞開口に前記閉塞ボルトを用いることにより固定することができるようになされている、請求項5に記載の取付けデバイス。
【請求項7】
バネ付勢型ロック要素をさらに備え、前記バネ付勢型ロック要素が、前記閉塞ボルトを前記閉塞開口にロックできるようにされる、請求項6に記載の取付けデバイス。
【請求項8】
前記遠隔キャリッジ(4)が、前記基部キャリッジ(3)に対して駆動ロッド(8)、駆動スクリュ又はウォームを用いることにより移動可能である、請求項1から7のいずれか一項に記載の取付けデバイス。
【請求項9】
電気モータ(9)が、前記基部キャリッジ(3)及び/又は前記遠隔キャリッジ(4)を変位させるために設けられる、請求項1から8のいずれか一項に記載の取付けデバイス。
【請求項10】
データ処理システム、好ましくは自由にプログラム可能なデータ処理システムが、前記取付けデバイスを制御するために設けられる、請求項1から9のいずれか一項に記載の取付けデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1のプリアンブルに記載されている、ロボット・システム用グリッパ・フィンガのグリッパ・チップを置き換えるための取付けデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット・システム用のグリッパ・フィンガは、多くの種々の変形例が、従来技術で長い間にわたり知られている。既に知られたグリッパ・フィンガは、通常2つのグリッパ・ジョーを含み、それぞれ1つのグリッパ・チップを備えている。グリッパ・ジョーは、例えば、線形ガイドに移動可能に固定され、互いに向かって且つ互いから離れるように移動可能に構成される。その結果、そこに取着された2つのグリッパ・チップも、物体を特に把持し、又は再び下に置くことができるように、互いに向かって及び互いから離れるように正確に移動することができる。そのようなグリッパ・システムは、「平行グリッパ」という用語の下で当業者に知られている。工作物を把持するためのそのようなシステムは、例えば、欧州特許第02231(B1)号、欧州特許第0993916(B1)号、又は欧州特許出願公開第2548706(A1)号から知られるものである。
【0003】
例えば国際公開第02/086637(A1)号に記載されているいわゆる「座屈アーム・ロボット」と呼ばれるロボットがあり、このロボットは、その適用がさらになおフレキシブルであり、特に移動ロボット・システムでしばしば有利に使用される。
【0004】
今日、グリッパ・フィンガは、機械式把持具であるだけではなく、光学カメラ、超音波センサ、又はその他の音響センサ、例えばマイクロホン、又は熱センサ、力センサなどの種々のタイプのセンサをしばしば有することのできる非常に複雑なシステムである。そのようなセンサを用いることにより、対応型ロボット・システムは、グリッパ・フィンガでその環境を「感じる」ことができ、及びロボット・システムの機能に必須のその環境の性質を検出することができる。
【0005】
したがって、そのようなロボット・システムは、例えば、把持される物体がむしろプラスチック・ボトルのような軟質物体であるのか又はむしろガラス瓶のような硬質物体であるのかを独立して認識することができ、次いでグリッパ・フィンガが物体を把持するのに必要な力を、独立して、最適な値に柔軟に調節することができる。
【0006】
これは、そのようなロボット・システムが、非常に異なる構成要素で繊細な組立て作業を実施する場合、又は人間が様々な日々の活動において支援されるべき場合、特に重要である。詳細には、そのようなロボット・システムが人間と直接対話する場合には、当然ではあるが高感度センサ技術は、最大限重要なものである。
【0007】
