【文献】
ドラゴンクエストIX 星空の守り人 DRAGON QUEST IX,デンゲキニンテンドーDS 第9巻 第16号,アスキー・メディアワークス,2009年 7月23日,第9巻,P.134−143
【文献】
ドラゴンクエストIX 星空の守り人 DRAGON QUEST IX,週刊ファミ通 第24巻 第32号,株式会社エンターブレイン,2009年 7月21日,第24巻,P.104
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ゲームサーバが提供する仮想空間内に存在するキャラクタがクライアントの入力装置により入力操作されるゲームを提供するための,情報通信回線を通じて接続されたコンピュータを用いたオンラインのゲームシステムであって,
複数のキャラクタが含まれるパーティーに関するパーティー情報を記憶するパーティー記憶部と,
各キャラクタを操作するクライアントの表示装置に,自身が操作するキャラクタが到達経験のある地点を当該キャラクタが移動可能な地点として表示する表示部と,
該表示部により表示された地点が選択された場合に,前記キャラクタを当該地点に移動させる移動部と,
前記複数のキャラクタそれぞれが移動する地点として選択された地点が一致しない場合,一の地点を決定する決定部とを含み,
前記移動部は,前記決定部により決定された一の地点に到達経験のないキャラクタを含む場合であっても,前記複数のキャラクタを当該一の地点に移動させる
ゲームシステム。
前記表示部は,前記クライアントの表示装置に,他のクライアントが操作するキャラクタが到達経験のある地点を当該他のクライアントが操作するキャラクタに対応する地点として表示する
請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
ゲームサーバが提供する仮想空間内に存在するキャラクタがクライアントの入力装置により入力操作されるゲームを提供するための,情報通信回線を通じて接続されたコンピュータを用いたオンラインのゲームシステム用のプログラムであって,
前記コンピュータを,
パーティー記憶部に,複数のキャラクタが含まれるパーティーに関するパーティー情報を記憶するパーティー記憶手段と,
各キャラクタを操作するクライアントの表示装置に,自身が操作するキャラクタが到達経験のある地点を当該キャラクタが移動可能な地点として表示する表示手段と,
該表示手段により表示された地点が選択された場合に,前記キャラクタを当該地点に移動させる移動手段と,
前記複数のキャラクタそれぞれが移動する地点として選択された地点が一致しない場合,一の地点を決定する決定手段とを含み,
前記移動手段は,前記決定手段により決定された一の地点に到達経験のないキャラクタを含む場合であっても,前記複数のキャラクタを当該一の地点に移動させる
ものとして動作させる
ゲームシステム用プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したようなMMORPGにおいては,複数のプレイヤキャラクタによってパーティーを構成し,パーティー内のプレイヤキャラクタ同士が協力して,課題の達成を目指すことが一般的である。パーティーを構成したユーザ同士は,互いに親密にコミュニケーションをとりながら,課題の達成を目指していく。しかしながら,従来のMMORPGでは,パーティーに含まれるプレイヤキャラクタがゲームオーバーとなると,パーティー内のプレイヤキャラクタは,それぞれ自らの復活ポイントに復活する。すなわち,従来のMMORPGにおいては,複数のプレイヤキャラクタによりパーティーが構成されている場合であっても,プレイヤキャラクタごとに,ゲームオーバー後に復活するポイントが異なっていた。
【0007】
このように,パーティー内に含まれるプレイヤキャラクタの復活ポイントが異なると,もう一度同じメンバーで同じパーティーを組み課題達成を目指したいような場合,仮想空間内における各自の復活ポイントからパーティーの集合場所へプレイヤキャラクタを移動操作させなければならない。このような復活ポイントから集合場所への移動は,実世界における時間の浪費となっていた。
【0008】
また,MMORPGにおいては,ユーザ同士がパーティーを組むことができ,パーティーごとに協力しあって課題の達成を目指すことができる点に醍醐味がある。しかしながら,パーティー内のプレイヤキャラクタ全員がゲームオーバーとる都度,プレイヤキャラクタが各自の復活ポイントへ戻されると,ユーザは,他のユーザとパーティーを再構成することを億劫に感じ,オンラインゲーム自体の面白みが損なわれてしまうという問題が生じていた。
