(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のブラシは、前記第1の基板保持装置により保持された状態で回転される基板の外周端部に接触することにより前記外周端部を洗浄可能に構成された、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置について図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等をいう。
【0031】
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の模式的平面図である。
【0032】
図1および
図2以降の所定の図には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。
【0033】
図1に示すように、基板処理装置100は、インデクサブロック11、第1の処理ブロック12、第2の処理ブロック13、洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bを備える。洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bにより、インターフェイスブロック14が構成される。搬入搬出ブロック14Bに隣接するように露光装置15が配置される。露光装置15においては、液浸法により基板Wに露光処理が行われる。
【0034】
図1に示すように、インデクサブロック11は、複数のキャリア載置部111および搬送部112を含む。各キャリア載置部111には、複数の基板Wを多段に収納するキャリア113が載置される。
【0035】
搬送部112には、制御部114および搬送機構115が設けられる。制御部114は、基板処理装置100の種々の構成要素を制御する。搬送機構115は、基板Wを保持するためのハンド116を有する。搬送機構115は、ハンド116により基板Wを保持しつつその基板Wを搬送する。
【0036】
第1の処理ブロック12は、塗布処理部121、搬送部122および熱処理部123を含む。塗布処理部121および熱処理部123は、搬送部122を挟んで対向するように設けられる。搬送部122とインデクサブロック11との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS1および後述する基板載置部PASS2〜PASS4(
図4参照)が設けられる。搬送部122には、基板Wを搬送する搬送機構127および後述する搬送機構128(
図4参照)が設けられる。
【0037】
第2の処理ブロック13は、塗布現像処理部131、搬送部132および熱処理部133を含む。塗布現像処理部131および熱処理部133は、搬送部132を挟んで対向するように設けられる。搬送部132と搬送部122との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS5および後述する基板載置部PASS6〜PASS8(
図4参照)が設けられる。搬送部132には、基板Wを搬送する搬送機構137および後述する搬送機構138(
図4参照)が設けられる。
【0038】
洗浄乾燥処理ブロック14Aは、洗浄乾燥処理部161,162および搬送部163を含む。洗浄乾燥処理部161,162は、搬送部163を挟んで対向するように設けられる。搬送部163には、搬送機構141,142が設けられる。
【0039】
搬送部163と搬送部132との間には、載置兼バッファ部P−BF1および後述の載置兼バッファ部P−BF2(
図4参照)が設けられる。
【0040】
また、搬送機構141,142の間において、搬入搬出ブロック14Bに隣接するように、基板載置部PASS9および後述の載置兼冷却部P−CP(
図4参照)が設けられる。載置兼冷却部P−CPにおいて、基板Wが露光処理に適した温度に冷却される。
【0041】
搬入搬出ブロック14Bには、搬送機構146が設けられる。搬送機構146は、露光装置15に対する基板Wの搬入および搬出を行う。露光装置15には、基板Wを搬入するための基板搬入部15aおよび基板Wを搬出するための基板搬出部15bが設けられる。
【0042】
(2)塗布処理部および塗布現像処理部の構成
図2は、主として
図1の塗布処理部121、塗布現像処理部131および洗浄乾燥処理部161を示す基板処理装置100の模式的側面図である。
【0043】
図2に示すように、塗布処理部121には、塗布処理室21,22,23,24が階層的に設けられる。塗布処理室21〜24の各々には、塗布処理ユニット129が設けられる。塗布現像処理部131には、現像処理室31,33および塗布処理室32,34が階層的に設けられる。現像処理室31,33の各々には現像処理ユニット139が設けられ、塗布処理室32,34の各々には塗布処理ユニット129が設けられる。
【0044】
各塗布処理ユニット129は、基板Wを保持するスピンチャック25およびスピンチャック25の周囲を覆うように設けられるカップ27を備える。本実施の形態では、各塗布処理ユニット129に2組のスピンチャック25およびカップ27が設けられる。スピンチャック25は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ)により回転駆動される。また、
図1に示すように、各塗布処理ユニット129は、処理液を吐出する複数の処理液ノズル28およびその処理液ノズル28を搬送するノズル搬送機構29を備える。
【0045】
塗布処理ユニット129においては、図示しない駆動装置によりスピンチャック25が回転されるとともに、複数の処理液ノズル28のうちのいずれかの処理液ノズル28がノズル搬送機構29により基板Wの上方に移動され、その処理液ノズル28から処理液が吐出される。それにより、基板W上に処理液が塗布される。また、図示しないエッジリンスノズルから、基板Wの周縁部にリンス液が吐出される。それにより、基板Wの周縁部に付着する処理液が除去される。
【0046】
塗布処理室22,24の塗布処理ユニット129においては、反射防止膜用の処理液が処理液ノズル28から基板Wに供給される。塗布処理室21,23の塗布処理ユニット129においては、レジスト膜用の処理液が処理液ノズル28から基板Wに供給される。塗布処理室32,34の塗布処理ユニット129においては、レジストカバー膜用の処理液が処理液ノズル28から基板Wに供給される。
【0047】
現像処理ユニット139は、塗布処理ユニット129と同様に、スピンチャック35およびカップ37を備える。また、
図1に示すように、現像処理ユニット139は、現像液を吐出する2つの現像ノズル38およびその現像ノズル38をX方向に移動させる移動機構39を備える。
【0048】
現像処理ユニット139においては、図示しない駆動装置によりスピンチャック35が回転されるとともに、一方の現像ノズル38がX方向に移動しつつ各基板Wに現像液を供給し、その後、他方の現像ノズル38が移動しつつ各基板Wに現像液を供給する。この場合、基板Wに現像液が供給されることにより、基板Wの現像処理が行われる。また、本実施の形態においては、2つの現像ノズル38から互いに異なる現像液が吐出される。それにより、各基板Wに2種類の現像液を供給することができる。
【0049】
洗浄乾燥処理部161には、複数(本例では4つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD1が設けられる。洗浄乾燥処理ユニットSD1においては、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。洗浄乾燥処理ユニットSD1の詳細は後述する。
【0050】
図1および
図2に示すように、塗布処理部121において塗布現像処理部131に隣接するように流体ボックス部50が設けられる。同様に、塗布現像処理部131において洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接するように流体ボックス部60が設けられる。流体ボックス部50および流体ボックス部60内には、塗布処理ユニット129および現像処理ユニット139への薬液の供給ならびに塗布処理ユニット129および現像処理ユニット139からの排液および排気等に関する流体関連機器が収納される。流体関連機器は、導管、継ぎ手、バルブ、流量計、レギュレータ、ポンプ、温度調節器等を含む。