グリッパ・フィンガのグリッパ・チップに対しては特に重点が置かれており、その理由は、一方では、移動する物体を把持するためにグリッパ・チップをこの物体に接触させるようにしなければならないこと、また他方では、グリッパ・チップは、環境を認識するのに及び把持される物体の性質を認識するのに必要なセンサをしばしば有するということにある。この理由で、多くの適用例では、グリッパ・チップをそれぞれの場合に個々に、特に行われることになる仕事又は作業環境の性質に合わせて、したがって最終的には把持されることになり移動させることになる対象の特定の性質に合わせて、調節しなければばらない。複数の異なる仕事を目的として1つの及び同じロボット・システムを使用するために、グリッパ・チップを交換可能に設計することは既知の方法である。例えば、一組の各種グリッパ・チップであって、例えばそれらの把持幾何形状、材料、表面仕上げ、及びセンサ技術などにおいて多様であり、行われる一定の仕事に各グリッパ・チップが最適に適合される、一組の各種グリッパ・チップを提供することができる。その結果、非常に異なる仕事が、グリッパ・フィンガのグリッパ・チップを置き換えるだけで、1つ及び同じロボット・システムによって実施することができる。
【0008】
特に、ロボット・システムが非常に複雑な又は非常に異なる仕事を行わなければならない適用例、したがってグリッパ・チップをしばしば置き換えなければならない適用例では、当然ながら、グリッパ・チップの置換えを可能な限り単純に、好ましくは機械的に行うことができることが望ましい。これは、複雑な手順においてはグリッパ・チップをグリッパ・ジョーからしばしば取り外さなければならず、例えばねじを緩めて外さなければならないので、既知のシステムの本質的な問題の1つである。グリッパ・チップを変更する場合、グリッパ・ジョーとグリッパ・チップとの間のセンサ技術に用いられる追加の場合により既存の電気接続線、又はグリッパ・チップの駆動可動部品用の場合により既存の駆動ユニットに用いられる液圧式若しくは空気圧式接続を、分離し且つ再実装することが複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第02231(B1)号
【特許文献2】欧州特許第0993916(B1)号
【特許文献3】欧州特許出願公開第2548706(A1)号
【特許文献4】国際公開第02/086637(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって本出願人は、グリッパ・ジョー及びグリッパ・チップからなるグリッパ・フィンガ、並びに対応型ロボット・システムであって、グリッパ・チップを特に簡単で効率的な、とりわけ機械的な方法で、場合により対応型ロボット・システム自体によって置き換えることができるように、従来技術による既知の欠点が確実に改善されるものを開発した。
【0011】
上述の、出願人によって新たに開発されたグリッパ・フィンガは、原則として、グリッパ・チップの自動置換えに最も適しているが、しかしながら、信頼性のある簡単な、したがって効率的な方法で、ロボット・システム用グリッパ・フィンガのグリッパ・チップを置き換えるための十分に開発された取付けデバイスは存在しないことが、明らかになった。
【0012】
したがって本発明の目的は、ロボット・システム用グリッパ・フィンガのグリッパ・チップを信頼性ある簡単な効率的手法で置き換えることを可能にする、ロボット・システム用グリッパ・フィンガのグリッパ・チップを置き換えるための取付けデバイスを提供することである。詳細には、とりわけ本発明の目的は、複数のグリッパ・チップに加え、特に
図1に示されるタイプのグリッパ・チップを置き換えることを可能にする、取付けデバイスを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの問題を解決する本発明の対象は、独立請求項1の特徴によって特徴付けられる。
【0014】
従属請求項は、本発明の特に有利な実施例に関する。
【0015】