【0009】
そこで,本発明は,ゲームオーバー後におけるパーティーの再構築を簡便なものとし,パーティー構築のための時間の浪費を回避することを目的とする。また,本発明は,ユーザに対してパーティーの再構築を促し,オンラインゲームの趣向性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は,基本的には,ゲームのユーザが,パーティーに含まれる他のキャラクタの復活ポイントをも選択できるようにクライアントの表示装置に表示する。これにより,パーティーに含まれる各キャラクタの復活ポイントについて,他のキャラクタの復活ポイントをも選択することができるため,パーティーを再構築するために1つの場所に集まるという時間の浪費を回避できる。同時に,パーティー再構築のための動機づけとなるため,オンラインゲームの面白みを損なうこともなくなる。
【0011】
本発明の第1の側面は,ゲームサーバが提供する仮想空間内に存在するキャラクタがクライントの入力装置により入力操作される,情報通信回線を通じて接続されたコンピュータを用いたオンラインのゲームシステムに関する。
本発明に係るゲームシステムは,パーティー記憶部と,条件記憶部と,復活ポイント記憶部と,判定部と,復活ポイント抽出部と,復活ポイント表示部を含む。
パーティー記憶部は,複数のキャラクタが含まれるパーティーに関するパーティー情報を記憶する。
条件記憶部は,パーティーがゲームオーバーとなる条件を記憶する。
復活ポイント記憶部は,パーティーに含まれるキャラクタそれぞれの復活ポイントを記憶する。
判定部は,パーティー記憶部及び条件記憶部を参照して,パーティーがゲームオーバーとなるゲームオーバー条件を満たしているか否かを判定する。
復活ポイント抽出部は,判定部によりゲームオーバー条件を満たしていると判定された場合に,復活ポイント記憶部からパーティーに含まれるキャラクタの復活ポイントを抽出する。
復活ポイント表示部は,復活ポイント抽出部により抽出された復活ポイントを,パーティーに含まれるキャラクタを入力操作するクライアントの表示装置に表示し,ゲームのユーザに対して復活ポイントの選択を促す。
【0012】
このようにして,本発明は,ゲームのユーザに対して,パーティーに含まれるすべてのキャラクタの復活ポイントの中から復活ポイントの選択を促すため,ユーザは,他のプレイヤの復活ポイントであっても復活することができる。従って,キャラクタ同士がパーティーを再構築するために1つの場所に集まるという手間を省くことができ,実時間の節約につながる。また,パーティーを再構築することが簡易になるため,パーティーを構築したゲームをプレイすることを促進することができ,ゲームの趣向性を向上させることができる。
【0013】
本発明に係るゲームシステムにおいて,復活ポイント表示部は,復活ポイント抽出部によって抽出された復活ポイントのうち,クライアントにより入力操作されるキャラクタが到達経験のある復活ポイントを,そのクライアントの表示装置に表示し,ゲームのユーザに対して,到達経験のある復活ポイントの選択を促すことが好ましい。すなわち,MMORPGにおいては,ゲームサーバによって提供される仮想空間内における特定の地点が,復活ポイントとなり得る。ゲームサーバ又は各クライアントは,仮想空間内においてキャラクタが到達したことがある地点を記憶している。
【0014】
これにより,本発明は,ユーザに対して,ゲームのシナリオに沿ったプレイをさせることができ,ユーザのゲームに対する興味を持続させることができる。
【0015】
本発明に係るゲームシステムは,クライアントの表示装置に復活ポイントの選択を促す表示が示されている間,それぞれのクライアントの入力装置により入力されたテキスト情報を,パーティーに含まれるキャラクタを入力操作するクライアントの表示装置に表示するためのテキスト情報表示部をさらに含むことが好ましい。
【0016】
このような構成を有していることにより,本発明は,チャットにより,パーティーに含まれる各キャラクタの復活ポイントを,パーティー内のユーザ間で相談しあって決定することができる。従って,パーティー全体としてゲームオーバーとなった場合でも,再びパーティーを再構築することを,より促進することができる。
【0017】
本発明に係るゲームシステムは,判断手段と,ゲーム処理部と,復活処理部をさらに有していることが好ましい。
判断手段は,パーティーに含まれるキャラクタを入力操作する各クライアントの入力装置により入力選択された復活可能ポイントが,一致しているか否かを判断する。