【0051】
(3)熱処理部の構成
図3は、主として
図1の熱処理部123,133および洗浄乾燥処理部162を示す基板処理装置100の模式的側面図である。
図3に示すように、熱処理部123は、上方に設けられる上段熱処理部301および下方に設けられる下段熱処理部302を有する。上段熱処理部301および下段熱処理部302には、複数の熱処理ユニットPHP、複数の密着強化処理ユニットPAHPおよび複数の冷却ユニットCPが設けられる。
【0052】
熱処理ユニットPHPにおいては、基板Wの加熱処理が行われる。密着強化処理ユニットPAHPにおいては、基板Wと反射防止膜との密着性を向上させるための密着強化処理が行われる。具体的には、密着強化処理ユニットPAHPにおいて、基板WにHMDS(ヘキサメチルジシラサン)等の密着強化剤が塗布されるとともに、基板Wに加熱処理が行われる。冷却ユニットCPにおいては、基板Wの冷却処理が行われる。
【0053】
熱処理部133は、上方に設けられる上段熱処理部303および下方に設けられる下段熱処理部304を有する。上段熱処理部303および下段熱処理部304には、冷却ユニットCP、複数の熱処理ユニットPHPおよびエッジ露光部EEWが設けられる。
【0054】
エッジ露光部EEWにおいては、基板W上に形成されたレジスト膜の周縁部の一定幅の領域に露光処理(エッジ露光処理)が行われる。上段熱処理部303および下段熱処理部304において、洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣り合うように設けられる熱処理ユニットPHPは、洗浄乾燥処理ブロック14Aからの基板Wの搬入が可能に構成される。
【0055】
洗浄乾燥処理部162には、複数(本例では5つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD2が設けられる。洗浄乾燥処理ユニットSD2は、洗浄乾燥処理ユニットSD1と同じ構成を有する。洗浄乾燥処理ユニットSD2においては、露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0056】
(4)搬送部の構成
図4は、主として
図1の搬送部122,132,163を示す側面図である。
図4に示すように、搬送部122は、上段搬送室125および下段搬送室126を有する。搬送部132は、上段搬送室135および下段搬送室136を有する。上段搬送室125には搬送機構127が設けられ、下段搬送室126には搬送機構128が設けられる。また、上段搬送室135には搬送機構137が設けられ、下段搬送室136には搬送機構138が設けられる。
【0057】
搬送部112と上段搬送室125との間には、基板載置部PASS1,PASS2が設けられ、搬送部112と下段搬送室126との間には、基板載置部PASS3,PASS4が設けられる。上段搬送室125と上段搬送室135との間には、基板載置部PASS5,PASS6が設けられ、下段搬送室126と下段搬送室136との間には、基板載置部PASS7,PASS8が設けられる。
【0058】
上段搬送室135と搬送部163との間には、載置兼バッファ部P−BF1が設けられ、下段搬送室136と搬送部163との間には載置兼バッファ部P−BF2が設けられる。搬送部163において搬入搬出ブロック14Bと隣接するように、基板載置部PASS9および複数の載置兼冷却部P−CPが設けられる。
【0059】
搬送機構127は、基板載置部PASS1,PASS2,PASS5,PASS6、塗布処理室21,22(
図2)および上段熱処理部301(
図3)の間で基板Wを搬送可能に構成される。搬送機構128は、基板載置部PASS3,PASS4,PASS7,PASS8、塗布処理室23,24(
図2)および下段熱処理部302(
図3)の間で基板Wを搬送可能に構成される。
【0060】
搬送機構137は、基板載置部PASS5,PASS6、載置兼バッファ部P−BF1、現像処理室31(
図2)、塗布処理室32(
図2)および上段熱処理部303(
図3)の間で基板Wを搬送可能に構成される。搬送機構138は、基板載置部PASS7,PASS8、載置兼バッファ部P−BF2、現像処理室33(
図2)、塗布処理室34(
図2)および下段熱処理部304(
図3)の間で基板Wを搬送可能に構成される。
【0061】
搬送部163の搬送機構141(
図1)は、載置兼冷却部P−CP、基板載置部PASS9、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2および洗浄乾燥処理部161(
図2)の間で基板Wを搬送可能に構成される。
【0062】
搬送部163の搬送機構142(
図1)は、載置兼冷却部P−CP、基板載置部PASS9、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2、洗浄乾燥処理部162(
図3)、上段熱処理部303(
図3)および下段熱処理部304(
図3)の間で基板Wを搬送可能に構成される。
【0063】
(5)基板処理装置の動作
図1〜
図4を参照しながら基板処理装置100の動作を説明する。インデクサブロック11のキャリア載置部111(
図1)に、未処理の基板Wが収容されたキャリア113が載置される。搬送機構115は、キャリア113から基板載置部PASS1,PASS3(
図4)に未処理の基板Wを搬送する。また、搬送機構115は、基板載置部PASS2,PASS4(
図4)に載置された処理済の基板Wをキャリア113に搬送する。
【0064】
第1の処理ブロック12において、搬送機構127(
図4)は、基板載置部PASS1に載置された基板Wを密着強化処理ユニットPAHP(
図3)、冷却ユニットCP(
図3)および塗布処理室22(
図2)に順に搬送する。次に、搬送機構127は、塗布処理室22により反射防止膜が形成された基板Wを熱処理ユニットPHP(
図3)、冷却ユニットCP(
図3)および塗布処理室21(
図2)に順に搬送する。続いて、搬送機構127は、塗布処理室21によりレジスト膜が形成された基板Wを、熱処理ユニットPHP(
図3)および基板載置部PASS5(
図4)に順に搬送する。
【0065】
この場合、密着強化処理ユニットPAHPにおいて、基板Wに密着強化処理が行われた後、冷却ユニットCPにおいて、反射防止膜の形成に適した温度に基板Wが冷却される。次に、塗布処理室22において、塗布処理ユニット129(
図2)により基板W上に反射防止膜が形成される。続いて、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われた後、冷却ユニットCPにおいて、レジスト膜の形成に適した温度に基板Wが冷却される。次に、塗布処理室21において、塗布処理ユニット129(
図2)により、基板W上にレジスト膜が形成される。その後、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われ、その基板Wが基板載置部PASS5に載置される。
【0066】
また、搬送機構127は、基板載置部PASS6(
図4)に載置された現像処理後の基板Wを基板載置部PASS2(
図4)に搬送する。
【0067】
搬送機構128(
図4)は、基板載置部PASS3に載置された基板Wを密着強化処理ユニットPAHP(
図3)、冷却ユニットCP(
図3)および塗布処理室24(
図2)に順に搬送する。次に、搬送機構128は、塗布処理室24により反射防止膜が形成された基板Wを熱処理ユニットPHP(
図3)、冷却ユニットCP(
図3)および塗布処理室23(
図2)に順に搬送する。続いて、搬送機構128は、塗布処理室23によりレジスト膜が形成された基板Wを熱処理ユニットPHP(
図3)および基板載置部PASS7(
図4)に順に搬送する。
【0068】
また、搬送機構128(
図4)は、基板載置部PASS8(
図4)に載置された現像処理後の基板Wを基板載置部PASS4(
図4)に搬送する。塗布処理室23,24(
図2)および下段熱処理部302(
図3)における基板Wの処理内容は、上記の塗布処理室21,22(