したがって本発明は、ロボット・システム用グリッパ・フィンガのグリッパ・チップを置き換えるための基部キャリッジ及び遠隔キャリッジを含む、取付けレールを有する取付けデバイスに関する。これに関し、基部キャリッジは、グリッパ・フィンガのグリッパ・ジョーを固定するための第1の固定作用物を含み、遠隔キャリッジは、グリッパ・チップを固定するための第2の固定作用物を含み、それによってグリッパ・ジョーは、長手方向に対して基部キャリッジに第1の固定作用物より固定することができるようになされ、グリッパ・チップは、長手方向に対して遠隔キャリッジに第2の固定作用物により固定することができるようになされている。本発明によれば、基部キャリッジ及び遠隔キャリッジは、グリッパ・チップがロックされる位置でグリッパ・ジョーにロックされ及びグリッパ・チップがロック解除される位置でグリッパ・ジョーからロック解除されるように、長手方向に沿って、ロックされる位置とロック解除される位置との間で互いに対し移動可能に配置構成される。
【0016】
したがって本発明の必須の特徴は、まず最初に、取付けデバイスが、互いに対して移動可能な2つの受容キャリッジ、即ち基部キャリッジ及び遠隔キャリッジを含むことであり、これらのキャリッジは共に、置換え手順中に、即ち部品を分離し又は組み立てるときに、即ちグリッパ・フィンガのグリッパ・ジョー及びグリッパ・チップが取り付けられ又は取り外されるときに、取付けキャリッジ上で長手方向に互いに向かって又は互いから離れるように移動可能に配置構成できるようになされている。第2に、グリッパ・チップ及びグリッパ・ジョーは、長手方向に対し、それぞれ遠隔キャリッジ及び基部キャリッジに、互いに独立して固定することができ、グリッパ・チップの置換え手順中は、グリッパ・チップのみ又はグリッパ・ジョーのみ又はその両方を同時に、長手方向に対して取付けデバイスに固定することができる。これは、部品の信頼性ある効率的な分離及び組立てを可能にするだけではなく、取り付けられる又は取り外される部品に関して、本発明による取付けデバイスに莫大な柔軟性も与えることができる。
【0017】
実施するのに特に重要な実施例では、第1の固定作用物は第1の固定ボルトであり、且つ/又は第2の固定作用物は第2の固定ボルトである。必ずしも必要ではないが、第1の固定ボルトは基部キャリッジに、長手方向に対して垂直に配置構成され、このときグリッパ・ジョーは、長手方向に対して基部キャリッジに、グリッパ・ジョーの第1の固定穴に第1の固定ボルトを用いて固定することができるようになされており、好ましくは同様に、第2の固定ボルトは遠隔キャリッジに、長手方向に対して垂直に配置構成され、このときグリッパ・チップは、長手方向に対して遠隔キャリッジに、グリッパ・チップの第2の固定穴に第2の固定ボルトを用いて固定することができるようになされることが、本質的に有利である。
【0018】
特殊な幾何構成に応じて、グリッパ・チップ及びグリッパ・ジョーは、長手方向のみに関し、第1の固定作用物及び第2の固定作用物によってしばしば固定され、少なくとも長手方向に垂直な方向に関して多かれ少なかれ自由に移動可能である。しかし、グリッパ・チップを実際に信頼性ある状態で置き換えるために、長手方向に沿ったグリッパ・チップ及び/又はグリッパ・ジョーの定められた案内を確実にすることが、非常にしばしば推奨される。したがって第1及び/又は第2の固定作用物は、グリッパ・チップ及びグリッパ・ジョーを案内し又は固定するためのいくつかの構成要素を実際にしばしば含む。例えば、第1の固定作用物は、有利には同時に、長手方向でグリッパ・ジョーを受容し案内するための第1の案内要素、特にU字形案内要素とすることができ、好ましくは同時に第1の固定ボルトを含み、又は以下に記述されるように、代替として又はさらに、閉塞ボルトも含む。相応して、これは当然ながら第2の固定作用物にも適用され得ることであり、この第2の固定作用物は、有利には同時に、長手方向でグリッパ・チップを受容し案内するための第2の案内要素、特にU字形案内要素とすることができ、又は以下に記述されるように、代替として又はさらに閉塞ボルトを含む。
【0019】
