(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ファームウェアは、広範な電圧範囲にわたり低分解能でシークスキャンを行い、電流ピークのおよその位置を決定することができ、一度前記およその位置が特定されると、
シークスキャンよりも狭い電圧範囲で、より高い分解能で1つ又は2つ以上のトラックスキャンを行い、前記電流ピークを正確に特定することができることを特徴とする請求項1に記載の装置。
2つの制御ボタンを有し、一方は装置のオン/オフを切り替えるためのものであり、他方は検体感知走査を開始するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【背景技術】
【0001】
本発明は全体的に、検体検出の技術に関する。様々な実施形態において、本発明は、pH(溶液の酸性又はアルカリ性の尺度である、水素イオン指数)を測定するための装置である。溶液のpHは、溶液内に溶解した水素イオン(H
+)(ヒドロニウムイオンH
3O
+とも称される)の濃度により決定される。溶液中に溶解した水素イオンの濃度が増加すると、溶液はより酸性になる。逆に、溶液中に溶解した水素イオンの濃度が低減すると、溶液はより塩基性になる。溶液中に溶解した水素依存の濃度は従来的に、pHの読み取り値を示す、電気メーターに接続された、ガラス電極で測定されてきた。従来的に、用語「プローブ」及び「電極」は、構成電極の機能的分類を表すために、互換可能に使用されてきた。本明細書において使用するとき、用語「電極」は、「作業電極」、「基準電極」又は「対電極」など、プローブ内の特定の電極を指すために使用され、すなわち、「プローブ」は、溶液内の関心の検体の濃度を示す読み取り値を生成するために処理され得る信号を生成するために十分な電極の機能的分類を指す。
【0002】
従来的なガラスpHプローブは、水素イオンに感応する、ドーピングした脆弱なガラス膜から作製されたイオン選択的電極である、作業電極(WE)を有する。pH反応性ガラス膜は、この種類のプローブにおける主要な検体感知要素であり、よって「作業」電極と称される。ガラス膜の外側と結合したサンプル溶液内の水素イオンはよって、膜の内部表面上において電位の変化を生じる。この電位の変化は、銀/塩化銀に基づく電極など、従来的な基準電極(RE)の定電位に対して測定される。電位差はその後、較正曲線上に差をプロットすることによって、pH値に相関付けられる。較正曲線は煩雑な複数工程のプロセスを通じて生成され、ユーザーが、様々な既知の緩衝標準に関して電位の変化をプロットする。従来的なpHメーターは、この原理に基づく。
【0003】
従来的なガラス作業電極(及びこれらを含むプローブ及びメーター)のpHに対する反応は不安定であり、ガラスプローブは定期的に、煩雑で時間のかかるプロセス、多数の試薬、及び訓練を受けた作業員を伴う、慎重な較正を必要とする。ガラスプローブの特殊な特性及び較正は更に、ガラス膜が常に湿潤していることを必要とする。したがって、ガラスプローブの日常的ケアは、適切な作業性能を確保するために、煩雑で高価な貯蔵、メンテナンス、及び訓練を受けた作業員により行われる定期的な較正を必要とする。
【0004】
煩雑な維持及び貯蔵要件に加えて、従来的なガラスプローブは脆弱であり、よってガラスプローブの適用範囲は制限される。特に、ガラスプローブの脆弱な性質はこれを、食品及び飲料用途における使用、並びに無人、過酷、又は危険な環境における使用にとって不適切なものとする。したがって、ガラスプローブを利用する従来的なpHプローブ及びメーターの限界に対処し、これを克服する、pHプローブ及びメーター(他の検体プローブ及びメーターと同様に)における必要性が、当該技術分野において存在する。ボルタンメトリー系検体感知システムは、ガラスプローブとして提示されるが、これらのシステムは高価であり、最初に開発されたときに使用が困難であった(Wrighton,米国特許番号第5,223,117号)。
【0005】
ボルタンメトリー系検体感知システムの理論及び研究実験室での実施の双方において、大きな進展が見られ、研究者らは、導電基材として金の代わりに炭素が使用され得、更に基材とは無関係に、酸化還元活性材料の混合物が、ボルタンメトリーシステム(PCT公開番号第2005/066618号、及び同第2005/085825号)で使用され得ることが見出された。これらの研究者による1つの特に興味深い提案は、「検体感応性」酸化還元活性材料(ASM)、及び「検体非感応性」酸化還元活性材料(AIM)は、導電性基材に取り付けることができ、これをWE(ASMにより生成される信号)、及び基準電極(RE)(AIMにより生成される信号)へと効果的に変換することができる。しかし、理論又は実施において、これらの初期の提案及び研究(第2007/034131号、及び同第2008/154409号)の後に、一定期間にわたり、理論及び実施のいずれにおいても顕著な前進はみられなかった。
【0006】
科学者が、実際には、完全に「検体不官能性」の酸化還元活性材料は存在せず、かつボルタンメトリー技術の実際的な適用は、AIMを有さないWEにしぼられるべきであることを発見した際に、この分野における別の大きな前進がみられた。しかしながら、これらの科学者らはまた、ASM又はAIM(本明細書においては「酸化還元活性材料」又は「RAM」と総称される)として特徴付けられていたかどうかにかかわらず、これはイオン媒体又は「一定の化学環境」封鎖により、真に検体非感応性とされ得ることを発見した。この発見は、従来的なpH測定システムにおける典型的なREの代替として使用され得るのみではなく、またボルタンメトリーに基づいてWEと共に使用され得る、検体非感応性電極、又はAIEに繋がった。PCT公開番号第2010/104962号参照。これらの発見の後、実験室ベンチトップ、及び重要な研究・開発用途において使用するのに好適なpHメーターが作製された。PCT公開番号第2010/111531号、及び同第2010/118156号参照。ASM化学、電極設計、及び製造技術におけるより最近の前進は、全体として精度の向上、最小の信号ドリフト、及び乾湿可逆性などの使用における利便性をもたらす、WE及び他の構成要素を生成した。本明細書において参照として組み込まれる、同時係属PCT出願、US2013/023029参照。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】LCDディスプレイ、操作者制御ボタン、及び本発明の代表的な実施形態による、電極を含む取り外し可能なカートリッジに、カスタムコネクタ(
図2参照)を介して接続されたカートリッジ解放ボタンを有する、取り外し可能なヘッドから成る、本発明の例示的な手持ち式pHメーター(本明細書において場合により「スキャナ」と称される)を示す。
【
図2】係合するプラグ及びソケットからなる、カスタムコネクタを示す。プラグは、雄型コネクタピン、固定溝、及び防水シールを形成するo−リングを有する、カートリッジ端部にある。本発明の代表的な実施形態により、ソケットは雌型ピンコネクタ、及びヘッドの後ろに位置するカートリッジ解放ボタンを有するヘッド上に位置する。
【
図3】本発明の代表的な実施形態により、
図1に示されるヘッドユニットのカスタムコネクタに挿入されるカスタムプラグを有する12mm直径の取り外し可能なセンサーカートリッジの、代表的な実施形態のセンサーモジュールに対してボルタンメトリーセンサー電極を位置付ける、2つの構成を示す。
図3Aは、カスタムプラグに直接接続する、フレックスケーブルと接続されたセンサーモジュールを示す。