ゲーム処理部は,判断手段により復活可能ポイントが一致していないと判断された場合には,パーティーに含まれる複数のキャラクタの中から,一の勝者を決定するためのゲームを実行する。
復活処理部は,ゲーム処理部により実行されたゲームの勝者であるキャラクタを操作するクライアントの入力装置により入力選択された復活ポイントに,パーティーに含まれるキャラクタを復活させる。
【0018】
このような構成を有していることにより,本発明は,パーティーに含まれるユーザが決定した復活ポイントがすべて一致しなかった場合,パーティー内に含まれるキャラクタの復活ポイントをゲームによって決定することができる。このように,パーティーに含まれるキャラクタの復活ポイントをゲームによって統一することができるため,よりパーティーを再構築することの動機づけとなりうる。また,ユーザが参加している主たるゲームが,ゲームオーバーとなった後でも,ユーザは従たるゲーム(ミニゲーム)を楽しむことができるため,ユーザの興味や関心を惹きつけることができる。
【0019】
本発明の第2の側面は,ゲームサーバが提供する仮想空間内に存在するキャラクタがクライントの入力装置により入力操作される,情報通信回線を通じて接続されたコンピュータを用いたオンラインのゲームシステム用プログラムに関する。
本発明に係るプログラムは,コンピュータを,パーティー記憶手段,条件記憶手段,復活ポイント記憶手段,判定手段,復活ポイント抽出手段,及び復活ポイント表示手段を含むコンピュータとして動作させる。
パーティー記憶手段は,複数のキャラクタが含まれるパーティーに関するパーティー情報を記憶するための手段である。
条件記憶手段は,パーティーがゲームオーバーとなる条件を記憶するための手段である。
復活ポイント記憶手段は,パーティーに含まれるキャラクタそれぞれの復活ポイントを記憶するための手段である。
判定手段は,パーティー記憶手段及び条件記憶手段を参照して,パーティーがゲームオーバーとなるゲームオーバー条件を満たしているか否かを判定するための手段である。
復活ポイント抽出手段は,判定手段によりパーティーがゲームオーバーになったと判定された場合に,復活ポイント記憶手段からパーティーに含まれるキャラクタの復活ポイントを抽出するための手段である。
復活ポイント表示手段は,復活ポイント抽出手段により抽出された復活ポイントをパーティーに含まれるキャラクタを入力操作するクライアントの表示装置に表示し,ゲームのユーザに対して復活ポイントの選択を促すための手段である。
【0020】
本発明の第3の側面は,本発明第2の側面に係るゲームシステム用プログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な情報記録媒体に関する。
【発明の効果】
【0021】
上記した構成を有することにより,本発明は,ゲームオーバー後におけるパーティーの再構築を簡便なものとすることにより,パーティー構築のための時間の浪費を回避することができ,かつ,ユーザに対してパーティーの再構築を促し,オンラインゲームの趣向性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下,発明を実施するための形態について説明する。ただし,本発明は,以下に説明する実施態様に限定されるものではない。すなわち,本発明は,以下に説明する実施態様から当業者に自明な範囲で適宜修正される範囲を含む。
【0024】
図1は,本発明に係るゲームシステム1を実現するためのシステムのブロック図である。
図1に示されるとおり,本発明のシステム1は,サーバ2及びクライアント3を含む。サーバ2は,インターネットなどの通信回線を介して,複数のクライアント3と接続されている。サーバ2は,仮想空間提供するためのゲームサーバであり,通信回線を介して,クライアント3に対し,ゲームプログラムをダウンロード又はストリーミング配信を行なうことができる。クライアント3には,サーバ2からゲームプログラムをダウンロード又はストリーミング配信するためのプログラムが格納されている。なお,サーバ2は,複数存在していてもよい。
【0025】
サーバ2は,
図1に示すように,入出力部21,制御部22,演算部23,及び記憶部24を有し,それらの要素はバス25などで接続されており,情報の授受を行うことができるようになっている。本実施態様においては,例えば,サーバの制御部22,演算部23,記憶部24の作業空間は,