図2)および上段熱処理部301(
図3)における基板Wの処理内容と同様である。
【0069】
第2の処理ブロック13において、搬送機構137(
図4)は、基板載置部PASS5に載置されたレジスト膜形成後の基板Wを塗布処理室32(
図2)、熱処理ユニットPHP(
図3)、エッジ露光部EEW(
図3)および載置兼バッファ部P−BF1(
図4)に順に搬送する。この場合、塗布処理室32において、塗布処理ユニット129(
図2)により、基板W上にレジストカバー膜が形成される。その後、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われ、その基板Wがエッジ露光部EEWに搬入される。続いて、エッジ露光部EEWにおいて、基板Wにエッジ露光処理が行われる。エッジ露光処理後の基板Wが載置兼バッファ部P−BF1に載置される。
【0070】
また、搬送機構137(
図4)は、洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接する熱処理ユニットPHP(
図3)から露光処理後でかつ熱処理後の基板Wを取り出す。搬送機構137は、その基板Wを冷却ユニットCP(
図3)、現像処理室31(
図2)、熱処理ユニットPHP(
図3)および基板載置部PASS6(
図4)に順に搬送する。
【0071】
この場合、冷却ユニットCPにおいて、現像処理に適した温度に基板Wが冷却された後、現像処理室31において、現像処理ユニット139によりレジストカバー膜が除去されるとともに基板Wの現像処理が行われる。その後、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われ、その基板Wが基板載置部PASS6に載置される。
【0072】
搬送機構138(
図4)は、基板載置部PASS7に載置されたレジスト膜形成後の基板Wを塗布処理室34(
図2)、熱処理ユニットPHP(
図3)、エッジ露光部EEW(
図3)および載置兼バッファ部P−BF2(
図4)に順に搬送する。
【0073】
また、搬送機構138(
図4)は、洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接する熱処理ユニットPHP(
図3)から露光処理後でかつ熱処理後の基板Wを取り出す。搬送機構138は、その基板Wを冷却ユニットCP(
図3)、現像処理室33(
図2)、熱処理ユニットPHP(
図3)および基板載置部PASS8(
図4)に順に搬送する。現像処理室33、塗布処理室34および下段熱処理部304における基板Wの処理内容は、上記の現像処理室31、塗布処理室32(
図2)および上段熱処理部303(
図3)における基板Wの処理内容と同様である。
【0074】
洗浄乾燥処理ブロック14Aにおいて、搬送機構141(
図1)は、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2(
図4)に載置された基板Wを洗浄乾燥処理部161の洗浄乾燥処理ユニットSD1(
図2)に搬送する。続いて、搬送機構141は、基板Wを洗浄乾燥処理ユニットSD1から載置兼冷却部P−CP(
図4)に搬送する。この場合、洗浄乾燥処理ユニットSD1において、基板Wの洗浄および乾燥処理が行われた後、載置兼冷却部P−CPにおいて、露光装置15(
図1)における露光処理に適した温度に基板Wが冷却される。
【0075】
搬送機構142(
図1)は、基板載置部PASS9(
図4)に載置された露光処理後の基板Wを洗浄乾燥処理部162の洗浄乾燥処理ユニットSD2(
図3)に搬送する。また、搬送機構142は、洗浄および乾燥処理後の基板Wを洗浄乾燥処理ユニットSD2から上段熱処理部303の熱処理ユニットPHP(
図3)または下段熱処理部304の熱処理ユニットPHP(
図3)に搬送する。この熱処理ユニットPHPにおいては、露光後ベーク(PEB)処理が行われる。
【0076】
搬入搬出ブロック14Bにおいて、搬送機構146(
図1)は、載置兼冷却部P−CP(
図4)に載置された露光処理前の基板Wを露光装置15の基板搬入部15a(
図1)に搬送する。また、搬送機構146(
図1)は、露光装置15の基板搬出部15b(
図1)から露光処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS9(
図4)に搬送する。
【0077】
なお、露光装置15が基板Wの受け入れをできない場合、露光処理前の基板Wが載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に一時的に収容される。また、第2の処理ブロック13の現像処理ユニット139(
図2)が露光処理後の基板Wの受け入れをできない場合、露光処理後の基板Wが載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に一時的に収容される。
【0078】
本実施の形態においては、上段に設けられた塗布処理室21,22,32、現像処理室31および上段熱処理部301,303における基板Wの処理と、下段に設けられた塗布処理室23,24,34、現像処理室33および下段熱処理部302,304における基板Wの処理とを並行して行うことができる。それにより、フットプリントを増加させることなく、スループットを向上させることができる。
【0079】
(6)洗浄乾燥処理ユニットの構成
以下の説明において、基板Wの上面とは上方に向けられた基板Wの面をいい、基板Wの下面とは下方に向けられた基板Wの面をいう。また、基板Wの表面とは、反射防止膜、レジスト膜およびレジストカバー膜が形成される面(主面)をいい、基板Wの裏面とは、その反対側の面をいう。本実施の形態に係る基板処理装置100の内部では、基板Wの表面が上方に向けられた状態で、基板Wに上記の各種処理が行われる。したがって、本実施の形態では、基板Wの裏面が本発明の下面に相当する。
【0080】
図5は洗浄乾燥処理ユニットSD1の構成を示す側面図であり、
図6は
図5の洗浄乾燥処理ユニットSD1に用いられる下部スピンチャック400およびその周辺部材の構成を説明するための概略平面図である。
図5および
図6では、下部スピンチャック400により保持される基板Wが二点
鎖線で示される。
図7は、
図5の洗浄乾燥処理ユニットSD1に用いられる上部スピンチャック600の構成を説明するための概略平面図である。
図7では、上部スピンチャック600の一部の構成要素が模式的に示されるとともに、上部スピンチャック600により保持される基板Wが二点
鎖線で示される。
【0081】
図5に示すように、洗浄乾燥処理ユニットSD1は下部スピンチャック400および上部スピンチャック600を含む。上部スピンチャック600は、下部スピンチャック400の上方に設けられる。
【0082】
下部スピンチャック400は、スピンモータ410および吸着保持部430を含む。スピンモータ410は、例えば洗浄乾燥処理ユニットSD1の底部に設けられる。スピンモータ410においては、上方に向かって延びるように回転軸420が設けられる。回転軸420の上端部に吸着保持部430が設けられる。吸着保持部430は、基板Wの裏面中央部を吸着可能に構成される。吸着保持部430が基板Wの裏面中央部を吸着することにより、基板Wが保持される。下部スピンチャック400においては、スピンモータ410と吸着保持部430との間に気体噴射機構730が設けられる。下部スピンチャック400および気体噴射機構730の詳細は後述する。
【0083】
図5および
図6に示すように、下部スピンチャック400の外方には、第1の裏面洗浄機構510、第2の裏面洗浄機構520、スピンチャック洗浄機構530、表面洗浄機構540および受渡機構720が設けられる。
【0084】
下部スピンチャック400に近接するように受渡機構720が配置されている。受渡機構720は、昇降駆動部721、ピン支持部材722および複数(本例では3つ)の昇降ピン723を含む。昇降駆動部721にピン支持部材722が取り付けられる。昇降駆動部721は、ピン支持部材722を鉛直方向に移動可能に支持する。ピン支持部材722に複数の昇降ピン723がそれぞれ鉛直方向に延びるように取り付けられる。複数の昇降ピン723は、等間隔で下部スピンチャック400を取り囲むように配置される。複数の昇降ピン723の上端部が基板Wの裏面中央部と裏面周縁部との間の領域に当接することにより、基板Wが水平姿勢で支持される。