図3Bは、ボルタンメトリーセンサー電子機器に接続されたセンサーモジュールを示す。両方の実施形態とも、12mm直径の保護ステンレス鋼チューブを有する。
【
図4】本発明の代表的な実施形態による、遠隔測定又は遠隔感知能力を備え、剛性又は可撓性カートリッジ内にボルタンメトリーセンサーを組み込む、2つのpH送信機を概略的に示す。
図4Aは、剛性センサーカートリッジを備える送信機を示し、
図4Bは、可撓性センサーカートリッジを備える送信機を示す。両方とも、液体内に浸漬されるか、又は固体内に埋め込まれたセンサーカートリッジを有するものとして示され、送信機は遠隔通信を促進するために露出されている。センサーカートリッジは、ボルタンメトリーセンサー電極に接続され、その出力が遠隔測定/遠隔感知モジュールに送信される。システムの動作のために電源が供給される。
【
図5】本発明の代表的な実施形態により、全て同一平面に位置する、タイプ316ステンレス鋼チューブ対電極(CE)、カーボンファイバー作業電極(WE)、及び修正された基準電極を含む、12mmセンサー群を示す。この同一平面構成は、検体サンプル表面が3つの電極と接することにより、小さな体積の測定を可能にする。センサー群はまた、熱伝導率を改善するために、CEの直下に位置するサーミスタを含む。
【
図6】同一平面状に位置する、タイプ316ステンレス鋼CE、カーボンファイバーWE、及び検体非感応性電極(AIE)を含む、12mmセンサー群のいくつかの実施形態を示す。AIEは、緩衝溶液、擬似基準電力(PRE)、及びカーボンファイバー内部作業電極(IWE)を含む。センサー群はまた、熱伝導率を改善するために、CEの直下に位置するサーミスタを含む。
【
図7】本発明の代表的な実施形態による、5mmセンサー群(
図9参照)、可撓性導管、遷移カートリッジチューブ、及びカスタムプラグを含む、可撓性かつユーザーにより構成可能なセンサーカートリッジの実施形態を示す。
【
図8】エッペンドルフチューブなどの、容器にフィットする、5mm直径センサーカートリッジを示す。センサーカートリッジは、本発明の代表的な実施形態による、センサー群(
図9参照)、カスタムプラグ、及び遷移カートリッジチューブを含む。
【
図9】CE、WE、RE、及びサーミスタを含む、5mmセンサー群を示す。この実施形態において、本発明の代表的な実施形態により、WE及びREが同一平面である一方でCEは、WEの後ろに位置し、絶縁材料により離間している。この構成は、3つ全ての電極と接触するように検体が移動することに依存する。
【
図10】本発明の代表的な実施形態による、手持ち式pHメーターのユーザーインターフェースの論理フローチャートを示す。
【
図11】本発明の代表的な実施形態による、本発明の手持ち式pHメーターのスタンドを示す。示される実施形態において、スタンドは底部及び直立プレートを有し、直立プレートはその前面に、完全に組み立てたpHスキャナのためのスナップ嵌めホルダーと、並びにその背面に、取り替えセンサーカートリッジのための、2つの任意のスナップ嵌めホルダーのセットを含む。
【
図12】pH全範囲に対応するおよそ1200mV(すなわち、−1V〜+0.2V)のスキャンウィンドーによる、シークスキャン(A)の手段により、迅速に信号ピークを検出するための、本発明の方法を示す。この実施例において、ピーク位置がおよそ−0.4Vであることが観察できる。追跡操作(B)は、およそ−0.4V±300mV(すなわち、−765mV〜−165mV)を中心としたより狭いスキャンウィンドーを示す。この実施例(B)において、ピーク位置がおよそ−465mVにより正確に位置することが観察できる。
【
図13】pH 7緩衝材において、ボルタンメトリーセンサーにより生成する、トラッキングスキャンの代表的な信号を表す。順電流と逆電流との間の差が計算されて、差電流が生成され得る(
図12参照)。「サンプルなし」電流は、本発明の代表的な実施形態による、検体サンプルと接触していないことを示す。
【
図14】本発明の代表的な実施形態により、信号処理を表し、ここでピークが検出されるが、信号閾値の2マイクロアンペア(μA)未満であり、よってpHスキャナはLCD上に「信号なし」のメッセージを報告する。
【
図15】BDH緩衝液pH 7において90時間にわたり試験される際の、ボルタンメトリーセンサーの代表的な安定性特性を示す。ピーク電位は、−0.471±0.002Vで安定する。
【
図16】BDH緩衝液pH 7において試験される際の、
図15における同じボルタンメトリーセンサーからの、代表的な信号強度特性を示す。走査の80時間後の電流は87μAである。
【
図17】BDH緩衝液、及び
図2Aに示される実施形態のセンサーカートリッジを使用して生成される、様々な温度におけるピーク電位とpHとの間の関係性を表す。
【
図18】BDH緩衝液、及び
図2Bに示される実施形態のセンサーカートリッジを使用して生成される、様々な温度におけるピーク電位とpHとの間の関係性を表す。
【
図19】Cole−Parmerカロメル電極(Cole−Parmer,EW−05990−50)に対する修正された基準電力の安定性特性を示す。修正された電極の電位は、BDH緩衝液においてpH 2〜12へと昇順及び降順で、またpH 2〜12で繰り返して測定される。
【
図20A】BDH緩衝液pH 7における検体非感応性電極(
図6参照)のIWEからのピーク電位(PP)信号を示す。0.010Vのドリフトが、0〜17時間に観察される。
【
図20B】BDH緩衝液pH 7において、検体非感応性電極のEWEからピーク電位信号を示す。0.010〜0.012Vのドリフトが、0〜17時間に観察される。
【
図20C】検体非感応性電極の内部及び外部作業電極からの減算信号を示す。これは、17時間の期間にわたり、−0.025±0.002Vにおける安定的な電位を生じる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、様々な信号処理方法及びユーザーインターフェースを使用して、様々な形状因子のボルタンメトリーセンサーなどの手段により、検体濃度(特にpH)を測定するための、器具及び器具の構成要素を提供する。
【0015】
定義
明細書及び添付の請求項において使用するとき、単数の形態「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を示さないかぎり、複数の対象を含む。
【0016】
「検体」は、サンプル中に存在する関心の化学種であり、作業電極を組み込む検体センサーシステムを使用して、その存在が検出可能であるか、又はその濃度が測定可能である。
【0017】
「検体感応性材料」又は「ASM」は、これらのユーザーが規定する用途に特異的な許容範囲内における、検体の存在又は濃度に感応性であるか、又は実質的に感応性である、酸化還元活性材料である。検体に対して「実質的に感応性である」は、所与の用途において要求される許容範囲内における感応性(これらの許容範囲はエンドユーザーにより規定される)を意味するものとして使用される。
【0018】
「検体非感応性材料」又は「AIM」は、サンプル中の検体の存在又は濃度に非感応性、又は実質的に非感応性である、酸化還元活性材料である。検体に対して「実質的に非感応性である」は、所与の用途において要求される許容範囲内における非感応性(これらの許容範囲はエンドユーザーにより規定される)を意味するものとして使用される。
【0019】
「検体感知装置」はセンサー(センサーからの信号を測定する手段、及び任意により信号を表示するための手段)である。pHメーターは、一種の検体感知装置である。したがって、いくつかの実施形態において、検体感知装置は、プログラム及びアルゴリズムを伴うコントローラ/プロセッサユニット、並びにプローブを含む。
