(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
吸入器の作動により計量チャンバーから流出してノズルから排出される投与量が噴霧ジェットから患者に投与され、かつこうして生成されたエアロゾルが、以下の送達特性を有する、請求項1に記載の吸入器:
(a)公称用量が5.5μg〜6.5μgであり、
(b)薬局方(Pharm Eur 0671, USP <601>送出用量装置A)に従って測定される送出用量が4.5〜5.6μgであり、
(c)薬局方(Pharm.Eur.2.9.18, European Pharmacopeia,第6編2008, 装置D、Andersenカスケードインパクター又はUSP30-NE25 < 601 >)によって測定される肺用量(微粒子用量)が2〜3μgであり、
(d)薬局方(Pharm Eur 2.9.18装置D)によって測定される平均空気力学的粒子サイズが2.5〜3.5μmである。
吸入器の作動により計量チャンバーから流出してノズルから排出される投与量が噴霧ジェットから患者に投与され、かつこうして生成されたエアロゾルが、以下の送達特性を有する、請求項7に記載の吸入器:
(a)公称用量が5.5μg〜6.5μgであり、
(b)薬局方(Pharm Eur 0671, USP <601>送出用量装置A)に従って測定される送出用量が4.5〜5.6μgであり、
(c)薬局方(Pharm.Eur.2.9.18, European Pharmacopeia,第6編2008, 装置D、Andersenカスケードインパクター又はUSP30-NE25 < 601 >)によって測定される肺用量(微粒子用量)が2〜3μgであり、
(d)薬局方(Pharm Eur 2.9.18装置D)によって測定される平均空気力学的粒子サイズが2.5〜3.5μmである。
【背景技術】
【0002】
疾患の治療において、一方では疾患を治療するため(主たる治療目的)、他方では潜在的な副作用を最小に保つために、それらの特別な計量のために、好適である薬物についての要望がある。こうして、特別な計量の提供により、その意図は、可能な場合に、実験で測定した効力に基づいて、潜在的な副作用を考慮しつつ、患者指向の決定に基づいて医療治療を達成することである。従って、このような治療の目的は最小の副作用で所望の効果を得ることである。特に、このようなアプローチは特別な薬物療法(患者指向の、個別化療法)が患者の特別なグループについて施される必要があることを意味する。
このような薬物治療を吸入による投与のための薬物の範囲内で監視することができるために、医療診断カテゴリー及び患者の個々の評価は別にして、患者の治療において“最適効力”そしてまた“最小の副作用”の両方を達成するために薬物の正確に決められた用量を与えることが必要である。この目的のために、吸入される薬物の適用量が多くの適用量パラメーターを使用して(好ましくは平行して、幾つかの適用量パラメーターを使用して)特定される必要がある。
【0003】
肺疾患は肺の表面への活性物質の局所適用により通常治療される。この種の吸入治療薬の使用は少量の活性物質がそれらを吸入する患者により肺の表面にわたってできるだけ一様に分配されることを意味する。こうして、吸入のためのエアロゾルを使用する局所薬物療法により行なわれる肺疾患の治療は、吸入による活性物質の局所適用の用量の正確さについての特別な要求を課する。
肺疾患(例えば、COPD及び喘息)、特に慢性閉塞性肺疾患を治療するために、下記の活性物質チオトロピウム(1)(EP0418716)が使用される。
【0004】
【化1】
(
1)
【0005】
式中、X
-は好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、マレイン酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、フマル酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、安息香酸イオン及びp-トルエンスルホン酸イオン、特に臭化物イオンから選ばれる、負に荷電された陰イオンを表す。
チオトロピウムの高い効力のために、チオトロピウムによる肺疾患の局所薬物治療は数μgの毎日の用量(in vivo)がCOPDの有効な治療を達成するのに充分であることを意味する。このような治療において、約0.5μg〜4μgの物質が活性物質の吸入により肺の表面に投与される。このような投与は、例えば、SPIRIVA(登録商標)/Handihaler(登録商標)として知られている製品を使用して行なわれてもよい。70m
2の推定肺表面積及び8μm
3の平均幾何学的粒子サイズ(更なる演算仮定: 3g/cm
3の密度、肺適用量3μg)を用いて、これは肺表面積5〜6cm
2当り1個の微粒子の分布に相当すると演算される。
【0006】
薬物が吸入により投与される場合に、公称用量のほんの一部が結果として“肺表面”の標的器官に達するので、活性物質による肺表面のほんの非常にわずかな被覆(肺表面の単位当りの粒子)があるが、これは治療効果を得るのに依然として充分である。
公称用量Yと肺用量X
1の差(以下、X
2aとX
2bとの合計)は、肺用量X
1が所望の範囲内であることを条件として、所望の治療効果が得られる点で、吸入による活性物質の投与において治療上関係がない。
しかしながら、公称用量と肺用量の差は、
(i) その治療が経済的又は非経済的であるのか、かつ/又は更には
(ii)副作用の増大された割合が予想されるのか
に関して関係がある。
【0007】
公称用量Yと肺用量X
1のこの差は、順に、送出中の技術的理由のためにアプリケーター装置中に後に残され、従って患者に適用されない部分量(部分量X