図3に示すパーティー記憶部10,条件記憶部11,復活ポイント記憶部12,判定部13,復活ポイント抽出部14,復活ポイント表示部15,テキスト情報表示部16,判断部17,ゲーム処理部18,復活処理部19として機能することとしてもよい。入出力部11から所定の情報が入力されると,制御部12は,記憶部14のメインメモリに格納されている制御プログラムを読み出す。そして,制御部12は,制御プログラムの指令に従って,適宜記憶部14に記憶されたデータを読み出し,演算部13にて所定の演算を行う。そして,演算結果を記憶部14に一時的に記憶して,入出力部11から情報を出力する。
【0026】
図2は,クライアント3のハードウェア構成例を示すブロック図である。クライアント3は,入力装置31,CPU32,演算装置33,記憶装置34及び画像処理ブロック35を有する。そして,各要素はバス36により情報の授受ができるように接続されている。また,このゲームシステムは,バス36を介してインターフェース(I/F)37と接続されている。このため,例えばこのゲームシステムは,I/F37を介して,プログラムを格納した情報記録媒体38と接続することができる。この情報記録媒体38に格納されているプログラムは,コンピュータや画像処理装置を,所定の手段として機能させるためのものである。また,このプログラムは,コンピュータや画像処理装置に所定のステップを実行させるためのものである。なお,I/F37を介して接続されるメモリが,記憶装置24の全部又は一部として機能してもよい。
【0027】
画像処理ブロック35は,グラフィック処理ユニット(GPU)39及びビデオRAM(VRAM)40を有する。そして,GPU39及びVRAM40は,情報の授受を行うことができるように接続されている。図中符号41は表示装置(モニタ)を示し,符号42はスピーカを示す。
【0028】
本実施態様においては,例えば,クライアントのCPU32,演算装置33,記憶装置34の作業空間,及び情報記録媒体38に格納されたゲーム用プログラムは,
図3に示すパーティー記憶部10,条件記憶部11,復活ポイント記憶部12,判定部13,復活ポイント抽出部14,復活ポイント表示部15,テキスト情報表示部16,判断手段17,ゲーム処理部18,復活処理部19として機能することとしてもよい。入力装置31から操作情報が入力された場合,操作情報はバス36を介してCPU32へ伝えられる。すると,CPU32は,情報記録媒体38に格納されるプログラムを読出し,所定の処理を行う。CPU32は,プログラムからの指令に従って,記憶装置34や情報記録媒体38に記憶される各種情報を読出し,演算装置33において所定の演算を行う。CPU32は,演算結果を適宜記憶装置34に記憶し,演算結果を用いてモニタ41やスピーカ42から適切な情報を出力する。
【0029】
図3は,本発明に係るゲームシステムのブロック図である。本発明に係るゲームシステムは,パーティー記憶部10,条件記憶部11,復活ポイント記憶部12,判定部13,復活ポイント抽出部14,復活ポイント表示部15,テキスト情報表示部16,判断手段17,ゲーム処理部18,及び復活処理部19を含む。これらの各要素は,バスを介して情報の授受が可能なように接続されている。なお,これらの要素は,ゲームシステムを構成するサーバ2又はクライアント3のいずれかによって達成されればよい。
【0030】
パーティー記憶部10は,複数のキャラクタが含まれるパーティーに関するパーティー情報を記憶している。キャラクタは,画像処理部により生成され,クライアント3の表示画面41に表示される。キャラクタは,各クライアント3の入力装置31によって入力操作され,ゲームサーバが提供する仮想空間内において行動する。また,パーティーとは,キャラクタ同士の集団や徒党を意味し,キャラクタを操作するプレイヤは,任意に,他プレイヤを集めてパーティーを構成することができる。なお,コンピュータにおける処理のうえでは,パーティーを1のキャラクタによって構成することも可能である。また,パーティーを構成するキャラクタ数は,ゲームの進行に応じ,適宜増減させることもできる。パーティー情報は,パーティーに含まれる1又は複数のキャラクタIDやプレイヤIDを関連付けて,パーティー記憶部11に記憶されている。
【0031】
本発明に係るゲームシステムは,別途,キャラクタIDやプレイヤIDを記憶するための記憶部を有していてもよい。一般的なゲームシステムにおいては,ID情報を複数記憶できる。会員制ウェブサイトと関連したゲームシステムである場合は,そのウェブサイトの会員番号をID情報として用いてもよい。また,例えば,入会順に割り振られるID情報を用いてもよい。この場合,一般的に,サーバのデータベースの一部がID情報記憶部して機能する。また,ゲームシステムが,カードゲーム方式であり,専用のカードを利用するものである場合は,プレイヤIDやキャラクタIDを示すカードに割り当てられたID情報を用いてもよい。
