【実施例】
【0044】
下記の実施例は、本発明による実施形態のいくつかを例示する。下記の実施例は、決して本発明を限定するとみなすものではない。例えば当業者なら、ある場合に、極性(例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、およびメタノール)、無極性(例えば、ヘキサン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、およびジクロロメタン)、プロトン性(例えば、水、メタノール、およびエタノール)、非プロトン性(例えば、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、およびジメチルスルホキシド)、電子対供与体(例えば、テトラヒドロフランおよびメタノール)、および以下の方法ステップで述べるもの以外の非電子対供与体溶媒を使用できることが、理解されよう。例えば当業者なら、ある場合に、溶液のイオン強度を、以下の方法ステップで述べるものから変えてもよいことが理解されよう。例えば、ある場合には、以下の方法ステップで述べるものとは異なる塩を使用して、1または複数の化合物の沈殿を誘発させることができる。ある場合には、沈殿ステップを省略しまたは排除することができ、その他の場合には、沈殿ステップを付加することができる。ある場合には、単一溶媒を溶媒の混合物の代わりに用いてもよく;その他の場合には、溶媒の混合物を単一溶媒の代わりに用いてもよい。例えば当業者なら、ある場合に、以下の合成で述べるもの以外の温度を使用することができ;例えば記述される温度よりも1、2、5、10、15、20、25、または30℃高い温度または低い温度を、ある場合に使用できることが理解されよう。例えば、「周囲温度」は約5、10、15、20、22、25、30、35、40、または45℃を意味することができる。例えば「室温」は、約5、10、15、20、22、25、30、35、40、または45℃を意味することができる。例えば当業者なら、ある場合に、以下の合成で述べたもの以外のpH値を使用することができ;例えば、記述されるpH値よりも0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、または5pH単位大きいまたは少ないpHを、ある場合に使用できることが理解されよう。例えば当業者なら、ある場合に、以下の合成で記述されるもの以外の反応、撹拌、溶解、またはその他の方法ステップの時間を使用することができ;例えば、記述される時間の25%、33%、50%、67%、80%、125%、150%、200%、300%、または400%である時間を、ある場合に使用できることが理解されよう。例えば当業者なら、ある場合に、以下の合成で述べるもの以外の、反応物と別の反応物との割合、および/または反応物と溶媒との比を使用することができることが理解されよう。例えば、ある場合には、混合物中の1または複数の反応物、溶媒、沈殿剤、またはその他の材料もしくは化合物の重量パーセンテージは、以下の実施例で述べるものの25%、33%、50%、67%、80%、125%、150%、200%、300%、または400%であってもよい。例えば当業者なら、ある場合には、以下の合成で示される以外の反応物を使用できることが理解されよう。例えば当業者なら、ある場合に、以下の合成で示される純度よりも高いまたは低い反応物および/または溶媒を使用できることが理解されよう。例えば当業者なら、ある場合に、精製、分離、または抽出ステップなどの方法ステップを以下に述べるものから修正してもよく、または異なる方法ステップを代わりに用いてもよいことが理解されよう。例えば、当業者なら、指定された1または複数のものとは異なる1または複数の乾燥剤を代わりに用いることができ、あるいはほぼ完全な(高)、部分的な、または非真空を、ある場合に指定された圧力条件に代えて用いることができることが理解されよう。例えば当業者なら、ある場合に、以下に述べるもの以外のモレキュラーシーブを使用してもよいことが理解されよう。例えば、ある場合には、活性炭、シリカゲル、クレー、ガラス、およびゼオライトを、互いの代わりに用いてもよい。例えば当業者なら、ある場合に、以下に述べるもの以外の分離技法および/またはクロマトグラフィ技法を使用してもよいことが理解されよう。例えば当業者なら、ある場合に、以下の述べるもの以外のクロマトグラフィ媒体および/または基質を使用してもよいことが理解されよう。例えば当業者なら、ある場合に、合成および/または精製ステップなどの方法ステップを2つ以上の分離方法ステップに分割してもよく、その他の場合には、2つ以上の分離方法ステップを単一方法ステップに組み合わせてもよいことが理解されよう。例えば当業者なら、ある場合に、精製ステップなどの方法ステップを省略または排除してもよく、その他の場合には精製ステップなどの方法ステップを付加してもよいことが理解されよう。例えば当業者なら、ある場合に、合成および/または精製ステップなどの方法ステップを、以下に述べるものとは異なる順序で行うことができることが理解されよう。例えば当業者なら、ある場合に、以下に述べるものとは異なる分析技法または以下の述べるものとは異なる条件下で実行される分析技法を使用することができることが理解されよう。ある場合には、以下に述べる分析ステップ(例えば、生成物成分の量または濃度を決定するため)を省略することができ、その他の場合には分析ステップを付加することができる。当業者なら、使用される反応物、使用される溶媒、反応条件、例えば温度、時間、および濃度など、反応物および/または溶媒の相対的な割合、合成ステップ、精製、分離、および/または抽出ステップおよび技法、分離および/または精製ステップで使用される材料、および分析技法に対するそのような修正は、収率および純度などの方法パラメーターと全体的な方法の経済性(全体の時間、およびステップ数、および使用される反応物および溶媒などの材料のコスト)をさらに最適化するのに行うことができ、かつそのような修正は、本明細書に記述される本発明および実施形態の範囲内にあることが理解されよう。
【0045】
本明細書に開示される反応は、特定の化合物に関して実証される。しかし、これらの反応は、その他の構造的に関連ある化合物に適用することができる。当業者なら、反応を、構造的に類似する化合物に、例えばカルバ糖の分野で使用される場合に使用できることが理解されよう。
【0046】
概要
全ての化学物質は、試薬級であり、Aldrich Chemical Company(Milwaukee、Wis.)またはSigma Chemical Company(St.Louis、MO.)から購入した。溶媒は、通常通り蒸留した後に使用した。無水テトラヒドロフランは、ナトリウム/ベンゾフェノンから蒸留した後に使用した。
【0047】
プロトンNMRスペクトルを、DMSO−d
6、CDCl
3、アセトニトリル−d
3、またはアセトン−d
6などの重水素化溶媒中で、Varian−400MHz分光計に記録した。化学シフトを、ゼロppmの内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて百万分率(ppm)で報告する。結合定数(J)はヘルツ(Hz)で与えられ、略称s、d、t、q、およびmは、それぞれ一重項、二重項、三重項、四重項、および多重項を指す。TLCは、Merckプレコート60F
254プレートで行った。カラムクロマトグラフィは、シリカゲル60(230〜400メッシュ、Merck)を使用して行った。
【0048】
[実施例1]
[実施例1a]
(3aR,6aR)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(1)
【0049】
【化3】
【0050】
2000Lの反応器内に、アセトン(1200L)および2,2−ジメトキシプロパン(125kg、1200mol、1.2当量)を充填し、その後、D−リボース(150kg、999mol)を充填した。混合物を周囲温度で撹拌した。p−TSA(p−トルエンスルホン酸)(9.6kg、49.5mol、0.05当量)を、40分かけて少量ずつ添加した。反応混合物を30℃で加熱し、TLCによって毎時間モニターした。14時間後、TLCは、完全な変換を示した。反応混合物からのサンプルと、リボースおよびリボースアセトニドに関する標準サンプルとを、市販のシリカゲルTLCプレートに付けて、プレートを移動相のジクロロメタン/エタノール=8:1中で展開した。次いでプレートに、エタノールに溶かした10%H
2SO
4を噴霧し、ヒートガンを使用して加熱した。リボース関連化合物は、プレート上に暗色スポットを与えた。リボースのR
fは約0.1であり、一方、リボースアセトニド(1)のR
fは通常0.3〜0.35であった。反応混合物に、トリエチルアミン(8.1kg、0.08当量)を添加した。アセトンを、12時間にわたり真空蒸留した(水浴温度<60℃)。残留物をジクロロメタン(300L)で希釈した。混合物を周囲温度で0.5時間撹拌し、次いで溶媒を4時間にわたり真空下で除去した。この操作を1回繰り返し、残留物を、さらに精製せずに次のステップで使用した。
1H NMR (400MHz, CD
3OD) δ 1.31 (s, 3H, CH
3), 1.44 (s, 3H, CH
3), 3.59 (dd, J=5.6, 12.0Hz, 1H, HOCHH), 3.63 (dd, J=4.8, 12.0Hz, 1H, HOCHH), 4.19 (不規則 t, J=4.4, 5.2Hz, 1H, 4-H), 4.52 (d, J=6.0Hz, 1H, 3-H), 4.77 (d, J=6.0Hz, 1H, 2-H), 5.26 (s, 1H, アノマーH).分析。C
8H
14O
5に関する計算値:C,50.52;H,7.42.実測値:C,50.48;H,7.36;[α]
25D−36.2(c 1.45,アセトン)[lit,[α]
25D−37(c 0.53,アセトン)]。
【0051】
[実施例1b]
1000Lの反応器に、312kgのアセトンと40.0kgのD−リボースとを充填し、反応混合物を5〜10℃に冷却した。濃H
2SO
4 1.60kgを5〜10℃で滴下して添加し、混合物を5〜10℃で1時間撹拌し、その後、混合物を25〜30℃にそのまま温め、さらに2時間撹拌した。HPLC(ELSD)は、D−リボース3.5%が残ったことを示した。反応混合物を、<−5℃に冷却し、1000Lの反応器2に入れたアセトン160kg、Na
2CO
3 8.5kg、Na
2SO
4 20kgの混合物にゆっくり添加し、混合物を5±5℃で1時間撹拌することにより中和した(pH>7)。混合物を濾過して、Na
2SO
4、余分なNa
2CO