2a)と、患者が製品を吸入する際に摂取するが、“肺表面”の標的器官に送出されず、それ故、“肺表面”の標的器官に到達しない第二の部分量(部分量X
2b)とからなる。例えば、これは口咽頭スペースに付着され、次いで患者により飲み込まれる活性物質の部分である。
また、この部分量X
2bは特に副作用プロフィールの原因であることが指摘されるべきである。何とならば、活性物質チオトロピウム(これは治療の観点から“肺表面”に利用でき、局所的にのみそれに作用すべきである)は、部分量X
2bの実際の大きさに依存して、別の方法により生体に利用できるようにされるからである。用量のこの活性物質分率X
2b は活性物質の望まれない作用(副作用)が生体中で観察し得ることを意味する。
【0008】
要約すると、活性物質の吸入による投与につき、投与、即ち、患者による吸入の方法により供給される公称用量Yは、吸入により投与される薬物の用量を記載するために、肺用量X
1、患者に利用できない部分用量(廃棄フラクション) X
2a (これは、例えば、吸入器中に後に残される)、及び患者が摂取するが、“肺表面”の標的器官に到達しない用量の部分量X
2b に機能的に分解される必要がある。投与される活性物質の用量の部分量の間
の最適の比が薬物の活性及び副作用プロフィールの最適化をもたらす。
以下の式がその用量に適用される: Y = X
1 + (X
2a + X
2b) 。
活性物質の吸入投与は一般に種々の医薬技術により可能である。活性物質の吸入投与のための技術は、活性物質が、例えば、粉末製剤(WO 02/30389)として投与され、又は溶液の形態の製剤として患者に利用できるようにされる可能性を含み、その投与はネブライザーで行なわれる(レスピマット(登録商標)ポータブル装置)(WO 03/084519) 。
当業者に知られている吸入投与の別の形態は加圧ガス操作定量噴霧式エアロゾルによる吸入用量の投与である。これにおいて、活性物質が溶解又は懸濁された形態で存在する製剤が計量弁により液化噴射剤カスの混合により部分に分けられ、ノズルヘッドからのその排除及びその後の圧力の緩和の結果として、それが吸入可能なエアロゾルに変換される (WO 03/000241、EP2322243 、WO2006/002840)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
定義
適用量パラメーター“公称用量Y”:
公称用量Yは計量用量を意味する。公称用量は患者の夫々の単一発動のために吸入器を使用する投与により患者に理論上与えられるべきである活性物質の量に相当する。それ故、公称用量は活性物質濃度及び計量チャンバー体積の大きさからの演算により求められる活性物質の量である。
適用量パラメーター“肺用量X1”:
肺用量X
1は活性物質が肺結合エアロゾルとして送出される場合に吸入に利用できる活性物質の量を意味する。肺用量X
1は薬局方に定義された微粒子用量に相当する。本発明によれば、肺用量は微粒子用量 (Pharm.Eur.2.9.18, European Pharmacopeia,第6編2008, 装置D、Andersenカスケードインパクター) 又はUSP30-NE25 < 601 >) として測定される。
【0013】
適用量パラメーター“送出用量DD”:
送出用量(DD)は吸入器により患者に理論上送出される用量である。それは薬局方(Pharm Eur 0671, USP <601>送出用量装置A)に従って送出ユニットによる測定に基づいて測定される。適用量収集管は、測定のために、使用される装置(マウスピース)に調整されたアダプターを含む。
適用量パラメーター“患者に利用できない部分用量X2a ”:
本発明によれば、用量X
2a は公称用量マイナス送出用量DDに相当する。
その式はX
2a = Y - DDである。
適用量パラメーター“患者により摂取されるが、“肺表面”の標的器官に到達しない用量の部分量X2b” :
患者が摂取するが、“肺表面”の標的器官に到達しない部分用量X
2b は送出用量DDマイナス肺用量X
1に相当する。
その式はX
2b = DD - X
1である。
【0014】
適用量パラメーター“平均空気力学的粒子サイズMMAD”:
本発明によれば、平均空気力学的粒子サイズMMADという用語は空気力学的平均質量直径を表す。この変数は薬局方 (Pharm Eur 2.9.18装置D, USP USP <601> 空気力学的サイズ分布装置1)に従ってAndersonカスケードインパクターによる測定に基づいて測定される。
空気力学的粒子サイズに応じて、粒子が異なる深さで肺に付着される(例えば、気管支、細気管支、又は肺胞等中に)。こうして、選ばれた空気力学的粒子サイズは肺中で、活性物質が好ましくは沈降し、こうして利用し得る場所を制御するのに利用できる。
“肺表面”:
肺表面は肺中の気道の内表面積を表す。それは約70m
2 の量である。
溶液型定量噴霧式エアロゾル:
定量噴霧式エアロゾルは患者による吸入を目的とする活性物質のための製剤である。定量噴霧式エアロゾル中で、活性物質がエアロゾル、即ち、気相中の液体の微細な液滴として定量噴霧式で放出される。単一用量の放出は噴霧ジェットと称される。溶液型定量噴霧式エアロゾルは噴射剤ガス及び補助溶媒中に溶解された形態の活性物質を含み、その活性物質溶液は噴射剤ガスにより噴霧化される。その活性物質溶液はマウスチューブを備えた薬物容器(カートリッジ)中に配置され、この容器は噴射剤ガスで充填され、微細な活性物質は圧力が適用される時に測定された用量で放出される。
【0015】
活性/副作用プロフィール:
副作用は意図される主効果とともに生じるが、本発明の意味で薬物の実際の治療目標(主効果)を構成しない薬物の作用である(望まれない副作用は以下“副作用”という用語と同等にされる)。このような副作用は必要により薬物の投与の範囲内で生じるかもしれ