【0032】
条件記憶部11は,パーティーがゲームオーバーとなる条件を記憶する。パーティーがゲームオーバーになる条件は,例えば,パーティーに含まれるキャラクタすべてのHPパラメータが0になった場合や,パーティー内のある特定のキャラクタのHPが0になった場合,課題達成のために設定された制限時間を徒過した場合,ゲーム内における特定のオブジェクトが敵キャラクタによって破壊された場合のように,ゲームのシナリオや課題ごとに,適宜設定される。また,条件記憶部11は,HPパラメータが0になった場合のようなキャラクタがゲームオーバーになる条件を記憶し,パーティーに含まれるすべてのキャラクタがゲームオーバーになったことをゲームオーバー条件として記憶していてよい。なお,条件記憶部11には,ゲームのシナリオや課題ごとのクリア条件を記憶し,このクリア条件が満たされなかった場合をゲームオーバーとなる条件と設定してもよい。
【0033】
復活ポイント記憶部12は,パーティーに含まれるキャラクタそれぞれの復活ポイントを記憶する。ここにいう復活ポイントとは,プレイヤキャラクタのゲームの進捗状況が最後に更新(セーブ)された仮想空間内における地点を意味し,クライアントやゲームサーバの記憶部(I/Fを介して接続されるメモリを含む)に記憶されている。一般的なRPGにおいては,プレイヤキャラクタのゲームの進捗状況を更新することができるセーブ地点は,特定の場所に制限されている。そして,プレイヤキャラクタがゲームオーバーになると,プレイヤキャラクタは,最後に進捗状況の更新を行ったセーブ地点に復活する。本明細書においては,このような最後に進捗状況の更新を行ったセーブ地点を,復活ポイントと呼ぶ。
【0034】
復活ポイント記憶部12は,パーティーに含まれるキャラクタのそれぞれについて復活ポイントを記憶している。具体的には,復活ポイント記憶部12は,キャラクタごとに設定されているID,又はキャラクタを操作するプレイヤごとに設定されているIDと関連付けて,復活ポイントに関する情報を記憶している。復活ポイントに関する情報の例としては,復活ポイントの名前や,仮想空間内におけるフィールドのx,y座標値,仮想空間内に存在する街や教会などのID情報が挙げられる。
【0035】
判定部13は,パーティー記憶部10及び条件記憶部11を参照して,パーティーがゲームオーバーとなるゲームオーバー条件を満たしているか否かを判定する。具体的には,判定部13は,パーティー記憶部10を参照して,パーティーに含まれているそれぞれのキャラクタを特定する。そして,条件記憶部11を参照して,あるパーティーがゲームオーバー条件を満たしているか否かを,パーティーに含まれるキャラクタに関する情報に基づいて判定する。判定部は,例えば,パーティーに含まれるキャラクタのHPパラメータに基づいてゲームオーバー条件を判定する。また,判定部13は,パーティー記憶部10及び条件記憶部11を参照して,パーティーに含まれるすべてのキャラクタがゲームオーバー条件を満たしているか否かを判定するものであってもよい。
【0036】
復活ポイント抽出部14は,判定部13がゲームオーバー条件を満たしていると判定した場合に,復活ポイント記憶部12からパーティーに含まれるキャラクタの復活ポイントに関する情報を抽出する。例えば,クライアントの記憶部が復活ポイント記憶部12として機能している場合,復活ポイント抽出部14は,パーティーに含まれるキャラクタを操作するクライアントの記憶部にアクセスし,キャラクタの復活ポイントの場所や,復活ポイントの名前を読み出し,その結果をサーバに一時的に記憶する。この処理を,パーティーに含まれるキャラクタを操作するクライアントの全てについて行い,パーティーに含まれるキャラクタすべての復活ポイントに関する情報を収集する。
【0037】
復活ポイント表示部15は,復活ポイント抽出部14により抽出したキャラクタの復活ポイントに関する情報を,パーティーに含まれるキャラクタを入力操作するクライアントそれぞれの表示画面に表示する。これにより,復活ポイント表示部15は,ゲームのユーザに対して復活ポイントの選択を促す。
【0038】
図4は,クライアントの表示画面に,復活ポイントに関する情報51が表示される画像の一例を示している。