【0020】
「擬似基準電極」又は「PRE」は、その環境条件により電位が予測可能に変化する種類の電極の、電極タイプである。一度確立されると、このような相関は、既知の条件において、たとえそれらの条件が、従来的な基準電極が適用可能である比較的狭い範囲を超える場合(例えば、非水溶液、又は環境と大きく異なる温度など)であっても、電極電位を計算するために使用することができる。これらの状況において、電気化学実験の時間尺度にわたり、適度に一定の電位がもたらされ、PREの絶対電位が、必要に応じてREに逆較正(back-calibrated)されてもよい。擬似基準電極は典型的には、酸化還元対の半体両方を含まない。PREの一例は、銀のワイヤである(非水性電気化学において一般的に使用される)。より最近では、PREは、AIEの構成要素として使用されている。
【0021】
「酸化還元活性材料」は、酸化及び還元され得る、化合物又は組成物である。「酸化還元」は、これらのプロセスの一方又は両方を指す。
【0022】
「基準電極」(RE)は、WEに適用される電位差を確立するために使用される電極である。従来的なREは、一定の固定された化学組成物、及びしたがって一定の電気化学電位を有し、したがって、WEに適用される電位差を、既知の制御された方法で測定することを可能にする。REは典型的には、一定の化学組成及びイオン強度の電解質と接触する、酸化還元対の2つの半体を含む。酸化還元対の両方の半体が存在し、含まれる全ての化学種の組成が一定であるため、系は平衡状態に維持され、REの電極−電解質境界面にわたって生じ得る電位の低下(すなわち、測定される電圧)はその後、熱力学的に一定であり、安定している。例えば、一般的に使用されるRE系は、規定され、一定の濃度のKClを備える、Ag/AgCl/KCl系である。2つの半電池反応は、以下である:Ag
++e
−→Ag;及びAgCl+e
−→Ag+Cl
−全体的なセル反応はしたがって:AgCl→Ag
++Cl
−であり、これに関してNernst平衡電位はE=E
0−(RT/F)
*ln[Cl
−]であり、Eは測定されたRE電位であり、E
0は、Ag/AgCl対標準水素電極(全ての化学種の活量が1である)(慣例として標準水素電極は0.0Vの電位を有するものとして規定される)の標準電位であり、R、T、及びFは、それぞれ、適切な単位での、一般気体定数、温度、及びファラデー定数である。したがって、このシステムの電位は、安定的な一定の電位をもたらす、存在するCl
−イオンの濃度(より厳密には活性)(一定である場合)のみに依存する。他の多くのREシステムが当該技術分野において既知である。REの組成が一定のままであることが必要不可欠であり、したがって、REにほとんど電流が流れないべきであり(そうでなければ、電気分解が生じ、REの組成が変化する)、これにより回路を閉じるために第3電極(対電極(CE))の使用が必要となる。しかしながら、特殊な場合において2電極構成が使用され得、WEは少なくとも1つの寸法が典型的に100μm未満である、微小電極である。この場合、WEを通る電流は小さく、よって2電極電池はCEを必要とせずに、REと共に使用され得る。
【0023】
「センサー」は、検体の存在に反応する信号を生成する、電極又は電極の集合である。
【0024】
「電極」はプローブの構成要素である。
【0025】
「プローブ」とは、多数の電極を含むセンサーを指す。プローブは例えば、作業電極、対電極、及び基準電極(従来的な基準電極又は擬似基準電極)を含み得る。プローブは、例えば、作業電極、対電極、及び検体感応性電極(IWE及びPRE)を含み得る。
【0026】
「作業電極」又は「WE」は、関心の検体を検出するための電気化学プロセスが生じる、電極である。センサーにおいて、作業電極は試験サンプル中における1つ又は2つ以上の検体に対して感応性であり得、又はこれは、検体感応性の種/材料で化学的に変性されてもよい。研究中のシステムになんらかの摂動が適用された後に、作業電極の電気化学反応は測定される。例えば、摂動は、電子移動を生じさせるWEへの電位差の適用であり得、WEにおいて生じる電流はその後、適用される電位の関数として記録される(ボルタンメトリー方式)。動作様式のこの例が例示されるがこれは包括的ではなく、他の多くの様式が当該技術分野において既知である。本発明のWEは、サンプル溶液内の検体(pHメーターのための水素イオン、他の検体感知装置のための他の検体)の濃度、及び適用される電位に依存する、可逆的な電気化学酸化還元反応を経ることがある、ASMを含む。例えば、サンプル溶液に、高濃度の水素イオンが存在する場合、酸化還元反応はより低い電位で生じる。逆に、サンプル溶液に、低濃度の水素イオンが存在する場合、酸化還元反応はより高い電位で生じる。特徴的な電位と、サンプル溶液pHとの間の関係は、ASMの化学的同一性の関数である。アルゴリズムは、電位をpH値に変換し、未知のサンプルのpHを決定する手段をもたらす。
【0027】
「検体非感応性電極」(AIE)は、緩衝特性を備える材料を含む、一定の化学的環境と、酸化還元活性WEを並置することにより、一定の電極電位を生じる、基準電極の特殊な場合である。一定の化学的環境はひいては、検体とイオン的に連絡しているが、対流的に分離している。AIEは、検体感応性信号が連続的に比較され得る内部基準(換言すると、システム内部の基準)として有用な予測可能な信号をもたらし、したがって、検体濃度の測定においてより高い正確性及び再現性を可能にする。PCT出願番号第US2013/023029号、及び同第2010/104962号(本明細書において参照として組み込まれる)参照。
【0028】
「温度センサー」は、周囲環境のリアルタイム温度測定を可能にする。この例は、抵抗温度検出器(RTD)、サーミスタ、又は熱電対である。
【0029】
上記の定義を踏まえ、読者は、以下に記載される本発明の様々な態様及び実施形態を理解することができる。
【0030】
一般的に、本発明のボルタンメトリーセンサー技術は、検体感応性材料(ASM)が取り付けられた基材を含むWEを使用する。ASM自体がマトリックスである。本発明のいくつかの実施形態において、センサー技術はまたAIEを使用する。いくつかの場合において、基材、及び酸化還元活性材料(RAM、これはASM又はAIMであり得る)をも含む、AIEがもたらされる。いくつかの態様において、WEのASMマトリックス材料(又はAIEのRAMマトリックス材料)の基材は炭素であるか、炭素を含む。
【0031】
本発明の電極内の基材として使用するために、様々な炭素基材が好適であり、これには、炭素同素体、例えば、熱分解グラファイト、及び等方性グラファイトを含むグラファイト、非晶質炭素、カーボンブラック、単層又は多層カーボンナノチューブ、グラフェン、ガラス状炭素、ホウ素ドープしたダイアモンド、フォトレジストフィルム、及び当該技術分野において既知の他のものが挙げられる。
【0032】