ない。薬物の効果は薬物の治療上意図される主効果を意味する。副作用は(i) 薬物典型的かつ適用量依存性の副作用及び(ii)適用量非依存性副作用(例えば、過敏性反応)に分けられる。吸入により投与される薬物について、効果及び適用量依存性副作用(i) の両方が製剤の特性/性質及び投与の特別な方法(例えば、定量噴霧式エアロゾル、粉末吸入等)に依存する。従って、効果及び適用量依存性副作用が公称用量Y、肺用量X
1及び送出用量DD、並びに可変用量X
2a、用量X
2b及び空気力学的粒子サイズ(特にMMAD)並びに選ばれた投与の方法の特別に選ばれた組み合わせの関数として観察される。
【0016】
製剤中のチオトロピウム臭化物含量の測定:
チオトロピウム臭化物の形態のチオトロピウム(1)の含量はイソクラティク方法に基づいてHPLCにより測定し得る。
その方法のパラメーター:
カラム: ACE 3 C18, 75 mm x 4.6 mm(製造業者: ACE(登録商標))
検出: UV, 235 nm
溶離剤: 70% KH
2PO
4 緩衝液, pH 3.0 / 30% メタノール
サンプル容積: 10μl
流量: 1.5 ml/分
【0017】
pHの測定 :
噴射剤含有溶液製剤のpHは文献“アルコール−溶媒中のpH測定の解説”J.Phys.Chem. 67巻, 1963年9月, 1833-1838 頁による変換により測定値から得られる相当するpHを意味
する。その変換に使用される測定値はエタノール溶液、又は一種以上の補助中の活性物質の溶液からpH電極を使用して直接得られる。
pHの測定方法:
pH電極: pH測定のために、ブリッジ電解質を含むガラス電極(KCl 電極)が使用される。これらのpH電極は、標準としての、ブリッジ電解質としての3モルのKCl溶液で工場で充填され、直接使用し得る。
操作: その測定は周囲温度(23℃±2℃)で行なわれる。特にことわらない限り、pH電極の製造業者により、最初に電極の“ゼロ点”[mV] が緩衝溶液pH 7で測定される。
非自動装置では、緩衝溶液のpHがpHメーターを使用して温度の関数として調節され、関連電圧 [mV] 及び温度 [℃] が読み取られる。“しゅん度”を測定するために、第二緩衝液が使用され、その値がpH7から少なくとも2pH単位だけ異なり、それは測定されるべきで
あるサンプルのpHを含む。その測定はpHメーター/pH電極の製造業者により提供された操作指示に明記されたように行なわれる。
新しいサンプルに切り換える前に、電極が脱イオン水ですすがれるべきであり、残留液滴が慎重に拭き取られるべきである。
測定値(pH及び温度の平行の測定)はその値が一定(±0.05 pH 単位)に留まるとすぐに(少なくとも20秒)読み取られる。
【0018】
規定度(“例えば、0.01規定の酸”)
規定度(単位:N)の語句は、化学において典型的な濃度を構成する当量濃度c
eqを示す。それは1/z の基準係数に基づく物質の特別な濃度である。zは化学量論的原子価であり、また当量数として知られている。z = 2 の場合、当量濃度はこうして物質の濃度の2倍大きい。何とならば、夫々の全体の粒子が言わばZ倍にカウントされるからである。用語1/z はまた当量粒子又は当量と称される。c
eq は物質の如何に多くの当量粒子がその溶液の特定容積中に存在するのかの測定である。
その時、規定度は下記の式により定義される。
N= n
val / V
ここで、Nは規定度であり、n
valは当量の量であり、かつVは容積である。
例えば、硫酸の場合には、2個のプロトンが硫酸イオン(SO
42-)に結合してもよく、酸イオンの原子価に相当する。従って、その溶液は物質それ自体の分子の2倍の多さの当量粒子(この場合にはプロトン)を含む。
H
2SO
4 → SO
42- + H
+ ,
即ち、1モル /l (H
2SO
4) = 2N (H
2SO
4)、又は換言すれば、1規定のH
2SO
4溶液は1/2モルである(1Nはこの例では1/2Mに相当する)。
【0019】
発明の説明
本発明はチオトロピウム(1)をベースとする新規噴射剤含有薬物組成物、その調製方法及び呼吸器の疾患の治療におけるこのような薬物組成物の使用に関する。
驚くことに、特に炎症性又は閉塞性の呼吸器疾患及び/又は喘息の治療における副作用の減少された比率を考慮すると、チオトロピウム臭化物が溶液型定量噴霧式エアロゾルとして特定用量(dosage)で使用される場合に、予期しない有益な治療効果を示すことができる。この特別な用量に基づいて、本発明のチオトロピウム含有薬物組成物はまた、特に単剤療法として使用し得るとともに、活性/副作用プロフィールが使用される特別な用量により最適化される。この種の医薬製剤は、本発明によれば、医薬安定性(化学的かつ物理的安定性)、特にまた最適安定性を特徴とすると同時に、経時の上記用量要件を遵守する。
本件特許出願の範囲内で、チオトロピウム(1)という用語は塩を表す。上記塩において、チオトロピウム陽イオンが薬理学的活性成分に相当する。本件特許出願の範囲内で、上記陽イオンへの明示的な言及は、数(1')の使用により示される。本発明の範囲内で使用し得る塩(1)は、チオトロピウムに加えて、対イオン(陰イオン)として、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、メタンスルホン酸イオン又はパラ−トルエンスルホン酸イオンを含む化合物を意味する。本発明の範囲内で、メタンスルホン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンは全ての塩(1)の中で好ましく、メタンスルホン酸イオン及び臭化物イオンが特に重要である。本発明によれば、チオトロピウム臭化物、チオトロピウム塩化物及びチオトロピウムメタンスルホン酸塩の中から選ばれた塩(1)が格別重要である。チオトロピウム臭化物が特に好ましい。