【0085】
受渡機構720は、
図1の制御部114により制御される。受渡機構720が動作することによりピン支持部材722が鉛直方向に移動する。それにより、複数の昇降ピン723の上端部が後述する3つの高さL1,L2,L3(
図11参照)の間で移動する。
【0086】
図5および
図6に示すように、第1の裏面洗浄機構510は、昇降駆動部511、昇降軸512、ブラシモータ513、ブラシ514およびノズル515を含む。昇降駆動部511に昇降軸512が鉛直方向に延びるように取り付けられる。昇降駆動部511は、昇降軸512を鉛直方向に移動可能に支持する。昇降軸512の上端部にブラシモータ513が設けられる。ブラシモータ513にブラシ514が取り付けられる。ブラシモータ513は、ブラシ514を鉛直軸の周りで回転可能に支持する。ブラシ514は、上方に向く洗浄面514Sを有する。
【0087】
昇降駆動部511は、昇降軸512を鉛直方向に移動させる。それにより、ブラシ514の高さが変化する。また、ブラシモータ513は、ブラシ514を駆動する。それにより、ブラシ514が鉛直軸の周りで回転する。ノズル515には、図示しない洗浄液供給系が接続される。ノズル515は、洗浄液供給系から供給される洗浄液をブラシ514に向かって吐出可能に構成される。
【0088】
図6に示すように、第1の裏面洗浄機構510は、下部スピンチャック400を上方から見た場合に、ブラシ514の洗浄面514Sが下部スピンチャック400により保持される基板Wの外周縁部および外周端部に重なるように配置される。第1の裏面洗浄機構510は、
図1の制御部114により制御される。
【0089】
図5および
図6に示すように、第2の裏面洗浄機構520は、昇降回転駆動部521、昇降回転軸522、アーム523、ブラシ524およびノズル525を含む。昇降回転駆動部521に昇降回転軸522が鉛直方向に延びるように取り付けられる。昇降回転駆動部521は、昇降回転軸522を鉛直方向に移動可能かつ鉛直軸の周りで回転可能に支持する。昇降回転軸522の上端部に、アーム523が水平方向に延びるように連結される。アーム523の先端部にブラシ524が取り付けられる。ブラシ524は、上方に向く洗浄面524Sを有する。
【0090】
昇降回転駆動部521は、昇降回転軸522を鉛直方向に移動させる。それにより、ブラシ524の高さが変化する。また、昇降回転駆動部521は、昇降回転軸522を回転させる。それにより、ブラシ524は、例えば吸着保持部430の回転中心WCの上方位置と下部スピンチャック400の外方位置との間を移動する。
【0091】
アーム523の先端部近傍にノズル525が取り付けられる。ノズル525には、図示しない洗浄液供給系が接続される。ノズル525は、洗浄液供給系から供給される洗浄液をブラシ524に向かって吐出可能に構成される。第2の裏面洗浄機構520は、
図1の制御部114により制御される。
【0092】
図5および
図6に示すように、スピンチャック洗浄機構530は、昇降回転駆動部531、昇降回転軸532、アーム533およびブラシ534を含む。昇降回転駆動部531に昇降回転軸532が鉛直方向に延びるように取り付けられる。昇降回転駆動部531は、昇降回転軸532を鉛直方向に移動可能かつ鉛直軸の周りで回転可能に支持する。昇降回転軸532の上端部に、アーム533が水平方向に延びるように連結される。アーム533の先端部にブラシ534が取り付けられる。ブラシ534は、下方に向く洗浄面534Sを有する。
【0093】
昇降回転駆動部531は、昇降回転軸532を鉛直方向に移動させる。それにより、ブラシ534の高さが変化する。また、昇降回転駆動部531は、昇降回転軸532を回転させる。それにより、ブラシ534は、例えば吸着保持部430の回転中心WCと下部スピンチャック400の外方位置との間を移動する。スピンチャック洗浄機構530は、
図1の制御部114により制御される。
【0094】
上記のブラシ514,524,534としては、例えばポリビニルアルコールからなるスポンジブラシが用いられる。
【0095】
図5および
図6に示すように、表面洗浄機構540は、昇降回転駆動部541、昇降回転軸542、アーム543およびノズル544,545を含む。昇降回転駆動部541に昇降回転軸542が鉛直方向に延びるように取り付けられる。昇降回転駆動部541は、昇降回転軸542を鉛直方向に移動可能かつ鉛直軸の周りで回転可能に支持する。昇降回転軸542の上端部に、アーム543が水平方向に延びるように連結される。アーム543の先端部にノズル544,545が取り付けられる。
【0096】
昇降回転駆動部541は、昇降回転軸542を鉛直方向に移動させる。それにより、ノズル544,545の高さが変化する。また、昇降回転駆動部541は、昇降回転軸542を回転させる。それにより、水平面内においてノズル544,545が吸着保持部430の回転中心WCの上方位置と下部スピンチャック400の外方位置との間を移動する。
【0097】
ノズル544には、図示しない洗浄液供給系が接続される。ノズル544は、洗浄液供給系から供給される洗浄液を下方に向かって吐出可能に構成される。ノズル545には、図示しない気体供給系が接続される。ノズル545は、気体供給系から供給される気体を下方に向かって吐出可能に構成される。ここで、ノズル545に供給される気体としては、窒素ガス等の不活性ガスが用いられる。表面洗浄機構540は、
図1の制御部114により制御される。
【0098】
図5および
図7に示すように、上部スピンチャック600は、スピンモータ611、円板状のスピンプレート612、プレート支持部材613、マグネットプレート614および複数のチャックピン615を含む。
【0099】
スピンモータ611は、下部スピンチャック400の上方の位置で図示しない支持部材によって支持されている。スピンモータ611においては、下方に延びるように回転軸611aが設けられる。回転軸611aの下端部にはプレート支持部材613が取り付けられている。プレート支持部材613によりスピンプレート612が水平に支持されている。スピンモータ611が回転軸611aを回転させる。それにより、スピンプレート612が鉛直軸の周りで回転する。ここで、上部スピンチャック600の回転軸611aは、下部スピンチャック400の回転軸420の延長線上に配置されている。
【0100】
スピンモータ611、回転軸611aおよびプレート支持部材613には、液供給管610aが挿通されている。液供給管610aを通して、上部スピンチャック600により保持される基板Wの表面上に洗浄液を吐出することができる。
【0101】
スピンプレート612の周縁部には、複数(本例では5つ)のチャックピン615が回転軸611aに関して等角度間隔で設けられている。チャックピン615の個数は、5つ以上であることが望ましい。
【0102】
各チャックピン615は、軸部615a、ピン支持部615b、保持部615cおよびマグネット616を含む。スピンプレート612を貫通するように軸部615aが設けられ、軸部615aの下端部に水平方向に延びるピン支持部615bが接続されている。ピン支持部615bの先端部から下方に突出するように保持部615cが設けられている。また、スピンプレート612の上面側において、軸部615aの上端部にマグネット616が取り付けられている。
【0103】
各チャックピン615は、軸部615aを中心に鉛直軸の周りで回転可能であり、保持部615cが基板Wの外周端部に当接する閉状態と、保持部615cが基板Wの外周端部から離間する開状態とに切替可能である。なお、本例では、マグネット616のN極が内側にある場合に各チャックピン615が閉状態となり、マグネット616のS極が内側にある場合に各チャックピン615が開状態となる。
【0104】
スピンプレート612の上方には、回転軸611aを中心とする周方向に沿って円環状のマグネットプレート614が配置される。マグネットプレート614は、外側にS極を有し、内側にN極を有する。マグネットプレート614は、マグネット昇降装置617によって昇降し、チャックピン615のマグネット616よりも高い上方位置とチャックピン615のマグネット616とほぼ等しい高さの下方位置との間で移動する。