3、および塩を除去し、ケークをアセトンで洗浄した(10kg×3)。合わせたアセトン溶液(504kg、そのうちサンプル採取した702gを濃縮して74.2gの残留物にし、合計粗製物1が53.3kgであると推定した。)を<20℃で真空濃縮し、その後、b(ジクロロメタン)120kgを添加し、溶媒を20〜25℃で、真空下で除去して粗製物1(KF、0.4%)を得、そこにDCM 692kgを添加した。溶液は、次の段階で直接使用した。
【0052】
[実施例2a]
(3aR,6aR)−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)テトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(2)
【0053】
【化4】
【0054】
2000L(実施例1a)の反応器に入れた、最後のステップ(実施例1a)からの残留物(約189kg、999mol)に、DMF(ジメチルホルムアミド)900Lを充填し、溶液を周囲温度で0.5時間撹拌した。撹拌した溶液に、塩化トリチル(Trt−Cl、336kg、1200mol、1.2当量)、トリエチルアミン(202kg、1998mol、2当量)、およびDMAP(ジメチルアミノピリジン)(7.3kg、60mol、0.06当量)を添加した。混合物を30℃で32時間撹拌した。TLCは、完全な変換を示した(反応混合物からのサンプルと化合物1および2からの標準サンプルとを、市販のシリカゲルTLCプレートに付けて、プレートを移動相の石油エーテル/酢酸エチル=4:1中で展開した。化合物2、塩化トリチル、トリチルアルコール、およびトリチルメチルエーテルは、UV
254の下で検出することができる。それらは、ヨウ素処理を使用して視覚化することもできる。トリチルメチルエーテルのR
fは約0.9であった。化合物2のR
fは約0.4であった。トリチルアルコールのR
fは約0.3であった。化合物1は、この方法を使用するTCLプレート上で移動しない。化合物1は、実施例1aに関して記述されたTLC法を使用して検出することができる。メタノール(50L)を一度に添加し、反応をさらに1時間撹拌した。この材料の半分を別の2000Lの反応器に移した。各反応器内の反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(600L)で、撹拌しながら0.5時間にわたり希釈し、次いで酢酸エチル(500L)で希釈した。層をカットした。各反応器内の水層を酢酸エチル150Lで抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物(約1400L)を2000Lの反応器内に導入し、ブライン(300L)で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で6時間乾燥した。酢酸エチルを15時間にわたり真空蒸留して(水浴温度<60℃)、約600Lの体積にした。この残留物を、下記のクロマトグラフィで使用した。上述からの残留物を20に分けた。各分量を、100Lの容器に入れたシリカゲル(100〜200メッシュ)30kgに激しく撹拌しながら添加して、均一混合物を得た。次いで粗製生成物を伴うシリカゲルを真空炉内で12時間にわたり乾燥した。カラム(1500mm、φ400mm)にシリカゲル(200〜300メッシュ)4kgを添加した。最上部に、粗製生成物を伴うシリカゲル2.5kgを添加した。15本のそのようなカラムを同時に展開し、TLCによりモニターした。カラムを、最初に石油エーテル/酢酸エチル/ジクロロメタン=10:1:1(60L)で洗浄し、次いで石油エーテル/酢酸エチル/ジクロロメタン=5:1:1に変更した。これら15本のカラムは、通常、終了するのに3から5時間を要した。溶出液をTLCによりモニターした。主成分として化合物2を伴う溶出液を合わせた。合わせた溶出液を、300Lの反応器内で、約50Lに真空濃縮(水浴は、60℃を超えない。)した。15本のカラムの組を、このバッチでは34回実施した。濃縮した溶出液を合わせ、500Lの反応器内で(水浴は60℃を超えない)、約200Lにさらに真空濃縮した。残留物にトルエン100Lを添加し、混合物を真空蒸留してほぼ乾固することにより、残留水を除去した(水浴60℃)。さらにトルエン100Lを添加し、蒸留を繰り返した。化合物2が全体で115kg得られた。
1H-NMR (300MHz, CDCl
3), δ 7.21-7.40 (m, 15H), 5.72 (d, J=4.0Hz, 0.4H), 5.32 (s, 0.6H), 4.76 (d, J=5.6Hz, 0.6H), 4.72 (dd, J=6.0, 4.0Hz, 0.4H), 4.63 (d, J=6.0Hz, 0.6H), 4.57 (dd, J=6.4, 1.2Hz, 0.4H), 4.33 (m, 0.6H), 4.17 (m, 0.4H), 4.09 (bs, 2H), 3.40 (dd, J=10.4, 2.8Hz, 0.4H), 3.39 (dd, J=10.0, 3.6Hz, 0.6H), 3.32 (dd, J=10.0, 3.6Hz, 0.6H), 3.00 (dd, J=10.4, 3.2Hz, 0.4H), 1.53 (s, 1.2H), 1.46 (s, 1.8H), 1.35 (s, 1.2H), 1.32 (s, 1.8H).
【0055】
[実施例2b]
2000Lの反応器内の窒素雰囲気中で、化合物1(ほぼ120kg)およびDCM 1590kgに、塩化トリチル152kgを−5から−10℃で添加し、TEA(トリエチルアミン)(71kg)およびDMAP(2.88kg)をDCM 175kgに溶かした溶液を、ゆっくり添加した。反応混合物を−5から−10℃で32時間撹拌し、15〜20℃に温め(4℃/時)、15〜20℃で12時間保ち、その後、LC−MSは塩化トリチル<2%を示した。反応を水20kgでクエンチし、有機相を分離し、乾燥し、残留物に濃縮し、MTBE(メチルtert−ブチルエーテル)(500kg)を撹拌しながら添加して、透明溶液を得た。水(600kg)を添加し、混合物を3時間撹拌し、次いでヘプタン500kgを添加し、−5℃〜0℃に冷却し、3時間撹拌した。少量の黄色固体が沈殿し、遠心機によって濾過した。次いで有機層を飽和NH
4Cl溶液(600kg)で洗浄し、pHを、0.5Nクエン酸水溶液でpH=3〜4に調整し、有機層を収集し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、真空濃縮することにより、粗製化合物(2)、(3aR,6aR)−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)テトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オールが油状物として得られた。この粗製物(2)(228.5kg)を、シリカゲルカラムによって精製し(1.0×シリカゲルを使用して、粗製材料を予備吸収し、2.3×シリカゲルを使用して、カラムを充填した。)、溶媒(EA(酢酸エチル):PE(石油エーテル)=1:8)によって溶離することにより、トルエン中に分散された(2)を93kg(4バッチ)得た(HPLCによるアッセイ)。
【0056】
[実施例3a]
1−((4R,5S)−5−(2,2−ジヨードビニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2−(トリチルオキシ)エタノール(3)
【0057】
【化5】
【0058】
20Lの反応器内に、トリフェニルホスフィン(2.55kg、9.72mol、2.1当量)およびヨードホルム(3.83kg、9.72mol、2.1当量)を充填し、その後、トルエン(8L)を充填した。撹拌溶液を、ドライアイス/アセトン浴内で−20℃まで冷却した。カリウムtert−ブトキシド(1.13kg、9.26mol、2当量)を、反応温度<10℃に保ちながら少量ずつ添加した(約30分以内)。混合物は暗色になり、いくらかの沈殿物が形成された。添加後、懸濁液をさらに1時間、5〜10℃で撹拌した。化合物2(2kg、4.63mol、1当量)をトルエン(5L)に溶かした溶液を、5℃の懸濁液に添加した。反応を、1.5時間後にブライン(1.5L)でクエンチした。HPLCは、2(6.4分)と3(約9.8分)との比が約1:3であることを示し、一方、副生成物3a(3のOH基は、HIの脱離を伴い、2の二重結合に付加されて、(3aR,6aR)−4−(ヨードメチレン)−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)テトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール)を形成する。)はほとんどまたは全く観察されなかった。反応混合物を酢酸エチル(2L)で希釈し、15分間撹拌して、希釈懸濁液を得た。8つのそのような20Lの反応を合わせた。上清をデカンテーションし、遠心分離にかけた。残留物を水(40L)および酢酸エチル(40L)で希釈した。懸濁液を10分間撹拌し、次いで遠心分離した。固体を酢酸エチル40Lで1回洗浄した。濾液および洗浄液を合わせた。層をカットした。有機層をブライン(30L)および水(30L)で洗浄した。次いで濃縮乾固した(水浴の温度<50℃)。残留物をシリカカラムに投入し、最初に石油エーテル/酢酸エチル(10:1)で溶離し、次いで石油エーテル/酢酸エチル/ジクロロメタン(20:1:1)で溶離した。所望の生成物が出現した後、カラムを石油エーテル/酢酸エチル/ジクロロメタン(5:1:1)で洗浄した。全体で5.3kgの3が得られた(HPLC純度95%、収率21%)。反応混合物からのサンプルと、化合物2および3に関する標準サンプルとを、市販のシリカゲルTLCプレートに付けて、プレートを石油エーテル/酢酸エチル=4:1中で展開した。化合物2、3、および3aは、UV
254の下で検出することができる。それらはヨウ素で視覚化することもできる。化合物2に関するR
fは約0.4であった。3に関するR
fは約0.7であった。3aに関するR
fは約0.9であった。;
1H-NMR(300MHz, CDCl
3), δ 7.23-7.46 (m, 15H), 7.05 (d, J=8.4Hz, 1H), 4.53 (dd, J=5.7, 8.4Hz, 1H), 4.19 (dd, J=5.7, 8.4Hz, 1H), 3.67 (m, 1H), 3.32 (d, J=4.8Hz, 1H), 2.46 (d, J=4.8Hz, 1H), 1.34 (s, 3H), 1.33 (s, 3H);
13C-NMR (75MHz, CDCl
3) δ147.65 (-CH=CI
2), 143.75, 128.68, 128.00, 127.29, 127.23, 109.55, 86.97, 83.39, 77.21, 69.19, 27.84, 25.52, 15.99 (=CI
2).