図4においては,パーティー記憶部10に,キャラクタA,キャラクタB,及びキャラクタCが,パーティー52を構築するものとして記憶されている例を示している。また,
図4に示す例においては,表示画面上の左上端に,パーティー51に含まれるキャラクタの名前(キャラA,キャラB,キャラC),及びそのキャラクタの復活ポイントの名前(ポイントα,ポイントβ,ポイントγ)が表示されている。そして,「どこに戻る?」というテキストが表示され,ゲームのプレイヤに対して復活ポイントの選択を促している。
【0039】
復活ポイント表示部15は,復活ポイント抽出部14によって抽出された復活ポイントのうち,クライアントにより入力操作されるキャラクタが到達経験のある復活ポイントのみを,そのクライアントの表示装置に表示する。これにより,ゲームのユーザに対して,到達経験のある復活ポイントのなかから,次の復活ポイントの選択を促す。すなわち,復活ポイント表示部15は,抽出した復活ポイントの中から,キャラクタが到達経験のある復活ポイントを選択し,クライアントの表示装置に表示する。従って,他のキャラクタの復活ポイントとして,復活ポイント記憶部に記憶されていたとしても,その復活ポイントに到達経験のないキャラクタを操作するクライアントの表示装置には表示されない。
【0040】
ゲームの進捗状況に応じて,キャラクタが到達した復活ポイントは,順次増えていく。クライアント又はサーバの記憶部には,各キャラクタが到達した復活ポイントに関する情報が記憶されている。すなわち,ゲームが進行し,キャラクタが新しい復活ポイントに到達すると,そのキャラクタが新しい復活ポイントに到達したことを記憶する。このようにしてクライアント又はサーバの記憶部には,各キャラクタについて,到達経験のある復活ポイントに関する情報が記憶されている。そして,復活ポイント表示部15は,この記憶部を参照し,復活ポイント抽出部14により抽出された復活ポイントの中から,パーティーに含まれるキャラクタのそれぞれについて到達経験のある復活ポイントであるか否かを判断し,到達経験のある復活ポイントのみを各クライアントの表示装置に表示する。
【0041】
図5は,パーティーを構成する各クライアントの表示装置に表示される復活ポイントに関する情報の表示例を示す図である。例えば,
図5(a)はクライアント3aの表示装置に表示される復活ポイントに関する情報を示し,
図5(b)はクライアント3bの表示装置に表示される復活ポイントに関する情報を示し,
図5(c)はクライアント3cの表示装置に表示される復活ポイントに関する情報を示している。なお,キャラA,キャラB,キャラCは,それぞれクライアント3a,クライアント3b,クライアント3cによって入力操作されるキャラクタの名前であり,キャラA,キャラB,及びキャラCによってパーティーが構成されている。ここで,キャラAは,キャラB及びキャラCの復活ポイントであるポイントβ及びポイントγにも到達経験がある。従って,キャラAを操作するクライアント3aの表示装置には,
図5(a)に示すように,ポイントα,ポイントβ,ポイントγが表示される。一方,キャラBは,キャラAの復活ポイントであるポイントαには到達経験があるが,キャラCの復活ポイントであるポイントγには未到達である。従って,キャラBを操作するクライアント3bの表示装置には,
図5(b)に示すように,ポイントα及びポイントβのみが表示される。同様に,キャラCは,キャラAの復活ポイントであるポイントαには到達経験があるが,キャラBの復活ポイントであるポイントβには未到達である。従って,キャラCを操作するクライアント3cの表示装置には,
図5(c)に示すように,ポイントα及びポイントγのみが表示される。
【0042】
テキスト情報表示部16は,パーティーに含まれる各クライアントの入力装置(キーボード等)によって入力されたテキスト情報を,そのクライアントの表示画面,及びインターネット回線を介して接続されている他のクライアントの表示画面に表示させる。つまり,クライアントは,テキスト情報が入力されると,入力されたテキスト情報を,インターネット回線を介してサーバに送信するとともに,表示装置に表示する。ゲームサーバは,クライアントからテキスト情報を受信すると,パーティーに含まれる他のクライアントに対してそのテキスト情報を送信する。サーバからテキスト情報を受信した他のクライアントは,受信したテキスト情報を表示装置に表示する。
【0043】
