(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6503077
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】高密度スプリットゲート型メモリセル
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20190408BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20190408BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20190408BHJP
H01L 27/11521 20170101ALI20190408BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H01L27/11521
G11C16/04 146
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-539012(P2017-539012)
(86)(22)【出願日】2016年1月19日
(65)【公表番号】特表2018-508987(P2018-508987A)
(43)【公表日】2018年3月29日
(86)【国際出願番号】US2016013963
(87)【国際公開番号】WO2016118530
(87)【国際公開日】20160728
【審査請求日】2017年7月24日
(31)【優先権主張番号】62/106,477
(32)【優先日】2015年1月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ドー ニャン
(72)【発明者】
【氏名】リウ シアン
(72)【発明者】
【氏名】ティワリ ヴィピン
(72)【発明者】
【氏名】トラン ヒュー ヴァン
【審査官】
小山 満
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2003/0146465(US,A1)
【文献】
特開2014−096421(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0126299(US,A1)
【文献】
特開2012−222201(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/051855(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0151782(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0049517(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 27/11517−27/11582
H01L 29/788
H01L 29/792
G11C 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスを形成する方法であって、
半導体基板の面内に複数の離隔された第1のトレンチを形成することであって、前記第1のトレンチが、互いに平行であり、第1の方向に延伸し、前記第1のトレンチ間で前記基板の活性領域を画定する、形成することと、
前記第1のトレンチを絶縁材料で充填することと、
前記活性領域の各々において前記基板の前記面上に第1の絶縁層を形成することと、
前記活性領域の各々において前記第1の絶縁層上に第1の導電層を形成することと、
前記活性領域の各々において前記第1の導電層上に第2の絶縁層を形成することと、
前記活性領域の各々において前記第2の絶縁層上に第2の導電層を形成することと、
前記活性領域の各々において前記第2の導電層上に第3の絶縁層を形成することと、
複数の離隔された第2のトレンチを、前記第3の絶縁層を通って形成することとであって、前記第2のトレンチが、互いに平行であり、前記第1の方向に垂直な第2の方向に延伸する、形成することと、
前記第2のトレンチを前記第2の導電層及び前記第2の絶縁層を通って延伸させることと、
前記第2のトレンチを前記第1の導電層を通って延伸させ、前記第1の導電層の側部を露出させ、前記第2のトレンチの底部の基板の表面上に前記第1の絶縁層を露出させておくことと、
前記第2のトレンチの底部に前記第1の絶縁層上に垂直方向にかつ直接、そして前記第1の導電層の前記露出した部分に沿って第4の絶縁層を形成することであって、前記第4の絶縁層は前記基板に直接接触していない、前記第4の絶縁層を形成するここと、
前記第2のトレンチを導電材料で充填することであって、前記導電材料が、前記第4の絶縁層により前記第1の導電層から及び前記第1の絶縁層及び前記第4の絶縁層により垂直方向に前記基板表面から、絶縁されている、充填することと、