【0059】
[実施例3b]
1000Lのフラスコに、トルエン(344kg)およびTHF(110kg)を、N
2フラッシング下で添加した。ヨードホルム(58.4kg)を添加し、室温で10分間撹拌することにより、均質な溶液が得られ、そこにモレキュラーシーブ(50kg)を添加し、混合物を13時間撹拌し(含水量は、KFにより110ppmであった。)、その後、モレキュラーシーブを濾過し、PPh
3(37.2kg)を添加し、混合物を10℃で30分間撹拌し、0〜5℃に冷却した。次いでt−BuOK(15.6kg)を少量ずつ添加し、その間の温度は<15℃として保ち、その結果、懸濁液が得られ、これを25℃で10時間撹拌した。トルエン(KF:水は検出されなかった。)80kgに溶かした2(28kg)の溶液を、Wittig混合物中に滴下して添加し、混合物を10℃で3時間撹拌した。HPLCによるIPC(インプロセスコントロール)は、約5.5%の2が残ったことを示した。水2.0kgを添加して反応をクエンチし、30分後、Na
2SO
4(50kg)を添加し、3時間撹拌した。次いで固体を濾過し、ケークをトルエン100kgでスラリー化し、固体を濾過した。有機層を合わせ(HPLCアッセイは、有機層中に約23.07kgの3を示した。)、乾燥し、0〜10℃に冷却し、溶液を、さらに精製せずに次の酸化ステップで使用した。
【0060】
[実施例4a]
1−((4S,5S)−5−(2,2−ジヨードビニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2−(トリチルオキシ)エタノン(4)
【0061】
【化6】
【0062】
化合物3(38kg、55.7mol)をジクロロメタン100Lに溶解し、溶液を、ジクロロメタン(500L)が充填された1000Lの容器に添加し、その後、4Åのモレキュラーシーブ(42.9kg)および中性アルミナ(84kg)を添加した。周囲温度の撹拌懸濁液に、PDC(二クロム酸ピリジニウム)(25.1kg、66.8mol)を添加し、HPLCが完全な変換を示すまで混合物を16時間撹拌した。懸濁液を、遠心機を使用して濾過した。遠心機からの濾液を収集した。遠心機からのケーク(主にアルミナ、モレキュラーシーブ、およびPDC残留物)を2×100Lのメチルtert−ブチルエーテルで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせたものを、1000Lの反応器内に導入し、50℃よりも低い加熱を保ったまま濃縮乾固した。残留物に、メチルtert−ブチルエーテル600Lを添加し、その後、活性炭5kgを添加した。暗色懸濁液を60℃で1時間加熱し、次いで30℃まで冷却した。Celiteのパッドを通して濾過することにより、活性炭を除去した。濾液を濃縮乾固した。油状残留物をメタノール60Lで希釈し、沈殿物が形成し始めた。高濃度の懸濁液を周囲温度で1時間撹拌し、次いで沈殿物を、濾過によって収集した。ケークを石油エーテル50Lで2回洗浄し、40℃で乾燥することにより、4の25.3kg(収率67%、純度>99%)が白色固体として得られた。石油エーテル/酢酸エチル=4:1中で展開しかつUV
254光の下でまたはヨウ素処理によって視覚化されたシリカゲルTLCプレート上で、3に関するR
fは約0.7であり、一方、4に関するR
fは約0.75であった。
1H-NMR-(300MHz, CDCl
3) δ 7.23-7.48 (m, 15H), 6.80 (d, J=7.5Hz, 1H), 4.75-4.85 (m, 2H), 3.95 (d, J=18.0Hz, 1H), 3.80 (d, J=18.0Hz, 1H), 1.41 (s, 3H), 1.34 (s, 3H);
13C-NMR (75MHz, CDCl
3) δ 203.22, 145.93 (-CH=CI
2), 143.07, 128.62, 128.52, 128.21, 128.08, 127.43, 111.01, 87.57, 82.95, 80.00, 69.10, 26.85, 25.11, 18.53 (=CI
2).
【0063】
[実施例4b]
実施例3bの最終溶液に、DMSO(ジメチルスルホキシド)(5.2kg)、DIC(ジイソプロピルカルボジイミド)(7.9kg)、およびピリジン(7.6kg)を添加した。次いでCF
3COOH(4.9kg)を、温度<20℃(発熱反応)を保ちながら滴下して添加し、混合物を1時間撹拌した。次いで追加のDMSO(2.6kg)、DIC(3.9kg)、およびピリジン(3.8kg)を添加し、その後、CF
3COOH(2.45kg)を<20℃で滴下して添加した。HPLCは、3が完全に消費されたことを示した。反応混合物を0〜5℃に冷却した。NaOCl(約7%、108kg)を、1時間、撹拌しながらゆっくり添加し、その後、混合物を濾過し、固体を洗浄し(2×30kgのトルエン)、層を分離し、有機相を水(2×200kg)、ブライン(250kg)で洗浄し、<65℃の減圧下で蒸留して残留物を得た。残留物を0〜5℃に冷却し、エタノールを添加し(120kg)、溶液を0℃で4時間撹拌した結果、スラリーが得られた。固体を濾過し、乾燥することにより、純粋な4(19.2kg)が得られた。
【0064】
3からの4の形成は、Moffat酸化またはSwern酸化により実施することができる。
【0065】
[実施例5a]
(1R,4S,5S)−2−ヨード−4,5−イソプロピリデンジオキシ−1−(トリチルオキシメチル)シクロペンタ−2−エノール(5)
【0066】
【化7】
【0067】
20Lの反応器内に、4(1.5kg、2.2mol)および無水THF(7L)を添加した。撹拌溶液を<−70℃まで冷却した。n−BuLi(2.5M、1.06L、2.65mol、1.2当量)を、温度が−65℃を超えないような速度で、反応混合物に滴下して添加した。添加には約1.5時間を要した。反応混合物を−70℃よりも低い温度で1時間撹拌した。HPLCは、4の完全な消費を示した。塩化アンモニウムの飽和溶液(1L)を、反応混合物に滴下して添加した。次いで混合物をそのまま室温に温めた。8つのそのような20Lの反応を合わせ、300Lの反応器内に導入した。混合物を、ブライン(16L)と酢酸エチル(60L)との間で分配し、30分間撹拌した。層をカットした。有機層をブライン(20L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空濃縮した(温度<40℃)。残留物をシリカゲルカラム上に置いた。カラムを、石油エーテル/酢酸エチル/ジクロロメタン=15:1:1で溶離した。全体で、5が4.09kg得られた(収率42%、HPLC>95%)。反応混合物からのサンプルと、化合物4(R
f 約0.75)および5(R
f 約0.55)に関する標準サンプルとを、石油エーテル/酢酸エチル=4:1中でシリカゲルTLCプレート上で展開し、UV
254光でかつヨウ素処理によっても視覚化した。
1H-NMR(300MHz, CDCl
3) δ 7.31-7.62 (m, 15H), 6.50 (d, J=1.8Hz, 1H), 5.24 (dd, J=1.8Hz, 5.7Hz, 1H), 4.68 (d, J=5.7Hz, 1H), 3.69 (d, J=9.0Hz, 1H), 3.36 (s, 1H, OH), 3.27 (d, J=9.0Hz, 1H), 1.46 (s, 3H), 1.36 (s, 3H);
13C-NMR (75MHz, CDCl
3) δ 144.23 (-CH=CI-), 143.53, 128.89, 127.95, 127.29, 112.44, 104.99 (=CI-), 87.64, 85.66, 84.40, 83.10, 65.40, 27.45, 26.62.