特に,テキスト情報表示部16は,各クライアントの入力装置に入力されたテキスト情報のうち,パーティー関係にあるクライアントに入力されたテキスト情報については,キャラクタ情報と隣接させて表示する。キャラクタ情報には,キャラクタの顔画像や,キャラクタの名前,キャラクタに関する各種パラメータが含まれる。
【0044】
図4において,クライアントの表示画面に,各キャラクタのキャラクタ情報及び入力されたテキスト情報が表示された例を示す。
図4において,表示画面の右下端には,キャラA,キャラB,及びキャラCのキャラクタ情報53が表示されている。また,
図4においては,キャラクタを操作するクライアントの入力装置を介して入力されたテキスト情報54が,キャラクタ情報53の左隣にポップアップ表示されている。本実施例においては,テキスト情報54は,各クライアントの入力装置に入力された後,20秒間表示画面上に表示され続ける。そして,テキスト情報54は,入力されてから20秒が経過した後に,表示画面上から消えるよう設定されている。このように,ゲームプレイヤは,チャットにより会話を介して,選択する復活ポイントの相談をすることができる。
【0045】
判断手段17は,パーティーに含まれるキャラクタを入力操作する各クライアントの入力装置により入力選択された復活可能ポイントが,一致しているか否かを判断する。復活ポイント表示部によりパーティーに含まれるキャラクタの復活ポイントが表示されると,ゲームのユーザは,クライアントの表示部に表示された復活ポイントの中から,希望する復活ポイントを選択する。ユーザにより選択された復活ポイントの情報は,クライアントごとに一時的に記憶部に記憶される。そして,判断手段17は,この記憶部からクライアントごとに選択された復活ポイントの情報を読み出し,ユーザによって選択された復活ポイントが一致しているか否かを判断する。
【0046】
ゲーム処理部18は,判断手段17によりユーザが選択した復活可能ポイントが一致していないと判断した場合に,パーティーに含まれる複数のキャラクタの中から,一の勝者を決定するためのゲームを実行する。ゲーム処理部18は,ゲームサーバの記憶部24のメインメモリに格納されているゲーム制御プログラムを読み出し,ゲーム処理を実行する。なお,ゲーム制御プログラムは,クライアントのI/Fを介して接続されるメモリに格納されているのもであってもよいし,ゲームサーバからダウンロードすることによりクライアントのメモリに格納されるものであってもよい。
【0047】
ゲーム処理部18により実行されるゲームは,勝者が一人決定するものであればよく,様々な態様のものが考えられる。実行されるゲームの内容は,例えば,じゃんけんゲームや,サイコロゲーム,トランプゲーム,シューティングゲーム,格闘ゲームである。ゲームを実行するための処理については既に知られている。ゲーム処理部18によってゲームの勝者が決定すると,ゲームの勝者に関する情報は,一時的に記憶部に記憶される。
【0048】
ただし,ユーザが選択した復活ポイントが一致していなかった場合にゲーム処理を開始する構成は,任意の構成である。ユーザが選択した復活ポイントが一致していなかった場合であっても,それぞれのユーザが選択した復活ポイントにキャラクタを復活させることとしてもよい。また,復活ポイントを一致させるためにゲーム処理を開始するか否かを,ユーザに選択させることとしてもよい。
【0049】
復活処理部19は,原則的には,クライアントの入力装置によって選択された復活ポイントにキャラクタを復活させる。復活ポイントに関する情報は,復活ポイント記憶部12に記憶されている。復活処理部19は,復活ポイント記憶部12から復活ポイントに関する情報を読み出し,仮想空間において選択された復活ポイントが存在する地点にキャラクタを復活させる。復活処理部19は,キャラクタを復活させる際,そのキャラクタのパラメータ(例えばヒットポイント,経験値,所持金)をすべて,その復活ポイントでゲームの進捗状況をセーブした時点の状態に戻すこととしてもよい。また,復活処理部19は,キャラクタがゲームオーバーになった時点のパラメータの状態を維持して,キャラクタが存在する位置のみ復活ポイントに戻すこととしてもよい。また,復活処理部19は,特定のパラメータに関してはゲームオーバー時点の状態を維持し,他のパラメータに関しては数値を変化させることとしてもよい。
【0050】
一方,ユーザにより選択たされた復活ポイントが一致していない場合に,一の勝者を決定するためのゲーム処理が開始される構成又は設定となっている場合,復活処理部19は,