【0020】
物質(1)は、吸入可能なエアロゾルを生成することにより、加圧活性物質溶液を噴霧することにより投与される。この種の吸入可能なエアロゾルは、吸入可能なエアロゾルを生成するために噴射剤ガスを含む。吸入可能なエアロゾルを調製するのに使用し得る噴射剤ガスは従来技術から知られている。本発明の噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルは噴射剤ガスHFA 134aを含む。別の実施態様において、本発明の噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルは、噴射剤ガスHFA 134aに加えて、例えば、炭化水素、例えば、n-プロパン、n-ブタン又はイソブタン及びハロ炭化水素、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンのフッ素化誘導体の中から選ばれるその他の噴射剤ガスを含んでもよい。上記噴射剤ガスは噴射剤ガスに加えてそれら自体で使用されてもよく、又は噴射剤ガスHFA 134aと一緒に混合して使用されてもよい。本発明によれば、HFA134a のみを噴射剤ガスとして含む噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルが特に好ましい。本発明の噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルはまたその他の成分、例えば、補助溶媒、安定剤、表面活性剤、酸化防止剤、潤滑剤及び防腐剤を含んでもよい。全てのこれらのその他の成分が当業界で知られている。
噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルを調製するための本発明の製剤は、pHを調節するための手段を含む。本発明の噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルは6〜8、好ましくは6.5-7.5のpHを有する。本発明の噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルのpHは本発明によれば測定値からの変換により得られるpHに相当する。その変換に使用される測定値は一種以上の補助溶媒中の活性物質の溶液、好ましくは活性物質とエタノール及び水の溶液中で直接にpH電極により測定し得る値に相当する。本発明の噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルは好ましくは無機酸又は有機酸の中から選ばれる、酸を含む。
【0021】
特に好適な無機酸の例として、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が挙げられる。特に好適な有機酸の例として、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/又はプロピオン酸が挙げられる。好ましい無機酸は塩酸及び硫酸である。活性物質と酸付加塩を既に生成している酸を使用することがまた可能である。有機酸のうち、アスコルビン酸、フマル酸及びクエン酸が好ましい。所望により、上記酸の混合物が、特にそれらの酸性化品質に加えて、例えば、風味料、酸化防止剤又は錯生成剤としてのその他の性質を有する酸、例えば、クエン酸又はアスコルビン酸の場合に、使用されてもよい。本発明によれば、塩酸を使用してpHを調節することが特に好ましい。本発明の別の実施態様において、クエン酸が使用されることが特に好ましい。好ましくは、噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルが0.005-0.1%の量、特に好ましくは0.05〜0.1%、特に好ましくは0.04-0.09%、最も特に好ましくは0.03-0.08%、また特に好ましくは0.02-0.05%の量のクエン酸を含む。
別の好ましい実施態様において、本発明の噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルは1〜3%の比率の0.01規定の酸を添加することにより得られるH
+イオンの量に相当する濃度の無機酸、好ましくは1.5〜2.5%の比率の0.01規定の酸を添加することにより得られるH
+イオンの量に相当する濃度の無機酸を含む。
別の好ましい実施態様において、本発明の噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルが無機酸として塩酸及び/又は臭化水素酸、好ましくは塩酸を含む。
別の好ましい実施態様において、本発明の噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルが無機酸として硫酸を含む。
別の好ましい実施態様において、本発明の噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルがアスコルビン酸、フマル酸及びクエン酸の中から選ばれた有機酸を含む。
別の好ましい実施態様において、本発明の噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルが無機酸としてアスコルビン酸を含む。
【0022】