【0068】
[実施例5b]
化合物4(29.0kg)をTHF(220.0kg、247L、KF:190ppm)に溶解し、−75℃に冷却した。n−BuLi(17.8kg、1.15当量)を、3時間にわたって−70℃よりも低い温度で添加し、次いで混合物を−70±2℃で3時間撹拌し、その後、HPLCは、4のほぼ完全な消費(5.9面積%が残された。)および5の形成を示した。したがって、反応混合物を1.5時間にわたって−40℃にゆっくり温め、その後、反応混合物を、1.5時間にわたって−25℃にゆっくり連続して温めた結果、4が1.1%のみになった。反応を飽和NH
4Cl(15kg)に1時間添加し、混合物を、クエンチしながら−7±2℃で保った。次いで混合物をEA(4.5kg×2)で抽出した。EA相(23kg)をNa
2SO
4上で乾燥し、次いで−0.08MPaで約5時間、40℃で真空濃縮した。残留物をDCM(10.1kg)に溶解することにより、5の溶液(10.7kg)が得られ、これを次のステップで使用した。
【0069】
4から5へのこの反応は、一般的な反応であり、例えば炭素環化合物を形成するのに有用な反応である。この反応は、これまで報告されてこなかった。例えばこの反応は、その他の反応物および生成物と共に使用することができる。
【0070】
[実施例6a]
(3aR,6aR)−5−ヨード−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4(6aH)−オン(6)
【0071】
【化8】
【0072】
100Lの反応器に、5(5.54kg、10mol)をジクロロメタン(50L)に溶かした溶液を添加し、その後、4Åのモレキュラーシーブ(8.3kg)および中性アルミナ(16.6kg)およびPDC(12.03kg、32mol)を添加した。懸濁液を、周囲温度で12時間撹拌した。HPLCは、完全な変換を示した。懸濁液を遠心分離した。ケークをメチルtert−ブチルエーテルで洗浄した(2×50L)。合わせた濾液および洗浄液を、200Lの反応器内に導入し、真空下で濃縮乾固した(加熱温度は<50℃に保った。)。残留物に、メチルtert−ブチルエーテル100Lを添加し、その後、活性炭0.5kgを添加した。暗色懸濁液を60℃で1時間加熱し、次いで30℃まで冷却し、次いでCeliteのパッドを通して濾過した。濾液を濃縮乾固した。残留物を、メタノール6Lで希釈した。高濃度の懸濁液を周囲温度で2時間撹拌し、次いで濾過した。ケークを石油エーテル5Lで2回洗浄し、真空炉(<40℃)内で乾燥することにより、2.94kgの6(収率53%、HPLC約99%)が白色固体として得られた。反応混合物からのサンプルと、化合物5および6に関する標準サンプルとを、市販のシリカゲルTLCプレートに付けて、これを石油エーテル/酢酸エチル=4:1中で展開し、U
254の下でおよび/またはヨウ素処理を使用して視覚化した。5に関するR
fは約0.55であり、一方、化合物6に関するR
fは約0.57であった。
1H-NMR(300MHz, CDCl
3) δ 7.15-7.53 (m, 15H), 5.44 (d, J=5.7Hz, 1H), 4.32 (d, J=5.7Hz, 1H), 4.30 (d, J=15.6Hz, 1H), 4.18 (d, J=15.6Hz, 1H), 1.45 (s, 3H), 1.32 (s, 3H);
13C-NMR DEPT-135 (75MHz, CDCl
3) δ 128.73, 128.11, 127.45, 79.34, 74.9, 64.33 (OCH
2-), 27.4, 26.81.
【0073】
[実施例6b]
DCMに5を溶かした溶液を反応器に添加し、次いでPDC(1800g)およびモレキュラーシーブ(362g)を添加し、混合物を撹拌し、25℃に温めた。Ac
2O(274g)を25℃で0.5時間にわたり添加し、次いで30分間撹拌した。混合物は10分で36℃に到達し、次いで25℃に冷却し、IPCが5の完全な消費を示すまで1.5時間撹拌した。懸濁液をシリカ(1.37kg)パッドに通して濾過し、濾液をブライン(3.69kg)で洗浄し、有機相を15±5℃で真空濃縮した。残留物をMTBE(4.4kg)に溶解し、活性炭(0.05kg)を添加し、懸濁液を2時間撹拌した。次いで濾過することにより、次の還元ステップですぐに使用することができる、MTBE(4.84kg)に溶かした6の溶液を得た。
【0074】
[実施例6c]
化合物5(72.5g、130.7mmol)を塩化メチレン(725mL、10V)に溶解させ、オーバーヘッドスターラー、窒素注入口、熱電対、およびモレキュラーシーブ(72.5g)を備えた2Lの三つ口フラスコに充填した。無水酢酸 (24.7mL、2.0当量)を添加し、その後、二クロム酸ピリジニウム(54.1g、143.8mmol、1.1当量)を添加した。反応を室温で3時間撹拌した。反応混合物を、350gのシリカゲルに通して濾過した。暗色のクロム塩がシリカプラグ上に残った。シリカプラグを200mLの塩化メチレンで洗浄した。得られた濾液を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(200mL)で洗浄し、次いで200mLの飽和チオ硫酸ナトリウムで洗浄した。色は除去された。有機層を橙色の油状物に濃縮することにより、化合物6が得られた。粗製材料約72gが、59A%の純度で収集された。
【0075】
[実施例7a]
(3aS,4R,6aR)−5−ヨード−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−オール(7)
【0076】
【化9】
【0077】
500Lの反応器にメタノール100Lを充填し、その後、6(9.7kg)およびCeCl
3−7H
2O(7.2kg)を、0.5時間にわたり1kgずつ添加した。添加中、反応混合物の温度は約5℃上昇した。反応混合物を−10℃まで冷却し、NaBH
4(0.77kg)を少量ずつ(約150g)、1時間にわたって添加した結果、反応温度が高くなった状態で強力なH
2の発生が生じた。次いで透明な反応混合物を、HPLCが完全な変換を示すまで0℃で2時間撹拌した。次いでブライン150Lを添加した結果、白色の沈殿物が得られた。懸濁液を真空濃縮することによりメタノールのほとんどが除去され、酢酸エチル(100L)を、得られた残留物に添加し、混合物を30分間撹拌した。次いで有機層を分離し、ブライン(20L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮乾固し、残留物を次のステップで直接使用した。反応混合物からのサンプルと、化合物6および7に関する標準サンプルとを、市販のシリカゲルTLCプレートに付けて、このとき石油エーテル/酢酸エチル=4:1を移動相として用いた。6および7は、UV
254の下で検出することができ、またはヨウ素処理を使用して視覚化することができる。6に関するR
fは約0.55であり、一方、化合物7に関するR
fは約0.57であった;
1H-NMR(300MHz, CDCl
3) δ 7.21-7.48 (m, 15H), 5.20 (d, J=5.7Hz, 1H), 4.77 (t, J=5.7Hz, 1H), 4.39 (dd, J=5.4, 11.2Hz, 1H), 3.90 (d, J=12.0Hz, 1H), 3.79 (d, J=12.0Hz, 1H), 2.81 (d, J=11.2Hz, 1H), 1.43 (s, 3H), 1.32 (s, 3H);
13C-NMR DEPT-135 (75MHz, CDCl
3) δ 128.79, 127.89, 127.11, 82.91, 78.14, 76.48, 62.58 (OCH
2-), 27.54, 27.11.
【0078】
[実施例7b]
化合物6(実施例6bから)の溶液を反応器に添加し、0℃に冷却した。MeOH 2.2kgを添加し、その後、CeCl
3・7H
2O(355g)を添加し、混合物を1時間撹拌して、均質な溶液を得た。NaBH
4(8.8g)を0℃で少量ずつ添加し、30分間撹拌し、IPCは反応が開始したことを示し、追加のNaBH
4(30g)を、0℃で1時間撹拌しながら少量ずつ添加した。IPCは、化合物6の完全な消費を示した。飽和NH
4Cl(0.27kg)を添加し、その後、セライト(266g)を添加し、混合物を30分間撹拌し、その後、濾過し、水で洗浄し(12L×3)、Na
2SO
4上で乾燥して、化合物7がMTBEに溶解した溶液(5.5kg)を得、これを濃縮して(40℃よりも低い)残留物を得た。DMF(3kg)を添加し、溶液を次のステップで直接使用した。
【0079】
[実施例8a]
tert−ブチル(((3aR,4R,6aR)−5−ヨード−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)オキシ)ジフェニルシラン(8)
【0080】
【化10】
【0081】
500Lの反応器に、DMF(100L)、イミダゾール(3.6kg)、および粗製化合物7(実施例7aから、約9.7kg)を充填した。混合物を、窒素の下で周囲温度で撹拌し、t−BDPSCl(tert−ブチルジフェニルクロロシラン)(1kg)を1時間にわたり少量ずつ添加した。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。HPLCは、完全な変換を示した。反応器にブライン(100L)および酢酸エチル(100L)を充填し、混合物を30分間撹拌した。有機相を分離し、水層を酢酸エチル50Lで2回抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物を水(30L)で2回洗浄し、真空濃縮して、金色の残留物(約15.2kg)を得た。残留物をメタノール20Lで希釈し、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。白色沈殿物を濾過により収集し、真空炉(<40℃)内で乾燥して、化合物8(8.3kg、収率60%、純度約99%)を白色固体として得た。反応混合物からのサンプルと、化合物7および8に関する標準サンプルとを、市販のシリカゲルTLCプレートに付けて、プレートを移動相の石油エーテル/酢酸エチル=10:1中で展開した。化合物7および8は、UV
254の下で検出することができる。それらはヨウ素処理を使用して視覚化することもできる。7に関するR
fは約0.1であった。化合物8に関するR
fは約0.9であった。
1H-NMR(300MHz, CDCl
3) δ 7.18-7.82 (m, 25H), 4.94 (d, J=5.6Hz, 1H), 4.47 (d, J=5.6Hz, 1H), 4.05 (t, J=5.6Hz, 1H), 3.89 (d, J=12.0Hz, 1H), 3.78 (d, J=12.0Hz, 1H), 1.29 (s, 3H), 1.26 (s, 3H), 1.13 (s, 9H);
13C-NMR DEPT-135 (75MHz, CDCl
3, δ<100) δ 82.68, 78.96, 76.63, 62.78, 27.50, 27.11.