複数の第3のトレンチを、前記第3の絶縁層を通って形成することであって、前記第3のトレンチが、互いに平行であり、前記第2のトレンチ及び前記第3のトレンチが互いに交互になるように前記第2の方向に延伸する、形成することと、
前記第3のトレンチを、前記第2の導電層、前記第2の絶縁層、及び前記第1の導電層を通って延伸させることと、
前記第3のトレンチの下方に前記基板内にドレイン領域を形成するように注入を行うことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第2の導電層及び前記第2の絶縁層を通る前記第2のトレンチの前記延伸の後に、かつ前記第1の導電層を通る前記第2のトレンチの前記延伸の前に、前記第2のトレンチの側壁に沿って絶縁材料のスペーサを形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3のトレンチの前記延伸が、前記第3のトレンチを前記第1の絶縁層を通って延伸させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の導電層、前記第2の絶縁層、及び前記第1の導電層を通る前記第3のトレンチの前記延伸の後に、前記第3のトレンチの側壁に沿って絶縁材料のスペーサを形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の導電層及び前記第2の導電層が、ポリシリコンである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の絶縁層が、酸化物である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の絶縁層が、酸化物、窒化物、及び酸化物の副層を含むONO絶縁層である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、2015年1月22日に出願された米国特許仮出願第62/106,477号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、不揮発性メモリセルアレイに関する。
【背景技術】
【0003】
スプリットゲート型メモリセルを、このようなセルのアレイとして形成することは、当該技術分野では公知であり、ここでは、メモリセルが対で形成され、各メモリセル対が、共通の消去ゲート及び共通のソース領域を共有する。例えば、米国特許第7,868,375号(同特許は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる)は、このようなメモリアレイを開示している。
【0004】
図1は、従来のスプリットゲート型メモリセル対1を図示する。各メモリセル1は、ソース領域(ソースライン)2及びドレイン領域(ビットライン)3を含み、基板内でそれらの間で画定されたチャネル領域4を有する。浮遊ゲート5は、チャネル領域4の第1の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁され、ワードラインゲート6は、チャネル領域4の第2の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁される。結合ゲート7は、浮遊ゲート5の上方に形成され、かつそれから絶縁される。消去ゲート8は、ソース領域2の上方に形成され、かつそれから絶縁される。
【0005】
チャネル領域4に沿って浮遊ゲート5まで移動する電子流から電子を注入することにより(ホット電子注入を介して)、各セルの浮遊ゲート5をプログラムする。これは、
図1において、チャネル領域4に沿って、次いで、絶縁材料を通って上方に、浮遊ゲート5まで移動する電子の矢印により図示されている。浮遊ゲート5は、浮遊ゲート5から消去ゲート8への電子のトンネリングを誘導することにより消去される(ファウラー・ノルデハイム・トンネリングにより)。これは、
図1において、浮遊ゲート5から、絶縁体を通り、消去ゲート8に移動する電子の矢印により図示されている。消去電圧、読み出し電圧、及びプログラム電圧の非限定的な一例が、
図2に図示されており、選択(Sel.)ラインは、操作されているメモリセルを含むラインであり、非選択(Unsel.)ラインは、操作されているメモリセルを含まないラインである。各メモリセルは、当該セルのワードラインゲートに正電圧をかけて下方のチャネル領域部分をオンにし、そのチャネル領域の導電率(これは、当該セルの浮遊ゲートが電子によりプログラムされているか否かによる影響を受け、下方のチャネル領域部分が導電性であるかを左右する)を測定することにより、個別的に読み出される。各メモリセルは、そのチャネル領域に沿って電子を流し、その浮遊ゲートに高い正電圧を結合することにより、個別的にプログラムされる。
【0006】