【0105】
マグネットプレート614の昇降により、各チャックピン615が開状態と閉状態とに切り替えられる。具体的には、マグネットプレート614が上方位置にある場合、各チャックピン615は開状態となる。一方、マグネットプレート614が下方位置にある場合、各チャックピン615は閉状態となる。
【0106】
上部スピンチャック600、下部スピンチャック400、第1の裏面洗浄機構510、第2の裏面洗浄機構520および受渡機構720の外方に、基板Wから飛散する洗浄液を受け止めるためのガード710が設けられる。ガード710は、上部スピンチャック600の回転軸611aおよび下部スピンチャック400の回転軸420に関して回転対称な形状を有する。また、ガード710は、ガード昇降装置711により昇降する。ガード710により受け止められた洗浄液は、図示しない排液装置または回収装置により排液または回収される。
【0107】
上記の洗浄乾燥処理ユニットSD1において、各ノズル515,525,544および液供給管610aから吐出される洗浄液としては、例えば純水、純水に錯体(イオン化したもの)を溶かした液またはフッ素系薬液などが用いられる。また、洗浄液としては、露光装置15において露光処理の際に用いられる液浸液を使用してもよい。
【0108】
下部スピンチャック400および気体噴射機構730の詳細を説明する。
図8は下部スピンチャック400の一部拡大側面図であり、
図9は
図8の下部スピンチャック400の縦断面図であり、
図10は
図8の下部スピンチャック400の平面図である。
図8および
図9では、下部スピンチャック400とともに
図5の気体噴射機構730が示される。また、
図8〜
図10では、
図5の複数の昇降ピン723が示される。
【0109】
図8に示すように、吸着保持部430は、円板部431および軸部432を有する。
図10に示すように、円板部431の上面の外周端部には、環状壁部433が形成されている。円板部431の上面のうち環状壁部433よりも内側の領域には、複数(本例では12個)の突起部434が設けられている。環状壁部433および複数の突起部434は、基板Wの裏面を支持する。
【0110】
図9に示すように、円板部431の下面中央部から下方に延びるように軸部432が形成されている。軸部432には接続孔435が形成されている。接続孔435には、スピンモータ410から延びる回転軸420の上端部が嵌め込まれる。
【0111】
回転軸420としては中空軸が用いられる。回転軸420の内部空間は吸引経路421として機能する。軸部432内には、回転軸420の吸引経路421に連通する複数(本例では4つ)の吸引経路436が形成されている。各吸引経路436は、吸引経路421の上端部から斜め上方に傾斜して延びるとともに円板部431の上面に開口する。
図10に示すように、各吸引経路436の開口437は、円板部431の中心から離間した位置に形成される。
【0112】
例えば、基板Wの中心が回転軸420の中心軸上に位置するように、円板部431上に基板Wが載置される。この状態で、基板Wの裏面のうち環状壁部433の内側に位置する中央部分が、図示しない吸引装置により吸引経路421および複数の吸引経路436を通して吸引される。それにより、基板Wが吸着保持部430上で保持される。
【0113】
図9に示すように、下部スピンチャック400はスピンモータ410の外周部を取り囲むように設けられるモータカバー490をさらに含む。モータカバー490の上端部は、吸着保持部430の下端部近傍に位置する。モータカバー490の上端部に気体噴射機構730が設けられる。
【0114】
気体噴射機構730は、第1の環状部材731、第2の環状部材732および気体導入管733を含む。第1の環状部材731の外径と第2の環状部材732の外径とは互いに等しい。
【0115】
第1の環状部材731の下端面には、周方向に沿うように溝731Gが形成されている。第1の環状部材731の溝731Gを下方から塞ぐように、第1の環状部材731の下端面と第2の環状部材732の上端面とが接合される。第1の環状部材731と第2の環状部材732とが接合された状態で、第2の環状部材732がモータカバー490の上端部にねじを用いて取り付けられる。
【0116】
第2の環状部材732には、下端面から上端面に延びる貫通孔732Hが形成されている。貫通孔732Hは、気体導入管733の一端部を挿入可能に形成されている。貫通孔732Hに気体導入管733の一端部が挿入されることにより、第1の環状部材731の溝731Gの内部空間と気体導入管733の内部空間とが連通する。
【0117】
ここで、複数の昇降ピン723の上端部が下部スピンチャック400の上端部よりも一定距離下方の高さにある場合を想定する。この高さは、後述する高さL1(
図11)に相当する。この状態で、第1の環状部材731の外周面には、複数の昇降ピン723の上端部にそれぞれ対応する複数の噴射孔731Hが形成されている。各噴射孔731Hは、対応する昇降ピン723の上端部に対向するようにかつ溝731Gの内部空間と第1の環状部材731の外部空間とを連通するように形成されている。
【0118】
気体導入管733の他端部には、図示しない気体供給系が接続される。気体供給系から気体導入管733に供給される気体は、第2の環状部材732の貫通孔732Hおよび第1の環状部材731の溝731Gの内部空間を通って複数の噴射孔731Hから複数の昇降ピン723の上端部にそれぞれ噴射される。気体導入管733に供給される気体としては、窒素ガス等の不活性ガスが用いられる。
【0119】
(7)洗浄乾燥処理ユニットによる基板の洗浄処理
基板Wの洗浄処理を行う際の洗浄乾燥処理ユニットSD1の一連の動作について説明する。
図11〜
図18は、洗浄乾燥処理ユニットSD1による基板Wの洗浄処理について説明するための側面図である。以下の説明では、下部スピンチャック400の上端部よりも一定距離下方の高さを高さL1と呼ぶ。また、下部スピンチャック400と上部スピンチャック600との間の予め定められた高さを高さL2と呼ぶ。さらに、上部スピンチャック600により基板Wを保持可能な高さを高さL3と呼ぶ。
【0120】
図11に示すように、初期状態においては、ガード710の上端部が上部スピンチャック600よりも低くかつ下部スピンチャック400よりも高い位置に保持される。また、上部スピンチャック600のマグネットプレート614は上方位置にある。この場合、マグネットプレート614の磁力線Bは、チャックピン615のマグネット616の高さにおいて内側から外側に向かう。それにより、各チャックピン615のマグネット616のS極が内側に吸引される。したがって、各チャックピン615は開状態となる。さらに、受渡機構720の複数の昇降ピン723の上端部が高さL1で保持される。
【0121】
洗浄乾燥処理ユニットSD1に基板Wが搬入される際には、
図11に太い一点鎖線の矢印で示すように、複数の昇降ピン723が上方に移動される。
図12に示すように、複数の昇降ピン723の上端部が高さL2で保持される。この状態で、
図1の搬送機構141により複数の昇降ピン723上に基板Wが載置される。
【0122】
次に、
図12に太い一点鎖線の矢印で示すように、複数の昇降ピン723が下方に移動される。それにより、
図13に示すように、基板Wが複数の昇降ピン723から吸着保持部430上に渡される。このとき、基板Wの中心は、水平面内において吸着保持部430の回転中心WC(
図6)に一致するように位置決めされている。その後、基板Wの裏面中央部が下部スピンチャック400により保持されるとともに、基板Wが回転される。受渡機構720の複数の昇降ピン723の上端部は高さL1で保持される。
【0123】
次に、
図13に太い一点鎖線の矢印で示すように、第1の裏面洗浄機構510のブラシ514が上方に移動される。また、
図13に太い点線の矢印で示すように、表面洗浄機構540のノズル544,545が下部スピンチャック400の外方位置から基板Wの上方の位置まで移動される。
【0124】