加えて、上記の炭素同素体の全てが、好適な結合剤の形態で分散されるか、WEの表面上でその場で形成されてもよい。このような結合剤としては、有機又は無機ポリマー、及び接着剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、基材はグラファイト粉末であり、結合剤はエポキシ樹脂である。他の実施形態において基材はグラファイト棒である。他の実施形態において、基材は、等方性グラファイト固体である。他の実施形態において、基材はカーボン繊維複合体である。他の実施形態において基材は、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、又はポリフッ化ビニリデンなどが挙げられるがこれらに限定されない、グラファイト充填ポリマーである。他の実施形態において、基材は、1つ又は2つ以上の炭素同素体を配合された、インクの表面コーティングを含む。他の実施形態において、表面は、銀、金、及びプラチナにより代表される1つ又は2つ以上の金属を配合されたインクの表面コーティングを含む。他の実施形態において、基材はアイオノマーである。他の実施形態において基材は、炭素同素体粒子、炭素ナノチューブ、炭素ナノワイヤ、グラフェン、金属、又はRAMからの電気信号の送信を補助することが挙げられるがこれらに限定されない、マトリックスの物理的及び電気的特性を高めるための、他の適合性のある剤を含む、アイオノマーである。
【0033】
本発明のWE(及びAIE)は、必要な設計及び機能に従って容易に交換又は置換されるように、プローブから取り外し可能であるように構成され得る。本発明のWEは、従来的なpHメーター内の従来的なガラスプローブと置換え、及び/又は、電気配線、又は配線を必要としない電磁手段により読み取り装置に送信される信号を生成するように、構成及びプログラミングされてもよい(本明細書において参照として組み込まれる、PCT出願番号第US2013/023029号参照)。
【0034】
本発明のpH又は他の検体プローブは更に、基準電極(RE)を含み得る。本発明のプローブにおいて使用するのに好適な多数の従来的な基準電極が、当該技術分野において既知である。例えば、本明細書において参照として組み込まれる、Bard and Faulkner,「Electrochemical Methods:Fundamentals and Applications」(Wiley 2001)参照。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態において、従来的な参照電極は、電解溶液により囲まれる塩化銀ワイヤである。他の実施形態において、従来的なREは、塩化銀ワイヤのみである。他の実施形態において、従来的なREは、本明細書において参照として組み込まれる、米国特許番号第4,495,050号に記載の、ヨウ化物/三ヨウ化物システムである。他の実施形態において、従来的なREは、標準的なカロメル電極である。
【0036】
本発明はまた、酸化還元活性検体感応性材料を特徴とする、ソリッドステート作業電極(WE)が、従来的なRE又はPREと共に、同じpH計測システム内で動作する、様々な実施形態を提示する。この複合的な手法は、ソリッドステート装置に固有の堅牢性、及び電気化学科学の多くの基礎となる許容される参照基準を組み合わせる。本発明のいくつかの実施形態において、検体と、RE又はPREの内部参照溶液との間の接点として、無孔材料が使用される。無孔材料は、イオンの経路をもたらすが、対流に抵抗するように選択され、これによって、検体との混合による参照溶液の組成変化、又はいくつかの場合において、接点における沈殿若しくは目詰りを生じる検体内の基材との化学的相互作用の可能性が最小化される。このような混合又は相互作用の結果が、基準酸化還元対の化学環境の変化、したがって、基準電位のシフトである。本発明の特定の実施形態において、基準接点材料は、RTIL、RTILと少なくとも一部混和性のポリマー、上記の電気化学及びバリア特性に加えて、良好な機械的安定性をもたらすために混合される炭素同位体を含む。
【0037】
「対電極」又は「CE」(はまた、場合により、補助電極と称される)は電子回路を閉じるために、電気化学セルを通じて電流を流すために、いくつかの検体センサーにおいて必要とされる電極である。CEは、電子のソース又はシンクとして機能し、電流がWEを通じて流れて、酸化還元反応を生じる。不必要な電気化学酸化還元プロセスを避けるため、CEは典型的には、化学的な不活性導体、一般的なステンレス鋼、又は他の特殊合金、炭素、及びその複合体、一定の導電性ポリマー、又は貴金属を使用して作製される。本発明の全ての実施形態は、CEを含み得る。
【0038】
本発明の様々な実施形態において、センサーはまた、抵抗温度検出器(RTD)、サーミスタ、又は熱電対などの、温度センサーを含む。サンプルのpHは、温度の関数であり、したがって、検体の温度を迅速かつ正確に測定及びモニタリングするために重要である場合が多い。いくつかの実施形態において、センサー群は、基準接点内に埋め込まれたサーミスタを含む。別の実施形態において、センサー群は、検体、作業電極、及び基準電極の近く、好ましくは高い熱伝導性の材料と接触するように位置するサーミスタを含み、これにより検体サンプルの温度が迅速かつ正確に測定される。他の実施形態において、サーミスタは、タイプ316ステンレス鋼対電極の直下に埋め込まれる(
図5及び
図6参照)。
【0039】
他の態様において、本発明は、本明細書において記載される1つ又は2つ以上の電極を含む手持ち式pHメーター(「スキャナ」)を提示する。本発明の手持ち式pHは、較正不要のソリッドステートpHメーターである。器具の構造は、形状因子、作業環境、及び用途に関係して可撓性を最大化させる。いくつかの実施形態において、システムは、ユーザー入力のためのボタン、ディスプレイスクリーン、及び取り外し可能なカートリッジの取り付け及び置換を促進するカスタムコネクタを含む、ヘッドユニットを有する(
図1及び
図2を参照)。いくつかの実施形態において、センサー群を含む取り外し可能カートリッジは、センサー群、及び関連する電子回路を収容する、12mm直径のチューブを有する。典型的なガラスpH電極は、12mm直径を有するように標準化されてきた。多くの実験及びプロセス付属部品が、12mm直径形状因子に適合するように設計される。本発明の実施形態は、これらの使用環境で使用するのに好適であるように設計されている(
図3参照)。
【0040】
本発明により提示される形状因子の範囲の別の例は、可撓性であり、したがって、「グースネック」式にユーザーにより構成可能である、センサーカートリッジ実施形態である。本発明のセンサーカートリッジは、ガラスの使用を必要とせず、剛性の長さの制限された形状のためのこれに関連する制約もない。代わりに、センサーカートリッジ、及びプローブは、様々なケーブル及びコネクタを備える、ヘッドユニットと接続され得る。
図7参照本発明のボルタンメトリーセンサーは、ガラス電極により可能である(1mを超えることはほぼない)よりも遥かに長い長さで製造され得る。好適な信号増幅回路により、本発明の剛性又は可撓性センサーは、約10m程度になり得る。典型的な長さは、例えば、0.25、0.5、1、2、5、及び10mであり、制限がない。
【0041】
別の実施形態において、本発明の取り外し可能なカートリッジが、例えば、エッペンドルフチューブ、又はマルチウェルプレートのウェルなどの、小さな容器内のサンプルのpHを測定するのに好適なより小さい5mmセンサー群の実施形態に設けられる。このより小さい形状因子が、
図8に示される。
【0042】
他の態様において、本発明は、様々な要件を満たすために、電子回路及び構成要素のための複数のパッケージ化選択肢をもたらす。いくつかの実施形態において、
図3Aに示されるように、センサーカートリッジは、ハウジング、センサー群、ヘッドユニットと係合するコネクタ、センサー群とコネクタとの間の配線を含む。別の実施形態において、