【0082】
[実施例8b]
イミダゾール(133.6g)を化合物7(実施例7bから、KF:0.14%)の溶液に添加し、t−BDPSCl(448.5g)を20〜25℃で滴下して添加し、混合物を14時間撹拌し、その後、この混合物を25℃よりも低い水12kg中に滴下して添加し、次いで30分間撹拌した。酢酸エチル(5.8kg)を添加し、有機相を分離し、水層を酢酸エチル(2.9kg×2)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し(2.9kg×2)、次いで45℃よりも低い温度で濃縮した。EtOH(600g)を添加し、混合物を30℃に加熱して溶液を得、そこから固体が10分以内に析出した。混合物を15℃で2時間撹拌し、固体を濾過した。ケークをEtOH(50g×2)で洗浄することにより白色固体が得られ、これを45℃で20時間真空乾燥することにより、化合物8が400g得られた。
【0083】
[実施例9a]
tert−ブチル(((3aR,4R,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)オキシ)ジフェニルシラン(9)
【0084】
【化11】
【0085】
化合物8(0.48kg)およびNFSI(N−フルオロベンゼンスルホンイミド)(0.29g)をTHF(3L)およびエーテル(1L)に溶解した。溶液にn−ペンタン1.5Lを添加し、混合物をドライアイス浴中で−78℃に冷却した。n−BuLiのTHF溶液(2.5M、0.72L)を、4時間以内に反応混合物に滴下して添加し、その間、反応温度は−70℃よりも低く保った。反応混合物を、HPLCが化合物8の完全な消費を示すまで、さらに1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(水性、2L)を、反応混合物に滴下して添加した。次いで周囲温度までそのまま温めた。8つのそのような反応を合わせ、酢酸エチル30Lで希釈した。混合物を30分間撹拌し、次いで有機相を分離し、水層を酢酸エチル20Lで抽出した。合わせた有機相をブライン(10L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮乾固した。HPLCは、化合物9とそれに対応する脱フルオロ副生成物との比が約3/1であることを示した。残留物をシリカゲルカラム(300〜400メッシュ)に投入し、石油エーテル/ジクロロメタン/酢酸エチルで溶離した(最初に100/0/0、次いで200/10/1にして前端不純物を除去し、次いで200/15/1に変更して所望の生成物9を収集し、次いで200/20/1にして副生成物を収集した。)。全体として1.38kgの化合物9(収率36%、純度約95%)が得られた。
1H-NMR(300MHz, CDCl
3) δ 7.25-7.92 (m, 25H), 5.04 (t, J=7.2Hz, 1H), 4.45 (m, 1H), 4.33 (m, 1H), 3.98 (d, J=12.0Hz, 1H), 3.86 (d, J=12.0Hz, 1H), 1.55 (s, 3H), 1.48 (s, 3H), 1.18 (s, 9H);
13C-NMR DEPT-135 (75MHz, CDCl
3, δ<100) δ 78.70, 75.35, 71.10, 56.39, 28.04, 27.25, 26.82.
【0086】
[実施例9b]
化合物8(1.53kg)およびNFSI(1.64kg)を、THF/ヘキサン/MTBEの混合物に溶解し、室温で5分間撹拌して、透明な溶液を形成した。次いで溶液を、N
2雰囲気中で、ドライアイス浴(アセトン中)により−65℃に冷却した。より多くの固形分が、冷却中に沈殿し、溶液は混濁した。約−65℃で、n−BuLiを混合物中に滴下して添加した。反応温度は、厳格なモニタリングを必要とし、−55〜−65℃に保たれた。n−BuLiの添加は4時間続いた(n−BuLi(その量の約40%)の添加中、大量の固体が沈殿した。この沈殿が撹拌を妨げた。)。n−BuLiの添加後、溶液を−60℃で0.5時間撹拌した。TLCおよびHPLCは、化合物8の完全な消費を示した。溶液を、飽和NH
4Cl(3L)でクエンチし、次いでドライアイス浴を除去した。水(6L)を混合物にゆっくり添加し、室温で30分間撹拌した。次いで溶液を15分間静置して2層に分離させた。有機層を分離した(10.3kg)。水層を酢酸エチル(1.8kg×1)で抽出した。5つのそのような反応を合わせ、合わせた5つのバッチの有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した(アッセイに基づき合計で55kg、生成物の重量は3.4kg)。シリカゲル(300〜400メッシュ、8kg、1.3当量(8に対して、wt/wt))およびTEA(0.003当量(シリカゲルに対して、wt/wt))を、粗製生成物(約8kg)溶液に添加し、混合物を約35℃で蒸発乾固し、カラム(直径:45cm;高さ:約130cm;シリカゲル:300〜400メッシュ、60kg、10当量(8に対して、wt/wt);TEA:0.003当量(シリカゲルに対して、wt/wt);溶離液:PE/EA=200/1〜150/1)に投入した。カラムクロマトグラフィ中、画分(プラスチックのバケツ(5L))を、TLC/HPLCによって厳密にモニターした。TLC/HPLCデータにより、異なる部分が収集され、それぞれ濃縮した。異なる純度を持つクロマトグラフィから得られた固形分を、最初にヘプタン(3v、20〜25℃で0.5時間撹拌した。)でスラリー化して、低極性不純物のいくらかを除去し、次いで6.6vのiPrOH/ヘプタン(10/1、v/v)で再結晶した。混合溶媒を粗製固体生成物に添加し、混合物を、固体が完全に溶解するまで85℃で加熱還流し、次いで加熱浴を除去し、溶液を撹拌状態で自動的に20〜25℃に冷却し、さらに1〜2時間、この温度で撹拌した。得られた固体を濾過し、HPLCによってモニターした。通常、2〜3回(またはそれ以上)の再結晶が、9の純度≧97.0%および脱フルオロ不純物≦0.5面積%に到達するのに必要であった(HPLCによる、注記:再結晶は脱フルオロ不純物を最小限に抑えるのに有効であった。)。
【0087】
[実施例9c]
化合物8の選択的フッ素化は、ボロン酸中間体を通して行った。ボロン酸中間体は、化合物8から、下記のボロン酸反応、実施例9c−1から9c−3によって調製した。
【0088】
[実施例9c−1]
[(3aR,6S,6aR)−6−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−2,2−ジメチル−4−(トリチルオキシメチル)−6,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル]ボロン酸(化合物9c−1):窒素注入口/排出口、撹拌棒、および温度調節器が付いた熱電対を備えた100mLの丸底三つ口フラスコに、化合物8(3mmol、1.0当量)3.0877gおよびテトラヒドロフラン30mL(10V)を充填した。反応を0℃に冷却した。この溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体の1.3M THF溶液6.98mL(9mmol、2.4当量)を、15分にわたりゆっくり添加した。反応を0℃で1時間撹拌した。HPLCアッセイは、中間体の形成を示した。トリメチルボレート(9mmol、2.5当量)1.05mLを反応に添加した。0℃で1時間後のHPLCアッセイは、反応が終了したことを示した。反応を、飽和塩化アンモニウム水溶液(3V)でクエンチした。氷浴を除去し、反応を室温に温めた。反応に、DI水(3V)および酢酸エチル(6V)を充填した。層を分離し、水層を酢酸エチル(6V)で逆抽出した。有機相を合わせ、ブライン(3V)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。得られた混合物を濾過した。濾液を、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固した。2.87グラム(100%粗製収率)、96A%純度の[(3aR,6S,6aR)−6−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−2,2−ジメチル−4−(トリチルオキシメチル)−6,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル]ボロン酸(化合物9c−1)が得られた。
【0089】
[実施例9c−2]
[(3aR,6S,6aR)−2,2−ジメチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4−(トリチルオキシメチル)−6,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−6−イル]オキシ−tert−ブチル−ジフェニル−シラン(9c−2):窒素注入口/排出口、撹拌棒、および温度調節器が付いた熱電対を備えた25mLの丸底三つ口フラスコに、化合物8(0.353mmol、1.0当量)0.2806gおよびテトラヒドロフラン3mL(10V)を充填した。反応を0℃に冷却した。この溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体の1.3M THF溶液0.653mL(0.847mmol、2.4当量)を、15分にわたりゆっくり添加した。反応を0℃で1時間撹拌した。HPLCアッセイは、中間体の形成を示した。4,4,5,5テトラメチル−1,3,2ジオキサボロラン(0.884mmol、2.5当量)0.128mLを反応に添加した。0℃で1時間後のHPLCアッセイは、反応が終了したことを示した。反応を、飽和塩化アンモニウム水溶液(3V)でクエンチした。氷浴を除去し、反応を室温に温めた。反応に、DI水(3V)および酢酸エチル(6V)を充填した。層を分離し、水層を酢酸エチル(6V)で逆抽出した。有機相を合わせ、ブライン(3V)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。得られた混合物を濾過した。濾液を、ロータリーエバポレーターにより濃縮乾固した。白色固体として0.098グラム(収率35%)、80A%純度の[(3aR,6S,6aR)−2,2−ジメチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4−(トリチルオキシメチル)−6,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−6−イル]オキシ−tert−ブチル−ジフェニル−シラン(化合物9c−2)が得られた。