したがって第1の案内要素及び/又は第2の案内要素は、同時に又は代替として、長手方向に対して垂直に配置構成することができる閉塞ボルトを含むことができ、このときグリッパ・チップ及び/又はグリッパ・ジョーは、長手方向に対し、グリッパ・チップ及び/又はグリッパ・ジョーの閉塞開口に閉塞ボルトを用いることによって固定することができるようになされている。実際には、閉塞ボルトを閉塞開口のロック要素を用いてロックすることができるように、ロック要素、詳細にはバネ付勢型ロック要素がしばしば設けられる。さらにより好ましくは、閉塞ボルト及び/又はロック要素は、当然ながら、それ自体が既知である電気的、空気圧式、液圧式、又はその他の方式で動作させることができ、それによって、グリッパ・チップが置き換えられた場合の自動化度がさらに増大する。
【0020】
当然ながら、主に人が本発明による取付けデバイスを手動で操作可能な場合であっても、実際には、本発明による取付けデバイスにそれ自体の駆動ユニットを備えることが好ましく、このとき例えば遠隔キャリッジは、駆動ロッド、特に駆動スクリュ又はウォームを用いて基部キャリッジに対して移動可能に設計するようになされており、基部キャリッジ及び/又は遠隔キャリッジを変位させる場合には、さらにより好ましくは駆動装置、特に電気モータを設け、且つ/又は本発明による取付けデバイスは、データ処理システムを含み、又はそのようなシステムに、グリッパ・フィンガの置換えを完全に自動的に、好ましくは自由にプログラム可能な方法で行うことができるように、接続される。
【0021】
以下、本発明について、概略図面に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】グリッパ・フィンガの特殊な実施例を、概略図で示した図である。
【
図2】ロック解除されたグリッパ・フィンガを含む、本発明による取付けデバイスを示す図である。
【
図3】ロックされた状態のグリッパ・フィンガを含む、
図2の取付けデバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明による取付けデバイスが、グリッパ・フィンガの特殊なタイプ用のグリッパ・チップのアセンブリに限定されず、且つ本発明がグリッパ・フィンガそのもの又は取り付けられるグリッパ・チップそのものに関係しない場合であっても、本発明をより良く理解するために、本発明による取付けデバイスが特に適している、出願人により開発された新しいタイプのグリッパ・フィンガについて、以下に手短に記述する。
【0024】
図1のグリッパ・フィンガ1が本発明の一部ではなく、グリッパ・チップを置き換えるための本発明による取付けデバイスが特に適しているグリッパ・フィンガの単なる実例である、という事実に関していかなる曖昧さも回避するために、
図1の符号にはそれぞれアポストロフィを付け、それに対して
図2及び
図3に示される、本発明による取付けデバイスの特徴に関する符号には、アポストロフィがない。
【0025】
これに関し
図1は、例として且つ概略的に、ロボット・システム用把持具のグリッパ・フィンガ6’を示し、それ自体が既知の手法で物体を把持するためのグリッパ・フィンガ6’は、長手方向L’に沿って延びるグリッパ・ジョー7’及びグリッパ・チップ5’を含む。組み立てられた状態において、グリッパ・チップ5’は、2つの接続要素V’を用いてグリッパ・ジョー7’に取外し可能に接続されている。接続要素V’は、長手方向L’に延び且つ
図1では直接見ることができず且つグリッパ・ジョー7’内に隠れている、プラグイン接続の形をした接続ソケットでロックすることができ、このときロックされた状態では、グリッパ・チップ5’は、長手方向L’に対して離れるように傾くことが不可能であり、同時にグリッパ・チップ5’は、予め定めることが可能な長手方向のロック力によって、長手方向L’に関してグリッパ・ジョー7’に対しロックされるようになされている。
【0026】