完成製剤中の溶解された医薬活性物質活性物質(1)の比率(50μlの計量チャンバーを基準とする)は本発明によれば0.005〜0.05%である。噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルを調製するための本発明の製剤は0.005〜0.03%の溶解された活性物質(1)を含むことが好ましい。噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルを調製するための本発明の製剤は0.008-0.045%の溶解された活性物質(1)を含むことがまた好ましい。噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルを調製するための本発明の製剤は0.01〜0.04%の溶解された活性物質(1)を含むことがまた好ましい。噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルを調製するための本発明の製剤は0.01〜0.02(1)の溶解された活性物質(1)を含むことがまた好ましい。噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルを調製するための本発明の製剤は0.02%の溶解された活性物質(1)を含むことがまた好ましい。
噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルの本発明の全組成物は溶解された活性物質の%(質量%)プラス補助溶媒の%(質量%)、プラス酸の%(質量%)から得られ、100%までの残部が噴射剤ガスにより補給される。本発明の吸入可能なエアロゾルがその他の成分、例えば、安定剤、表面活性剤、酸化防止剤、潤滑剤及び防腐剤を含む場合、これらは2%(質量%)未満、好ましくは1%未満の量で存在し、一方、噴射剤ガスの量が従ってこれらの付加的な成分の存在により減少される。一つの特別な実施態様において、本発明の吸入可能なエアロゾルが活性物質、補助溶媒、酸及び噴射剤ガスのみを含む。
本発明の医薬製剤は噴霧ジェットにより単一用量として投与され、この場合、用量が吸入器の発動によりノズルからの排除により計量チャンバーから流出する。計量チャンバーは25μl〜100μl、好ましくは50μlの容量を有する。本発明によれば、用量を決めるための医薬製剤の組成(酸の比率(質量%)及び溶解された活性物質(1)の比率(質量%))の詳細が、特にことわらない限り、50μlの容積を有する計量チャンバーを基準とする。好適な計算調節(例えば、2倍、半分)により、当業者がまた、例えば、25μl及び100μlの計量チャンバーについて酸及び活性物質の比率に相当する濃度を得ることができ、これらは本発明により含まれる。
【0023】
本発明の別の実施態様として、計量は互いに直後の、好ましくは10分以内の2回の噴霧ジェットにより行なわれ、その結果、全用量は1噴霧ジェットの2部分用量の投与に相当する。
本発明のこの実施態様において、公称用量及びそれから誘導し得る本発明の更なる適用量詳細は2回の噴霧ジェットで投与される合計量に関する。
この計量は中間等級又は高等級のCOPDを治療するのに特に適している。
単一用量として投与される本発明の医薬製剤(計量チャンバーが25μlの容積を有する)は、好ましくは0.01-0.1%の量、特に好ましくは0.01-0.09%の量、特に好ましくは0.016-0.09%の量、特に好ましくは0.02-0.08%の量、特に好ましくは0.02-0.04%の量、特に好ましくは0.04%の量の溶解された薬物(1)を含む。単一用量として投与される本発明の医薬製剤(計量チャンバーが50μlの容積を有する)は、好ましくは0.005-0.05%の量、特に好ましくは0.005-0.045%の量、特に好ましくは0.008-0.04%の量、特に好ましくは0.01-0.02%の量、特に好ましくは0.012%の量、特に好ましくは0.02%の量の溶解された薬物(1)を含む。
単一用量として投与される本発明の医薬製剤(計量チャンバーが100μlの容積を有する)は、好ましくは0.0025-0.025%の量、特に好ましくは0.0025-0.0225%の量、特に好ましくは0.004-0.02%の量、特に好ましくは0.005-0.02%の量、特に好ましくは0.005-0.01%の量、特に好ましくは0.01%の量の溶解された薬物(1)を含む。
別の特に好ましい形態において、本発明の医薬製剤は炎症性又は閉塞性の呼吸器疾患を治療するための薬理学的活性成分(活性物質)として活性物質(1)のみを単一成分として含む。
本発明の範囲内で示される%は常に質量%である。チオトロピウムの比率(質量基準)が質量%として表される場合、本発明の製造の範囲内で使用されることが好ましい結晶性チオトロピウム臭化物一水和物についての相当する値はチオトロピウム臭化物の分子量を基準として変換係数1.2495を掛けることにより得られる。
【0024】
噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルを調製するための製剤は、本発明によれば補助溶媒を含む。本発明によれば、製剤が水とエタノールの混合物を補助溶媒として含むことが好ましい。また、製剤が0.5-2.5%の量の水及び15-40%の量のエタノールを含むことが好ましい。製剤が0.5-2%の比率の水及び15-40%の比率のエタノールを含むことが特に好ましい。更に、製剤が1-2%の比率の水及び15-35%の比率のエタノールを含むことが好ましい。製剤が1-2%の比率の水及び20-30%の比率のエタノールを含むことが更に好ましい。
本発明によれば、これらの量の水が噴射剤ガス又は活性物質(1)及び補助溶媒(噴射剤ガス、噴射剤ガス混合物又は製剤がその他の水を含まない場合(無水))に添加されることが好ましい。技術的には、水は医薬製剤が調製される前でさえも噴射剤ガスと混合されてもよく、又は最初に医薬製剤が無水噴射剤ガス又は噴射剤ガス混合物で調製され、次いで相当する量の水が添加される。