【0090】
[実施例9c−3]
配位子を使用した[(3aR,6S,6aR)−6−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−2,2−ジメチル−4−(トリチルオキシメチル)−6,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル]ボロン酸(9c−1):窒素注入口/排出口、撹拌棒、および温度調節器が付いた熱電対を備えた100mLの丸底三つ口フラスコに、化合物8(0.286mmol、1.0当量)0.2272gおよびテトラヒドロフラン(THF)3mLを充填した。反応を0℃に冷却した。この溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体の1.3M THF溶液0.528mL(0.686mmol、2.4当量)を、15分にわたりゆっくり添加した。反応を0℃で1時間撹拌した。ビス[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]エーテル0.065mL(0.343mmol、1.2当量)を添加した。HPLCアッセイは、中間体の形成を示した。トリメチルボレート(0.009mmol、2.5当量)1.05mLを反応に添加した。氷浴を除去し、反応をそのまま30分間室温に温めた。HPLCアッセイは、反応が終了したことを示した。反応を0℃に冷却した。反応を、飽和塩化アンモニウム水溶液(3V)でクエンチした。氷浴を除去し、反応を室温に温めた。反応に、DI水(3V)および酢酸エチル(6V)を充填した。層を分離し、水層を酢酸エチル(6V)で逆抽出した。有機相を合わせ、ブライン(3V)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。得られた混合物を濾過した。濾液を、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固した。白色固体として0.077グラム(収率36%)、100A%純度の[(3aR,6S,6aR)−6−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−2,2−ジメチル−4−(トリチルオキシメチル)−6,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル]ボロン酸(化合物9c−1)が得られた。
【0091】
[実施例9c−4]
[(3aR,6R,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−4−(トリチルオキシメチル)−6,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−6−イル]オキシ−tert−ブチル−ジフェニル−シラン(化合物9):窒素注入口/排出口、撹拌棒、および温度調節器が付いた熱電対を備えた100mLの丸底フラスコに、ボロン酸中間体(例えば、化合物9c−1または化合物9c−2のいずれか)(3.89mmol、1.0当量)2.877グラムをメチル−tert−ブチルエーテル(6V)に溶かしたものを充填した。別のフラスコに、水酸化ナトリウムフレーク(4.67mmol、1.2当量)0.186グラムおよびメタノール(10V)を充填した。溶液を、全ての水酸化ナトリウムが溶液に溶けるまで撹拌した。水酸化ナトリウム/メタノール溶液を、ボロン酸中間体に添加し、反応を室温で15分間撹拌した。15分後、反応を0℃に冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸銀(11.67mmol、3.0当量)3.012グラムを一度に添加した。反応が褐色になった。30分後、HPLCは、開始時のボロン酸中間体全てが消費されたことを示した。溶媒を、水浴上で、加熱せずにロータリーエバポレーターで除去した。任意の残留メタノールをアセトン(2×5V)で同時蒸発させた。アセトン(10V)を粗製残留物に添加した。4Åのモレキュラーシーブ(2.5重量)7.042グラムおよび1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(Selectfluor(登録商標))(4.67mmol、3.0当量)4.2312グラムを反応に添加した。反応を室温で1時間撹拌した。HPLCは、反応が終了したことを示した。反応を、Celite(登録商標)を通して濾過し、ロータリーエバポレーター上で濃縮して、2.07グラム(収率78%)の化合物9を白色固体として得た。
【0092】
[実施例10]
(3aS,4R,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−オール(10)
【0093】
【化12】
【0094】
化合物9(1370g、1重量、1当量)を、THF(5.5L、4体積)に溶解した。TBAF(テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド)1.0MをTHF(2.20L、1.61体積)に溶かしたものを、一度に添加し(発熱性ではない。)、得られた溶液を20から25℃で撹拌した。2時間後、TLC分析(70:30 ヘプタン:TBME(メチルtert−ブチルエーテル)7:3、KMnO
4 視覚化)は、出発材料が存在しないことにより反応が終了したことを示した。反応混合物を、溶媒の収集が終わるまで、ロータリーエバポレーター上で、40℃(水浴)の減圧下で油に濃縮した。残留物をTBME(11.0L、8体積)に溶解し、引き続き水(2×4.1L、2×3体積)および飽和炭酸水素ナトリウム(4.1L、3体積)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4(1.37kg、1重量)上で乾燥し、濾過し、ケークをTBME(1.37L×2、2×1体積)で洗浄した。合わせた濾液を、TBME含量が
1H NMRにより<5%w/wになるまで、ロータリーエバポレーター上で、最高40℃(水浴)で減圧下で濃縮することにより、10が、高濃度の淡黄色/橙色の油状物として得られた。
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.7ppm (d, 4H) TBDPS-F, 7.2-7.5ppm, (m, 21H) トリチルおよびTBDPS-F, 5.1ppm, (t, J=6.3Hz, 1H) (CH), 4.7ppm, (m, J=3.5Hz, 1H) (CH), 4.4ppm, 広幅 (t, 6.3Hz, 1H) (CH), 3.9ppm, (d, J=11.9Hz) 1H, 3.8ppm, (d, J=9.9Hz, 1.7Hz, 1H) (CH
2), δ 2.8ppm, (d, J=9.4Hz, 1H) (OH), δ1.48 ppm, s, 3H CH
3アセトニド, δ1.46ppm, s, 3H CH
3アセトニド, δ 1.1 pm, s, 9H TBDPS-F (3xCH
3), 溶媒 δ 3.2ppm, 1.2ppm TBME, δ 3.7ppm, 1.7ppm THF.
【0095】
[実施例11]
(3aR,4R,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イルメタンスルホネート(11)
【0096】
【化13】
【0097】
化合物10(787g(補正済み)、1重量)、(総投入量1292g)をDCM(7.87L、10体積)に溶解し、0から5℃に冷却した。トリエチルアミン(368mL、0.468体積、1.5当量)を充填し、その後、MsCl(164mL、0.208体積、1.3当量)を充填し、このとき温度は0から5℃に維持していた。30分後の
1H NMRによるIPCは、94.2%の変換が実現されたことを示した。トリエチルアミン(28mL)およびMsCl(16mL)(1%の変換につき2mol%が残留)の追加の充填を行った。30分後のIPC分析は、変換が97.3%に増大したことを示した。トリエチルアミン(13mL)およびMsCl(7.5mL)の第2の追加の充填を行った。さらに30分後、
1H NMR分析によるIPCは、100%の変換が実現されたことを示した。水(7.87L、10体積)を反応に充填し、混合物を15から25℃に温めた。反応が温度範囲内になったら、10分間撹拌し、相を分離した。有機相をフラスコに戻し、飽和NaHCO
3(7.87L、10体積)を充填し、2相を10から20分間混合し、次いで分離した。有機相をNa
2SO
4(787g、1重量)上で10分間乾燥し、濾過し、フィルターケークをDCM(2×787mL、2×1体積)で洗浄した。合わせた濾液および洗浄液を、真空中のロータリーエバポレーター上で、最高30℃で濃縮することにより、11が橙色の油状物として得られた。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3) δ 7.7ppm, d, 4H, TBDPS-F ステージ1の副生物, δ 7.25-7.5ppm, 21H. トリチル基およびTBDPS-F副生物, δ 5.23ppm, (d, J=5.8Hz, 1H) (CH), δ 5.10ppm, (t, J=7.1Hz, 1H) (CH), δ 4.77ppm, (m, J=2.8Hz, 1H) (CH), δ 4.0ppm, (d, J=12.6Hz, 1H), 3.9ppm, (d, J=12.6Hz, 1H) (CH
2), δ 3.1ppm, s, 3H, メシレート, (CH
3), δ 1.4ppm, 6H, アセトニド, (2xCH
3), δ 1.1 ppm, 3, 9H, (3xCH
3, TBDPSF), 溶媒 δ 5.8ppm, s, 2H DCM.