接続要素V’は、ハンドルとして成形された正面の形をとる第1のロック要素V1’を含み、接続ソケットは、相応して第1のロック要素V1’を幾何学的に補完する第2のロック要素を含み、この要素は、長手方向のロック力Fを発生させるために、第1のロック要素V1’を第2のロック要素でロックすることができるように設計されている。
図1による特定の実施例では、プラスチックOリングの形をした弾性力要素O’が、所望のロック力をより良好に又は最適に調節することができるように追加のロック要素として設けられる。
【0027】
実際に、異なるセンサ、様々な電子構成要素、又は他の構成要素、例えば機械式、液圧式、又は空気圧式構成要素であって、それ自体が既知の手法で最新のグリッパ・フィンガ6’により複数の仕事を履行することができるものを、グリッパ・チップ5’並びにグリッパ・ジョー7’に設けることができる。
【0028】
図1の本実施例では、接続要素V’は、グリッパ・チップ5’とグリッパ・ジョー7’との間で電気エネルギーを伝達するための電線路として同時に設計され、したがってそれらは、場合により既存のセンサ又はその他の電子構成要素に電気エネルギーを供給することができる。さらに、グリッパ・チップ5’とグリッパ・ジョー7’との間でセンサ信号を伝送するために設けられたプラグST’がある。
【0029】
グリッパ・チップ5’及びグリッパ・ジョー7’にそれぞれ設けられた固定穴51’及び71’は、本発明による取付けデバイスにグリッパ・チップ5’又はグリッパ・ジョー7’を固定するための本発明の特定の実施例で提示することができるので、ここには図示されていない、固定ボルトを受容するために使用される。
【0030】
したがって
図1のグリッパ・フィンガ6’は、長手方向L’に沿った1回の単一線形移動によってグリッパ・チップ5’をグリッパ・ジョー7’から分離すること、及びそれに相応して組み立てることの可能性によって、特に特徴付けられる。
【0031】
図2及び
図3に基づいて記述され且つ符号1により全体として以下に示される、本発明による取付けデバイスは、
図1によるタイプのグリッパ・フィンガに特に適しており、この図には、本発明による取付けデバイス1が
図1によるグリッパ・フィンガの適用例に少しも限定されず、実際には、グリッパ・チップを置き換えるための複数の完全に異なるタイプのグリッパ・フィンガに有利に首尾良く使用できることも明示されている。
【0032】
実施するのにさらにより好ましい、本発明による取付けデバイス1の実施例を、概略
図2に基づいて、その動作状態を概略的に示す。理解されるように、取付けデバイス1は、グリッパ・チップ5及びグリッパ・ジョー7を既に受容しており、しかしこれらは、
図2に示される処理ステップでは依然として互いから分離されており、グリッパ・フィンガ6を完成するための、
図3に表される置換え手順の後続の処理ステップでのみ組み立てられている。
【0033】
ロボット・システム用グリッパ・フィンガ6のグリッパ・チップ5を置き換えるための、
図2又は
図3に示される本発明による取付けデバイス1は、基部キャリッジ3及び遠隔キャリッジ4を有する取付けレール2を含む。基部キャリッジ3は、グリッパ・フィンガ6のグリッパ・ジョー7を固定するための第1の固定作用物30を含み、遠隔キャリッジ4は、グリッパ・チップ5を固定するための第2の固定作用物40を含んでおり、これらは、グリッパ・ジョー7を、長手方向Lに対して基部キャリッジ3に第1の固定作用物30によりを固定することができるように、並びにグリッパ・チップ5を、長手方向Lに対して遠隔キャリッジ4に第2の固定作用物40により固定することができるようになされている。本発明によれば、基部キャリッジ3及び遠隔キャリッジ4は、グリッパ・チップ5がロックされる位置VPにおいてグリッパ・ジョー7にロックされるように、並びにグリッパ・チップ5がロック解除される位置EPにおいてグリッパ・ジョー7からロック解除されるように、長手方向Lに沿ってロックされる位置VPとロック解除される位置EPとの間で互いに対して移動可能に配置構成される。
【0034】