図3Bに示されるように、前置増幅器、及び/又はアナログ−デジタル変換器、並びに任意の電力調節構成要素を有する小さな回路基板が、センサー群に直接接続される。いくつかの実施形態において、カートリッジハウジングは剛性の導管である。別の実施形態において、カートリッジは、PVCチューブ(例えば、TygonB−44−3)、EPDMゴム、シリコーンゴム、フルオロエラストマー、フルオロポリマー、ポリウレタン、ブレンド、及びこれらのコポリマーが挙げられるがこれらに限定されない可撓性材料から作製される可撓性導管である(
図7参照)。材料の選択は、標的の用途に依存する。いくつかの実施形態において、可撓性導管は、例えば、補強した、又は編組状のステンレス鋼から作製されたグースネックチューブ(例えば、Hagitec WCDシリーズ、MCDシリーズ、及びCDシリーズ)によってユーザーにより構成可能である。他の実施形態において、カートリッジハウジングは、電磁干渉を最小化し、環境的損傷に抵抗するように設計された、遮蔽及び任意により外装したケーブルを含む。より一般的に、前置増幅器及び/又はアナログーデジタル変換器をセンサー群の付近に配置することにより、信号強度が増加し、それにより、利用され得る送信距離が増加する。本発明の可撓性プローブの最大長さが、信号の劣化及び電磁ノイズ又は干渉によって大きく制限される。実際、1m以上の長さ(例えば、10m以上)の本発明の可撓性pHプローブは、その剛性のより短い相当物と同程度の正確な測定を可能にする。
【0043】
本発明の他の態様において、センサー群、及び全ての電子機器は、小型の自己出力型測定装置内に一緒に配置され、システムの動作及び結果の呼び出しは、無線通信により遠隔操作される。様々な実施形態が、遠隔測定又は遠隔感知技術と共に展開するのに適している。アンテナ及び一体化した電子機器を備えた、遠隔測定/遠隔感知モジュールは、無線通信、及び地形的位置付け(geographical positioning)を含む、いくつかの機能のいずれかを実行し得る。これはまた、ボルタンメトリーセンサー電子機器の動作の遠隔制御のためのリンクを確立する。1つの特定の実施形態は、フローティングプラットフォーム(floating platform)上に取り付けられたシステムをもたらし、検体、典型的には水の中に、ユーザーにより指定される深さで浸漬された、剛性又は可撓性のプローブのプラットフォームの底部に、ボルタンメトリーセンサーが位置する。この設計は、環境モニタリングのための水域におけるpHの測定、又は水源、廃棄物処理、海洋研究、及び水路管理に関連する水分析に特に適している。他の実施形態において、センサーカートリッジ、又は機能的な等価な構造物、及びボルタンメトリーセンサー電子機器は、水面下の様々な深さに浸漬されるが、遠隔測定/遠隔感知構成要素は、水面に暴露されて、効果的な信号のアップ/ダウンリンクを可能にする。更に他の実施形態において、多数のセンサーカートリッジ画定された空間を被覆するマトリックスで配置されて、pH勾配、及びこれらの変動を経時的にマッピングすることを可能にする。
【0044】
他の地上における用途としては、土壌サンプルのモニタリング、又は灌注流出の監視が挙げられる。他の実施形態において、センサーカートリッジの配列は、上記の水分析のためにもたらされる方法と同じように、複数の位置において、土壌pHを特徴付けるように展開される。このような用途は、本発明の利益、特に、堅牢性、及びドリフト、メンテナンス、及び位置による懸念により影響されない方法で検体情報を正確にレンダリングする能力により可能になる、無数の用途の代表例である。
図4A及び4Bは、本発明の剛性及び可撓性のセンサーをそれぞれ展開するこれらのシステムの2つの実施形態を概略的に例示している。他の実施形態において、本発明のボルタンメトリーセンサーは、ボルタンメトリーセンサー電子機器のための防水エンクロージャ、海洋用途のための電池パック、又は地下に配置するための耐腐食ハウジングなどの機械的補強など、保護ハウジング内に組み込まれる。
【0045】
様々な実施形態において、手持ち式pHメーターは、以下の(i)センサーカートリッジは取り外し可能及び取替え可能であること、(ii)センサーカートリッジ内のセンサー群は取り外し可能及び取替え可能であること、(iii)センサー群、及び関連する電子回路構成要素が、異なる形状因子(例えば、5mm、又は12mm直径)の取り外し可能なカートリッジ内に設けられ、それぞれ本明細書において記載されるヘッドユニットと適合可能なコネクタを有するように設計されること、の属性の1つ又は2つ以上を特性とする。他の実施形態において、上記のように取り替え可能であるものとして特定される構成要素の1つ又は2つ以上が、代わりに固定された構成要素となる。
【0046】
本明細書において記載される様々なセンサーカートリッジの使用は、手持ち式pHスキャナに限定されない。かわりに、本発明のセンサーカートリッジは、これらを受け取るために好適なコネクタを設けた器具及びシステムに利用することができる。これらは、ベンチトップ器具、工業用送信機、及びコントローラ、並びに、好適なインターフェースハードウェア及びアルゴリズムを備える他の器具及びプロセッサのサブシステムの形状因子を含む。
【0047】
本発明はまた、より良い信号処理をもたらす、方法及び構成要素をもたらす。方形波ボルタンメトリーは、良好に確立された電気分析技術であり、これは、電気化学セルの電流と、関心の溶液種の濃度の相関を可能にする。その原理、動作、及び用途が詳細に記載されている。例えば、「Square Wave Voltammetry,」J,G and R.A.Osteryoung,Analytical Chemistry 57,(1)1985,101A〜110A;「Theory of Square Wave Voltammetry」並びに「Analytical Applications of Square Wave Voltammetry,」L.Ramaley及びM.S.Krause,Analytical Chemistry 41,11(1969)1362〜1365、参照。現在利用可能な様々な市販の器具は、様々な電子機器設計において方形波ボルタンメトリーを実施し、これは重要な動作パラメーターを規定する能力、並びに、迅速で鋭いピーク測定値を生成する一般的な利益を持ち、不可逆的な酸化還元プロセスからの誤った信号を有効に排除する。
【0048】
信号処理電子機器の実施、及び本発明の方法は、他の市販のシステムと比較可能な機能をもたらし、使用の容易性、及び手持ち式器具における単純なユーザーインターフェース(UI)をもたらす。UIの様々な態様が、スキャナの走査の制御をもたらし、重要な測定結果、電源の状態を表示し、データを送信し、又は装置をプログラミングする。
図10は、命令構造、様々なイベントへのシステム反応、並びに、測定情報及びシステム状態の表示を示す、論理フロー図である。システムのファームウェアは、以下の(1)電源オン/オフ制御、(2)電池状態、及びヘッドユニットに接続されたセンサーカートリッジの存在を確認するシステムチェック、(3)センサーカートリッジの、内部相関データベース内の事前に選択された基準点への適応性を判断し、そこからのいずれかのずれを補正する(特定の実施形態において、pH 7緩衝溶液内で測定される作業電極電位が、同じ種類のWE及びREを備えるカートリッジの標準化された群から得られる値と比較され、ヘッドユニットのファームウェア内に保存される)、(4)pH測定(予め設定された方形波ボルタンメトリー条件に従う電圧走査シーケンスが開始され、センサーカートリッジからの反応が回収及び処理される、(5)エラー捕捉(システムが(i)センサーと検体との間の接触の不在を検出し、「サンプル無し」メッセージで状態を報告する、(ii)使用可能な信号がセンサーカートリッジによって生成されていないことを検出する、又は(iii)他の動作上の不規則性を検出する)、(6)pH、温度、ピーク電位、及び信号強度のユーザーにより選択可能な表示、(7)電池充電レベルを含むシステムインジケータ、走査進行インジケータ、及び他のシステム状態の視覚的インジケータ、の主要な機能をもたらす。