【0098】
[実施例12]
4−アミノ−1−((3aS,4S,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)ピリミジン−2(1H)−オン(12)
【0099】
【化14】
【0100】
シトシン(47.9g、0.42重量、2当量)および炭酸セシウム(141.4g、1.24重量、2当量)を、DMSO(684mL、6体積)中に懸濁し、40から45℃に加熱した。75分後、11(114g、1重量、補正済み、1当量)をDMSO(400mL、3.5体積)に溶解したものを、反応に充填し、その後、DMSO(57mL、0.5体積)によるラインリンスを行い、反応温度を40から45℃に調整した。温度を、反応の持続時間中、44から45℃の温度範囲の上端で維持した。4時間後のHPLCによる変換は60.9%であり、20時間後に97.6%に上昇し、23時間後には99.0%の合格結果が得られた。N異性体とO異性体との比は88:12であった。反応を室温に冷却し、EtOAc(1140mL、10体積)を充填し、その後、水(1140mL、10体積)を充填し、温度を25℃よりも低く維持した(水の添加は発熱性である。)。10分間撹拌後、相を10分間静置し、次いで分離した。水相を、10分間撹拌することによってEtOAc(1140mL、10体積)で再抽出し、再び10分間静置した後に分離した。水相を、生成物の含量に関してTLCおよびHPLCによりチェックし、全ての生成物が最初の2回の抽出で回収されたことが示された。有機抽出物を合わせた。3%w/wのブライン(3×570mL、3×5体積)洗浄が行われ、有機抽出物を10分間混合し、分離前に、相が沈降を終了するのに最短で10分を要した。HPLCによる各水相の分析は、生成物がごく僅かしか/全く失われていないことを示した。第4の洗浄を水(5体積)で行った。それぞれの場合において、水性洗浄液は、その外観がごく僅かに濁っていた。一連の洗浄が終了した後、DMSOレベルはN−アルキル生成物に対して0.02%に低減し、目標とする0.15%w/w限界よりも低かった。有機相を硫酸ナトリウム(114g、1重量)上で乾燥し、濾過し、フィルターケークをEtOAc(2×1体積)で洗浄した。濾液を、ロータリーエバポレーター上で、最高40℃(水浴)で濃縮して、粗製物12を橙色のフォーム175.1gとして得た。
1H NMR分析は、下記の組成:12 56.4%w/w、O−アルキル副生成物7.2%w/w、t−BDPSF(t−ブチルジフェニルシリルフルオリド)31.3%w/w、およびEtOAc 5.1%w/wを示し、これは12のおよその含有質量98gと等しかった。粗製材料を、シリカ(1.7kg、10重量)上で乾式フラッシュクロマトグラフィにより精製し、異性体の完全な分離を得た。生成物の画分を最高40℃(水浴)で濃縮して、12を淡褐色のフォーム90.5g、77.2%thとして得た(
1H NMRアッセイにより補正)。HPLCによる化学純度は97.8面積%であった。クロマトグラフィを、粗製材料のバッチ当たり4本の乾式フラッシュカラムを使用して行った(4×約170g)が、それぞれはシリカを1.7kg(10重量)使用している。粗製生成物を、DCM約1体積に投入し、次いで勾配:1×DCM、9×1%MeOH/DCM、10×2%MeOH/DCM、10×6%MeOH/DCMを使用して溶離した。12からの、段階1の副生成物およびO−アルキル異性体の清浄な分離が実現された。生成物の画分を、最高40℃で、ロータリーエバポレーター上で濃縮して、橙色のフォームを得た。濃縮を、DCM含量が<10%w/wになるまで継続した。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3), δ 8.7ppm, s 広幅, 1H, δ 7.2-7.5ppm, m, 16H, δ 6.7ppm, (d, J=7.3Hz, 1H) (CH), δ 6.6ppm, 広幅 s, 1H, δ 5.5ppm, (d, J=7.4Hz, 1H) (CH), δ 5.4ppm, (t, J=5.6Hz, 1H) (CH), δ 4.9ppm, 広幅 s, 1H, (CH), δ 4.7ppm, 広幅 s, 1H, (CH), δ 3.9ppm, (d, J=12.1Hz, 1H), 3.8ppm, (d, J=12.1Hz, 1H) (CH2), δ 1.48ppm, s, 3H (CH3), δ 1.41ppm, s, 3H (CH3), 溶媒 δ 5.3ppm, s, 2H DCM.
【0101】
11から12へのこの反応は、高い位置および立体選択性で12を形成する一般的な反応であり、例えばシトシンとその他のヌクレオチド塩基とをカップリングするのに有用である。この反応は、これまで報告されてこなかった。例えば、この反応は、その他の反応物および生成物と共に使用することができる。
【0102】
[実施例13]
4−アミノ−1−((1S,4R,5S)−2−フルオロ−4,5−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)シクロペンタ−2−エン−1−イル)ピリミジン−2(1H)−オン(13)
【0103】
【化15】
【0104】
化合物12(720g、1重量)をフラスコに充填し、その後、メタノール(3.6L、5.0体積)を充填し、懸濁液を形成した。2M HCl(734mL、1.02体積、1.1当量)を添加し、濁った溶液を得た。混合物を加熱還流し(68から69℃)、1時間後、
1H NMRによるIPCは、トリチル脱保護が終了し、アセトニドの除去が89%に達したことを示した。蒸留を開始し、留出物を1体積ずつ収集した。留出物1体積を除去した後、95:5のメタノール:水の1体積を添加した。各蒸留は、終了するのに40から50分を要した。2サイクル後、97.5%の変換を実現した。さらに3回の蒸留サイクル後、HPLCによる変換は99.6%であり;さらに1回の蒸留を行ったが、これは変換を99.8%に上昇させた。全体の反応時間は5.5時間であった。反応を冷まし、トリチル副生成物は、最初に油状物を形成するが温度が約40℃に達すると結晶化し、スラリーを一晩かけて室温まで冷ました。スラリーを濾過し、水(2×1体積)で洗浄し、合わせた濾液を、メタノールが除去されるまで(2.75時間)、最高40℃で、ロータリーエバポレーター上で濃縮した。生成物約1.5Lの水溶液を得たが、これはいくらかの沈殿物が存在していた(トリチル副生成物が残っていた。)。追加の水3Lを添加して、全体の体積を約6に増大させた。水溶液をTBME(2×2.1L、2×3体積)で抽出して、残りのトリチル副生成物を除去した。水溶液のpHを、Ambersep 900(OH形態)樹脂(事前に調製された)650.2gを用いて引き続き1.13から9.89に調整した。40分間撹拌した後、pHは変化しなかった。スラリーを濾過し(ガラスマイクロファイバー)、水(1.08L、1.5体積)で洗浄した。得られた水溶液をTBMEで2回洗浄し、pHを事前に調製されたAmbersep 900樹脂で調整した。樹脂(約0.8重量)は、pHを1.36から10.47に上昇させるのに必要であった。濾過後、フィルターケークを引き続きメタノール(5体積)中で1時間スラリー化し、濾液を生成物の濾液と合わせた。この水/メタノール生成物溶液の濃縮後、得られた残留物を高真空下で炉内乾燥(72時間)することにより、粗製生成物(299.6g、87.5%)が黄色固体として得られ、これを下記の通り結晶化することができた:粗製物13(1.0重量)およびメタノール(4.5体積)を窒素中で撹拌し、得られた懸濁液を60から65℃に加熱し、次いで50から55℃に冷却し、ガラスマイクロファイバーフィルターに通して清浄化し、その後、メタノール(0.25体積)のラインリンスを行った。清浄化溶液を、1から1.5時間かけて20から25℃まで徐々に冷却した。フラスコの内容物が温度範囲内になり結晶化が開始されたら、濾過したエタノール(4.75体積)を、温度を20から25℃に維持しながら少なくとも45分かけて充填した。得られたスラリーを0から5℃に冷却し、次いで少なくとも15時間、0から5℃でエージングすることによって、濾過された純粋な13がオフホワイトから黄色の固体として得られた(収率65から95%w/w)。
1H-NMR(400MHz, DMSOd
6), δ 7.40ppm, (d, J=7.3Hz, 1H) CH シトシン, δ 7.20ppm, (広幅 d, J=9.1Hz, 2H) NH
2, δ 5.74ppm, (d, J-7.3Hz, 1H) CH シトシン, δ 5.30ppm, 広幅 s, 1H, CH, δ 5.15ppm, (d, J=7.1Hz, 1H) (OH), δ 5.00ppm, (d, J-6.1Hz, 1H) (OH), δ 4.80ppm, (q, J=5.3Hz, 1H)(OH), δ 4.48ppm, (q, J=5.3Hz, 1H) CH, δ 4.17ppm, (dd, J=9.1Hz, 3.8Hz, 1H) CH, δ 4.13ppm, (dt, J=6.1Hz, 5.8Hz, 1H) CH, δ 3.91ppm, (広幅 d, J=12.9Hz, 2.8Hz, 1H) CH.