このセル設計におけるゲート数を考慮すると、メモリセルのサイズを縮小することは困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、半導体基板の面内に複数の離隔された第1のトレンチを形成すること(第1のトレンチは、互いに平行であり、第1の方向に延伸し、第1のトレンチ間で基板の活性領域を画定する)と、第1のトレンチを絶縁材料で充填することと、活性領域の各々において基板の面上に第1の絶縁層を形成することと、活性領域の各々において第1の絶縁層上に第1の導電層を形成することと、活性領域の各々において第1の導電層上に第2の絶縁層を形成することと、活性領域の各々において第2の絶縁層上に第2の導電層を形成することと、活性領域の各々において第2の導電層上に第3の絶縁層を形成することと、複数の離隔された第2のトレンチを第3の絶縁層を通って形成すること(第2のトレンチは、互いに平行であり、第1の方向に垂直な第2の方向に延伸する)と、第2のトレンチを第2の導電層及び第2の絶縁層を通って延伸させることと、第2のトレンチを第1の導電層を通って延伸させ、第1の導電層の側部を露出させておくことと、第1の導電層の露出した部分に沿って延伸する第2のトレンチの底部に第4の絶縁層を形成することと、第2のトレンチを導電材料で充填することであって、導電材料が、第4の絶縁層により基板面及び第1の導電層から絶縁されている、充填することと、複数の第3のトレンチを、第3の絶縁層を通って形成することであって、第3のトレンチが、互いに平行であり、第2のトレンチ及び第3のトレンチが互いに交互になるように第2の方向に延伸する、形成することと、第3のトレンチを第2の導電層、第2の絶縁層、及び第1の導電層を通って延伸させることと、第3のトレンチの下方に基板内にドレイン領域を形成するように注入を行うことと、を含む、メモリデバイスを形成する方法により対処される。
【0008】
メモリデバイスは、第1の導電型の半導体材料の基板と、互いに実質的に平行であり、第1の方向に延伸する、基板の上に形成される、離間した分離領域と、含み、隣接した各分離領域対間の活性領域も第1の方向に延伸する。活性領域の各々は、複数のメモリセル対を含み、メモリセル対の各々は、基板内で離間され、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1及び第2の領域であって、基板内の連続チャネル領域がこれらの間に延伸する、第1及び第2の領域と、第1の領域に隣接したチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁される第1の浮遊ゲートと、第2の領域に隣接したチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁される第2の浮遊ゲートと、第1のチャネル領域部分と第2のチャネル領域部分との間のチャネル領域の第3の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁される消去ゲートと、第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつそれから絶縁される第1の結合ゲートと、第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつそれから絶縁される第2の結合ゲートと、を含む。制御回路は、1つのメモリセル対に対して、ゼロ電圧を第1の領域に、正電圧を第2の領域に、ゼロ電圧又は正電圧を第1の結合ゲートに、正電圧を第2の結合ゲートに、及び正電圧を消去ゲートに印加することにより、かつチャネル領域を通る電流を検出することにより、メモリセル対のうちの1つを読み出すように構成されている。
【0009】
メモリデバイスは、第1の導電型の半導体材料の基板と、互いに実質的に平行であり、第1の方向に延伸する、基板の上に形成される、離間した分離領域と、含み、隣接した各分離領域対間の活性領域も第1の方向に延伸する。活性領域の各々は、複数のメモリセル対を含み、メモリセル対の各々は、基板内で離間され、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1及び第2の領域であって、基板内の連続チャネル領域がこれらの間に延伸する、第1及び第2の領域と、第1の領域に隣接したチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁される第1の浮遊ゲートと、第2の領域に隣接したチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁される第2の浮遊ゲートと、第1のチャネル領域部分と第2のチャネル領域部分との間のチャネル領域の第3の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁される消去ゲートと、第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつそれから絶縁される第1の結合ゲートと、第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつそれから絶縁される第2の結合ゲートと、を含む。制御回路は、1つのメモリセル対に対して、第1の正電圧を第1の領域に、電流を第2の領域に、第2の正電圧を第1の結合ゲートに、第3の正電圧を第2の結合ゲートに、及び第4の正電圧を消去ゲートに印加することにより、メモリセル対のうちの1つをプログラムするように構成されている。