図14に示すように、ブラシ514の洗浄面514Sが基板Wの裏面周縁部に接触される。このとき、予め定められた洗浄条件に基づく圧力で、ブラシ514が基板Wの裏面に押圧される。また、ブラシモータ513によりブラシ514が回転される。さらに、ノズル515からブラシ514に洗浄液が吐出される。それにより、基板Wの裏面周縁部の汚染物質がブラシ514により除去される。また、ブラシ514により除去される汚染物質が洗浄液により洗い流される。したがって、基板Wへの汚染物質の再付着が防止されるとともにブラシ514の清浄度の低下が抑制される。
【0125】
このとき、ブラシ514の洗浄面514Sの一部が基板Wの外周端部に接触する。それにより、追加のブラシを設けることなく基板Wの裏面周縁部と外周端部とが同時に洗浄される。
【0126】
また、表面洗浄機構540のノズル544が基板Wの中心の上方の位置で保持される。この状態で、回転される基板Wの表面にノズル544から洗浄液が吐出される。それにより、基板Wの表面が洗浄される。
【0127】
基板Wの裏面周縁部、基板Wの外周端部および基板Wの表面の洗浄が終了すると、第1の裏面洗浄機構510が初期状態に戻される。具体的には、第1の裏面洗浄機構510においては、ブラシモータ513の回転が停止され、ノズル515からブラシ514への洗浄液の吐出が停止され、ブラシ514が下方に移動される。
【0128】
一方、表面洗浄機構540においては、ノズル544から基板Wへの洗浄液の吐出が停止され、ノズル545が基板Wの中心の上方の位置で保持される。この状態で、ノズル545から基板Wの表面に気体が吐出される。それにより、基板Wの表面が乾燥される。
【0129】
基板Wの裏面および表面が乾燥すると、
図14に太い点線の矢印で示すように、表面洗浄機構540のノズル544,545が基板Wの上方位置から下部スピンチャック400の外方位置まで移動される。また、基板Wの回転が停止される。さらに、下部スピンチャック400において基板Wの吸着が停止される。
【0130】
次に、
図14に太い一点鎖線の矢印で示すように、複数の昇降ピン723が上方に移動される。それにより、
図15に示すように、基板Wが下部スピンチャック400の吸着保持部430から複数の昇降ピン723上に渡される。その後、複数の昇降ピン723の上端部が高さL3で保持される。このとき、基板Wが上部スピンチャック600の複数のチャックピン615の保持部615cの間に位置する。
【0131】
次に、
図15に太い一点鎖線の矢印で示すように、上部スピンチャック600のマグネットプレート614が下方位置に移動する。この場合、複数のチャックピン615のマグネット616のN極が内側に吸引される。それにより、各チャックピン615が閉状態となり、各保持部615cが基板Wの外周端部に当接する。それにより、
図16に示すように、複数のチャックピン615の保持部615cによって基板Wの外周端部が保持される。
【0132】
その後、
図16に太い一点鎖線の矢印で示すように、複数の昇降ピン723が下方に向かって移動される。また、
図16に太い点線の矢印で示すように、ガード710が上方に向かって移動される。
図17に示すように、複数の昇降ピン723の上端部が高さL1で保持される。また、ガード710が上部スピンチャック600により保持される基板Wを取り囲む高さに移動する。この状態で、基板Wが回転される。
【0133】
次に、
図17に太い一点鎖線の矢印で示すように、第2の裏面洗浄機構520のブラシ524が上方に移動される。
図18に示すように、ブラシ524の洗浄面524Sが基板Wの裏面周縁部よりも内側の領域に接触される。このとき、予め定められた洗浄条件に基づく圧力で、ブラシ524が基板Wの裏面に押圧される。また、ノズル525からブラシ524に洗浄液が吐出される。さらに、
図18に太い一点鎖線の矢印で示すように、ブラシ524が基板Wの中心と基板Wの外周端部から一定距離内側の部分との間で移動される。それにより、基板Wの裏面周縁部よりも内側の領域の汚染物質がブラシ524により除去される。また、ブラシ524により除去される汚染物質が洗浄液により洗い流される。したがって、基板Wへの汚染物質の再付着が防止されるとともにブラシ524の清浄度の低下が抑制される。
【0134】
このとき、ブラシ524により除去された汚染物質およびブラシ524に供給される洗浄液は、下部スピンチャック400の吸着保持部430上に落下する。そこで、本実施の形態では、第2の裏面洗浄機構520により基板Wの裏面が洗浄される間、吸着保持部430が回転される。それにより、吸着保持部430上に落下する汚染物質および洗浄液が遠心力により吸着保持部430から振り切られる。したがって、吸着保持部430への汚染物質の付着が抑制される。
【0135】
また、上記のように、吸着保持部430に形成される複数の吸引経路436(
図9)の各々は、回転軸420の上端部から斜め上方に傾斜して延びるように形成されている。それにより、吸着保持部430上に落下する汚染物質および洗浄液が異物として複数の吸引経路436の開口437(
図10)に進入しても、吸着保持部430が回転されることにより、それらの異物が遠心力により複数の吸引経路436から排出される。したがって、スピンモータ410の内部への異物の進入が防止される。
【0136】
また、本実施の形態では、第2の裏面洗浄機構520により基板Wの裏面が洗浄される間、気体噴射機構730の複数の噴射孔731Hから複数の昇降ピン723の上端部に気体が噴射される。それにより、複数の昇降ピン723の上端部上に落下する汚染物質および洗浄液が、気体により吹き飛ばされる。したがって、複数の昇降ピン723の上端部に汚染物質および洗浄液が付着しない。その結果、受渡機構720により基板Wが支持される際に、複数の昇降ピン723の上端部から基板Wの裏面への汚染物質の転写が防止される。
【0137】
なお、第2の裏面洗浄機構520による基板Wの裏面洗浄時には、上部スピンチャック600の液供給管610aを通して基板W上に洗浄液が供給されてもよい。この場合、基板Wの裏面周縁部よりも内側の領域とともに基板Wの表面が洗浄される。
【0138】
第2の裏面洗浄機構520による基板Wの裏面洗浄が終了することにより、第2の裏面洗浄機構520が初期状態に戻る。また、基板Wの裏面が乾燥することにより、上部スピンチャック600による基板Wの回転が停止される。さらに、吸着保持部430の回転が停止されるとともに、気体噴射機構730による気体の噴射動作も停止される。また、上記と逆の手順で上部スピンチャック600により保持された基板Wが受渡機構720の複数の昇降ピン723上に渡される。最後に、洗浄後の基板Wが
図1の搬送機構141により受け取られ、洗浄乾燥処理ユニットSD1から搬出される。
【0139】
(8)洗浄乾燥処理ユニットにおける吸着保持部の洗浄処理
洗浄乾燥処理ユニットSD1の下部スピンチャック400においては、吸着保持部430の上面に汚染物質が付着すると、下部スピンチャック400により基板Wが保持される際に、基板Wの裏面中央部に汚染物質が転写される。そこで、本実施の形態に係る基板処理装置100においては、例えば予め定められた数の基板Wが処理されるごとに、またはロットごとに吸着保持部430の上面が洗浄される。
【0140】
図19は、洗浄乾燥処理ユニットSD1における吸着保持部430の洗浄処理について説明するための側面図である。
図19に示すように、吸着保持部430の洗浄処理時には、複数の昇降ピン723の上端部は高さL1に保持される。また、気体噴射機構730から複数の昇降ピン723の上端部に気体が噴射される。
【0141】
さらに、下部スピンチャック400の吸着保持部430が回転される。この状態で、スピンチャック洗浄機構530のブラシ534の洗浄面534Sが吸着保持部430の上面に接触される。このとき、予め定められた洗浄条件に基づく圧力で、ブラシ534が吸着保持部430の上面に押圧される。また、表面洗浄機構540のノズル544が吸着保持部430の上方に位置するように移動される。さらに、吸着保持部430上のブラシ534に洗浄液が供給されるようにノズル544から洗浄液が吐出される。
【0142】
この状態で、スピンチャック洗浄機構530のブラシ534が吸着保持部430の回転中心WC(
図6)と外周端部との間で移動される。それにより、吸着保持部430の上面に付着する汚染物質がブラシ534により除去される。したがって、吸着保持部430から基板Wの裏面中央部への汚染物質の転写が防止される。