或る場合には、医薬製剤という用語が溶液製剤という用語に代えて本発明の範囲内で使用される。これらの二つの用語は本発明の範囲内で均等と見なされるべきである。
本発明の噴射剤含有吸入可能なエアロゾル又は溶液製剤はまたその他の成分、例えば、表面活性剤(界面活性剤)、アジュバント、酸化防止剤又は風味料を含んでもよい。
本発明の溶液中に必要により存在してもよい表面活性剤(界面活性剤)はポリソルベート20、ポリソルベート80、マイバセット9-45、マイバセット9-08、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブリジ、オレイン酸エチル、トリオレイン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノリシノール酸グリセリル、セチルアルコール、オレイン酸オレイル、ステアリルアルコール、塩化セチルピリジニウム、ブロックポリマー、天然油、エタノール及びイソプロパノールからなる群から選ばれることが好ましい。
本発明の溶液が表面活性剤を含む場合、これらは0.0005〜1%、特に好ましくは0.005〜0.5%の量で使用されることが好ましい。別の好ましい実施態様において、本発明の溶液が表面活性剤(界面活性剤)を含まない。
【0025】
本発明の溶液中に必要により含まれてもよい酸化防止剤はアスコルビン酸、クエン酸、エデト酸ナトリウム、エデト酸、トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール及びアスコルビルパルミテートからなる群から選ばれることが好ましく、トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール又はアスコルビルパルミテートが使用されることが好ましい。
本発明の溶液中に必要により含まれてもよい風味料はペパーミント、サッカリン、デントミント(登録商標)、アスパルテーム及びエーテル性油(例えば、シナモン、アニス、メントール、ショウノウ)からなる群から選ばれることが好ましく、ペパーミント又はデントミント(登録商標)が特に好ましい。
本発明の溶液は当業界で知られている方法を使用して調製されてもよい。これのために、製剤の成分が一種以上の噴射剤ガスと混合され(必要により低温で)、好適な容器に充填される。
驚くことに、本発明の課題は医薬製剤の形態の炎症性又は閉塞性の呼吸器の疾患を治療するための薬物の調製により解決されることがわかり、その製剤は、活性物質として、溶解された形態の(1)だけを含み、その医薬製剤が噴射剤ガスHFA 134a及びその他の成分として0.005〜0.03%の活性物質(1)、2種の補助溶媒エタノールと水の混合物(エタノール含量が15〜40%であり、かつ水含量が0.5〜2.5%である)、並びに酸(これはpHが6〜8であるような量で存在する)を含むことを特徴とする。
【0026】
一つの特別な実施態様において、本発明の課題が炎症性又は閉塞性の呼吸器の疾患を治療するための医薬製剤により解決され、その医薬製剤は、活性物質として、溶解された形態の(1)だけを含み、その医薬製剤が噴射剤ガスHFA 134a、及びその他の成分として0.005〜0.03%の活性物質(1)、2種の補助溶媒エタノールと水の混合物(エタノール含量が15〜40%であり、かつ水含量が0.5〜2.5%である)、並びに0.005〜0.1%、好ましくは0.008〜0.09%、更に好ましくは0.01〜0.08%、更に好ましくは0.02〜0.06%、更に好ましくは0.02〜0.05%の濃度の有機酸を含むことを特徴とする。
一つの特別な実施態様において、本発明の課題が炎症性又は閉塞性の呼吸器の疾患を治療するための医薬製剤により解決され、その医薬製剤は、活性物質として、溶解された形態の(1)だけを含み、その医薬製剤が噴射剤ガスHFA 134a、及びその他の成分として0.005〜0.03%の活性物質(1)、2種の補助溶媒エタノールと水の混合物(エタノール含量が15〜40%であり、かつ水含量が0.5〜2.5%である)、並びに1〜3%の比率の0.01規定の酸の添加により得られる量のH
+イオンに相当する濃度の無機酸、好ましくは1.5〜2.5%の比率の0.01規定の酸の添加により得られる量のH
+イオンに相当する濃度の無機酸を含むことを特徴とする。
H
+イオンの本発明の量に相当する無機酸の相当する量は1〜3%の0.01規定の酸もしくは0.1〜0.3%の0.1規定の酸の添加により、又は匹敵する様式の変換により決められる相当する量の添加により得られる。本発明の好ましいH
+イオンの量に相当する無機酸の相当する量は1.5〜2.5%の0.01規定の酸もしくは0.15〜0.25%の0.1規定の酸の添加により、又は匹敵する様式の変換により決められる相当する量の添加により得られる。
一つの特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更に医薬製剤が酸として0.005〜0.1%、好ましくは0.008〜0.09%、更に好ましくは0.01〜0.08%、更に好ましくは0.02〜0.06%、更に好ましくは0.02〜0.05%の濃度の有機酸、好ましくはクエン酸を含むことを特徴とする。
一つの特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更に医薬製剤が酸として0.005〜0.1%、好ましくは0.008〜0.09% 、更に好ましくは0.01〜0.08%、更に好ましくは0.02〜0.06%、更に好ましくは0.02〜0.05%の濃度の有機酸、好ましくはアスコルビン酸を含むことを特徴とする。
【0027】
別の特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更に医薬製剤が酸として1〜3%の比率の0.01規定の酸の添加により得られる量のH