【0010】
メモリデバイスは、第1の導電型の半導体材料の基板と、互いに実質的に平行であり、第1の方向に延伸する、基板の上に形成される、離間した分離領域と、含み、隣接した各分離領域対間の活性領域も第1の方向に延伸する。活性領域の各々は、複数のメモリセル対を含み、メモリセル対の各々は、基板内で離間され、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1及び第2の領域であって、基板内の連続チャネル領域がこれらの間に延伸する、第1及び第2の領域と、第1の領域に隣接したチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁される第1の浮遊ゲートと、第2の領域に隣接したチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁される第2の浮遊ゲートと、第1のチャネル領域部分と第2のチャネル領域部分との間のチャネル領域の第3の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁される消去ゲートと、第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつそれから絶縁される第1の結合ゲートと、第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつそれから絶縁される第2の結合ゲートと、を含む。制御回路は、1つのメモリセル対に対して、ゼロ電圧を第1の領域に、ゼロ電圧を第2の領域に、第1の負電圧を第1の結合ゲートに、第2の負電圧を第2の結合ゲートに、及び正電圧を消去ゲートに印加することにより、メモリセル対のうちの1つを消去するように構成されている。
【0011】
メモリデバイスは、第1の導電型の半導体材料の基板と、互いに実質的に平行であり、第1の方向に延伸する、基板の上に形成される、離間した分離領域と、含み、隣接した各分離領域対間の活性領域も第1の方向に延伸する。活性領域の各々は、複数のメモリセル対を含み、メモリセル対の各々は、基板内で離間され、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1及び第2の領域であって、基板内の連続チャネル領域がこれらの間に延伸する、第1及び第2の領域と、第1の領域に隣接したチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁される第1の浮遊ゲートと、第2の領域に隣接したチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁される第2の浮遊ゲートと、第1のチャネル領域部分と第2のチャネル領域部分との間のチャネル領域の第3の部分の上方に配設され、かつそれから絶縁される消去ゲートと、第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつそれから絶縁される第1の結合ゲートと、第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつそれから絶縁される第2の結合ゲートと、を含む。制御回路は、1つのメモリセル対に対して、ゼロ電圧を第1の領域に、ゼロ電圧を第2の領域に、第1の負電圧を第1の結合ゲートに、ゼロ電圧又は正電圧を第2の結合ゲートに、及び正電圧を消去ゲートに印加することにより、1つのメモリセル対のうちの1つのメモリセルを消去するように構成されている。
【0012】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、添付の図面を見直すことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】従来のメモリセルの消去電圧、読み出し電圧、及びプログラム電圧を示す表である。
【
図3】本発明による1つのメモリセル対を示す側面断面図である。
【
図4】本発明によるメモリセル対の消去電圧、読み出し電圧、及びプログラム電圧を示す表である。
【
図5A】本発明のメモリセルを形成する工程の順序を示す側面断面図である。
【
図5B】本発明のメモリセルを形成する工程の順序を示す側面断面図である。