【0143】
また、除去される汚染物質が洗浄液により洗い流されるので、除去された汚染物質が吸着保持部430に再付着することが防止される。それにより、洗浄後の吸着保持部430の清浄度が向上される。また、ブラシ534の清浄度の低下が抑制される。
【0144】
なお、吸着保持部430の洗浄時には、ブラシ534を用いなくてもよい。例えば、回転される吸着保持部430の上面に表面洗浄機構540のノズル544から洗浄液を吐出することにより吸着保持部430を洗浄してもよい。この場合においても、吸着保持部430の上面に付着する汚染物質がノズル544から供給される洗浄液により洗い流される。したがって、吸着保持部430から基板Wの裏面中央部への汚染物質の転写が防止される。この場合、スピンチャック洗浄機構530を設ける必要がなくなる。
【0145】
(9)効果
図20は、洗浄乾燥処理ユニットSD1における基板Wの保持位置と洗浄位置との関係を示す平面図である。
図20では、下部スピンチャック400の吸着保持部430により吸着される基板Wの裏面中央部が太い一点鎖線で示される。また、基板Wの外周端部のうち上部スピンチャック600の複数のチャックピン615が当接する部分が白抜きの矢印で示される。さらに、第1の裏面洗浄機構510のブラシ514により洗浄される裏面周縁部の領域R1がドットパターンで示されるとともに、第2の裏面洗浄機構520のブラシ524により洗浄される裏面周縁部よりも内側の領域R2がハッチングで示される。なお、本実施の形態においては、領域R1の幅D1は、例えば10mm以上25mm以下に設定される。
【0146】
また、
図20では、水平面内での各構成要素の位置関係が理解しやすいように、第1の裏面洗浄機構510、第2の裏面洗浄機構520および上部スピンチャック600の複数のチャックピン615を点線で表す。
【0147】
上記のように、下部スピンチャック400の吸着保持部430が基板Wの裏面中央部を吸着することにより基板Wが保持される。この状態で、
図5のスピンモータ410により回転される基板Wの裏面周縁部の領域R1が、第1の裏面洗浄機構510のブラシ514により洗浄される。この場合、
図20に示すように、吸着保持部430による基板Wの保持位置とブラシ514による基板Wの洗浄位置とが離間するので、吸着保持部430とブラシ514とが干渉しない。それにより、吸着保持部430とブラシ514との干渉を防止するために、基板Wの保持位置を変更する必要がない。また、保持位置の変更による基板Wの位置ずれも生じない。したがって、基板Wの裏面周縁部の領域R1をブラシ514により均一に洗浄することができる。
【0148】
また、上部スピンチャック600の複数のチャックピン615が基板Wの外周端部に当接することにより基板Wが保持される。この状態で、
図5のスピンモータ611により回転される基板Wの裏面周縁部よりも内側の領域R2が、第2の裏面洗浄機構520のブラシ524により洗浄される。この場合、
図20に示すように、複数のチャックピン615による基板Wの保持位置とブラシ524による基板Wの洗浄位置とが離間するので、複数のチャックピン615とブラシ524とが干渉しない。それにより、複数のチャックピン615とブラシ524との干渉を防止するために、基板Wの保持位置を変更する必要がない。また、保持位置の変更による基板Wの位置ずれも生じない。したがって、基板Wの裏面周縁部よりも内側の領域R2をブラシ524により均一に洗浄することができる。
【0149】
下部スピンチャック400と上部スピンチャック600との間では、
図5の受渡機構720により基板Wの受渡が行われる。それにより、基板Wの裏面全体を第1の裏面洗浄機構510のブラシ514および第2の裏面洗浄機構520のブラシ524により均一に洗浄することができる。
【0150】
(10)他の実施の形態
(10−1)上記実施の形態では、第2の裏面洗浄機構520のブラシ524により洗浄される領域は、第1の裏面洗浄機構510のブラシ514により洗浄される基板Wの裏面周縁部の内側に設定されているが、本発明はこれに限定されない。第2の裏面洗浄機構520のブラシ524により洗浄される領域は、基板Wの裏面周縁部よりも内側の領域を含んでいればよい。そのため、第1の裏面洗浄機構510のブラシ514により洗浄される領域の一部と、第2の裏面洗浄機構520のブラシ524により洗浄される領域の一部とが重なるように設定されてもよい。
【0151】
(10−2)上記実施の形態に記載された基板の洗浄処理においては、基板Wの裏面周縁部および外周端部が洗浄された後、基板Wの裏面周縁部の内側の領域が洗浄されるが、本発明はこれに限定されない。基板Wの洗浄条件によっては、基板Wの裏面周縁部の内側の領域が洗浄された後、基板Wの裏面周縁部および外周端部が洗浄されてもよい。
【0152】
(10−3)上記実施の形態においては、基板Wの裏面周縁部の洗浄時にブラシ514に洗浄液が供給されるが、本発明はこれに限定されない。基板Wの洗浄条件によっては、ブラシ514による基板Wの洗浄時にブラシ514に洗浄液が供給されなくてもよい。この場合、ノズル515を設ける必要がなくなる。
【0153】
(10−4)上記実施の形態においては、基板Wの裏面周縁部よりも内側の領域の洗浄時にブラシ524に洗浄液が供給されるが、本発明はこれに限定されない。基板Wの洗浄条件によっては、ブラシ524による基板Wの洗浄時にブラシ524に洗浄液が供給されなくてもよい。この場合、ノズル525を設ける必要がなくなる。
【0154】
(10−5)上記実施の形態においては、基板Wの裏面周縁部の洗浄時にブラシ514がブラシモータ513により回転されるが、本発明はこれに限定されない。基板Wの洗浄条件によっては、基板Wの裏面周縁部の洗浄時にブラシ514を回転させなくてもよい。この場合、第1の裏面洗浄機構510にブラシモータ513を設ける必要がなくなる。
【0155】
(10−6)上記実施の形態においては、基板Wの裏面周縁部の洗浄時にブラシ514の一部が基板Wの外周端部に接触するように設けられることにより、基板Wの裏面周縁部と外周端部とが同時に洗浄されるが、本発明はこれに限定されない。ブラシ514に加えて、基板Wの外周端部のみを洗浄するための他のブラシが設けられてもよい。
【0156】
(10−7)上記実施の形態においては、基板Wの裏面周縁部および外周端部を洗浄するためのブラシ514と基板Wの裏面周縁部よりも内側の領域を洗浄するためのブラシ524とが個別に設けられるが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2の裏面洗浄機構520のブラシ524を、基板Wの裏面周縁部および外周端部の洗浄と基板Wの裏面周縁部よりも内側の領域の洗浄とに兼用してもよい。この場合、基板Wの洗浄に用いるブラシの数を低減することができる。
【0157】
(10−8)上記実施の形態では、複数の昇降ピン723の上端部に気体を噴射するために円環状の気体噴射機構730が用いられるが、本発明は上記の例に限定されない。複数の昇降ピン723の上端部に気体を噴射するための構成としては、例えば複数の昇降ピン723の上端部にそれぞれ気体を噴射可能な複数の気体噴射ノズルが設けられてもよい。
【0158】
(10−9)上記実施の形態では、スピンチャック洗浄機構530にブラシ534に洗浄液を供給するノズルが設けられないが、本発明はこれに限定されない。例えば、スピンチャック洗浄機構530のアーム533に、ブラシ534に向かって洗浄液を吐出可能なノズルが設けられてもよい。
【0159】
(10−10)上記の実施の形態では、塗布処理室32,34において塗布処理ユニット129により基板W上にレジストカバー膜が形成されるが、本発明は上記の例に限られない。塗布処理室21,23において耐水性を有するレジスト膜が形成される場合には、塗布処理室32,34において基板W上にレジストカバー膜が形成されなくてもよい。なお、基板W上にレジストカバー膜が形成されない場合、塗布処理室32,34においてレジスト膜の形成処理または現像処理等の他の処理が行われてもよい。
【0160】
(11)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0161】