【0049】
検体濃度(すなわち、pH測定値)に関し、本発明はいくつかの実施形態において、広範な電圧範囲をもたらし(走査ウィンドー)、これはpHスケールの大部分(例えば、pH 2〜12)を包含する電流ピークのおおよその位置を決定するために最初に使用され、これは「シークスキャン」と称される。その後、電位スケールにおける初期値を含むように動的に規定されることにより狭い走査ウィンドーを使用して、一連の走査が行われる。これらの測定は、「トラック走査」と称されて、より高い正確性を達成するために、シークスキャンのものよりも高い電圧分解能で行われる。多くの連続的な電位測定が、連続平均の差が閾値以下となる(ここで測定値は安定であるとみなされて、順次表示され、可聴信号が生成される)まで、ローリング平均ベースで比較される。
【0050】
市販のpHメーターの殆どは、電位差pHプローブを使用し、これは、プローブの初期設定、メンテナンス、及び較正の高度に技術的な側面に対応するために、複雑なユーザーインターフェースを必要とする。これらのpHメーターは、pHに対するプローブの反応(勾配)及び基準電極における変動(y切片)を含む、較正の重要な態様を確立することを、ユーザーに要求する。従来的なpHプローブを較正するため、ユーザーは、変動するpHの一連の緩衝基準にプローブを暴露し、関心のサンプルのpHを測定する前に装置に較正情報が適切に入力されるように、装置のユーザーインターフェースを操作しなくてはならない。較正及び他のセットアップ手順の複雑かつ技術的な性質のため、pHメーターは典型的には、主に高度な技術を有する技術者の居る実験室環境で使用される。それでもなお、pHメーターにセットアップに際して較正ミス及び他のエラーの可能性があり、ユーザーにとって未知であり得る、間違ったpH読み取り値が生じる。土壌、又は田畑の産物のpHの測定など(収穫時期の決定に有用である)、農業における様々な分野の用途、河川、海洋礁、及び工業排水の測定などの環境モニタリング用途が、現在利用可能なpH測定装置の複雑性、及びこれらの環境におけるユーザーが習慣的に訓練を受けた化学者又は操作者でないことがあるために、測定されないか、測定しきれない。
【0051】
本明細書において記載されるボルタンメトリーの、較正不要の、機械的に堅牢な性質は、2つのボタンのみの使用により走査することができる、第1の完全機能のユーザーインターフェースにセンサー群を連結することを可能にし、実質的に技術的訓練を全く受けたことのないユーザーが初めて使用して、今日市販されている最良の電位差測定(ガラス)pHと同等以上の正確性及び精密性でpHを測定できるようにする。本発明により提示されるユーザーインターフェースは、非常に使用が簡単であり、ユーザーが単一のボタンにより対象のサンプルのpHを測定するのを可能にする(従来的なpHメーターでは再現不可能な固有の特性)。加えて、本発明は、センサーがサンプルと接していないかどうか、又はセンサーからの信号が正確な測定のために信頼出来ないほど弱くないかを、ユーザーに知らせるために、pHメーターに組み込まれ得るエラー捕捉特性をもたらす。以下でより詳細に記載される、単純なボタン操作の組み合わせにより自動的に実行される、精密なプログラミングと連結された2つのボタンのみを含む、大幅に簡略化されたユーザーインターフェースを通じて、訓練を受けていないユーザーでさえも、初めて使用したときに、非常に正確なpH測定を行うことができる。いくつかの実施形態において、pHメーター又はスキャナは2つのボタン「電源オン/オフ」ボタン、及び「pH」ボタンを有する。本発明により提示されるユーザーインターフェース(UI)は、pH及び電力ボタンを短く及び長く押すことによる制御のもとに動作する。上記のボタン及びLCDスクリーンの組み合わせにより、ユーザーは、pHメーター(これは手持ち式スキャナの形態であり得る)において利用可能な全ての機能を実行することができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、電源ボタンを押すことにより電源を入れることができ、これにより、可聴信号に続いてシステムファームウェアが開始され、ディスプレイがオンになる。この時点において、ファームウェアは、サーミスタを含むセンサーカートリッジの存在、及び電池の充電レベルを検出する。内部試験が完了すると、ディスプレイが「準備完了」を表示し、スキャナが使用できるようになる。メーターは、電力ボタンを長押しする(>7秒)ことにより、準備完了スクリーンから、電源を落とすことができる。
【0053】
ユーザーは、pHメーターの電源ボタンを押して、保持することによって、ユニットの電源を入れ、pH(又は他の検体)測定を行う。ユーザーはその後、pHメータープローブの端部に脱イオン水、又は別の洗浄剤を入れることによって、pHメーターのセンサーをすすぐ。ユーザーはその後、pHメーターのセンサー端部をサンプルに挿入する。サンプル内に位置付けられたメーターのセンサー端部により、ユーザーは、pHメーターのpHボタンを押して、サンプルの走査を開始する。ユーザーが異なるサンプルにおいてpH測定を行うことを所望する場合、ユーザーは、メーターのセンサー端部を新しいサンプルに挿入して新たに走査を開始する前に、センサーをすすぐ工程を繰り返す。ユーザーは、走査中のいずれかのときに、pHボタンを押すことによって、進行中の走査を終了してもよい。以下に記載されるプログラミングは、ユーザーが単純に「pH」ボタンを押し、これが一連のアルゴリズムを実行し、一度ボタンを押すだけで非常に正確なpH測定が行われるように設計される。準備完了スクリーンから、pHボタンを押すことにより、pH測定が開始され、センサーが電圧走査シーケンスを受ける。pH測定プロセスを通じて、LCDスクリーンは、サンプルのpH読み取り値、サンプル温度、及び電池レベルを表示する。上記でより簡潔に記載されたが、走査は、シークスキャン及びトラックスキャンの2種類の走査を行うようにプログラミングされ得る。一般的に本発明のボルタンメトリーセンサーにおいて、pHの変化から生じる電圧範囲にわたるピーク電流位置の変化は、pH単位あたり約60mVである。シーク走査は、いくつかの実施形態において、低い分解能(例えば、4mV(約0.066pH単位))、広範囲(例えば、>600〜1200mV(例えば、およそ7〜14pH単位からの測定範囲))の走査であり、メーターが、0〜14のpH範囲全体、任意によりこの範囲の一部(典型的には7以上のpH単位)にわたり、サンプルのpHを迅速に(すなわち、約15秒)検出することを可能にする。例えば、pH範囲が比較的既知であるプロセス流に配置される場合(例えば、pH 6.6の牛乳)、ボルタンメトリーセンサー電極は予測されるpH値(牛乳の場合6.6であるが、中点は任意のpH値であり得る)±一定の範囲(すなわち、1pH単位、又はpH 6.6中点の場合は5.6〜6.6の範囲であるが、0〜14の任意の範囲になり得る範囲)に基いて中点を走査するように微調整することができ、よってより迅速なディスプレイの更新が可能となる。この手法は、各走査のpH範囲を制限することにより、単位時間当たりのより多くの走査を可能とする。このピーク位置が、シークスキャンによって一度確立されると、一連のトラックスキャンが開始される。トラックスキャンは狭い範囲(例えば、200〜600mV(3pH単位の測定可能範囲)内の高い分解能(例えば、2mV(約0.033pH単位)走査であり、電圧の範囲の中心は、シークスキャンから得られるピーク位置と対応している。様々な実施形態において、この狭い範囲は、シークスキャンから得られるピーク位置と対応する電圧から±300mVである。