ゲーム処理部18により実行されたゲームの勝者によって選択された復活ポイントに,パーティーに含まれるすべてのキャラクタを復活させる。この場合,復活処理部19は,ゲーム処理部18によって決定されたゲームの勝者が選択した復活ポイントを記憶部から読み出し,その復活ポイントで,パーティーに含まれるキャラクタを復活させる処理を行う。
【0051】
次に,
図6を参照して,本実施の形態にかかるゲームシステムの動作について説明する。
【0052】
ゲームシステムは,パーティー記憶部10に記憶されているパーティー情報に基づいて,パーティーに含まれるキャラクタを特定する。そして,判定部13により,条件記憶部11に記憶されているゲームオーバー条件を参照して,パーティーがゲームオーバーとなるゲームオーバー条件を満たしているか否かを,パーティーに含まれるキャラクタに関する情報をもとに判定する(ステップS1)。例えば,判定部13は,あるパーティーに含まれるすべてのキャラクタのHPパラメータが0となったときに,そのパーティーはゲームオーバーになったものと判定する。
【0053】
判定部13が,パーティーがゲームオーバー条件を満たしていないと判断した場合には,通常実行されているゲーム処理に戻る。
【0054】
一方,判定部14が,パーティーがゲームオーバー条件を満たしていると判断した場合には,復活ポイント抽出部14は,復活ポイント記憶部12をからパーティーに含まれるキャラクタそれぞれの復活ポイントを抽出する(ステップS2)。
図6のフローチャートにおいては,パーティーに3つのキャラクタが含まれ,3つのキャラクタそれぞれについて復活ポイントが,A,B,及びCであると記憶されている場合の例を示している。従って,復活ポイントに抽出部14が復活ポイント記憶12から抽出する復活ポイントは,A,B,及びCとなる。
【0055】
次に,復活ポイント表示部15は,各キャラクタが到達経験のあるポイントを記憶している記憶部を参照して,抽出した復活ポイントのそれぞれについて,パーティーに含まれる各キャラクタが復活可能であるか否かを判断する(ステップS3a,ステップ3b,ステップ3c)。つまり,復活ポイント表示部15は,キャラクタが到達経験のある復活ポイントと,パーティーに含まれるキャラクタの復活ポイントが一致する場合には,その一致するポイントついてそのキャラクタは復活可能であると判断する。
図6のフローチャートにおいては,抽出された復活ポイントであるA,B,及びCのそれぞれについて,パーティーに含まれるキャラクタのそれぞれが,復活可能であるか否かを判断する。
【0056】
復活ポイント表示部15は,キャラクタが復活可能であると判断した復活ポイントについて,その復活ポイントの情報を,そのキャラクタを操作するクライアントの表示装置に表示する(ステップS4)。一方,復活ポイント表示部15が,キャラクタが復活できないと判断したポイントについては,その復活ポイントの情報は,そのキャラクタを操作するクライアントの表示装置には表示しない(ステップS4´)
【0057】
次に,各ユーザに対して,クライアントの表示画面に表示された復活ポイントの中から,希望する復活ポイントを選択するよう促す表示を行う(ステップS5)。ユーザは,この表示に基づいて,表示された復活ポイントの中から,入力装置を介して希望の復活ポイントを選択する。
【0058】
パーティーに含まれるキャラクタを操作する各ユーザにより,復活ポイントの選択がなされると,判断部17は,選択された復活ポイントが一致しているか否かを判断する(ステップS6)。
【0059】
判断部17により,パーティー関係にあるユーザが選択した復活ポイントが一致していると判断された場合には,復活処理部19は,所定の復活処理を実行する(ステップS19)。例えば,復活処理部19は,復活ポイント記憶部12から復活ポイントに関する情報を読み出し,仮想空間において選択された復活ポイントが存在する地点にキャラクタを復活させる。
【0060】
一方,判断部17により,パーティー関係にあるユーザが選択した復活ポイントが一致していないと判断された場合には,ゲーム処理部18によって,パーティーに含まれるキャラクタの中から一の勝者を決定するためのゲーム処理が実行される(ステップS7)。ゲーム処理部18は,実行したゲーム処理の結果に基づいて,パーティーに含まれるキャラクタの中から一の勝者を決定する(ステップS8)。
【0061】
そして,復活処理部19は,復活ポイント記憶部12から復活ポイントに関する情報を読み出し,ゲーム処理部18が決定したキャラクタを操作するプレイヤによって選択された復活ポイントで,パーティーに含まれるすべてのキャラクタを復活させる復活処理を行う(ステップS9)。