+イオンに相当する濃度の無機酸、好ましくは1.5〜2.5%の比率の0.01規定の酸の添加により得られる量のH
+イオンに相当する濃度の無機酸を含むことを特徴とする。
別の特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更に医薬製剤が酸として1〜3%の比率の0.01規定の酸の添加により得られる量のH
+イオンに相当する濃度の塩酸水溶液、好ましくは1.5〜2.5%の比率の0.01規定の酸の添加により得られる量のH
+イオンに相当する濃度の無機酸を含むことを特徴とし、好ましくは医薬製剤が1〜3%の比率の0.01モルの塩酸を含み、更に好ましくは医薬製剤が1.5〜2.5%の比率の0.01モルの塩酸を含むことを特徴とする。
別の特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更に医薬製剤が酸として1〜3%の比率の0.01規定の酸の添加により得られる量のH
+イオンに相当する濃度の硫酸水溶液、好ましくは1.5〜2.5%の比率の0.01規定の酸の添加により得られる量のH
+イオンに相当する濃度の無機酸を含むことを特徴とする。
別の特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更に単一投薬の公称用量が5.5μg〜6.5μgであり、送出用量が4.5〜5.6μgであり、かつ肺用量が2〜3μgであり、かつ平均空気力学的粒子サイズが2.5〜3.5μmであることを特徴とする。
【0028】
別の特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更に単一投薬の公称用量が5.5μg〜6.5μgであり、かつ送出用量が好ましくは4.7〜5.4μg、特に好ましくは4.8〜5.3μg、更に特に好ましくは4.9〜5.2μg、最も特に好ましくは5〜5.1μgであることを特徴とする。
別の特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更に単一投薬の公称用量が5.5μg〜6.5μgであり、かつ肺用量が好ましくは2.0〜3.0μg、特に好ましくは2.1〜3.0μg、最も特に好ましくは2.3〜2.9μg、更に特に好ましくは2,4〜2.7μgであることを特徴とする。
別の特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更に単一投薬の公称用量が5.5μg〜6.5μgであり、かつ平均空気力学的粒子サイズが好ましくは2.6〜3.4μm、更に好ましくは2.7〜3.3μmであることを特徴とする。
別の特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更にその用量が噴霧ジェットによる単一用量の適用により投与されることを特徴とし、用量が吸入器の発動により計量チャンバーから流出し、ノズルから排出され、得られるエアロゾルは単一投薬の公称用量が5.5μg〜6.5μgであり、送出用量が4.5〜5.6μgであり、かつ肺用量が2〜3μgであり、かつ平均空気力学的粒子サイズが2.5〜3.5μmであることを特徴とする。
別の特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更に使用される噴霧ヘッドの穴直径が0.2〜0.3mm、好ましくは0.20〜0.27mm、最も好ましくは0.20〜0.25mmの直径を有することを特徴とし、かつ生成されたエアロゾルは単一投薬の公称用量が5.5μg〜6.5μgであり、送出用量が4.5〜5.6μg であり、かつ肺用量が2〜3μgであり、かつ平均空気力学的粒子サイズが2.5〜3.5μmであることを特徴とする。
別の特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更に計量チャンバーが25μl〜100μl、好ましくは50μlの容積を有することを特徴とし、かつ生成されたエアロゾルは単一投薬の公称用量が5.5μg〜6.5μgであり、送出用量が4.5〜5.6μgであり、かつ肺用量が2〜3μgであり、かつ平均空気力学的粒子サイズが2.5〜3.5μmであることを特徴とする。
【0029】
別の特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更にバルブヘッド中のシールリングがエチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)からつくられ、かつ生成されたエアロゾルは単一投薬の公称用量が5.5μg〜6.5μgであり、送出用量が4.5〜5.6μgであり、かつ肺用量が2〜3μgであり、かつ平均空気力学的粒子サイズが2.5〜3.5μmであることを特徴とする。
別の特別な実施態様において、本発明は先に、また後に挙げられる性質を有する医薬製剤に関するものであり、これは更に活性物質がチオトロピウム臭化物であることを特徴とする。
別の特別な実施態様において、本発明は炎症性又は閉塞性の呼吸器の疾患の治療のためのチオトロピウム臭化物含有医薬製剤の使用に関するものであり、その製剤が先に、また後に挙げられる性質を特徴とする。
別の特別な実施態様において、本発明は炎症性又は閉塞性の呼吸器の疾患の治療のための薬物としての使用のための活性物質チオトロピウム(1)(これは先に、また後に挙げられる医薬製剤の一つ中に存在する)に関するものであり、その薬物が、
−1日1回、
−5.5μg〜6.5μgの公称用量で、
−4.5〜5.6μgの送出用量で、かつ
−2〜3μgの肺用量で
投与され、
その平均空気力学的粒子サイズが2.5〜3.5μmである。