図12A及び12B参照。
【0054】
いくつかの実施形態において、ユーザーがpHボタンを押すときに、スキャナが初期シークスキャンを実行する。シークスキャンが行われる間、4本の点線が点滅状態で表示されて、pH読み取り値が現在未知であることを示す。一度シークスキャンがおよそのpH値を判定すると、値がディスプレイに点滅状態で表示されて、ユーザーに、安定した読み取り値にまだ到達していないことを示す。スキャナはその後、一連のトラックスキャンを行い、各トラックスキャンから得られた値が、例えば、3つの連続的な読み取り値のローリング平均に組み込まれる(変動は特定の所定の値より小さいが、アルゴリズムにおいて調節可能)。例えば、6mV未満の変動は、0.1pH単位の正確性に対応し、2mVの変動は、0.03pH単位の正確性に対応する。
【0055】
この時点において、測定値は安定的であるとみなされ、pH値が一定値として置き換えられる。同時に、可聴音が発されて、ユーザーに、スキャナのpH値が安定したことを知らせる。トラックスキャンからの以降の測定値により、標準偏差が既存の範囲外となると、スキャナはシークスキャンモードに戻って、そのプロセスとその後のトラックスキャンが、安定値が再び得られるまで繰り返される。
【0056】
一度トラックスキャンが安定化すると、電源ボタンを短く押すことにより(すなわち、1秒)、ミリボルト(mV)のピーク電位、及びマイクロアンペア(μA)のピーク電流などの、追加的な測定データを見ることができる。電源ボタンをもう一度短く押すことによって、ディスプレイが切り替えられ、pH及び温度が表示される。安定値に到達した後も、スキャナはトラックスキャンを連続的に行い、ローリング平均が更新及び表示される。ユーザーがサンプルの走査の停止を所望する場合、これはpHボタンを短く押す(すなわち、1秒)ことにより達成される。ディスプレイはその後、pH、温度、ピーク電位、及びピーク強度と共に、「最新読み取り値」を表示する。pHボタンを二度目に短く押すと、ディスプレイが「準備完了」スクリーンに戻る。
【0057】
センサー群のWEは、試験されるサンプルの性質及び周波数に基いて、有限の耐用寿命を有する。したがって、ユーザーが周期的にセンサーの状態を点検できるようにすることが有用である。これは、センサーを既知の緩衝標準(例えば、pH 7緩衝液)内におき、pHボタンを長く押す(すなわち、3秒)ことにより達成される。ディスプレイにステータスバーが表示され、スキャナが5回連続の高分解能走査(すなわち、トラックスキャン)を行い、5つの読み取り値の平均を、内部相関データベース内の予め選択された基準点と比較し、そこからのずれを補正する。適切に機能するボルタンメトリーセンサーの固有の特徴は、ASMのpHに対する反応(すなわち、傾き)が決して変化せず、したがって、センサーチェック機能内に組み込まれた機能が、ユーザーのために、y切片を自動的に再設定することによって基準電極(RE)に生じ得るあらゆる変化を補正することである。センサーチェックはまた、センサーの状態を評価するために走査の信号強度(μAのピーク強度)も測定し、ここで弱い信号は、検体を測定するのが困難であるか、又はセンサーの耐用寿命が終わりに近づいているかのいずれかであることを示している。センサーチェックが一度完了すると、スクリーンは、走査により決定された信号強度を表示する。いくつかの場合において、信号強度の推奨される閾値は、15μAである。したがって、15μA以下の値がpHメーターディスプレイに表示されるとき、ユーザーはセンサーカートリッジを交換する。ユーザーはその後、新しいカートリッジを使用して、記載されるようにセンサーチェックを行う。センサーチェックが適切に完了した後、ユーザーがpHボタンを押して、pHメーターのホームスクリーンに戻る。ユーザーがセンサーチェックを停止することを所望する場合、pHボタンを短く押すことによって、プロセスが中断し、ディスプレイが「準備完了」スクリーンに戻る。
【0058】
従来的な電位差pHプローブとは異なり、本発明により提示されるスキャナは、ユーザーが測定エラーを減らし、より確実な結果を得るのに役立つメッセージを検出及び表示することができる。例えば、センサーがサンプルと接触しない場合、ディスプレイは「サンプルなし」を表示し、ユーザーにセンサー又はサンプルの位置を調節するように伝える。これは、センサーのDC電流を検出することにより達成される。
図13参照。「サンプルなし」の状態は、pH測定又はセンサーチェック機能中に生じ得る。
【0059】
加えて、スキャナは、センサーが確実な読み取りのために十分に強い信号を戻していない場合に、メッセージを検出及び表示することができる。これは、ピーク信号強度を、最小(例えば、2μA)閾値と比較することにより達成される。
図14参照。「信号なし」状態は、pH測定又はセンサーチェック中に生じ得る。「信号なし」状態が生じるとき、pH測定又はセンサーチェックが終了して、スクリーンは、「信号なし」を表示し、これによりセンサーがこのサンプルのpHを確実に測定できないことをユーザーに知らせる。
【0060】
加えて、スキャナは、停止タイマー機能を備えてもよい。停止タイマーの目的は、スキャナが長時間にわたり(すなわち、5分超)にわたりアイドル状態になっているかどうかをユーザーに知らせることである。停止タイマーは、「準備完了」スクリーン、「最終読み取り」、「信号なし」、「サンプルなし」スクリーンから、及びセンサーチェックの最後に起動され、電池寿命を保存することが意図されている。停止タイマー状態が生じるとき、ディスプレイは「停止」を表示する。ユーザーは、電源ボタンを短く押すことにより停止をキャンセルすることができ、これによりスキャナは「準備完了」スクリーンに戻る。ユーザーが何もしないと、スキャナの電源が自動的に落ちる。停止タイマーの固有の特徴は、停止タイマーが起動される時点で、スキャナが安定した測定値を表示しているのであれば、スキャナが再びオンになったときに、最後の読み取り値が表示される。この固有の特徴は、自動的な停止の結果として、ユーザーが意図せずしてデータを失わないことを確実にする。
【0061】
本発明はまた、本発明の手持ち式pHメーターを保持するために好適な様々なスタンドを提示する。
図11は、本発明の手持ち式pHメーターのためのスタンドの代表的な実施形態を示す。示される実施形態において、スタンドは底部及び直立プレートを有し、直立プレートはその前面に、完全に組み立てたpHメーターのためのスナップ嵌めホルダーと、並びにその背面に、取り替えカートリッジのための、2つの任意のスナップ嵌めホルダーのセットを含む。スタンドの他の実施形態としては、直立するプレートの背面上に、より多い、より少ないスナップ嵌めホルダーを含むか、又はこれを含まない、実施形態が含まれる。
【0062】
当業者は、本発明の様々な態様及び実施形態により可能となる多くの利益及び利点を実施及び実現するための、多くの代替的な方法が存在することが理解される。したがって、本実施形態は、例示的であって、制限的ではないものとみなされ、本発明は、本明細書において提示される詳細に限定されず、添付の請求項の範囲及び等価物内で修正され得る。本明細書において引用される出版物及び特許は参照としてその全体が組み込まれる。以下の実施例は、例示目的のためだけに提示され、本発明の範囲を制限するものではない。
【0063】
[実施例]
実施例1.センサーカートリッジ