【
図5C】本発明のメモリセルを形成する工程の順序を示す側面断面図である。
【
図5D】本発明のメモリセルを形成する工程の順序を示す側面断面図である。
【
図5E】本発明のメモリセルを形成する工程の順序を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、ソース領域及びワードラインゲートを排除することによってより小さいサイズに縮小することができるメモリセル構成である。本発明による1つのメモリセル対を
図3に図示する。
【0015】
各メモリセル10A及び10Bは、それぞれ、ドレイン領域(ビットラインBL)12A及び12B、チャネル領域16の一部分の上方の浮遊ゲートFG 14A及び14B、浮遊ゲート14A又は14Bの上方の結合ゲートCG 18A及び18B、並びにチャネル領域16の別の部分の上方の消去ゲートEG 20(消去ゲート20はメモリセル対により共有されている)を含む。2つのメモリセル10A及び10Bは、2つのドレイン領域12A及び12Bの間に延伸する単一の連続チャネル領域16を共有し、チャネル領域16の導電型は、両メモリセル10A及び10Bの両浮遊ゲート14A及び14B、並びに共通の消去ゲート20により制御される。ドレイン領域12A/12B及びチャネル領域16は、半導体基板22(例えば、P型基板又はN型基板内のP型ウェル)内に形成される。
【0016】
消去電圧、読み出し電圧、及びプログラム電圧の非限定的な例を
図4に図示する。メモリセル対の消去は、比較的高い正電圧(例えば、8V)を消去ゲート20に、並びに比較的高い負電圧(例えば、−8V)を両結合ゲート18A及び18Bにかけることにより行われる。浮遊ゲート14A/14B上の電子は、介在する絶縁材料を通じて浮遊ゲートから消去ゲートにトンネリングすることになる。代替的に、1つのメモリセル対のうちの1つのメモリセルの消去は、比較的高い正電圧(例えば、8V)を消去ゲート20に、比較的高い負電圧(例えば、−8V)を結合ゲート18Aに、並びにゼロ電圧又は正電圧(例えば、0〜5V)を結合ゲート18Bにかけることにより行われる。
【0017】
セル10Aは、比較的高い正電圧(例えば、8〜10V)をその結合ゲート18Aに、比較的低い正電圧(例えば、2〜3V)を他方のセルの結合ゲート18Bに、並びに比較的低い正電圧を消去ゲート20に(例えば、1〜2V)かけることにより、プログラムされる。正電圧(例えば、5V)がセルのビットライン12Aにかけられ、電子ソースが他方のセルのビットライン12Bに(例えば、1〜2μA)印加されると、下地チャネル領域部分が結合ゲート18B(浮遊ゲート14Bに静電容量結合されている)及び消去ゲート20に対する正電圧によりオンになる(すなわち、導電化される)ため、ビットライン12Bからの電子は、結合ゲート18B及び消去ゲート20の下方のチャネル領域に沿って移動することになる。電子が浮遊ゲート14Aに接近するにつれて、電子は、結合ゲート18Aにより浮遊ゲート14Aに結合されている高い電圧に遭遇し、次いで、少量の電子が、ホット電子注入を介して浮遊ゲート14Aの下方の絶縁体を通じて注入され、及び浮遊ゲート14A上に注入される。セル10Bは、ビットライン12A/12B及び結合ゲート18A/18Bの関係する電圧を交換することによりプログラムされる。
【0018】
セル10Aは、比較的低い電圧(例えば、1〜3V)を消去ゲート20にかけて、消去ゲート20の下方のチャネル領域16の部分をオンにすることにより、読み出される。結合ゲート18Bを浮遊ゲート14Bに結合して浮遊ゲート14Bの下方のチャネル領域の部分をオンにするように、十分に高い電圧を結合ゲート18Bに印加する(例えば、3〜5V)。比較的低い正電圧をビットライン12Bに印加し(例えば、1V)、比較的低い正電圧を結合ゲート18Aに印加し(例えば、0〜3V)、無電圧又は接地電圧をビットライン12Aに印加する。浮遊ゲート14Aが電子によりプログラムされる場合、チャネル領域の下地部分は、低導通又は無導通になり、これは、プログラム状態(例えば、「1」の状態)として感知される。浮遊ゲート14Aが電子によりプログラムされない(すなわち、消去される)場合、チャネル領域の下地部分は(チャネル領域の他の部分と共に)、比較的高導通になり、これは、消去状態(例えば、「0」の状態)として感知される。セル10Bは、ビットライン12A/12B及び結合ゲート18A/18Bの関係する電圧を交換することにより読み出される。
【0019】
ソース領域及びワードラインゲートが存在しないため(すなわち、いかなるソース拡散も不在であるため、ビットライン方向における浮遊ゲート間の間隔を、更に縮小することができる)、
図3のメモリセル構成は、より小さいセルサイズを可能にする。メモリセル対10A/10Bは、マスキング工程がより少なく、作製するのがより簡単である。
【0020】
これより、メモリセル対10A/10Bの形成を