【0105】
本明細書で引用される、または参照により組み込まれる特許出願、公開特許出願、および特許のいずれか1つに引用される、全ての文書(特許出願、公開特許出願、および特許を含む。)は、その全体が参照により、かつそれぞれが個々に組み込まれたかのように、本明細書に組み込まれる。
【0106】
本明細書に例示され論じられた実施形態は、本発明を行いかつ使用するのに本発明者らに公知の最良の方法を当業者に教示することのみ目的とする。本明細書には、本発明の範囲を限定するものとみなすべきものはない。提示される全ての例は、代表的なものであり非限定的である。本発明の上述の実施形態は、上記教示に照らして当業者に理解されるように、本発明から逸脱することなく修正しても変更してもよい。したがって、特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内で、具体的に記述される以外の方法で本発明を実施してもよいことを理解されたい。
本発明は以下の実施の態様を含む。
1. 4−アミノ−1−(3aS,4S,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)ピリミジン−2(1H)−オン(12)と、酸とを反応させて、4−アミノ−1−((1S,4R,5S)−2−フルオロ−4,5−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−シクロペンタ−2−エン−1−イル)−ピリミジン−2(1H)−オン(13)を得る工程を含むことを特徴とする、4−アミノ−1−((1S,4R,5S)−2−フルオロ−4,5−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−シクロペンタ−2−エン−1−イル)−ピリミジン−2(1H)−オン(13)の調製方法[スキーム1,実施例13]。
2. 前記酸が、HClであることを特徴とする、前記1に記載の方法。
3. 実質的に純粋な4−アミノ−1−((1S,4R,5S)−2−フルオロ−4,5−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−シクロペンタ−2−エン−1−イル)−ピリミジン−2(1H)−オン(13)を単離する工程をさらに含むことを特徴とする、前記1に記載の方法。
4. (3aR,4R,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イルメタンスルホネート(11)と、シトシンとを反応させることにより、4−アミノ−1−(3aS,4S,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)ピリミジン−2(1H)−オン(12)を調製する工程をさらに含むことを特徴とする、前記1に記載の方法[スキーム1,実施例12]。
5. 実質的に純粋な4−アミノ−1−(3aS,4S,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)ピリミジン−2(1H)−オン(12)を単離する工程をさらに含むことを特徴とする、前記4に記載の方法。
6. (3aS,4R,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−オール(10)と、MsClとを反応させることにより、(3aR,4R,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イルメタンスルホネート(11)を調製する工程をさらに含むことを特徴とする、前記5に記載の方法[スキーム1,実施例11]。
7. tert−ブチル(((3aR,4R,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)オキシ)ジフェニルシラン(9)を脱保護することによって、(3aS,4R,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−オール(10)を調製する工程をさらに含むことを特徴とする、前記6に記載の方法。
8. tert−ブチル(((3aR,4R,6aR)−5−ヨード−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)オキシ)ジフェニルシラン(8)と、NFSI(N−フルオロベンゼンスルホンイミド)とを反応させて、tert−ブチル(((3aR,4R,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)オキシ)ジフェニルシラン(9)を得る工程を含むことを特徴とする、tert−ブチル(((3aR,4R,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)オキシ)ジフェニルシラン(9)の調製方法。
9. (3aS,4R,6aR)−5−ヨード−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−オール(7)と、t−BDPSClとを反応させることにより、tert−ブチル(((3aR,4R,6aR)−5−ヨード−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)オキシ)ジフェニルシラン(8)を調製する工程をさらに含むことを特徴とする、前記8に記載の方法[スキーム1,実施例8aおよび8b]。
10. (3aR,6aR)−5−ヨード−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4(6aH)−オン(6)と、CeCl
3およびNaBH
4とを反応させることにより、(3aS,4R,6aR)−5−ヨード−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−オール(7)を調製する工程をさらに含むことを特徴とする、前記9に記載の方法[スキーム1,実施例7aおよび7b]。
11. (1R,4S,5S)−2−ヨード−4,5−イソプロピリデンジオキシ−1−(トリチルオキシメチル)シクロペンタ−2−エノール(5)を酸化することによって、(3aR,6aR)−5−ヨード−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4(6aH)−オン(6)を調製する工程をさらに含むことを特徴とする、前記10に記載の方法[スキーム1,実施例6aおよび6b]。
12. 酸化することが、二クロム酸ピリジニウム(PDC)との酸化工程を含むことを特徴とする、前記11に記載の方法[スキーム1,実施例6c]。
13. 1−((4S,5S)−5−(2,2−ジヨードビニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2−(トリチルオキシ)エタノン(4)と、n−BuLiとを反応させることにより、(1R,4S,5S)−2−ヨード−4,5−イソプロピリデンジオキシ−1−(トリチルオキシメチル)シクロペンタ−2−エノール(5)を調製する工程をさらに含むことを特徴とする、前記12に記載の方法[スキーム1,実施例5aおよび5b]。
14. 1−((4R,5S)−5−(2,2−ジヨードビニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2−(トリチルオキシ)エタノール(3)を酸化することにより、1−((4S,5S)−5−(2,2−ジヨードビニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2−(トリチルオキシ)エタノン(4)を調製する工程をさらに含むことを特徴とする、前記13に記載の方法[スキーム1,実施例4a]。
15. 酸化することが、PDCとの酸化工程を含むことを特徴とする、前記14に記載の方法。
16. 前記酸化することが、ジイソプロピルカルボジイミド,ピリジン,トリフルオロ酢酸(CF
3COOH),および次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)を加えることによりSwen酸化する工程を含むことを特徴とする、前記14に記載の方法[スキーム1,実施例4b]。
17. (3aR,6aR)−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)テトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(2)とヨードホルムとを反応させることにより、1−((4R,5S)−5−(2,2−ジヨードビニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2−(トリチルオキシ)エタノール(3)を調製する工程をさらに含むことを特徴とする、前記14に記載の方法[スキーム1,実施例3aおよび3b]。
18. (3aR,6aR)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(1)と、塩化トリチルとを反応させることにより、(3aR,6aR)−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)テトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(2)を調製する工程をさらに含むことを特徴とする、前記17に記載の方法[スキーム1,実施例2a]。
19. (3aR,6aR)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(1)と、塩化トリチルとを反応させることにより、(3aR,6aR)−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)テトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(2)を調製する工程をさらに含むことを特徴とする、前記17に記載の方法[スキーム1,実施例2b]。
20. D−リボースと、2,2−ジメトキシプロパンとを反応させることにより、(3aR,6aR)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(1)を調製する工程をさらに含むことを特徴とする、前記19に記載の方法[スキーム1,実施例1a]。
21. 生成物である(3aR,6aR)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−オール(1)は、酸の存在下で、D−リボースとアセトンとを反応させることにより調製されることを特徴とする、前記19に記載の方法[スキーム1,実施例1b]。
22. tert−ブチル(((3aR,4R,6aR)−5−ヨード−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)オキシ)ジフェニルシラン(8)のボロン酸中間体を加水分解する工程と、
前記加水分解物を、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)と反応させて、(3aR,6R,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−4−((トリチルオキシ)メチル)−6,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−6−イル]オキシ−tert−ブチル−ジフェニル−シラン(9)を得る工程とを含むことを特徴とする、(3aR,6R,6aR)−5−フルオロ−2,2−ジメチル−4−((トリチルオキシ)メチル)−6,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−6−イル]オキシ−tert−ブチル−ジフェニル−シラン(9)の調製方法[実施例9c−4]。
23. 前記加水分解工程が、メタノールに溶解した水酸化ナトリウムを加え、その後にトリフルオロメタンスルホン酸銀を添加する工程を含むことを特徴とする、前記22に記載の方法。
24. 前記ボロン酸中間体が、[(3aR,6S,6aR)−6−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−2,2−ジメチル−4−(トリチルオキシメチル)−6,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル]ボロン酸(9c−1)であり,およびtert−ブチル(((3aR,4R,6aR)−5−ヨード−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)オキシ)ジフェニルシラン(8)が、トリメチルボhレートと反応して、[(3aR,6S,6aR)−6−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−2,2−ジメチル−4−(トリチルオキシメチル)−6,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル]ボロン酸(9c−1)を得ることを特徴とする、前記22に記載の方法[実施例9c−1]。
25. 前記ボロン酸中間体が、[(3aR,6S,6aR)−2,2−ジメチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4−(トリチルオキシメチル)−6,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−6−イル]オキシ−tert−ブチル−ジフェニル−シラン(9c−2)であり、およびtert−ブチル(((3aR,4R,6aR)−5−ヨード−2,2−ジメチル−6−((トリチルオキシ)メチル)−4,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)オキシ)ジフェニルシラン(8)が、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2ジオキサボロランと反応して、[(3aR,6S,6aR)−2,2−ジメチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4−(トリチルオキシメチル)−6,6a−ジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−6−イル]オキシ−tert−ブチル−ジフェニル−シラン(9c−2)を得ることを特徴とする、前記22に記載の方法[実施例9c−2]。