以下の構成要素を含むセンサーカートリッジが構成された:タイプ304ステンレス鋼の12mm OD×150mmカートリッジチューブ(MicroGroup,Medway,MA);ヘッドユニットと係合するように設計された機械的及び電気的コネクタ(Amphenol,Wallingford,CT);カーボンファイバー基材(ACP Composite、Livermore,CA)上に不動化されたAQ−PVA化学に基づくASM機能表面を含む作業電極、Ag/AgCl/KClシステムを含む基準電極、タイプ316ステンレス鋼から製造される対電極、及び群として構成されカートリッジハウジングの遠位端に取り付けられたサーミスタ(QTI,Boise,ID)を含む、ボルタンメトリーセンサー。リボンケーブルは、ボルタンメトリーセンサーを、ヘッドユニットと相互作用する機械的電気コネクタと接続された。これらの構成要素の構成は、
図3Aに示される。この設計のセンサーカートリッジは、Autolab電位装置に接続されて、25°において、pH 7緩衝溶液(BDH)で試験された。作業電極ピーク電位、及び信号強度は、時間の関数としてモニタリングされた。結果が
図15及び
図16に示される。87時間にわたり、電位は約2mV内に留まり、これは約0.03pH単位に相当する。この安定性は、従来的なガラス電極のものより優れている。
【0064】
このセンサーカートリッジの作業電極電位は、
図17に示される検体pH及び温度と線形の関係を示した。この相関は、測定された電位のpHへの変換の基である。
【0065】
実施例2.電子機器が一体化したセンサーカートリッジ
以下の構成要素を含むセンサーカートリッジが構成された:タイプ304ステンレス鋼(MicroGroup)の12mm ODカートリッジチューブ、ヘッドユニットと係合するように設計された機械的及び電気的コネクタ(Amphenol)、作業電極を含むボルタンメトリーセンサー、基準電極、対電極、群として構成されカートリッジチューブの遠位端に取り付けられた温度センサー。プリント回路基板が提示され、その上に前置増幅器、アナログ−デジタル変換器、電力調節器、支援論理、及び他の受動素子が取り付けられる。回路基板は、ボルタンメトリーセンサーに接続された。リボンケーブルは、プリント回路基板を、ヘッドユニットと相互作用する機械的電気コネクタと接続した。これらの構成要素の構成は、
図2Bに示される。この設計のこのセンサーカートリッジは、実施例1のものと同様の条件で試験された。
図18に要約される結果は、mV−pH相関は、電子回路のセンサー群に対する位置に大きく影響されないことを示している。
【0066】
実施例3.修正されたAg/AgCl基準電極を備える、ボルタンメトリーセンサー
センサー群は、等方性カーボンにより作製される環状リングの形状の作業電極(TTK4,Toyo Tanso)で構成された。この基材は、不動化されたAQ−PVA化学で官能化された。センサー群はまた、3M KCl溶液、飽和濃度のAgCl(AgCl固体を過剰に含有する)、及びヒドロキシエチルセルロース(カタログNo.434981,Sigma Aldrich)(増粘剤として追加される)を含む、管状カプセルで構成された基準電極を含んだ。管状カプセルの一端が、2gのポリビニリデンフルオライド(Kynar 721,Arkema)、1.6gの室温イオン液体(IL−0045,Iolitec)、及び0.25gのグラファイト粉末(カタログNo.496596,Sigma Aldrich)の均一な混合物から作製された、複合ポリマープラグで閉じられた。塩化銀ワイヤが、この溶液内に浸漬された。管状カプセルの他端が、エポキシシーラントで閉じられる。センサー群はまた、12m外径のタイプ316ステンレス鋼チューブで構成された対電極を含んだ。サーミスタ(QTI)は、対電極の内側表面に取り付けられた。リボンケーブルは、これらの電極を機械的及び電気的コネクタに接続した。これらの電極はセンサーを形成するように同心的に取り付けられ、これによりその断面が
図5に示されるように、互いに同一平面上となる。修正されたAg/AgCl基準電極は、pH 2〜12に及ぶ様々な標準緩衝溶液内の、Cole−Parmer標準カロメル電極(SCE)に対してその電位を測定することによって評価された。
図19に示される結果は、修正されたAg/AgCl基準電極が、広範なpH範囲にわたって、安定した基準電位を戻したことを示す。
【0067】
実施例4.検体非感応性電極(AIE)を備えるボルタンメトリーセンサー
センサー群は、その上にAQ−PVAが不動化された、カーボンファイバー複合物から作製された、管状リングの形態の作業電極で構成された。センサー群はまた、その上にAQ−PVAが不動化された研磨した端部を備える、固体シリンダーの形態のカーボンファイバーの内部作業電極(IWE)を含む、AIEを含んだ。IWEは、この文脈において内部基準溶液とも称される、pH 7基準溶液(BDH)を含む、管状カプセルの一端に取り付けられる。内部基準溶液はまた、増粘剤として、5重量%のヒドロキシエチルセルロースを含んだ。管状カプセルの反対側の端部には、イオンの通過を可能にするが、検体と内部基準溶液を混合させない、非多孔質固体を含む検体バリアがある。AIEは、内部基準溶液に浸漬されたプラチナワイヤからなる擬似基準電極(PRE)を含んだ。センサー群はまた、12m外径のタイプ316ステンレス鋼チューブで構成された対電極を含んだ。サーミスタは、対電極の内側表面に取り付けられた。これらの電極は同心的に取り付けられ、これによりその断面が
図6に示されるように、互いに同一平面上となった。このように構成されたボルタンメトリーセンサーは、検体として、pH 7 BDH緩衝溶液を使用して試験された。内部作業電極(PP IWE)、及び外部作業電極(PP WE)のピーク位置は、時間の関数として測定され、これらの値の差(PP IWE−WE)がまた計算された。結果が
図20に示される。特に、例えば、不安定なPRE電位のために、内部作業電極の個別の電位と外部作業電極の個別の電位との間の差にもかかわらず、差動信号は比較的影響を受けなかった。AIEに基づくボルタンメトリーセンサーのこの特性は、更に高い安定性及びエラー許容度をもたらす。
【0068】
実施例5.可撓性センサーカートリッジ
以下の構成要素を含む可撓性センサーカートリッジが構成される。カートリッジは、1.2m長さのTygon R−3400チューブ(1.1cm(7/16インチ)ID、0.15cm(1/16インチ)壁厚)からなるハウジング;ヘッドユニットと係合するように設計された機械的及び電気的コネクタ;及び作業電極、基準電極、対電極、及び群として構成され、カートリッジハウジングの遠位端に防水シールと共に取り付けられた任意の温度センサーを含むボルタンメトリーセンサーを有した。可撓性センサーカートリッジは、
図7に概略的に示される。
【0069】
実施例6.5mmセンサーカートリッジ
以下の構成要素を含むセンサーカートリッジが構成された:5mmの外径まで遷移する、タイプ304ステンレス鋼(MicroGroup)の12mm外径×125mmカートリッジハウジング;ヘッドユニットと係合するように設計された機械的及び電気的コネクタ(Amphenol);作業電極(カーボンファイバー、ACP Composite)、基準電極、対電極(タイプ316ステンレス鋼)、及び群として構成され、カートリッジハウジングの遠位端に取り付けられたサーミスタ(QTI)を含むボルタンメトリーセンサー。リボンケーブルは、ボルタンメトリーセンサーを、ヘッドユニットと相互作用する機械的電気コネクタと接続した。これらの構成要素の構成は、
図8及び
図9に示される。