図5A〜5Eを参照して説明する。シリコン半導体基板22から説き起こすと、基板内にトレンチを形成し、トレンチを酸化物等の絶縁材料24(例えば、STI絶縁体)で充填することにより、STI分離領域を形成する。基板22上に浮遊ゲート酸化物層26を形成し、続いてポリシリコン蒸着及びCMPエッチバックを行って、最終的に浮遊ゲート14A/14Bを構成することになるポリ層14(FGポリ層)を形成する。この結果得られた構造を
図5Aに示す(結合ゲート方向の断面図)。
【0021】
ONO絶縁層28(酸化物−窒化物−酸化物)をFGポリ層14上に形成し、続いてポリ蒸着及びエッチバックを行って、結合ゲート18A/18Bを形成することになるポリ層18(CGポリ層)を形成する。ハードマスク30をCGポリ層18の上に形成し、フォトリソグラフィーを使用してパターン形成して、CGポリ層18を選択的に露出させる。次いで、ポリ/ONOエッチングを使用して、CGポリ層18及びONO層28を通って延伸するトレンチ32を形成する。この結果得られた構造を
図5Bに示す(
図5Aの図に直交するビットライン方向の断面図)。
【0022】
結合ゲート側壁のHTO蒸着及びアニールを行い、続いて窒化物蒸着及びエッチングを行い、トレンチ32の側壁に沿って窒化物スペーサ34を残す。プレクリーニング及び犠牲酸化物蒸着及びスペーサエッチングの後、ポリエッチを行って、トレンチをFGポリ層14を通って延伸させる。この結果得られた構造を
図5Cに示す。
【0023】
犠牲酸化物の除去後、FGポリ層14の露出した端部に沿ったトレンチ32の底部のトンネル酸化物層36を酸化物蒸着/形成により形成し、続いてアニールを行う。次いで、トレンチ32を、ポリシリコン蒸着によりポリシリコンのブロック(EGポリブロック20)で充填し、続いてCMPエッチバックを行う。好ましくは、同じウエハ上に複数の論理デバイスが同時に形成される場合、このポリ蒸着及びエッチバックを使用して、このような論理デバイスのゲートを形成する。この結果得られた構造を
図5Dに示す。
【0024】
フォトリソグラフィーによりハードマスク30に再びパターン形成して、CGポリ18の部分を露出させておく。CGポリ層18、ONO28、及びFGポリ14の露出した部分をエッチングして、第1のトレンチ32と互いに交互になる第2のトレンチ38を形成する(すなわち、第1のトレンチと第2のトレンチとは、各第2トレンチ38が隣接する第1のトレンチ32対の間に配設され、逆もまた同様になるように、互いに交互になる)。LDD注入を行って、第2のトレンチ38の下方の基板22内にドレイン(ビットライン)領域12を形成する。トレンチ38の底部の酸化物層26は、LDD注入前又はLDD注入後に除去することができる。窒化物蒸着及びエッチバックを使用して、第2のトレンチ38の側壁に沿って窒化物スペーサ40を形成する。この結果得られた構造(本発明のメモリセル対の全ての上で説明されるコンポーネントを含む)を
図5Eに示す。
【0025】
本発明は、本明細書において上で説明され、かつ図示された実施形態(複数可)に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲にあるあらゆる全ての変形例も包含することが理解されよう。例えば、本明細書における本発明への言及は、いかなる特許請求の範囲又は特許請求の範囲の用語も限定することを意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ又は2つ以上によって網羅され得る1つ又は2つ以上の特徴に言及するにすぎない。上で説明される材料、プロセス、及び数値例は、単なる例示であり、請求項を限定するものと見なされるべきではない。更に、特許請求の範囲及び明細書から明らかであるように、全ての方法工程が図示又は請求されている厳密な順序で行われる必要はない。最後に、単一層の材料をそのような又は同様の材料の複数層として形成することができ、逆もまた同様である。
【0026】
本明細書で使用される、用語「〜の上方に(over)」及び「〜の上に(on)」はともに、「直接的に〜の上に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)及び「間接的に〜の上に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「取り付けられた」は、「直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結していない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結している)を含む。例えば、「基板の上方に」要素を形成することは、中間材料/要素が介在せずに直接的に基板の上にその要素を形成することも、1つ以上の中間材料/要素が介在して間接的に基板の上にその要素を形成することも含む可能性がある。