別の特別な実施態様において、本発明は炎症性又は閉塞性の呼吸器の疾患の治療のための薬物としての使用のための活性物質チオトロピウム(1)(これは先に、また後に挙げられる医薬製剤の一つ中に存在する)に関するものであり、その薬物が、
−1日1回、
−5.5μg〜6.5μgの公称用量で、
−4.5〜5.6μgの送出用量で、かつ
−2.0〜3.0μg、好ましくは2.1〜3.0μg、特に好ましくは2.3〜2.9μg、最も好ましくは2.4〜2.7μgの肺用量で、
投与され、
その平均空気力学的粒子サイズが2.5〜3.5μmである。
【0030】
別の特別な実施態様において、本発明は炎症性又は閉塞性の呼吸器の疾患の治療のための薬物としての使用のための活性物質チオトロピウム(1)(これは先に、また後に挙げられる医薬製剤の一つ中に存在する)に関するものであり、その薬物が、
−1日1回、
−5.5μg〜6.5μgの公称用量で、
−4.7〜5.4μg、好ましくは4.8〜5.3μg、特に好ましくは4.9〜5.2μgだけでなく、最も特に好ましくは5〜5.1μgの送出用量で、かつ
−2〜3μgの肺用量で
投与され、
その平均空気力学的粒子サイズが2.5〜3.5μmである。
本発明の上記噴射剤ガス含有溶液は当業界で知られている吸入器(pMDI = 加圧定量噴霧式吸入器)を使用して投与されてもよい。従って、別の局面において、本発明はこれらの溶液を投与するのに適した一つ以上の吸入器と組み合わされた前記溶液の形態の薬物に関する。更に、本発明は、吸入器が上記の本発明の噴射剤ガス含有溶液を含むことを特徴とする、吸入器に関する。更に、本発明は水含量に関して使用前に準備される好適な弁を取り付けられている、容器(例えば、カートリッジ)に関する。容器は好適な吸入器中で使用されてもよく、本発明の上記噴射剤ガス含有溶液の一種を含む。好適な容器(例えば、カートリッジ)及びこれらのカートリッジに本発明の噴射剤ガス含有溶液を充填するための方法は従来技術から知られている。
【0031】
カートリッジ(
図1、参照記号“a”を参照のこと)は薬物を溶液として含む。製剤は、活性物質(1)の他に、その他の化学物質(これらは安定性及び製品性能に重要である)を同様に含む。液体レベルより上で、更なるガス状噴射剤ガスが存在する。計量チャンバー中の噴射剤ガスは定量噴霧式エアロゾルが発動される時に医薬製剤を爆発的に排出させる(本発明の目的のために、カートリッジという用語はキャニスターと均等である)。
ノズル(
図1、参照記号“b”を参照のこと)中で、薬物を含む液体の小液滴が生成される。これらの液滴のサイズは肺中の良好な付着を得るために重要である。ノズルは使用される噴霧ヘッド“b”の穴直径(最も狭い直径)を特徴とする。
排出される薬物の量が計量チャンバー(
図2、参照記号“c”を参照のこと)により計量される。
定量噴霧式エアロゾルの液滴サイズはノズルデザイン(噴霧ヘッドの穴直径、計量チャンバーのサイズ)及び溶液製剤の組成により影響される。特に、噴射剤ガスの選択により液滴サイズを変える可能性がある。噴霧ヘッドのノズル直径が小さい程、生成される液滴が小さい。これらの制限はデザインに向けられるが、あまりに小さいノズルは詰まらされるようになる。穴についての下限は0.16mmである。何とならば、一層小さいノズルは容易に詰まらされるようになるからである。
【0032】
0.20〜0.27mmの穴直径を有する噴霧ヘッドの使用が本発明の範囲内で特に好ましい。また、25μl〜100μl、特に好ましくは50μlの容積を有する計量チャンバーを使用することが特に好ましい。商業上得られるマウスチューブ(例えば、RPCフォルマテクGmbH、ドイツにより製造されるような)が本発明の定量噴霧式エアロゾルに使用されてもよい。
別の局面において、本発明は、
・ふたを除去する工程、
・上向きのキャニスターで、激しく振とうする工程、
・息を吐き出す工程、
・定量噴霧式エアロゾルを唇の間に入れる工程、
・徐々に吸入する工程、直ちに
・キャニスターに押し付ける工程、
・徐々に、かつ完全に吸入する工程、
・可能ならば10秒間息を殺す工程
を含む、噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルを生成するための本発明の製剤の薬物の計量方法に関する。
下記の実施例は本発明をそれらの内容に限定しないで、本発明を例として説明するのに利用できる。
【実施例】
【0033】
製剤実施例(組成物)
1.
−チオトロピウム臭化物一水和物 0.04質量%
−クエン酸 0.05質量%
−水 1.0 質量%
−エタノール 30.0質量%
−HFA134a 68.9質量%
合計 100 質量% (13.5 g)
【0034】
2.
−チオトロピウム臭化物一水和物 0.01質量%
−クエン酸 0.02質量%
−水 1.5 質量%
−エタノール 15.0質量%
−HFA134a 83.5質量%
合計 100 質量% (14.5 g)
【0035】
3.
−チオトロピウム臭化物一水和物 0.02質量%
−クエン酸 0.04質量%
−水 2.0 質量%
−エタノール 35.0質量%
−BHT(ブチルヒドロキシトルエン) 0.1 質量%
−HFA134a 62.8質量%
合計 100 質量% (13.2 g)
【0036】
4.
−チオトロピウム臭化物一水和物 0.02質量%
−硫酸 0.1 質量%
−水 1.0 質量%
−エタノール 20.0質量%
−HFA134a 78.9質量%
合計 100 質量% (14.2 g)
【0037】
5.
−チオトロピウム臭化物一水和物 0.04質量%
−塩酸 0.2 質量%
−水 0.5 質量%
−エタノール 15.0質量%
−HFA134a 84.3質量%
合計 100 質量% (14.6 g)