本発明の特定の実施例において、第1の固定作用物30は第1の固定ボルト31であり、第2の固定作用物40は第2の固定ボルト41であり、この第1の固定ボルト31は、基部キャリッジ3で長手方向Lに対して垂直に配置構成されており、このときグリッパ・ジョー7は、長手方向Lに対して基部キャリッジ3に、グリッパ・ジョー7の第1の固定穴71に第1の固定ボルト31を用いることによって固定されるようになされている。類推によれば、第2の固定ボルト41は、遠隔キャリッジ4で長手方向Lに対して垂直に配置構成されており、このときグリッパ・チップ5は、長手方向Lに対して遠隔キャリッジ4に、グリッパ・チップ5の第2の固定穴51に第2の固定ボルト41を用いることによって固定されるようになされている。
【0035】
グリッパ・チップ5又はグリッパ・ジョー7を取り付けるため、さらなる第1の固定作用物30として第1の案内要素32を追加として設け、さらなる第2の固定作用物40として第2の案内要素42を設け、これらの案内要素は、基部キャリッジ3及び遠隔キャリッジ4にそれぞれグリッパ・チップ5及びグリッパ・ジョー7を長手方向に取り付け案内するための、U字形案内要素の形でそれぞれ配置構成される。
【0036】
グリッパ・チップ5を置き換えるための置換え手順は、詳細には下記の通りである:最初に、取付けデバイス1は、ロックされる位置VPにあり、したがって遠隔キャリッジ4と基部キャリッジ3との間の距離は、まだロックされた状態にある、即ち組み立てられたままの状態にあるグリッパ・フィンガ6を、第1の固定穴71が第1の固定ボルト31を受容することができるように並びに第2の固定穴51が第2の固定ボルト41を受容することができるように、両方のU字形案内要素32、42に挿入するのに十分なものである。第1の固定ボルト31及び第2の固定ボルト41のおかげで、グリッパ・フィンガ6は長手方向Lに関し、グリッパ・チップ5を遠隔キャリッジ4に対して並びにグリッパ・ジョー7を基部キャリッジ3に対して確実に固定される。さらに両方の案内要素32、42は、グリッパ・フィンガ6に、長手方向Lに沿って、必要な側方案内を行う。グリッパ・フィンガ5が、本発明による取付けデバイス1に確実に設置された場合、取付けデバイス1は、ロックされる位置VPからロック解除される位置EPに移り、したがって
図3に示されるように、グリッパ・フィンガ6は、グリッパ・チップ5がグリッパ・ジョー7からロック解除され並びにそこから完全に分離するような手法で、分解されるようになる。
【0037】
次いでグリッパ・フィンガ5は、明瞭にする理由で
図2及び3に図示されていないデバイスによって、単独で案内要素42から取り外され、その後、別のグリッパ・フィンガ5を、案内要素42に逆に挿入する。次いで取付けデバイス1を、再びロックされる位置VPに移動させ、それによって、新しいグリッパ・チップ5を、まだ案内要素32内に位置決めされたままのグリッパ・ジョー8と共に再度組み立てロックする。その結果、さらなる使用のために取付けデバイス1から全体を得るだけでよい、組み立てられ並びに完全に機能的なグリッパ・フィンガ6が再び存在する。
【0038】
取付けデバイス1を、ロックされる位置VPからロック解除される位置EPに移すために、及びその逆を行うために、遠隔キャリッジ4は、長手方向Lに沿って、基部キャリッジ3に対し、電気駆動装置9を用いる駆動ロッド8を介して、この場合は既知の駆動スクリュを介して移動させることができる。当業者なら、その他の実施例において、基部キャリッジ3及び遠隔キャリッジ4の相対的な変位は、それ自体が既知のその他の手法で、例えば電気駆動装置9なしで又は駆動ロッドなしで行うこともでき、遠隔キャリッジの代わりに基部キャリッジ又はさらに両方を、長手方向において取付けレールに移動可能に配置構成できることが理解されよう。
【0039】
上記例示され且つ図に概略的に表された構成は、他の構成を形成するように且つ実際に特別な要件を満たすように、任意の組合せで使用できることが自明である。