上記実施の形態においては、下部スピンチャック400が第1の基板保持装置の例であり、上部スピンチャック600が第2の基板保持装置の例であり、受渡機構720が受渡機構の例であり、第1の裏面洗浄機構510が第1の洗浄機構の例であり、第2の裏面洗浄機構520が第2の洗浄機構の例であり、吸着保持部430が吸着保持部の例であり、スピンモータ410が第1の回転駆動部の例であり、第1の裏面洗浄機構510のブラシ514が第1のブラシの例である。
【0162】
また、スピンプレート612が回転部材の例であり、スピンモータ611が第2の回転駆動部の例であり、複数のチャックピン615が当接保持部の例であり、第2の裏面洗浄機構520のブラシ524が第2のブラシの例であり、基板処理装置100が基板処理装置の例である。
【0163】
また、第1の裏面洗浄機構510のノズル515が第1の洗浄液供給部の例であり、第2の裏面洗浄機構520のノズル525が第2の洗浄液供給部の例であり、制御部114が制御部の例であり、回転軸420が回転軸の例であり、複数の吸引経路436が吸引経路の例である。
【0164】
また、スピンチャック洗浄機構530が第3の洗浄機構の例であり、スピンチャック洗浄機構530のブラシ534が第3のブラシの例であり、表面洗浄機構540が第4の洗浄機構の例であり、表面洗浄機構540のノズル544が第3の洗浄液供給部の例であり、複数の昇降ピン723が受渡支持部の例であり、気体噴射機構730が気体噴射装置の例である。
【0165】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の構成要素を用いることもできる。
(12)参考形態
(a)本参考形態に係る基板処理装置は、第1の基板保持装置と、第1の基板保持装置の上方に設けられる第2の基板保持装置と、第1の基板保持装置と第2の基板保持装置との間で基板の受渡を行う受渡機構と、基板の下面を洗浄する第1および第2の洗浄機構とを備え、第1の基板保持装置は、鉛直軸の周りで回転可能に構成されるとともに、基板の下面中央部を吸着する吸着保持部と、吸着保持部を回転させる第1の回転駆動部とを含み、第1の洗浄機構は、吸着保持部により保持された状態で回転される基板の下面周縁部を洗浄する第1のブラシを含み、第2の基板保持装置は、鉛直軸の周りで回転可能に構成された回転部材と、回転部材を回転させる第2の回転駆動部と、回転部材の下方に配置される基板の外周端部に当接することにより基板を保持する当接保持部とを含み、第2の洗浄機構は、当接保持部により保持された状態で回転される基板の下面のうち下面周縁部よりも内側の領域を洗浄する第2のブラシを含むものである。
その基板処理装置においては、第1の基板保持装置の吸着保持部が基板の下面中央部を吸着することにより基板が保持される。この状態で、第1の回転駆動部により回転される基板の下面周縁部が第1のブラシにより洗浄される。この場合、吸着保持部による基板の保持位置と第1のブラシによる基板の洗浄位置とが離間するので、吸着保持部と第1のブラシとが干渉しない。それにより、吸着保持部と第1のブラシとの干渉を防止するために、基板の保持位置を変更する必要がない。また、保持位置の変更による基板の位置ずれも生じない。したがって、基板の下面周縁部を第1のブラシにより均一に洗浄することができる。
また、第2の基板保持装置の当接保持部が基板の外周端部に当接することにより基板が保持される。この状態で、第2の回転駆動部により回転される基板の下面周縁部よりも内側の領域が第2のブラシにより洗浄される。この場合、当接保持部による基板の保持位置と第2のブラシによる基板の洗浄位置とが離間するので、当接保持部と第2のブラシとが干渉しない。それにより、当接保持部と第2のブラシとの干渉を防止するために、基板の保持位置を変更する必要がない。また、保持位置の変更による基板の位置ずれも生じない。したがって、基板の下面周縁部よりも内側の領域を第2のブラシにより均一に洗浄することができる。
第1の基板保持装置と第2の基板保持装置との間では、受渡機構により基板の受渡が行われる。それにより、基板の下面全体を第1のブラシおよび第2のブラシにより均一に洗浄することが可能になる。
(b)第1の洗浄機構は、第1のブラシを用いた下面周縁部の洗浄時に、第1のブラシに洗浄液を供給する第1の洗浄液供給部をさらに含み、第2の洗浄機構は、第2のブラシを用いた下面周縁部よりも内側の領域の洗浄時に、第2のブラシに洗浄液を供給する第2の洗浄液供給部をさらに含んでもよい。
この場合、第1のブラシにより基板の下面周縁部から除去される汚染物質が洗浄液により洗い流される。また、第2のブラシにより下面周縁部よりも内側の領域から除去される汚染物質が洗浄液により洗い流される。したがって、第1および第2のブラシにより除去された汚染物質が基板に再付着することが防止される。それにより、洗浄後の基板の清浄度が向上される。また、第1および第2のブラシの清浄度の低下が抑制される。
(c)基板処理装置は、第1の基板保持装置、第2の基板保持装置、第1の洗浄機構、第2の洗浄機構および受渡機構を制御する制御部をさらに備え、制御部は、第2の洗浄機構により基板の下面が洗浄される間、吸着保持部が回転されるように第1の回転駆動部を制御してもよい。
上記の構成においては、第2の基板保持装置により基板が保持された状態で第2の洗浄機構により基板の下面が洗浄される場合に、第2のブラシにより除去された汚染物質が第1の基板保持装置の吸着保持部上に落下する。このとき、吸着保持部が回転されるので、吸着保持部上に落下する汚染物質が遠心力により吸着保持部から振り切られる。その結果、吸着保持部への汚染物質の付着が抑制される。
(d)第1の回転駆動部は、上方に向かって延びるように設けられる中空の回転軸を含み、吸着保持部は、吸引経路を有するとともに回転軸の上端部に取り付けられ、吸引経路は、回転軸の内部空間から斜め上方に傾斜して延びるとともに吸着保持部の上面に開口してもよい。
このような構成により、第2の洗浄機構による基板の洗浄時に吸着保持部の上面上の開口から吸引経路に水分または汚染物質等の異物が進入しても、吸着保持部が回転されることにより、その異物が遠心力により吸引経路から排出される。したがって、第1の回転駆動部の内部への異物の進入が防止される。
(e)基板処理装置は、第3のブラシを有するとともに第3のブラシにより吸着保持部の上面を洗浄する第3の洗浄機構をさらに備えてもよい。
この場合、吸着保持部の上面に付着する汚染物質が第3のブラシにより除去される。したがって、吸着保持部から基板の下面中央部への汚染物質の転写が防止される。
(f)基板処理装置は、第3の洗浄液供給部を有するとともに第3の洗浄液供給部から吸着保持部の上面に洗浄液を供給する第4の洗浄機構をさらに備えてもよい。
この場合、吸着保持部の上面に付着する汚染物質が第3の洗浄液供給部から供給される洗浄液により洗い流される。したがって、吸着保持部から基板の下面中央部への汚染物質の転写が防止される。
(g)受渡機構は、基板を支持した状態で、第1の基板保持装置と第2の基板保持装置との間を鉛直方向に移動可能に構成された受渡支持部を含み、受渡支持部は、基板の下面中央部と下面周縁部との間の領域に当接することにより基板を支持する上端部を有し、基板処理装置は、第2の洗浄機構により基板の下面が洗浄される間、第2の基板保持装置の下方の位置で受渡支持部の上端部に気体を噴射する気体噴射装置をさらに備えてもよい。
上記の構成においては、第2の基板保持装置により基板が保持された状態で第2の洗浄機構により基板の下面が洗浄される場合に、第2のブラシにより除去された汚染物質が受渡支持部の上端部上に落下する。このとき、受渡支持部の上端部に気体が噴射されるので、受渡支持部の上端部上に落下する汚染物質が気体により吹き飛ばされる。その結果、受渡支持部の上端部から基板の下面への汚染物質の転写が防止される。
(h)第1のブラシは、第1の基板保持装置により保持された状態で回転される基板の外周端部に接触することにより外周端部を洗浄可能に構成されてもよい。
この場合、基板が第1の基板保持装置により保持された状態で、第1のブラシにより基板の下面周縁部に加えて外周端部が洗浄される。それにより、追加のブラシを設けることなく基板の下面周縁部と外周端部とを同時に洗浄することができる。